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基本方針

平成 28 年熊本地震における対応 平成 28 年熊本地震 ( 前震 :4/14 本震 :4/16) において 電力 ガス等の分野で供給支障等の被害が発生 関係事業者が広域的な資機材 人員の融通を実施するなど 迅速な復旧に努めた結果 当初の想定よりも 早期の復旧が実現 また 復旧見通しを早い段階で提

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目 次 1. 想定する巨大地震 強震断層モデルと震度分布... 2 (1) 推計の考え方... 2 (2) 震度分布の推計結果 津波断層モデルと津波高 浸水域等... 8 (1) 推計の考え方... 8 (2) 津波高等の推計結果 時間差を持って地震が

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PowerPoint プレゼンテーション

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建築物等震災対策事業について

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本ワーキンググループにおけるこれまでの検討事項

耐震等級 ( 構造躯体の倒壊等防止 ) について 改正の方向性を検討する 現在の評価方法基準では 1 仕様規定 2 構造計算 3 耐震診断のいずれの基準にも適合することを要件としていること また現況や図書による仕様確認が難しいことから 評価が難しい場合が多い なお 評価方法基準には上記のほか 耐震等

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<GK クルマの保険 ( 車両保険 )> ( 自動車によるあて逃げに限ります ) お客さまのおクルマは 車両保険 に加入していますか? 自動車保険の車両保険では 一般車両 もしくは 10 補償限定 のいずれでも 台風や集中豪雨による洪水の事故が対象となります 地震 噴火またはこれらによる津波 によっ

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安全防災特別シンポ「原子力発電所の新規制基準と背景」r1

2011 年 12 月 15 日発行 東日本大震災リスク レポート ( 第 5 号 ) 次の大地震 大津波への対応 : 防災計画の見直しと企業に求められる対応 発行 : 三菱商事インシュアランス株式会社リスクコンサルティング室 はじめに 1 本年 3 月 11 日 ( 金 ) の東日本大震災の発生か

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報告書

1 想定地震の概要南海トラフで発生する地震は 多様な地震発生のパターンが考えられることから 次の地震の震源域の広がりを正確に予測することは 現時点の科学的知見では困難です そのため 本市では 南海トラフで発生する地震として 次の2つの地震を想定して被害予測調査を行いました (1) 過去の地震を考慮し

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表紙

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白紙のページ

東日本大震災発生時の石油供給 震災発生直後震災発生直後 地震 津波により東北の石油供給の拠点である仙台製油所や塩釜油槽所を始め 太平洋側の石油基地が操業停止 全国 27 製油所のうち東北 関東の6 製油所が操業停止し 石油精製能力は震災前の約 7 割に また 東北地方の約 4 割のガソリンスタンドが

した 気象庁は その報告を受け 今後は余震確率の公表方法を改めることとしたという 2. 被害状況 被害要因等の分析 (1) 調査方針本委員会は 以下の調査方針で 被害調査と要因分析を行っている 1 極めて大きな地震動が作用し 多数かつ甚大な建築物被害が生じた益城町及びその周辺地域に着目して検討を進め

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九州における 道の駅 に関する調査 - 災害時の避難者への対応を中心としてー ( 計画概要 ) 調査の背景等 道の駅 は 平成 16 年 10 月の新潟県中越地震 23 年 3 月の東日本大震災において 被災者の避難場所 被災情報等の発信や被災地救援のための様々な支援の拠点として活用されたことなどか

部分供給については 例えば 以下の3パターンが考えられる ( 別紙 1 参照 ) パターン1: 区域において一般電気事業者であった小売電気事業者 ( 又は他の小売電気事業者 ) が一定量のベース供給を行い 他の小売電気事業者 ( 又は区域において一般電気事業者であった小売電気事業者 ) がを行う供給

北栄町耐震改修促進計画の目的等 目的 本計画は 町民生活に重大な影響を及ぼす恐れのある地震被害から 町民の生命 財産を保護するとともに 地震による被害を軽減し 社会秩序の維持と公共の福祉に資するため 建築物の計画的な耐震化を促進することを目的とします 計画の実施期間 本計画の実施期間は 国及び県の実

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技術基準改訂による付着検討・付着割裂破壊検討の取り扱いについてわかりやすく解説

各省庁等における業務継続計画に係る取組状況調査 調査の目的 各省庁等における現在の業務継続計画に係る取組状況を把握し 東日本大震災等を受けた 今後の業務継続計画の改善策を検討するための資料とする 調査の対象 中央省庁業務継続連絡調整会議構成機関 オブザーバー機関 29 機関 構成員 :23 機関内閣

