[ 文献紹介 ] 浅大腿動脈および膝窩動脈近位部の慢性完全閉塞病変に対する自己拡張型ナイチノールステント留置後 5 年の臨床成績 Sakamoto Y, et al., Five-year outcomes of self-expanding nitinol stent implantation for chronic total occlusion of the superficial femoral and proximal popliteal artery. Catheter Cardiovasc Interv. 2013 阪本泰成先生 済生会横浜市東部病院循環器内科 平野敬典先生 済生会横浜市東部病院循環器内科 REAL-FP ~CTO~
浅大腿動脈および膝窩動脈近位部の慢性完全閉塞病変に対する自己拡張型ナイチノールステント留置後 5 年の臨床成績 済生会横浜市東部病院循環器内科 阪本泰成先生平野敬典先生 [ 目的 ] 浅大腿動脈および膝窩動脈近位部 (SFPA) の慢性完全閉塞 (CTO) 病変に対して自己拡張型ナイチノールステント留置後の5 年開存率および再狭窄の予測因子を検討する [ 背景 ] SFPA の CTO に対する自己拡張型ナイチノールステント留置後の長期開存率に言及した報告は少ない [ 方法 ] 日本の計 4 施設で 2004 年 1 月 ~2009 年 12 月の期間に自己拡張型ナイチノールステント留置による血管内治療を施行した SFPA 病変を有する下肢閉塞性動脈硬化症患者 861 例 1,017 肢のうち SFPAのCTOに対して自己拡張型ナイチノールステントを留置した352 例 383 肢の経過を5 年間観察し 開存率や再狭窄の予測因子について後ろ向きに検討を行った [ 結果 ] 平均年齢は72±9 歳で 34% が女性症例であった 64% の症例が糖尿病を有し 25% が重症虚血肢であった 平均閉塞長は194± 89mm 平均総ステント長は 198±87mm 平均ステント径は 7.1±0.9mmであった 治療後 5 年間の一次開存率および二次開存率はそれぞれ 51.8% および 79.5% であり 外科的血行再建回避率 肢切断回避率および全死亡回避率はそれぞれ 96.1% 96.2% および 78.4% であった 多変量解析の結果 女性 (OR=1.95 p=0.0051) および平均ステント径 (OR=0.77 p=0.0324) が 独立した再狭窄の予測因子であった [ 結論 ] 女性および径の小さいステント留置が必要なSFPAのCTO 病変に対する自己拡張型ナイチノールステント留置後の一次開存率維持は難しかったが 二次開存率については許容できる結果であった キーワード PVD- 末梢血管疾患 血管内治療 自己拡張型ナイチノールステント INTRODUCTION 経皮的血管形成術 (PTA) と引き続くプロビジョナルなステント留置による血管内治療 (EVT) は その合併症発生率および周術期死亡率の低さや再治療の簡便さから 鼠径靭帯以下の症候性閉塞性動脈硬化症患者に対する第一選択の治療方法となっており 1 鼠径靭帯以下の動脈に狭窄または閉塞を有した多くの症例に対する有用な血行再建方法として確立されつつある 2 無作為化比較試験のメタ解析では SFPAに短い病変を有する症候性患者に対して バルーン拡張術にプ ロビジョナルなステント留置を加えた場合とルーチンでステント留置を施行した場合の標的血管血行再建術 (TVR) を比較した結果 その施行率には有意差がないことが報告されている しかし 次世代のナイチノールステントでは TVR 施行率は低い傾向が示唆されたため SFPAにおいてステントはバルーン血管形成術後のベイルアウトとして使用するのが望ましい 3 技術やデバイスの進歩により SFPAの慢性完全閉塞 (CTO) など複雑な病変へのEVT 成功率は約 90% に達し 4, 5 また病変長が15cm 以下であれば自己拡張型ナイチノールステントの方がバルーン血管形成術単独よりも開存率が高いため 6-9 EVTの適応は近年拡大しつつある しかし SFPAのCTOに 1
