栄養生理学 食生活指針と食事摂取基準
この講義で身に付けること 食事摂取基準の概念と算出の仕方を理解する 推定必要量 推奨量 目安量 目標量 上限量について学ぶ エネルギーと三大栄養素の推奨量や目標量を学ぶ 食事摂取基準値の個人に対する活用での注意点について理解する 食生活指針の概念と現状について学ぶ 健康食品や機能性食品 特保の違いについて学ぶ
食事摂取基準の基本的な考え 最新版は 2010 年度版 (2010-2014 使用 ) 現在 2015 年版について検討中 エネルギーや栄養素をどれだけ摂取すれば 良いのか 欠乏症 摂取不足 過剰による健康障害と生活習慣病予防への対応 個人 集団によって必要な量が違う 本当に望ましい摂取量は変動する 食事改善 や 給食管理 を目的とした活用
日本人の栄養摂取基準 推定平均必要量 推奨量 目安量 耐容上限量 目標量 確率の概念を導入 2005 年からの所要量 推奨量へと変更 日本人の栄養摂取基準 2010 年度版
2015 年版についての検討結果 日本人の食事摂取基準 (2015 年版 ) の概要
2015 年版策定の基本的事項 エネルギーの指標として BMI を採用 栄養素の指標としては従来通り ( 次スライド ) 2010 年版で課題となっていた項目について重点的にレビューを行った 年齢区分には変更なし 用語の変更 : 基準体位 参照体位 基準体位 が望ましい体位という訳ではないため
食事摂取基準指標の定義 (1) 1. 摂取不足の回避目的の指標 推定平均必要量 (EAR): 特定の集団を対象として推定された必要量から 性別 年齢階級別に日本人の必要量の平均の推定値 集団の 50% が必要量を満たすと推定される 推奨量 (RDA): 特定の性別 年齢階級に属する人の殆ど (97~98%) が 1 日の必要量を満たすとされる推定値 (EAR+2SD) 目安量 (AI): 推定平均必要量 推奨量を算定するのに十分な科学的根拠が得られていない場合一定の栄養状態の維持に十分と考えられる量
食事摂取基準指標の定義 (2) 2. 過剰摂取による健康障害の回避 耐容上限量 (UL): 特定の集団に属する殆ど全ての人が健康障害をもたらす危険が無いとみなされる習慣的な摂取量の上限を与える量 3. 生活習慣病の予防 目標量 (DG): 生活習慣病の一次予防のために現在の日本人が当面の目標とすべき摂取量 循環器疾患 ( 高血圧 脂質異常症 脳卒中 心筋梗塞 ) とがん ( 特に胃がん ) 対象 : 脂質 コレステロール 炭水化物 食物繊維 ナトリウム ( 食塩 ) カリウム
UL NOAEL( 健康障害非発現量 ) &LOAEL( 最低健康障害発現量 ) 2010 年度版食事摂取基準
2015 年食事摂取基準で策定した栄養素と設定した指標 (1 歳以上 ) 推定平均必要量 (EAR) 推奨量 (RDA) 目安量 (AI) 目標量 (DG) 耐容上限量 (UL) たんぱく質 - - 脂質 総脂質 - - - - 飽和脂肪酸 - - - - n-6 系脂肪酸 - - - - n-3 系脂肪酸 - - - - 炭水化物 - - - - 食物繊維 - - - - 合計で 33 種類の栄養素が対象となっている
2008 鹿毛ら生物のボディープラン (1) 推定必要量 摂取量の求め方 体重 (W 0 ) の被験者の推定平均必要量 ( または目安量 ) の参照値 (X 0 ) が [1 日当たりの摂取量 ] として表されている場合 : 求めたい年齢階級の推定平均必要量 ( または目安量 )(X) はその年齢層の基準体重 (W) を用いた次の式で求める X=X 0 (W/W 0 ) 0.75 0.75 乗 体重を体表面積に換算するため 代謝量はほぼ体表面積に比例する
性別 年齢別の参照体位 2 妊婦を除く
