報告書の利用についての注意 免責事項 本報告書は 日本貿易振興機構 ( ジェトロ ) ニューデリー事務所が現地会計事務所 KPMG に作成委託し 2016 年 11 月に入手した情報に基づくものであり その後の法律改正などに よって変わる場合があります 掲載した情報 コメントは作成委託先の判断による

Similar documents
報告書の利用についての注意 免責事項本報告書は 日本貿易振興機構 ( ジェトロ ) 大連事務所が現地法律事務所 上海里格 ( 大 連 ) 法律事務所に作成委託し 20 年 2 月 22 日時点で入手した情報に基づくものであり その後の法律改正などによって変わる場合があります 掲載した情報 コメントは

対イラン制裁解除合意履行日以降に非米国企業 が留意すべきコンプライアンス要件 2016 年 11 月 日本貿易振興機構 ( ジェトロ ) ドバイ事務所 ビジネス展開支援部ビジネス展開支援課

UAE における雇用差止 ビザ発給停止処分 2017 年 1 月日本貿易振興機構 ( ジェトロ ) ドバイ事務所ビジネス展開支援部ビジネス展開支援課

本報告書の利用についての注意 免責事項 本報告書は 日本貿易振興機構 ( ジェトロ ) カイロ事務所が現地情報提供 協力先のベーカー & マッケンジー外国法事務弁護士事務所 / 東京青山 青木 狛法律事務所 ( 外国法共同事業 ) 外国法事務弁護士伊藤 ( 荒井 ) 三奈氏に作成委託し 2012 年

本報告書の利用についての注意 免責事項 本報告書は 日本貿易振興機構 ( ジェトロ ) ニューデリー事務所が現地会計事務所 KPMG に作成委託し 2017 年 3 月に入手した情報に基づくものであり その後の法律改正などによって変わる場合があります 掲載した情報 コメントは作成委託先の判断によるも

インド SVB の概要と関連者からの輸入における留意点 (2019 年 2 月 ) 日本貿易振興機構 ( ジェトロ ) チェンナイ事務所ビジネス展開支援部 ビジネス展開支援課

報告書の利用についての注意 免責事項 本報告書は 日本貿易振興機構 ( ジェトロ ) ドバイ事務所が現地法律コンサルティング事務所 Clyde & Co LLP に作成委託し 2017 年 1 月に入手した情報に基づくものであり その後の法律改正などによって変わる場合があります 掲載した情報 コメン

目次 1. シンガポール法人の清算手続の種類 株主による自発的清算手続 (Members Voluntary Winding Up) のポイント... 1 (1) 必要条件... 1 (2) 清算準備... 1 (3) 清算手続の流れ Striking Off のポイ

報告書の利用についての注意 免責事項本報告書は 日本貿易振興機構 ( ジェトロ ) ジャカルタ事務所が現地会計コンサルティング会社朝日ネットワークスインドネシアに作成委託し 2016 年 3 月に入手した情報に基づくものであり その後の法律改正などによって変わる場合があります 掲載した情報 コメント

報告書の利用についての注意 免責事項本報告書は 日本貿易振興機構 ( ジェトロ ) ニューデリー事務所が現地 KPMG に作成委託 し 2018 年 7 月に入手した情報に基づくものであり その後の法律改正などによって変わる場 合があります 掲載した情報 コメントは作成委託先の判断によるものですが

目次 1. はじめに 労働の免除並びに労働しない場合の報酬について 経済的補助 産休からの復帰... 1 (1) 雇用契約から逸脱した雇用... 2 (2) 賃金の改定... 2 (3) 職種に関する変更... 2 (4) 労働時間に関する変更 -パー

< インド法務情報 > 土地取得前に確認すべき法的諸注意点 2012 年 1 月 独立行政法人日本貿易振興機構 ( ジェトロ ) Copyright 2012 JETRO. All rights reserved. 禁無断転載

特別レポート 年 5 月号 ドバイ アブダビ シャルジャにおける 住宅および店舗など商業施設の家賃高騰問題への対応 2014 年 5 月 独立行政法人日本貿易振興機構 ( ジェトロ ) ドバイ事務所 進出企業支援 知的財産部進出企業支援課

