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(3)モニタリング... 12 (4)アピールポイント... 12 Ⅴ 施 策 毎 の 評 価...15 1. 陸 域 負 荷 削 減 対 策...15 (1) 陸 域 からの 汚 濁 負 荷 の 削 減 のための 総 量 削 減 計 画 の 実 施 と 効 果 的 な 事 業 施 策 の 実 施... 15 1-1 総 量 削 減 計 画 の 着 実 な 実 施... 15 1-2 効 率 的 な 事 業 施 策 の 実 施... 18 (2) 汚 水 処 理 施 設 の 整 備 普 及 及 び 高 度 処 理 の 促 進... 19 2-1 下 水 道... 19 2-2 農 業 集 落 排 水 施 設... 21 2-3 浄 化 槽... 22 (3) 雨 天 時 における 流 出 負 荷 の 削 減... 23 (4) 河 川 の 浄 化 対 策... 24 (5) 面 源 から 発 生 する 汚 濁 負 荷 の 削 減... 25 5-1 森 林 の 整 備 保 全... 25 5-2 貯 留 浸 透 施 設 の 設 置... 26 (6) 浮 遊 ごみ 等 の 回 収... 26 (7) 新 たな 取 組... 27 2. 海 域 における 環 境 改 善 対 策...28 (1) 海 域 の 汚 濁 負 荷 の 削 減... 28 1-1 汚 泥 の 浚 渫 覆 砂 等 を 効 果 的 に 推 進... 28 1-2 浚 渫 土 砂 の 適 正 処 分 や 有 効 活 用 の 検 討... 29 1-3 海 面 を 漂 う 浮 遊 ゴミ 等 の 回 収... 30 1-4 NPOや 漁 業 者 等 によるゴミの 回 収... 31 (2) 海 域 の 浄 化 能 力 の 向 上... 32 2-1 干 潟 浅 場 等 の 整 備... 32 2-2 生 物 に 配 慮 した 港 湾 構 造 物 等 の 導 入... 33 2-3 深 掘 跡 の 埋 め 戻 し... 34 2-4 技 術 開 発 等... 34 3. 東 京 湾 のモニタリング...35 (1)モニタリングの 充 実... 35 (2)モニタリングデータの 共 有 化 及 び 発 信... 41 (3) 市 民 参 加 型 のモニタリング... 42 (4) 新 たな 取 組... 44 4-1 東 京 湾 一 斉 調 査 の 実 施 と 拡 大... 45 4-2 連 続 モニタリングポストの 展 開... 46 4-3 データ 公 開 に 向 けた 取 組... 47 (5) 今 後 取 り 組 むべき 課 題... 48 3

5-1 関 係 機 関 による 調 査 実 施 内 容 の 調 整 連 携... 49 5-2 水 環 境 モニタリング から 生 態 系 モニタリング への 進 化... 50 4.アピールポイントにおける 取 組...51 (1)いなげの 浜 ~ 幕 張 の 浜 周 辺... 51 (2) 三 番 瀬 周 辺... 52 (3) 葛 西 海 浜 公 園 周 辺... 53 (4)お 台 場 周 辺... 55 (5) 多 摩 川 河 口 周 辺... 56 (6)みなとみらい 21 周 辺... 57 (7) 海 の 公 園 八 景 島 周 辺... 59 5. 実 験 的 な 取 組...60 (1)お 台 場 における 都 の 水 質 浄 化 実 験... 60 (2) 定 期 フェリーによるモニタリング... 61 (3) 海 洋 短 波 レーダーによる 観 測... 62 (4) 海 外 との 交 流... 62 (5) 東 京 湾 における 水 質 予 測 の 高 度 化 に 関 する 試 み... 63 (6) 生 態 系 ネットワークに 関 する 調 査... 64 6. 多 様 な 主 体 との 連 携 による 東 京 湾 再 生 の 取 組...65 (1) 多 様 な 主 体 との 連 携 協 働 による 東 京 湾 再 生 の 推 進... 65 (2) 新 たな 取 組... 68 7. 行 動 計 画 のフォローアップ 等...69 (1) 行 動 計 画 のフォローアップ... 69 (2) 東 京 湾 再 生 推 進 会 議 によるイベント... 70 Ⅵ 東 京 湾 再 生 のための 取 組 に 関 する 外 部 意 見...74 1.パネルディスカッション( 主 な 意 見 )...74 (1) 総 論... 74 (2) 陸 域 対 策... 74 (3) 海 域 対 策... 74 (4)モニタリング... 74 (5)その 他... 75 2.アンケート( 主 な 意 見 )...75 3. 東 京 都 による 世 論 調 査...75 Ⅶ おわりに...77 4

Ⅰ はじめに 東 京 湾 再 生 推 進 会 議 は 平 成 13 年 12 月 4 日 に 内 閣 官 房 都 市 再 生 本 部 にお いて 決 定 された 都 市 再 生 プロジェクト 海 の 再 生 を 東 京 湾 において 推 進 す るための 協 議 機 関 として 平 成 14 年 2 月 5 日 に 設 置 された 設 置 当 初 の 構 成 メンバーは 七 都 県 市 首 脳 会 議 ( 当 時 )を 構 成 していた 地 方 自 治 体 ( 埼 玉 県 千 葉 県 東 京 都 神 奈 川 県 横 浜 市 川 崎 市 千 葉 市 ) と 関 係 省 庁 ( 国 土 交 通 省 海 上 保 安 庁 農 林 水 産 省 林 野 庁 水 産 庁 環 境 省 ) 及 び 内 閣 官 房 都 市 再 生 本 部 事 務 局 であったが 平 成 16 年 2 月 にさい たま 市 が 平 成 19 年 4 月 には 横 須 賀 市 が 加 わっている また その 後 七 都 県 市 首 脳 会 議 はさいたま 市 ( 平 成 15 年 )と 相 模 原 市 ( 平 成 22 年 )を 加 え て 九 都 県 市 首 脳 会 議 となり 平 成 19 年 10 月 には 都 市 再 生 本 部 事 務 局 が 地 域 活 性 化 統 合 事 務 局 に 再 編 されている 平 成 15 年 3 月 に 今 後 10 年 間 で 実 施 すべき 東 京 湾 の 水 環 境 改 善 のための 施 策 を 東 京 湾 再 生 のための 行 動 計 画 として 取 りまとめ 各 機 関 は 快 適 に 水 遊 びができ 多 くの 生 物 が 生 息 する 親 しみやすく 美 しい 海 を 取 り 戻 し 首 都 圏 にふさわしい 東 京 湾 を 創 出 する という 共 通 の 目 標 の 下 平 成 15 年 度 から 同 行 動 計 画 に 基 づく 取 組 を 実 施 してきたところである 具 体 的 な 取 組 は 大 きく 分 けて3つある まず 一 つ 目 は 将 来 的 な 負 荷 を 減 らすための 陸 域 からの 汚 濁 負 荷 削 減 方 策 である これは 下 水 道 対 策 農 業 集 落 排 水 施 設 や 浄 化 槽 等 の 各 種 生 活 排 水 処 理 施 設 の 整 備 河 川 の 浄 化 等 の 水 質 改 善 事 業 や 森 林 の 整 備 保 全 な どである 二 つ 目 は 既 に 汚 濁 の 進 んだ 海 を 綺 麗 にするために 実 施 する 海 域 におけ る 環 境 改 善 対 策 である これは 海 水 の 浄 化 能 力 を 高 めるための 干 潟 藻 場 の 再 生 創 造 汚 泥 の 除 去 や 底 質 の 改 善 等 である そして 三 つ 目 は 東 京 湾 の 水 質 環 境 を 把 握 し 水 質 改 善 施 策 の 効 果 を 評 価 するための 東 京 湾 の 環 境 モニタリング である また これらの 結 果 を 含 めた 環 境 情 報 を 市 民 に 分 かりやすく 提 供 することにより 市 民 の 環 境 保 全 への 意 識 の 向 上 や 水 質 改 善 への 自 主 的 な 取 組 を 促 してきた こうした 取 組 に 並 行 し 行 動 計 画 に 対 し 平 成 19 年 3 月 には 第 1 回 中 間 評 価 を 平 成 22 年 3 月 には 第 2 回 中 間 評 価 を 実 施 することで 各 機 関 の 施 策 の 進 捗 状 況 を 確 認 しつつ 行 動 計 画 の 見 直 しを 必 要 に 応 じて 行 ってきた 本 期 末 評 価 報 告 書 は 今 般 平 成 15 年 度 から 平 成 24 年 度 までの 10 年 間 に 及 ぶ 計 画 期 間 の 最 終 年 度 にあたって これまでの 取 組 状 況 とその 分 析 評 価 を 取 りまとめたものである また 一 定 の 成 果 は 得 られたものの 閉 鎖 性 海 域 である 東 京 湾 の 水 質 改 善 効 果 が 短 期 間 では 現 れにくい 特 性 に 鑑 み 引 き 続 き 取 組 の 継 続 が 決 定 された ことを 受 け 次 期 に 向 けた 行 動 計 画 の 策 定 を 視 野 に 入 れ 現 行 の 取 組 に 対 す る 改 善 提 案 も 盛 り 込 んだところである 5

Ⅱ 東 京 湾 再 生 のための 行 動 計 画 の 概 要 1. 東 京 湾 の 水 環 境 の 現 状 東 京 湾 は 後 背 地 に 大 きな 人 口 集 積 を 有 する 閉 鎖 性 海 域 であるため 湾 内 へ 流 入 する 窒 素 りん 等 による 富 栄 養 化 が 進 行 し 赤 潮 や 青 潮 等 の 発 生 がみら れ 生 息 生 物 に 悪 影 響 を 及 ぼしている 汚 濁 負 荷 量 を 発 生 源 別 にみると 生 活 系 の 汚 濁 負 荷 量 が7 割 近 くを 占 め COD( 化 学 的 酸 素 要 求 量 )の 環 境 基 準 達 成 率 は 昭 和 61 年 度 からほぼ 横 ばい 状 態 となっている また 干 潟 浅 場 などの 埋 立 により 生 物 が 棲 みやすい 環 境 や 自 然 浄 化 機 能 が 減 少 しているこ とや 漂 着 ゴミなど 沿 岸 域 の 環 境 の 悪 化 も 問 題 となっている 2. 東 京 湾 再 生 に 向 けての 目 標 (1) 目 標 の 設 定 生 態 系 を 回 復 し 多 くの 生 物 が 棲 みやすい 水 環 境 となるよう 環 境 の 保 全 再 生 創 造 を 図 り 自 然 と 共 生 した 首 都 圏 にふさわしい 東 京 湾 を 目 指 すため 次 の 目 標 を 設 定 した 快 適 に 水 遊 びができ 多 くの 生 物 が 生 息 する 親 しみやすく 美 しい 海 を 取 り 戻 し 首 都 圏 にふさわしい 東 京 湾 を 創 出 する この 目 標 の 達 成 状 況 を 判 断 するため 底 層 のDO( 溶 存 酸 素 量 )を 指 標 と し 具 体 的 な 目 標 を 年 間 を 通 して 底 生 生 物 が 生 息 できる 限 度 とした (2) 重 点 エリア 及 びアピールポイントの 設 定 特 に 重 点 的 に 再 生 を 目 指 す 海 域 として 重 点 エリアを 定 めるとともに 重 点 エリア 内 に 市 民 に 分 かりやすいアピールポイントを 選 択 し 各 ポイント 毎 に 改 善 施 策 を 講 じた 場 合 の 改 善 イメージを 示 した (3) 計 画 期 間 の 設 定 計 画 期 間 は 平 成 15 年 度 から 平 成 24 年 度 までの 10 年 間 とした 6

重 点 エリア 及 びアピールポイント お 台 場 周 辺 4 3 2 1 いなげの 浜 ~ 幕 張 の 浜 周 辺 5 6 三 番 瀬 周 辺 みなとみらい 21 周 辺 7 葛 西 海 浜 公 園 周 辺 海 の 公 園 八 景 島 周 辺 多 摩 川 河 口 周 辺 重 点 エリア アピールポイント 重 点 エリアの 範 囲 重 点 エリアの 考 え 方 横 浜 市 金 沢 区 から 千 葉 市 中 央 区 までの 海 岸 線 の 沖 合 い 東 京 湾 のうち 特 に 重 点 的 に 再 生 を 目 指 すエリア アピールポイントの 考 え 方 施 策 による 改 善 の 効 果 について 身 近 に 市 民 が 体 感 実 感 できる ような 場 所 ( 実 際 に 施 策 を 行 う 場 所 と 同 義 ではない)であり 施 策 の 効 果 が 端 的 に 評 価 できる 場 所 でもある 7

3. 目 標 達 成 のための 施 策 の 推 進 (1) 陸 域 負 荷 削 減 対 策 1-1 陸 域 からの 汚 濁 負 荷 の 削 減 のための 総 量 削 減 計 画 の 実 施 と 効 果 的 な 事 業 施 策 の 実 施 陸 域 からの 汚 濁 負 荷 削 減 のために 総 量 削 減 計 画 の 着 実 な 実 施 を 図 りな がら 各 事 業 施 策 を 効 率 的 に 実 施 する 1-2 汚 水 処 理 施 設 の 整 備 普 及 及 び 高 度 処 理 の 促 進 汚 水 処 理 施 設 の 整 備 普 及 を 図 るとともに 富 栄 養 化 防 止 のため 高 度 処 理 導 入 を 促 進 する 下 水 道 高 度 処 理 については 新 たに 概 ね 20 処 理 場 で の 供 用 開 始 を 目 指 す 1-3 雨 天 時 における 流 出 負 荷 の 削 減 雨 天 時 における 流 出 負 荷 の 削 減 を 図 る 概 ね 10 年 以 内 に 合 流 式 下 水 道 から 排 出 されるBOD( 生 物 化 学 的 酸 素 要 求 量 ) 汚 濁 負 荷 量 を 分 流 式 下 水 道 以 下 にする 1-4 河 川 の 浄 化 対 策 河 川 浄 化 施 設 等 の 有 機 汚 濁 負 荷 対 策 に 加 え 湿 地 や 河 口 干 潟 の 再 生 に 伴 う 栄 養 塩 の 削 減 を 図 る 1-5 面 源 から 発 生 する 汚 濁 負 荷 の 削 減 面 源 負 荷 の 削 減 を 図 るため 間 伐 の 実 施 多 様 な 森 林 づくり 等 を 実 施 す る さらに 貯 留 浸 透 施 設 の 設 置 等 により 雨 水 の 流 出 を 抑 制 し 汚 濁 負 荷 の 削 減 を 図 る 1-6 浮 遊 ごみ 等 の 回 収 浮 遊 ごみ 等 の 回 収 については 市 民 活 動 の 取 組 を 促 進 する (2) 海 域 における 環 境 改 善 対 策 2-1 海 域 の 汚 濁 負 荷 の 削 減 汚 泥 の 堆 積 が 著 しい 運 河 等 において 堆 積 有 機 物 をはじめとする 底 泥 の 除 去 ( 汚 泥 浚 渫 ) 良 質 な 土 砂 を 用 いた 浅 場 等 の 造 成 による 底 質 の 改 善 ( 覆 砂 ) 等 を 効 果 的 に 推 進 する 約 20 隻 の 清 掃 船 等 により 海 面 を 漂 う 浮 遊 ゴミ 等 の 全 面 的 な 回 収 を 目 指 し 効 率 的 な 回 収 を 図 るとともに 赤 潮 回 収 技 術 の 開 発 や 回 収 の 実 施 を 検 討 する NPOや 漁 業 者 等 による 海 底 ゴミの 回 収 や 海 浜 干 潟 の 清 掃 活 動 を 推 進 する 8

2-2 海 域 の 浄 化 能 力 の 向 上 現 存 する 貴 重 な 干 潟 や 藻 場 等 を 他 の 公 益 との 調 和 を 図 りつつ 可 能 な 限 り 保 全 する また 干 潟 浅 場 海 浜 磯 場 を 再 生 創 造 するとともに 長 期 的 な 観 点 から 相 互 ネットワーク 化 を 図 る 生 物 付 着 を 促 進 する 港 湾 構 造 物 等 の 整 備 底 生 生 物 等 の 生 息 場 の 創 出 を 目 指 した 緩 傾 斜 護 岸 への 改 修 また 礫 間 接 触 護 岸 エアレーションの 導 入 等 の 推 進 を 図 る 青 潮 の 発 生 原 因 のひとつとされている 過 去 の 土 砂 採 取 等 による 深 掘 跡 を 埋 め 戻 す 風 力 や 波 力 等 の 自 然 エネルギーの 活 用 も 視 野 に 入 れ 人 工 的 な 水 質 浄 化 施 設 等 の 整 備 に 関 する 検 討 や 技 術 開 発 を 実 施 する (3) 東 京 湾 のモニタリング 3-1 モニタリングの 充 実 底 層 のDO 及 び 底 生 生 物 についてのモニタリングの 充 実 を 図 る モニタリングポストや 船 舶 等 により 海 潮 流 及 び 水 質 のモニタリングを 強 化 する 人 工 衛 星 により 赤 潮 等 の 挙 動 をリアルタイムで 把 握 する 3-2 モニタリングデータの 共 有 化 及 び 発 信 関 連 情 報 を 集 約 したWebサイトを 整 備 し 相 互 間 のリンクを 図 る 3-3 市 民 参 加 型 のモニタリング 地 域 住 民 と 協 働 して 海 浜 清 掃 及 び 漂 着 ゴミ 分 類 調 査 を 実 施 する 海 守 をはじめ 東 京 湾 で 環 境 保 全 活 動 を 行 うNPOとの 連 携 を 強 化 する 市 民 やNPOが 行 う 環 境 保 全 活 動 の 発 表 の 場 の 充 実 を 図 る 4.その 他 (1) 実 験 的 な 取 組 お 台 場 における 都 の 水 質 浄 化 実 験 定 期 フェリーによるモニタリング 海 洋 短 波 レーダーによる 観 測 海 外 との 交 流 を 検 討 する (2) 行 動 計 画 策 定 後 のフォローアップ 等 行 動 計 画 の 進 捗 状 況 についてフォローアップを 行 い 取 組 状 況 を 的 確 に 把 握 し その 着 実 な 実 現 に 努 めるとともに 必 要 に 応 じ 本 行 動 計 画 を 見 直 す こととする 9

Ⅲ 評 価 について 1. 目 的 10 年 間 の 取 組 について 検 証 評 価 を 行 い 次 期 行 動 計 画 策 定 に 向 けた 今 後 の 改 善 点 や 新 たな 視 点 を 発 掘 するとともに 本 行 動 計 画 の 活 動 結 果 を 広 く 公 表 し より 効 果 的 かつ 計 画 的 な 次 期 行 動 計 画 に 資 することを 目 的 とする 2. 評 価 の 対 象 施 策 東 京 湾 再 生 のための 行 動 計 画 に 記 載 されている 施 策 を 項 目 ごとに 評 価 する 3. 評 価 の 対 象 期 間 平 成 15 年 度 から 平 成 24 年 度 までの 10 年 間 を 対 象 とする 4. 評 価 についての 考 え 方 分 析 評 価 にあたっては 基 本 的 に 以 下 の 考 え 方 に 基 づいて 行 う 行 動 計 画 に 数 値 目 標 が 設 定 されている 施 策 については 目 標 の 10 割 の 数 値 を 評 価 の 目 安 とする 行 動 計 画 に 数 値 目 標 が 設 定 されていない 施 策 については 平 成 14 年 以 前 の 状 況 を 基 準 とし 着 実 に 実 施 できているかどうかを 勘 案 する 等 施 策 ごとに 評 価 方 法 を 検 討 し 評 価 する 最 終 年 度 の 評 価 については 分 析 結 果 が 出 揃 うものについてのみ 評 価 を 実 施 することを 基 本 とするが 年 度 末 までの 推 定 値 が 算 出 できるものに ついてはその 推 定 値 をもって 推 定 値 の 算 出 が 困 難 であるものについて は 切 りの 良 い 時 点 をもって 評 価 を 実 施 する 10

Ⅳ 期 末 評 価 ( 総 括 ) 1. 全 体 としての 目 標 達 成 状 況 について 平 成 15 年 3 月 に 10 年 間 の 間 に 東 京 湾 の 水 質 改 善 を 行 うべく 策 定 された 東 京 湾 再 生 のための 行 動 計 画 であるが 快 適 に 水 遊 びができ 多 くの 生 物 が 生 息 する 親 しみやすく 美 しい 海 を 取 り 戻 し 首 都 圏 にふさわし い 東 京 湾 を 創 出 する という 目 標 の 下 で 関 係 機 関 が 連 携 して 取 組 を 進 めてきた その 結 果 水 質 改 善 の 目 標 としている 底 層 のDOに 顕 著 な 変 化 が 認 められ るには 至 っていないものの 底 層 のDO 悪 化 の 原 因 となる 汚 濁 物 質 濃 度 の 減 少 や 再 生 された 干 潟 や 浅 場 で 生 物 の 生 息 が 確 認 される 等 陸 域 海 域 の 各 施 策 の 効 果 と 見 られる 変 化 が モニタリング 結 果 に 捉 えられている このように 一 定 の 成 果 を 挙 げたと 見 られるものの 最 大 の 目 標 であった 底 層 のDOの 大 幅 な 改 善 には 至 っておらず 湾 奥 部 で 夏 季 に 貧 酸 素 水 塊 が 発 生 し 青 潮 による 大 量 の 生 物 死 が 確 認 される 等 依 然 として 厳 しい 生 物 生 息 環 境 となっている 東 京 湾 再 生 のためには 各 方 面 における 取 組 をより 発 展 的 に より 強 力 に 推 し 進 める 必 要 がある 2. 分 野 毎 の 総 括 評 価 (1) 陸 域 対 策 陸 域 負 荷 削 減 対 策 については 栄 養 塩 類 等 の 流 入 負 荷 を 削 減 させることに より 赤 潮 等 の 発 生 を 抑 制 し 生 態 系 を 回 復 させるため 第 7 次 水 質 総 量 削 減 に 向 けた 取 組 下 水 道 農 業 集 落 排 水 施 設 浄 化 槽 などの 汚 水 処 理 施 設 の 整 備 普 及 及 び 高 度 処 理 の 促 進 河 川 の 浄 化 対 策 森 林 の 整 備 保 全 貯 留 浸 透 施 設 の 設 置 浮 遊 ごみ 等 の 回 収 など 各 施 策 を 実 施 し 陸 域 から 東 京 湾 に 流 入 する 一 定 程 度 の 汚 濁 負 荷 を 削 減 した (2) 海 域 対 策 海 域 における 環 境 改 善 対 策 については 行 動 計 画 に 位 置 付 けられている 汚 泥 浚 渫 及 び 覆 砂 浅 場 海 浜 等 の 造 成 生 物 に 配 慮 した 港 湾 構 造 物 の 整 備 深 掘 跡 の 埋 め 戻 し 等 を 実 施 し 実 施 した 施 策 の 周 辺 環 境 においては 水 底 質 の 改 善 や 生 物 相 及 び 生 物 量 の 増 加 が 確 認 されるなど 一 定 の 施 策 の 効 果 が 認 められた しかしながら 底 質 の 改 善 や 湾 全 体 の 底 層 のDOに 顕 著 な 変 化 は 認 められず 明 らかな 改 善 傾 向 は 認 められなかった 清 掃 船 等 による 浮 遊 ゴミ 回 収 清 掃 活 動 については 多 様 な 主 体 との 連 携 協 働 が 図 られ 一 定 の 親 水 性 の 向 上 及 び 水 辺 景 観 の 改 善 が 図 られた 平 成 15 年 度 から 現 在 までの 取 組 状 況 を 表 1に 示 す 11

表 1. 現 在 までの 施 策 の 取 組 状 況 施 策 実 施 結 果 ( 平 成 15~23 年 度 ) 実 施 場 所 1 汚 泥 浚 渫 浚 渫 土 量 : 約 308,300 m3 2 覆 砂 3 4 浚 渫 土 砂 の 適 正 処 分 や 有 効 活 用 の 検 討 清 掃 船 等 による 浮 遊 ゴミ 等 の 回 収 5 NPOや 漁 業 者 等 によるゴミの 回 収 覆 砂 土 量 : 約 460,700 m3 覆 砂 面 積 : 約 47.1ha 再 生 創 造 された 浅 場 等 の 面 積 :0.8ha 浮 遊 ゴミ 回 収 量 : 約 74,867 m3 油 回 収 量 :4m3 開 催 回 数 :41 回 開 催 参 加 延 べ 人 数 :11,882 人 ゴミ 回 収 量 : 全 44.3 トン 6 干 潟 浅 場 等 の 整 備 再 生 創 造 された 干 潟 浅 場 等 の 面 積 :8.5ha 7 生 物 に 配 慮 した 港 湾 構 造 物 等 の 導 入 導 入 施 設 :4 施 設 全 整 備 延 長 :2,215m 再 生 創 造 された 藻 場 干 潟 等 面 積 :13.9ha 高 濃 度 酸 素 水 発 生 装 置 :1 個 所 東 京 港 芝 浦 地 区 江 東 地 区 横 浜 港 象 の 鼻 地 区 東 京 港 芝 浦 地 区 江 東 地 区 東 京 湾 奥 部 ( 浦 安 沖 ) 横 浜 港 象 の 鼻 地 区 横 浜 港 金 沢 地 区 東 京 湾 全 域 東 京 港 城 南 島 海 浜 公 園 東 京 港 お 台 場 海 浜 公 園 横 浜 港 山 下 公 園 千 葉 港 葛 南 港 区 海 老 川 河 口 部 横 須 賀 港 走 水 海 浜 地 東 京 港 羽 田 沖 川 崎 港 東 扇 島 地 区 東 京 港 中 央 防 波 堤 沖 千 葉 港 葛 南 中 央 地 区 横 浜 港 湾 空 港 技 術 調 査 事 務 所 構 内 東 京 港 運 河 域 横 須 賀 港 馬 堀 地 区 千 葉 港 千 葉 中 央 地 区 8 深 掘 跡 の 埋 め 戻 し 埋 め 戻 し 量 : 約 15 百 万 m3 千 葉 港 及 び 湾 奥 部 注 ) 平 成 24 年 3 月 末 時 点 の 結 果 (3)モニタリング 東 京 湾 のモニタリングについては 行 動 計 画 に 位 置 づけられた 施 策 を 概 ね 着 実 に 実 施 している さらに 有 識 者 からの 外 部 意 見 を 活 発 に 取 り 入 れて モニタリングポストを 増 設 し 行 政 のみならず 民 間 も 取 り 込 んだ 東 京 湾 水 質 一 斉 調 査 を 実 施 するなど 発 展 的 なモニタリング 施 策 を 実 施 している (4)アピールポイント 第 一 期 計 画 では 特 に 重 点 的 に 再 生 を 目 指 す 海 域 として 重 点 エリアを 定 めるとともに 重 点 エリア 内 で 施 策 による 改 善 の 効 果 を 市 民 が 身 近 に 体 感 実 感 でき 施 策 の 効 果 が 端 的 に 評 価 できる 場 所 として 7つのアピール ポイントを 設 定 した 生 物 など 一 部 の 指 標 などについては 改 善 の 傾 向 が 見 られたものの 底 質 環 境 に 関 しては 明 らかな 改 善 はみられなかった 一 方 各 アピールポイントで は 多 くのイベントが 実 施 され 市 民 に 対 し 東 京 湾 の 環 境 をアピールするとい う 点 では 一 定 の 役 割 を 果 たしたと 考 えられる 12

重 点 エリア 及 びアピールポイントの 評 価 お 台 場 海 浜 公 園 への オイルボール 漂 着 量 マハゼ お 台 場 周 辺 底 質 環 境 ( 夏 季 ) Ⅰ(H15) Ⅱ((H23) いなげの 浜 ~ 幕 張 の 浜 周 辺 底 質 環 境 ( 夏 季 ) Ⅰ(H15) 0((H23) ウミタナゴ 2 みなとみらい21 周 辺 底 質 環 境 ( 夏 季 ) Ⅰ(H15) 0((H23) 4 5 3 1 三 番 瀬 周 辺 コアジサシ 6 葛 西 海 浜 公 園 周 辺 7 底 質 環 境 ( 夏 季 ) Ⅱ(H15) Ⅱ((H23) アマモ アサリ 海 の 公 園 八 景 島 周 辺 底 質 環 境 ( 夏 季 ) Ⅰ(H15) Ⅰ((H23) 重 点 エリア アピールポイント 底 質 環 境 の 評 価 は 七 都 県 市 底 質 評 価 区 分 に 準 拠 ( 写 真 提 供 : 東 京 都 環 境 局 神 奈 川 県 水 産 技 術 センター) 多 摩 川 河 口 周 辺 底 質 環 境 ( 夏 季 ) Ⅱ(H15) Ⅱ((H23) 評 価 は 夏 季 13