各ライフステージの推定エネルギー必要量 乳児 小児の推定エネルギー必要量 (kcal/ 日 ) 総エネルギー消費量 + エネルギー蓄積量 発育に必要なエネルギー量の確保 妊婦の推定エネルギー必要量 (kcal/ 日 ) 妊娠前の総エネルギー消費量 + 妊娠期別のエネルギー付加量 胎児の発育に必要なエネルギー量の確保 授乳婦の推定エネルギー付加量 (kcal/ 日 ) 母乳のエネルギー付加量 - 体重減少分のエネルギー量 身体活動の減少 総消費量自体は妊娠前と同じ 母乳生産のためのエネルギー量 ~517kcal/ 日
日本人の基礎代謝量 基礎代謝基準値 : 体重 1kg 当たりの基礎代謝量 (kcal/kg 体重 / 日 ) 日本人の食事摂取基準 (2010 年版 ).2009. 厚生労働省
推定エネルギー必要量 理想のエネルギー必要量 = エネルギー消費量 小児 乳児 妊婦 授乳婦では成長や組織増加分のエネルギー ( エネルギー蓄積量 ) や 組織形成に必要なエネルギーを考慮する必要がある 推定エネルギー必要量 (Estimated Energy Requirement: EER) EER = 基礎代謝量 (BMR) x 身体活動レベル (PAL) = 基礎代謝基準値 x 基礎体重 x 身体活動レベル
身体活動レベルとは? 身体活動レベル (Physical Activity Level: PAL) 身体活動量の指標 PAL 区分 低い (I):1.40~1.60 ( 生活の大部分が座位 ) ふつう (Ⅱ):1.75~1.90 ( 座位中心の仕事 + 立位 ) 高い (Ⅲ):1.90~2.20 ( 移動や立位の多い仕事 ) PAL =1 日当たり総エネルギー消費量 1 日当たりの基礎代謝量
15~69 歳における各身体活動レベルの標準的な活動内容 個々の活 動の分類 ( 時間 / 日 ) 身体活動レベル 日常生活の内容 低い (Ⅰ) ふつう (Ⅱ) 高い (Ⅲ) 1.50 (1.40~1.60) 生活の大部分が座位で 静的な活動が中心の場合 1.75 (1.60~1.90) 座位中心の仕事だが 職場内での移動や立位での作業 接客等 あるいは通勤 買物 家事 軽いスホ - ツ等のいずれかを含む場合 2.00 (1.90~2.20) 移動や立位の多い仕事への従事者 あるいは スホ - ツなど余暇における活発な運動習慣をもっている場合 睡眠 (1.0) 7 ~ 8 7~8 7 座位または立位の静的な活動 (1.5: 1.1~1.9) 12~13 11~12 10 ゆっくりした歩行や家事など低強度の活動 (2.5: 2.0~ 2.9) 3~4 4 4~5 長時間持続可能な運動 労働など中強度の活動 ( 普通歩行を含む ) (4.5: 3.0~5.9) 頻繁に休みが必要な運動 労働など高強度の活動 (7.0: 6.0 以上 ) 0 ~ 1 1 1 ~2 0 0 0~1
タンパク質の代謝を調べる方法 : 窒素の出納実験 (Nitrogen Balance) 排出窒素量 (g) b は無タンパク質食を摂取した際の窒素排出量 a は窒素出納を保つのに必要な最低タンパク質量 ( 窒素グラム数 ) 尿クレアチニン N=0.6g( 一定 ) 摂取窒素量 (g) 窒素の排出量は通常 = 摂取量 摂取量が少ない場合 : 摂取量に関係なく一定量の窒素が排出 排出量は蓄尿の分析から測定する ( 日本人では 58mgN/ 体重 kg/ 日 尿中 34mg 屎中 12mg 経皮( 毛 垢 爪 )10mg その他 2mg) 成人では推奨量 (g/ 日 )= 推定平均必要量 (g/ 日 ) x 推奨量算定係数 (1.25)
たんぱく質の食事摂取基準 性別男性女性 年齢 推定平均必要量 (g/ 日 ) 推奨量 (g/ 日 ) 目安量 (g/ 日 ) 目標量 ( 中央値 ) % エネルギー 1 推定平均必要量 (g/ 日 ) 推奨量 (g/ 日 ) 目安量 (g/ 日 ) 目標量 ( 中央値 ) % エネルギー 1 18~29 ( 歳 ) 50 60 13~20 (16.5) 40 50-13~20 (16.5) 30~49 ( 歳 ) 50 60-13~20 (16.5) 40 50-13~20 (16.5) 50~69 ( 歳 ) 50 60-13~20 (16.5) 40 50-13~20 (16.5) 70 以上 ( 歳 ) 50 60-13~20 (16.5) 40 50-13~20 (16.5) 2010 年版と 2005 版で推定平均必要量と推奨量は同じ 新しく目標量を設定
