医療・介護関連肺炎 (nursing and healthcare-associated pneumonia)

Size: px
Start display at page:

Download "医療・介護関連肺炎 (nursing and healthcare-associated pneumonia)"

Transcription

1 モーニングセミナー 肺炎診療について 高松赤十字病院 六車博昭

2 死因別にみた死亡率の年次推移 悪性新生物 脳血管疾患 心疾患 肺炎 不慮の事故自殺 肝疾患結核

3 肺炎は老人の友

4 成人肺炎診療ガイドライン 2017 フローチャート

5 成人肺炎診療ガイドライン 2017 フローチャート

6 肺炎の分類 ( 発症の場所による分類 ) 市中肺炎 (Community-aquired pneumonia:cap) 病院外で日常生活をしている人に発症する肺炎 院内肺炎 (Hospital-aquired pneumonia:hap) 入院 48 時間以上経過した患者に新たに出現した肺炎 医療 介護関連肺炎 (nursing and healthcare-associated pneumonia:nhcap) 医療ケアや介護を受けている人に発症する肺炎 下記の定義項目を 1 つ以上満たす 1 療養病棟に入院もしくは介護施設に入所している 2 90 日以内に病院を退院した 3 介護を必要とする高齢者 身体障害者 4 通院で断続的に血管内治療 ( 透析 抗菌薬 化学療法 免疫抑制薬等 ) を受けている

7 市中肺炎 (CAP) 治療の場と治療薬の決定 1 敗血症の有無の診断 2 重症度の判断 軽症 ~ 中等症 中等症 ~ 重症 敗血症 重症 ~ 超重症 外来 一般病棟入院 ICUまたはこれに準 ずる病室へ入院 外来患者群治療 一般病棟入院患者群治療 ICU 入室患者群治療

8 敗血症の定義 感染症に対する制御不能な宿主反応に起因した生命を脅かす臓器障害 まず quick SOFA(qSOFA) スコアが 2 点以上あれば敗血症が疑われる 臓器障害の評価を行って SOFA スコアがベースラインから 2 点以上増加すれば敗血症と診断される

9 敗血症および敗血症性ショックの診断のフローチャート qsofa スコア 1) 呼吸数 22 回 / 分以上 2) 意識変容 3) 収縮期血圧 100mmHg 以下

10 SOFA スコア 呼吸器 PaO2/FiO2(mmHg) 凝固能血小板数 肝臓ビリルビン (mg/dl) 循環器 0 点 1 点 2 点 3 点 4 点 >=400 <400 <300 <200 + 呼吸補助 <100 + 呼吸補助 >=15 万 <15 万 <10 万 <5 万 <2 万 < ~ ~ ~11.9 >12 MAP>=70mmHg MAP<70mmHg DOA<5 or DOB DOA 5.1~15 or Ad <=0.1 or NOA<=0.1 DOA>15 or Ad>0.1 or NOA >0.1 中枢神経 Glasgow Coma Scale 15 13~14 10~12 6~9 <6 腎臓クレアチニン (mg/dl) 尿量 (ml/ 日 ) < ~ ~ ~4.9 <500 >5.0 <200 DOA; ドパミン DOB; ドブタミン Ad; アドレナリン NOA; ノルアドレナリン

11 重症度分類 :A-DROP A(Age): 男性 70 歳以上 女性 75 歳以上 D(Dehydration): BUN 21mg/dl または脱水あり R(Respiration): SpO2 90% 以下 O(Orientation): 意識障害 P(Blood Pressure): 収縮期血圧 90mmHg 以下 0 項目 : 軽症 外来治療 1-2 項目 : 中等症 外来または入院治療 3 項目 : 重症 入院治療 4-5 項目 : 超重症 ICU 入院 ただしショックがあれば 1 項目でも超重症

12 エンピリック治療 いわゆる初期治療 起因菌が判明するまでの治療 主な原因菌の統計的頻度 予後 宿主の背景などの一般的な情報を基に決定される 標的治療 分離菌に対応した治療

13 CAP のエンピリック治療抗菌薬 外来患者群内服薬 β- ラクタマーゼ阻害薬配合ペニシリン系薬 マクロライド系薬 *1 レスピラトリーキノロン *2*3 注射薬 CTRX LVFX *3 AZM 一般病棟入院患者群注射薬 ABPC/SBT CTRX or CTX LVFX *3 * 非定型肺炎が疑われる場合 MINO LVFX *3 AZM 集中治療室入院患者群注射薬 A 法 : カルバペネム系薬 or TAZ/PIPC B 法 + :SBT/ABPC or CTRX or CTX C 法 :A or B 法 +AZM D 法 ;A or B 法 +LVFX *3 E 法 :A or B or C or D 法 + 抗 MRSA 薬 *4 *1 非定型肺炎が疑われる場合 *2 慢性の呼吸器疾患がある場合には第一選択 *3 結核に対する抗菌力を有しており 使用に関しては結核の有無を慎重に判断する *4 MRSA 肺炎のリスクが高い患者で選択する + 緑膿菌を考慮しない場合

14 外来治療の場合 ( 内服薬 ) 第一選択薬アモキシシリン ( 高用量が望ましい ) 第二選択薬 入院治療の場合 ( 注射薬 ) 第一選択薬 第二選択薬 第三選択薬 第四選択薬 肺炎球菌 レスピラトリーキノロン ( ガレノキサシン モキシフロキサシン レボフロキサシン シタフロキサシン トスフロキサシン ) ペニシリン系薬 ( アンピシリン ベンジルペニシリン ) セフトリアキソン 第四世代セフェム系 ( セフォゾプラン セフェピム セフピロム ) カルバペネム系 ( パニペネム ベタミプロン メロペネム ドリペネム ビアペネム イミペネム シラスタチン )

15 外来治療の場合 ( 内服薬 ) 第一選択薬 入院治療の場合 ( 注射薬 ) 第一選択薬 第二選択薬 第三選択薬 インフルエンザ菌 β ラクタマーゼ阻害薬配合ペニシリン系薬 ( スルタミシリン アモキシシリン クラブラン酸 ) レスピラトリーキノロン ( ガレノキサシン モキシフロキサシン レボフロキサシン シタフロキサシン トスフロキサシン ) スルバクタム アンピシリン 第三世代セフェム系薬 ( セフトリアキソン セフォタキシム ) タゾバクタム ピペラシリン ニューキノロン系薬 ( レボフロキサシン シプロフロキサシン パズフロキサシン )

16 外来治療の場合 ( 内服薬 ) 第一選択薬 第二選択薬 入院治療の場合 ( 注射薬 ) 第一選択薬 第二選択薬 第三選択薬 クレブシエラ属 β ラクタマーゼ阻害薬配合ペニシリン系薬 ( スルタミシリン アモキシシリン クラブラン酸 ) レスピラトリーキノロン ( シタフロキサシン ガレノキサシン モキシフロキサシン レボフロキサシン トスフロキサシン ) 第二 三世代セフェム系薬 ( セフォチアム セフトリアキソン セフォタキシム ) スルバクタム アンピシリン タゾバクタム アンピシリン ニューキノロン系薬 ( レボフロキサシン シプロフロキサシン パズフロキサシン )

17 外来治療の場合 ( 内服薬 ) 第一選択薬 第二選択薬 入院治療の場合 ( 注射薬 ) 第一選択薬 第二選択薬 マイコプラズマ マクロライド系薬 ( クラリスロマイシン アジスロマイシン エリスロマイシン ) ミノサイクリン レスピラトリーキノロン ( ガレノキサシン モキシフロキサシン レボフロキサシン シタフロキサシン トスフロキサシン ) ミノサイクリン マクロライド系薬 ( アジスロマイシン エリスロマイシン ) ニューキノロン系薬 ( レボフロキサシン シプロフロキサシン パズフロキサシン )

18 入院治療の場合 ( 注射薬 ) 第一選択薬 レジオネラ ニューキノロン系薬 ( レボフロキサシン シプロフロキサシン パズフロキサシン ) アジスロマイシン 重症の場合 ; ニューキノロン系薬 + アジスロマイシン

19 肺炎クラミジア オウム病クラミジア 外来治療の場合 ( 内服薬 ) 第一選択薬 第二選択薬 第三選択薬 ミノサイクリン 入院治療の場合 ( 注射薬 ) 第一選択薬 第二選択薬 第三選択薬 マクロライド系薬 ( クラリスロマイシン アジスロマイシン ) レスピラトリーキノロン ( ガレノキサシン モキシフロキサシン レボフロキサシン シタフロキサシン トスフロキサシン ) ミノサイクリン アジスロマイシン レボフロキサシン

20 メチシリン感受性黄色ブドウ球菌 外来治療の場合 ( 内服薬 ) 第一選択薬 第二選択薬 入院治療の場合 ( 注射薬 ) 第一選択薬 第二選択薬 β ラクタマーゼ阻害薬配合ペニシリン系薬 ( スルタミシリン アモキシシリン クラブラン酸 ) マクロライド系薬 ( クラリスロマイシン アジスロマイシン ) スルバクタム アンピシリン セファゾリン ミノサイクリン クリンダマイシン

21 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 外来治療の場合 ( 内服薬 ) 第一選択薬リネゾリド入院治療の場合 ( 注射薬 ) 第一選択薬バンコマイシン テイコプラニン リネゾリド第二選択薬アルベカシン

22 連鎖球菌 外来治療の場合 ( 内服薬 ) 第一選択薬 第二選択薬 第三選択薬 入院治療の場合 ( 注射薬 ) アモキシシリン アジスロマイシン β ラクタマーゼ阻害薬配合ペニシリン系薬 ( スルタミシリン アモキシシリン クラブラン酸 ) レスピラトリーキノロン ( ガレノキサシン モキシフロキサシン シタフロキサシン トスフロキサシン ) 第一選択薬ペニシリン系薬 ( アンピシリン ペニシリン G) アジスロマイシン 第二選択薬 スルバクタム アンピシリン タゾバクタム ピペラシリン

23 外来治療の場合 ( 内服薬 ) 第一選択薬 第二選択薬 第三選択薬 入院治療の場合 ( 注射薬 ) 第一選択薬 第二選択薬 第三選択薬 モラキセラ カタラーリス β ラクタマーゼ阻害薬配合ペニシリン系薬 ( スルタミシリン アモキシシリン クラブラン酸 ) マクロライド系薬 ( クラリスロマイシン アジスロマイシン ) レスピラトリーキノロン ( ガレノキサシン モキシフロキサシン レボフロキサシン シタフロキサシン トスフロキサシン ) スルバクタム アンピシリン 第二 三世代セフェム系薬 ( セフォチアム セフトリアキソン セフォタキシム ) ニューキノロン系薬 ( レボフロキサシン しプロフロキサシン パズフロキサシン )

24 外来治療の場合 ( 内服薬 ) 第一選択薬 第二選択薬 入院治療の場合 ( 注射薬 ) 第一選択薬 第二選択薬 嫌気性菌 β ラクタマーゼ阻害薬配合ペニシリン系薬 ( スルタミシリン アモキシシリン クラブラン酸 ) レスピラトリーキノロン ( シタフロキサシン ガレノキサシン モキシフロキサシン ) スルバクタム アンピシリン メトロニダゾール クリンダマイシン

