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( 平成 31 年 1 月判断 ) 平成 31 年 1 月 財務省北陸財務局 富山財務事務所 富山市丸の内 1 丁目 5 番 13 号 ( 富山丸の内合同庁舎 5 階 ) TEL(076) ( 財務課直通 )

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平成 31 年 1 月 17 日東北経済産業局 管内 ( 東北 6 県 ) の経済動向 ( 平成 30 年 11 月分 ) ~ 一部に弱い動きがみられるものの 緩やかに持ち直している ~ 鉱工業生産 : 個人消費 : 住宅着工 : 公共投資 : 設備投資 : 持ち直しの動きとなっている足踏み状態とな

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2018年度の雇用動向に関する道内企業の意識調査

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月別の売上でみると 百貨店については 夏物衣料が好調だった 7 月と一部店舗で閉店セールを行った 9 月を除いて前年同月を下回っています 一方 スーパーについては 台風の影響があった 8 月を除いて 前年同月を上回っています 1,2 1-3 平成 28 年百貨店 スーパー販売額合計 ( 北海道 :


平成10年7月8日

< 判断の推移 > 前月今月期間 総括判断 一部に弱い動きがみられるものの 緩やかに改善 緩やかに改善 ( ) 1 か月 ( 上方修正は 7 か月ぶり ) 生産緩やかな上昇傾向 ( ) 2 か月 個人消費足踏み状態 緩やかな持ち直しの動き ( ) 1 か月 ( 上方修正は 18 か月ぶり ) 設備投

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目次 調査結果の概要 1 小企業編 中小企業編 概況 3 概況 15 調査の実施要領 4 調査の実施要領 16 業況判断 5 業況判断 17 売上 1 売上 2 採算 11 利益 21 資金繰り 借入 12 価格 金融関連 22 経営上の問題点 13 雇用 設備 23 設備投資 価格動向 14 経営

県内経済は 緩やかに持ち直している なお 足下では 自動車向けなどの受注の増加や消費者マインドの改善の声が聞かれるなど 引き続き緩やかに持ち直している 総括判断 前回 ( 7-9 月 ) 持ち直しつつある 今回 ( 1-12 月 ) 緩やかに持ち直している 前回比較 足下の動き自動車向けなどの受注の

[ 調査の実施要領 ] 調査時点 製 造 業 鉱 業 建 設 業 運送業 ( 除水運 ) 水 運 業 倉 庫 業 情 報 通 信 業 ガ ス 供 給 業 不 動 産 業 宿泊 飲食サービス業 卸 売 業 小 売 業 サ ー ビ ス 業 2015 年 3 月中旬 調査対象当公庫 ( 中小企業事業 )

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令和元年 7 月 22 日 北陸地域の総合経済動向 ~ 一部に弱い動きがみられるものの 改善している ~ 経済概況 令和元年 5 月指標を中心として 鉱工業生産指数は 高水準で推移しているものの 一部に弱い動きがみられる 個人消費は 持ち直している 設備投資は 高水準で横ばいとなっている 住宅投資は

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平成22年7月30日

1 ( ) 4.1% 4.4% 4.% 1 ( ) 1.2%( ) 1.6% 3.8% 1( ) 5.6% 4, % 8 6.5% % 2 4.3% 47.8% 18.8% % 13 2, % 2.2% 13.% 218 ( ).

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平成22年7月30日

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2. 利益剰余金 ( 内部留保 ) 中部の 1 企業当たりの利益剰余金を見ると 製造業 非製造業ともに平成 24 年度以降増加傾向となっており 平成 27 年度は 過去 10 年間で最高額となっている 全国と比較すると 全産業及び製造業は 過去 10 年間全国を上回った状況が続いているものの 非製造

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< 判断の推移 > 前月今月期間 総括判断改善 2 か月 生産高水準で推移 11 か月 個人消費持ち直し 3 か月 設備投資増加 7 か月 公共投資堅調 一服感 ( ) 1 か月 ( 下方修正は 14 か月ぶり ) 住宅投資一進一退の動き 5 か月 貿 易 輸出は前年を下回り 輸入は前年を上回る 輸

社団法人日本生産技能労務協会

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第 70 回経営 経済動向調査 公益社団法人関西経済連合会 大阪商工会議所 < 目次 > 1. 国内景気 2 2. 自社業況総合判断 3 3. 自社業況個別判断 4 4. 現在の製 商品およびサービスの販売価格について 8 参考 (BSI 値の推移 ) 11 参考 ( 国内景気判断と自社業況判断の推

