ロコアテープ 新医薬品の「使用上の注意」の解説

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ヒアルロン酸ナトリウム架橋体製剤 特定使用成績調査

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1)~ 2) 3) 近位筋脱力 CK(CPK) 高値 炎症を伴わない筋線維の壊死 抗 HMG-CoA 還元酵素 (HMGCR) 抗体陽性等を特徴とする免疫性壊死性ミオパチーがあらわれ 投与中止後も持続する例が報告されているので 患者の状態を十分に観察すること なお 免疫抑制剤投与により改善がみられた

Ⅰ. 改訂内容 ( 部変更 ) ペルサンチン 錠 12.5 改 訂 後 改 訂 前 (1) 本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合, 本剤の作用が増強され, 副作用が発現するおそれがあるので, 併用しないこと ( 過量投与 の項参照) 本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合, 本

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葉酸とビタミンQ&A_201607改訂_ indd

目次 C O N T E N T S 1 下痢等の胃腸障害 下痢について 3 下痢の副作用発現状況 3 最高用量別の下痢の副作用発現状況 3 下痢の程度 4 下痢の発現時期 4 下痢の回復時期 5 下痢による投与中止時期 下痢以外の胃腸障害について 6 下痢以外の胃腸障害の副

クラリチンドライシロップ 1% クラリチン錠 10mg クラリチンレディタブ錠 10mg 第 1 部申請書等行政情報及び添付文書に関する情報 (7) 同種同効品一覧 シェリング プラウ株式会社

モビコール 配合内用剤に係る 医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 販売名 モビコール 配合内用剤 有効成分 マクロゴール4000 塩化ナトリウム 炭酸水素ナトリウム 塩化カリウム 製造販売業者 EA ファーマ株式会社 薬効分類 提出年月 平成 30 年 10 月 1.1. 安全

ロコアテープに関する資料 本資料に記載された情報に係る権利及び内容についての責任は 大正製薬株式会社に帰属するものであり 当該情報を適正使用 以外の営利目的に利用することは出来ません 大正製薬株式会社

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スライド 1

症例報告書の記入における注意点 1 必須ではない項目 データ 斜線を引くこと 未取得 / 未測定の項目 2 血圧平均値 小数点以下は切り捨てとする 3 治験薬服薬状況 前回来院 今回来院までの服薬状況を記載する服薬無しの場合は 1 日投与量を 0 錠 とし 0 錠となった日付を特定すること < 演習

D961H は AstraZeneca R&D Mӧlndal( スウェーデン ) において開発された オメプラゾールの一方の光学異性体 (S- 体 ) のみを含有するプロトンポンプ阻害剤である ネキシウム (D961H の日本における販売名 ) 錠 20 mg 及び 40 mg は を対象として

スライド 1

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相互作用DB

この薬を使う前に 確認すべきことは? 次の人は この薬を使用することはできません 消化性潰瘍のある人 重篤な血液の異常のある人 重篤な肝障害のある人 重篤な腎障害のある人 重篤な心機能不全のある人 重篤な高血圧症のある人 過去にロコアテープに含まれる成分や フルルビプロフェンで過敏な反応を経験したこ

より詳細な情報を望まれる場合は 担当の医師または薬剤師におたずねください また 患者向医薬品ガイド 医療専門家向けの 添付文書情報 が医薬品医療機器総合機構のホームページに掲載されています

2. 改訂内容および改訂理由 2.1. その他の注意 [ 厚生労働省医薬食品局安全対策課事務連絡に基づく改訂 ] 改訂後 ( 下線部 : 改訂部分 ) 10. その他の注意 (1)~(3) 省略 (4) 主に 50 歳以上を対象に実施された海外の疫学調査において 選択的セロトニン再取り込み阻害剤及び

使用上の注意 1. 慎重投与 ( 次の患者には慎重に投与すること ) 1 2X X 重要な基本的注意 1TNF 2TNF TNF 3 X - CT X 4TNFB HBsHBcHBs B B B B 5 6TNF 7 8dsDNA d


アビガン錠 200mg に係る 医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 販売名 アビガン錠 200mg 有効成分 ファビピラビル 製造販売業者 富士フイルム富山化学株式会社 薬効分類 提出年月 平成 30 年 10 月 1.1. 安全性検討事項 重要な特定されたリスク 頁 重要な潜在

(2) 健康成人の血漿中濃度 ( 反復経口投与 ) 9) 健康成人男子にスイニー 200mgを1 日 2 回 ( 朝夕食直前 ) 7 日間反復経口投与したとき 血漿中アナグリプチン濃度は投与 2 日目には定常状態に達した 投与 7 日目における C max 及びAUC 0-72hの累積係数はそれぞれ

減量・コース投与期間短縮の基準

タペンタ 錠 25mg タペンタ 錠 50mg タペンタ 錠 100mg に係る 販売名 タペンタ 錠 25mg タペンタ 錠 50mg 医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 有効成分 タペンタ 錠 100mg 製造販売業者 ヤンセンファーマ株式会社 薬効分類 821 提出年月 平成 30 年

ハイゼントラ20%皮下注1g/5mL・2g/10mL・4g/20mL

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経皮吸収型鎮痛消炎貼付剤 外皮用インドメタシン貼付剤 1. 改訂内容改訂後 ( 下線部は追加 変更箇所 ) 4. 妊婦 産婦 授乳婦等への使用妊婦又は妊娠している可能性のある婦人に対しては治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ使用すること 妊婦に対する安全性は確立していない 厚生労働

2017 年 9 月 画像診断部 中央放射線科 造影剤投与マニュアル ver 2.0 本マニュアルは ESUR 造影剤ガイドライン version 9.0(ESUR: 欧州泌尿生殖器放射線学会 ) などを参照し 前マニュアルを改訂して作成した ( 前マニュアル作成 2014 年 3 月 今回の改訂

日本医薬品安全性学会 COI 開示 筆頭発表者 : 加藤祐太 演題発表に関連し 開示すべき COI 関連の企業などはありません

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5_使用上の注意(37薬効)Web作業用.indd

添付文書情報 の検索方法 1. 検索条件を設定の上 検索実行 ボタンをクリックすると検索します 検索結果として 右フレームに該当する医療用医薬品の販売名の一覧が 販売名の昇順で表示されます 2. 右のフレームで参照したい販売名をクリックすると 新しいタブで該当する医療用医薬品の添付文書情報が表示され

3. 安全性本治験において治験薬が投与された 48 例中 1 例 (14 件 ) に有害事象が認められた いずれの有害事象も治験薬との関連性は あり と判定されたが いずれも軽度 で処置の必要はなく 追跡検査で回復を確認した また 死亡 その他の重篤な有害事象が認められなか ったことから 安全性に問

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「ガスメット錠10mg・20mg」「ガスメットD錠10mg・20mg」使用上の注意改訂のお知らせ

膿疱性乾癬の効能追加 ( 承認事項の 部変更承認 ) に伴う改訂 改訂内容 ( 該当部のみ抜粋 ) 警告 1.~3. 4. 関節リウマチ患者では, 本剤の治療を行う前に, 少なくとも 1 剤の抗リウマチ薬等の使用を十分勘案すること. また, 本剤についての十分な知識とリウマチ治療の経験をもつ医師が使

改訂後 ⑴ 依存性連用により薬物依存を生じることがあるので 観察を十分に行い 用量及び使用期間に注意し慎重に投与すること また 連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により 痙攣発作 せん妄 振戦 不眠 不安 幻覚 妄想等の離脱症状があらわれることがあるので 投与を中止する場合には 徐々に

ータについては Table 3 に示した 両製剤とも投与後血漿中ロスバスタチン濃度が上昇し 試験製剤で 4.7±.7 時間 標準製剤で 4.6±1. 時間に Tmaxに達した また Cmaxは試験製剤で 6.3±3.13 標準製剤で 6.8±2.49 であった AUCt は試験製剤で 62.24±2

Microsoft Word エリンダシン使注意.doc

5_使用上の注意(37薬効)Web作業用.indd

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た 18 歳以上の AD/HD 患者を対象に 日本人を含むアジア人によるプラセボ対照二重盲検比較試験及びその長期継続投与試験が現在実施されており 本剤の製造販売者によれば これらの試験成績に基づき 本剤の成人期 AD/HD 患者への追加適応に関する承認事項一部変更承認申請が行われる予定とされている

1. 医薬品リスク管理計画を策定の上 適切に実施すること 2. 国内での治験症例が極めて限られていることから 製造販売後 一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は 全 症例を対象に使用成績調査を実施することにより 本剤使用患者の背景情報を把握するとともに 本剤の安全性及び有効性に関するデータを

食欲不振 全身倦怠感 皮膚や白目が黄色くなる [ 肝機能障害 黄疸 ] 尿量減少 全身のむくみ 倦怠感 [ 急性腎不全 ] 激しい上腹部の痛み 腰背部の痛み 吐き気 [ 急性膵炎 ] 発熱 から咳 呼吸困難 [ 間質性肺炎 ] 排便の停止 腹痛 腹部膨満感 [ 腸閉塞 ] 手足の筋肉の痛み こわばり

( 別添 ) 御意見 該当箇所 一般用医薬品のリスク区分 ( 案 ) のうち イブプロフェン ( 高用量 )(No.4) について 意見内容 <イブプロフェン ( 高用量 )> 本剤は 低用量製剤 ( 最大 400mg/ 日 ) と比べても製造販売後調査では重篤な副作用の報告等はない 一方で 今まで

1. 重篤な不正出血の発現状況 ( 患者背景 ) (1) 患者背景 ( 子宮腺筋症 子宮筋腫合併例の割合 ) 重篤な不正出血発現例の多くは子宮腺筋症を合併する症例でした 重篤な不正出血を発現した 54 例中 48 例 (88.9%) は 子宮腺筋症を合併する症例でした また 子宮腺筋症 子宮筋腫のい

アデフロニックズポ12.5/アデフロニックズポ25/アデフロニックズポ50

プラザキサ服用上の注意 1. プラザキサは 1 日 2 回内服を守る 自分の判断で服用を中止し ないこと 2. 飲み忘れた場合は 同日中に出来るだけ早く1 回量を服用する 次の服用までに 6 時間以上あけること 3. 服用し忘れた場合でも 2 回量を一度に服用しないこと 4. 鼻血 歯肉出血 皮下出

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RA に対する長期投与試験 [RLN3] 13/26 投与群 WHO ART 器官別大分類基本語 有害事象の発現率 ( 安全性解析対象例 )(2) 全症例 YM mg BID 投与時 YM mg BID 以上増量時 自律神経系障害 8(5.1%)[8] 2(