アラブ首長国連邦 (UAE) の労働法 - 雇用契約の法的強制力 ほか 2012 年 6 月 独立行政法人日本貿易振興機構 ( ジェトロ ) Copyright 2012 JETRO & Herbert Smith Freehills LLP. All rights reserved. 禁無断転載

2. 制度の概要 この制度は 非上場株式等の相続税 贈与税の納税猶予制度 とは異なり 自社株式に相当する出資持分の承継の取り扱いではなく 医療法人の出資者等が出資持分を放棄した場合に係る税負担を最終的に免除することにより 持分なし医療法人 に移行を促進する制度です 具体的には 持分なし医療法人 への

有限責任会社 (LLC) の上場の可否と対応方法 ( サウジアラビア証券取引所 における株式の上場の概要を含む ) 日本貿易振興機構 ( ジェトロ ) 調査時点 2010 年 2 月 10 日 1. 有限責任会社の上場 (1) 有限責任会社の上場の可否と対応方法 サウジアラビア ( 以下 サウジ と

目次 1. 中国における商業秘密の定義およびその要件について 商業秘密保護について 商業秘密保護の具体的な管理方法について 法的責任... 4

Giới thiệu tóm tắt CÔNG TY CỔ PHẦN PHÁT TRIỂN ĐẦU TƯ CÔNG NGHỆ - FPT TRUNG TÂM GIẢI PHÁP PHẦN MỀM FPT SOFTWARE SOLUTIONS

2. 改正の趣旨 背景 (1) 問題となっていたケース < 親族図 > 前提条件 1. 父 母 ( 死亡 ) 父の財産 :50 億円 ( すべて現金 ) 財産は 父 子 孫の順に相続する ( 各相続時の法定相続人は 1 名 ) 2. 子 子の妻 ( 死亡 ) 父及び子の相続における相次相続控除は考慮

目次 1. 日本 インド社会保障協定 ( 仮称 ) の実質合意 一般的租税回避防止規定 (GENERAL ANTI AVOIDANCE RULE-GAAR) 導入の 1 年延期 個人所得税確定申告時の国外資産情報報告義務の新設 FOREIGN TRAD

公共債の税金について Q 公共債の利子に対する税金はどのようになっていますか? 平成 28 年 1 月 1 日以後に個人のお客様が支払いを受ける国債や地方債などの特定公社債 ( 注 1) の利子については 申告分離課税の対象となります なお 利子の支払いを受ける際に源泉徴収 ( 注 2) された税金

公共債の税金について Q 公共債の利子に対する税金はどのようになっていますか? 平成 28 年 1 月 1 日以後に個人のお客様が支払いを受ける国債や地方債などの特定公社債 ( 注 1) の利子については 申告分離課税の対象となります なお 利子の支払いを受ける際に源泉徴収 ( 注 2) された税金

海外財産の相続 : 事例研究 ~ 米国の財産の相続手続き ( 第 4 回 ) 三輪壮一氏三菱 UFJ 信託銀行株式会社リテール受託業務部海外相続相談グループ米国税理士 これまで 海外に財産を保有する場合の 海外相続リスク の存在 特にプロベイト手続き等の相続手続きの煩雑さについて 米国の例を基に説明

Microsoft Word - News_Letter_Tax-Vol.43.docx

Microsoft PowerPoint - 【事前配布】論点(都道府県).pptx

第68回税理士試験 消費税法 模範解答(理論)

Microsoft Word - 本文.docx

PYT & Associates Attorney at law

目次 1. 法人税上の貸倒償却とは 財務省令第 186 号 ,000 バーツを超える債権の貸倒償却 ,000 バーツ以下の債権 ,000 バーツ以下 ( 金融業 ) または 100,000 バーツ以下 ( 一般会社法人

て 次に掲げる要件が定められているものに限る 以下この条において 特定新株予約権等 という ) を当該契約に従つて行使することにより当該特定新株予約権等に係る株式の取得をした場合には 当該株式の取得に係る経済的利益については 所得税を課さない ただし 当該取締役等又は権利承継相続人 ( 以下この項及

チャイナアラート(中国速報)- 第6回, 2012年4月-増値税ゼロ税率課税役務の税金免除、控除及び還付の管理弁法の公布について

報告書の利用についての注意 免責事項本報告書は 日本貿易振興機構 ( ジェトロ ) ドバイ事務所がリテイン契約に基づき現地法律コンサルティング事務所 Clyde & Co LLP から提供を受けた情報に基づくものであり その後の法律改正などによって変わる場合があります 掲載した情報 コメントは筆者の