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Ⅴ 施 策 毎 の 評 価 1. 陸 域 負 荷 削 減 対 策 (1) 陸 域 からの 汚 濁 負 荷 の 削 減 のための 総 量 削 減 計 画 の 実 施 と 効 果 的 な 事 業 施 策 の 実 施 1-1 総 量 削 減 計 画 の 着 実 な 実 施 東 京 湾 における 早 急 な 水 質 改 善 を 図 るため 水 質 総 量 削 減 制 度 に 基 づ き 各 都 県 が 策 定 する 総 量 削 減 計 画 の 着 実 な 実 施 及 び 事 業 場 に 対 する 総 量 規 制 基 準 の 遵 守 の 徹 底 等 を 図 るとともに 流 域 単 位 において 関 係 機 関 等 と 連 携 のもと 高 度 処 理 面 源 汚 濁 負 荷 対 策 等 を 含 めた 効 率 的 総 合 的 な 負 荷 削 減 のための 計 画 策 定 及 び 事 業 実 施 を 図 る なお 総 合 的 な 負 荷 削 減 のための 計 画 策 定 を 行 うため 雨 天 時 等 の 流 出 負 荷 量 の 評 価 を 行 うための 調 査 を 実 施 する COD 窒 素 及 びりんを 対 象 とした 第 5 次 水 質 総 量 削 減 ( 目 標 年 次 : 平 成 16 年 度 ) 第 6 次 水 質 総 量 削 減 ( 同 平 成 21 年 度 ) 及 び 第 7 次 水 質 総 量 削 減 ( 同 平 成 26 年 度 )を 実 施 した また 平 成 15 年 度 ~ 平 成 24 年 度 の 毎 年 度 に 各 都 県 の 総 量 削 減 計 画 に 基 づく 規 制 対 象 事 業 場 への 立 ち 入 り 指 導 自 主 測 定 結 果 の 報 告 徴 収 及 び 取 りまとめを 実 施 した 平 成 17 年 5 月 の 第 6 次 水 質 総 量 削 減 の 在 り 方 に 係 る 答 申 に 基 づき 平 成 18 年 11 月 に 化 学 的 酸 素 要 求 量 窒 素 含 有 量 及 びりん 含 有 量 に 係 る 総 量 削 減 基 本 方 針 ( 東 京 湾 )を 策 定 した また 平 成 18 年 7 月 の 水 質 に 係 る 化 学 的 酸 素 要 求 量 窒 素 含 有 量 及 びりん 含 有 量 の 総 量 規 制 基 準 の 設 定 方 法 に 係 る 答 申 に 基 づき 平 成 18 年 10 月 に 総 量 規 制 基 準 の 範 囲 を 定 める 告 示 を 行 った これを 受 けて 各 都 県 では 平 成 19 年 6 月 に 総 量 削 減 計 画 の 策 定 及 び 総 量 規 制 基 準 の 設 定 を 行 った 平 成 22 年 3 月 の 第 7 次 水 質 総 量 削 減 の 在 り 方 に 係 る 答 申 に 基 づき 平 成 23 年 6 月 に 化 学 的 酸 素 要 求 量 窒 素 含 有 量 及 びりん 含 有 量 に 係 る 総 量 削 減 基 本 方 針 ( 東 京 湾 )を 策 定 した 平 成 23 年 1 月 の 水 質 に 係 る 化 学 的 酸 素 要 求 量 窒 素 含 有 量 及 びりん 含 有 量 の 総 量 規 制 基 準 の 設 定 方 法 に 係 る 答 申 に 基 づき 平 成 23 年 3 月 に 総 量 規 制 基 準 の 範 囲 を 定 める 告 示 を 行 った これを 受 けて 各 都 県 では 平 成 24 年 2 月 に 総 量 削 減 計 画 の 策 定 及 び 総 量 規 制 基 準 の 設 定 を 行 った 水 質 総 量 削 減 による 汚 濁 負 荷 量 削 減 効 果 を 把 握 するため 東 京 湾 に 流 入 するCOD 窒 素 及 びりんの 汚 濁 負 荷 量 を 毎 年 度 算 定 した( 平 成 15~24 年 度 ) 東 京 湾 について 水 質 シミュレーションを 行 い 汚 濁 負 荷 量 削 減 による 水 質 改 善 効 果 を 確 認 した( 平 成 16 年 度 ) 東 京 湾 を 含 む 今 後 の 閉 鎖 性 海 域 が 目 指 すべき 水 環 境 の 目 標 とその 達 成 に 向 けたロードマップを 明 らかにする 閉 鎖 性 海 域 中 長 期 ビジョンを 策 15

定 した( 平 成 21 年 度 ) 生 産 性 と 調 和 しつつ 環 境 負 荷 の 軽 減 に 配 慮 した 環 境 保 全 型 農 業 を 推 進 した ( 埼 玉 千 葉 東 京 神 奈 川 4 都 県 のエコファーマー の 認 定 件 数 : 平 成 15 年 度 末 1,367 件 平 成 23 年 度 末 8,665 件 ) エコファーマー: 持 続 農 業 法 に 基 づき 土 づくりと 化 学 肥 料 化 学 合 成 農 薬 の 使 用 低 減 に 一 体 的 に 取 り 組 む 計 画 を 立 て 都 道 府 県 知 事 の 認 定 を 受 けた 農 業 者 の 愛 称 第 6 次 及 び 第 7 次 東 京 湾 総 量 削 減 計 画 の 削 減 目 標 を 着 実 に 達 成 するた めに 一 般 県 民 向 けのパンフレットの 配 布 や 船 舶 を 用 いた 東 京 湾 視 察 会 の 開 催 などの 啓 発 活 動 を 実 施 した 雨 天 時 の 流 出 負 荷 量 については 1-3 雨 天 時 における 流 出 負 荷 の 削 減 を 参 照 陸 域 汚 濁 負 荷 削 減 のための 各 種 施 策 の 実 施 により 当 該 計 画 期 間 内 の 第 5 次 総 量 削 減 計 画 目 標 年 度 である 平 成 16 年 度 から 第 6 次 総 量 削 減 計 画 目 標 年 度 である 平 成 21 年 度 までの 五 ヵ 年 で 評 価 すると COD 負 荷 量 は 28 トン/ 日 窒 素 負 荷 量 は 23 トン/ 日 りん 負 荷 量 は 2.4 トン/ 日 を 削 減 した 300 COD 負 荷 量 (トン/ 日 ) 250 200 150 100 50 その 他 産 業 排 水 生 活 排 水 214 211 204 203 197 195 26 25 25 26 183 181 24 26 42 23 42 25 40 40 38 38 36 35 146 144 139 137 135 131 124 121 0 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 年 度 16

窒 素 負 荷 量 (トン/ 日 ) 300 250 200 150 100 50 その 他 産 業 排 水 生 活 排 水 208 201 196 193 192 185 185 43 43 42 42 43 37 41 29 28 28 27 27 26 26 136 130 126 124 122 122 118 0 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 年 度 25.0 その 他 産 業 排 水 生 活 排 水 20.0 りん 負 荷 量 (トン/ 日 ) 15.0 10.0 5.0 15.3 14.9 14.6 14.5 3.1 3.0 2.5 2.5 1.8 1.9 1.7 1.8 10.4 10.0 10.4 10.2 13.6 12.9 13.1 2.6 2.5 2.5 2.5 1.4 1.5 8.5 9.0 9.1 0.0 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 年 度 出 典 : 発 生 負 荷 量 等 算 定 調 査 ( 環 境 省 ) 水 質 総 量 削 減 における 基 準 年 度 ( 平 成 16 年 度 平 成 21 年 度 ) 以 外 の 年 度 については 暫 定 値 及 び 推 計 値 を 含 む 窒 素 及 びりんについては 水 質 総 量 削 減 対 象 項 目 となった 平 成 16 年 度 から 記 載 した 総 量 規 制 基 準 適 用 対 象 事 業 場 においては これまでのCODの 総 量 規 制 基 準 に 加 え 平 成 16 年 度 から 窒 素 りんの 総 量 規 制 基 準 が 全 面 適 用 さ れ 着 実 な 負 荷 削 減 対 策 が 図 られている( 第 5 次 及 び 第 6 次 水 質 総 量 削 減 の 目 標 年 度 における 東 京 湾 の 負 荷 削 減 目 標 量 については 達 成 され た ) 東 京 湾 におけるCOD 窒 素 及 びりんの 環 境 基 準 の 達 成 率 は 十 分 な 状 況 になく 赤 潮 貧 酸 素 水 塊 といった 富 栄 養 化 に 伴 う 問 題 が 依 然 として 発 生 していることから 総 合 的 な 水 質 改 善 対 策 を 一 層 推 進 する 必 要 がある 引 き 続 き 生 産 性 と 調 和 しつつ 環 境 負 荷 の 軽 減 に 配 慮 した 環 境 保 全 型 農 業 を 推 進 する 17

東 京 湾 においては さらに 水 環 境 改 善 を 進 める 必 要 があることから 総 量 削 減 対 象 事 業 場 に 対 する 総 量 規 制 基 準 による 規 制 や 下 水 道 浄 化 槽 等 の 汚 水 処 理 施 設 の 整 備 小 規 模 事 業 場 や 農 業 等 に 対 する 削 減 指 導 の 実 施 等 総 合 的 な 負 荷 削 減 対 策 を 推 進 し 第 7 次 水 質 総 量 削 減 の 削 減 目 標 量 の 達 成 を 図 る 今 後 の 水 質 総 量 削 減 について 新 たな 指 標 の 導 入 等 も 見 据 えた 検 討 を 実 施 する また 水 質 総 量 削 減 による 汚 濁 負 荷 量 削 減 効 果 を 把 握 するため 東 京 湾 に 流 入 するCOD 窒 素 及 びりんの 汚 濁 負 荷 量 等 を 算 定 する 第 7 次 総 量 削 減 計 画 の 実 施 状 況 をホームページで 公 表 する 1-2 効 率 的 な 事 業 施 策 の 実 施 閉 鎖 性 水 域 を 対 象 として 効 率 的 に 環 境 基 準 等 の 目 標 を 達 成 するため 新 たに 経 済 的 手 法 の 適 用 を 含 む 流 域 全 体 の 費 用 負 担 の 方 法 について 検 討 する 東 京 湾 を 対 象 とした 下 水 道 の 排 出 枠 取 引 制 度 に 関 する 検 討 を 実 施 した ( 平 成 16 年 度 まで) 下 水 道 法 改 正 により 高 度 処 理 共 同 負 担 事 業 を 創 設 した( 平 成 17 年 度 ) 閉 鎖 性 水 域 に 係 る 流 域 別 下 水 道 整 備 総 合 計 画 に 終 末 処 理 場 から 放 流 さ れる 下 水 処 理 水 の 窒 素 含 有 量 又 はりん 含 有 量 についての 削 減 目 標 量 を 定 め 地 方 公 共 団 体 が その 削 減 目 標 量 を 超 えて 他 の 地 方 公 共 団 体 の 削 減 目 標 量 の 一 部 に 相 当 するものとして 窒 素 又 はりん 含 有 量 を 削 減 する 場 合 には その 費 用 を 負 担 させることができるよう 下 水 の 高 度 処 理 を 効 率 的 に 行 う 事 業 制 度 を 新 たに 創 設 した 高 度 処 理 共 同 負 担 事 業 について 周 知 を 図 る 等 本 制 度 が 東 京 湾 流 域 で 活 用 され 効 率 的 な 事 業 が 実 施 されるよう 努 める 18

(2) 汚 水 処 理 施 設 の 整 備 普 及 及 び 高 度 処 理 の 促 進 2-1 下 水 道 下 水 道 においては 東 京 湾 流 域 別 下 水 道 整 備 総 合 計 画 に 関 する 基 本 方 針 に 基 づいた 各 都 県 における 流 域 別 下 水 道 整 備 総 合 計 画 等 に 従 い 中 小 市 町 村 での 普 及 促 進 高 度 処 理 の 促 進 合 流 式 下 水 道 改 善 等 を 積 極 的 に 行 う 計 画 期 間 内 に 流 域 内 で 下 水 道 事 業 を 予 定 している 全 市 町 村 にお いて 事 業 に 着 手 するものとし 高 度 処 理 についても 新 たに 概 ね 20 処 理 場 での 供 用 開 始 を 目 指 す 東 京 湾 流 域 における 下 水 道 処 理 人 口 普 及 率 は 平 成 24 年 度 末 では 92.0% となり 10 年 間 で 5.4 ポイント 増 加 した( 平 成 15~24 年 度 ) 東 京 湾 流 域 における 中 小 市 町 村 ( 人 口 5 万 人 未 満 )での 下 水 道 処 理 人 口 普 及 率 は 平 成 24 年 度 末 では 53.8%となり 10 年 間 で 7.0 ポイント 増 加 した( 平 成 15~24 年 度 ) 下 水 道 事 業 未 着 手 の 市 町 村 数 は 平 成 24 年 度 末 では4 市 町 村 となり 10 年 間 で 8 市 町 村 が 新 規 着 手 した( 平 成 15~24 年 度 ) 高 度 処 理 を 新 たに 供 用 開 始 した 処 理 場 数 は 16 カ 所 である( 平 成 15~24 年 度 ) 東 京 湾 流 域 別 下 水 道 整 備 総 合 計 画 に 関 する 基 本 方 針 の 見 直 しを 行 った ( 平 成 19 年 度 ) 下 水 道 普 及 促 進 のために 補 助 対 象 範 囲 の 見 直 しを 行 い 中 小 市 町 村 の 管 渠 の 補 助 対 象 範 囲 の 拡 大 を 行 った( 平 成 20 年 度 ) 高 度 処 理 推 進 の 観 点 から 処 理 方 法 の 考 え 方 について 国 土 交 通 省 か ら 各 地 方 自 治 体 に 通 知 を 行 い 部 分 的 な 施 設 設 備 の 改 造 等 による 早 期 高 度 処 理 導 入 の 考 え 方 を 示 した( 平 成 20 年 度 ) 合 流 式 下 水 道 の 改 善 については 1-3 雨 天 時 における 流 出 負 荷 の 削 減 を 参 照 東 京 湾 流 域 の 下 水 道 普 及 率 の 進 捗 の 評 価 をするために 東 京 湾 流 域 別 下 水 道 整 備 総 合 計 画 に 関 する 基 本 方 針 ( 以 下 東 京 湾 流 総 という )の 最 終 年 度 である 平 成 36 年 度 の 計 画 値 と 平 成 14 年 度 の 実 績 値 から 直 線 補 間 により 平 成 24 年 度 末 の 下 水 道 普 及 率 の 目 標 値 を 設 定 した 目 標 値 と 平 成 24 年 度 末 の 実 績 値 を 比 較 したところ 埼 玉 県 では 目 標 値 をやや 下 回 っているものの その 他 の 都 県 では 目 標 値 を 上 回 っている 東 京 湾 流 域 全 体 としても 目 標 値 を 上 回 っており 順 調 に 下 水 道 整 備 が 進 んで いるものと 考 えられる 19

[ 平 成 24 年 度 末 における 東 京 湾 流 総 等 から 推 定 した 目 標 値 と 実 績 値 との 下 水 道 普 及 率 比 較 ] 目 標 値 実 績 値 埼 玉 県 81.7% 79.9% 千 葉 県 80.2% 80.3% 東 京 都 98.5% 99.9% 神 奈 川 県 99.0% 99.5% 合 計 91.6% 92.0% 東 京 湾 流 総 の 平 成 36 年 度 計 画 値 と 平 成 14 年 度 実 績 値 から 平 成 24 年 度 末 の 下 水 道 普 及 率 を 直 線 補 間 により 推 定 し これを 目 標 値 とした 100.0% 95.0% 下 90.0% 水 85.0% 道 普 80.0% 及 75.0% 率 H36 計 画 値 とH14 実 績 70.0% 値 から 内 挿 65.0% 60.0% H14 H16 H18 H20 H22 H24 H26 H28 H30 H32 H34 H36 凡 例 埼 玉 県 千 葉 県 東 京 都 神 奈 川 県 全 体 [ 平 成 24 年 度 目 標 値 の 推 定 の 考 え 方 を 示 すグラフ] 高 度 処 理 を 供 用 開 始 した 処 理 場 は 目 標 の 概 ね 20 施 設 に 対 して 16 施 設 で あった しかし 処 理 系 列 の 一 部 で 高 度 処 理 を 新 設 増 設 したものであり 関 連 都 県 での 高 度 処 理 人 口 普 及 率 は 以 下 のとおりとなる [ 関 連 都 県 の 高 度 処 理 人 口 普 及 率 ( 平 成 23 年 度 末 )] 平 均 14.3%( 埼 玉 県 7.8% 千 葉 県 20.9% 東 京 都 12.6% 東 京 湾 神 奈 川 県 22.1%) 高 度 処 理 人 口 普 及 率 = 高 度 処 理 人 口 / 東 京 湾 流 域 の 行 政 人 口 ( 高 度 処 理 人 口 は 窒 素 とりんの 同 時 除 去 された 高 度 処 理 水 量 をも とに 算 定 ) 東 京 湾 の 水 質 改 善 のためには より 早 期 に 流 入 負 荷 の 削 減 対 策 を 講 じ 流 入 負 荷 の 蓄 積 を 抑 制 することが 重 要 であるため 今 後 とも 下 水 道 事 業 未 着 手 の 自 治 体 における 下 水 道 の 普 及 促 進 を 図 る 高 度 処 理 を 一 部 供 用 開 始 している 処 理 場 においては 高 度 処 理 施 設 能 力 20

の 増 強 を 図 るとともに まだ 高 度 処 理 を 実 施 していない 処 理 場 における 早 期 導 入 が 必 要 である 部 分 的 な 施 設 整 備 の 改 造 等 により 可 能 な 限 り 早 期 に 段 階 的 にでも 処 理 水 質 の 向 上 を 図 る 取 組 も 重 要 であるため 流 域 が 一 体 となって 高 度 処 理 を 計 画 的 かつ 着 実 に 推 進 する 2-2 農 業 集 落 排 水 施 設 農 業 集 落 排 水 施 設 の 整 備 に 関 して 東 京 湾 流 域 の 地 域 を 重 点 的 に 整 備 するとともに 既 存 施 設 の 機 能 強 化 必 要 な 高 度 処 理 の 促 進 を 図 る 農 業 集 落 排 水 施 設 の 整 備 は 平 成 24 年 度 末 では 126 カ 所 ( 更 新 10 地 区 含 む)で 実 施 されており 10 年 間 で 45 カ 所 が 整 備 された( 平 成 15~24 年 度 ) 高 度 処 理 実 施 施 設 数 は 平 成 24 年 度 末 では 26 カ 所 で 実 施 されており 10 年 間 で 24 カ 所 が 整 備 された( 平 成 15~24 年 度 ) 東 京 湾 流 域 において 農 業 集 落 排 水 施 設 の 整 備 済 み 人 口 の 伸 び 率 は この 9 年 間 で 65%(4.64 万 人 7.65 万 人 ( 平 成 23 年 度 末 ))となっている 全 国 の 伸 び 率 は 14%(294 万 人 334 万 人 ( 平 成 23 年 度 末 )) となっ ている 東 日 本 大 震 災 のため 岩 手 県 福 島 県 を 除 く 高 度 処 理 については 着 実 に 整 備 が 推 進 され 高 度 処 理 施 設 が 増 加 (2 26 カ 所 )している 以 上 により 施 設 の 整 備 高 度 処 理 の 導 入 については 順 調 に 実 施 され ている 東 京 湾 の 水 質 改 善 に 向 け 今 後 とも 農 業 集 落 排 水 施 設 の 普 及 と 高 度 処 理 を 関 係 自 治 体 と 連 携 して 推 進 する 21

2-3 浄 化 槽 浄 化 槽 については 住 民 意 識 を 高 めるほか 市 町 村 が 主 体 となって 浄 化 槽 の 整 備 維 持 管 理 を 行 う 事 業 を 積 極 的 に 活 用 し 既 存 の 単 独 処 理 浄 化 槽 から 合 併 処 理 浄 化 槽 への 転 換 を 促 進 するとともに 窒 素 又 はりん の 除 去 性 能 を 有 する 浄 化 槽 の 整 備 の 促 進 を 図 る 東 京 湾 流 域 においては 平 成 14 年 度 までに 全 体 で 265,695 基 の 合 併 処 理 浄 化 槽 が 設 置 され その 後 約 18 万 基 増 加 した( 平 成 15~22 年 度 ) また 合 併 処 理 浄 化 槽 の 設 置 に 伴 い 必 要 となる 単 独 処 理 浄 化 槽 の 撤 去 費 について 国 庫 助 成 の 対 象 とした( 平 成 18 年 度 ) 地 方 自 治 体 による 独 自 の 補 助 助 成 の 例 として 単 独 処 理 浄 化 槽 の 撤 去 に 対 する 独 自 の 補 助 県 からの 市 町 村 が 行 う 補 助 に 対 する 助 成 の 実 施 や 市 町 村 主 体 の 浄 化 槽 整 備 を 行 う 市 町 村 設 置 型 導 入 促 進 のため 市 町 村 負 担 を 軽 減 する 補 助 制 度 を 創 設 した また 適 正 な 維 持 管 理 を 実 施 し 浄 化 槽 の 機 能 を 最 大 限 に 発 揮 させ 悪 臭 水 質 汚 濁 等 を 未 然 に 防 ぎ 生 活 環 境 の 保 全 を 図 るため 市 民 の 啓 発 に 努 めている 高 度 処 理 型 浄 化 槽 については 東 京 湾 流 域 においては 約 3 万 4 千 基 が 増 加 した( 平 成 15~22 年 度 ) また 高 度 処 理 型 浄 化 槽 の 国 庫 補 助 における 基 準 額 の 特 例 を 創 設 した ( 平 成 20 年 度 ) 東 京 湾 流 域 における 合 併 処 理 浄 化 槽 の 増 加 率 は 1.71 倍 ( 平 成 14 年 度 末 から 平 成 22 年 度 末 まで)であり 全 国 平 均 の 増 加 率 1.75 倍 とほぼ 同 等 であり 高 度 処 理 型 浄 化 槽 も 含 め 着 実 に 整 備 が 進 められている 東 京 湾 流 域 における 浄 化 槽 設 置 については 継 続 的 に 事 業 が 行 われてい る 点 に 加 え 国 助 成 制 度 の 見 直 しにより 単 独 処 理 浄 化 槽 の 撤 去 費 の 助 成 対 象 化 による 転 換 促 進 策 が 強 化 された 点 高 度 処 理 型 浄 化 槽 に 係 る 基 準 額 の 特 例 の 創 設 により 設 置 促 進 策 が 強 化 されている 浄 化 槽 の 整 備 については 支 援 措 置 の 充 実 強 化 が 図 られており 引 き 続 き 住 民 意 識 を 高 めるほか 市 町 村 が 主 体 となって 浄 化 槽 の 整 備 維 持 管 理 を 行 う 事 業 を 積 極 的 に 活 用 するなど 単 独 処 理 浄 化 槽 から 合 併 処 理 浄 化 槽 への 転 換 や 高 度 処 理 型 浄 化 槽 の 整 備 の 促 進 を 図 る 22

(3) 雨 天 時 における 流 出 負 荷 の 削 減 合 流 式 下 水 道 からの 雨 天 時 未 処 理 放 流 水 は 放 流 先 での 水 質 の 悪 化 水 利 用 者 に 対 する 景 観 公 衆 衛 生 及 び 生 態 系 への 影 響 が 懸 念 されているこ とから 合 流 式 下 水 道 の 改 善 計 画 を 策 定 し 10 年 以 内 を 目 途 に 以 下 のよ うな 目 標 を 達 成 するため 重 点 的 に 改 善 事 業 (ろ 過 スクリン 設 置 貯 留 施 設 消 毒 施 設 整 備 等 )を 実 施 していく 合 流 式 下 水 道 から 排 出 されるBOD 汚 濁 負 荷 量 を 分 流 式 下 水 道 以 下 にする 自 然 吐 きやポンプ 施 設 における 全 ての 吐 口 において 越 流 回 数 を 少 な くとも 半 減 する 原 則 として 自 然 吐 きやポンプ 施 設 における 全 ての 吐 口 において 夾 雑 物 の 流 出 防 止 を 実 施 しする 合 流 式 下 水 道 を 採 用 している 38 自 治 体 のうち 改 善 計 画 を 策 定 した 自 治 体 数 は 平 成 14 年 度 末 では1 自 治 体 であったが 37 の 自 治 体 で 改 善 に 着 手 し 全 ての 自 治 体 で 改 善 に 着 手 した( 平 成 15~24 年 度 ) なお 計 画 の 策 定 にあたっては 雨 天 時 の 流 出 負 荷 量 を 把 握 した 上 で 削 減 す べき 負 荷 量 の 設 定 等 を 行 い それに 対 する 必 要 な 対 策 を 検 討 している 改 善 事 業 (ろ 過 スクリン 設 置 貯 留 施 設 整 備 など)を 重 点 的 に 実 施 して おり 吐 口 の 改 善 対 策 カ 所 数 は 約 1,100 カ 所 である( 平 成 15~24 年 度 ) 平 成 14 年 度 に 合 流 式 下 水 道 緊 急 改 善 事 業 が 創 設 され 雨 水 吐 に 設 置 す る 夾 雑 物 等 の 除 去 施 設 雨 水 貯 留 施 設 雨 水 吐 を 経 た 後 の 下 水 を 遮 集 して 処 理 場 へ 送 水 する 管 渠 が 交 付 対 象 施 設 となった その 後 平 成 16 年 度 には 雨 水 浸 透 施 設 等 が 平 成 19 年 度 には 分 流 化 に 係 る 管 渠 が 交 付 対 象 施 設 に 追 加 された 効 率 的 な 合 流 式 下 水 道 緊 急 改 善 計 画 策 定 の 手 引 き( 案 )を 策 定 した( 平 成 19 年 度 ) 平 成 15 年 度 に 下 水 道 法 施 行 令 が 改 正 され 平 成 16 年 度 から 原 則 10 年 以 内 に 合 流 式 下 水 道 についても 雨 天 時 に 下 水 を 公 共 用 水 域 に 放 流 す る 吐 口 からの 放 流 水 量 を 減 少 させること 雨 水 の 影 響 が 大 きいときの 放 流 水 の 水 質 を 分 流 式 下 水 道 の 雨 水 水 質 と 同 程 度 の 水 質 にすること 等 が 規 定 され 原 則 平 成 25 年 度 ( 処 理 区 域 面 積 が 大 きい 場 合 は 平 成 35 年 度 )までに 対 策 を 完 了 することが 義 務 付 けられた 23 年 度 末 までに 全 ての 自 治 体 で 合 流 式 下 水 道 改 善 計 画 が 策 定 (38 自 治 体 )されており 吐 口 対 策 済 カ 所 数 は 約 1,100 カ 所 で 平 成 14 年 度 末 に 未 対 応 であった 約 1,300 カ 所 のうち 8 割 以 上 が 改 善 されている 23

また 公 共 用 水 域 に 放 流 される 汚 濁 負 荷 量 が 分 流 式 下 水 道 並 に 改 善 され ている 面 積 割 合 である 合 流 式 下 水 道 改 善 率 は 東 京 湾 流 域 全 体 で 56%と なっている 合 流 式 下 水 道 を 採 用 している 38 自 治 体 全 てで 改 善 計 画 の 策 定 は 進 んで いる また 38 自 治 体 中 35 自 治 体 で 合 流 式 下 水 道 改 善 率 が 30%を 超 え ている 法 令 において 改 善 対 策 完 了 までの 期 限 ( 原 則 平 成 25 年 度 末 ( 一 部 の 大 都 市 は 平 成 35 年 度 末 )まで)が 定 められたところであるが 東 京 湾 流 域 における 大 規 模 都 市 においては 平 成 35 年 度 末 が 期 限 となっているこ とから 今 後 とも 改 善 計 画 に 基 づく 合 流 式 下 水 道 の 改 善 事 業 について その 進 捗 状 況 等 を 評 価 しつつ 確 実 に 推 進 する (4) 河 川 の 浄 化 対 策 河 川 の 浄 化 対 策 については 河 川 直 接 浄 化 施 設 による 浄 化 浄 化 用 水 の 導 入 浚 渫 等 の 有 機 汚 濁 対 策 に 加 え 湿 地 や 河 口 干 潟 再 生 に 伴 う 窒 素 りん 等 の 栄 養 塩 の 削 減 を 当 該 河 川 関 係 住 民 の 意 見 を 踏 まえた 河 川 整 備 計 画 に 基 づき 積 極 的 に 推 進 する 平 成 15 年 度 28 河 川 平 成 16 年 度 33 河 川 平 成 17 年 度 29 河 川 平 成 18 年 度 37 河 川 平 成 19 年 度 34 河 川 平 成 20 年 度 37 河 川 平 成 21 年 度 29 河 川 平 成 22 年 度 27 河 川 平 成 23 年 度 25 河 川 平 成 24 年 度 26 河 川 で 河 川 浄 化 ( 河 川 直 接 浄 化 施 設 による 浄 化 浄 化 用 水 の 導 入 浚 渫 等 の 有 機 汚 濁 対 策 )を 実 施 した 荒 川 で 河 口 干 潟 再 生 を 実 施 し 栄 養 塩 の 削 減 を 推 進 した( 平 成 15~24 年 度 ) 東 京 湾 に 流 入 する 有 機 汚 濁 及 び 窒 素 りん 等 の 削 減 に 寄 与 する 河 川 浄 化 や 浚 渫 干 潟 再 生 を 実 施 している 河 川 直 接 浄 化 施 設 については 平 成 24 年 度 において 43 カ 所 で 河 川 直 接 浄 化 を 実 施 している 今 後 も 東 京 湾 流 域 において 重 点 的 な 実 施 を 行 う 24