25 外来治療の場合 ( 内服薬 ) 第一選択薬 入院治療の場合 ( 注射薬 ) 第一選択薬 第二選択薬 第三選択薬 第四選択薬 緑膿菌 ニューキノロン系薬 ( シタフロキサシン シプロフロキサシン レボフロキサシン ) ピペラシリン タゾバクタム ピペラシリン 第三 四世代セフェム系 ( セフタジジム セフェピム セフォゾプラン ) ニューキノロン系薬 ( シプロフロキサシン パズフロキサシン レボフロキサシン ) カルバペネム系 ( メロペネム ドリペネム ビアペネム )

26 非定型肺炎 非定型肺炎とは マイコプラズマやクラミドフィラ ( クラミジア ) などの 主として非細菌性微生物によって引き起こされる肺炎であり 乾性咳嗽が強く ペニシリン セフェム カルバペネム系抗生剤が無効という臨床上の特徴を持つ 非定型肺炎と細菌性肺炎を鑑別する必要がある

27 細菌性肺炎と非定型肺炎の鑑別 1 年齢 60 歳未満 2 基礎疾患がない あるいは軽微 3 頑固な咳がある 4 胸部聴診上所見が乏しい 5 痰がない あるいは迅速診断で原因菌が証明されない 6 末梢血白血球が 10000/ul 未満である 1~5の項目の5 項目中 3 項目以上陽性 非定型肺炎疑い 2 項目以下陽性 細菌性肺炎疑い この場合の非定型肺炎の感度は84%, 特異度は87% 1~6の項目の6 項目中 4 項目以上陽性 非定型肺炎疑い 3 項目以下陽性 細菌性肺炎疑い この場合の非定型肺炎の感度は78% 特異度は93%

28 軽症 ~ 中等症 CAP のエンピリック治療で 考慮するポイント 1. 肺炎球菌を考慮した抗菌薬を選択する 2. 非定型肺炎では β ラクタム系薬単剤は選択しない 3. 抗菌薬の選択に関しては非定型病原体をカバーする抗菌薬治療を提案する 4. 細菌性肺炎が疑われる場合には β ラクタム薬単独投与を考慮する 5. レスピラトリーキノロンが最適であるが 使用に関して結核の有無を考慮する 6. β ラクタム薬とマクロライド系薬の併用は重症例を除き有効性は証明されていない 7. マクロライド耐性肺炎マイコプラズマやマクロライド耐性肺炎球菌に対してもマクロライド系抗菌薬の有効性が示されている 8. ニューキノロン耐性肺炎球菌 ニューキノロン耐性インフルエンザ菌は増加していない

29 レスピラトリーキノロン系薬 マイコプラズマやクラミドフィラ ( クラミジア ) などの非定型病原体に加えて細菌性肺炎の起因菌として最も高頻度である肺炎球菌にも有効なニューキノロン系薬

30 肺炎患者を診たら 必ず結核の可能性を考える キノロン系薬を使用する場合 必ず結核のリスクアセスメントを行う

31 有症状結核患者の診断の遅れ ( 初診から診断に 1 カ月以上 ) の割合は 21.5% 発見の遅れ ( 発症から診断に 3 カ月以上 ) の割合は 20.4% に上る ( 厚生労働省 平成 27 年結核登録者情報調査年報集計結果について ) 結核患者にキノロン系抗菌薬を単独投与した場合 一時的に症状は良くなるが 結核を治癒されることはできない この間に結核診断が遅れる あるいは不適切治療に伴う薬剤耐性の誘導が起きるリスクが上昇する

32 日本では結核診断前にキノロン系抗菌薬使用率は 41% との報告もある 結核診断前にキノロン系抗菌薬が死亡リスクを 1.82 倍上昇されるとの米国の報告もある (Int J Tuberc Lung Dis 2012;16: ) レスピラトリーキノロンのなかでトスフロキサシン ( トスキサシン R オゼックス R ) は抗結核菌作用がない

33 原因微生物と検査法

34 国内 9 研究 ( 市中肺炎 3077 症例 ) 上位 10 病原微生物 *1 MSSA MRSA を区別している 201 株のメタアナリシスでは MRSA は 28.4% であった *2 Micro-IF 法による診断率 (2 論文 ) 28/922=3.0%, ELISA 法による診断率 (5 論文 )71/2011=3.5%

35 日本の (N)HCAP 検出菌 ( 各研究の平均と 95% 信頼区間 )

36 日本の HAP 検出菌 ( 各研究の平均と 95% 信頼区間 )

37 原因微生物の推定の参考となる情報 インフルエンザ流行期間 大酒家 糖尿病 温泉旅行 循環式浴槽大酒家 脳血管障害 変性疾患 肺炎が家族や集団で流行している 鳥類との接触 肺炎球菌 インフルエンザ桿菌黄色ブドウ球菌 クレブシエラ レジオネラ 誤嚥性肺炎 マイコプラズマ クラミドフィラ オーム病 家畜や妊娠している猫との接触 Q 熱コクシエラ 慢性気管支炎 気管支拡張症 インフルエンザ菌 緑膿菌

38 尿中肺炎球菌抗原 微生物検査 インフルエンザ迅速検査 ( 流行時 ) 尿中レジオネラ抗原 ( 必要に応じて ) 外来 喀痰検査 ( 塗沫 培養検査 ); 一般細菌 抗酸菌検査抗生剤投与前がよい 喀出痰の培養結果は 必ずしも原因菌を意味するものではない ( 喀痰採取時に口腔内の常在菌や気道の定着菌が混入するため ) 血液培養可能であれば 2 セット以上 入院時 血清検査マイコプラズマ抗体 クラミジア抗体 βd グルカン ( 真菌検査 ) など

39 どうして血液培養は 2 セット必要なの? 1. 起炎菌の検出率が向上する 2. コンタミネーションと起炎菌の判断が ( ある程度 ) 容易となる

40 血液培養セット数と起因菌の検出率

41 血液量は血液培養の検出感度を最大化するための最大の重要な要素である

42 採血至適なタイミングは? 血液培養の採血は悪寒や発熱が認められたらできるだけ早く行う 発熱後時間が経てば経つほど微生物の検出率が低下する

43 肺炎の臨床経過 入院時 3 日目頃 1 診断臨床症状レントゲン (+CT) 採血喀痰検査尿中抗原 3 評価臨床所見 + 画像 + 採血改善あり改善なし 抗生剤変更を考える 2 治療抗生物質 ( 酸素 ) ( 補液 ) 肺炎と診断が確定すれば 抗生剤はできるだけ早く投与する (4 時間以内に投与 )

44 経過は良好なのか? CRP= 必ずしも重症度ではない 参考にはするが ベットサイドにおける肺炎の改善の指標 a. 体温 ( 解熱 ) b. 呼吸数の低下 c. 意識状態の改善 d. 咳嗽や喀痰の量 e. 酸素化の改善 (SpO2 ) など 炎症所見 (WBC, CRP) および胸部 X 線を早期薬効判定では評価しない

45 抗菌薬が効かなかった 初期治療不応時の鑑別診断 感染性因子 ;40~60% 非感染性因子 ;15~25%

46 非感染性因子 心不全 尿毒症 肺塞栓 急性間質性肺炎 ARDS 好酸球性肺炎 器質化肺炎 過敏性肺臓炎 薬剤性肺障害 肺胞出血 肺癌 リンパ増殖性疾患など

47 感染性因子 細菌側の要因 1. 抗菌薬がカバーしない範囲の病原体の関与ウイルス 真菌 抗酸菌 2. 一般病原体に由来する肺炎 (1) 非定型肺炎 (β ラクタム系薬無効 ) 肺炎マイコプラズマ レジオネラ クラミジア属 (2) 抗菌薬耐性菌 ;MRSA PRSP BLNAR, 緑膿菌 ESBL 産生菌 (3) 改善に時間がかかる病原体 ; ノカルジア属 放線菌 3. 日和見病原体等による入院後の二次感染 4. 重症感染症による急速な病状悪化敗血症性ショック 劇症型肺炎 ( 肺炎球菌 レジオネラなど )

48 感染性因子 宿主側の要因 1. 抗菌薬移行不良な病巣の形成膿胸 肺膿瘍 ブラ内感染 2. 肺外感染巣の形成心内膜炎 骨関節炎 カテーテル感染 脳髄膜炎 3. 気道ドレナージの障害中枢型肺癌 気道異物 反復性の誤嚥 去痰不全 慢性呼吸不全 4. 基礎疾患による全身免疫機能低下 HIV 免疫抑制薬投与 血液系悪性腫瘍 5. 医療機関受診の遅れによる重症化

49 感染性因子 薬剤側 医療側の要因 1. 抗生剤の不適切投与投与量不足 投与経路や回数が不適切 2. 治療介入開始の遅れによる重症化 3. 抗菌薬に由来する有害事象薬剤熱

50 成人肺炎診療ガイドライン 2017 フローチャート

51 HAP/NHCAP の診断 一般的な肺炎も症状は 発熱 咳嗽 喀痰 息切れ 胸痛などであるが 高齢者肺炎では 食欲不振 失禁 日常の活動性低下など典型的な呼吸器症状を呈さない場合がある 身体所見で呼吸数の増加や SpO2 低下に十分注意を払う必要がある

52 個人の意志や QOL を考慮した治療 ケア 最善の治療を行っても死が避けられない あるいはわずかに延命できたとしても本人の価値観に照らして よい日々だった といえる QOL が保持できないと判断される患者に起こった肺炎は 人工呼吸管理や広域抗生剤を用いた強力な肺炎治療ではなく 苦しみをとる緩和医療を優先して行う選択肢もあることを提示する 本人あるいは家族の意思を尊重し その意思に沿って肺炎治療の開始 不開始 選択する抗菌薬の種類を多職種によって構成された医療チームとして決定する

53 院内肺炎 (HAP) は I-ROAD を用いる 1. 生命予後予測因子 (I-ROAD) 1I (Immunodeficiency); 悪性腫瘍または免疫不全状態 2R (Respiration):SpO2>90% を維持するために FiO2>35% を要する 3O (Orientation): 意識レベル低下 4A (Age): 男性 70 歳以上 女性 75 歳以上 5D (Dehydration): 乏尿または脱水 3 項目以上が該当 2. 肺炎重症度規定因子 該当項目が 2 項目以下 1CRP>=20mg/dl 2 胸部 X 線画像陰影の拡がりが一側肺の 2/3 以上 該当なし 該当あり 軽症群 (A 群 ) 中等症群 (B 群 ) 重症群 (C 群 )