Microsoft Word - 最新版租特法.docx

はじめに 会社の経営には 様々な判断が必要です そのなかには 税金に関連することも多いでしょう 間違った判断をしてしまった結果 受けられるはずの特例が受けられなかった 本来より多額の税金を支払うことになってしまった という事態になり 場合によっては 会社の経営に大きな影響を及ぼすこともあります また

間の初日以後 3 年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間 6 高額特定資産を取得した場合の納税義務の免除の特例事業者 ( 免税事業者を除く ) が簡易課税制度の適用を受けない課税期間中に国内における高額特定資産の課税仕入れ又は高額特定資産に該当する課税貨物の保税地域からの引取り ( 以下 高

「恒久的施設」(PE)から除外する独立代理人の要件

また 税務局は VAT 還付に対して非協力的な姿勢なため 理不尽な理由で還付を認めないことや 還付を認めたにもかかわらず送金までに時間を要することもあるため 資金繰りを考える際には慎重に時間を見積もることをお勧めする なお 還付手続に係る労力や還付が否認されるリスクを勘案すると 控除しきれない仕入

土地建物等の譲渡損失は 同じ年の他の土地建物等の譲渡益から差し引くことができます 差し引き後に残った譲渡益については 下記の < 計算式 2> の計算を行います なお 譲渡益から引ききれずに残ってしまった譲渡損失は 原則として 土地建物等の譲渡所得以外のその年の所得から差し引くこと ( 損益通算 )

6 課税上の取扱い日本の居住者又は日本法人である投資主及び投資法人に関する課税上の一般的な取扱いは 下記のとおりです なお 税法等の改正 税務当局等による解釈 運用の変更により 以下の内容は変更されることがあります また 個々の投資主の固有の事情によっては異なる取扱いが行われることがあります (1)

[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

3. 改正の内容 法人税における収益認識等について 収益認識時の価額及び収益の認識時期について法令上明確化される 返品調整引当金制度及び延払基準 ( 長期割賦販売等 ) が廃止となる 内容改正前改正後 収益認識時の価額をそれぞれ以下とする ( 資産の販売若しくは譲渡時の価額 ) 原則として資産の引渡

本報告書の利用についての注意 免責事項 本報告書は 日本貿易振興機構 ( ジェトロ ) モスクワ事務所が現地法律事務所 GOLTSBLAT BLP に作成委託し 2016 年 2 月に入手した情報に基づくものであり その後の法律改正などによって変わる場合があります 掲載した情報 コメントは作成委託先

( 外国 ) 同上 ケース ( ) 相続人が取得した全 2 財産に対して課税 ( 外国 ) 国内財産に対しての み課税 ケース ( ) 相続人が取得した全 3 財産に対して課税 ( 外国 ) 同上 ( 平成 25 年度税制改正より ) ケース ( ) 被相続人 相続人いず 4 れも 5 年超居住の場

(2) 源泉分離課税制度源泉分離課税制度とは 他の所得と全く分離して 所得を支払う者 ( 銀行 証券会社等 ) がその所得の支払の際に 一定の税率で所得税を源泉徴収し それだけで所得税の納税が完結するものです 1 対象となる所得代表的なものとして 預金等の利子所得 定期積金の給付補てん金等があります

上場株式等の配当等に対する課税

上場株式等の譲渡益に係る課税 上場株式等の税金について 上場株式等の譲渡益に係る税率は以下の通りです 平成 25 年 1 月 1 日 ~ 平成 25 年 12 月 31 日 平成 26 年 1 月 1 日 ~ 平成 49 年 12 月 31 日 平成 50 年 1 月 1 日 ~ % (

税が課税される所得を生み出す事業活動に使われているか否かを基準に損金算入規制を設けていると考えられます 株式などの出資の取得のために資金を使った場合, 株式から生じる配当やキャピタルゲインは資本参加免税により非課税となります このケースでは, オランダでの課税所得を生じないことが想定されるため, 出