たんぱく質 エネルギー欠乏による 身体変化 同じ栄養失調でもマラスムス ( エネルギー欠乏 ) とクワシオルコル ( たんぱく質欠乏 ) で身体的特徴が異なる マラスムス ( 左 ) とクワシオルコル ( 右 ) Journalist on the Run より (http://janetnewenham.wordpress.com/2011/10/05/lives-togetherworlds-apart/) http://janetnewenham.files.wordpress.com/2011/10/recently-updated.jpg
高齢者は低栄養状態になりやすい 70 60 50 40 30 20 男性 女性 10 0 0 5~20 25~40 45~60 65~80 85~95 100 日常生活動作 (Berthal Index) 自立老齢者と比べて要介護老齢者で高リスク 高齢者の栄養管理サービスに関する研究 : 男性 1,109 名 女性 1,361 名 認知症 薬の副作用や生活習慣病でも起こりうる サルコぺニアからの転倒 骨折 脱水 感染症リスク増加
http://research.goo.ne.jp/database/data/000579/image/image001.gif 2055 年には高齢者の割合が 40.5% に上ると推定
2015 年版総脂質の食事摂取基準 ( 総脂質の総エネルギーに占める割合 ( 脂肪エネルギー比率 ); % エネルギー ) 年齢 男性 女性 目安量目標量目安量目標量 18~29 ( 歳 ) 30~49 ( 歳 ) 50~69 ( 歳 ) 70 以上 ( 歳 ) - 20 以上 30 未満 - 20 以上 30 未満 - 20 以上 30 未満 - 20 以上 30 未満 - 20 以上 30 未満 - 20 以上 30 未満 - 20 以上 30 未満 - 20 以上 30 未満 妊婦 - - 授乳婦 - -
飽和脂肪酸の食事摂取基準 (% エネルキ ー ) 18 歳以上は男女ともに 7.0 未満 n-3 系脂肪酸の 2015 年版食事摂取基準と 年齢 n-6 系脂肪酸の食事摂取基準 ( % エネルキ ー ) 4 以上 13 未満 ( 男性 ) 4 以上 10 未満 ( 女性 ) 摂取量 (g/ 日 ) 男性摂取量と目標量 女性摂取量と目標量 α リノレン酸 : DHA 目標量 * α リノレン酸 : DHA 目標量 * 18~29 ( 歳 ) 30~49 ( 歳 ) 1.49:0.162 2.0 以上 1.24: 0.145 1.6 以上 1.42: 0.229 2.1 以上 1.19: 0.143 1.6 以上 50~69 ( 歳 ) 1.32: 0.481 2.4 以上 1.14: 0.380 2.0 以上 70 以上 ( 歳 ) 1.06: 0.505 2.2 以上 0.96: 0.378 1.9 以上 * 実際の n-3 系脂肪酸摂取量以上を目標量とした : 妊婦 1.8 以上授乳婦 1.8 以上
不可欠脂肪酸摂取量の大部分は α ーリノレン酸 (ALA) から ALAからエイコサペンタエン酸 (EPA) やドコサヘキサエン酸 (DHA) への変換効率は悪い 原料食物 大豆等の植物 エキウム等 SDA 大豆 魚油 魚油 海藻 日本人の摂取割合 70-80% 0-5% 5-10% 10-20% 不可欠脂肪酸 (EFA) Omega-3 αリノレン酸 (ALA) 18:3 合成困難 ステアリドン酸 (SDA) 18:4 合成容易 エイコサペンタエン酸 (EPA) 20:5 ドコサヘキサエン酸 (DHA) 22:6 人体での変換率の比較 ( * ) 16 14 12 10 8 6 4 2 0 ALA SDA EPA EPA1g を合成するのに要する量 James MJ et al. Am J Clin Nutr 77: 1140-1145 (2003).
