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Transcription:

2012 2 23

< 別紙 > がんサバイバー 向けアンケート調査 = 目次 = 調査概要 回答者属性 単純集計 クロス集計 発覚経緯 周りとの関わり 悩み 就労 / 収入 職場 <Appendix> 基本属性 調査概要 対象者 : 全国のがんサバイバー男女 ( がんサバイバー = がん罹患経験があり 治療を完了している人 ) サンプル数 :362 名 調査方法 : インターネット調査 調査実施期間 :2011 年 12 月 2 日 ( 金 )~12 月 12 日 ( 月 ) 割付条件 : 1 男女比 - 50:50 2 がん種 - 術後 5 年生存している方を がんサバイバー と定義した場合のがん種分布を再現 : がん罹患率 5 年生存率より試算 参考 : 地域がん登録全国推計値 全国がん罹患モニタリング集計 2000-2002 年生存率報告 ( 独立行政法人国立がん研究センターがん対策情報センター, 2011) 実施機関 : 株式会社キャンサースキャン 調査協力 : キャンサー ソリューションズ株式会社 2

回答者属性 がん について 基本属性については<Appendix>をご参照ください 属性 がん治療 完了の度合い 治療のため通院している 治療は完了しているが 定期的な検査のために通院している 治療が完了し 定期的な検査も行っていない 1% 1 8 4

属性 治療終了後から現在までの期間 10 年以上 現在 治療中 9% 1 年未満 5 年以上 10 年未満 2 1 年以上 3 年未満 22% 3 年以上 5 年未満 21% 5 属性 診断された時のステージ ( 進行状態 ) IV 期 わからない 23% III 期 12% 0 期 9% II 期 2 I 期 27% 6

属性 診断された時のステージ(進行状態 治療終了から現在までの期間 人数 治療終了から現在までの期間 3年未満 0期 I 期 罹 患 時 の ス テ ー ジ 47人 II 期 III 期 IV 期 3年以上5年未満 35人 37人 14人 5年以上10年未満 18人 23人 40人 10年以上 15人 9人 8人 11人 3人 8人 4人 4人 1人 (n=277) 7 属性 罹患したがんの種類 複数回答有 0% 乳がん 20% 子宮頸がん 子宮体がん 前立腺がん 80% 100% 23. 胃がん 肝臓がん 60% 8.0% 大腸がん 肺がん 40% 22.1% 6. 2. 7.2% 2.8% 4.7% 26.0% 8

属性 がん と診断された時の年齢 10 代以下 70 代以上 0.3% 20 代 60 代 21% 30 代 18% 50 代 28% 40 代 22% 9 属性 再発 転移治療経験の有無 分からない 3% はい いいえ 8 10

単純集計 クロス集計 発覚 経緯 がんが発覚したきっかけ 別の理由での来院 健康診断 検査の際に発覚 がん検診を含む 23% 38% 自覚症状による 自主的来院 3 がんが発覚したきっかけは 健康診断 がん検診を含む が最も多く 次いで 自覚症状による自主的来院 であった 12

発覚 経緯 がんが発覚してから受診までの期間 自主的来院のうち 自覚症状を感じてから 初めて来院し受診するまでの期間 健康診断で発覚のうち 精密検査(2次検査)を受診するまでの期間 6ヵ月 1年 3 6ヵ月 1 3年 3年以上 1年 3年 2% 即日 6ヵ月 1年 7% 1週間以内 27% 3 6ヵ月 1 3ヵ月 1 1ヵ月以内 22% 59% 1週間 1ヵ月 1 3ヵ月 19% 2 (n=137) (n=126) 健診で異常が発覚してから精密検査を受診するまでに 1ヵ月以上かかっている人は 36 もおり 自覚症状を感じてから受診するまでも1ヵ月以上かかっている人が54 も いた がんが発覚することへの不安 恐れが精密検査受診を遅らせてしまっている可能 性が見られる 13 発覚 経緯 罹患時のがんのステージ と がん発覚の経緯 の関係 0期 I 期 健康診断 がん検診を含む 自覚症状による自主的来院 別の理由で来院の際に発覚 II 期 III 期 IV 期 59%(65) 28%(28) 5 (32) 27%(30) 39%(38) 2 (14) 2(24) 2% (12) (3) 9% (9) 1 8% (8) (5) (5)(3) (1) (n=277) 健診 がん検診含む を通じて がん が発覚している人は 早期のステージで発覚し ている場合が多いことが明らかとなった 改めて 健康診断を受けることは がんを早 期に発見できる可能性につながることが確認でき がん検診の重要性が確認できた 14

