( 目次 ) Ⅰ. 総論 2 Ⅱ. 国連機関別 レベル別の主な外部候補者の採用制度 7 Ⅲ. 採用方法及び特徴 A.YPP 8 B.JPO 10 C.PKOミッション等の採用 ( ロスター制度 ) 12 D. 国際機関が実施する若手職員採用制度 12 E. 採用ミッション 12 F. 個別空席公告

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Transcription:

2014.1.9 Applying to the UN Information & Guidance 国連機関への就職 国際公務員就職ガイダンス資料 (2014 年版 ) 国際機関人事センターニューヨーク支部作成

( 目次 ) Ⅰ. 総論 2 Ⅱ. 国連機関別 レベル別の主な外部候補者の採用制度 7 Ⅲ. 採用方法及び特徴 A.YPP 8 B.JPO 10 C.PKOミッション等の採用 ( ロスター制度 ) 12 D. 国際機関が実施する若手職員採用制度 12 E. 採用ミッション 12 F. 個別空席公告 13 Ⅳ. 採用に向けての取組み A. 人事選考はどのような基準で行われるのか 17 B. 学生時代に準備しておくべきもの 18 C. 応募先機関 ポストに関する情報収集 ( 応募に向けての準備作業 ) 21 D. 応募書類 (Application Form: Personnel History Profile) 作成における留意事項 23 Ⅴ. 処遇 26 参考となる HP 28 1

Ⅰ 総論 人事管理の単位 1 国連事務局 (United Nations Secretariat) (1) 国連事務局内部部局 地域経済委員会等 エントリーレベル (P-2) の採用はYPPにより行われる (8 頁参照 ) ( イ ) 国連事務局内部部局事務総長室, 内部監査局, 法務局, 政務局, 軍縮局,PKO 局, フィールド支援局, 人道問題調整局, 経済社会局, 総会 会議サービス局, 広報局, 管理局, 安全保安局など ( ロ ) 地域経済委員会 ECA,ECE,ECLAC,ESCAP,ESCWA ( ハ ) その他 UNEP( 国連環境計画 ) UNCTAD( 国連貿易開発会議 ) OHCHR( 国連人権高等弁務官事務所 ) UN-H ABITAT( 国連人間居住計画 ),UNODC( 国連薬物 犯罪事務所 ) (2)PKOミッション 特別政治ミッション(SPM:Special Political Mission) UNMISS( 南スーダン ),MINUSTAH( ハイチ ),UNDOF( シリア イスラエル ) など 2 基金 計画 (Funds & Programmes), 専門機関 (Specialized Agencies) 機関毎にそれぞれ独立した人事管理が行われているが 基金 計画及び専門機関には 国連共通制度 (UN Common System) が適用されるため 給与 年金等の処遇条件に差が出ないようになっている (1) 基金 計画 UNDP UNFPA UNICEF UNHCR UNOPSなど (2) 専門機関 ILO FAO UNESCO WHO ICAO IMO ITU UPU WMO WIPO IFAD UNI DO WFP 世銀グループ IMFなど 世銀グループとIMFは国連専門機関ではあるが, 勤務条件については国連共通制度を適用していない (3) 国連システム外の機関 WTO OECDなど 2

3 国連機関に勤務する職員 (Staff member) の種類 (1)2つの大分類専門職 ( 国際的公募による採用 ) と一般職 ( 現地採用 ) (2) 職種による区分国連事務局の場合,1 経済 社会開発,2 内部管理 ( 財務, 人事, 調達, 監査等 ),3 政務,4 情報 通信技術,5 法務, 6 広報 渉外,7 会議運営,8 安全 保安, といった職種がある (3) 雇用形態による区分正規職員 ( 任期付任用 継続任用等 ) 技術協力要員(JPO 等ドナーによる派遣 ) 臨時職員( 短期雇用 ) 機関 職種 雇用形態によって 採用の手続や公募方法に違いがある 職員の扱いではないが 国連ボランティア (UNV) コンサルタントなどの形態で各機関の業務に従事する者もいる 4 国連機関の職員数 (1) 国連システム全体の職員数 73,812 名専門職 22,018 名その他 ( 一般職等 )51,794 名 ( 専門職中 日本人は約 764 人 次頁参照 ) (2) 国連事務局 (2013 年 6 月末現在 ) 専門職 :12,220 人一般職等 :29,053 人計 :41,273 人 ( うち, 日本人は専門職 207 人, その他 ( 一般職等 )47 人 ) 衡平な地理的配分 に服するポストに1 年以上の任期で就いている職員 5 頁参照 2,907 人中, 日本人職員は 88 人 ( これらのポストに日本は 181~245 人職員がいることが望ましいとされている ) 衡平な地理的配分 に服するポストとは, 国連事務局の専門職職員のポストのうち, 通常予算で人件費が支弁されて おり かつ 言語職員 ( 通訳 翻訳担当官 ) 以外のポストを指す ( 国連事務局の予算には通常予算のほか,PKO ミッシ ョンごとの予算や NY 本部で PKO 活動を支える機能のための予算であるサポートアカウントなどがある ) 3

