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第 3 章土の締固め 3. 締固めた土の性質 既に存在している自然状態の土の対比としての 材料としての土 ダム 鉄道 道路盛土 宅地等の建設の為の材料としての土 について考える a) この場合 製造のプロセス ( 盛土材料の選択と締固め作業 ) が 製品 ( 盛土 ) の性能 ( 安定性と変形性 ) を決める b) なんやかや言うが 結局 良く締固まりやすい材料を用いて土を良く締固め 高い相対密度 ( あるいは乾燥密度 ) を実現するほど 良い盛土 を実現できる ある拘束圧での飽和土のせん断強度 τ 地震時 ) f 正のダイレイタンシ-による強度増加 非排水強度 排水強度 ( 常時 ) 負のダイレイタンシ-による正の過剰間隙水圧による強度低下相対密度 ( あるいは乾燥密度 ) 特に 地震時と豪雨時の安定性を向上するためには 排水設備の整備とともに 少しでも良く締め固めた方が良い [ 締め固めるとダイレイタンシー性が強くなる : 手品 ] c) 土の乾燥密度 ( より正確には締固め度 ) に言及しなれば 良い土 悪い土 と言う区別はできない * しかし 締固めにくい土 締固め易い土 の区別による 良い土 悪い土 と言う区別はある 例 ) 粒度分布が良く ( 均等係数 U c が大きく ) 粒径がある程度大きければ 透水係数も大きく排水しやすく またサクションが小さいため締固めやすく 良く締固めたならば高い乾燥密度が得られる これは 良い土である 例 2) 鉄道のバラスト 貧配合で大粒径 取り扱いやすい ( この点では良い材料 ) しかし 高い乾燥密度は得にくい 列車荷重で変形しやすい ( この点では悪い材料 ) 例 3) 高含水比粘性土 : 粘性土でも 仮に良く締め固められれば 良い土になる しかし 実際は a. 粒径が小さいために透水性が低い 締固めの時に間隙水を追い出しにくい b. 不飽和状態でのサクションが強いため 締固めにくい

c. 粒子が角張っていて扁平 密実になりにくい ) 同じ土でも 締固めエネルギーが大きいほど 良く締固められる 2 締固め時の撒き出し層厚 (lift) が薄いほど ( 例えば 20 cm 以下 ) 良く締め固められる 60 cm は厚すぎる エネルギ - 伝達量 : * 深くなると 急速に減少.0 の締固め nrgy で lift( 撒き出し層厚 ) 5 cm で締め固めた方が 2.0 の締固め nrgy で lift 30 cm で締固めるよりも 均等に良く締め固まる 3.0 の締固め nrgy で lift 45 cm で締固めるよりも はるかに均等に良く締め固まる 3 最も良く締固めができる含水比が存在する 上記, 2, 3 の管理は 何れも手間が掛かる ( 人件費が掛かる 建設費が掛かる ) しかし : 土工の工費は 締固め工に大きく左右される a) 最悪の盛土建設法 盛りこぼし工法 関東ロームの盛りこぼし 最悪 戦争中 直後の河川盛土 b) 締固め検査が 非常に大切 手を抜いたら (lift を大きく 締固め回数を少なくしたら ) 儲かる c) どうしても締固めざろう得ない工法を採用する場合がある * 鉄道関係での盛土締固め管理材 ( その発展形態としての 補強土盛土 ) 斜面近くは ) 締固め重機が載りにくい 重機が載ると斜面が壊れて危険 従って 締固め作業がしにくいため 締め固めがおろそかになりやすい 2) 拘束圧が低く強度が低い また 降雨の影響を受けて弱化しやすい 3) 従って 破壊しやすい 30 cm 鉛直間隔でネットを敷く ネットを敷くために平面を作らなければならないから 結局締固めをさぼれない 施工業者管理材と言うべき 2

