第3回国際課税ディスカッショングループ 際D3-4

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第3回税制調査会 総3-1

エチオピア 2017 年 2 月 エチオピアは FATF 及び ESAAMLG( 東南部アフリカ FATF 型地域体 ) と協働し 有効性強化及び技術的な欠陥に対処するため ハイレベルの政治的コミットメントを示し 同国は 国家的なアクションプランや FATF のアクションプラン履行を目的とした委員会

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1. dia

第7回国際課税DG 際D7-2

供託者等の住所 氏名または名称および個人番号または法人番 号は 供託者等の口座管理機関から日本銀行に対して 課税事 務のために提供される 2 所得税の徴収 納 入 利付国債の利子または割引国債等 ( 国庫短期証券のうち その銘柄の価格競争入札における募入最低価格 ( 額面金額 100 円当り ) が

日本版スクーク ( イスラム債 ) に係る税制措置 Q&A 金融庁

て 次に掲げる要件が定められているものに限る 以下この条において 特定新株予約権等 という ) を当該契約に従つて行使することにより当該特定新株予約権等に係る株式の取得をした場合には 当該株式の取得に係る経済的利益については 所得税を課さない ただし 当該取締役等又は権利承継相続人 ( 以下この項及

ご提出いただく所定の書類について 1 個人 法人でご提出いただく書類が異なりますので 以下をご確認ください P.2 米国納税義務者に該当する場合 個人のお客様 情報提供同意書兼納税者番号 宣誓依頼書 (W-9) 法人のお客様 FATCA についての確認書 情報提供同意書兼納税者番号 宣誓依頼書 (W

租税条約等に基づく情報交換には 要請に基づく情報交換 自発的情報交換 及び 自動的情報交換 の 3 つの類型があり 情報交換事績もこれらの類型に分けています 我が国の情報交換ネットワークの現状については p.13 をご参照ください 2

1. 要請に基づく情報交換 要請に基づく情報交換 は 個別の納税者に対する調査において 国内で入手できる情報だけでは事実関係を十分に解明できない場合に 必要な情報の収集 提供を外国税務当局に要請するものです 国際的な取引の実態や海外資産の保有 運用の状況を解明する有効な手段となっています 具体的には

第3回国際課税ディスカッショングループ 際D3-5

第11 源泉徴収票及び支払調書の提出

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●租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律案

税調第18回総会 資料4

第6回国際課税DG 際D6-1

証券総合取引および口座開設に関する確認書兼確約書(2017年3月31日改定版)

6 課税上の取扱い日本の居住者又は日本法人である投資主及び投資法人に関する課税上の一般的な取扱いは 下記のとおりです なお 税法等の改正 税務当局等による解釈 運用の変更により 以下の内容は変更されることがあります また 個々の投資主の固有の事情によっては異なる取扱いが行われることがあります (1)

公共債の税金について Q 公共債の利子に対する税金はどのようになっていますか? 平成 28 年 1 月 1 日以後に個人のお客様が支払いを受ける国債や地方債などの特定公社債 ( 注 1) の利子については 申告分離課税の対象となります なお 利子の支払いを受ける際に源泉徴収 ( 注 2) された税金

92 1 BEPS OECD OECD( 経済協力開発機構 ) が政策分野別に設けている委員会の一つであるOECD 租税委員会は 租税分野における分析 提言等を幅広く行っていますが 特に 国際課税に関する国際的なルール策定や各国共通の問題への対応策の検討においては世界をリードする機関です この租税委

( 外国 ) 同上 ケース ( ) 相続人が取得した全 2 財産に対して課税 ( 外国 ) 国内財産に対しての み課税 ケース ( ) 相続人が取得した全 3 財産に対して課税 ( 外国 ) 同上 ( 平成 25 年度税制改正より ) ケース ( ) 被相続人 相続人いず 4 れも 5 年超居住の場

上場株式等の配当等に対する課税

シティジャパン 租税条約等の実施に伴う所得税法 法人税法及び地方税法の特例等に関する法律に基づく届出書 ( 事業体のお客様用 ) 手順 本届出書にご記入いただく前に 以下の手順を注意深くお読みください 共通報告基準 (CRS:Common Reporting Standard) が採用されている国に

