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Pinus thunbergii Parl. Pinus densiflora Siebold et Zucc e.g. Kamijo et al

写真 1. 保護ネットの有る法面 写真 2. 保護ネットの無い法面 3. 調査方法 (1) 植生調査植物の生育状況を把握するため Braun-Blanguet(1964) 植物社会学的手法による植生調査を行った 植生調査は 各調査地点に 5 個ずつ設置した 1m 1m のコドラートにおいて実施し 1

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変化に伴って植生がどのように変化してきたのか. また, 現在の植生にどのように影響を与えているのかを知ることが二次林の適切な保全対策を考える上で重要であると考えられる. 本研究では,1) こんぶくろ池周辺における過去の森林の取り扱いの履歴を復元し, それが現在の森林構造にどのように反映しているのかを

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Rhus trichocarpa Miq. R. ambigua Lavall. ex Dipp. R. sylvestris Siebold et Zucc. R. succedanea L. R. javanica L. var. roxburghii (DC.) Rheder

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地区名 所在地 表 4.1 天然力を活用した森林施業の事例調査地の概要 調査地番号 植栽木 林齢 整備面積 (ha) 所管 宮崎宮崎県宮崎市 J1 スギ 40 年生 2.2 宮崎森林管理署 長崎長崎県大村市 J2 スギ 53 年生 14.9 長崎森林管理署 佐賀佐賀県武雄市 J3 ヒノキ 53 年生

5. 既存の研究成果等の収集 分析 検討委員会での助言をもとに 既存の研究成果等を収集し 活用可能性について分析等を実施した 既存の研究成果は 広葉樹林化ハンドブック 2010,2012( 独立行政法人森林総合研究所 ) をはじめ 学会誌等により公開されている文献などから本事業に関係すると考えられる

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Bull. Mie Pref. For. Res. Inst. (5), 培養期間別発生量の調査先と同様の培地組成の菌床を作製し, 温度 20, 湿度 70% の条件下で培養した. 培養 3 ヵ月,4 ヵ月,5 ヵ月後に菌床の側面 4 面にカッターナイフで切り目を入れ, 温度 24,


この対策にはいくつか考えられるが 面的に食害を回避させるならば植生保護柵の設置が選択肢のひとつとなる 植生保護柵は 林業活動を目的とした設置だけに留まらない 兵庫県ではシカの食害によって落葉広葉樹林の林床植生の衰退が顕著であるため ( 藤木 2012a) 林床植生回復のために落葉広葉樹林内に植生保護

3. 植生 3. 植生哲学堂公園の空間を構成する植生を把握するため 哲学堂 77 場を囲む範囲に生育する樹木 ( 樹高 3m 以上 ) について 調査を実施した (1) 毎木調査結果毎木調査結果を以下に示す 表 3: 毎木調査結果一覧 (1/23) エリア No. 樹種 台地 H( 樹高 ) C(

表 を基本として 渓床勾配の区分に応じて 流木災害対策を中心とする配置計画の目安を示したものが図 である 治山事業においては 発生区域から堆積区域に至るまで 多様な渓流生態系の保全に留意しながら 森林整備と治山施設整備を可能な限り一体として実施していくよう留意する 図 6.1

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00表紙目次はじめに


調査地 ( 千葉 403 号 ) 図 4.10 位置図 ( 千葉 403 号 )(1/25,000) 調査地 ( 千葉 403 号 ) a 畑雑草群落 b 水田雑草群落 12 シイ カシ二次林 16 クリ コナラ群集 34 スギ ヒノキ サワラ植林 38 竹林 図 4.11 植生区分図 ( 千葉 4

欄の記載方法について 原則として 都道府県毎の天然更新完了基準に定められた更新調査 ( 標準地調査 ) の結果を元に造林本数欄に更新本数を記載する ただし 調査せずとも天然更新完了基準を明らかに満たしていると判断できる場合 ( 例えば 小面積の伐採等 ) には 造林地の写真その他の更新状況のわかる資

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利用することをいう (4) 林業事業者森林において森林施業 ( 伐採, 植栽, 保育その他の森林における施業をいう 第 12 条において同じ ) を行う者をいう (5) 木材産業事業者木材の加工又は流通に関する事業を行う者をいう (6) 建築関係事業者建築物の設計又は施工に関する事業を行う者をいう

