46 2014/12/4 FTIR/Raman FTIR 2008 FTIR: Vertex70 DTGS/MCT ATR Hyperion3000 1536 152036 Ge-ATR20 MCT/FPA 1993 FTIR:Magna-750 / DTGS/MCT / //Dia-Si-Ge-ATR Nic-Plan //Ge-Dia-ATR/ 1999 FT8700 DTGS AIM8800 //Ge-ATR FTIR(Jasco) Jasco)
Raman ThermoFisherRaman Almega (2001) 532/780nm RenishawRaman System2000 (1994) 514/633nm FTIR ( ) FTIR () FTIR FTIR 0.5
FTIR(1) IR(8 4 2 1 0.5cm -1 ) CO 2 CO 2 CO 2 ) Vapor Vapor Vapor Bicarbonate Caboxylate FTIR(2) PS(50μm )IR(32 16 8 4 2 1cm -1 ) cm-1 PETATR-IR(1 2 4 8cm -1 )
FTIR(PS) IR ( (ATR
n 1 n 2 (n ) (n 2 ) (ε) (ε)(n) (n)(k) N n i k n kk n kkramers-kronig(kk) KK
(a) IR-light air Detector air (b) PDMS (ca.100nm ABS ABS (a) (b) (c) ABS(a)PDMSABS(b)(c)((b)-(a)) ABSPDMS IR-light μm 100nm IR-light θ Metal (IR-Reflector) Metal (IR-Reflector) (p )(ΔR/Ro) (ΔR/R o ) (4n 1 3 sin 2 θ / n 2 3 cosθ
GeGe (a): (b) Ge (c) Ge SUS ATR() () 1 ()
ATR (ATR (k)) (n ) n 1 n 2 (n 2 ) (TR) TR k ATR k ATR k ATR PTFEATR (a) (b) ATR(Ge/30 ) (c) ATR(Dia/45 ) ATR
PPS PTFEATR ATR (a) PTFEPPS ATR (b) PTFEATR (c) PTFE ATR (a) (b) (c) (d) (e) PTFE ATR (PTFE:(W%) (a)100:0 (b)75:25 (c)50:50 (d)25:75 (e)0:100) (d)25:75 0.1
PC/ABSATR(Ge/30 ) (a) ABS (b) PC (c) ((a)-(b)) ABSPCPC PC RamanRaman (Virtual State) () () GITC All Copy Rights Reserved
IR(IR) C-C,C=C Virtual State (Raman) ( 10μmnm) () () Raman Raman PS PSFTIR FTIR IRPSPS PS PS PS PS 532nm
Raman Raman 532nm RamanRaman Raman Raman Raman 532nm Raman RamanRaman
26 6 25 H27 ( H28 ( http://www.pref.gunma.jp/
Abs Abs Abs FTIR/Raman スペクトルの特徴と誤解析回避 群馬産業技術センター宮下喜好 FTIR は 従来の分散型赤外分光光度計に比べて多くの利点を有し 1980 年代に急速に普及した また 赤外顕微鏡および反射測定法の発達により それまで不得意であった微小部分析 表面分析が得意となり FTIR の普及が更に加速された そのため FTIR は 各種材料分析において必要不可欠な分析手法となっているが 多くの落とし穴と注意点が存在する まず 吸光度が 1を超えるようなスペクトルの扱いには注意しなければならない このスペクトルの場合 アポダイゼーション関数や位相補正による誤差が顕著となり スペクトル形にも影響を与え 定量分析のみならず定性分析の信頼性も低下する 1-3) さらに 金属表面の有機化合物を反射透過吸収法で測定する場合 