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< 判断の推移 > 前月今月期間 総括判断改善 22 か月 生産高水準で推移 13 か月 個人消費持ち直し 5 か月 設備投資増加 9 か月 公共投資一服感増加の動き ( ) 1 か月 住宅投資一進一退の動き 7 か月 貿易輸出 輸入とも前年を上回る - 雇 用 着実に改善しており 労働需給の引き締

< 判断の推移 > 前月今月期間 総括判断改善 18 か月 生産高水準で推移 9 か月 個人消費緩やかに持ち直し 持ち直し ( ) 1 か月 ( 上方修正は 1 か月ぶり ) 設備投資増加 5 か月 公共投資持ち直しの動き 堅調 ( ) 1 か月 ( 上方修正は 7 か月ぶり ) 住宅投資一進一退の

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管内経済概況判断の推移 ( 平成 年 月現在 ) 発表 月 月 月 月 月 月 月 前月との判断比較 総 括判断 持ち直している持ち直している持ち直している持ち直している持ち直している持ち直している 全 国 景気は 一部に改善の遅れ もみられるが 緩やかな回 復基調が続いている 景気は 緩やかな回復

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個人消費 ( やや良い ) スーパー 百貨店売高 スーパー売高は 全店ベースで前年同期を 年 月期の個人消費関連 は スーパー売高が 全店ベース ( 前年同期比.% 増 ) は 新規出 回り 既存店ベースは 前年同期を下回る 百貨店売高は前年同期を回る 店効果などにより 前年同期を回 りました 品目

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SERIまんすりー2月号 今月のみどころ

ワークス採用見通し調査

(2) 住宅投資 住宅投資は 横ばい圏内で推移している 新設住宅着工戸数の内訳をみると 持家は 増加に転じてきている 貸家 や分譲は 水準を切り下げている (3) 設備投資設備投資は 受注や収益の好調を背景に水準を切り上げている 建設投資の先行指標である建築着工床面積 ( 非居住用 ) は 振れがあ

平成 21 年第 1 回 ( 平成 21 年 2 月 1 日実施 ) 鳥取県企業経営者見通し調査報告 目次ヘ ーシ 御利用にあたって 1 1 業界の景気判断 3 2 自己企業の売上高判断 5 3 自己企業の経常利益判断 7 4 生産数量の判断 9 5 在庫水準の判断 10 6 生産設備の規模判断 1

月例経済報告

< 判断の推移 > 前月今月期間 総括判断改善 16 か月 生産高水準で推移 7 か月 個人消費緩やかに持ち直し 9 か月 設備投資増加 3 か月 公共投資持ち直しの動き 6 か月 住宅投資弱含み 一進一退の動き ( ) 1 か月 ( 上方修正は 34 か月ぶり ) 貿易輸出 輸入ともに前年を上回る

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統計から見た三重県のスポーツ施設と県民のスポーツ行動

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< 判断の推移 > 前月今月期間 総括判断改善 17 か月 生産高水準で推移 8 か月 個人消費緩やかに持ち直し 1 か月 設備投資増加 4 か月 公共投資持ち直しの動き 7 か月 住宅投資一進一退の動き 2 か月 貿 易輸出 輸入ともに前年を上回る 輸出は前年を下回り 輸入は前年を上回 る - 雇

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滋賀県内企業動向調査 21 年 1- 月期定例項目結果 1. 自社の業況判断 (1) 自社の業況判断 DI は 四半期連続のプラス水準を維持も は 四半期ぶりにマイナス水準に低下 1. の動向 ( 図 1-1) 今回の調査 (1 年 1- 月期 ) での自社の業況判断 DI は前回 (-9 月期 )

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( 億円 ) ( 億円 ) 営業利益 経常利益 当期純利益 2, 15, 1. 金 16, 額 12, 12, 9, 営業利益率 経常利益率 当期純利益率 , 6, 4. 4, 3, 2.. 2IFRS 適用企業 1 社 ( 単位 : 億円 ) 215 年度 216 年度前年度差前年度

関西の景気動向 2013 年 11 月株式会社日本総合研究所調査部関西経済研究センター 1. 景気の現状関西の景気は 持ち直しのペースがひところと比べて鈍化している 輸出 ( 円ベース )