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2. 保全の取り組み 表 -1 母樹の成長量 ( 平成 28 年 7 月 ~ 平成 29 年 10 月 ) (1) 育成間引き試験 a) 試験方法渚滑川右岸 KP3.0 において 平成 28 年 2 月に育成間引き試験を実施した 群落内のケショウヤナギを間引きすることで 高密度状態での成長阻害を防ぎ

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2 森林局 (Forest Department:FD) 環境保全林業省の中に設置されている 森林政策 計画実施の機関です 生物多様性の保全 劣化した森林の回復 流域保全 森林資源の持続可能な管理を管轄しています 3 乾燥地緑化局 (Dry Zone Greening Department:DZGD

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三重県林業研報 (6), 2015 資 料 暖温帯域の再造林放棄地における埋土種子の種構成 Species composition of buried seeds in abandoned forests after clear-cutting in warm temperate zone 1) 福本浩士 Hiroshi Fukumoto 1) 要旨 : 暖温帯域の再造林放棄地における埋土種子の種構成を調査した. その結果, 草本 38 種, 木本 6 種の実生の発生を確認した. 草本種については, ダンドボロギクとタケニグサの実生が多く発生した. 木本種では, ヒメコウゾ, ヒサカキ, ヤマザクラ, クマイチゴ, クサイチゴ, ムラサキシキブ属 ヤブウツギの実生が発生した. ニホンジカの過度の採食や歩行による表層土壌の流出により埋土種子は減少するものの, ニホンジカの食害を排除すれば埋土種子は再造林放棄地の植生回復に一定の役割を果たすものと考えられた. キーワード : 再造林放棄地, 種構成, ニホンジカ, 埋土種子 Abstract: Species composition of buried seeds in abandoned forests after clear-cutting, in which sika deer inhabit at high density, in the warm temperate zone were examined. Seedling emergence of 38 herbaceous species was confirmed by germination test. Of the herbaceous species, Erechtites hieracifolia and Macleaya cordata were co-dominant species. Seedlings of 6 woody species, Broussonetia kazinoki, Prunus jamasakura, Rubus crataegifolius, Rubus hirsutus, Callicarp sp., Weigela floribunda were also observed. Buried seed bank would play a certain role of forest vegetation recovery in abandoned forests after clear-cutting, although soil erosion due to loss of forest vegetation by excessive deer browsing and disturbance by walking diminished species richness of buried seeds. Key Word: abandoned forest after clear-cutting, species composition, Cervus nippon, buried seeds はじめに近年, 木材価格の長期低迷による林業採算性の悪化, 山村地域の過疎化 高齢化に伴う労働力不足により, スギ, ヒノキ人工林の皆伐後に再造林を行わない事例 ( 再造林放棄 ) が増加している ( 堺 2003). 再造林放棄した伐採跡地を再び森林化させることが重要であるが, 近年のニホンジカの増加が再造林地における植栽木の食害 ( 池田 2005) や植生回復の阻害 ( 長島ら 2011) をもたらし, 再森林化を困難にしている. 再造林放棄地において, 広葉樹を更新させるための材料として, 前生樹, 伐採後に外部から散布される種子, 伐採前に林内に散布され土壌中に存在する埋土種子がある ( 広葉樹林化 研究プロジェクトチーム 2010; 田中 2012;Yamagawa et al. 2010). また, 広葉樹の更新に影響を及ぼす要因として, 過去の土地の利用履歴, 残存する広葉樹林との位置関係, ニホンジカによる食害等が考えられる ( 林野 1) 三重県林業研究所 Mie Prefecture Forestry Research Institute E-mail:fukumh01@pref.mie.jp 13

