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1.HBV 持続感染者の自然経過 HBV 持続感染者の病態は 宿主の免疫応答と HBV DNA の増殖の状態により 主に下記の 4 期に分類される HBV 持続感染者の治療に当たってはこのような自然経過をよく理解しておくことが必要である 1 免疫寛容期 immune tolerance phase

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生化学検査 臨床検査基準値一覧 近畿大学病院 (1) 検査項目 基準値 単位 検査項目 基準値 単位 CRP mg/dl WBC /μl Na mmol/l M RBC K mmol/l F 3.86-

72 20 Ope / class Alb g/ cm 47.9kg : /min 112/60m

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第1回肝炎診療ガイドライン作成委員会議事要旨(案)

目次 1. 肝臓の病気 2. 肝炎ウイルスとは 3. ウイルス性肝炎とは 4. 急性肝炎 5. 慢性肝炎 6. 肝硬変 7.A 型肝炎 8.B 型肝炎 9.C 型肝炎 10.B 型肝炎の治療 11.C 型肝炎の治療 12. 予防方法 13. 肝炎の医療費助成制度 14. おわりに 1

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ただ太っているだけではメタボリックシンドロームとは呼びません 脂肪細胞はアディポネクチンなどの善玉因子と TNF-αや IL-6 などという悪玉因子を分泌します 内臓肥満になる と 内臓の脂肪細胞から悪玉因子がたくさんでてきてしまい インスリン抵抗性につながり高血糖をもたらします さらに脂質異常症

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1 2 2 ANCA pouci immune IgG C3 ANCA 68 '01 '02 7 UN 14mg/dl, Cr 0.7 mg/dl, -, - ' UN 45mg/dl, Cr 2.4 mg/dl, Ht 29.5%, 4+, cm 61

Transcription:

肝疾患の診断 肝臓 胆のう 膵臓内科眞柴寿枝

肝障害の原因と鑑別診断に有用な検査

慢性肝炎 肝硬変の原因 1. 肝炎ウイルス 2. アルコール 3. 薬物 4. 代謝異常 5. 免疫異常 6. その他

B 型肝炎と C 型肝炎は? B 型肝炎約 140 万人 C 型肝炎約 180 万人 2014 年 1 月 : 日本総人口 1 億 2722 万人 320 万人 /1.3 億人 2.5% 40 人に 1 人はウイルス肝炎

肝硬変の成因別割合 PBC 2.3% AIH 1.9% NASH 関連 2.2% 他 4.4% B 13.1% (1998-2007 年 ) B+C 1.0% アルコール 14.8% C 60.2% ( n = 20,719 ) 第 44 回日本肝臓学会総会 (2008)

都道府県別の肝癌死亡率 ( 人口 10 万人対 ) 21.5 未満 21.5 以上 24.2 未満 24.2 以上 29.1 未満 29.1 以上 33.4 未満 33.4 以上 ( 人口 10 万対 ) 厚生労働省. 人口動態調査 ( 平成 19 年 ) 都道府県別にみた死因簡単分類別死亡率 ( 人口 10 万対 ) より作成

B 型肝炎

B 型肝炎の検査 HBs 抗原 HBs 抗体 HBV-DNA HBcrAg HBe 抗原 遺伝子型 HBc 抗体 HBe 抗体 HBcrAg: HB コア関連抗原

B 型肝炎の検査 HBe 抗原 HBe 抗体 HBe 抗原 / 抗体はウイルスの活動性 HBe 抗原 (+) HBe 抗体 (-) 活動性あり HBe 抗原 (-) HBe 抗体 (+) 活動性低い (10% は活動性あり )

B 型肝炎の検査 HBV-DNA ウイルスの量 感染初期 :10 9 個以上 /ml 肝炎期 : 10 4-5 個以上 /ml 少ない方が肝がん発生を抑制

B 型肝炎の検査 HBs 抗原 HBcrAg HBs 抗原と HBV コア関連抗原は 血液内だけでなく 肝臓内のウイルス量を反映 治療効果予測

B 型慢性肝炎の治療対象は? 慢性肝炎 ALT(GPT) が30 以上 ウイルスの量が多めの人 (HBV-DNAが4.0より多い人) 肝硬変 HBV-DNA が陽性の人 ( 日本肝臓学会 B 型肝炎診療ガイドライン第 2 版 )