各商品の動きについて 新規出店を含めた全店ベースの前年比でみると 衣料品の減少と飲食料品の増加がここ数年のトレンドとして定着しており 7 年も衣料品は減少し 飲食料品は増加した 衣料品が減少傾向にあるのは 販売形態の多様化により 購入先として衣料品専門店や通販 インターネットショッピングなどの選択肢

個人消費の回復を後押しする政策以外の要因~所得の減少に歯止め、節約志向も一段落

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第 2 章 産業社会の変化と勤労者生活


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別 前年同期比増減率 単位 : 社 % 繊維製品 パルプ 紙 化学 石油 石炭 黒転

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結果概要 Ⅰ 人手不足への対応について 1. 人員の過不足状況について 社 % 不足している 1, 過不足はない 1, 過剰である 合計 2, 全体では 半数以上の企業が 不足している と回答 n =2,

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2 継続雇用 の状況 (1) 定年制 の採用状況 定年制を採用している と回答している企業は 95.9% である 主要事業内容別では 飲食店 宿泊業 (75.8%) で 正社員数別では 29 人以下 (86.0%) 高年齢者比率別では 71% 以上 ( 85.6%) で定年制の採用率がやや低い また

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2911金融経済概観

Transcription:

平成 28 年度第 1 回全国財務局長会議資料 Ⅰ. 最近の近畿財務局管内の経済情勢 (P1~5) Ⅱ. 近畿財務局管内における賃金の動向について (P6~10) 近畿財務局

Ⅰ. 最近の近畿財務局管内の経済情勢

Ⅰ. 最近の近畿財務局管内の経済情勢 前回 (28 年 1 月判断 ) 今回 (28 年 4 月判断 ) 前回比較総括判断の要点 総括判断緩やかに回復しつつある緩やかに回復しつつある 生産は資源開発用機械の減少が続くはん用機械が低下するなど緩やかな回復の動きに足踏みがみられる 個人消費は百貨店で高額品や訪日外国人への売上が好調となっているなど緩やかに回復しつつあり 雇用情勢も改善している 先行き 雇用 所得環境の改善が続くなかで 各種政策効果などを背景に 回復の動きが強まっていくことが期待される ただし 海外景気の下振れなど 景気が下押しされるリスクが存在していることに加え 平成 28 年 (2016 年 ) 熊本地震の影響にも注視していく必要がある 前回 (28 年 1 月判断 ) 今回 (28 年 4 月判断 ) 前回比較 個人消費 持ち直している 緩やかに回復しつつある 生産活動 緩やかに回復しつつある 緩やかな回復の動きに足踏みがみられる 設備投資 27 年度は前年を上回る計画となっている 27 年度は前年を上回る見込みとなっている 雇用情勢 改善している 改善している 住宅建設 前年を上回っている 前年を上回っている 輸出 前年を下回っている 前年を下回っている 企業収益 27 年度は増益見込みとなっている 27 年度は増益見込みとなっている 28 年 4 月判断は 前回 1 月判断以降 4 月に入ってからの足下の状況までを含めた期間で判断している 1

1. 個人消費 ~ 緩やかに回復しつつある ~ 百貨店 スーパー販売額 ( 前年比 ) 2 月近畿 2.3 全国 3.2 個人消費は 乗用車販売や家電販売が前年を下回っているものの 百貨店 スーパー販売やコンビニエンスストア販売は好調な動きが続いており 基調としては緩やかに回復しつつある 百貨店 スーパー販売額は 百貨店は高額品や訪日外国人への売上が好調となっており スーパーは飲食料品が好調となっていることなどから 前年を上回っている ( 注 ) 全店舗ベース 28 年 2 月は速報値 コンビニエンスストア販売額 ( 前年比 ) 2 月近畿 8.3 全国 7.6 コンビニエンスストア販売額は 惣菜や弁当が好調となっていることなどから 前年を上回っている 家電販売額は 洗濯機などの白物家電が堅調であるものの パソコンなどが低調であることから 前年を下回っている 乗用車の新車登録届出台数は 普通車は前年を上回っているものの 軽自動車が低調なことから 前年を下回っている ( 注 ) 全店舗ベース 宝飾品や腕時計などの高額品は引き続き好調となっているほか 増加するインバウンドの影響で免税売上も増加 百貨店 大企業 食料品は 惣菜が大きく伸びているほか 生鮮食品や畜産品の相場高の影響もあり 売上増加に寄与 スーパー 中堅企業 乗用車新車登録 届出台数 ( 前年比 ) 3 月近畿 6.7 全国 9.2 おでんなどは弱い動きとなっているが 弁当や惣菜などは引き続き好調 コンビニエンスストア 大企業 4K テレビのほか 冷蔵庫 洗濯機などで価格帯の高い商品において強い動きとなっている 家電量販店 大企業 普通車は新車効果もあり堅調に推移しているが 軽自動車は軽自動車税額引上げ以降 低調に推移 自動車販売 中小企業 ( 注 ) 普通乗用車 + 小型乗用車 + 軽四輪乗用車の合計 出所 経済産業省 近畿経済産業局 日本自動車販売協会連合会 全国軽自動車協会連合会 2