主要国際機関における邦人職員数の推移 ( 注 ) 専門職以上の職員数 通訳 翻訳等の語学ポストは含まない 国連事務局における職員数及び 望ましい職員数 ( 各年 1 月現在 外務省調べ ) ( 注 ) 本表中の 職員数 は 地理的配分の原則が適用されるポストに勤務する職員数であり 全体の職員数ではない 全体の職員数の合計は 12,289 名で 日本は 204 名となっている ( 専 門職以上 通訳 翻訳等の語学ポストを含む ) ( 出典 : 国連資料 (A/67/329)) (2012.6.30 現在 ) 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 国連関係機関 475 517 557 610 642 671 676 698 708 736 765 765 764 UN 109 112 114 117 129 132 136 140 151 158 160 159 156 UNDP 20 30 36 37 40 44 46 47 51 59 73 71 69 UNHCR 47 49 51 52 51 53 61 60 59 57 58 58 59 WFP 12 15 20 21 27 33 37 35 33 41 39 39 39 UNICEF 29 32 39 43 45 50 45 62 65 67 69 69 71 ILO 30 38 37 44 43 44 44 45 43 43 38 38 39 FAO 31 27 31 40 42 46 42 36 36 39 40 45 41 UNESCO 35 39 45 46 55 54 57 61 59 59 60 58 53 WHO 42 44 43 48 46 47 44 42 39 39 44 41 41 IAEA 37 37 36 40 41 40 41 41 42 42 43 41 42 OECD 40 41 42 41 45 44 49 49 50 49 48 52 50 4

国連機関の人事 ( 採用 異動 昇進 ) の原則 空席発生 公募 書類選考 面接 ( 複数の候補者を対象 ) 採用決定 (1 人 ) 職員の退職 異動等 内部公募のみ コンピテンシーに基づく面接 ポストの新設の場合もある 面接前に筆記試験等を実施する場合もある 特徴 1ポスト毎に人事を行う ( 日本企業は人事部局主導による新規学卒者の一括採用が中心 ) 空席が発生した時に募集を行う 自分に適したポストがタイミング良く募集される保証はない 採用選考は, 人事部局ではなく, 現場の評価 判断が大きく影響する 2 即戦力を求めている ( 日本企業ではOJTによる部内育成が中心 ) 当該ポストに必要な経験等はポストへの応募資格として明示されており これを満たすことが必須( 日本企業における 経験者採用 と同様 17 頁参照 ) コンピテンシーに基づく面接により 当該ポストに対する適性の有無が判断される 面接前に筆記試験等により専門知識を審査する場合もある 能力開発は各自の責任であり 採用後の上司によるOJTは期待できない 3 空席公告に応募して選考されないと異動も昇進もない ( 日本企業では人事部局が職員の異動 昇進を管理 ) 職員は空席ポストに応募しなければ 異動も昇進もなく いずれ昇給もストップする 職員のモビリティを促進するための取組を行っている機関もあるが あくまで職員本人の発意による空席公告への応募が基本 5

( LEAD ) Ⅱ. 国連機関別 レベル別の主な外部候補者の採用制度 国連事務局 UNDP UNICEF UNHCR PKO ミッション専門機関 D-2&D-1 P-5 空席公告 空席公告 空席公告 P-4 P-3 空席公告 空席公告 空席公告 ( 応募 ) ( 応募 ) P-2&P-1 YPP AE(JPO) JPO(P-2) JPO(P-2) 内部向け空席公告内部向け空席公告 ( 応募 ) JPO(P-2) 外部向け空席公告例外的 1. 包括空席公告 ( ロスター採用 ) 2. 個別空席公告 空席公告空席公告 ( 応募 ) JPO(P-2) 国連機関の職員の採用は 原則としてレベルを問わず空席公告による採用である 内部候補者を優先する観点から 全ての空席公告が外部に対して示されるわけではない ( 部内職員のみが閲覧可能なイントラネットでまず空席公告を配信している機関もある ) JPOは 外務省が人件費を全額負担し 手弁当 で若手邦人を国際機関に派遣する制度であり 正確には職員採用制度ではない 6

Ⅲ. 採用方法及び特徴 A.YPP(United Nations Young Professionals Programm): 国連事務局の若手職員採用プログラム 受験資格日本国籍を有し 32 歳以下 ( 受験年末時点 ) 試験実施分野での学士号以上 英語又は仏語で職務遂行可能 2013 年試験の例 : 応募期間 : 募集対象分野によって異なる (6 月 3 日 ~8 月 2 日 ( 法務 広報 統計 ) 7 月 8 日 ~9 月 5 日 ( 行政 財務 )) 書面審査を経て筆記試験受験許可が 9 月 ~10 月頃に通知される 筆記試験 12 月 3 日 ( 火 ) 申込みは 必ず早めに行うこと ( オンライン申込みのため システム上の不備が生じて間に合わなくなることを避けるため ) 最終合格者は 最終合格から2 年間 国連事務局の通常予算で設置されているP-2ポストへの採用資格が得られる 2 年以内に採用されない場合には 採用資格が失効となる 最初の配置は2 年間で その後 異なる官署への異動を経験する ( ニューヨークなど本部に最初配属された者は 次はPKOミッション等フィールド官署に配属されると考えられる ) 実施される試験区分 ( 専門分野 ) は毎年異なり 国連事務局内の労働力需給予測に基づき設定される 1. 試験対象国国連加盟国は現在 193カ国であるが そのうち試験に参加できる国 ( 受験資格を得られる国民 ) は, 現在, 衡平な地理的配分 に服するポストに就いている職員数が 望ましい職員数の範囲 の下限以下である国 ( 無代表 / 過小代表国 ) に限られる (2013 年参加国は63カ国 ) 2. 書面審査 ( 受験許可審査 ) 参加国 試験区分毎に受験者の上限(40 人程度 ) が設けられており 書面審査の結果 受験許可者が発表される 受験許可者の選考は 応募書類を基に 職務経験( 関連性の濃淡 含インターンシップ ) 海外経験( 国連機関勤務経験 留学経験 ) 学歴( 関連性の濃淡を含む ) 語学能力等を数値化した上で 上位の応募者に受験許可を与える 応募者数が受験者上限(40 人程度 ) を超えない場合であっても 学歴 面で受験資格がないと判断された応募者には受験許可が出ない 学歴 は単に学士以上の学歴ではなく 試験区分に関連する学歴 である 学部の名前は大学により異なるが 学部名で判断できないケースでは 応募書類に記載する履修科目の内容で受験許可の適否が判断されるので 試験区分に関連する科目を中心に書くことも必要 実例として 社会分野 で応募したが 政務分野 での受験許可を得たという候補者もいた 7

