実 践 発 表 1 英 語 でつなぐ 小 中 一 貫 教 育 ~ いつか 使 える 英 語 から 今 使 える 英 語 を 目 指 して~ 発 表 者 奈 良 市 立 富 雄 第 三 小 中 学 校 平 谷 百 合 子 先 生 大 田 清 美 先 生 友 田 由 妃 先 生 3 年 前 から 施 設 一 体 型 小 中 一 貫 教 育 校 として 歩 んでこられた 奈 良 市 立 富 雄 第 三 小 中 学 校 の 友 田 由 妃 先 生 大 田 清 美 先 生 平 谷 百 合 子 先 生 より 英 語 でつなぐ 小 中 一 貫 教 育 ~ いつか 使 える 英 語 から 今 使 える 英 語 を 目 指 して~ というテーマで 実 践 報 告 をしていただきました まず 最 初 に 小 学 部 の 低 学 年 では 英 語 での 簡 単 なことばや 表 現 に 慣 れ 親 しむことを 目 標 とし 読 み 聞 かせ ゲーム 歌 や 英 会 話 体 操 などを 取 り 入 れて 楽 しいインプットに より 英 語 表 現 に 触 れ それらを 繰 り 返 し 行 うことでその 定 着 を 図 っている 中 高 学 年 では Hi, Friends! のトピックスや 使 用 語 彙 を 基 本 に 友 達 や ALT とのコミュニケー ション 活 動 を 中 心 に 行 い 互 いに 学 び 合 い 助 け 合 いながら 学 習 に 取 り 組 めるように ペアワークやグループワークも 多 く 取 り 入 れている 各 学 年 で 英 語 の 絵 本 を 作 ったり 英 語 劇 を 作 成 して 発 表 したりしている また 5,6 年 生 から 始 まる 外 国 語 科 や 中 学 部 で の 英 会 話 科 とのスムーズな 接 続 を 図 るために それぞれの 指 導 者 が 指 導 内 容 を 共 有 す るために 小 中 合 同 で 研 修 を 行 っている また 中 学 部 では 学 んだ 英 語 をできるだけ 使 うことを 目 標 に ALT と 共 にペアワーク スピーチ ゲームなど 様 々な 活 動 を 取 り 入 れ ながら 進 めているとの 報 告 がありました 小 学 部 高 学 年 の 外 国 語 科 ではそれまでの 英 会 話 科 の 話 す 聞 く 中 心 の 内 容 に 加 え 中 学 部 の 外 国 語 科 へのスムーズな 移 行 を 目 的 として 文 字 に 慣 れ 親 しむ 活 動 を 取 り 入 れ ローマ 字 やフォニックス 基 礎 的 な 英 単 語 や 簡 単 な 英 文 を 読 んだり 書 いたり することにも 重 点 を 置 いている また 中 学 部 の 外 国 語 科 では 聞 く 話 す 読 む 書 く の 言 葉 の 4 技 能 をバランスよく 高 めるよう それぞれの 技 能 を 単 独 ではなく 聞 いて 書 く 書 いて 話 す 聞 いて 読 む 聞 いて 話 す など 様 々な 技 能 を 関 連 させた 活 動 を 積 極 的 に 取 り 入 れていることが 説 明 されました また 奈 良 市 立 一 条 高 校 外 国 語 科 の 生 徒 による 出 前 授 業 やオーストラリアの 小 中 一 貫 教 育 校 であるハリソンスクールとの 交 流 の 様 子 や 休 み 時 間 に 子 供 たちを 集 め 担 当 教 員 と ALT で 英 語 に 慣 れ 親 しむ Fun English Time のお 話 がありました 最 後 に 成 果 として 1コミュニケーションを 図 ろうとする 意 欲 の 向 上 2 英 語 を 聞
きとる 力 の 向 上 3 英 語 で 書 くこと への 意 欲 と 力 の 向 上 を 挙 げられていまし た 自 己 紹 介 や 日 常 生 活 にかかわる 会 話 賛 否 分 かれる 問 題 に 対 して 自 分 の 立 場 を 決 めて 自 分 なりの 主 張 ができる 生 徒 を 育 てること 児 童 生 徒 が 英 語 を 使 って 積 極 的 に 人 と 会 話 していく 姿 勢 を 養 うことが 9 年 間 通 して 目 指 している 努 力 目 標 であると 説 明 されました これから 全 学 年 を 通 しての 目 標 をより 明 確 化 し 9 年 間 を 通 して 生 徒 にどのような 英 語 の 力 をつけていくのか その 目 標 