周りとの 関わり がん罹患について一番最初に相談 報告した相手 配偶者 パートナー 69.3% 自分の親 11. 子ども 5.0% 兄弟 5.8% 親戚 友人 0. 2.8% 職場の人 1.7% 1. 誰にも知らせていない 1.9% がん罹患後 患者が一番最初に罹患について報告 相談をした相手として最も多かった のは 配偶者/パートナーであり 自分の親が次いで多かった 15 周りとの 報告 関わり 一番最初に報告した相手以外で がん罹患について報告した相手 (複数回答 0% 20% 40% 3 子ども 2 兄弟 9% 28% 友人 2 職場の人 他には誰も知らせていない 100% 29% 自分の親 80% 2 配偶者 パートナー 親戚 60% 3% 8% がん罹患について話した他の相手は 上記のとおりであった (n=355)

周りとの がん と診断されたとき 周りにどう接してもらいたかったか 自由回答よりコーディング 関わり 自由回答より抜粋 変わりなく いつもどおりに接してもらいたかった 1 これまで同様 何も変わらないでもらいたかった 明るく 励まして 病人扱いしないで 普段と変わりなく接してほしい 普段通りに 優しく 助けて 49% よくなってほしいという 思いが伝わるだけでよかった 13% あまり話題にしてもらいたくなかった そっとして 励ま さないで がんばってという言葉はつらかった 18% (n=362 複数回答) 知られたくないけど 慰めてほしいし 励ましてほしくて でもいつもと変わらずが 一番よかった がん罹患時 患者の気持ちとしては 普段通りに 今までどおりに 接してほし い という内容を挙げた人が約半数を占めた その次に多いのが そっとしてほし い 励まさないでほしい という内容で 励ましてほしい という内容は6 に留 まった 周りの人ががんに罹患した時 闘病をがんばってほしい という気持ちが あっても 患者にそれを直接伝えるのは得策でないことがうかがえる 悩み がん と診断された当時の悩み TOP3 1位/番目 悩みあり 87% 不安 動揺など精神的なこと 治療方法 治療に関わる費用 2位/番目 3位/番目 3 18% 1 家族関係 悩みなし 13% 17 21% 17% 仕事 収入 8% 身体の苦痛 生きる意味 人間関係 社会との関わり 7% 8% 1 12% 10% 19% 12% 17% 10% 医師や看護師との関わり 2%1% 2%2% (n=315) がんと診断された当時 悩みがあったと答えた人は87 注 治療終了から長時間経っ ていることから記憶が定かではないため なし という人もいた 悩みの内容として は 不安 動揺など精神的なこと を挙げた人が1番多く 2番目には 治療方法 が 多かった 18

クロス 悩み 診断された当時の悩み1位 精神的なこと の内訳 自由回答よりコーディング 不安 動揺など精神的なこと 1 漠然とした 余命 死の恐怖 不安 動揺 32% 金銭面の不安 8% 再発 転移への不安 8% 家族への影響 治療への不安 1 手術 抗がん剤 痛みなど 1 (n=198 複数回答) 罹患当時の悩みの1位 不安 動揺など精神的なこと の内訳としては 余命 死の 恐怖 が一番多く挙げられた がん 死 というイメージを持っている人が多数いる ことが見受けられる 続いて 家族に向けた心配 治療への不安が挙げられた 19 悩み 当時の悩みを誰に相談したか 配偶者 パートナー 52. 誰にも相談しなかった 26.8% 医療従事者 14.7% あなたの父か母 11.8% 友人 11.2% 子ども 10. あなたの兄弟姉妹 職場の人 8.3% 3.2% 親戚 1.3% 1.0% (n=313) 悩みを相談する相手は 配偶者/パートナーが最も多かったが 悩みを抱えながらも 誰にも相談しなかった という人が約30 もいた 不安を抱えながらも相談できない 相談できる相手がいない という人が多い実情が見られた 20