3. 筆記試験 試験部局は 国連事務局人的資源管理部(OHRM) 試験課 (Examinations and Tests Section) 試験問題の作成 採点基準の設定及び採点については 外部の専門家が行う場合もあるが 基本的に現役の国連事務局職員がボランティアで協力する このため 国連の関係部局が抱える時事的課題をマークする必要がある いずれの試験参加国で受験可 交通費自己負担 筆記試験の構成は以下のとおり ( 毎年内容や構成が変わる ) 1 と 2 併せて 4 時間半 1 一般試験 要約 ( 英語又は仏語 ) 2 専門試験 多肢選択式問題 ( エッセーおよび小問 )( 国連公用語 ) まずは 国連事務局のHPをチェックすること 過去問も一部公開 (https://careers.un.org) 多肢選択式で一定の水準に満たない者は, その他の採点は行われない ( 足切りとして使われる ) 時間枠の中で対応できるよう受験者本人の試験時間マネジメントが求められる 筆記試験は手書きなので 手書きで素早く書くことが重要 また 専門分野によっては長い文書を読む必要があるものもあり 時間は非常にタイト 試験当日の注意事項はきちんと聞くこと ( 答案用紙の端はスキャンするので何も書かないこと ページ数と記入ページは守ること などの説明は逃したらそれだけで不合格になるおそれがある ) 持参すべきもの: 腕時計 ( 携帯はスイッチオフにして封筒に入れられる ) 鉛筆( マークシート形式のため ) 消せるペン 軽食 上着など ( 空調により寒い場合もある ) 筆記試験の時間帯には受験者は会場から出られない 体調が優れないなどの場合は 係員がエスコートする 4. 面接試験 筆記試験合格者に VTC 又はスカイプを利用した形で面接が行われる 英語又は仏語で実施 コンピテンシー面接 ( 後 述 ) の準備が必要 8

B.JPO(Junior Professional Officer): 主に基金 計画 専門機関への若手派遣 外務省国際機関人事センター (http://www.mofa-irc.go.jp/) 外務省が人件費を全額負担して 将来正規の国際公務員を志望する若手邦人を原則 2 年間国際機関に派遣し 専門職職員と しての実務経験を積ませることにより 任期終了後の正規採用を実現することを大きな目的としている 日本の他にも 欧 米先進国を中心としたドナー国が同様の制度を運営している なお 機関によっては AE(Associate Expert) APO (Associate Professional Officer) という名称を用いるものもある 派遣先機関は 我が国との間で派遣取決めを締結している国際機関の中から 各派遣者の学歴 職歴を踏まえて決定 基金 計画や専門機関のフィールド オフィスを中心に派遣 ( 世銀 IMF 等の国際金融機関は派遣対象外 派遣先国際機関一覧 は次のとおり ) 派遣先国際機関一覧 国連事務局 IFAD UNDP UNEP UNIDO UPU UNICEF ILO OECD UNESCO UN Women WFP FAO IMO UN-HABITAT UNFPA UNITAR WHO IAEA IOM UNAIDS UNHCR UNOPS WIPO ICAO ITC UNCTAD UNV UNRWA WMO ICTY ITU CTBTO UNFCCC 1. 応募資格 35 歳以下 ( 受験年度 4 月 1 日現在 ) で日本国籍を有すること 受験年 9 月末までに大学院修士課程修了する者 2 年以上の職務経験を有すること ( アルバイト, 在学中のインターン等は職歴とみなさない ) 将来にわたり国連機関で働く意思を有すること 英語又は仏語で職務遂行が可能 年齢制限については日本独自の設定であり 機関によっては JPO 受入れに際して年齢制限を設けている機関があるため その機関を希望しても派遣できない場合がある 9

2. 選考プロセスの流れ (2014 年度の例 ) 募集要項 2014 年 ( 平成 25 年 )3 月 募集期間 4 月上旬から 5 月中旬まで 第 1 次審査 ( 書類審査 ) 結果発表 6 月 第 2 次審査 ( 面接審査 英語の筆記試験 ) 7 月 ~8 月 ( 予定 ) 最終結果発表 8 月 ~9 月 ( 予定 ) ~ 翌年 3 月末派遣開始 給与格付は P-2 ステップ 1 ( 参考 ) 2012 年度の例 : 応募者数 276 名 派遣者数 30 名 ( 男性 7 名 女性 23 名 ) 3. 留意点 JPO 制度は国際機関側にとって採用手続の一部をなすものではないことから 正規職員となるためにはJPO 任期中から積極的に空席公告に応募することが求められる JPOを経て正規職員になるためには 日常の業務を問題なくこなすだけでは不十分 国際機関が 是非このJPOを正規採用したい と思わせるよう存在感を示す必要がある そのためには JPOになる前の準備 ( 関連分野での職務経験 語学能力等 ) やJPO 任期中の自己研鑽 ( 人的ネットワーク構築 研修の積極的受講等 ) を通じ 自らの市場価値を高める努力が肝心 JPOとしての派遣中の数年という短い期間にて上記を実現するには JPOとして派遣される前に最低限社会人としての基礎を習得する必要があり できれば国際機関での経験 ( インターンやUNVなど ) があることが望ましい さらに フィールドでの経験も得ておくとよい JPOの派遣先機関は 試験合格者の希望に基づき 外務省 国際機関が本人の学歴や職歴を考慮の上決定する ただし その希望はこれまでの職務経験 語学力 海外滞在経験等に基づくとともに JPOの後の展望が描けるものである必要 自らの専門性に基づき応募しうるポストが 当該国際機関の中にどれだけあるかも把握しておくことが望ましい 10

