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負荷試験 検体採取 患者の検査前準備 検体採取のタイミング 記号 添加物 ( キャップ色等 ) 採取材料 採取量 測定材料 F 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( 青 細 ) 血液 3 ml 血清 H 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( ピンク ) 血液 6 ml 血清 検体ラベル ( 単項目オーダー時 )


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第6号-2/8)最前線(大矢)

の活性化が背景となるヒト悪性腫瘍の治療薬開発につながる 図4 研究である 研究内容 私たちは図3に示すようなyeast two hybrid 法を用いて AKT分子に結合する細胞内分子のスクリーニングを行った この結果 これまで機能の分からなかったプロトオンコジン TCL1がAKTと結合し多量体を形

糖鎖の新しい機能を発見:補体系をコントロールして健康な脳神経を維持する

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前立腺癌は男性特有の癌で 米国においては癌死亡者数の第 2 位 ( 約 20%) を占めてい ます 日本でも前立腺癌の罹患率 死亡者数は急激に上昇しており 現在は重篤な男性悪性腫瘍疾患の1つとなって図 1 います 図 1 初期段階の前立腺癌は男性ホルモン ( アンドロゲン ) に反応し増殖します そ

スライド 1

シトリン欠損症説明簡単患者用

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低カルシウム/低リン血症の成因

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汎発性膿庖性乾癬の解明

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2006 PKDFCJ

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学位論文の要約

Microsoft Word CREST中山(確定版)

析は抗 ERK p-erk MEK p-mek SAPK/JNK p-sapk/jnk p38 p-p38 Akt p-akt Bax Esrp1/2 -actin 抗体を使用した 野生型可溶性 FGFR2 および sfgfr2iiic S252W の精製を以下のように行った COS-7 細胞に F

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新規遺伝子ARIAによる血管新生調節機構の解明


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るが AML 細胞における Notch シグナルの正確な役割はまだわかっていない mtor シグナル伝達系も白血病細胞の増殖に関与しており Palomero らのグループが Notch と mtor のクロストークについて報告している その報告によると 活性型 Notch が HES1 の発現を誘導

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検体採取 患者の検査前準備 検体採取のタイミング 記号 添加物 ( キャップ色等 ) 採取材料 採取量 測定材料 F 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( 青 細 ) 血液 3 ml 血清 H 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( ピンク ) 血液 6 ml 血清 I 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( 茶色 )

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cell factor (SCF) が同定されています 組織学的に表皮突起の延長とメラノサイトの数の増加がみられ ケラチノサイトとメラノサイトの増殖異常を伴います 過剰のメラニンの沈着がみられます 近年 各種シミの病態を捉えて その異常を是正することによりシミ病変の進行をとめ かつシミ病変の色調を薄

く 細胞傷害活性の無い CD4 + ヘルパー T 細胞が必須と判明した 吉田らは 1988 年 C57BL/6 マウスが腹腔内に移植した BALB/c マウス由来の Meth A 腫瘍細胞 (CTL 耐性細胞株 ) を拒絶すること 1991 年 同種異系移植によって誘導されるマクロファージ (AIM

犬の糖尿病は治療に一生涯のインスリン投与を必要とする ヒトでは 1 型に分類されている糖尿病である しかし ヒトでは肥満が原因となり 相対的にインスリン作用が不足する 2 型糖尿病が主体であり 犬とヒトとでは糖尿病発症メカニズムが大きく異なっていると考えられている そこで 本研究ではインスリン抵抗性

作成要領・記載例

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脳組織傷害時におけるミクログリア形態変化および機能 Title変化に関する培養脳組織切片を用いた研究 ( Abstract_ 要旨 ) Author(s) 岡村, 敏行 Citation Kyoto University ( 京都大学 ) Issue Date URL http


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ページ、インデント

統合失調症モデルマウスを用いた解析で新たな統合失調症病態シグナルを同定-統合失調症における新たな予防法・治療法開発への手がかり-

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生理学 1章 生理学の基礎 1-1. 細胞の主要な構成成分はどれか 1 タンパク質 2 ビタミン 3 無機塩類 4 ATP 第5回 按マ指 (1279) 1-2. 細胞膜の構成成分はどれか 1 無機りん酸 2 リボ核酸 3 りん脂質 4 乳酸 第6回 鍼灸 (1734) E L 1-3. 細胞膜につ