Bull. Mie Pref. For. Res. Inst. (6), 2015 庁整備課 2009; 田中 2012). そこで筆者は, ニホンジカが高密度で生息している暖温帯域の再造林放棄地における広葉樹の更新実態を明らかにするため, 固定試験地を設置して更新木の動態を追跡するとともに, 外部から散布される種子の種構成とその量, 埋土種子の種構成を調査している. 本報では, 再造林放棄地の土壌中に含まれる埋土種子の種構成を実生出現法により調査したので報告する. 調査地と調査方法 1. 調査地の概要調査地は, 三重県津市美杉町奥津地内 (34 30 N,136 15 E) の2カ所の再造林放棄地である. 調査地の概要を表 -1に示す. 調査地 A と調査地 Bは, それぞれ 80 年生,70 年生のスギ及びヒノキ人工林であったが,2009 年の秋に伐採された. 伐採後, 再造林は行われず放置された状態であり, アラカシ Quercus glauca Thunb. ex Murray, シロダモ Neolitsea sericea (Bl.) Koidz, イヌガシ Neolitsea aciculate (Bl.) Koidz, ヤブツバキ Camellia japonica L., ヒサカキ Eurya japonica Thunb. 等の常緑広葉樹が局所的に残存しているのみである. 調査地 A は斜面上部にコナラ Quercus serrata Thunb.ex Murray が1 本のみ生育しているだけで, 周囲に広葉樹林は存在しない. 一方, 調査地 B は斜面上部にケヤキ Zelkova serrata (Thunb.) Makino, クマシデ属 Carpinus 等の広葉樹林が残存している.2012 年 1 月, それぞれの調査地に5 m 25~30 m の調査プロットを2カ所ずつ設置し, そのうちの一方にニホンジカの侵入を防止するためネット ( 高さ 1.8 m, 目合い 50 mm, スカートネット一体型 ) を周囲に設置した. 調査地周辺のニホンジカの生息密度は 2013 年 10 月に実施した区画法によると,18.4 頭 /km 2 と推定され ( 福本未発表 ), 自然植生に影響を及ぼすとされる3~5 頭 /km 2 を大きく上回っている. 2. 発芽試験 2013 年 3 月 11 日, 各調査地のプロットの外側 5カ所において, 土壌を攪乱しないようL 層を取り除いた後,50 cm 50 cm, 深さ 5 cmの表土を採取した. 採取した土壌試料は三重県林業研究所に持ち帰り,2013 年 3 月 12 日にバーミキュライトを 8 cm 敷き詰めたプランターに厚さ 2 cmで撒き出しした.1 試料につき2 回の繰り返しで設定した. プランターは外部からの種子が混入しないように遮光率 25% の白色の寒冷紗で覆い, 三重県林業研究所の屋外に設置した. 土壌が乾燥しないように自動散水装置を用いて毎日朝夕に散水を行った. 調査は実生出現法 ( 露崎 1990) により発芽個体の種名と個数を記録した. 発芽の測定は 1~2 週間に 1 回の頻度で 2013 年 10 月 4 日まで実施した. 表 -1. 調査地の概要 14

