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はなおなか
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1 安藤建設技術研究所報 Vol.0 00 鉄筋コンクリート梁部材におけるカットオフ筋の付着割裂性状に関する研究学位請求論文の概要田畑卓 * Study on ond Slitting Proerties of Cut-off ars in Reinfored Conrete eams Summary of thes for a degree y Taku TT strat This aer disusses the ond slitting roerties of reinfored onrete eams. The study investigated the effet of fundamental fators for eam memers in a two-undled-ars arrangement and in a doule-layer arrangement, the hange in ond slitting roerties ung the ut-off method. The ond restane mehanism was examined ased on exeriment results, the ond slitting strength equation for ut-off ars, in onderation of hange in stress onditions with the ut-off method and ontinuity with a ngle-layer arrangement memer. 要旨本論文は, 鉄筋コンクリート造建物における梁部材の付着割裂性状について研究したものである本論文では, 本束ね配筋および段配筋された梁部材について基礎的因子の及ぼす影響を定量的に検討するとともに, 主筋のカットオフに係わる付着割裂性状の変化を実験的に調べ, その付着抵抗機構を考察した考察の結果に基づき, カットオフによる応力状態の変化, 並びに段配筋部材との連続性を考慮した付着割裂強度式を提案したキーワード : 付着割裂性状 / カットオフ / 束ね配筋 / 段配筋 / 付着割裂強度第一章序論鉄筋コンクリート構造は, 鉄筋とコンクリートとが一体となって外力に抵抗する複合構造であり, 従って, 曲げモーメントやせん断力の外力に対して所要の性能を如何なく発揮するためには, コンクリートと鉄筋との間に十分な付着応力が確保されている必要がある鉄筋コンクリート部材の付着割裂性状に関する研究は,9 年の十勝沖地震に鑑みた実験研究を契機としてこれまで数多く行われているなかでも付着割裂強度は部材の構造性能に大きく影響するためこれを精度良く評価できることが重要であり, 現在までにも多くの影響因子を考慮した実験結果を概ね良く推定できる付着割裂強度式が幾つか提案されるに至っている一方, 地震力を受ける梁部材では, スパン中央部よりも材端部に大きい曲げモーメントが作用することが多いこれらに対しては配筋合理化の観点から, 作用曲げモーメントに応じて材端部からの主筋量をスパン中央部で減じる, いわゆるカットオフが一般的に良く利用されているこの場合, 特にカットオフされた主筋では鉄筋長さの減少に伴って作用付着応力が増大することになるため, 付着割裂破壊に対する十分な配慮が必要であるしかしながら, カッ * 技術研究所構造グループ

