D-5 桐蔭横浜大学 田中ゼミKチーム

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5 児童生徒質問紙調査 (~P23) (1) 運動に対する意識等 [ 小学校男子 ] 1 運動やスポーツを [ 小学校女子 ] することが好き 1 運動やスポーツをすることが好き H30 全国 H30 北海道 6 放課後や学校が休みの日に 運動部や地域のスポーツクラブ以外で運動やスポーツをすることが

学校体育と幼児期運動指針の概要について

【報道発表資料】

1 単位対象学年 組 区分 1 年 必修 奥村秀章 黒尾卓宏 晝間久美 保健体育 保健 我が国の健康水準 健康であるための成立要因や条件について理解させ 飲酒や喫煙等の生活習慣について考える 薬物乱用 感染症 エイズの予防対策の重要性について認識させる ストレス社会への対処の仕方や身

調査結果の概要

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[ 中学校男子 ] 1 運動やスポーツをすることが好き 中学校を卒業した後 自主的に運動やスポーツをする時間を持ちたい 自分の体力 運動能力に自信がある 部活動やスポーツクラブに所属している 3 運動やスポーツは大切 [ 中学校女子

3 学校の部活動部活動についてについてお聞きします 問 7: あなたは 学校の部活動に参加していますか 学校の部活動に参加していますか 部活動部活動に参加している人は 所属している部活動の名前も記入してください 1. 運動部活動に参加 ( 問 8へ ) 2. 文化部活動に参加 ( 問 9へ ) 3.

平成 27 年度 全国体力 運動能力 運動習慣等調査の概要 平成 28 年 3 月 四條畷市教育委員会

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次世代スポーツの 「三間」解決に向けて

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平成 27 年度全国体力 運動能力 運動習慣等調査愛媛県の結果概要 ( 公立学校 ) 調査期間 : 調査対象 : 平成 27 年 4 月 ~7 月小学校第 5 学年 ( 悉皆 ) 中学校第 2 学年 ( 悉皆 ) 男子 5,909 人男子 5,922 人 女子 5,808 人女子 5,763 人 本

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子どもから大人まで県民だれもが生涯にわたって主体的にスポーツに親しめる環境 (= スポーツ振興基盤 ) を整えていくことが重要

PP

分析結果

研究組織 研究代表者西山哲成 日本体育大学身体動作学研究室 共同研究者野村一路 日本体育大学レクリエーション学研究室 菅伸江 日本体育大学レクリエーション学研究室 佐藤孝之 日本体育大学身体動作学研究室 大石健二 日本体育大学大学院後期博士課程院生

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本年度の調査結果を更に詳しく分析するため 本道の課題となっている質問紙の項目について 継続して成果を上げている福井県 秋田県 広島県と比較した結果を示しています ( 全国を 100 とした場合の全道及び他県の状況をレーダーチャートで示したもの ) 1 福井県との比較 (~P51) 継続的に成果を上げ

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平成 26 年度 全国体力 運動能力 運動習慣等調査の概要 平成 27 年 1 月 四條畷市教育委員会

4 回答者の属性 (1) 性別 男性 % 女性 % 1 0.3% 計 % 0.3% 男性 44.1% 女性 55.6% () 年代別 0 歳代 5 7.% 30 歳代 % 40 歳代 84 4.% 50 歳代 % 60 歳代

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平成24年度 事 業 計 画

第 1 章スマートスポーツ ( 生涯スポーツ ) 分野意見の要旨府の考え方 スポーツごころ の定義を教えてください スポーツごころ は京都府スポーツ推進審議会から 府民により多くの場面でこのような 思い を持っていただきたいという期待を込めて提言されたものです 提言において スポーツごころ とは感動

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MJT report番外篇

履修コード / 科目名称 / 健康 スポーツ実習 ( 屋外球技 ) 担当教員氏名 ( カナ ) 栁浩二郎 ( ヤナギコウジロウ ) 少子高齢化社会が進む現代社会で生涯にわたり健康に生きるためには 運動に親しむ能力が必要である 本授業では サッカーやソフトボールなどの屋外球技を教材とし

13 Ⅱ-1-(2)-2 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している Ⅱ-2 福祉人材の確保 育成 Ⅱ-2-(1) 福祉人材の確保 育成計画 人事管理の体制が整備されている 14 Ⅱ-2-(1)-1 必要な福祉人材の確保 定着等に関する具体的な計画が確立し 取組が実施されている 15