C.PKOミッション 特別政治ミッション等への採用 ( ロスター制度 ) PKOミッションへの文民職員の採用は 国連事務局フィールド支援局が管理するロスター掲載者の中から行われる 専門分野ごとに国連事務局の採用ポータル サイトで公募が行われるが 最終的に採用に結びつけるためにはオンラインで応募するだけでは不十分であり 希望するミッションに対する就職活動が必要 ロスターに掲載されるためには NY 本部やフィールド中央審査会と呼ばれる選考機関での審査を経る必要がある 各ポストに必要な資格基準に基づき応募者の経験が厳格に審査されるので 応募書類には自らの経験 実績を資格要件に即して適切に表記することが不可欠 D. 国際機関が実施する若手職員採用制度 (LEAD NETI 等 ) 国際機関の中には 若手職員の採用促進等を目的として 独自の採用プログラムを実施しているところもある 年によっては実施されなかったり 募集時期の変更等が頻繁にあることに加え その他の国際機関でも同様のプログラムを実施することがあるので 各国際機関のHPにて確認することが必要 < 例 > LEAD(Leadership Development Programme):UNDP NETI(New Emerging Talent Initiative): UNICEF 一般的に 応募資格において 通常複数の国連公用語の能力が求められる( 例えば UNDPのLEADプログラムの場合では 関連分野での修士号以上 英語及びその他の公用語 1 つ以上 2~3 年の職務経験が求められ 35 歳以下の候補者が優先される ) E. 採用ミッション ( 一部の日本人採用に積極的な機関が実施 ) 多くの採用ミッションが中堅以上の職員を対象としており 中途採用の可能性を具体化する機会として重要 日本人候補のみを対象としたアウトリーチ活動なので 書類選考の競争率は他のプログラムに比べて高くない 但し 当該機関での勤務適性の評価を基本とするので 将来の採用を具体的に保障するものではない ( 適格と評価された候補者には 内部候補者向けの空席情報へのアクセスが認められる場合が多い これらの個別空席公告に積極的に応募する必要 ) 基本的に日本国内で実施 但し 実施は不定期(2005 年 : 国連事務局 UNICEF UNDP 2007 年 :UNDP 2010 年国連事務局 WFP 2012 年 :FAO) ( その他 ) 国連ボランティア (UNV) 専門家登録制度 25 歳以上 最低 2 年以上の勤務経験 http://www.unv.or.jp 11

F. 個別空席公告 専門職以上の正規職員の空席は 空席公告の形で各国際機関ホームページに公示される 但し 短期雇用ポスト コンサルタント等の空席は 対外的にオープンな形では必ずしも公示されない 実際に応募する際には 各空席公告に定められている資格要件を満たすことが必要 また 採用選考では空席ポストに対する管理者に当たるプログラム マネージャーの裁量権が大きい プログラム マネージャーとの間で 自らの顔と能力 実績が知られた関係を構築することがポイントとなる 個別空席公告に関する情報の入手方法 1. 各国連機関のホームページより入手 - 国連事務局採用ポータル サイト INSPIRA http://careers.un.org/lbw/home.aspx PKO ミッション等の空席公告 (Galaxy) https://jobs.un.org/galaxy/release3/vacancy/vacancy.aspx - UNDP 空席公告 http://jobs.undp.org/ - UNICEF 空席公告 http://www.unicef.org/about/employ/index_careers.html 2. 国際機関人事センターのホームページ内 (http://www.mofa-irc.go.jp/) 最新の空席一覧 及び メール配信サービス より入手 国際機関人事センターがとりまとめた各国連機関の空席情報を一目で確認可能 ( 隔週更新 ) グレ - ドの目安 専門職以上の職員 (P レベル ) の最低必要実務経験年数は おおむね次の通り 必要実務経験年数 P2 P3 P4 P5 博士号保持者 0 3 6 11 修士号保持者 2 5~8 8~12 13~17 12

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PKO 特別政治ミッションにおけるロスターを活用した採用の流れ ( ロスターにのるまで ) 募集公告発出 募集期間は 60 日間より短い場合あり 一度応募の機会を逃すと ロスター内候補者がいなくなるまで 数年にわたり次の募集が行われないケースもあることに注意が必要 フィールト 支援局人事課による Initial-Screening If OK 専門家パネルによる書類選考 If OK 筆記試験など 中央審査会による選考プロセスの公正性のチェック If OK If OK コンペテンシー ベース面接 If OK ロスターに登録 男性 2 年間 女性 3 年間有効 ( ロスターにのってから ) 空席発生 現職者の異動 辞職による ミッション内人事担当者はロスターから数名程度の候補者を選定し提示 空席ポストの上官はミッション内人事担当者にロスター内候補からの推薦を依頼 空席ポスト上官による提示候補者の審査 検討 If selected ミッション長による採用者の決定 再度面接が行われるケースもある 14

UNHCR における空席公告による採用 UNV JPO 空席 ( 予定ポスト ) の発生 UNV として 4 年以上継続勤務 JPO として 2 年以上勤務 アクセス可 (P2~3 レベル ) 空席公告発出 ( 職員のみ閲覧可能 ) 年 2 回 (3 月 9 月 ) 職務内容等を考慮し 特に外部から人材を採用する必要がある場合のみ 外部向け空席公告発出 ( ネットで閲覧可能 ) 内部候補の選考 外部候補の選考 十分な数の内部候補がいない場合のみ 書類選考 面接 内部候補の場合 面接を行わない場合が多い 採用 15