B 型慢性肝炎の治療薬は? ペグインターフェロン -α 核酸アナログ

B 型肝炎治療 HBs 抗原消失が最終目標 ペグインターフェロン治療(48 週間 ) 20% で肝炎安定 12%/5 年でHBs 抗原消失 核酸アナログ製剤テノホビルとエンテカビルテノホビルでHBs 抗原減少効果条件次第で中止できる場合あり

インターフェロンと核酸アナログ インターフェロン核酸アナログ 投与方法 注射 経口 治療期間 24-48 週間 長期 耐性 なし まれ~ 多い 副作用 多い 少ない 催奇形性 なし 否定できない

ペグインターフェロンの治療効果 (%) 30 投与終了後 24 週間に 3 条件すべて満たす HBe セロコンバージョン HBV-DNA(5.0Logcopy/ml 未満 ) ALT 正常化 (40U/L 以下 ) ( 国内第 3 相試験 ) 20 17.1 19.5 10 9.8 7 4.9 0 90μg 24 週間 180μg 24 週間 90μg 48 週間 180μg 48 週間 HLBI 24 週間

核酸アナログは中止できるか? HBs 抗原 (IU/ml) スコア 1.9log(80) 未満 0 1.9log(80)IU/ml 以上 2.9log(800)IU/ml 未満 2.9log(800)IU/ml 以上 2 1 HBコア関連抗原量 (logu/ml) スコア 3.0 未満 0 3.0 以上 4.0 未満 1 4.0 以上 2 09:29

核酸アナログは中止できるか? 再燃リスク 総スコア 予測成功率 低リスク群 0 80-90% 中リスク群 1-2 約 50% 高リスク群 3-4 10-20% (35 歳未満 : 30-40%) 核酸アナログ製剤からインターフェロンに切り替えてから中止する (sequential 療法 ) 方法もある

De novo Hepatitis B virus infection HBs 抗原陰性化に伴う HBs 抗体や HBc 抗体の出現 以前は臨床的に HBV 治癒とされていた 実際には微量の HBV が肝細胞内などに存在 HBs 抗原陰性,HBs 抗体又は HBc 抗体陽性例に化学療法, 免疫抑制などを行った場合に HBs 抗原陽性化及び肝炎の発症が見られることあり de novo HBV infection

免疫抑制 化学療法により発症する B 型肝炎対策ガイドライン スクリーニング ( 全例 ) HBs 抗原 HBc 抗体 HBs 抗体 HBs 抗原 (+) HBc 抗体 (+) or HBs 抗体 (+) HBc 抗体 (-) and HBs 抗体 (-) HBe 抗原 HBe 抗体 HBV-DNA 定量 HBV-DNA 定量 通常の対応 (+):2.1 LogC/ml 以上 (-): 2.1 LogC/ml 以上未満 モニタリング HBV-DNA 定量 1 回 /1~3 月 ( AST/ALT 1 回 /1~3 月 ) 治療内容を考慮して間隔 期間を検討 核酸アナログ投与 (+):2.1 LogC/ml 以上 (-): 2.1 LogC/ml 以上未満

C 型肝炎

C 型肝炎に対する治療法の変遷 1992 インターフェロン (IFN) 単独治療 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 12 月 IFNα-2b+リバビリン (RBV) 2002 2 月 IFN 長期投与 2003 12 月 ペグIFNα-2a 単独 2004 12 月 ペグIFNα-2b+RBV 2005 4 月 IFN 自己注射 (HLBI) 2006 2007 3 月 ペグIFNα-2a+RBV リバビリン 2008 2009 2010 2011 11 月テラプレビル + ペグ IFNα-2b+RBV 2012 2013 11 月シメプレビル + ペグ IFNα+RBV 2014 9 月アスナプレビル + ダクラタスビル 週 1 回の IFN ウイルス直接阻害薬 IFN free

日本における C 型肝炎ウイルスの型 インターフェロンが効きやすい 血清型 :2 (30%) 遺伝子型 2b (10%) 遺伝子型 2a (20%) インターフェロンが効きにくい 遺伝子型 1a (0%) 血清型 :1 (70%) 遺伝子型 1b (70%)

インターフェロン治療とウイルスの関係 1 型 2 型 高ウイルス量 5.0 LogIU/ml 300 fmol/l 1.0 Meq/ml 以上 最も効きにくい 効きにくい 低ウイルス量 5.0 LogIU/ml 300 fmol/l 1.0 Meq/ml 未満 効きやすい

