平成17年度第4回 臨床研究倫理審査委員会議事要旨

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解禁日時 :2019 年 2 月 4 日 ( 月 ) 午後 7 時 ( 日本時間 ) プレス通知資料 ( 研究成果 ) 報道関係各位 2019 年 2 月 1 日 国立大学法人東京医科歯科大学 国立研究開発法人日本医療研究開発機構 IL13Rα2 が血管新生を介して悪性黒色腫 ( メラノーマ ) を

疫学研究の病院HPによる情報公開 様式の作成について

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学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 松尾祐介 論文審査担当者 主査淺原弘嗣 副査関矢一郎 金井正美 論文題目 Local fibroblast proliferation but not influx is responsible for synovial hyperplasia in a mur

ヒト脂肪組織由来幹細胞における外因性脂肪酸結合タンパク (FABP)4 FABP 5 の影響 糖尿病 肥満の病態解明と脂肪幹細胞再生治療への可能性 ポイント 脂肪幹細胞の脂肪分化誘導に伴い FABP4( 脂肪細胞型 ) FABP5( 表皮型 ) が発現亢進し 分泌されることを確認しました トランスク

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 佐藤雄哉 論文審査担当者 主査田中真二 副査三宅智 明石巧 論文題目 Relationship between expression of IGFBP7 and clinicopathological variables in gastric cancer (

( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 大道正英 髙橋優子 副査副査 教授教授 岡 田 仁 克 辻 求 副査 教授 瀧内比呂也 主論文題名 Versican G1 and G3 domains are upregulated and latent trans

2017 年 12 月 15 日 報道機関各位 国立大学法人東北大学大学院医学系研究科国立大学法人九州大学生体防御医学研究所国立研究開発法人日本医療研究開発機構 ヒト胎盤幹細胞の樹立に世界で初めて成功 - 生殖医療 再生医療への貢献が期待 - 研究のポイント 注 胎盤幹細胞 (TS 細胞 ) 1 は

ただし 対象となることを希望されないご連絡が 2016 年 5 月 31 日以降にな った場合には 研究に使用される可能性があることをご了承ください 研究期間 研究を行う期間は医学部長承認日より 2019 年 3 月 31 日までです 研究に用いる試料 情報の項目群馬大学医学部附属病院産科婦人科で行

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診療科 血液内科 ( 専門医取得コース ) 到達目標 血液悪性腫瘍 出血性疾患 凝固異常症の診断から治療管理を含めた血液疾患一般臨床を豊富に経験し 血液専門医取得を目指す 研修日数 週 4 日 6 ヶ月 ~12 ヶ月 期間定員対象評価実技診療知識 1 年若干名専門医取得前の医師業務内容やサマリの確認

大腸癌術前化学療法後切除標本を用いた免疫チェックポイント分子及び癌関連遺伝子異常のプロファイリングの研究 

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 小川憲人 論文審査担当者 主査田中真二 副査北川昌伸 渡邉守 論文題目 Clinical significance of platelet derived growth factor -C and -D in gastric cancer ( 論文内容の要旨 )

統合失調症発症に強い影響を及ぼす遺伝子変異を,神経発達関連遺伝子のNDE1内に同定した

報道関係者各位 平成 26 年 1 月 20 日 国立大学法人筑波大学 動脈硬化の進行を促進するたんぱく質を発見 研究成果のポイント 1. 日本人の死因の第 2 位と第 4 位である心疾患 脳血管疾患のほとんどの原因は動脈硬化である 2. 酸化されたコレステロールを取り込んだマクロファージが大量に血

ASC は 8 週齢 ICR メスマウスの皮下脂肪組織をコラゲナーゼ処理後 遠心分離で得たペレットとして単離し BMSC は同じマウスの大腿骨からフラッシュアウトにより獲得した 10%FBS 1% 抗生剤を含む DMEM にて それぞれ培養を行った FACS Passage 2 (P2) の ASC

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イルスが存在しており このウイルスの存在を確認することが診断につながります ウ イルス性発疹症 についての詳細は他稿を参照していただき 今回は 局所感染疾患 と 腫瘍性疾患 のウイルス感染検査と読み方について解説します 皮膚病変におけるウイルス感染検査 ( 図 2, 表 ) 表 皮膚病変におけるウイ

前立腺癌は男性特有の癌で 米国においては癌死亡者数の第 2 位 ( 約 20%) を占めてい ます 日本でも前立腺癌の罹患率 死亡者数は急激に上昇しており 現在は重篤な男性悪性腫瘍疾患の1つとなって図 1 います 図 1 初期段階の前立腺癌は男性ホルモン ( アンドロゲン ) に反応し増殖します そ