2018 年 7 月 11 日 公益財団法人日本バスケットボール協会平成 30 年度第 3 回理事会報告 日時 :2018( 平成 30) 年 7 月 11 日 ( 水 ) 13:30~15:30 会場 :JBA 会議室 報告内容 1. コーチライセンス制度の改定について 2. トップリーグ外国籍コ

Ⅲ 目指すべき姿 特別支援教育推進の基本方針を受けて 小中学校 高等学校 特別支援学校などそれぞれの場面で 具体的な取組において目指すべき姿のイメージを示します 1 小中学校普通学級 1 小中学校普通学級の目指すべき姿 支援体制 多様な学びの場 特別支援教室の有効活用 1チームによる支援校内委員会を

1. プロ スポーツ ( サッカー, 野球 ) 球団のアンケート結果

P5 26 行目 なお 農村部は 地理的状況や通学時 間等の関係から なお 農村部は 地理的状況や通学時 間等から P5 27 行目 複式学級は 小規模化による学習面 生活面のデメリットがより顕著となる 複式学級は 教育上の課題が大きいことから ことが懸念されるなど 教育上の課題が大きいことから P

履修コード / 科目名称 / 健康 スポーツ実習 ( 卓球 ) 担当教員氏名 ( カナ ) 山口良博 ( ヤマグチヨシヒロ ) 卓球における様々な基礎技術を習得し ゲームを中心とした実践練習においてルール等ゲームの進め方についても学ぶ 基礎技術の習得はもとより 協調性やリーダーシップ等

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本文横組み/3 岸 俊彦

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~“娯楽”だけとは言わせない~ ゲーム機のもたらす社会的貢献

4 身体活動量カロリズム内に記憶されているデータを表計算ソフトに入力し, 身体活動量の分析を行った 身体活動量の測定結果から, 連続した 7 日間の平均, 学校に通っている平日平均, 学校が休みである土日平均について, 総エネルギー消費量, 活動エネルギー量, 歩数, エクササイズ量から分析を行った

平成20年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果(概要)

問 3 問 1 で複数種目を回答した場合 指導形態について該当するものを選んでください ( 問 1 で複数種目回答していない場合は回答不要 ) 1 学校が選択した複数種目をすべての生徒に履修させている 2 学校が提示した複数種目から生徒が選択して履修できるようにしている 3 その他 ( 具体的な指導

目次 ペトリネットの概要 適用事例

回数テーマ学習内容学びのポイント 2 過去に行われた自閉症児の教育 2 感覚統合法によるアプローチ 認知発達を重視したアプローチ 感覚統合法における指導段階について学ぶ 自閉症児に対する感覚統合法の実際を学ぶ 感覚統合法の問題点について学ぶ 言語 認知障害説について学ぶ 自閉症児における認知障害につ

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に教室の中を立ち歩いたり 教室の外へ出て行ったりする 68.5% 次に 担任の指示通りに行動しない 62.1% などとなっている また 不適応状況の発生の予防に効果的と思われる対応策 ( 図 2) 6 として最も多かったのが 学級担任の援助となる指導員等の配置 校長 61.4% 教諭 61.0% 次

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平成 31 年度 地域ケア会議開催計画 魚津市地域包括支援センター 平成 31 年 4 月

活実態と関連を図りながら重点的に指導していきたい また, 栄養教諭による給食献立の栄養バランスや食事によるエネルギー量を基盤として, グループごとに話合い活動を取り入れるなどの指導の工夫を行いたい また, 授業の導入にアイスブレイクや, カード式発想法を取り入れることにより, 生徒が本気で語ることが

2016年度 事業計画書(第一次補正)

3. コーチ紹介オリンピックを始めとした世界大会などで活躍したコーチが子供たちを指導します 1 陸上 : 猿山力也コーチ ( 走幅跳 2011 年アジア選手権 3 位 ) 4 卓球 : 原田隆雅コーチ (2006 年度関東社会人選手権シングルス優勝ダブルス優勝 ) 2 サッカー : 杉尾浩平コーチ

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ひろば第39号

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Part 1 若者をその気にさせる支援策はこれだ 図2 スポーツに誘ってくれる仲間がいる 性年齢別 図1 動機づけに欠ける 性年齢別 男性 歳 n= 歳 n= 歳 n= 歳 n=194 女性