クロス 悩み 現在の がん に関連する悩み (TOP 3) 1位/番目 現在 がん に関連して 悩んでいることはありますか 不安 動揺など精神的なこと 悩み なし 悩み 5 あり 4 3位/番目 2 生きる意味 8% 治療に関わる費用 8% 18% 9% 1 仕事 収入 12% 8% 9% 12% 18% 1 身体の苦痛 治療方法 2位/番目 8% 12% 20% 再発 18% 転移 家族関係 医師や看護師との関わり 1% 人間関係など社会との関わり 1% 9% 82% 12% 2% 27% 1 n=166 治療が終了しつつも 未だに がん に関連して悩んでいるサバイバーは多い その内訳として は 精神的なこと と が多く挙げられた 自由回答集計の結果 の83 は 再発 転移 の不安に関する悩みであった また 罹患当時と比較して 生きる意味 が上位に 浮上しており 時間を経て がん に関する悩みが変化していることが分かった 21 クロス 悩み 現在の がん に関連する悩みの有無 治療終了から現在までの期間別 悩みあり 3年未満 a) 3年未満 治 療 終 了 か ら 現 在 ま で の 期 間 3年以上5年未満 3年以上5年未満 (b) 5年以上10年未満 (c) 5年以上10年未満 10年以上 (d)10年以上 4 d** (55) 悩みなし 5 (65) 55 c**d** (42) 40% (37) 27% (11) 4 (35) 60% (56) 73% (30) (n=362) ** = 0.05水準で優位 治療完了から5年以上 10年以上が経ったサバイバーも今なお30-40 の人が 現在 がん に関連する悩みを抱えており 治療終了から相当の期間が経ったとしても が ん 罹患による不安や悩みは なかなかなくならないというという事実が浮き彫りに なった 5年生存率 という言葉もあるなか 定義的には5年間がひとつの節目と あっても 患者の心の中の不安は 時間が解決 という訳にはいかないようである 22

クロス 悩み 現在の がん に関連する悩みの内容 0% 10% 3年未満 治 療 終 了 か ら 現 在 ま で の 期 間 20% 10 3年 5年 40% 15 12 5年 10年 10年以上 30% 治療終了から現在までの期間別 8 2 60% 8 4 70% 9 2 80% 6 7 12 1 50% 4 5 3 2 4 4 4 2 3 1 精神的なこと 再発 転移の不安 身体の苦痛 仕事 収入 生きる意味 治療費用 家族関係 治療方法 医療者との関わり 人間関係 社会とのかかわり 3 2 4 1 90% 3 2 01 1 1 100% 1 1 2 10 2 1 1 0 (n=155) 治療終了時からの期間別に 悩みの内容を比較すると上記のとおりとなった 再発 転 移への不安などは年々少しずつ減少しつつも あらゆる面において 時間経過 悩み の減少 という訳にはいかない事実が見られる 23 クロス 悩み 現在の がん に関連する悩みの有無 悩みあり 0期 I期 0期 I(a) 期 罹 患 時 の ス テ ー ジ II期II(b) 期 III(c) 期 III期 IV 期 IV期 (d) 4 (60) 5 (46) 48% (21) 5 (10) 罹患時のステージ別 悩みなし 5 (70) 4 (39) 52% (23) 4 (8) (n=277) 罹患時のステージが進行しているほど 現在も悩みを持っている人は多くいたが どの ステージで見つかったとしても約半数の人が現在も がん に関連する悩みを抱えてい た たとえ早期の発見だったとしても がん という事実はその患者本人にとっては重 く がん という疾患が各人に与える精神的な負担が改めて明らかになった 24