シプロフロキサシン錠 100mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにシプロフロキサシン塩酸塩は グラム陽性菌 ( ブドウ球菌 レンサ球菌など ) や緑膿菌を含むグラム陰性菌 ( 大腸菌 肺炎球菌など ) に強い抗菌力を示すように広い抗菌スペクトルを

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副作用収集状況 市販直後調査期間中 (2011 年 4 月 11 日 ~2011 年 10 月 31 日 ) に収集された副作用は 200 例 258 件でした そのうち 重篤な副作用は 8 例 14 件でした 副作用の内訳を表 1 に示します 重篤な副作用は 高カルシウム血症 3 件 意識変容状態

用法・用量DB

レクタブル 2 mg 注腸フォーム 14 回に係る医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 販売名 レクタブル 2 mg 注腸フ 有効成分 ブデソニド ォーム14 回 製造販売業者 EA ファーマ株式会社 薬効分類 提出年月 平成 29 年 10 月 1.1. 安全性検討事項 重要な特


ロキソニン錠60mg・細粒10%

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資料 3 1 医療上の必要性に係る基準 への該当性に関する専門作業班 (WG) の評価 < 代謝 その他 WG> 目次 <その他分野 ( 消化器官用薬 解毒剤 その他 )> 小児分野 医療上の必要性の基準に該当すると考えられた品目 との関係本邦における適応外薬ミコフェノール酸モフェチル ( 要望番号

から (3) までの具体的な予定については添付 2 の図のとおりですので申し添 えます

医薬品の添付文書等を調べる場合 最後に 検索 をクリック ( 下部の 検索 ボタンでも可 ) 特定の文書 ( 添付文書以外の文書 ) の記載内容から調べる場合 検索 をクリック ( 下部の 検索 ボタンでも可 ) 最後に 調べたい医薬品の名称を入力 ( 名称の一部のみの入力でも検索可能

用法 用量 発作性夜間ヘモグロビン尿症における溶血抑制 mg mg mg mg kg 30kg 40kg 20kg 30kg 10kg 20kg 5kg 10kg 1900mg mg mg mg

糖尿病経口薬 QOL 研究会研究 1 症例報告書 新規 2 型糖尿病患者に対する経口糖尿病薬クラス別の治療効果と QOL の相関についての臨床試験 施設名医師氏名割付群記入年月日 症例登録番号 / 被験者識別コード / 1/12

ポプスカイン0.75% 注シリンジ 75mg /10 院 Popscaine 75mg /10 院 / 筒 丸石 薬価 円 / 筒 効 硬膜外麻酔 用 ( 注 )1 回 150mg ( 本剤として20 院 ) までを硬膜外腔に投与 禁 大量出血やショック状態, 注射部位またはその周辺に

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デベルザ錠20mg 適正使用のお願い

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恩賜第 42 回社会福祉法人財団済生会中央治験審査委員会 会議の記録の概要 開催日時 平成 28 年 1 月 13 日 ( 水 )15:30~17:17 開催場所 出席委員名 東京都港区三田 三田国際ビル 21 階 社会福祉法人 恩賜財団済生会本部事務局中会議室 豊島

ロペラミド塩酸塩カプセル 1mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにロペラミド塩酸塩は 腸管に選択的に作用して 腸管蠕動運動を抑制し また腸管内の水分 電解質の分泌を抑制して吸収を促進することにより下痢症に効果を示す止瀉剤である ロペミン カプセル

第 66 回厚生連病院共同治験審査委員会 会議の記録の概要 開催日時開催場所出席委員名 議題及び審議結果を含む主な議論の概要 2018 年 09 月 19 日 18 時 00 分 ~18 時 20 分日本文化厚生農業協同組合連合会 8 階中会議室高瀬浩造 西田博 板井勉 田中克巳 江口善美 山崎きよ

緒言


審査結果 平成 25 年 9 月 27 日 [ 販売名 ] アナフラニール錠 10 mg 同錠 25 mg [ 一般名 ] クロミプラミン塩酸塩 [ 申請者名 ] アルフレッサファーマ株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 25 年 5 月 17 日 [ 審査結果 ] 平成 25 年 4 月 26 日開

扶桑薬品工業 再審査結果のお知らせ 無水エタノール注

ピルシカイニド塩酸塩カプセル 50mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにピルジカイニド塩酸塩水和物は Vaughan Williams らの分類のクラスⅠCに属し 心筋の Na チャンネル抑制作用により抗不整脈作用を示す また 消化管から速やかに

3 病床数 施設 ~19 床 床 床以上 284 (3 施設で未回答 ) 4 放射線専門医数 ( 診断 治療を含む ) 施設 ~5 人 226 6~10 人 人

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タフィンラーカプセル50mg/75mg、メキニスト錠0.5mg/2mg 添付文書改訂のお知らせ

改訂後改訂前 << 効能 効果に関連する使用上の注意 >> 関節リウマチ 1. 過去の治療において 少なくとも1 剤の抗リウマチ薬 ( 生物製剤を除く ) 等による適切な治療を行っても 疾患に起因する明らかな症状が残る場合に投与すること 2. 本剤とアバタセプト ( 遺伝子組換え ) の併用は行わな

改訂後 用法 用量 用法 用量 カンデサルタン錠 2mg 4mg 8mg 12mg オーハラ の場合 高血圧症 高血圧症通常 成人には1 日 1 回カンデサルタンシレキセ通常 成人には1 日 1 回カンデサルタンシレキセチルとして4~8mgを経口投与し 必要に応じチルとして4~8mgを経口投与し 必

あった AUCtはで ± ng hr/ml で ± ng hr/ml であった 2. バイオアベイラビリティの比較およびの薬物動態パラメータにおける分散分析の結果を Table 4 に示した また 得られた AUCtおよび Cmaxについてとの対数値

スイッチ OTC 医薬品の候補となる成分についての要望 に対する見解 1. 要望内容に関連する事項 組織名日本消化器病学会 要望番号 H28-11 H28-12 H28-16 成分名 ( 一般名 ) オメプラゾール ランソプラゾール ラベプラゾールオメプラゾール : 胸やけ ( 胃酸の逆流 ) 胃痛

査を実施し 必要に応じ適切な措置を講ずること (2) 本品の警告 効能 効果 性能 用法 用量及び使用方法は以下のとお りであるので 特段の留意をお願いすること なお その他の使用上の注意については 添付文書を参照されたいこと 警告 1 本品投与後に重篤な有害事象の発現が認められていること 及び本品

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タケキャブ錠 10 mg 他に係る医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 ( 別紙様式 ) 販売名 タケキャブ錠 10 mg 同 20 mg 有効成分 ボノプラザンフマル酸塩 製造販売業者 武田薬品工業株式会社 薬効分類 提出年月 2018 年 4 月 1.1. 安全性検討事項 重要

学術委員会学術第 1 小委員会 慢性腎臓病(CKD) 患者への適正な薬物療法に関する調査 研究 ~ 腎機能低下患者への投与に関係する添付文書記載の問題点の調査 ~ 委員長東京薬科大学薬学部医療実務薬学教室竹内裕紀 Hironori TAKEUCHI 委員白鷺病院薬剤科和泉智 Satoshi IZUM

改訂後 ( 下線 : 追加記載 ) 改訂前 ( 下線 : 削除 ) 使用上の注意 1) 腎障害のある患者 [ 高い血中濃度が持続するおそれがある ]( 用法 用量に関連する使用上の注意 の項参照 ) 2)~ 4) 現行のとおり テオフィリン リトナビル 中枢神経抑制剤アルコール ( 飲酒 ) ピルシ

議題 3. ファイザー の依頼による白血病患者を対象とした SKI-606 の第 Ⅲ 相試験 ( 整理番号 :476) 議題 4. 武田バイオ開発センター の依頼による第 Ⅰ 相試験 ( 整理番号 : 487) 議題 5. ノバルティスファーマ の依頼による肺動脈性肺高血圧症患者を対象とした QTI

医療機器添付文書の手引書第 5 版 第 3 章第 3 節 < テンプレート > についての補足解説 1. パルスオキシメータ (WG2 6.1から6.4) テンプレートを利用する場合 以下 5 点の解説を参照すること パルスオキシメータ ( 本体 ) 6.2 パルスオキシメータ ( 一体

はじめに この 成人 T 細胞白血病リンパ腫 (ATLL) の治療日記 は を服用される患者さんが 服用状況 体調の変化 検査結果の経過などを記録するための冊子です は 催奇形性があり サリドマイドの同類薬です は 胎児 ( お腹の赤ちゃん ) に障害を起こす可能性があります 生まれてくる赤ちゃんに

別紙様式 (Ⅱ)-1 添付ファイル用 商品名 : イチョウ葉脳内 α( アルファ ) 安全性評価シート 食経験の評価 1 喫食実績による食経験の評価 ( 喫食実績が あり の場合 : 実績に基づく安全性の評価を記載 ) 弊社では当該製品 イチョウ葉脳内 α( アルファ ) と同一処方の製品を 200

パリエット錠5mg、パリエット錠10mg、パリエット錠20mg

     医薬品インタビューフォーム 平成11年5月作成

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はじめに 変形性関節症は関節疾患の中で最も高頻度に見られる疾患であり その患者数は高齢者の増加に伴って当面増加が続くと推定されております 変形性関節症が進行すると介護や手術の必要性が高まるため 早期から適切に治療することが重要と言われています 非ステロイド性消炎鎮痛剤 ( 以下 NSAIDs) は変形性関節症の薬物療法において中心的に使用されてきました NSAIDs 経口剤では消化管障害の発現頻度が高いことから これを回避するため外用剤が開発されました しかし NSAIDs 外用剤は 経皮吸収性と標的部位である深部組織への移行性が不十分であると考え 大正製薬株式会社と株式会社トクホンはこれらを克服して 確実な臨床効果を示す NSAIDs 貼付剤を目指して共同開発を行ってきました ロコアテープはエスフルルビプロフェンとハッカ油を有効成分とする NSAIDs 外用剤です 主要な有効成分であるエスフルルビプロフェンは 経口剤は1970 年代から 貼付剤は1980 年代から使用されているフルルビプロフェン ( 光学異性体である S 体とR 体が1:1 で存在するラセミ体 ) の活性本体 ( S 体 ) です わが国で実施した臨床試験では 変形性膝関節症患者を対象としたプラセボまたは実薬との比較試験及び変形性関節症患者を対象とした長期投与試験などにおいて本剤の有効性及び安全性が確認されたことから 2014 年 10 月に医薬品製造販売承認申請を行い 2015 年 9 月に 変形性関節症における鎮痛 消炎 の効能 効果で製造販売承認を取得しました 本冊子では ロコアテープのご使用に際しての注意事項を項目ごとに解説いたしました 本剤の適正使用の一助になれば幸甚に存じます

