SEC セミナー (2012 年 8 月 31 日 ) 定量的品質管理 実践的取組み 定量的品質管理 手法の企業での取り組み事例 1 品質 生産性目標の設定方法 2 現場で定着させるテクニック ~ 品質管理を効果的に実践するには ~ 三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社業務プロセス改善推進室室長兼生産技術本部品質保証部次長藤原良一 2012/8/31 Copyright(c) MITSUBISHI ELECTRIC INFORMATION SYSTEMS Co. All rights Reserved 1 1 品質 生産性目標の設定方法 プロジェクトの特性に応じた 目標値を設定しよう! 2012/8/31 Copyright(c) MITSUBISHI ELECTRIC INFORMATION SYSTEMS Co. All rights Reserved 2
品質 生産性目標の測定量 品質 生産性の測定量は何があるの? 点検のタイミンク 種類 要件定義 設計 製作 試験 全体 見積り 概算 正式 生産性 規模に対する工数実績 (Hr/KL) 規模に対する工期実績 ( 日 /KL) 規模に対する工数実績 (Hr/KL) 規模に対する工期実績 ( 日 /KL) ステップ別工数比率 (%) 規模に対する工数実績 (Hr/KL) 規模に対する工期実績 ( 日 /KL) 再見積り PJ 計画 生産性 規模に対する工数実績 (Hr/KL) 規模に対する工期実績 ( 日 /KL) 生産効率 (L/Hr) ステップ別工数比率 (%) 生産効率 (L/Hr) 生産効率 (L/Hr) 品質 レビュー誤り指摘率 ( 件 / ページ ) レビュー密度 (Hr/ ページ ) レビュー誤り指摘率 ( 件 / ページ ) レビュー密度 (Hr/ ページ ) 誤り検出率 ( 件 /KL) 試験密度 ( 項目 /KL) レビュー誤り指摘率 ( 件 / ページ ) レビュー密度 (Hr/ ページ ) 2012/8/31 Copyright(c) MITSUBISHI ELECTRIC INFORMATION SYSTEMS Co. All rights Reserved 3 品質 生産性目標の導出方法 目標値のガイドラインはどうやって出すの? 人間系 ガイドラインの精度を上げるため 有識者によるデータのクレンジングを実施 導出したガイドラインを精査し ドメインの見直し データの再クレンジングを行い精度を上げる 導出したいドメインの特性を設定 ドメインの検討 データのクレンジング ガイドラインの精査 システム 品質 生産性データ 特性設定 データ抽出 クレンシ ンク したテ ータ ガイドライン値 プロジェクト完了報告書からデータベース化 ガイドラインの精度を上げるにはデータの精査が重要 Javaライン生産効率 (L/hr) 20 15 10 L/h5 全社 SEC 2012/8/31 Copyright(c) MITSUBISHI ELECTRIC INFORMATION SYSTEMS Co. All rights Reserved 4
プロジェクトのドメイン設定 プロジェクトプロフィールの項目は何があるの? プロジェクトプロフィールの詳細については SEC BOOKS の ソフトウェア開発データ白書 をご参照下さい 分類 項番 データ項目 説明 新規 改修 リフ レースなどで選択できる 開発 PJ 全般 103 開発 PJ の種別 新規 / 改修 保守 / 再開発 / 拡張 利用局面 107 201 開発 PJの概要 業種 SW 開発 / インフラ構築 / 運用構築 / 移行 / 保守 / SW 開発 インフラ 構築 保守などで選択できる民営職業紹介業 / 酒類製造業 / 製本業, 印刷物加工業 / 信書送達業 / 郵便局 / 競輪 競馬等 / 司法機関 / 202 業務の種類 会計 経理 / 生産 物流 / 受発注 在庫 / 物流管理 / 顧客管理 / 施設 設備 / 203 システムの用途 ネットワーク管理 / フ ロセス制御 / 金融取引 / シ ョフ 管理 監視 /SCM/CRM/CTI/EDI/ 画像 / 音声処理 パッケージで選択できる システム特性 304 312 業務パッケージ主要開発言語 SAP COBOL/C++/VB/EXCEL(VBA)/Java/HTML/XML 主要開発言語で選択できる 2012/8/31 Copyright(c) MITSUBISHI ELECTRIC INFORMATION SYSTEMS Co. All rights Reserved 5 2 現場で定着させるテクニック ~ 品質管理を効果的に実践するには ~ 開発活動と管理を連動させよう! 