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一部新興国市場が動揺 アルゼンチンは前四半期から経済危機に陥っていましたが トルコでは 6 月に再選された大統領が米国と対立したこと等を契機に 8 月に通貨が急落しました ブラジルや南アフリカ インドの通貨も下落が加速する局面が見られ 中国元も緩やかに値を下げました これまでのところ個別国の問題とい

【16】ゼロからわかる「世界経済の動き」_1704.indd

(2) 資産構成割合の推移 ( 給付確保事業 ) 1 資産配分実績の基本ポートフォリオからの乖離の推移 2 実践ポートフォリオと資産配分実績の推移 3. 運用受託機関 平成 29 年 3 月末現在 2

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1. 30 第 1 運用環境 各市場の動き ( 4 月 ~ 6 月 ) 国内債券 :10 年国債利回りは狭いレンジでの取引が続きました 海外金利の上昇により 国内金利が若干上昇する場面もありましたが 日銀による緩和的な金融政策の継続により 上昇幅は限定的となりました : 東証株価指数 (TOPIX)

Invesco Premia Plus Fund

株式市場 米国株 トランプ氏の政策への期待感後退で調整も MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場は上昇しました 11 月 8 日 ( 現地 ) に行われた大統領選挙でトランプ氏が当選し 減税やインフラ投資の拡大などの同氏の政策に注目が集まりました 債券市場では金利が上

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平成23年11月1日

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第 1 四半期運用実績 ( 概要 ) 運用利回り +1.54% 収益率 ( ) ( 第 1 四半期 ) (+1.02% 実現収益率 ( )) 運用収益額 +3,222 億円 総合収益額 ( ) ( 第 1 四半期 ) (+1,862 億円 実現収益額 ( )) 運用資産残高 ( 第 1 四半期末 )

1. 30 第 2 運用環境 各市場の動き ( 7 月 ~ 9 月 ) 国内債券 :10 年国債利回りは上昇しました 7 月末の日銀金融政策決定会合のなかで 長期金利の変動幅を経済 物価情勢などに応じて上下にある程度変動するものとしたことが 金利の上昇要因となりました 一方で 当分の間 極めて低い長

受益者の皆様へ 平成 28 年 2 月 15 日 弊社投資信託の基準価額の下落について 平素より弊社投資信託をご愛顧賜り 厚くお礼申しあげます さて 先週末 2 月 12 日 ( 金 ) 以下のファンドの基準価額が 前営業日の基準価額に対して 5% 以上下落しており その要因につきましてご報告いたし

サマリー 1 市場の関心は米大統領選の行方に集まっています 世論調査においてドナルド トランプ氏の優勢が報じられると 市場の更なる丌確実性が懸念され リスク資産からの資金流出が記録されました 10 月の MSCI 世界株価指数はマイナス 2.01% MSCI 新興国株価指数は 0.18% と新興国が

Microsoft PowerPoint - ï¼fiã••PAL镕年+第ï¼fiQ;ver5.pptx

株式市場 米国株 上値が重く神経質な展開 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場は下落しました FOMC( 米国連邦公開市場委員会 ) における利上げの有無 大統領選挙の動向 ドイツの大手銀行の資本不足懸念などに一喜一憂する展開となりました 月半ばにかけて 利上げ観測や原油

マクロ インサイト FRB FRB 長期金利 FRB bp 図表 1 FRB と市場の金利予測の乖離 FOMC 予測 vs 市場予測 年末 年末 2.0 市場が

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2017年上半期の為替相場展望

< 豪州債券市場の市況および今後の見通し > 2016 年の豪州債券市場では 金利が低下しました 年初から 2 月にかけては 中国株をはじめ世界の株式市場が下落するなど市場のリスク回避姿勢が強まる中 金利低下が進みました 1 月末に日銀のマイナス金利導入発表を受け 欧州など他国でもさらなる金融緩和期

平成 28 年度第 3 四半期退職等年金給付組合積立金運用状況 警察共済組合

株式市場 米国株 新政権の政策期待による上昇も一服 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場は上昇しました ISM( 全米供給管理協会 ) 指数など月初に発表された経済統計がおおむね良好であったことを受け 月前半の株式市場は堅調に推移しました 月半ば以降は 高値警戒感な

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米国株 投資家心理が落ち着けば 上昇基調に回帰と想定 株式市場 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 長期金利の上昇を契機に急落米国株式市場は下落しました 月初に発表された1 月の雇用統計において 時間当たり賃金が市場予想を上回る伸び率となったことを受けて 長期金利が約 4 年ぶ