54 耐性菌のリスク因子

55 HAP/NHCAP のエンピリック治療方針

56 HAP/NHCAP のエンピリック治療抗菌薬 Escalation 治療敗血症 (-) で重症度が高くないかつ耐性菌リスク (-) De-escalation 単剤治療敗血症 (+) または重症度が高くないまたは耐性菌リスク (+) De-escalation 単剤治療敗血症 (+) または重症度が高いかつ耐性菌リスク (+) 内服薬 ( 外来治療が可能な場合 ) β- ラクタマーゼ阻害薬配合ペニシリン系薬 + マクロライド系薬レスピラトリーキノロン #1 注射薬 SBT/ABPC CTRX #2 CTX #2 非定型肺炎が疑われる LVFX #1 #2 注射薬 ( 単剤投与 ) TAZ/PIPC カルバペネム系薬第 4 世代セフェム系薬 #2 ニューキノロン系薬 #1 #2 注射薬 (2 剤併用投与 ただし β ラクタム系薬の併用は避ける ) TAZ/PIPC カルバペネム系薬第 4 世代セフェム系薬 #2 ニューキノロン系薬 #1 #2 アミノグリコシド系薬 #2 #3 MRSA 感染を疑う場合 #4 + 抗 MRSA 薬 #1 結核に対する抗菌力を有しており 使用に際しては結核の有無を慎重に判断する #2 嫌気性菌感染を疑う際には使用をされるか CLDM または MNZ を併用する #3 腎機能低下地や高齢者には推奨されない #4 以前に MRSA が分離された既往あり または過去 90 日以内に経静脈的抗菌薬の使用歴あり

57 Clinical Question 09 CAP 治療において 抗菌薬投与に全身投与ステロイド薬を補助療法として併用することは 抗菌薬のみでの治療よりも推奨されるか

58 肺炎治療におけるステロイドの役割 AIDS に合併したニューモシスチス肺炎では有効性が立証されている マイコプラズマ肺炎では多彩な免疫反応がみられ 一部に重症化するものがあり ステロイドが有効であった症例が報告されている

59 生存率に対するメタアナリシス ; サブ解析

60 入院期間に対するメタアナリシス

61 市中肺炎治療におけるステロイド薬併用の影響 生命予後には影響せず 肺炎治癒率を変えない 重症症例 入院例に限ると生命予後を有意に改善させる可能性がある 入院期間を 1 日短縮させる

62 Clinical Question 09 CAP 治療において 抗菌薬投与に全身投与ステロイド薬を補助療法として併用することは 抗菌薬のみでの治療よりも推奨されるか CAP に対して 抗菌薬治療に全身投与ステロイド薬を併用しないことを弱く推奨する ただし 重症 CAP に対しては全身投与ステロイド薬を併用することを弱く推奨する 下記のいずれかを 5~7 日間連日投与ヒドロコルチゾン 200~300mg/ 日プレドニゾロン / メチルプレドニゾロン 20~50mg/ 日メチルプレドニゾロン 1mg/kg/ 日

63 症例 ;77 歳 男性主訴 ; 咳 痰 食欲不振現病歴 ; 約 10 日前から咳 膿性痰が出現 3 日前より食欲不振も出現したため 当院を受診した 現症 : 体温 ;37.1 血圧 118/60 意識清明 SpO2 92% ( 室内空気 ) 胸部聴診 ; 右肺呼吸音減弱 湿性ラ音 検査所見 WBC 14000, CRP 18.4, UN 22.8, Cre 0.6 尿中肺炎球菌抗原 ; 陽性 尿中レジオネラ抗原 ; 陰性 抗マイコプラズマ抗体 ;40 倍未満 喀痰 ; 一般細菌 ;S. pneumoniae

64 初診時胸部レントゲン CT

65 入院時 退院時 ABPC/SBT 3g 3 回

66 症例 ;20 歳 女性主訴 ; 発熱 咳 痰現病歴 ;H23 年 6/7 頃から 38 台の発熱 咳 白色痰が出現 6/9 に当院受診 セフゾン処方されたが 症状改善しなかった 6/12 当院救急外来を受診 肺炎の診断で入院となった 食欲不振あり 現症 : 体温 ;39 血圧 126/70 意識清明 SpO2 95% ( 室内空気 ) 胸部聴診 ; ラ音なし 左背部呼吸音減弱 検査所見 WBC 6600, CRP 16.4, UN 6.8, Cre 0.7 尿中肺炎球菌抗原 ; 陰性 尿中レジオネラ抗原 ; 陰性 抗マイコプラズマ抗体 ;40 倍未満喀痰 ; 一般細菌 ; 常在菌 抗酸菌 ;G-0 号 結核 PCR; 陰性

67 入院時胸部レントゲン CT

68 細菌性肺炎と非定型肺炎の鑑別 1 年齢 60 歳未満 2 基礎疾患がない あるいは軽微 3 頑固な咳がある 4 胸部聴診上所見が乏しい 5 痰がない あるいは迅速診断で原因菌らしきものがない 6 末梢血白血球が 10000/ul 未満 1~6 項目 すべて満たす

69 治療前 MINO PZFX 治療後 マイコプラズマ抗体 ;40 倍未満 1280 倍

70 マイコプラズマ遺伝子検査 (LAMP 法 ) マイコプラズマ抗体 (PA) は抗体価の上昇まで 3~4 日を要し いったん感染して抗体が産生されると半年 ~1 年以上残存する 単一血清では 発症初期に抗体が陰性となるあるいは既往の感染により抗体が陽性となる等の可能性がある ペア血清は発症後すぐには確定診断ができない LAMP 法によるマイコプラズマ核酸検出は発症初期 (2~16 日目 ) に検出可能と報告されている LAMP 法では発症初期の抗体が検出されない時期でも診断が可能

71 症例 ;69 歳男性主訴 ; 発熱 食欲不振 咳喫煙歴 ;15 50 年現病歴 ; 数日前より発熱 食欲不振 咳が出現 近医を受診 右肺炎と診断され 同院入院治療を受けたが 改善みられず 翌日時間外に当院を紹介され 入院 現症 : 体温 38.9 BP148/82 P84 SpO2 96%( 酸素マスク 5L/ 分 ) 胸部 ; 右肺湿性ラ音 検査所見 WBC 6340(neut 92.2), ALP 785, AST 78, ALT 48, LDH 328, γgtp 155CRP 尿中レジオネラ抗原 (+) 尿中肺炎球菌抗原 (-)

72 初診時胸部レントゲン CT

73 入院時 LVFX 点滴治療 治療後

74 尿中レジオネラ抗原が陰性であれば レジオネラ肺炎を否定してもよいか? レジオネラ肺炎は急激に進行し重症化しやすく β ラクタム系抗菌薬が無効である 尿中レジオネラ抗原は簡便で 迅速に結果もでるため 有用性が高い レジオネラ ニューモフィリア血清型 1 以外の感度が低いため 陰性であってもレジオネラ肺炎を完全には否定できない

75 尿中レジオネラ抗原が陰性であれば レジオネラ肺炎を否定してもよいか? 発症直後の検体では抗原量が少なく 偽陰性になる場合がある ( 通常肺炎発症 1,2 日目から陽性となり 肺炎治癒後平均 6 週頃まで陽性となる ) レジオネラ肺炎が強く疑われるにもかかわらず尿中抗原が陰性の症例では一定の期間をおいて再度検査を行うことで診断できる場合もある 2011 年に保険適用となった LAMP 法では レジオネラ ニューモフィラ血清群 1 以外のレジオネラ属菌も検出できるので 尿中抗原陰性の場合の場合は有効である

76 症例 ;76 歳男性主訴 ; 発熱 食欲不振 咳喫煙歴 ; なし現病歴 ; 2017/3/2 頃より発熱 頭痛が出現 近医を受診 抗生剤処方されたが改善しなかった 3/7 同院再診され レントゲンで右肺炎と診断 外来で LVFX 点滴を受けたが 改善みられず 3/10 同日入院となった TAZ/PIPC MEPM+MINO 投与されたが 陰影さらに悪化 3/17 当科転院となった 現症 : 体温 38.0 BP148/82 P84 SpO2 96%( 室内空気 ) 胸部 ; ラ音なし検査所見 WBC 9520(neut 71.4), ALP 493, AST 58, ALT 102, LDH 172, γgtp 245, CRP 21.49, KL 尿中レジオネラ抗原 (-) 尿中肺炎球菌抗原 (-)

77 胸部 Xp( 当院初診時 )

78 胸部 CT( 当院初診時 ) 気管支鏡 生検 ; 器質化肺炎の部分像として矛 盾しないが 微小組織内の評価なの で他の検査所見や臨床経過などを合わせて総合的に検討してください

79 入院時 ステロイド開始 3 日後 治療 3 カ月後

80 症例 ;74 歳男性主訴 ; 胸部異常陰影喫煙歴 ; 40 本 / 日 13 年 40 年前に禁煙現病歴 ; 検診で胸部異常陰影を指摘されたため 当科を受診 現症 : 体温 36.6 BP148/82 P84 SpO2 97%( 室内空気 ) 胸部 ; ラ音なし検査所見 WBC 7210(neut 57.0), CRP 0.26, KL-6 270, CEA 8.8, シフラ 1.2, progrp 74.4

81 胸部 Xp( 当院初診時 )

82 胸部 CT( 当院初診時 ) 抗菌薬投与したが 陰影改善みられなかった 気管支鏡 生検 ; 肺腺癌と診断

83 PK/PD の理論 薬物動態 (PK) と薬力学 (PD) を組み合わせて 薬剤の有効性や安全性を評価する考えかたである 抗菌薬の臨床効果が最大限得られるように 最適な用法 用量を設定するための指標になる

84

85 PK/PD パラメーター

86 抗菌効果 濃度依存性殺菌作用と長い持続効果 (PAE) 時間依存性殺菌作用と短い持続効果 (PAE) 時間依存性殺菌作用と長い持続効果 (PAE) PK-PD パラメータと抗菌薬 PK/PD パラメーター Cmax/MIC %T>MIC AUC/MIC 抗菌薬 キノロン系薬アミノグリコシド系薬 カルバペネム系セフェム系薬モノバクタム系薬ペニシリン系薬 アジスロマイシンクラリスロマイシンテトラサイクリンバンコマイシン 投与回数を減らし 1 回投与量を増やす 1 回投与量を増やすより 1 日量を分割し 投与回数を増やす 1 日投与量を増やす PAE;post antibiotic effect; 抗菌薬が細菌に接触した後に血中濃度が MIC 以下あるいは消失しても持続してみられる細菌の増殖抑制効果をいう

87 抗菌剤には 大きく 2 種類ある 投与回数が多いほうが望ましい ペニシリン系 セフェム系 カルバペネム系など 投与回数は 1 回でよいが 投与量を多くして最大血中濃度を高いほうが望ましい キノロン系 アミドグリコシド系など

88 メロペネムの投与量 投与回数の違いによる TAM% の変化メロペネム 1g 2 回 vs 0.5g 4 回

89 治療薬物モニタリング Therapeutic drug monitoring (TDM) TDM は薬剤の有効性を確保し 副作用の発現を避けることを目的に行う 注射用バンコマイシン (VCM) テイコプラニン (TEIC) アミノグリコシド系薬ボリコナゾール (VRCZ)

90 例 ; アルベカシンの PK-PD 臨床効果臨床効果と Cmax/MIC 8 が相関し 目標 Cmax 9-20 μg/ml とされている 専門家は Cpeak ;15-20 μg/ml を推奨している 有害事象腎関連副作用の発現率はトラフ濃度と関係している腎機能障害の観点からトラフ値は 2 μg/ml 未満とする