参考資料3 総合型地域スポーツクラブの取組事例

施策の柱 2 ホームタウン活動の推進 (1) サッカーを活かしたまちづくり 事業 主な取り組み事業 達成度 担当課等 18 シティプロモーション事業 5 スポーツ交流課 19 サッカーのまち静岡啓発事業 5 スポーツ交流課 20 サッカーによるシティプロモーションの推進 5 スポーツ交流課 21 サ

2017 年度は 過去 年間の経験を踏まえ 以下の 5 項目を事業計画とした 認定子ども園豊中愛光幼稚園 2017 年度事業計画 (1) 豊中愛光幼稚園の質の向上に努める 1. 教育 保育の質の向上を目指して 幼児クラスの保育のあり方を再確認する 特に 幼児クラスの預かり保育時間 (1:00~18:

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総合型地域スポーツクラブの特色ある事例


アンケート調査の実施概要 1. 調査地域と対象全国の中学 3 年生までの子どもをもつ父親 母親およびその子どものうち小学 4 年生 ~ 中学 3 年生までの子 該当子が複数いる場合は最年長子のみ 2. サンプル数父親 母親 1,078 組子ども 567 名 3. 有効回収数 ( 率 ) 父親 927

短 報 Nurses recognition and practice about psychological preparation for children in child health nursing in the combined child and adult ward Ta

平成 30 年 12 月 平成 31 年 1 月 平成 31 年 2 月 平成 31 年 3 月 休養日等活動時間休養日等活動時間 休養日等活動時間休養日等活動時間 休養日等活動時間休養日活動時間 休養日等活動時間休養日等活動時間 合計 4 9:00 合計 17 31:00 合計 22 22:00

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人間科学部専攻科目 スポーツ行政学 の一部において オリンピックに関する講義を行った 我が国の体育 スポーツ行政の仕組みとスポーツ振興施策について スポーツ基本法 や スポーツ基本計画 等をもとに理解を深めるとともに 国民のスポーツ実施状況やスポーツ施設の現状等についてスポーツ行政の在り方について理

Transcription:

36 の基本動作習得を目指して 習い事から得る新たな能力 桐蔭横浜大学田中ゼミ K チーム 樋脇貫太山内信之山本渓太

目次 1. 緒言 2. 現状と課題 3. 提言 4. まとめ

1. 緒言 幼少期は運動能力が発達しやすい時期である わが国の運動発達研究に大きな影響を与えている Gallahue はその時期に応じた基本的な動作習得の重要性を提唱している 出典 :David L. Gallahue 著 杉原隆監訳 : 幼少期の体育 大修館書店 1999 年 1 月 p.68

一方で現代の子どもたちの現状は スポーツクラブにて 単一スポーツを実施する傾向にある 単一スポーツにて運動量は保証されるものの 基本動作の習得が未熟である 出典 : 中村和彦著 : 子供の体力 運動能力の関わり 学校運営 / 全国公立学校教頭会編 53 号 11 巻 東京 : 学校運営研究会 2012 年 2 月 p.22

そこで 今回私たちは主に単一スポーツに着目し 一つの習い事から36 の基本動作習得を目指すための政策を策定した

36 の基本動作とは 中村和彦が考案した幼児期に身につけておきたい運動の基盤となる動き!! バランスをとる まわる起きる立つくむわたる逆立ちぶら下がるのるうく からだを移動 はうあるくのぼる垂直にとぶ水平にとぶはしるくぐるおよぐすべる ものを使う 扱う つかむもつなげるけるあてるとるほるふるはこぶ わたすささえるつむたおすおすおさえるひくうつこぐ 出典 : ボーネルンドキドキドより作成 https://kidokid.bornelund.co.jp/about/result.html( 閲覧日 :2017/10/19)

2. 現状と課題 (1) 子どもたちの基本動作の習得 この図より全ての年齢において 1985 2007 1985 年の幼児の得点が上回っているいることがわかる! 年長児 14.6 23.7 年中児 12.1 20.2 年少児 9.3 13.8 0 5 10 15 20 25 基本動作習得状況の比較 出典 : 中村和彦 : 観察的評価法による幼児の基本的動作様式の発達 第 51 号 1 巻 発育発達研究所 2011 年 8 月 p.14 より作成

