本時の展開

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○数学科 2年 連立方程式

25math3

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Microsoft Word - 全国調査分析(H30算数)

数学科学習指導案 1 次方程式 ( 中学校第 1 学年 ) 神奈川県立総合教育センター < 中学校 高等学校 > 数学 理科授業づくりガイドブック 平成 22 年 3 月 問題つくりを題材として取り上げ 身近な生活の中にある数量関係を見いだし それを基に文章題を作らせる指導によって 自ら具体的な事象

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Microsoft Word - 201hyouka-tangen-1.doc

(2) 計画学習課題 学習内容 時間 連立方程式とその解 二元一次方程式とその解の意味 2 連立方程式とその解の意味 ( 本時 1/2) 連立方程式の解き方 文字の消去の意味 加減法による連立方程式の解き方 5 代入法による連立方程式の解き方 連立方程式の利用 問題を解決するために 2つの文字を使っ

問 題

数学○ 学習指導案

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英語                                    英-1

能を習得したり活用したりすることの必要性について確認する グラフをかく力やグラフを読み取る力を身に付けさせるとともに, 一次関数を学ぶことに対する意欲を高めたい 小単元全体を通して主体的に学ぶ意欲を高め, 自分の考えを説明したいという気持ちにさせた上で, 目的や方法等を明確にした意図のあるペアやグル

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国語科学習指導案様式(案)

(2) -2,4,1 3 y=-x-2 をかいた ( 人 ) 4 (1) y=2x-9,y=2x,y=3x+3 (2) y=x+11 (3) 指導観校内の研究テーマが 考える力を引き出す授業のあり方 ということで, 数学科では考える力とは何かを分析し,11 項目に整理した 1 帰納的に考える力 2

4 単元構想図 ( 全 14 時間 ) 生徒の意識の流れ 表を使って解く 縦 (m) 0 8 横 (m) x= 右辺の形に式を変形して 二次方程式を解こう1 ax = b (x + m) = nは平方根の考えで解くことができる x= 右辺の形に式を変形して 二次方程式を解こう2 x +

第 2 学年 理科学習指導案 平成 29 年 1 月 1 7 日 ( 火 ) 場所理科室 1 単元名電流とその利用 イ電流と磁界 ( イ ) 磁界中の電流が受ける力 2 単元について ( 1 ) 生徒観略 ( 2 ) 単元観生徒は 小学校第 3 学年で 磁石の性質 第 4 学年で 電気の働き 第 5

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第 4 学年算数科指導案 平成 28 年 11 月 2 日 ( 水 ) 第 5 校時場所 4 年 2 組男子 22 名女子 10 名指導者垣見遥 ともなって変わる量 思考力 判断力 表現力の育成 ~ 児童の考えを引きだす算数的活動の工夫 ~ 1 単元名 ともなって変わる量 2 単元の目標 ともなって

Taro-小学校第5学年国語科「ゆる

(3) 指導観本時は 連立方程式の文章題を扱う最初の時間である 方程式の文章題は 個数と代金に関する問題 速さ 時間 道のりに関する問題 割合に関する問題 を扱う これらを解くときには図や表 線分図などを書くことが有効であることを生徒達は昨年度一次方程式の時にも経験している 一元一次方程式を利用する

平成23年度東京都教育研究員  地区発表公開授業

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(Microsoft Word - 201\214\366\212J\216\366\213\3061\224N\211\271.docx)

Microsoft Word - 社会科

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平成23年度全国学力・学習状況調査問題を活用した結果の分析   資料

H30全国HP

知識・技能を活用して、考えさせる授業モデルの研究

Microsoft Word - 数学指導案(郡市教科部会)

平成 29 年度全国学力 学習状況調査の結果の概要 ( 和歌山県海草地方 ) 1 調査の概要 (1) 調査日平成 29 年 4 月 18 日 ( 火 ) (2) 調査の目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し

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PowerPoint プレゼンテーション

Taro-@いわてスタンダード中数20

平成 22 年度全国学力 学習状況調査結果の概要と分析及び改善計画 調査実施期日 平成 22 年 4 月 20 日 ( 火 )AM8:50~11:50 平成 22 年 9 月 14 日 ( 火 ) 研究主任山口嘉子 調査実施学級数等 三次市立十日市小学校第 6 学年い ろ は に組 (105 名 )