Ⅳ 採用に向けての取組み ( 各種採用方法に共通 ) A. 人事選考はどのような基準で行われるのか (1) 原則 : 優秀な候補者を選考する (2) 優秀性の判断 ( どのような基準で候補者の優秀性を判断するのか ) ( 専門分野における職務遂行 ) 能力の高い候補者 ( 能力の高低 ) 当該ポストに適した候補者 ( 適 不適 ) 1 日本の企業は 一般的に 企業への採用 ( 就社 : 多様な職務を経験させ ジェネラリストとして養成 ) を行っており 応募者の ( 潜在 ) 能力の多様性 柔軟性を重視する そのため 特に新卒採用では候補者の学歴 人柄 経験の多様性などを評価する傾向にある ( ポテンシャル採用 ) 一方で国連機関では ポストへの採用( 就ポスト ) であることから たとえ P-2 等エントリーレベルの採用であっても 当該ポストへの適性が最も高い候補者が採用される ( 即戦力採用 また 採用後の国連機関内でのキャリア形成については考慮されない ) 2 即戦力採用であることから 当該ポストの職務内容に直結した学歴及び職務経験が求められる そのため 経験の多様性に対する評価は低く 同種の職務経験の長さが重視されるのが一般的 3 候補者の職務経験や能力が ポストへの採用選考を行う当事者 ( プログラム マネジャー ) に 具体的に認識 理解されていると有利となる ( 人的ネットワークの重要性 ) 4 近年各国連機関はコンピテンシーを評価基準とした選考を徹底しており 応募書類及び面接では 個々のポストに求められる専門性及びコンピテンシーを研究した上で 自らの職務経験や能力を効果的にアピールすることが不可欠 また 面接前に筆記試験により専門知識を審査する場合もある (3) 結論応募者は 選考過程 ( 応募書類及び面接の過程 ) で いかに自分が当該ポストに適しているかを証明する必要がある 希望する機関 職種 空席公告などに関する十分な情報収集 研究をベースに 一貫性のあるキャリア形成を行い 専門性を向上させるとともに 具体的空席公告への応募に当たっては 自らの職務経験や能力を効果的にアピールする 可能であれば インターンなどの機会を活かし 国際機関内に自分自身の職務経験や能力を具体的に評価して貰える人的ネットワークを築けると良い 16

B. 学生時代に準備すべき事項 1. 国際機関の選択及び採用に関する情報の収集 (1) 自分が目指すべき国際機関の選択 単に 国際機関の職員になりたい と望むだけでは 国際公務員への道は開けない 国際機関毎に求める専門分野 職員採用方法が異なること 採用されるためには十分な情報収集が必要であることから ターゲットを絞込む必要がある 十分な情報収集を行い 自分に適した国際機関を選択する (2) 国際機関選択の際の留意事項 国際機関は即戦力採用を行うことから これまでの職務経験及び学歴( 専攻分野 ) を重視する ただし 応募ポストと全く関係のない職務経験は 採用選考に当たり考慮されないばかりか キャリアに一貫性が無いとマイナス評価される懸念もある したがって これまでの職務経験を最大限活用することが得策である ( 例 )MBAを保有し 財務 会計分野での勤務経験を有する者が人道支援機関への就職を希望する場合 人道担当官 に応募しても採用される可能性は無い このような者は 人道支援機関の 財務担当官 に応募すべきである 希望機関及び職種は これまでの自分自身の職務経験及び学歴 ( 専攻分野 ) を踏まえて判断する (3) 具体的作業 社会人経験のある者は 自分の希望 職務経験 学歴( 専攻分野 ) などを踏まえ 自分に適した国際機関及び職種を検討する 社会人経験のない者: 1 学部生は 自分が働きたいと望む国際機関の業務内容 職員に求められる専門性を踏まえ まずは大学院における専攻分野を検討する ( 国際機関への就職に有利な専攻分野 は存在しない) 2 大学院生は 自分の現在の専門分野を踏まえ 自分に適した国際機関や卒業後の一貫性あるキャリア形成について検討する 対象となる専門分野を一つに絞り込む必要はない 絞り込んで当該分野での経験を積み重ねれば高度の専門家と評価されうるが 具体的な採用可能性とのバランスの問題もある 一方 絞り込みが不十分であれば 専門性が不足することにもつながりかねない 17

2. コンピテンシーの理解 (1) 概要 コンピテンシーは 基本的な職務遂行能力を意味し 欧米の民間企業を中心に人事管理上の基礎的概念として用いられている 国際機関の採用過程においても 近年 面接 筆記試験などで用いられるようになっている 国連事務局では United Nations Competency for the future という説明資料を作成している ( 同資料は 国連事務局人的資源管理部の教育訓練に関するページ http://www.un.org/staffdevelopment/viewpage.asp やUNDPのJPO 向けキャリア支援ウェブサイトにも掲載されている UNDPのサイトには国際機関への就職に関する良質な情報が多数掲載されているので参照のこと ) http://www.jposc.org/career_management/content/career_advice/competencies-en.html (2) コンピテンシー面接 国連事務局(YPPを含む),UNICEF,UNDPをはじめ, 多数の国連機関の採用過程で実施されている 面接では 例えば 上司と意見が食い違ったときの対応につき 自分の実際の経験に基づき説明してください というような質問が出される 自分の経験をいかに明確かつ簡潔に 説得力を持って説明できるかが評価される 質問への回答では, CARL の要素を含めることが必要であり,3~5 分で回答をまとめることが望ましい C:Context( どのような状況だったか ) A:Action(( 自分の役割は何で,) どのような決定 行動をしたか ) R:Result( 採った行動の帰結はどうだったか ) L:Learning( その経験からどのような教訓を得たか ) 応募するポストに求められる( 空席公告に要件として記載されている ) コンピテンシーを良く研究し 準備する必要がある なお P-2 等エントリーレベルの採用では チームワーク の要素が P-4 以上のシニアレベルの採用では マネジメント の要素が重視される傾向にある また 失敗の経験から学んだことなども聞かれることがある 面接における発言や応募書類の作成に当たっては 求められるコンピテンシー ( 評価基準 ) をまず把握 理解した上で 相手が理解し納得してくれる説明内容及び説明方法はどのようなものか ということを念頭に置く必要がある 18

