平成 27 年 4 月 17 日 第 49 号 群馬県河川協会 ( 事務局 : 群馬県河川課 ) 発行 VOL.28 一級河川 谷田川 一級河川谷田川は 鶴舞う形の群馬県で知られる鶴の頭に位置し 千代田町から明和町 館林市 板倉町を流れ 渡良瀬遊水地に合流する河川です 谷田川は 群馬の水郷 と呼ばれ この地域は北を渡良瀬川 南を利根川に挟まれた広大な低湿地帯となっており 人々は古くから洪水との闘いを繰り返してきましたが 一方で豊かな水の恵みを受けてきました この渡良瀬川 利根川合流域の水場景観は 関東初の重要文化的景観として国から選定され 囲堤や水塚など 水の害と益を享受してきた先人たちの知恵を随所に見ることができます 春と秋には 水害時の避難手段として使われた 揚舟 に乗って谷田川を周遊することができ 豊かな景観 吹き渡る川風 静寂な水の音 船頭の竹竿等 心休まるひとときを楽しむことができます CONTENTS( 目次 ) REPORT NEWS NEWS NEWS NEWS 第 64 回利根川水系連合 総合水防演習 が開催されます 河川整備計画を変更します ~ 利根川中流圏域と烏川圏域 ~ 氾濫危険水位等の位置付けが見直されます 地域活性化に向けた川づくりからのアプローチ ~ 神流川 ~ 粕沢川の河川改修事業が完成しました 八ッ場ダムの本体建設工事が開始されました 第 65 回利根川治水同盟治水大会 が開催されました ダムカードの紹介 地域の自治会に堤防の草刈りをお願いしています 優良河川愛護団体等表彰式 が執り行われました 1 2 2 3 3 4 5 6 6 裏面
Information 第 64 回利根川水系連合 総合水防演習 が開催されます 利根は坂東一の川 平常時は美しい利根川の流れも台風や大雨によって 突然牙をむいて私たちに襲いかかってくるかもしれません ご存じでしたか? まち を洪水から守る堤防 その堤防を守る 水防団 がいることを 総合水防演習は梅雨 台風のシーズンを前に 洪水から私たちの暮らしを守るために 地元水防団や国 県 市 消防署 警察 自衛隊 日本赤十字社などが共同で行う訓練です 今年は 5 月 16 日 ( 土 ) に第 64 回利根川水系連合 総合水防演習が伊勢崎市境島村の利根川河川敷において開催されます 今年の演習は 地域水防力の強化に向けて 水防活動の重要性を再認識し 水防技術の伝承を図る 局地的大雨等大水害に対応した 地域を主体とする地域水防力の向上 関係機関と連携した迅速かつ的確な防災対応演習 を柱に演習を開催する予定ですので ぜひご見学下さい 限定で炊き出しの無料配布もあります 演習概要 1. 日時平成 27 年 5 月 16 日 ( 土 ) 8 時 30 分から 13 時 30 分 ( 雨天決行 入場無料 ) 2. 場所群馬県伊勢崎市境島村 ( 利根川左岸島村渡船付近 ) 午前 7 時より各駅から現地まで無料シャトルバスを運行します ( 出発駅 :JR 両毛線 東武伊勢崎線 伊勢崎駅 JR 高崎線 本庄駅 JR 上越新幹線 本庄早稲田駅 ) お車でご来場の際は 大変混雑が予想されますので現地案内板及び誘導員等の指示に従ってお越し下さい 駐車場につきましては十分用意してあります 3. 演習プログラム (1) オープニング 8:30 太鼓演奏 上州境雉子尾太鼓 八木節演奏 上州島村新地八木節愛好会 (2) 開会式 9:00 (3) 演習開始 演習第 1 部 9:30 水防工法 伊勢崎市消防団 玉村町消防団 避難訓練 伊勢崎市西島前河原区自主防災組織 ( 株 ) パイロットコーポレーション 図上訓練 伊勢崎市小此木区自主防災組織 水防活動支援 東京福祉大学 サンデン ( 株 ) 住民自衛水防 伊勢崎市災害時外国人支援ボランティア及び協力者 群馬大学 ものつくり大学 伊勢崎市 群馬県県土整備部 水防支援活動 国土交通省関東地方整備局 利根上建設防災協力会 ( 一社 ) 群馬県建設業協会伊勢崎支部 炊き出し訓練 伊勢崎市地区赤十字奉仕団 日本赤十字社群馬県支部 陸上自衛隊第 12 旅団第 12 後方支援隊 演習第 2 部 11:35 救出 救護訓練 伊勢崎市消防団 伊勢崎市島村地区自主防災組織 伊勢崎市消防本部 群馬県防災航空隊 陸上自衛隊第 12 旅団第 12 施設隊 日本赤十字社群馬県支部 群馬県警察本部 国土交通省関東地方整備局 前回群馬県開催時の様子 1 ( 河川課防災係 )