関数を活用することで現実世界の課題を解決できるということを通して, 生徒に関数の有用性を実感させたい そのために, 陸上競技トラックの問題 を用いて, 現実世界の課題から関数関係を見いだし, 表 式 グラフなどを用いて数学的に処理し, 現実世界の課題を解決する ことで, 関数を用いた問題解決の理解を

中学校第 3 学年数学科学習指導案 日 時 平成 25 年 月 日 ( ) 第 校時 対 象 第 3 学年 学校名 立 中学校 1 単元名 式の計算第 1 章式の計算 2 単元の目標文字を用いた簡単な多項式について 式の展開や因数分解ができるようにするとともに 目的に応じて式を変形したりその意味を読

平成 29 年度全国学力 学習状況調査の結果の概要 ( 和歌山県和歌山市 ) 1 調査の概要 (1) 調査日平成 29 年 4 月 18 日 ( 火 ) (2) 調査の目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し

Microsoft Word - ④「図形の拡大と縮小」指導案

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けて考察し, 自分の考えを表現している 3 電磁石の極の変化と電流の向きとを関係付けて考え, 自分の考えを表現している 指導計画 ( 全 10 時間 ) 第 1 次 電磁石のはたらき (2 時間 ) 知 1, 思 1 第 2 次 電磁石の強さが変わる条件 (4 時間 ) 思 2, 技 1, 知 2

算数科学習指導案 指導者伊達詩恵 1 日時平成 24 年 5 月 21 日 ( 月 ) 5 校時 2 学年第 6 学年 1 組 22 名 3 場所 6 年 1 組教室 4 単元名文字と式 5 単元について 単元観 本単元は, 数量の関係を表す式についての理解を深め, 式に表したり, 式を読み取ったり

るかどうか, そして, その予想した事柄を ~は, になる という形で表現できるかどうかをみるものである 正答率は, 48.1% であり, 発展的に考え, 予想した事柄を ~は, になる という形で表現することに課題がある (3) 学習指導に当たって 事柄を予想することを大切にする数や図形について成

第 ○ 学 年 ○ ○ 科 学 習 指 導 案

2 児童観復習プリントから 乗法の交換法則 4 7=7 乗法の結合法則 = 加減混合の式や乗除混合の式の計算はできていると考えられる しかし 分配法則 6 10=6 9+ や 7 8=7 9 はできない児童が数名いて 定着していないことが分かる また 計算の仕方は理解してい

第 6 学年算数科学習指導案 日時平成 25 年 月 日 ( ) 校時対象第 6 学年 組 名学校名 立 小学校授業者 1 単元名 速さ ( 学校図書 6 年上 ) 2 単元の目標速さについて理解し 求めることができるようにする 3 単元の評価規準 単元の評価規準 ア算数への関心 意欲 態度 速さを

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学習指導要領

(Microsoft Word - \207U\202P.doc)

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平成21年度全国学力・学習状況調査の結果分析(非公表資料)

(6) 調査結果の取扱いに関する配慮事項調査結果については 調査の目的を達成するため 自らの教育及び教育施策の改善 各児童生徒の全般的な学習状況の改善等につなげることが重要であることに留意し 適切に取り扱うものとする 調査結果の公表に関しては 教育委員会や学校が 保護者や地域住民に対して説明責任を果

平成 28 年度埼玉県学力 学習状況調査各学年の結果概要について 1 小学校 4 年生の結果概要 ( 平均正答率 ) 1 教科区分による結果 (%) 調査科目 羽生市 埼玉県 国語 算数 分類 区分別による結果 < 国語 > (%) 分類 区分 羽生市 埼

の 問を提示して定着度を確認していく 1 分けて計算するやり方 70 = =216 2 =6 2 筆算で計算する方法 題材の指導計画 ( 全 10 時間扱い ) ⑴ ⑵ ⑶ 何十 何百 1 位数の計算 1 時間 2 位数 1 位数

