外 来 患 者 を 対 象 とした 緩 和 ケアに 関 するニーズ 調 査 報 告 書 大 友 宣 1) 佐 野 かず 江 2) 橋 本 勉 3) 1) 社 会 福 祉 法 人 日 本 医 療 伝 道 会 衣 笠 病 院 内 科 医 長 / 湘 南 国 際 村 クリニック 所 長 2) 社 会 福 祉 法 人 日 本 医 療 伝 道 会 衣 笠 病 院 ケアセンター 所 長 3) 社 会 福 祉 法 人 日 本 医 療 伝 道 会 衣 笠 病 院 連 絡 先 238-8588 横 須 賀 市 小 矢 部 2-23-1 社 会 福 祉 法 人 日 本 医 療 伝 道 会 衣 笠 病 院 TEL (046)852-1182 FAX (046)852-1183 E-Mail zaitaku@kinugasa.or.jp 提 出 2010 年 3 月 29 日
背 景 衣 笠 病 院 グループでは 地 域 のがん 患 者 が 安 心 して 療 養 できる 環 境 を 整 えるた めプロジェクトチームを 作 り グループとしてできる 介 入 を 検 討 している 本 研 究 は 衣 笠 病 院 グループによる 地 域 への 緩 和 ケアの 介 入 計 画 を 策 定 するための 地 域 ニーズ 調 査 である 衣 笠 病 院 グループは 横 須 賀 三 浦 地 区 唯 一 の 緩 和 ケア 病 棟 を 有 する 急 性 期 病 院 を 中 心 として 在 宅 医 療 を 提 供 する 在 宅 療 養 支 援 診 療 所 在 宅 介 護 を 支 援 す る 介 護 事 業 所 などを 抱 えている ホスピスでは 年 間 80 名 程 度 の 新 規 患 者 を 受 け 入 れている 在 宅 療 養 支 援 診 療 所 である 湘 南 国 際 村 クリニックでは 年 間 40 名 程 度 の 在 宅 看 取 りを 行 っている 衣 笠 病 院 ケアセンターではがん 患 者 に 対 して 必 要 な 訪 問 看 護 やその 他 の 介 護 サービスを 提 供 している 現 在 までそれぞれが 必 要 な 患 者 に 対 して 緩 和 ケアを 提 供 してきた しかしながら 地 域 のニーズに 即 した 総 合 的 な 緩 和 ケア 介 入 計 画 を 立 ててきたわけではない がん 対 策 基 本 法 に おいては 国 地 方 公 共 団 体 の 責 務 として 疼 痛 などの 緩 和 を 目 的 とする 医 療 が 早 期 から 行 われること と 居 宅 において 医 療 を 提 供 する 連 携 協 力 体 制 を 確 保 すること を 定 められているが これらが 地 域 のニーズに 基 づき 統 合 された 形 で 提 供 されることが 望 ましい 特 に 在 宅 医 療 は 衣 笠 病 院 グループの 重 点 課 題 である また 近 隣 住 民 の 最 期 をどう 迎 えるか という 希 望 に 地 域 医 療 を 支 える 衣 笠 病 院 グループが 応 えていく 必 要 がある 衣 笠 病 院 グループでは がん 患 者 が 安 心 して 療 養 できる ことを 目 標 に 地 域 への 緩 和 ケア 介 入 計 画 を 策 定 す ることとした この 計 画 を 策 定 し 具 体 化 するためには 横 須 賀 市 衣 笠 近 隣 地 域 の 住 民 の 認 識 とニーズを 把 握 して それに 見 合 った 方 法 を 提 供 することが 必 要 で ある 先 行 のニーズ 調 査 の 研 究 では 一 般 市 民 は 約 半 数 ががんになっても 自 宅 療 養 を 希 望 しているが 自 宅 で 死 亡 することは 難 しく 現 状 では 病 院 や 緩 和 ケア 病 棟 などに 入 院 して 死 を 迎 えることを 希 望 している ことが 明 らかにされてい る この 地 区 の 住 民 のニーズを 明 らかにすることにより どのような 介 入 があ れば 希 望 に 