対する自己拡張型ナイチノールステント留置後 3 年以上の開存率に言及した報告はない 2 本試験では より多い症例数を対象とした長期間の追跡試験の結果から 自己拡張型ナイチノールステント留置後の成績を検討した SUBJECT AND METHODS 本検討は 日本国内の4 施設 ( 済生会横浜市東部病院 関西労災病院 仙台厚生病院 小倉記念病院 ) による多施設共同研究である この REAL-FP1000(Retrospective Analysis for Femoropopliteal Stenting of 1,000 Limbs) は 医学雑誌編集者国際委員会 (International Committee of Medical Journal Editors) によって認められ 大学病院医療情報ネットワーク - 臨床試験登録システム (UMIN-CTR) に登録されている ( 登録番号 UMIN000004425) このデータベースには 2004 年 1 月から 2009 年 12 月の期間に新規 SFPA 病変に対する自己拡張型ナイチノールステント留置による EVT の施行に成功した 861 例 1,017 肢を登録した いずれの症例もSFPAに症候性病変 (Rutherford 分類 2~6) を有し 運動療法や十分な薬物療法にもかかわらず QOLの低下が顕著であった サブ解析である本検討は SFPAのCTOに対して 自己拡張型ナイチノールステントである S.M.A.R.T. CONTROL ステントを留置し治療を行った 352 例 383 肢を対象とした CTOの定義は造影で血管内腔に順行性血流が認められないものとした すべての症例は 6ヵ月以上のフォローアップがなされた この試験実施計画書はヘルシンキ宣言に従ってデザインし 各病院の倫理委員会の承認を得た また すべての患者から書面による同意を得た Study Protocol and EVT Strategy すべての症例 特に TASCⅡ 分類のC 型および D 型病変については 血管外科医と協議した上で EVTの適応を決定した 本検討における SFPA 病変へのEVT 適応は 狭窄率が70% 以上で流入血管病変がないものとした EVT 手技の方法は 各医療機関の術者の判断にゆだねられた 一般的には 大腿動脈から6Frのシステムを使用したが 閉塞部が総大腿動脈分岐部に近い場合は 対側大腿動脈アプローチを選択した オーバーザワイヤーバルーンまたはマイクロカテーテルのバックアップ下に 0.014インチまたは 0.035インチのガイドワイヤーを進めて閉塞部位を通過させた Subintimal angioplastyを行ったか 経皮的な超音波ガイドで手技を行ったかについては 術者の判断にゆだねられた 順行性アプローチが不成功の場合は 膝窩動脈からの逆行性アプローチに て手技を施行した ガイドワイヤーを通過させた後 十分な径のバルーンを用いて病変を60 秒間拡張した ステント留置は ACC/AHAガイドライン 1 に従い バルーン拡張後の病変部圧較差 10mmHg 以上 残存狭窄率 30% 以上 および / または順行性血流を妨げる動脈解離の認められる場合に行った ステント径は対照血管径よりも約 1~2mm 大きいものを使用した 2 剤併用抗血小板療法 ( シロスタゾール 100mg 1 日 2 回 チクロピジン 100mg 1 日 2 回またはクロピドグレル 75mg 1 日 1 回のいずれかとアスピリン 100mg 1 日 1 回を併用 ) をEVTの1 週間以上前より内服を開始し 追跡期間終了時まで継続した リエントリーデバイスについては この試験の実施時点で厚生労働省の認可を受けていなかったため使用していない Follow-up and Outcomes 自覚症状や足関節上腕血圧比 (ABI) 測定などの臨床項目の評価は 手技前 手技から24 時間後 72 時間後および 1ヵ月後に行い 以後 3ヵ月ごとに実施した また 手技後は6ヵ月ごとに超音波検査も実施し 再狭窄の有無を評価した 評価項目は 一次開存率 二次開存率 主要有害事象 ( 全死亡 肢切断の有無 EVT 後の外科的な血行再建術の必要性 ) Rutherford 分類 ABI 超音波検査による再狭窄の有無 および X 線検査で評価した stent fractureの有無であった 再狭窄は 超音波で測定した peak