91

92 ご静聴ありがとうございました

医療・介護関連肺炎 (nursing and healthcare-associated pneumonia)

医療・介護関連肺炎 (nursing and healthcare-associated pneumonia) モーニングセミナー 市中肺炎診療について 高松赤十字病院 六車博昭 肺炎とは? 肺炎とは肺実質の急性の感染性の炎症 多くは発熱 咳 痰 呼吸困難 胸痛などの症状を呈する 死因別にみた死亡率の年次推移 悪性新生物 脳血管疾患 心疾患 肺炎 不慮の事故自殺 肝疾患結核 肺炎は老人の友 誤嚥は肺炎の母 肺炎の分類 ( 発症の場所による分類 ) 市中肺炎 (Community-aquired pneumonia:cap)

More information

抗菌薬の殺菌作用抗菌薬の殺菌作用には濃度依存性と時間依存性の 2 種類があり 抗菌薬の効果および用法 用量の設定に大きな影響を与えます 濃度依存性タイプでは 濃度を高めると濃度依存的に殺菌作用を示します 濃度依存性タイプの抗菌薬としては キノロン系薬やアミノ配糖体系薬が挙げられます 一方 時間依存性

抗菌薬の殺菌作用抗菌薬の殺菌作用には濃度依存性と時間依存性の 2 種類があり 抗菌薬の効果および用法 用量の設定に大きな影響を与えます 濃度依存性タイプでは 濃度を高めると濃度依存的に殺菌作用を示します 濃度依存性タイプの抗菌薬としては キノロン系薬やアミノ配糖体系薬が挙げられます 一方 時間依存性 2012 年 1 月 4 日放送 抗菌薬の PK-PD 愛知医科大学大学院感染制御学教授三鴨廣繁抗菌薬の PK-PD とは薬物動態を解析することにより抗菌薬の有効性と安全性を評価する考え方は アミノ配糖体系薬などの副作用を回避するための薬物血中濃度モニタリング (TDM) の分野で発達してきました 近年では 耐性菌の増加 コンプロマイズド ホストの増加 新規抗菌薬の開発の停滞などもあり 現存の抗菌薬をいかに科学的に使用するかが重要な課題となっており

More information

グリコペプチド系 >50( 常用量 ) 10~50 <10 血液透析 (HD) 塩酸バンコマイシン散 0.5g バンコマイシン 1 日 0.5~2g MEEK 1 日 4 回 オキサゾリジノン系 ザイボックス錠 600mg リネゾリド 1 日 1200mg テトラサイクリン系 血小板減少の場合は投与

グリコペプチド系 >50( 常用量 ) 10~50 <10 血液透析 (HD) 塩酸バンコマイシン散 0.5g バンコマイシン 1 日 0.5~2g MEEK 1 日 4 回 オキサゾリジノン系 ザイボックス錠 600mg リネゾリド 1 日 1200mg テトラサイクリン系 血小板減少の場合は投与 4 Q&A 腎機能に応じた抗菌薬の投与量について 抗菌薬は主として腎臓から排泄されます そのため 腎機能が低下している患者さんの場合には 血中濃度が上昇し 薬効の増強や副作用の発現頻度が増大する可能性があるため 腎機能に応じて減量や投与間隔の延長を行う必要があります 今回 院内採用の抗菌薬 ( 内服 注射 ) における腎機能別 [ クレアチニンクリアランス : Ccr(ml/min)] 投与量 (

More information

2006 年 3 月 3 日放送 抗菌薬の適正使用 市立堺病院薬剤科科長 阿南節子 薬剤師は 抗菌薬投与計画の作成のためにパラメータを熟知すべき 最初の抗菌薬であるペニシリンが 実質的に広く使用されるようになったのは第二次世界大戦後のことです それまで致死的な状況であった黄色ブドウ球菌による感染症に

2006 年 3 月 3 日放送 抗菌薬の適正使用 市立堺病院薬剤科科長 阿南節子 薬剤師は 抗菌薬投与計画の作成のためにパラメータを熟知すべき 最初の抗菌薬であるペニシリンが 実質的に広く使用されるようになったのは第二次世界大戦後のことです それまで致死的な状況であった黄色ブドウ球菌による感染症に 2006 年 3 月 3 日放送 抗菌薬の適正使用 市立堺病院薬剤科科長 阿南節子 薬剤師は 抗菌薬投与計画の作成のためにパラメータを熟知すべき 最初の抗菌薬であるペニシリンが 実質的に広く使用されるようになったのは第二次世界大戦後のことです それまで致死的な状況であった黄色ブドウ球菌による感染症に対して ペニシリンは劇的な効果を発揮しました しかし その後ペニシリンが広範囲に使用されたことによって

More information

スライド 1

スライド 1 感染と CRP 感染と CRP メニュー 1.Sepsis 1 診断的 価値 Intensive Care Med 2002 2 重症度 3 治療効果 予後判定 判定 Crit Care 2011 Infection 2008 2.ICU Patients 3.VAP Crit Care 2006 Chest 2003 Crit Care Med 2002 Heart & Lung 2011

More information

通常の市中肺炎の原因菌である肺炎球菌やインフルエンザ菌に加えて 誤嚥を考慮して口腔内連鎖球菌 嫌気性菌や腸管内のグラム陰性桿菌を考慮する必要があります また 緑膿菌や MRSA などの耐性菌も高齢者肺炎の患者ではしばしば検出されるため これらの菌をカバーするために広域の抗菌薬による治療が選択されるこ

通常の市中肺炎の原因菌である肺炎球菌やインフルエンザ菌に加えて 誤嚥を考慮して口腔内連鎖球菌 嫌気性菌や腸管内のグラム陰性桿菌を考慮する必要があります また 緑膿菌や MRSA などの耐性菌も高齢者肺炎の患者ではしばしば検出されるため これらの菌をカバーするために広域の抗菌薬による治療が選択されるこ 2014 年 12 月 3 日放送 高齢者肺炎の診療マネジメント 大分大学呼吸器 感染症内科教授門田淳一はじめに今回は高齢者肺炎の診療マネジメントについて考えてみたいと思います およそ 4 人に 1 人が 65 歳以上である超高齢社会の我が国において 高齢者肺炎は日常診療において最も頻繁に遭遇する疾患の一つです 我が国の死因の第 3 位は肺炎ですが そのうち約 96% は65 歳以上の高齢者が占めています

More information

グリコペプチド系 >50( 常用量 ) 10~50 <10 血液透析 (HD) 塩酸バンコマイシン散 0.5g MEEK バンコマイシン 1 日 0.5~2g 1 日 4 回 オキサゾリジノン系 ザイボックス錠 600mg リネゾリド 1 日 1200mg テトラサイクリン系 血小板減少の場合は投与

グリコペプチド系 >50( 常用量 ) 10~50 <10 血液透析 (HD) 塩酸バンコマイシン散 0.5g MEEK バンコマイシン 1 日 0.5~2g 1 日 4 回 オキサゾリジノン系 ザイボックス錠 600mg リネゾリド 1 日 1200mg テトラサイクリン系 血小板減少の場合は投与 4 Q&A 腎機能に応じた抗菌薬の投与量について 抗菌薬は主として腎臓から排泄されます そのため 腎機能低下患者においては 血中濃度が上昇し 薬効の増強や副作用の発現頻度が増大する可能性があるため 腎機能に応じて減量や投与間隔の延長を行う必要があります 今回 院内採用の抗菌薬 ( 内服 注射 ) における腎機能別 [ クレアチニンクリアランス : Ccr(ml/min)] 投与量 ( 成人量 ) についてまとめましたので参考にしてください

More information

耐性菌届出基準

耐性菌届出基準 37 ペニシリン耐性肺炎球菌感染症 (1) 定義ペニシリン G に対して耐性を示す肺炎球菌による感染症である (2) 臨床的特徴小児及び成人の化膿性髄膜炎や中耳炎で検出されるが その他 副鼻腔炎 心内膜炎 心嚢炎 腹膜炎 関節炎 まれには尿路生殖器感染から菌血症を引き起こすこともある 指定届出機関の管理者は 当該指定届出機関の医師が (2) の臨床的特徴を有する者を診察した結果 症状や所見からペニシリン耐性肺炎球菌感染症が疑われ

More information

TDMを活用した抗菌薬療法

TDMを活用した抗菌薬療法 本日の内容 抗菌薬のPK-PD 当院でのTDMの概要アミノグリコシドの投不設計グリコペプチドの投不設計まとめ 抗菌薬の PK-PD PK-PD とは? PK (Pharmacokinetics) 抗菌薬の用法 用量と体内での濃度推移の関係 代表的な指標 : C max : 最高血中濃度 AUC 24h : 血中濃度時間曲線下面積 PD (Pharmacodynamics) 抗菌薬の体内での濃度と作用の関係

More information

2012 年 1 月 25 日放送 歯性感染症における経口抗菌薬療法 東海大学外科学系口腔外科教授金子明寛 今回は歯性感染症における経口抗菌薬療法と題し歯性感染症からの分離菌および薬 剤感受性を元に歯性感染症の第一選択薬についてお話し致します 抗菌化学療法のポイント歯性感染症原因菌は嫌気性菌および好

2012 年 1 月 25 日放送 歯性感染症における経口抗菌薬療法 東海大学外科学系口腔外科教授金子明寛 今回は歯性感染症における経口抗菌薬療法と題し歯性感染症からの分離菌および薬 剤感受性を元に歯性感染症の第一選択薬についてお話し致します 抗菌化学療法のポイント歯性感染症原因菌は嫌気性菌および好 2012 年 1 月 25 日放送 歯性感染症における経口抗菌薬療法 東海大学外科学系口腔外科教授金子明寛 今回は歯性感染症における経口抗菌薬療法と題し歯性感染症からの分離菌および薬 剤感受性を元に歯性感染症の第一選択薬についてお話し致します 抗菌化学療法のポイント歯性感染症原因菌は嫌気性菌および好気性菌の複数菌感染症です 嫌気性菌の占める割合が 高くおよそ 2:1 の頻度で検出されます 嫌気性菌では

More information

2.7.3(5 群 ) 呼吸器感染症臨床的有効性グレースビット 錠 細粒 表 (5 群 )-3 疾患別陰性化率 疾患名 陰性化被験者数 / 陰性化率 (%) (95%CI)(%) a) 肺炎 全体 91/ (89.0, 98.6) 細菌性肺炎 73/ (86

2.7.3(5 群 ) 呼吸器感染症臨床的有効性グレースビット 錠 細粒 表 (5 群 )-3 疾患別陰性化率 疾患名 陰性化被験者数 / 陰性化率 (%) (95%CI)(%) a) 肺炎 全体 91/ (89.0, 98.6) 細菌性肺炎 73/ (86 2.7.3(5 群 ) 呼吸器感染症臨床的有効性グレースビット 錠 細粒 表 2.7.3.3.2(5 群 )-2 原因菌別臨床効果 原因菌 肺炎 慢性呼吸器病変の二次感染 急性上気道感染症群 5 群合計 単独菌 83 82(98.8) 67 61(91.0) 14 14(100) 164 157(95.7) 複数菌 (2 種 ) 14 14(100) 7 7(100) 2 2 23 23(100)

