ハロゲン化アルキル (alkyl halide) ハロゲン化アルキルの命名法 ハロゲン化アルキルの合成 アルコールからの合成 ハロゲン化アルキルの反応 Grignard( グリニャール ) 試薬求核置換反応 (SN2 反応,SN1 反応 ) 脱離反応 (E2 反応,E1 反応 )
ハロゲン化アルキルの命名法 (1) 段階 1: 最も長い炭素鎖を見つけて, 母体を決める. 多重結合がある場合には, 母体の炭素鎖はそれを含むものでなければならない. 段階 2: 最初の置換基により近い末端から始めて炭素鎖に番号を付ける. 置換基がアルキル基かハロゲンで優先順位は違うのか? 関係なくその置換基に近い末端から始めて炭素鎖に番号をつける.
問題 つぎのハロゲン化アルキルに IUPAC 名 ( 日本語 英語 ) を付けよ. (a) Br C 3 C 2 CC 3 2- ブロモブタン 2-bromobutane (b) C 3 C 3 CC 2 C 2 I 1- ヨード -3- メチルブタン 1-iodo-3-methylbutane (c) Br C 3 CC 2 C 2 C 2 Cl 4- ブロモ -1- クロロペンタン 4-bromo-1-chloropentane
ハロゲン化アルキルの命名法 (2) 段階 2: 最初の置換基により近い末端から始めて炭素鎖に番号を付ける. 両端から同じ位置に置換基がある場合は? 置換基名のアルファベット順が上位になるほうの末端から番号をつける. 1 2 3 4 Br; bromo ( 上位 ) BrC 2 C 2 C 2 C 2 Cl Cl; chloro 段階 3: すべての置換基をアルファベット順に並べ名前を付ける. 同種の置換基が 2 個以上存在する場合は? ジ -(di-);2 個, トリ -(tri-);3 個, テトラ -(tetra-);4 個 5-bromo-2,4-dimethylheptane 2-bromo-4,5-dimethylheptane 5- ブロモ -2,4- ジメチルヘプタン 2- ブロモ -4,5- ジメチルヘプタン
慣用名 ハロゲン化アルキルの命名法 (3) 最初にアルキル基名 + ハロゲン 系統名 iodomethane ヨードメタン 慣用名 methyl iodide ヨウ化メチル 系統名 2-chloropropane 2- クロロプロパン 慣用名 isopropyl chloride 塩化イソプロピル
問題 つぎのハロゲン化アルキルに IUPAC 名 ( 日本語 英語 ) を付けよ. (d) C 2 Br C 3 C 2 CC 2 C 2 C 3 3-( ブロモメチル ) ヘキサン 3-(bromomethyl)hexane (e) 3 CC CC 2 CC 3 I 5- ヨード -2- ヘキセン 5-iodo-2-hexene 5-iodo-hex-2-ene (f) 4,6- ジブロモ -1- クロロ -2- ヘキシン 4,6-dibromo-1-chloro-2-hexyne 4,6-dibromo-1-chloro-hex-2-yne
ハロゲン化アルキルの製法 (1) アルケンへのハロゲン化水素の付加 C C + Cl C C Cl - C Cl C カルボカチオン中間体 アルケンへのハロゲンの付加 Br - Br C C + Br 2 Br + C C Br ブロモニウムイオン中間体 アルカンと塩素の置換反応 C 4 Cl 2 hν C 3 Cl + + Cl
ハロゲン化アルキルの製法 (2) アルコールとハロゲン化水素からの合成 R O + X R X + 2 O O メチル < R O < R O < R 第一級 (1 o ) 第二級 (2 o ) R R O R 第三級 (3 o ) 反応性小 反応性 反応性大 3 C O 3 C Cl Cl( 気体 ) エーテル,0C o + 2 O 1- メチルシクロヘキサノール 1- クロロ -1- メチルシクロヘキサン (90%)
ハロゲン化アルキルの製法 (3) アルコールからの合成 O SOCl 2 ( 塩化チオニル ) Cl + SO 2 + Cl シクロペンタノール クロロシクロペンタン O 3 C 3 C 2 CC 3 PBr 3 ( 三臭化リン ) エーテル,35 Br 3C 3 C 2 CC 3 + P(O) 3 2- ブタノール 2- ブロモブタン
ハロゲン化アルキルの反応 :Grignard 試薬 R X Mg R Mg X 2 O + R Grignard 試薬 R = 1 o, 2 o, 3 o のアルキル, アリール, アルケニル X = Cl, Br, I (δ-) Cl (δ+) Mg エーテル δ+ δ- MgCl 2 O クロロベンゼン (chlorobenzene) 臭化フェニルマグネシウム (phenylmagnesium chloride) ベンゼン (chlorobenzene) 炭素 - マグネシウム結合が強く分極しているため, 有機部位は求核的で塩基性となる. Grignard 試薬は塩基でもあり, 求核試薬でもある.