第14回貿易・投資等ワーキング・グループ 資料1

報告書の利用についての注意 免責事項本報告書は 日本貿易振興機構 ( ジェトロ ) ドバイ事務所がリテイン契約に基づき現地法律コンサルティング事務所 Clyde & Co LLP から提供を受けた情報に基づくものであり その後の法律改正などによって変わる場合があります 掲載した情報 コメントは筆者の

Q1 市県民税 ( 住民税 ) とはどんな税金ですか? A1 その年の1 月 1 日現在 市内に住所がある個人に対し 前年中の所得 ( 給与 年金 営業 不動産 譲渡などの所得 ) に応じて課税されます また その年の1 月 1 日現在市内に住所がなくても 市内に事務所 事業所又は家屋敷があれば課税

新規文書1

日本版スクーク ( イスラム債 ) に係る税制措置 Q&A 金融庁

税法実務コース 海外勤務者と外国人の出国 入国 滞在時の国際税務 学習スケジュール 回数学習テーマ内容 第 1 回 第 2 回 第 3 回 第 1 章 第 2 章 第 3 章 第 4 章 第 5 章 第 6 章 第 7 章 第 8 章 テーマ 1 居住者 非居住者判定テーマ 2 課税範囲についてテー

この特例は居住期間が短期間でも その家屋がその人の日常の生活状況などから 生活の本拠として居住しているものであれば適用が受けられます ただし 次のような場合には 適用はありません 1 居住用財産の特例の適用を受けるためのみの目的で入居した場合 2 自己の居住用家屋の新築期間中や改築期間中だけの仮住い

Slide 1

平成 22 年 4 月 1 日現在の法令等に準拠 UP!Consulting Up Newsletter 無対価での会社分割 バックナンバーは 当事務所のホームページで参照できます 1

デロイト・トゥシュ・トーマツ北京事務所

1. dia


iii. 源泉徴収選択口座への受入れ源泉徴収ありを選択した特定口座 ( 以下 源泉徴収選択口座 といいます ) が開設されている金融商品取引業者等 ( 証券会社等 ) に対して 源泉徴収選択口座内配当等受入開始届出書 を提出することにより 上場株式等の配当等を源泉徴収選択口座に受け入れることができま

「経済政策論(後期)《運営方法と予定表(1997、三井)

Microsoft Word - パイオニア 株式取扱規則H doc

公募株式投資信託の解約請求および償還時

[2] 財務上の影響 自己株式を 取得 した場合には 通常の有価証券の Ⅰ. 株主資本 ように資産に計上することはせず 株主との間の資本取 1. 資本金 引と考え その取得原価をもって純資産の部の株主資本 2. 資本剰余金 (1) 資本準備金 から控除します そのため 貸借対照表上の表示は金額 (2

はじめに 個人情報保護法への対策を支援いたします!! 2005 年 4 月 個人情報保護法 全面施行致しました 個人情報が漏洩した場合の管理 責任について民事での損害賠償請求や行政処分などのリスクを追う可能性がござい ます 個人情報を取り扱う企業は いち早く法律への対応が必要になります コラボレーシ

本報告書の利用についての注意 免責事項本報告書は 日本貿易振興機構 ( ジェトロ ) ドバイ事務所が現地の国際会計コンサルティング事務所 Deloitte LLP に作成を委託し 2014 年 3 月時点で入手している情報に基づき取りまとめたものであり その後の法制度改正等によって記載内容が変わる場

IFRS基礎講座 IAS第12号 法人所得税

株主間契約書 投資事業有限責任組合 ( 以下 A という ) 投資事業有限責任組合 ( 以下 B という ) 投資事業有限責任組合 ( 以下 C といいい A B C を総称し 投資者 といい 個別に 各投資者 という ) と 以下 D という ) と ( 以下 D という ) ( 以下 E といい

務の返済が不可能になった状態 と定義されている 商事裁判所法では以下の 3 種類の破産が規定されている 真実の破産 (real bankruptcy): 一般的に健全な経営をしており 正式な帳簿を作成し 浪費をしていなかったが 資産に明白な損失が生じた場合 怠慢による破産 (bankruptcy b

株式取扱規則

IFRS基礎講座 IAS第11号/18号 収益

タイ財務省 (Ministry of Finance) は 2015 年 5 月 1 日付の官報にて勅令 (Royal Decree) No. 586, 587 を公布しました これは 国際地域統括本部 (International Headquarters IHQ ) 及び国際貿易センター (In