(5) 面 源 から 発 生 する 汚 濁 負 荷 の 削 減 5-1 森 林 の 整 備 保 全 4 都 県 の 育 成 林 19 万 ha において 水 質 浄 化 等 にも 資 するため 適 切 な 間 伐 の 実 施 複 層 林 の 造 成 など 多 様 な 森 林 の 整 備 を 進 め 樹 木 の 健 全 な 成 長 や 下 層 植 生 の 繁 茂 を 促 すとともに 林 地 を 保 全 するための 施 設 の 整 備 等 を 推 進 する 間 伐 等 推 進 3ヵ 年 対 策 ( 平 成 17~19 年 度 ) や 森 林 の 間 伐 等 の 実 施 の 促 進 に 関 する 特 別 措 置 法 に 基 づき 間 伐 を 実 施 ( 平 成 15~22 年 度 までの 間 伐 面 積 57,900ha( 民 有 林 ))するとともに 複 層 林 化 広 葉 樹 林 化 など 多 様 な 森 林 の 整 備 を 行 った また 国 有 林 においても 間 伐 等 の 森 林 整 備 を 着 実 に 実 施 した( 平 成 15~23 年 度 の 間 伐 等 面 積 6,293ha) 荒 廃 地 の 復 旧 や 機 能 の 低 下 した 保 安 林 の 整 備 等 を 実 施 した( 平 成 15~24 年 度 :412 カ 所 ) 保 安 林 の 計 画 的 な 指 定 及 び 適 切 な 管 理 を 推 進 した( 保 安 林 面 積 平 成 14 年 度 末 :131 千 ha 平 成 23 年 度 末 :137 千 ha) 水 源 の 涵 養 や 土 砂 の 流 出 崩 壊 の 防 止 等 森 林 の 持 つ 公 益 的 機 能 の 発 揮 の 上 で 特 に 重 要 な 森 林 を 保 安 林 に 指 定 し 土 地 の 形 質 の 変 更 等 を 制 限 する とともに その 機 能 を 十 分 に 発 揮 させるため 荒 廃 地 の 復 旧 や 間 伐 等 の 森 林 整 備 の 重 点 的 実 施 により 面 源 からの 汚 濁 負 荷 削 減 に 寄 与 している また 森 林 は 成 長 や 状 態 に 応 じ 適 切 な 施 業 の 実 施 が 不 可 欠 であり 森 林 の 整 備 保 全 の 諸 施 策 が 継 続 的 に 実 施 されている 一 方 で 間 伐 が 進 みにくい 条 件 の 不 利 な 森 林 など 手 入 れが 行 き 届 いて いない 人 工 林 も 残 されているため 更 なる 間 伐 等 の 対 策 の 推 進 が 必 要 で ある なお 地 球 温 暖 化 対 策 に 向 け 京 都 議 定 書 に 基 づく 温 室 効 果 ガス 6% 削 減 目 標 のための 森 林 吸 収 目 標 1300 万 炭 素 トンの 達 成 に 向 けて 平 成 19 年 度 から 平 成 24 年 度 までに 全 国 で 330 万 ha の 間 伐 を 目 指 し 取 り 組 んで きたところである( 平 成 24 年 度 についても 必 要 な 予 算 を 措 置 済 ) 今 後 とも 多 様 で 健 全 な 森 林 の 整 備 保 全 等 を 着 実 に 推 進 するとともに 公 益 的 機 能 の 発 揮 の 上 で 特 に 重 要 な 森 林 について 保 安 林 の 指 定 荒 廃 地 の 復 旧 等 を 進 め 面 源 からの 汚 濁 負 荷 削 減 に 寄 与 する また 地 球 温 暖 化 対 策 については 平 成 25 年 度 以 降 についても 森 林 吸 収 量 3.5%の 確 保 を 目 指 し 取 組 を 進 めることとしている 25

5-2 貯 留 浸 透 施 設 の 設 置 面 源 から 発 生 する 汚 濁 負 荷 の 削 減 を 行 うため 流 出 する 負 荷 を 浄 化 す るだけでなく 貯 留 浸 透 施 設 の 設 置 等 により 雨 水 の 流 出 を 抑 制 し 汚 濁 負 荷 の 削 減 を 図 る 公 共 設 置 型 による 雨 水 浸 透 ますの 設 置 数 は 約 53,000 個 である( 平 成 15 ~24 年 度 ) 助 成 制 度 開 発 指 導 等 による 雨 水 浸 透 ますの 設 置 数 は 約 226,000 個 であ る( 平 成 15~24 年 度 ) 公 共 設 置 型 による 雨 水 浸 透 ますは 埼 玉 県 朝 霞 市 千 葉 市 市 川 市 船 橋 市 白 井 市 東 京 都 区 部 横 浜 市 川 崎 市 などの 自 治 体 が 実 施 して おり 10 年 間 で 約 53,000 個 設 置 され 面 源 からの 汚 濁 負 荷 削 減 に 寄 与 している このほかに 自 治 体 からの 助 成 制 度 による 雨 水 浸 透 ますが 10 年 間 で 約 227,000 個 設 置 されている 状 況 である 今 後 雨 水 流 出 抑 制 型 の 施 設 設 置 に 積 極 的 に 取 り 組 む (6) 浮 遊 ごみ 等 の 回 収 景 観 等 の 観 点 から 行 う 浮 遊 ごみ 等 の 回 収 については 公 的 主 体 のみで なく 流 域 に 住 む 住 民 の 協 力 が 重 要 であり 市 民 活 動 の 取 組 を 促 進 する 必 要 がある 市 民 とともに 清 掃 活 動 を 実 施 した 例 は 以 下 のとおりである 埼 玉 県 では 河 川 愛 護 意 識 の 一 層 の 高 揚 と 良 好 な 河 川 環 境 の 維 持 保 全 に 資 することを 目 的 に 県 管 理 河 川 においてボランティアで 河 川 の 美 化 活 動 を 実 施 する 自 治 会 や 愛 護 団 体 等 に 対 して 川 の 国 応 援 団 美 化 活 動 団 体 への 登 録 制 度 を 設 けて その 活 動 を 支 援 している 平 成 24 年 3 月 末 現 在 の 登 録 団 体 数 は 283 団 体 となっている 東 京 都 では 隅 田 川 立 会 川 目 黒 川 落 合 川 境 川 平 井 川 の6 河 川 において 河 川 愛 護 月 間 (7 月 )を 中 心 に 都 民 参 加 による 清 掃 活 動 を 実 施 した( 平 成 19~24 年 度 ) さいたま 市 では 綾 瀬 川 において 市 民 参 加 による 清 掃 活 動 を 実 施 し 7,367kg のごみを 回 収 した( 平 成 15~24 年 度 ) また 荒 川 においても 市 民 参 加 による 清 掃 活 動 を 実 施 し 3,020kg のごみを 回 収 した( 平 成 20 26

~23 年 度 ) さいたま 市 では 市 が 管 理 する 河 川 遊 水 地 公 園 内 の 水 辺 などを 養 子 と 見 立 て 自 治 会 企 業 市 民 団 体 等 が 里 親 となって 養 子 の 環 境 美 化 活 動 等 を 行 い 市 がこれを 支 援 する 制 度 として さいたま 市 水 と 緑 の 里 親 制 度 を 策 定 した( 平 成 18 年 度 ) その 後 さいたま 市 水 辺 のサ ポート 制 度 に 名 称 を 変 更 し( 平 成 22 年 度 ) 平 成 23 年 度 末 現 在 の 参 加 団 体 は4 団 体 となっている 横 浜 市 では 地 域 有 志 の 方 々により 構 成 された 水 辺 愛 護 会 により 河 川 せせらぎ 緑 道 などの 美 化 活 動 等 を 行 い 市 は 活 動 の 規 模 や 内 容 に 応 じて 補 助 金 の 交 付 等 の 支 援 を 行 った( 平 成 15~24 年 度 ) 川 崎 市 では 子 供 たちを 中 心 に 多 くの 市 民 が 参 加 して 母 なる 川 多 摩 川 を きれいによごさない 親 しまれる 川 をスローガンに 毎 年 多 摩 川 美 化 活 動 を 実 施 し 174 団 体 15,039 人 が 参 加 し 8,982kg のごみを 回 収 した( 平 成 24 年 度 ) 川 崎 市 では 河 川 水 路 の 環 境 に 対 する 市 民 意 識 の 高 揚 と 市 民 との 協 議 による 住 みよいまちづくりを 推 進 するために 市 民 等 のボランティア 団 体 による 美 化 及 び 清 掃 活 動 を 実 施 する 川 崎 市 河 川 愛 護 ボランティア 制 度 を 設 立 し 平 成 24 年 度 末 現 在 の 参 加 団 体 は6 団 体 である また 平 成 24 年 度 には 活 動 回 数 が 295 回 参 加 人 数 は 延 べ 4,400 名 となっ た その 他 東 京 湾 に 流 入 する 江 戸 川 荒 川 多 摩 川 及 びその 支 川 において も 市 民 と 行 政 の 連 携 による 清 掃 活 動 を 実 施 した( 平 成 15~24 年 度 ) 河 川 浄 化 対 策 の 一 環 として 市 民 とともに 清 掃 活 動 を 実 施 し ごみを 回 収 することで 景 観 等 の 向 上 にも 寄 与 している 地 域 住 民 の 活 動 により より 細 微 にわたる 清 掃 が 可 能 となることから ごみ 等 の 回 収 に 対 し 流 域 に 住 む 住 民 の 協 力 は 重 要 であり 市 民 参 加 型 の 取 組 が 進 展 している 今 後 市 民 参 加 型 のごみ 回 収 等 の 取 組 を 更 に 広 げる (7) 新 たな 取 組 東 京 湾 への 陸 域 汚 濁 負 荷 削 減 のための 汚 濁 負 荷 削 減 量 の 目 標 値 を 踏 ま え 関 係 部 局 の 対 策 を 推 進 する 関 係 部 局 で 取 り 組 んでいる 施 策 毎 の 汚 濁 負 荷 削 減 量 の 目 標 値 を 設 定 し た( 平 成 20 年 度 ) 27

分 析 評 価 例 えば 目 標 値 の 一 つである 下 水 道 の 普 及 及 び 高 度 処 理 の 実 施 に 関 して 平 成 22 年 度 実 績 の 処 理 水 量 と 処 理 水 質 から 対 策 後 の 汚 濁 負 荷 量 を 算 定 した 結 果 平 成 24 年 度 に 達 成 すべき 目 標 汚 濁 負 荷 量 を 下 回 っている [ 例 : 下 水 道 の 普 及 及 び 高 度 処 理 の 実 施 による 対 策 後 の 目 標 値 と 実 績 汚 濁 負 荷 量 ( 平 成 22 年 度 )] 対 策 後 の 汚 濁 負 荷 量 対 策 後 の 汚 濁 負 荷 量 (kg/ 日 ) 160,000 140,000 120,000 100,000 80,000 60,000 40,000 20,000 目 標 以 上 の 削 減 量 20,398 14,315 341 目 標 値 実 績 値 0 COD T-N T-P 水 質 項 目 今 後 の 取 組 方 針 引 き 続 き 関 係 部 局 が 連 携 して 検 討 を 行 い 汚 濁 負 荷 削 減 量 の 目 標 を 設 定 し 進 捗 状 況 のフォローアップを 行 う 2. 海 域 における 環 境 改 善 対 策 (1) 海 域 の 汚 濁 負 荷 の 削 減 1-1 汚 泥 の 浚 渫 覆 砂 等 を 効 果 的 に 推 進 汚 泥 の 堆 積 が 著 しい 運 河 等 において 堆 積 有 機 物 をはじめとする 底 泥 の 除 去 ( 汚 泥 浚 渫 ) 良 質 な 土 砂 を 用 いた 浅 場 等 の 造 成 による 底 質 の 改 善 ( 覆 砂 ) 等 を 効 果 的 に 推 進 する < 方 針 > 汚 泥 の 堆 積 が 著 しい 運 河 等 において 汚 泥 浚 渫 覆 砂 の 着 実 な 実 施 を 図 る 東 京 湾 全 体 で 汚 泥 浚 渫 を 約 308,300 m3 覆 砂 を 約 460,700 m3 約 47.1ha 実 施 するとともに モニタリングにより 効 果 の 検 証 を 行 った 28

具 体 的 には 以 下 のとおり 1 東 京 港 芝 浦 地 区 江 東 地 区 において 汚 泥 浚 渫 覆 砂 を 実 施 ( 平 成 15 ~24 年 度 ) < 実 施 状 況 > 汚 泥 浚 渫 約 300,000 m3 覆 砂 約 1,800 m3 覆 砂 面 積 約 0.6ha( 平 成 15~23 年 度 ) 2 東 京 湾 奥 部 ( 浦 安 沖 )において 浚 渫 土 砂 を 活 用 した 覆 砂 を 実 施 覆 砂 後 モニタリングを 実 施 < 実 施 状 況 > 覆 砂 約 450,000 m3 覆 砂 面 積 約 45ha( 平 成 17 18 年 度 ) モニタリング( 平 成 19~23 年 度 ) 3 横 浜 港 象 の 鼻 地 区 において 汚 泥 浚 渫 覆 砂 を 実 施 覆 砂 後 モニタリン グを 実 施 < 実 施 状 況 > 汚 泥 浚 渫 約 8,300 m3 覆 砂 約 8,900 m3 覆 砂 面 積 約 1.5ha ( 平 成 20 年 度 ) モニタリング( 平 成 20 21 年 度 ) 汚 泥 浚 渫 及 び 覆 砂 の 実 施 により 実 施 場 所 近 傍 において, 栄 養 塩 等 の 内 部 負 荷 源 の 除 去 被 覆 による 底 質 の 改 善 ( 栄 養 塩 等 の 溶 出 量 削 減 DO 消 費 量 の 削 減 ) 水 質 の 改 善 生 物 相 及 び 生 物 量 の 増 加 が 確 認 された 汚 泥 浚 渫 及 び 覆 砂 については 引 き 続 き 東 京 湾 において 実 施 する 等 底 質 の 改 善 に 向 けた 施 策 を 推 進 するとともに モニタリングにより 整 備 の 効 果 を 検 証 する なお 覆 砂 は 場 所 によっては 陸 域 や 周 辺 水 域 から 流 入 する 汚 泥 の 再 堆 積 や 台 風 等 による 原 地 盤 の 再 露 出 等 が 生 じる 場 合 もあることから 必 要 に 応 じて 事 前 にモニタリングした 上 で 実 施 場 所 としての 持 続 性 の 検 証 を 行 い その 場 の 環 境 特 性 に 応 じた 事 業 を 実 施 する 1-2 浚 渫 土 砂 の 適 正 処 分 や 有 効 活 用 の 検 討 浚 渫 土 砂 の 適 正 処 分 や 有 効 活 用 について 検 討 を 進 めるとともに 必 要 な 技 術 開 発 を 行 う 横 浜 港 で 浚 渫 土 砂 と 一 部 潜 堤 にスラグを 混 合 した 人 工 石 を 活 用 した 浅 場 藻 場 造 成 を 実 施 するとともに モニタリングにより 効 果 の 検 証 を 行 った 具 体 的 には 横 浜 港 金 沢 地 区 において 浅 場 造 成 を 実 施 した < 実 施 状 況 > 浅 場 造 成 0.8ha( 平 成 21 年 度 ) モニタリングを 実 施 ( 平 成 22~24 年 度 ) 29

浚 渫 土 砂 や 鉄 鋼 スラグ 等 のリサイクル 材 を 有 効 活 用 した 藻 場 の 造 成 に おいても 環 境 への 安 全 性 水 質 浄 化 作 用 及 び 生 物 多 様 性 向 上 への 寄 与 が 確 認 された 浚 渫 土 砂 や 鉄 鋼 スラグ 等 のリサイクル 材 を 有 効 活 用 して 自 然 環 境 の 保 全 再 生 創 出 を 図 る 1-3 海 面 を 漂 う 浮 遊 ゴミ 等 の 回 収 約 20 隻 の 清 掃 船 等 により 海 面 を 漂 う 浮 遊 ゴミ 等 の 全 面 的 な 回 収 を 目 指 し 効 率 的 な 回 収 を 図 るとともに 赤 潮 回 収 技 術 の 開 発 や 回 収 の 実 施 を 検 討 する < 方 針 > 約 20 隻 の 清 掃 船 等 により 湾 内 の 浮 遊 ゴミ 等 の 全 面 的 な 回 収 を 目 指 す 国 土 交 通 省 及 び 港 湾 管 理 者 が 所 有 する 約 20 隻 の 清 掃 船 等 により 東 京 湾 全 体 で 浮 遊 ゴミを 約 74,867 m3 油 を 4 m3 回 収 した( 平 成 15~23 年 度 ) 海 洋 短 波 レーダーを 活 用 した 効 率 的 な 浮 遊 ゴミの 回 収 システムを 開 発 した( 平 成 17~20 年 度 ) 赤 潮 回 収 技 術 及 び 回 収 装 置 の 検 討 を 実 施 した( 平 成 15 年 度 ) 国 土 交 通 省 及 び 港 湾 管 理 者 が 所 有 する 約 20 隻 の 清 掃 船 等 により 海 面 を 漂 う 浮 遊 ゴミ 油 の 回 収 を 行 い 東 京 湾 の 水 質 改 善 及 び 親 水 空 間 への 漂 着 による 景 観 悪 化 防 止 が 図 られた 回 収 システムは 清 掃 兼 油 回 収 船 べいくりん の 回 収 エリア 航 行 ル ートを 決 定 する 際 の 基 本 情 報 として 活 用 している 赤 潮 回 収 技 術 については 対 応 可 能 であったが 現 存 の 所 有 船 舶 への 搭 載 については 装 置 の 設 置 場 所 の 確 保 とそれに 伴 う 船 舶 の 改 造 による 総 ト ン 数 の 増 加 及 び 運 航 上 の 課 題 が 生 じた 海 域 における 水 質 改 善 のため 引 き 続 き 清 掃 船 等 による 浮 遊 ゴミ 油 の 回 収 を 実 施 する べいくりん においては 海 洋 短 波 レーダーを 活 用 した 回 収 システム を 利 用 し 引 き 続 き 効 率 的 な 浮 遊 ゴミの 回 収 を 実 施 する 30

1-4 NPOや 漁 業 者 等 によるゴミの 回 収 NPOや 漁 業 者 等 による 海 底 ゴミの 回 収 や 海 浜 干 潟 の 清 掃 活 動 を 推 進 する NPOや 漁 業 者 等 による 海 底 ゴミの 回 収 や 清 掃 活 動 が 延 べ 41 回 開 催 さ れ 延 べ 11,882 人 の 参 加 により 全 44.3 トンのゴミが 回 収 された 具 体 的 には 以 下 のとおり 1 東 京 港 の 城 南 島 海 浜 公 園 お 台 場 海 浜 公 園 において 海 浜 の 清 掃 を 実 施 ( 平 成 15~24 年 度 ) < 実 施 状 況 >ゴミ 回 収 量 9.8 トン( 平 成 18~23 年 度 ) 2 横 浜 港 の 山 下 公 園 前 面 水 域 において 海 底 の 清 掃 を 実 施 ( 平 成 15~24 年 度 ) < 実 施 状 況 >ゴミ 回 収 量 11.6 トン( 平 成 15~23 年 度 ) 3 千 葉 港 葛 南 港 区 海 老 川 河 口 部 において 清 掃 を 実 施 ( 平 成 18~24 年 度 ) < 実 施 状 況 >ゴミ 回 収 量 22.1 トン( 平 成 18~23 年 度 ) 4 横 須 賀 港 の 走 水 海 浜 地 において 海 浜 の 清 掃 を 実 施 ( 平 成 15~24 年 度 ) < 実 施 状 況 >ゴミ 回 収 量 0.8 トン( 平 成 21~23 年 度 ) NPOや 漁 業 者 等 により 4 港 (5カ 所 )( 東 京 港 城 南 島 海 浜 公 園 お 台 場 海 浜 公 園 横 浜 港 山 下 公 園 千 葉 港 葛 南 港 区 海 老 川 河 口 部 横 須 賀 港 走 水 海 浜 地 )において 多 くの 参 加 者 のもと 清 掃 が 行 われ 親 水 性 の 向 上 及 び 水 辺 景 観 の 改 善 が 図 られた 引 き 続 き 東 京 港 城 南 島 海 浜 公 園 お 台 場 海 浜 公 園 横 浜 港 山 下 公 園 千 葉 港 葛 南 港 区 海 老 川 河 口 部 横 須 賀 港 走 水 海 浜 地 等 において 多 様 な 主 体 が 清 掃 活 動 に 参 加 できる 体 制 を 構 築 する また 広 域 的 で 持 続 可 能 な 取 組 とすることを 目 指 し NPOや 市 民 漁 業 者 と 行 政 の 協 働 による 清 掃 活 動 を 通 して ゴミの 減 量 化 等 の 啓 蒙 活 動 にも 努 める 31

(2) 海 域 の 浄 化 能 力 の 向 上 2-1 干 潟 浅 場 等 の 整 備 現 存 する 貴 重 な 干 潟 や 藻 場 等 を 他 の 公 益 との 調 和 を 図 りつつ 可 能 な 限 り 保 全 する また 干 潟 浅 場 海 浜 磯 場 を 再 生 創 造 するととも に 長 期 的 な 観 点 から 相 互 ネットワーク 化 を 図 る < 方 針 > 高 度 成 長 期 以 降 に 失 われた 干 潟 藻 場 の 面 積 について 湾 全 体 で 約 1 割 取 りもどすことを 目 指 し 干 潟 浅 場 海 浜 磯 場 等 の 再 生 創 出 を 推 進 する 東 京 湾 内 の 3 カ 所 において 全 8.5ha の 浅 場 緑 地 磯 浜 藻 場 を 再 生 創 造 するとともに モニタリングにより 効 果 の 検 証 を 行 った 具 体 的 には 以 下 のとおり 1 東 京 港 羽 田 沖 において 浚 渫 土 砂 を 有 効 活 用 した 浅 場 造 成 を 実 施 < 実 施 状 況 > 浅 場 造 成 量 4.1ha( 平 成 15~17 年 度 ) モニタリングを 実 施 ( 平 成 18~19 年 度 ) 2 川 崎 港 東 扇 島 地 区 において 人 工 海 浜 等 の 親 水 機 能 を 有 する 緑 地 整 備 を 実 施 < 実 施 状 況 > 海 浜 造 成 量 1.4ha( 平 成 15~19 年 度 ) モニタリングを 実 施 ( 平 成 20~22 年 度 ) 3 東 京 港 中 央 防 波 堤 沖 ( 新 海 面 処 分 場 東 側 護 岸 前 面 )において 磯 浜 の 造 成 を 実 施 < 実 施 状 況 > 磯 浜 造 成 量 3.0ha( 平 成 18~23 年 度 ) モニタリングを 実 施 ( 平 成 22~24 年 度 ) 東 京 湾 内 の3カ 所 全 8.5ha の 浅 場 緑 地 磯 浜 藻 場 の 再 生 創 造 に より 底 生 生 物 や 魚 類 等 多 様 な 生 物 の 生 息 が 確 認 されており 自 然 環 境 の 再 生 が 図 られた 再 生 された 藻 場 等 の 面 積 は 東 京 湾 全 体 で 高 度 成 長 期 以 降 に 失 われた 干 潟 藻 場 の 面 積 の3%であるが 点 在 する 小 規 模 なものであっても 生 物 の 移 動 分 散 により 相 互 につながりをもった 場 として 機 能 されたと 考 えられるため 干 潟 浅 海 域 等 の 相 互 ネットワークの 構 築 に 一 定 の 寄 与 があったと 考 えられる 方 針 のフォローアップ 達 成 目 標 である 東 京 湾 全 体 で 高 度 成 長 期 以 降 の 失 われた 干 潟 藻 場 の 面 積 の1 割 (28ha) のうち 約 30%を 回 復 方 針 に 対 する 達 成 度 が 約 30%であり 一 層 の 取 組 を 行 う 必 要 がある 32

干 潟 浅 場 等 の 保 全 再 生 に 向 けた 施 策 を 引 き 続 き 推 進 するとともに 干 潟 等 がもつ 水 質 浄 化 機 能 効 果 の 検 証 及 び 機 能 向 上 の 検 討 を 行 う また 生 態 系 ネットワークの 構 築 に 際 しては 中 継 点 として 機 能 する 場 の 創 出 を 重 点 的 に 図 る より 一 層 の 気 候 変 動 対 策 が 求 められる 中 で 国 連 機 関 等 をはじめ 国 際 的 に 重 要 性 が 認 識 されている 海 洋 生 物 による 炭 素 固 定 (ブルーカーボン) に 着 目 し 沿 岸 生 態 系 による 炭 素 の 吸 収 固 定 に 関 する 研 究 技 術 開 発 を 進 め 沿 岸 生 態 系 再 生 の 更 なる 推 進 を 図 る 2-2 生 物 に 配 慮 した 港 湾 構 造 物 等 の 導 入 生 物 付 着 を 促 進 する 港 湾 構 造 物 等 の 整 備 底 生 生 物 等 の 生 息 場 の 創 出 を 目 指 した 緩 傾 斜 護 岸 への 改 修 また 礫 間 接 触 護 岸 エアレーション の 導 入 等 の 推 進 を 図 る 東 京 湾 内 の4カ 所 において 生 物 付 着 を 促 進 する 港 湾 構 造 物 等 を 整 備 す るとともに モニタリングにより 効 果 の 検 証 を 行 った これによる 全 整 備 延 長 は 2,215m であり 再 生 された 干 潟 藻 場 等 は 13.9ha である な お エアレーションの 導 入 等 に 関 して 高 濃 度 酸 素 水 発 生 装 置 による 実 海 域 実 験 を 実 施 した 具 体 的 には 以 下 のとおり 1 千 葉 港 葛 南 中 央 地 区 において 生 物 付 着 型 港 湾 施 設 ( 岸 壁 1バース)の 整 備 を 実 施 ( 平 成 18 年 度 ) モニタリングを 実 施 ( 平 成 19~21 年 度 ) 2 国 土 交 通 省 関 東 地 方 整 備 局 横 浜 港 湾 空 港 技 術 調 査 事 務 所 構 内 に 干 潟 磯 場 実 験 施 設 の 整 備 を 実 施 ( 平 成 19 年 度 ) モニタリングを 実 施 ( 平 成 20~24 年 度 ) 3 東 京 港 運 河 域 における 護 岸 整 備 に 当 たり 水 生 生 物 に 配 慮 したミニ 干 潟 やカニ 護 岸 等 の 整 備 を 実 施 ( 平 成 19 年 度 ) 4 横 須 賀 港 馬 堀 地 区 において 生 態 系 を 考 慮 した 海 域 環 境 にやさしい 護 岸 整 備 を 実 施 ( 平 成 15~17 年 度 ) モニタリングを 実 施 ( 平 成 17 年 度 ) 5 千 葉 港 千 葉 中 央 地 区 において 高 濃 度 酸 素 水 発 生 装 置 を 用 いた 水 底 質 改 善 を 実 施 機 械 製 作 設 置 ( 平 成 21 年 度 ) モニタリングを 実 施 ( 平 成 22~24 年 度 ) 東 京 湾 内 の4カ 所 における 生 物 付 着 を 促 進 する 港 湾 構 造 物 等 の 整 備 に より 生 物 の 付 着 生 息 が 確 認 されており 生 物 生 息 場 として 安 定 した 環 境 の 形 成 に 寄 与 することが 確 認 された 高 濃 度 酸 素 水 発 生 装 置 による 底 質 の 改 善 効 果 については 効 果 範 囲 が 装 33