2. 生産活動 ~ 緩やかな回復の動きに足踏みがみられる ~ (22 年 =100) 120.0 110.0 100.0 鉱工業生産指数 ( 季節調整値 ) 2 月近畿 98.7 全国 93.2 鉱工業指数 ( 生産 ) でみると 足下で化粧品等の生産増加から化学工業などが上昇しているものの 資源開発用機械の減少が続くはん用機械や アジア向け半導体等電子部品の減少から電子部品 デバイスが低下するなど 全体では緩やかな回復の動きに足踏みがみられる 90.0 近畿 インバウンド需要の追い風を受けて女性向けスキンケア商品が好調に推移している 化学 大企業 80.0 70.0 全国 28 年 2 月 ( 近畿 ) は速報値 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 1 2 24 年 25 年 26 年 27 年 28 年 出所 経済産業省 近畿経済産業局 原油安の影響で 石油掘削 精製関連の産業機械の受注が 前期から変わらず鈍い状況 鉄鋼 大企業 スマートフォン用電子部品は 米国向けが個人消費の拡大により堅調に推移しているものの アジア圏でスマートフォン自体の生産台数が減少していることから 全体では生産数が減少している 電気機械 大企業 3. 設備投資 ~27 年度は前年を上回る見込みとなっている ~ 設備投資計画 ( 前年 ( 同期 ) 比 ) ( 近畿 ) ( 全国 ) 法人企業景気予測調査 ( 平成 28 年 1~3 月期調査 ) でみると 27 年度の設備投資は 前年を上回る見込みとなっている 製造業では 輸送用機械などが前年を下回っているものの 情報通信機械 化学などが前年を上回っていることから 全体では前年を上回る見込みとなっている 非製造業では 不動産などが前年を下回っているものの 運輸 郵便 卸売などが前年を上回っていることから 全体では前年を上回る見込みとなっている なお 28 年度の設備投資は 前年を上回る計画となっている 医薬品の研究施設を増築するための設備投資を実施 化学 大企業 車両更新や賃貸用の物流施設の建設投資を実施 運輸 郵便 大企業 出荷能力増強のため大規模物流センターの建設投資を実施 卸売 大企業 出所 財務省 近畿財務局 3

4. 雇用情勢 ~ 改善している ~ ( 倍 ) 有効求人倍率 ( 季節調整値 ) 完全失業率 ( 原数値 前年同期差 ) (% ポイント ) 2 月近畿 1.20 全国 1.28 2 月近畿 3.3 全国 3.2 現金給与総額 定期給与 ( 前年同月比 ) 出所 厚生労働省 出所 総務省 有効求人倍率は 24 か月連続で 1 倍を超え なお緩やかに上昇している 新規求人数は増加傾向にあり 完全失業率も就業者数の増加等から前年を下回るなど 雇用情勢は改善している なお 現金給与総額は 特別給与が減少したことから前年を下回っているものの 定期給与が 13 か月連続で前年を上回って推移している 賃金は今後も高水準で推移すると見込まれる 宿泊業は専門性が高く敬遠されがちで 募集をかけてもなかなか入ってこないため 業績以上に人員確保が課題 業界全体としても人員確保が大きな問題となっている 宿泊 中堅企業 1 月現金給与総額 0.1 定期給与 0.4 新卒採用は追加で募集したが 予定人数を採用できなかった 内定式も2 回実施しており 特に理系の人材が不足している 中途採用での対応も実施している 建設 大企業 正規社員の賃金を引き上げた際には その都度 非正規社員についても報酬面を改善させている 繊維 大企業 ( 注 ) 毎月勤労統計 ( 地方調査 ) の名目賃金指数より算出 出所 大阪府 4