2 安藤建設技術研究所報 Vol.0 00 トオフ部材においては, カットオフされた鉄筋と通し配筋された鉄筋とで必ずしも作用付着応力が等しくならない性質があるが, 既往の研究の多くは各主筋にほぼ等量の付着応力が作用する場合の付着割裂性状を対象としており, このような同一断面に作用付着応力の異なる鉄筋が混在する場合の付着割裂性状は不明な点が多い昨今, 鉄筋コンクリート造建物の要求性能の高度化, 多様化に伴い, 梁部材では限られた断面に多くの主筋を必要とすることが少なくないこのことは, 所要の主筋を段配筋で収めるのが困難な場合, 束ね配筋や段配筋として主筋間のあきを確保する方法が考えられるしかし, これまで段配筋部材の付着割裂性状については数多くの研究成果が蓄積されているものの, 束ね配筋部材や段配筋部材については付着割裂性状を検討した既往の研究が極めて限られているのが現状である本論文は, 鉄筋コンクリート造梁部材の付着割裂性状について, 断面内の主筋配置を本束ね配筋および段配筋とした場合に着目するとともに, 材軸方向の主筋配置としてカットオフの及ぼす影響を明らかとし, 既往の段配筋部材に関する研究成果との関連性を考慮しながら, これらを合理的に評価できる付着割裂強度式を提案することを目的としたものであるなお, 本論文では主筋降伏以前の付着割裂破壊 ( サイドスプリットを対象としている第一章では, 序論として研究の背景と現状における問題点を指摘し, 既往の研究を概観した上で本研究の位置づけを図るとともに, 研究の目的と内容を示した本論文は以上の研究成果をまとめたもので, 全六章より構成されている第二章本束ね配筋部材の付着割裂性状第二章では本束ね配筋部材の基礎的な付着割裂性状を把握するため, 全主筋がスパン内に通し配筋される場合を対象に曲げせん断実験を行っている束ね配筋は一組の鉄筋を相互に密着させることが原則であり, その付着特性はこれまで主に有効周長の取り扱いの観点から検討が行われてきた束ね鉄筋を等価断面の太径鉄筋とみなして付着設計する手法はこれらの研究に基づいたものであるしかしながら, 異形鉄筋の付着機構は鉄筋表面の節とコンクリートとの噛み合い作用に依存するため, 本来, 付着性能を検討する上では付着割裂破壊を前提とすべきであり, 有効周長からこれを論じることは適切でない束ね鉄筋の付着割裂強度の評価にあたっては特に束ね形状を含めた断面内の鉄筋配置を適切に評価することが重要といえる付着割裂性状に影響を及ぼす因子はこのほか, コンクリート強度や横補強筋比, 横補強筋の配筋形状などが指摘されているこのようなことから, 本実験では束ね形状として, 図に示すような相互の主筋を断面幅方向に束ねた, および断面せい方向に束ねた縦束ねを取り上げているそれぞれ対しては横補強筋比および中子筋の有無を実験因子としたものである図に部材としての平均付着割裂強度と横補強筋比の関係を示す同一横補強筋比の場合にあっては, 断面外周にのみ横補強筋を配した場合に比べ中子筋を併用した場合の方が付着割裂強度は高く中子筋の効果が認められたまた, と縦束ねにおいて横補強筋の配筋形式縦束ねカットオフ筋通し筋 CL 通し筋 CL 通し筋無補強中子筋なし中子筋あり w= 0% w= 0.~.% w= 0.~.% 図実験要因 ( 模式図 L y L y T 通し筋 T T カットオフ筋鉄筋応力分布カットオフ筋通し筋 T T 通し筋通し筋鉄筋応力分布通し筋通し筋付着応力分布付着応力分布図カットオフ部材と通し配筋部材 τ u.ave (N/mm τ u.ave = 0.9 w +. 中子筋なし中子筋あり図 τ u.ave (N/mm 縦束ね τ u.ave =. w +. 中子筋なし中子筋あり平均付着割裂強度と横補強筋比の関係

3 鉄筋コンクリート梁部材におけるカットオフ筋の付着割裂性状に関する研究は, 他の条件が等しい場合, 縦束ねがを上回る付着割裂強度を発揮したこのことは従来慣用的に用いられている組の束ね鉄筋を等価断面積の太径鉄筋に置換する方法は, 付着割裂強度を必ずしも適切に評価し得ないことを示唆しているまた破壊性状について検討した結果, では全主筋がほぼ一様に付着割裂破壊を生じるのに対して, 縦束ねでは断面せい方向外側の主筋よりも内側の主筋の付着割裂破壊が支配的であることが認められた図は個別主筋の付着割裂強度と横補強筋比の関係である中子筋の有無の影響に関して, では束ねられた主筋相互の付着割裂強度はほぼ同じであり, これを横補強筋の隅角にある場合と横補強筋の辺上にある場合の種類に分類できること, 縦束 τ u (N/mm 式 ( τ u (N/mm 表通し配筋された個別主筋の付着割裂強度 < 横補強筋の隅角にある主筋 > ここで : 横補強筋比 ( q < 横補強筋の辺上にある主筋 > ( q < 縦束ねの断面せい方向内側主筋 > ( q N' d = N d τ : 付着割裂強度 (N/mm u τ = λ w u τ = λ u τ = λ u N: ' 一列に並ぶ主筋本数 ( 本 ( : N' = N k: 横補強筋応力の差異を表す係数 ( : k = 縦束ね : k = λ : 水平上端筋の強度低減係数 ( 水平上端筋 : λ = 0. + d : 主筋径 (mm : 断面幅寸法 (mm : コンクリート強度 (N/mm N: 束ね鉄筋組数 ( 組 q st 縦束ね : N' = N st st st w = k N d...(...(...( 00 (N/mm.0 式 ( 式 (.0.0 式 ( (a < 上段 : 断面幅方向外側鉄筋下段 : 断面幅方向内側鉄筋 >.0 式 (.0.0 式 ( 式 ( 式 ( τ u (N/mm τ u (N/mm τ u (N/mm ( 縦束ね < 上段 : 断面せい方向外側鉄筋下段 : 断面せい方向内側鉄筋 > 図個別主筋の付着割裂強度の定量化 τ u (N/mm τ u (N/mm τ u (N/mm ねでは断面せい方向外側の主筋と内側の主筋とで性状が異なり, 外側の主筋ではと同様の分類が可能であるが, 内側の主筋では横補強筋の掛かり方による影響を受けないことを示したまた, 付着割裂強度時の横補強筋応力は, に対して縦束ねで倍程度となり, 束ね形状による影響が大きいことを示した以上の結果から, 全主筋が通し配筋される場合を対象に, 表の通り個別主筋の付着割裂強度を定量化したこれらの定量化にあたっては, について鉄筋相互が接することによる影響を無視し, 既往の段配筋部材に関する研究成果を適用することで実験値と良好な適合性を示した縦束ねでは式中, コンクリートの拘束効果を表す尺度, および横補強筋の拘束効果を表す尺度 q st について, との相対的な差異を考慮したものである第三章段配筋部材の付着割裂性状第三章では, 段配筋部材について基礎的な付着割裂性状を把握するために行った曲げせん断実験の結果を考察している第二章で取り扱った本束ね配筋のうち, 断面せい方向に主筋を束ねた縦束ねは, 鉄筋配置に関して上下に主筋が接する段配筋と見なすことができるそこで, 本章では縦束ねとの類似性に着目しながら,

4 安藤建設技術研究所報 Vol.0 00 段配筋部材の付着割裂性状を検討している段配筋梁の付着割裂破壊の検定は従来, 段目主筋と段目主筋を独立に扱えるものと考えて, 段配筋部材の研究成果をそのまま準用する形で行われてきたが, 近年の研究成果より, これらの評価方法は必ずしも十分といえず, 特に段目主筋に対しては付着割裂強度を過大評価してしまう危険性が指摘されているしかしながら, 現状では段目主筋の付着割裂性状を定量的に検討した研究は極めて少ない特に実際の段配筋部材では通常, 段目の主筋本数が段目と同数以上となるが, 既往の研究では段目主筋の付着割裂破壊を生じさせる意図から, 段目に対して段目の主筋本数を低減して実験を行っている場合が多いことが挙げられるまた, 中子筋の有無などの横補強筋の配筋形式の違いは, 付着割裂強度を支配するつの大きな要因と考えられるが, 段配筋部材に対するその影響については研究が少なく不明な点が多いこのようなことから, 本章では段目に段目と同本数以上の主筋を有する段配筋梁を対象に, 段目主筋本数, 横補強筋の配筋形式および横補強筋比を変動因子とする実験を行った図に各主筋の付着応力度と荷重の関係を示す図より, 各試験部では段目に段目と同本数以上の主筋を配しているにも拘わらず, 付着割裂破壊は全て段目主筋で生じていることがわかる断面せい方向内側の主筋で付着割裂破壊が先行する性状は第二章の縦束ねと同様の傾向であった付着応力度 τ (N/mm /S- ( 段目主筋荷重 P(kN 付着応力度 τ (N/mm /S-0 ( 段目主筋荷重 P(kN 図付着応力度 τ (N/mm 付着応力度 τ (N/mm /S- ( 段目主筋 /S-0 ( 段目主筋荷重 P(kN 荷重 P(kN 