達 成 に 向 け どのようなカリキュラムを 立 てて いくのか の 2 点 を 研 究 課 題 として 自 分 の 考 えや 思 いを 簡 単 な 英 語 で 伝 えることが できる 児 童 生 徒 を 小 中 協 働 して 育 てていきたいとの 報 告 がありました 質 疑 応 答 では どのようにして 単 語 を 覚 えさせるのか に 対 して 小 学 部 ではとに かく 見 て 聞 いて 話 しての 繰 り 返 しです 中 学 部 では 会 話 の 中 に 取 り 入 れることで 定 着 を 図 ります 小 学 部 の 教 員 の 英 語 力 はどのようにしているのか に 対 して 教 師 間 でも 意 識 し て 英 語 を 使 うように 努 力 をしています また 小 中 合 同 での 研 修 も 行 っています 全 般 を 通 して 小 中 一 貫 教 育 校 ならではの 英 語 教 育 の 様 子 を 映 像 をまじえてわかりや すく 話 して 頂 き 外 国 語 教 育 におけるインプットの 大 切 さや 4 技 能 を 関 連 させた 活 動 の 必 要 性 を 再 認 識 することができました とても 有 意 義 な 時 間 を 持 つことができたと 思 いました
実 践 発 表 2 小 中 一 貫 の 英 語 教 育 の 在 り 方 を 模 索 して ~2 小 1 中 施 設 分 離 型 の 小 中 一 貫 教 育 の 取 組 ~ 発 表 者 奈 良 市 平 城 西 中 学 校 髙 﨑 恵 美 先 生 平 成 27 年 度 から 奈 良 市 では 小 中 一 貫 教 育 の 全 市 展 開 が 行 われることとなっており 平 成 17 年 度 より 平 城 西 中 学 校 区 は2 小 学 校 1 中 学 校 施 設 分 離 型 の 小 中 一 貫 教 育 推 進 パイロット 校 となっています 今 回 は 小 中 一 貫 の 英 語 教 育 の 在 り 方 を 模 索 して と 題 して 大 きく2つのテーマで お 話 があり 1つは 校 区 での 小 中 一 貫 教 育 の 流 れの 説 明 もう1つは 英 会 話 の 授 業 を 軸 に 小 学 校 英 語 の 取 組 についての 発 表 でした 平 城 西 中 学 校 の 小 中 一 貫 教 育 でめざす 子 ども 像 は 確 かなつながりの 中 で 自 ら 学 び 続 ける 心 豊 かな 子 であり その 実 現 のために1 確 かな 学 力 2 豊 かな 心 3 健 やか な 体 を3 本 の 柱 と 定 め 小 中 協 働 の 取 組 を 進 めている 特 に 確 かな 学 力 をつけさせ るための 取 組 として 新 しく 設 定 した3 教 科 郷 土 奈 良 科 ( 小 学 校 5 年 から) 英 会 話 科 ( 小 学 校 1 年 から) 情 報 科 ( 小 学 校 3 年 生 から)の 学 習 に 研 究 開 発 を 行 っている ( 新 設 3 教 科 は 総 合 的 な 学 習 の 時 間 外 国 語 活 動 等 の 時 間 を 充 てることで 実 施 そ れ 以 外 は 新 学 習 指 導 要 領 の 標 準 時 間 で 行 う) 新 設 3 教 科 を 中 心 に 小 中 協 働 して 学 びを 創 り つなぎ 国 際 文 化 観 光 都 市 奈 良 の 将 来 をたくましく 切 り 拓 く 子 どもの 育 成 伝 統 と 文 化 を 受 け 継 ぎ 郷 土 愛 を 育 て 世 界 に 発 信 する 子 どもの 育 成 を 目 指 している と 説 明 がありました 具 体 的 な 取 組 子 ども 達 が 交 流 し 主 体 的 に 学 ぶ 機 会 をもつ ( 児 童 会 生 徒 会 活 動 部 活 動 運 動 会 で) 小 学 校 教 員 による 中 学 校 新 一 年 生 の 授 業 参 観 小 学 校 から 中 学 校 へのスムーズな 連 携 のために 学 びのてびき を 作 成 し 中 学 校 での 生 活 や 学 習 での 様 々な 注 意 事 項 を 丁 寧 に 説 明 する 6 年 生 にむけて11 月 に 配 布 3 回 に 分 けて 内 容 を 説 明 する 機 会 を 作 る 家 庭 学 習 のてびき も 配 布 地 域 にも 一 貫 教 育 を 理 解 してもらうため 中 学 校 区 小 中 一 貫 教 育 だよりを 配 布 英 語 教 育 に 関 しては 生 徒 たちに 力 試 しとして 中 学 校 で 年 3 回 英 検 を 受 検 する 機 会 を 作 っている ( 小 学 生 も 挑 戦 している ) 小 中 実 務 者 会 を 月 に1 回 開 催 それとは 別 に 英 語 担 当 者 部 会 も 開 催 している
