第 130 回医学部医学倫理委員会議事要旨 日時平成 23 年 4 月 22 日 ( 金 ) 15 時 00 分 ~17 時 00 分場所医学部共通棟 3 階中会議室出席者野口委員長 奥村副委員長 藤堂委員 仲野委員 上田委員 片山委員 稲垣委員 霜田委員 寺沢委員 平田委員欠席者大薗委員 樂木委員 山下委員 濱崎委員 議事に先立ち 野口委員長より 本委員会が成立していることの確認があった後 前回議事要旨 ( 案 ) について 確認が行われ異議なく原案のとおりされた 親委員会 審議事項( 倫理審査 ) 審査申請書類の審査について受付番号 779 研究責任者 研究の目的及び実施計画の概要 従来の僧帽弁人工弁置換術では治療困難な症例に対する心膜を用いた新しい僧帽弁手術の研究外科学講座 ( 心臓血管外科学 ) 教授澤芳樹自己の心臓弁機能が著しく低下した症例に対して行われる人工弁置換手術は, 安全で確立された手術であるといえる 現在 機械弁と異種生体弁の主に2 種類の人工弁が臨床使用されているが 異種生体弁は抗凝固療法を必要としないという利点があるにもかかわらず 経年的劣化変性がひどく 僧帽弁輪が狭小の症例には商品化されている生体弁はサイズミスマッチがあるという欠点があり 狭小弁輪にも適合した 抗凝固性を有する 経年的劣化の少ない新しい僧帽弁の開発が必要である 今回 我々は 自己心膜で作成した新しい僧帽弁を作成し 従来の僧帽弁置換術では治療困難な症例に対する新しい僧帽弁置換術の開発を目的とした 効果 安全性評価委員会を研究計画書に明記するよう求めることとなった 一部表現方法の変更を委員長 副委員長で確認のうえ することとなった 条件付き 受付番号 780 B 型大動脈解離及び真性大動脈瘤における経カテーテル的ステントグラフト内挿術 Thoracic endovascular aortic repair for type B aortic dissection and degenerative aortic aneurysm 研究責任者外科学講座 ( 心臓血管外科学 ) 教授澤芳樹研究の目的弓部大動脈 (Zone1) から下行大動脈に形成された真性大動脈瘤及び B 型大動脈解離症及び実施計例に対して 大動脈解離対応型ステントグラフトの有効性及び安全性を 多施設共同研究画の概要 ( 前向き ) にて検討する 効果 安全性評価委員会の設置を求めることとした 一部表現方法の変更を委員長 副委員長で確認のうえ することとなった 条件付き 研究責任者 外科学講座 ( 心臓血管外科学 ) 教授澤芳樹 1
研究の目的及び実施計画の概要 大動脈解離対応型ステントグラフトを用いた Stanford B 型解離性大動脈瘤に対するステントグラフト治療にて 安全かつ有効に大動脈リモデリングが得られる大動脈解離発症からの期間 (=Effective remodeling duration;erd) を解析することで ステントグラフト治療の有効性を多施設共同研究 ( 前向き ) にて検討する 効果 安全性評価委員会の設置を求めることとした 一部表現方法の変更を委員長 副委員長で確認のうえ することとなった 条件付き 他施設からの審査依頼 研究責任者 森ノ宮病院心臓血管センター部長大久保修和 大動脈解離対応型ステントグラフトを用いた Stanford B 型解離性大動脈瘤に対するステ研究の目的ントグラフト治療にて 安全かつ有効に大動脈リモデリングが得られる大動脈解離発症か及び実施計らの期間 (=Effective remodeling duration;erd) を解析することで ステントグラフト治画の概要療の有効性を多施設共同研究 ( 