段目主筋と段目主筋の付着応力度の推移.0.0 /Sタイプ (N =.0.0 /Sタイプ (N =.0.0 /Sタイプ (N = /Sタイプ (n w = /Wタイプ (n w =.0.0 /Tタイプ (n w = w (%.0 w (% τ u (N/mm a 横補強筋の配筋形式による比較 (n w ; 組の横補強筋足数図段目主筋の付着割裂強度と横補強筋比の関係 wu (N/mm 外周補強筋中子筋内側補強筋図は段目主筋の付着割裂強度と横補強筋比の関係である横補強筋比に対しては, 付着割裂強度は w =.9% の高補強域までほぼ直線的に増大している一方, 横補強筋を外周補強筋のみとした /S タイプと中子筋を併用した /W タイプでは付着割裂強度は同程度であり, 第二章における縦束ねの断面せい方向内側主筋と同様の性状が認められたさらに /T タイプは /W タイプに対して段目に直接掛かる横補強筋を配したものであるが, この場合, 段目主筋の付着割裂強度は段目主筋高さの横補強筋比 ( w に依存することが明らかとなった図に付着割裂強度時の横補強筋応力度を示す横補強筋応力度は各試験部で概ね等しく, 横補強筋の配筋形式や段目主筋の影響がみられなかった以上の実験結果によれば, 段配筋と縦束ねとでは定性的な付着割裂性状に共通する点が認められるそこで次に, 第二章で定量化した縦束ね ( 断面せい方向内側主筋の付着割裂強度より, 第三章の実験で得た段目主筋の付着割裂強度の評価を試みた図に実験値と計算値の対応を示す実験値と計算値は良好に対応しており, 段目主筋は縦束ねの内側主筋と見なして付着割裂強度を評価できる可能性が示唆された τ u (N/mm 段目主筋本数による比較 (N ; 段目主筋本数 /S-0 /S-09 /S- /W-09 /W- /W- /W-9 /T-0 /T- /S-0 /S-0 /S-09 /S- /S-0 /S-0 /S-09 図付着割裂強度時の横補強筋応力度

5 鉄筋コンクリート梁部材におけるカットオフ筋の付着割裂性状に関する研究図実験値 τ u (N/mm m =. ν=.% /S タイプ /W タイプ /T タイプ /S タイプ /S タイプ計算値 τ al (N/mm 0 第二章の定量化に基づく段目主筋の付着割裂強度の評価第四章カットオフを用いた梁部材の付着割裂性状第四章では本束ね配筋部材および段配筋部材について, 一部の主筋をカットオフした場合の付着割裂性状を実験的に調べるとともに, 通し筋の作用付着応力の影響を考慮したカットオフ筋の付着割裂強度式の提案を行っている第二章および第三章は, クリアスパン内に全主筋が通し配筋された場合を対象として, 断面内の主筋配置や横補強筋比, 中子筋の有無などの横補強筋の配筋形式が付着割裂性状に及ぼす影響を検討したものであるカットオフ部材の付着割裂性状を定量的に把握するためには, これらの要因に加えて更にカットオフにより生じる材軸方向の主筋応力分布の変化, すなわち, カットオフ筋と通し筋とに作用する付着応力の違いが及ぼす影響を明らかにする必要がある本章では通し筋のカットオフ筋に対する作用付着応力の比率を付着応力比 γ と定義し, 本束ね配筋と段配筋とについてそれぞれ, 付着応力比を水準 (γ.0,0.,0 に変化させた実験を行ったここで, 本論においては本束ね配筋部材について一組のうち断面内側 ( では断面幅方向, 縦束ねでは断面せい方向に位置する主筋を, 段配筋部材では断面せい方向内側の段目主筋をカットオフした場合を対象としている図 9に試験体断面を示す図 0 にカットオフ筋の付着割裂強度と横補強筋 : カットオフ筋 : 通し筋縦束ね段配筋段通し筋の作用付着応力 γ γ =0. = カットオフ筋の作用付着応力 =0. : 付着応力比の理論値 =. ( 断面曲げ解析による (N/mm (N/mm 0 0. w (% 比の関係を示すこれより, カットオフ筋の付着割裂強度は横補強筋比と共に増大するが, 同一横補強筋比では付着応力比 γの大きい場合ほど低下することが明らかとなったこのことはカットオフ筋の付着割裂強度は通し配筋部材のそれに比べて増大することを示しているそこで, 次にカットオフ筋の付着割裂強度に及ぼす付着応力比の影響を検討するため, 歪み測定値より横補強筋による主筋拘束応力度を算出し, 付着機構に係わる主筋周りの応力状態を考察した付着機構図 0 主筋拘束応力度 ( = w w s N d =0.9 =0. =.00 w (% w: 横補強筋断面積 w: 横補強筋応力 s: 横補強筋間隔 N,d: 主筋本数および主筋径 9 (N/mm 縦束ねカットオフ筋の付着割裂強度と横補強筋比の関係主筋拘束応力度 (. カットオフ筋 =0. =0. =.0 主筋拘束応力.