遊びの減少 遊び時間 遊び仲間 遊び 要素 遊び空間 3 つの間の減少 外遊びが減少した! 出典 : 浅見俊雄 福永哲夫著 : 子供の遊び 運動 スポーツ 市村出版 2015 年 1 月 p.103

今と昔の基本動作習得の違い 以前は遊ぶことによって自然と運動の動作パターンを身に付けていた また そのため 基本動作習得の得点も高い水準であった 現在では遊びの要素が減少したことにより 外遊びなどの機会が少なく スポーツが運動パターンを習得する機会となっている そのため 様々な動作の習熟度が低い状況である

何故 36 の基本動作が必要なのか 独立行政法人スポーツ振興センターによると 1970 年代に比べ 30 年で 3 倍に増え その理由として中村は 遊びや運動経験の少ない子どもたちは 危険な状況にうまく対処することができず 怪我に繋がっているのだということが指摘されている 出典 : 浅見俊雄 福永哲夫著 : 子供の遊び 運動 スポーツ 市村出版 2015 年 1 月 p.89

部位別におけるけがの件数 ( 件数 ) 120,000 110,931 100,000 96,575 90,680 80,000 60,000 40,000 39,259 62,677 47,075 47,819 32,887 20,000 0 1978 1999 2007 2016 負傷における部位別発生件数 ( 年 ) 出典 : 日本スポーツ振興センター学校管理下の災害平成 28 年版より作成

基本動作の習得の重要性 体力 運動能力の向上 運動発達の著しい時期 36 の 基本動作 怪我の予防 出典 : 浅見俊雄 福永哲夫著 : 子供の遊び 運動 スポーツ 市村出版 2015 年 1 月 p.95

そこで スポーツを行う機会である 習い事の 環境を変えてみては!

2. 現状と課題 (2) 習い事の現状 (%) 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 18.4 29.1 49.3 58.5 64.8 68.3 72.4 72.1 70.2 63.3 72.5 66.3 63 3 歳児 4 歳児 ( 年少 ) 5 歳児 ( 年中 ) 6 歳児 ( 年長 ) 全体男子女子 小 1 生 小 2 生 小 3 生 小 4 生 スポーツ活動の実施率 出典 :: ベネッセ総合研究所スポーツ活動の活動率より作成 ( 閲覧日 :2017/10/19) http://berd.benesse.jp/berd/center/open/report/kyoikuhi/ databook/ databook_05.html 小 5 生 小 6 生 中 1 生 中 2 生 中 3 生

その反面で 指導者の 9 割が単一スポーツを指導 複合スポーツ 単一スポーツ 指導の割合 出典 :SSF 笹川スポーツ財団 : 子ども運動 スポーツ指導者の意識等に関する調査 2012 年より作成

現場の状況は 私たちは現場での習い事の現状と課題を行うため インタビュー調査を実施した

インタビュー調査 実施日 :2017 年 9 月 9 日 対象者 : 少年野球チームに通う子供 20 人 & コーチ

インタビュー内容 (1)1 週間の総運動時間 野球を含めると平均で 600 分 野球を除くと平均 200 分 (2) 普段の遊び 野球と関連したドッヂボールなど (3) 苦手なスポーツ 蹴る動作を含むサッカー 体操

導き出された課題 向上する運動能力 得意な運動 行なっている習い事 未熟な動作 苦手な運動 経験の少ない運動

インタビュー結果から ( 子どもたち ) 習い事に他のスポーツを取り入れることに賛成しますか キックベースがやりたい! バドミントンがやりたい!

インタビュー結果から ( コーチ ) 子どものうちに様々な運動を体験することは大切! 普段使わない 筋力の向上 子どもの持つ能力を見出すことが できる 野球だけでは身につかない運動能力が身に着く 新しいものを取り入れることで野球にも活かされる ものがある

時期に応じたスポーツへの取り組みを 多様化 洗練化 幼少期の基本的な動作の発達には動きの多様化と洗練化という2つの方向性を持っている 出典 : 浅見俊雄 福永哲夫著 : 子供の遊び 運動 スポーツ 市村出版 2015 年 1 月 p.95

36 の基本動作習得を目指して 単一スポーツより 36 の基本動作全てを身に付けるのは難しい そこで 習い事において 楽しく 36 の基本動作習得を目指すことが望ましい!