三重県林業研報 (6), 2015 結果と考察実生出現法により確認した草本及び木本の種と発生本数を表 -2に示す. 草本 38 種, 木本 6 種を確認した ( ただし, 種まで同定できなかったものは除く ). 最も発生数が多かったのは調査地 A,B ともにダンドボロギク Erechtites hieracifolia (L.) Raf. であった. ダンドボロギクはニホンジカの嗜好性が低いことが確認されており ( 九州森林管理局 2010; 高槻 1989), ニホンジカの生息密度が高い本調査地域においても優占種の一つとして存在していると考えられた. また, タケニグサ Macleaya cordata (Willd.) R. Br. は調査地 A で合計 1229 本とダンドボロギクに次いで発生数が多かった. タケニグサもニホンジカの嗜好性が低い種であり ( 九州森林管理局 2010), 調査地 Aにおいてもニホンジカがタケニグサを採食しないために最優占種となっている ( 福本未発表 ). 今回の試験では, メヒシバ属 Digitaria 3 種, ザクロソウMollugo pentaphylla L., タネツケバナ Cardamine flexuosa With., カタバミ Oxalis corniculata L., ニシキソウ Euphorbia humifusa Willd. var. pseudochamaesyce (Fisch., Meyer et Lallem.) Murata, コミカンソウ Phyllanthus urinaria L., アゼナ Lindernia procumbens (Krock.) Philcox, アメリカアゼナ Lindernia dubia Pennell, ハハコグサ Gnaphalium affine D.Don 等の森林土壌中では出現頻度が低いと考えられる種が確認された. これらの種は, 外部からの種子が混入しないように遮光率 25% の白色の寒冷紗で覆ったのにも関わらず, 種子がプランター内に侵入したことを示唆している. 今後, 埋土種子相をより正確に評価するためには, 外部から種子が飛来しないガラス室内で実施する方が望ましいだろう. 木本種については, ヒメコウゾ Broussonetia kazinoki Sieb., ヒサカキ, ヤマザクラ Prunus jamasakura Sieb. ex Koidz., クマイチゴ Rubus crataegifolius Bunge, クサイチゴ Rubus hirsutus Thunb., ムラサキシキブ属 Callicarpa, ヤブウツギ Weigela floribunda (Sieb. et Zucc) K. Koch が確認された. このうち, ヒサカキ, ヤブウツギは調査地 B から採取した土壌から多く発生した. 本調査地から採取した土壌試料から出現した木本種の多くは被食散布樹種であり ( 平田ら 2006; 佐藤 酒井 2003), 人工林の伐採前及び伐採後に鳥類により散布され埋土種子として土壌中に存在していたものと考えられる (Sakai et al., 2005). 本調査地ではアカメガシワ Mallotus japonica (Thunb. ex Murray) Muell., カラスザンショウ Zanthoxylum ailanthoides Sieb. et Zucc., ヌルデ Rhus javanica L. var. roxburghii (DC.) Rehder et Wils., タラノキ Aralia elata (Miq.) Seemann, クサギ Clerodendrum trichotomum Thunb., 等の先駆性樹種の侵入がシカ柵内でのみ確認されているが ( 福本未発表 ), 今回の調査ではこれらの種の実生は確認されなかった. その原因として以下に述べる三つの可能性が考えられる. まず, 採取した土壌試料のサンプル数が少なく, 調査地の埋土種子相を十分把握できなかった可能性である. 中村ら (2002) は埋土種子密度が低い種が多く存在する場合, 調査面積の増加によって種数が飽和せずに増加することを報告している. したがって, 鳥散布される樹種の埋土種子相を高い精度で評価する場合, 調査面積を大きくすることが望ましいだろう.2 つ目は, 伐採直後から埋土種子由来の実生がシカに採食されて消失するとともに, 新たな種子の供給も少ないために埋土種子の量が減少した可能性である. 島田 (2004) は三重県尾鷲地域の人工林伐採跡地における木本植物の侵入及び生残状況をシカ侵入防止柵の内外で調査し, 柵外では新たに出現した木本植物はシカによる採食のため大部分が消失することを報告している. また, 伐採直後の多くの埋土種子の発芽とその後の種子の供給量不足のために埋土種子量が減少したと推測している ( 島田 2005). 本調査地においても, 人工林伐採後に埋土種子から発芽した個体が断続的にシカに採食されて消失するとともに, 外部からの種子の供給が少ないために埋土種子量が少なくなったと考えられる.3 つ目は, ニホンジカによる下層植生の過度の採食や歩行による攪乱が下層植生の衰退 15

