成長戦略という観点からみた場合 海外からわが国への投資を妨げてい る税制上の要因があるのであれば 可能な限りこれを除去していくべきではないか 2 金融所得一体課税 ( 二元的所得課税 ) の議論について 基本的な方向性については異論はないが いくつか検証すべき点 留意すべき点があり 当面は他の施策を

Similar documents
1 各調整方式の比較 前提 : 法人実効税率 % 金融所得の税率 20% ( 配当軽課の場合の配当分の法人税率は 30%) 比較のポイント 適用税率 法人税率か所得税率か 金融所得課税一元化にマッチするか( 税率 損益通算 ) 簡素な制度か 特定口座への対応はか 法人の税負担は軽減されるか

(2) 源泉分離課税制度源泉分離課税制度とは 他の所得と全く分離して 所得を支払う者 ( 銀行 証券会社等 ) がその所得の支払の際に 一定の税率で所得税を源泉徴収し それだけで所得税の納税が完結するものです 1 対象となる所得代表的なものとして 預金等の利子所得 定期積金の給付補てん金等があります

6 課税上の取扱い日本の居住者又は日本法人である投資主及び投資法人に関する課税上の一般的な取扱いは 下記のとおりです なお 税法等の改正 税務当局等による解釈 運用の変更により 以下の内容は変更されることがあります また 個々の投資主の固有の事情によっては異なる取扱いが行われることがあります (1)

投資法人の資本の払戻 し直前の税務上の資本 金等の額 投資法人の資本の払戻し 直前の発行済投資口総数 投資法人の資本の払戻し総額 * 一定割合 = 投資法人の税務上の前期末純資産価額 ( 注 3) ( 小数第 3 位未満を切上げ ) ( 注 2) 譲渡収入の金額 = 資本の払戻し額 -みなし配当金額

【表紙】

上場株式等の譲渡益に係る課税 上場株式等の税金について 上場株式等の譲渡益に係る税率は以下の通りです 平成 25 年 1 月 1 日 ~ 平成 25 年 12 月 31 日 平成 26 年 1 月 1 日 ~ 平成 49 年 12 月 31 日 平成 50 年 1 月 1 日 ~ % (

iii. 源泉徴収選択口座への受入れ源泉徴収ありを選択した特定口座 ( 以下 源泉徴収選択口座 といいます ) が開設されている金融商品取引業者等 ( 証券会社等 ) に対して 源泉徴収選択口座内配当等受入開始届出書 を提出することにより 上場株式等の配当等を源泉徴収選択口座に受け入れることができま

新しい非居住者債券所得非課税制度の概要 < 平成 22 年度税制改正前の制度の概要 > 非居住者等が受ける振替国債及び振替地方債のについては 一定の手続要件を満たせば非課税とされていました しかし 非居住者等が受ける振替社債等のについては 原則 15% の税率により源泉徴収課税がなされていました 非

公共債の税金について Q 公共債の利子に対する税金はどのようになっていますか? 平成 28 年 1 月 1 日以後に個人のお客様が支払いを受ける国債や地方債などの特定公社債 ( 注 1) の利子については 申告分離課税の対象となります なお 利子の支払いを受ける際に源泉徴収 ( 注 2) された税金

公共債の税金について Q 公共債の利子に対する税金はどのようになっていますか? 平成 28 年 1 月 1 日以後に個人のお客様が支払いを受ける国債や地方債などの特定公社債 ( 注 1) の利子については 申告分離課税の対象となります なお 利子の支払いを受ける際に源泉徴収 ( 注 2) された税金

 

「経済政策論(後期)《運営方法と予定表(1997、三井)

(ⅲ) 源泉徴収選択口座への受入れ 源泉徴収ありを選択した特定口座 ( 以下 源泉徴収選択口座 といいます ) が開設されている金融商品取引業者等 ( 証券会社等 ) に対して 源泉徴収選択口座内配当等受入開始届出書 を提出することにより 上場株式等の配当等を源泉徴収選択口座に受け入れることができま

第5回基礎問題小委員会 礎5-4

[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

e. 未成年者に係る少額上場株式等の非課税口座制度 ( ジュニア NISA) 未成年者に係る少額上場株式等の非課税口座制度に基づき 証券会社等の金融商品取引業者等に開設した未成年者口座において設定した非課税管理勘定に管理されている上場株式等 ( 平成 28 年 4 月 1 日から平成 35 年 12

49 年 12 月 31 日までの間 源泉徴収される配当等の額に係るの額に対して 2.1% の税率により復興 特別が源泉徴収されます b. 出資等減少分配に係る税務個人投資主が本投資法人から受取る利益を超える金銭の分配 ( 分割型分割及び株式分配並びに組織変更による場合を除く 以下本 1において同じ

1 1. 課税の非対称性 問題 1 年をまたぐ同一の金融商品 ( 区分 ) 内の譲渡損益を通算できない問題 問題 2 同一商品で 異なる所得区分から損失を控除できない問題 問題 3 異なる金融商品間 および他の所得間で損失を控除できない問題