中部電力グループ アニュアルレポート2012

保険学会報告要旨

大阪湾広域臨海環境整備センターは、昭和57年3月に設立されて以来、30年余りにわたって、全国で唯一の府県域を超えた広域的な廃棄物の適正な最終処分を海面埋立てにより行う「フェニックス事業」を地方公共団体及び港湾管理者と一体となって推進してきたところであり

質問 4 過去において発生応力と応力状態 VIAs の基準値を 2.5 倍もの差があるケースは見たことがない 基準地震動を超える程度で重大な損傷を受ける可能性があり これで 工事計画 が認可される理由が分からない 何故認可したのかを明らかにして欲しい 回答 申請者は 本申請において原子力発電所耐震設

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目 次 1. トップランナー制度について 1トップランナー制度の概要について 3 2トップランナー基準に関する基本的な考え方について 5 3トップランナー基準に関する主な規定について 8 4トップランナー基準策定及び運用の流れについて 9 2. ラベリング制度について 1ラベリング制度の概要について

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地震動推計の考え方 最新の科学的知見や過去の被害地震を踏まえ 5 つの想定地震を設定し 検証 首都圏に甚大な被害が想定される東京湾北部地震について 震源深さが従来の想定より浅いという最新の知見を反映した再検証の実施 1703 年に発生した巨大地震 ( 元禄型関東地震 ) を想定し 本県への影響を新た

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別添 表 1 供給力確保に向けた緊急設置電源 ( その 1) 設置場所 定格出力 2 発電開始 2 運転開始 公表日 3 姉崎火力発電所 約 0.6 万 kw (0.14 万 kw 4 台 ) 平成 23 年 4 月 24 日平成 23 年 4 月 27 日 平成 23 年 4 月 15 日 袖ケ浦

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関東周辺のプレート境界と南関東地域で発生する地震のタイプ 関東周辺のプレート境界 南関東地域で発生する地震のタイプ 2 フィリピン 3 海プレート 北米プレート 4 太 太 平 平 洋 ート 6 6 レプーレトプ洋 1 地殻内の浅い地震 2 フィリピン海プレートと北米プレートの境界の地震

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< 現行 > 対象者医療区分 Ⅰ(Ⅱ Ⅲ 以外の者 ) 1 * 医療の必要性の低い者医療区分 Ⅱ Ⅲ 1 2 * 医療の必要性の高い者 ( 指定難病患者を除く ) 3 指定難病患者 2 生活療養標準負担額のうちにかかる部分 1 日につき32 1 日につき 1 日につき < 見直し後 > 対象者医療区

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FIT/ 非 FIT 認定設備が併存する場合の逆潮流の扱いに関する検討状況 現在 一需要家内に FIT 認定設備と非 FIT 認定設備が併存する場合には FIT 制度に基づく買取量 ( 逆潮流量 ) を正確に計量するため 非 FIT 認定設備からの逆潮流は禁止されている (FIT 法施行規則第 5

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Annex to compilation of comments

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HPIS

Transcription:

資料 3-3 地震を巡る最近の動きと 今後の対応について 平成 25 年 3 月経済産業省商務流通保安グループ

目次 ページ 1 産業保安各法令で求める耐震基準 2~3 2 地域係数のマップの比較 4 3 地震動予測の変化 5 4 想定する頻度による地震動の違い 6 5 東日本大震災を踏まえた耐震基準の検討結果 7 6 南海トラフ巨大地震 首都直下地震等の想定 8 7 地震を巡る今後の対応を検討するに当たり考慮すべき事項 9 1

産業保安各法令で求める耐震基準 1 産業保安各法令の体系の中では 特に地震発生時にリスクが高いと思われる設備につき 耐震基準を定めている この際 設備の種類によっては レベル 1 地震動 : 供用期間中に一度は発生する確率の高い地震動 レベル 2 地震動 : 発生確率は低いが 設置地点で想定される最高レベルの地震動それぞれについて 異なったレベルでの対応を求めている レベル 2 地震動の考え方は 平成 7 年の阪神 淡路大震災後に導入されたものである 概ね 地域毎の地震のリスクを踏まえて地域毎の係数を定めているが 設備の一部については 全国一律の基準とした指針を用いている 2