置 近 傍 に 限 定 されるものの 高 濃 度 酸 素 水 の 海 底 への 曝 露 により 夏 季 に おける 底 質 の 悪 化 を 抑 制 することが 可 能 であることが 確 認 された 港 湾 構 造 物 の 整 備 改 修 補 強 にあたっては 生 物 や 環 境 へ 配 慮 した 施 設 の 導 入 を 推 進 するとともに モニタリングにより 効 果 を 適 切 に 評 価 検 証 し 必 要 な 対 策 を 検 討 実 施 する 港 湾 構 造 物 に 付 着 した 生 物 が 海 底 に 落 下 堆 積 して 更 なる 貧 酸 素 化 の 原 因 となる 懸 念 も 指 摘 されており 港 湾 施 設 周 辺 における 貧 酸 素 の 発 生 状 況 及 び 岸 壁 付 着 生 物 への 影 響 貧 酸 素 化 抑 制 技 術 の 検 討 を 行 う 市 民 が 気 軽 にアクセスし 海 に 触 れ 合 える 場 を 創 出 するため 多 くの 生 物 が 生 息 しやすい 港 湾 構 造 物 等 の 導 入 を 図 る 2-3 深 掘 跡 の 埋 め 戻 し 青 潮 の 発 生 原 因 のひとつとされている 過 去 の 土 砂 採 取 等 による 深 掘 跡 を 埋 め 戻 す 千 葉 港 及 び 湾 奥 部 に 存 在 する 深 掘 跡 の 埋 め 戻 しを 実 施 した( 平 成 15~24 年 度 ) < 実 施 状 況 > 埋 め 戻 し 量 約 1,500 万 m3( 平 成 15~23 年 度 ) 千 葉 港 及 び 湾 奥 部 において 深 掘 跡 の 埋 め 戻 しを 実 施 し 漁 場 造 成 の 効 果 が 確 認 された 引 き 続 き 千 葉 港 及 び 湾 奥 部 において 漁 場 造 成 の 一 環 として 深 掘 跡 の 埋 め 戻 しを 推 進 する 2-4 技 術 開 発 等 風 力 や 波 力 等 の 自 然 エネルギーの 活 用 も 視 野 に 入 れ 人 工 的 な 水 質 浄 化 施 設 等 の 整 備 に 関 する 検 討 や 技 術 開 発 を 実 施 していく 風 力 等 自 然 エネルギーの 導 入 及 び 利 活 用 について 検 討 を 実 施 した( 平 成 23 年 度 ) 千 葉 港 千 葉 中 央 地 区 において 高 濃 度 酸 素 水 発 生 装 置 を 用 いた 水 底 質 改 善 を 実 施 した( 機 械 の 製 作 設 置 ( 平 成 21 年 度 ) モニタリング 実 施 ( 平 成 22~24 年 度 )) 34

港 湾 での 風 力 発 電 の 導 入 における 港 湾 管 理 者 の 占 用 許 可 に 関 する 参 考 指 針 を 策 定 した より 大 規 模 な 風 力 発 電 の 導 入 と 港 湾 の 本 来 の 機 能 との 共 生 のための 手 順 等 について 検 討 を 実 施 した( 国 土 交 通 省 と 環 境 省 が 連 携 ) 高 濃 度 酸 素 水 発 生 装 置 については 2-25( 前 掲 ) 参 照 化 石 燃 料 の 使 用 による 気 候 変 動 の 抑 制 東 日 本 大 震 災 に 起 因 する 電 力 エネルギー 問 題 を 踏 まえ 自 然 再 生 エネルギーの 活 用 を 促 進 する 取 組 と して 沿 岸 域 における 海 草 等 を 用 いたエタノール 再 生 技 術 等 の 実 現 可 能 性 について 検 討 を 行 い 現 地 への 導 入 を 推 進 する 港 湾 における 風 力 発 電 の 導 入 円 滑 化 については 平 成 23 年 度 において 一 定 の 道 筋 をつけることができたが その 他 の 再 生 可 能 エネルギーの 導 入 への 対 応 等 更 なる 課 題 への 対 応 が 必 要 である また 再 生 可 能 エネ ルギーの 港 湾 における 利 活 用 については 技 術 的 な 課 題 について 現 地 実 証 が 必 要 である 3. 東 京 湾 のモニタリング (1)モニタリングの 充 実 東 京 湾 の 環 境 を 的 確 に 把 握 するためには 水 質 底 質 及 び 底 生 生 物 等 に 関 するモニタリングを 充 実 することが 必 要 である 特 に 底 層 のDOは 底 質 や 底 生 生 物 の 生 息 環 境 さらには 青 潮 の 発 生 と 密 接 な 関 連 を 有 することから 底 層 のDOについてのモニタリング の 充 実 を 図 ることとし 底 層 のDOが 低 下 する 夏 季 においては 国 及 び 七 都 県 市 の 連 携 を 強 化 する 等 的 確 なモニタリングを 行 う 平 成 16 年 2 月 よりさいたま 市 が 平 成 22 年 4 月 に 相 模 原 市 が 加 入 し 現 在 は 埼 玉 県 千 葉 県 東 京 都 神 奈 川 県 横 浜 市 川 崎 市 千 葉 市 さいたま 市 相 模 原 市 の 九 都 県 市 ( 以 下 同 じ ) 東 京 湾 全 域 で 環 境 基 準 点 等 (95 地 点 ) 及 び 環 境 省 広 域 総 合 水 質 調 査 測 定 点 (21 地 点 ) 等 において 定 期 的 に 底 層 のDOを 含 む 環 境 基 準 項 目 の 水 質 調 査 を 実 施 した(カ 所 地 点 数 はともに 平 成 24 年 度 末 時 点 環 境 基 準 点 等 には 補 助 地 点 を 含 む) 千 葉 県 水 産 総 合 研 究 センターでセンター 国 自 治 体 の 測 定 値 を 基 に 貧 酸 素 水 塊 速 報 を 作 成 公 表 している 平 成 20 年 度 から 国 及 び 九 都 県 市 等 が 連 携 して 毎 年 夏 季 に 東 京 湾 水 質 一 斉 調 査 を 実 施 している 35

東 京 湾 水 質 一 斉 調 査 については 平 成 20 年 度 の 第 1 回 では 参 加 団 体 数 が 約 50( 調 査 地 点 数 は 約 600)だったものが 平 成 21 年 度 からは 例 年 約 140 もの 団 体 が 参 加 し( 調 査 地 点 数 は 約 800) 一 定 の 広 がりを 見 せて いる また 平 成 22 年 度 からは 調 査 後 の 振 り 返 りとしてワークショッ プを 開 催 し さらに 平 成 23 年 度 からは 調 査 項 目 に 生 物 調 査 を 加 える など 東 京 湾 再 生 への 関 心 の 醸 成 汚 濁 メカニズムの 解 明 のため 内 容 の 充 実 を 図 っている 引 き 続 き 底 層 のDOについてのモニタリングを 実 施 するとともに 底 生 生 物 の 生 息 状 況 を 同 時 観 測 するなど 一 斉 調 査 の 場 を 有 効 に 生 かし 更 なる 多 様 な 主 体 との 連 携 した 調 査 を 進 めていく 定 点 観 測 点 として 千 葉 港 沖 の 千 葉 灯 標 に 表 層 から 底 層 までの 水 質 (D Oのほか 水 温 クロロフィル 等 )を 連 続 測 定 する 装 置 (モニタリング ポスト)を 設 置 したところであり 今 後 常 時 モニタリングを 行 う 平 成 15 年 5 月 より 海 上 保 安 庁 において 千 葉 灯 標 の 自 動 昇 降 装 置 に 取 り 付 けた 水 質 センサーによるDO 水 温 塩 分 濁 度 クロロフィルa 濃 度 並 びに 水 深 1mごとの 海 水 の 流 向 流 速 の 観 測 を1 時 間 ごと 海 上 の 風 向 風 速 の 観 測 を 15 分 ごとに 実 施 している 平 成 21 年 度 に 国 土 交 通 省 関 東 地 方 整 備 局 において 東 京 湾 内 4 カ 所 ( 浦 安 沖 千 葉 港 波 浪 観 測 塔 千 葉 港 口 第 一 号 灯 標 川 崎 人 工 島 )に 定 点 観 測 点 を 設 置 し 連 続 観 測 を 実 施 し Webサイト 等 でデータを 公 開 して いる 着 実 に 観 測 成 果 を 上 げており 東 京 湾 環 境 情 報 センター( 国 土 交 通 省 関 東 地 方 整 備 局 )リアルタイム 情 報 表 示 モバイル 版 においては 1 日 平 均 約 100 件 のアクセスがあるほか 東 京 湾 リアルタイム 水 質 データでは 年 間 約 15,000 件 のアクセスがある 引 き 続 き 水 質 の 現 状 を 把 握 し 汚 染 源 の 推 定 に 資 するため モニタリン グポストによる 連 続 観 測 を 実 施 し 取 得 したデータの 活 用 を 図 る また 36

更 なる 定 点 観 測 点 の 増 設 を 検 討 する 底 質 や 底 生 生 物 の 実 態 把 握 は 底 層 の 状 況 をより 適 切 に 把 握 するため に 重 要 なことから 七 都 県 市 首 脳 会 議 環 境 問 題 対 策 委 員 会 水 質 改 善 専 門 部 会 において 策 定 された 東 京 湾 における 底 生 生 物 調 査 指 針 及 び 底 生 生 物 等 による 底 質 評 価 方 法 を 活 用 し 七 都 県 市 が 連 携 して 底 生 生 物 のモ ニタリングを 行 うこととする 九 都 県 市 において 東 京 湾 における 底 生 生 物 調 査 指 針 及 び 底 生 生 物 等 による 底 質 評 価 方 法 に 基 づいた 各 自 治 体 の 底 生 生 物 調 査 の 取 りまと めを 定 期 的 に 実 施 した 環 境 省 による 広 域 総 合 水 質 調 査 結 果 等 を 併 せて 用 いることにより 東 京 湾 全 域 で 東 京 湾 における 底 生 生 物 調 査 指 針 及 び 底 生 生 物 等 による 底 質 評 価 方 法 を 活 用 できる 観 測 網 を 維 持 している 引 き 続 き 東 京 湾 全 域 で 底 質 底 生 生 物 の 統 一 的 な 底 質 評 価 を 行 いうる モニタリング 観 測 網 を 維 持 する 環 境 省 においても 広 域 総 合 水 質 調 査 の 底 質 監 視 ポイントにおいて 底 生 生 物 のモニタリングを 行 う 平 成 15 年 度 以 降 広 域 総 合 水 質 調 査 の 底 質 監 視 ポイント8 点 について 底 質 底 生 生 物 の 調 査 を 年 2 回 実 施 した 定 期 的 に 実 施 している 引 き 続 き 夏 季 と 冬 季 の 広 域 総 合 水 質 調 査 における 底 生 生 物 調 査 を 実 施 する 37

これらの 底 生 生 物 のモニタリング 地 点 においては 底 生 生 物 と 環 境 基 準 項 目 や 底 層 のDO 底 質 の 状 態 との 関 連 についても 分 析 を 行 う 環 境 省 においては 東 京 湾 貧 酸 素 水 塊 発 生 機 構 解 明 調 査 にて 底 質 の 状 態 と 底 層 のDOの 相 関 についての 調 査 を 平 成 16 年 度 から 18 年 度 まで 実 施 した また 生 物 の 生 息 環 境 に 多 大 な 影 響 を 及 ぼす 底 層 DO 及 び 水 質 浄 化 親 水 性 に 関 連 する 透 明 度 を 新 たな 水 質 目 標 に 設 定 すること 等 についての 検 討 を 平 成 19 年 度 から 平 成 21 年 度 にかけて 実 施 し 閉 鎖 性 海 域 中 長 期 ビジョン を 策 定 した 平 成 22 年 3 月 に 策 定 された 閉 鎖 性 海 域 中 長 期 ビジョン を 踏 まえ 環 境 省 において 新 たな 環 境 基 準 項 目 として 底 層 DO 及 び 透 明 度 の 追 加 が 検 討 されている 新 たな 環 境 基 準 項 目 の 設 定 に 向 けて 引 き 続 き 検 討 を 進 めるとともに 最 新 のデータや 知 見 等 を 盛 り 込 みながら 継 続 的 に 分 析 を 実 施 していく 必 要 がある 赤 潮 については 一 般 になじみの 深 い 現 象 であることから 統 一 した 判 定 基 準 により 発 生 状 況 の 把 握 を 行 うこととする 千 葉 県 東 京 都 神 奈 川 県 が それぞれの 地 先 水 面 における 赤 潮 の 発 生 回 数 発 生 期 間 優 占 プランクトン 水 質 等 を 記 録 している 発 生 状 況 の 把 握 については 行 われているが 赤 潮 の 判 定 基 準 件 数 日 数 の 統 一 はなされていない 統 一 判 定 基 準 等 の 導 入 については これまでに 蓄 積 した 発 生 状 況 データ との 整 合 性 をとる 必 要 があることを 考 えると 平 成 24 年 度 時 点 におい ては 検 討 する 必 要 性 が 薄 いものと 判 断 される 赤 潮 発 生 状 況 の 把 握 については 引 き 続 き 実 施 する 38

海 上 保 安 庁 において 人 工 衛 星 による 観 測 データを 利 用 し 広 域 にわ たる 赤 潮 等 の 発 生 挙 動 消 滅 などを 把 握 する 平 成 16 年 9 月 から 地 球 観 測 衛 星 AQUA TERRAに 搭 載 された MODISを 用 いて プランクトンに 含 まれるクロロフィルaの 濃 度 変 化 の 観 測 を 実 施 している システム 運 用 開 始 以 降 観 測 成 果 をWebサイトで 公 表 ている 引 き 続 き 地 球 観 測 衛 星 によるモニタリングシステムの 運 用 を 実 施 し 赤 潮 の 状 況 把 握 に 努 める 調 査 から 得 られたモニタリング 結 果 は 市 民 にわかりやすい 形 で 広 く 一 般 に 提 供 する インターネット 上 の 各 機 関 のWebサイトにおいて 一 般 向 けに 調 査 結 果 の 提 供 を 実 施 している 国 土 交 通 省 関 東 地 方 整 備 局 が 管 理 運 営 している 東 京 湾 環 境 情 報 センタ ー(http:// www.tbeic.go.jp/)では 地 図 上 の 測 点 を 見 ながら 調 査 デー タの 検 索 可 能 なように 東 京 湾 WEB-GIS のページを 設 置 している 海 上 保 安 庁 においては 千 葉 灯 標 の 千 葉 灯 標 のモニタリングポストで 得 られたデータを 公 開 する 東 京 湾 リアルタイム 水 質 データ (http://www4.kaiho.mlit.go.jp/kaihoweb/index.jsp)を 設 置 してい る 東 京 湾 水 質 一 斉 調 査 の 結 果 の 一 部 を 東 京 湾 環 境 マップにまとめ 国 土 技 術 政 策 総 合 研 究 所 と 共 同 で 公 開 している 環 境 省 に お い て は 水 環 境 総 合 情 報 サ イ ト (https://www2.env.go.jp/water-pub/mizu-site/)において 公 共 用 水 域 水 質 測 定 結 果 水 浴 場 水 質 測 定 結 果 広 域 総 合 水 質 調 査 結 果 等 を 公 開 している 東 京 湾 環 境 情 報 センター( 国 土 交 通 省 関 東 地 方 整 備 局 )においては 1 日 平 均 約 70 件 のアクセスがあるほか 東 京 湾 リアルタイム 水 質 データ 39

では 年 間 アクセス 数 が 15,000 件 に 上 る 引 き 続 き インターネット 等 を 活 用 し 市 民 へモニタリング 結 果 を 提 供 す る 海 域 における 汚 濁 物 質 の 挙 動 を 把 握 するうえで 重 要 な 流 れについて は 船 舶 浮 標 などを 活 用 し 流 れについてのモニタリングの 充 実 を 図 る 千 葉 灯 標 などの 連 続 観 測 点 に 超 音 波 流 速 計 を 設 置 し 流 況 観 測 を 実 施 し ている 海 上 保 安 庁 保 有 の 船 艇 による 調 査 や 富 津 ( 金 谷 )と 横 須 賀 ( 久 里 浜 )を 結 んでいる 東 京 湾 フェリーなどの 一 般 船 舶 の 協 力 により 東 京 湾 内 の 流 況 調 査 を 実 施 している 観 測 データは 東 京 湾 の 流 れの 研 究 に 活 用 されている 引 き 続 き 船 舶 などを 活 用 した 東 京 湾 内 の 流 況 調 査 を 実 施 する また 灯 浮 標 などの 構 造 物 を 活 用 した 定 点 観 測 点 の 増 設 等 を 検 討 する アピールポイント 付 近 を 対 象 として 水 質 汚 濁 防 止 法 に 基 づくモニタ リング 項 目 に 加 え 底 層 のDO 及 びアピールポイントごとに 定 めた 指 標 についてモニタリングを 実 施 する アピールポイント 付 近 の 環 境 基 準 点 において 水 質 汚 濁 防 止 法 に 基 づく モニタリング 項 目 及 び 底 層 のDO 底 質 底 生 生 物 調 査 を 実 施 している 水 質 汚 濁 防 止 法 に 基 づくモニタリング 項 目 及 び 底 層 のDOのモニタリ ングについては 実 施 している アピールポイントごとに 定 めた 指 標 についても 調 査 が 実 施 されている 40

引 き 続 き 各 項 目 のモニタリングを 実 施 する その 際 アピールポイン トごとの 目 標 の 達 成 状 況 に 応 じて 指 標 の 見 直 しを 行 う 三 番 瀬 周 辺 のモニタリングについては 三 番 瀬 専 門 家 会 議 の 意 見 を 踏 まえモニタリングを 実 施 する NPOや 市 民 の 協 力 を 得 て 生 物 の 生 息 状 況 調 査 を 実 施 するなど 共 同 調 査 の 立 ち 上 げについて 検 討 する (2)モニタリングデータの 共 有 化 及 び 発 信 国 及 び 七 都 県 市 の 連 携 協 力 により データの 整 理 解 析 を 進 め これ ら 結 果 を 踏 まえ 施 策 への 有 効 活 用 を 促 進 していく 広 域 総 合 水 質 調 査 については 環 境 省 が 環 境 基 準 点 の 水 質 調 査 について は 東 京 湾 岸 自 治 体 環 境 保 全 会 議 が 解 析 結 果 を 報 告 書 として 毎 年 作 成 し 公 表 している その 他 の 調 査 についても 個 別 にインターネット 上 などで 解 析 結 果 を 公 表 した 平 成 20 年 度 から 継 続 的 に 実 施 している 東 京 湾 水 質 一 斉 調 査 において データ 収 集 における 共 通 フォーマットの 使 用 データの 整 理 解 析 を 行 い 結 果 を 公 表 している データの 整 理 解 析 は 実 施 しているが 施 策 への 有 効 活 用 の 観 点 から より 迅 速 な 解 析 結 果 の 公 表 について 検 討 が 必 要 である 引 き 続 き データの 整 理 解 析 を 実 施 する 行 動 計 画 の 実 施 を 通 じて 蓄 積 された 情 報 が 広 い 分 野 で 活 用 できるよう 共 有 化 に 配 慮 して 関 連 情 報 の 適 切 な 集 約 管 理 のための 体 制 等 を 整 備 する 以 下 のWebサイト 等 において 調 査 結 果 及 びメタデータの 集 約 提 供 を 実 施 した WOTB( 東 京 湾 水 環 境 サイト) http://mizu.nies.go.jp/mizu/wotb/top.asp 東 京 湾 環 境 情 報 センター( 国 土 交 通 省 関 東 地 方 整 備 局 ) 41

http://www.tbeic.go.jp/ また 平 成 20 年 度 から 継 続 的 に 実 施 している 東 京 湾 水 質 一 斉 調 査 のデ ータについても 公 開 している Webサイトを 通 じて 調 査 データが 利 用 されている 引 き 続 き 行 動 計 画 の 実 施 を 通 じて 蓄 積 された 情 報 の 集 約 提 供 を 行 う Webサイトを 運 用 する 各 機 関 のホームページ 上 の 既 存 のWebサイトの 充 実 を 図 るととも に 新 たなサイトを 設 け 互 いにリンクすることにより 一 般 市 民 や 研 究 者 等 の 利 便 を 図 る 関 係 機 関 において データの 共 有 化 及 び 発 信 を 目 的 としたWebサイト を 運 用 し 相 互 にリンクを 設 定 した 相 互 にリンクを 設 定 することにより 利 便 性 の 向 上 が 図 られた 引 き 続 き 一 般 市 民 や 研 究 者 等 の 利 便 を 図 るため 各 機 関 のWebサイ トの 充 実 や 相 互 リンクの 設 定 を 行 う (3) 市 民 参 加 型 のモニタリング 市 民 がモニタリング 活 動 に 参 加 し 水 質 等 の 現 状 を 自 ら 体 験 学 習 で きるような 仕 組 みを 整 備 し これにより 東 京 湾 の 環 境 に 対 する 意 識 の 向 上 や 市 民 レベルでの 水 質 改 善 対 策 への 自 主 的 な 取 組 を 促 す 必 要 がある このため 市 民 やNPOなどと 連 携 した 継 続 的 な 活 動 を 展 開 する 必 要 が ある 毎 年 湾 岸 及 び 流 域 において 一 般 市 民 を 対 象 としたイベント 等 を 開 催 し 平 成 24 年 度 は 11 件 実 施 した 7.(1) 参 照 また 東 京 湾 水 質 一 斉 調 査 においても 市 民 参 加 型 モニタリングのデー タを 収 集 し 報 告 書 に 掲 載 している 42

行 動 計 画 策 定 時 より イベント 等 が 増 えてきている 引 き 続 き 一 般 市 民 を 対 象 とした 環 境 啓 発 活 動 等 のイベントの 充 実 に 努 める 施 策 による 改 善 の 効 果 について 広 く 一 般 市 民 に 周 知 するため 関 連 するシンポジウム 等 において 情 報 提 供 していく 東 京 湾 再 生 のためのシンポジウム や 東 京 湾 再 生 セミナー 等 の 場 で 東 京 湾 の 現 状 や 施 策 の 状 況 について 一 般 市 民 向 けの 講 演 を 実 施 した 東 京 湾 再 生 推 進 会 議 の 委 員 が 種 々の 会 合 において 情 報 提 供 を 行 ってい る 引 き 続 き 市 民 やNPOが 主 催 のシンポジウム 等 への 参 加 情 報 発 信 を 実 施 する 海 上 保 安 庁 においては 毎 年 6 月 5 日 ( 国 連 が 定 めた 世 界 環 境 デー ) を 初 日 とする 海 洋 環 境 保 全 推 進 週 間 を 定 め 関 係 行 政 機 関 等 と 協 働 し 海 洋 環 境 保 全 のための 継 続 的 な 指 導 啓 発 活 動 を 実 施 する 毎 年 6 月 に 海 洋 環 境 保 全 推 進 月 間 を 設 け 関 係 行 政 機 関 並 びに 未 来 に 残 そう 青 い 海 ボランティアチーム 及 び 海 守 等 民 間 団 体 と 協 働 の 下 海 洋 環 境 保 全 講 習 会 海 洋 環 境 保 全 教 室 及 び 漂 着 ゴミ 分 類 調 査 な どを 通 じて 国 民 一 人 一 人 の 海 洋 環 境 保 全 のための 遵 法 精 神 の 高 揚 等 を 指 導 啓 発 している < 実 施 状 況 > 漂 着 ゴミ 分 類 調 査 1 回 海 洋 環 境 保 全 教 室 8 回 海 洋 環 境 保 全 講 習 会 14 回 (いずれも 平 成 24 年 度 の 実 施 件 数 ) 毎 年 実 施 されている 横 浜 開 港 祭 等 のイベントにおいて 環 境 パネル 展 示 等 の 海 洋 環 境 保 全 コーナーを 設 け イベントの 来 場 者 に 対 し 海 上 環 境 業 務 への 理 解 及 び 協 力 の 促 進 を 図 った 43

着 実 に 実 施 している 特 に 東 京 湾 内 では 夏 場 を 中 心 に 海 関 連 のイベ ントが 多 く 多 数 の 来 場 者 を 得 ていることから このような 機 会 を 利 用 して 広 く 海 洋 環 境 保 全 を 訴 えていくことが 重 要 である 海 上 保 安 庁 第 三 管 区 海 上 保 安 本 部 では 平 成 15 年 7 月 から 民 間 ボラ ンティア 団 体 未 来 に 残 そう 青 い 海 ボランティアチーム と 協 働 して 効 果 的 な 海 洋 環 境 保 全 啓 発 活 動 を 実 現 できた 引 き 続 き 関 係 行 政 機 関 及 び 民 間 ボランティア 団 体 等 と 協 働 して 海 洋 環 境 保 全 のための 啓 発 活 動 を 実 施 する (4) 新 たな 取 組 東 京 湾 再 生 推 進 会 議 モニタリング 分 科 会 ( 以 下 分 科 会 という )にお いては, 平 成 18 年 度 の 第 1 回 中 間 評 価 において 明 らかになった 課 題 に 対 応 するため, 平 成 19 年 度 に 有 識 者 による 東 京 湾 モニタリング 研 究 会 ( 座 長 : 灘 岡 和 夫 東 京 工 業 大 学 大 学 院 情 報 理 工 学 研 究 科 教 授 )を 設 置 した 平 成 20 年 3 月 に 同 研 究 会 から 東 京 湾 のモニタリングに 関 する 政 策 助 言 ( 以 下 政 策 助 言 という )として 東 京 湾 のモニタリングの 必 要 性 と 課 題 及 び 課 題 解 決 に 向 けた 取 組 の 方 針 が 示 された 政 策 助 言 に 記 載 された 課 題 解 決 に 向 けた 取 組 のうち 実 現 可 能 なもの から 平 成 20 年 度 以 降 順 次 取 組 を 進 めている 44

4-1 東 京 湾 一 斉 調 査 の 実 施 と 拡 大 以 下 に 掲 げる 事 項 を 目 的 として 原 則 現 在 国 や 各 地 方 自 治 体 が 定 期 的 に 実 施 している 海 域 河 川 の 環 境 調 査 (モニタリング 調 査 )のうちの1 回 を 各 機 関 が 協 働 して 特 定 の 1 日 に 一 斉 に 実 施 すること 1 東 京 湾 の 環 境 モニタリングにおける 関 係 機 関 が 連 携 協 働 した 効 率 的 かつ 効 果 的 なモニタリング 調 査 の 体 制 づくり の 契 機 とす る 2 東 京 湾 の 全 域 及 び 陸 域 を 対 象 として 一 斉 での 調 査 を 通 じ, 青 潮 貧 酸 素 水 塊 の 分 布 等 を 把 握 することで, 東 京 湾 の 汚 染 メカニズムの 理 解 の 増 進 を 図 る 3 多 様 な 主 体 が 協 働 しモニタリングを 実 施 することにより, 国 民 流 域 住 民 の 東 京 湾 再 生 への 関 心 を 醸 成 する ( 政 策 助 言 2.1 早 急 に 実 施 すべき 取 組 ) 年 1 回 の 調 査 として 継 続 的 に 実 施 し その 後 段 階 的 に 調 査 範 囲 調 査 頻 度 調 査 項 目 を 拡 大 して 実 施 することを 検 討 すること ( 政 策 助 言 2.2.1 短 期 的 に 実 現 を 目 指 すべき 取 組 ) 東 京 湾 一 斉 調 査 を 展 開 させて 東 京 湾 内 に 於 いて 各 機 関 が 実 施 してい る 環 境 調 査 ( 水 質 底 質 底 生 生 物 )の 効 率 的 効 果 的 実 施 の 実 現 を 目 指 す ( 政 策 助 言 2.2.2 中 期 的 長 期 的 に 実 現 を 目 指 すべき 取 組 ) 平 成 20 年 度 に 国 及 び 八 都 県 市 等 が 連 携 して 第 1 回 東 京 湾 水 質 一 斉 調 査 を 実 施 し 以 降 毎 年 夏 季 に 特 定 の 1 日 を 設 定 し 継 続 的 に 実 施 している また 例 年 東 京 湾 水 質 一 斉 調 査 に 併 せて 環 境 啓 発 活 動 等 のイベントを 実 施 している 東 京 湾 水 質 一 斉 調 査 においては 官 だけではなく 民 間 会 社 や 研 究 者 N PO 等 から 多 数 の 参 加 協 力 を 得 ている 平 成 22 年 度 からは 調 査 参 加 者 による 東 京 湾 水 質 一 斉 調 査 ワークシ ョップ を 開 催 し 調 査 結 果 の 共 有 データの 解 析 についての 意 見 交 換 等 を 実 施 した 調 査 成 果 を 東 京 湾 環 境 マップ に 取 りまとめ 広 く 配 布 した 調 査 項 目 については 第 1 回 の 共 通 項 目 ( 海 域 :DO 水 温 塩 分 陸 域 :COD 水 温 流 量 )に 加 え 平 成 23 年 度 からは 透 明 度 の 調 査 を 推 奨 項 目 として 掲 げた また 平 成 24 年 度 からは 生 物 調 査 についても データの 収 集 を 開 始 した 調 査 データやイベント 実 施 報 告 については 報 告 書 形 式 で 取 りまとめ 東 45