1. Caov-3 細胞株 A2780 細胞株においてシスプラチン単剤 シスプラチンとトポテカン併用添加での殺細胞効果を MTS assay を用い検討した 2. Caov-3 細胞株においてシスプラチンによって誘導される Akt の活性化に対し トポテカンが影響するか否かを調べるために シスプラチ

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図 1 マイクロ RNA の標的遺伝 への結合の仕 antimir はマイクロ RNA に対するデコイ! antimirとは マイクロRNAと相補的なオリゴヌクレオチドである マイクロRNAに対するデコイとして働くことにより 標的遺伝 とマイクロRNAの結合を競合的に阻害する このためには 標的遺伝

平成16年度研究報告

2015 年 11 月 5 日 乳酸菌発酵果汁飲料の継続摂取がアトピー性皮膚炎症状を改善 株式会社ヤクルト本社 ( 社長根岸孝成 ) では アトピー性皮膚炎患者を対象に 乳酸菌 ラクトバチルスプランタルム YIT 0132 ( 以下 乳酸菌 LP0132) を含む発酵果汁飲料 ( 以下 乳酸菌発酵果

結果 この CRE サイトには転写因子 c-jun, ATF2 が結合することが明らかになった また これら の転写因子は炎症性サイトカイン TNFα で刺激したヒト正常肝細胞でも活性化し YTHDC2 の転写 に寄与していることが示唆された ( 参考論文 (A), 1; Tanabe et al.

のと期待されます 本研究成果は 2011 年 4 月 5 日 ( 英国時間 ) に英国オンライン科学雑誌 Nature Communications で公開されます また 本研究成果は JST 戦略的創造研究推進事業チーム型研究 (CREST) の研究領域 アレルギー疾患 自己免疫疾患などの発症機構

別紙 < 研究の背景と経緯 > 自閉症は 全人口の約 2% が罹患する非常に頻度の高い神経発達障害です 近年 クロマチンリモデ リング因子 ( 5) である CHD8 が自閉症の原因遺伝子として同定され 大変注目を集めています ( 図 1) 本研究グループは これまでに CHD8 遺伝子変異を持つ

糸球体で濾過されたブドウ糖の約 90% を再吸収するトランスポータである SGLT2 阻害薬は 尿糖排泄を促進し インスリン作用とは独立した血糖降下及び体重減少作用を有する これまでに ストレプトゾトシンによりインスリン分泌能を低下させた糖尿病モデルマウスで SGLT2 阻害薬の脂肪肝改善効果が報告

ルグリセロールと脂肪酸に分解され吸収される それらは腸上皮細胞に吸収されたのちに再び中性脂肪へと生合成されカイロミクロンとなる DGAT1 は腸管で脂質の再合成 吸収に関与していることから DGAT1 KO マウスで認められているフェノタイプが腸 DGAT1 欠如に由来していることが考えられる 実際

表 K/DOQI ガイドラインに示された骨ミネラル代謝マーカーの管理目標値 CKD P mg/dl Ca mg/dl 7.CKD に伴う骨ミネラル代謝異常 ipth pg/ml KDOQI 表 b

血液学的検査 >> 2B. 凝固 線溶関連検査 >> 2B400. 検体採取 患者の検査前準備 検体採取のタイミング 記号 添加物 ( キャップ色等 ) 採取材料 採取量 測定材料 B 3.2% クエン酸ナトリウム ( 黒 ) 血液 2 ml 血漿 検体ラベル ( 単項目オーダー時

Microsoft Word - 森先生HP原稿

Mincle は死細胞由来の内因性リガンドを認識し 炎症応答を誘導することが報告されているが 非感染性炎症における Mincle の意義は全く不明である 最近 肥満の脂肪組織で生じる線維化により 脂肪組織の脂肪蓄積量が制限され 肝臓などの非脂肪組織に脂肪が沈着し ( 異所性脂肪蓄積 ) 全身のインス