2012/8/31 Copyright(c) MITSUBISHI ELECTRIC INFORMATION SYSTEMS Co. All rights Reserved 6
なぜ定量的品質管理が現場に定着しないの? 定量データがうまく収集できない データから問題を見つけられない 効果のあるアクションに結びつかない 開発管理とデータ収集の連動 ( プロセスの整備 ) プロセスの監視と評価 1. 現状分析によるプロジェクト推進方針の明確化 2. フェーズ推進計画の全員の同意 3. プロジェクト推進の標準化 4. プロセスの監視と評価 2012/8/31 Copyright(c) MITSUBISHI ELECTRIC INFORMATION SYSTEMS Co. All rights Reserved 7 定量的品質管理の進め方 1. 現状分析による推進方針の明確化 2. フェーズ推進計画の全員の同意 3. プロジェクト推進の標準化 4. プロセスの監視と評価 設計製作試験 現状分析 1 設計フェーズ製作フェーズ試験フェーズプロジェクト 2 ( テスト計画 ) 品質評価お客様との同意推進計画お客様との同意設計標準類推進計画お客様との同意製作標準類推進計画お客様との同意試験標準類 ( カットオーバー整備整備整備基準含む ) 3 トレーニングトレーニングトレーニング進捗 品質管理支援進捗 品質管理支援進捗 品質管理支援カットオーバー判定プロセス評価 ( レビュー ) ( レビュー & テスト ) ( レビュー & テスト ) 中間最終中間最終中間最終 2012/8/31 Copyright(c) MITSUBISHI ELECTRIC INFORMATION SYSTEMS Co. All rights Reserved 8 4
１ 現状分析による推進方針の明確化 プロジェクトの前提条件や各フェーズのEXITクライテリアを元に プロジェクト推進として実施すべき事項を洗いだす 実施すべき事項をフェーズ別に整理する 現状分析の観点 お客様からの要求事項 EXITクライテリア 実施すべき項目の観点 各フェーズでの完了事項 成果物 レビュー EXIT判定 各フェーズでの準備事項 2012/8/31 システム開発点検事項 セキュリティ チェック 関係部門レビュー 標準類整備 申請書提出 Copyright(c) MITSUBISHI ELECTRIC INFORMATION SYSTEMS Co. All rights Reserved 9 ２ フェーズ推進計画の全員の同意 2012/8/31 当該フェーズのアウトプットのマイルストーンを設定し お客様の同 意を得る 次フェーズの計画やプロセス整備関連も忘れずに入れる フェーズ推進計画をお客様やプロジェクトメンバーで共有する 極力会議形式にして全員の同意を得るようにする Copyright(c) MITSUBISHI ELECTRIC INFORMATION SYSTEMS Co. All rights Reserved 10
３ プロジェクト推進の標準化 プロジェクトメンバーの成熟度に見合った標準類を整備する 現状実施している内容をベースに標準類を整備する 実施内容として問題がある部分は メンバーの力量を見て補完する 標準類はトレーニングを行う 極力会議形式にして全員の理解が確認できるようにすること 標準は 手順書 様式 サンプル を整備する 設計書作成ガイド レビューチェックリスト利用 ガイド テスト要領書作成ガイド 変更 構成 進捗 品質の管理 手順 etc 支援ツールは 利用ガイドとツー ルを整備する 進捗管理 レビュー 障害管 理などの支援ツール 2012/8/31 11 Copyright(c) MITSUBISHI