3.. 締固め曲線と最適含水比 単位体積乾燥重量 G s + 最大単位体積乾燥重量 * ( ) max 同一の締固め nrgy に対する A( 飽和度の低下 ) 締固め曲線 個々のデ-タポイント 図 最適含水比 opt (optimum atr contnt) 含水比 * あるいは最大乾燥密度 (ρ ) max opt の存在の発見 (Proctor 米国) 何故 が最大になる含水比, opt, が存在するのか? 二つの相反するメカニズムが存在しているから (Pak が存在するときは 常に何か二つ以上の相反するメカニズムが存在している ) a) メカニズム: 図 の A の方向で考えて ( 含水比 小 ) ( 同一の で考えると 飽和度 S r 小 ) (suction 大 ) ( 締固め抵抗 大 ) つまり 図 で A の様に進もうとすると より多くの締固め nrgy が必要である 従って 一定の締固め nrgy ならば 曲線のようになる b) メカニズム2: がある程度以上になると 間隙水を追い出すことなく含水比が一定のままでは が大きくなれない [ 曲線 ] が [ 曲線の上限 ] にぶつかってしまう 締固め時に間隙水を追い出して含水比を下げることができれば 締固め乾燥密度は上昇する しかし 通常は ( 特に自然含水比が高い細粒分が多い土では ) これは難しい 単位体積乾燥重量 G + G Gs + S G s s + S r s r 下図から (s r ) G s 従って ( G s )/ s r 図 2 air G s atr s r G s soil particl 3

単位乾燥体積重量 G s + ( )( min ) 80% 最大単位体積乾燥重量 60% C S r 00 %( 空隙に空気がない ) ( ) 曲線の上限 : ゼロ空気間隙曲線 Gs + ( ) max 同一の締固め nrgy に対する B 締固め曲線 あり得ない領域 図 3 B A / 同一の飽和度に対する単位体積乾燥重量 最適含水比 opt 含水比 (optimum atr contnt) G s + S r ~ 含水比 関係 含水比 B では 更に高い締固めエネルギーを用いた締固めによって 更に空気を追い出すことができれば はまだBだけ大きくなる余地がある しかし 含水比 A では 更に高い締固めエネルギーを用いた締固めによって 仮に全ての空気を追い出すことができても 間隙水を追い出さない限り が大きくなる余地は無い 間隙水を追い出せば C のように締固められるが 間隙水を追い出すのは空気を追い出すよりも遙かに難しい 特に細粒土になるほど なお が 0 % に近づくと suction が作用しなくなるから 単位体積乾燥重量 は 大きくなり Gs ( min ) + min となる これは 砂質土では実現するが 粘性土では実現しない 細粒分が多いほど 同一の均等係数でも suction が大きくなり乾燥最大密度は小さくなる傾向にある 道路公団加瀬沢データ (2002 年 0 月 ) 最大乾燥密度 (g/cm 3 ) 2.2 2. 2.9.8.7 相関曲線.6.5 0 0 20 30 40 50 細粒分含有率 (%) 系列 多項式 ( 系列 ) 4

3..2 土の締固め試験 含水比 B では図 3のBの分に相当する残存間隙空気量は 締固め nrgy が大きいほど より追い出せる 含水比 A では 締固め nrgy を大きくしても間隙水を追い出さなければ が大きくなる余地はない 従って 締固め nrgy を大きくすれば 図 4の矢印 αのように ( ) max が大きくなり opt が小さくなる G s + S r α S r 00 % ( 空隙に空気がない ) ( ) 曲線の上限 ( ) max 同一の締固め nrgy に対する B 締固め曲線 図 4 B A 最適含水比 opt (optimum atr contnt) 含水比 異なる締固め装置 方法を用いれば 締固め曲線が異なる 室内試験では 標準締固め方法が定められている 教科書 53, 54 頁 ランマ-( 重量 W R 2.5 kgf) H 30 cm (N B 25 回 ) 体積 V,000 cm 3 N L 層数 3 * 標準締固め nrgy Ec (W R H N B N L )/V 56 cm kgf/ cm 3 * 実際の締固め試験での の求め方 t W/V と を測定する t 単位体積乾燥重量 + 5