沿 って 在 宅 でがん 患 者 が 療 養 できるのかを 検 討 することができる 本 研 究 の 目 的 は 衣 笠 病 院 外 来 受 診 患 者 の 緩 和 ケアに 関 する 認 識 ニーズを 明 ら かにすることである 方 法 先 行 研 究 の 著 者 からアンケート 用 紙 を 取 り 寄 せて 調 査 項 目 について 検 討 し 文 献 的 検 討 この 研 究 に 参 加 している 医 師 看 護 師 などの 多 職 種 による 議 論 に 基 づいて 調 査 項 目 を 作 成 した 本 調 査 項 目 の 表 面 的 妥 当 性 認 容 性 は 医 療 職 事 務 職 員 など 合 計 20 名 を 対 象 としたパイロット 調 査 で 確 認 し 調 査 票 の 内 容 言 葉 遣 いなどについて 修 正 を 行 った 調 査 項 目 として 以 下 のものを 含 めた
(1) 対 象 者 背 景 年 齢 性 地 域 に 居 住 している 期 間 有 する 疾 患 家 族 のが ん 経 験 家 族 との 関 係 (2) 緩 和 ケアに 対 する 認 知 とイメージ (3) 医 療 用 麻 薬 に 対 するイメージ (4) 在 宅 療 養 に 関 するイメージ (5) 緩 和 ケア 病 棟 に 対 する 認 知 とイメージ (6) 緩 和 ケアサービスの 整 備 に 関 する 必 要 性 の 認 識 (7) 情 報 提 供 の 方 法 (8) がんに 罹 患 したときの 安 心 感 (9) 希 望 する 療 養 場 所 (10) 緩 和 ケアについて 困 ったこと 今 後 実 施 されるとよいと 思 うことにつ いて 自 由 記 載 2009 年 11 月 9 日 ( 月 )~14 日 ( 土 )に 衣 笠 病 院 外 来 を 受 診 した 40 歳 以 上 79 才 以 下 の 患 者 を 調 査 対 象 とした 調 査 対 象 年 齢 を 40 歳 から 79 歳 に 定 めた 理 由 は (1)がんによる 死 亡 率 は 40 歳 以 降 急 速 に 上 昇 するため 若 年 層 に 比 べ て 自 らががんに 罹 患 する 可 能 性 が 高 いだけでなく 家 族 ががんに 罹 患 する 可 能 性 も 高 く 今 後 の 衣 笠 病 院 グループの 緩 和 ケア 介 入 計 画 の 主 たる 対 象 であり 緩 和 ケアのニーズを 調 査 する 対 象 として 適 切 であること(2)40 歳 以 上 の 成 人 は 近 親 者 や 友 人 知 人 とのがんによる 死 別 経 験 を 有 する 割 合 が 高 く より 身 近 な 問 題 として 緩 和 ケアを 考 えることができること(3)80 歳 以 上 の 一 般 市 民 は 調 査 票 への 回 答 が 困 難 であるものが 含 まれ 回 収 率 の 著 しい 低 下 が 予 想 される ことによる 無 記 名 の 質 問 紙 による 調 査 とした 外 来 患 者 に 調 査 票 を 手 渡 し 回 収 ボック スを 設 置 し 回 収 した 調 査 票 は 回 収 ボックスにて 回 収 し 衣 笠 病 院 グループ 研 究 事 務 局 にて 保 管 した 調 査 票 は 事 務 局 において 保 管 した 調 査 は 衣 笠 病 院 グループの 倫 理 委 員 会 の 承 認 を 受 けて 実 施 した 調 査 に 回 答 するかどうかは 自 由 であること 答 えたく ないない 項 目 には 答 える 必 要 がないことなどを 明 記 した 趣 意 書 を 添 え 調 査 を 行 った 選 択 肢 を 選 ぶ 項 目 については 統 計 的 に 処 理 しそれぞれの 回 答 の 割 合 を 示 した 情 報 提 供 の 方 法 の 項 目 については 順 位 を5 位 =1 点 4 位 =2 点 3 位 =3 点 2 位 =4 点 1 位 =5 点 と 点 数 化 し 割 合 を 乗 じて 重 要 度 を 算 出 した 緩 和 ケアについて 困 ったこと 今 後 実 施 されるとよいと 思 うことについて 自 由 記 載 してもらった 自 由 記 載 の 内 容 について 医 療 と 介 護 専 門 の 二 名 の 研 究 者 によ り KJ 法 を 行 い 分 類 し 互 いに 関 連 づけを 行 った