Bull. Mie Pref. For. Res. Inst. (6), 2015 や表層土壌の流出を引き起こし, 埋土種子が斜面下部へ流出した可能性である ( 山瀬ら 2011). 本調査地においてもニホンジカの過度の採食により斜面の植生は回復せず, 降雨の度に表層土壌が流出していることから, 潜在的な埋土種子相を把握できなかったと考えられる. 今回の調査から, ニホンジカが高密度で生息している暖温帯域の伐採跡地における埋土種子は, シカによる実生の採食と外部からの供給量の不足, 表層土壌の流出により減少している可能性が考えられた. 一方で, 固定試験地の植生調査ではシカ柵内でのみアカメガシワ, カラスザンショウ等の先駆性樹種の出現が確認されていることから, 埋土種子は森林の植生回復に一定の役割を果たすものと考えられるが ( 高橋 長谷川 2009; 山口ら 1997), 効率的に再森林化を図るためにはシカ柵を設置してニホンジカの食害を防止する等の対策が必要であろう. 謝辞三重県農業研究所伊賀農業研究室の中山幸則主任研究員には草本の同定を行っていただきました. 三重県林業研究所の職員の皆様には現地調査を手伝っていただきました. ここに記して謝意を表します. 引用文献平田令子 畑邦彦 曽根晃一 (2006) 果実食性鳥類による針葉樹人工林への種子散布. 日林誌 88: 515-524 池田浩一 (2005) 福岡県におけるニホンジカの保護管理に関する研究. 福岡県森林研報 6: 1-93 広葉樹林化 研究プロジェクトチーム(2010) 広葉樹林化ハンドブック2010- 人工林を広葉樹林へと誘導するために-. 独立行政法人森林総合研究所四国支所九州森林管理局 (2010) シカの好き嫌い植物図鑑 ( 暫定版 ). 長島啓子 大本健司 吉田茂二郎 (2011) 九州地方における再造林放棄地の植生回復パターンとその要因 : 再造林放棄地の管理にむけて. 日林誌 93: 294-302 中村彰宏 衣笠斗基子 陣門泰輔 谷口伸二 佐藤治雄 森本幸裕 (2002) 埋土種子密度, 種数, 多様度指数 - 面積曲線による森林表土撒き出し緑化の評価. 日本緑化工学会誌 28: 79-84 林野庁整備課 (2009) 平成 20 年度林野庁委託調査 - 天然力を活かした更新技術による森林整備に関する調査. Sakai, A., Sato, S., Sakai, T., Kuramoto, S., Tabuchi, R. (2005) A soil seed bank in a mature conifer plantation and establishment of seedlings after clear-cutting in southwest Japan. J For Res 10: 295-304 堺正紘 (2003) 森林資源管理の社会化. 九州大学出版会. 佐竹義輔 原寛 亘理俊次 冨成忠夫 (1989a) 日本の野生植物木本 Ⅰ. 平凡社. 佐竹義輔 原寛 亘理俊次 冨成忠夫 (1989b) 日本の野生植物木本 Ⅱ. 平凡社. 佐竹義輔 大井次三郎 北村四郎 亘理俊次 冨成忠夫 (1981) 日本の野生植物草本 Ⅲ 合弁花類. 平凡社. 佐竹義輔 大井次三郎 北村四郎 亘理俊次 冨成忠夫 (1982a) 日本の野生植物草本 Ⅰ 単子葉類. 平凡社. 佐竹義輔 大井次三郎 北村四郎 亘理俊次 冨成忠夫 (1982b) 日本の野生植物草本 Ⅱ 離弁花類. 平凡社. 佐藤重穂 酒井敦 (2003) 鳥類による種子散布が針葉樹人工林伐採跡地の植生回復に果たす役割. 応 16

三重県林業研報 (6), 2015 用森林研究 12: 23-28 島田博匡 (2004) 三重県尾鷲地域の伐採跡地における獣害防護柵内外の植生更新 - 伐採 1 年後の植生の相違. 日林学術講 115: 692 島田博匡 (2005) ウラジロに覆われた再造林放棄地における森林再生試験 -ウラジロ刈り払い後の木本類発生調査及び播種試験. 中森研 53: 7-10 清水建美 (2003) 日本の帰化植物. 平凡社. 高橋由佳 長谷川幹夫 (2009) スギ人工林伐採跡地における埋土種子の種組成と分布. 中森研 57: 29-32 高槻成紀 (1989) 植物および群落に及ぼすシカの影響. 日生態会誌 39: 67-80 田中浩 (2012) 広葉樹林化できる場所, すべき場所. 山林 1539: 2-11 露崎史郎 (1990) 埋土種子集団の研究法 - 種子の教材利用 -. 生物教材 25: 9-20 Yamagawa, H., Ito, S., Nakao, T. (2010) Restoration of semi-natural forest after clearcutting of conifer plantations in Japan. Landscape Ecol Eng 6: 109-117 山口信一 矢島崇 渋谷正人 高橋邦秀 (1997) 散布種子および埋土種子からみたエゾシカ高密度生息地における植生回復の可能性. 森林立地 39:94-100 山瀬敬太郎 関岡裕明 栃本大介 (2011) 兵庫県里山域のニホンジカ生息地における樹木種の動態. 日本緑化工学会誌 37: 233-236 17