systolic velocity ratioが 2.4 以上と定義した 10 Stent fractureの有無は 来院時に4 方向からの X 線撮影を実施し EVT 症例の経験が1,000 例を超える2 名の観察者が判定することによって ステント支柱の明確な離断 (>1~2mm) ならびにそれに付随するステントのキンクまたは位置ずれを評価した 膝関節屈曲位でのX 線撮影は実施しなかった 一次開存は 再狭窄がないこと または再血行再建未施行の場合と定義した 二次開存は 標的血管が完全閉塞したが 再血行再建術により再開存したことと定義した 一次開存が維持されず 間歇性跛行または重症下肢虚血の症状がある患肢については 外科的な血行再建術の方が適切か否かを血管外科医と協議した上で 必要であれば再度 EVTを施行した 再狭窄病変に対して バルーン血管形成術またはステント留置のどちらを施行するかの選択については 各病院の術者の判断にゆだねた 石灰化は血管造影により評価した 肢切断はすべての切断と定義した 冠動脈疾患 (CAD) の既往は 安定狭心症 経皮的冠動脈インターベンション治療 冠動脈バイパス術または心筋梗塞の既往と定義した 脳血管疾患は 医師による一過性脳虚血発作または虚血性脳卒中の診断の既往と定義した 膝下動脈のrunoffは手技前後の血管造影により評価した 主要評価項目は 治療後 5 年間の一次開存率であった 2
浅大腿動脈および膝窩動脈近位部の慢性完全閉塞病変に対する自己拡張型ナイチノールステント留置後 5 年の臨床成績 Statistical Analysis 統計解析はすべてSAS 6.10ソフトウエアを用いて実施した 連続変数は平均 ± 標準偏差で示した 一次開存率 二次開存率および主要有害事象はKaplan-Meier 法で評価し 患者群間の生存率をlog-rank 検定で比較した 多重ロジスティック回帰分析を使用して 一次開存に至らなかった予測因子を検討した 単変量解析でp 値が <0.1の因子を多変量回帰分析モデルに投入した 単変量モデルに投入した共変量は 性別 年齢 糖尿病 高血圧 脂質異常症 喫煙継続者 血液透析 跛行 (Rutherford 分類 2または 3) 組織欠損または壊疽 (Rutherford 分類 5または 6) TASCⅡ 分類のC 型および D 型 病変 病変長 膝窩動脈下でのrunoff 使用したステント数 総ステント長 平均ステント径 stent fracture 病変部位の石灰化およびシロスタゾール投与であった いずれの解析も p<0.05 を統計学的な有意差とした RESULTS SFPAのCTOに対して S.M.A.R.T. CONTROL ステントを留置した患者背景を表 1に示す 女性患者は34%(119/352 例 ) で 平均年齢は72±9 歳であった 計 64% の患者 (224/352 例 ) が糖尿病に罹患しており 13% の患者 (46/352 例 ) は腎不全のため維持血液透析中であった 冠動脈疾患または脳 表 1 患者背景 患者数 352 例 年齢 ( 歳 ) 72 ± 9 女性 (%) 119 (34) 喫煙者 (%) 115 (33) 高血圧 (%) 325 (92) 脂質異常症 (%) 147 (42) 糖尿病 (%) 224 (64) 血液透析 (%) 46 (13) 冠動脈疾患の既往 (%) 188 (53) 脳血管疾患の既往 (%) 103 (29) 表 2 患肢背景 383 肢 治療前 ABI 0.58 ± 0.14 Rutherford 分類 (%) カテゴリー 2/3 68 (18)/219(57) カテゴリー 4/5/6 39 (10)/48(13)/9(2) 平均閉塞長 (mm) 194 ± 89 TASC II 分類 (%) A/B 26 (7)/77(20) C/D 112 (29)/168(44) 膝下動脈のrunoff(%)<1/<0 117 (31)/21(5) 平均ステント数 (n) 2.2 ± 0.9 平均ステント径 (mm) 7.1 ± 0.9 平均総ステント長 (mm) 198 ± 87 シロスタゾール治療 (%) 245 (64) 一次開存率および二次開存率 (%/100) 1.00 0.80 0.60 0.40 0.20 一次開存率二次開存率 図 1 ステント留置後 5 年間の一次および二次開存率 0.00 0 365 730 1095 1460 1825 EVT 後日数 ( 日 ) 一次開存 (%) 100 79 69 63 58 52 No. at risk 383 258 152 92 35 13 二次開存 (%) 100 91 86 84 82 80 No. at risk 383 294 185 114 43 20 3