公共債の税金について Q 公共債の利子に対する税金はどのようになっていますか? 平成 28 年 1 月 1 日以後に個人のお客様が支払いを受ける国債や地方債などの特定公社債 ( 注 1) の利子については 申告分離課税の対象となります なお 利子の支払いを受ける際に源泉徴収 ( 注 2) された税金

デンマークとの新租税条約

改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引

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[Q1] 復興特別所得税の源泉徴収はいつから行う必要があるのですか 平成 25 年 1 月 1 日から平成 49 年 12 月 31 日までの間に生ずる所得について源泉所得税を徴収する際 復興特別所得税を併せて源泉徴収しなければなりません ( 復興財源確保法第 28 条 ) [Q2] 誰が復興特別所

【日証協】マイナンバー利活用推進小委員会提出資料

1099 K の税務文書インタビュー このインタビューを完了するさい 提供する情報は有効かつ正確でなければなりません あなたが提供した情報が不正確である場合 30 日以内に情報を修正してください その期間内に情報を訂正しない場合 正しい情報を提供するまで アマゾン販売特権によって Amazon.co

株式等の譲渡(前年からの繰越損失を譲渡所得及び配当所得等から控除)編

【表紙】

経 [2] 証券投資信託の償還 解約等の取扱い 平成 20 年度税制改正によって 株式投資信託等の終了 一部の解約等により交付を受ける金銭の額 ( 公募株式投資信託等は全額 公募株式投資信託等以外は一定の金額 ) は 譲渡所得等に係る収入金額とみなすこととされてきました これが平成 25 年度税制改

資料3

1 検査の背景 (1) 租税特別措置の趣旨及び租税特別措置を取り巻く状況租税特別措置 ( 以下 特別措置 という ) は 租税特別措置法 ( 昭和 32 年法律第 26 号 ) に基づき 特定の個人や企業の税負担を軽減することなどにより 国による特定の政策目的を実現するための特別な政策手段であるとさ

新しい非居住者債券所得非課税制度の概要 < 平成 22 年度税制改正前の制度の概要 > 非居住者等が受ける振替国債及び振替地方債のについては 一定の手続要件を満たせば非課税とされていました しかし 非居住者等が受ける振替社債等のについては 原則 15% の税率により源泉徴収課税がなされていました 非

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金融口座情報の各国税務当局間の交換制度

1: とは 居住者の配偶者でその居住者と生計を一にするもの ( 青色事業専従者等に該当する者を除く ) のうち 合計所得金額 ( 2) が 38 万円以下である者 2: 合計所得金額とは 総所得金額 ( 3) と分離短期譲渡所得 分離長期譲渡所得 申告分離課税の上場株式等に係る配当所得の金額 申告分

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間を検討する 締約国が提出した 貢献 は 公的な登録簿に記録される 締約国は 貢献 ( による排出 吸収量 ) を計算する また 計算においては 環境の保全 透明性 正確性 完全性 比較可能性及び整合性を促進し 並びに二重計上の回避を確保する 締約国は 各国の異なる事情に照らしたそれぞれ共通に有して

上場株式等の譲渡益に係る課税 上場株式等の税金について 上場株式等の譲渡益に係る税率は以下の通りです 平成 25 年 1 月 1 日 ~ 平成 25 年 12 月 31 日 平成 26 年 1 月 1 日 ~ 平成 49 年 12 月 31 日 平成 50 年 1 月 1 日 ~ % (

1 有価証券届出書の訂正届出書の提出理由 平成 19 年 4 月 3 日付をもって提出した有価証券届出書の記載事項のうち 記載内容の一部を訂正するとともに 添付書類を差し替えるため 本有価証券届出書の訂正届出書を提出するものであります 2 訂正箇所及び訂正事項 第二部ファンド情報第 1 ファンドの状

総論 Q1 民間事業者はどのような場面でマイナンバーを扱うのですか A1 民間事業者でも 従業員やその扶養家族のマイナンバーを取得し 給与所得の源泉徴収や社会保険の被保険者資格取得届などに記載し 行政機関などに提出する必要があります 原稿料の支払調書などの税の手続では原稿料を支払う相手などのマイナン