More information

よる感染症は これまでは多くの有効な抗菌薬がありましたが ESBL 産生菌による場合はカルバペネム系薬でないと治療困難という状況になっています CLSI 標準法さて このような薬剤耐性菌を患者検体から検出するには 微生物検査という臨床検査が不可欠です 微生物検査は 患者検体から感染症の原因となる起炎

よる感染症は これまでは多くの有効な抗菌薬がありましたが ESBL 産生菌による場合はカルバペネム系薬でないと治療困難という状況になっています CLSI 標準法さて このような薬剤耐性菌を患者検体から検出するには 微生物検査という臨床検査が不可欠です 微生物検査は 患者検体から感染症の原因となる起炎 2014 年 7 月 9 日放送 薬剤耐性菌の動向と最近の CLSI 標準法の変更点 順天堂大学 臨床検査部係長 三澤 成毅 薬剤耐性菌の動向まず 薬剤耐性菌の動向についてお話しします 薬剤耐性菌の歴史は 1940 年代に抗菌薬の第一号としてペニシリンが臨床応用された頃から始まったと言えます 以来 新しい抗菌薬の開発 導入と これに対する薬剤耐性菌の出現が繰り返され 今日に至っています 薬剤耐性菌の近年の特徴は

More information

糖尿病診療における早期からの厳格な血糖コントロールの重要性

糖尿病診療における早期からの厳格な血糖コントロールの重要性 2019 年 2 月 13 日放送 ESBL 産生菌と尿路感染症の治療戦略 岡山大学病院泌尿器科講師和田耕一郎はじめに私が頂きましたテーマは ESBL 産生菌と尿路感染症の治療戦略 です これから ESBL 産生菌の分離状況や薬剤感受性 さらに岡山大学病院泌尿器科における抗菌薬の使用例について紹介したいと思います 尿路感染症を取り巻く状況まず 尿路感染症を取り巻く状況について説明します 近年 各種抗菌薬に耐性を示す細菌の増加が国内外で大きな問題となっていることに加えて

More information

概要 (2006 年 1 2 3 月分 ) 本サーベイランスは 参加医療機関において血液および髄液から分離された各種細菌の検出状況や薬剤感受性パターンの動 向を把握するとともに 新たな耐性菌の早期検出等を目的とする これらのデータを経時的に解析し臨床の現場に還元することによって 抗菌薬の安全で有効な使用方法や院内感染制御における具体的かつ確実な情報を提供する 検体 2005 年 2006 年 10~12

More information

概要 (2004 年分 ) 本サーベイランスは 参加医療機関において血液および髄液から分離された各種細菌の検出状況や薬剤感受性パターンの動向を把握するとともに 新たな耐性菌の早期検出等を目的とする これらのデータを経時的に解析し臨床の現場に還元することによって 抗菌薬の安全で有効な使用方法や院内感染制御における具体的かつ確実な情報を提供する 検体 ( ) 内は施設数 2002 年 2003 年 2004

More information

糖尿病診療における早期からの厳格な血糖コントロールの重要性

糖尿病診療における早期からの厳格な血糖コントロールの重要性 2018 年 10 月 31 日放送 成人 RS ウイルス感染症 坂総合病院副院長高橋洋はじめに RS ウイルスは小児科領域ではよく知られた重要な病原体ですが 成人例の病像に関しては未だ不明の点も多いのが現状です しかし近年のいくつかの報告を契機として この病原体の成人領域での疫学や臨床像 とくに高齢者における重要性が少しずつ明らかになってきています 今回は成人における RS ウイルス肺炎の病像を当施設の成績を踏まえてお話しさせていただきます

More information

<4D F736F F D D8ACC8D6495CF8AB38ED282CC88E397C38AD698418AB490F58FC782C982A882A282C48D4C88E E B8

<4D F736F F D D8ACC8D6495CF8AB38ED282CC88E397C38AD698418AB490F58FC782C982A882A282C48D4C88E E B8 肝硬変患者のヘルスケア関連感染症におけるエンピリック治療では, 広域スペクトル抗生物質を使用する方が生存率が高い : 無作為化試験 An empirical broad spectrum antibiotic therapy in health Careassociated infections improves survival in patients with cirrhosis: A randomized

More information

名称未設定

名称未設定 健感発 00 第 1 号 令和元年 月 日 都道府県知事 各保健所設置市長 特別区長 殿 厚生労働省健康局結核感染課長 ( 公印省略 元号を改める政令の施行に伴う通知様式の改正について 元号を改める政令 ( 平成 31 年政令第 13 号 が平成 31 年 月 1 日に公布され 同年 月 1 日から施行されたことに伴い 健康局結核感染課関係の通知等において示している様式については 平成 を 令和 に変更する等

More information

みんなで備える! 日常診療に潜む感染症の脅威

みんなで備える! 日常診療に潜む感染症の脅威 2016 年 9 月 27 日三重大学大学院セミナー 一生使える! 今だからこそ, 今一度学び直す 肺炎 三重大学大学院名張地域医療学講座 名張市立病院総合診療科 谷崎隆太郎 肺炎て, なんですか 感染症診療の原則 1 患者背景 たったの 5 つ! 2 問題の臓器 3 原因微生物 4 適切な治療 5 適切な経過観察 主な細菌 肺炎球菌 インフルエンザ菌 モラキセラ グラム染色 染まる BIG 3 マイコプラズマ

More information

2011 年 11 月 2 日放送 NHCAP の概念 長崎大学病院院長 河野茂 はじめに NHCAP という言葉を 初めて聴いたかたもいらっしゃると思いますが これは Nursing and HealthCare Associated Pneumonia の略で 日本語では 医療 介護関連肺炎 と

2011 年 11 月 2 日放送 NHCAP の概念 長崎大学病院院長 河野茂 はじめに NHCAP という言葉を 初めて聴いたかたもいらっしゃると思いますが これは Nursing and HealthCare Associated Pneumonia の略で 日本語では 医療 介護関連肺炎 と 2011 年 11 月 2 日放送 NHCAP の概念 長崎大学病院院長 河野茂 はじめに NHCAP という言葉を 初めて聴いたかたもいらっしゃると思いますが これは Nursing and HealthCare Associated Pneumonia の略で 日本語では 医療 介護関連肺炎 となります 今年 8 月に日本呼吸器学会からこの NHCAP のための新しい診療ガイドラインが発表されたのですが

More information

プライマリーケアのためのワンポイントレクチャー「抗菌薬①」(2016年4月27日)

プライマリーケアのためのワンポイントレクチャー「抗菌薬①」(2016年4月27日) プライマリーケアのためのワンポイントレクチャー @ 東京医科大学病院 2016 年 4 月 27 日 ( 水 ) 抗菌薬 1 東京医科大学病院感染制御部 感染症科佐藤昭裕 感染症診療の原則 感染臓器 微生物 抗菌薬 細菌の分け方 グラム染色で染まる細菌の分け方 グラム 陽性球菌 グラム 陽性桿菌 グラム 陰性球菌 グラム 陰性桿菌 グラム陽性球菌 GPC Staphylococcus aureus

More information

Ⅲ. 検査検査は軽症 (0 項目 ) と中等症 (1 2 項目 ) では肺炎球菌尿中抗原 必要によりレジオネラ尿中抗原とインフルエンザ抗原 中等症 (1,2 項目 ) と重症 (3 項目 ) ではさらに喀痰グラム染色 喀痰培養を追加 超重症 (4,5 項目 ) ではさらに血液培養 血清検査とストック

Ⅲ. 検査検査は軽症 (0 項目 ) と中等症 (1 2 項目 ) では肺炎球菌尿中抗原 必要によりレジオネラ尿中抗原とインフルエンザ抗原 中等症 (1,2 項目 ) と重症 (3 項目 ) ではさらに喀痰グラム染色 喀痰培養を追加 超重症 (4,5 項目 ) ではさらに血液培養 血清検査とストック 成人市中肺炎診療ガイドライン 日本呼吸器学会 2005.10 発行 西伊豆早朝カンファランス 2006.8 仲田 老人では肺炎の症状が軽微なことがある とくに発熱 呼吸数増加 頻脈に注意 食欲低下 不活発 会話をしないなども肺炎を疑う 老人は体重が小さく潜在的に腎機能が低下しているので抗菌薬の 1 回投与量は成人量の 50-70% が基本 80 歳以上の高齢者では半減期の短いものでは 1 日 2 回投与が基本で半減期の長いセフェム系薬は

More information

割合が10% 前後となっています 新生児期以降は 4-5ヶ月頃から頻度が増加します ( 図 1) 原因菌に関しては 本邦ではインフルエンザ菌が原因となる頻度がもっとも高く 50% 以上を占めています 次いで肺炎球菌が20~30% と多く インフルエンザ菌と肺炎球菌で 原因菌の80% 近くを占めていま

割合が10% 前後となっています 新生児期以降は 4-5ヶ月頃から頻度が増加します ( 図 1) 原因菌に関しては 本邦ではインフルエンザ菌が原因となる頻度がもっとも高く 50% 以上を占めています 次いで肺炎球菌が20~30% と多く インフルエンザ菌と肺炎球菌で 原因菌の80% 近くを占めていま 2012 年 6 月 13 日放送 小児科領域の重症感染症 慶應義塾大学感染制御センター教授岩田敏はじめに小児科領域の重症感染症としては 脳炎 髄膜炎 敗血症 菌血症 肺炎 膿胸 心筋炎 好中球減少時の感染症などがあげられます これらの疾患は 抗微生物薬の進歩した今日においても 難治性であったり予後が不良であったりすることから そのマネジメントには苦労するところであります 本日はこれらの疾患のうち

More information

(案の2)

(案の2) 別紙 2 < 講習内容 > 1 院内感染対策に関して 地域において指導的立場を担うことが期待される病院等の従事 者を対象とした院内感染対策に関する講習会 1. 院内感染対策のシステム化と地域ネットワーク (45 分 ) チーム医療と各職種の役割 地域連携 感染防止対策加算 Ⅰ Ⅱ 取得施設の合同カンファランスのありかた 災害時の感染対策 2. 院内感染関連微生物と微生物検査 (45 分 ) 耐性菌

More information

精神科専門・様式1

精神科専門・様式1 感染制御認定 様式 5 記載例 (1) 業務内容の要約文字数 (390) 抗菌薬の不適切な使用及び長期投与を避けるべくカルバペネム系抗菌薬及び抗 MRSA 抗菌薬の特定抗菌薬使用届け出制度を導入し 薬剤師が主体となり管理をおこなっている 併せて この情報を基に患者情報および抗菌薬の詳細な使用状況のデータベース化を行い 臨床検査技師より個々の症例について検査結果等が追記され ICT ラウンド時にサーベイランス資料として活用している

More information

プライマリーケアのためのワンポイントレクチャー「抗菌薬②」(2017年5月10日開催)