3. 政策提言 習い事の中に別の運動要素を導入 単一スポーツ 様々な スポーツ 運動 運動動作の偏り 多動作習得

その鍵を握るのは指導者! 苦手意識を持つ 知らない 経験がない できる またやりたいと思う 楽しい 経験する 行わない! 出会う 運動 スポーツの好循環を図るために!

政策内容 (1)36 の基本動作についての理解 (2) 指導者の理解

政策提言 (1)36 の基本動作の理解 目標 36 の基本動作を習得するとどのようなメリットがあるのかについて指導者 そして保護者にも理解をうながす 方法公益財団法人日本体育協会及び各地方自治体の体育協会から加入団体へ 36 の運動基本動作の理解のための説明会を開催 またはそのためのプログラム動画の提供する Youtube での無料配信で提供

動画の内容 36 の基本動作の重要性についての説明 遊び運動プログラムの公開 遊び運動プログラムから得られる効果について説明

そこへ アクティブ チャイルド プログラム を取り入れる!

アクティブチャイルドプログラム (ACP) とは アクティブチャイルドプログラムとは子どもたちが楽しみながら積極的にからだを動かすプログラムのことである 出典 : 佐藤善人 青野博著 ACP 子どもの心と体を育む楽しい遊び 株式会社ベースボールマガジン社 2015 年 1 月

ACP を例に取り上げて アクティブチャイルドプログラムのような既存のプログムを積極的に習い事へ提供する 指導者の意識改革! 単一ポーツ 遊びの導入

政策提言 (2) 指導者の理解 目標 総合型地域スポーツクラブが他の習い事 ( スポーツ ) と協力や交流及び他種目についての知識を得ることを目的としたイベントを開催する サッカー 野球 水泳

何故習い事同士での協力が必要なのか 野球 捕る 投げる 打つ サッカー 蹴る 走る 飛ぶ 体操 回る ぶら下がる 組む スポーツにはそれぞれ基本動作の種類が異なり それぞれに特徴がある 36 の運動パターン全てをコンプリートするには様々なスポーツの持っている要素と特性を活かすべきである!

総合型スポーツクラブを活用した 方法 習い事の指導者を総合型地域スポーツ クラブへ集める 習い事の中で 異なるスポーツの実践 それぞれ異なる スポーツについての 講習会を実施

指導者に求められるものとして 指導者の相互理解 子どもが安心 安全に行えるように配慮すること 円滑に行える環境整備

目指すべき習い事の姿 レクリエーションとして他の種目を行うことで新たな楽しさの発見に! 毎回行う準備運動は普段行なっていなかった動作の洗練化に繋がり 習得が期待できる!

期待される効果 1( 指導者の観点 ) 課題と照らし合わせて 36 の基本動作の理解 指導者の理解 36 の基本動作習得を目指して 指導者としての 知識 理解 他種目についての知識 理解 複合スポーツの実施 36 の基本動作の習得を目指す 体力 運動能力の向上 怪我の予防 動きの多様化 洗練化 36 基本動作習得

期待される効果 2( 子どもたちの観点 ) 複合スポーツ 遊びを取り入れた運動 36 の基本動作習得の増加 怪我の予防 体力 運動能力の向上

4. まとめ 政策 複合スポーツ 運動遊びの認知 新たなスポーツの喜びや楽しさ 習い事の協力体制 指導者の理解 36 の基本動作の習得 生涯スポーツ

引用参考文献 David L. Gallahue 著 杉原隆監訳 : 幼少期の体育 大修館書店 1999 年 1 月 p.68 中村和彦著 : 子供の体力 運動能力の関わり 学校運営 / 全国公立学校教頭会編 53 号 11 巻 東京 : 学校運営研究会 2012 年 2 月 p.22 中村和彦代表 : スポーツ エンジュエル合同会社エンジェルプログラム 中村和彦 : 観察的評価法による幼児の基本的動作様式の発達 第 51 号 1 巻 発育発達研究所 2011 年 8 月 p.14 浅見俊雄 福永哲夫著 : 子供の遊び 運動 スポーツ 市村出版 2015 年 1 月 p.103 日本スポーツ振興センター学校管理下の災害平成 28 年版 ベネッセ総合研究所スポーツ活動の活動率 SSF 笹川スポーツ財団 : 子ども運動 スポーツ指導者の意識等に関する調査 2012 年 佐藤善人 青野博著 ACP 子どもの心と体を育む楽しい遊び 株式会社ベースボールマガジン社 2015 年 1 月

ご清聴ありがとうございました!