第4回独立行政法人評価委員会技術基盤分科会製品評価技術基盤機構部会 参考資料N2-1 平成15年度NITE業務実績表参考資料集 表紙~P19

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プログラム


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上原記念生命科学財団研究報告集, 29 (2015)

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参考資料 N2-1 平成 15 年度 NITE 業務実績表 参考資料集

A-1-(4) インドネシアにおける新規微生物資源に関する共同研究プロジェクト (2003 年 ) の結果 インドネシアと日本の真菌と放線菌の分類学および生態学の共同研究プロジェクト 独立行政法人製品評価技術基盤機構 (NITE) は 平成 15 年 4 月 インドネシア科学研究所 (LIPI) との間で標記プロジェクトの実施内容に関する合意書 (PA) に署名し 6 月から共同研究を開始した 今般 暫定的な結果が出たのでその内容を報告する 備考 : インドネシアとの包括的覚書 (MOU) は 平成 14 年 3 月にインドネシア技術評価応用庁 (BPPT) と間で締結した 1. 共同研究の経緯 7~8 月インドネシアでの試料の採集 微生物の分離 性状検査 8 月末分離した微生物 1,000 株 ( 真菌 500 株 放線菌 500 株 ) の NITE バイオテクノロジー本部 ( 千葉県木更津市 ) へ移動 9 月 ~ NITE 研究施設にて分子系統 (DNA 塩基配列の解析 ) 及び形態観察による解析日本での微生物の解析 ( インドネシア研究者 3 名の招聘を含む ) 2. 研究の結果 (1)DNA 塩基配列の解析を実施した領域は真菌では 28SrDNA D1/D2; 18SrDNA 部分配列 ; ITS1-5.8S-ITS2 放線菌では 16SrDNA のほぼ全配列である 備考 : 上記 28SrDNA D1/D2 等は 微生物の分類学的な位置を探り 新規の微生物であるかどうかを判断する重要な情報である (2) この結果 真菌 500 株中約 50 株が新種の可能性があり 放線菌においては 500 株中約 100 株が新種の可能性 ( 新属の可能性があるものを含む ) があることが判明した また この合計 1,000 株の中には NITE がこれまでに保存していない株で 何らかの新規性がある株が約 150 株あり 全体としては 約 300 株が新規性を持った株として NITE で保存するに値する株であった この成果は平成 16 年 3 月の日本農芸化学会大会 ( 広島 ) において発表予定である 新種の可能性がある株真菌 500 株中約 50 株放線菌 500 株中約 100 株 何らかの新規性がある株 1,000 株中約 150 株合計 1,000 株中約 300 株 真菌 500 株 + 放線菌 500 株 1

3. 考察日本国内で インドネシアと同様な環境 手法を用いて微生物を探索した場合を経験則に基づき比較すると インドネシアにおける微生物の多様性は豊富であり 未知の微生物が多数存在することが明らかになった また 本研究において分類学上新規ではないとされた微生物であっても 日本とは著しく異なる環境に生育していることから 新規の機能や代謝産物が存在する可能性があり 有用微生物の探索源として有望であると考えられる 4. その他 (1) 本年 12 月 17 日にインドネシアにおいて 本プロジェクトの成果報告及び評価を行い 翌 18 日に平成 16 年のプロジェクト内容について協議した (2) 上記インドネシア株 1,000 株は 産業利用可能な新たな機能 特性を有している可能性がある このため NITE としては この 1,000 株を使用し産業利用の可能性を企業と共同で研究することとし 希望する企業を公募し 来年度からの実施を目指す 2