例題 7 2 いくつかの反応を順次用いると,1 段階では達成できない変換を行うことができる. アルコールの1-メチルシクロヘキサノールからアルカンのメチルシクロヘキサンを合成するにはどうしたらよいか. O C 3 1- メチルシクロヘキサノール? C 3 1- メチルシクロヘキサン O C 3 Br Br C 3 1- ブロモ -1- メチルシクロヘキサン Mg エーテル MgBr C 3 2 O C 3 臭化 1- メチルシクロヘキシルマグネシウム
問題 つぎの反応の生成物 A~C を予測せよ. O A Br C 3 C 2 CC 3 PBr 3 C 3 C 2 CC 3 B C Mg MgBr C 3 C 2 CC 3 2 O C 3 C 2 CC 3
求核置換反応 求核試薬 (nucleophile,nu: または Nu: - ) が基質の R-X と反応し, X: - ( 脱離基 ;leaving group) と置換して R-Nu を与える反応 Nu R X R Nu + + + X Nu + R X R Nu + X R C C アセチリドアニオン + C 3 Br R C C C 3 + Br
例題 7 3 1- クロロプロパンと NaO との反応でできる置換生成物は何か. C 3 C 2 C 2 Cl Na + - O C 3 C 2 C 2 O + + Na + - Cl 1- クロロプロパン 1- プロパノール 求核試薬は? - O 脱離基は? - Cl
S N 2 反応 求核置換反応 (nucleophilic substitution reaction) ブロモメタンと水酸化物イオンの反応 O + 3 C Br O C 3 + Br 反応は, 基質と求核試薬が衝突すると起こる ( 求核剤の結合と脱離基の乖離が同時 ). 反応速度は何に依存するか? O 3 C Br の濃度が 2 倍 の濃度が 2 倍 反応速度は 2 倍 反応速度は 2 倍 S N 2 反応の速度は, ハロゲン化アルキルと求核試薬の二分子の濃度に依存する. 二分子的 ; 二次反応 (second-order reaction) 協奏反応
問題 (S)-2-ブロモペンタンと酢酸ナトリウム(C 3 CO 2 Na) のSN2 反応において, (a) 出発物と生成物の構造を立体化学を含めて示せ. O Br - OCOC 3 O (b) 酢酸ナトリウムの濃度を 2 倍にしたとき反応速度はどうなるか. 2 倍になる (c) 溶媒を足して反応液の体積を 2 倍にしたとき反応速度はどうなるか. 4 分の 1 倍になる (d) 基質を (R)-2- ブロモペンタンに用いたとき反応速度はどうなるか. R 体の場合と同様
S N 2 反応の反応機構 Br + O - O + (S)-2- ブロモブタン (R)-2- ブタノール O C 3 C Br δ- δ- C 3 O C Br O C 3 C + Br - C 2 C 3 C 2 C 3 遷移状態 C 2 C 3 S N 2 反応は遷移状態を経て進行する ( 一段階の反応 ). S N 2 反応では, 基質の立体化学が反転して生成物ができる. 求核置換反応では, 基質 脱離基 求核剤の構造や反応に使われる溶媒の性質が反応の行き先を決める
S N 2 反応における立体効果 R Br + Cl - R Cl + Br - C 3 3 C C 3 Br < 3 C Br < 3 C Br < C 3 Br 第三級 第二級 第一級 メチル 相対反応性 <1 500 40,000 2,000,000 反応性小 反応性 反応性大 求核剤の攻撃を受ける炭素の周りの空間が大きいほど立体障害が小さくなるので 反応性が高くなる
S N 2 反応に不活性な化合物 求核試薬が背面攻撃をするには, 分子の内側に入って脱離基の逆側から炭素を攻撃する必要がある. 従って p 軌道に電子があると求核剤の攻撃が阻害される ハロゲン化アルケニル ハロゲン化アリール
S N 2 反応の求核剤 炭素 窒素 酸素 ハロゲンなど さまざまな原子が使われる 炭素の原子核を攻撃するために アニオン性 ( 陰イオン性や負に偏った電荷 ) あるいは非共有電子対を持つ必要がある 基質の求核剤の嵩が高いと反応が起きにくいのと同様に 求核剤の嵩が大きくなると 立体障害によって基質中の炭素を攻撃が難しくなるので 反応が起きにくくなる 求核剤の嵩が大きい場合は 嵩の小さい基質 外れやすい脱離基 反応を促進する溶媒を使ったり 反応温度を上げるなど 条件を変えることで反応を促進する