1. ストーマ外来 の問い合わせ窓口 1 ストーマ外来が設定されている ( はい / ) 上記外来の名称 対象となるストーマの種類 7 ストーマ外来の説明が掲載されているページのと は 手入力せずにホームページからコピーしてください 他施設でがんの診療を受けている または 診療を受けていた患者さんを

一次サンプル採取マニュアル PM 共通 0001 Department of Clinical Laboratory, Kyoto University Hospital その他の検体検査 >> 8C. 遺伝子関連検査受託終了項目 23th May EGFR 遺伝子変異検

背景 急性大動脈解離は致死的な疾患である. 上行大動脈に解離を伴っている急性大動脈解離 Stanford A 型は発症後の致死率が高く, それ故診断後に緊急手術を施行することが一般的であり, 方針として確立されている. 一方上行大動脈に解離を伴わない急性大動脈解離 Stanford B 型の治療方法

再発小児 B 前駆細胞性急性リンパ性白血病におけるキメラ遺伝子の探索 ( この研究は 小児白血病リンパ腫研究グループ (JPLSG)ALL-B12 治療研究の付随研究として行われます ) 研究機関名及び研究責任者氏名 この研究が行われる研究機関と研究責任者は次に示す通りです 研究代表者眞田昌国立病院

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を行った 2.iPS 細胞の由来の探索 3.MEF および TTF 以外の細胞からの ips 細胞誘導 4.Fbx15 以外の遺伝子発現を指標とした ips 細胞の樹立 ips 細胞はこれまでのところレトロウイルスを用いた場合しか樹立できていない また 4 因子を導入した線維芽細胞の中で ips 細

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汎発性膿庖性乾癬の解明

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られる 糖尿病を合併した高血圧の治療の薬物治療の第一選択薬はアンジオテンシン変換酵素 (ACE) 阻害薬とアンジオテンシン II 受容体拮抗薬 (ARB) である このクラスの薬剤は単なる降圧効果のみならず 様々な臓器保護作用を有しているが ACE 阻害薬や ARB のプラセボ比較試験で糖尿病の新規

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TOHOKU UNIVERSITY HOSPITAL 今回はすこし長文です このミニコラムを読んでいただいているみなさんにとって 救命救急センターは 文字どおり 命 を救うところ という印象が強いことと思います もちろん われわれ救急医と看護師は 患者さんの救命を第一に考え どんな絶望の状況でも 他

東邦大学学術リポジトリ タイトル別タイトル作成者 ( 著者 ) 公開者 Epstein Barr virus infection and var 1 in synovial tissues of rheumatoid 関節リウマチ滑膜組織における Epstein Barr ウイルス感染症と Epst

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03 【資料1】急性期の診療提供体制構築に向けた考え方(案)_final

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33 NCCN Guidelines Version NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines ) (NCCN 腫瘍学臨床診療ガイドライン ) 非ホジキンリンパ腫 2015 年第 2 版 NCCN.or

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8 整形外科 骨肉腫 9 脳神経外科 8 0 皮膚科 皮膚腫瘍 初発中枢神経系原発悪性リンパ腫 神経膠腫 脳腫瘍 膠芽腫 頭蓋内原発胚細胞腫 膠芽腫 小児神経膠腫 /4 別紙 5( 臨床試験 治験 )

かし この技術に必要となる遺伝子改変技術は ヒトの組織細胞ではこれまで実現できず ヒトがん組織の細胞系譜解析は困難でした 正常の大腸上皮の組織には幹細胞が存在し 自分自身と同じ幹細胞を永続的に産み出す ( 自己複製 ) とともに 寿命が短く自己複製できない分化した細胞を次々と産み出すことで組織構造を

検体採取 患者の検査前準備 検体採取のタイミング 記号 添加物 ( キャップ色等 ) 採取材料 採取量 測定材料 P EDTA-2Na( 薄紫 ) 血液 7 ml RNA 検体ラベル ( 単項目オーダー時 ) ホンハ ンテスト 注 外 N60 氷 MINテイリョウ. 採取容器について 0

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結果 この CRE サイトには転写因子 c-jun, ATF2 が結合することが明らかになった また これら の転写因子は炎症性サイトカイン TNFα で刺激したヒト正常肝細胞でも活性化し YTHDC2 の転写 に寄与していることが示唆された ( 参考論文 (A), 1; Tanabe et al.

