Global Market Outlook く lo 205 年 4 月号 204 年度第 4 四半期の市場動向と今後の見通し. 主役は日本株 右のグラフ は年度初からの内外 4 資産ベンチマ ーク収益率の推移です 204 年度最も収益率が 高かった資産は国内株式でした 第 4 四半期に限っ ても国内株式が 2 ケタの上昇率を遂げる一方 外国 株式の収益率は 台に留まり また内外債券は いずれもマイナスに転じました 外国株式について 40 35 30 25 20 5 0 グラフ : ベンチマーク収益率推移 第 四半期第 2 四半期第 3 四半期 第 4 四半期 収益率 () ( 第 4 四半期 ) 国内株式 +30.69 (+0.53) 外国株式 +23.54 (+.79) 外国債券 +2.28 (-3.07) は欧州株が量的緩和を好感し日本株を上回る上昇 5 国内債券 0 +2.97 を示したものの 米国株はほぼ横ばい またユーロ (-0.46) -5 為替が軟調に推移したことが足を引っ張りました -0 4 月 7 月 0 月 月外国債券も同様で 特に欧州の長期金利は大幅に 弊社低下しましたが 為替要因でマイナスに転じました 国内債券については 日本銀行の大量購入により市場の流動性が低下するなか 超長期ゾーンの金利が急上昇 ( 債券価格は下落 ) する局面も見られましたが 結局小幅のマイナスに留まりました 2. 欧州の バズーカ 第 4 四半期の最も大きなイベントは欧州中央銀行による大規模量的緩和でした 日本の 異次元緩和 同様に債券価格はもちろんのこと 株価や為替市場に大きな影響を与えました グラフ2は0 年国債利回りですが債務問題がピークを迎えた202 年前後 7 を越えたイタリアやスペインは 程度まで低下 景気に追い風となるばかりではなく 株価等の資産価格も押し上げました 年初からみると欧州株は日本や米国を凌駕しています またユーロ安も加速し 日本の円安と同じ効果を実体経済 企業業績にもたらしたと思われます 今年初 =00 グラフ 3: 日米欧株価 ( 年初来 ) 25 欧州ストックス600 指数 20 5 0 東証株価指数 05 00 米国 SP500 指数 95 月 2 月 3 月 4 月 グラフ 2: 欧州主要国 0 年国債利回り 8 7 6 5 4 3 2 イタリア スペイン 0 フランスドイツ - 2008 年 200 年 202 年 204 年 米ドル / ユーロ グラフ 4: ユーロ為替.6.5 ユーロ高.4.3.2. 0.9 0.8 999 年 200 年 2003 年 2005 年 2007 年 2009 年 20 年 203 年 205 年 - -
3. 米国景気 欧州 中東等での地政学リスク米国は年後半には2006 年以来の利上げに舵を切るとみられます しかし金融当局者は慎重な姿勢を崩しておらず 市場は 利上げに転じたとしてもそのペースは緩やかになるはず と安心しているようです 日本は大規模な 異次元緩和 を継続していますし 前ページのように欧州も量的緩和に踏み切ったわけで 引き続き金融面からの支援が期待できます しかしその効果は一巡しつつあり また以下のような不安材料も出てきていることから4~6 月期については株式市場 債券市場とも上下に振れるなか 概ね横ばいでの推移を予想します 米国景気の変調グラフ5は米国企業への景況感調査ですが 特に製造業で昨年末あたりから低下が顕著になりつつあります 昨年同様 悪天候の要因や西海岸の港湾ストの影響が指摘されていますが ドル高の悪影響等から軽い減速局面に入った可能性も否定できません 2 欧州政治ギリシャの財政問題はいよいよ佳境を迎えつつあります 政府の金庫はほとんど空に近い状態と推察されます 4 月に期日が到来したIMFへの借り入れについては返済 グラフ 5: 米国 ISM 指数 70 65 60 非製造業 55 製造業 50 45 40 35 30 2006 年 2008 年 200 年 202 年 204 年 資料 :ISM フ ルームハ ーク が行われたようですが ギリシャの新政権がユーログループと金融支援継続で合意できない場合 一時的に年金 公務員給料の支払いが滞る可能性も否定できません 一方 英国では5 月 7 日に総選挙が実施されます 結果次第では英国のEU 離脱憶測が高まることも想定されます またフランス スペイン等 多くの国で反ユーロを訴える政党が支持を伸ばしていることも懸念されます 3 BRICsの減速 2008 年に起きた 史上最悪の金融危機 を救った主役はBRICs 諸国でした 中国は大規模な財政政策を打ち出し ブラジル ロシア インド等 新興国がグローバル経済を牽引しました しかし中国は新政権が規律重視の姿勢を強め経済は徐々に減速 ブラジルはマイナス成長下でのインフレという苦境に陥っています ロシアは経済制裁の効果が如実に現れ始めました インドは比較的堅調とは言えますが 牽引役は荷が重いと言えるでしょう おそらく夏場あたりからは 米国経済は昨年と同様に悪天候による一時的減速 ギリシャ問題は土壇場で先送り 英国でも極端な政策変更の可能性は低下した という安心感が徐々に高まるとみておりますが 当面は不安を払拭できない展開となりそうです 指数 - 2 -