退職等年金給付積立金 平成30年度第2四半期運用状況

株式市場 米国株 国内外の政治動向に注目 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 好調な企業決算発表を受けて上昇米国株式市場は上昇しました 月前半までは2017 年 1-3 月期の決算発表内容が総じて好調であったことが株価を支えました 月半ばには コミー前 FBI( 連邦捜査局 )

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第 2 四半期運用実績 ( 概要 ) 運用利回り +0.09% 実現収益率 ( ) ( 第 2 四半期 ) 運用収益額 億円 実現収益額 ( ) ( 第 2 四半期 ) 運用資産残高 ( 第 2 四半期末 ) 357 億円 年金積立金は長期的な運用を行うものであり その運用状況も長期的に

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( 億円 ) ( 億円 ) 営業利益 経常利益 当期純利益 2, 15, 1. 金 16, 額 12, 12, 9, 営業利益率 経常利益率 当期純利益率 , 6, 4. 4, 3, 2.. 2IFRS 適用企業 1 社 ( 単位 : 億円 ) 215 年度 216 年度前年度差前年度

株式市場 米国株 国内の政策動向や海外の政治動向などに注目 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場はほぼ変わらずとなりました 月初には 2 月末のトランプ大統領の議会演説を好感して 株価は大幅上昇となりました しかし その後は 新政権の経済政策に対する期待が徐々に後退

平成 21 年 9 月 5 日 角山智 投資環境レポート (2009 年 9 月 ) 1. 主な株価指数 8 月は 中国株が大幅に値下がりしました 反面 出遅れていた英国株が好調です 市場 日本株 日本新興市場 J-REIT 米国株 英国株 中国株 ( 指数 ) (TOPIX) (JASDAQ) (

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目次 平成 29 年度 第 2 四半期運用実績 ( 概要 ) P 2 平成 29 年度 市場環境 ( 第 2 四半期 ) 1 P 3 平成 29 年度 市場環境 ( 第 2 四半期 ) 2 P 4 平成 29 年度 退職等年金給付組合積立金の資産構成割合 P 5 平成 29 年度 退職等年金給付組合

目 次 1. 平成 27 年度 ( 平成 27 年 4 月 ~ 平成 28 年 3 月 ) における運用環境について 2. 平成 27 年度 ( 平成 27 年 4 月 ~ 平成 28 年 3 月 ) のポートフォリオ別の運用状況 3. ベンチマーク インデックスの推移 ( 参考 ) 被保険者ポート

MONEX 個人投資家サーベイ 2016年2月調査

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当ページは 各種の信頼できると考えられる情報源から取得した情報に基づき アクサ生命保険株式会社が作成し提供するものです 情報の内容に関しては万全を期しておりますが その正確性 完全性については これを保証するものではありません 日本株式市場 運用環境 [ 2015 年 4 月 ~2016 年 3 月

Invesco Australian Bond Fund (Monthly)

<4D F736F F F696E74202D E835A838B94C5817A837D815B B834A E738FEA816A2E >

2012 年 10 月 15 日号

株式市場 米国株 先行き不透明感強いがファンダメンタルズは良好 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場は下落しました 堅調な経済指標の発表を受けて米国の年内利上げ観測が高まったことで 金利動向の影響を受けやすいディフェンシブセクターの一部が軟調に推移しました また 米

オーバルネクスト ETF 情報 2010 年 2 月 15 日号 ( 株 ) オーバルネクスト 東京都中央区日本橋兜町 13-2 TEL 03(5641)5777

株式市場 米国株 景気 企業業績は依然として堅調 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 貿易摩擦への懸念から下落米国株式市場は下落しました トランプ米大統領が鉄鋼やアルミニウムの輸入を制限する方針を表明したことから 世界的な貿易摩擦への懸念が高まり下落して始まりました その後 貿

平成30年度第1四半期における運用状況等

株式市場 米国株 高値警戒感の高まりなどから上昇一服も MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場は上昇しました トランプ政権で閣僚などの人事において一部で混乱が見られましたが トランプ大統領の発言などにより減税 金融規制緩和などへの期待が高まったことや 発表された米国企

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株式市場 米国株 年末商戦や金利動向に注目 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米中首脳会談への期待から上昇米国株式市場は上昇しました 前半は中間選挙の結果が市場の事前想定通りとなったことなどから安心感が広がり株価は上昇しました 中旬では一部のハイテク企業が需要見通しを引き下げたこと

MONEXグローバル個人投資家サーベイ

エコノミスト便り

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Microsoft PowerPoint - CSIS 【三井住友銀行】 USHYファンドの分配金について IM pptx