Microsoft Word 役立つ情報_税知識_.doc

「経済政策論(後期)《運営方法と予定表(1997、三井)


<4D F736F F D208F8A93BE90C520926D8EAF94BB92E E291E >

株式等の譲渡(特定口座の譲渡損失と配当所得等の損益通算及び翌年以後への繰越し)編

Invincible

2 2 上場株式等 の範囲の拡大 上場株式等には 上場株式 上場投資信託の受益権 (ETF) 上場不動産投資法人の投資口 (REIT) 公募株式等証券投資信託の受益権が含まれていた 今回の租税特別措置法の改正により 発行者の情報が一般に公開され その商品内容を入手することが容易に可能な公社債を 上場

上場株式等の配当等に対する課税

平成平成 年度税制改正要望に関する基本的考え方 本年度は 東日本大震災からの復興支援を視野に入れつつ 以下の考え方を柱として 必要な税制上の措置を要望する 主な具体的要望項目 1. 東日本大震災からの復興支援 地方公共団体が委託者となる土地信託に係る登録免許税等の非課税措置 日本版レベニ

日本版スクーク ( イスラム債 ) に係る税制措置 Q&A 金融庁

【問】適格現物分配に係る会計処理と税務処理の相違

( 注 3) その他の少額上場株式等の非課税口座制度の詳細については 証券会社等の金融商品取引業者等にお問い合わせ下さ い b. 利益を超える金銭の分配に係る税務個人投資主が本投資法人から受取る利益を超える金銭の分配 ( 平成 27 年 4 月 1 日以後開始事業年度に係る利益を超える金銭の分配につ

債券税制の見直し(金融所得課税の一体化)に伴う国債振替決済制度の主な変更点について

経 [2] 証券投資信託の償還 解約等の取扱い 平成 20 年度税制改正によって 株式投資信託等の終了 一部の解約等により交付を受ける金銭の額 ( 公募株式投資信託等は全額 公募株式投資信託等以外は一定の金額 ) は 譲渡所得等に係る収入金額とみなすこととされてきました これが平成 25 年度税制改

( ロ ) 出資等減少分配に係る税務個人投資主が本投資法人から受取る出資等減少分配 ( 所得税法第 24 条に定めるものをいいます 以下 本 ( ロ ) 出資等減少分配に係る税務 において同じです ) のうち本投資法人の税務上の資本金等の額に相当する金額を超える金額がある場合には みなし配当 ( 計

Microsoft Word - NO.2 株式の譲渡 2.docx

法人会の税制改正に関する提言の主な実現事項 ( 速報版 ) 本年 1 月 29 日に 平成 25 年度税制改正大綱 が閣議決定されました 平成 25 年度税制改正では 成長と富の創出 の実現に向けた税制上の措置が講じられるともに 社会保障と税の一体改革 を着実に実施するため 所得税 資産税についても

公募株式投資信託の解約請求および償還時

1: とは 居住者の配偶者でその居住者と生計を一にするもの ( 青色事業専従者等に該当する者を除く ) のうち 合計所得金額 ( 2) が 38 万円以下である者 2: 合計所得金額とは 総所得金額 ( 3) と分離短期譲渡所得 分離長期譲渡所得 申告分離課税の上場株式等に係る配当所得の金額 申告分

投資主が受け取る配当等の額については 原則どおり配当等の額を受け取る際に20%( 所得税 )( 平成 25 年 1 月 1 日から平成 49 年 12 月 31 日までは復興特別所得税とあわせて20.42%) の税率により源泉徴収された後 総合課税の対象となります ( ロ ) 出資等減少分配に係る税

投資主の皆様へ 平成 29 年 3 月 マリモ地方創生リート投資法人 第 1 期分配金の税務上の取扱いに関するご説明 拝啓平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます さて 本投資法人は 平成 29 年 2 月 14 日開催の役員会において 第 1 期 ( 平成 28 年 12 月期 ) の (A)

「経済政策論(後期)」運営方法と予定表(1997、三井)

d. 少額上場株式等の非課税口座制度 ( 通称 NISA) 少額上場株式等の非課税口座制度に基づき 証券会社等の金融商品取引業者等に開設した非課税口座において設定した非課税管理勘定に管理されている上場株式等 ( 平成 26 年から平成 35 年までの 10 年間 新規投資額で毎年 100 万円を上限

2018年 租税法基礎答練1回

税法実務コース 所得税 学習スケジュール 回数 学 習 テ ー マ 内 容 第 1 章 テーマ1 所得税の仕組みテーマ2 所得税額の計算テーマ3 非課税所得 所得税の仕組み 税額計算 所得税が課税されないものについて学習します テーマ1 各種所得金額の計算の概要テーマ2 利子所得テーマ3 配当所得