血管疾患の既往がある患者は それぞれ 53%(188/352 例 ) および 29%(103/352 例 ) であった 75%(287/383 肢 ) に間歇性跛行 25%(96/383 肢 ) に重症下肢虚血 15%(57/383 肢 ) に潰瘍または壊疽が認められた 患肢背景を表 2に示す 治療病変の平均閉塞長は194±89mmであり 病変はTASCⅡ 分類のA 型が7%(26/383 肢 ) B 型が20%(77/383 肢 ) C 型が29%(112/383 肢 ) および D 型が44%(168/383 肢 ) であった 病変あたりの平均ステント数は 2.2±0.9 本 平均ステント径は7.1±0.9mm 平均総ステント長は 198±87mm であった 64% (245/383 肢 ) の症例にはステント留置後シロスタゾールが投与された 観察期間中に SFPAへのステント留置後 stent fractureが13%(49/383 肢 ) の症例で認められた 治療 5 年 後の一次開存率および二次開存率はそれぞれ51.8% および 79.5% であり ( 図 1) 外科的血行再建回避率 肢切断回避率 および全死亡回避率は それぞれ 96.1% 96.2% および 78.4% であった ( 図 2) また 治療 5 年後の一次開存率および二次開存率をTASCⅡ 分類 A/BとTASCⅡ 分類 C/Dの2 群間で比較した結果 一次開存率は61% および 48%(p=0.1125)( 図 3) 二次開存率は89% および 76% であった (p=0.0574)( 図 4) 単変量解析の後に行った多変量解析による一次開存に至らなかった予測因子は 女性 (OR=1.95 95%CI=1.22 3.10 p= 0.0051) および平均ステント径 (OR=0.77 95%CI=0.61 0.98 p=0.0324) であった ( 表 3) 回避率 (%/100) 1.00 0.80 0.60 0.40 0.20 肢切断回避率外科的血行再建回避率全死亡回避率 図 2 ステント留置後 5 年間の肢切断回避率 外科的血行再建回避率および全死亡回避率 0.00 0 365 730 1095 1460 1825 EVT 後日数 ( 日 ) 肢切断回避率 (%) 100 98 96 96 96 96 No. at risk 383 315 212 137 50 23 外科的血行再建回避率 (%) 100 98 97 96 96 96 No. at risk 383 315 212 134 48 23 全死亡回避率 (%) 100 94 90 83 80 78 No. at risk 383 325 220 138 55 25 一次開存率 (%/100) 1.00 0.80 0.60 0.40 図 3 ステント留置後 5 年間の一次開存率 (TASCⅡ 分類 A/B vs. C/D) 0.20 0.00 0 TASC II A/B TASC II C/D p=0.1125 365 730 1095 1460 1825 EVT 後日数 ( 日 ) TASCⅡ A/B(%) 100 85 77 70 67 61 No. at risk 103 75 46 26 11 5 TASCⅡ C/D(%) 100 76 66 61 55 48 No. at risk 280 183 107 66 24 8 4