参考資料 A-2-(2) 国際糸状菌ゲノムコンソーシアムについて 1. 国際糸状菌ゲノムコンソーシアムについて NITE は 中期目標に掲げている生物遺伝資源にかかる情報等の高付加価値化業務として Aspergillus oryzae のゲノム解析を 麹菌ゲノム解析コンソーシアムとの共同研究により行っているところである A. oryzae は 微生物としては最大級の約 37Mbp のゲノムサイズであり 平成 13 年度までにドラフトシーケンスを終了し 現在塩基配列の確定作業を実施している 今後 A. oryzae の塩基配列確定及びアノテーションを行う上で 巨大なゲノムサイズによる間隙部位や難読部位等の問題 真核生物特有のアノテーションの困難が予想される しかし The Institute of Genome Research (TIGR) 及び Sanger Institute で解析中の近縁種 A. fumigatus 及び Whitehead Institute of Biomedical Research で解析中の近縁種 A. nidulans についての情報を入手することにより それらが解決されることが期待され 共同研究目標及び中期目標の達成に資すると考えられる このような背景から 糸状菌のゲノム解析に関する情報の共有を目的とした国際糸状菌ゲノムコンソーシアムに 共同研究先である財団法人日本醸造協会を中心としたコンソーシアムとともに参画した 2. 国際糸状菌ゲノムコンソーシアムに参画するメリット NITE が 国際糸状菌ゲノムコンソーシアムに参画するメリットは以下のとおりである 1 近縁種の情報を入手することにより 糸状菌特有のゲノム解析の問題を解決することができ 共同研究目標及び中期目標の達成に資する 2 国際糸状菌ゲノムコンソーシアムによる糸状菌 3 種の論文を 同時かつ同雑誌に共著で発表することにより 国際協調に貢献するゲノム解析機関としての NITE を世界にアピールできる

参考資料 A-2-(3) 生物機能活用型循環産業創造プログラム エネルギー使用合理化技術開発 ( 産業システム全体の環境調和型への革新技術開発 )/ 生物機能を活用した生産プロセスの基盤技術開発 / 微生物遺伝資源ライブラリーの開発 研究開発項目 平成 13 年度平成 14 年度平成 15 年度平成 16 年度平成 17 年度 1.Rhodococcus erythropolis のゲノム解析 ( ドラフト及び精密 ) 2.Micrococcus 属細菌のゲノム解析 ( ドラフト ) 3.Rhodococcus opacus のゲノム解析 ( ドラフト ) 4. 上記 2. 又は 3. のゲノム解析 ( 精密 )

A-2-(5) 生物遺伝資源の産業利用促進事業に係る共同研究について 1. 微生物酵素触媒を用いた不斉分子製造技術開発の研究 ( 日本触媒等 ) 1 事業の目的超好熱菌の遺伝子資源を利用して 光学活性シアノヒドリン誘導体合成のための実用的酵素触媒の開発及び効率生産技術の開発を実施する 2 計画 ターゲット等シアノヒドリンを生成する反応を触媒する酵素 ( ヒドロキシニトリルリアーゼ ) は天然型であるため安定性が不十分である この酵素をDNAシャフリング等の遺伝子改変技術を利用して 工業規模での使用に耐えうる酵素触媒へと改変し 効率的生産できる技術を開発する 2. 生物学的手法を利用する光学活性非天然型アミノ酸およびヒドロキシカルボン酸の合成ライブラリー構築法の研究 ( 早稲田大学等 ) 1 事業の目的光学活性 α-アミノ酸や α-ヒドロキシカルボン酸を簡便に合成する方法を確立し 非天然型の光学活性アミノ酸および α-ヒドロキシカルボン酸のライブラリーを構築する 2 計画 ターゲット等生合成ルートにはない多様な α-ケト酸を化学合成し アミノ酸合成経路に導入することにより非天然型アミノ酸を得ることができる NITEが有する様々な微生物ライブラリーの中から これらの反応に適した生物触媒を探索し 医薬品合成探索のための有用な光学活性アミノ酸および α-ヒドロキシカルボン酸の化合物ライブラリーを作る方法を確立する 3.RITE ハ イオフ ロセスによる高効率化学品製造に資する基盤技術要素開発の研究 (( 財 ) 地球環境産業技術研究機構等 ) 1 事業の目的神経機能改善薬や抗ウィルス剤などの中間体を 事業化可能なコストと品質で製造する技術を確立する 2 計画 ターゲット等 NITEが有する保存微生物よりキラル炭素形成反応酵素を生成する菌株をスクリーニングする 得られた微生物より酵素遺伝子を取り出し財団法人地球環境産業技術研究機構が保有する組換え技術を用いたプロセスに導入する 本プロセスを用いて 反応条件や分離精製プロセスの最適化を行い 神経機能改善薬や抗ウィルス剤などの中間体として有

用な化合物の製造技術を確立する 共同研究先は 当該共同研究事業の終了後 1~2 年以内に 得られた成果を活用した事業化を行っていくもので 当該事業は 新製品の開発等 新たな市場や産業の創出に大いに資するものである NITEは 当該共同研究事業によって得られた情報について積極的に公開していく また 事業を実施する過程において得られる DNA クローン等の産物についても 必要に応じ公開し提供していく