<4D F736F F D A32398AFA5F494E A8E918EE582CC8A4682B382DC82D >

(****) 非課税口座に設けられる勘定は 毎年 非課税管理勘定 (NISA) 又は累積投資勘定 ( つみたて NISA) のいずれかに限ります 更に 2016 年 4 月 1 日から2023 年 12 月 31 日までの期間 未成年者に係る少額上場株式等の非課税口座制度 ( 通称ジュニアNISA)

税金読本(8-5)特定口座と確定申告

「個人投資家の証券投資に関する意識調査」の結果について

3. 改正の内容 法人税における収益認識等について 収益認識時の価額及び収益の認識時期について法令上明確化される 返品調整引当金制度及び延払基準 ( 長期割賦販売等 ) が廃止となる 内容改正前改正後 収益認識時の価額をそれぞれ以下とする ( 資産の販売若しくは譲渡時の価額 ) 原則として資産の引渡

 

スポンサー企業 増減資により 再生会社をスポンサー企業の子会社としたうえで 継続事業を新設分割により切り分ける 100% 新株発行 承継会社 ( 新設会社 ) 整理予定の事業 (A 事業 ) 継続事業 会社分割 移転事業 以下 分社型分割により事業再生を行う場合の具体的な仕組みを解説する の株主 整

相続の基礎 ~ 「相続」を学ぼう!! ~ 生前贈与①有価証券

1 繰越控除適用事業年度の申告書提出の時点で判定して 連続して 提出していることが要件である その時点で提出されていない事業年度があれば事後的に提出しても要件は満たさない 2 確定申告書を提出 とは白色申告でも可 4. 欠損金の繰越控除期間に誤りはないか青色欠損金の繰越期間は 最近でも図表 1 のよ

課税上の取扱い

積立 NISA の創設 1. 改正のポイント (1) 趣旨 背景 1 家計の安定的な資産形成を支援する観点から 少額の積立 分散投資を促進するための 積立 NISA が創設される (2) 内容 1 積立 NISA は 20 歳以上の居住者等が金融機関に開設した非課税口座内に 積立 NISA 専用の累

金融庁の税制改正要望について(1)

2. 改正の趣旨 背景給与所得控除 公的年金等控除から基礎控除へ 10 万円シフトすることにより 配偶者控除等の所得控除について 控除対象となる配偶者や扶養親族の適用範囲に影響を及ぼさないようにするため 各種所得控除の基準となる配偶者や扶養親族の合計所得金額が調整される 具体的には 配偶者控除 配偶

ワコープラネット/標準テンプレート

PG_第3期期末配当の取扱いに関するQA

(1) 相続税の納税猶予制度の概要 項目 納税猶予対象資産 ( 特定事業用資産 ) 納税猶予額 被相続人の要件 内容 被相続人の事業 ( 不動産貸付事業等を除く ) の用に供されていた次の資産 1 土地 ( 面積 400 m2までの部分に限る ) 2 建物 ( 床面積 800 m2までの部分に限る

費用並びに当該一般事務受託者 当該資産保管会社及び当該資産運用会社が立て替えた立替金の遅延利息又は損害金の請求があった場合は かかる遅延利息又は損害金を負担します 前記に加え 本投資法人は 原則として以下に掲げる費用を負担するものとし その詳細については 当該一般事務受託者 当該資産保管会社又は当該

特定口座一般口座株式等の譲渡 売却などが該当 ) による所得は 申告分離課税の対象となっており 原則として お客さまによる譲渡損益の計算や申告納税の手続きが必要です 特定口座には これらの事務負担を軽減する機能があります 特定口座の機能 上場株式等の譲渡損益の計算 管理を行います 特定口座内に保管す

 

概要 平成 27 年までと平成 28 年以後の証券税制の比較 平成 27 年までは 上場株式等 と 公社債等 の税制上の取扱いが異なっています 平成 28 年以後は 金融所得課税の一体化 により 上場株式等 と 公社債等 の税制上の取扱いが統一されます 平成 27 年まで 上場株式等 上場株式 公募

改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引


注 1 認定住宅とは 認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅をいう 注 2 平成 26 年 4 月から平成 29 年 12 月までの欄の金額は 認定住宅の対価の額又は費用の額に含まれる消費税等の税率が 8% 又は 10% である場合の金額であり それ以外の場合における借入限度額は 3,000 万円とする

税調第19回総会 資料3-3

P12 第 6 章個人向け国債国債の契約締結前交付書面 手数料などなど諸費用諸費用について 個人向け国債を中途換金する際 原則として下記により算出される中途換金調整額が 売却される額面金額に経過利子を加えた金額より差し引かれることになります ( 1 変動 10 年 : 直前 2 回分の各利子 ( 税

( 外国 ) 同上 ケース ( ) 相続人が取得した全 2 財産に対して課税 ( 外国 ) 国内財産に対しての み課税 ケース ( ) 相続人が取得した全 3 財産に対して課税 ( 外国 ) 同上 ( 平成 25 年度税制改正より ) ケース ( ) 被相続人 相続人いず 4 れも 5 年超居住の場