5. 住宅建設 ~ 前年を上回っている ~ 新設住宅着工戸数 ( 前年比 ) 2 月近畿 23.1 全国 7.8 新設住宅着工戸数でみると 分譲マンションや貸家などが増加してい ることから 前年を上回っている 賃貸住宅は相続税 贈与税対策として引き続き好調 建設 大企業 マンション傾斜問題の影響は 近畿では問題のある物件がないため 生じていない 不動産 大企業 足下のマンション初月販売率は 好不調の目安である70% を2か月連続で上回った 大阪市内の販売が好調であり マンション市場の最盛期である春商戦は 好調に推移している 調査会社 出所 国土交通省 5

Ⅱ. 近畿財務局管内における 賃金の動向について 調査の概要 平成 28 年の春闘結果等を踏まえた賃金引上げ状況等を把握するため 管内の企業等を対象にヒアリング調査を実施 (1) 調査期間 : 平成 28 年 3 月中旬 ~4 月中旬 (2) 調査対象 : 管内経済情勢報告を取りまとめる際に従来から継続的にヒアリングを実施している企業等 (3) 調査方法 : ヒアリング調査 上記調査期間において 各企業等に対して 平成 25 年度 26 年度及び 27 年度の賃金引上げの実績及び 28 年度の賃金引上げの計画等を確認したもの ( 注 ) 平成 27 年 4 月 22 日公表の 近畿財務局管内における賃金の動向について とは対象企業が一部異なっている