年齢 2015 年版炭水化物の食事摂取基準 ( 炭水化物の % エネルギー ) 男性 女性 目安量目標量目安量目標量 18~29 ( 歳 ) 30~49 ( 歳 ) 50~69 ( 歳 ) 70 以上 ( 歳 ) - 50 以上 65 未満 - 50 以上 65 未満 - 50 以上 65 未満 - 50 以上 65 未満 - 50 以上 65 未満 - 50 以上 65 未満 - 50 以上 65 未満 - 50 以上 65 未満 妊婦 - - 授乳婦 - - 食物繊維 :18 歳以上の男性は 19g+/ 日 同女性は 17g+/ 日
めざしたい範囲 ( 個人への適用 ) ( 栄養素 : 推定平均必要量 推奨量 目安量 上限量 ) 個人の必要量が分かる場合は それに見合った量がお勧め ( 同じ値でも足りている人と足りていない人がいることに注意 ) 安全 おそらく問題は生じないだろうがメリットもない 通常の食品を摂取している限りありえない量 絶対に避ける! 危険 ( 不足 過剰 ) 推定平均必要量 推奨量 個人の必要量がわからない場合 このあたりがお勧め ( ほとんどの人で足りている量 = ほとんどの人で余っている量 であることに注意 ) 目安量 通常の食品をしている限りほとんどありえない量 ( サプリメントなどで摂取している場合 使い方の誤りで過剰摂取になってしまう危険をはらんでいることに注意 ) 近づきたくない量 上限量 摂取量 不足にならないように 過剰にならないように
日本人の 15% が葉酸の代謝効率が 悪い MTHFR 多型 (TT 多型 ) 米国の推奨量 (400µg) 遺伝子 TT 多型にはこれだけ必要 日本の推奨量 (240mg) 植物 日本人の総摂取量 309mg 294μg 動物 遊離型 43mg 植物 1 : 0.6 ( 利用効率の比率 ) 利用効率をを考慮すると (202mg) ホ リク ルタミル型 266mg 動物 25% の人は 196μg 以下 TT 型はホモシステイン値も上昇 テロメア長が短縮 寿命も縮む J.B.Richards et al. Atherosclerosis. 2008 平成 15 年度国民健康 栄養調査平成 16 年度国民健康 栄養調査
諸指標 日本は貧血予防水準のみ 血清濃度 (nmol/l) 血清濃度 (μg/l) 葉酸欠乏分類ための血清 / 血漿葉酸のカットオフポイント Dary, O.: Nutr. Reviews 67:235-244 (2009) 巨赤芽球性貧血の予防水準 >7.0 日本人レベル 脳卒中等病態の予防水準 国民の二分脊椎症予防水準 >10.0 >15.9 米国民レベル 許容上限量の過剰レベル 45.3 >3.1 >4.4 >7.0 20 DEF (μg/ 日 ) 葉酸摂取 (μg/ 日 ) >205 >294 >474 1370 >120 >173 >279 846
小麦粉に対する添加の国際的な動き 2012 年 8 月現在 : 74 ヶ国が小麦製品に少なくとも鉄および / もしくは葉酸を添加することが必須
公衆栄養学
新しい食生活指針 1. 食事を楽しみましょう 2. 1 日の食事のリズムから 健やかな生活リズムを 3. 主食 主菜 副菜を基本に 食事のバランスを 4. ごはんなどの穀類をしっかりと 5. 野菜 果物 牛乳 乳製品 豆類 魚なども組み合わせて 6. 食塩や脂肪は控えめに ( 食塩 <10g/ 日 ) 7. 適正体重を知り 日々の活動に見合った食事量を 8. 食文化や地域の産物を活かし ときには新しい料理も 9. 調理や保存を上手にして無駄や廃棄を少なく 10. 自分の食生活を見直してみましょう
新しい食生活指針 1. 食事を楽しみましょう 2. 1 日の食事のリズムから 健やかな生活リズムを 3. 主食 主菜 副菜を基本に 食事のバランスを 4. ごはんなどの穀類をしっかりと 5. 野菜 果物 牛乳 乳製品 豆類 魚なども組み合わせて 6. 食塩や脂肪は控えめに ( 食塩 <10g/ 日 ) 7. 適正体重を知り 日々の活動に見合った食事量を 8. 食文化や地域の産物を活かし ときには新しい料理も 9. 調理や保存を上手にして無駄や廃棄を少なく 10. 自分の食生活を見直してみましょう
朝食の欠食率がいまだ高い 平成 22 年国民健康 栄養調査報告書
睡眠時間は学年が上がるにつれて減少する Benesse 第 2 回子ども生活実態基本調査 2009 就寝時間が遅くなると朝食欠食率は高くなる 1. イライラしやすくなる イジメを起こしやすくなる 2. 集中力低下 怪我をしやすくなる 3. 間食をしやすくなる 肥満になりやすくなる 4. 脳の発達に影響 成績に影響