確定申告をする ( 下記のいずれか一方を選択 ) 総合課税 申告分離課税 確定申告をしない ( 確定申告不要制度 ) ( 注 1) 借入金利子の控除ありあり 税率累進税率上記 (ⅰ) と同じ 配当控除なし ( 注 2) なし - 上場株式等に係る譲渡損失との損益通算 なし あり 扶養控除等の判定 合

税調第20回総会 資料2-1

公社債税制の抜本改正(個人投資家編)<訂正版>

[Q1] 復興特別所得税の源泉徴収はいつから行う必要があるのですか 平成 25 年 1 月 1 日から平成 49 年 12 月 31 日までの間に生ずる所得について源泉所得税を徴収する際 復興特別所得税を併せて源泉徴収しなければなりません ( 復興財源確保法第 28 条 ) [Q2] 誰が復興特別所

贈与税の非課税特例 ①住宅取得等資金の贈与

( 注 3) 大口個人投資主 ( 配当基準日において発行済投資口総数の 3% 以上を保有 ) が 1 回に受け取る配当金額が 5 万円超 (6 か月決算換算 ) の場合には 必ず総合課税による確定申告を行う必要があります ( この場合には申告分離課税は 選択できません ) c. 源泉徴収選択口座への

源泉徴収票不交付の届出書 源泉徴収票不交付の届出書 源泉徴収票不交付の届出書 ( 英語版 ) 公的年金等の源泉徴収票 ( 及び同合計表 ) 平成 年分公的年金等の源泉徴収票 平成 年分公的年金等の源泉徴収票合計表 公的年金等の源泉徴収票 ( 及び同合計表 )( 平成 28 年 1 月 1 日以後提出

1 どちらかをご選択特定口座と客さま般口座の特定口座の概要 特定口座とは 個人のお客さまが公募株式投資信託を換金され利益が出た場合は 原則 確定申告が必要ですが お客さまの確定申告にかかる負担を軽減させるべく当金庫が納税の代行などを行う制度として 特定口座 があります 特定口座 をご利用いただくこと

Q. 確定申告は必要ですか? A. 今回の配当によるみなし譲渡損益が特定口座の計算対象とならない場合 または源泉徴収の無い特定口座や一般口座でお取引いただいている場合につきましては 原則として確定申告が必要になります 申告不要制度の適用可否を含め 株主の皆様個々のご事情により対応が異なりますので 具

Microsoft Word - g03817_wk_ _ _表紙_os2不動産_野村不動産OF_訂正届出書.doc

<4D F736F F D20837A815B B83578C668DDA BD90AC E937890C590A789FC90B382C98AD682B782E D81762E646F63>

土地の譲渡に対する課税 農地に限らず 土地を売却し 譲渡益が発生すると その譲渡益に対して所得税又は法人税などが課税される 個人 ( 所得税 ) 税額 = 譲渡所得金額 15%( ) 譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 - ( 取得費 + 譲渡費用 ) 取得後 5 年以内に土地を売却した場合の税率は30

税金読本(8-5)特定口座と確定申告

Microsoft Word - News_Letter_Tax-Vol.43.docx

「公的年金からの特別徴収《Q&A

この特例は居住期間が短期間でも その家屋がその人の日常の生活状況などから 生活の本拠として居住しているものであれば適用が受けられます ただし 次のような場合には 適用はありません 1 居住用財産の特例の適用を受けるためのみの目的で入居した場合 2 自己の居住用家屋の新築期間中や改築期間中だけの仮住い

上場株式等の住民税の課税方式の実質見直し

<4D F736F F D F95BD90AC E937890C590A789FC90B D88D38CA981698AAE816A C882C781A A2E646

平成30年公認会計士試験

平成18年度地方税制改正(案)について

株式等の譲渡(前年からの繰越損失を譲渡所得及び配当所得等から控除)編

Microsoft Word - 平成15年税制改正(2).doc

5 事業用の車両等を売却 ( 譲渡 ) した場合の売却益 ( 譲渡益 ) 売却損 ( 譲渡損 ) については 事業所得とはならない 総合課税の譲渡所得 ( 土地 建物以外 ) の扱いになり 所有期間 (5 年超か以下か ) によって長期譲渡所得 短期譲渡所得に区分される 6 使用可能期間が1 年未満

不動産の移転等のかかる主要な税制 不動産の移転等にかかる主要な税制は以下のとおりである ここに示した税制については その時点以降は法令等が変更されることになどより 変更される可能性がある また 実務上の法令の解釈 適用については 所管省庁 弁護士 税理士 会計士などの専門家の確認が必要となり 記載さ

スライド 1

住宅取得等資金の贈与に係る贈与税の非課税制度の改正

 