近畿財務局管内における賃金の動向について 25 年度 26 年度 27 年度及び 28 年度の賃金の動向について 情勢報告調査にあわせ管内の企業に賃金の動向に関するヒアリングを実施 実施時期は3 月中旬から 4 月中旬 対象先数は計 142 社 内訳は製造業 72 社 非製造業 70 社 規模別では大企業 65 社 中堅企業 23 社 中小企業 54 社 28 年度に賃金引上げを行う企業の割合は 96.4%( 態度未定除く ) 25 年度は 89.4% 26 年度は 95.1% 27 年度は 97.2% であり 3 年連続で 9 割を超える企業が賃金引上げを実施している 26 年度と 27 年度を比較するとベアを行った企業の割合は 44.4% から 50.7% へと上昇したが 27 年度と 28 年度との比較ではベアを行う企業の割合は 28 年度 46.0%( 態度未定除く ) と低下しており 一時金等で対応する企業の割合が上昇している 25 年度 26 年度 賃金引上げを行わなかった企業 10.6% (15 社 ) 定期昇給のみを行った企業 45.8% (65 社 ) 回答数 :142 社 ベアを行った企業 23.2% (33 社 ) 賃金引上げを行った企業の割合 ( 規模 業種別 ) 規模別 (127 社 /142 社 ) ベアはせずに一時金増を行った企業 20.4% (29 社 ) 何らかの賃金引上げを行った企業 89.4% (127 社 ) 大企業 (59 社 /65 社 ) 90.8% 中堅企業 (22 社 /23 社 ) 95.7% 中小企業 (46 社 /54 社 ) 85.2% 業種別製造業 (65 社 /72 社 ) 90.3% 非製造業 (62 社 /70 社 ) 88.6% 賃金引上げ実施企業の中でベアを 実施した企業の割合 規模別 (33 社 /127 社 ) 大企業 (14 社 /59 社 ) 23.7% 中堅企業 (2 社 /22 社 ) 9.1% 中小企業 (17 社 /46 社 ) 37.0% 業種別 製造業 (18 社 /65 社 ) 27.7% 非製造業 (15 社 /62 社 ) 24.2% 賃金引上げを行わなかった企業 4.9% (7 社 ) 定期昇給のみを行った企業 27.5% (39 社 ) ベアはせずに一時金増を行った企業 23.2% 回答数 :142 社 ベアを行った企業 44.4% (63 社 ) 何らかの賃金引上げを行った企業 95.1% (135 社 ) (33 社 ) 賃金引上げを行った企業の割合 ( 規模 業種別 ) 規模別 (135 社 /142 社 ) 大企業 (62 社 /65 社 ) 95.4% 中堅企業 (22 社 /23 社 ) 95.7% 中小企業 (51 社 /54 社 ) 94.4% 業種別製造業 (68 社 /72 社 ) 94.4% 非製造業 (67 社 /70 社 ) 95.7% 賃金引上げ実施企業の中でベアを 実施した企業の割合 規模別 (63 社 /135 社 ) 大企業 (39 社 /62 社 ) 62.9% 中堅企業 (3 社 /22 社 ) 13.6% 中小企業 (21 社 /51 社 ) 41.2% 業種別製造業 (36 社 /68 社 ) 52.9% 非製造業 (27 社 /67 社 ) 40.3% 27 年度 賃金引上げを行わなかった企業 2.8% (4 社 ) 定期昇給のみを行った企業 24.6% (35 社 ) ベアはせずに一時金増を行った企業 21.8% (31 社 ) 回答数 :142 社 ベアを行った企業 50.7% (72 社 ) 賃金引上げを行う企業の割合 ( 規模 業種別 ) 規模別 (138 社 /142 社 ) 大企業 (64 社 /65 社 ) 98.5% 中堅企業 (23 社 /23 社 ) 100.0% 中小企業 (51 社 /54 社 ) 94.4% 業種別製造業 (70 社 /72 社 ) 97.2% 非製造業 (68 社 /70 社 ) 97.1% 賃金引上げ実施企業の中でベアを実施する企業の割合 何らかの賃金引上げを行った企業 97.2% (138 社 ) 規模別 (72 社 /138 社 ) 大企業 (40 社 /64 社 ) 62.5% 中堅企業 (3 社 /23 社 ) 13.0% 中小企業 (29 社 /51 社 ) 56.9% 業種別製造業 (40 社 /70 社 ) 57.1% 非製造業 (32 社 /68 社 ) 47.1% 28 年度 賃金引上げを行わない ( 予定 ) 企業 3.6% (5 社 ) 定期昇給のみを行う ( 予定 ) 企業 29.2% (40 社 ) 回答数 :137 社 ( 態度未定 5 社除く ) ベアはせずに一時金増を行う ( 予定 ) 企業 21.2% ベアを行う ( 予定 ) 企業 46.0% (63 社 ) (29 社 ) 賃金引上げを行う企業の割合 ( 規模 業種別 ) 規模別 (132 社 /137 社 ) 大企業 (62 社 /63 社 ) 98.4% 中堅企業 (19 社 /20 社 ) 95.0% 中小企業 (51 社 /54 社 ) 94.4% 業種別製造業 (69 社 /71 社 ) 97.2% 非製造業 (63 社 /66 社 ) 95.5% 賃金引上げ実施企業の中でベアを実施する企業の割合 何らかの賃金引上げを行う ( 予定 ) 企業 96.4% (132 社 ) 規模別 (63 社 /132 社 ) 大企業 (39 社 /62 社 ) 62.9% 中堅企業 (1 社 /19 社 ) 5.3% 中小企業 (23 社 /51 社 ) 45.1% 業種別製造業 (40 社 /69 社 ) 58.0% 非製造業 (23 社 /63 社 ) 36.5% ベア 一時金増額の双方を行っている企業 は ベアを行った企業 にのみ計上 大企業 : 資本金 10 億円以上 中堅企業 : 資本金 1 億円以上 10 億円未満 中小企業 : 資本金 1 億円未満 6

近畿財務局管内における賃金の動向について 27 年度 28 年度の賃金の引上げ動向と引上げ率について 28 年度に賃金引上げを行う企業について ベア 賞与 一時金及び定期昇給分を合算し 前年度と比較してみると 上回る ( 予定を含む 以下同じ ) とする企業が 29.0% 同程度 とする企業が 44.4% 下回る とする企業が 26.6% となり 約 7 割の企業が前年度と同程度以上の賃金引上げを行うとしている 28 年度のベア及び定期昇給を合算した引上げ率 ( 前年度比 ) は 1.5%~2.0% の賃金引上げを行う 企業が最も多く 全体の 25.3% となっている また 2.0% 以上の賃金引上げを行う 企業の割合は 55.6% から 45.6% に減少している 企業の声 賃金引上げ額は昨年を下回ったものの 3 年連続のベア実施であるうえ 一時金の増額でも応えており 社員のモチベーション向上につながる賃上げであったと認識 輸送用機械 大 社員の待遇改善には意を用いており その中心はやはりベア 宿泊 中小 ベア 賞与 一時金及び定期昇給分を合算した前年度との比較 ベア及び定期昇給分を合算した前年度との比較 ( 引上げ率 ) 回答数 :124 社 ( 不明 わからない 無回答 8 社を除く ) 27 年度回答数 :90 社 ( 無回答除く ) 28 年度回答数 :79 社 ( 無回答除く ) 7