標準業務手順 目次

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第 447 回東京医科大学臨床懇話会 403 話 大 大 大 大 大 大 回 大 大 大 大 大 大 大 話 大 大 話 41 5 B 大 A B B A A 大 大 大 大 大 2 回 回 1 話 大 A B A 大 B 大 A B A CT 2009 大 A 大 大 大 1 大

心疾患患による死亡亡数等 平成 28 年において 全国国で約 20 万人が心疾疾患を原因として死亡しており 死死亡数全体の 15.2% を占占め 死亡順順位の第 2 位であります このうち本県の死亡死亡数は 1,324 人となっています 本県県の死亡率 ( 人口 10 万対 ) は 概概ね全国より高

の感染が阻止されるという いわゆる 二度なし現象 の原理であり 予防接種 ( ワクチン ) を行う根拠でもあります 特定の抗原を認識する記憶 B 細胞は体内を循環していますがその数は非常に少なく その中で抗原に遭遇した僅かな記憶 B 細胞が著しく増殖し 効率良く形質細胞に分化することが 大量の抗体産

小児外科学 (-Pediatric Surgery-) Ⅰ 教育の基本方針小児外科は 子供 (16 歳未満 ) の一般外科と消化器外科を扱う科です 消化器 一般外科学並びに小児外科学に対する基礎医学から臨床にわたる幅広い知識をあらゆる診断 治療技術を習得し 高い技術力と探究心及び倫理観を兼ね備えた小

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査を実施し 必要に応じ適切な措置を講ずること (2) 本品の警告 効能 効果 性能 用法 用量及び使用方法は以下のとお りであるので 特段の留意をお願いすること なお その他の使用上の注意については 添付文書を参照されたいこと 警告 1 本品投与後に重篤な有害事象の発現が認められていること 及び本品

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1. はじめに ステージティーエスワンこの文書は Stage Ⅲ 治癒切除胃癌症例における TS-1 術後補助化学療法の予後 予測因子および副作用発現の危険因子についての探索的研究 (JACCRO GC-07AR) という臨床研究について説明したものです この文書と私の説明のな かで わかりにくいと

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第 130 回医学部医学倫理委員会議事要旨 日時平成 23 年 4 月 22 日 ( 金 ) 15 時 00 分 ~17 時 00 分場所医学部共通棟 3 階中会議室出席者野口委員長 奥村副委員長 藤堂委員 仲野委員 上田委員 片山委員 稲垣委員 霜田委員 寺沢委員 平田委員欠席者大薗委員 樂木委員 山下委員 濱崎委員 議事に先立ち 野口委員長より 本委員会が成立していることの確認があった後 前回議事要旨 ( 案 ) について 確認が行われ異議なく原案のとおりされた 親委員会 審議事項( 倫理審査 ) 審査申請書類の審査について受付番号 779 研究責任者 研究の目的及び実施計画の概要 従来の僧帽弁人工弁置換術では治療困難な症例に対する心膜を用いた新しい僧帽弁手術の研究外科学講座 ( 心臓血管外科学 ) 教授澤芳樹自己の心臓弁機能が著しく低下した症例に対して行われる人工弁置換手術は, 安全で確立された手術であるといえる 現在 機械弁と異種生体弁の主に2 種類の人工弁が臨床使用されているが 異種生体弁は抗凝固療法を必要としないという利点があるにもかかわらず 経年的劣化変性がひどく 僧帽弁輪が狭小の症例には商品化されている生体弁はサイズミスマッチがあるという欠点があり 狭小弁輪にも適合した 抗凝固性を有する 経年的劣化の少ない新しい僧帽弁の開発が必要である 今回 我々は 自己心膜で作成した新しい僧帽弁を作成し 従来の僧帽弁置換術では治療困難な症例に対する新しい僧帽弁置換術の開発を目的とした 効果 安全性評価委員会を研究計画書に明記するよう求めることとなった 一部表現方法の変更を委員長 副委員長で確認のうえ することとなった 条件付き 受付番号 780 B 型大動脈解離及び真性大動脈瘤における経カテーテル的ステントグラフト内挿術 Thoracic endovascular aortic repair for type B aortic dissection and degenerative aortic aneurysm 研究責任者外科学講座 ( 心臓血管外科学 ) 教授澤芳樹研究の目的弓部大動脈 (Zone1) から下行大動脈に形成された真性大動脈瘤及び B 型大動脈解離症及び実施計例に対して 大動脈解離対応型ステントグラフトの有効性及び安全性を 多施設共同研究画の概要 ( 前向き ) にて検討する 効果 安全性評価委員会の設置を求めることとした 一部表現方法の変更を委員長 副委員長で確認のうえ することとなった 条件付き 研究責任者 外科学講座 ( 心臓血管外科学 ) 教授澤芳樹 1