Outlook201812

2 / 4 < 足元の米国リート市場について > 月初来 四半期来 (2018 年 10 月以降 ) 米国リート 11.9% 10.4% 米国株式 14.7% 18.9% 2018 年 12 月 24 時点 ( 出所 ) ブルームバーグ米国株式 :S&P500 種株価指数 ( 米ドルベース トータル

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Outlook201806

ピクテ・インカム・コレクション・ファンド(毎月分配型)

金融政策決定会合における主な意見

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2018 年度第 3 四半期運用状況 ( 速報 ) 年金積立金は長期的な運用を行うものであり その運用状況も長期的に判断することが必要ですが 国民の皆様に対して適時適切な情報提供を行う観点から 作成 公表が義務付けられている事業年度ごとの業務概況書のほか 四半期ごとに運用状況の速報として公表を行うも

今回の金融政策報告書では 米国内の投資活動が弱いために輸出が想定ほど伸びていないとしながらも 金融業などサービス関連の好調さを示す分析や 商品価格下落がカナダ企業の投資活動を抑制する動きは底打ちしたとの指摘など カナダ景気に前向きな材料も散見されます 当面は 政策金利の据え置きを続けると見通します

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調査結果の要約 1. グローバル調査結果調査対象 : 日本 中国 ( ) の個人投資家 (1-1) 世界の株式市場見通し DI ( 注 ) は 3 地域そろって大幅上昇 各地域の個人投資家に今後 3 ヶ月程度の世界の株式市場に対する見通しを尋ねたところ 各地域とも前回調査 (17 年 5 月 ~6

国家公務員共済組合連合会 厚生年金保険給付積立金の令和元年度第 1 四半期運用状況 第 1 四半期末の運用資産額は 6 兆 7,376 億円となりました 第 1 四半期の収益額は 実現収益額が 512 億円 総合収益額が 128 億円となりました 第 1 四半期の収益率は 実現収益率 ( 期間率 )

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MONEX 個人投資家サーベイ 2016 年8 月調査

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変額年金 ( 特別勘定 ) の現況をご覧になる方に 特にご確認いただきたい事項 投資リスクについて 変額年金保険の特別勘定の資産運用は 国内外の株式および公社債 国内外のその他の有価証券 貸付金 コールローンおよび預貯金等を主な運用対象としておりますので 株価の下落や金利の変動 為替の変動などにより

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人民元週間レポート 2019 年 3 月 29 日発行 みずほ銀行 ( 中国 ) 有限公司 中国為替資金部

Outlook201608

HIGHLIGHTS 2018 年の資金流入額は 3 年ぶりに 4 兆円超えも 株式相場低迷で年後半は失速 2019 年 1 月 31 日 Vol 年の ETF を除く追加型株式投信の純設定額が +4.1 兆円と 2017 年を上回り 3 年ぶりの高水準 タイプ別で見ると外国株式型が

マネーマーケットマンスリー

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目次 1. 平成 29 年度第 1 四半期 ( 平成 29 年 4 月 ~6 月 ) における運用環境について 2. 平成 29 年度第 1 四半期 ( 平成 29 年 4 月 ~6 月 ) におけるポートフォリオ別の運用状況 3. ベンチマーク インデックスの推移 ( 参考 ) 用語の説明 頁 1

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日本株市場を泳ぐ 5 頭のクジラ SMBC 日興証券株式会社投資情報部 2016 年 10 月 4 日更新版

経済学でわかる金融・証券市場の話③

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エコノミスト便り【欧州経済】ユーロ圏はどのように財政を再建したか

米国の利上げ見送りと日本の長期化した金融緩和

ファンダの鬼・柳澤 浩と小杉 篤諭の「ファンダメンタルズの学び方、活かし方セミナー!」

グローバル株式市場を俯瞰する~2015年8月末データで見る市場動向~

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第 79 回 2017 年 5 月投資家アンケート調査結果 アンケート調査にご協力下さりました皆様 今年 5 月に実施致しましたアンケート調査にご回答下さり誠にありがとうございます このたび調査結果をまとめましたのでお送りさせていただきます ご笑覧賜れましたら幸 いです 今後もアンケート調査にご協力

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Transcription:

Global Market Outlook く lo 205 年 4 月号 204 年度第 4 四半期の市場動向と今後の見通し. 主役は日本株 右のグラフ は年度初からの内外 4 資産ベンチマ ーク収益率の推移です 204 年度最も収益率が 高かった資産は国内株式でした 第 4 四半期に限っ ても国内株式が 2 ケタの上昇率を遂げる一方 外国 株式の収益率は 台に留まり また内外債券は いずれもマイナスに転じました 外国株式について 40 35 30 25 20 5 0 グラフ : ベンチマーク収益率推移 第 四半期第 2 四半期第 3 四半期 第 4 四半期 収益率 () ( 第 4 四半期 ) 国内株式 +30.69 (+0.53) 外国株式 +23.54 (+.79) 外国債券 +2.28 (-3.07) は欧州株が量的緩和を好感し日本株を上回る上昇 5 国内債券 0 +2.97 を示したものの 米国株はほぼ横ばい またユーロ (-0.46) -5 為替が軟調に推移したことが足を引っ張りました -0 4 月 7 月 0 月 月外国債券も同様で 特に欧州の長期金利は大幅に 弊社低下しましたが 為替要因でマイナスに転じました 国内債券については 日本銀行の大量購入により市場の流動性が低下するなか 超長期ゾーンの金利が急上昇 ( 債券価格は下落 ) する局面も見られましたが 結局小幅のマイナスに留まりました 2. 欧州の バズーカ 第 4 四半期の最も大きなイベントは欧州中央銀行による大規模量的緩和でした 日本の 異次元緩和 同様に債券価格はもちろんのこと 株価や為替市場に大きな影響を与えました グラフ2は0 年国債利回りですが債務問題がピークを迎えた202 年前後 7 を越えたイタリアやスペインは 程度まで低下 景気に追い風となるばかりではなく 株価等の資産価格も押し上げました 年初からみると欧州株は日本や米国を凌駕しています またユーロ安も加速し 日本の円安と同じ効果を実体経済 企業業績にもたらしたと思われます 今年初 =00 グラフ 3: 日米欧株価 ( 年初来 ) 25 欧州ストックス600 指数 20 5 0 東証株価指数 05 00 米国 SP500 指数 95 月 2 月 3 月 4 月 グラフ 2: 欧州主要国 0 年国債利回り 8 7 6 5 4 3 2 イタリア スペイン 0 フランスドイツ - 2008 年 200 年 202 年 204 年 米ドル / ユーロ グラフ 4: ユーロ為替.6.5 ユーロ高.4.3.2. 0.9 0.8 999 年 200 年 2003 年 2005 年 2007 年 2009 年 20 年 203 年 205 年 - -

3. 米国景気 欧州 中東等での地政学リスク米国は年後半には2006 年以来の利上げに舵を切るとみられます しかし金融当局者は慎重な姿勢を崩しておらず 市場は 利上げに転じたとしてもそのペースは緩やかになるはず と安心しているようです 日本は大規模な 異次元緩和 を継続していますし 前ページのように欧州も量的緩和に踏み切ったわけで 引き続き金融面からの支援が期待できます しかしその効果は一巡しつつあり また以下のような不安材料も出てきていることから4~6 月期については株式市場 債券市場とも上下に振れるなか 概ね横ばいでの推移を予想します 米国景気の変調グラフ5は米国企業への景況感調査ですが 特に製造業で昨年末あたりから低下が顕著になりつつあります 昨年同様 悪天候の要因や西海岸の港湾ストの影響が指摘されていますが ドル高の悪影響等から軽い減速局面に入った可能性も否定できません 2 欧州政治ギリシャの財政問題はいよいよ佳境を迎えつつあります 政府の金庫はほとんど空に近い状態と推察されます 4 月に期日が到来したIMFへの借り入れについては返済 グラフ 5: 米国 ISM 指数 70 65 60 非製造業 55 製造業 50 45 40 35 30 2006 年 2008 年 200 年 202 年 204 年 資料 :ISM フ ルームハ ーク が行われたようですが ギリシャの新政権がユーログループと金融支援継続で合意できない場合 一時的に年金 公務員給料の支払いが滞る可能性も否定できません 一方 英国では5 月 7 日に総選挙が実施されます 結果次第では英国のEU 離脱憶測が高まることも想定されます またフランス スペイン等 多くの国で反ユーロを訴える政党が支持を伸ばしていることも懸念されます 3 BRICsの減速 2008 年に起きた 史上最悪の金融危機 を救った主役はBRICs 諸国でした 中国は大規模な財政政策を打ち出し ブラジル ロシア インド等 新興国がグローバル経済を牽引しました しかし中国は新政権が規律重視の姿勢を強め経済は徐々に減速 ブラジルはマイナス成長下でのインフレという苦境に陥っています ロシアは経済制裁の効果が如実に現れ始めました インドは比較的堅調とは言えますが 牽引役は荷が重いと言えるでしょう おそらく夏場あたりからは 米国経済は昨年と同様に悪天候による一時的減速 ギリシャ問題は土壇場で先送り 英国でも極端な政策変更の可能性は低下した という安心感が徐々に高まるとみておりますが 当面は不安を払拭できない展開となりそうです 指数 - 2 -