( 図 ) IP3 と IRBIT( アービット ) が IP3 受容体に競合して結合する様子

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( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 花房俊昭 宮村昌利 副査副査 教授教授 朝 日 通 雄 勝 間 田 敬 弘 副査 教授 森田大 主論文題名 Effects of Acarbose on the Acceleration of Postprandial

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平成14年度研究報告

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平成24年7月x日

関係があると報告もされており 卵巣明細胞腺癌において PI3K 経路は非常に重要であると考えられる PI3K 経路が活性化すると mtor ならびに HIF-1αが活性化することが知られている HIF-1αは様々な癌種における薬理学的な標的の一つであるが 卵巣癌においても同様である そこで 本研究で

今後の展開現在でも 自己免疫疾患の発症機構については不明な点が多くあります 今回の発見により 今後自己免疫疾患の発症機構の理解が大きく前進すると共に 今まで見過ごされてきたイントロン残存の重要性が 生体反応の様々な局面で明らかにされることが期待されます 図 1 Jmjd6 欠損型の胸腺をヌードマウス

博第265号

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Lab.Clin.Pract.,26(2):111-116(2008) 最近の話題 骨が産生するホルモン線維芽細胞増殖因子 23 東京大学医学部附属病院腎臓 内分泌内科 福本誠二 はじめに骨は, 硬組織として生体の支持, 運動の支柱, あるいは内臓の保護組織として機能することに加え, 造血組織を内包し, カルシウム (Ca) やリンの膨大な貯蔵庫としても作用するものと考えられてきた. すなわち骨は, 破骨細胞による骨吸収と骨芽細胞による骨形成を繰り返す骨リモデリングにより, 自らの形態と量を外的環境に応じて変化させる動的組織であり, 骨リモデリングを調節する副甲状腺ホルモンや性ホルモン, 甲状腺ホルモンなどの標的臓器であると考えられてきた. 一方, 近年の線維芽細胞増殖因子 (fibroblast growth factor: FGF)23 の同定, およびその後の研究の進展により, 骨はホルモンを産生する内分泌臓器としても作用し, ホルモン産生を介して自らの石灰化を調節することが明らかにされてきた. 以下本稿では,FGF23 の作用とともに,FGF23 測定の臨床的意義につき概説したい. 1.FGF23 の構造と機能 FGF23 は,FGF ファミリー最後のメンバーとして同定された液性因子である 1)~3).FGF ファミリーは, 酸性 FGF(FGF1) や塩基性 FGF(FGF2) をプロトタイプとし, 線維芽細胞の増殖活性を有する因子と考えられてきた. その後各種の FGF ファミリーメンバーが同定された結果, 現在 FGF23 ファミリーは,β-trefoil と呼ばれる 3 軸構造を特徴とする,FGF 相同領域を有する蛋白として定義されている.FGF23 遺伝子は 251 個のアミノ酸からなる蛋白をコードしている ( 図 1) 1)~3). このうち N 端 24 個のアミノ酸はシグナルペプチドで, 分泌される FGF23 蛋白は 227 個のアミノ酸からなるものと考えられている. 一部の FGF23 蛋白は,furin などにより 179 Arg と 180 Ser の間でプロセッシングを受ける 4).FGF23 は, このプロセッシング部位の N 端側に FGF 相同領域を有しており, プロセッシング部位 C 端側のアミノ酸配列は,FGF23 に特有である. プロセッシングを受けない全長 FGF23 は後述の生物活性を 図 1 FGF23 の構造 FGF23 遺伝子は,251 個のアミノ酸からなる蛋白をコードしている. このうち N 端 24 個のアミノ酸は, シグナルペプチドである. 一部の FGF23 蛋白は,furin などにより 179 Arg(R) と 180 Ser(S) の間でプロセッシングを受け, 不活性なペプチドに分解される.FGF23 はこのプロセッシング部位の N 端側に,FGF 相同領域を有している. - 111 -