プライマリーケアのためのワンポイントレクチャー「抗菌薬②」(2017年5月10日開催) プライマリーケアのためのワンポイントレクチャー @ 東京医科大学病院 2017 年 5 月 10 日 ( 水 ) 抗菌薬 2 東京医科大学病院感染制御部 感染症科佐藤昭裕 微生物の分け方 MRSA GPC GNR 腸球菌 Strep MSSA E K P S C E 緑膿菌 (GNFR) 嫌気 非定型 PCG ABPC PIPC ABPC/SBT PIPC/TAZ 微生物の分け方 MRSA GPC

More information

浜松地区における耐性菌調査の報告

浜松地区における耐性菌調査の報告 平成 28 年度浜松地区感染対策地域連携を考える会 2017 年 2 月 22 日 浜松地区 耐性菌サーベイランス報告 浜松医科大学医学部附属病院 感染対策室 概要 平成 19 年 4 月に施行された改正医療法により すべての医療機関において管理者の責任の下で院内感染対策のための体制の確保が義務化されました 本サーベイランスは 静岡県浜松地区 ( 浜松市 湖西市 ) における薬剤耐性菌の分離状況や薬剤感受性の状況を調査し

More information

2012 年 7 月 18 日放送 嫌気性菌感染症 愛知医科大学大学院感染制御学教授 三鴨廣繁 嫌気性菌とは嫌気性菌とは 酸素分子のない環境で生活をしている細菌です 偏性嫌気性菌と通性嫌気性菌があります 偏性嫌気性菌とは 酸素分子 20% を含む環境 すなわち大気中では全く発育しない細菌のことで 通

2012 年 7 月 18 日放送 嫌気性菌感染症 愛知医科大学大学院感染制御学教授 三鴨廣繁 嫌気性菌とは嫌気性菌とは 酸素分子のない環境で生活をしている細菌です 偏性嫌気性菌と通性嫌気性菌があります 偏性嫌気性菌とは 酸素分子 20% を含む環境 すなわち大気中では全く発育しない細菌のことで 通 2012 年 7 月 18 日放送 嫌気性菌感染症 愛知医科大学大学院感染制御学教授 三鴨廣繁 嫌気性菌とは嫌気性菌とは 酸素分子のない環境で生活をしている細菌です 偏性嫌気性菌と通性嫌気性菌があります 偏性嫌気性菌とは 酸素分子 20% を含む環境 すなわち大気中では全く発育しない細菌のことで 通性嫌気性菌とは 酸素に抵抗性を獲得したため大気中でもある程度増殖できるようになった細菌で 大腸菌や黄色ブドウ球菌などがこれに属します

More information

仙台市立病院医誌 索引用語 小児 27 45 50 2007 肺炎マイコプラズマ クラミジア ニューモニエ 肺炎マイコプラズマIgM抗体およびクラミジア ニューモニエ IgM抗体の年齢別陽性頻度について ロ 恭 鈴 木 エ フ 近 力秀克 フ 谷 野 柳 武 岡本 恵 木 部 山 理 直 フ 阿 裕 生 二 哉 リ 谷 エ 俊 ウ 彦 正 司子勝 邦 竹 村 ウ 谷 大 中高 森 憲 佳 ラ 美 ウ

More information

2009年8月17日

2009年8月17日 医師 2,000 人超の調査結果を多数掲載中です https://www.facebook.com/medpeer 2013 年 8 月 1 日 メドピア株式会社 マイコプラズマ感染症診断における迅速診断キットの使用状況 について 半数以上はキットを使用していない 医師約 6 万人が参加する医師専用サイト MedPeer ( メドピア https://medpeer.jp/) を運営するメドピア 株式会社

More information

2017 年 2 月 1 日放送 ウイルス性肺炎の現状と治療戦略 国立病院機構沖縄病院統括診療部長比嘉太はじめに肺炎は実地臨床でよく遭遇するコモンディジーズの一つであると同時に 死亡率も高い重要な疾患です 肺炎の原因となる病原体は数多くあり 極めて多様な病態を呈します ウイルス感染症の診断法の進歩に

2017 年 2 月 1 日放送 ウイルス性肺炎の現状と治療戦略 国立病院機構沖縄病院統括診療部長比嘉太はじめに肺炎は実地臨床でよく遭遇するコモンディジーズの一つであると同時に 死亡率も高い重要な疾患です 肺炎の原因となる病原体は数多くあり 極めて多様な病態を呈します ウイルス感染症の診断法の進歩に 2017 年 2 月 1 日放送 ウイルス性肺炎の現状と治療戦略 国立病院機構沖縄病院統括診療部長比嘉太はじめに肺炎は実地臨床でよく遭遇するコモンディジーズの一つであると同時に 死亡率も高い重要な疾患です 肺炎の原因となる病原体は数多くあり 極めて多様な病態を呈します ウイルス感染症の診断法の進歩に伴い 肺炎におけるウイルスの重要性が注目されてきました 本日のお話では 成人におけるウイルス性肺炎の疫学と診断の現状

More information

プライマリーケアのためのワンポイントレクチャー「抗菌薬③」(2017年5月17日開催)

プライマリーケアのためのワンポイントレクチャー「抗菌薬③」(2017年5月17日開催) プライマリーケアのためのワンポイントレクチャー @ 東京医科大学病院 2017 年 5 月 17 日 ( 水 ) 抗菌薬 3 東京医科大学病院感染制御部 感染症科 佐藤昭裕 β ラクタム系 ニューキノロン系 アミノグリコシド系 テトラサイクリン系 マクロライド系 その他 ニューキノロン系 ニューキノロン系 β ラクタム系 核酸合成阻害作用 細胞壁がない ( マイコプラズマ クラミジア ) 細胞内寄生

More information

は減少しています 膠原病による肺病変のなかで 関節リウマチに合併する気道病変としての細気管支炎も DPB と類似した病像を呈するため 鑑別疾患として加えておく必要があります また稀ではありますが 造血幹細胞移植後などに併発する移植後閉塞性細気管支炎も重要な疾患として知っておくといいかと思います 慢性

は減少しています 膠原病による肺病変のなかで 関節リウマチに合併する気道病変としての細気管支炎も DPB と類似した病像を呈するため 鑑別疾患として加えておく必要があります また稀ではありますが 造血幹細胞移植後などに併発する移植後閉塞性細気管支炎も重要な疾患として知っておくといいかと思います 慢性 2012 年 9 月 5 放送 慢性気道感染症の管理 マクロライドを中心に 大分大学総合内科学第二教授門田淳一今回は 慢性気道感染症の管理について マクロライド系抗菌薬の有用性を中心にお話しいたします 慢性気道感染症の病態最初に慢性気道感染症の病態についてお話ししたいと思います 気道は上気道と下気道に分けられます 上気道とは解剖学的に鼻前庭に始まり 鼻腔 咽頭 喉頭を経て気管までの空気の通り道を指し

More information

PowerPoint Presentation

PowerPoint Presentation 抗菌薬使用量を標準化方法 AUD とその発展 2012/10/20 佐伯康弘 表 1. 抗菌薬使用量算出方法の比較 はじめに カウント方法利点欠点 1 バイアル数 又はアンプル数 2 グラム数 算出しやすい 時間的変動を表現しやすい 異なる系統の抗菌薬を比較しにくい ベッド数 総在院日数によって 使用量が変化する 地域 規模の異なる施設間の比較が出来ない 3 費用算出しやすい薬価の高い薬剤の比重が大きくなる

More information

2017 年 8 月 9 日放送 結核診療における QFT-3G と T-SPOT 日本赤十字社長崎原爆諫早病院副院長福島喜代康はじめに 2015 年の本邦の新登録結核患者は 18,820 人で 前年より 1,335 人減少しました 新登録結核患者数も人口 10 万対 14.4 と減少傾向にあります

2017 年 8 月 9 日放送 結核診療における QFT-3G と T-SPOT 日本赤十字社長崎原爆諫早病院副院長福島喜代康はじめに 2015 年の本邦の新登録結核患者は 18,820 人で 前年より 1,335 人減少しました 新登録結核患者数も人口 10 万対 14.4 と減少傾向にあります 2017 年 8 月 9 日放送 結核診療における QFT-3G と T-SPOT 日本赤十字社長崎原爆諫早病院副院長福島喜代康はじめに 2015 年の本邦の新登録結核患者は 18,820 人で 前年より 1,335 人減少しました 新登録結核患者数も人口 10 万対 14.4 と減少傾向にありますが 本邦の結核では高齢者結核が多いのが特徴です 結核診療における主な検査法を示します ( 図 1) 従来の細菌学的な抗酸菌の塗抹

More information

第 88 回日本感染症学会学術講演会第 62 回日本化学療法学会総会合同学会採択演題一覧 ( 一般演題ポスター ) 登録番号 発表形式 セッション名 日にち 時間 部屋名 NO. 発表順 一般演題 ( ポスター ) 尿路 骨盤 性器感染症 1 6 月 18 日 14:10-14:50 ア

第 88 回日本感染症学会学術講演会第 62 回日本化学療法学会総会合同学会採択演題一覧 ( 一般演題ポスター ) 登録番号 発表形式 セッション名 日にち 時間 部屋名 NO. 発表順 一般演題 ( ポスター ) 尿路 骨盤 性器感染症 1 6 月 18 日 14:10-14:50 ア 登録番号 発表形式 セッション名 日にち 時間 部屋名 NO. 発表順 10431 一般演題 ( ポスター ) 尿路 骨盤 性器感染症 1 6 月 18 日 14:10-14:50 アルゴスC-D P-01 1 10473 一般演題 ( ポスター ) 尿路 骨盤 性器感染症 1 6 月 18 日 14:10-14:50 アルゴスC-D P-01 2 10347 一般演題 ( ポスター ) 尿路 骨盤

More information

抗菌薬マニュアル

抗菌薬マニュアル 適正抗菌薬使用ガイドライン 薬剤部 感染制御部 ( ) 1. 抗菌薬の選択の基準 抗菌薬は 1 推定あるいは同定された原因微生物の種類 2 薬剤感受性 3 臓器移行性 4 細胞内移行性 ( 細胞内増殖菌 ) 5 患者重症度 ( 感染症 基礎疾患 ) 6 患者臓器障害 ( 腎機能障害 肝機能障害 ) 7 既往歴 ( 薬物アレルギー ) 8 コストなどを考慮して選択する また抗菌薬治療の原則は以下のように考えられている

More information

ン (LVFX) 耐性で シタフロキサシン (STFX) 耐性は1% 以下です また セフカペン (CFPN) およびセフジニル (CFDN) 耐性は 約 6% と耐性率は低い結果でした K. pneumoniae については 全ての薬剤に耐性はほとんどありませんが 腸球菌に対して 第 3 世代セフ

ン (LVFX) 耐性で シタフロキサシン (STFX) 耐性は1% 以下です また セフカペン (CFPN) およびセフジニル (CFDN) 耐性は 約 6% と耐性率は低い結果でした K. pneumoniae については 全ての薬剤に耐性はほとんどありませんが 腸球菌に対して 第 3 世代セフ 2012 年 12 月 5 日放送 尿路感染症 産業医科大学泌尿器科学教授松本哲朗はじめに感染症の分野では 抗菌薬に対する耐性菌の話題が大きな問題点であり 耐性菌を増やさないための感染制御と適正な抗菌薬の使用が必要です 抗菌薬は 使用すれば必ず耐性菌が出現し 増加していきます 新規抗菌薬の開発と耐性菌の増加は 永遠に続く いたちごっこ でしょう しかし 近年 抗菌薬の開発は世界的に鈍化していますので