4. 各資産の見通し ( 第 四半期 ) 内外株式 内外とも上下に振れるなか概ね横ばい推移を予想します ただし日本と米国の金融政策の方向性が異なること ( 利上げが視野に入った米国と異次元緩和の出口は見えない日本 ) 及び引き続き年金資金等の株式比率引き上げ観測 日本銀行の株式 ETF 購入という 需要 が期待できる日本がやや優位とみております 米国は減速傾向を強めている景気の行方 原油安 ドル高の企業業績に対する影響 利上げ観測等を背景に神経質な展開を予想します 欧州では量的緩和開始後の急上昇は一服するでしょうが 底堅く推移すると思われます ポイント 900 800 700 600 500 400 300 200 00 000 900 800 700 グラフ 6: 東証株価指数 202 年度 203 年度 204 年度 205 年度 700 202 年 4 月 203 年 4 月 204 年 4 月 205 年 4 月 ポイントグラフ7: 米国 SP500 指数 2400 2200 2000 800 600 2200 400 200 202 年 4 月 203 年 4 月 204 年 4 月 205 年 4 月 内外債券 日本 欧州の量的緩和は継続し 流動性がグローバル市場に供給され続けるわけですから 長期金利は低い水準での展開が続くとみております ただし日本では国債市場の流動性が低下しており 引き続き新規発行のタイミング等で超長期ゾーン主導で一時的に金利が上昇する局面も見られると思われます 米国は経済指標 利上げ観測の綱引きとなるでしょうが 当面 0 年国債利回りは2 前後で推移 年後半とみられる利上げ前後より3 に向け上昇すると予測します.2 グラフ 8: 日本 0 年国債利回り 3.5 3 グラフ 9: 米国 0 年債利回り 3.00 0.8 2.5 0.6 0.60 2 0.4 0.2 202 年 4 月 203 年 4 月 204 年 4 月 205 年 4 月.5 202 年 4 月 203 年 4 月 204 年 4 月 205 年 4 月 - 3 -

為替 ドル円為替ですが 202 年末 アベノミクス 発動後に80 円から20 円 ジャンプ しその後 年半ほど00 円前後で推移しました 昨年 0 月の追加緩和で再び20 円ほど ジャンプ したわけですが 当面 20 円前後で推移するとみております 金融政策の方向性はドル円をサポートするはずですが このところ日本の経常収支が改善しており これまでの円売り材料から円買い材料へと変化しつつあること またこれ以上の円安には副作用も大きく警戒も強いことがドルの頭を抑えると考えます ユーロは量的緩和を背景に軟調な推移が続くと思われます 円 35 グラフ0: ドル円 30 27 25 20 5 0 05 00 95 90 85 80 75 202 年 4 月 203 年 4 月 204 年 4 月 205 年 4 月 円 60 50 40 30 20 0 グラフ : ユーロ円 00 90 202 年 4 月 203 年 4 月 204 年 4 月 205 年 4 月 23-4 -

205 年 月以降のレポート 月 5 日号 205 年金融市場の 初夢 月号 204 年度第 3 四半期の市場動向と今後の見通し 月 22 日号 原油価格急落の背景 影響と今後の見通し 2 月 5 日号 マイナス利回りの国債が急増 2 月 0 日号 案外 素直な 為替市場 2 月 27 日号 欧州中銀の量的緩和 3 月 0 日号 視野に入りつつある米国の利上げ 3 月 7 日号 年初から意外に強い円相場 3 月 9 日号 昨日のFOMC( 米国金融政策決定会合 ) について 4 月 3 日号 204 年度の金融市場 主役は日本銀行と欧州中央銀行 MU 投資顧問株式会社 登録番号金融商品取引業者関東財務局長 ( 金商 ) 第 33 号 一般社団法人日本投資顧問業協会会員一般社団法人投資信託協会会員 0-0062 東京都千代田区神田駿河台 2-3- 電話 03-5259-535 * 本資料に含まれている経済見通しや市場環境予測はあくまでも作成時点におけるものであり 今後予告なしに変更されることがあります * 本資料は情報提供を唯一の目的としており 何らかの行動ないし判断をするものではありません また 掲載されている予測は 本資料の分析結果のみをもとに行われたものであり 予測の妥当性や確実性が保証されるものでもありません 予測は常に不確実性を伴います 本資料の予測 分析の妥当性等は 独自にご判断ください * なお 資料中の図表は 断りのない限りブルームバーグ収録データをもとに作成しております - 5 -