イ税務署へ確定申告書を提出し 所得税の住宅ローン控除の適用を受けている 退職所得 山林所得がある方 所得税の平均課税の適用を受けている方は 住宅ローン控除申告書を提出することにより控除額が大きくなる場合があります 申告書を提出される方は3 月 15 日 ( 月 ) までに申告してください 申告しなけ

所令要綱

税が課税される所得を生み出す事業活動に使われているか否かを基準に損金算入規制を設けていると考えられます 株式などの出資の取得のために資金を使った場合, 株式から生じる配当やキャピタルゲインは資本参加免税により非課税となります このケースでは, オランダでの課税所得を生じないことが想定されるため, 出

土地建物等の譲渡損失は 同じ年の他の土地建物等の譲渡益から差し引くことができます 差し引き後に残った譲渡益については 下記の < 計算式 2> の計算を行います なお 譲渡益から引ききれずに残ってしまった譲渡損失は 原則として 土地建物等の譲渡所得以外のその年の所得から差し引くこと ( 損益通算 )

Transcription:

資料 3 平成 22 年 6 月 21 日 金融庁 金融税制研究会 ( 第 4 回会合 ) プレゼン資料わが国資本市場強化のための税制改革 ~ 所得税を中心に 西村あさひ法律事務所弁護士 NY 州弁護士太田洋 1 基本的な視点 (1) 短期的な施策と中長期的政策目標との峻別金融所得一体課税の導入や配当の二重課税問題の解消については 理論的に解決すべき課題が多く 中長期的目標としては妥当であるとしても 当面の短期的施策としては 上場株式の譲渡益 配当課税についての軽減税率をどのように取り扱うか 金融所得の各所得分類内における損失の繰越控除の可否及び期間をどのように取り扱うか等につき まず優先して検討すべきではないか (2) わが国の資本市場を活性化するための政策誘導措置としての税制という視点 貯蓄から投資へ との目標が掲げられつつも 金融資産の大半が依然として貯蓄 ( 国債 ) に回され リスク資産への投資が進んでいない現実にどのように対処すべきか という観点から 当面は政策誘導的にリスク資産への投資を促す税制を採らざるを得ないのではないかかかる立場を採用した場合 金融商品間における課税上の中立性はある程度犠牲にしても 一定の期間 国が特定の金融商品への投資を政策的に誘導するという施策は十分あり得るのではないかその場合 経済の牽引車である上場企業の成長を優先するという観点から 上場株式の譲渡益 配当課税についての軽減税率を当面維持するという施策が合理的なのではないかなお 理論的には 損益通算の範囲拡大がリスク資産への投資を促すことになる というのは正しいテーゼであるが 現状の個人投資家の実態に照らすと 軽減税率の方が政策的有効性は高いといわざるを得ないのではないか また 金融所得以外の所得 ( 勤労所得 ) との損益通算を認めないのであれば 損益通算の範囲拡大の効果も限定的なのではないか (3) 海外からの我が国への投資促進という視点

成長戦略という観点からみた場合 海外からわが国への投資を妨げてい る税制上の要因があるのであれば 可能な限りこれを除去していくべきではないか 2 金融所得一体課税 ( 二元的所得課税 ) の議論について 基本的な方向性については異論はないが いくつか検証すべき点 留意すべき点があり 当面は他の施策を優先せざるを得ないのではないか 1 二元的所得課税を導入する場合 上場株式の譲渡益 配当についての軽減税率の維持は困難となるが それよりも各種の金融所得相互間の損益通算の拡大の方が政策的に優先すべき課題なのか 2 諸富委員のプレゼンでも指摘されているとおり 1991 年にスウェーデンが二元的所得課税を導入した背景には 住宅ローンの利子控除の 濫用 ( 当時のスウェーデンでは消費目的の借入利子についても控除が認められていた ) 1 と帰属所得への課税の不徹底によって 高所得者層による租税回避的な裁定取引が横行していた状況を是正するとの目的が存在していたところであるが わが国では負債利子控除は極めて限定的にしか認められておらず 2 1991 年当時のスウェーデンとは状況が異なるのではないか 3 ドイツでも 2009 年に投資所得一元課税制度 ( 金融所得一体課税 ) が導入される前は 株式譲渡は 1 年以内の投機的売買を除いて非課税であり 現在のわが国とは状況は異なる 4 2001 年に導入されたオランダのボックス タックス制度 ( 分類所得課税制度 ) は 資本性資産からの所得 ( ボックス 3) について 純資産額の 4% をみなし収益として 30% の比例税率で課税するというもので 実質的には 純資産額に対する 1.2% の富裕税に等しく わが国で直ちに導入するのは執行上も困難 5 わが国では 現状において capital flight( 資本逃避 ) の問題は ( 通貨統合が実現され 資本移動が自由化されており 金融資産のクロス ボーダーでの移動が活発な )EU 諸国のように深刻なのか わが国では 一部の超富裕層にそのような動きの萌芽があるものの 現状では 金融資産が 国内に 貯蓄に著しく偏った形で 貯め込まれているために資源の効率的な分配が妨げられていることが問題であっ 1 しかも当時はインフレが昂進しており 実質利子率はマイナスであった 2 わが国では住宅ローン減税は所得要件と控除額上限が厳格である - 2 -