目 次 効能 効果 2 用法 用量 2 用法 用量に関連する使用上の注意 2 禁忌 ( 次の患者には投与しないこと ) 4 使用上の注意 1. 慎重投与 ( 次の患者には慎重に投与すること ) 6 2. 重要な基本的注意 18 3. 相互作用 20 4. 副作用 24 (1) 重大な副作用 26 (2) その他の副作用 30 5. 高齢者への投与 32 6. 妊婦 産婦 授乳婦等への投与 36 7. 小児等への投与 38 8. 適用上の注意 38 9. その他の注意 38 変形性膝関節症患者を対象とした 2 週間試験 (OA) における副作用発現プロファイル ( 承認時 ) 40 変形性関節症患者を対象とした長期投与試験における副作用発現プロファイル ( 承認時 ) 41 安全性解析を行った各試験概要 42 1

効能 効果 / 用法 用量 / 用法 用量に関連する使用上の注意 効能 効果 変形性関節症における鎮痛 消炎 用法 用量 1 日 1 回 患部に貼付する 同時に 2 枚を超えて貼付しないこと 用法 用量に関連する使用上の注意 本剤 2 枚貼付時の全身曝露量がフルルビプロフェン経口剤の通常用量投与時と同程度に達することから 1 日貼付枚数は2 枚を超えないこと 本剤投与時は他の全身作用を期待する消炎鎮痛剤との併用は可能な限り避けることとし やむを得ず併用する場合には 必要最小限の使用にとどめ 患者の状態に十分注意すること アルミ内袋 ( 表 ) アルミ内袋 ( 裏 ) ライナー 2

法 用量に関連する使用上の注意能 効果/用法 用量/解 説 用効1 枚 10cm 14cm 中エスフルルビプロフェン 40mg 日局ハッカ油 36.2mg 健康成人男性を対象とした臨床薬理試験 高用量安全性試験 (SFPP-01-CP01) において 本剤 2 枚 ( エスフルルビプロフェン 80mg) 反復貼付 7 日目の全身曝露量 (AUC 0-23h :47000ng h/ml) は フルルビプロフェン経口剤 (40mg 1 日 3 回 ) の定常状態の全身曝露量 (AUC 0-24h ) ss :48000ng h/ml と同程度であったことから 用法 用量は 同時に2 枚を超えて貼付しないこと とし 用法 用量に関連する使用上の注意において 1 日貼付枚数の制限が必要となる根拠を記載し 重ねて注意喚起することとしました また 本剤は全身曝露が高く 既承認の貼付剤と同様の方法でNSAIDs 経口剤と併用されると消炎鎮痛成分の過剰投与につながる可能性があります これらにかかる懸念は用法 用量に関連した一連のものであることから 他の全身作用を期待する消炎鎮痛剤との併用の注意についても用法 用量に関連する使用上の注意に記載し 注意喚起することとしました なお 使用枚数に関する注意 1 日最大 2 枚まで を製品のアルミ内袋 ライナー部に記載してあります 参 考 本剤及び既存のフルルビプロフェン経口剤における反復投与時の未変化体の C max 及び AUC 0-23h ( 平均値 ± 標準偏差 ) の推定値は下表のとおりです 本剤及び既存のフルルビプロフェン経口剤の S 体の全身曝露量の比較 1 日用量用法 Cmax (ng/ml) 平均値 ± 標準偏差 エスフルルビプロフェン血漿中濃度 AUC0-23h (ng h/ml) 平均値 ± 標準偏差 ロコアテープ ( 反復 7 日目 ) 1) 40mg 2 1 日 1 回貼付 2,710 ± 669 47,000 ± 10,100 フルルビプロフェン経口剤 2) 40mg 3 1 日 3 回経口 4,100 ± 612 48,000 ± 7,760 3) 1) 大正製薬 ( 株 ) 社内資料 ( 健康成人を対象とした高用量安全性試験 ) 2) フルルビプロフェン錠 40mg の添付文書の薬物動態データを用い 定常状態におけるエスフルルビプロフェンの Cmax 及び AUC0-24h を算出した 3)AUC0-24h 3

禁忌 ( 次の患者には投与しないこと ) 禁忌 ( 次の患者には投与しないこと ) 1. 消化性潰瘍のある患者 ( ただし 慎重投与 の項参照 )[ プロスタグランジン合成阻害作用による胃粘膜防 御能の低下により 消化性潰瘍を悪化させるおそれがある ] 2. 重篤な血液の異常のある患者 [ 血液障害があらわれ 血液の異常を更に悪化させるおそれがある ] 3. 重篤な肝障害のある患者 [ 肝機能異常があらわれ 肝障害を更に悪化させるおそれがある ] 4. 重篤な腎障害のある患者 [ プロスタグランジン合成阻害作用による腎血流量の低下等により 腎障害を更に 悪化させるおそれがある ] 5. 重篤な心機能不全のある患者 [ プロスタグランジン合成阻害作用による水 ナトリウム貯留が起こり 心機能 不全が更に悪化するおそれがある ] 6. 重篤な高血圧症のある患者 [ プロスタグランジン合成阻害作用による水 ナトリウム貯留が起こり 血圧を更 に上昇させるおそれがある ] 7. 本剤の成分又はフルルビプロフェンに対し過敏症の既往歴のある患者 8. アスピリン喘息 ( 非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発作の誘発 ) 又はその既往歴のある患者 [ 喘息発作 を誘発するおそれがある ] 9. エノキサシン水和物 ロメフロキサシン ノルフロキサシン プルリフロキサシンを投与中の患者 ( 相互作用 の項参照 ) 10. 妊娠後期の女性 ( 妊婦 産婦 授乳婦等への投与 の項参照 ) 4

忌解 説 本剤 2 枚貼付時の全身曝露量がフルルビプロフェン経口剤の通常用量投与時と同程度に達することから フルルビプロフェン製剤の添付文書 1) を参考に記載しました 1. プロスタグランジン合成阻害作用による胃粘膜防御能の低下により 消化性潰瘍を悪化させるおそれがあるため 本剤の投与は避けてください ( 1. 慎重投与 (1) (2) P.6 参照 ) 2. 本剤の臨床試験では重篤な血液の異常のある患者における使用経験はありませんが トロンボキサン A2の生合成を抑制し 血小板凝集能を低下させること フルルビプロフェンにおいて血液障害があらわれ 血液の異常を更に悪化させるおそれがあることから 本剤の投与は避けてください 3. 本剤の臨床試験では重篤な肝障害患者における使用経験はありませんが フルルビプロフェンにおいて肝機能異常があらわれ 肝障害を更に悪化させるおそれがあるため 本剤の投与は避けてください ( 1. 慎重投与 (5) P.8 参照 ) 4. 本剤の臨床試験では重篤な腎障害患者における使用経験はありませんが フルルビプロフェンと同様にプロスタグランジン合成阻害作用による腎血流量の低下等により 腎障害を更に悪化させるおそれがあることから 本剤の投与は避けてください ( 1. 慎重投与 (6) P.10 4. 副作用 (1) 重大な副作用 2) P.26 参照 ) 5. 及び6. 本剤の臨床試験では重篤な心機能不全患者 重篤な高血圧症患者における使用経験はありませんが プロスタグランジン合成阻害作用により 水及びナトリウムの貯留が起こり 浮腫 高血圧症を呈する傾向があり また レニン -アンジオテンシン系のアンジオテンシンⅡ の血管収縮作用とプロスタグランジンの血管拡張作用のバランスが損なわれ 循環系のバランスが保てなくなるおそれがあることから 本剤の投与は避けてください ( 1. 慎重投与 (7) (8) P.14 参照 ) 7. 薬剤により過敏症を生じた患者に同一成分を含有する薬剤が再投与された場合 アレルギー症状を呈する可能性が高く ショック等の重篤な副作用を生じるおそれがあるため 本剤の成分又はフルルビプロフェンに対し過敏症の既往歴のある患者さんには 本剤の投与は避けてください ( 1. 慎重投与 (9) P.16 参照 ) 8. アスピリン及び非ステロイド性消炎鎮痛剤による喘息発作の原因は明らかではありませんが 機序としてシクロオキシゲナーゼ系の阻害によりリポキシゲナーゼ系が亢進し 喘息誘発作用を有するロイコトリエン類の生成が促進すること等が考えられるため 本剤の投与は避けてください ( 1. 慎重投与 (10) P.16 参照 )( 4. 副作用 (1) 重大な副作用 5) P.26 参照 ) 9. 本剤の臨床試験ではエノキサシン水和物 ロメフロキサシン ノルフロキサシン プルリフロキサシンとの併用経験はありませんが ニューキノロン系抗菌薬のGABA 阻害作用が併用により増強され痙攣があらわれるおそれがあり エノキサシン水和物 ロメフロキサシン ノルフロキサシンについてはフルルビプロフェンアキセチル ( 注射剤 ) との併用により痙攣があらわれたとの報告があり プルリフロキサシンについても痙攣があらわれるおそれがあることから これらの薬剤を使用する場合には 本剤の投与は避けてください ( 2. 重要な基本的注意 (5) P.18 参照 3. 相互作用 (1) 併用禁忌 P.20 参照 ) 10. 妊娠後期のラットに投与した試験において 分娩への影響として母動物の死亡 分娩遅延 出生率の低下及び死産児数の増加が認められたこと フルルビプロフェンを妊娠後期のラットに投与した実験で 胎児の動脈管収縮が高度であったと報告されていることなどから本剤の投与は避けてください ( 6. 妊婦 産婦 授乳婦等への投与 P.36 参照 ) 1) フロベン錠 40 フロベン顆粒 8% 添付文書 2012 年 4 月改訂 ( 第 13 版 ) 禁(次の患者には投与しないこと)5

使用上の注意 1. 慎重投与 ( 次の患者には慎重に投与すること ) (1) 非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与による消化性潰瘍のある患者で 本剤の長期投与が必要であり かつミソプロストール等による治療が行われている患者 [ ミソプロストール等による治療に抵抗性を示す消 化性潰瘍もあるので 本剤を継続投与する場合には 十分経過を観察し 慎重に投与すること ] (2) 消化性潰瘍の既往歴のある患者 [ 消化性潰瘍を再発させるおそれがある ] (3) 血液の異常又はその既往歴のある患者 [ 血液の異常を悪化又は再発させるおそれがある ] (4) 出血傾向のある患者 [ 血小板機能低下が起こり 出血傾向を助長するおそれがある ] 6