Lab.Clin.Pract. (2008) 図 2 血中濃度の調節機構血中リン濃度は, 腸管リン吸収, 腎尿細管リン再吸収, および骨や細胞内のリンとの動的平衡により, 調節されている. このうち腎尿細管でのリン吸収は, 大部分が近位尿細管で行われる. 腎尿細管でのリン再吸収が, 慢性的なリン濃度の調節に最も重要である. 数字は, 健常成人の 1 日あたりの代表的な値を示す. 有するのに対し, プロセッシングを受けた後の N 端, および C 端フラグメントは不活性であることが報告されている 5). ちなみにヒトでは 22 種類の FGF ファミリーメンバーが存在し, これらはいくつかのサブファミリーに細分されている. FGF23 は,FGF19 や FGF21 と共に,FGF19 サブファミリーに属する因子である. 血中リン濃度は, 腸管からのリン吸収, 腎尿細管でのリン再吸収, および骨や細胞内のリンとの動的平衡により調節されている ( 図 2). このうち腎尿細管でのリン再吸収が, 慢性的なリン濃度の調節に最も重要と考えられている. 糸球体で濾過されたリンは, 大部分が近位尿細管で再吸収される. したがって近位尿細管でのリン再吸収を担う分子の発現量や活性が, 血中リン濃度調節に非常に重要な役割を果たすことになる. この近位尿細管での生理的リン再吸収を担う分子が,2a 型, および 2c 型ナトリウム-リン共輸送体である. リコンビナント FGF23 を用いた検討により, FGF23 は2a 型, および 2c 型ナトリウム-リン共輸送体の腎尿細管刷子縁膜での発現を低下させることにより, リン再吸収を抑制することが明らかにされた 6). 同時に FGF23 は,1,25- 水酸化ビタミン D[1,25(OH)2D] 産生酵素である 25- 水酸化ビタミン D[25(OH)D]-1α- 水酸化酵素発現を低下させると共に,1,25(OH)2D をより活性の低い代謝物へと変換する 25(OH)D-24- 水酸化酵素発現を促進することにより, 血中 1,25(OH)2D 濃度を低下させる 6).1,25(OH)2D は, 腸管リン再吸収を促 図 3 FGF23 の作用 FGF23 は, 腎近位尿細管リン再吸収を担う 2a 型, および 2c 型ナトリウム - リン共輸送体 (NaPi-2a, 2c) 発現を低下させることにより, リン再吸収を抑制する. 同時に FGF23 は,1,25- 水酸化ビタミン D[1,25(OH)2D] 産生を抑制することなどにより, 血中 1,25(OH)2D 濃度を低下させ, 腸管リン吸収を抑制する. 進するホルモンである. したがって FGF23 は, 腎尿細管リン再吸収と, 血中 1,25(OH)2D 濃度の低下を介した腸管リン吸収の抑制により, 血中リン濃度を低下させることになる ( 図 3). 2.FGF23 の作用機序 FGF23 は, 骨, 特に骨細胞 (osteocyte) により産生されるものと考えられている 7). 骨細胞は, 骨芽細胞が最終的に分化し, 石灰化した骨中に埋没した細胞である. これまで骨細胞の機能としては, 力学負荷の感知や骨リモデリングの調節など, いくつかのものが想定されてきた.FGF23 の同定により, 骨細胞は, 液性因子の分泌を介してミネラル代謝を調節するという機能も有しているこ - 112 -