学 校 全 体 でも 学 校 内 での 研 修 を 充 実 させることを 行 っている 研 修 方 法 は 教 師 が お 互 いの 授 業 を 見 合 い 授 業 研 究 をする 今 年 は 夏 期 休 業 中 に 他 教 科 担 当 も 含 め 小 中 の 全 教 師 合 同 で 英 語 教 育 合 同 研 修 会 を 実 施 した 他 教 科 との 合 科 授 業 の 取 組 として 家 庭 科 と 英 語 科 の 教 員 が 共 同 して 英 語 でクッキング の 授 業 をつくり オールイングリッシュで 調 理 実 習 にチャレンジさせている 研 究 の 成 果 新 設 3 教 科 は 特 に 小 中 協 働 するいい 機 会 となった 小 中 での 情 報 の 共 有 は 大 切 で 目 指 す 子 ども 像 の 共 通 認 識 を 持 てたことは 大 きい 問 題 行 動 等 の 減 少 など 落 ち 着 いた 教 育 環 境 が 整 った 英 会 話 科 や 情 報 科 の 学 習 の 積 み 重 ねによる 成 果 が 見 られた 小 中 教 科 部 会 等 の 計 画 的 な 実 施 により 小 中 連 携 の 取 組 を 積 極 的 に 行 えた 小 中 お 互 いの 良 さを 学 びあうことにより 授 業 力 を 向 上 させる 気 運 が 高 まり 確 かな 学 力 の 育 成 が 実 感 できた 保 護 者 および 学 校 園 支 援 ボランティアとの 連 携 体 制 が 整 ってきた 小 中 協 動 の 取 組 が 着 実 な 学 力 向 上 につながった 今 後 の 課 題 英 会 話 科 および 情 報 科 などへの 人 的 支 援 会 議 や 連 絡 会 が 多 くなることによる 子 どもと 向 き 合 う 時 間 の 減 少 ( 校 務 用 パソコ ンの 活 用 による 情 報 共 有 ) 小 中 一 貫 の 取 組 で 大 事 なのは 何 か 問 題 課 題 が 見 つかったときに 小 中 で 協 力 して 取 り 組 んでいくことで 困 ったときには 人 に 頼 ってよく 人 と 人 のつながりが 大 事 だということを 皆 が 認 識 して 取 り 組 んでいる という 言 葉 が 印 象 的 でした 英 語 ( 小 学 校 英 会 話 )の 取 組 について 小 中 英 語 担 当 者 が 集 まって 会 議 をしている 授 業 案 作 成 に 関 しては 小 中 の 教 師 が 集 まる 機 会 も 限 られているので 時 間 を 有 効 に 活 用 するための 工 夫 として 翌 月 の 指 導 案 は 奈 良 市 のフォルダーに 入 れ だれでもいつでも 見 られるようにし ている 指 導 計 画 の 検 討 Can-Doリストの 作 成 を 行 っている ALT 中 学 校 英 語 担 当 小 学 校 担 任 小 学 校 英 語 担 当 ( 英 語 専 科 ) の4 人 でき め 細 かな 指 導 をしている つまずきの 早 期 発 見 に 役 立 っている ( 今 まではALT は 中 学 校 をベースに 動 いていたが 今 後 は 専 科 の 先 生 のいる 右 京 小 学 校 をベース にする 中 学 校 から 小 学 校 への 英 語 の 授 業 入 り 込 みも 来 年 度 からはなくなり 小 学 校 の 担 任 を 中 心 とした 英 語 の 授 業 へ 切 り 替 えていく )