More information

染症であり ついで淋菌感染症となります 病状としては外尿道口からの排膿や排尿時痛を呈する尿道炎が最も多く 病名としてはクラミジア性尿道炎 淋菌性尿道炎となります また 淋菌もクラミジアも検出されない尿道炎 ( 非クラミジア性非淋菌性尿道炎とよびます ) が その次に頻度の高い疾患ということになります

染症であり ついで淋菌感染症となります 病状としては外尿道口からの排膿や排尿時痛を呈する尿道炎が最も多く 病名としてはクラミジア性尿道炎 淋菌性尿道炎となります また 淋菌もクラミジアも検出されない尿道炎 ( 非クラミジア性非淋菌性尿道炎とよびます ) が その次に頻度の高い疾患ということになります 2015 年 3 月 4 日放送 淋菌 クラミジア感染症の現状と問題点 産業医科大学泌尿器科講師濵砂良一主な性感染症淋菌感染症およびクラミジア感染症は 性感染症の一つであり 性感染症のなかで最も頻度の高い疾患です 性感染症とは 主に性的な行為によって病原体が感染する疾患であり この淋菌 クラミジア感染症の他に 梅毒 性器ヘルペス 尖圭コンジローマ HIV 感染症など数多くの疾患が含まれます これらの疾患の一部は

More information

Microsoft Word - JAID_JSC 2014 正誤表_ 原稿

Microsoft Word - JAID_JSC 2014 正誤表_ 原稿 JAID/JSC 感染症治療ガイド 2014 表 記載にりがありましたので, 下記のように追加 訂させていただきます 2016 年 9 月 JAID/JSC 感染症治療ガイド ガイドライン作成委員会 P106 Ⅶ 呼吸器感染症,A-2 院内肺炎 3 Definitive Therapy P. aeruginosa 多剤耐性の場合 CL:5mg/kg 1 回ローディング その 24 時間後に以下の維持用量を開始する

More information

1. 医薬品リスク管理計画を策定の上 適切に実施すること 2. 国内での治験症例が極めて限られていることから 製造販売後 一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は 全 症例を対象に使用成績調査を実施することにより 本剤使用患者の背景情報を把握するとともに 本剤の安全性及び有効性に関するデータを

1. 医薬品リスク管理計画を策定の上 適切に実施すること 2. 国内での治験症例が極めて限られていることから 製造販売後 一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は 全 症例を対象に使用成績調査を実施することにより 本剤使用患者の背景情報を把握するとともに 本剤の安全性及び有効性に関するデータを 薬生薬審発 0525 第 3 号薬生安発 0525 第 1 号平成 30 年 5 月 25 日 都道府県各保健所設置市衛生主管部 ( 局 ) 長殿特別区 厚生労働省医薬 生活衛生局医薬品審査管理課長 ( 公印省略 ) 厚生労働省医薬 生活衛生局医薬安全対策課長 ( 公印省略 ) トファシチニブクエン酸塩製剤の使用に当たっての留意事項について トファシチニブクエン酸塩製剤 ( 販売名 : ゼルヤンツ錠

More information

日本内科学会雑誌第104巻第10号

日本内科学会雑誌第104巻第10号 肺炎診療ガイドライン : 日本における総括と今後への展望 1) 今村圭文 2) 河野茂 要旨 肺炎は死亡率, 発症率ともに高い重要な疾患である. つまり, 肺炎の診療には専門医だけでなく非専門医も携わる機会が多く, 日本の肺炎診療の質を向上させるためには優れた肺炎診療ガイドラインが不可欠である. エビデンスがまだ十分ではなかった時代に初版の診療ガイドライン, 院内肺炎診療ガイドラインが作成され, その後,

More information

市中肺炎に血液培養は必要か?

市中肺炎に血液培養は必要か? Clinical Question 2016 年 1 月 18 日 J Hospitalist Network 1 市中肺炎に血液培養は必要か? 洛和会音羽病院 作成者 安冨義親 監修者 神谷 亨 分野 感染症 テーマ 診断検査 68 歳男性主訴呼吸苦 2 COPD に対して ICS/LABA を吸入している 68 歳男性 3 日前からの喀痰増加 呼吸苦を主訴に ER 受診 145/78mmHg 105bpm

More information

第51回日本小児感染症学会総会・学術集会 採択結果演題一覧

第51回日本小児感染症学会総会・学術集会 採択結果演題一覧 登録番号 演題番号 日にち 時間 会場 発表形式 セッション名 10000 D-1-19 10 月 26 日 14:10 ~ 15:10 D 会場 一般演題 ( 口演 ) インフルエンザ2 10001 D-2-5 10 月 27 日 8:40 ~ 9:30 D 会場 一般演題 ( 口演 ) 予防接種 ワクチン1 10002 G-2-14 10 月 27 日 14:20 ~ 15:10 G 会場 一般演題

More information

 85歳(141

 85歳(141 日本腎臓病薬物療法学会ホームページ原稿 (2012.10.30) 腎機能低下患者での感染症治療への関わり 平成紫川会小倉記念病院薬剤部町田聖治 (ICD) 腎機能低下患者での感染症治療への関わりについて 2 症例 (Ⅰ 尿路感染症への関わり Ⅱ 術後感染症への関わり ) の提示を行う 患者の背景 臓器症別鑑別から抗菌薬の選択を行い 腎機能低下患者での投与量 投与方法について医師と協議した内容や経緯を紹介する

More information

2012 年 2 月 29 日放送 CLSI ブレイクポイント改訂の方向性 東邦大学微生物 感染症学講師石井良和はじめに薬剤感受性試験成績を基に誰でも適切な抗菌薬を選択できるように考案されたのがブレイクポイントです 様々な国の機関がブレイクポイントを提唱しています この中でも 日本化学療法学会やアメ

2012 年 2 月 29 日放送 CLSI ブレイクポイント改訂の方向性 東邦大学微生物 感染症学講師石井良和はじめに薬剤感受性試験成績を基に誰でも適切な抗菌薬を選択できるように考案されたのがブレイクポイントです 様々な国の機関がブレイクポイントを提唱しています この中でも 日本化学療法学会やアメ 2012 年 2 月 29 日放送 CLSI ブレイクポイント改訂の方向性 東邦大学微生物 感染症学講師石井良和はじめに薬剤感受性試験成績を基に誰でも適切な抗菌薬を選択できるように考案されたのがブレイクポイントです 様々な国の機関がブレイクポイントを提唱しています この中でも 日本化学療法学会やアメリカ臨床検査標準委員会 :Clinical and Laboratory Standards Institute

More information

インフルエンザ(成人)

インフルエンザ(成人) ⅩⅠ-2 インフルエンザ 1 概要 インフルエンザは A 型 B 型インフルエンザウイルスによる急性呼吸器疾患である 主に冬季に流行する 典型的なものでは 急激で高度の発熱 頭痛 倦怠感などの全身症状が現れ 同時かやや遅れて鼻汁 咽頭痛 咳などの呼吸器症状が出現する 熱は 38 度以上となり 諸症状とともに次第に緩解し 1 週間ほどで治癒に向かう 2 診断 臨床症状に加え下記の方法で診断する 迅速診断

More information

2012 年 11 月 21 日放送 変貌する侵襲性溶血性レンサ球菌感染症 北里大学北里生命科学研究所特任教授生方公子はじめに b 溶血性レンサ球菌は 咽頭 / 扁桃炎や膿痂疹などの局所感染症から 髄膜炎や劇症型感染症などの全身性感染症まで 幅広い感染症を引き起こす細菌です わが国では 急速な少子

2012 年 11 月 21 日放送 変貌する侵襲性溶血性レンサ球菌感染症 北里大学北里生命科学研究所特任教授生方公子はじめに b 溶血性レンサ球菌は 咽頭 / 扁桃炎や膿痂疹などの局所感染症から 髄膜炎や劇症型感染症などの全身性感染症まで 幅広い感染症を引き起こす細菌です わが国では 急速な少子 2012 年 11 月 21 日放送 変貌する侵襲性溶血性レンサ球菌感染症 北里大学北里生命科学研究所特任教授生方公子はじめに b 溶血性レンサ球菌は 咽頭 / 扁桃炎や膿痂疹などの局所感染症から 髄膜炎や劇症型感染症などの全身性感染症まで 幅広い感染症を引き起こす細菌です わが国では 急速な少子 高齢化社会を迎えていますが 基礎疾患を有する人々の増加とともに これらの菌による市中での侵襲性感染症が再び増加しており

More information

緑膿菌 Pseudomonas aeruginosa グラム陰性桿菌 ブドウ糖非発酵 緑色色素産生 水まわりなど生活環境中に広く常在 腸内に常在する人も30%くらい ペニシリンやセファゾリンなどの第一世代セフェム 薬に自然耐性 テトラサイクリン系やマクロライド系抗生物質など の抗菌薬にも耐性を示す傾

緑膿菌 Pseudomonas aeruginosa グラム陰性桿菌 ブドウ糖非発酵 緑色色素産生 水まわりなど生活環境中に広く常在 腸内に常在する人も30%くらい ペニシリンやセファゾリンなどの第一世代セフェム 薬に自然耐性 テトラサイクリン系やマクロライド系抗生物質など の抗菌薬にも耐性を示す傾 2 緑膿菌 Pseudomonas aeruginosa グラム陰性桿菌 ブドウ糖非発酵 緑色色素産生 水まわりなど生活環境中に広く常在 腸内に常在する人も30%くらい ペニシリンやセファゾリンなどの第一世代セフェム 薬に自然耐性 テトラサイクリン系やマクロライド系抗生物質など の抗菌薬にも耐性を示す傾向が強い 多剤耐性緑膿菌は5類感染症定点把握疾患 赤痢菌属 グラム陰性通性嫌気性桿菌 腸内細菌科

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション 抗菌薬開始のタイミング 2012.12.25 慈恵 ICU 勉強会久保友貴子 はじめに 重症患者における抗菌薬投与は 感染が疑われた時点でエンピリック治療として開始されることが多い しかし不適切な抗菌薬投与は耐性菌増加につながる問題がある 重症患者の抗菌薬投与は 1 感染症診断の確実性 2 治療介入が遅れた場合のリスク 3 耐性菌増加のリスク 以上 3 つのバランスより開始のタイミングを考える必要がある

More information

家畜における薬剤耐性菌の制御 薬剤耐性菌の実態把握 対象菌種 食中毒菌 耐性菌の特徴 出現の予防 79

家畜における薬剤耐性菌の制御 薬剤耐性菌の実態把握 対象菌種 食中毒菌 耐性菌の特徴 出現の予防 79 項目 薬剤耐性 (AMR) 対策アクションプランについて 耐性菌の基礎知識 薬剤耐性モニタリング (JVARM) の成績 コリスチン耐性について 薬剤耐性菌のリスク分析 動物用医薬品の慎重使用について 78 家畜における薬剤耐性菌の制御 薬剤耐性菌の実態把握 対象菌種 食中毒菌 耐性菌の特徴 出現の予防 79 薬剤耐性菌の広まり 選 択 圧 抗 菌 剤 使 用 によ る 薬剤耐性菌 ( 遺伝子 )