結 果 577 名 からアンケートを 回 収 した 回 答 者 の 年 齢 が 39 歳 未 満 80 歳 以 上 のも のを 除 き 531 名 の 有 効 回 答 があった 回 答 者 の 年 齢 は 65 から 75 歳 が 最 多 で あった 男 性 の 回 答 者 は 41%であった 住 んでいる 地 域 は 横 須 賀 市 がほとんど であった 高 血 圧 症 で 通 院 している 患 者 がもっとも 割 合 が 多 かった 家 族 にがんを 経 験 したひとは 59% であった 内 訳 としては 親 ががんを 経 験 している 事 がもっとも 多 かった 緩 和 ケアという 言 葉 を 知 っているか という 質 問 には 聞 いたことがある がよく 知 らない が 最 多 であった 緩 和 ケアについて 持 っているイメ ージとして とてもそう 思 う と そ う 思 う をあわせると 痛 みや 苦 痛 をやわらげる 80% 化 学 療 法 や 放
射 線 療 法 などがんに 対 する 治 療 と 一 緒 に 行 う 56% 死 期 がさしせまってい る 患 者 さんのためのものである 52% であった 医 療 用 麻 薬 について 持 っているイメ ージとして とてもそう 思 う と そ う 思 う をあわせると たいていの 痛 みを 和 らげることができる 68% 麻 薬 中 毒 になったり 禁 断 症 状 が 出 る 23% 寿 命 をちぢめる 23%であった 在 宅 療 養 に 持 っているイメージとし て とてもそう 思 う と そう 思 う をあわせると 自 分 らしく 自 由 に 過 ご せる 64% 苦 痛 を 十 分 にやわらげら れることはできない 40% 急 な 変 化 があったときや 夜 間 に 対 応 できない 69% 往 診 してくれる 医 師 がいない 61% お 金 がかかる 53%であった ホスピスについて よく 知 っている 25% きいたことはあるがよく 知 らない 59%であった 在 宅 療 養 に 持 ってい るイメージとして とてもそう 思 う と そう 思 う をあわせると 痛 みや 苦 痛 をやわらげる 74% 人 間 らしい 尊 厳 のある 生 活 がおくれる 66% 家 族 への 気 配 りがある 68% 自 分 らしく 自 由 に 過 ごせる 51% 点 滴 や 放 射 線 治 療 など 治 療 行 為 はしない 28% 死 を 待 つだけのところで 退 院 する 人 は いない 44% 衣 笠 病 院 の 患 者 しか 利 用 できない 26% 高 額 な 費 用 がかか る 63%であった 緩 和 ケアサービスの 整 備 に 関 する 必 要 性 の 認 識 について 不 可 欠 だと 思 う
と とても 役 に 立 つと 思 う をあわせ ると 痛 みや 苦 痛 をやわらげるための 医 療 ( 緩 和 ケア)についての 情 報 を 住 民 に 分 かるように 伝 える 47% 苦 痛 を 和 らげるために 医 師 の 技 術 を 向 上 させる 63% 苦 痛 を 和 らげるために 看 護 師 の 技 術 を 向 上 させる 61% 地 域 のどの 病 院 に 入 院 していても 在 宅 にいても 病 院 や 診 療 所 の 医 師 が 対 応 できないときには 苦 痛 をやわらげる 治 療 の 専 門 家 からアドバイスが 得 られ る 56% 病 院 や 診 療 所 など 治 療 する 環 境 が 変 わっても 医 療 機 関 どうしで 必 要 な 情 報 が 伝 わっている 