産業保安各法令で求める耐震基準 2 法律対象設備求める耐震レベル地域係数 高圧ガス保安法 ガス事業法 高圧ガス製造施設 ( 石油コンビナートの塔 貯槽 配管等 ) 高圧ガス設備等耐震設計基準 ( 告示 ) より ガス工作物 ( ガス発生設備 貯槽 高圧ガス導管等 ) 高圧ガス保安法の基準に準じた民間指針より 火力発電設備 (LNG 貯槽等 ) 高圧ガス保安法の基準に準じた民間指針より ( レベル 1) 有害な変形等が残留せず かつ 当該耐震設計構造物内の高圧ガスの気密性が保持されること 等 ( レベル 2) 耐震設計構造物内の高圧ガスの気密性が保持されること 等 ( 毒性ガス又は可燃性ガスを扱う設備のうち 量及び事業所の境界線までの距離の条件を満たすものについて適用 ) 高圧法の告示で地域係数を指定 ( 地域区分は 建築基準法をベースに 東海地震に対応して関東から中部の太平洋岸地域をかさ上げ ) ( ガス工作物 電気工作物については 民間の指針で規定 地域区分は高圧法と同一 ) 電気事業法 水力発電設備 ( ダム ) 発電用水力設備に関する技術基準を定める省令 発電用水力設備の技術基準の解釈について ( 内規 ) より 河川法体系の基準に準拠 ( レベル 1) ダム堤体に作用する荷重による応力が 使用するコンクリートごとにそれぞれの許容応力を超えてはならない ( レベル 2) その地域における最大級の地震動 に応じて ダムの貯水機能が維持されるとともに 生じた損傷が修復可能な範囲にとどまること を要求 ( 強制法規はないが 耐震性能の照査を推奨 ) ( レベル 1 のみ ) 解釈基準で地域係数を指定 ( 地域区分は建築基準法と同一 ) 1 変電設備 日本電気協会 変電所等における電気設備の耐震設計指針 より 2 送電設備 配電設備 設計基準は電気設備の技術基準を定める省令第 32 条 その他 平成 7 年資源エネルギー庁 ( 当時 ) 電気設備防災対策検討会 における検討より ( レベル 1) 個々の設備に重大な支障が生じないこと ( レベル 2) 著しい ( 長期的かつ広範囲 ) 供給支障が生じないよう 代替性の確保 多重化等により総合的にシステムの機能が確保されること 全国一律 3

地域係数のマップの比較 産業保安の各法律体系における現状の地域区分は 1980 年に策定された建築基準法の現行の地域係数に準じたものとなっている 建築基準法の地域係数は 過去の地震記録等により得られた各地域における地震動の期待値 ( これまでどの程度の地震動をどのくらいの回数経験しているか ) を統計的に処理し 工学的な判断を加え行政区域ごとに振り分けて定められた (1)(2) 電気事業法 ( ダム ) の地域区分については建築基準法と同一 (3) 高圧ガス保安法 ガス事業法及び電気事業法 ( 火力発電設備 ) については 建築基準法の区分をベースに 東海地震対策として東海地震に対応して関東から中部の太平洋岸地域をかさ上げ ( 特 A 地域 ) したものとなっている (4) (1) (2) (3) (4) 地域係数策定当時の地震活動度の評価 ( 再現期間 100 年 ) ( 新耐震設計法 ( 案 ) 建築研究報告 No.79 p.84 1977 より転載 ) 建築基準法の地域係数 電気事業法 ( ダム ) 高圧ガス保安法 ガス事業法 電気事業法 ( 火力発電設備 ) 4

地震動予測の変化 阪神 淡路大震災を契機に 全国にわたる総合的な地震防災対策を推進するための機関として 地震調査研究推進本部 が設置され 地震動の長期予測を行っており 全国レベルの 地震動予測地図 を平成 17 年から毎年発表している 最新の知見に基づく 100 年に一度程度発生すると予測される地震の震度分布を見ると 現行の地域区分の前提となった地震活動度とは一部異なった分布となっている 1 現行の建築基準法における地域係数策定当時の再現期間 100 年の地震活動度の評価 2 再現期間 100 年相当の震度分布 ( 平成 24 年から 50 年間に発生確率が 39% 以上 ) 色が濃い地域ほど高震度が想定されている ( 沖縄 ) 地域係数策定当時の地震活動度の評価 ( 再現期間 100 年 ) ( 新耐震設計法 ( 案 ) 建築研究報告 No.79 p.84 1977 より転載 ) J-SHIS( 地震調査研究推進本部の計算手法に基づく ( 独 ) 防災科学技術研究所の計算 ) より 5

想定する頻度による地震動の違い レベル 2 地震動は 発生確率は低いが 設置地点で想定される最高レベルの地震動 と定義されるが 具体的に再現期間 ( 何年に一度起こる地震まで含めるか という期間 ) を何年とするかによって 想定される震度には差が生じる 再現期間 1000 年相当の地図 ( 下記 1) と再現期間 1 万年相当の地図 ( 下記 2) では以下のような差となる 前者は主要な海溝型地震を 後者はほぼ全ての海溝型地震と主要活断層帯の地震を網羅したものである 1 再現期間 1000 年相当の震度分布 2 再現期間 1 万年相当の震度分布 色が濃い地域ほど高震度が想定されている ( 沖縄 ) ( 沖縄 ) J-SHIS( 地震調査研究推進本部の計算手法に基づく ( 独 ) 防災科学技術研究所の計算 ) より 6

東日本大震災を踏まえた耐震基準の検討結果 昨年度 東日本大震災の被害を踏まえ 総合資源エネルギー調査会において検討を実施した その結果 東日本大震災レベルの地震に対しては 現行の耐震基準が求める耐震性に概ね問題がないとの結論を得た 高圧ガス部会 電力安全小委委員会 ガス安全小委員会 審議状況 東日本大震災を踏まえ 高圧ガス部会において計 5 回審議し 平成 24 年 4 月に報告書を策定 東日本大震災を踏まえ 電気設備地震対策 WG において計 5 回審議し 平成 24 年 3 月に報告書を策定 東日本大震災を踏まえ 災害対策 WG において 計 4 回審議し 平成 24 年 3 月に報告書を策定 検討結果 球形貯槽のブレース破断 ( 脚部の筋交い ) を除き 通達及び耐震設計基準は 今回の地震において十分な効果を有していたと考える 球形貯槽のブレースについては 破断が 3 件発生していたことから 耐震設計基準等の見直し 補強の方法の検討を行う 各種の発電設備 送配電設備について 東日本大震災レベルの地震に対して 耐震性能は基本的に満足していると判断され 現行の確保すべき耐震性について変更の必要はないものと考えられるが 個別の設備ごとに 今回の検討で得られた知見を 今後 新増設 更新される設備の設計に反映 させるべきと提言 主要な製造設備 高圧ガス導管に被害が生じなかったことから 現行耐震設計基準は 妥当なものと評価できるので引き続き維持する と提言 7

< 地震動の想定 > 地震 南海トラフ沿いで発生する地震 南海トラフ巨大地震 首都直下地震等の想定 中央防災会議東北地方太平洋沖地震を教訓とした地震 津波対策に関する専門調査会の最終報告 ( 平成 23 年 9 月 ) においては 今後 地震 津波の想定を行うにあたっては あらゆる可能性を考慮した最大クラスの巨大な地震 津波を検討していくべきである とされている これを受けて 中央防災会議のワーキンググループにおいて 南海トラフ巨大地震の被害想定の検討及び首都直下地震の被害想定の見直しを実施中 本分科会におけるレベル 2 地震動についての検討は この結果も踏まえて行うことが必要である なお 必要な対策の考え方として 昨年 8 月の南海トラフ巨大地震に関する中間報告では 広範囲で発生する強い揺れに対しては 住宅 建築物の耐震診断 耐震改修 重要インフラの整備 耐震化等の取組を強化していくことが重要である とされている 予測 最大震度マグニチュード発生確率 1 7 広範囲 :10 県 151 市町村 例えば 南海トラフ巨大地震では 極めて広範囲で震度 7 の地震が発生すると想定されており 大きな影響が予想される 9.1 ( 南海トラフで発生し得る巨大地震の津波断層モデルの場合 ) 2-8.1 前後 ( 東南海地震 ) 8.5 前後 ( 南海 東南海地震同時 ) - 今後 30 年間に 70~ 80%( 東南海地震 ) 首都直下地震 3 7 7 程度 ( 南関東 ) 今後 30 年間に 70% 程度 ( 参考 ) 東日本大震災 7 9.0-1: 内閣府南海トラフの巨大地震モデル検討会第 2 次報告資料より ( 平成 24 年 8 月 ) 2 3: 文部科学省地震調査研究推進本部資料より (2: 平成 25 年 1 月 3: 平成 24 年 1 月 ) 8

地震を巡る今後の対応を検討するに当たり考慮すべき事項 新たな知見に基づいて耐震基準を見直していく場合には 以下のような事項を検討することが必要と思われるが 他にどのような事項が考えられるか 1 2 3 4 5 想定すべき地震動ハード面の防災 減災の技術的可能性ソフト面からの防災 減災の可能性経済的影響関係法令等との整合性 9