6 7 て そうであるとすれば 対処すべき政策課題は 貯蓄から投資へ をより推し進めるということではないか ( 金融所得一体課税の議論では 金融商品間における課税の中立性が重視されるため 預貯金利子と株式投資等との間における課税上の取扱いの同一化が志向されることになるが それは 貯蓄から投資へ という動きに逆行しないか ) わが国では 現状において 金融商品間における課税上の中立性が強く要請される経済的実態は果たして存在するのか わが国の個人投資家には バランス ポートフォリオ的な運用を行っている投資家は余りおらず 特定の金融商品への選好が強い投資家が大部分ではないのか この点について実証的な検証が必要ではないか 吉井委員のプレゼンにおける CFP へのアンケート結果 ( 損益通算の範囲拡大よりも軽減税率維持が約 60%) 及び個人投資家へのアンケート結果 ( 約半数が損益通算の拡大は 分からない ) は 個人投資家の意識の実態を正確に表しているのではないか もし 特定の金融商品への選好が強い投資家が大部分なのであれば 政策目標としては まずは 金融商品間における水平的な損益通算の拡大よりも 同一金融商品についてのクロノロジカルな損益通算の拡大 ( 即ち 繰越控除期間の伸長や繰戻還付制度の創設 ) を優先すべきなのではないか ( なお ドイツでも株式の譲渡 損失は株式の譲渡益とのみ損益通算可能 但し 繰越控除期間は無制限 ) 同一金融商品のインカムゲイン ( ロス ) とキャピタルゲイン ( ロス ) との間における損益通算の拡大には合理性二元的所得税を導入する場合 税率はどのように設定するのか スウェーデンでは インフレを考慮した場合の勤労所得に対する税率とのバランスから資本所得に対する税率が 30%( なお 勤労所得に対する累進税率は 30~55% 3 法人実効税率は 26.3%) に設定されており 2009 年に金融所得一体課税が導入されたドイツでも 総合課税の対象となる所得について 15~45% の累進税率による課税がなされ 法人実効税率が 30.18% とされている中で 金融所得に対する税率が 26.375%(= 所得税 25%+ 連帯付加税 4 ) とされている このような状況に鑑みると わが国で二元的所得税を導入する場合には 税 3 スウェーデンでは 大半の給与所得者は 30% の税率による課税に服していると指摘されている 4 税率は所得税額の 5.5% - 3 -

8 9 率は 多くの金融商品について現在適用されている 20% よりも引き上げなければならなくなる可能性が高いが それは資本市場の強化とは逆行する可能性があるのではないか二元的所得税を導入する場合には 資本所得の補完税として資産保有課税が導入されることになる可能性がある ( もっとも スウェーデンでは 2007 年に中道右派連合政権の下で富裕税 ( 純資産税 ) 及び不動産税が廃止された 5 ) が それは資本市場の強化とは逆行する可能性があるのではないか二元的所得課税 ( スウェーデン型 : 不動産所得も比例税率で源泉分離課税 ) と差別的資本所得課税 ( ドイツ型 : 配当 利子 株式譲渡所得のみ比例税率で源泉分離課税 6 ) のどちらを選択するかについても詳細な検討が必要ではないか 3 配当の二重課税問題の処理について 配当の二重課税問題を完全に排除するためにはインピュテーション方式がもっとも優れていると考えられるが 当面の間は 吉井委員の提言に係る配当所得 2 分の 1 控除方式も有力な選択肢ではないか ただ 株式譲渡益 配当の軽減税率が維持されている間は 課税の公平性の観点にも鑑み 敢えて現状以上の調整を図る必要性はないのではないか むしろ 企業の競争力強化のために 企業間においては持株比率に拘わらず 受取配当の全額 ( 又は 95%) につき益金不算入を認めるべきではないか 1 2 3 ヨーロッパ諸国で近年インピュテーション方式が廃れてきたのは 同方式が資本移動の自由を保障する EU 憲章に違反するとの EU 裁判所の判決が下されたことに起因しており わが国でインピュテーション方式の採用を妨げる理由にはならない支払配当損金算入方式では わが国の課税ベースの浸食を防ぐためには外国法人及び非居住者への支払配当につき損金算入を認めないこととせざるを得ないが そのようにした場合には 外資系上場企業などから差別的取扱いであるとの批判を浴びることが必至インピュテーション方式であれば 外国法人及び非居住者への支払配 5 但し 2010 年 4 月に 野党の中道左派連合は 9 月の総選挙で勝利した場合には富裕税を復活させると表明している 6 株式譲渡益は株式譲渡損とのみ損益通算可能とされているが それ以外の金融所得は他の金融所得との間で損益通算可能とされている - 4 -

