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目次 1 1. 奈良市中心部の道路交通環境 1) 広域的な自転車利用ネットワーク P2 2) 幹線道路の交通状況 ( 交通量 ) P3 3) 幹線道路の交通状況 ( 混雑状況 ) P4 2. 自転車事故の分析結果 1) 道路種別別 ( 国道 県道 市道 ) 自転車事故発生状況 P5 2) 自動車交通

今後の進め方について

2-2 需要予測モデルの全体構造交通需要予測の方法としては,1950 年代より四段階推定法が開発され, 広く実務的に適用されてきた 四段階推定法とは, 以下の4つの手順によって交通需要を予測する方法である 四段階推定法将来人口を出発点に, 1 発生集中交通量 ( 交通が, どこで発生し, どこへ集中

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文書5

平成 27 年度全国道路 街路交通情勢調査一般交通量調査時間帯別交通量表 茨城県 国土交通省道路局 都指道定府市県コー ド 道交単通位路量区調間種査番 号別 路 線 番 号 平交成通 27 量年観度測調 査非 観 測 の 別 個別調査観測値活用の別 時間観測の別 交通量観測年月日 天 候

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1 基本的な整備内容 道路標識 専用通行帯 (327 の 4) の設置 ( 架空標識の場合の例 ) 自 転 車 ピクトグラム ( 自転車マーク等 ) の設置 始点部および中間部 道路標示 専用通行帯 (109 の 6) の設置 ( 過度な表示は行わない ) 専 用 道路標示 車両通行帯 (109)

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4-3 交通量推計結果と考察 (1) 交通量推計結果 現況の交通量推計結果を見ると 一般国道 196 号では今治市内全区間において 100 を超え 旧市付近では 288 を超える交通が流れており 幹線的機能を果たしている 中心部から南北状に伸びる一般国道 317 号や でも 100 百台 / 日を超

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目次

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とした 工事は 週 6 日 8 時 ~18 時の時間帯に実施する計画である 1,600 稼動台数 ( 台 / 月 ) 1, 月目 2 月目 3 月目 4 月目 5 月目 6 月目 7 月目 8 月目 9 月目 10 月目 11 月目 12 月目 13 月目 14 月目

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表 -1 平成 28 年度常時監視の評価区間及び基準点対象道路道路評価区間測定地点 ( 基準点 ) 車線数 ( 通称名 ) 種別始点 / 終点住所 / 用途地域国道 246 号線青葉台 3-1 青葉台 ( 玉川通り ) 8 国道青葉台 3-6 商業地域中根 1-24 八雲

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令和元年長崎県地価調査結果の概要について 1. 調査目的等地価調査は 地価公示と併せて一般の土地取引の価格に対する指標及び公的土地評価の基準等となるものであり 毎年 1 回 7 月 1 日現在の県下の基準地価格を判定し 公表している 基準地数 :447 地点 ( 住宅地ほか :438 地点林地 :9

交通ミクロシミュレーションを用いた長岡まつり花火大会の交通渋滞緩和施策評価 環境システム工学課程 4 年 都市交通研究室杉本有基 指導教員佐野可寸志 1. 研究背景と目的長岡まつり大花火大会は長岡市の夏の最大イベントである 長岡まつり大花火大会は 昭和 20 年 8 月 1 日の長

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1/10 平成 29 年 3 月 24 日午後 1 時 37 分第 5 章ローレンツ変換と回転 第 5 章ローレンツ変換と回転 Ⅰ. 回転 第 3 章光速度不変の原理とローレンツ変換 では 時間の遅れをローレンツ変換 ct 移動 v相対 v相対 ct - x x - ct = c, x c 2 移動

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事業の効果や必要性を評価するための指標 政策目標 3. 安全安全な生活環境の確保 指標 ( 対象となる指標のみ記載 効果が確認されるものは を に変更 ) 並行区間等に死傷事故率が 500 件 / 億台キロ以上である区間が存する場合において 交通量の減少により当該区間の安全性の向上が期待できる 災害

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県産材の需要拡大の推進について(枠組み)

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Ⅳ 騒音・振動の状況

観測変数 1~5 因子負荷量 独自因子 a 独自因子 b 共通因子 1 独自因子 c 固有値 ( 因子寄与 ) 独自因子 d 共通因子 2 独自因子 e 共通性 補足説明因子負荷量 : 因子と観測変数の関係性を示す -1.00~+1.00 までの値を取り.60 以上で高く強い関係性があると言える.3