前向き ) にて検討する 効果 安全性評価委員会の設置を求めることとした 一部表現方法の変更を委員長 副委員長で確認のうえ することとなった 条件付き 研究責任者研究の目的及び実施計画の概要 東宝塚さとう病院院長佐藤尚司大動脈解離対応型ステントグラフトを用いた Stanford B 型解離性大動脈瘤に対するステントグラフト治療にて 安全かつ有効に大動脈リモデリングが得られる大動脈解離発症からの期間 (=Effective remodeling duration;erd) を解析することで ステントグラフト治療の有効性を多施設共同研究 ( 前向き ) にて検討する 効果 安全性評価委員会の設置を求めることとした 一部表現方法の変更を委員長 副委員長で確認のうえ することとなった 条件付き 報告事項( 迅速審査 ) 受付番号 550-5 癌の糖鎖異常に関する研究 研究責任者研究の目的及び実施計画の概要 機能診断科学講座 ( 消化器病学 ) 教授三善英知 糖タンパク質の糖鎖構造は 癌化に伴い変化することが古くから知られてきた 現在 用いられているモノクローナル抗体の多くが癌に伴って発現する異常糖鎖を認識するもので 診断や治療のマーカーとして臨床的に用いられる しかしながら臨床の知見の蓄積に対して これらの抗体標的分子の生体での機能や 癌性変化における役割については全く解析が進んでいない 申請者らはこれまで癌性変化の原因となる糖鎖遺伝子 ( 糖転移酵素の遺伝子 ) を同定し 細胞レベルでの糖鎖の生物機能を明らかにしてきた 本研究では 血清糖タンパクと胆汁 膵液中に含まれる糖タンパクの比較検討を行う また癌の糖鎖異常の原因を探るため 糖鎖遺伝子を中心に DNA アレイによる解析を行う 腫瘍マーカーが癌性変化の何を評価しているのかを証明し 新たな腫瘍マーカーの開発や これらの標的 2
分子を用いた治療戦略を目指す 変更内容 研究協力者の追加 受付番号 726-2 脂肪組織由来細胞を用いた肝臓 膵臓 心臓構成細胞への分化法確立に関する研究研究責任者未来医療センター 特任准教授松山晃文本研究は冠動脈再建術あるいは内臓固形腫瘍の手術時に摘除され従来は医療廃棄物として廃棄されていた余剰な脂肪組織を用い そこから幹細胞を単離採取 得られた幹細胞から肝臓 膵臓 心臓構成細胞へと効率よく分化させるシステムを構築し その有用性に関し動物実験にて検証することを目的としている 大阪大学医学部附属病院外科において手術を受ける患者さんより術中 ( 全身麻酔下 ) に摘除される余剰な脂肪組織を材料に用い 間葉系幹細胞を単離採取する 培養した間葉系幹研究の目的細胞を肝臓 膵臓 心臓構成細胞へと効率よく分化させる培養技術を確立し その有用性及び実施計をモデル動物実験にて検証する なお 間葉系幹細胞分取ならびに肝細胞および膵細胞への分画の概要化培養系の確立は主に大阪大学附属病院未来医療センターあるいは (( 財 ) 先端医療振興財団 神戸女学院大学人間科学部環境 バイオサイエンス学科 アスビオファーマ生物医学研究所 国立医薬品食品衛生研究所療品部にて行い 心筋細胞への分化の系の確立に関する研究は 主に大阪大学大学院医学系研究科心臓血管外科あるいは ( 財 ) 先端医療振興財団にて施行する なお 対象症例数は実験目標達成時であるが暫定的に 30 名とする これは月 1 症例から採取された検体を研究に用い研究を継続した場合の症例数に一致する 変更内容研究分担者の変更 研究実施予定期間の変更 受付番号 735-1 患者皮膚線維芽細胞由来多機能幹細胞の作成とそれを用いた重症心血管病患者のテイラーメード治療に関する研究研究責任者内科学講座 ( 循環器内科学 ) 助教平野賢一者大阪大学医学部附属病院は 心臓移植の認定施設であり 重症心血管病患者を多く診療している 少子高齢化の我が国の実情を考えたとき 心臓移植や人工心臓など以外に非侵研究の目的襲的治療法の開発も重要である そこで 本研究では 患者由来皮膚線維芽細胞由来多機及び実施計能幹細胞を作成し さらに心筋細胞 血管平滑筋細胞 脂肪細胞などに分化させる そし画の概要て 患者由来の培養心筋細胞と正常者由来の細胞を in vitro で比較検討し 疾患の原因 病態の解明 薬剤の効果を判定することによって 重症心血管病患者に対する個別 ( テイラーメード ) 医療を開発することをその目的とする変更内容研究分担者の変更 追加 研究実施予定期間の変更 研究実施場所の追加 3
受付番号 735-2 研究責任者研究の目的及び実施計画の概要変更内容 患者皮膚線維芽細胞由来多機能幹細胞の作成とそれを用いた重症心血管病患者のテイラーメード治療に関する研究内科学講座 ( 循環器内科学 ) 助教平野賢一大阪大学医学部附属病院は 心臓移植の認定施設であり 重症心血管病患者を多く診療している 少子高齢化の我が国の実情を考えたとき 心臓移植や人工心臓など以外に非侵襲的治療法の開発も重要である そこで 本研究では 患者由来皮膚線維芽細胞由来多機能幹細胞を作成し さらに心筋細胞 血管平滑筋細胞 脂肪細胞などに分化させる そして 患者由来の培養心筋細胞と正常者由来の細胞を in vitro で比較検討し 疾患の原因 病態の解明 薬剤の効果を判定することによって 重症心血管病患者に対する個別 ( テイラーメード ) 医療を開発することをその目的とする研究分担者の追加 受付番号 746-8 進行性悪性黒色腫患者を対象とした HVJ-E 腫瘍内投与の安全性 誘導能解析 忍容性及び腫瘍免疫 研究責任者情報統合医学講座 ( 皮膚科学 ) 助教種村篤 研究の目的及び実施計画の概要 本臨床研究は 進行性悪性黒色腫患者へ HVJ-E 腫瘍内投与することの安全性 / 忍容性を確認することを主目的とし 副次目的として探索的に腫瘍免疫誘導能を評価し 抗腫瘍効果を検討する第 I/II 相臨床研究である 対象は再発性 標準治療抵抗性 標準治療が適用されない又は標準治療を拒否した Stage IIIC 又は Stage IV での進行性悪性黒色腫患者を 2 年間に計 6 名エントリーすることとする 方法としては皮膚もしくは表在リンパ節にみられる悪性黒色腫病変に HVJ-E を腫瘍内投与する なお本臨床研究は慶應義塾大学医学部先端医科学研究所との共同研究として実施する 変更内容研究計画の変更 ( 研究計画書 実施計画書 症例報告書等の一部文言の修正及び追記 ) 受付番号 758-2 運動器疾患由来培養細胞を用いた組織再生 病態解明研究責任者器官制御外科学講座 ( 整形外科学 ) 教授吉川秀樹運動器疾患の巨大組織欠損修復を実現するため これらの患者の手術時切除組織から採取した培養細胞に 遺伝子工学的手法を用いて誘導される幹細胞を用い 各組織へ再度分化誘導して代用組織を開発することが本研究の目的である まず幹細胞誘導の至適条件の研究の目的検討 確立を行い その後分化誘導条件の検討を行う 最終的に分化誘導した組織構成細及び実施計胞と生体材料との複合体を作成して 運動器疾患における生体代用組織の開発を行う 画の概要一方 運動器疾患には幹細胞からの分化誘導過程の障害が病態そのものであるものが含まれていると考えられ 患者由来誘導幹細胞は その分化過程の詳細な検討により病態解明を並行して行う 変更内容研究実施場所の追加 研究計画の変更 ( 研究方法の一部変更 ) 4
以上 5