3. 語学能力の向上 国際機関毎に公用語(Official Language) と常用語 (Working Language) が異なる 国連事務局の場合 公用語は6カ国語 ( 英 仏 西 露 中 アラビア ) 常用語は2カ国語( 英 仏 ) 専門機関の中には 西語も常用語とするものがある ポスト毎に求められる語学能力は異なる 欧州の国連機関( 特に専門機関 ) においては 英仏 2 カ国語の能力を求める場合が多く 筆記試験を2カ国語で実施する機関もある 国連機関では複数の常用語( 公用語 ) の能力を重視する傾向にある これまで英語のみでも採用されている者もいるが いくつかの試験では複数の公 ( 常 ) 用語能力を受験資格としているものもある (UNDPのLEADプログラムなど) また YPPでは受験資格とはなっていないが 応募者多数の場合で受験許可者を決定するに当たって語学数が考慮されることがある 今後この傾向は強まることが予想される その他の能力 経験が同じであれば 複数の公( 常 ) 用語能力を有する候補者はより高い評価を受ける 語学能力向上には時間が必要であるため 学生時代より準備する必要がある 4 コミュニケーション能力の向上 コンピテンシーの中で最も日本人が低いとされるのがコミュニケーション能力 国際機関では様々な国籍 メンタリティー 社会通念を持つ職員が勤務する 多様な環境の中で勤務するためにコミュニケーション能力は非常に重視され, 国連職員に求められるコンピテンシーとしても定められているほか, 多くの空席公告が求められるコンピテンシーとして記載している コミュニケーション能力と語学能力は異なる 語学能力が十分な者でもコミュニケーション能力に劣る者はいる( 米国在住が 10 年近くある候補者が面接を受けた際に 本人は面接の評価は良いと思っていたが 実際の評価は 失格 だったことがある ) コミュニケーション能力の基本は 自分が知っていること又は自分の意見を説明する際の 明確性 簡潔性 説得力 である ( 具体例 : 会議に組織の代表として出席した時に 所属組織の考え方を他の組織の代表者に納得させる能力 ) また 国連機関は文書主義であり コミュニケーションの多くは文書により行われる( 具体例 : 会議の報告書の作成 プロジェクトの起案書 ) したがって 文章作成における 明確性 簡潔性 説得力 も重要であり これらは採用選考の際の書類審査 YPPの筆記試験採点などの際にも評価される 19

C. 応募先機関 ポストに関する情報収集 ( 応募に向けての準備作業 ) 1. 空席公告 (1) 原則空席公告は 当該ポストの職務内容 求められるクオリフィケーション ( 学歴 ( 専攻分野 ) 職務経験 語学能力を含む ) コンピテンシーが記されており 応募先ポストに関する情報 選考基準を理解する上での最も基本的なもの (2) チェックポイント 空席公告における職務内容は 外部候補者にとっては単に応募先のポストのもののみを読んでも理解しにくい 空席公告はベースとなる雛形を 個々の応募ポストの内容に応じて作り替えて作成されている 他の空席公告と比較することが有効 例えば 同一専門分野の高いレベルのポスト 類似のポストの職務内容との比較などで 初めて立体的に理解することが出来る クオリフィケーションは 必ずしも100% 充足する必要はないが (desirable asset advantage と表記された資格 経験はポスト応募に必要な絶対条件ではない ) 他の空席公告と比較して特別な記述がされている部分については注意すべきである (3) 留意点 空席公告は 当該ポストのことを最も良く理解している現場の職員が作成し 人事当局がチェックする ( 不適切な表現や職務遂行上必要ない能力を加えることにより特定の候補者が有利になるものの修正 レベル毎のクオリフィケーションの高さの調整など ) 空席公告の文章量には制限があるため 当該ポストの全ての職務内容を記述することは不可能である また 時間をかけて詳細な空席公告を書いたところで より優秀な応募者が集まるものではないことから 実際には ジェネリックな空席公告を活用している例が多い 空席公告だけでは 応募するポストに関する十分な情報は得られない 20

2. インターネットの活用 各国連機関のHPをチェックする( 中には独自のHPを持っている事務所もある ) インターネットの情報では 各ポストの具体的な職務内容等までは分からないが 応募先ポストの事務所の規模 職員数 重視しているプログラムや 各プログラムの組織全体における位置づけなどを理解するのに非常に有効である ( 国連事務 局の文書は 公式文書システム (ODS)http://documents.un.org/ で入手可能 ) 例えばUNICEFの Education Officer のポストの場合 空席公告においてはどの事務所の Education Officer もほぼ同一の職務内容となっているが Education の対象としては 乳幼児 初等教育 中等教育 母親への教育など多岐に渡り 事務所によって重点分野は大きく異なる このような応募ポストをとりまく環境を理解することに効果的な手法である 逆に HPに掲載されている情報すら理解していない候補者は 採用選考において高い評価を受けることはない 3. 人的ネットワークの形成 採用に関係する人的ネットワークとは ( 自分のことを ) 高く評価してくれる国連機関職員 の意味であり 単なる 知り合い がいることは何ら採用には結びつかない 各国連機関とも 採用選考に当たり内部候補者を優先する仕組みとなっていることから 外部から採用を実現するためには 内部候補者に勝る職務経験 能力に加え人的ネットワークが必要である 具体的には 1 国連機関内部に入る機会としては JPOのほか インターン UNVがある 国連事務局 ( ニューヨーク ) でのインターンは大学院在学中であることが必要 インターンとして採用されるための留意点 : 締切に余裕を持って早めに申し込むこと どのような経験を得たいか明確にアピールすること 提出書類の英語は正確に書くこと 2 JICA 等のODA 実施機関 NGOなどの活動に参加することを通じ 国連機関と一緒に活動する機会を得る 3 国連機関職員が参加しているフォーラム等に参加する 人的コネクションの構築は 採用のための有効な方策ではあるが コストもかかるので無理のない範囲で努力する 21