研究の目的及び実施計画の概要 大動脈解離対応型ステントグラフトを用いた Stanford B 型解離性大動脈瘤に対するステントグラフト治療にて 安全かつ有効に大動脈リモデリングが得られる大動脈解離発症からの期間 (=Effective remodeling duration;erd) を解析することで ステントグラフト治療の有効性を多施設共同研究 ( 前向き ) にて検討する 効果 安全性評価委員会の設置を求めることとした 一部表現方法の変更を委員長 副委員長で確認のうえ することとなった 条件付き 他施設からの審査依頼 研究責任者 森ノ宮病院心臓血管センター部長大久保修和 大動脈解離対応型ステントグラフトを用いた Stanford B 型解離性大動脈瘤に対するステ研究の目的ントグラフト治療にて 安全かつ有効に大動脈リモデリングが得られる大動脈解離発症か及び実施計らの期間 (=Effective remodeling duration;erd) を解析することで ステントグラフト治画の概要療の有効性を多施設共同研究 ( 前向き ) にて検討する 効果 安全性評価委員会の設置を求めることとした 一部表現方法の変更を委員長 副委員長で確認のうえ することとなった 条件付き 研究責任者研究の目的及び実施計画の概要 東宝塚さとう病院院長佐藤尚司大動脈解離対応型ステントグラフトを用いた Stanford B 型解離性大動脈瘤に対するステントグラフト治療にて 安全かつ有効に大動脈リモデリングが得られる大動脈解離発症からの期間 (=Effective remodeling duration;erd) を解析することで ステントグラフト治療の有効性を多施設共同研究 ( 前向き ) にて検討する 効果 安全性評価委員会の設置を求めることとした 一部表現方法の変更を委員長 副委員長で確認のうえ することとなった 条件付き 報告事項( 迅速審査 ) 受付番号 550-5 癌の糖鎖異常に関する研究 研究責任者研究の目的及び実施計画の概要 機能診断科学講座 ( 消化器病学 ) 教授三善英知 糖タンパク質の糖鎖構造は 癌化に伴い変化することが古くから知られてきた 現在 用いられているモノクローナル抗体の多くが癌に伴って発現する異常糖鎖を認識するもので 診断や治療のマーカーとして臨床的に用いられる しかしながら臨床の知見の蓄積に対して これらの抗体標的分子の生体での機能や 癌性変化における役割については全く解析が進んでいない 申請者らはこれまで癌性変化の原因となる糖鎖遺伝子 ( 糖転移酵素の遺伝子 ) を同定し 細胞レベルでの糖鎖の生物機能を明らかにしてきた 本研究では 血清糖タンパクと胆汁 膵液中に含まれる糖タンパクの比較検討を行う また癌の糖鎖異常の原因を探るため 糖鎖遺伝子を中心に DNA アレイによる解析を行う 腫瘍マーカーが癌性変化の何を評価しているのかを証明し 新たな腫瘍マーカーの開発や これらの標的 2

分子を用いた治療戦略を目指す 変更内容 研究協力者の追加 受付番号 726-2 脂肪組織由来細胞を用いた肝臓 膵臓 心臓構成細胞への分化法確立に関する研究研究責任者未来医療センター 特任准教授松山晃文本研究は冠動脈再建術あるいは内臓固形腫瘍の手術時に摘除され従来は医療廃棄物として廃棄されていた余剰な脂肪組織を用い そこから幹細胞を単離採取 得られた幹細胞から肝臓 膵臓 心臓構成細胞へと効率よく分化させるシステムを構築し その有用性に関し動物実験にて検証することを目的としている 大阪大学医学部附属病院外科において手術を受ける患者さんより術中 ( 全身麻酔下 ) に摘除される余剰な脂肪組織を材料に用い 間葉系幹細胞を単離採取する 培養した間葉系幹研究の目的細胞を肝臓 膵臓 心臓構成細胞へと効率よく分化させる培養技術を確立し その有用性及び実施計をモデル動物実験にて検証する なお 間葉系幹細胞分取ならびに肝細胞および膵細胞への分画の概要化培養系の確立は主に大阪大学附属病院未来医療センターあるいは (( 財 ) 先端医療振興財団 神戸女学院大学人間科学部環境 バイオサイエンス学科 アスビオファーマ生物医学研究所 国立医薬品食品衛生研究所療品部にて行い 心筋細胞への分化の系の確立に関する研究は 主に大阪大学大学院医学系研究科心臓血管外科あるいは ( 財 ) 先端医療振興財団にて施行する なお 対象症例数は実験目標達成時であるが暫定的に 30 名とする これは月 1 症例から採取された検体を研究に用い研究を継続した場合の症例数に一致する 変更内容研究分担者の変更 研究実施予定期間の変更 受付番号 735-1 患者皮膚線維芽細胞由来多機能幹細胞の作成とそれを用いた重症心血管病患者のテイラーメード治療に関する研究研究責任者内科学講座 ( 循環器内科学 ) 助教平野賢一者大阪大学医学部附属病院は 心臓移植の認定施設であり 重症心血管病患者を多く診療している 少子高齢化の我が国の実情を考えたとき 心臓移植や人工心臓など以外に非侵研究の目的襲的治療法の開発も重要である そこで 本研究では 患者由来皮膚線維芽細胞由来多機及び実施計能幹細胞を作成し さらに心筋細胞 血管平滑筋細胞 脂肪細胞などに分化させる そし画の概要て 患者由来の培養心筋細胞と正常者由来の細胞を in vitro で比較検討し 疾患の原因 病態の解明 薬剤の効果を判定することによって 重症心血管病患者に対する個別 ( テイラーメード ) 医療を開発することをその目的とする変更内容研究分担者の変更 追加 研究実施予定期間の変更 研究実施場所の追加 3