骨が産生するホルモン線維芽細胞増殖因子 23 とが明らかとなった. 一方 FGF23 は, 腎臓に作用する因子である. したがって FGF23 は, 骨細胞により産生され, 血液を介して腎臓に作用する全身性因子と考えられた. このことは, 腎臓には FGF23 に特異的な受容体が存在することを示唆している. 従来 FGF ファミリーメンバーは,4 種類の FGF 受容体遺伝子から選択的スプライシングなどによって産生される各種の FGF 受容体 (FGF receptor: FGFR) に作用することにより, その作用を発揮するものと考えられてきた. 一方 FGF23 の既知の FGFR に対する親和性は, 低い. そこで腎臓で FGF23 に結合する蛋白の解析などにより,FGF23 は,FGFR1c と呼ばれる FGFR の一種と Klotho との複合体に作用することが明らかにされた 8).Klotho 蛋白は, トランスジェニックマウス Klotho において, 著明に発現の低下している蛋白である 9).Klotho マウスは, 寿命の短縮や成長障害, 性腺機能不全, 異所性石灰化などの特徴を示し, 加齢モデルマウスと考えられていた. 一方 Klotho マウスは, 既に高リン血症, 高 1,25 (OH)2D 血症を示すことも報告されていた. FGF23 の同定後 FGF23 ノックアウトマウスが作成され,Klotho マウスと同様に, 高リン血症, 高 1,25(OH)2D 血症を示すことが明らかにされた 10). また Klotho マウスの血中 FGF23 濃度は, 著明な 高値を示すことも明らかとなった 8). このことは, Klotho マウスでは FGF23 の作用が障害されていること, したがってKlotho が FGF23 の受容機構の一端を担っていることを支持している. FGF19 サブファミリーに属する FGF19 は, 腸管によって産生され, 肝臓に作用し胆汁酸合成抑制などの作用を発揮する. また FGF21 は, 主に肝臓により産生され, 脂肪細胞などに作用する因子であることが示されている. この FGF19 と FGF21 の作用には,Klotho 類似蛋白である β Klotho が必要であることが報告されている 11). したがってこれら FGF19 サブファミリーメンバーは, 産生細胞とは離れた組織に,Klotho や β Klotho を含む特有の受容体を介して作用することから,endocrine FGF, あるいは hormone-like FGF と呼ばれている. 3.FGF23 と疾患 ( 表 1) FGF23 の同定後, いくつかのリン代謝異常症が,FGF23 の作用異常により惹起されることが明らかにされた. 骨は, 骨芽細胞が産生する I 型コラーゲンを主とする骨基質蛋白に, ハイドロキシアパタイト結晶が沈着することにより産生される. この石灰化した部分が石灰骨であり, 石灰化していない部分を類骨と呼んでいる. くる病 / 骨軟化症は, 骨石灰化障害により石灰化骨が減少し, 表 1 FGF23 作用異常による疾患 疾患名原因遺伝子発症機序 FGF23 作用過剰 X 染色体優性低リン血症性くる病 / 骨軟化症 PHEX 骨での FGF23 過剰産生 常染色体優性低リン血症性くる病 / 骨軟化症 FGF23 骨での FGF23 過剰産生 常染色体劣性低リン血症性くる病 / 骨軟化症 DMP1 骨での FGF23 過剰産生 腫瘍性くる病 / 骨軟化症 原因腫瘍での FGF23 過剰産生 McCune-Albright 症候群 / 線維性骨異形性に伴う低リン血症性疾患 GNAS1 骨での FGF23 過剰産生 FGF23 作用障害家族性高リン血症性腫瘍状石灰沈着症 GALNT3 FGF23 蛋白プロセッシングの亢進 FGF23 FGF23 蛋白プロセッシングの亢進 Klotho FGF23 不応症 PHEX: phosphate-regulating gene with homologies to endopeptidases on the X chromosome DMP1: dentin matrix protein 1 GNAS1: guanine nucleotide binding protein alpha stimulating activity polypeptide 1 GALNT3: UDP-N-acetyl-alpha-D-galactosamine: polypeptide N-acetylgalactosaminyltransferase 3-113 -