インターフェロン治療に影響する宿主因子 人種 黒人 性別 女性 年齢 高齢 (60 歳以上 ) 体重 肥満 肝線維化 肝硬変に近づくと効きにくい 肝脂肪化 インスリン抵抗性 IL-28 遺伝子多型 ITPA 遺伝子多型

インターフェロン治療の効果 (2 型と低ウイルス量 ) ウイルス陰性化率 (%) 100 80 60 40 27% 低ウイルス量は約 90% 68% 76% 2 型高ウイルス量約 90% 20 0 インターフェロン単独療法 24 週間 (1992 年 ) ペグインターフェロン単独投与 48 週間 (2003 年 12 月 ) インターフェロン + リバビリン併用療法 24 週間 (2001 年 12 月 ) ペグインターフェロン + リバビリン併用療法 24 週間 (2005 年 12 月 )

IFN の治療効果 (1 型高ウイルス量 ) ウイルス陰性化率 (%) 100 80 60 40 16% 1 型高ウイルス量は治療効果が不足 30% 50~60% 20 5-6% 0 インターフェロン単独療法 24 週間 (1992 年 ) ペグインターフェロン単独投与 48 週間 (2003 年 12 月 ) インターフェロン + リバビリン併用療法 24 週間 (2001 年 12 月 ) ペグインターフェロン + リバビリン併用療法 24-72 週間 (2004 年 12 月 )

DAA を含んだ治療法 従来の治療 Peg-IFN RBV プロテアーゼ阻害薬を含んだ治療 Peg-IFN RBV DAA プロテアーゼ阻害薬テラプレビルシメプレビルバニプレビル

プロテアーゼ阻害薬併用 IFN 治療 初めてインターフェロン治療を受ける ( 初回治療 ) 前のインターフェロン治療時に ウイルスが検出感度以下 ( 陰性 ) になっていたが 終了後に再度陽性になった ( 再燃 ) 約 90% の人でウイルス排除

プロテアーゼ阻害薬併用 IFN 治療 前のインターフェロン治療時に ウイルスが検出感度以下にならなかった ( 前治療無効 ) 約 50% の人でウイルス排除 新しい治療方法が必要

DAA を含んだ治療法 従来の治療 Peg-IFN RBV プロテアーゼ阻害薬を含んだ治療 Peg-IFN RBV DAA NS3/4A 阻害薬 インターフェロンを含まない DAA 治療 DAA NS3/4A 阻害薬 DAA NS5A 阻害薬 DAA ポリメラーゼ阻害剤

Direct Acting Antivirals(DAAs) 一覧 Schinazi et al. Liver int. vol 34, s1 P69-78 2014

SVR 24 率 (%) ダクラタスビル + アスナプレビル 100% 80% 84.7% 80.5% (Kumada H, et al. Hepatology 59: 2083-91, 2014) 87.4% 60% 40% 20% 0% 全体 (222 人 ) 前治療無効例 (87 人 ) インターフェロン不応 不耐例 (135 人 )

C 型肝炎治療 NS3/4Aプロテアーゼ阻害薬併用のインターフェロン治療初回 再燃 :90% 前治療無効 :50% ダクラタスビル+アスナプレビル耐性変異なし :90% 耐性変異あり :40% さらに強力な治療がぞくぞく登場

SVR 12 率 (%) ソホスブビル + レディパスビル (Genotype1 ) 100% 初回 ( 国内第 3 相試験 ) 再治療 80% 60% 40% 20% 0% ソホスブビルレディパスビル ソホスブビルソホスブビルレディパスビルレディパスビルリバビリン ソホスブビルレディパスビルリバビリン

SVR 12 率 (%) ソホスブビル + リバビリン (Genotype2 ) ( 国内第 3 相試験 ) 100% 96.7% 97.7% 95.2% 80% 60% 40% 20% 0% 全体初回再治療

C 型肝炎治療の展望 100 C 型肝炎の撲滅 ウイルス陰性化率 (%) 80 60 40 20 0 IFN 単独 24 週 IFN 単独 48 週 IFN RBV ペグ IFN RBV ペグ IFN RBV DAA DAAs

非アルコール性脂肪性肝疾患 (NAFLD)

脂肪肝 アルコール性 非アルコール性 (NAFLD) 単純脂肪肝 脂肪肝炎 (NASH) 非アルコール性の定義一日当たりの飲酒量が 20g 以下

純アルコール 20g( アルコール 1 単位 ) に相当する量 日本酒ビールワイン ウイスキー 焼酎 アルコール度数 15% 5% 12% 40% 25% 量 180ml 500ml 200ml 60ml 100ml 目安 1 合 中瓶 1 本 グラス2 杯 ダブル コップ1/2 杯