Information 河川整備計画を変更します ~ 利根川中流圏域と烏川圏域 ~ 現在 利根川中流圏域と烏川圏域の河川整備計画について 変更手続き中です 利根川中流圏域の変更内容は 平成 25 年に 利根川水系利根川 江戸川河川整備計画 大臣管理区間 が策定されたことを受け 利根川の県管理区間においても 下流の大臣管理区間と整合を図った改修計画へ見直すものです また 烏川圏域の変更内容は 平成 24 年の集中豪雨の際 高崎市を流れる井野川において 堤防を越水した事例が発生したことを受け 全面的に改修計画を見直すものです 両圏域とも 国土交通省などの関係機関と調整し 学識経験者 関係住民 関係市町村長等から意見聴取を行って計画を変更します 平成 25 年 9 月台風第 18 号利根川 玉村大橋上流 平成 24 年 7 月豪雨井野川 高崎市貝沢町 ( 河川課河川企画係 ) Information 氾濫危険水位等の位置付けが見直されます 平成 26 年 9 月の 避難勧告等の判断 伝達マニュアル作成ガイドライン の改定に基づき 市町村長の発令する避難勧告等の判断基準が 以下のとおり見直されることとなりました 氾濫危険水位等の位置付け 基準水位従来改訂 氾濫危険水位避難完了避難勧告等の発令判断の目安 避難判断水位避難勧告等の発令判断の目安避難準備情報の発表判断の目安 氾濫注意水位避難準備情報の発表判断の目安 - 洪水時における避難勧告等の発令判断の目安は 越水 浸透 侵食 に分けて設定することとなり 上記の氾濫危険水位の位置付けを見直すとともに 浸透 侵食に関する監視を強化することとなりました ( 河川課防災係 ) 2
Report 地域活性化に向けた川づくりからのアプローチ 群馬県と埼玉県の県境を流れる神流川は 関東一を誇る清流として知られています 神流川の上流に位置する神流町万場では 河川環境に配慮した河道の安定対策を実施することで 河川敷を利用した かんな鯉のぼり祭り や 神流の涼 などのイベントが開催され 地域の憩いの場としてはもちろん 毎年多くの方が訪れています ~ 神流川 ~ 神流川 かんな鯉のぼり祭り 帯工 帯工施工箇所の様子 川にふれあい親しむための良好な礫河原を取り戻すため コンクリートを使用しない空石積 ( 石丸積工法 ) 帯工を施工しました 現在では土砂の補足が確認され 水遊び場として良好な河川空間が創出されています 本事例は 平成 26 年関東のいい川づくり において発表され 最優秀賞として表彰されました ( 河川課川づくり係 ) News 粕沢川の河川改修事業が完成しました 高崎市街地南部を流域とする一級河川粕沢川は 河道が蛇行し 河積も不足していたことから 度々洪水被害が発生していました このため 県では昭和 55 年から河川改修に着手し整備を進めてきましたが この度完成しました 事業概要事業延長 : 約 1.5km 計画流量 :50m3/s 事業期間 : 昭和 55 年 ~ 平成 26 年 粕沢川 3 多自然川づくりによる改修 粕沢川の流域では高崎駅東口周辺や高崎操車場跡地周辺等の開発が進んでいますが 都市開発による流出増に対応した粕沢川の改修が完成したことで 市街地の浸水被害の軽減に貢献します また 瀬や淵などの河川環境を守るため できるだけ河床幅を広く取り 川の営みを活かした多自然川づくりを実践しています ( 河川課川づくり係 )