第11 源泉徴収票及び支払調書の提出

証券総合取引および口座開設に関する確認書兼確約書(2017年3月31日改定版)

文書管理番号

株式等の譲渡(特定口座の譲渡損失と配当所得等の損益通算及び翌年以後への繰越し)編

平成29年 住宅リフォーム税制の手引き 本編_概要

Microsoft Word - 資料6-1 個人住民税の特別徴収に係るQ&A(事業者向け)

プルータスセミナー 新株予約権の税務について 株式会社プルータス コンサルティング 平成 18 年 12 月 7 日

【問】適格現物分配に係る会計処理と税務処理の相違

1: とは 居住者の配偶者でその居住者と生計を一にするもの ( 青色事業専従者等に該当する者を除く ) のうち 合計所得金額 ( 2) が 38 万円以下である者 2: 合計所得金額とは 総所得金額 ( 3) と分離短期譲渡所得 分離長期譲渡所得 申告分離課税の上場株式等に係る配当所得の金額 申告分

相続税の大増税に備える! 不動産による最新節税対策

目次 Ⅰ. はじめに... 1 Ⅱ. 清算手続の流れ... 1 Ⅲ. 清算手続の開始... 1 Ⅳ. 督促状による債務の確定... 2 Ⅴ. 裁判所から債務者への通知... 2 Ⅵ. 清算手続の終了... 2 Ⅶ. 清算手続の延期... 3 本報告書の利用についての注意 免責事項 本資料は ジェトロ

日本基準でいう 法人税等 に相当するものです 繰延税金負債 将来加算一時差異に関連して将来の期に課される税額をいいます 繰延税金資産 将来減算一時差異 税務上の欠損金の繰越し 税額控除の繰越し に関連して将来の期に 回収されることとなる税額をいいます 一時差異 ある資産または負債の財政状態計算書上の

「経済政策論(後期)」運営方法と予定表(1997、三井)

「経済政策論(後期)《運営方法と予定表(1997、三井)

e. 未成年者に係る少額上場株式等の非課税口座制度 ( ジュニア NISA) 未成年者に係る少額上場株式等の非課税口座制度に基づき 証券会社等の金融商品取引業者等に開設した未成年者口座において設定した非課税管理勘定に管理されている上場株式等 ( 平成 28 年 4 月 1 日から平成 35 年 12

Microsoft Word - ③(様式26号)特別徴収実施確認・開始誓約書

< F2D947A957A8E9197BF F81408ED DE092638AD6>

本報告書の利用についての注意 免責事項 本報告書は 日本貿易振興機構 ( ジェトロ ) ドバイ事務所がリテイン契約に基づき現地法律コンサルティング事務所 Clyde & Co LLP から提供を受けた 2013 年 7 月 31 日時点の情報に基づくものであり その後の法律改正などによって変わる場合

報告書の利用についての注意 免責事項本報告書は 日本貿易振興機構 ( ジェトロ ) ドバイ事務所がリテイン契約に基づき現地法律事務所 Clyde & Co LLP に作成委託し 2014 年 8 月に入手した情報に基づくものであり その後の法律改正などによって変わる場合があります 掲載した情報 コメ

その他資本剰余金の処分による配当を受けた株主の

自己株式の消却の会計 税務処理 1. 会社法上の取り扱い取得した自己株式を消却するには 取締役会設置会社の場合は取締役会決議が必要となります ( 会 178) 取締役会決議では 消却する自己株式数を 種類株式発行会社では自己株式の種類及び種類ごとの数を決定する必要があります 自己株式を消却しても 会

10 解説 p1 ⑵⑶ ⑷ 11

チリ会社設立の概要 2019 年 3 月日本貿易振興機構 ( ジェトロ ) サンティアゴ事務所海外調査部米州課

Ⅱ 現地法人 外国人投資促進法による外国人投資企業 ( 現地法人 ) 設立の際 手続きの流れは次の通りとなる ( 図表 2-2) ここでは 株式会社としての現地法人設立手続きを説明する 主な手続きは 産業通商資源部の受託機関 (KOTRA または外国為替銀行 ) への外国人投資申告や裁判所への設立登