使用上の注意1慎重投与参考 解 説 本剤 2 枚貼付時の全身曝露量がフルルビプロフェン経口剤の通常用量投与時と同程度に達することから フルル ビプロフェン製剤の添付文書を参考に設定しました (1) 非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与にみられる胃潰瘍及び十二指腸潰瘍 を効能 効果として有するミソプロストールと非ステロイド性消炎鎮痛剤間における使用上の注意の整合を図る平成 10 年 2 月 3 日付の厚生省 ( 現厚生労働省 ) 医薬安全局安全対策課事務連絡により設定しました 非ステロイド性消炎鎮痛剤の投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制として その後承認されたエソメプラゾール等のプロトンポンプインヒビターの使用も考えられるため ミソプロストール等としました 非ステロイド性消炎鎮痛剤による消化性潰瘍のある患者さんで これらの薬剤を使用している場合には慎重に投与してください (2) 本剤の臨床試験において消化性潰瘍の既往歴のある患者への投与例に胃潰瘍及び十二指腸潰瘍が発現していること また 胃粘膜への直接作用やプロスタグランジン合成阻害作用による胃粘膜防御能の低下等により消化性潰瘍を再発させることがあることから 消化性潰瘍の既往歴のある患者さんには慎重に投与してください 消化性潰瘍の既往歴があり 胃潰瘍及び十二指腸潰瘍を発現した症例概要 ( 長期投与試験 :80mg 群 ) 事象名 性別年代 重篤性程度 合併症 貼付部位一日投与量 ( 投与期間 ) 発現までの貼付日数 処置 転帰 ( 転帰までの期間 ) 胃潰瘍 十二指腸潰瘍 男 70 代 非重篤軽度 非重篤軽度 なし 右膝 左膝 2 枚 (80mg) (125 日 ) 57 日目休薬 57 日目休薬 回復 (189 日後 ) 回復 (84 日後 ) 併用薬 : 精製ヒアルロン酸ナトリウム関節内注射液 ケトプロフェンテープ治療薬 : ポラプレジンク ファモチジン OD 既往歴 : 胃潰瘍 十二指腸潰瘍 貼付 57 日目の臨床検査にて赤血球数 ヘモグロビン量 ヘマトクリット値の経時的な低下が認められ 貼付 121 日後に実施した便潜血検査が陽性でした 貼付 141 日目に他院にて内視鏡検査を実施し 胃潰瘍一部瘢痕 ( ステージ H2 S1) 及び十二指腸潰瘍瘢痕 ( ステージ S2) が認められたことから 貼付 57 日目に遡って胃潰瘍及び十二指腸潰瘍が発現していたと判断されました 胃潰瘍の転帰は発現 189 日後に消失又は回復 十二指腸潰瘍の転帰は発現 84 日後に消失又は回復と判断されました (3) トロンボキサン A 2 の生合成を抑制し 血小板凝集能を低下させること また フルルビプロフェンにおいて血液障害があらわれ 血液の異常を更に悪化させるおそれがあるため 血液の異常又はその既往歴のある患者には慎重に投与してください (4) トロンボキサン A 2 の生合成を抑制し 血小板凝集能を低下させ 出血傾向を助長するおそれがあることから出血傾向のある患者には慎重に投与してください 7

使用上の注意 1. 慎重投与 ( 次の患者には慎重に投与すること ) (5) 肝障害又はその既往歴のある患者 [ 肝障害を悪化又は再発させるおそれがある ] 肝機能異常を合併とする基準観察開始時の ASTまたは ALTのいずれかが 医薬品等の副作用の重篤度分類基準について におけるグレード1 以上 * に相当かつ貼付開始時も同様の基準に相当 または SMQ(MedDRA 標準検索式 (Standardised MedDRA Queries)) で 肝障害 に該当する合併症あり *:1.25 基準範囲上限以上 または 50 U/L 観察開始時および貼付開始時に検査を実施している試験で一方のデータが欠測または不採用となった場合 他方のデータから判断する 8

用上の注意解 説 (5) フルルビプロフェンにおいて肝機能異常があらわれることがあり 肝障害を悪化又は再発させるおそれがあることから慎重に投与してください なお 本剤の臨床試験において肝機能関連疾患の既往歴のある患者 1 例に本剤が使用されましたが 副作用は発現しませんでした また 肝機能異常のある患者において肝機能がより悪化する傾向は認められませんでした 参 考 1使慎重投与皮膚炎 1 2 週間試験 (OA) 長期投与試験 肝機能異常合併なし 肝機能異常合併あり 肝機能異常合併なし 肝機能異常合併あり 40mg 40mg 40mg 80mg 40mg 80mg 安全性解析対象例数 531 21 93 89 8 11 副作用発現例数 (%) 24(4.5) 2 (9.5) 6 (6.5) 9 (10.1) 0 (0.0) 3 (27.3) 副作用発現件数 35 3 7 14 0 8 耳および迷路障害回転性めまい 1(0.2) 1 (0.2) 胃腸障害腹部不快感上腹部痛 4 (0.8) 3 (0.6) 1 (4.8) 1 (4.8) 3 (3.2) 1 (1.1) 5 (5.6) 1 (9.1) 1 (9.1) 1 (9.1) 十二指腸潰瘍消化不良胃潰瘍出血性胃潰瘍胃炎胃食道逆流性疾患嘔吐心窩部不快感 1 (0.2) 1 (0.2) 1 (1.1) 1 (1.1) 1 (1.1) 1 (1.1) 1 (1.1) 3 (3.4) 1 (1.1) 肝胆道系障害肝機能異常 1 (1.1) 1 (1.1) 臨床検査アラニンアミノトランスフェラーゼ増加アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加血中ビリルビン増加血中クレアチニン増加血中乳酸脱水素酵素増加血中尿素増加 18 (3.4) 1 (0.2) 1 (0.2) 2 (0.4) 6 (1.1) 2 (0.4) 10 (1.9) 1 (4.8) 1 (4.8) 1 (4.8) 2 (2.2) 1 (1.1) 1 (1.1) 4 (4.5) 2 (2.2) 1 (9.1) 1 (9.1) 好酸球数増加尿中ブドウ糖陽性尿中血陽性単球数増加尿中蛋白陽性便潜血陽性 1 (0.2) 2 (0.4) 1 (0.2) 1 (0.2) 1 (0.2) 1 (1.1) 2 (2.2) 1 (1.1) 1 (1.1) 良性 悪性および詳細不明の新生物 ( 嚢胞およびポリープを含む ) 大腸腺腫 1 (9.1) 1 (9.1) 皮膚および皮下組織障害発疹 1 (0.2) 1 (0.2) 1 (1.1) (1.1) 変形性関節症患者を対象とした臨床試験における肝機能異常を有する患者での副作用発現率は2 週間試験 (OA) で9.5%(2 例 /21 例 ) 長期投与試験で 80mg 群 27.3%(3/11 例 ) でした (40mg 群では合併症例での副作用なし ) 肝機能異常の有無別 投与期間別の副作用発現状況は以下の通りでした 肝機能異常合併の有無別での貼付部位以外の副作用発現状況 (2 週間試験 (OA):40mg 群 長期投与試験 :40mg 群 80mg 群 ) 9

使用上の注意 1. 慎重投与 ( 次の患者には慎重に投与すること ) (6) 腎障害又はその既往歴のある患者あるいは腎血流量が低下している患者 [ 腎障害を悪化又は再発あるいは 誘発させるおそれがある ] egfrを基に右記基準に基づき腎機能異常を層別下式により算出される推定糸球体濾過量男性 :194 クレアチニン 1.094 0.287 年齢女性 : 男性の egfr 0.739 なお 年齢は初回同意取得時 部分集団解析におけるクレアチニンは治験薬投与開始日の値を使用する 慢性腎臓病の重症度分類の基準に準じて層別した 90 egfr G1 正常または高値 60 egfr<90 G2 正常または軽度低下 30 egfr<60 G3a 軽度 中等度低下 G3b 中等度 高度低下 egfr<30 G4 高度低下 G5 末期腎不全 (ESKD) 10

用上の注意解 説 (6) フルルビプロフェンにおいて腎機能異常があらわれることがあり 腎障害を悪化又は再発させるおそれがあることから慎重に投与してください なお 本剤の臨床試験では 腎機能関連の既往歴のある患者における使用経験はありませんでした また 腎機能の低下した患者において腎機能がより悪化する傾向は認められませんでした 参 変形性関節症患者を対象とした臨床試験における腎機能異常を有する患者での副作用発現状況を慢性腎臓病の重症度分類の基準に準じて層別解析した結果は表 1(2 週間試験 (OA):40mg 群 ) 表 2( 長期投与試験 : 40mg 80mg 群 ) の通りでした 表 1 腎機能異常合併の有無別での貼付部位以外の副作用発現状況 (2 週間試験 (OA):40mg 群 ) 考 1使慎重投与発疹 1(1.1) egfr<30 30 egfr<60 60 egfr<90 90 egfr 40mg 40mg 40mg 40mg 安全性解析対象例数 0 103 362 87 副作用発現例数 (%) 12(11.7) 12(2.3) 2(2.3) 耳および迷路障害回転性めまい 1(1.0) 1(1.0) 胃腸障害腹部不快感嘔吐心窩部不快感 5(1.4) 4(1.1) 1(0.3) 1(0.3) 臨床検査アラニンアミノトランスフェラーゼ増加アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加血中ビリルビン増加血中クレアチニン増加血中乳酸脱水素酵素増加血中尿素増加好酸球数増加尿中ブドウ糖陽性尿中血陽性単球数増加 11(10.7) 1(1.0) 1(1.0) 1(1.0) 5(4.9) 1(1.0) 5(4.9) 1(1.0) 7(1.9) 1(0.3) 1(0.3) 1(0.3) 1(0.3) 1(0.3) 4(1.1) 1(0.3) 1(0.3) 1(1.1) 1(1.1) 1(1.1) 1(1.1) 尿中蛋白陽性 1(1.0) 皮膚および皮下組織障害 1(1.1) 11