租税条約濫用の防止 : 条約締約国でない第三国の個人 法人等が不当に租税条約の特典を享受する濫用を防止するためのモデル条約規定及び国内法に関する勧告を策定する 恒久的施設 (PE) 認定の人為的回避の防止 : 人為的に恒久的施設の認定を免れることを

e. 未成年者に係る少額上場株式等の非課税口座制度 ( ジュニア NISA) 未成年者に係る少額上場株式等の非課税口座制度に基づき 証券会社等の金融商品取引業者等に開設した未成年者口座において設定した非課税管理勘定に管理されている上場株式等 ( 平成 28 年 4 月 1 日から平成 35 年 12

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株式等の譲渡(特定口座の譲渡損失と配当所得等の損益通算及び翌年以後への繰越し)編

(2) 源泉分離課税制度源泉分離課税制度とは 他の所得と全く分離して 所得を支払う者 ( 銀行 証券会社等 ) がその所得の支払の際に 一定の税率で所得税を源泉徴収し それだけで所得税の納税が完結するものです 1 対象となる所得代表的なものとして 預金等の利子所得 定期積金の給付補てん金等があります

積立 NISA の創設 1. 改正のポイント (1) 趣旨 背景 1 家計の安定的な資産形成を支援する観点から 少額の積立 分散投資を促進するための 積立 NISA が創設される (2) 内容 1 積立 NISA は 20 歳以上の居住者等が金融機関に開設した非課税口座内に 積立 NISA 専用の累

2. 制度の概要 この制度は 非上場株式等の相続税 贈与税の納税猶予制度 とは異なり 自社株式に相当する出資持分の承継の取り扱いではなく 医療法人の出資者等が出資持分を放棄した場合に係る税負担を最終的に免除することにより 持分なし医療法人 に移行を促進する制度です 具体的には 持分なし医療法人 への

配当所得の入力編

ジットカード発行会社が交付したカードを提示してその国外居住親族が商品等を購入したこと等により その商品等の購入等の代金に相当する額の金銭をその居住者から受領した 又は受領することとなることを明らかにする書類 注意事項 1 送金関係書類については 原本に限らずその写しも送金関係書類として取り扱うことが

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KPMG Japan Tax Newsletter

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STEP3 No. 3,000 T E L - () SMS WEB OW LA BN ,000W8119TF

税調第20回総会 資料2-1

Ⅰ 家計の自助努力による資産形成を支援するための税制措置 1. つみたて NISA の制度期限の延長 NISA 制度の恒久化 根拠法の制定等 1つみたて NISA について 平成 49 年までとされている投資可能期間 ( 制度期限 ) を延長することにより 来年以降に投資を開始しても投資可能期間が少

iii. 源泉徴収選択口座への受入れ源泉徴収ありを選択した特定口座 ( 以下 源泉徴収選択口座 といいます ) が開設されている金融商品取引業者等 ( 証券会社等 ) に対して 源泉徴収選択口座内配当等受入開始届出書 を提出することにより 上場株式等の配当等を源泉徴収選択口座に受け入れることができま

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配当所得の入力編

問題 1 1 問題 1 1 納税義務者 相続税の納税義務者及び課税財産の範囲 課税価格 1 納税義務者 ⑴ 次に掲げる者は 相続税を納める義務がある 1 居住無制限納税義務者 ( 法 1 の 3 1 一 ) 相続又は遺贈により財産を取得した個人でその財産を取得した時において法施行地に住所を有するもの

様式第 2 号 ( 第 7 条関係 ) 住 所 ( 所在地 ) 氏 名 ( 名 称 ) 様 第 号 平成 年 月 日 広島県知事印 産業廃棄物埋立税特別徴収義務者指定通知書 広島県産業廃棄物埋立税条例第 8 条第 2 項の規定により, あなた ( 貴社 ) を平成 年 月 日から産業廃棄物埋立税特別

債券税制の見直し(金融所得課税の一体化)に伴う国債振替決済制度の主な変更点について

第16回税制調査会 別添資料1(税務手続の電子化に向けた具体的取組(国税))

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績が 5 千万ドル以上である企業の送金方式貿易代金の受領及び支払の場合には支払証憑書類を提出しなくてもよい ただし 支払などの証憑書類の免除を受けた企業は関連する証憑書類を 5 年間保管しなければならない また 指定取引外国為替銀行を通じた送金制度が設けられている この制度は 継続的に海外送金を行う