< F2D93C192E894F A8893AE91A E7B8D7397DF>

CONTENTS 第 1 章法人税における純資産の部の取扱い Q1-1 法人税における純資産の部の区分... 2 Q1-2 純資産の部の区分 ( 法人税と会計の違い )... 4 Q1-3 別表調整... 7 Q1-4 資本金等の額についての政令の規定 Q1-5 利益積立金額についての政

( 注 ) 役務の提供を受ける者の本店又は主たる事務所が日本にあれば課税 ということですので 国内に本店がある法人の海外支店に対して インターネットを介してソフトウェア等を提供した場合は 提供者が国内 国外いずれの事業者であっても国内取引に該当し消費税が課税されます ( 国税庁作成の 国境を越えた役

Taro-町耐震改修助成要綱 j

Transcription:

インドにおける LLP (Limited Liability Partnership 有限責任事業組合 ) 概略 (2016 年 11 月 ) 日本貿易振興機構 ( ジェトロ ) ニューデリー事務所 ビジネス展開支援部 ビジネス展開支援課

報告書の利用についての注意 免責事項 本報告書は 日本貿易振興機構 ( ジェトロ ) ニューデリー事務所が現地会計事務所 KPMG に作成委託し 2016 年 11 月に入手した情報に基づくものであり その後の法律改正などに よって変わる場合があります 掲載した情報 コメントは作成委託先の判断によるものですが 一般的な情報 解釈がこのとおりであることを保証するものではありません また 本稿は あくまでも参考情報の提供を目的としており 法的助言を構成するものではなく 法的助言と して依拠すべきものではありません 本稿にてご提供する情報に基づいて行為をされる場合に は 必ず個別の事案に沿った具体的な法的助言を別途お求めください ジェトロおよび KPMG は 本報告書の記載内容に関して生じた直接的 間接的 派生的 特別の 付随的 あるいは懲罰的損害および利益の喪失については それが契約 不法行為 無過失責任 あるいはその他の原因に基づき生じたか否かにかかわらず 一切の責任を負いません これは たとえジェトロおよび KPMG が係る損害の可能性を知らされていても同様とします 報告書に係る問い合わせ先 : 日本貿易振興機構 ( ジェトロ ) ビジネス展開支援部 ビジネス展開支援課 E-mail : BDA@jetro.go.jp ジェトロ ニューデリー事務所 E-mail :IND@jetro.ge.jp

目次 1. はじめに... 1 2. 設立手続き... 1 3. 税制 監査... 3 4. 利益の分配... 3 5. 株式会社から LLP への組織変更... 3

インドにおける LLP (Limited Liability Partnership 有限責任事業組合 ) 概略 1. はじめに 2013 年新会社法 (Companies Act, 2013) の実質的な施行開始から既に 2 年が経過した 新会社法施行により インド企業のガバナンスは強化されたが 一方で 小規模な組織や 機動的で柔軟な経営を行いたい組織においては新会社法の規則は厳しすぎるというケースもある そのような場合 LLP(Limited Liability Partnership 有限責任事業組合の略称 ) の設立も検討する価値がある インドにおける LLP は 2008 年 LLP 法に基づいて設立され 組織運営は同法に従うこととなっている LLP は利害関係者に対する責任が出資額に限定される 株式会社同様の有限責任制度の特色を有する一方で 利益分配比率を出資比率に比例させず 出資者内部での合意で決定できるなどの柔軟さも兼ね備えている また 2013 年新会社法で定められている 取締役会の開催義務などが LLP 法にはないなど 株式会社に課されるよりも簡易なコンプライアンスが認められている ただし 外資規制については株式会社と完全に同一には緩和されていないため 注意が必要である 具体的には 外貨による輸出入取引が少なく インド国内で完結するビジネスを予定する場合には選択肢の一つとして検討する価値がある 以下 日系企業に関連すると思われる LLP の概略について解説する 2. 設立手続き LLP の設立は企業登記局の管轄である インド国外からの出資については原則として 政府および FIPB(Foreign Investment Promotion Board) の事前承認が必要となる ただし 制度緩和により FDI 規制 (Foreign Direct Investment, 外国直接投資に関する規制 ) において自動承認ルートで 100% 出資が認められているセクターおよび活動 かつ 設立後も FDI がビジネスに直接関係しない業態の場合については 政府からの事前承認を得ることなく 外国直接投資を行うことができるよう緩和された 政府および FIPB 承認が得られた場合 および自動承認ルートの対象となる場合の手続きは以下のとおりである 1 指定社員の任命 Designated Partner と呼ばれる指定社員を任命するには 最低 2 人の自然人が指定社員として必要である 株式会社の居住取締役制度と同様 指定社員のうち 1 人は前年に 182 日以上 1