使用上の注意 解 説 表 2 腎機能異常合併の有無別での貼付部位以外の副作用発現状況 ( 長期投与試験 :40mg 群 80mg 群 ) egfr<30 30 egfr<60 60 egfr<90 90 egfr 40mg 80mg 40mg 80mg 40mg 80mg 40mg 80mg 安全性解析対象例数 0 0 16 17 68 71 17 12 副作用発現例数 (%) 0 (0.0) 0 (0.0) 6 (8.8) 11 (15.5) 0 1 (8.3) 胃腸障害 腹部不快感上腹部痛十二指腸潰瘍消化不良胃潰瘍出血性胃潰瘍胃炎胃食道逆流性疾患 3 (4.4) 1 (1.5) 1 (1.5) 1 (1.5) 6 (8.5) 1 (1.4) 1 (1.4) 1 (1.4) 1 (1.4) 1 (1.4) 3 (4.2) 1 (1.4) 肝胆道系障害 肝機能異常 1 (1.4) 1 (1.4) 臨床検査血中クレアチニン増加血中尿素増加尿中血陽性尿中蛋白陽性便潜血 2 (2.9) 1 (1.5) 1 (1.5) 1 (1.5) 5 (7.0) 3 (4.2) 2 (2.8) 1 (1.4) 1 (1.4) 良性 悪性および詳細不明の新生物 ( 嚢胞およびポリープを含む ) 大腸腺腫 1 (8.3) 1 (8.3) 皮膚および皮下組織障害皮膚炎 1 (1.5) 1 (1.5) 12

用上の注意1使慎重投与13

使用上の注意 1. 慎重投与 ( 次の患者には慎重に投与すること ) (7) 心機能異常のある患者 [ 心機能異常を悪化させるおそれがある ] (8) 高血圧症のある患者 [ 血圧を上昇させるおそれがある ] 14

使用上の注意1慎重投与解 説 (7) (8) プロスタグランジン合成阻害作用により 水及びナトリウムの貯留が起こり 浮腫 高血圧症を呈する傾向があります また レニン - アンジオテンシン系のアンジオテンシンⅡ の血管収縮作用とプロスタグランジンの血管拡張作用のバランスが損なわれ 循環系のバランスが保てなくなるおそれがありますので慎重に投与してください なお 本剤の臨床試験において心機能に関する副作用として動悸が1 例報告され 血圧に関する副作用は報告されておりません 参 考 動悸を発現した症例概要 (2 週間試験 (OA):10mg 群 ) 事象名 性別年代 重篤性程度 合併症 貼付部位一日投与量 発現までの貼付日数 処置 転帰 ( 転帰までの期間 ) 悪心 非重篤軽度 2 日目中止 回復 (1 日後 ) 浮動性めまい 女 80 代 非重篤軽度 骨粗鬆症腰椎脊柱管狭窄症変形性頸椎症 片膝 10mg * 2 日目中止 回復 (1 日後 ) 動悸 非重篤軽度 1 日目中止 回復 (2 日後 ) 併用薬 : アレンドロン酸ナトリウム水和物 リマプロスト チザニジン *: 本剤の承認された用量は 1 日最大 2 枚 (80mg) まで 15

使用上の注意 1. 慎重投与 ( 次の患者には慎重に投与すること ) (9) 過敏症の既往歴のある患者 (10) 気管支喘息のある患者 [ 気管支喘息患者の中にはアスピリン喘息患者も含まれており それらの患者では喘息発作を誘発するおそれがある ] (11) 高齢者 ( 重要な基本的注意 及び 高齢者への投与 の項参照 ) (12) 潰瘍性大腸炎の患者 [ 他の非ステロイド性消炎鎮痛剤で症状が悪化したとの報告がある ] (13) クローン病の患者 [ 他の非ステロイド性消炎鎮痛剤で症状が悪化したとの報告がある ] 16

使用上の注意1慎重投与解 説 (9) 過敏症の既往歴のある患者では アレルギー性の副作用があらわれやすいため慎重に投与してください (10) 気管支喘息患者の 10% 前後にアスピリン喘息患者が含まれているとも言われており アスピリン喘息と気づ かず投与された場合 重篤なアスピリン喘息発作を起こすおそれがあるため慎重に投与してください (11) 本剤の臨床試験において年齢 (65 歳未満 65 歳以上 ) により副作用の発現に大きな違いはありませんでしたが 高齢者は加齢に伴い代謝 排泄等の身体機能が低下しており 副作用があらわれやすいため 観察を十分に行い 慎重に投与してください ( 5. 高齢者への投与 P.32 参照 ) (12) (13) 潰瘍性大腸炎 クローン病は炎症性腸疾患であり 非ステロイド性消炎鎮痛剤の投与はプロスタグランジン合成阻害作用を抑制し 粘膜防御機構を脆弱にすることにより 症状を悪化させるおそれがあります また 潰瘍性大腸炎やクローン病の患者に非ステロイド性消炎鎮痛剤を投与した場合に 症状を悪化させることが報告されておりますので 慎重に投与してください 17

使用上の注意 2. 重要な基本的注意 (1) 過敏症状を予測するため十分な問診を行うこと (2) 消炎鎮痛剤による治療は原因療法ではなく対症療法であることに留意すること (3) 長期投与する場合には次の事項を考慮すること 1) 定期的に臨床検査 ( 尿検査 血液検査及び肝機能検査等 ) を行うこと また 異常が認められた場合には休薬等の適切な措置を講ずること 2) 薬物療法以外の療法も考慮すること (4) 患者の状態を十分観察し 副作用の発現に留意すること 過度の体温下降 虚脱 四肢冷却等があらわれるおそれがあるので 特に高熱を伴う高齢者又は消耗性疾患の患者においては 投与後の患者の状態に十分注意すること (5) フルルビプロフェンアキセチルで エノキサシン水和物 ロメフロキサシン ノルフロキサシンとの併用により まれに痙攣があらわれるとの報告があるので これらニューキノロン系抗菌剤との併用は避けること また 他のニューキノロン系抗菌剤との併用は避けることが望ましい (6) 本剤の貼付により皮膚症状が発現した場合には 本剤を休薬又は本剤の使用を中止するなど 症状に応じて適切な処置を行うこと (7) 高齢者には副作用の発現に特に注意し 必要最小限の使用にとどめるなど慎重に投与すること 18

使用上の注意2重要な基本的注意解 説 (1) 十分に問診を行い 過去に NSAIDs による過敏症状 ( 皮疹 発熱 肝障害 血液障害等 ) が発現されたと考えら れる場合には 本剤の投与は避けてください (4) 解熱作用を有する消炎鎮痛解熱剤を 特に高熱を伴う高齢者又は消耗性疾患の患者に投与した場合 急激な 体温下降やそれに伴う虚脱等があらわれることが報告されていますので 注意をする必要があります (5) 禁忌 9 P.4 参照 (6) 本剤の臨床試験において 総症例 1,391 例中 適用部位皮膚炎 111 例 (8.0%) 適用部位紅斑 44 例 (3.2%) 適用部位湿疹 32 例 (2.3%) 発現しており 皮膚症状の発現には十分に注意をお願いします 貼付部位の副作用による中止 参考 2 週間試験 (OA) 長期投与試験 20mg 以下 40mg 40mg/ 部位 安全性解析対象例数 638 552 301 中止に至った副作用発現例数 (%) 9(1.4) 8(1.4) 13(4.3) 一般 全身障害および投与部位の状態 9(1.4) 7(1.3) 13(4.3) 適用部位皮膚炎 9(1.4) 7(1.3) 10(3.3) 適用部位そう痒感 3(1.0) 皮膚および皮下組織障害 1(0.2) 発疹 1(0.2) *: 本剤の承認された用量は 1 日最大 2 枚 (80mg) まで 処置なし :11 例処置あり :19 例 ( ベタメタゾン吉草酸エステル ゲンタマイシン硫酸塩 11 例 ベタメタゾン 3 例 ジフルプレドナート 3 例 ヘパリン類似物質 2 例 その他 4 例 複数使用あり ) (7) 5. 高齢者への投与 P.32 参照 19

使用上の注意 3. 相互作用 エスフルルビプロフェンは 主として肝代謝酵素 CYP2C9 で代謝される (1) 併用禁忌 ( 併用しないこと ) 薬剤名等臨床症状 措置方法機序 危険因子 エノキサシン水和物ロメフロキサシン [ ロメバクト ] [ バレオン ] ノルフロキサシン [ バクシダール ] プルリフロキサシン [ スオード ] フルルビプロフェンアキセチルで併用により痙攣があらわれたとの報告がある 併用により痙攣があらわれるおそれがある ニューキノロン系抗菌剤の GABA 阻害作用が併用により増強されるためと考えられる 20

使用上の注意3相互作用解 説 参 考 薬物動態学的薬物相互作用ヒト肝ミクロソームを用いて エスフルルビプロフェンのヒト CYP 分子種 (CYP1A2 CYP2A6 CYP2B6 CYP2C8 CYP2C9 CYP2C19 CYP2D6 CYP2E1 及び CYP3A4) に対する阻害能を検討した その結果 CYP2C9 に対する阻害が最も強く IC 50 値は90.7 μmol/lであった 1) 健康成人男性に本剤 2 枚 (80mg) 2) を反復貼付したときの C max (2710 ng/ml 11.1 μmol/l) 及び in vitro 血漿蛋白結合率 (99.95%) から算出したエスフルルビプロフェンの最高血漿中遊離型濃度 (0.006 μmol/l) と比較すると IC 50 値の方が 15000 倍以上高いことから 本剤の貼付によりエスフルルビプロフェンの CYP 阻害作用に起因する薬物相互作用が発現する可能性は低いと考えられた 1) 大正製薬 ( 株 ) 社内資料 ( ヒト CYP 阻害作用に関する検討 :in vitro) 2) 大正製薬 ( 株 ) 社内資料 ( 健康成人を対象とした高用量安全性試験 ) 本剤の臨床試験ではエノキサシン水和物 ロメフロキサシン ノルフロキサシン プルリフロキサシンとの併用経験はありませんが ニューキノロン系抗菌薬のGABA 阻害作用が併用により増強され痙攣があらわれるおそれがあり エノキサシン水和物 ロメフロキサシン ノルフロキサシンについてはフルルビプロフェンアキセチル ( 注射剤 ) との併用により痙攣があらわれたとの報告があり プルリフロキサシンについても痙攣があわられるおそれがあることから これらの薬剤を使用する場合には 本剤の投与は避けてください 21