= (+γ.: カットオフ筋に対する主筋拘束応力度 γ: 付着応力比 w (% 作用付着応力の比率に応じて分配通し筋図 9 試験体断面 ( 模式図付着応力比による主筋拘束応力の分配

6 安藤建設技術研究所報 Vol.0 00 付着応力度と主筋拘束応力度の関係を調べた結果, 横補強筋による主筋拘束応力は図に示すごとく, 各主筋に平均的に作用するのではなく, 作用付着応力の比率に応じて通し筋とカットオフ筋とに分配されると考えることにより, カットオフ筋の付着応力度と主筋拘束応力度とは良好な相関関係を示すことが明らかとなった図は付着応力比による分配を考慮して求めた主筋拘束応力度とカットオフ筋の付着割裂強度の関係である両者の関係は付着応力比によらずほぼ一つの直線上に分布していることがわかるまた図中に示した回帰直線の傾きは主筋とコンクリートの摩擦係数に相当するが, 各主筋配置でほぼ一致しており, 付着割裂強度に及ぼす付着応力比の影響は, 主筋配置によらず同一に扱えることが認められた従って, カットオフ筋の付着割裂強度が付着応力比によって変化する性状は, 図に示すように, コンクリートおよび横補強筋による主筋拘束応力が付着応力比に依存する形でカットオフ筋と通し筋とに分配されることに起因したものと判断できる一方, 第二章で定量化した付着割裂強度は各主筋に平均的に付着応力度が作用する場合を対象としたものであり, 同図中では付着応力比 γ=.0 の場合に相当すると考えることができる以上の考えに基づき, 表に示すカットオフ筋の付着割裂強度式を提案した本提案式は, 第二章で定量化した付着割裂強度に付着応力比の影響を取り入れたものであり, その構成はコンクリート負担コンクリートおよび横補強筋による拘束応力の分配率図 < > τ u. 表 = λ 0. 通し筋 γ/(+γ カットオフ筋 /(+γ 第二章の実験付着応力比 γ 付着応力比と主筋拘束応力の関係カットオフ筋の付着割裂強度式.N N = λ N < 縦束ね段配筋 > ( q +. N ( N N τ u. = λ st ここで N' d w = qst = k ( + γ N d ( + γ N d τ u. : カットオフ筋の付着割裂強度 (N/mm N: ' 当該付着割裂面に並ぶ主筋本数 ( 本 ( : N' = N + Nt 縦束ね : N' = N N, N: t カットオフ筋および通し筋本数 ( 本 Nw : 横補強筋の隅角にあるカットオフ筋本数 ( 本 γ: 付着応力比特記のない記号は表に準ずる w w qst w qst (N/mm = 0. stu (N/mm 縦束ね = 0. stu. +. =.00 =.0 =0. =0. =0.9 =0. u. (N/mm u. (N/mm 分に関する尺度と, 横補強筋負担分に関する尺度 q st の中にそれぞれ主筋拘束応力の分配を表す係数 (+γ を考慮したものである図からも推察できるように, 本提案式では全ての主筋が通し配筋された場合についても連続的に付着割裂強度を評価できる点が特徴となっている (N/mm 段 = 0. stu. +. =. =0. =0. u. (N/mm 0 図カットオフ筋の付着割裂強度と主筋拘束応力度の関係第五章カットオフ筋の付着割裂強度式による評価第五章では本論に示した実験結果および既往の実験結果より, 提案したカットオフ筋の付着割裂強度式の適合性を検証している図は本論に示した実験結果と提案式による計算値の対応である提案式は縦束ねを幾分安全側に評価する傾向を示しているが, 各配筋形式では横補強筋比や中子筋の有無, 付着応力比などの実験因子

