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77 岐阜市立女子短期大学研究紀要第 57 輯 ( 平成 20 年 3 月 ) The Spatial Composition of the Early Hindu Caves of Pallavas 矢口直道 YAGUCHI Naomichi Abstract This paper describes the details of the early major Hindu caves of Pallavas such as at Mandagapattu, Mamandur, Daravanur and so on, and also studies the spatial composition of the caves. Pallavas, one of the major dynasty in north Tamil region, seems to have strong effect ion to the later south Indian architecture not only design but the arrangement of the space. To take account of the number and the deity of the shrine, the concept of the planning is to be clear; namely Siva is to be enshrined in the single and quintuple sanctum, though the Trimurty in the triple sanctums. Keywords :Hindu caves, Pallavas, Spatial Composition, enshrined deity, Indian Architecture 1. はじめに本稿はインド建築を評価する上で重要な南インド建築の根底となるパッラヴァ朝の建築物のうち より古代の造形を保存していると考えられる石窟寺院を対象にその空間構成を論じるものである パッラヴァ朝はその出自は明らかではないが 7 世紀に王朝としての最盛期を迎えた南インドの王朝で 現在のタミルナードゥ州北部を中心として一大政治勢力を担った パッラヴァ朝の宗教建築は石窟寺院と構築寺院に分けることができる 石窟寺院は主に花崗岩の岩肌を穿って開窟された寺院で 中西部インドに比べると規模が小さい 構築寺院は マハーバリプラム カーンチープラムに代表される砂岩を用いたものが代表的である 今後の南インド建築のデザイン的なソースとも言える階段状の上部構造はパッラヴァ朝 さらに南のパーンディヤ朝の建築の主な特徴である 本稿では パッラヴァ朝の石窟寺院のうち 以下の 5 ヶ所 9 窟の石窟群を取り上げその特徴を考察する これらは最後に考察する空間構成を論じる上でパッラヴァ朝の石窟を網羅しているものと考えられるからである 2. マンダガパットゥラクシタ石窟 ( 図 1, 2, 3) ポンディチェリの北西約 75km 南アルコット県ヴィッラプラム郡マンダガパットゥ村にあるラクシタ石窟はパッラヴァ王マヘーンドラヴァルマンI 世によって開窟された最初の石窟である 刻文は 自らをヴィチトラチッタと呼ぶ王自身によって レンガ 金属 木材 漆喰を用いないラクシタの家は ブラフマー イーシュヴァラ ヴィシュヌのためにヴィチトラチッタによってつくられた と記されている 石窟はマンダガパットゥ村の西にある大きな岩山の北面に開 窟されている ほぼ正方形の平面は 床面の高低差と列柱によってムカ マンダパ ( 前殿 ) とアルダ マンダパ ( 後殿 ) に別れている それぞれに二本の柱を中において左右壁にはピラスターが置かれる 石窟の正面となるムカ マンダパの柱は 中間に八角形断面のカットゥを挟んで 正方形断面のシャドゥラムによって柱礎 柱頭部を構成する 柱頭の上にはポーティカー ( 持送り ) が載るが タランガ ( 波模様 ) などはつけられていない この両側のピラスターは 正面と内側が柱と同じ幅だけ彫り出され 裏側と外側も3 分の1 程が彫り込まれており 柱と同じように見える 正面右側のピラスターの上部に刻文が残る ピラスターの外側に4 