クロス 悩み 現在の がん に関連する悩みの内容 0% 10% 0 I期 罹 患 時 の ス テ ー ジ 30% 40% 15 II期 0 60% 70% 10 11 5 1 50% 16 13 III期 IV期 20% 罹患時のステージ別 5 5 4 2 4 1 90% 7 5 1 80% 4 5 3 11 2 11 3 4 4 3 3 1 再発 転移の不安 精神的なこと 身体の苦痛 治療費用 生きる意味 仕事 収入 治療方法 家族関係 人間関係 社会とのかかわり 医療者との関わり 0 100% 2 0 1 0 1 0 1 0 1 (n=147) 罹患時のステージ別に悩みの内容を比較すると上記のとおりとなった 主だった傾向は 見受けられず 前述同様 どのステージで発覚しても がん とう病気が及ぼす悩みの 影響が各患者にとってはあらゆる意味で精神的な負担になることがうかがえる 25 就労/ 収入 がん罹患後の勤務先の変化 勤務先は 変わらない 勤務先が 47% 変わった 53% 罹患時の専業主婦 学生 無職を除く n=197 がんに罹患した後 勤務先が変わったという人は半数以上いた 26

就労/ 収入 がん罹患後の勤務先の変化 男性 48% 変わらない 従業員 変わった 民間企業の 勤務先が変わった 男性 勤務先は変わらない 33 (51%) 女性 20 (57%) 32(49%) 15 (43%) 会社経営者 女性 アルバイト 会社役員 派遣 パート 52% 男性 7(58%) 5(42%) 女性 33 (59%) 男性 5 (38%) 23 (41%) 8(62%) 女性 1 (100%) 男性 3(30%) 7(70%) 変わった 41% 59% 公務員 変わらない 女性 4(80%) 1(20%) 罹患時の専業主婦 学生 無職を除く n=197) 勤務先が変わったのは 女性の方が多く また 正社員と比べて 派遣 パート アル バイト が多く見られた 27 就労/ 収入 がん罹患後の就労状況の変化 がん 罹患後の 勤務先での就労状況の変化 就労状況変化の詳細 依願退職 27% 30% 罹患前と 同じ 変わった 47% 53% 希望して異動 2% 休職 希望していない 異動 専業主婦 学生 無職を除く (n=197) 7% 転職 解雇 17% (n=104) がんと診断されたあと 就労状況が変わった人も半数以上多く見られた その詳細とし ては 依願退職 が30 と最も多く 解雇 や 希望していない異動 も合計で 17 も見られた 28

就労/ 収入 がん罹患前に勤めていた 企業規模 と 勤務先変化の有無 の関係 勤務先が変わった 100人以下 (a) 100人以下 会 社 規 模 59% c* (57) 100-999人 100-999人 (b) 1000人以上 1000人以上 (c) 勤務先は変わらない 41% (40) 47% (23) 53% (26) 4 (17) 5 (22) (n=185) * = 0.1水準で優位 がん 罹患の前後で勤務先が変わったかどうかの割合は 企業規模との相関が見られ た 傾向として1000人以上の社員を持つ比較的大きな企業に勤めていた人は44 なの に対し 100人以下の職場に勤めていた人は 約60 が勤め先が変わっていた 29 就労/ 収入 がん罹患前に勤めていた 企業規模 と 会社制度利用の有無 の関係 利用した 100人以下 (a) 100人以下 会 社 規 模 100-999人 100-999人 (b) 1000人以上 1000人以上 (c) 27% (26) 31% (15) 51% a**b** (20) 利用せず 73%(71) 69% (34) 49% (19) (n=185) ** = 0.05水準で優位 がん罹患前に勤めていた会社規模が大きいほど 有給休暇以外での会社制度を利用して いる割合が高いことが見られた 規模の大きな会社ほど 制度自体が存在している/ 取りやすい環境がある という状況の表れといえるのかもしれない 30