Bull. Mie Pref. For. Res. Inst. (6), 2015 表 -2. 実生出現法により確認した草本及び木本植物の種と発生本数 1) 科名和名学名 2) No.11 No.12 No.21 No.22 No.31 No.32 No.41 No.42 No.51 No.52 合計 No.11 No.12 No.21 No.22 No.31 No.32 No.41 No.42 No.51 No.52 合計 草本イネ科 メヒシバ Digitaria ciliaris (Retz.) Koel. 1 0 3 0 0 0 6 0 1 23 34 1 4 0 1 1 0 6 2 29 23 67 イネ科 コメヒシバ Digitaria timorensis (Kunth) Balansa 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 イネ科 アキメヒシバ Digitaria violascens Link 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 イネ科 ネズミノオ Sporobolus fertilis (Steud.) W. Clayton 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 イネ科 スズメノカタビラ Poa annua L. 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 イネ科 メリケンカルカヤ Andropogon virginicus L. 0 0 0 0 1 0 0 0 0 1 2 1 0 0 0 1 0 0 0 0 1 3 イネ科 不明 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 カヤツリグサ科 ヒンジガヤツリ Lipocarpha microcephala (R. Br.) Kunth 0 1 0 0 1 0 0 17 0 3 22 1 0 0 3 10 2 1 19 0 3 39 カヤツリグサ科 不明 1 0 1 0 0 0 0 1 0 0 3 0 1 0 1 0 0 0 0 0 0 2 カヤツリグサ科 ヒメクグ Cyperus brevifolius (Rottb.) Hassk. var. leiolepis (Franch. et Savat.) T. Koyama 1 2 0 0 1 0 0 0 8 0 12 0 2 1 2 3 2 1 1 1 0 13 カヤツリグサ科 ウシクグ Cyperus orthostachyus Franch. et. Savat. 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 カヤツリグサ科 コゴメガヤツリ Cyperus iria L. 0 0 1 0 0 0 0 0 0 2 3 1 0 0 0 2 0 2 1 5 2 13 カヤツリグサ科 ヒナガヤツリ Cyperus flaccidus R. Br. 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 1 カヤツリグサ科 不明 1 0 0 0 0 0 2 0 0 1 4 0 0 7 2 2 4 1 0 1 1 18 クワ科 クワクサ Fatoua villosa (Thunb.) Nakai 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 イラクサ科 イラクサ Urtica thunbergiana Sie. Et Zucc. 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 イラクサ科 カラムシ Boehmeria niponivea Koidz. 1 1 0 0 11 14 11 16 2 0 56 0 0 0 0 0 0 1 4 0 0 5 ヤマゴボウ科 ヨウシュヤマゴボウ Phytolacca americana L. 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 ザクロソウ科 ザクロソウ Mollugo pentaphylla L. 10 17 37 34 8 19 11 10 4 33 183 16 65 3 23 30 35 59 80 11 33 355 ナデシコ科 ノミノツヅリ Arenaria serpyllifolia L. 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 0 0 0 0 2 ナデシコ科 ミミナグサ Cerastium holosteoides Fries var. hallaisanense (Nakai) Mizushima 1 0 0 0 0 0 0 1 0 0 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 ナデシコ科 ツメクサ Sagina iaponica (Sw.) Ohwi 9 3 0 0 0 0 118 104 0 0 234 0 0 0 0 2 0 0 0 1 0 3 ヒユ科 ホソバツルノゲイトウ Alternanthera nodiflora R. Br. 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 2 0 0 0 3 ドクダミ科 ドクダミ Houttuynia cordata Thunb. 