京 湾 再 生 推 進 会 議 のWebページで 公 開 している 東 京 湾 水 質 一 斉 調 査 は 毎 年 1 回 の 調 査 として 関 係 者 に 定 着 しつつあり 平 成 24 年 度 には 145 機 関 が 調 査 に 参 加 機 関 するなど 調 査 参 加 機 関 の 拡 大 調 査 項 目 の 拡 大 も 着 実 に 進 んでいる 毎 年 夏 季 の 継 続 的 な 実 施 により 貧 酸 素 水 塊 の 水 平 鉛 直 的 な 広 がりを 把 握 が 進 み 調 査 結 果 の 解 析 を 通 して 東 京 湾 の 汚 染 メカニズムの 理 解 の 推 進 が 図 ることができている また 調 査 成 果 の 取 りまとめ 及 び 公 表 も 実 施 している また イベント 実 施 や 東 京 湾 水 質 一 斉 調 査 ワークショップ の 開 催 を 通 して 関 係 機 関 が 連 携 協 働 した 効 率 的 かつ 効 果 的 なモニタリング 調 査 の 体 制 づくりの 機 運 が 高 められている 引 き 続 き 汚 染 メカニズムの 理 解 の 増 進 等 のため 東 京 湾 水 質 一 斉 調 査 を 環 境 啓 発 活 動 等 のイベントとともに 継 続 的 に 実 施 する 東 京 湾 水 質 一 斉 調 査 ワークショップ についても 継 続 的 に 実 施 し 調 査 結 果 の 取 りまとめのみならず 調 査 の 拡 大 や 関 係 機 関 が 連 携 協 働 し た 効 率 的 かつ 効 果 的 なモニタリング 調 査 の 体 制 づくりに 最 大 限 活 用 し ていく 4-2 連 続 モニタリングポストの 展 開 東 京 湾 における 環 境 上 の 問 題 課 題 である 湾 奥 部 を 中 心 とした 貧 酸 素 水 塊 の 現 状 を 把 握 すること また 東 京 湾 の 湾 奥 部 から 湾 口 部 にかけて の 流 況 や 水 質 の 変 化 湾 内 水 質 への 外 海 水 の 影 響 について 把 握 すること を 目 的 として 現 状 の 連 続 観 測 点 を 活 用 するとともに 観 測 点 の 増 設 を 検 討 する ( 政 策 助 言 2.1 早 急 に 実 施 すべき 取 組 ) 連 続 モニタリングポストの 増 設 について 検 討 し 新 たに 設 置 した 連 続 観 測 点 と 既 存 のモニタリング 観 測 点 を 活 用 して 東 京 湾 連 続 モニタリング 観 測 を 実 施 し 観 測 データの 公 開 を 行 うこと ( 政 策 助 言 2.2.1 短 期 的 に 実 現 を 目 指 すべき 取 組 ) 政 策 助 言 の 内 容 を 踏 まえ, 平 成 21 年 度 に 湾 奥 の4 点 に 連 続 観 測 点 の 増 設 をし 既 存 の 調 査 点 1 点 と 合 わせて5 点 における 流 況 水 質 海 上 気 46

象 の 同 時 連 続 観 測 が 実 施 されている モニタリングポストデータについては 各 モニタリングポストのサイト からデータを 加 工 した 図 や 観 測 データのダウンロードが 可 能 となって いる 湾 における 流 況 水 質 海 上 気 象 の 連 続 観 測 点 の 観 測 データが 充 実 し 湾 奥 における 水 質 の 状 況 をより 的 確 に 把 握 することができている また データの 公 開 も 実 施 されている 一 方 で 湾 奥 部 から 湾 口 部 にかけての 流 況 や 水 質 の 変 化 湾 内 水 質 への 外 海 水 の 影 響 について 把 握 する 連 続 モニタリングポイントは 未 設 置 で ある 連 続 観 測 を 継 続 的 に 実 施 し 観 測 データを 有 効 活 用 するとともに 湾 奥 部 から 湾 口 部 にかけての 流 況 や 水 質 の 変 化 湾 内 水 質 への 外 海 水 の 影 響 について 把 握 する 連 続 モニタリングポイント 等 連 続 観 測 点 が 未 整 備 の 海 域 において 連 続 観 測 点 の 増 設 について 検 討 する 4-3 データ 公 開 に 向 けた 取 組 東 京 湾 一 斉 調 査 の 測 定 データ 及 び 連 続 モニタリングポストの 観 測 デー タの 公 開 に 向 けて データフォーマットを 統 一 し データ 公 開 提 供 に あたっての 共 通 ルールを 作 成 する ( 政 策 助 言 2.1 早 急 に 実 施 すべき 取 組 ) 平 成 20 年 度 より 毎 年 夏 季 に 実 施 している 東 京 湾 水 質 一 斉 調 査 において 参 加 団 体 からの 水 質 調 査 データ 収 集 のための 共 通 フォーマットを 指 定 している 収 集 したデータについては 東 京 湾 環 境 情 報 センター( 国 土 交 通 省 関 東 地 方 整 備 局 ) において 統 一 フォーマットでデータ 公 開 提 供 を 実 施 している 生 物 調 査 データについては 平 成 24 年 度 調 査 にお いて 試 験 的 なデータ 収 集 の 段 階 であり 共 通 ルールの 設 定 の 検 討 を 開 始 している モニタリングポストデータについては 各 モニタリングポストのサイト からデータをグラフ 化 する 等 の 加 工 した 図 や 観 測 データのダウンロー ドが 可 能 となっている その 他 の 東 京 湾 におけるモニタリングデータについて 各 観 測 主 体 によ 47

るウェブサイト 等 を 通 じたデータ 公 開 が 行 われている また 東 京 湾 環 境 情 報 センター( 国 土 交 通 省 関 東 地 方 整 備 局 ) 水 環 境 総 合 情 報 サイト( 環 境 省 ) においてはそれらのリンクページを 設 定 している 東 京 湾 水 質 一 斉 調 査 におけるデータに 関 する 共 通 のルールについては データの 多 くの 調 査 機 関 の 協 力 により 公 開 が 進 められている モニタリ ングポストデータについても 増 設 されたモニタリングポストも 含 め デ ータの 公 開 を 実 施 してきており 短 期 的 な 課 題 は 達 成 しつつある 東 京 湾 水 質 一 斉 調 査 やモニタリングポストデータ 以 外 の 観 測 データに ついて 公 開 は 進 められ サイトのリンクやクリアりんグハウスの 活 用 等 によりユーザーからのアクセス 性 は 向 上 しているものの データフォ ーマットの 統 一 の 議 論 は 十 分 行 われていない 今 後 も 東 京 湾 水 質 一 斉 調 査 の 機 会 を 活 用 し 共 通 ルールによるデータ 収 集 公 開 提 供 の 取 組 を 実 施 しながら より 適 切 なルールとなるよう 検 討 を 続 けていくとともに 未 だ 共 通 ルールが 設 定 されていない 生 物 調 査 データについても 早 急 に 検 討 を 進 める 東 京 湾 水 質 一 斉 調 査 やモニタリングポストデータ 以 外 の 観 測 データの 公 開 の 共 通 ルールについては 東 京 湾 水 質 一 斉 調 査 の 取 組 を 参 考 としな がら データの 早 期 公 表 やデータの 活 用 しやすさといった データユー ザーの 視 点 から 検 討 する 機 会 を 設 け 継 続 的 に 改 善 していくことが 必 要 である (5) 今 後 取 り 組 むべき 課 題 上 記 の 取 組 以 外 に, 政 策 助 言 には 中 長 期 的 な 取 組 として 東 京 湾 モニ タリング 調 査 - 効 率 的 効 果 的 モニタリング-の 実 現 及 び データの 公 開 提 供 に 向 けた 取 組 が さらに 将 来 に 向 けた 課 題 への 対 応 が 記 載 されて いる これらには 検 討 の 着 眼 点 や 具 体 的 なモニタリング 例 が 示 されており そのうちの 実 施 可 能 なものから 取 り 組 んでいるところであるが 未 実 施 の 事 項 も 残 る そこで 政 策 助 言 に 記 述 されながら 未 実 施 の 取 組 の 検 討 状 況 と 課 題 を 抽 出 し 今 後 取 り 組 むべき 課 題 を 整 理 する 48

5-1 関 係 機 関 による 調 査 実 施 内 容 の 調 整 連 携 東 京 湾 一 斉 調 査 を 展 開 させて 東 京 湾 内 において 各 機 関 が 実 施 してい る 環 境 調 査 ( 水 質 底 質 底 生 生 物 )の 効 率 的 効 果 的 実 施 の 実 現 を 目 指 す 各 機 関 が 現 在 実 施 している 環 境 調 査 の 目 的 や 目 標 データの 活 用 方 法 等 を 十 分 考 慮 した 上 で 中 期 的 な 取 組 として 調 査 時 期 調 査 頻 度 の 連 携 を 図 り より 効 率 的 効 果 的 な 調 査 の 実 施 を 目 指 す さらに 長 期 的 な 実 現 を 目 指 して 調 査 地 点 調 査 項 目 調 査 層 の 調 整 連 携 を 図 るとともに 調 査 手 法 についての 統 一 を 図 り より 一 層 効 率 的 効 果 的 な 調 査 の 実 施 に 取 り 組 む ( 政 策 助 言 2.2.2 中 期 的 長 期 的 に 実 現 を 目 指 すべき 取 組 ) 自 治 体 が 担 当 する 公 共 用 水 域 の 調 査 については 九 都 県 市 首 脳 会 議 環 境 問 題 対 策 委 員 会 水 質 改 善 専 門 部 会 や 東 京 湾 岸 自 治 体 環 境 保 全 会 議 の 調 整 を 通 して 効 果 的 効 率 的 に 行 われている 自 治 体 以 外 の 多 様 な 機 関 を 含 めた 連 携 については 東 京 湾 水 質 一 斉 調 査 の 継 続 的 な 実 施 により 連 携 協 働 の 気 運 は 高 まりつつあるものの 情 報 の 共 有 と 活 用 にとどまり 調 査 時 期 調 査 頻 度 の 連 携 には 至 っていな い 調 査 層 調 査 手 法 の 統 一 についても 同 様 に 進 んでいない 今 後 も 九 都 県 市 首 脳 会 議 環 境 問 題 対 策 委 員 会 水 質 改 善 専 門 部 会 や 東 京 湾 岸 自 治 体 環 境 保 全 会 議 場 を 活 用 して 自 治 体 間 の 調 整 を 進 めるとと もに より 多 様 な 機 関 とも 連 携 を 進 めるための 調 整 の 場 を 創 設 する 必 要 がある 調 整 の 場 を 創 設 するにあたっては モニタリング 担 当 セクター だけ ではなく 利 用 セクター としての 関 係 機 関 部 署 や 大 学 等 の 研 究 機 関 の 研 究 者 グループ NPO 市 民 グループの 代 表 者 漁 業 関 係 者 など の 意 見 を 取 り 入 れられる 仕 組 みを 備 えることが 望 ましい そのためには 東 京 湾 再 生 推 進 会 議 が 枠 組 みを 提 供 することが 効 果 的 であると 考 えら れる 49

5-2 水 環 境 モニタリング から 生 態 系 モニタリング への 進 化 東 京 湾 モニタリング の 将 来 に 向 けた 課 題 として これまでの 水 質 底 質 中 心 のモニタリングから 生 物 の 生 息 状 況 等 に 関 するモニタリング も 含 めた より 包 括 的 な 内 容 のモニタリングに 発 展 させていくことによ り 水 環 境 モニタリング から 生 態 系 モニタリング へと 進 化 させ ていく 必 要 がある それによって 東 京 湾 の 水 環 境 再 生 のレベルに 留 まらない 生 物 多 様 性 等 から 見 た 健 全 性 が 一 定 レベル 以 上 に 持 続 可 能 な 豊 かな 生 態 系 の 再 生 としての 東 京 湾 再 生 に 資 する 戦 略 的 なモ ニタリング 体 制 を 確 立 していくこととする ( 政 策 助 言 2.3 将 来 に 向 けた 課 題 への 対 応 ) 生 物 の 生 息 状 況 についての 調 査 については 環 境 省 による 広 域 総 合 水 質 調 査 や 都 県 市 による 東 京 湾 における 底 生 生 物 調 査 指 針 及 び 底 生 生 物 等 による 底 質 評 価 方 法 を 活 用 したモニタリングを 実 施 し 観 測 網 を 維 持 している 大 学 研 究 機 関 による 調 査 や 水 産 部 局 による 水 産 有 用 種 の 調 査 も 実 施 さ れてきている 沿 岸 部 の 干 潟 等 における 生 物 についてはNPOによる 調 査 なども 他 多 数 行 われている 総 合 的 なモニタリングの 体 制 が 整 いつつある 今 後 は 現 行 の 環 境 省 及 び 都 県 市 による 調 査 だけでなく 水 産 部 局 等 に よる 調 査 についても 総 合 的 に 活 用 していくとともに 生 態 系 の 維 持 の 観 点 からの 解 析 に 役 立 つ 年 間 を 通 した 調 査 等 を 創 設 実 施 していく 必 要 が ある そのためにはより 効 率 的 効 果 的 な 調 査 体 制 を 整 えることが 重 要 であり 環 境 省 及 び 都 県 市 の 環 境 部 局 大 学 研 究 機 関 や 水 産 部 局 の 連 携 を 進 め るほか NPOともより 一 層 連 携 を 進 める 必 要 がある それらの 実 現 に 向 け 前 項 関 係 機 関 による 調 査 実 施 内 容 の 調 整 連 携 のための 取 組 を 通 して 実 施 していくことが 適 当 である 50

4.アピールポイントにおける 取 組 (1)いなげの 浜 ~ 幕 張 の 浜 周 辺 千 葉 市 南 部 浄 化 センターにおいて 高 度 処 理 を 導 入 し 汚 濁 負 荷 削 減 を 図 るものとする また 千 葉 市 中 央 処 理 区 においては 吐 口 のスクリ ン 設 置 貯 留 浸 透 施 設 等 合 流 式 下 水 道 の 改 善 を 図 る さらに 当 地 区 に 流 入 する 河 川 流 域 において 単 独 処 理 浄 化 槽 から 合 併 処 理 浄 化 槽 へ の 転 換 促 進 高 度 処 理 型 浄 化 槽 の 設 置 等 の 推 進 を 図 る 千 葉 市 南 部 浄 化 センターにおいて 処 理 能 力 6.6 万 m3/ 日 の 高 度 処 理 施 設 を 整 備 した( 平 成 15~24 年 度 ) 千 葉 市 中 央 処 理 区 において 雨 水 吐 スクリン 等 の 除 去 施 設 25 カ 所 設 置 浸 透 トレンチ 又 は 浸 透 ますの 設 置 降 雨 初 期 汚 濁 水 対 策 として の 雨 水 貯 留 施 設 4カ 所 を 整 備 した( 平 成 15~24 年 度 ) 単 独 処 理 浄 化 槽 から 合 併 処 理 浄 化 槽 への 転 換 を 促 進 した 千 葉 市 において 合 併 処 理 浄 化 槽 ( 通 常 型 高 度 処 理 型 )の 補 助 制 度 を 設 け 転 換 を 促 進 した( 平 成 14 年 度 ) 施 策 状 況 の 分 析 評 価 南 部 浄 化 センターの 現 有 能 力 (20 万 m3/ 日 )に 対 する 高 度 処 理 化 の 割 合 は 66%となっている また 平 成 25 年 度 に 増 設 した 高 度 処 理 施 設 が 供 用 開 始 される 合 流 式 下 水 道 の 改 善 において 夾 雑 物 対 策 カ 所 33 カ 所 に 対 し 25 カ 所 が 整 備 済 み 貯 留 施 設 についても 全 5カ 所 に 対 し4カ 所 が 整 備 済 みである また 合 流 式 下 水 道 改 善 率 は 81%であり 改 善 対 策 が 着 実 に 進 んでいる 南 部 浄 化 センターにおいて 引 き 続 き 高 度 処 理 化 に 向 けた 取 組 を 推 進 する 合 流 式 下 水 道 の 改 善 については 法 令 による 改 善 期 限 である 平 成 25 年 度 末 までに 事 業 を 完 了 させる 浄 化 槽 に 関 する 補 助 制 度 をさらにPRし 転 換 を 促 進 する アピールポイントの 情 報 を 積 極 的 に 発 信 し アクセスの 確 保 イベ ントの 開 催 等 アピールポイントに 多 くの 市 民 が 集 まるような 取 組 を 実 施 する 重 点 エリア アピールポイントにおける 市 民 NPO 等 の 取 組 を 発 表 する 機 会 を 設 ける 51

検 見 川 の 浜 において 快 適 な 海 浜 空 間 の 創 出 をするための 遊 歩 道 等 の 整 備 を 実 施 した ( 平 成 15~23 年 度 ) 検 見 川 の 浜 の 遊 歩 道 等 の 整 備 により アクセス 性 等 の 向 上 が 図 られた 千 葉 県 と 千 葉 市 において 海 辺 の 活 性 化 に 関 する 県 市 連 絡 会 議 等 で 検 討 し 人 工 海 浜 等 の 活 用 のための 取 組 を 行 っていく (2) 三 番 瀬 周 辺 江 戸 川 左 岸 流 域 江 戸 川 第 二 終 末 処 理 場 において 高 度 処 理 を 導 入 し 汚 濁 負 荷 削 減 を 図 るものとする また 当 地 区 に 流 入 する 河 川 流 域 におい て 単 独 処 理 浄 化 槽 から 合 併 処 理 浄 化 槽 への 転 換 促 進 高 度 処 理 型 浄 化 槽 河 川 の 直 接 浄 化 施 設 の 設 置 等 の 推 進 を 図 る 江 戸 川 左 岸 流 域 江 戸 川 第 二 終 末 処 理 場 において 処 理 能 力 5.5 万 m3/ 日 の 高 度 処 理 施 設 を 供 用 開 始 した( 平 成 21 年 度 ) 船 橋 市 市 川 市 において 単 独 処 理 浄 化 槽 から 合 併 処 理 浄 化 槽 への 転 換 を 進 めるため 市 が 行 う 浄 化 槽 設 置 に 係 る 補 助 事 業 に 対 して 助 成 を 実 施 した 当 地 区 に 流 入 する 河 川 において 河 川 の 直 接 浄 化 施 設 を 整 備 し 河 川 直 接 浄 化 を 実 施 した( 平 成 15~24 年 度 ) 江 戸 川 左 岸 流 域 下 水 道 の 幹 線 管 渠 の 整 備 処 理 場 施 設 の 施 設 整 備 が 進 ん でいる 単 独 浄 化 槽 から 合 併 処 理 浄 化 槽 への 転 換 が 着 実 に 進 んでいる 江 戸 川 左 岸 流 域 下 水 道 の 幹 線 管 渠 の 整 備 処 理 場 施 設 の 施 設 整 備 を 推 進 する 浄 化 槽 に 関 する 助 成 制 度 をさらにPRし 転 換 を 促 進 する 52

アピールポイントの 情 報 を 積 極 的 に 発 信 し アクセスの 確 保 イベン トの 開 催 等 アピールポイントに 多 くの 市 民 が 集 まるような 取 組 を 実 施 する 重 点 エリア アピールポイントにおける 市 民 NPO 等 の 取 組 を 発 表 する 機 会 を 設 ける 三 番 瀬 に 関 する 情 報 をインターネット 等 により 発 信 した( 平 成 15 ~24 年 度 ) 広 報 拠 点 としてサテライトオフィスを 設 置 した( 平 成 15~23 年 度 ) 三 番 瀬 の 状 況 を 多 くの 方 に 紹 介 し 再 生 への 理 解 と 参 加 を 促 すため N POなどが 開 催 する 三 番 瀬 フェスタを 支 援 した( 平 成 15~18 年 度 ) 小 学 生 による 三 番 瀬 での 自 主 活 動 を 促 進 するとともに 三 番 瀬 再 生 キッ ズ 育 成 事 業 を 実 施 した( 平 成 20~22 年 度 ) 三 番 瀬 で 活 動 するNPO 等 が 開 催 するシンポジウムや 視 察 会 等 を 支 援 した( 平 成 19~24 年 度 ) 三 番 瀬 の 再 生 に 係 る 様 々な 分 野 の 人 々が 共 通 に 使 える 標 語 (キャッチコ ピー) シンボルマーク 及 びマスコットキャラクターを 効 果 的 に 活 用 し 三 番 瀬 の 広 報 を 実 施 した( 平 成 20~24 年 度 ) イベント 等 の 積 極 的 な 開 催 により 多 くの 市 民 がアピールポイントに 足 を 運 ぶことで 市 民 への 啓 発 につながる また NPO 等 が 取 り 組 む 三 番 瀬 での 東 京 湾 再 生 活 動 を 支 援 している 引 き 続 き 情 報 発 信 やイベント 等 を 開 催 し 広 く 市 民 に 東 京 湾 に 接 する 機 会 を 提 供 する (3) 葛 西 海 浜 公 園 周 辺 埼 玉 県 荒 川 流 域 荒 川 処 理 センター に 高 度 処 理 を 導 入 し 汚 濁 負 荷 削 減 を 図 るものとする さらに 綾 瀬 川 等 当 地 区 に 流 入 する 河 川 において 浚 渫 等 の 河 川 浄 化 対 策 荒 川 河 口 域 における 干 潟 の 再 生 を 実 施 する 平 成 18 年 4 月 1 日 荒 川 水 循 環 センターに 改 称 元 荒 川 水 循 環 センター 新 河 岸 川 水 循 環 センター 新 河 岸 川 上 流 水 循 環 センター 及 び 中 川 水 循 環 センターにおいて 処 理 能 力 20 万 m3/ 日 の 高 度 処 理 施 設 を 供 用 開 始 した( 平 成 18~24 年 度 ) 53

埼 玉 県 荒 川 水 循 環 センターにおいて 平 成 25 年 度 からの 高 度 処 理 施 設 の 供 用 開 始 に 向 けて 工 事 を 実 施 しているところである 浮 間 水 再 生 センターにおいて 処 理 能 力 16.5 万 m3/ 日 の 高 度 処 理 施 設 を 供 用 開 始 した( 平 成 13~24 年 度 ) 綾 瀬 川 等 当 地 区 に 流 入 する 河 川 において 河 川 の 直 接 浄 化 施 設 の 整 備 浚 渫 干 潟 の 再 生 事 業 を 実 施 した( 平 成 15~24 年 度 ) 汚 濁 負 荷 削 減 のため 5 処 理 場 で 高 度 処 理 を 供 用 開 始 した 綾 瀬 川 等 当 地 区 に 流 入 する 河 川 において 河 川 の 浄 化 対 策 に 取 り 組 ん だ 荒 川 水 循 環 センター 等 における 高 度 処 理 施 設 の 整 備 を 進 め 高 度 処 理 の 割 合 を 高 めていく 綾 瀬 川 等 当 地 区 に 流 入 する 河 川 において 今 後 も 継 続 して 河 川 の 浄 化 対 策 に 取 り 組 む アピールポイントの 情 報 を 積 極 的 に 発 信 し アクセスの 確 保 イベン トの 開 催 等 アピールポイントに 多 くの 市 民 が 集 まるような 取 組 を 実 施 する 水 質 貝 毒 調 査 を 実 施 した( 平 成 15~24 年 度 ) イベント 等 の 積 極 的 な 開 催 により 多 くの 市 民 がアピールポイントに 足 を 運 ぶことで 市 民 への 啓 発 につながった 引 き 続 きイベント 等 を 開 催 し 東 京 湾 再 生 の 効 果 等 を 広 く 市 民 に 発 信 す る 54

(4)お 台 場 周 辺 三 河 島 処 理 場 で 高 度 処 理 を 導 入 し 汚 濁 負 荷 削 減 を 図 るものとする また お 台 場 海 浜 公 園 への 白 色 固 形 物 の 漂 着 する 日 数 をゼロと 削 減 する ため 芝 浦 処 理 区 の 渋 谷 川 古 川 流 域 において 河 川 事 業 と 下 水 道 事 業 と が 連 携 した 雨 水 貯 留 管 の 設 置 雨 水 吐 口 におけるスクリン 施 設 の 設 置 等 を 行 う さらに 隅 田 川 流 域 において 浚 渫 や 河 川 の 直 接 浄 化 施 設 の 設 置 等 により 汚 濁 負 荷 量 の 削 減 を 図 る 平 成 16 年 4 月 1 日 三 河 島 水 再 生 センターに 改 称 芝 浦 水 再 生 センターの 一 部 施 設 に 処 理 能 力 12 万 m3/ 日 の 段 階 的 高 度 処 理 施 設 ( 計 画 上 位 置 付 けられた 処 理 方 法 と 異 なる 施 設 )を 整 備 した( 平 成 22~24 年 度 ) 三 河 島 水 再 生 センターの 一 部 施 設 に 処 理 能 力 24 万 m3/ 日 の 段 階 的 高 度 処 理 施 設 ( 最 終 形 の 高 度 処 理 方 法 と 異 なる 施 設 )を 整 備 した( 平 成 22 ~24 年 度 ) 芝 浦 処 理 区 にある 渋 谷 川 古 川 の 吐 口 63 カ 所 中 61 カ 所 において ごみ の 流 出 抑 制 対 策 を 実 施 した( 平 成 13~22 年 度 ) 芝 浦 水 再 生 センターにおいて 雨 天 時 貯 留 池 を 増 設 に 着 手 した( 平 成 23 年 度 ) 隅 田 川 流 域 において 浚 渫 を 実 施 した 2 処 理 場 で 段 階 的 高 度 処 理 施 設 を 供 用 開 始 した 隅 田 川 流 域 においては 浚 渫 が 実 施 されている 2 処 理 場 における 高 度 処 理 施 設 の 整 備 を 進 め 高 度 処 理 の 割 合 を 高 めて いく 隅 田 川 流 域 においては 今 後 も 計 画 的 継 続 的 に 浚 渫 を 実 施 するなど 汚 濁 負 荷 量 の 削 減 を 図 る 芝 浦 水 再 生 センターに 貯 留 施 設 を 増 設 するとともに 高 速 ろ 過 施 設 を 導 入 し 雨 天 時 の 簡 易 放 流 水 質 の 向 上 を 図 る アピールポイントの 情 報 を 積 極 的 に 発 信 し アクセスの 確 保 イベン トの 開 催 等 アピールポイントに 多 くの 市 民 が 集 まるような 取 組 を 実 施 する お 台 場 海 浜 公 園 において 海 浜 の 清 掃 を 実 施 した( 平 成 15~24 年 度 ) 55

お 台 場 海 浜 公 園 において 水 質 貝 毒 調 査 を 実 施 した( 平 成 15~24 年 度 ) お 台 場 海 浜 公 園 において アマモの 育 成 移 植 や 海 苔 の 育 成 加 工 など を 通 じた 東 京 湾 の 環 境 教 育 や 改 善 活 動 を 実 施 した( 平 成 17~24 年 度 ) イベント 等 の 積 極 的 な 開 催 により 多 くの 市 民 がアピールポイントに 足 を 運 ぶことで 市 民 への 啓 発 につながる また NPO 等 が 取 り 組 む お 台 場 周 辺 での 東 京 湾 再 生 活 動 を 支 援 している 引 き 続 きイベント 等 を 開 催 し 東 京 湾 再 生 の 効 果 等 を 広 く 市 民 に 発 信 す る (5) 多 摩 川 河 口 周 辺 川 崎 市 等 々 力 水 処 理 センターで 高 度 処 理 を 導 入 し 汚 濁 負 荷 削 減 を 図 るものとする また 入 江 崎 処 理 区 においてポンプ 場 沈 砂 池 のドライ 化 雨 水 吐 き 室 におけるスクリン 施 設 の 設 置 等 を 行 い 合 流 式 下 水 道 の 改 善 を 図 る さらに 下 水 道 処 理 区 域 外 の 臨 海 部 においては 単 独 処 理 浄 化 槽 から 合 併 処 理 浄 化 槽 への 転 換 促 進 を 図 る 多 摩 川 上 流 水 再 生 センター 北 多 摩 一 号 水 再 生 センター 北 多 摩 ニ 号 水 再 生 センター 浅 川 水 再 生 センター 八 王 子 水 再 生 センター 南 多 摩 水 再 生 センターに 高 度 処 理 ( 処 理 能 力 合 計 51 万 m3/ 日 )を 導 入 し 処 理 水 量 に 対 する 高 度 処 理 の 割 合 を 55%まで 上 昇 させた ( 平 成 12~24 年 度 ) 川 崎 市 等 々 力 水 処 理 センターにおいて 好 気 性 ろ 床 14 池 ( 処 理 能 力 13.2 万 m3/ 日 )を 設 置 し 多 摩 川 への 放 流 系 統 は 処 理 能 力 116,500 m3/ 日 が 完 成 した( 平 成 14~19 年 度 ) 川 崎 市 入 江 崎 水 処 理 センターにおいて 処 理 能 力 64,500 m3/ 日 の 高 度 処 理 を 導 入 した( 平 成 15~23 年 度 ) 5カ 所 のポンプ 場 ( 大 島 大 師 河 原 戸 手 古 市 場 小 向 ポンプ 場 ) 吐 口 において 細 目 スクリンを 設 置 した( 平 成 14~22 年 度 ) 古 市 場 ポンプ 場 戸 手 ポンプ 場 の2カ 所 でポンプ 場 のドライ 化 が 完 了 し た( 平 成 18~19 年 度 ) 下 水 道 処 理 区 域 外 の 臨 海 部 における 事 業 者 の 排 水 検 査 等 において 合 併 処 理 浄 化 槽 への 転 換 を 啓 発 した( 平 成 15~24 年 度 ) 8 処 理 場 において 高 度 処 理 施 設 の 整 備 を 進 めた 結 果 高 度 処 理 の 割 合 56