小 学 校 1 年 生 から 音 声 のインプットを 進 め 聞 く 話 すという 言 語 活 動 を 重 視 し ている 小 学 校 での 積 み 重 ねにより 中 学 校 では 話 す 聞 く 活 動 がとてもやりやす くなっている 小 学 校 での 豊 かな 音 声 インプットを 中 学 校 でどのように 生 かして いくのかは 今 後 とも 研 究 課 題 である 中 学 校 での 授 業 の 内 容 も 講 義 中 心 のものか ら グループワークや 発 表 を 取 り 入 れた 活 動 に 変 えようとしている 文 字 の 指 導 については 小 学 校 で 何 をどのような 段 階 で 導 入 するのかも 検 討 課 題 である 質 疑 応 答 では 英 語 の 嫌 いな 生 徒 はいるのか という 問 いに 対 して 85% 以 上 の 児 童 生 徒 が 好 き または 英 語 学 習 は 大 切 と 肯 定 的 にとらえていると 回 答 小 学 校 での 先 取 りの 支 障 はあるか ということについては 小 中 で 同 じような 活 動 を 取 り 入 れる 場 合 であっても 難 易 度 や 完 成 度 を 変 えることによってマンネ リ 化 せずスパイラル 学 習 ができている 同 じフレーズを 使 うときでも 小 学 校 では 日 本 語 を 交 えて 言 っても 良 いとし 中 学 校 では 英 語 のみにするなど 対 応 してい る 小 学 校 は 年 間 35 時 間 しか 英 語 の 時 間 がないので たとえ 同 じような 内 容 を 繰 り 返 すことになっても 飽 きずに むしろよい 復 習 になっていると 言 える 英 語 のパスポート を 授 業 に 持 参 し 活 動 ができたらシールやスタンプをもらえ るなど 授 業 への 積 極 的 な 参 加 を 促 している 毎 回 授 業 の 最 後 に 振 り 返 りシート を 記 入 させている 研 究 発 表 質 疑 応 答 とも 時 間 いっぱいまで 行 われ 非 常 に 活 発 な 交 流 となりました 2 小 学 校 1 中 学 校 が 連 携 して 多 忙 の 中 にも 小 中 教 師 間 の 連 絡 を 効 率 よく 充 分 に 取 り 授 業 研 究 から 日 々の 連 携 授 業 へと 充 実 した 取 組 が 進 められるなどの 創 意 工 夫 が 見 られ ました 来 年 度 からの 奈 良 市 小 中 一 貫 の 全 市 展 開 がとても 楽 しみです 小 学 校 におけ る 英 語 活 動 推 進 の 動 きにあわせて 今 後 ますます 小 中 学 校 の 連 携 が 大 切 となり より 長 いスパンでの 取 組 を 見 据 えた 中 学 校 英 語 授 業 の 在 り 方 を 考 えていかなければなり ません これからの 英 語 授 業 改 革 に 学 ぶべきことが 多 い 研 究 発 表 となりました
記 念 講 演 小 中 連 携 と 英 語 授 業 改 革 スムーズな 小 中 接 続 のために やめるべき 問 題 のある 指 導 と 行 うべき あまり 行 われていない 指 導 京 都 外 国 語 大 学 教 授 鈴 木 寿 一 小 中 連 携 の 実 態 について 2011 年 度 時 点 での 調 査 ( 文 部 科 学 省 )では 調 査 対 象 (9,930 校 中 )の 47%の 小 学 校 が 何 らかの 形 で 小 中 連 携 を 実 施 している と 答 えている また 連 携 実 施 小 学 校 (4,696 校 中 )の 29%の 小 学 校 が 研 究 授 業 の 参 観 と 協 議 ( 年 2 3 回 )を 実 施 している と 答 えている 小 中 連 携 の 限 界 中 学 一 年 生 の 戸 惑 い 調 査 より 2012 年 5 月 上 旬 に 大 阪 府 内 の 中 学 校 4 校 の 一 年 生 ( 有 効 回 答 者 数 469 名 )に 以 下 の 質 問 1~3をしたところ 次 のような 結 果 が 出 ている 質 問 1 中 学 校 の 英 語 授 業 についてどう 感 じますか 小 学 校 の 授 業 とはとても 違 う 377 名 (80.3%) 違 う 72 名 (15.4%) 合 計 449 名 (95.7%) 質 問 2 小 学 校 の 授 業 と 違 うことで 戸 惑 いを 感 じますか 戸 惑 う 395 名 (84.2%) 質 問 3 どんなことに 戸 惑 いを 感 じますか 文 法 が 難 しい 聴 いたり 話 したりする 時 間 が 少 ない ずっと 座 ったまま で 退 屈 単 語 や 文 を 口 に 出 す 回 数 が 少 ない 単 語 を 書 くことができない 説 明 :よくわからない 長 い プリントやワークブック: 難 しい おもし ろくない 小 中 連 携 の 必 要 性 小 中 接 続 の 主 役 は 中 学 校 であるとのことでした 理 由 としては 