0 0 0 0 19 12 5 10 0 5 51 0 0 0 1 0 0 6 8 2 5 22 ケシ科 タケニグサ Macleaya cordata (Willd.) R. Br. 203 174 21 17 224 151 137 184 118 0 1229 1 2 5 4 2 3 2 3 0 0 22 アブラナ科 タネツケバナ Cardamine flexuosa With. 0 0 1 0 0 0 1 4 0 34 40 2 4 0 2 4 4 0 8 18 34 76 マメ科 不明 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 カタバミ科 カタバミ Oxalis corniculata L. 0 4 2 2 0 4 8 1 5 0 26 5 6 0 7 4 0 0 8 0 0 30 トウダイグサ科 ニシキソウ Euphorbia humifusa Willd. var. pseudochamaesyce (Fisch., Meyer et Lallem.) Murata 1 12 5 4 1 3 2 1 2 0 31 1 0 1 0 0 0 0 1 0 0 3 トウダイグサ科 コミカンソウ Phyllanthus urinaria L. 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 2 0 0 0 0 1 1 0 0 0 1 3 スミレ科 不明 0 0 0 0 0 1 0 0 0 4 5 0 0 0 1 16 0 0 0 3 4 24 セリ科 ヒメチドメ Hydrocotyle yabei Makino 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 2 0 0 0 0 1 0 0 0 0 2 3 シソ科 トウバナ Clinopodium gracile (Benth.) O. Kuntze 0 0 0 0 0 0 0 0 0 3 3 0 0 0 0 0 0 0 0 1 3 4 ゴマノハグサ科 マツバウンラン Linaria canadensis (L.) Dum. 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 1 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 ゴマノハグサ科 アゼナ Lindernia procumbens (Krock.) Philcox 0 0 0 0 0 2 0 0 0 1 3 0 0 0 0 0 1 0 0 1 1 3 ゴマノハグサ科 アメリカアゼナ Lindernia dubia Pennell 0 0 0 23 27 13 0 1 1 0 65 0 0 0 1 0 0 0 1 0 0 2 ゴマノハグサ科 ムシクサ Veronica peregrina L. 0 2 0 0 0 0 1 0 0 0 3 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 1 キク科 タカサブロウ Eclipta prostrata L. 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 1 1 0 0 0 0 1 1 0 1 0 4 キク科 ダンドボロギク Erechtites hieracifolia (L.) Raf. 40 41 97 80 137 99 384 432 41 305 1656 320 302 297 261 234 314 129 103 225 305 2490 キク科 ヒメジョオン Stenactis annuua (L.) Cass. 1 0 0 0 0 1 0 0 3 0 5 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 1 キク科 オオアレチノギク Conyza sumatrensis (Retz.) Walker 0 0 0 0 0 2 0 1 0 0 3 0 2 0 0 1 2 0 0 1 0 6 キク科 ハハコグサ Gnaphalium affine D.Don 0 0 0 0 0 0 0 2 2 0 4 4 3 0 0 0 0 6 2 0 0 15 キク科 オニタビラコ Youngia japonica (L.) DC. 1 0 1 0 0 1 0 0 0 0 3 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 キク科 不明 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 2 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 木本クワ科 ヒメコウゾ Broussonetia kazinoki Sieb. 1 0 0 0 0 0 0 1 0 0 2 0 0 0 0 0 0 2 1 0 0 3 ツバキ科 ヒサカキ Eurya japonica Thunb. 1 0 0 0 0 0 0 0 1 0 2 3 3 6 3 1 0 1 0 1 0 18 バラ科 ヤマザクラ Prunus jamasakura Sieb. ex Koidz. 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 バラ科 クマイチゴ Rubus crataegifolius Bunge 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 1 バラ科 クサイチゴ Rubus hirsutus Thunb. 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 0 0 0 2 0 0 2 0 0 6 クマツヅラ科 ムラサキシキブ属 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 スイカズラ科 ヤブウツギ Weigela floribunda (Sieb. et Zucc.) K.Koch 0 1 1 2 1 0 0 0 0 0 5 9 8 6 7 1 3 25 28 0 0 87 不明 不明 1 1 0 1 1 2 2 1 3 5 17 0 0 1 1 2 1 1 2 1 5 14 1) 各処理区の発生本数は,0.108m 2 あたりの発生本数である. 2) 学名は, 佐竹ら (1981), 佐竹ら (1982a, b), 佐竹ら (1989a, b), 清水 (2003) による. 調査地 A 調査地 B 18