受付番号 735-2 研究責任者研究の目的及び実施計画の概要変更内容 患者皮膚線維芽細胞由来多機能幹細胞の作成とそれを用いた重症心血管病患者のテイラーメード治療に関する研究内科学講座 ( 循環器内科学 ) 助教平野賢一大阪大学医学部附属病院は 心臓移植の認定施設であり 重症心血管病患者を多く診療している 少子高齢化の我が国の実情を考えたとき 心臓移植や人工心臓など以外に非侵襲的治療法の開発も重要である そこで 本研究では 患者由来皮膚線維芽細胞由来多機能幹細胞を作成し さらに心筋細胞 血管平滑筋細胞 脂肪細胞などに分化させる そして 患者由来の培養心筋細胞と正常者由来の細胞を in vitro で比較検討し 疾患の原因 病態の解明 薬剤の効果を判定することによって 重症心血管病患者に対する個別 ( テイラーメード ) 医療を開発することをその目的とする研究分担者の追加 受付番号 746-8 進行性悪性黒色腫患者を対象とした HVJ-E 腫瘍内投与の安全性 誘導能解析 忍容性及び腫瘍免疫 研究責任者情報統合医学講座 ( 皮膚科学 ) 助教種村篤 研究の目的及び実施計画の概要 本臨床研究は 進行性悪性黒色腫患者へ HVJ-E 腫瘍内投与することの安全性 / 忍容性を確認することを主目的とし 副次目的として探索的に腫瘍免疫誘導能を評価し 抗腫瘍効果を検討する第 I/II 相臨床研究である 対象は再発性 標準治療抵抗性 標準治療が適用されない又は標準治療を拒否した Stage IIIC 又は Stage IV での進行性悪性黒色腫患者を 2 年間に計 6 名エントリーすることとする 方法としては皮膚もしくは表在リンパ節にみられる悪性黒色腫病変に HVJ-E を腫瘍内投与する なお本臨床研究は慶應義塾大学医学部先端医科学研究所との共同研究として実施する 変更内容研究計画の変更 ( 研究計画書 実施計画書 症例報告書等の一部文言の修正及び追記 ) 受付番号 758-2 運動器疾患由来培養細胞を用いた組織再生 病態解明研究責任者器官制御外科学講座 ( 整形外科学 ) 教授吉川秀樹運動器疾患の巨大組織欠損修復を実現するため これらの患者の手術時切除組織から採取した培養細胞に 遺伝子工学的手法を用いて誘導される幹細胞を用い 各組織へ再度分化誘導して代用組織を開発することが本研究の目的である まず幹細胞誘導の至適条件の研究の目的検討 確立を行い その後分化誘導条件の検討を行う 最終的に分化誘導した組織構成細及び実施計胞と生体材料との複合体を作成して 運動器疾患における生体代用組織の開発を行う 画の概要一方 運動器疾患には幹細胞からの分化誘導過程の障害が病態そのものであるものが含まれていると考えられ 患者由来誘導幹細胞は その分化過程の詳細な検討により病態解明を並行して行う 変更内容研究実施場所の追加 研究計画の変更 ( 研究方法の一部変更 ) 4

以上 5