分の1だけ掘り出されたピラスターがあってこの間にドヴァーラパーラが置かれている ドヴァーラパーラの周囲には脇柱もなく デーヴァ コーシュタも設けられていない 正面左右に設けられたこの壁龕によってファサードは低く幅広い印象を与える ポーティカーの上にはウッティラ ( 梁形 ) が設けられ 側壁にも同様に横梁の梁形が設けられている ムカ マンダパの柱にはプラットフォームはなく この内側と外側に床の高低差はない ムカ マンダパと同じように列柱によって隔てられているアルダ マンダパは ムカ マンダパより床が少し高くなっている 柱はカットゥを挟んでシャドゥラムが柱頭と柱礎を構成しているが 上のシャドゥラムとその上のポーティカーの間に薄いアバクスが挿入されている アルダ マンダパ奥壁には柱の間には マンダパと同じ間隔で配されたピラスターがあって 同じようにカットゥとシャドゥラムで構成され アバクスはない これらのピラスターの間にはニッチが設けられているが 脇柱がなく 柱の間に開口部のみがある ここにはトリムールティと呼ばれるヒンドゥー教の三大神ブラフマー神 ヴィシュ

78 ヌ神 シヴァ神が安置されていたことが刻文から分かっているが 現在彫像はない ガルバグリハ奥壁前の床には彫像を安置するために設けられた差し込み口が残っている 3. マーマンドゥール石窟カーンチープラムの南約 15km 北アルコット県チェッヤール郡マーマンドゥール村に位置する岩山の東側の中腹に開窟された四つの石窟には北から順番に番号がついている 岩山は三つに分かれていて 第 1 窟と第 2 窟が北の岩山の東側に近接して開窟され 第 3 窟は中央の岩山の南東の角に 第 4 窟は南の岩山の頂上付近に開窟されている 3 1. 第 1 窟 ( 図 4, 5, 6) 東面した石窟は長方形平面とその後方中央に置かれたガルバグリハで構成され ムカ マンダパはない 地盤面より 1.5m 程のところに床があって 正面右側に階段が設けられている ファサードは二本の柱とその両脇のピラスターで構成されている 柱は中間のカットゥを挟んで シャドゥラムが柱礎と柱頭部を構成する 柱頭にはポーティカーが載るが タランガなどはつけられていない ピラスターは矩形平面でカットゥは設けられていない 柱の柱礎 柱頭のシャドゥラムには背面を除く三面に蓮華の装飾が施され ピラスターにも同じ高さに蓮華の装飾が見られる ただし 柱礎の蓮華は円形であるが柱頭は持送りに隠れるように上部が欠けている アルダ マンダパの奥壁はその中央部が 30cm 程張り出しており ガルバグリハ正面を形成している 基壇にウパーナはなく アディスターナはジャガティの上に3 面の切り子面のあるトリパッタ クムダを置き これと最上層のパッティカーの間に一段凹んだカンタを挟んでいる 張り出したガルバグリハ正面には 四本のピラスターが 隅とガルバグリハ入口脇にある 正方形断面のピラスターで 柱頭 柱礎 持送りは設けられていない 柱の上には張り出したカポータが載る 中央にはガルバグリハ入口があって 階段が設けられている ここでアディスターナは不連続となるが 階段前面にはチャンドラシラーが置かれている ガルバグリハ正面 アルダ マンダパ左右奥壁にドヴァーラパーラなどの彫像は見られない 矩形平面のガルバグリハ奥壁にはガルバグリハの幅いっぱいに台座があり 奥壁 側壁にはプラスターと彩色が残る 台座のほぼ中央には上面と前面に開いた凹みが設けられているが 後世の改変であると考えられる 3 2. 第 2 窟 ( 図 7, 8, 9) パッラヴァ王マヘーンドラヴァルマンI 世に時代に開窟された石窟で 同時代のマンダガパットゥとほぼ同じ平面形式をとり マーマンドゥールでは最も古い石窟であると考えられる 窟の内部は中央にある二本の柱とその両側のピラスターによって ムカ マンダパとアルダ マンダパに分割され アルダ マンダパの奥に三つのニッチがある 前後に分節されている 窟内に残されたタミル語の刻文にはルドラヴァーリーシュヴァラムまたはヴァーリーシュヴァラムと記されており 本尊としてシヴァ神がまつられたことがわかる 開窟された斜面は手前に緩やかに傾斜しており 石窟のファサードは 斜面より頂部で約 1m 足下で 2.5m ほど掘り込まれている ファサードは二本の柱とその両脇のピラスターで構成されている 