気仙沼市立鹿折中学校の体力向上の取組 (1) 教科体育での取組 保健体育科の取組としては, 授業の始めに, 用具等の準備, ランニング, 体操, 体力を高めるための運動 ( 腕立て伏せ, 腹筋運動, 背筋運動 学年ごとに回数を設定 ) を毎時間行っている また, 種目に応じて補助運動やストレッチを行うなど, それぞれの運動の特性に応じた体力要素が向上するような取組を工夫している 保健の授業と関連させて, 中学生期に発育発達する各器官について, できる限り毎時間話をし, 帰宅後の健康 体力向上への取り組みつなげたいと考え展開と終結を工夫している (2) 日常的な取組 日常的な取組としては, 昼休みの校庭の解放を行うことで, サッカーやバスケットボールに限定されるが, 毎日の運動習慣の確立と体力の向上を目的として取り組んでいる生徒もいる (3) 他教科等との関連 学級活動の時間を活用して, スクールカウンセラーによる 心のケアの授業 で, 心と体のリラックス法についての理論及び実技の時間を各学年とも設定している その中で心身の健全な成長及び, 心のケアにふれ, 体力向上と心の関係等にも話をしていただいている 2 成果 体力運動能力検査の結果の数字にはなかなか結びつかないが, 適度な運動の必要性やもたらす効果, 運動習慣の確立については男子生徒の意識は高くなってきたと感じる 3 課題 今後の課題として, 運動を実践できる場所と時間の確保が第 1 に挙げられる また, 運動を避けたがる生徒に対しての投げかけの工夫や, 取り組むための事例を実態に沿って考えていかなければならない
気仙沼市立小原木中学校の体力の向上の取組 1 校内での取組 (1) 教科体育での取組 1 準備運動の工夫体力運動能力テストの結果をもとに, 本校生徒の課題である柔軟性, 全身持久力, 瞬発力を向上させるため, 準備運動の中に課題克服のためのメニューを取り入れている できるだけ毎時間全種目を行えるように工夫している また, 学習する単元の特徴にあわせたトレーニングを取り入れるようにしている 2 夏休みの課題の工夫長期休業中の保健体育科の課題として パーソナルトレーニング を与えている 授業中に学習した補強運動を, 長期休業中も行わせることにより, 体力の向上はもちろん, 自分の健康に関心を持たせることを目的としている 実施にあたっては, 生徒個々の課題に合わせて種目や回数を設定させ休業明けに記録表を提出させるようにしている (2) 日常的な取組 1 常設部活動での体力の向上本校では全員が運動部に所属し, 各運動部の特徴に合わせた体力トレーニングと技能の向上にむけ, ほぼ毎日継続的に運動に取り組んでいる また, 冬季には合同部活動として,1 2 年生全員が長距離走, サーキットトレーニングに取り組んでい冬季の合同部活動る 2 特設部活動での体力の向上本校では, 陸上大会と駅伝大会に向け, 全校生徒が練習に参加し, 体力の向上に努めている 陸上では自己記録の更新を目標に, 駅伝では生徒個々の体力に応じた目標を設定して練習に取り組ませた (3) 他教科等との関連 ( 学級活動や保健室との連携 ) 1 学級活動との連携学級活動の一環として, 学校歯科医をゲストティーチャーに迎え 歯と口の健康授業 を行った 授業の中で噛むことと体力向上や健康維持との関連について学習した 歯と口の健康授業 2 養護教諭との連携養護教諭が 飲料水の摂取の仕方 や 熱中症対策 等保健関連の掲示物を作成し, 健康な生活を送るための啓発を行った 2 成果生徒一人ひとりが, 自分の体力や健康に関心を持ち, 体力の向上や健康の保持増進に努めようとする態度が育っている また, 学年の枠を超えて運動に親しむことにより, 励ましあったり, 認め合ったりすることができ, 良好な人間関係の構築に役立っている 3 課題 生徒同士がお互いに競い合って, より高い目標を達成しようとする態度を育成していきたい 個々の生徒が自己の課題を理解した上で適切な課題設定ができ, その克服に向けて根気強く取り組めるようなきめ細やかな指導を展開する
気仙沼市立小泉中学校の体力向上の取組 (1) 教科体育での取組種目毎に基本の運動を加えた補強運動を行っている どの学年も単学級で人数も少ないので, 準備運動や補強運動に時間を割いても, 十分に主運動の運動量 1 も確保できる ( 写真 1 2 3) 具体的には, 陸上競技の 走る動作 の基本運動であるが, 種目に応じて 敏捷性 や 筋パワー などを強化する運動を行っている 2 学期以降は, テニスコート外周 ( 約 850M) のタイムトライアルを週に1 回継続している ( 写真 4) また, 保健体育科で, 体力向上カード を作成し, 冬休み中, 縄跳びやジョギング, 腕立て, 腹筋, 背筋などの取組に活用した (2) 日常的な取組休み時間に体育館を開放し, 自由に運動できる場を提供している 生徒は学年分け隔てなくバスケットボール, テニス, バレーボール等を楽しみながら行っている 特に冬場は, 放課後の部活動時間が少ないため, 生徒が積極的に利用しており, 汗をかくほどの運動量である ( 写真 5) 2 3 4 また, できる限り, 徒歩で通学するように家庭との連携を図りながら進めている (3) 他教科等との関連音楽の合唱指導の際に 走る 腹筋 背筋 息を長く吐き出す ことを, 発声をよくする目的で行っている 走ることで, 体がリラックスでき声を前に出すことができるようになった 5 社会科の歴史 