イ税務署へ確定申告書を提出し 所得税の住宅ローン控除の適用を受けている 退職所得 山林所得がある方 所得税の平均課税の適用を受けている方は 住宅ローン控除申告書を提出することにより控除額が大きくなる場合があります 申告書を提出される方は3 月 15 日 ( 月 ) までに申告してください 申告しなけ

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個人情報保護宣言

 

. 個人投資家の年齢層と年収 個人投資家 ( 回答者 ) の年齢層 8% 6% 28% 2~3 代 5% 2% 3% 4 代 5 代 6~64 歳 65~69 歳 7 代以上 個人投資家 ( 本調査の回答者 ) の過半数 (56%) は 6 歳以上のシニア層 昨年調査 6 歳以上の個人投資家 56%

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1 どちらかをご選択特定口座と客さま般口座の特定口座の概要 特定口座とは 個人のお客さまが公募株式投資信託を換金され利益が出た場合は 原則 確定申告が必要ですが お客さまの確定申告にかかる負担を軽減させるべく当金庫が納税の代行などを行う制度として 特定口座 があります 特定口座 をご利用いただくこと

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相続の基礎 ~ 「相続」を学ぼう!! ~ 生前贈与①有価証券

の補正書 において, 審査請求の趣旨を この開示請求は本人の給与のみずましにかかわる書面である為 としているが, 原処分を取り消し, 本件対象保有個人情報の開示を求めている審査請求として, 以下, 原処分の妥当性について検討する 2 原処分の妥当性について (1) 給与所得の源泉徴収票について給与所

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き一 修正申告 1 から同 ( 四 ) まで又は同 2 から同 ( 四 ) までの事由が生じた場合には 当該居住者 ( その相続人を含む ) は それぞれ次の 及び に定める日から4 月以内に 当該譲渡の日の属する年分の所得税についての修正申告書を提出し かつ 当該期限内に当該申告書の提出により納付

資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)


1 Ⅲ. 自由職業者の居住形態 1 居住形態 A 序 所得税法では 個人の納税者を 居住者 と 非居住者 に区分し 居住者について さらに 非永住者 と 非永住者以外の居住者 ( 以下 永住者 という ) に区分し ている そして 居住形態の区分に応じて課税所得の範囲や課税所得の計算方法が異なっ て

第 8 章 税 金 外国人の方であっても, 一定の要件に当てはまる場合には, 税金を納める必要があります 例えば, 日本国内で働いて得た収入があると, 原則として所得税を納めなければなりません また,1 月 1 日現在で日本に住所がある方は, 前年の所得について課税される住民税を納めなければなりませ

Transcription:

平 2 6. 4. 4 際 D 3-4 税制調査会 ( 国際課税 DG3) 自動的情報交換について 平成 26 年 4 月 4 日 ( 金 ) 財務省

税務当局間の情報交換 税務当局間の情報交換とは 納税者の取引などの税に関する情報を二国間の税務当局間で互いに提供する仕組み 租税条約に基づく税務当局間の情報交換には 1 要請に基づく情報交換 2 自動的情報交換 3 自発的情報交換の3 形態がある 税務当局間の情報交換のイメージ 1 要請に基づく情報交換 2 情報交換要請国税庁 4 関連情報の提供 1 調査 ( 課税上の問題の把握 ) 3 調査 ( 情報収集 ) 外国税務当局 2 自発的情報交換国税庁 3 自動的情報交換国税庁 2 一方的に情報提供 1 調査 ( 外国における課税上の問題の把握 ) 2 大量一括の情報提供 外国税務当局 外国税務当局 1 法定調書から情報収集 1