4 当については源泉徴収に関する還付を認めないことで上記 2 所定の問題には対応可能なお スウェーデンでは配当の二重課税に関する調整措置は存在せず ドイツでも 2009 年からの投資所得一元課税制度 ( 金融所得一体課税 ) の導入時に調整措置を全て廃止している ( 従前は配当所得 2 分の 1 控除方式で調整 ) ことに留意 4 貯蓄から投資へ を実現し わが国資本市場を活性化するための税制 短期的としては 1400 兆円に上るわが国の個人金融資産を 貯蓄から投資へ を誘導し わが国資本市場を活性化するために 税制上 以下のような施策を実施すべきではないか 1 2 3 4 5 上場株式の譲渡益 配当課税についての 10% の軽減税率の維持上場株式等の譲渡損失等についての繰越控除期間の 3 年間から 10 年間 7 への伸長と その他の金融所得のうち譲渡損失等についての繰越控除制度 ( 控除期間 10 年間 ) の創設公社債の利子 譲渡所得に対する課税方式を申告分離とした上で 相互に損益通算を可能に exchange tender offer( 株式を対価とする公開買付け ) に応じた株主についての譲渡所得の課税繰延べを可能に exchange tender offer に応じる株主については 対象会社の株式の取得原価の引継ぎを認め 譲渡所得の認識を繰り延べる措置を講じるべきではないか これにより キャッシュがなくても 100% 買収でない形の M&A を行うことが容易にできるようになり 経済の活性化に資する この措置は 金融庁コーポレート ガバナンス連絡会議において議論されている 株式を対価とする公開買付けについての規制緩和の議論とも整合的新株予約権の無償割当てによって割り当てられた上場新株予約権の特定口座への受入れを可能に ( なお これとのバランスから 株式無償割当てによって割り当てられた上場株式についても特定口座への受入れを可能に ) これにより ライツ イシューの実施がより容易になる 7 法人税の繰越控除期間である 7 年間と合わせるという考え方もあり得るが それに囚われる必要は余りないのではないか - 5 -

5 海外からわが国への投資促進のための措置 (1) 非居住者債券所得非課税制度における海外投資家の範囲の拡大振替国債 振替地方債を非居住者 外国法人 一定の外国投資信託が保有した場合 それらの利子に係る源泉税 (15%) が非課税と規定されている ( 措法 5 条の 2) が 平成 22 年度税制改正により非課税の対象になる債券の範囲が拡大され 新たに振替制度において取り扱われる社債 財投機関債 投資法人債 特定社債 転換社債型新株予約権付社債 短期社債の利子等についても非課税の対象とされた ( 措法 5 条の 3) しかしながら 本制度により非課税の対象となる海外投資家の範囲には海外のパートナーシップ等の事業体が明示的には含まれておらず 非課税制度の適用を事実上受けることができない これは 現行のわが国租税法では 海外の様々な種類の事業体がどのように取り扱われるべきか整備がなされていないためであると考えられる 従って パートナーシップ等の海外の事業体について ( 立法的措置も含めて ) 課税上の取扱いを明確化し 非課税制度の適用が受けることができる旨 明確化すべきである これにより 多様な海外投資家の投資資金を国内へ取り込むことが可能となる (2) 投資ファンドの海外投資家に係る PE 認定の緩和平成 21 年度税制改正により 日本で事業を行うファンドに投資する以下の全ての要件を満たす海外投資家 ( 以下 便宜上 特定外国組合員 という ) は 一定の手続の下で日本に PE を有しないものとされ これにより 特定外国組合員 が受ける利益の分配に対する 20% の源泉徴収の必要はなくなり 当該利益に係る申告納税も不要となった ( 措法 41 条の 21 同 67 条の 16) この 特定外国組合員 に該当するための要件は 1 有限責任組合員 (LP) であること 2 投資組合の業務を執行しないこと 3 投資組合の組合財産に対する持分割合が 25% 未満であること 4 無限責任組合員と特殊の関係にある者でないこと 5 国内に投資組合事業以外に係る事業の PE を有しないこと とされているが このうち特に2の要件 ( 措施令 26 条の 30 第 1 項 ) の認定が実務上厳格に過ぎるとの問題がある 単なるモニタリングを行うことや アドバイザリー コミッティーのような機関を通じて一定の業務執行への関与を行うだけのような場合には 2の要件に抵触しないものとすべきである (3) 投資ファンドの海外投資家に係る 25% 以上所有 5% 以上譲渡 ( 事業譲渡類似株式 ) の判定に関してのファンド合算規定の緩和 - 6 -