使用上の注意 3. 相互作用 (2) 併用注意 ( 併用に注意すること ) 薬剤名等臨床症状 措置方法機序 危険因子 ニューキノロン系抗菌剤 ( ただし エノキサシン水和物 ロメフロキサシン ノルフロキサシン プルリフロキサシンは併用禁忌 ) オフロキサシン等クマリン系抗凝血剤ワルファリンメトトレキサートリチウム製剤炭酸リチウムチアジド系利尿薬ヒドロクロロチアジド等ループ利尿薬フロセミド等副腎皮質ホルモン剤メチルプレドニゾロン等 CYP2C9 阻害作用を有する薬剤フルコナゾール等 併用により痙攣があらわれるおそれがある クマリン系抗凝血剤 ( ワルファリン ) の作用を増強するおそれがあるので 用量を調節するなど注意すること メトトレキサートの作用が増強され 中毒症状 ( 貧血 血小板減少等 ) があらわれるおそれがあるので 用量を調節するなど注意すること リチウムの血中濃度が上昇し リチウム中毒を呈するおそれがあるので 併用する場合にはリチウムの血中濃度をモニターするなど観察を十分に行い 慎重に投与すること これら利尿薬の作用を減弱するおそれがある 相互に消化器系の副作用 ( 消化性潰瘍 消化管出血等 ) が増強されるおそれがある エスフルルビプロフェンの血中濃度が上昇するおそれがある ニューキノロン系抗菌剤の GABA 阻害作用が併用により増強されるためと考えられる エスフルルビプロフェンがワルファリンの血漿蛋白結合と競合し 遊離型ワルファリンが増加するためと考えられる エスフルルビプロフェンのプロスタグランジン合成阻害作用により腎血流が減少し メトトレキサートの腎排泄が抑制されることにより メトトレキサートの血中濃度が上昇すると考えられる エスフルルビプロフェンのプロスタグランジン合成阻害作用により 腎でのナトリウム排泄が減少してリチウムクリアランスを低下させ リチウムの血中濃度が上昇すると考えられる エスフルルビプロフェンのプロスタグランジン合成阻害作用により 水 塩類の体内貯留が生じるためと考えられる 両薬剤の消化器系の副作用が併用により増強されると考えられる 代謝酵素 (CYP2C9) の競合によりエスフルルビプロフェンの代謝が阻害されると考えられる 22

使用上の注意3相互作用解 説 本剤の臨床試験ではニューキノロン系抗菌剤 クマリン系抗凝血剤 チアジド系利尿薬 ループ利尿薬 副腎皮質ホルモン剤及びCYP2C9 阻害作用を有する薬剤を併用した患者において 各薬剤で懸念される有害事象の発現率が高まる傾向は認められませんでしたが 併用する場合には注意してください 本剤の臨床試験ではメトトレキサート リチウム製剤との併用経験はありませんでしたが フルルビプロフェンと併用することによりメトトレキサート リチウムの血中濃度を上昇させることから同様に併用する場合には注意してください 23

使用上の注意 4. 副作用 臨床試験において 総症例 1,391 例中 副作用が認められたのは 269 例 (19.3%)415 件で 主なものは 適用部位皮膚炎 111 例 (8.0%) 適用部位紅斑 44 例 (3.2%) 適用部位湿疹 32 例 (2.3%) であった 24

使用上の注意4副作用解 説 臨床試験における副作用の発現状況の概要を記載しました 25

使用上の注意 4.(1) 重大な副作用 1) ショック アナフィラキシー : フルルビプロフェンにおいて ショック アナフィラキシー ( いずれも頻度不明 ) が あらわれることがあるので 観察を十分に行い 胸内苦悶 悪寒 冷汗 呼吸困難 四肢しびれ感 血圧低下 血管浮腫 蕁麻疹等があらわれた場合には投与を中止し 適切な処置を行うこと 2) 急性腎不全 ネフローゼ症候群 : フルルビプロフェンにおいて 急性腎不全 ネフローゼ症候群 ( いずれも頻度不明 ) 等の重篤な腎障害があらわれることがあるので 定期的に検査を行うなど観察を十分に行い 乏尿 血尿 尿蛋白 BUN 血中クレアチニン上昇 高カリウム血症 低アルブミン血症等が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと 3) 胃腸出血 : フルルビプロフェンにおいて胃腸出血 ( 頻度不明 ) があらわれることがあるので 観察を十分に行い 異常が認められた場合には投与を中止し 適切な処置を行うこと 4) 再生不良性貧血 : フルルビプロフェン経口剤において 再生不良性貧血 ( 頻度不明 ) があらわれるとの報告が あるので 観察を十分に行い 異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと 5) 喘息発作の誘発 ( アスピリン喘息 ): フルルビプロフェンにおいて 喘息発作 ( 頻度不明 ) を誘発することがある ので 乾性ラ音 喘鳴 呼吸困難感等の初期症状が発現した場合は投与を中止すること なお フルルビプロ フェン貼付剤による喘息発作の誘発は 貼付後数時間で発現している 26

重大な副作用解 説 本剤 2 枚貼付時の全身曝露量がフルルビプロフェン経口剤の通常用量投与時と同程度に達することから フルルビ プロフェン製剤の添付文書を参考に記載しました 1) フルルビプロフェンにおいてショック アナフィラキシーがあらわれることがあるので 本剤においても観察を十 分に行い 症状が認められた場合には 投与を中止し適切な処置を行ってください なお 臨床試験において報告はありませんでした 2) フルルビプロフェンにおいて急性腎不全 ネフローゼ症候群があらわれることがあるので 本剤においても定期的に検査を行うなど観察を十分に行い 異常が認められた場合には 投与を中止し適切な処置を行ってください 臨床試験において腎機能の障害に至る重篤な副作用の報告はありませんでしたが 腎機能に関する下記の臨床検査値異常が認められております [ 血中クレアチニン増加 血中カリウム増加 血中尿素増加 尿中血陽性 尿中蛋白陽性 ] 3) フルルビプロフェンにおいて胃腸出血があらわれることがあるので 本剤においても観察を十分に行い 異常が認められた場合には 投与を中止し適切な処置を行ってください 臨床試験において胃腸出血に関連した副作用として出血性胃潰瘍が1 例報告されております 出血性胃潰瘍を発現した症例概要 ( 長期投与試験 :40mg 群 ) 事象名 性別年代 合併症 貼付部位一日投与量 ( 投与期間 ) 発現までの貼付日数 処置転帰 ( 転帰までの期間 ) 出血性胃潰瘍 男性 70 代 高血圧糖尿病腰部脊柱管狭窄症萎縮性胃炎 腰 1 枚 40mg (148 日 ) 130 日目 入院内視鏡的止血術 回復 (81 日後 ) 併用薬 : ピオグリタゾン塩酸塩 バルサルタン アムロジピンベシル酸塩 ボグリボース治療薬 : ランソプラゾール OD レバミピド クエン酸第一鉄ナトリウム オメプラゾールナトリウム水和物注射剤 4) フルルビプロフェンにおいて再生不良性貧血があらわれることがあるので 本剤においても観察を十分に行い 異常が認められた場合には 投与を中止し適切な処置を行ってください なお 臨床試験において報告はありませんでした 5) フルルビプロフェンにおいて喘息発作の誘発 ( アスピリン喘息 ) をおこすことがあるので 本剤においても初期症状が発現した場合は投与を中止してください フルルビプロフェン貼付剤では 貼付後数時間で発現しているので注意してください なお 臨床試験において報告はありませんでした 4使(1) 用上の注意27

使用上の注意 4.(1) 重大な副作用 6) 中毒性表皮壊死融解症 (Toxic Epidermal Necrolysis: TEN) 皮膚粘膜眼症候群 (Stevens-Johnson 症候群 ) 剥脱性皮膚炎: フルルビプロフェンにおいて 中毒性表皮壊死融解症 皮膚粘膜眼症候群 剥脱性皮膚炎 ( いずれも頻度不明 ) があらわれることがあるので 観察を十分に行い 異常が認められた場合には投与を中止し 適切な処置を行うこと 7) 意識障害 意識喪失を伴う痙攣 : フルルビプロフェンアキセチルにおいて 意識障害 意識喪失を伴う痙攣 (0.1% 未満 ) があらわれるとの報告があるので 観察を十分に行い 異常が認められた場合には投与を中止し 適切な処置を行うこと 28

重大な副作用解 説 6) フルルビプロフェンにおいて中毒性表皮壊死融解症などがあらわれることがあるので 本剤においても観察を十分に行い 異常が認められた場合には 投与を中止し適切な処置を行ってください なお 臨床試験において報告はありませんでした 7) フルルビプロフェンアキセチル ( 注射剤 ) において意識障害 意識喪失を伴う痙攣があらわれることがあるので 本剤においても観察を十分に行い 異常が認められた場合には 投与を中止し適切な処置を行ってください なお 臨床試験において報告はありませんでした 4使(1) 用上の注意29

使用上の注意 4.(2) その他の副作用 下記のような副作用があらわれた場合には 症状に応じて適切な処置を行うこと 5% 以上 1 5% 未満 0.2 1% 未満 適用部位障害 皮膚炎 紅斑 そう痒感 湿疹 発疹 神経系障害 胃腸障害 浮動性めまい 腹部不快感 胃炎 臨床検査 血中尿素増加 血中クレアチニン増加 AST(GOT) 増加 ALT (GPT) 増加 尿中血陽性 血中ビリルビン増加 血中乳酸脱水素酵素増加 尿中ブドウ糖陽性 尿中蛋白陽性 30

解 説 その他の副作用には本剤の臨床試験において 1,391 例中 3 例 (0.2%) 以上に発現した副作用を記載しました 項目別副作用発現頻度及び臨床検査値異常一覧を下記に示します 安全性解析対象例数 1,391 例 副作用発現例数 (%) 269 例 (19.3%) 心臓障害 副作用発現件数 415 件 耳および迷路障害 胃腸障害 副作用の種類発現例数 (%) 動悸 回転性めまい 腹部不快感上腹部痛十二指腸潰瘍消化不良胃潰瘍出血性胃潰瘍胃炎胃食道逆流性疾患歯肉痛悪心口内炎嘔吐心窩部不快感 一般 全身障害および投与部位の状態適用部位皮膚炎適用部位紅斑適用部位刺激感適用部位そう痒感適用部位発疹適用部位湿疹適用部位内出血適用部位変色適用部位出血 肝胆道系障害 肝機能異常 19(1.4) 7(0.5) 2(0.1) 4(0.3) 219(15.7) 111(8.0) 44(3.2) 26(1.9) 15(1.1) 32(2.3) 2(0.1) 2(0.1) 4使作用全身性皮疹 用(2) 上そのの他注の意副副作用の種類 発現例数 (%) 臨床検査アラニンアミノトランスフェラーゼ増加アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加血中ビリルビン増加血中クレアチニン増加血中乳酸脱水素酵素増加血中カリウム増加血中尿素増加好酸球数増加 γ- グルタミルトランスフェラーゼ増加尿中ブドウ糖陽性尿中血陽性リンパ球数減少単球数増加好中球数増加白血球数増加尿中蛋白陽性血中アルカリホスファターゼ増加便潜血尿中ウロビリノーゲン増加 45(3.2) 6(0.4) 6(0.4) 3(0.2) 8(0.6) 3(0.2) 2(0.1) 21(1.5) 3(0.2) 4(0.3) 3(0.2) 2(0.1) 良性 悪性および詳細不明の新生物 ( 嚢胞およびポリープを含む ) 大腸腺腫 神経系障害 3(0.2) 浮動性めまい 3(0.2) 皮膚および皮下組織障害 3(0.2) 皮膚炎発疹 31