D. 応募書類 (Application Form: Curriculum Vitae) 作成における留意事項 近年はインターネットを通じた応募が可能になり 応募者は急増している 一方で 面接は当該ポストの上司 同僚 人事担当者などが複数でパネルを組んで多対 1の面接を行うことから 面接の対象者は1つのポストにつき4 人程度 ( 多くて 8 人 ) でしかない つまり 書類選考の方が倍率は非常に高い また 応募締め切り間際に提出された応募書類は 評価者に十分見てもらえない可能性が高い 以下の注意事項に従って十分に内容を吟味した応募書類を応募開始からできるだけ早いタイミングで提出することが重要である 応募書類は 応募者が 私はこのポストに最も適した人材である と評価者にアピールすることが目的の書類である (1) 応募ポストに適した応募書類を作成する 応募書類とは 応募者はどのような人物か ( どれだけ有能な人物か ) を説明するもの 応募書類とは 応募者が いかに当該ポストに適しているかを立証するもの 1 応募書類は 当該ポストのことを一番知っている人物 ( 当該ポストの上司又は同僚 ) が 誰が一番当該ポストに適しているか という観点から評価するもの 2 当然のことではあるが 応募書類に記述されていないことは 存在しないものと見なされる ポストに求められる専門性 コンピテンシーとの関係で 自分をアピールするのに必要な情報は洩れなく記述すること 3 当該ポストに直接関係のある能力 経験に加えて 応募先ポストに関係のない能力 経験を記述することも妨げない しかし 応募先ポストに直接関係のある能力ほどには評価されない ( 能力 経験の多様性の評価は低いことは前述 (17 ページ )) さらに 度が過ぎると 応募ポストに求められる能力 経験を理解していないとの疑念を惹起し むしろ他のポストに適していることの証明につながる また 本来アピールすべき部分が目立たなくなる懸念もある 4 職歴は全て応募先ポストの職務内容との関係で記述する 全く関係のない職歴は評価されない 応募書類は 空席公告 という 問題 ( このポストにどれくらい適していますか ) に対する 回答 ( 私はこれだけ適して います ) である 応募ポスト毎に応募書類は一つ一つ異なるのが当然である 22

日本人の場合 履歴書とは 自分自身を客観的に表現するものであるとの認識が一般的であり 複数のポストに応募す る場合に同一の応募書類を提出する者が多い 複数のポストに同じものを提出したのでは 問題 に対する 回答 にな っていない ( つまり 問題 ( 当該ポスト ) に関する理解が無い ) ので 面接に呼ばれる可能性を高めることができない 具体的技術 1 空席公告に出ているキーワードを用いて職歴欄を記述する 2 応募ポストの職務内容に基づき 当該要素と関係が深い順に記述する 職務内容と併せて 職務を通じた成果についても できれば具体的数値を明示して印象的に記述する 3 応募ポストの職務に直接関係のない職務内容は 特にその部分を追加的にアピールする意図がある場合等を除き 補足的な記述に止める 4 職務内容を記述するに当たり 総務事務 企画事務 調整事務 といった概括的記述では意味不明 企画事務 であれば 具体的に の research をし の情勢を analyze し に関する戦略を draft し 内外の 関係者を coordinate し の組織を administer するといった機能別整理と項目毎に成果を具体的に記述する必要 5 全体として 経歴 実績等の記述は 虚偽にならない程度に誇張する 6 国際的な経験の豊富さを強調する 記述の例 Initiate and coordinate actions covering the entire span of the following human resources activities for the department; Recruitment and placement of all vacancies, secondments and redeployments of the internal staff, job classification reviews for all future vacancies. In 2013, 100 newly appointed recruitment process was organized. Provide advice and guidance to the department staff who have the problems with respect to conditions of service, duties and responsibilities, performance appraisals. 70 cases were consulted in 2013 and culminated in amicable solutions. Assisting the Chairpersons of the Executive Board in his/her consultations on improvement of the work methodology of the Board. 23

(2) 読みやすい応募書類 1インターネットにより応募する場合 応募者は数百人にも上る 一方で選考者は通常業務を遂行する傍ら応募書類をチェックするため じっくり読む時間はない 短時間でアピールするものでなければならない 2 回答 は 記述内容に基づき評価されるのではない 当該 回答 を読んだ採点者の理解度に基づき評価されるものである 理解しにくいものであれば 評価されない 短時間読むだけでも理解しやすいものでなければいけない 具体的技術 個条書き 項目毎に番号を付ける 改行や空白を用いて斜めに読んでも理解できるようにする( 文書で書いた場合には 最初から最後まで読まなければ意味が分からない ) 実際に国際機関に勤務する職員に添削してもらうことが望ましい (3) 輝く 応募書類 数百人の応募者の中で面接まで残るのは4 人程度であることから 人並み ( 他の候補者と比べて遜色ない程度 ) の応募書類では面接にまで残らない 書きたいことを書くという自己中心的な応募書類ではいけない 選考者が 応募書類の中に書いて欲しいと思うことを記述する必要がある ( もちろんこのためには応募ポストに対する十分な情報収集が必要となる ) 他の候補者を想定した上で それらの候補者よりも少しでも応募ポストに適していると思われる点を強調する 空席公告に記されていないものの 他の情報( 当該部局における最近の政策課題等 ) に基づき当該ポストに求められると分かっている能力 資質を有していることを強調して記述する ( 空席公告しか読んでいない候補者には出来ない ) これこそ私たちが求めている人物である と選考者が認識する応募書類を作成する必要がある 24