柱は中間のカットゥを挟んで シャドゥラムが柱礎と柱頭部を構成する 柱頭にはポーティカーが載るが タランガなどはつけられていない ピラスターは矩形平面でカットゥは設けられていない この前列の柱列の前にはヴェランダ状に床が延長されている アルダ マンダパは ムカ マンダパより床が少し高く 同様の列柱によって区別されている 奥壁にはマンダパの柱と同じ位置に正方形断面のピラスターがおかれ その間に開口部が設けられている この開口部は奥にあるガルバグリハの入口となっており その両脇には脇柱のように半分に分割されたピラスターが置かれる これらのピラスターの間の壁面にドヴァーラパーラが置かれている ガルバグリハの床の高さはアルダ マンダパよりも高く この高低差を利用してアディスターナが設けられている アディスターナは垂直面のジャガティの上に三つの切子面を持つトリパッタ クムダを置き 一段奥に入ってピラスターの下に突起を置くモールディングにカポータを載せている アディスターナはガルバグリハの前にある階段によって切断されているが 階段の段差はアディスターナのセットバックはほぼ対応している 中央にはないが 左右の階段の前にはチャンドラシラーが彫り残されている ガルバグリハは三つ設けられており 中央にはシヴァリンガがまつられている 左右のニッチにはその他のトリムールティのいずれかを祀っていたものと考えられる 3 3. 第 3 窟 ( 図 10, 11, 12) 北側の丘の南端に開窟されている未完の石窟である ムカ マンダパに続くアルダ マンダパの奥壁に五つのガルバグリハを持ち さらにムカ マンダパと アルダ マンダパの左右側壁にもそれぞれ一つずつのガルバグリハを持つ 東側の正面には前庭より少し高い床面に四本の柱とその両側にピラスターがある 柱は中間のカットゥを挟んで シャドゥラムが柱礎と柱頭部を構成する 柱頭にはポーティカーが載るが タランガなどはつけられていない ピラスターは正方形断面であるが 南側の上部は柱のようになっている 北側のピラスターの西側にも 柱として掘り出そうとした痕跡が残り 南側のピラスターのさらに南側にも彫りかけの柱がある 東側の正面

79 は全部で七本の柱によって構成されることになるが 柱の上のモールディングは 四本の柱とその両側のピラスターまでが仕上げられている 東側正面のポーティカー上部には 手前の前庭に木造の梁を用いて屋根を架けた痕跡が残っている ムカ マンダパの左右側壁には荒削りのガルバグリハがある 入口はピラスターの幅に開き おおよそガルバグリハらしくないが 南側の入口前にはチャンドラシラーがある ムカ マンダパから少し床が上がって アルダ マンダパの四本の柱とその両端の二本のピラスターによる柱列がある ムカ マンダパの柱と同じ構成で 左右側壁にガルバグリハがある 奥壁には ピラスターはないが アディスターナの上にガルバグリハ扉口がある アディスターナは 垂直面のジャガティの上に三つの切子面を持つトリパッタ クムダを置き 一段奥に入ったカンタ モールディングにパッティカーを載せている アディスターナはガルバグリハの前にある階段によって切断されているが 階段の段差はアディスターナのセットバックはほぼ対応している 全ての階段には手すりがつき その前にはチャンドラシラーが設けられている ガルバグリハ内には彫像を安置するためのくぼみが残る 正面左の丘を回った南側に三本のピラスターが開窟されている さらに西側にもピラスターを彫り込む意図が見受けられるが 岩盤の断層のために中途で終わっている シュリニヴァサンによると 一列に並んだ五つのガルバグリハを囲うように七列の柱を配することを意図して開窟され ムカ マンダパ左右側壁のガルバグリハは 設計変更の後に設けられたとしている 七本の柱だとすると正面の中央に柱がきて ガルバグリハの中心とずれることになる また南側に中途で終わっているピラスターとマンダパ内の柱は通りがずれている 正面の仕上げが四本の柱とその両側のピラスターの間であること アルダ マンダパの奥壁にのみアディスターナのモールディングがあること ムカ マンダパ左側壁のガルバグリハにはチャンドラシラーがあることなどから アルダ マンダパの奥壁に五つのガルバグリハを設けるのが当初の設計意図であり その後マンダパ側壁に四つのガルバグリハを加えたものであろうと考えられる さらに南側のピラスター 