使用上の注意 5. 高齢者への投与 高齢者では副作用があらわれやすいので 患者の状態を観察しながら慎重に投与すること 32

用上の注意解説 5使高齢者への投与適用部位変色 3(1.6) 参 考 貼付部位の副作用発現状況 (2 週間試験 (OA)) 65 歳未満 65 歳以上 40mg 40mg 安全性解析対象例数 209 343 副作用発現例数 (%) 24(11.5) 37(10.8) 一般 全身障害および投与部位の状態 24(11.5) 36(10.5) 適用部位皮膚炎 7(3.3) 18(5.2) 適用部位紅斑 8(3.8) 7(2.0) 適用部位そう痒感 4(1.9) 5(1.5) 適用部位発疹 3(1.4) 4(1.2) 適用部位湿疹 5(2.4) 3(0.9) 適用部位内出血 1(0.3) 皮膚および皮下組織障害 1(0.3) * 発疹 1(0.3) *: 貼付部位を含め全身にも発生したので別集計として記載した 65 歳未満 65 歳以上 40mg/ 部位 40mg/ 部位 安全性評価部位数 112 189 副作用発現部位数 (%) 44(39.3) 97(51.3) 一般 全身障害および投与部位の状態 44(39.3) 97(51.3) 適用部位皮膚炎 21(18.8) 67(35.4) 適用部位紅斑 9(8.0) 8(4.2) 適用部位そう痒感 5(4.5) 5(2.6) 適用部位湿疹 11(9.8) 21(11.1) 本剤の臨床試験において年齢 (65 歳未満 65 歳以上 ) により副作用の発現に大きな違いはありませんでしたが 高齢者は加齢に伴い代謝 排泄等の身体機能が低下しており 副作用があらわれやすいため 観察を十分に行い 慎重に投与してください 65 歳以上の高齢者 65 歳未満の非高齢者別の副作用発現状況 本剤の臨床試験において 65 歳未満 65 歳以上の高齢者での副作用発現状況は以下のとおりでした 表 1 表 2 貼付部位の副作用発現状況 ( 長期投与試験 ) 33

使用上の注意 解 説 表 3 貼付部位以外の副作用発現状況 (2 週間試験 (OA):40mg 群 ) 65 歳未満 65 歳以上 40mg 40mg 安全性解析対象例数 209 343 副作用発現例数 (%) 7(3.3) 19(5.5) 耳および迷路障害回転性めまい 1 (0.3) 1(0.3) 胃腸障害腹部不快感嘔吐 1 (0.5) 4 (1.2) 4(1.2) 1(0.3) 心窩部不快感 1(0.5) 臨床検査アラニンアミノトランスフェラーゼ増加アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加血中ビリルビン増加血中クレアチニン増加血中乳酸脱水素酵素増加血中尿素増加好酸球数増加尿中ブドウ糖陽性尿中血陽性単球数増加尿中蛋白陽性 6 (2.9) 1(0.5) 1(0.5) 1(0.5) 1(0.5) 1(0.5) 3(1.4) 1(0.5) 1(0.5) 13 (3.8) 1(0.3) 1(0.3) 1(0.3) 5(1.5) 1(0.3) 7(2.0) 2(0.6) 1(0.3) 1(0.3) 皮膚および皮下組織障害発疹 1 (0.3) 1(0.3) 表 4 貼付部位以外の副作用発現状況 ( 長期投与試験 :40mg 群 80mg 群 ) 65 歳未満 65 歳以上 40mg 80mg 40mg 80mg 安全性解析対象例数 36 38 65 62 副作用発現例数 (%) 2(5.6) 7(18.4) 4(6.2) 5(8.1) 胃腸障害 1 (2.8) 4 (10.5) 2 (3.1) 2 (3.2) 腹部不快感上腹部痛 1(2.8) 1(2.6) 1(2.6) 十二指腸潰瘍 1(1.6) 消化不良 1(2.6) 胃潰瘍 1(1.6) 出血性胃潰瘍胃炎胃食道逆流性疾患 2(5.3) 1(2.6) 1(1.5) 1(1.5) 1(1.6) 肝胆道系障害 1 (1.6) 肝機能異常 1(1.6) 臨床検査 1 (2.8) 3 (7.9) 1 (1.5) 2 (3.2) 血中クレアチニン増加 1(2.8) 血中尿素増加 2(5.3) 1(1.5) 1(1.6) 尿中血陽性尿中蛋白陽性 1(2.8) 1(2.6) 1(1.6) 1(1.6) 便潜血 1(2.6) 良性 悪性および詳細不明の新生物 ( 嚢胞およびポリープを含む ) 大腸腺腫 1 (2.6) 1(2.6) 皮膚および皮下組織障害 1 (1.5) 皮膚炎 1(1.5) 34

用上の注意5使高齢者への投与35

使用上の注意 6. 妊婦 産婦 授乳婦等への投与 (1) 妊娠後期の女性には投与しないこと [ 妊娠後期のラットに投与した実験において ヒトに本剤 2 枚を貼付し た場合に得られる血漿中曝露量 (AUC) の等倍未満で 母動物の死亡 分娩遅延 出生率の低下 死産児数 の増加が認められている ] (2) 妊婦 ( 妊娠後期以外 ) 又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断され る場合にのみ投与すること [ 妊娠中の投与に関する安全性は確立していない ] (3) 授乳中の女性に投与することを避け やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること [ 動物実験 ( ラッ ト ) で乳汁中へ移行すること 及び ヒトに本剤 2 枚を貼付した場合に得られる血漿中曝露量 (AUC) の約 3 倍 を示す母動物において出生児の体重増加抑制が認められている ] 36

使用上の注意6妊婦 産婦 授乳婦等への投与解 説 (1) 妊娠後期のラットに投与した実験において 分娩への影響として ヒトに本剤 2 枚を貼付した場合に得られる AUCの等倍未満で 母動物の死亡 分娩遅延 出生率の低下及び死産児数の増加が認められたこと また フルルビプロフェンを妊娠後期のラットに投与した実験において 胎児の動脈管収縮が高度であったと報告されていることから 妊娠後期の女性に対しての使用は避けてください (2) ラットの受胎能及び初期胚発生に関する試験で黄体数の減少に起因した着床数及び生存胚数の減少が認められていること ウサギの胚 胎児に関する試験で早期吸収胚の増加が認められたこと ラットにおいて胎児への移行が認められたことを踏まえ 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ使用してください (3) 授乳期のラットへの投与により ヒトに本剤 2 枚を貼付した場合に得られる AUCの約 3 倍を示す母動物において出生児の体重増加抑制及び初期行動発現の遅延が認められたこと ラットにおいて乳汁中への移行が認められたことから 授乳中の女性に投与する場合には授乳を避けてください 参 考 1) 乳汁移行性分娩後 13 日目の授乳 SDラットに 14 C 標識エスフルルビプロフェンを 1mg/kg 単回皮下投与したときの血漿及び乳汁中放射能を測定した 乳汁中放射能濃度は 投与後 4.3 時間にC max を示し 時間の経過に伴って低下した 血漿に対する乳汁中放射能濃度比は 投与後 1 24 時間で0.09 0.22であった 授乳ラットに 14 C 標識エスフルルビプロフェン 1mg/kg を単回皮下投与したときの血漿及び乳汁中放射能濃度 時間 / パラメーター血漿乳汁 乳汁 / 血漿中放射能濃度比 1 時間後 7.89 ± 0.76 0.68 ± 0.07 0.09 放射能濃度 (μg eq./ml) 4 時間後 4.63 ± 0.29 0.77 ± 0.08 0.17 8 時間後 3.10 ± 0.34 0.64 ± 0.22 0.21 24 時間後 0.36 ± 0.03 0.08 ± 0.02 0.22 C max (μg eq./ml) 7.89 ± 0.76 0.81 ± 0.08 AUC 0-24h (μg eq. h/ml) 65.87 ± 5.99 11.07 ± 2.31 t max (h) 1.0 ± 0.0 4.3 ± 3.5 平均値 ± 標準偏差 (n=3) : 算出せず 1) 大正製薬 ( 株 ) 社内資料 ( 乳汁移行性に関する検討 : ラット ) 37

使用上の注意 6. 妊婦 産婦 授乳婦等への投与 (4) 他の非ステロイド性消炎鎮痛剤の外皮用剤を妊娠後期の女性に使用し 胎児動脈管収縮が起きたとの報告 がある 7. 小児等への投与 低出生体重児 新生児 乳児 幼児又は小児に対する安全性は確立していない [ 使用経験がない ] 8. 適用上の注意 (1) 貼付部位 : 1) 損傷皮膚及び粘膜に使用しないこと 2) 湿疹又は発疹の部位に使用しないこと 3) 貼付部の皮膚の状態に注意しながら慎重に使用すること (2) 貼付時 : 本剤を剥離する際は皮膚の損傷を避けるため ゆっくりと慎重に剥離すること 9. その他の注意 非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期間投与されている女性において 一時的な不妊が認められたとの報告がある 38

使用上の注意6妊婦 産婦 授乳婦等への投与使用上の注意7小児等への投与使用上の注意8適用上の注意使用上の注意9その他の注意解 説 (4) ケトプロフェンの外皮用剤を妊娠後期の女性に使用し 胎児動脈管収縮が起きたとの報告があることから記載 しました ( 平成 26 年 3 月 25 日付厚生労働省医薬食品局安全対策課長通知 ) 低出生体重児 新生児 乳児 幼児又は小児に対する臨床試験は実施しておらず 安全性は確立していません 非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期間投与されている女性において 一時的な不妊が認められたとの報告がありま すのでご注意ください ( 平成 13 年 4 月 25 日付厚生労働省医薬局安全対策課事務連絡 ) 参 非ステロイド性消炎鎮痛剤の投与において シクロオキシゲナーゼ阻害によりプロスタグランジンの合成を 1-4) 減少させ 女性の可逆的不妊症の原因になり得るとの報告がある 考 1)Akil, M. et al.:br. J. Rheumatol. 1996;35:76-78 2)Smith, G. et al.:br. J. Rheumatol. 1996;35:458-462 3)Mendonca, L.L.F. et al.:rheumatology 2000;39:880-882 4)Calmels, C. et al.:rev. Rhum. Engl. Ed 1999;66(3):167-168 39