インドに居住していたと認められるインド居住者の要件を満たしていなければならない 法人も指定社員となることができる 2 指定社員デジタル番号 (DPIN) の取得 指定社員が既にほかの株式会社等の取締役として Director s Identification Number 通称 DIN と呼ばれる取締役デジタル番号を有している場合には DPIN の代わりに DIN を使うこともできる 3 デジタル署名証明書の申請 Digital signature と呼ばれるデジタル署名証明書を申請する デジタル署名は確定申告時にも使用される 4 会社登記局への商号 (LLP 法人名 ) の申請 株式会社同様 類似の名称を有する ほかの組織との混同を防ぐため 商号申請書を提出し 商号申請の許可を得る 商号には Limited Liability Partnership または LLP を末尾につけなければならない 5 設立に関する届けおよび引受人の文書の提出 商号が認可された後 設立に関する届けおよび引受人の文書を提出する 引受人とは LLP の設立時に出資を行うことを宣言した者を示す総称であり 具体的には指定社員 ( 自然人および法人 ) 通常の社員などが含まれる 届けの提出は会社登記局の e ファイリングのシステムを通して行う 6 LLP 設立登録 設立に関する届け 引受人の文書等の提出書類が承認されると 事前に告知してあった E メールアドレスに通知が届き LLP 設立となる その後 30 日以内に e ファイリングのシステムを通して LLP 合意書を Form3 と呼ばれる書類とともに提出する LLP 合意書が海外で作成された場合には 公証およびアポスティーユの取得が必要となる LLP 合意書には社員の権利と義務が規定され LLP 法で定められていない社内事項について明文化する趣旨で規定することもできる 2

出資については 有形資産 無形資産 動産 不動産を問わず行うことができる また 過去に提供した役務や今後提供予定の役務 ノウハウやテクノロジーなどの便益等も出資対象となる 出資に際しては インド勅許会計士等からの公正な第三者評価を受けなければならないものもある 出資額はインド中央銀行への報告義務がある 3. 税制 監査 出資元の国を問わず インドで設立された LLP は インド法人税法上の現地法人として扱われるため LLP が獲得した全世界所得に対して法人税が課される 基本税率は 30% であるが 教育目的税や高所得法人への追加税金 ( サーチャージ ) 等が課されるため 毎年の改訂に注意が必要である なお 株式会社に課される最低代替税 (Minimum Alternate Tax) は課税対象外であるが 最低代替税と類似する Alternate Minimum Tax と呼ばれる税金が調整後利益に課される 監査については 原則としてインド勅許会計士からの年次監査証明が必要とされる 例外として 出資額が 250 万ルピーを超えない場合 あるいは年間売り上げが 400 万ルピーを超えない場合には 監査義務が免除されている 4. 利益の分配 LLP の最大の特徴の一つといわれるのが 出資額と比例しない柔軟な利益の分配と Dividend Distribution Tax と呼ばれる配当分配税がかからないことである 配当分配税とは 配当のうち配当支払側のインド法人に一定率の税金 (2016 年 11 月時点基本税率 15%) が課され 一方で受取側のインド内国法人へは課税されないという税制度である なお 利益の分配を受けた自然人は 個人所得税法に基づいて納税 申告の義務がある 利益の分配を受けたインド国外の自然人及び法人は 居住国の税制に従って二重課税となるケースもあるため 外国税額控除の適用可否についても検討が必要である 5. 株式会社から LLP への組織変更 LLP 法では 株式会社から LLP への組織変更が認められている その場合は取締役会や株主総会での同意が必須であることに加え 資産の引き継ぎや 旧株主が新 LLP の社員になること などの各種要件が定められている さらに 一定の要件を満たさないと キャピタルゲインの課税対象となる可能性があるため慎重な検討が必要である 3