NAFLD の年齢別割合 : 愛媛県での調査 (%) 50 40 N=2045 男性 30 20 10 女性 (%) 0 50 40 30 20 20 歳代以下 30 歳代 40 歳代 50 歳代 60 歳代 70 歳代以上 N=4325 10 0 20 歳代以下 30 歳代 40 歳代 50 歳代 60 歳代 70 歳代以上 (Miyake T, Onji M, et al. J Gastroenterol. 2012)

非アルコール性脂肪性肝疾患 (NAFLD):1000 万人 単純性脂肪肝:700 万人 非アルコール性脂肪肝炎(NASH):300 万人診断時 既に10-20% は肝硬変

どの程度の肝障害でしょうか? 症例 68 歳女性 主訴 なし ( 精査目的 ) 既往歴 18 歳 : 虫垂炎手術 家族歴 特記事項なし 生活歴 飲酒 : 機会飲酒喫煙 : なし 現病歴 30 歳時に耐糖能異常を指摘されていた 平成 18 年 8 月 糖尿病の内服治療を開始した HbA1c は 8% 前後で推移していた 身体所見 身長 :145 cm体重 :69kg BMI:32.3kg/m² 腹囲 :96cm ( 最大体重 :70kg (58 歳 ) 20 歳 :50kg) 血圧 :145/81mmHg 脈拍 :73/min 体温 :36.6

入院時血液検査所見 WBC 6,100 / l RBC 454 x10 4 / l Hb 14.0 g/dl Hct 42.7 % Plt 19.8 x10 4 / l PT 81.8 % TP 7.3 g/dl Alb 3.7 g/dl T.Bil 0.7 ChE 269 U/L AST 51 IU/l ALT 47 IU/l mg/dl LDH 229 IU/l ALP 313 IU/l GTP 34 IU/l TG 152 mg/dl T.Cho 192 mg/dl HDL-C 42 mg/dl LDL-C 115 mg/dl Na 140 meq/l K 3.7 meq/l Cl 102 meq/l BUN 14 mg/dl Cre 0.44 mg/dl CRP 0.07 mg/dl Glu HbA1c 8.8 % 221 mg/dl HBs 抗原 (-) HCV 抗体 (-) ANA (-)

ALT 値による組織学的検討結果 ( 生検にて診断した糖尿病合併 NAFLD 59 症例 ) ALT 基準内群 (n=20) ALT 異常群 (n=39) 単純性脂肪肝 9 例 11 例 Stage1 1 例 9 例 Stage2 3 例 55% NASH 7 例 72% Stage3 5 例 8 例 Stage4 2 例 4 例 Stage3,4/ 全体 7/20 (35%) 12/39 (31%)

血小板数 (x10 4 /μl) 脂肪肝における線維化と血小板数の関係 30 20 万以下では進行した NASH を疑う 20 10 0 Stage 0 Stage 1 Stage 2 Stage 3 (n = 216) (n = 334) (n = 270) (n = 187) Stage 4 (n = 41) (Eguchi, et al. J Gastroenterol. 46:1300-1306, 2011)

NASH による発癌 ; 肝硬変の前向き調査 肝細胞癌の併発 NASH (68) HCV (69) 生命予後 NASH (68) HCV (69) 11.3%/5 年 30.5%/5 年 75.2%/5 年 73.8%/5 年 (Yatsuji S, Hashimoto E, et al:j Gastroenterol & Hepatol) NASH(F3~4)89 名 平均 44 か月観察 5 名で発癌 20%/5 年累積発癌率 (Hashimoto E, Yatsuji S, et al: Hepatol Res33:72,2005)

脂肪肝 NAFLD 5~15 年の自然経過 0~40% NASH 5~20% NASH 肝硬変 肝細胞癌の 2~13% は NASH を基盤に発癌している 0~15% 肝細胞癌 日本肝臓学会編 :NASH NAFLD の診療ガイド 文光堂 東京 2010 を改変

糖尿病診療における肝疾患のスクリーニング 1. B 型肝炎ウイルスと C 型肝炎ウイルスの検査 2. 定期的な肝機能検査 CBC の測定 ALT(GPT) 基準値は正常値ではない正常値男性 :30 IU/L 未満女性 :20 IU/L 未満 血小板減少( 特に15 万 /μl 以下 ) 3. 画像検査 脂肪肝 慢性肝障害が疑われる所見