東正面のピラスターから柱への改変はその後の設計変更であると思われる 4. クランガニルムッタンカルマンダカム石窟 ( 図 13,14, 15) 北アルコット県チェッヤール郡クランガニルムッタン村はカーンチープラムの南約 10km にある カルマンダカム石窟は 周囲の地盤面より 1.5m 程下がったところに東面して開窟されている 石窟の上部はすぐ岩の上面となっており ファサードを確保するために石窟前面を掘り下げる必要があった 石窟の正面は 二本の柱とその両側のピラスターによって規定されている 柱は中間の八角形断面のカットゥを挟んで 正方形断面のシャドゥラムが柱礎と柱頭部を構成する 柱頭にはポーティカーが載るが タランガなどの装飾はつけられていない ピラスターは矩形平面でカットゥは設けられていない ファサードの内側は横長のホールになっているが ほぼ中央部にファサードと同じ列柱があって 前面のムカ マンダパと 奥のアルダ マンダパに分割されている アルダ マンダパの床はムカ マンダパより数センチ程度高くなっている アルダ マンダパの奥壁には 10 本のピラスターがほぼ等間隔で並んでいる これらのピラスターはアディスターナの上に立っている アディスターナはジャガティの上にトリパッタ クムダが載りその上のカンタを経てカポータに至るものである 両端から二番目と三番目のピラスターの間と中央の二本のピラスターの間には開口部があって 奥壁に穿たれたガルバグリハにつながっている ガルバグリハ扉口脇のピラスターは脇柱として機能しているように見える この脇柱の両側にはそれぞれドヴァーラパーラが置かれている ガルバグリハ扉口の前には二段の階段が設けられ アディスターナはここで不連続になっている 階段には手摺りはないが 正面と左側の前には チャンドラシラーがある ピラスターの上には無装飾のポーティカーが載り 梁形とエンタブラチュアのカポータを支えている アディスターナとエンタブラチュアはアルダ マンダパの側壁にまで延長されて ここに左右ひとつずつのガルバグリハが開窟されているが 脇柱も階段も設けられていない 同様にムカ マンダパの側壁にも左右にひとつずつのガルバグリハが開窟されている ここではエンタブラチュアは連続するが アディスターナはなく 手摺りのない 1 段の階段が設けられている これら側壁に設けられたガルバグリハは 奥壁のガルバグリハに備わっている扉口の装飾要素が欠けている つまり 脇柱 ドヴァーラパーラはなく 基壇 エンタブラチュア 階段もいずれかが欠けているのである これらのガルバグリハは後の設計変更であり もともとは奥壁にトリムールティをまつるべく意図されたものであると思われる 5. ティルッカルクンランラリタンクラ石窟 ( 図 16,17) チングレペット県チングレペット郡ティルッカルクンランは チングレペットの南西約 15km マハーバリプラムに向かう道沿いにある ここには高さ約 150m 程の小高い山があって 山頂に現在も巡礼の対象となるヴェーダギリシュヴァラ寺院がある ラリタンクラ石窟はオルカル マンダパム ( 一石 ) の別名でも呼ばれるが この丘の東側の山頂近くに位置する 石窟は切り立った岩壁に設けられ 正面中央には横から上る階段がついている 石窟平面は ムカ マンダパと アルダ マンダパ ガルバグリハで構成されている ムカ マンダパの正

80 面は 二本の柱と二本のピラスターで構成されている 柱は柱礎 柱頭が正方形のシャドゥラムで その間の柱身に八角形断面のカットゥが挟まる ピラスターは正方形断面である これらの柱列の上にはポーティカーが載るが 半円形ではなく 45 度に切り上がった角張った輪郭をしている ムカ マンダパの左右側壁にはピラスターの間にドヴァーラパーラ像が置かれる アルダ マンダパは ムカ マンダパと同様の列柱によって分割され 床は約 5cm 高い 天井はムカ マンダパとほぼ同じ高さで 左右側壁に彫像はない 奥壁中央には ガルバグリハ正面が 50cm 程張り出している この張り出したガルバグリハ正面には建築的装飾が施されている 基壇は 薄いウパーナの上にアディスターナが載っている アディスターナは初期パッラヴァ朝の石窟で見受けられるもので ジャガティの上に3 面の切り子面のあるトリパッタ クムダを置き これと最上層のパッティカーの間に一段凹んだカンタを挟んでいる 