が 向 上 した 入 江 崎 処 理 区 には 10 カ 所 の 吐 口 があるが 平 成 14 年 度 末 の 時 点 では 対 策 完 了 カ 所 がなかったものの 平 成 24 年 度 末 においては5カ 所 で 対 策 が 完 了 している 一 方 合 流 式 下 水 道 改 善 率 は 約 57%に 達 している 合 併 処 理 浄 化 槽 への 転 換 促 進 が 図 られた 8 処 理 場 における 高 度 処 理 施 設 の 整 備 を 進 め 高 度 処 理 の 割 合 を 高 めて いく 入 江 崎 処 理 区 における 吐 口 の 対 策 について 今 後 も 継 続 的 な 取 組 を 行 い 合 流 式 下 水 道 改 善 対 策 を 今 後 も 重 点 的 に 実 施 する 今 後 も 継 続 して 下 水 道 未 接 続 排 水 の 適 正 管 理 に 努 める アピールポイントの 情 報 を 積 極 的 に 発 信 し アクセスの 確 保 イベン トの 開 催 等 アピールポイントに 多 くの 市 民 が 集 まるような 取 組 を 実 施 する 市 民 参 加 型 モニタリング 調 査 として 多 摩 川 河 口 部 において 釣 り 調 査 を 実 施 した( 平 成 19~24 年 度 ) 東 京 都 において 平 成 24 年 春 に1 千 万 尾 を 超 えるアユが 多 摩 川 を 遡 上 したことが 報 道 発 表 され 話 題 になるなど 環 境 の 改 善 結 果 が 認 知 されつ つある NPO 等 が 取 り 組 む 多 摩 川 河 口 周 辺 での 東 京 湾 再 生 活 動 を 支 援 してい る 引 き 続 きNPO 等 との 協 働 を 推 進 し 多 摩 川 河 口 周 辺 をはじめとした 東 京 湾 再 生 関 連 のイベント 等 を 積 極 的 に 支 援 する (6)みなとみらい21 周 辺 横 浜 市 神 奈 川 下 水 処 理 場 における 高 度 処 理 の 施 設 整 備 を 推 進 すると ともに 雨 水 滞 水 池 による 合 流 式 下 水 道 の 改 善 により 汚 濁 負 荷 の 削 減 を 図 るものとする 平 成 17 年 4 月 1 日 より 神 奈 川 水 再 生 センターに 改 称 57

横 浜 市 神 奈 川 水 再 生 センターにおいて 高 度 処 理 を 推 進 した 結 果 処 理 能 力 13.6 万 m3/ 日 の 高 度 処 理 ( 嫌 気 無 酸 素 好 気 法 )を 実 施 している (~ 平 成 24 年 度 ) 横 浜 市 神 奈 川 水 再 生 センターにおいて センター 内 に 滞 水 容 量 53,000 m3の 雨 水 滞 水 池 が 完 成 した( 平 成 16 年 3 月 ) 横 浜 市 神 奈 川 水 再 生 センター 内 ポンプ 場 のドライ 化 のためのポンプ 消 毒 設 備 の 設 置 を 行 った( 平 成 15 年 3 月 ) 夾 雑 物 対 策 として 雨 水 吐 き 室 へのスクリンの 設 置 を 実 施 した( 平 成 23 年 度 24 年 度 ) 神 奈 川 水 再 生 センターの 現 有 能 力 (43.5 万 m3/ 日 )に 対 する 高 度 処 理 化 の 割 合 は 31%に 達 した 合 流 式 下 水 道 緊 急 改 善 計 画 に 位 置 づけた 雨 水 滞 水 池 整 備 雨 水 吐 改 良 遮 集 管 整 備 スクリン 設 置 を 行 い 改 善 対 策 が 進 んでいる 神 奈 川 水 再 生 センターにおいて 処 理 設 備 の 更 新 に 併 せて 高 度 処 理 化 を 進 める 引 き 続 き 合 流 式 下 水 道 緊 急 改 善 計 画 に 位 置 づけた 雨 水 滞 水 池 整 備 雨 水 吐 改 良 遮 集 管 整 備 スクリン 設 置 を 行 う アピールポイントの 情 報 を 積 極 的 に 発 信 し アクセスの 確 保 イベン トの 開 催 等 アピールポイントに 多 くの 市 民 が 集 まるような 取 組 を 実 施 する 横 浜 港 の 山 下 公 園 前 面 水 域 において 海 底 の 清 掃 を 実 施 した( 平 成 15 ~24 年 度 ) 横 浜 港 のみなとみらい 21 地 区 の 前 面 水 域 において ワカメの 育 成 によ る 一 般 市 民 参 加 型 の 海 域 浄 化 活 動 を 実 施 するとともに 水 質 浄 化 効 果 の 検 証 を 実 施 した( 平 成 15~24 年 度 ) 国 土 交 通 省 関 東 地 方 整 備 局 横 浜 港 湾 空 港 技 術 調 査 事 務 所 において 潮 彩 の 渚 を 整 備 した( 平 成 19 年 度 ) NPO 等 が 取 り 組 むみなとみらい 21 周 辺 での 東 京 湾 再 生 活 動 を 通 じて 58

市 民 の 環 境 に 対 する 意 識 の 啓 発 や 多 様 な 主 体 との 連 携 協 働 体 制 の 構 築 に 寄 与 している 引 き 続 きNPO 等 との 協 働 を 推 進 し みなとみらい 21 周 辺 をはじめと した 東 京 湾 再 生 関 連 のイベント 等 を 積 極 的 に 支 援 する (7) 海 の 公 園 八 景 島 周 辺 横 浜 市 金 沢 下 水 処 理 場 に 高 度 処 理 を 導 入 し 汚 濁 負 荷 削 減 を 図 ると ともに 金 沢 ポンプ 場 沈 砂 池 のドライ 化 や ポンプ 場 放 流 水 の 消 毒 を 行 う 平 成 17 年 4 月 1 日 より 金 沢 水 再 生 センターに 改 称 横 浜 市 金 沢 水 再 生 センターにおいて 処 理 能 力 7.2 万 m3/ 日 の 高 度 処 理 を 導 入 した( 平 成 15~24 年 度 ) 横 浜 市 金 沢 ポンプ 場 のドライ 化 のためのポンプを 設 置 した( 平 成 15 年 度 ) 横 浜 市 金 沢 ポンプ 場 放 流 水 の 消 毒 設 備 を 設 置 し 消 毒 を 行 った( 平 成 14 ~24 年 度 ) 金 沢 水 再 生 センターの 現 有 処 理 能 力 (24.9 万 m3/ 日 )に 対 する 高 度 処 理 化 の 割 合 は 29%となっている 合 流 式 下 水 道 緊 急 改 善 計 画 に 位 置 づけた 雨 水 吐 改 良 遮 集 管 整 備 を 行 い 改 善 対 策 が 進 んでいる 金 沢 水 再 生 センターにおいて 処 理 設 備 の 更 新 に 併 せて 高 度 処 理 化 を 進 める 引 き 続 き 合 流 式 下 水 道 緊 急 改 善 計 画 に 位 置 づけた 雨 水 吐 改 良 遮 集 管 整 備 スクリン 設 置 を 行 う アピールポイントの 情 報 を 積 極 的 に 発 信 し アクセスの 確 保 イベン トの 開 催 等 アピールポイントに 多 くの 市 民 が 集 まるような 取 組 を 実 施 する 海 の 公 園 において 再 生 されたアマモ 場 の 育 成 を 実 施 した( 平 成 17~21 年 度 ) 59

横 浜 港 金 沢 地 区 のベイサイドマリーナ 前 面 水 域 において 再 生 されたア マモ 場 を 育 成 し モニタリングを 実 施 した( 平 成 15~19 年 度 ) アマモを 播 種 した 範 囲 から アマモ 場 が 再 生 拡 大 しつつあるが 海 水 浴 やウィンドサーフィンなど 周 辺 のレクリエーションへの 影 響 が 生 じ たこともあり アマモ 場 の 管 理 について 調 整 が 必 要 である アマモ 群 落 の 分 布 範 囲 が 広 がりを 見 せており 数 年 にわたる 移 植 播 種 の 成 果 が 現 れている 気 象 や 海 象 により アマモの 生 育 に 大 きな 影 響 が 及 ぶことから 引 き 続 きアマモ 場 の 育 成 管 理 を 推 進 する 環 境 再 生 とマりんレジャーの 両 方 の 側 面 を 活 かすため 引 き 続 き アマ モ 場 の 育 成 管 理 を 推 進 する 5. 実 験 的 な 取 組 (1)お 台 場 における 都 の 水 質 浄 化 実 験 お 台 場 海 浜 公 園 を 安 心 して 遊 べる 水 辺 空 間 とするため 民 間 会 社 と 共 同 して 平 成 14 年 度 から 海 域 浄 化 実 験 を 実 施 する 平 成 15 年 度 より お 台 場 海 浜 公 園 の 海 域 の 一 部 をシルトフェンスで 仕 切 り 浄 化 した 海 水 を 放 流 し 水 質 の 改 善 状 況 等 を 調 査 した 浄 化 技 術 としては 安 定 して 浄 化 海 水 の 提 供 はできた( 平 成 15~23 年 度 ) 今 回 の 浄 化 海 水 放 流 方 法 は 海 域 の 生 物 や 地 形 に 顕 著 な 影 響 はなかった 上 記 取 組 について 取 りまとめを 行 う お 台 場 海 浜 公 園 にて 多 様 な 生 物 が 生 息 することによる 水 質 改 善 実 験 を 平 成 19 年 から 実 施 する お 台 場 海 浜 公 園 にて カキ 等 による 水 質 改 善 実 験 を 実 施 した( 平 成 19 ~24 年 度 ) 60

1カキ 等 による 水 質 改 善 実 験 ( 平 成 19~21 年 度 ) 2 水 中 スクリンによる 水 質 改 善 実 験 ( 平 成 22~24 年 度 ) カキ 等 による 水 質 改 善 実 験 施 設 を 設 置 したことにより 多 様 な 水 生 生 物 等 の 蝟 集 が 確 認 できた 1カキによる 実 験 : 底 質 CODの 低 減 が 見 られた 2スクリン: 大 腸 菌 群 数 の 流 入 防 止 に 一 定 の 効 果 が 見 られた 平 成 27 年 度 までに 水 質 改 善 実 験 結 果 の 取 りまとめを 行 う (2) 定 期 フェリーによるモニタリング 東 京 湾 口 部 を 航 行 する 湾 内 フェリーに 海 水 採 取 装 置 や 自 動 海 水 解 析 装 置 を 搭 載 し フェリー 運 航 中 に 表 層 の 水 温 塩 分 量 ph 溶 存 酸 素 量 濁 度 クロロフィル 各 種 栄 養 塩 (T-N T-P 等 ) 及 び 流 況 ( 流 向 流 速 )を 連 続 観 測 する 試 みを 実 施 する 平 成 15 年 に 東 京 湾 口 部 を 航 行 するフェリー( 東 京 湾 フェリー 株 式 会 社 の かなや 丸 )に 海 水 採 取 装 置 自 動 海 水 解 析 装 置 流 況 測 定 装 置 を 設 置 した 機 器 により 水 質 流 況 の 観 測 を 長 期 連 続 的 に 実 施 している なお ph 溶 存 酸 素 量 (DO) 濁 度 の 観 測 は 平 成 15 年 度 ~17 年 まで 実 施 した 東 京 湾 口 の 流 動 構 造 ( 表 層 流 出 中 層 流 入 下 層 流 出 という 3 層 構 造 ) を 明 らかにするとともに 冬 と 夏 の 海 水 交 換 が 悪 く 春 と 秋 が 良 いとい う 近 年 の 海 水 交 換 の 特 徴 を 明 らかにした 東 京 湾 の 海 水 交 換 に 及 ぼす 風 と 淡 水 流 入 量 が 明 らかとなった 東 京 湾 の 海 水 交 換 量 (フェリーによる 観 測 結 果 )と 湾 表 層 流 速 (HFレ ーダーによる 観 測 結 果 )の 相 関 が 高 いことが 分 かった その 他 東 京 湾 口 の 天 文 潮 流 の 変 化 は 平 成 15 年 以 降 大 きな 変 化 が 見 られなかったことが 分 かった 引 き 続 き 調 査 を 実 施 し その 他 の 観 測 結 果 や 数 値 シミュレーションとの 組 み 合 わせにより 東 京 湾 の 栄 養 塩 の 物 質 収 支 の 把 握 さらに 東 京 湾 の 貧 酸 素 水 塊 と 海 水 交 換 の 関 係 を 調 べる 61

(3) 海 洋 短 波 レーダーによる 観 測 東 京 湾 の 流 れの 構 造 の 解 明 モデルの 高 度 化 といった 研 究 目 的 で 行 っ ている 海 洋 短 波 レーダーによる 観 測 結 果 をインターネットで 公 表 する 海 洋 短 波 レーダーによる リアルタイム 表 層 流 況 モニタリングシステ ム を 開 発 し 平 成 17 年 11 月 から2 局 ( 千 葉 局 大 黒 埠 頭 局 ) 体 制 で 観 測 データをインターネットで 公 開 開 始 した 平 成 18 年 3 月 からは 船 橋 局 を 加 えた3 局 体 制 で 観 測 データを 公 開 した URL:http://www.meic.go.jp/ http://www.tbeic.go.jp/ 海 洋 短 波 レーダーによる 流 況 観 測 結 果 を 用 いた 浮 遊 幼 生 ネットワーク の 解 明 について 論 文 発 表 を 実 施 した 海 洋 レーダー 割 り 当 てに 向 けた 技 術 検 討 を 実 施 した 海 洋 短 波 レーダーによるモニタリングシステムを 開 発 してインターネ ットで 公 開 するとともに 海 洋 短 波 レーダーによる 流 況 観 測 結 果 と 人 工 衛 星 データとの 重 ね 合 わせを 検 討 した これにより アサリ 浮 遊 幼 生 を 指 標 とした 湾 内 の 生 態 系 ネットワークの 存 在 が 示 され 湾 内 における 自 然 再 生 の 方 針 方 策 検 討 に 資 するデータを 得 る 等 東 京 湾 の 環 境 メカニ ズムの 解 明 に 向 けた 取 組 を 実 施 した 海 洋 レーダーに 関 する 技 術 文 書 の 作 成 により 世 界 無 線 通 信 会 議 (WR C)において 海 洋 レーダーへの 正 式 な 周 波 数 分 配 が 決 定 され 海 洋 レ ーダーの 継 続 的 実 用 運 用 への 道 筋 ができた 海 洋 短 波 レーダーを 核 としたモニタリングシステムの 構 築 に 向 けて 引 き 続 き 海 洋 短 波 レーダーによる 流 況 観 測 結 果 の 高 次 的 な 利 用 を 検 討 す るとともに 自 動 昇 降 ブイによる 湾 口 モニタリングや 長 期 連 続 観 測 ブイ による 湾 内 浅 海 域 水 質 リアルタイムモニタリングを 併 用 したモニタリ ングシステムを 構 築 し 東 京 湾 の 生 態 系 ネットワーク 等 環 境 メカニズ ムの 解 明 に 向 けた 取 組 をさらに 推 進 する (4) 海 外 との 交 流 東 京 湾 再 生 に 関 する 施 策 のより 一 層 の 展 開 を 図 るため 国 際 会 議 等 を 通 じ 海 外 の 閉 鎖 性 海 域 関 係 者 との 情 報 交 換 を 図 るなど 国 際 的 な 交 流 を 検 討 する 62

天 然 資 源 の 開 発 利 用 に 関 する 日 米 会 議 (UJNR)の 枠 のもと 沿 岸 環 境 科 学 技 術 専 門 部 会 (CESTパネル) を 開 催 した( 平 成 15~22 年 度 ) PEMSA( 東 アジア 海 域 環 境 管 理 パートナーシップ)の 開 催 時 に 関 係 各 国 への 情 報 提 供 として 東 京 湾 再 生 のための 行 動 計 画 を 紹 介 し 見 学 会 を 開 催 した( 平 成 20 年 度 ) 日 韓 干 潟 ワークショップを 開 催 した( 平 成 15~22 年 度 ) 海 外 からの 講 演 者 を 招 いた 国 際 シンポジウムや 国 際 会 議 を 開 催 してお り 海 外 の 先 進 事 例 に 関 する 学 習 海 外 の 関 係 者 との 情 報 交 換 等 国 際 的 な 交 流 を 実 施 してきた 次 回 の 沿 岸 環 境 科 学 技 術 専 門 部 会 を 日 本 で 開 催 することに 合 意 して いる 引 き 続 き 国 際 会 議 等 を 通 じた 国 際 的 な 交 流 を 推 進 する (5) 東 京 湾 における 水 質 予 測 の 高 度 化 に 関 する 試 み 環 境 省 において 東 京 湾 等 の 閉 鎖 性 水 域 において 水 域 改 善 指 標 や 対 策 シナリオ 等 を 設 定 し 中 長 期 シミュレーションを 行 い 水 域 における 許 容 負 荷 量 と 負 荷 削 減 の 最 適 化 負 荷 削 減 以 外 の 対 策 について 検 討 を 行 う 東 京 湾 をはじめとした 閉 鎖 性 海 域 における 非 定 常 の 流 況 や 生 態 系 等 を 考 慮 したシミュレーションモデルを 構 築 し 水 質 将 来 予 測 を 行 うととも に 今 後 の 閉 鎖 性 海 域 が 目 指 すべき 水 環 境 の 目 標 とその 達 成 に 向 けたロ ードマップを 示 す 閉 鎖 性 海 域 中 長 期 ビジョン を 平 成 22 年 3 月 に 策 定 した 閉 鎖 性 海 域 中 長 期 ビジョン における 将 来 水 質 予 測 の 結 果 汚 濁 負 荷 量 の 削 減 を 今 後 も 継 続 することにより 底 層 DOをはじめとする 底 質 環 境 の 改 善 が 予 測 された また 今 後 の 閉 鎖 性 海 域 が 目 指 すべき 新 たな 水 環 境 の 目 標 として 示 された 底 層 DO 及 び 透 明 度 については 現 在 環 境 省 において 環 境 基 準 項 目 への 追 加 に 向 けた 検 討 がなされており これらの 成 果 は 施 策 検 討 のための 重 要 な 資 料 となっている 63

水 質 総 量 削 減 の 取 組 を 引 き 続 き 推 進 していくとともに 底 層 DO 及 び 透 明 度 については 生 物 の 生 息 環 境 とリンクした あるいは 水 質 の 浄 化 機 能 を 担 う 藻 場 等 の 生 育 環 境 とリンクしたより 分 かりやすい 指 標 として 引 き 続 き 環 境 基 準 項 目 化 に 向 けた 検 討 を 進 める 必 要 がある 国 土 交 通 省 関 東 地 方 整 備 局 において 関 係 機 関 の 協 働 により 得 られた モニタリング 結 果 で 利 用 可 能 なシミュレーションシステムを 構 築 すると ともに 東 京 湾 環 境 情 報 センターの 機 能 を 高 度 化 することにより 広 い 分 野 で 活 用 できるよう 公 開 する 東 京 湾 に 流 入 する 栄 養 塩 類 がDO 濃 度 に 及 ぼす 影 響 や 羽 田 空 港 拡 張 事 業 等 東 京 湾 内 での 開 発 による 影 響 をより 精 度 良 く 予 測 追 跡 し 東 京 湾 再 生 の 各 施 策 の 効 果 を 評 価 するため 関 係 機 関 の 協 働 により 得 られた モニタリング 結 果 を 活 用 したシミュレーションモデルを 構 築 した( 平 成 19~22 年 度 ) 関 係 機 関 の 協 働 により シミュレーションモデルの 構 築 がなされたとこ ろであるが 長 期 予 測 において データの 蓄 積 による 更 なる 精 度 向 上 に 向 けた 検 討 の 深 度 化 が 必 要 である 調 査 データの 整 理 分 析 を 基 に シミュレーションモデルの 構 築 を 図 る とともに 精 度 の 向 上 を 目 指 す (6) 生 態 系 ネットワークに 関 する 調 査 東 京 湾 - 東 京 港 - 京 浜 運 河 周 辺 における 生 態 系 ネットワークに 関 す る 調 査 を 実 施 する 芝 浦 アイランドにおいて 生 物 の 生 息 場 づくりのための 基 礎 調 査 実 験 を 市 民 自 治 体 との 協 働 で 実 施 した( 平 成 19~22 年 度 ) 東 京 湾 - 東 京 港 - 京 浜 運 河 周 辺 の 影 響 伝 搬 を 検 討 するための 生 物 (マハ ゼ) 水 質 (DO) 観 測 を 実 施 した( 平 成 19~24 年 度 ) マハゼの 棲 み 処 調 査 として 一 般 市 民 の 参 加 型 調 査 を 実 施 した( 平 成 24 年 度 ) 64

生 物 生 息 実 験 ( 芝 浦 アイランドでの 実 施 )において 芝 浦 アイランドの テラス 型 護 岸 が 多 様 な 生 き 物 の 棲 み 処 となっていることが 確 認 される など 生 物 の 生 息 場 づくりが 実 施 された マハゼの 成 長 度 合 いなどをデータ 化 することにより 貧 酸 素 水 塊 の 発 生 状 況 等 との 関 連 を 示 唆 するデータが 得 られた 生 物 生 息 実 験 については 自 治 体 市 民 が 連 携 した 利 用 管 理 体 制 の 構 築 を 推 進 する 新 たな 場 の 創 出 に 向 けた 事 業 展 開 を 検 討 推 進 する 市 民 参 加 型 の 調 査 メニューの 開 拓 浸 透 を 検 討 推 進 する 6. 多 様 な 主 体 との 連 携 による 東 京 湾 再 生 の 取 組 (1) 多 様 な 主 体 との 連 携 協 働 による 東 京 湾 再 生 の 推 進 東 京 湾 再 生 に 関 する 啓 発 情 報 発 信 ニーズの 把 握 のため 地 域 住 民 等 を 対 象 とした 意 識 調 査 シンポジウム セミナー 体 験 イベント 等 を 実 施 するとともに ホームページを 充 実 させる 東 京 湾 の 清 掃 活 動 を 広 く 知 ってもらうため 東 京 湾 クリンアップ 大 作 戦 を 実 施 した( 平 成 15~24 年 度 ) 東 京 湾 シンポジウム を 開 催 した( 平 成 15~24 年 度 ) 横 須 賀 港 走 水 地 区 において 天 然 のアマモ 場 を 活 用 した 体 験 イベント 海 の 魅 力 発 見 体 験 in 走 水 (スノーケル 教 室 学 習 会 ) をNPO 法 人 等 との 協 力 により 実 施 した( 平 成 18~24 年 度 ) 東 京 湾 再 生 推 進 会 議 WEBサイトについては 平 成 20 年 4 月 にリニュ ーアルした 東 京 湾 クリンアップ 大 作 戦 は 7 月 の 海 の 月 間 に 併 せて 広 報 宣 伝 活 動 を 実 施 しており 地 域 の 方 々への 周 知 が 図 られている 東 京 湾 シンポジウム は これまでにシンポジウムを 13 回 パネル 展 を 6 回 ワークショップを 6 回 開 催 し 多 様 な 関 係 者 間 の 情 報 共 有 が 図 られた 横 須 賀 港 での 体 験 イベントは 好 評 であり 東 京 湾 における 環 境 再 生 の 啓 65

発 に 効 果 を 上 げている また イベントを 通 して 関 係 者 間 のネットワー クが 形 成 されつつある 東 京 湾 海 域 の 住 民 及 びNPOを 対 象 とする 東 京 湾 への 環 境 意 識 行 政 ニーズを 把 握 するための アンケート を 公 表 した( 平 成 20 年 度 ) 東 京 湾 再 生 推 進 会 議 として 行 ったシンポジウムやセミナーについては 7.(2) 参 照 多 様 な 機 関 と 協 力 して 東 京 湾 の 環 境 保 全 の 重 要 性 の 理 解 を 得 るため 引 き 続 き 情 報 発 信 していく 多 様 な 主 体 に 参 加 してもらうために 地 方 自 治 体 大 学 NPO 等 との 共 催 によりシンポジウムの 内 容 の 多 様 化 を 図 る 横 須 賀 港 での 体 験 イベントについては 今 後 も 行 政 主 体 から 平 成 24 年 度 に 横 須 賀 市 が 養 成 した よこすか 海 の 専 門 ガイド 主 体 へと 移 行 しな がら 継 続 して 実 施 していく 研 究 者 やNPO 等 が 実 施 する 東 京 湾 再 生 関 連 のイベントを 積 極 的 に 支 援 する 国 土 政 策 技 術 総 合 研 究 所 等 が 開 催 する 東 京 湾 シンポジウム を 平 成 18 年 度 以 降 後 援 している 東 京 湾 をよくするために 行 動 する 会 が 主 催 している 東 京 湾 フェス タ を 後 援 している 着 実 に 支 援 を 実 施 している 同 様 の 東 京 湾 再 生 関 連 イベントについて 今 後 も 積 極 的 に 支 援 する 子 供 たち 等 市 民 が 東 京 湾 について 学 び 理 解 し 東 京 湾 への 関 心 を 高 める ための 環 境 学 習 啓 発 活 動 等 を 実 施 する 山 下 公 園 前 面 海 域 の 一 部 で 海 域 生 物 による 浄 化 実 験 を 行 い 市 民 事 業 者 とともに 水 環 境 を 考 え 更 なる 横 浜 港 の 水 環 境 改 善 を 目 指 す 取 組 を 実 66

施 した 平 成 22 年 8 月 に 横 浜 市 が 市 民 へ 行 ったアンケート 調 査 の 結 果 によると いつもきれいな 海 見 る 海 から 触 れ 親 しめる 身 近 な 海 への 期 待 が 大 き いことがわかった 例 えば 第 1 回 の 東 京 湾 水 質 一 斉 調 査 ( 平 成 20 年 7 月 2 日 )の 関 連 として 8 都 県 市 全 てで 環 境 教 育 環 境 活 動 等 の 取 組 がなされた 市 民 に 親 しみを 持 っていただける 生 きものが 豊 かな 海 への 取 組 を 行 う 事 業 の 実 施 に 当 たり 構 想 段 階 から 地 域 住 民 NPO 研 究 者 等 と 連 携 し 事 業 実 施 のプロセスを 共 有 するよう 努 める 環 境 情 報 を 集 約 し 情 報 の 共 有 発 信 のため 東 京 湾 環 境 情 報 センター ( 国 土 交 通 省 関 東 地 方 整 備 局 )においてデータを 公 開 するとともに 利 用 推 進 に 向 けたPRを 実 施 した( 平 成 15~24 年 度 ) 千 葉 県 において 平 成 20 年 3 月 に 県 民 やNPOの 参 加 のもと みんな で 東 京 湾 をきれいにする 行 動 計 画 を 策 定 した この 行 動 計 画 の 環 境 づくりの 一 環 として 千 葉 県 として 市 町 村 と 連 携 し 東 京 湾 アピールポイント を 10 カ 所 河 川 コミュニティポイント を7カ 所 設 定 するととともに 県 民 NPOからの 公 募 により 水 質 浄 化 対 策 取 組 事 例 集 を 作 成 した 横 須 賀 市 において 市 民 との 協 働 によるエコタウンポートの 形 成 を 基 本 理 念 とする 横 須 賀 港 港 湾 環 境 計 画 を 平 成 17 年 3 月 に 策 定 した 東 京 湾 環 境 情 報 センター( 国 土 交 通 省 関 東 地 方 整 備 局 )により 情 報 を 公 開 し 情 報 の 共 有 化 を 実 施 している 汚 濁 負 荷 削 減 のための 県 民 向 け 啓 発 活 動 を 実 施 した 東 京 湾 環 境 情 報 センター( 国 土 交 通 省 関 東 地 方 整 備 局 )において 随 時 デ ータやホームページの 更 新 を 行 い 一 般 市 民 や 研 究 者 等 の 利 用 促 進 を 図 67