55% 他 の 病 院 の 医 療 者 とも 相 談 しやすいよう に 自 分 の 診 療 に 関 する 情 報 ( 治 療 経 過 など)を 持 ち 歩 けるものがある 52% 何 か 困 ったことがあるときに ここ に 電 話 すればいい という 決 まった 相 談 窓 口 がある 61% 地 域 で 受 けられ るサービスについての 冊 子 がある 46% 地 域 で 受 けられるサービスの 情 報 を 得 られるホームページがある 47% 介 護 をかわってくれるボランティア 団 体 がある 52% 痛 みをやわらげる 専 門 的 な 治 療 を 行 うホスピス 緩 和 ケア 病 棟 がもっとたくさんある 64% ホスピス 緩 和 ケア 病 棟 以 外 に 気 楽 に 入 院 滞 在 できる 施 設 がある 60% ふだん 病 気 の 症 状 治 療 法 薬 の 効 能 等 についての 情 報 を 得 るための 手 段 ( 情 報 源 )として 医 療 者 からの 説 明 1271 点 テレビ 番 組 853 点 新 聞 609 点 インターネットのホームページ 539 点 役 所 や 病 院 に 置 いてあるパ ンフレット 327 点 であった ふだん 病 気 や 医 療 に 限 らず 日 常 生 活 で 興 味 のあることや 困 ったことがあ るとき 情 報 を 得 るための 手 段 ( 情 報 源 )として テレビ 番 組 1008 点 新 聞 878 点 インターネットのホームページ 696 点 書 店 で 売 られている 書 籍 448 点 医 療 者 からの 説 明 404 点 であった
がんに 罹 患 したときの 安 心 感 について とてもそう 思 う そう 思 う と や やそう 思 う をあわせると 安 心 して 治 療 を 受 けられる 55% あまり 苦 し くなく 過 ごせると 思 う 36% 苦 痛 や 心 配 には 十 分 に 対 処 してもらえると 思 う 45% いろいろなサービスがあるので 安 心 だ 33% 安 心 して 自 宅 で 療 養 で きる 26% 希 望 すれば 自 宅 で 最 期 まで 過 ごすことも 可 能 だ 36%であっ た 療 養 場 所 の 希 望 として なるべく 早 く 今 まで 通 った 病 院 に 入 院 したい と 答 えたのは 痛 みを 伴 い 治 る 見 込 みがな い 場 合 19% 痛 みが 和 らいでいて 介 護 がひつような 場 合 18%であった なる べく 早 くホスピス 緩 和 ケア 病 棟 に 入 院 したい のはそれぞれ 14.5%と 22.3% であった 自 宅 で 療 養 して 必 要 になればそれまでの 病 院 に 入 院 したい のは それぞれ 16.4%と 12.4% 自 宅 で 療 養 して 必 要 になればホスピス 緩 和 ケア 病 棟 に 入 院 したい のはそれぞれ 27.2%と 24.9% 自 宅 で 最 期 まで 療 養 したい のはそれぞれ 9%と 4.6% 専 門 的 医 療 機 関 で 積 極 的 に 治 療 を 受 けたい のはそ れぞれ 7.4%と 5.3% 専 門 医 師 や 看 護 師 が 必 要 なときに 診 療 するゆっくりでき る 施 設 があれば 入 所 したい のはそれぞれ 6.6%と 12.4%であった
自 由 記 載 の 多 くは 在 宅 介 護 の 困 難 医 療 者 の 質 相 談 できるシステム の3つのカテゴリーに 分 類 された 在 宅 介 護 の 困 難 のカテゴリーの 下 位 分 類 と して 自 宅 介 護 の 大 変 さ 自 宅 療 養 での 救 急 対 応 入 院 の 必 要 性 ホスピス の 必 要 性 があげられた 医 療 者 の 質 のカテゴリーの 下 位 分 類 として 医 療 者 の 使 命 感 症 状 緩 和 の 技 術 コミュニケーション インフォームドコンセン ト があげられた 相 談 