現場での諸問題 a) 異なる締固め装置 方法を用いれば 締固め曲線が異なる 異なる締固め nrgy での締固め曲線が必要 b) 初期含水比の影響 単位体積乾燥重量 : Gs + S r 00 % ( 空隙に空気がない ) α ( ) 曲線の上限 ( ) max 同一の締固め nrgy に対する 締固め曲線 P 図 5 B A 最適含水比 opt 含水比 (optimum atr contnt) 湿った我が国では > opt のことが多い 従って 乾かさないと良く締め固まらない 例 ) 道路公団 : 関東ロームの締固め なかなか乾かない 生石灰などを混合することもある 雨の日は 締固め工事をしてはいけない 土を濡らしてはいけないし 良く締め固まらない 乾燥した地域 ( 外国に多い ) では < opt のことが多い 散水して締め固める必要がある 例 )Haaii 島 Mauna Ka での天文台基礎工事 海岸から 4000 m の高さの山頂まで 水を運搬 粒度特性の影響 i) 粒径が大きいほど suction が小さく また空気と間隙水が抜けやすい 締め固めやすい 図 4 5での矢印 αの方向に移ることが容易 ii) Uc が大きいほど min が小さい ( max が大きい ) 締め固めやすい 図 4 5での矢印 αの方向になる ( ) max が ( ) min Gs により近づく + iii) 細粒分がある程度多い場合の締固めの問題 : a) 細粒分が多くなり粘性土的になると塑性限界 P は上昇して 最適含水比 opt に近くなる b) 最適含水比 opt が塑性限界 P よりも 0 % 程度以上大きくないと 含水比が最適含水比 opt で締固め作業をすると 含水比が P よりも若干大きい状態なので練返し状態になり 締め固めにくくなる c) 細粒分は 出来るだけ少ない方が締固めやすい 現場でも盛土工事の管理 : 締固め度での締固め管理 6 min

締固め度 : 教科書に載っていないが 実務で用いている D ρ c ( 00%) ( 00%) ( ) ( ρ ) max max は 現場で測定した値 ( ) max は 室内締固め試験の結果 現場での礫混じり砂 最良分混じりの砂礫土等は ( ) min を 室内締固め試験で求めることは難し い 従って 相対密度は用いることは少ない 現場での締固め管理 : D c (gr of compaction) が 例えば 90 % 以上であるように規定する ) しかし Dc 90 % は 高い密度状態ではない 2) 同一の現場で同じ種類の盛土材料を用いることにした場合でも 実際に使用する盛土材料は時間と場所で変化してゆく 従って 現場のそれぞれの箇所で を測定した試料の粒度特性と ( ) max を求めた締固め試験で用いた所謂現場の代表的な試料は通常は一致しない 従って と ( ) max は同一の試料を用いて求めているわけではない したがって 仮に 同一の試料を用いて と ( ) max を求めた場合の本当の Dc が 95% 程度であっても 上記の現在の方法で測定された Dc は 90 % ~ 05% のようにばらつく 従って 測定された Dc の最小値が 90 % であること のような規定にせざろう得ない 3) 最近の規定 : 測定された Dc の最小値は 90% 以上で 平均値が 95% 以上 7

締固め演習 ) 盛土材料を任意に選べて締固め工法を任意に規定できるとして 出来るだけ良く締固まった盛土を建設する方法を示せ 締固め演習 2) 図 - に示す A は ある一定の締固めエネルギーによって得られたある土の締固め曲線である 締固め乾燥密度, ρ (g/cm 3 ) C A B 含水比, (%) 図 - 以下の問いに答えよ a) 点 C の縦座標と横座標の物理的意味を示せ b) 曲線 B の意味を示せ c) 曲線 A は 何故点 C の様にある含水比で締固め乾燥密度が極大値を示すのかを説明せよ ) 締固めエネルギーが増加すると点 C がどのように移動するのかを示せ 土の締固め演習 3) 下図に示す a から f の土質材料の内 ロックフィルダムの材料として最適なものを記号で答え その理由を説明せよ 重量通過百分率 00 f a b c 50 0 0.0 0. 0 粒径, D (mm) 8

締め固めた土の力学的性質 単位体積乾燥重量 Gs + 最大単位体積乾燥重量 ( ) max 同一の締固め nrgy に対する A 締固め曲線 個々のデ-タポイント 図 最適含水比 opt 含水比 湿潤化後のせん断強度 τ f log( 湿潤後の透水係数 k) k: opt よりやや大きな含水比で最低になる 湿潤化した後のせん断強度 τ f : 最適含水比よりやや小さい含水比で最大 より不飽和になり 気泡が増加して 間隙水の移動を妨害する 中央遮水壁 (τ f が最大で k が最小が良い ) H 00 m B 50 m v i k の意味 v: 流速 (cm/sc): i: 動水勾配 ; 単位はない 上図では 大略 i 2 k: 透水係数 (cm/sc) 9