日本の食糧消費量の変化 コメの摂取量が減少し 逆に肉 油が増加 CHO 比率は71.6%( 昭和 40) 58.4%( 平成 23 年 ) Fat 比率は16.2%( 昭和 40) 28.6%( 平成 23 年 ) http://www.pref.chiba.lg.jp/annou/shokuiku/shokuiku/images/graph_2.gif
自然サイクルの崩壊 http://feww.files.wordpress.com/2009/09/ozone-hole-comparison.jpg http://pictures.howbits.com/wp-content/uploads/global-warming-polar-bear.jpg http://www.sfbappa.org/sf29.images/spot%20news/ae%201kgp1.jpg http://farm4.static.flickr.com/3656/3448871957_ec4832cfc0.jpg
気候の変化は作物や魚介類に影響 気象庁. 気候変動監視レポート 2009 杉浦と横沢 2004
中高年での肥満者と若年女性のやせ
食料自給率が低い日本 平成 21 年度カロリーベース自給率 :41%( 農水省 ) 平成 15 年度穀物自給率 :28%(OECD 加盟国 30 か国中 26 番目 )( 農水省 世界の穀物自給率 2003 試算 )
約 1,700 万トンの食品廃棄物と食品ロス 廃棄理由 ( 個人 ) の約 7 割 : 食べる見込みが無いから ( 平成 19 年度食品ロス統計調査 ) 農林水産省食品ロス削減に向けて ~ もったいない を取り戻そう ~ 2013
日本の食品ロスの規模の大きさ 農林水産省食品ロス削減に向けて ~ もったいない を取り戻そう ~ 2013
http://www.maff.go.jp/j/shokusan/recycle/syoku_loss/img/nofoodloss.jpg 農林水産省 2013 年 10 月 25 日プレスリリース
特保とは? 栄養機能食品とは? 保健機能食品の分類と名称 栄養機能食品の対象成分 医薬品 ( 医薬部外品を含む ) 保健機能食品 特定保健用食品 ( 個別許可型 ) 栄養機能食品 ( 規格基準型 ) 一般食品 ( いわゆる健康食品を含む ) ビタミン類 (13 種類 ) ナイアシンビオチンパントテン酸 β カロテンビタミンA 表示内容 栄養成分含有表示保健用途の表示 ( 栄養成分機能表示 ) 注意喚起表示 栄養成分含有表示栄養成分機能表示注意喚起表示 ( 栄養成分含 有表示 ) ビタミンB1 ビタミンB2 ビタミンB6 ビタミンB12 ビタミンC ビタミンD ビタミンE 葉酸 ミネラル (5 種類 ) カルシウム鉄亜鉛銅マグネシウム
食物の三機能 : 栄養素 味覚 生理 健康食品の目標は食物の三機能を補助して健康の維持増進をすること その EBN: 科学的根拠の確立には : 1 人体を対象とすること 2 個人差 多型の検討 3 数十年の長期の検討 生活習慣病予防 介護予防に重点
五大栄養素 http://me-ta-bo.com/images/eiyouso-5.gif 三大栄養素 + ビタミン + ミネラル 第 6 の栄養素 : 食物繊維 第 7 の栄養素 ( フィトケミカル ) ポリフェノール クロロフィル イオウ化合物 イソチオシアナート ( 辛味成分 ) 栄養素 と 非栄養素 :ATP 産生に関わるかで判断酵素や受容体の機能を変える可能性 ( 抗酸化 抗肥満 整腸など )
サプリメント摂取の目的 不足している栄養素を補う 目的に合わせた症状の改善 不足による病気を予防 サプリメントの注意点 ラベルの成分表示を確認 一日の摂取量を守る 治療中 服薬中の人は医師に相談
情報に振り回される社会 膨大な情報が氾濫している現代社会 細かい成分ばかりを取り上げるメディア 情報に振り回される国民性 かゆいところに手が届く商品のラインアップ 健康食品 サプリメント 特保 科学的な根拠 (Evidence Based) に基づいた謳い文句 根拠が無いまま特定の成分や食品を信じることを フードファディズム という
健康情報の信頼性のレベル 具体的な研究結果か? はい ヒトを対象にした研究か はい 論文で発表されてるか はい いいえ 終了 動物実験や培養細胞による 有害作用 についての研究には一定の注意を払う 利益 についての研究はヒトに同様の効果があるかわからない いいえ 学会発表は不十分 研究方法は適切か はい 支持されているか 将来報告が覆る可能性あり いいえ いいえ 無作為割付研究や前向きコホート研究以外は重視しない 結果を留保
健康食品 食の安全の情報源 世の中に溢れている食の情報 健康食品 成分 科学的な根拠に基づいて (Evidence Based) 情報提供をしている メディアに振り回されないことが大事