吸光度が 1 以上になると正反射光の影響が顕著となる これにより スペクトル形が変形し 誤解析に陥り易くなる FTIR とともに発達した手法である反射法のなかで 最も注目すべき手法は内部反射の一種である減衰全反射 (ATR) 法である ATR スペクトルは 透過スペクトルに類似した吸収型スペクトルが主であり 解析が容易なように見えるが 十分な注意が必要である 4-7) ATR 法で測定したとしても ATR スペクトルとは限らず 全反射条件を満たさない内部反射スペクトルであったり 外部反射スペクトルであったりする また 吸光係数の大きいスペクトルや全反射臨界角近傍で測定した ATR スペクトルは 透過スペクトルに比べ スペクトル歪みが顕著であり ピーク位置もシフトする そのため ATR スペクトルの差スペクトル解析では 加成則は成立しない場合が多い その一例を図 1に示す ABS-rich PC/ABS resin (Ge/30:ATR-correction) 1225.0 1192.2 0.2 (a) 1772.7 1162.1 0.1 2922.4 1502.7 1014.0 700.5 0.0 0.4 PC-rich PC/ABS resin (Ge/30:ATR-correction) 1224.0 1191.9 0.3 (b) 1772.9 1161.8 0.2 0.1 2924.0 0.0 差スペクトルの結果 :ABS-rich PC/ABS resin (Ge/30:ATR-correction) - PC-rich 1503.4 1013.7 830.1 702.0 700.1 0.04 (c) 2921.2 1451.5 0.02 3027.2 2237.7 1493.1 1245.4 1199.2 1170.0 759.1-0.00 3500 3000 2500 2000 Wavenumbers (cm-1) 1500 1000 図 1 PC/ABS 樹脂の ATR スペクトル ((a)abs リッチ (b)pc リッチ ) と差スペクトル (c)((a)-(b))
Abs Abs Abs 図 1は グレードの異なる 2 種類の PC/ABS 樹脂の ATR スペクトルとそれらの差スペクトルである ABS リッチ 樹脂のスペクトルから PC リッチ 樹脂のスペクトルを差し引いた差スペクトルは そのほとんどが ABS 由来のスペクトルであるが PC の主要吸光帯 (1150~1250cm -1 付近 : 印 ) 成分が引き残っている このスペクトル引き残りを PC 樹脂の分子構造の違いや PC と ABS の相互作用由来として短絡的に解析してはいけない 吸光係数の大きい ATR スペクトルは 透過スペクトルに比べスペクトル歪みが顕著となるが 吸収係数の小さい物質 ( 低屈折率 ) で均質に希釈した場合 その ATR スペクトルは スペクトル歪みが緩和する 4,5) 図 1で示した 2 種類の PC/ABS 樹脂の PC 由来主要吸光帯スペクトルは それぞれスペクトル歪み緩和の度合いが異なり その差異がスペクトル引き残りとなっていると考えるべきである このように ATR スペクトルを始めとする反射スペクトルは 透過スペクトルに比べスペクトル歪みが発生しやすく スペクトル解析を困難にする場合があるが 透過スペクトルが常に真のスペクトルという訳ではない 試料形態によってはスペクトル歪みが発生する 5,8) また 均一厚の試料から得られる透過スペクトルには 干渉縞がスペクトルに重畳しやすくなるが 僅かなスペクトル差異を議論する場合には 試料と空気やセルとの界面で発生する内部反射や外部反射スペクトルの影響も考慮する必要がある Raman スペクトルは IR スペクトルと相補的な振動スペクトルであり IR スペクトルでは得られない分子振動情報を提供する 近年 大きく発展してきた材料分析法であるが 注意点としては先ずレーザ照射による試料損傷が挙げられる 高出力レーザによる長時間測定を余儀なくされた従来の Raman 分析装置に比べ 近年この問題は大きく改善したが 依然として注意が必要である 特に黒色異物や劣化によって黒色化した樹脂などは 低出力であっても容易に炭化が進行し 炭化物特有の Raman スペクトルに変化し 誤解析に陥り易い