基壇の上には四本のピラスターがほぼ等間隔に並ぶ 中央の二本はその間に設けられたガルバグリハ扉口の脇柱のように扱われ 残りの二本は隅に置かれている これらのピラスターは正方形断面でカットゥはない 上にポーティカーを載せるが マンダパの柱と同じように 45 度に切り上がっている 隅のピラスターには四方にポーティカーが設けられている ガルバグリハ扉口の両側のピラスターの間にはドヴァーラパーラが置かれる この上にカポータが張り出したガルバグリハ正面だけではなくアルダ マンダパ奥壁まで連続している ガルバグリハ正面の両側のアルダ マンダパ奥壁には 脇柱もトーラナもない無装飾のニッチが設けられ 右側にはヴィシュヌ 左側にはブラフマーをまつる ガルバグリハ前には二段の階段と手摺りがつき 階段下にはチャンドラシラーの装飾がある ほぼ正方形平面のガルバグリハには中央にリンガがまつられている 6. ダラヴァーヌールサトルマッラ石窟 ( 図 18,19,20) 南アルコット県ジンジー郡ダラヴァーヌールにあるサトルマッラ石窟は ほぼ完成された初期パッラヴァ石窟である 東から西へと走る大きな花崗岩の岩山の南面に開窟されている 岩山の頂上付近は細かい岩が積み重なっているが 南面の東端はほぼ垂直に切り立っており 石窟を開窟するために適した場所が選択されている 正面は中央にある二本の柱とその両側のほとんど柱のように削り出した二本のピラスターの間が開口部となり さらにその外側にドヴァーラパーラを置くニッチを形作る一番外側のピラスターで構成されている 階段は中央の柱間に左右から上ることのできるように取り付けられている 中央の二本の柱は 柱礎 柱頭の四面に蓮華の装飾がある正方形断面のシャドゥラムで その間の柱身に八角形断面のカットゥが挟まる シャドゥラムには四面に蓮華が彫刻されている 柱頭の上にタランガの装飾 のないポーティカーが載るが 前面には中央にガナの座像のあるマカラトーラナのレリーフが彫り込まれ 梁形の上にはカポータが彫り出されている ここには馬蹄形の装飾モチーフであるナーシカーが五つ等間隔に並び マカラトーラナで装飾された窓の中にはガンダルヴァの顔がある 両端のピラスターは装飾のないポーティカーを支えるが 正方形断面でカットゥはない アディスターナはジャガティの上にトリパッタ クムダを置き これと最上層のパッティカーの間に一段凹んだカンタを挟んでいる カポータはドヴァーラパーラの外側のピラスター付近まで彫り込まれているが カポータ上のモールディングは内側のピラスターの外側で アディスターナのモールディングはこのピラスターの中ほどで終わり ドヴァーラパーラのニッチまでは連続していない おそらくドヴァーラパーラは後世に付け加えられたものであろう 石窟の内部は 左側にガルバグリハを設け その前面にアンタラーラ マンダパとでも言うべき前室をポーチを象った二本の柱で形作っている 奥 右の壁面に装飾はない ただし左右の天井は奥に行くほど高くなっており 初期石窟の未熟な開窟技術が伺える 左側壁のガルバグリハの前にある前室はチャンドラシラーのついた基壇に載るが アディスターナに装飾モールディングは施されていない 柱は シャドゥラムにカットゥが挟まれる形式で 柱頭の上には無装飾のポーティカーが四方に張り出している ガルバグリハ正面は柱と同じ位置にある正方形断面のピラスターの間にごく細い矩形のピラスターがあってその内側がガルバグリハ扉口になっていて この外側にドヴァーラパーラが置かれる ガルバグリハ内にはシヴァリンガが安置されている 7. まとめ以上詳述したパッラヴァ朝の初期ヒンドゥー教石窟は 建築装飾をみると柱の形状 マンダパ奥壁のモールディングの取り付け方などに共通性が見られる 平面形状を見ると マンダパの幅一杯に開口部をとり 奥行きの狭いマンダパ ( 前殿と後殿 ) を並べている 西インドの石窟と比べると極端に奥行きが取られていない 安山岩もしくは砂岩の岩肌に穿たれた西インドの石窟に比べ パッラヴァ朝の石窟は花崗岩の大岩に穿たれている 石の堅さによる開窟の難易度が石窟の奥行きの長さに起因しているものと考えられる ここで ガルバグリハの数と位置によって分類し石窟の特徴について言及したい まずガルバグリハがひとつでマンダパ奥壁に設けられている石窟 ( マーマンドゥール第 1 窟 ラリタンクラ石窟 ) では 後殿を設けるかも浮穴以下の差はあるものの 奥壁中央部にモールディングが張り出して ガルバグリハ前面を荘厳している これに対し正面右にガルバグリハを設けるサトルマッラ石窟の場合は アルダ マンダパを設ける代わりに