S N 2 反応の脱離基 O - N 2 - OR - F - Cl - Br - I - 相対反応性 <<1 1 200 10,000 30,000 反応性小 反応性 反応性大 優れた脱離は安定なアニオンを与えるもの ( 強い酸のアニオン 強い酸の共役塩基 : 強い酸 =pka の小さい酸 ) 一般的な脱離基は, 塩基性が小さく 負電荷を安定に保持できるハロゲン化物イオン (I -,Br -,Cl - ) やスルホン酸エステル (p- トルエンスルホニル基 トシル基 OTs) OTs トシラートアニオン
S N 2 反応の溶媒 プロトン性溶媒 ( プロトンを持つ極性溶媒 ) は 求核剤と酸塩基反応して 求核性を損なうことがある (δ+) (δ-) (δ-) (δ+) グリニャール試薬 グリニャール試薬が 求核剤ではなく塩基として溶媒であるアルコールに作用する
非プロトン性溶媒 ( プロトンを持たない極性溶媒 ) 溶媒和 リチウムエノラート リチウムカチオンと溶媒が溶媒和することで エノラートアニオンと離れてアニオンの求核性が向上する
S N 1 反応の反応機構 3 C 3 C C O + Br 3 C 3 C C Br + 2 O 3 C 3 C tert-ブチルアルコール 2-ブロモ-2-メチルプロパン 3 C 3 C C 3 C O Br 3 C 3 C C 3 C O 2 + Br 安定な脱離基 ( 2 O) にするためにヒドロキシ基をプロトン化することが必要 律速段階 Br カルボカチオンが反応中間体となる 2 段階の反応 3 C 3 C C 3 C カルボカチオン 3 C + 2 O 3 C C 3 C Br 律速段階 (rate-determining step); 全体の反応速度を支配する段階
S N 1 反応の速度 S N 1 反応はカルボカチオン中間体を経て進行する. 基質による反応性の違いは? 生成するカルボカチオン中間体の安定性の順序と同じ. R 3 CO >> R 2 CO > RC 2 O > C 3 O S N 1 反応の速度は何に依存するか? 基質の濃度だけに依存し, 求核試薬の濃度には無関係. 単分子的 ; 一次反応 (first-order reaction)
問題 (C 3 ) 3 COC 3 を与える (C 3 ) 3 CBrとC 3 OのSN1 反応において, つぎの変化は反応速度にどんな影響を与えるか示せ. (a) (C 3 ) 3 CBrの濃度を2 倍にして,C 3 Oの濃度を半分にする. 2 倍になる (b) (C 3 ) 3 CBr の濃度を半分にして,C 3 O の濃度を 2 倍にする. 2 分の 1 倍になる (c) (C 3 ) 3 CBr と C 3 O の濃度を両方とも 3 倍にする. 3 倍になる
S N 1 反応の立体化学 キラルな基質について S N 1 反応を行うと, 生成物はラセミ体になる. 3 C 2 C 2 C C O (R)-1- フェニル -1- ブタノール Cl + + 3 C 2 C 2 C C (R)-1- クロロ -1- フェニルブタン Cl Cl C C 2 C 2 C 3 (S)-1- クロロ -1- フェニルブタン Cl Cl 求核剤 ( 塩素イオン ) は両側から攻撃可能 (S)-1- クロロ -1- フェニルブタン 50% が立体配置を反転 C C 2C 2 C 3 平面のアキラルなカルボカチオン中間体 (R)-1- クロロ -1- フェニルブタン 50% が立体配置を保持 カルボカチオンの炭素は sp 2 混成であること ( 空の p 軌道を持つ ) を思い出せ
S N 1 反応の脱離基 基本的には S N 2 反応と同様に安定なアニオンを与えるものが優れた脱離基である. F << Cl = 2 O < Br < I 劣った脱離基 反応性 優れた脱離基 問題 7 16 (S)-3- メチル -3- オクタノールと Br との S N 1 反応でどんな生成物が得られるか. 出発物と生成物の立体化学を示せ. 3 C O C 2 5 C C 5 11 3 C Br + Br C + C 2 5 C 5 11 Br C 3 C 2 5 C C 5 11 (S)-3- メチル -3- オクタノール (S)-3- ブロモ -3- メチルオクタン (R)-3- ブロモ -3- メチルオクタン ラセミ体