7 鉄筋コンクリート梁部材におけるカットオフ筋の付着割裂性状に関する研究 0 0 実験値 (N/mm n = 体 m =.0 ν= 0.% 図 HS ( 章 HW ( 章 H-H( 章 H-M( 章 H-L( 章計算値 (N/mm 0 実験値 (N/mm 実験値 (N/mm 段配筋 n = 体 m =. ν=.% 段配筋 n = 体 m =.0 ν=.% / ( 章 / ( 章 / ( 章 DO-H( 章 DO-M( 章 DO-L( 章計算値 (N/mm 実験値 (N/mm 縦束ね n = 体 m =. ν= 0.% 提案式と本実験結果の対応文献文献 9 文献計算値 (N/mm 0 0 VS ( 章 VW ( 章 V-H( 章 V-M( 章 V-L( 章計算値 (N/mm < 縦束ね > コンクリート強度 : =.~9.N/mm 横補強筋比 : w =0~.% 付着応力比 : γ=0~.9 < 段配筋 > コンクリート強度 : =.~9.N/mm 横補強筋比 : w =0~.9% 付着応力比 : γ=0.~. 9 実験値 (N/mm 段配筋 n = 体 m =.9 ν=.0% 無補強中子筋なし中子筋あり計算値 (N/mm 9 第六章結論第六章では, 本研究の結論として, 各章の結果と考察に基づいて得られた研究成果を総括し, さらに今後の研究課題について言及している本研究では本束ね配筋部材および段配筋部材の付着割裂性状, さらにこれらの部材において一部の主筋をカットオフした場合の付着割裂性状を明らかとし, その付着割裂強度式を提案した提案した付着割裂強度式は通し筋とカットオフ筋の作用付着応力の違いによる影響を考慮したものであり, カットオフを用いた場合のみならず全ての主筋がスパン内に通し配筋された場合についても適用可能であるよって, これらの成果は鉄筋コンクリート梁の付着設計に対して有益な知見になるものと考えられる謝辞本報は平成年月に日本大学に受理された学位請求論文の概要を技術研究所報のために再編したものであります本論文は, 著者が安藤建設 ( 株技術研究所で実施したテーマ, および社会人大学院生として日本大学生産工学研究科建築工学専攻博士後期課程に在籍中に行った研究成果を纏めたものでありますここに関係諸氏に感謝の意を表します < 段配筋 > コンクリート強度 : =.9~.N/mm 横補強筋比 : w =0~.% 付着応力比 : γ=0~. < 段配筋 > ( 0N/mm を除いて図示コンクリート強度 : =.~0N/mm 横補強筋比 : w =0~.% 図提案式と既往の実験結果の対応による適合性のばらつきや偏りは生じていない図に既往の実験結果と提案式による計算値の対応を示す本論においては段配筋部材を直接的に取り扱っていないものの, 第二章で述べたとおり, 提案式は既往の段配筋部材を対象とした研究成果に基づくこのようなことから提案式の適合性の検証は段配筋部材と併せて段配筋部材に対しても行ったなお, 段配筋部材に関する既往の実験結果は付着応力比が 0~. 程度の範囲であり, 実用的な範囲はほぼ網羅しているまた, 段配筋部材に関する実験結果はいずれも通し配筋部材を想定したものである検討結果によれば, 提案式はコンクリート強度が 0N/mm 程度以上の実験結果に対しては適合性に課題があるが, 多くの実験結果と良好な適合性を示すことが認められた

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技術基準改訂による付着検討・付着割裂破壊検討の取り扱いについてわかりやすく解説

技術基準改訂による付着検討・付着割裂破壊検討の取り扱いについてわかりやすく解説技術基準改訂による付着検討付着割裂破壊検討の取り扱いについてわかりやすく解説 2016 年 6 月株式会社構造ソフトはじめに 2015 年に建築物の構造関係技術基準解説書 ( 以下技術基準と表記 ) が2007 年版から改訂されて付着検討および付着割裂破壊検討に関して 2007 年版と2015 年版では記載に差がみられお客様から様々な質問が寄せられていますここでは付着検討や付着割裂破壊検討に関して