また Raman 分析では 共鳴 Raman 効果などの増強効果によって 一部の Raman スペクトルが顕著に増強する場合がある これによって 微量成分分析が可能となるが 9) 微量成分の情報に惑わされて 主成分の解析を誤る場合もある 1000 煤 800 600 400 200-0 2000 1500 1000 (a) black hair (b) 500 7000 6000 5000 4000 3000 2000 White hair (c) 3500 3000 2500 2000 Raman shift (cm-1) 1500 1000 500 図 2 (a) 煤 (b) 黒髪 (C) 白髪より得られた Raman スペクトル (532nm 励起 )
図 2は レーザ出力を十分に低くして測定した Raman スペクトルであるが 黒髪 と 白髪 とではスペクトルが大きく異なっていることが理解できる その差異は 煤 の Raman スペクトルからも解るように炭化物に特徴的な Raman スペクトルである しかしながら 黒髪 には炭化物はなく 試料損傷も全くなかった また 両者の IR スペクトルは 蛋白質由来のほぼ同等のスペクトルであった 詳細な解析の結果 黒髪より得られた炭化物に特徴的な Raman スペクトルは 黒髪色素のメラニン由来であることが判明した 黒髪 中のメラニンの存在量は微量であるが 共鳴 Raman 効果によって 黒髪の主 Raman スペクトルとなっている 7,8) このように Raman スペクトルには 各種増強効果が寄与する場合があり また 蛍光や発光スペクトルも重畳する これら要因により 目的とする物質の定性分析が困難となり 誤解析に陥り易い また Raman スペクトルによる定量分析においては これら要因とともに 有色試料の場合には 試料による光の自己吸収の要因についても検討する必要がある 試料が照射光および散乱光を吸収する場合には 試料濃度によって測定深さが変動する このような場合 光吸収のない波長領域を選択しなければならないので 可視光励起の Raman スペクトルでは 有色試料の定量分析は困難となる 近年急速に普及した FTIR/Raman 分析は 簡便でスペクトル取得が容易であるが 得られるスペクトルから目的とする真の情報を得るためには 注意すべき点が多々ある FTIR/Raman スペクトルは 光の量子的性質と物質の相互作用によって得られる振動スペクトルから化学情報を取得し解析する訳であるが 振動スペクトル以外の情報がスペクトルに重畳する 特に FTIR スペクトルにおいては 光の透過 反射 屈折 回折において 光は波として振る舞うとともにスペクトルにも影響を与える そのため 振動スペクトル以外の情報を振動スペクトルとして解析してしまうことがある このため 目的に適った適切な IR スペクトルを得るためには 試料と入射光媒質の光学特性を十分に考慮した測定手法と測定条件の選択が必要となる また 解析においても 市販の解析ソフトのみに頼るのでなく 測定系の光学特性を十分に考慮した考察が重要である 文献 1) 近藤重雄 フーリエ変換赤外分光法 学会出版センター 平石次郎編 (1985)p106-107. 2) 長谷川健著 スペクトル定量分析 講談社サイエンティフィック (2005)p139. 3) P.R. Griffiths, J.A. de Haseth, Fourier Transform Infrared Spectroscopy, Wiley Interscience(1986). 4) 宮下喜好 第 18 回高分子分析討論会講演予稿集 (2013)Ⅰ-19. 5) 宮下喜好 FTIR TALK LETTER,Vol.17(2013)p2-6. 6) 宮下喜好 IR 分析テクニック事例集 技術情報協会 (2013). 7) 宮下喜好 高分子の劣化 変色メカニズムとその対策および評価法 ( 株 )R&D 支援センター (2014)4 章 5 節. 8) 宮下喜好 実験者 / 試験検査員の誤ったデータの取扱い 試験誤操作防止策 技術情報協会 (2014)14 章 9 節. 9) 宮下喜好 製品中に含まれる ( 超 ) 微量成分 不純物の同定 定量ノウハウ 技術情報協会 (2014)9 章 2 節.