ELECTRIC INFORMATION SYSTEMS Co. All rights Reserved ４ 品質管理プロセスの監視と評価 プロジェクト推進計画が実践されているかを監視する 進捗管理の中に品質管理プロセスを組み込むことで 確実に 品質管理プロセスの監視が行える ① ② 品質管理プロセスを進捗管 理の予実管理で監視 ③ ④ 着手 設計書作成 レビュー コード作成 レビュー テスト要領書作成 レビュー テスト項目計画 実績 プログラム仕様書 作成完了 レビュー 反映完了 ① 品質管理プロセスを 進捗計画に展開 2012/8/31 計画 CD UT 書 テスト 項目 ② ③ UT 実施 着手 完了 実績 プログラム仕様書 ④ 進捗管理表 Copyright(c) MITSUBISHI ELECTRIC INFORMATION SYSTEMS Co. All rights Reserved 12
4. プロセスの監視と評価 プロセスの質を評価する プロセスを実践しているのみでなく プロセスへの投入工数や障害 誤り摘出状況を評価する 障害 誤り摘出状況に関しては その内容についても問題がないか評価する レビュー状況を可視化 客観的なデータから品質を分析 レビュー工数の投入は適切か? ( レビュー工数率 ) レビュー工数と誤り検出の傾向は? ( 誤り検出率 ) 上流設計の誤りの検出量は適切か? ( 誤り分類 ) 必要であれば お客様を巻き込み対応を検討する 2012/8/31 Copyright(c) MITSUBISHI ELECTRIC INFORMATION SYSTEMS Co. All rights Reserved 13 4. プロセスの監視と評価 当該フェーズの品質が確保出来ているかを多角的に分析する 分析項目 品質目標に対する分析 レビューやテストでの誤り内容の分析 品質の収束度の分析 サブプロジェクトの主な誤りと対応状況 フォロー項目の明確化 性能評価 など 2012/8/31 Copyright(c) MITSUBISHI ELECTRIC INFORMATION SYSTEMS Co. All rights Reserved 14
まとめ 1. 品質 生産性目標は実績値を参考に プロジェクトの特性を加味して設定する 2. 定量的品質管理を行うには プロセスの安定化 ( 活動の明確化 ) が必要 3. 開発で行うべき活動と開発管理を連動させてデータを確実に収集する 2012/8/31 Copyright(c) MITSUBISHI ELECTRIC INFORMATION SYSTEMS Co. All rights Reserved 15 参考情報 プロジェクトマネジメント学会誌通巻 70 号特集 プロジェクトの品質と顧客満足より抜粋 ソフトウェア開発プロジェクトの計数管理フレームワークによる定量的管理 より抜粋 計数管理を効果的に活用するためには プロジェクト実績の集計と分析の結果を元に 測定の評価 を行い測定プロセスの改善を実施しなければならない ここで重要な点は 単に分析の結果を評価するのではなく 測定利用者のフィードバックに対応し測定プロセスを見直す仕組みを組み込むことである プロジェクト性能 ( 生産性 欠陥密度 工期遵守率など ) はプロジェクトの属性や非機能要因の影響に大きく左右されるものである 基準値により適切な管理を行うためにはプロジェクトの特性を反映した基準とする必要がある 信頼度成長モデルは テストの初期段階でも欠陥の検出が収束していると判定してしまう場合がある そのため 基本的にはテストケース又はテスト労力が 60% に満たない場合は 予測の結果を利用しない 高品質ソフトウェア開発を実現する品質会計技法 より抜粋 品質会計は データに基づいて品質管理を実施する しかし 適用場面においては 計測されたデータだけに頼ることなく 現場で実際に起こっている事実の確認を重要視している その理由は データだけに頼ると 事実を誤認する恐れがあるからである 2012/8/31 Copyright(c) MITSUBISHI ELECTRIC INFORMATION SYSTEMS Co. All rights Reserved 16