グローバル フォーラムについて 税の透明性と情報交換に関するグローバル フォーラム は 税の情報交換に関する法制 執行についてのピア レビュー等を行うため OECD 加盟国に加え 非加盟国を含む 100 以上の国 地域が参加するフォーラム 2008 年秋以降 金融システム安定化等の観点から いわゆるタックスヘイブンへの不透明な資金の流れが国際社会において問題視され 2009 年 4 月のG20サミットを契機に 国際基準に則り税務当局間で納税者情報 ( 銀行機密情報も含む ) の交換を行うことを各国が約する動きが加速 2009 年 9 月にOECDの グローバル フォーラム を拡充し いわゆるタックスヘイブンを含む各国の情報交換の法制 執行の両面からピア レビュー ( 相互審査 ) を行うことにつき合意 2010 年 3 月から審査作業を開始 2013 年 11 月までに 124のピア レビュー報告書を採択 2014 年 1 月現在グローバル フォーラムには121の国 地域が参加 ピア レビューの審査項目は以下の3 本柱 1 情報の記録 ( 経済取引を行っている者や金額等の情報が適正に記録 保存されているか等 ) 2 税務当局が情報を取得する権限 ( 銀行機密に妨げられないか等 ) 3 税務当局間の情報交換 ( 関係する国 地域と 自国の課税上の利益がなくても 情報を交換しているか等 ) 原則として 法制面審査 (Phase1) を行い 特段の問題がない場合にのみ 執行面審査 (Phase2) に移行する ただし 情報交換の経験が十分ある国 地域については Phase1とPhase2を同時に審査する (Combined) 我が国は グローバル フォーラムの下部機関で ピア レビューの具体的作業を行う ピア レビュー グループ の共同副議長 及びグローバル フォーラムの運営方針を決める運営会合のメンバーとして参画 貢献してきている 2

ピア レビュー報告書の評価 (G7 諸国 ) 情報の利用可能性 ( パート A) 情報へのアクセス ( パート B) 及び情報交換 ( パート C) の合計 10 項目について法制面審査 (Phase1) 及び執行 面審査 (Phase2) の評価がなされる 法制面審査 (Phase1) の評価 (3 段階 ) : 適切に整備されている (In Place) : 改善すべき点あり (In Place But..Need Improvement) : 適切に整備されていない (Not In Place) 執行面審査 (Phase2) の評価 (4 段階 ) A: 遵守 (Compliant) B: 概ね遵守 (Largely Compliant) C: 一部遵守 (Partially Compliant) D: 不遵守 (Not-Compliant) 審査項目 摘要日本アメリカ イギリス ( 補足報告書で改善 ) ドイツカナダフランスイタリア 1 A1 所有者等に関する情報利用可能性 A B B B B A A 2 A2 会計記録の信頼性 (5 年以上の保存等 ) A B A A A A A 3 A3 銀行取引情報の利用可能性 A A A A A A A 4 B1 情報入手 提供に関する当局の権限 A A B A A A A 5 B2 当局が通知義務を負う場合の障害 A A A B A A A 6 C1 自国課税利益 銀行機密 双罰条件等による障害 A A A A A A B 7 C2 情報交換ネットワークのカバー範囲 A A A A A A A 8 C3 提供された情報の秘密保持 A A A A A A A 9 C4 第三者の権利 営業上の秘密等の尊重 A A A A A A A 10 C5 情報提供のタイムリーネス B A B B A A B 11 全体評価 A B B B A A B 2014 年 4 月現在 Phase1 審査において特段の問題があるため Phase2 審査に移行できないとされている国は パナマ UAE ブルネイ バヌアツ グアテマラ トリニダード トバゴ ボツワナ リベリア レバノン ドミニカ マーシャル諸島 ナウル ニウエの 13 か国 またスイスは 一定の条件を満たせば Phase2に移行できるとされている 3

自動的情報交換を巡る国際的取組みの経緯 2008 年のスイスUBS 事件等を受けて 米国内で批判が高まり 2010 年 3 月 米国市民による外国金融機関の口座を利用した脱税を防止する 外国口座税務コンプライアンス法 (FATCA) が米国で成立(2013 年 1 月施行 ) 2012 年 各国がFATCAへの対応について米国と合意したことを契機に OECDは 多国間及び二国間の自動的情報交換に関する国際基準の策定に着手 2013 年 9 月 G20 首脳会議は OECD による国際基準の策定を支持するとともに 2014 年央までに自動的情報交換の技術的様式を完成させることにコミットし 2015 年末までに G20 諸国間で自動的情報交換が開始されることを期待 また グローバル フォーラムに 自動的情報交換の新国際基準の実施を監視し レビューするメカニズムの設立を要請 2013 年 11 月 グローバル フォーラムが 国際基準による自動的情報交換に関する相互審査を実施することについて合意 その仕組みの策定作業を行う 自動的情報交換グループ を設立 ( 我が国も参加 ) 2014 年 1 月 OECD 租税委員会が 共通報告基準 (CRS : Common Reporting Standard) を承認 同年 2 月に OECD が公表し G20 財務大臣 中央銀行総裁会議がこれを支持 今後 OECD は 2014 年央までに 共通報告基準の統一的適用を確保するための実施細目 及び 税務当局間の情報に用いるデータ言語構造や情報の送受信手段等の必要な技術的な側面を決定 4