就労/ 収入 がん罹患後の収入の変化 収入減少の度合い 収入の変化 減った 8割 33% 1 5割以下 33% 変わらない 6 7割 8割 増えた 1 2 5割 7割 29% (n=118) がん 罹患の前と後で 収入が減った人は約3割もいた そのうち 罹患前と比較し て7割以下に減ってしまった人は約60 にも上り うち5割以下に減ってしまった人が 33 となった この収入減少とともに治療費等の支出が増える事実は がん患者にとっ て重要な問題と言えるであろう 31 就労/ 収入 罹患時のがんのステージ と 収入の変化 の関係 変わらない 0期 I(a) 期 0期 I期 罹 患 時 の ス テ ー ジ II期II(b) 期 III期 III(c) 期 IV 期 IV期 (d) 6 (42) 53% (27) 57% (13) 63% (5) 減った 増えた 33% (21) 4 (23) 2% 2% 39% (9) 38% (3) 0% 罹患時専業主婦 学生 無職を除く (n=146) 罹患時のステージに関わらず がん罹患後に収入が減った と答えた人は約30-40 もいた 特に注目すべきは0期 I期で発覚した人である 生存率も高く 仕事に支障 が無い状態に比較的早く戻れる患者も多いはずだが がんに罹患した という事実で不 利益を被っている点は問題視すべきである 32

職場 がん罹患について報告後の職場での人間関係の変化 良くなった 悪くなった 3% 変わらない 91% (n=164) がん罹患によって 職場での人間関係が変わった という人はあまり見られなかった 33 職場 がん患者に対して理解がある と思うかどうか 職場の制度や雰囲気 全くそう そう 思わない 思わない 上司 同僚 全くそう 全くそう 大変 そう思う そう 10% 思わない 9% 思わない 思わない そう思わない 1% 大変 大変 そう思う そう思う どちらでも 10% 1 どちらでも ない ない 27% どちらでも ない そう思う 31% 4 (n=197) 41% そう思う そう思う 4 47% (n=184) (n=197) 職場の制度や雰囲気や人間が がん患者に対して理解がある と答えた人は約50-60 いた ただ し どちらでもない 理解がない と答える人が約40-50 おり 理解ある対応を受けていないと感じ ている人が多い現実も明らかになった 34

職場 がん罹患についての職場への報告の有無 理由 自由回答よりコーディング 報告しなかった理由 報告 していない 報告した 29% 19% 71% 辞めるから 言っても (n=232) 仕方がない 心配迷惑 かけたくない 8% 52% 理解して もらえない 1 がん罹患について 職場に報告をしなかった人は約3割もいた その主な理由としては 言っても仕方がない が半数以上 次いで 理解してもらえない(16 ) という答え が多かった がん患者に理解のある職場が増えているものの 最初から諦めてしまう患 者が多数いる可能性が浮き彫りになった 35 職場 有給休暇以外の会社制度利用の有無 制度利用あり 31% 制度利用なし 69% 罹患時専業主婦 学生 無職を除く (n=197) がん 罹患後 治療を行うにあたり有給休暇の利用以外に職場の制度 時短 治療休 暇 傷病手当など を利用した人は 31 に留まった 利用した人の具体的な制度とし ては 特別有給休暇 治療休暇 傷病手当 など 自由回答より 36

職場 正社員 罹患時の役職 と がん罹患についての会社に報告の有無 の関係 会社に報告した 一般社員 (a) 一般社員 罹 患 時 の 役 職 会社に報告していない 8 (42) 課長 係長 主任クラス (b) 課長 係長 主任クラス 1 (8) 8 (25) 部長クラス以上 部長クラス以上 (c) 1(4) 69% (11) 31% (5) (n=95) がん罹患時点での役職が部長クラス以上 部長クラス 役員クラス になると がん罹患に関して会社に報告していない人が比較的多いことが明らかになった 37 職場 職場内で一番最初に報告 相談した相手 医務室等 1% 仕事相手 外部 3% 人事担当者 部下 同僚 先輩社員 直属の上司 68% (n=164) 職場でがん罹患について 一番最初に報告 相談した相手は 直属の上司 が最も多 かった 次いで 先輩社員 同僚 であった 仕事への影響を考慮してまずは上司に 話す人が多いが 身近で信用できる相手にまず相談する という人も多いようである 38