S N 1 反応の溶媒 酢酸 水 アルコール S N 2 と異なり プロトン性溶媒 ( プロトンを持つ極性溶媒 ) が有効 エタノール ( 溶媒 ) S N 1 反応の一段階目はカルボカチオンの生成 溶媒がイオンを安定化させる
次の求核置換反応における生成物を答え 各々を命名せよ 1 (S)-2- ブロモブタン + C 3 O S N 1 2 (S)-2- ブロモブタン + C 3 ONa S N 2
1 2
問題 1- ブロモ -2,2- ジメチルブタンは S N 2 反応も S N 1 反応も起こりにくい その理由を述べなさい 隣接する炭素は 4 級炭素なので 1 位の炭素に対する立体障害が大きい (S N 2 起きにくい ) 脱離基の結合する炭素は 1 級炭素 ( 結合するアルキル基が 1 個 ) なのでカルボカチオンができにくい (S N 1 起きにくい )
脱離反応 :E2 反応 O 置換反応 C C Br + O C C + 求核剤 (O - ) が脱離基に結合した炭素を攻撃する Br 脱離反応 C C + O Br 塩基 (O - ) が脱離基に結合した炭素に隣接する炭素からプロトンを奪う C C 2 O + + Br 塩基 B E2 反応では プロトンの引き抜きとハロゲンの脱離が同時に起こる R R R R X δ+ B 遷移状態 R R R R X O - が求核剤としても 塩基としても作用するので 置換生成物も脱離生成物も生成する ( 塩基性の低い求核剤を使えば 置換生成物が優先してできる ) δ- R R R R + B X
求核性と塩基性 求核性 : 炭素を攻撃する能力の強さ ( 置換反応や付加反応 ) 炭素を攻撃するので 嵩が大きいと求核剤としての反応性が落ちる 塩基性 : プロトンを攻撃する能力強さ ( 脱離反応 ) 攻撃するのは基質の外側にあるプロトンなので嵩が大きくても問題にならない 同じ分子種が求核剤としても 塩基としても働く可能性があるどちらとして機能するかは ケースバイケース
E2 反応の立体選択性 E2 反応は基本的にアンチ近平面系 (-C-C-Br が同じ平面上にある配座 ) で起こる. Br C Ph C Ph Br KO エタノール Br C Ph C Ph Ph = メソ -1,2- ジブロモ -1,2- ジフェニルエタン (E)-1- ブロモ -1,2- ジフェニルエテン E は体のみ生成し Z 体はできない アンチ近平面系 ( ねじれ形, エネルギーが低い ) 引き抜かれるプロトンが結合する炭素と脱離基が結合する炭素は 反応の前後で sp 3 混成から sp 2 混成へ軌道の状態が変化する. 基質の C C Br の 4 つの原子が同じ平面上にあるときに脱離が起こらないと 反応後に p 軌道が重なって π 結合を作れない
E2 反応の位置選択性 Br C 3 C 2 CC 3 2- ブロモブタン KO エタノール C 3 C 2 C C 2 + C 3 C CC 3 1-ブテン 2-ブテン (19%) (81%) Zaitsev 則 ハロゲン化アルキルから X が脱離する場合, より多く置換されたアルケンが主生成物となる ( 理由生成物の熱力学的安定性 ). 塩基によって引き抜かれるプロトンは赤と青の 5 個のうちのいずれかである 引き抜かれるプロトンが赤の場合と青の場合では 生成物が異なる これを位置選択性という
脱離反応 :E1 反応 E1 反応の反応機構 3 C Cl C C 3 律速段階 3 C C C B + Cl 速い 3 C C 3 3 C 3 C 2- クロロ -2- メチルプロパン カルボカチオン中間体 2- メチルプロペン E1 反応の優れた基質は S N 1 反応でも優れた基質 3 C Cl C C 3 C 3 2 O, エタノール 65 o C 3 C O C C 3 C 3 + 3 C 3 C 2- クロロ -2- メチルプロパン 2-メチル-2-プロパノール 2-メチルプロペン (64%) (36%) 通常置換生成物と脱離生成物の混合物が得られる.