米国の外国口座税務コンプライアンス法 米国人口座の情報を提供 外国 ( 日本等 ) 米国 米 IRS ( 内国歳入庁 ) 口座保有者の名称 口座残高 利子や配当の年間受取総額など FFI 契約 外国金融機関 Foreign Financial Institution 配当利子など 米国企業 協力米国人口座 ( 情報提供に同意 ) 30% 源泉徴収や非協力口座の閉鎖 非協力口座 ( 情報提供に不同意 ) FFI 契約を結ばない場合 30% の懲罰的源泉課税が課される 5

日本の米 FATCA への対応 日本当局 ( 財務省 国税庁 金融庁等 ) と米財務省の間で当局間声明を公表 (2013 年 6 月 11 日 ) 国税庁 ( 内国歳入庁 )4租税条約実施特例法調査権限により情報(非協力口座の情報を入手金融庁等 米 IRS 1 要請文を発出 2 協力米国人口座については 実施状況を監督 個別情報 ( 口座残高等 ) を送付 入の)手日本の金融機関 協力米国人口座 ( 情報提供に同意 ) 3 非協力口座の情報を租税条約に基づき要請 5 租税条約に基づき情報提供 ( 情報提供要請から 6 か月以内に 情報を提供 ) 非協力口座 ( 情報提供に不同意 ) FFI 契約の締結を免除 非協力口座への 30% 源泉徴収や口座閉鎖の義務を免除 一部の金融機関 金融商品を適用外とする 非協力口座については 金融機関毎の総件数 総額を送付 2015 年以降毎年 3 月に前年分の情報を提出 6

欧州 5 カ国 ( 英独仏伊西 ) の米 FATCA への対応 欧州 5 カ国税務当局 3 政府間取決めに従って自動的に情報提供 (2015 年以降毎年 9 月末までに前年分の情報を提供 ) 米 IRS ( 内国歳入庁 ) 情報入手2右国内法により1FATCA の求める情報 ( 米国居住者の口座残高など ) を金融機関に提出させる国内法を整備 欧州 5 カ国の金融機関 FFI 契約の締結を免除 非協力口座への 30% 源泉徴収や口座閉鎖の義務を免除 米国の金融機関にある欧州 5 カ国居住者の口座情報を入手し 5 か国の税務当局に送付 協力米国人口座 ( 情報提供に同意 ) 非協力口座 ( 情報提供に不同意 ) 2012 年 2 月に欧州 5 か国と米国が本対応案に関する共同声明を発表 同年 7 月にはこの対応案に関するモデル 1 政府間取決め (Model 1 Inter-Governmental Agreement) が公表された 2013 年 4 月に欧州 5 か国の財務大臣は欧州委員会に対し モデル 1 政府間取決めを 多国間の自動的情報交換の基準とすることを提案 7

日本 共通報告基準による自動的情報交換のイメージ ( 日本 外国 ) 3 外国の税務当局に対して年一回まとめて情報提供 A 国 国税庁 A A 国の税務当局 2 口座保有者の氏名 住所 納税者番号 口座残高 利子 配当等の年間受取総額等を報告 B A 国居住者 日本の金融機関 日本居住者口座 ( 対象外 ) A 国居住者口座 B 国居住者口座 X 国居住者口座 B 国の税務当局 B 国居住者 日本居住者 1 日本の 非居住者 ( 個人 法人等 ) の口座を居住地国ごとに選別 B 国 8