Microsoft Word - 町田・全 H30学力スタ 別紙1 1年 数学Ⅰ.doc

平成 21 年度全国学力 学習状況調査結果の概要と分析及び改善計画 調査実施期日 平成 21 年 10 月 2 日 ( 金 ) 教務部 平成 21 年 4 月 21 日 ( 火 )AM8:50~11:50 調査実施学級数等 三次市立十日市小学校第 6 学年い ろ は に組 (95 名 ) 教科に関す

Microsoft PowerPoint - syogaku [互換モード]

H

ホームページ掲載資料 平成 30 年度 全国学力 学習状況調査結果 ( 上尾市立小 中学校概要 ) 平成 30 年 4 月 17 日実施 上尾市教育委員会

Taro-H29結果概要(5月25日最終)

調査の概要 1 目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し その改善を図るとともに 学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等に役立てる さらに そのような取組を通じて 教育に関する継続的な検証改善サイ

平成 28 年度全国学力 学習状況調査の結果伊達市教育委員会〇平成 28 年 4 月 19 日 ( 火 ) に実施した平成 28 年度全国学力 学習状況調査の北海道における参加状況は 下記のとおりである 北海道 伊達市 ( 星の丘小 中学校を除く ) 学校数 児童生徒数 学校数 児童生徒数 小学校

1. 研究主題 学び方を身につけ, 見通しをもって意欲的に学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における算数科授業づくりを通して ~ 2. 主題設定の理由 本校では, 平成 22 年度から平成 24 年度までの3 年間, 生き生きと学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における授業づくり通して~ を研究主題に意欲的

目 次 1 学力調査の概要 1 2 内容別調査結果の概要 (1) 内容別正答率 2 (2) 分類 区分別正答率 小学校国語 A( 知識 ) 国語 B( 活用 ) 3 小学校算数 A( 知識 ) 算数 B( 活用 ) 5 中学校国語 A( 知識 ) 国語 B( 活用 ) 7 中学校数学 A( 知識 )

2 図形の定義や性質を見いだすための算数的活動を取り入れる 2 枚の長方形, 長方形と三角形,2 枚の三角形を重ねて四角形を作る活動を取り入れ, 向かい合う辺の平行関係に着目させたり, 長さに着目させたりしながら, 四角形を定義できるようにする コンパスや分度器, ものさし等を使って, 四角形の構成

学習指導要領

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調査の概要 1 目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し その改善を図るとともに そのような取組を通じて 教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立する また 学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の

Microsoft Word - 9年镣竉挹稉弑ㆮ勩çfl¨æ„⁄尔桋+曕沢帇竉咂鎽ä¸�å�¦æ€¡çŽ½æ¿±å‘²æœŠï¼›.docx

第4学年算数科学習指導案

Microsoft PowerPoint - 中学校学習評価.pptx

平成 30 年 1 月平成 29 年度全国学力 学習状況調査の結果と改善の方向 青森市立大野小学校 1 調査実施日平成 29 年 4 月 18 日 ( 火 ) 2 実施児童数第 6 学年 92 人 3 平均正答率 (%) 調 査 教 科 本 校 本 県 全 国 全国との差 国語 A( 主として知識

2 生活習慣や学習環境等に関する質問紙調査 児童生徒に対する調査 学校意欲 学習方法 学習環境 生活の諸側面等に関する調査 学校に対する調査 指導方法に関する取組や人的 物的な教育条件の整備の状況等に関する調査 2

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5 単元の評価規準と学習活動における具体の評価規準 単元の評価規準 学習活動における具体の評価規準 ア関心 意欲 態度イ読む能力ウ知識 理解 本文の読解を通じて 科学 について改めて問い直し 新たな視点で考えようとすることができる 学習指導要領 国語総合 3- (6)- ウ -( オ ) 1 科学

第 4 学年算数科学習指導案 平成 23 年 10 月 17 日 ( 月 ) 授業者川口雄 1 単元名 面積 2 児童の実態中条小学校の4 年生 (36 名 ) では算数において習熟度別学習を行っている 今回授業を行うのは算数が得意な どんどんコース の26 名である 課題に対して意欲的に取り組むこ

★数学学習指導案最終(知的障害)

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4 単元の評価規準 コミュニケーションへの関心 意欲 態度 外国語表現の能力 外国語理解の能力 言語や文化についての知識 理解 与えられた話題に対し 聞いたり読んだりした 1 比較構文の用法を理解 て, ペアで協力して積極 こと, 学んだことや経 している 的に自分の意見や考えを 験したことに基づき