4. 各資産の見通し ( 第 四半期 ) 内外株式 内外とも上下に振れるなか概ね横ばい推移を予想します ただし日本と米国の金融政策の方向性が異なること ( 利上げが視野に入った米国と異次元緩和の出口は見えない日本 ) 及び引き続き年金資金等の株式比率引き上げ観測 日本銀行の株式 ETF 購入という 需要 が期待できる日本がやや優位とみております 米国は減速傾向を強めている景気の行方 原油安 ドル高の企業業績に対する影響 利上げ観測等を背景に神経質な展開を予想します 欧州では量的緩和開始後の急上昇は一服するでしょうが 底堅く推移すると思われます ポイント 900 800 700 600 500 400 300 200 00 000 900 800 700 グラフ 6: 東証株価指数 202 年度 203 年度 204 年度 205 年度 700 202 年 4 月 203 年 4 月 204 年 4 月 205 年 4 月 ポイントグラフ7: 米国 SP500 指数 2400 2200 2000 800 600 2200 400 200 202 年 4 月 203 年 4 月 204 年 4 月 205 年 4 月 内外債券 日本 欧州の量的緩和は継続し 流動性がグローバル市場に供給され続けるわけですから 長期金利は低い水準での展開が続くとみております ただし日本では国債市場の流動性が低下しており 引き続き新規発行のタイミング等で超長期ゾーン主導で一時的に金利が上昇する局面も見られると思われます 米国は経済指標 利上げ観測の綱引きとなるでしょうが 当面 0 年国債利回りは2 前後で推移 年後半とみられる利上げ前後より3 に向け上昇すると予測します.2 グラフ 8: 日本 0 年国債利回り 3.5 3 グラフ 9: 米国 0 年債利回り 3.00 0.8 2.5 0.6 0.60 2 0.4 0.2 202 年 4 月 203 年 4 月 204 年 4 月 205 年 4 月.5 202 年 4 月 203 年 4 月 204 年 4 月 205 年 4 月 - 3 -
為替 ドル円為替ですが 202 年末 アベノミクス 発動後に80 円から20 円 ジャンプ しその後 年半ほど00 円前後で推移しました 昨年 0 月の追加緩和で再び20 円ほど ジャンプ したわけですが 当面 20 円前後で推移するとみております 金融政策の方向性はドル円をサポートするはずですが このところ日本の経常収支が改善しており これまでの円売り材料から円買い材料へと変化しつつあること またこれ以上の円安には副作用も大きく警戒も強いことがドルの頭を抑えると考えます ユーロは量的緩和を背景に軟調な推移が続くと思われます 円 35 グラフ0: ドル円 30 27 25 20 5 0 05 00 95 90 85 80 75 202 年 4 月 203 年 4 月 204 年 4 月 205 年 4 月 円 60 50 40 30 20 0 グラフ : ユーロ円 00 90 202 年 4 月 203 年 4 月 204 年 4 月 205 年 4 月 23-4 -
205 年 月以降のレポート 月 5 日号 205 年金融市場の 初夢 月号 204 年度第 3 四半期の市場動向と今後の見通し 月 22 日号 原油価格急落の背景 影響と今後の見通し 2 月 5 日号 マイナス利回りの国債が急増 2 月 0 日号 案外 素直な 為替市場 2 月 27 日号 欧州中銀の量的緩和 3 月 0 日号 視野に入りつつある米国の利上げ 3 月 7 日号 年初から意外に強い円相場 3 月 9 日号 昨日のFOMC( 米国金融政策決定会合 ) について 4 月 3 日号 204 年度の金融市場 主役は日本銀行と欧州中央銀行 MU 投資顧問株式会社 登録番号金融商品取引業者関東財務局長 ( 金商 ) 第 33 号 一般社団法人日本投資顧問業協会会員一般社団法人投資信託協会会員 0-0062 東京都千代田区神田駿河台 2-3- 電話 03-5259-535 * 本資料に含まれている経済見通しや市場環境予測はあくまでも作成時点におけるものであり 今後予告なしに変更されることがあります * 本資料は情報提供を唯一の目的としており 何らかの行動ないし判断をするものではありません また 掲載されている予測は 本資料の分析結果のみをもとに行われたものであり 予測の妥当性や確実性が保証されるものでもありません 予測は常に不確実性を伴います 本資料の予測 分析の妥当性等は 独自にご判断ください * なお 資料中の図表は 断りのない限りブルームバーグ収録データをもとに作成しております - 5 -