共通報告基準による自動的情報交換のイメージ ( 外国 日本 ) 日本 丙の口座情報 C 国 A 国 甲の口座情報 国税庁 C 国の税務当局 A 国の税務当局 乙の口座情報 報告 報告 A 国の金融機関甲の口座 日本居住者甲 日本居住者乙 日本法人丙 C 国の金融機関丙の口座 外国の金融機関に口座を保有する日本居住者 B 国の税務当局 B 国 ( 個人 法人等 ) の情報 ( 氏名 住所 個人番号 法人番号 ( マイナンバー ) 口座残高 利子 配 乙の口座 報告 当等の年間受取総額等 ) が 外国の税務当局 B 国の金融機関 から国税庁に集まる 9

G20 首脳サミット首脳宣言 ( 仮訳抜粋 ) (2013 年 9 月 5 6 日於 : サンクトペテルブルグ ) 税源浸食 利益移転への対処, 租税回避への取組, 税の透明性と自動的な情報交換の推進 51. 我々は, 税の透明性の分野で達成された最近の進展を称賛し, 多国間及び二国間の自動的情報交換のための真にグローバルなモデルに関するOECDの提案を完全に支持する その他のあらゆる国 地域に, 可能な限り早期に我々に加わることを求めつつ, 我々は, 新しい国際基準としての自動的情報交換にコミットしている なお, 当該基準は守秘義務と交換された情報の適切な使用を確保しなければならない 我々は,2014 年 2 月までに, 自動的情報交換のためのそうした新しい単一の国際基準を提示することを目的とした,G20 諸国とともに行うOECD の作業を完全に支持し,2014 年央までに効果的な自動的交換の技術的様式を完成させることにコミットする 並行して, 我々は,2015 年末までにG20 諸国間で, 税に関する自動的情報交換が開始されることを期待する 我々は全ての国に対し, 更なる遅滞なく多国間税務行政執行共助条約に参加することを求める 我々は, 世界規模で新しい基準が実際に完全に実施されることを期待する 我々は, グローバル フォーラムに対し, 要請に基づく情報交換の効果的な実施に関する包括的な国別評価を完了させるとともに, 当該基準の実施の継続的な監視を確保することを奨励する 我々は, 全ての国 地域, とりわけ, フェーズ2にまだ移行していない14の国 地域にグローバル フォーラムの勧告に取り組むよう促す 我々は, グローバル フォーラムが真の受益者に関してFATFの取組を活用することを勧める 我々はまた, グローバル フォーラムに対し, 自動的情報交換に関する新しい国際基準の実施を監視し, レビューするメカニズムを設立することを求める 10

共通報告基準の概要 自動的情報交換の対象となる非居住者の口座の特定方法や情報の範囲等を各国で共通化する国際基準 これにより 金融機関の事務負担を軽減しつつ 金融資産の情報を各国税務当局間で効率的に交換し 外国の金融機関の口座を通じた国際的な脱税及び租税回避に対処することが目的 共通報告基準の内容は 以下のとおり 1 各国の税務当局は それぞれ自国の金融機関から非居住者 ( 個人 法人等 ) の口座情報を報告させ 非居住者の各居住地国の税務当局に対して年一回まとめて提供し合う 口座情報を報告する金融機関は 銀行 証券会社 信託 保険会社等 対象となる口座情報は 口座保有者の氏名 住所 納税者番号 口座残高 利子 配当等の年間受取総額等 2 金融機関は 共通報告基準に定められた手続 ( デューデリジェンス手続 ) に従って口座保有者の居住地国を特定し 報告すべき口座を選別する 新規開設口座については 金融機関が口座開設者から居住地国を聴取する等して居住地国を特定する 既存の口座については 金融機関が口座保有者の住所等の記録から居住地国を特定する 11

共通報告基準の導入の意義 各国と協調して共通報告基準を導入することにより 以下の効果が期待される 1 日本の居住者が 外国の金融機関を通じて保有する金融資産の情報が 外国の税務当局から日本に毎年自動的に提供される これにより 利子 配当等の年間受取総額 の情報が端緒となって 当該金融資産から生じた利子 配当等で申告されていないものが把握されうる 口座残高 の情報が端緒となって 当該金融資産を形成した所得で申告されていないものが把握されうる 2 外国の金融機関の口座を利用した脱税 租税回避を抑止し 全ての納税者による申告 納税義務の遵守を促し 税負担の公平性を実現する 3 国内の金融機関が国際基準を遵守しつつ税務当局間の自動的情報交換が行われること により 金融市場に対する国際的信頼度の維持に資する 12