できるシステムのカテゴリーの 下 位 分 類 として 経 済 的 心 配 療 養 先 の 相 談 療 養 の 不 安 積 極 的 治 療 の 希 望 があげられた そ の 他 以 下 のような 記 載 があった 家 族 の 介 護 の 負 担 感 と 充 足 感 外 来 受 診 の 負 担 地 域 連 携 医 療 体 制 の 整 備 自 宅 療 養 の 希 望 ホスピス 緩 和 ケア の 広 報 考 察 本 研 究 では 外 来 患 者 を 対 象 として 無 記 名 式 アンケートによる 緩 和 ケアの 認 識 ニーズに 関 する 調 査 を 行 った 先 行 の 研 究 では 対 象 地 域 で 郵 送 にてアンケ ートを 配 布 し 回 収 していた 本 研 究 での 選 択 肢 よる 回 答 結 果 は 先 行 の 研 究 の 四 地 域 での 結 果 のばらつきの 範 囲 内 にあった 先 行 の 研 究 の 調 査 項 目 と 同 じ 内 容 を 外 来 の 調 査 で 行 っても 結 果 は 妥 当 であることが 示 唆 された また 地 域 が 違 っても 結 果 は 大 きくは 変 わらない 事 が 推 察 された 衣 笠 病 院 外 来 を 受 診 する 患 者 は 衣 笠 地 区 周 辺 から 来 ていることが 多 く 概 ねこの 地 域 の 緩 和 ケアの 認 識 ニーズをとらえていると 言 う 事 ができる 緩 和 ケアについて 持 っているイメージについては 苦 痛 を 和 らげるという 本 来 の 意 味 通 りに 正 しく 認 識 している 割 合 が 多 いものの 緩 和 ケア= 終 末 期 とい うイメージが 多 くあった 医 療 用 麻 薬 について 持 っているイメージについては 中 毒 症 状 が 出 たり 寿 命 をちぢめるというイメージが 少 なからずあった これ らの 情 報 について 正 しく 地 域 住 民 に 広 報 していく 必 要 がある 在 宅 医 療 に 関 しては 緊 急 時 の 対 応 往 診 医 がいないこと 苦 痛 の 緩 和 が 十 分 ではないこと お 金 がかかることに 関 しての 心 配 が 大 きいように 思 われる
当 法 人 も 含 めて 地 域 で 積 極 的 に 在 宅 医 療 を 推 進 している 診 療 所 訪 問 看 護 ステ ーションなどもあり 実 情 の 周 知 がさらに 必 要 であると 考 えられた ホスピスについては 知 られていないことも 多 いように 思 われる 三 浦 横 須 賀 地 区 ではホスピス 病 棟 は 唯 一 であり 地 域 住 民 が 誤 解 のないように 利 用 してい ただくことが 適 切 である 緩 和 ケアサービスの 整 備 に 関 する 必 要 性 の 認 識 について 不 可 欠 だと 思 う と とても 役 に 立 つと 思 う をあわせて 60% 以 上 であった 項 目 は 医 療 者 の 技 術 に 関 すること 入 院 または 入 所 の 施 設 の 要 望 がんについてのよろず 相 談 に 関 することであった これらの 項 目 はニーズが 高 いと 考 えられ 対 応 すればあ る 程 度 地 域 住 民 のニーズを 満 たしていくことができる がんに 罹 患 したときの 安 心 感 について いずれの 質 問 に 対 しても 安 心 感 が 十 分 にあるとは 言 えず 地 域 住 民 ががんに 罹 患 した 際 の 療 養 生 活 に 大 きな 不 安 を 抱 いている 事 が 明 らかになった がん 患 者 が 安 心 して 療 養 できる 環 境 をつく るためにはたくさんのハードルがあると 考 えられた 在 宅 療 養 についても 多 く の 住 民 が 不 安 に 思 っていることが 分 かった がんの 終 末 期 の 療 養 に 対 して もっとも 多 かったのは 自 宅 で 療 養 して 必 要 になればホスピス 緩 和 ケア 病 