浅大腿動脈および膝窩動脈近位部の慢性完全閉塞病変に対する自己拡張型ナイチノールステント留置後 5 年の臨床成績 二次開存率 (%/100) 1.00 0.80 0.60 0.40 図 4 ステント留置後 5 年間の二次開存率 (TASCⅡ 分類 A/B vs. C/D) 0.20 0.00 0 TASC II A/B TASC II C/D p=0.0574 365 730 1095 1460 1825 EVT 後日数 ( 日 ) TASCⅡ A/B(%) 100 93 92 92 89 89 No. at risk 103 80 51 29 13 7 TASCⅡ C/D(%) 100 90 84 80 79 76 No. at risk 280 214 134 85 30 13 表 3 多変量解析の結果 OR 95% 信頼区間 p 値 女性 1.95 1.22 3.10 0.0051 間歇性跛行 1.65 0.95 2.86 0.0747 平均ステント径 0.77 0.61 0.98 0.0324 脳血管疾患の既往 0.73 0.43 1.24 0.2471 DISCUSSION 静脈グラフトを用いた大腿膝上膝窩動脈バイパス術は SFPAにある TASCⅡ 分類 C 型または D 型に分類される より閉塞長の長い病変に対する標準的な血行再建方法と考えられているが 2 治療技術やデバイスの進歩により ナイチノールステントを用いた PTAが今後 標準的な血行再建方法の選択肢のひとつとなる可能性がある また 新しいデバイスはこの 10 年間で大きく進歩しており SFPA 領域の治療戦略は変容を遂げている 6cm 前後の病変長の場合には 通常のバルーン拡張術と比較しパクリタキセル溶出性バルーンが再狭窄を有意に抑えることが可能である (19% vs. 47% p=0.035) 11 経皮的なステントグラフト留置術後 4 年での一次開存率は 人工血管を用いた大腿動脈膝窩動脈バイパス術と同程度である (59% vs. 58%) 12 最近の報告では ポリマー不使用のパクリタキセル溶出性自己拡張型ナイチノールステント Zilver PTX をTASCⅡ 分類 C/D 型病変へ留置した 12ヵ月後の一次開存率は77.8% であることが報告され この結果は外科的な血行再建術と同等であると結論づけられている 13 自己拡張型ナ イチノールステント留置を第一選択の治療法と位置づけるためには SFPA 病変へのステント留置による長期成績を示す必要がある 本検討では 64% をも占める多数の糖尿病症例を含み 13% は腎不全のため維持血液透析を施行中であった このような症例はいずれも ナイチノールステント留置による EVT 後の造影成績または臨床予後が不良であると報告されている 14, 15 また 病変の複雑性についても TASCⅡ 分類のC 型および D 型病変が73% を占め 平均総ステント長も既存の報告より長い 198±87mmであった 6-9 これらは治療後成績が不良な症例であったが 本検討における SFPAのCTOに対する S.M.A.R.T. CONTROL 自己拡張型ナイチノールステント留置後 1 年 3 年および 5 年の一次開存率および二次開存率は それぞれ 78.5% および 91.9% 63.3% および 83.5% 51.8% および 79.5% であった 最近では RESILIENT 試験の結果から 間歇性跛行症例における SFPAへのLifeStent 自己拡張型ステントの留置後 3 年の標的病変再血行再建回避率は75.5% であり 16 本検討の 3 年後の一次開存率と同等であることが示された さらに ポリテトラフルオロエチレン (PTFE) グラフトを用いた大腿膝上膝窩動脈バイパス術 または自家静脈グラフトを用いた大腿膝上膝窩動脈バイパス術を検討したこれまでの無作為化試験のデータと 5 年開存率を比較すると S.M.A.R.T. CONTROL ステント留置による一次開存率は PTFEグラフト (39~52%) と同等であることが示された また 5 年後の二次開存率も 自家静脈グラフトを用いた大腿膝上膝窩動脈バイパス術 (71.9~77.2%) と同等であり この結果は許容できるものであると考えられた 17-19 多変量解析では女性 (OR=1.95 95%CI=1.22~3.10 p= 0.0051) および平均ステント径 (OR=0.77 95%CI=0.61~0.98 5