Lab.Clin.Pract. (2008) 類骨が増加する疾患である. くる病 / 骨軟化症の原因は多岐に渡るが, 非常に類似した病態を示すいくつかの低リン血症性くる病 / 骨軟化症が存在することが知られていた. すなわち,3 種類の遺伝性疾患,X 染色体優性低リン血症性くる病 / 骨軟化症 (X-linked hypophosphatemic rickets/osteomalacia: XLH), 常染色体優性低リン血症性くる病 / 骨軟化症 (autosomal dominant hypophosphatemic rickets/osteomalacia: ADHR), 常染色体劣性低リン血症性くる病 / 骨軟化症 (autosomal recessive hypophosphatemic rickets/osteomalacia: ARHR), 腫瘍随伴症候群の一つである腫瘍性くる病 / 骨軟化症 (tumor-induced rickets/osteomalacia: TIO), および McCune-Albright 症候群や線維性骨異形成症 (fibrous dysplasia) に伴う低リン血症性疾患は, いずれも腎近位尿細管リン再吸収障害を特徴とする疾患である. 通常低リン血症は,1,25(OH)2D 産生を促進し, 血中 1,25(OH)2D 濃度を上昇させる. しかしこれらの疾患患者では, 低リン血症が存在するにも拘らず, 血中 1,25(OH)2D 濃度は低値 ~ 正常低値に留まり, リン再吸収と共にビタミン D 代謝にも異常が存在するものと考えられてきた. 大部分のこれらの患者血中の FGF23 濃度は高値を示すこと,XLH や ARHR モデル動物の骨細胞において FGF23 の過剰産生が認められることなどから 12)~18), これらの疾患は骨や原因腫瘍における FGF23 産生過剰により惹起されるものと考えられるに至った. ただし, これらの疾患において FGF23 が過剰産生される機序は, 現状では不明である. これらの疾患とは逆に, 腎尿細管リン再吸収の亢進を伴う高リン血症と, 高 1,25(OH)2D 血症を特徴とする疾患が, 家族性高リン血症性腫瘍状石灰沈着症 (familial hyperphosphatemic tumoral calcinosis: FHTC) である. この FHTC の病態は, FGF23 ノックアウトマウスや Klotho マウスと類似している.FHTC の原因遺伝子としては, FGF23,GALNT3, および Klotho の 3 種類の遺伝子が同定されている 19)~21). このうち FGF23, および GALNT3 遺伝子異常では,FGF23 蛋白のプ ロセッシングが亢進し, 活性を有する全長 FGF23 が減少するため, また Klotho 遺伝子異常では FGF23 への抵抗性のため,FGF23 作用障害が惹起されるものと考えられている. 4.FGF23 測定の意義 - 低リン血症 - 我々は,FGF23 蛋白プロセッシング部位の N 端側と C 端側に対するモノクローナル抗体を用い, 全長 FGF23 のみを測定する系を構築した 13). 一方 FGF23 蛋白プロセッシング部位の C 端側に対する 2 種類のポリクローナル抗体を用いた,C 端アッセイも報告されている 14). この C 端アッセイでは, 全長 FGF23 に加え, プロセッシングを受けた後の C 端フラグメントも測定されるものと考えられる. 上述のように, 血中 FGF23 濃度はいくつかの低リン血症性疾患で上昇していることが報告されている. 実際,XLH および TIO 患者と, ビタミン D 欠乏や Fanconi 症候群などの, 他の低リン血症性疾患患者の FGF23 濃度を全長アッセイにより比較した成績では,FGF23 濃度の測定は過剰な FGF23 活性により惹起される疾患と, 他の原因による低リン血症の鑑別に有用であることが示されている 22). このうち特に TIO は, 主に中胚葉系の腫瘍により惹起される疾患で, 罹患患者の QOL を非常に障害する疾患である. 重度の筋力低下や骨痛のため, しばしば TIO 患者は完全に寝たきりとなってしまう. 血中 FGF23 濃度は,TIO 惹起腫瘍の切除後, 半減期約 20 分で速やかに低下する 23). したがって FGF23 濃度の測定は,TIO 惹起腫瘍が完全に切除できたかどうかの確認にも有用である. さらに TIO 惹起腫瘍は, しばしば骨中に存在し, 局在が困難な場合が少なくない. 静脈サンプリングにより体内各部位の FGF23 濃度を測定することが,TIO 惹起腫瘍の局在確定にも有用であることが示唆されている 23). 5.FGF23 測定の意義 - 高リン血症 - FGF23 や GALNT3 遺伝子変異による FHTC 患者では,FGF23 蛋白プロセッシングの亢進により, - 114 -