小 学 校 の 指 導 法 改 善 には 限 界 があるからだそうです 具 体 的 なものとして 授 業 時 間 数 が 少 ないことと 教 員 に 関 わる 問 題 ( 英 語 力 や 英 語 指 導 力 )が 挙 げられていました 対 処 法 としては 中 学 校 での 指 導 を 工 夫 して 外 国 語 活 動 を 経 験 した 生 徒 が 入 学 後 に 戸 惑 いを 感 じ ないで 学 習 できるようにする 必 要 があるとのことでした スムーズな 小 中 接 続 を 目 指 すための 授 業 のあり 方 1 音 声 重 視 2 意 味 と 音 声 を 結 びつける 指 導 (TPR の 活 用 )
3 意 味 理 解 後 に 多 様 で 大 量 の 音 読 指 導 4 音 読 できるようになってから 書 かせる 5 文 の 一 部 を 変 えて 自 分 の 言 いたい( 書 きたい)ことを 言 わせる( 書 かせる) やめるべき 指 導 から 行 うべき 指 導 へ やめるべき 指 導 の 例 と 行 うべき 指 導 の 例 を 提 示 しながら 説 明 してくださいました 具 体 的 な 指 導 例 としては 以 下 のものがありました 1 教 科 書 本 文 の 書 写 予 習 はさせるべきではない 本 文 書 写 は 復 習 や 宿 題 として 課 す 単 に 書 き 写 すよ り Read and look up Say Write Check Correct の 方 法 で 書 き 写 す 2 単 語 の 意 味 調 べ 予 習 はさせるべきではない 授 業 でフラッシュカード 語 彙 リスト 絵 や 写 真 実 物 TPR による 語 彙 指 導 が 効 果 的 である 3 本 文 の 和 訳 これもまた 予 習 でさせるべきではない 繰 り 返 し 本 文 を 聴 かせたり 読 ませたり して 内 容 を 理 解 させることが 大 切 であり それにあたっては 文 構 造 を 説 明 し ながら 練 習 させ 文 構 造 の 理 解 後 必 要 なら 和 訳 させるのが 効 果 的 である 4 文 法 指 導 具 体 から 抽 象 へ(TPR による 指 導 ) 生 徒 とインタラクションしながらの talk による 文 法 指 導 状 況 を 設 定 した 短 い 英 文 による 文 法 指 導 語 形 変 化 を 伴 う 語 句 整 序 問 題 による 指 導 という 順 序 での 指 導 が 効 果 的 である 5 板 書 事 項 のノートへの 書 写 時 間 の 無 駄 である なぜなら 板 書 事 項 を 書 き 写 したノートは 定 期 考 査 終 了 後 は 活 用 されないからである 板 書 は 英 語 を 引 き 出 すために 行 うべきであり 重 要 事 項 はプリントして 配 布 するのがよい そして 浮 いた 時 間 を 四 技 能 の 練 習 やコ ミュニケーション 活 動 に 充 てる 6 説 明 と 和 訳 説 明 と 和 訳 に 頼 った インプットやインテイクのための 活 動 が 少 ない 授 業 はやめ 簡 潔 な 説 明 をすべきである 少 し 説 明 しては 練 習 させる 文 構 造 の 説 明 はプリン トにして 配 布 するのがよい そして インプットやインテイクのための 活 動 が 多 い 授 業 (ラウンド 制 指 導 法 )をすべきである 7 教 科 書 本 文 教 科 書 本 文 を 大 切 にした 授 業 が 大 切 である 事 実 発 問 推 論 発 問 評 価 発 問 を 与
えて 本 文 を 繰 り 返 し 聴 かせたり 読 ませたり 音 読 させたりする (ラウンド 制 指 導 法 ) 8アウトプット 十 分 にインプットとインテイクの 活 動 を 行 っていることを 前 提 とし 必 ずアウト プット 授 業 を 行 う アウトプット 活 動 は 再 生 から 産 出 へ (ラウンド 制 指 導 法 ) ここに 出 てきたラウンド 制 指 導 法 とは 次 の(1)~(3)を 目 指 す 指 導 法 である (1) 多 様 な 方 法 を 用 いて いろいろな 角 度 からひとつの 教 材 を 学 習 させ 言 語 コ ミュニケーションの 基 礎 となる 言 語 処 理 能 力 を 向 上 させる (2) 四 技 能 をバランスよく 伸 ばさせる (3) 英 