第○学年 ○○科指導計画

Ⅰ 指導と評価の年間計画 及び 評価規準と単元計画 の作成の手引き 1 指導と評価の年間計画 についてこれは 次の 2 の 評価規準と単元計画 の全単元について その概要を記述したものである 生徒の学習活動に対するより適正な評価 及び生徒の学習の改善に生かされる評価 ( 指導と評価の一体化 ) の実

学習指導要領の領域等の平均正答率をみると 各教科のすべての領域でほぼ同じ値か わずかに低い値を示しています 国語では A 問題のすべての領域で 全国の平均正答率をわずかながら低い値を示しています このことから 基礎知識をしっかりと定着させるための日常的な学習活動が必要です 家庭学習が形式的になってい

Microsoft Word - 第3学年国語科学習指導案 .docx

第 5 学年 社会科学習指導案 1 単元名自動車をつくる工業 2 目標 我が国の自動車工業の様子に関心を持って意欲的に調べ, 働く人々の工夫や努力によって国民生活を支える我が国の工業生産の役割や発展について考えようとしている ( 社会的事象への関心 意欲 態度 ) 我が国の自動車工業について調べた事

4 本単元と情報リテラシーの関わり 課題設定担任による 説明会におけるデモンストレーションを見ることを通して 本単元を貫く言語活動としての これぞ和の文化! おすすめの 和の文化 を調べて説明会を開こう を知り 見通しを持たせ学校司書による関連図書紹介を通して 和の文化への関心を高め 進んで調べよう

p.1~2◇◇Ⅰ調査の概要、Ⅱ公表について、Ⅲ_1教科に対する調査の結果_0821_2改訂

学習指導要領

○学部 ○○科 学習指導案

英語科学習指導案 京都教育大学附属桃山中学校 指導者 : 津田優子 1. 指導日時平成 30 年 2 月 2 日 ( 金 ) 公開授業 Ⅱ(10:45~11:35) 2. 指導学級 ( 場所 ) 第 2 学年 3 組 ( 男子 20 名女子 17 名計 37 名 ) 3. 場所京都教育大学附属桃山中

学力スタンダード(様式1)

第 2 学年 * 組保健体育科 ( 保健分野 ) 学習指導案 1 単元名生涯の各段階における健康 ( イ ) 結婚生活と健康 指導者間中大介 2 単元の目標 生涯の各段階における健康について, 課題の解決に向けての話し合いや模擬授業, ディベート形式のディスカッションなどの学習活動に意欲的に取り組む

3 題材の目標 (1) (2) 4 題材の評価規準 ( 指導要録の四つの観点 ( 生活や技術への関心 意欲 態度 ) から題材の学習を通して目指す生徒の姿を示します ) 文章の語尾は 評価規準の作成, 評価方法の工夫改善のための参考資料 ( 中学校技術 家庭 ) 平成 23 年 11 月 ( 国立教

理科学習指導案指導者海田町立海田西中学校教諭柚中朗 1 日時平成 30 年 1 月 24 日 ( 水 ) 2 学年第 2 学年 1 組 ( 男子 14 名女子 18 名計 32 名 ) 3 単元名天気とその変化 ~ 大気の動きと日本の天気 ~ 4 単元について (1) 単元観本単元は, 学習指導要領

算数科学習指導案 1 日時平成 24 年 10 月 25 日 ( 木 ) 5 校時 2 学年第 6 学年 8 名 3 単元名比例と反比例 ( 啓林館 ) 4 単元について 本単元は 三原市立和木小学校 指導者荒木美花 本単元のねらいは, 伴って変わる 2 つの数量の中から比例関係や反比例関係にあるも

平成 29 年度 全国学力 学習状況調査結果と対策 1 全国学力調査の結果 ( 校種 検査項目ごとの平均正答率の比較から ) (1) 小学校の結果 会津若松市 国語 A は 全国平均を上回る 国語 B はやや上回る 算数は A B ともに全国平均を上回る 昨年度の国語 A はほぼ同じ 他科目はやや下

Transcription:

第 3 学年 4 組数学科学習指導案 平成 6 年 0 月 6 日 ( 月 ) 第 5 校時場所 3 年 4 組教室生徒数男子 8 名女子 5 名計 33 名指導者毛利岳志 単元名二次方程式 ( 二次方程式の活用 ) 単元について () 教材観小学校第 6 学年では, 数量を表す言葉や の代わりに, a や x などの文字を用いて式に表したり, 文字に数を当てはめて調べたりすることを学習している 中学校第 学年では, 文字を用いた式の学習の上に立って, 方程式の必要性と意味及びその解の意味を理解し, 等式の性質を基にして一元一次方程式の解き方を学習している 第 学年では, 二元一次方程式とその解の意味や二元一次方程式を連立させることの必要性と意味及び連立二元一次方程式の解の意味を理解し, 連立方程式の解き方を学習している 第 3 学年では, 二次方程式を解くことができ, それを具体的な問題解決の場面で活用できるようにし, 方程式をこれまでより多くの場面で問題の解決に活用できるようにする () 生徒観本校の3 学年においては クラス単位の一斉指導を行っている 生徒は明るく素直な生徒が多く 真面目に学習に取り組む態度が備わっている 平成 6 年度の全国学力 学習状況調査の生徒質問紙の結果からは 数学が好き 数学は大切だ と感じている生徒は全国平均を上回っており 全体的には数学を肯定的に捉えているが 数学ができるようになりたいか については低い数値を示しており 意欲面での課題が見られる 数学 A 数学 B の調査結果に目を移すと 埼玉県全体としては全国平均よりも下回っているのが現状である 本校生徒については 全体的には概ね満足できる結果が得られているが 基礎 基本の定着という点においては 個人の学力差が大きく 個に応じた手立ての必要性を感じる また B 問題の設問別では (3) 予想された事柄が成り立たない理由を説明すること 4() 証明を振り返って考え ことがらを用いること 6(3) グラフの特徴を事象に即して解釈し 結果を改善して問題を解決する方法を説明すること については 県や全国同様に低い正答率であり 数学的に考えたり ( 数学的な思考力 ) 理由を説明したり ( 数学的な表現力 ) することに課題がみられる さらに B 問題では 無解答率が高い設問も多く 問題に正対する姿勢や数学に対する学習意欲について 改善の必要性を感じる (3) 指導観 本単元では 知識や技能の習得はもとより 事象を数学の舞台にのせ 課題を解決する数学化 の過程の重要性に触れたり 経験したりすることにもねらいがあるので 二次方程式の形式的な 処理とともに数学用語や記号を十分に使いこなしながら論理的に考えていけるよう 継続した指 導が必要である また 発展問題や活用に関する問題に取り組む際に 問題に正対せずにすぐに あきらめてしまうなど 意欲面で課題のある生徒も多くいるので 授業の中で課題設定の工夫を したり 言語活動の充実を図ったりするなどして 生徒が意欲的に かつ主体的な態度で学習を 進められるよう留意したい 本時は 二次方程式の活用の3 時間目で 図形への応用である 正方形 のつの頂点から同じ速さで動く点がつくる面積について考察し 課題を 設定する 生徒は これまでの学習で動点に関する問題には取り組んでき ているものの 数は多くない 導入問題を把握する場面では 分かりやす く ( マグネットなどの活用 ) 提示し 問題に正対させたい 導入問題の解決 においては 面積を求める式表現と面積の値を表にまとめることで 課題