(a) 問題 7 21 つぎの反応は S N 1,S N 2,E1,E2 のいずれで進行していると考えられるか. C 3 C 2 C 2 C 2 Br + NaN 3 C 3 C 2 C 2 C 2 N 3 S N 2 (b) Cl C 3 C 2 CC 2 C 3 + KO C 3 C 2 C CC 3 E2 (c) O Cl C 3 OCC 3 + C 3 COO + C 3 Cl S N 1 置換が起こっているのか? それとも脱離が起こっているのか? 安定なカルボカチオンが発生する基質かどうか?
問題 7 19 つぎのアルケンはどんなハロゲン化アルキルから生成するか. (a) (b) C 3 C 3
問題次の化合物を基質にして E1 反応と E2 反応を行った時にできる主生成物の構造を書き 各々命名しなさい 1 (R)-2- ブロモペンタン 2 (2R, 3S)-2- ブロモ -3- メチルペンタン
1 (R)-2- ブロモペンタン ハロゲンの脱離により 2 位の炭素はカチオン (sp 2 混成 ) になる
1 (R)-2- ブロモペンタン E2 反応 より安定な配座 C C Br がアンチ近平面になるような配座 これもアンチ近平面だが より不安定な配座
2 (2R, 3S)-2- ブロモ -3- メチルペンタン E1 反応
2 (2R, 3S)-2- ブロモ -3- メチルペンタン E2 反応 E 体はできない C C Br がアンチ近平面になるような配座は これ以外にない
問題 7 22 次の分子と Na + - SC 3 および NaO との反応から期待される生成物は何か? (a) (b) (c)
問題 7 22 (a) 置換生成物 置換生成物 脱離生成物 何故に メチルメルカプタンナトリウムでは脱離生成物ができにくいのか?
一級のハロゲン化アルキルでは 水酸化物イオン (O - ) やアルコキシドイオン (RO - ) のような強い塩基を用いると E2 経路で反応する (226 ページ ) 塩基の強さは その共役酸のの強さ ( 酸解離乗数や pka 値 ) を指標にする 2 O + + O - 共役酸 塩基 pka=15.7 C 3 O + + 共役酸 pka=15.5 C 3 S + + 共役酸 pka=10.3 C 3 O - 塩基 C 3 S - 塩基 強い塩基の共役酸は 弱い酸 チオラートアニオンは 水酸化物イオンやアルコキシドよりも塩基としては弱い塩基 (S は原子半径が O よりも大きく分極しやすいために C 3 S - は O - よりも強い求核剤である )
基質が三級のハロゲン化アルキルなので S N 2 は考えなくてよい S N 1 は中性 又は酸性条件下の時のみに起こるが (219 ページ ) 中性や酸性条件下ではチオラートアニオンや水酸化物イオンはできにくいので これも考慮しなくてよい 結局 脱離生成物だけを考えればよい ザイツェフ則により上記のアルケンが優先的にできるはず
二級のハロゲン化アルキルでは 置換反応と脱離反応が起きえるが チオラートアニオンは塩基性が小さく 求核性が大きいので 置換生成物が優先する