p=0.0324) が再狭窄の予測因子であった 開存率への性差の影響に関しては 腸骨動脈領域においてインターベンション治療後の開存率が女性でより低い傾向にあると報告されている 20 この理由のひとつとして 女性の血管径がより小さいことが可能性として推測される ステント径は血管径を正確には反映していないが 本検討では平均ステント径も再狭窄の予測因子のひとつであった 性差に関しては閉経後の女性ホルモン濃度低下と それに引き続く血管合併症の発生に女性ホルモンの抗動脈硬化作用の低下の関与が考えられる 21 しかし新生内膜増殖との関与は不明であるため これはあくまでも推測にすぎず この点を明確にするには 今後さらなる検討が必要である SFPAと冠動脈は解剖学的に同じではないが インターベンション治療後の最小ステント面積は ベアメタルステントを用いた経皮的冠インターベンション治療後早期の再狭窄予測因子のひとつであると報告されている 22 最近の臨床試験では 患者および解剖学的特性を十分に考慮して血行再建方法を選択した場合 SFPA 領域に疾病のある患者の長期成績は 外科的血行再建術に匹敵することが示唆されている 23 Stent fractureは新生内膜の過形成を生じ 大腿膝窩動脈へのステント留置後早期の再狭窄を引き起こす 24 本検討におけるその発生率は 12.8% であったが これは留置した総ステント長が長い割には比較的低率で 単変量または多変量解析において再狭窄の予測因子とはならなかった SFPA 領域の治療後の成績は数多くの因子による影響を受けると考えられているため 低い発生率の因子を検討するには より大規模なコホートで試験を実施する必要があると考えられる Study Limitations 本試験では前向きに蓄積されたデータベースを使用したが 後ろ向き非無作為化試験であり またインターベンション治療の際の手技的側面が慢性期成績に与える影響を評価できなかった CONCLUSION SFPAのCTO 病変で 特に女性および小さい径のステント留置を必要とする症例では 自己拡張型ナイチノールステント留置後の一次開存率維持が困難であったが 二次開存率は許容できる値であった ACKNOWLEDGMENTS 済生会横浜市東部病院の中野雅嗣先生 関西労災病院の岡本慎先生 土肥智晴先生および南都清範先生 小倉記念病院の浦川知子先生 登坂淳先生および三浦崇先生 仙台厚生病院の槇田俊生先生に感謝いたします 参考文献 1. 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腸骨 浅大腿動脈用スマートステント 販売名 :SMART CONTROL ステント 承認番号 :22500BZX00194000 This article has been translated from the original English with the permission of Wiley-Blackwell. Wiley-Blackwell does not warrant this translation and disclaims any responsibility, including all alleged direct and consequential damages, for inaccurate translations. (IDNO 12-67501) Cordis Circle www.cordisjapan.jp 上記サイトでは医療従事者を対象として様々な情報をご提供しています 本稿には適応外使用が含まれています 製品のご使用にあたっては 添付文書をご確認ください 製造販売元 販売元 本社 / 101-0065 東京都千代田区西神田 3 丁目 5 番 2 号 TEL.(03)4411-7909 東京支店 / TEL. (03)4411-6814 札幌営業所 / TEL. (011)210-0455 仙台営業所 / TEL. (022)213-3488 横浜営業所 / TEL. (045)475-2838 名古屋支店 / TEL. (052)563-5024 大阪支店 / TEL. (06)6258-6682 広島営業所 / TEL. (082)243-5232 福岡営業所 / TEL. (092)441-3759 IED00125-01-201510(CH)/CB100 Cardinal Health Japan G.K. 2015