の解決時に考え方を振り返るきっかけ ( 手立て ) とし 思考や表現を振り返る価値を見いださせ たい また 方程式の活用場面では 解の吟味が欠かせない 解が本当にその問題の答えとして 適当であるか 論理的に説明させたい 課題 の解決後には 問題の条件変えを考えさせ 課題 を発展させ課題 を設定していく その際 問題の条件のすべての場合を確かめてみたい! 調べ て見たい! という数学のあるべき姿勢を大切にする 課題 を設定する場面では 面積を3cm のままにしておくことで 課題 の問題解決で不都合が生じる ( 解が得られない ) そこで 課題 の条件を振り返り 面積の数値に着目させる この課題 の解決に必要とされる数値を全員で検討していくが その際に課題 の設定場面を振り返り 具体的に数を代入し て適当な面積の数値を探ったり 表にまとめて考えたりする意見が出て欲しい 課題 の解決については 課題 の解決をもとに考えさせ より洗 練された表現で解決を図っていく 課題 の解決後に残された条件変えの発展課題については 自分で課題を設定し 解決 ( 解く ) するよう伝え 開いた形で授業を終わらせることで生徒の学習 意欲を喚起したい 3 特定課題研究との関連 () 研究テーマ 数学的な思考力 表現力を育成する学習指導の工夫 ~ 発展的な学習指導に焦点を当てて~ () 研究仮説とその手立て研究テーマである数学的な思考力 表現力を育成するために 以下のように仮説とその手立てを設定し 検証することとする 仮説 : 主体的に問題解決に取り組み 思考と表現がくり返し行われる学習指導ができれば 数学的な思考力 表現力が育成されるであろう 具体的な手立て 手立てア主体的な活動ができるように 考える必要感のある問題 ( 課題 ) を設定する 手立てイ表現された自他の見方や考え方を読んだり 説明したりする活動を取り入れ 生徒の思考と表現を促進させる 仮説 : 学習過程において 振り返り を効果的に行い 発展的な学習指導ができれば 数学的な思考力 表現力が育成されるであろう 具体的な手立て 手立てアつながりのある教材や発展性のある教材を提示し 発展的に考えさせる 手立てイノートや板書をもとに思考の 振り返り を効果的に行い 比較 検討場面を充実させる 手立てウ振り返る きっかけ が見える構造的な板書になるように工夫する 4 単元の指導計画 () 単元目標二次方程式について理解し, それを用いて考察することができるようにする 二次方程式の必要性と意味及びその解の意味を理解する 因数分解したり平方の形に変形したりして二次方程式を解く 3 解の公式を知り, それを用いて二次方程式を解く 4 二次方程式を具体的な場面で活用する () 指導と評価の計画本単元 二次方程式 を 内容のまとまりである6つの小単元と単元のまとめで構成し それぞれの授業時間数を次のように定めた

小単元等 授業時間数 二次方程式 時間 平方根の考えを使った解き方 3 時間 3 二次方程式の解の公式 3 時間 4 因数分解による解き方 時間 5 いろいろな二次方程式 時間 6 二次方程式の利用 3 時間 ( 本時 3/3) 6 時間 5 単元のまとめ 時間 小単元 6の指導のねらい 生徒の学習活動及び評価規準と評価方法は 次の表のとおりである 時 評価規準 評価の方法 間数学への関数学的な見方数学的な技能数量や図形なねらい学習活動心 意欲 態や考え方どについての 度 知識 理解 小単元 6 具体的な問題の解 二次方程式 具体的な事 問題の中の 具体的な問題 決に方程式がより を活用するこ 象の中の数量 数量やその関 を二次方程式 広く活用できるこ とに関心をも の関係を捉 係を文字を用 を活用して解 とを知ったり 数量 ち 問題の解 え 二次方程 いた式で表 決することが の関係を捉え二次 決に生かそう 式をつくるこ し それを基 できる 方程式をつくり解 としている とができる にしてつくっ いて 解の吟味をし 観察 ノー 観察 た二次方程式 たりする ト を解くことが できる 観 察 面積や体積の性質 求めた解や 二次方程式 について 二次方程 解決の方法 を活用して問 式や解の公式を用 が適切であ 題を解決する いて問題を解決す るかどうか 手順を理解し る を振り返っ ている 小テ て 論理的に スト 3 図形の問題につい 説明するこ 条件変えし て 条件変えをした とができる た問題を既習 問題を発展的に考 観察 の考え方を基 え 既習の考えをも にして解決す とにして解決する ることができ ( 本時 ) る 観察 表中 各評価規準の文頭に付けた記号の意味については 評価規準の作成 評価方法等の工夫改 善のための参考資料 中学校数学 ( 国立教育政策研究所 ) を参照されたい また 表中 各評 価規準の文末の には 次のような生徒の学習の状況を把握するために想定される評価方法を 示した 観察 生徒の発言やつぶやき 机間指導等を通じて捉えた生徒の学習への取組 ノートの 記述などに基づいて評価する ノート 生徒のノートやワークシート レポート等を授業後に回収し点検して評価する 3