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経営統計学

原 議 保 存 期 間 1 0 年 ( 平成 31 年 12 月 31 日まで ) 各地方機関の長警察庁丙規発第 2 3 号殿各都道府県警察の長平成 2 1 年 1 0 月 2 9 日 ( 参考送付先 ) 警 察 庁 交 通 局 長 本 庁 各 局 部 課 長 各 付 属 機 関 の 長 交通規制基

①【相生】B様式表紙

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資料 -2 国道 24 号烏丸通 歩行者 自転車通行安全協議会 国道 24 号烏丸通の概要 平成 30 年 3 月 国土交通省近畿地方整備局京都国道事務所

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第 11 節東西系統 1, 概略この節では 京都市営地下鉄東西線 ( 以下東西線と表記する ) と京阪京津線 ( 以下京津線と表記する ) における直通運転について取り上げる 東西線の開業に際し 京津線の一部区間を廃止にした点 京津線の全列車が東西線に乗り入れている点などがこの直通運転の特徴として挙

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画像類似度測定の初歩的な手法の検証

旭川 紋別自動車道開通区間の概要 参考 1-1 旭川 紋別自動車道は 高速ネットワークの拡充により オホーツク圏と道央圏 道北圏との連絡機能を強化し 地域間交流の活性化及び物流効率化を図る 延長約 130km の自動車専用道路です このうち 丸瀬布 IC から遠軽瀬戸瀬 IC までの 11.2km

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Transcription:

Geographical Studies 道路交通センサスを用いた札幌市の都市構造の解析 三木祐太郎 * 木村圭司 ** ** 本間利久 キーワード. はじめに - -

. 使用したデータと解析方法 図 1 - -

こととした なお 以上の項目のうち歩行者交通 かう道路よりも 市周辺で割合が大きくなってい 量 自転車交通量 バス交通量についてはそのま る まの数値を用いると 地点ごとの値のばらつきが 歩行者交通量は図 4 で示されるように 市中心 大きすぎるため それぞれの対数値を使用してい 部で最も多い また 地下鉄の駅周辺でも多く る なっている 大型車率とは逆相関になっている 自転車交通量は 図 5 で示されるように 歩行 Ⅲ 札幌市における交通センサス指標を用いた札 者交通量とほぼ同じ分布である ただし 歩行者 交通量よりも中心部から離れた地域(特に北区 幌市の地域概観 24時間交通量は 図 2 で示されるように まず 東区)で比較的交通量が多い 中心部の札幌駅付近で多く 次にそこから放射状 バス交通量は図 6 で示されるように 市中心 に広がる国道(特に36号線 230号線)で多くなっ 部や国道36号線 230号線 453号線で交通量が多 ている 逆に 国道から離れている地域(地下鉄 い 逆に同じ国道でも12号線や 5 号線ではそれほ 東西線の西側など)は総じて自動車の交通量が少 ど多くない これは 前者には並行する鉄道がな ない いので そのぶん路線バスが多く走っているため 大型車率(24時間交通量のうち大型車が占める だと考えられる 割合)は 自動車類交通量に対する大型車(バス 昼夜率は図 7 で示されるように 自動車類24時 普通貨物車)交通量の割合を百分率で表したもの 間交通量の自動車類昼間12時間( 7 時 19時)交通 である 量に対する割合であり 次の式で定義される 大型車交通量 大型車率 100 全車交通量 自動車類24時間交通量 昼夜率 自動車類12時間交通量 大型車率は図 3 で示されるように 国道274号 昼夜率はほぼ同心円状に変化する構造をとって 線(札幌新道)や新川通など バイパス的な役割を いることが図 7 よりわかる 昼夜率は24時間交通 果たしている道路で最も大きい 市中心部に向 量を12時間交通量で割った値なので 昼夜率が高 図2 24時間交通量の分布 図3 大型車率の分布 46

図4 歩行者交通量の分布 対数値) 図5 自転車交通量の分布 対数値) 図6 バス交通量の分布 対数値) 図7 昼夜率の分布 いということは夜間でも自動車の交通が多いと解 度は 調査区間の延長を信号や渋滞等による停止 釈できる 逆に 昼夜率が低いと自動車の交通は 時間を含めた調査区間の所要時間で除したもので 昼間に集中している 郊外の住宅地ほどこの傾向 ある また 法定速度は道路標識等により表示さ は顕著に現れている ただし 他都市に向かう国 れている指定最高速度であるが 最高速度が指定 道では郊外でも昼夜率は他地点と比較して高い されていない道路については 道路交通法施行令 法定速度達成率(混雑時平均旅行速度 法定速 で定められた最高速度を使用した なお 指定最 度)は 混雑度の指標として扱う 混雑時旅行速 高速度が車種別に異なる場合については 普通乗 47