日本に PE を有しない海外投資家が日本企業の株式を譲渡した場合 原則として譲渡益は非課税とされるが 一定期間内に日本企業の株式の 25% 以上を所有し その株式を年間 5% 以上譲渡した場合には その株式譲渡益について課税される ( 事業譲渡類似株式等の譲渡益課税 )( 法法 141 条 4 号 法施令 187 条 6 項など ) この海外投資家に係る 25% 以上所有 5% 以上譲渡 の判定は その海外投資家の関連者の所有数又は譲渡数を含めて判定されるが 平成 17 年度税制改正以降 海外投資家がファンド経由で日本企業に投資する場合は その関連者の範囲に当該ファンドに投資をしている他の組合員が含まれることとなり その結果 ファンド形態による投資の場合 25% 以上所有 5% 以上譲渡 に該当するか否かの判定はファンド単位で行われることとなり ファンド単位で 25% 以上所有 5% 以上譲渡 に該当することとなった場合には 当該ファンドに投資する海外投資家はその株式譲渡益について課税され 日本で法人税 ( 所得税 ) の申告納税が必要とされることとなったこれについて 平成 21 年度税制改正により 日本に PE を有しない海外投資家がファンドを通じて行う一定の要件を満たす株式の譲渡については 25% 以上所有 5% 以上譲渡 に該当するか否かの判定はファンド単位から投資家単位で行われることになり これにより 投資家単位で 25% 以上所有 5% 以上譲渡 に該当しない場合は 海外投資家の株式 ( 不動産関連法人の株式を除く ) の譲渡益は原則として非課税とされ 当該譲渡益にかかる申告納税も不要となるものとされた ( 措法 41 条の 21 同 67 条の 16) この要件を充足するためには 1 前述の 特定外国組合員 が 投資組合を通じて行う株式譲渡であるか 2 特定外国組合員 には該当しないが i) 当該外国組合員が国内に PE を有さず ii) 有限責任組合員であって投資組合の業務を執行せず 且つ iii) 外国組合員ごとに計算した株式保有割合が 25% 未満である者が 投資組合を通じて行う株式譲渡であることが必要とされている しかしながら これについても 上記 (2) 同様 特定外国組合員 に該当するための要件や 2の ii) の要件を構成する 投資組合の業務を執行しないこと の要件 ( 措施令 26 条の 30 第 1 項 ) の認定が実務上厳格に過ぎるとの問題がある 単なるモニタリングを行うことや アドバイザリー コミッティーのような機関を通じて一定の業務執行への関与を行うだけのような場合には 2の要件に抵触しないものとすべきである 以上 - 7 -

主要国の配当に係る負担調整に関する仕組み ( 未定稿 ) (2010 年 1 月現在 ) 日本アメリカイギリスドイツフランス 法人段階 法人税率 30% 法人税率 35% 法人税率 28% 法人税率 15% + 税額の 5.5% の連帯付加税 法人税率 33 1/3% 個人株主段階における法人税と所得税の調整方式 確定申告不要又は 申告分離課税を選択 した場合 調整措置なし 総合課税を選択し 調整措置なし 部分的インピュ テーション方式 調整措置なし 分離課税を選択した場合 調整措置なし 総合課税を選択した場合 た場合 配当所得一部控 配当控除 除方式 ( 配当所得税額控除 ( 受取配当の 方式 ) 60% を株主の課 税所得に算入 ) 法人間配当 [ 持株比率 ][ 益金不算入割合 ] [ 持株比率 ][ 益金不算入割合 ] 全額益金不算入 95% 益金不算入全額益金算入ただし 持株比率 25% 未満 50% 20% 未満 70% が 5% 以上の会社 25% 以上 100% 20% 以上 80% から受け取る配 80% 未満 当については 受 80% 以上 100% 取配当額の 5% に 相当する額のみ 課税される ( 注 ) 1. 日本では 上場株式等の配当については源泉徴収されており 確定申告不要と総合課税とを選択することができる また 株式譲渡損との損益通算のために申告分離課税も選択することができる 2. アメリカにおいては 個人株主段階で配当所得に対し 総合課税を維持しつつ 通常税率 (10%~35% の 6 段階 ) に代えて 2010 年までの時限措置として軽減税率 (2008 年から 2010 年には 0% 15% の 2 段階 ) が適用されている 3. インピュテーション方式とは 受取配当のほか 受取配当に対応する法人税額の全部又は一部に相当する金額を個人株主の所得に加算し この所得を基礎として算出された所得税額から この加算した金額を控除する方式のことをいう 受取配当に対応する法人税額の全部を株主に帰属させる完全インピュテーションの場合 法人所得のうち配当に充てた部分に関する限り 二重課税は完全に排除される なお イギリスの部分的インピュテーション方式では 受取配当にその 1/9 を加えた額を課税所得に算入し 算出税額から受取配当額の 1/9 を控除する 4. ドイツでは 2008 年まで配当所得一部控除方式 ( 受取配当の 50% を株主の課税所得に算入 ) が採られていたが 2009 年から 利子 配当 キャピタルゲインに対する一律 25% の申告不要 ( 分離課税 ) が導入されたことに伴い 個人株主段階における法人税と所得税の調整は廃止された 以上 財務省 HP より - 8 -