る 様 々な 媒 体 を 活 用 した 広 報 及 び 船 上 視 察 会 や 水 質 浄 化 に 関 する 公 開 講 座 の 開 催 等 の 啓 発 活 動 を 推 進 する 民 間 主 導 の 新 しい 組 織 が 設 立 される 動 きがあることから この 取 組 を 積 極 的 に 支 援 する 東 京 湾 の 環 境 をよくするために 行 動 する 会 ( 磯 部 雅 彦 会 長 )( 以 下 東 京 湾 をよくする 会 という )が 平 成 20 年 5 月 に 設 立 された( 平 成 18 19 年 に 設 立 に 向 けた 支 援 を 実 施 した ) 東 京 湾 をよくする 会 が 行 うシンポジウム フェスタ 広 報 活 動 等 を 支 援 した( 平 成 20~24 年 度 ) 東 京 湾 をよくする 会 の 主 な 活 動 状 況 は 以 下 のとおりである 平 成 21 年 11 月 6 日 7 日 に みんなでよくする 東 京 湾 2009 を 開 催 し2 日 間 で 200 名 の 参 加 を 得 て 東 京 湾 への 関 心 の 高 さが 伺 えたシンポジウムとなった 東 京 湾 フェスタを2 回 開 催 し 江 戸 前 の 魚 や 東 京 湾 を 良 くす るために 行 動 する 女 性 たち を 取 り 上 げ 一 般 市 民 に 東 京 湾 を 身 近 に 感 じさせる 取 組 を 行 い 好 評 を 得 た 江 戸 前 の 魚 喰 いねぇ! 豊 饒 の 海 東 京 湾 の 出 版 や 会 員 向 けに 東 京 湾 読 本 の 印 刷 配 布 等 による 広 報 活 動 によって 東 京 湾 をよくする 会 の 知 名 度 の 向 上 及 び 会 員 間 のネットワークの 拡 大 に 寄 与 した 様 々な 東 京 湾 環 境 再 生 への 取 組 を 行 っているが 今 後 継 続 的 に 活 動 でき る 基 盤 を 固 めるため 更 なる 活 動 への 支 援 を 実 施 する (2) 新 たな 取 組 東 京 都 において 平 成 21 年 7 月 31 日 に 東 京 湾 水 質 改 善 プロジェクトチ ーム を 立 ち 上 げ あるべき 水 質 の 目 標 設 定 船 舶 からのし 尿 排 出 対 策 等 を 検 討 している 東 京 湾 再 生 推 進 会 議 においては このプロジェクトチー ムと 連 携 し 整 合 性 を 取 りながら より 効 果 的 な 東 京 湾 再 生 に 取 り 組 むこと 68

ができた 7. 行 動 計 画 のフォローアップ 等 (1) 行 動 計 画 のフォローアップ 行 動 計 画 の 進 捗 状 況 についてフォローアップを 行 い 取 組 状 況 を 的 確 に 把 握 し その 着 実 な 実 現 に 努 めるとともに 必 要 に 応 じ 本 行 動 計 画 を 見 直 す 平 成 15 年 から 平 成 17 年 までの3 年 間 の 取 組 状 況 とその 分 析 評 価 今 後 の 取 組 方 針 等 の 検 討 を 実 施 した 平 成 19 年 3 月 13 日 東 京 湾 再 生 推 進 会 議 ( 第 1 回 中 間 評 価 ) 平 成 15 年 から 平 成 20 年 までの6 年 間 の 取 組 状 況 とその 分 析 評 価 今 後 の 取 組 方 針 等 の 検 討 を 実 施 した 平 成 22 年 3 月 3 日 東 京 湾 再 生 推 進 会 議 ( 第 2 回 中 間 評 価 ) 各 機 関 の 行 動 計 画 の 実 施 状 況 を 確 認 するため 毎 年 度 フォローアップを 実 施 した 平 成 16 年 2 月 23 日 東 京 湾 再 生 推 進 会 議 ( 第 1 回 フォローアッ プ) 平 成 17 年 6 月 20 日 東 京 湾 再 生 推 進 会 議 幹 事 会 ( 第 2 回 フォロ ーアップ) 平 成 20 年 2 月 26 日 東 京 湾 再 生 推 進 会 議 幹 事 会 ( 第 3 4 回 フ ォローアップ) 平 成 21 年 2 月 25 日 東 京 湾 再 生 推 進 会 議 幹 事 会 ( 第 5 回 フォロ ーアップ) 平 成 22 年 2 月 17 日 東 京 湾 再 生 推 進 会 議 幹 事 会 ( 第 6 回 フォロ ーアップ) 平 成 23 年 3 月 4 日 東 京 湾 再 生 推 進 会 議 幹 事 会 ( 第 7 回 フォロ ーアップ) 平 成 24 年 3 月 1 日 東 京 湾 再 生 推 進 会 議 幹 事 会 ( 第 8 回 フォロ ーアップ) 平 成 25 年 3 月 14 日 東 京 湾 再 生 推 進 会 議 幹 事 会 ( 第 9 回 フォロ ーアップ) 毎 年 度 のフォローアップにより 各 機 関 の 実 施 状 況 を 把 握 し 東 京 湾 再 生 の 共 通 目 標 を 再 確 認 し 関 係 機 関 の 意 識 の 共 有 を 図 ることができた 69

本 行 動 計 画 の 計 画 期 間 の 満 了 に 伴 い 平 成 25 年 5 月 を 目 途 に 平 成 25 年 度 から 平 成 34 年 度 までの 10 年 間 を 計 画 期 間 とする 東 京 湾 再 生 のため の 行 動 計 画 ( 第 二 期 ) を 策 定 する (2) 東 京 湾 再 生 推 進 会 議 によるイベント 東 京 湾 再 生 に 向 けた 行 政 の 取 組 を 広 く 一 般 市 民 に 周 知 し 一 人 一 人 の 東 京 湾 再 生 への 関 心 を 高 めるため 大 学 NPO 等 の 方 々の 協 力 の 下 シンポジ ウムやセミナーを 開 催 した 東 京 湾 再 生 のためのシンポジウム 日 時 : 平 成 16 年 7 月 28 日 ( 水 )13:00~17:00 場 所 :パシフィコ 横 浜 会 議 センター 主 催 : 東 京 湾 再 生 推 進 会 議 参 加 者 数 : 約 400 名 内 容 : 1.シンポジウム 挨 拶 石 原 伸 晃 国 土 交 通 大 臣 中 田 宏 横 浜 市 長 東 京 湾 再 生 のための 行 動 計 画 都 市 再 生 本 部 事 務 局 次 長 渡 辺 日 佐 夫 基 調 講 演 東 京 湾 再 生 の 方 向 性 と 環 境 情 報 の 共 有 化 に 向 けて 東 京 大 学 大 学 院 新 領 域 創 成 科 学 研 究 科 教 授 磯 部 雅 彦 東 京 湾 の 現 状 報 告 - 現 場 からのメッセージ- 1NPO 法 人 ベイプランアソシエイターズ 理 事 長 大 野 一 敏 2 未 来 に 残 そう 青 い 海 ボランティアチーム ( 女 優 染 色 家 ) 磯 村 みどり 3 国 土 技 術 政 策 総 合 研 究 所 沿 岸 海 洋 研 究 部 長 細 川 恭 史 パネルディスカッション - 東 京 湾 再 生 のために 流 域 沿 岸 域 みんなでできること- コーディネーター: 神 奈 川 新 聞 社 神 奈 川 新 聞 論 説 主 幹 藤 井 稔 パネラー: 上 記 講 演 者 報 告 者 4 名 東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 都 市 工 学 専 攻 教 授 花 木 啓 祐 NPO 法 人 海 辺 つくり 研 究 会 事 務 局 長 木 村 尚 横 浜 市 下 水 道 局 長 金 子 宣 治 国 土 交 通 省 都 市 地 域 整 備 局 下 水 道 部 流 域 管 理 官 藤 木 修 ( 順 不 同 ) 70

2. 並 行 イベント 海 上 保 安 庁 の 測 量 船 天 洋 の 一 般 公 開 関 東 地 方 整 備 局 港 湾 空 港 部 の 調 査 監 督 船 たかしま による 横 浜 港 内 見 学 クルーズ 関 東 地 方 整 備 局 港 湾 空 港 部 のごみ 油 回 収 船 べいくりん の デモンストレーション 東 京 湾 再 生 に 関 するパネル 等 の 展 示 第 1 回 東 京 湾 再 生 セミナー 日 時 : 平 成 18 年 3 月 6 日 ( 月 )13:30~17:30 場 所 : 海 上 保 安 庁 海 洋 情 報 部 庁 舎 主 催 : 東 京 湾 再 生 推 進 会 議 参 加 者 数 : 約 130 名 内 容 : 1. 挨 拶 東 京 湾 再 生 推 進 会 議 幹 事 長 海 上 保 安 庁 総 務 部 参 事 官 山 本 芳 治 2. 赤 潮 青 潮 とは 東 京 大 学 大 学 院 新 領 域 創 成 科 学 研 究 科 教 授 磯 部 雅 彦 3. 生 き 物 の 棲 みやすさ 千 葉 県 水 産 総 合 研 究 センター 東 京 湾 漁 業 研 究 所 漁 場 環 境 研 究 室 石 井 光 廣 海 上 保 安 庁 海 洋 情 報 部 技 術 国 際 課 海 洋 研 究 室 山 尾 理 4. 漁 業 者 NPOから 考 える 東 京 湾 再 生 NPO 法 人 盤 州 里 海 の 会 代 表 金 萬 智 男 5. 美 しい 東 京 湾 を 取 り 戻 すために 国 土 技 術 政 策 総 合 研 究 所 海 洋 環 境 研 究 室 長 古 川 恵 太 6. 全 体 質 疑 第 2 回 東 京 湾 再 生 セミナー 日 時 : 平 成 18 年 5 月 15 日 ( 月 )13:30~17:30 場 所 : 海 上 保 安 庁 海 洋 情 報 部 庁 舎 主 催 : 東 京 湾 再 生 推 進 会 議 参 加 者 数 : 約 100 名 内 容 : 1. 挨 拶 東 京 湾 再 生 推 進 会 議 幹 事 長 海 上 保 安 庁 総 務 部 参 事 官 山 本 芳 治 2. 東 京 湾 生 物 研 究 史 東 邦 大 学 理 学 部 生 命 圏 環 境 科 学 科 教 授 風 呂 田 利 夫 71

3. 最 近 の 東 京 都 内 湾 における 水 環 境 の 現 状 日 本 水 環 境 学 会 関 東 支 部 幹 事 風 間 真 理 4. 泥 の 中 の 目 立 たない 生 き 物 の 神 秘 と 外 来 種 の 脅 威 横 浜 国 立 大 学 教 育 人 間 科 学 部 助 教 授 西 栄 二 郎 5. 市 民 との 協 働 によるアマモ 場 再 生 神 奈 川 県 水 産 技 術 センター 主 任 研 究 員 工 藤 孝 浩 6. 全 体 質 疑 第 2 回 東 京 湾 再 生 のためのシンポジウム 日 時 : 平 成 19 年 1 月 19 日 ( 金 )10:00~15:30 場 所 : 芝 浦 港 南 区 民 センター 区 民 ホール 主 催 : 東 京 湾 再 生 推 進 会 議 参 加 者 数 :249 名 内 容 : 1. 挨 拶 東 京 湾 再 生 推 進 会 議 座 長 海 上 保 安 庁 次 長 藤 井 章 治 2. 東 京 湾 再 生 のための 行 動 計 画 3 年 間 の 取 組 東 京 湾 再 生 推 進 会 議 幹 事 長 海 上 保 安 庁 総 務 部 参 事 官 山 本 芳 治 3. 基 調 講 演 東 京 湾 の 海 辺 空 間 の 再 生 に 向 けて 東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 教 授 佐 藤 愼 司 4. 東 京 湾 再 生 に 関 連 した 取 組 事 例 の 紹 介 1 NPO 法 人 鶴 見 川 流 域 ネットワーキング 代 表 理 事 岸 由 二 2 NPO 法 人 海 辺 つくり 研 究 会 理 事 木 村 尚 3 東 京 ガス 株 式 会 社 5.パネルディスカッション 流 域 海 域 の 連 携 協 働 による 東 京 湾 再 生 コーディネーター 東 邦 大 学 理 学 部 生 命 圏 環 境 科 学 科 教 授 風 呂 田 利 夫 パネラー( 順 不 同 ) NPO 法 人 鶴 見 川 流 域 ネットワーキング 代 表 理 事 岸 由 二 NPO 法 人 海 辺 つくり 研 究 会 理 事 木 村 尚 財 団 法 人 下 水 道 新 技 術 推 進 機 構 研 究 審 議 役 藤 木 修 東 京 工 業 大 学 大 学 院 情 報 理 工 学 研 究 科 情 報 環 境 学 専 攻 教 授 灘 岡 和 夫 72

国 土 技 術 政 策 総 合 研 究 所 海 洋 環 境 研 究 室 長 古 川 恵 太 NHK 首 都 圏 放 送 センター 専 任 ディレクター 後 藤 秀 樹 第 3 回 東 京 湾 再 生 のためのシンポジウム 日 時 : 平 成 21 年 12 月 7 日 ( 月 )14:00~17:30 場 所 : 芝 浦 港 南 区 民 センター 区 民 ホール 主 催 : 東 京 湾 再 生 推 進 会 議 参 加 者 数 :137 名 内 容 : 1. 挨 拶 東 京 湾 再 生 推 進 会 議 幹 事 長 畑 英 史 2. 基 調 講 演 東 京 湾 の 現 状 分 析 と 再 生 の 方 向 性 東 京 大 学 副 学 長 磯 部 雅 彦 3. 東 京 湾 再 生 に 向 けた 取 組 について 海 上 保 安 庁 総 務 部 参 事 官 畑 英 史 国 土 交 通 省 港 湾 局 国 際 環 境 課 長 塩 﨑 正 孝 国 土 交 通 省 都 市 地 域 整 備 局 下 水 道 部 流 域 管 理 官 佐 々 木 一 英 4.パネルディスカッション コーディネーター 東 京 大 学 副 学 長 磯 部 雅 彦 パネラー( 順 不 同 ) 国 土 技 術 政 策 総 合 研 究 所 下 水 道 研 究 部 下 水 道 研 究 官 榊 原 隆 国 土 技 術 政 策 総 合 研 究 所 沿 岸 海 洋 研 究 部 海 洋 環 境 研 究 室 長 古 川 恵 太 千 葉 県 水 産 総 合 研 究 センター 東 京 湾 漁 業 研 究 所 研 究 員 大 畑 聡 都 市 型 干 潟 の 賢 い 使 い 方 研 究 チーム 森 田 健 二 73

Ⅵ 東 京 湾 再 生 のための 取 組 に 関 する 外 部 意 見 1.パネルディスカッション( 主 な 意 見 ) (1) 総 論 粘 り 強 く 活 動 を 続 け 色 々なデータの 情 報 提 供 共 有 しながら みんな で 東 京 湾 再 生 という 活 動 を 続 けていくことが 非 常 に 大 事 である 東 京 湾 再 生 のための 行 動 計 画 の 計 画 期 間 以 降 もプロジェクトを 続 け ていく 体 制 をお 願 いしたい (2) 陸 域 対 策 下 水 道 の 整 備 特 に 高 度 処 理 を 推 進 する 必 要 がある 高 度 処 理 にも 技 術 的 な 改 善 の 余 地 がある 下 水 道 の 整 備 河 川 浄 化 農 地 におけるエコファーム 等 の 対 策 の 定 量 化 を 図 り 各 削 減 目 標 量 を 設 定 し 今 後 同 目 標 に 対 する 対 策 の 達 成 状 況 を 把 握 していくことが 必 要 である (3) 海 域 対 策 平 成 24 年 度 位 までに 海 域 の 負 荷 削 減 効 果 を 出 そうとすると 大 体 1 万 ha 規 模 の 干 潟 なり 浅 場 なりといったものを 整 備 していく 必 要 がある 海 域 再 生 では 100 200 個 単 位 の 海 域 再 生 拠 点 の 造 成 を 目 標 値 としたい (7カ 所 のアピールポイントでは 足 りない) 東 京 港 から 川 崎 横 浜 にかけての 海 岸 線 で 埋 立 地 の 背 後 である 運 河 域 にて 大 きな 生 態 系 ネットワークとして 活 用 できる 可 能 性 がある 底 質 改 善 ( 総 量 規 制 縁 辺 部 での 干 潟 造 成 による 濾 過 食 者 の 増 加 覆 砂 等 )によって 貧 酸 素 水 塊 の 解 消 が 期 待 できる 行 政 市 民 の 両 方 がお 互 いに 思 いやりをもって 取 り 組 むことが 出 来 れば 生 き 物 の 住 処 を 増 やせる 干 潟 の 設 計 管 理 生 物 の 種 間 関 係 に 配 慮 が 必 要 である 生 物 の 生 息 場 の 再 生 を 水 質 底 質 の 改 善 と 並 行 して 実 施 する 必 要 があ る 運 河 内 等 の 浅 場 において 地 盤 高 の 嵩 上 げ CODの 減 少 を 同 時 に 実 施 する 工 夫 が 生 物 の 多 さを 涵 養 していくために 有 効 なのではないか (4)モニタリング モニタリングは 施 策 を 実 施 する 際 の 基 礎 資 料 として 不 可 欠 であり 今 後 も 続 けなければならない 連 続 観 測 や 毎 週 の 水 質 観 測 が 非 常 に 重 要 である 現 状 連 続 観 測 はま だまだ 足 りない モニタリングポストの 増 設 等 が 必 要 外 海 の 影 響 を 考 慮 したうえでモニタリングを 実 施 する 必 要 がある 東 京 湾 全 域 にわたり 底 泥 環 境 をモニタリングする 必 要 性 がある 74

生 物 が 周 年 を 通 して 生 息 するために 必 要 な 酸 素 濃 度 の 算 出 等 貧 酸 素 水 塊 と 生 物 の 対 応 関 係 の 整 理 が 必 要 である 浚 渫 窪 地 だけでなく 水 深 10~20m 程 度 の 海 底 全 体 における 硫 化 物 量 の モニタリングが 必 要 ではないか (5)その 他 東 京 湾 における 環 境 改 善 の 経 験 について 日 本 国 内 のみならず 世 界 的 に 情 報 発 信 できるのではないか NPOあるいは 一 般 市 民 と 力 を 合 わせて 環 境 を 良 くしていくことが 非 常 に 大 事 である 一 般 市 民 の 参 加 には 楽 しさの 動 機 付 けが 必 要 である 一 般 市 民 の 参 加 を 得 るためには ところどころに 目 に 見 える 効 果 を 出 し ていくということも 非 常 に 大 事 なファクターの1つである 2.アンケート( 主 な 意 見 ) 取 組 をもっと 情 報 公 開 し 多 くの 人 々の 協 力 を 得 ていくとともに 情 報 公 開 に 際 して わかりやすく 伝 えることが 重 要 である 特 に 再 生 の 目 的 効 果 を 明 確 にすべきである( 情 報 共 有 の 必 要 性 ) 東 京 湾 に 関 心 を 持 つ 一 般 市 民 を 増 やす 取 組 が 必 要 である( 一 般 市 民 が 海 に 興 味 が 持 てる 取 組 が 必 要 である ) 流 域 住 民 の 意 識 向 上 が 必 要 である( 流 域 住 民 と 海 との 接 点 つながりの 活 発 化 ) マスコミをもっと 活 用 すべきである 行 政 一 体 となっての 取 組 が 必 要 ( 下 水 処 理 合 併 浄 化 槽 の 普 及 ( 補 助 金 ) 環 境 教 育 子 ども 達 を 楽 しませる 工 夫 ) 3. 東 京 都 による 世 論 調 査 平 成 21 年 8 月 21 日 ~9 月 6 日 にかけて 東 京 都 生 活 文 化 スポーツ 局 が 都 民 生 活 に 関 する 世 論 調 査 を 行 い その 中 で 東 京 湾 の 水 質 に 関 する 都 民 の 意 識 を 調 査 した 東 京 湾 の 水 質 について 関 心 がある は 77% 関 心 がない は 20%で あった 東 京 湾 の 水 質 をよくするためにしていること 又 はできることを 聞 いた 結 果 川 や 海 にゴミを 捨 てない が 80%でトップ ついで 家 庭 で 使 っ た 油 を 下 水 道 に 流 さない が 76% 調 理 くずや 食 べ 残 しを 下 水 道 に 流 さ ない が 72%であった 東 京 湾 の 水 辺 環 境 をよくするために 東 京 都 に 特 に 力 をいれて 取 り 組 ん でほしいことを 聞 いた 結 果 工 場 や 事 業 所 に 対 する 排 水 基 準 の 規 制 の 75

強 化 が 55%でトップ ついで 生 活 排 水 の 浄 化 を 進 めるため 高 度 処 理 施 設 の 整 備 など 下 水 道 の 機 能 を 強 化 が 45% 海 底 にあるヘドロの 除 去 28%が 続 く 東 京 湾 の 将 来 像 として どのような 海 を 望 むかを 聞 いた 結 果 透 明 感 のある 水 がきれいな 海 が 65%でトップ たくさんの 生 物 が 生 息 する 海 が 55% 嫌 なにおいのしない 海 が 45% 砂 浜 や 干 潟 など 多 くの 自 然 がある 海 37%が 続 いた 76

Ⅶ おわりに 東 京 湾 再 生 のための 行 動 計 画 ( 第 一 期 ) の 策 定 から 10 年 が 経 過 したこと から 東 京 湾 再 生 のための 行 動 計 画 ( 第 一 期 ) に 基 づく 施 策 について 平 成 15 年 度 から 24 年 度 までの 10 年 間 の 取 組 状 況 とその 分 析 評 価 今 後 の 取 組 方 針 の 視 点 と 方 向 性 について 取 りまとめた 施 策 の 実 施 により 流 入 負 荷 の 削 減 や 干 潟 や 浅 場 の 造 成 等 による 生 物 種 や 個 体 数 の 増 加 などの 改 善 が 認 められた これらは 評 価 されるべき 成 果 であ るが 第 一 期 計 画 の 評 価 指 標 である 湾 内 の 底 層 のDOは 改 善 されなかった これらの 結 果 から 主 に 二 つの 課 題 が 明 確 になった 一 つは 第 一 期 計 画 の 評 価 指 標 では 評 価 できない 環 境 施 策 や 行 動 が 多 くあり よりきめ 細 やかな 評 価 指 標 の 設 定 が 必 要 であること もう 一 つは 東 京 湾 の 環 境 改 善 は 短 期 間 で 達 成 できるものではないため 長 期 的 視 点 で 粘 り 強 く 取 組 を 継 続 するとと もに 改 善 に 向 けた 活 動 や 行 動 の 輪 を 拡 げる 工 夫 が 必 要 であるということで ある 第 一 期 計 画 の 評 価 指 標 は 水 質 底 質 の 改 善 を 経 た 最 終 的 な 段 階 の 指 標 で ある 底 層 のDO のみであったため 底 層 のDOの 改 善 に 至 る 過 程 で 効 果 を 発 揮 する 施 策 や NPOによる 海 浜 の 清 掃 活 動 など 底 層 のDOに 直 接 影 響 しない 取 組 を 適 切 に 評 価 できなかった このため 今 後 は より 多 くの 多 様 な 主 体 による 東 京 湾 再 生 に 資 する 活 動 をさらに 促 進 できるよう 分 かりやす い 指 標 や 手 法 を 用 い あらゆる 興 味 を 東 京 湾 に 引 き 付 けられるよう 工 夫 する ことが 必 要 である また 東 京 湾 の 再 生 は 短 期 間 で 達 成 できるものではなく 部 分 的 で 小 規 模 な 環 境 改 善 対 策 であっても 多 数 の 場 所 で 取 組 を 継 続 することが 重 要 であ ることから できることをできるところから 一 つずつ 環 境 改 善 対 策 を 積 み 重 ねることが 重 要 である 取 組 にあたっては 順 応 的 管 理 手 法 により モニタ リングの 結 果 をできる 限 り 早 期 に 適 切 な 形 で 環 境 改 善 施 策 へフィードバッ クし より 柔 軟 に 施 策 の 運 用 ができる 体 制 の 構 築 が 必 要 である 東 京 湾 の 環 境 は 東 京 湾 流 域 に 居 住 又 は 生 産 活 動 を 行 い 東 京 湾 を 利 用 す る 私 たち 一 人 ひとりの 暮 らしや 活 動 がもたらしているものであり それぞれ の 主 体 が 東 京 湾 に 及 ぼす 影 響 に 対 し 社 会 的 に 責 任 ある 行 動 をすることが 求 められている 近 年 企 業 においては 社 会 的 責 任 (CSR)として 森 林 保 全 等 陸 域 における 活 動 はなされるようになってきているものの 海 域 におけ る 環 境 保 全 活 動 は あまりなされていない 特 に 東 京 湾 沿 岸 の 護 岸 の 約 1/5 は 民 間 所 有 護 岸 であり 当 該 護 岸 所 有 者 が 護 岸 の 老 朽 化 対 策 や 耐 震 化 液 状 化 対 策 津 波 対 策 等 を 行 うに 際 し 生 物 共 生 型 の 護 岸 構 造 への 改 修 を 行 うことにより 生 物 の 棲 み 処 となる 場 が 創 出 され 生 物 生 息 環 境 に 大 きな 役 割 を 果 たすことが 期 待 される 今 後 は 護 岸 所 有 者 が 生 物 共 生 型 の 護 岸 構 造 への 改 修 に 取 組 みやすい 環 境 を 整 えるとともに 積 極 的 な 改 修 の 協 力 を 働 き かける 必 要 がある 77

東 京 湾 の 環 境 をよりよいものとするためには これら 企 業 やNPOをはじ め 湾 で 直 接 生 産 活 動 を 行 う 水 産 関 係 者 や 研 究 者 レジャー 関 係 者 住 民 等 東 京 湾 に 関 わりをもつ 多 様 な 関 係 者 による 主 体 的 な 参 画 が 重 要 であるこ とから 各 主 体 間 の 連 携 や 協 働 による 取 組 を 進 めるとともに さらに 多 くの 関 係 者 や 国 民 の 関 心 を 惹 きつけ 参 画 を 促 していくことが 必 要 である そのためには 東 京 湾 の 環 境 に 関 する 正 しい 知 識 の 普 及 啓 発 をはじめ 再 生 の 取 組 状 況 に 関 する 情 報 共 有 今 後 必 要 な 対 策 行 動 に 関 する 意 見 交 換 を 行 うとともに 必 ずしも 環 境 改 善 を 直 接 の 目 的 とした 活 動 でなくても 多 様 な 主 体 が 楽 しみながら 実 施 する 活 動 が 結 果 的 に 環 境 改 善 や 環 境 教 育 に 結 びつく 取 組 とも 積 極 的 に 連 携 協 働 することが 重 要 である この 10 年 間 東 京 湾 再 生 に 向 けてなされてきた 様 々な 提 言 やシンポジウ ムにおいて 多 くの 人 々を 巻 き 込 むための 手 法 として 食 につなげる 重 要 性 が 指 摘 されてきた かつての 東 京 湾 は 豊 饒 で 東 京 湾 で 漁 獲 される 魚 介 類 は 江 戸 前 と 呼 ばれ その 種 類 の 豊 富 さや 味 の 良 さから 一 つのブランドを 形 成 し にぎり 鮨 をはじめ 多 くの 食 文 化 を 生 み 出 してきた 次 期 計 画 においては 東 京 湾 全 体 でとれる 新 鮮 な 魚 介 類 である 江 戸 前 ( 以 下 江 戸 前 という )が 豊 かに 生 息 する 環 境 を 目 指 すべき 東 京 湾 再 生 の 姿 の 一 つとして 共 有 し 江 戸 前 を 味 わう 楽 しさや 感 動 の 機 会 を 通 して より 多 くの 人 々の 積 極 的 な 参 画 を 一 層 推 進 していくことが 必 要 である また 東 京 湾 に 係 る 情 報 を 集 約 蓄 積 し シンクタンク 及 び 情 報 発 信 とし ての 役 割 を 果 たす 機 能 の 強 化 を 検 討 し 東 京 湾 の 環 境 や 対 策 の 情 報 の 一 元 把 握 や 研 究 体 制 を 充 実 深 化 させるとともに 子 どもの 時 から 海 での 体 験 や 環 境 教 育 を 受 けられる 機 会 を 推 進 し 海 への 理 解 関 心 憧 憬 感 謝 の 心 を 涵 養 し 海 から 未 来 を 拓 く 人 材 を 育 成 することが 必 要 である さらに 環 境 改 善 に 向 けた 取 組 が 民 の 力 により 持 続 的 に 行 える 社 会 シス テムの 構 築 に 向 け 環 境 改 善 に 向 けた 様 々な 課 題 を 解 決 する 新 しいビジネス モデルを 創 出 する 企 業 やNPOを 育 成 定 着 させるとともに NPO 活 動 等 が 持 続 的 に 継 続 できる 仕 組 みの 形 成 や 人 材 育 成 等 が 必 要 である 東 京 湾 の 再 生 は 短 い 期 間 で 達 成 できるものではないため 長 期 に 連 続 して 取 組 を 行 うことが 重 要 であり 再 生 のための 取 組 を 引 き 続 き 推 進 していくこ とが 強 く 望 まれる そのためには 市 民 からの 理 解 と 後 押 しを 得 る 必 要 があ り 東 京 湾 の 環 境 情 報 の 公 開 環 境 対 策 の 周 知 をはじめ 企 業 や 市 民 等 多 様 な 関 係 者 の 参 加 による 環 境 改 善 事 業 の 展 開 等 をこれまで 以 上 に 積 極 的 に 推 し 進 め 東 京 湾 再 生 という 目 標 に 対 して 官 民 協 働 であたる 姿 勢 が 重 要 であろ う 78