語 によるコミュニケーション 力 と 入 試 に 対 応 できる 英 語 力 の 育 成 TPR による 指 導 手 順 行 うべき 指 導 について TPR による 指 導 を 提 示 してくださいました 手 順 としては 1 前 時 の 復 習 前 回 に 学 習 した 英 文 を 教 師 が 提 示 して 生 徒 に 動 作 させる 生 徒 ができない 時 は 教 師 がモデルを 示 す 2 学 習 する 英 文 の 提 示 本 時 のポイントと 新 語 を 含 んだ 文 を 口 頭 で 提 示 し 何 % ぐらい 理 解 できたか 尋 ね その 理 解 度 を 記 録 させる 授 業 の 終 わりには 今 提 示 した 文 が 全 部 理 解 できるようになる と 予 言 する 3 練 習 教 師 が 命 令 文 を 言 い 教 師 が 動 作 をして その 動 作 のみ 生 徒 に 真 似 をさ せる 教 師 が 命 令 文 を 言 ってすぐに 動 作 に 移 らず 自 分 の 動 作 を 意 図 的 に 少 し 遅 らせて 生 徒 たちが 教 師 よりも 早 く 動 作 を 始 めることができるかを 確 かめ る 教 師 は 動 作 をしないで 命 令 文 を 言 い 生 徒 だけで 反 応 させる 確 実 に 反 応 できるようになったら 別 の 生 徒 を 指 名 して 練 習 を 続 ける 4まとめ 最 初 に 学 習 した 英 文 を 再 度 口 頭 で 提 示 し どのくらい 理 解 できるか を 記 録 させ 最 初 の 記 録 と 比 べさせる 新 出 英 文 を 印 刷 したプリントを 配 布 し 音 読 練 習 を 行 う ( 学 習 が 進 んだ 段 階 または 生 徒 から 希 望 があれば) 生 徒 に 発 話 させ( 英 文 を 音 読 させ) その 内 容 を 教 師 または 他 の 生 徒 が 演 じる (この 活 動 は 次 の 時 間 に 復 習 として 行 ってもよい ) で 上 記 の 順 に 指 導 すると 生 徒 の 英 語 力 を 伸 ばす 大 きな 材 料 になるとお 話 されまし た 日 本 人 学 習 者 に 対 する TPR の 効 果 TPR の 指 導 の 効 果 として 大 きな 生 徒 の 変 容 として 以 下 のものがあげられる
1 英 語 嫌 いの 生 徒 の 減 少 や 英 語 が 苦 手 な 生 徒 の 英 語 学 習 に 対 する 姿 勢 の 改 善 2TPR よる 指 導 を 中 学 一 年 生 時 の 一 年 間 受 けた 生 徒 は 二 年 生 で 文 法 訳 読 機 械 的 口 頭 練 習 中 心 の 指 導 を 一 年 間 受 けても TPR の 指 導 を 一 年 時 の 一 学 期 間 しか 受 け なかった 生 徒 に 比 べて 四 技 能 で 優 れている 傾 向 がある 3 小 中 接 続 に TPR のほうが 従 来 の 指 導 法 より 有 効 英 語 ( 外 国 語 ) 活 動 が 週 2 回 行 われている A 小 学 校 出 身 者 と 英 語 ( 外 国 語 ) 活 動 が 週 1 回 行 われている B 小 学 校 出 身 者 を 対 象 にした 効 果 比 較 中 学 校 で 従 来 の 指 導 法 で1 年 間 指 導 された 生 徒 の 場 合 英 語 力 も 英 語 が 好 きな 生 徒 の 割 合 も A 小 学 校 出 身 者 より B 小 学 校 出 身 者 が 優 れていた 中 学 校 においてTPRで 指 導 法 で1 年 間 指 導 された 生 徒 の 場 合 英 語 力 も 英 語 が 好 きな 生 徒 の 割 合 も A 小 学 校 出 身 者 と B 小 学 校 出 身 者 の 間 には 差 がなかった まとめ 我 々 教 師 は 自 分 の 授 業 を 見 直 さなければならないのではないか 講 演 テーマにあ る やめるべき 問 題 のある 指 導 の 授 業 をしていないか やめるべき 問 題 のある 指 導 から 行 うべき だがあまり 行 われていない 指 導 へと 切 り 替 えていくことが これ からの 国 際 社 会 で 生 き 抜 く 子 どもを 育 成 することにつながるのである グローバル 人 材 育 成 のため 英 語 授 業 改 革 は 私 たち 英 語 教 員 の 使 命 なのである