用車の値を用いた 観測された旅行速度をその道 路の法定速度で割った値なので この値が低いほ ど その道は 混雑している といえる 図 8 を 見ると 中心部では低く 逆に郊外では高くなっ ている ただし 旅行速度は道路交通センサスで は混雑時のみの測定であるため 次項のピーク時 間帯の占める割合と重ねて考える必要がある 図9 ピーク率の分布 特徴量を抽出した なお 因子分析の行には地 点 列にはセンサスの 8 項目とし 行列要素には センサス値 一部の指標は対数を取って 相関行 列を用いた 因子分析を行った結果 表 2 より抽出後の負 荷量平方和をみると 第 2 因子までが固有値 1 を 超え 第 2 因子までの累積寄与率が64.7%となる 図8 法定速度達成率の分布 が 第 2 因子と第 3 因子の因子寄与率がほぼ同じ ピーク率(24時間交通量のうちピーク時間が占 であるため この因子分析では第 3 因子までを採 める割合)は 通勤時間帯の混雑度の指標である 択した さらに 抽出された 3 つ因子軸に回転を と考えられる ピーク時間交通量とは 上り下 かけ 方向性の似た変数群の説明の助けとした り合計の交通量が最も多い時間帯( 1 時間)の自動 車類交通量であり ピーク時間帯の占める割合が 表1 因子分析の固有値と寄与率 高いということは 通勤時間帯に自動車の交通が 固有値 寄与率( ) 累積寄与率( ) 集中しているということである 図 9 を見ると 第1因子 4.008 50.1 50.1 中心部や郊外ではピーク率が高い 道路で考える 第2因子 1.169 14.6 64.7 と 国道 5 号線や36号線が郊外でもピーク率が低 第3因子 0.980 12.2 77.0 くなっている これは 小樽市や千歳市方面に往 第4因子 0.688 8.6 85.6 来する自動車が通勤時間帯に限らず多いことを意 第5因子 0.398 5.0 90.5 味していると考えられる 第6因子 0.353 4.4 95.0 第7因子 0.278 3.5 98.4 第8因子 0.126 1.6 100.0 Ⅳ 交通センサスによる札幌市の都市構造分析 交通センサスデータから 札幌市の都市構造を 分析するには 特徴集約的な統計解析手法が必要 である ここでは 主成分型因子分析を行って 48

1. 第 1 因子 2. 第 2 因子 表 2 図 10 - -

多く 負に高い地域はみられない これは郊外か 線 千歳線で分けられる北側では負に高い因子得 ら市中心部へ自動車で通勤する人々が多いことが 点 南側では正に高い因子得点をとる地点が多 影響していると考えられる い 以上より バス 自動車通勤依存度に関して 更なる解釈のために 国道から250mと500mの は 駅を中心とした小さな地域構造を示している バッファを描いた(図13)ところ 札幌新道や国道 といえる 図11 第2因子(バス 自動車通勤依存度)の因子負荷 量分布と札幌駅を中心とした同心円 地下鉄 市電の路線 図12 第3因子 道路の夜間使用度 の因子負荷量分 布と札幌駅を中心とした同心円 地下鉄 市電 の路線 3 第3因子 最後に第 3 因子であるが 寄与率は12.2 (累 積寄与率77.0 )であり 昼夜率が他の項目に比 べ大きく因子負荷を付与している 他は速度達成 率 バス交通量 24時間交通量が正に因子負荷を 付与している 残る 4 項目は第 3 因子にほぼ影響 していない これらから 第 3 因子は 道路の夜 間使用度 と命名した 第 3 因子の道路の夜間使用度については 因子 行列から昼夜率が大きく因子得点に影響している ことがわかる 因子得点の絶対値が0.5以下の地 点はすべて除去し 札幌駅から 1 ずつ10 まで のバッファと地下鉄から0.5 1 のバッファ を描画した(図12)ところ 国道230号線で因子得 点が正に高く 札幌新道(国道 5 号 274号線)で は負に高くなっている それ以外ではJR函館本 50 図13 第3因子 道路の夜間使用度 と一般国道

- -. おわりに 参考文献