発現件軽減(情報なし882~1~34~74~中止回復不変不明1明変形性膝関節症患者を対象とした 2 週間試験 (OA) における副作用発現プロファイル ( 承認時 ) 2 週間試験 (OA) 転帰回復までの日数 ( 日目 ) 非数重篤情重報高篤な度し中重篤度 重症度 発現までの日数 ( 日目 ) 軽度等度副作用発現時の本剤の処置最情報な終評価日休薬継続し副作用処置薬剤投与 治療実情報な無処置し施37~14 15 ~17 不軽快)~14 15 ~28 29 ~84 85 ~168 不明心臓障害 耳および迷路障害 胃腸障害 一般 全身障害および投与部位の状態 臨床検査 動悸 1 1 1 1 1 1 1 1 回転性めまい 1 1 1 1 1 1 1 1 腹部不快感 5 5 1 4 1 4 2 3 2 2 1 5 4 1 胃潰瘍 1 1 1 1 1 1 1 1 歯肉痛 1 1 1 1 1 1 1 1 悪心 1 1 1 1 1 1 1 1 口内炎 1 1 1 1 1 1 1 1 嘔吐 1 1 1 1 1 1 1 1 心窩部不快感 1 1 1 1 1 1 1 1 適用部位皮膚炎 50 50 12 38 16 1 27 2 4 24 25 1 1 16 16 16 1 49 1* 3 10 20 15 2 適用部位紅斑 32 32 1 31 2 26 3 1 29 3 2 12 16 2 32 5 7 18 2 適用部位刺激感 1 1 1 1 1 1 1 1 適用部位そう痒感 16 16 16 1 13 2 15 1 1 10 4 1 16 6 4 5 1 適用部位発疹 15 15 15 1 11 3 15 1 4 7 3 15 1 5 4 5 適用部位湿疹 9 9 9 1 7 1 6 3 1 4 4 9 5 1 3 適用部位内出血 2 2 2 2 2 1 1 2 2 適用部位出血 1 1 1 1 1 1 1 1 アラニンアミノトランスフェラーゼ増加 6 4 2 4 2 4 2 4 2 1 3 2 3 1 2 2 2 2 アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加 6 5 1 5 1 5 1 5 1 1 4 1 4 1 1 3 2 1 血中ビリルビン増加 3 3 3 3 3 3 3 1 2 血中クレアチニン増加 7 7 7 7 7 7 5 2 1 3 3 血中乳酸脱水素酵素増加 3 2 1 2 1 2 1 2 1 2 1 2 1 1 1 1 血中カリウム増加 2 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 血中尿素増加 17 14 3 14 3 14 3 14 3 1 13 3 12 2 3 5 2 7 3 好酸球数増加 1 1 1 1 1 1 1 1 γ- グルタミルトランスフェラーゼ増加 1 1 1 1 1 1 1 1 尿中ブドウ糖陽性 3 2 1 1 1 1 2 1 2 1 2 1 2 1 1 1 1 尿中血陽性 1 1 1 1 1 1 1 1 リンパ球数減少 1 1 1 1 1 1 1 1 単球数増加 1 1 1 1 1 1 1 1 好中球数増加 1 1 1 1 1 1 1 1 白血球数増加 1 1 1 1 1 1 1 1 尿中蛋白陽性 2 2 2 2 2 2 2 1 1 血中アルカリホスファターゼ増加 2 2 2 2 2 2 2 2 神経系障害 尿中ウロビリノーゲン増加 1 1 1 1 1 1 1 1 皮膚および皮下組織障害 浮動性めまい 3 3 3 2 1 3 1 1 1 3 3 発疹 1 1 1 1 1 1 1 1 全身性皮疹 1 1 1 1 1 1 1 1 203 187 1 15 1 19 168 15 24 6 96 56 21 145 41 17 6 26 54 54 48 15 181 6 1 15 22 33 69 44 19 1 15 発現までの日数 = 副作用発現日 治験薬貼付開始日 + 1 日 2 週間試験 (OA):4 試験 ( 前期第 Ⅱ 相臨床試験 後期第 Ⅱ 相臨床試験 1 後期第 Ⅱ 相臨床試験 2 第 Ⅲ 相比較試験 ) の統合 前期第 Ⅱ 相臨床試験データは下記基準で集計した 処置薬 処置 の集計項目が無かったため コメントから判断して集計し 判断できないものについては 情報なし とした臨床検査値異常変動の 重篤度 重症度 の集計項目がなかったため 情報なし とした副作用の 転帰 因果関係 の判断は 医師の判断による集計である *: 発現から 34 日後時点 40

発現件軽減(軽快)2~34~71~34~7中止回復不変1プロファイル(承認時)副作用発現変形性関節症患者を対象とした長期投与試験における副作用発現プロファイル ( 承認時 ) 長期投与試験 (52 週間 ) 重篤度重症度発現までの日数 ( 日目 ) 転帰回復までの日数 ( 日目 ) 数非中等度重篤高度軽度重篤副作用発現時の本剤の処置 最終評価日休薬継続副作用処置薬剤投与 治療実施無処置8~15~29~85~169 ~14 28 84 168 8~15~29~85~169 ~14 28 84 168 362 胃腸障害 腹部不快感 2 2 2 2 2 2 2 2 上腹部痛 5 5 5 5 5 1 4 5 3 1 1 十二指腸潰瘍 1 1 1 1 1 1 1 1 消化不良 1 1 1 1 1 1 1 1 胃潰瘍 1 1 1 1 1 1 1 1 出血性胃潰瘍 1 1 1 1 1 1 1 1 胃炎 4 4 4 4 2 2 2 2 3 1* 1 1 1 1 胃食道逆流性疾患 1 1 1 1 1 1 1 1 一般 全身障害および投与部位の状態 適用部位皮膚炎 107 107 17 90 10 45 52 26 81 3 7 31 29 37 107 4 2 18 14 24 21 24 適用部位紅斑 25 25 2 23 10 15 22 3 2 2 7 3 11 25 5 9 3 4 2 2 適用部位そう痒感 13 13 13 5 8 5 8 1 5 4 3 13 4 1 1 6 1 適用部位湿疹 35 35 35 3 16 16 5 30 1 2 6 14 6 6 35 4 5 3 9 14 適用部位変色 3 3 3 3 3 3 2 1 2 1 肝胆道系障害 肝機能異常 1 1 1 1 1 1 1 1 臨床検査 血中クレアチニン増加 1 1 1 1 1 1 1 1 血中尿素増加 4 4 4 1 1 1 1 4 1 1 2 4 1 2 1 尿中血陽性 3 3 3 3 3 1 2 3 1 2 尿中蛋白陽性 1 1 1 1 1 1 1 1 便潜血 1 1 1 1 1 1 1 1 良性 悪性および詳細不明の新生物 ( 嚢胞およびポリープを含む ) 大腸腺腫 1 1 1 1 1 1 1 1 皮膚および皮下組織障害 皮膚炎 1 1 1 1 1 1 1 1 212 211 1 1 19 192 15 80 116 1 75 137 0 4 4 4 14 64 51 71 208 3 1 14 9 35 25 45 37 47 発現までの日数 = 副作用発現日ー治験薬貼付開始日 + 1 日 長期投与試験 :(40mg 群 101 例 80mg 群 100 例 計 201 例 ただし貼付部位の安全性 については 301 部位 (80mg 群は 1 例 2 部位で算出 ) を評価部位としている ) *: 発現から 178 日後時点 内視鏡検査にて表層性胃炎と診断されたが自覚症状なく症状の変化はなし 他院担当医が同様の理由で転帰を不変と判断しているが 症状なく治験としての追跡は終了とした 41

安全性解析を行った各試験概要 前期第 Ⅱ 相臨床試験 目 的 変形性膝関節症患者を対象に 本剤の有効性における用量反応関係及び安全性を無作為化二重盲検並行群間比較法により検討した 試験デザイン 多施設共同プラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験 対 象 変形性膝関節症患者 256 例 基剤 ( プラセボ ) 群 65 例 5mg 群 65 例 10mg 群 64 例 20mg 群 62 例 試験方法 本剤 5mg 10mg 20mg 又は基剤を 1 日 1 回 1 枚 2 週間連続貼付する 後期第 Ⅱ 相臨床試験 1 目 的 変形性膝関節症患者を対象に 本剤又は基剤を二重盲検下で 2 週間貼付したときの有効性及び安全性を検討し 本剤の用量反応性を確認するとともに至適用量を設定する 試験デザイン 多施設共同プラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験 対 象 変形性膝関節症患者 409 例 基剤 ( プラセボ ) 群 102 例 10mg 群 102 例 20mg 群 103 例 40mg 群 102 例 試験方法 本剤 10mg 20mg 40mg 又は基剤を 1 日 1 回 1 枚 2 週間連続貼付する 後期第 Ⅱ 相臨床試験 2 目 的 変形性膝関節症患者を対象に 本剤又は基剤を二重盲検下で 2 週間貼付したときの有効性及び安全性を検討し 本剤の用量反応性を確認するとともに至適用量を設定する 試験デザイン 多施設共同プラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験 対 象 変形性膝関節症患者 509 例 基剤 ( プラセボ ) 群 127 例 10mg 群 121 例 20mg 群 127 例 40mg 群 134 例 試験方法 本剤 10mg 20mg 40mg 又は基剤を 1 日 1 回 1 枚 2 週間連続貼付する 第 Ⅲ 相比較試験 目 的 変形性膝関節症患者に対する本剤 40mg2 週間貼付の有効性について フルルビプロフェン水性貼付剤 ( 以下 FP) に対する優越性を検証し かつ安全性について検討する 試験デザイン 多施設共同実薬対照無作為化非盲検並行群間比較試験 非盲検試験ではあるが 可能な限り盲検に近いデザイン ( 被験者 治験担当医師 治験依頼者は盲検 治験協力者は非盲検 ) 対象変形性膝関節症患者 633 例 (40mg 群 316 例 FP 群 317 例 ) 試験方法 本剤 40mg を 1 日 1 回 1 枚又は FP40mg を 1 日 2 回 (1 回 1 枚 )2 週間連続貼付する 第 Ⅲ 相長期投与試験 目 的 変形性関節症患者を対象に 本剤 40mg1 枚又は 2 枚を長期間貼付した際の安全性 有効性及び薬物動態を検討する 試験デザイン 多施設共同非対照非盲検試験 対象変形性関節症患者 201 例 (1 枚貼付群 101 例 2 枚貼付群 100 例 ) 試験方法 本剤 40mg を 1 日 1 回 1 枚又は 2 枚 評価部位 1 部位につき 1 枚を 52 週間連続貼付する 42