5 本時の指導 () 本時のねらい 求めた解や解決の方法が適切であるかどうかを振り返って 論理的に説明することができる ( 数学的な見方や考え方 ) 条件変えした問題を既習の考え方 ( 課題 の考え方 ) を基にして解決することができる ( 数学的な技能 ) () 本時の展開 教科研究主題との関連 学習活動 生徒の反応 指導上の留意点 評価 指導の手立て 問題場面を提示する 問題を黒板に提示する 問題右の図のような正方形 ABCD で, 点 P は A を 出発して AB 上を B まで動きます また, 点 Q は, 点 P が A を出発するのと同時に D を出発し,P と同じ速さで DA 上を A まで 動きます 点 P が A からcm,cm,,6cm 動いた ときの APQ の面積を求めてみよう 問題を解決する AP がcm のとき,DQ もcm になるから, AQ は5cm になるはず 5 面積は (6 ) (.5) になる ( ),3, も同じように求めると, 次のように整理できる 点 P が動いた長さ 3 4 5 6 APQ の面積.5 4 4.5 4.5 0 生徒には ワークシートを配布する 問題の状況がうまくつかめない生徒には, コンピ ュータのシミュレーションなどを使って問題場面を把握させる 問題の解決においては,cm や cm の場合の図を 図示するなどして, 面積の変化を捉えさせる 面積を求める計算式は, 方程式を立てる手立てに なるので, 数のルーツが分かるように表現する 3 APQ の面積が3cm になるのは 点 P が A から何 cm 動いたときか考える cm とcm の間でなりそう (4cm と5cm でもなりそう ) 回なるかも 面積の表をつくることにより, 変化の様子を関数的な見方で考察することも大切にしたい 面積が3cm になるのは, 表から 回あることを押さえておき, 解の吟味に活用できるようにする 4 課題 を設定する 課題 APQ の面積が3cm になるのは 点 P が A から何 cm 動いたときか求めてみよう 5 課題を理解し, 解決の見通しをもつ AP の長さを x とおいて, 方程式をつくって解けば問題解決できそうだ AP の長さを x とすると DQ も x になるから, AQ は 6 x と表せるはず 面積を使って方程式がつくれそうだ 6 二次方程式をつくり, 課題を解決する AP= x とすると APQ の面積は3cm だから, x ( 6 x) 3 となる 解決の見通しをもたせられるように生徒と十分なやりとりをする ( ) の式をもとにして, 方程式を立てられないか考えさせる できるだけ, 解の公式と平方完成の考え方両方を取り上げる 4

これを解くと, x ( 6 x) 6 x x 6x 6 0 6x 6 0 解の公式 ( 平方完成 ) を使うと, x 3 3 近似値を用いて, 解の吟味をする 3.73とすれば 3 3 3.73 4. 73 3 3 3.73.7 になるから, 予想の通り 回ある 答え. ( 3 3) cm x の変域を意識させ, 近似値を利用して吟味させる その祭 表と予想を振り返りながら, 論理的に説明させる 二次方程式の解が題意に適するかどうか論理的に説明することができる < 見 考 >( ワークシート 発表 ) なぜ ( 3 3) を答えとしてよいのか問いかけ 近似 7 問題の条件を変え 課題を発展させる 値での計算による解の吟味を促す 点 P,Q の動く向きは変えずに, 出発点を変えるとしたらできるようにさせる, どんな場合が考えられますか 全部で5パターン 条件変えによる問題づくりによって生徒の関心を引き出し, 学習内容の定着を図る 考え得るすべての場合について, 検討し, 発表さ せる 課題 からの難易度を考慮して, 条件変えの図を 選択し 課題 を設定していく 8 点 P や点 Q のスタート場所を変えた課題 を設定する 課題 右の図のような正方形 ABCD で, 点 P は B を出発して BC 上を C まで動きます また, 点 Q は, 点 P が B を出発するのと同時に C を出発し,P と同じ速さで CD 上を D まで動きます APQ の面積が3cm になるのは, 点 P が B から何 cm 動いたときか求めよう 9 課題 を解決する 台形 ABCQ の面積で考えると, ( x 6) 6 x 6 (6 x) x 3 よって, x 6x 30 0 これを解くと, 課題 の解決においては, 台形 ABCQ の面積に着目させ, 課題 の考え方 ( 面積を 通りで表して方程式を立てる ) を活用させる なぜ解けないのか, 問題解決過程を振り返って検証し, APQ の面積の値に着目させる 5