棟 に 入 院 したい という 項 目 であった 療 養 場 所 と 最 期 の 場 所 を 分 けて 考 えるならば 療 養 場 所 としては 自 宅 最 期 の 場 所 としてはホスピス 緩 和 ケア 病 棟 がもっとも 多 い 回 答 であった 終 末 期 の 介 護 の 対 応 方 法 自 宅 で 疼 痛 緩 和 ができることの 周 知 ができればさらに 多 くの 人 が 在 宅 療 養 を 希 望 する 可 能 性 があると 考 えられた 痛 みを 伴 い 死 期 が 追 ってい る 場 合 の 療 養 場 所 の 希 望 と 痛 みは 伴 わず 介 護 を 必 要 とする 場 合 の 療 養 場 所 の 希 望 を 比 べると なるべく 早 くホスピス 緩 和 ケア 病 棟 に 入 院 したいの 項 目 では 前 者 が 少 なく 後 者 が 多 くなっていた また 自 宅 で 最 期 まで 療 養 し たいの 項 目 では 前 者 が 多 く 後 者 が 少 なくなっていた ホスピス 緩 和 ケア 病 棟 の 入 院 を 疼 痛 緩 和 目 的 よりは 介 護 目 的 に 考 えている 傾 向 があると 考 えられる また 介 護 が 必 要 であれば 自 宅 療 養 を 希 望 する 割 合 が 少 なくなる 傾 向 にあり 家 族 への 介 護 負 担 を 心 配 している 可 能 性 が 考 えられた 自 由 記 載 部 分 のカテゴリー 分 類 から 在 宅 介 護 の 困 難 の 解 消 医 療 者 の 質 の 改 善 相 談 できるシステム 作 りが 地 域 の 緩 和 ケアの 推 進 のため 必 要 である 下 位 分 類 から 考 察 すると 在 宅 介 護 の 困 難 の 解 消 のためには 自 宅 介 護 をサポートす るシステム 自 宅 療 養 での 救 急 対 応 必 要 時 に 入 院 できる 環 境 希 望 者 がホス ピス 入 院 できる 環 境 が 必 要 である また 医 療 者 の 質 の 改 善 として 症 状 緩 和 の 技 術 の 普 及 医 療 者 と 患 者 のコミュニケーションの 改 善 インフォームドコ ンセントの 充 実 が 必 要 であると 考 えられる 相 談 できるシステムづくりとして 経 済 的 心 配 の 解 消 療 養 先 の 相 談 を 受 け 付 けること 療 養 の 不 安 を 傾 聴 するこ と 積 極 的 治 療 を 希 望 した 場 合 に 相 談 できることが 必 要 と 考 えられた 本 研 究 は 財 団 法 人 在 宅 医 療 助 成 勇 美 記 念 財 団 の 助 成 により 行 われました
感 想 私 自 身 は 現 在 まで 民 間 病 院 で 臨 床 のみを 行 ってきましたので 研 究 歴 はありま せんでした 今 回 応 募 させていただき はじめて 助 成 を 申 請 し 調 査 を 実 行 し 報 告 するというプロセスを 行 いました それぞれのステップでどのように 行 っ たらいいのか 暗 中 模 索 しながら この 研 究 を 進 めて 来 ました 衣 笠 病 院 グルー プはこの 地 域 では 比 較 的 緩 和 ケアを 提 供 できている 施 設 群 のように 思 いますが まだまだ 地 域 の 緩 和 ケアのニーズに 対 応 できているとは 言 い 難 いと 思 います この 研 究 を 基 に 地 域 の 緩 和 ケアのニーズに 対 応 できる 組 織 作 り 人 づくりを 考 えていきたいと 思 っています また 私 自 身 は 現 在 在 宅 医 療 をはじめて 5 年 目 ですが まだまだ 在 宅 医 療 には 未 開 拓 の 研 究 分 野 が 多 くあるように 感 じてい ます これからも そのような 研 究 分 野 に 取 り 組 んでいきたいと 思 います ご 支 援 本 当 にありがとうございました 今 後 ともよろしくお 願 いいたします