案 東 京 湾 の 水 環 境 の 現 状 ( 東 京 湾 再 生 のための 行 動 計 画 ( 第 一 期 ) 期 末 評 価 時 点 ) はじめに 快 適 に 水 遊 びができ 多 くの 生 物 が 生 息 する 親 しみやすく 美 しい 海 を 取 り 戻 し 首 都 圏 にふさわしい 東 京 湾 を 創 出 する ことを 目 標 として 平 成 15 年 3 月 に 東 京 湾 再 生 のための 行 動 計 画 ( 以 下 行 動 計 画 という )が 策 定 された 以 来 陸 域 及 び 海 域 負 荷 削 減 等 のための 対 策 が 関 係 機 関 において 逐 次 実 施 されてきてお り 25 年 3 月 で 行 動 計 画 の 対 象 期 間 の 10 年 を 満 了 する 一 方 これらの 施 策 の 効 果 を 評 価 し より 有 効 な 対 策 を 講 じるためには 連 続 した 環 境 のモニタリングが 不 可 欠 である 国 及 び 都 県 市 の 関 係 各 機 関 は 個 々の 調 査 結 果 を 相 互 に 共 有 し 東 京 湾 全 体 の 水 環 境 の 把 握 に 取 り 組 んでおり これらの 調 査 結 果 を 報 告 書 に 取 りまとめ インターネットなどを 通 じて 広 く 一 般 に 公 開 している 本 資 料 は これら 調 査 報 告 を 基 に 最 終 評 価 時 点 での 東 京 湾 の 水 環 境 の 現 状 を 概 観 し 行 動 計 画 に 基 づき 実 施 された 10 年 施 策 の 評 価 を 行 うとともに 今 後 の 東 京 湾 再 生 に 向 けた 取 組 に 資 することを 目 的 とするものである 1. 総 論 行 動 計 画 では その 目 標 のための 海 域 全 体 に 共 通 した 指 標 として 底 層 の 溶 存 酸 素 量 (D O) に 着 目 し 年 間 を 通 して 底 生 生 物 が 生 息 できる 限 度 を 目 標 に 対 応 する 目 安 と 定 めている 本 資 料 では この 指 標 を 基 本 とし 化 学 的 酸 素 要 求 量 (COD) 全 窒 素 (T-N) 全 リン(T- P)といったその 他 の 代 表 的 な 水 質 環 境 基 準 の 調 査 項 目 や 水 質 の 影 響 を 大 きく 受 ける 赤 潮 青 潮 の 発 生 状 況 底 質 の 状 況 生 物 の 生 息 状 況 についても 取 り 上 げた 本 資 料 の 作 成 にあたっては 各 関 係 機 関 における 公 表 データを 基 に 可 能 な 限 り 最 新 のデー タを 採 用 することにより 最 新 の 状 況 を 記 述 するとともに 長 期 の 傾 向 を 示 すために 過 去 の 環 境 省 の 広 域 総 合 水 質 調 査 ( 昭 和 53 年 ~)のデータ 等 も 併 せて 使 用 している また 東 京 湾 再 生 行 動 計 画 の 取 組 中 で 実 施 された 東 京 湾 水 質 一 斉 調 査 のデータや 研 究 機 関 による 研 究 の 成 果 も 活 用 しての 考 察 も 行 った なお 資 料 作 成 にあたって 使 用 した 報 告 書 等 については 末 尾 に 一 覧 を 付 した 以 下 行 動 計 画 Ⅱ. 東 京 湾 の 水 環 境 の 現 状 の 記 述 を 踏 まえ 東 京 湾 の 水 環 境 の 現 状 につ いて 述 べる (1) 汚 濁 負 荷 量 東 京 湾 流 域 の 発 生 汚 濁 負 荷 量 は 平 成 21 年 度 実 績 で COD T-N T-P それぞれについて 183 185 12.9( 単 位 :トン/ 日 )であり 第 6 次 水 質 総 量 規 制 に 基 づく 総 量 削 減 基 本 方 針 ( 平 成 18 年 環 境 省 )の 平 成 21 年 度 の 目 標 値 をそれぞれ 5.2% 7.0% 7.2% 下 回 っており 東 京 湾 の 汚 濁 負 荷 については 着 実 に 減 少 している 1

(トン/ 日 ) 600 500 400 300 200 100 化 学 的 酸 素 要 求 量 (COD) そ の 他 産 業 廃 水 生 活 廃 水 (トン/ 日 ) 400 300 200 100 窒 素 含 有 量 (T-N) (トン/ 日 ) 50 40 30 20 10 りん 含 有 量 (T-P) 0 S54 S59 H1 H6 H11 H16 H21 H26 目 標 0 S54 S59 H1 H6 H11 H16 H21 H26 目 標 0 S54 S59 H1 H6 H11 H16 H21 H26 目 標 図 1 東 京 湾 におけるCOD 窒 素 リンの 発 生 汚 濁 負 荷 量 の 推 移 ( 平 成 26 年 度 の 値 は 第 7 次 総 量 規 制 における 削 減 目 標 量 ) (2) 水 質 底 質 の 状 況 汚 濁 指 標 であるCODについては 行 動 計 画 策 定 時 と 同 様 依 然 として 湾 奥 部 の 値 が 高 く 湾 口 に 近 づくにつれて 低 い 値 になっている 一 例 として 平 成 21 年 8 月 の 東 京 湾 上 層 のCOD 値 を 比 較 すると 湾 奥 部 ( 環 境 省 広 域 総 合 水 質 調 査 測 点 2 以 下 環 境 省 広 域 総 合 水 質 調 査 の 測 点 を 単 に 測 点 と 表 記 する )は 3.3 mg/l 湾 中 央 部 ( 測 点 26)は 4.5 mg/l 内 湾 湾 口 付 近 ( 測 点 35)は 2.7 mg/l であった CODの 東 京 湾 全 域 平 均 濃 度 の 経 年 変 化 については 図 2 のとおりであり 5 年 間 の 移 動 平 均 値 でみたところ 上 層 下 層 ともに 平 成 5 年 以 降 はほぼ 横 ばいで 明 らかな 改 善 はないものの 悪 化 の 傾 向 は 見 られない 二 次 汚 濁 の 原 因 である 海 水 中 のT-N およびT-P についても COD と 同 様 に 湾 奥 部 の 値 が 高 く 湾 口 に 近 づくにつれて 低 い 値 になっている 下 層 のT-N については 経 年 的 に 着 実 に 改 善 を 示 し T-P についてはきわめて 緩 やかではあるが 改 善 傾 向 が 見 られる( 図 2) (mg/l) (mg/l) 6.0 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0 COD 濃 度 の 経 年 変 化 上 層 年 平 均 下 層 年 平 均 上 層 5 年 移 動 平 均 下 層 5 年 移 動 平 均 0.0 S54 S59 H 元 H6 H11 H16 H21 (mg/l) (mg/l) 1.6 1.4 1.2 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 T-N 濃 度 の 経 年 変 化 0.0 S54 S59 H 元 H6 H11 H16 H21 図 2 COD T-N T-P の 濃 度 の 経 年 変 化 ( 昭 和 54 年 ~ 平 成 23 年 ) ( 環 境 省 広 域 総 合 水 質 調 査 結 果 報 告 書 より 作 成 ) (mg/l) (mg/l) 0.14 0.12 0.10 0.08 0.06 0.04 0.02 T-P 濃 度 の 経 年 変 化 0.00 S54 S59 H 元 H6 H11 H16 H21 CODに 関 する 東 京 湾 の 環 境 基 準 の 達 成 率 については 平 成 22 年 度 で 63.2%となっており 平 成 16 年 度 と 同 様 全 国 平 均 87.8%に 対 して 依 然 として 低 い 水 準 にある T-N 及 びT-P の 東 京 湾 における 環 境 基 準 の 達 成 率 についても 平 成 22 年 度 で 66.7%と 全 国 平 均 81.6%に 対 して 低 い 水 準 にある 底 質 におけるCODの 濃 度 分 布 についても 表 層 水 中 のCODと 同 様 に 湾 口 から 湾 奥 に 向 かい 悪 化 する 傾 向 が 継 続 しており 平 成 21 年 8 月 の 湾 奥 部 ( 測 点 9)で 34 mg/g であった ただし 同 じ 湾 奥 でも 船 橋 市 周 辺 ( 測 点 2)など 比 較 的 CODが 低 い(3.6 mg/g) 地 点 も 存 在 している 水 中 の 溶 存 酸 素 量 (DO)が 3 ml/l (4.3 mg/l)を 下 回 ると 貝 類 を 除 く 多 くの 生 物 に 生 理 的 変 化 が 生 じ 底 生 魚 類 の 漁 獲 に 悪 影 響 が 及 ぶとされている( 丸 茂 横 田 2012) 水 産 用 水 基 2

9 7 5 3 1 表層DO mg/l -1 表層DO 中層DO mg/l mg/l 平成20年 平成22年 平成21年 157月2日 15 8月4日 8月5日 0年 21年 月2日 月5日 99 77 99 77 9 55 33 55 33 5 11-1 -1 11-1 -1 中層DO 底層DO mg/l mg/l 3 1 底層DO mg/l 平成22年 15 34 8月4日 平成22年 平成21年 15 15 15 8月4日 8月5日 -1 15 13 13 32 13 13 13 13 13 7 11 11 30 11 11 11 準では 3 ml/l (4.3 mg/l)以下の水を貧酸素水塊と定義し 千葉県水産総合研究センターで 9 928 999 99 7 726 777 77 は DO2.5 ml/l 3.6 mg/l 以下の水を貧酸素水塊と定義している 夏季の湾奥部では底生 5 520 555 55 3 310 333 33 生物の生息に悪影響を与えると考えられる貧酸素の海域が毎年広範囲で確認されている 図 1 16 111 11-1 2-1 -1-1 -1-1 -1 底層DO 底層DO 中層DO 表層DO 3 底層DO 中層DO 11 11 中層DO 表層DO mg/l mg/l mg/l mg/l mg/l 平成21年 平成23年 平成22年 15 158月5日 8月3日 8月4日 1年 22年 月5日 月4日 平成23年 平成22年 15 34 158月4日 8月3日 中層DO 表層DO mg/l mg/l 29 99 77 13 11 11 30 11 928 9 726 7 25 99 28 9 10 23 77 26 7 8 55 33 520 5 310 3 21 55 20 5 6 19 33 10 3 4 11-1 -1 161-12-1 17 11 6 1 底層DO 表層DO 中層DO mg/l mg/l mg/l 中層DO mg/l 底層水温 平成23年 図 15 15 8月3日 13 13 11 11 15 底層DO 中層DO mg/l mg/l -1-1 2 底層DO 底層塩分 mg/l -1 12 底層DO (mg/l) 2 0 3 東京湾における 8 月初旬の底層DO 15 13 平成 21 24 年度東京湾水質一斉調査結果より 11 28 9 26 7 99 77 9 20 5 10 3 55 33 5 61 2-1 11-1 -1 1 3 赤潮 青潮の発生状況 3年 月3日 14 32 27 32 13 30 11 中層DO 表層DO mg/l mg/l 34 DO mg/l 平成24年 15 8月1日 13 13 平成22年 平成23年 34 158月4日 8月3日 2年 23年 月4日 月3日 平成23年 15 15 8月3日 31 13 32 13 11 30 11 13 13 11 11 mg/l mg/l mg/l 7 3 千葉県 東京都 神奈川県の地先海域における赤潮の発生確認件数の合計値は 平成 17-1 底層DO 底層DO 中層DO mg/l mg/l mg/l 年度が 46 件であったが 平成 18 年度以降は年間 30 回程度で推移している 行動計画策定 平成23年 時は年間 40 60 回程度確認されていたので 減少傾向にあるといえる 15 15 8月3日 13 13 青潮の発生確認件数については 平成 18 年度以降は 1 6 件で推移している 行動計画策 11 11 9 9 7 定時は年間 2 7 件の青潮発生が確認されていたことから 横ばいの状況で 赤潮のような明 7 5 5 3 確な減少傾向は認められなかった 発生場所のほとんどは千葉県側の海岸線付近であったが 3 1 1 22 年や平成 24 年には -1 平成 16 年度には初めて羽田沖及び横浜市沿岸でも観測された 平成 -1 底層DO mg/l 東京湾北部の二枚貝漁場に被害を与えるなど いまだ漁業被害が発生している 3

(4) 生 態 系 の 状 況 第 一 回 中 間 評 価 で 示 された 平 成 16 年 8 月 及 び 平 成 21 年 8 月 の 底 生 生 物 の 分 布 を 図 4 に 示 す 底 生 生 物 の 個 体 数 種 類 数 はともに 市 原 沖 等 湾 央 部 で 少 ないという 状 況 は 第 一 回 中 間 評 価 の 時 点 から 変 わっていない 平 成 21 年 8 月 においても 特 に 夏 季 の 湾 奥 部 では 底 生 生 物 や 魚 貝 類 の 生 息 が 確 認 できない 観 測 点 が 存 在 しており 年 間 を 通 して 底 生 生 物 が 生 息 でき る 環 境 は 依 然 達 成 できていない (a) (b) 図 4 東 京 湾 における 底 生 生 物 の 分 布 例 (a) 平 成 16 年 8 月 (b) 平 成 21 年 8 月 ( 環 境 省 広 域 総 合 水 質 調 査 データより 作 成 ) まとめ 水 質 は 年 スケールのみならず 月 毎 日 毎 に 気 象 等 の 様 々な 条 件 が 影 響 するため 実 施 施 策 と 東 京 湾 の 水 環 境 についての 直 接 的 な 因 果 関 係 に 言 及 することは 困 難 である しかしながら 依 然 として 夏 季 には 貧 酸 素 水 塊 が 発 生 し 底 生 生 物 の 生 息 が 確 認 できない 観 測 点 が 存 在 する ことから 年 間 を 通 して 底 生 生 物 が 生 息 できる 限 度 という 指 標 の 達 成 のために 施 策 の 継 続 はも ちろん 更 なる 推 進 が 必 要 なことは 明 らかである 一 方 閉 鎖 性 海 域 中 長 期 ビジョン ( 平 成 22 年 環 境 省 )では 施 策 の 継 続 によって 長 期 的 には 底 層 DOが 改 善 される 可 能 性 を 示 している 観 測 値 においても 汚 濁 負 荷 量 や 赤 潮 の 減 少 など 今 後 の 東 京 湾 の 水 質 改 善 につながる 兆 しが 見 られており 今 後 の 観 測 で 貧 酸 素 水 塊 の 改 善 が 見 られるようになる 可 能 性 がある 今 後 も 継 続 的 なモニタリングを 行 い 水 環 境 の 変 化 を 注 視 していくことが 必 要 である 3. 重 点 エリアのモニタリング 結 果 では 東 京 湾 全 体 及 び 重 点 エリアについて 行 動 計 画 に 示 された 指 標 を 基 に 具 体 的 なモニタリング 結 果 を 記 す 4

2. 東 京 湾 全 体 のモニタリング 結 果 (1) 溶 存 酸 素 量 (DO)の 推 移 1 東 京 湾 全 域 地 点 別 DOの 経 年 変 化 環 境 省 の 広 域 総 合 水 質 調 査 による 昭 和 54 年 以 降 の 底 層 DOの 東 京 湾 全 域 平 均 値 を 図 5 に 湾 内 各 海 域 における 底 層 DOの 経 年 変 化 ( 夏 季 冬 季 )を 図 6 に 示 す 昭 和 54,55 年 には 測 点 数 が 現 在 より 大 幅 に 少 ないため 移 動 平 均 値 のグラフはこの 2 年 のデータを 除 外 してい る (mg/l) 12 10 8 6 4 夏 冬 夏 5 年 移 動 平 均 冬 5 年 移 動 平 均 2 0 S54 S59 H 元 H6 H11 H16 H21 図 5 東 京 湾 全 域 底 層 におけるDO 平 均 値 の 経 年 変 化 ( 昭 和 54 年 ~ 平 成 23 年 ) ( 環 境 省 広 域 総 合 水 質 調 査 結 果 データより 作 成 ) 測 点 18 (mg/l) 16.0 14.0 12.0 10.0 8.0 6.0 4.0 2.0 0.0 S54 S59 H 元 H6 H11 H16 H21 測 点 41 (mg/l) 12.0 10.0 8.0 6.0 4.0 2.0 0.0 S54 S59 H 元 H6 H11 H16 H21 測 点 2 (mg/l) 16.0 14.0 12.0 10.0 8.0 6.0 4.0 2.0 0.0 S54 S59 H 元 H6 H11 H16 H21 2 9 18 26 41 46 測 点 46 (mg/l) 16.0 14.0 12.0 10.0 8.0 6.0 4.0 2.0 0.0 S54 S59 H 元 H6 H11 H16 H21 図 6 地 点 別 底 層 DO の 経 年 変 化 ( 環 境 省 広 域 総 合 水 質 調 査 データより 作 成 ) 測 点 9 (mg/l) 16.0 14.0 12.0 10.0 8.0 6.0 4.0 2.0 0.0 S54 S59 H 元 H6 H11 H16 H21 測 点 26 (mg/l) 16.0 14.0 12.0 10.0 8.0 6.0 4.0 2.0 0.0 S54 S59 H 元 H6 H11 H16 H21 5

2001 年 1 月 2001 年 7 月 2002 年 1 月 2002 年 7 月 2003 年 1 月 2003 年 7 月 2004 年 1 月 2004 年 7 月 2005 年 1 月 2005 年 7 月 2006 年 1 月 2006 年 7 月 2007 年 1 月 2007 年 7 月 2008 年 1 月 2008 年 7 月 2009 年 1 月 2009 年 7 月 2010 年 1 月 2010 年 7 月 2011 年 1 月 2011 年 7 月 2012 年 1 月 2012 年 7 月 湾 口 に 位 置 する 測 点 46 では 夏 季 にも 高 い DO を 示 すが 測 点 9 18 26 ではほぼ 全 ての 年 の 夏 季 に DO 値 が 4.3 mg/l 以 下 であり 貧 酸 素 の 状 態 を 示 している 測 点 2 の 夏 季 DO は 他 の 地 点 と 比 較 して 経 年 変 化 の 幅 が 大 きい これは 測 定 地 点 の 水 深 が 浅 く( 約 5m) 潮 流 等 に よる 水 塊 の 移 動 が 観 測 点 の DO に 強 く 影 響 しているものと 考 えられる 東 京 湾 全 域 地 点 別 ともに 測 定 が 開 始 された 昭 和 50 年 代 後 半 以 降 はほぼ 横 ばいの 状 態 が 続 いており 顕 著 な 改 善 の 傾 向 は 観 測 されていない 平 成 24 年 までの 10 年 間 においても 横 ば いの 状 況 である 図 7は 平 成 13 年 から 24 年 までの 東 京 湾 で 観 測 された 貧 酸 素 水 塊 の 規 模 を 表 している また 図 8は 貧 酸 素 水 塊 の 規 模 を 年 毎 に 比 較 したものである いずれも 明 確 な 増 減 の 傾 向 は 見 られず 横 ばいの 状 況 である 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0% 図 7 平 成 13 年 ~24 年 までの 東 京 湾 における 貧 酸 素 水 塊 の 規 模 の 月 毎 の 推 移 東 京 湾 の 縦 断 面 に 対 して DO2.5ml/L(3.6mg/L) 未 満 の 水 塊 が 占 める 面 積 で 規 模 を 表 している ( 資 料 提 供 : 千 葉 県 水 産 総 合 研 究 センター) 140% 120% 100% 80% 60% 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 図 8 平 成 13 年 から 24 年 にかけての 東 京 湾 における 貧 酸 素 水 塊 (DO が 2.5ml/L 未 満 )の 規 模 の 経 年 変 化 平 成 13 年 ~24 年 の 平 均 に 対 する 100 分 率 で 表 示 ( 資 料 提 供 : 千 葉 県 水 産 総 合 研 究 センター) 6

2 湾 奥 底 層 DO の 季 節 変 化 東 京 湾 奥 に 位 置 する( 千 葉 市 中 央 区 川 崎 町 の 西 方 沖 約 5km) 千 葉 灯 標 に 設 置 されたモニタ リングポストデータにおける 底 層 DOの 平 成 15 年 5 月 から 平 成 21 年 4 月 までの 各 月 の 平 均 値 を 図 9 に 示 す 図 9 底 層 DOの 季 節 変 化 ( 平 成 15 年 ~20 年 ) ( 千 葉 灯 標 モニタリングポストデータより 作 成 ) 底 層 DO は 夏 に 低 く 冬 に 高 い 値 を 示 す 湾 奥 における 底 層 DO は 2 月 に 最 高 値 を 示 した 後 低 下 し 7 月 に 最 低 値 を 示 している 6~11 月 の 底 層 DO の 月 平 均 値 は 多 くの 生 物 に 生 理 的 な 変 化 を 与 えるとされる 値 (DO が 4.3mg/L 未 満 )を 下 回 り 底 層 水 が 貧 酸 素 化 していたといえる 3DOの 短 期 変 動 千 葉 灯 標 モニタリングポストにおいて 平 成 24 年 5 月 1 日 から 12 月 4 日 までに 観 測 された DO の 鉛 直 分 布 の 変 化 を 図 10 に 示 す また 千 葉 県 水 産 総 合 研 究 センターが 公 表 している 貧 酸 素 水 塊 速 報 による 平 成 24 年 4 月 から 12 月 までの 底 層 DO 水 平 分 布 を 図 11 に 示 す 青 色 で 表 現 される 貧 酸 素 水 塊 は 5 月 頃 から 顕 在 化 し 11 月 頃 まで 持 続 することがわかる また 日 によっ て その 形 状 分 布 が 鉛 直 的 水 平 的 に 変 化 することがわかる 図 10 平 成 24 年 5 月 1 日 から 12 月 4 日 までの 千 葉 灯 標 モニタリングポストにおけるDOの 鉛 直 分 布 ( 千 葉 灯 標 モニタリングポストデータから 作 成 ) 7

図 11 平 成 24 年 4 月 ~12 月 の 貧 酸 素 水 塊 の 分 布 ( 資 料 提 供 : 千 葉 県 水 産 総 合 研 究 センター) 8

(2) 化 学 的 酸 素 要 求 量 (COD) 全 窒 素 (T-N) 全 リン(T-P) 濃 度 の 推 移 環 境 省 の 広 域 総 合 水 質 調 査 による 化 学 的 酸 素 要 求 量 (COD) 全 窒 素 (T-N) 全 リン(T -P)それぞれの 東 京 湾 全 域 の 各 層 における 年 平 均 値 の 経 年 変 化 を 図 12 に 示 す (mg/l) (mg/l) 6.0 5.0 COD 濃 度 の 経 年 変 化 上 層 年 平 均 下 層 年 平 均 上 層 5 年 移 動 平 均 下 層 5 年 移 動 平 均 4.0 3.0 2.0 1.0 0.0 S54 S59 H 元 H6 H11 H16 H21 T-N 濃 度 の 経 年 変 化 (mg/l) (mg/l) 1.6 1.4 1.2 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 S54 S59 H 元 H6 H11 H16 H21 (mg/l) (mg/l) 0.14 0.12 0.10 0.08 0.06 0.04 0.02 T-P 濃 度 の 経 年 変 化 0.00 S54 S59 H 元 H6 H11 H16 H21 図 12 東 京 湾 全 域 のCOD T-N T-P の 経 年 変 化 ( 昭 和 54 年 ~ 平 成 23 年 ) ( 環 境 省 広 域 総 合 水 質 調 査 結 果 報 告 書 より 作 成 ) CODは 上 下 層 とも 平 成 5 年 以 降 にはほぼ 横 ばいであるが 全 体 的 には 減 少 傾 向 が 見 られる T-N については 上 下 層 とも 緩 やかではあるが 平 成 10 年 ごろから 減 少 傾 向 を 示 しており 平 成 14 年 以 降 についてもその 傾 向 を 維 持 していることから 改 善 の 方 向 に 向 かっていると 言 え る 上 層 のT-P は 年 による 濃 度 の 増 減 幅 が 大 きいものの 5 年 間 の 移 動 平 均 値 では 平 成 8 年 以 降 やや 減 少 傾 向 にある 下 層 T-P の 経 年 変 動 は 上 層 ほど 大 きくなく 長 期 的 にはわずかに 減 少 する 傾 向 が 見 られる 9

(3) 赤 潮 青 潮 の 発 生 状 況 平 成 11 年 度 から 22 年 度 までの 東 京 都 千 葉 県 及 び 神 奈 川 県 の 調 査 による 赤 潮 の 確 認 件 数 の 推 移 を 図 13 各 自 治 体 の 赤 潮 判 定 の 目 安 を 表 1 に 示 す 赤 潮 の 発 生 確 認 件 数 を 都 県 別 に 見 ても 東 京 湾 全 体 で 見 ても 減 少 する 傾 向 を 示 している ( 件 ) 35 30 25 20 15 10 5 0 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 ( 年 度 ) 千 葉 県 東 京 都 神 奈 川 県 ( 件 ) 70 60 50 合 計 40 30 20 10 0 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 ( 年 度 ) 図 13 赤 潮 確 認 件 数 の 推 移 ( 資 料 提 供 : 千 葉 県 東 京 都 神 奈 川 県 ) 千 葉 県 東 京 都 神 奈 川 県 色 オリーブ 色 ~ 茶 色 茶 褐 色 黄 褐 色 緑 褐 色 等 茶 褐 色 黄 褐 色 緑 褐 色 等 通 常 と 異 なる 色 透 明 度 1.5m 以 下 概 ね 1.5m 以 下 概 ね 2m 以 下 クロロフィル 又 は クロロフィル a SCOR/UNESCO 法 50μg/L 以 上 吸 光 光 度 法 及 び LORENZEN 法 に 準 ずる 方 法 50 mg/m 3 以 上 ( ) 蛍 光 法 50μg/L 以 上 溶 存 酸 素 飽 和 度 150% 以 上 ph 8.5 以 上 赤 潮 プランクトン ( ) 東 京 都 は クロロフィル(クロロフィルa+フェオ 色 素 )の 濃 度 で 判 定 している 顕 微 鏡 で 多 量 に 存 在 している ことが 確 認 できる 表 1 各 都 県 の 赤 潮 判 定 の 目 安 ( 東 京 湾 水 質 調 査 報 告 書 より 引 用 ) 顕 微 鏡 で 多 量 に 存 在 している 青 潮 確 認 件 数 の 推 移 を 図 14 に 示 す 確 認 件 数 については 平 成 17 年 と 23 年 度 に 6 件 確 認 されたが 他 の 年 では 年 間 2-3 件 程 度 で 推 移 している 平 成 16 年 8 月 18 日 には 東 京 都 内 湾 の 羽 田 沖 及 び 横 浜 市 沿 岸 で 初 めて 青 潮 が 観 測 され また 平 成 24 年 度 では 隅 田 川 河 口 で 初 め て 青 潮 の 発 生 が 認 められたが そのほかの 発 生 場 所 は 全 て 千 葉 県 側 の 沿 岸 であった 漁 業 被 害 としては 平 成 22 年 24 年 の 青 潮 で アサリ 等 二 枚 貝 の 斃 死 が 報 告 されている 10

( 件 ) 7 6 5 4 3 2 1 0 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 ( 年 度 ) 図 14 青 潮 確 認 件 数 の 推 移 ( 平 成 10~23 年 度 ) ( 東 京 湾 水 質 調 査 報 告 書 より 作 成 ) (4) 生 態 系 の 状 況 1 底 生 生 物 の 分 布 底 生 生 物 の 個 体 数 種 類 数 は ともに 年 間 を 通 じて 市 原 沖 等 湾 央 部 で 少 なくなっている( 図 15) 毎 年 夏 季 には 底 生 生 物 ( 魚 類 を 含 む)が 存 在 しない 観 測 地 点 が 存 在 する 鉛 直 混 合 が 進 み 貧 酸 素 水 塊 が 解 消 される 冬 季 については 全 域 で 底 生 生 物 が 生 息 可 能 な 状 態 であるが 冬 季 であっても 市 原 沖 等 夏 季 に 生 物 が 存 在 しない 観 測 地 点 では 他 の 観 測 地 点 より 生 物 の 種 類 数 個 体 数 とも 少 ない 傾 向 がある 同 じ 観 測 地 点 季 節 で 比 較 すると 生 物 量 の 観 測 値 は 年 に よりばらつきが 大 きい 図 16 は 底 引 き 網 調 査 によって 確 認 された 無 生 物 域 の 範 囲 を 示 しているが 図 11 の 貧 酸 素 水 塊 の 分 布 と 比 較 すると 夏 季 の 貧 酸 素 水 塊 の 拡 大 とともに 無 生 物 域 が 広 がり 11 月 になっても 一 部 で 無 生 物 域 が 持 続 している 様 子 が 分 かる 図 15 底 生 生 物 の 個 体 数 種 類 数 の 水 平 分 布 ( 続 く) ( 環 境 省 広 域 総 合 水 質 調 査 データより 作 成 ) 11

図 15( 続 き) 底 生 生 物 の 個 体 数 種 類 数 の 水 平 分 布 ( 環 境 省 広 域 総 合 水 質 調 査 データより 作 成 ) 12