骨が産生するホルモン線維芽細胞増殖因子 23 全長 FGF23 は低値を示す. 一方これらの患者では,C 端アッセイによる FGF23 濃度は, 著明な高値を示す 19)24). これらの結果は, 本症患者では, 高リン血症などにより FGF23 産生が代償的に亢進していること, したがって FGF23 産生は厳密に調節されていることを示唆している. 一方 Klotho 遺伝子変異による FHTC 患者では, 全長アッセイでも C 端アッセイでも,FGF23 は高値である 21). 高リン血症を特徴とする慢性腎臓病患者でも, FGF23 濃度は高値である. この FGF23 濃度の高値は, 難治性の二次性副甲状腺機能亢進症の発症や慢性腎臓病の進行の指標となる可能性が指摘されていた 25). さらに最近, 血液透析患者において, FGF23 の値が透析開始後 1 年以内の生命予後と相関するという成績が報告された 26). 従来血清リン濃度の上昇は, 透析患者の生命予後と関連すると報告されてきた. 本論文では, 血中 FGF23 濃度の上昇は, リン濃度とは別個に, 透析患者の予後因子として報告されている. したがって今後 FGF23 の測定は, 慢性腎臓病患者の管理にも使用される可能性が考えられる. ただしこの FGF23 の上昇が, どのような機序により予後に影響するのかは不明である. 6. サマリーと結論 FGF23 は, 骨により産生され, 特異的受容体を介して腎臓で作用する. また FGF23 の産生は調節を受けており,FGF23 作用の過不足により低リン, および高リン血症性疾患が惹起される. これらの成績は,FGF23 がホルモンとして機能していること, 骨はホルモン産生臓器でもあることを示している.FGF23 の測定は, 現状では保険適用となっていない. しかし FGF23 濃度の評価は, リン代謝異常症の鑑別や経過観察, さらには慢性腎臓病患者の管理にも有用である可能性が示されている. 今後 FGF23 測定の臨床的意義が確立され,FGF23 測定が臨床的に使用可能となることが期待される. 文献 1) Yamashita T, Yoshioka M, Itoh N. Identification of a novel fibroblast growth factor, FGF-23, preferentially expressed in the ventrolateral thalamic nucleus of the brain. Biochem Biophys Res Commun 2000; 277: 494-8. 2) ADHR Consortium. Autosomal dominant hypophosphataemic rickets is associated with mutations in FGF23. Nat Genet 2000; 26: 345-8. 3) Shimada T, Mizutani S, Muto T, et al. Cloning and characterization of FGF23 as a causative factor of tumor-induced osteomalacia. Proc Natl Acad Sci U S A 2001; 98: 6500-5. 4) Benet-Pages A, Lorenz-Depiereux B, Zischka H, et al. FGF23 is processed by proprotein convertases but not by PHEX. Bone 2004; 35: 455-62. 5) Shimada T, Muto T, Urakawa I, et al. Mutant FGF- 23 responsible for autosomal dominant hypophosphatemic rickets is resistant to proteolytic cleavage and causes hypophosphatemia in vivo. Endocrinology 2002; 143: 3179-82. 6) Shimada T, Hasegawa H, Yamazaki Y, et al. FGF-23 is a potent regulator of vitamin D metabolism and phosphate homeostasis. J Bone Miner Res 2004; 19: 429-35. 7) Liu SG, Tang W, Zhou JP, et al. Distinct roles for intrinsic osteocyte abnormalities and systemic factors in regulation of FGF23 and bone mineralization in Hyp mice. Am J Physiol Endocrinol Metab 2007; 293: E1636-44. 8) Urakawa I, Yamazaki Y, Shimada T, et al. Klotho converts canonical FGF receptor into a specific receptor for FGF23. Nature 2006; 444: 770-4. 9) Kuro-o M, Matsumura Y, Aizawa H, et al. Mutation of the mouse klotho gene leads to a syndrome resembling ageing. Nature 1997; 390: 45-51. 10) Shimada T, Kakitani M, Yamazaki Y, et al. Targeted ablation of Fgf23 demonstrates an essential physiological role of FGF23 in phosphate and vitamin D metabolism. J Clin Invest 2004; 113: 561-8. 11) Moore DD. Sister act. Science 2007; 316: 1436-8. 12) Ito N, Fukumoto S, Takeuchi Y, et al. Comparison of two assays for fibroblast growth factor(fgf)-23. J Bone Miner Metab 2005; 23: 435-40. 13) Yamazaki Y, Okazaki R, Shibata M, et al. Increased - 115 -

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