News 八ッ場ダムの本体建設工事が開始されました 八ッ場ダム ( 長野原町 堤高 116m) では 本体建設工事が平成 26 年 8 月に清水 鉄建 IHI 異工種建設工事共同企業体と契約締結されました 10 月に測量作業 平成 27 年 1 月には基礎掘削が開始され 本格的な本体建設工事が始まりました 2 月 7 日には 起工式が開催され 起工を祝うとともに工事の安全が祈願されました 横壁 林 川原湯 県道林岩下線 県道林長野原線 川原畑 八ッ場ダム本体建設工事起工式 ( 平成 27 年 2 月 7 日 ) 平成 26 年度は ダム関連の生活再建事業も大きな進捗が見られた一年でした 7 月に川原湯温泉の王湯会館が代替地に移転してオープン 10 月には群馬県が施工したダム湖に架かる八ッ場大橋 ( 湖面 1 号橋 ) と JR 吾妻線の付替新設線が開通したほか 東吾妻町では 道の駅 あがつま峡 がオープンしました 1 月には新しい王湯会館で初めて 湯かけ祭りが開催されるなど地域振興のための取り組みも進められました 今後も群馬県としては 町や国と連携して一日も早いダムの完成と地元の方々の生活再建の推進に努めてまいります 長野原町 東吾妻町 新国道 145 号八ッ場ダムダムサイト下流より撮影 ( 平成 26 年 10 月 ) 八ッ場大橋開通式 ( 平成 26 年 10 月 1 日 ) 移転した王湯会館で初開催の湯かけ祭り ( 平成 27 年 1 月 20 日 ) JR 吾妻線付替新線開通に際した発車式 ( 平成 26 年 10 月 1 日 ) ( 特定ダム対策課 ) 4
News 第 65 回利根川治水同盟治水大会 が開催されました 利根川治水同盟は 昭和 22 年のカスリーン台風により利根川が氾濫し甚大な被害を被ったことから 利根川流域住民の生命と財産を守るために結成されました 同盟は 利根川流域 1 都 5 県の自治体等で構成され 毎年各地で治水大会を開催しています 治水大会では 利根川水系の治水 利水事業の早期実現並びに河川環境の整備促進等を求める決議を行い 国会並びに政府関係機関に対し要望活動を行っています 今回は第 65 回目として 7 月 23 日に高崎市の群馬音楽センターで開催されました 会場では カスリ - ン台風の被災状況や八ッ場ダム事業 世界遺産に登録された富岡製糸場を紹介したパネル展や 群馬県内でカスリーン台風の被害にあった方々がその恐ろしさを伝える水害体験ビデオ 今こそ伝えたい 上映のほかに地元物産展が開かれ 多くの参加者で賑わいました また 流域 1 都 5 県の国会議員及び都県議会議員 国土交通省 市町村長 関係各団体をはじめとした多数のご来賓の出席をいただきました ぐんまちゃん と たか丸くん 多くの参加者で賑わう会場 群馬大学大学院理工学府教授である清水義彦氏の講演では カスリン台風による利根川上流域での被害について をテーマに 群馬県における被害を中心に大災害の恐ろしさを再確認するとともに 官 民 学術関係者が一体となり治水 利水事業を推進することの重要性など貴重なお話しを聴くことができました そのほか 国土交通省関東地方整備局の泊宏河川部長からの事業説明 開催都市である高崎市の富岡賢治市長から意見発表がありました 最後に 利根川の治水 利水 環境整備の促進を決意した大会宣言 国会及び政府に対し更なる整備促進を求める大会決議が満場一致で採択され 大会は盛会のうちに終了しました 平成 27 年度は千葉県野田市で開催されます 清水義彦群馬大学大学院教授 泊宏国土交通省関東地方整備局河川部長 富岡賢治高崎市長 5 ( 河川課河川管理係 )
Information ダムカードの紹介 ダムカードは ダムのことをもっと知ってもらうことを目的に ダムを訪れた人を対象に配布されているカードのことです 国土交通省 独立行政法人水資源機構 都道府県 発電事業者などが管理する全国の 414 ダム ( 平成 26 年 10 月 1 日現在 ) でダムカードが配布されています カードの表面にはダムの写真 目的 型式が 裏面にはダムの基本情報とこだわり技術などの情報が書かれています SAMPLE ダムの目的 DAM-DATA 所 在 地 : 群馬県吾妻郡中之条町 河 川 名 : 利根川水系四万川 形 式 : 重力式コンクリートダム ゲ ー ト : ローラーゲート ( 非洪水期 ) 2 門ローラーゲート ( 洪水期 ) 1 門 シリンダーゲート ( 表面取水 ) 1 門ジェットフローゲート 1 門堤高 堤頂長 : 89.5m 330m 総貯水 SAMPLE 量 : 920 万m3 管 理 者 : 群馬県 本体着工 / 完成年度 : 1990/1999 年 詳しいテ ータはこちら http://www.pref.gunma.jp/h/05/shima/ ランダム情報ダム直下流には 良泉の四万温泉郷が広がる また 公園やダム資料館などが整備され 人々が親しみやすいダムとなっている 貯水池の 奥四万湖 はコバルトブルーの神秘的な湖 基本情報 ランダム情報 こだわり技術コンクリートの打設は RCD 工法 ( ダンプ直送 ) で実施し ダム天端部付近では 拡張レアー工法でも施工した ダム本体下流面には 化粧型枠を使用し 景観にも配慮 カードのバージョン ダムの型式 こだわり技術 ダムの魅力ダムにはそれぞれに目的があり 型式や堤体の大きさ ゲートの形などが異なります また 周りの景観やダム湖でのレジャーなども楽しむことができます ぜひ色々なダムに訪れて それぞれの特徴を見つけてみてください そして 訪れた証としてダムカードを入手しましょう ダムカードをもらうには? ダムカードは 原則としてダム管理事務所で配布しています ダムにより配布日や配布時間 配布場所が違うので 必ず国土交通省のホームページで配布情報を確認してからダムに行きましょう ( 河川課ダム係 ) Information 地域の自治会に堤防の草刈りをお願いしています ~ 自治会等河川草刈り作業委託の紹介 ~ 群馬県では 県が管理する一級河川で草刈りが必要な区間において 地元自治会等 に草刈り作業をお願いしており 平成 26 年度は約 250 団体に活動していただきました この活動の広がりにより 次のような効果が期待できます 河川管理費 ( 除草費 ) の縮減 不法投棄の抑制 河川への関心の高まり 地域活動の活性化 なお 活動可能な箇所及び条件等についての詳細は 地域の土木事務所へお問い合わせください ( 河川課川づくり係 ) 6
News 優良河川愛護団体等表彰式 が執り行われました 7 月 7 日 川の日 に 平成 26 年度優良河川愛護団体等表彰式 が群馬県及び群馬県河川協会の共催により 県庁昭和庁舎正庁の間にて執り行われました 県内では 河川愛護月間である 7 月を中心に 地域住民やボランティア団体等の様々な団体による河川愛護活動が積極的に展開されています このような活動に対して 群馬県と群馬県河川協会では 河川愛護の普及啓発を目的として長年にわたり河川愛護 美化活動に尽力されている県内各地の団体に対し表彰を行っており 今年度は 8 団体が表彰されました 表彰式では 大澤正明群馬県知事より受賞団体を代表して 尾島中学校ボランティア の阿部正校長に表彰状が手渡されました ( 受賞団体 ) 粕川地域づくり協議会 みやぎ地域づくり交流会 村上東自治会甲里組 あずま環境アドバイザー連絡協議会 高崎市立新町第二小学校 磯部 3 区田中自治会 小平地区 尾島中学校ボランティア ( 河川課河川管理係 ) * あとがき * このニュースレターは群馬県河川協会会員 ( 市町村及び賛助会員 ) 県内の河川愛護団体の代表者の方などにお配りしています ニュースレターへの掲載希望や ご意見ご質問がございましたら 下記送付先までご連絡ください 河川愛護活動や川づくりへの取り組みに関する情報を特に募集しております なお この 川便り は県ホームページにも掲載していますので ご覧ください http://www.pref.gunma.jp/index.html ぐんまの川便り と検索してください ( 送付先 ) 群馬県県土整備部河川課河川企画係 371-8570 前橋市大手町 1-1-1 TEL:027-226-3617 FAX:027-224-1368 E-mail:kasenka@pref.gunma.lg.jp