近畿財務局管内における賃金の動向について 28 年度に賃金の引上げを 実施する 理由について 社員のモチベーションの向上 待遇改善 と回答した企業が最も多く 次いで 人材の確保 が多かった 業績に関わらず 人材の確保 を狙いとして賃金を上げるという声も聞かれ 特に中小企業ではそのような声が多く聞かれた 同業他社の動向 をあげる企業も多く 特に大企業において賃上げ幅を決定するにあたり 他社の動向を強く意識する傾向が出ている 企業の声 他社の動向を踏まえると 自分の会社だけ突出するわけにはいかない 鉄鋼 大 ベア 一時金とも史上最高額での満額回答を行った 最高益を出しながら 世間相場並という理由で賃金を抑えたら 社員のモチベーションの低下を招く 業績が良いのだから もっと賃上げをして社員へ還元したらいいのに と思う企業もあるが そのようなことを言うと叩かれるので 対外的には 雉も鳴かずば撃たれまい という姿勢を貫いている 電気機械 大 賃上げを実施しない場合 社員のモチベーション低下や人材流出に繋がるため他社の動向も踏まえ今年度も賃上げを実施した 繊維 大 26 年度は消費税率引上げを見込んで社員の生活費増加に対応できるように3% の賃上げを実施した 世間相場や同業他社の動向にとらわれることなく利益が出れば応分の賃上げを実施しており 28 年度も実施予定 金属製品 中小 28 年度に賃金の引上げを 実施しない 理由について 業績の低迷 を理由に挙げる企業が多く 業績の低迷が賃上げを妨げている状況が見てとれる 企業の声 大手企業が安い衣料品を提供するようになり 中小企業である当社のシェアを圧迫し 業績が悪化している 繊維 中小 今年度は昨年度より先行き不透明感が強い 小売 中小 28 年度に賃金引上げを行う ( 予定含む ) と回答した 132 社を対象 ( 複数回答 ) 8