V 処遇 国際機関職員給与例 ( 基本給 + 地域調整給 ) (2012 年 2 月 1 日現在のデータを基に試算 ) 職員 P-2 Step III ( 扶養家族なし ) P-2 Step I ( 扶養家族あり ) P-3 Step III ( 扶養家族なし ) P-3 Step V ( 扶養家族あり ) P-4 Step III ( 扶養家族なし ) P-4 Step VI ( 扶養家族あり ) P-5 Step II ( 扶養家族あり ) D-1 Step I ( 扶養家族あり ) 勤 務 地 ( 単価 : 米ドル ) N.Y. Geneva Bangkok Rome Paris Vienna 81,254 98,978 73,006 75,804 77,915 75,853 82,454 100,439 74,084 76,924 79,066 76,973 97,276 118,494 87,401 90,752 93,279 90,810 109,112 132,913 98,036 101,794 104,629 101,860 116,436 141,834 104,616 108,627 111,652 108,697 132,978 161,984 119,479 124,059 127,514 124,139 146,529 178,491 131,655 136,701 140,508 136,790 170,803 208,059 153,464 159,347 163,785 159,450 国連が提供する健康保険に加入する場合 上記から保険料が控除されます この他 支給要件を満たした職員に 教育補助金 異動 困難手当等の手当が支給されます

教育補助金 自国外で勤務する職員が扶養子女を持ち その子女 (25 歳以下 ) が学校 大学等教育施設に通学する場合 高等教育の 4 年間まで 実費の 75% を最高支給限度額の範囲内で支給 最高支給限度額は通学国に応じ決められ 米国の場合 年額 32,255 ドル ( 子女 1 人当たり ) 異動奨励 困難手当 勤務年数 5 年以上の職員が勤務地を異にする異動をした場合 異動回数 職員の等級レベル 扶養親族の有無に応じた定額の異動奨励手当を支給 同一勤務地での支給は 5 年で終了 ( 例 :P-3 職員 ( 扶養家族あり ) が先進国以外の勤務地へ異動し この異動が当該職員にとって 2 度目の勤務地を異にする異動となる場合には年額 7,130 ドル 扶養家族がいない P-3 職員の場合には年額 5,350 ドルを支給 ) 生活条件の困難な勤務地 ( 各勤務地の困難度は H( 先進国 ) A~E(E が最困難地 ) で定められ B 以下の勤務地が手当支給の対象 ) での勤務を奨励するため 当該勤務地に在勤する間 勤務地の困難度 職員の等級レベル 扶養親族の有無に応じた定額の困難手当を支給 ( 例 :P-3 職員 ( 扶養家族あり ) が最も困難度の高い官署に勤務する場合には年額 17,440 ドル 扶養家族がいない職員の場合には年額 13,080 ドルを支給 ) 住宅費補助 在勤地毎に定められた基準額 (NY では単身の場合で基本給及び地域調整給月額の 32% 配偶者ありの場合は 29%) を超える家賃を支払っている職員に対し 当該基準額超過分の 80% 以下の額を補助 但し 支給額度額は家賃月額の 40% 以内 支給率は同一勤務地における勤務年数が増えるに従い逓減し 7 年満了時点で支給終了 (P3 ステップ 3 の配偶者ありの職員が月額 4,000 ドルの住宅を賃貸する場合 毎月 1,251 ドルが補填される ) 年金 勤務期間 5 年超で年金受給資格を有する 退職後の給付は 年金基礎給 ( 退職前 3 年間の給与等級をベースに算出 ) を基に 勤務期間に応じて算出された支給率を乗じて算定される (32 歳で採用され定年退職した P4 職員 ( 勤続 30 年 ) の場合 年金基礎給を P4 クラスの中位点 (164,605 ドル ) と仮定すれば 支給率 (0.5625) を乗じた年額 92,590 ドルが支給される 健康保険 職員は 国連事務局が保険会社と提携して提供する医療保険 歯科保険に毎年加入できるほか 10 年以上の期間 国 連職員として健康保険に加入し 年金受給資格を得た者には 退職後健康保険制度に加入する資格が得られる 26

参考となる HP 国連関係 国連 HP http://www.un.org/en/ 各国連機関の HP 一覧 http://www.unsystem.org/ 国連事務局試験セクション http://www.un.org/depts/ohrm/examin/ets.shtml 国連事務局空席公告 (INSPIRA) http://careers.un.org/lbw/home.aspx PKO ミッション等の空席公告 (Galaxy) https://jobs.un.org/galaxy/release3/vacancy/vacancy.aspx 今後 PKO 等の空席公告も INSPIRA に移行されるが その完全実施時期は未定 国連事務局本部インターンプログラム http://careers.un.org/lbw/home.aspx?viewtype=ip UNDP, UNICEF 等のインターンプログラムへのリンクも上ページに掲載されている UNDP 空席公告 http://jobs.undp.org/ UNICEF 空席公告 http://www.unicef.org/about/employ/index_careers.html 国連公式文書システム (ODS) http://documents.un.org/ UN Competencies http://www.unescap.org/asd/hrms/odlu/files/compentencies.pdf UNDP JPO Service Centre( キャリア形成に関するコーナー ) http://www.jposc.org/career_management/content/welcome/welcome-en.html 外務省関係 外務省国際機関人事センター http://www.mofa-irc.go.jp/ JPO 制度 人事関係情報全般 各国連機関の概要及び各国連機関の空席情報等へのリンク集国際機関人事センターニューヨーク支部 http://www.un.emb-japan.go.jp/jp/hr/index.htm メールアドレス :jinji-center@dn.mofa.go.jp 27