81 ガルバグリハ前面に前室に相当するポーチ状の空間を設けてガルバグリハとマンダパの緩衝空間としている これらの石窟はいずれもシヴァ神をまつっている 次にガルバグリハが三つマンダパ奥壁に設けられている石窟 ( ラクシタ石窟 マーマンドゥール第 2 窟 ) はガルバグリハ正面にモールディングのついた装飾が設けられ シヴァ神を中央にしてトリムールティをまつる これに対しカルマンダカム石窟では左右の側壁にそれぞれ二つの小室をもつが ここには扉口の装飾要素 つまり 脇柱 ドヴァーラパーラはなく 基壇 エンタブラチュア 階段もいずれかが欠けている ガルバグリハとして計画されたものではなく 奥壁にはトリムールティをまつられていたと考えるのが妥当である 最後にマンダパ奥壁に五つのガルバグリハを持つ石窟 ( マーマンドゥール第 3 窟 ) は 大きく改変されているため 推定が困難であるが 奥壁にはチャンドラシラーがあって さらに基壇 エンタブラチュア 階段で装飾されている マンダパ側壁の小室にはこれらのいずれかが欠けていることから 奥壁にガルバグリハを穿ち シヴァリンガを並べて礼拝するように配置されたものと考えられる 一方 ヒンドゥー教寺院で五つのシヴァリンガを一列に並べる寺院は インド中世のホイサラ朝にみられる タミル地方の南インド建築の影響がデカン高原南部の構築寺院にうかがうことができ このようなまつられ方をするシヴァ信仰の原形であると見なすことができよう 図 1. ラクシタ石窟平面図 断面図 (Srinivasan, K.R., 1964/ 以下同様 ) 参考文献 : Srinivasan, K.R., Cave-Temples of the Pallavas, Archaeological Survey of India, New Delhi, 1993 (Rpt, first edition 1964) American Institute of Indian Studies, Encyclopaedia of Indian Temple Architecture, South India, Lower Dravidadesa, Delhi, 1983. 肥塚隆 南インドのヒンドゥー教石窟 仏教藝術 93 号 1973 矢口直道 まつられた神格とそれらの位置からみたインド ホイサラ寺院の類型学的考察 日本建築学会計画系論文集 1998 Soundara Rajan, K. V., Rock-cut Temple Styles Early Pandyan Art and Ellora Shrines -, Munbai, 1998. Huntington, S. L., The Art of Ancient India, New York and Tokyo, 1985 Harle, J. C., The Art and Architecture of the Indian Subcontinent, London, 1986 図 2. ラクシタ石窟正面 ( 筆者撮影 / 以下同様 ) 図 3. ラクシタ石窟アルダ マンダパ奥壁

82 図 4. マーマンドゥール第 1 窟平面図断面図立面図 図 7. マーマンドゥール第 2 窟平面図断面図立面図 図 5. マーマンドゥール第 1 窟正面 図 8. マーマンドゥール第 2 窟正面 図 6. マーマンドゥール第 1 窟ガルバグリハ前面 図 9. マーマンドゥール第 2 窟アルダ マンダパ奥壁

83 図 13. カルマンダカム石窟平面図 断面図 立面図 図 10. マーマンドゥール第 3 窟平面図 断面図 図 11. マーマンドゥール第 3 窟正面 図 14. カルマンダカム石窟正面 図 15. カルマンダカム石窟マンダパ内観 図 12. マーマンドゥール第 3 窟ムカ マンダパ

84 図 16. ラリタンクラ石窟平面図 断面図 図 18. サトルマッラ石窟平面図 断面図 図 17. ラリタンクラ石窟正面 図 19. サトルマッラ石窟正面 図 20. サトルマッラ石窟マンダパ内観 ( 提出期日平成 19 年 11 月 26 日 )