近畿財務局管内における賃金の動向について 企業の雇用を確保するための取組み 人手不足が続くなかで 女性の活用や子育て世代等を支援するために短時間勤務や同一労働 同一賃金の仕組みを導入するなど柔軟な勤務体系を採用し 雇用確保に結び付けている企業が多くみられる また 非正規社員に対しては 優秀な人材を確保するため 勤務地を限定した正社員へ転換する制度をつくるなど積極的に正社員化を図る取組みがみられた その他にも 介護に係る交通費や医療費を企業が負担するなど 社員を大切にすることで雇用を確保していきたいとする企業もあった 企業の声 [ 若年層対策 ] 消費税率引上げや光熱費上昇は所得が低い若年層に重い負担となるので 賃金を優先的に配分している 金属製品 中小 [ 女性の活躍や子育て世代支援 ] 女性が働き続けられるように 完全フレックスタイム制 短時間勤務制度 在宅勤務制度を導入 大企業で勤務経験のある優秀な女性技術者の応募が相次いだ その他サーヒ ス 中小 子育てと両立しながら長く働いてもらえる環境を充実させるため 各現場でお互いの家庭の都合に応じて短時間勤務でリレーするシフトを組むワークシェアリングを実施 また パートやアルバイトを含む全従業員に子連れ出勤も認めている 金属製品 中小 残業を基本的に認めない申請制を導入 生産性が向上したほか 女性が働きやすい環境が整備されたことにより 女性からの応募が大幅に増加した その他製造 中小 [ 非正規社員への取組み ] 自宅近くの店舗で長期間勤務できる地域限定正社員制度のほか 1 日 5 ~6 時間勤務を可能とする正社員制度を導入し 約 1 割が正社員に転換している 飲食サーヒ ス 大 同一労働 同一賃金制を採用しており 福利厚生や研修も正社員と区別していない 医療 福祉 中堅 [ その他の取組み ] 50 代の労働力を確保するために 介護に係る交通費の支給 ( 親孝行支援制度 ) を行うなど介護制度を拡充 建設 大 社員及び家族に係る医療費を一疾病 50 万円 ( 年間 250 万円 ) まで全額会社負担している 宿泊 中小 単身赴任者が多いため帰省手当を導入 3か月に1 度帰省にかかる交通費を会社がすべて負担している 小売 大 工業高校への講師派遣 実技指導などを通じて 若者に仕事を理解してもらう取組みを行っている 金属製品 中小 同一労働 同一賃金を軸に多様な勤務体系を構築し 人材確保と高効率化に成功 その他サーヒ ス 中小 1. 自由出勤制度 2. 時間給制度 3. エイジフリー 定められた時間内で都合の良い時間帯に自由に出勤が可能 能力に応じて時間給を設定 定年制を廃止し 働く意欲がある限りは雇用を継続 育児や介護 不妊治療などの期間 本人の希望で正社員からハ ート社員に区分変更が可能 変更事由が消滅した時点で正社員に復帰できる 取得実績は年々増加 ライフスタイルに合わせた働き方の選択肢を増やす 正社員 パート 区分変更を可能に 人手不足と無縁の中小企業 金属製品 中小 小売 大 パート社員を正社員化 優秀な人材を確保することで 顧客満足度の向上を図る 飲食サーヒ ス 大 将来のため 人へ投資する 地域限定や短時間勤務の正社員制度を導入 人材を確保するため 女性が働きやすいよう子育て等に柔軟に対応できる制度にした 数百人が正社員となり 福利厚生費等でかなりの負担増となったが 多少の利益を犠牲にしても将来のために優秀な人を囲い込んでいく 昭和の時代から企業内保育所を設置 卒業生が社員に 高度経済成長期の人手不足対策の一環として当時としては珍しい社内保育所を設置した ハ ートを含む職員の子どもを受入れ また 他の幼稚園に通う子供も幼稚園バスが来るまで当社で預かり 帰りも同様に社員が帰宅するまで預かる このような取組により 好感度が高まり求人で困ることはない 500 名以上が保育所を巣立ち 中には当社の社員として採用され 親子で働いている人もいる 9

近畿財務局管内における賃金の動向について ~ 大阪府下における平成 28 年春闘の状況 ~ 大阪府における賃上げ率 ( 注 ) は 1.97% 過去最高水準となった昨年よりは下回るものの 過去 10 年で 2 番目に高い水準 ( 一昨年と同値 ) である 規模別でみると 製造業においては 大手 中堅 中小ともに下落している一方 非製造業においては 中堅 中小で上昇している 組合の要求状況について 製造業は昨年と比較すると要求水準自体が大幅に下落している一方 非製造業は昨年並みの要求となっている 妥結状況について 製造業は 昨年と比較するとほとんどの業種で下落している一方 非製造業では 医療 福祉や飲食 宿泊など業種によっては上昇しているものもある ( 注 ) 本資料における賃上げとは ベースアップ及び定期昇給を指す 賃上げ率の推移 賃上げの要求 妥結状況 年次推移 要求額の推移 製造業 ( 妥結額の推移 ) 非製造業 ( 妥結額の推移 ) 医療 福祉 +1,247 円 非製造業 化学 卸売 小売 輸送用機械 飲食 宿泊 +434 円 各年の同時期 (4 月上旬 ) で比較したもの ( 単純平均 ) 28 年は 大手 94 組合 中堅 59 組合 中小 132 組合が対象 製造業 電気機械 製造業全体 非製造業全体 参考 規模別の比較 ( 単純平均 ) 鉄鋼 製造業 27 年 28 年 大手 2.26% 2.19% 中堅 中小 2.36% 1.98% 非製造業 27 年 28 年 大手 2.17% 2.04% 中堅 中小 1.51% 1.67% 運輸 郵便 ( 単位 : 千円 ) 参考 年間一時金の年次推移( 単純平均 ) 26 年 27 年 28 年 1,274 1,373 1,311 各年の同時期 (4 月上旬 ) で比較してみると ベースアップ及び定期昇給と同様に 昨年の金額が最も大きくなっている 出所 : 大阪府総合労働事務所 10