の中が負になり解けない 0 APQ の面積の値を検討する 正方形の半分より小さそうだから 6 cm,cm 6cm の表をつくって面積を調べてみる 生徒とのやりとりから, 数値を設定し 課題を解決する ( 例 :6 の場合 ) ( x 6) 6 x 6 (6 x) x 6 よって x 6x 4 0 課題 の設定場面を振り返りつつ, APQ の面積の変化を捉えさせ, 問題設定として適切な数値を検討していく 既習の考え方をもとにして, 条件変えをした問題を解決することができる < 技 >( ワークシート 発表 ) 板書やノートの課題 の解決方法 ( プロセス ) を振り返らせながら 台形の面積に着目させる 解の公式 ( 平方完成 ) を使うと, x 3 5 5.3 とれば 3 5 3.3 5. 3 3 5 3.3 0.77 になるので, 答え.( 3 5) cm 二次方程式の解が題意に適するかどうか論理的に説明することができる < 見 考 >( ワークシート 発表 ) 課題 の解の吟味の方法を振り返らせる 他の条件変えについて, 各自で新たな問題を設定し, レポートにまとめる 他の4パターンについて考える 点 P,Q の動く向きを変えた場合について考える もとの正方形を変形した場合について考える など 3 まとめをする 面積に着目すれば( 視点をもつ ), 条件変えした問題も解決することができる 答えが問題の条件に合わないこともあるので, 解の吟味が大切である 条件を変えることによって, 問題の題意に合う答えが求められないこともあることから, 解の吟味の必要性や適切に仮定 ( 数値 ) を設定することの重要性を再確認する 4 授業を振り返り 学習感想を記入する 学習感想カードに記入する 板書内容を振り返りながら考え方 表現の方法などを確認し それらを基に学習感想カードに記入させる ワークシート 学習感想を集め 評価する 6

(3) 板書計画 二次方程式を活用して 図形 ( 動く点 ) の問題を解決しよう タイトルは最後につける 問題右の図のような正方形 ABCD で, 点 P は A を 出発して AB 上を B まで動きます また, 点 Q は, 点 P が A を出発するのと同時に D を出発し,P と同じ速さで DA 上を A まで 動きます 点 P が A から cm,cm,,6cm 動いた ときの APQ の面積を求めてみよう AP が cm のとき,DQ も cm になる AQ は 4cm 面積は (6 ) になる 点 P が動いた長さ 3 4 5 6 APQ の面積.5 4 4.5 4.5 0 面積が 3cm になる場合はあるか? 回ありそう! 課題 APQ の面積が 3cm になるのは 点 P が A から 何 cm 動いたときか求めてみよう AP の長さを x とおいて, 方程式をつくる AP= x とすると DQ= x,aq= 6 x と表せる 面積を使って方程式がつくれそうだ ( 解答 ) APQ の面積は 3cm だから, x ( 6 x) 3 x 6x 6 0 よって x 3 3 3.73 とれば 3 3 3.73 4. 73 3 3 3.73.7 答え ( 3 3 )cm 点 P,Q の動く向きを変えずに 出発点を変えるとしたらどんな場合が考えられるか? 課題 右の図のような正方形 ABCD で, 点 P は B を 出発して BC 上を C まで動きます また, 点 Q は, 点 P が B を出発するのと同時に C を出発し,P と同じ速さで CD 上を D まで 動きます 6 APQ の面積が 3cm になるのは, 点 P が B から何 cm 動いたときか求めよう 台形 ABCQ の面積をつかって考える ( x 6) 6 x 6 (6 x) x 6 よって x 6x 4 0 x 3 5 5.3 とすれば 3 5 3.3 5. 3 3 5 3.3 0.77 答え. ( 3 5) cm 面積に着目すれば, 二次方程式を活用して問題解決することができる 答えが問題の条件に合わないこともあるので, 解の吟味が大切である 7

< 実際の授業の板書 >( 第 時 ) ( 第 時 ) 8