高度経済成長 の授業でオリンピックを取り上げ, 2020 年東京オリンピックに関する内容から, 体力向上を呼びかけている また公民でも, 国民体育大会に関する学習から体力向上の重要性に触れた授業を展開している 理科では 消化 吸収 の単元で運動に必要な栄養について, 筋肉 骨 の単元で中学生の時期の運動と筋肉や骨の発達の関係性などを運動と関連させた内容で進めている 2 成果体力向上を意識して取り組ませている補強運動で, 走る動作 の基本運動を継続して行っていることで体力が向上してきており, また, 運動に親しもうとする気持ちや, 走ることに対して前向きになる生徒が増えてきている 体育館開放では, 自分の得意な種目はもちろん, 授業で行っている種目の練習をすることで, 意欲の向上と他学年とのよい関係づくりにもなっている 3 課題震災前は, 徒歩や自転車での通学が多く見られたが, 震災後は自家用車の送迎で登下校する生徒がほとんどである 朝だけでも徒歩で通学するよう各学級で働きかけを行っているが, なかなか改善できていない また, 仮設住宅の関係で, 校庭が狭いため, 小学校の校庭を借用して授業を行っているが, 小学校の授業や行事との兼ね合いがあるため, 思うように使えない場合もある そのため, テニスコートの外周を走るなどの工夫を行っている現状である
気仙沼市立松岩中学校の体力向上の取組 (1) 教科体育での取組取組 1 年間を通して授業導入時のランニングと補強運動の実施取組 2 運動の特性に応じて, 瞬発力や柔軟性など伸ばしたい体力の要素を絞っての運動の実施 校庭での授業の場合は,2 周と腕立て伏せ, バービーを行う 体育館での授業の場合は,5 周と腕立て伏せ, 腹筋, 背筋を行授業中の補強運動の様子う 補強運動は,1 年生は, 各種 20 回,2,3 年生は, 各種 30 回ずつ行う 運動の特性に応じた運動の実施について例 ) 器械運動のマット運動前回り運動, 後ろ回り運動, 横転がり運動, かえる跳びなどの組み合わせ例 ) 陸上競技での短距離走 10m 程度の短い距離での変形ダッシュやミニハードル, ラダートレーニングなど (2) 日常的な取組取組 1 昼休み時の校庭 ( 冬季は体育館 ) の開放 ボール等を使っての活動の励行 取組 2 運動部活動でのランニングの導入 校庭での活動の様子 特別なプログラムを組んでの取組は行っていない 生徒たちが積極的に外で活動している (3) 他教科等との関連体力の向上を目指した指導という観点よりも健康的な生活の構築という観点から, 家庭科における 中学生の栄養と食事, 室内環境の整備 等や道徳や学級活動における 望ましい生活習慣 に関する指導と関連付けて指導を行っている 2 成果新体力テストの結果を見ると, 学年によって, 体力の向上の差はあるものの, どの学年の生徒も昨年度の結果よりも向上した 特に, 上体起こしやシャトルランでの向上が際立った 教科体育の取組を継続して行ってきたことで, 生徒たちにとっても体力を高めようとする意識が浸透してきているように感じられる 地区中総体等の結果を見ても, 好成績を収める部が多く, 多くの生徒たちが県大会へ出場している 3 課題現状のような環境で, 週 3 時間の保健体育授業の時間だけでは, 生徒たちの体力を十分に高めるには限界があると感じている 教員側が, 限られた場所でどのように運動量を確保するか, 効率的に体力を高める運動にはどのようなものがあるか, を更に吟味し, 実践していく必要がある また, 生徒たちの運動や体力向上への意識付けも継続して行っていくことが求められる 一方で, 各部活動の体力向上に向けたトレーニングを学校全体で共有することで, 様々な視点から生徒たちの体力を高めるための取組を行っていくことが大切であると考える
気仙沼市立条南中学校の体力向上の取組 (1) 教科体育での取組保健体育の授業において筋力の向上と敏捷性の向上を目的として, 補強運動を設定している ( 補強運動の例 : 腕立て, 腹筋, 背筋, ステップ, 馬跳び ) (2) 日常的な取組 1 全校体力づくりを実施 11 月 ~2 月にかけて部活動の時間に全校体力づくりを実施している 週に2 回, 男子部と女子部に分かれ, 持久走, サーキットトレーニングに取り組んでいる また, 月に1 回 (11 月 ~2 月 ),2000m~3000mのタイムトライアルと部対抗駅伝大会を行い, 各部活動で切磋琢磨しながらトレーニングに励んでいる 2 朝の自主練習の実施朝の7:30~8:00までの時間に校庭で誰でも走れるようにラインを引くなど環境づくりに取り組んでいる 300mトラックを各個人の体力の向上を目的に走りにくる生徒が多い 2 成果新体力テストでの持久走の結果が3 年生女子で,50m 走の結果が3 年生男子で県平均を大きく上回り,3 年間継続して体力づくりを行ったことが足腰の強化や持久力の向上につながったと考える また, 駅伝大会や陸上大会でも好成績を残すことができ, 各種大会の直前だけではなく,3 年間を見通しての体力向上の計画と継続的な取組が成果につながったと考えられる 3 課題新体力テストの結果を見ると, 持久力や50m 走, 握力については成果が出ている しかし, ハンドボール投げの結果にはついては県の平均を大きく下回る結果となった ハンドボール投げで測定される, ボールを使う, 投げるという巧緻性を3 年間で身に付けていく計画を校内の取組として立てていく必要があると考えられる