職場 職場内で がん罹患について報告した 一番最初の報告以外 の相手 0% 20% 直属の上司 仕事相手 外部 いない 100% 32.3% 部下 医務室等 80% 12.2% 同僚 組合担当者 60% 23.2% 先輩社員 人事担当者 40% 複数回答 11.0% 8. 0. 2. 5. 2. 36. (n=164) 他にがん罹患について職場内で直接話した相手は 上記のとおりであった 一番最初に 報告した相手以外には誰にも話していない という人が4割近くいた 前頁の結果と併 せ 直属の上司をはじめとする 身近にいる周りの人々の理解の重要性がうかがえる 39

<Appendix> 基本 属性 性別 年齢 地域 性別 年齢 30才 34才 地域 35才 39才 40才 44才 10% 女性 49% 男性 60才以上 45才 4 49才 9% 51% 四国地方 3% 中国地方 九州地方 北海道 東北地方 7% 10% 3% 近畿地方 19% 関東地方 40% 50才 54才 55才 59才 1 中部地方 12% 13% 42

基本属性 現在の職業 年収 家族の世帯年収 職業 年収 世帯年収 100~ 会社経営者 会社役員 3% 公務員自営業無職 2% 1 民間企業の従業員年金受給者 1 17% 専業主婦 21% パート 派遣社員 アルバイト 12% 600~ 800 万 3% 500~ 600 万 400~ 500 万 9% 1000~ 800~ 2000 万 1000 万分からない 3% 100 万未満 27% 100~ 300~ 200 万 400 万 200~ 1 17% 300 万 1 分からない 2000 万以上 1% 1000~ 2000 万 8% 800~ 1000 万 600~ 800 万 1 100 万未満 3% 500~ 600 万 9% 200 万 200~ 300 万 9% 300~ 400 万 1 400~ 500 万 13% 43 基本属性 婚姻状況 世帯主かどうか 婚姻状況 世帯主か 死別 3% 離婚 7% 未婚 13% いいえ 40% 既婚 77% はい 60% 44

基本属性属性 子ども 子どもの有無 子どもの年齢 4 人以上 1% 3 人 12% 子どもはいない 27% 小学生未満 小 中学生 高 大学生 ( 短大 専門 ) 1 2 人 4 1 人 1 就職 結婚 独立 6 (n=264) 45 基本属性 同居人 0% 20% 40% 60% 80% 100% 同居者なし 11.6 配偶者 ( 夫または妻 )/ パートナー 76.0 あなたの父か母 13.0 配偶者 ( パートナー ) の父か母 あなたの兄弟姉妹 配偶者 ( パートナー ) の兄弟姉妹 3.9 1.4 0.3 子ども 39.8 子どもの配偶者 孫 1.1 2.2 1.4 46

属性 がんと診断された当時の職業 無職 17% 自営業 10% 会社経営者 会社役員 学生 0.3% 専業主婦 1 民間企業の 従業員 28% 派遣 パート アルバイト 19% 公務員 47 属性 がんと診断された当時の勤務先の規模 自身の役職 勤務先の従業員数 自身の役職 10000 人以上 わからない 7% 5000 人 ~9999 人 1% 1000 人 ~4999 人 500 人 ~999 人 100 人 ~499 人 7% 18% ~9 人 1 10 人 ~49 人 2 50 人 ~99 人 9% 役員クラス経営者 3% 3% 部長クラス 7% 1 課長クラス 12% 係長クラス一般社員 50% 主任クラス (n=197) 48

属性 がん罹患前の自身の年収 1000~2000 万 800~1000 万 7% 2000 万以上 0.3% 分からない 100 万未満 22% 600~800 万 100~200 万 500~600 万 400~500 万 300~400 万 1 200~300 万 12% 49 属性 がん罹患前の家族の世帯年収 2000 万以上 1. 100 万未満 0.8% 分からない 1 100~200 万 3% 200~300 万 1000~2000 万 800~1000 万 1 300~400 万 400~500 万 1 600~800 万 500~600 万 50