More information

日本内科学会雑誌第98巻第12号

日本内科学会雑誌第98巻第12号 表 1. 喘息の長期管理における重症度対応段階的薬物療法 重症度 長期管理薬 : 連用 : 考慮 発作時 ステップ 1 軽症間欠型 喘息症状がやや多い時 ( 例えば 1 月に 1 ~2 回 ), 血中 喀痰中に好酸球増加のある時は下記のいずれか 1 つの投与を考慮 吸入ステロイド薬 ( 最低用量 ) テオフィリン徐放製剤 ロイコトリエン拮抗薬 抗アレルギー薬 短時間作用性吸入 β2 刺激薬または短時間作用性経口

More information

糖尿病診療における早期からの厳格な血糖コントロールの重要性

糖尿病診療における早期からの厳格な血糖コントロールの重要性 2019 年 5 月 1 日放送 Clostridioides (Clostridium) difficile 感染症診療カ イト ラインのホ イント 愛知医科大学大学院臨床感染症学教授三鴨廣繁はじめに Clostridioides difficile は医療関連感染としての原因菌として最も多くみられる嫌気性菌であり 下痢症や偽膜性腸炎などの多様な C. difficile infection(cdi)

More information

に 真菌の菌体成分を検出する血清診断法が利用されます 血清 βグルカン検査は 真菌の細胞壁の構成成分である 1,3-β-D-グルカンを検出する検査です ( 図 1) カンジダ属やアスペルギルス属 ニューモシスチスの細胞壁にはβグルカンが豊富に含まれており 血液検査でそれらの真菌症をスクリーニングする

に 真菌の菌体成分を検出する血清診断法が利用されます 血清 βグルカン検査は 真菌の細胞壁の構成成分である 1,3-β-D-グルカンを検出する検査です ( 図 1) カンジダ属やアスペルギルス属 ニューモシスチスの細胞壁にはβグルカンが豊富に含まれており 血液検査でそれらの真菌症をスクリーニングする 2017 年 6 月 7 日放送 深在性真菌症感染症の診断と治療 大阪市立大学大学院 臨床感染制御学教授 掛屋 弘 本日は 深在性真菌症の診断と治療のポイントを概説します カンジダ症深在性真菌症の中で最も頻度が高いのが カンジダ症です カンジダ症には カンジダ属が血液から検出される カンジダ血症 や血流を介して内臓に播種した 播種性カンジダ症 が挙げられます カンジダ血症の主な原因は 血管内留置カテーテルです

More information

Microsoft Word - J.抗菌薬マニュアル(2018.8)

Microsoft Word - J.抗菌薬マニュアル(2018.8) 適正抗菌薬使用ガイドライン 感染制御部薬剤部 ( ) 1. 抗菌薬の選択の基準 抗菌薬は 1 推定あるいは同定された原因微生物の種類 2 薬剤感受性 3 臓器移行性 4 細胞内移行性 ( 細胞内増殖菌 ) 5 患者重症度 ( 感染症 基礎疾患 ) 6 患者臓器障害 ( 腎機能障害 肝機能障害 ) 7 既往歴 ( 薬物アレルギー ) 8 コストなどを考慮して選択する また抗菌薬治療に関して以下の点に注意が必要である

More information

第11回感染制御部勉強会 『症例から考える抗MRSA治療薬の使い方』

第11回感染制御部勉強会 『症例から考える抗MRSA治療薬の使い方』 第 11 回感染制御部勉強会 症例から考える感染症診療 - 症例から考える抗 MRSA 治療薬の使い方 - 感染制御部福島慎二 感染症診療は三角形を軸に考える 診断のアプローチ 病歴 感染臓器 身体診察 検査 培養 微生物 治療 いつでも感染症診療の 3 要素を整理する 患者背景, 病歴, 身体診察, 画像検査から感染臓器をつきつめることを常に一番に MRSA とは MRSA(Methicillin

More information

シプロフロキサシン錠 100mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにシプロフロキサシン塩酸塩は グラム陽性菌 ( ブドウ球菌 レンサ球菌など ) や緑膿菌を含むグラム陰性菌 ( 大腸菌 肺炎球菌など ) に強い抗菌力を示すように広い抗菌スペクトルを

シプロフロキサシン錠 100mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにシプロフロキサシン塩酸塩は グラム陽性菌 ( ブドウ球菌 レンサ球菌など ) や緑膿菌を含むグラム陰性菌 ( 大腸菌 肺炎球菌など ) に強い抗菌力を示すように広い抗菌スペクトルを シプロフロキサシン錠 mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにシプロフロキサシン塩酸塩は グラム陽性菌 ( ブドウ球菌 レンサ球菌など ) や緑膿菌を含むグラム陰性菌 ( 大腸菌 肺炎球菌など ) に強い抗菌力を示すように広い抗菌スペクトルを有し 上気道感染症 尿路感染症 皮膚感染症などに有効なニューキノロン系の合成抗菌剤である シプロキサン 錠

More information

別紙 1 新型インフルエンザ (1) 定義新型インフルエンザウイルスの感染による感染症である (2) 臨床的特徴咳 鼻汁又は咽頭痛等の気道の炎症に伴う症状に加えて 高熱 (38 以上 ) 熱感 全身倦怠感などがみられる また 消化器症状 ( 下痢 嘔吐 ) を伴うこともある なお 国際的連携のもとに

別紙 1 新型インフルエンザ (1) 定義新型インフルエンザウイルスの感染による感染症である (2) 臨床的特徴咳 鼻汁又は咽頭痛等の気道の炎症に伴う症状に加えて 高熱 (38 以上 ) 熱感 全身倦怠感などがみられる また 消化器症状 ( 下痢 嘔吐 ) を伴うこともある なお 国際的連携のもとに 別紙 1 新型インフルエンザ (1) 定義新型インフルエンザウイルスの感染による感染症である (2) 臨床的特徴咳 鼻汁又は咽頭痛等の気道の炎症に伴う症状に加えて 高熱 (38 以上 ) 熱感 全身倦怠感などがみられる また 消化器症状 ( 下痢 嘔吐 ) を伴うこともある なお 国際的連携のもとに最新の知見を集約し 変更される可能性がある (3) 届出基準ア患者 ( 確定例 ) 患者 ( 確定例

More information

スライド タイトルなし

スライド タイトルなし 市中肺炎の診療 呼吸器科 澤部俊之 第 44 回地域医療フォーラム 肺炎とは肺実質の急性 慢性の感染性炎症をさし 発熱をはじめとする自覚症状 炎症を示す検査所見 胸部レントゲン写真上の新しい浸潤影などにより診断される 診断は急性呼吸器感染症としての自他覚所見に加えて 胸部レントゲン写真あるいは胸部 CT 写真等の画像検査で急性に新たに出現したと考えられる浸潤影が認められるものを肺炎とする 市中肺炎とは一般社会生活を送っている人に見られる肺炎であり

More information

入した場合には 経気道的な散布巣として臓側胸膜から 2-3mm 離れた内側に小葉中心性粒状影や tree-in-bud といわれる小葉中心性病変を呈しますが この所見をみた場合には呼吸器感染症を強く疑います 汎小葉性病変は 小葉間隔壁に囲まれた ほぼ 1, 2cm 四方の小葉内が細胞浸潤や滲出物ある

入した場合には 経気道的な散布巣として臓側胸膜から 2-3mm 離れた内側に小葉中心性粒状影や tree-in-bud といわれる小葉中心性病変を呈しますが この所見をみた場合には呼吸器感染症を強く疑います 汎小葉性病変は 小葉間隔壁に囲まれた ほぼ 1, 2cm 四方の小葉内が細胞浸潤や滲出物ある 2016 年 1 月 13 日放送 肺炎画像診断のコツとピットフォール 大分大学呼吸器 感染症内科教授門田淳一はじめに今回は肺炎画像診断のコツとピットフォールについてご紹介します わが国は超高齢社会に突入し 肺炎は悪性疾患 心疾患に次いで死因の第 3 位になりました 高齢者は感冒やインフルエンザなどのウイルス感染症に罹患した後に 肺炎球菌性肺炎をはじめとする細菌性肺炎にかかりやすく 容易に重症化します

More information

減量・コース投与期間短縮の基準

減量・コース投与期間短縮の基準 用法 用量 通常 成人には初回投与量 (1 回量 ) を体表面積に合せて次の基準量とし 朝食後および夕食後の 1 日 2 回 28 日間連日経口投与し その後 14 日間休薬する これを 1 クールとして投与を繰り返す ただし 本剤の投与によると判断される臨床検査値異常 ( 血液検査 肝 腎機能検査 ) および消化器症状が発現せず 安全性に問題がない場合には休薬を短縮できるが その場合でも少なくとも

More information

佐賀県肺がん地域連携パス様式 1 ( 臨床情報台帳 1) 患者様情報 氏名 性別 男性 女性 生年月日 住所 M T S H 西暦 電話番号 年月日 ( ) - 氏名 ( キーパーソンに ) 続柄居住地電話番号備考 ( ) - 家族構成 ( ) - ( ) - ( ) - ( ) - 担当医情報 医

佐賀県肺がん地域連携パス様式 1 ( 臨床情報台帳 1) 患者様情報 氏名 性別 男性 女性 生年月日 住所 M T S H 西暦 電話番号 年月日 ( ) - 氏名 ( キーパーソンに ) 続柄居住地電話番号備考 ( ) - 家族構成 ( ) - ( ) - ( ) - ( ) - 担当医情報 医 佐賀県肺がん地域連携パス様式 1 ( 臨床情報台帳 1) 患者様情報 氏名 性別 男性 女性 生 住所 M T S H 西暦 電話番号 氏名 ( キーパーソンに ) 続柄居住地電話番号備考 家族構成 情報 医療機関名 診療科 住所 電話番号 紹介医 計画策定病院 (A) 連携医療機関 (B) 疾患情報 組織型 遺伝子変異 臨床病期 病理病期 サイズ 手術 有 無 手術日 手術時年齢 手術 有 無 手術日

More information

1 MRSA が増加する原因としては皮膚 科 小児科 耳鼻科などでの抗生剤の乱用 があげられます 特にセフェム系抗生剤の 使用頻度が高くなると MRSA の発生率が 高くなります 最近ではこれらの科では抗 生剤の乱用が減少してきており MRSA の発生率が低下することが期待できます アトピー性皮膚炎

1 MRSA が増加する原因としては皮膚 科 小児科 耳鼻科などでの抗生剤の乱用 があげられます 特にセフェム系抗生剤の 使用頻度が高くなると MRSA の発生率が 高くなります 最近ではこれらの科では抗 生剤の乱用が減少してきており MRSA の発生率が低下することが期待できます アトピー性皮膚炎 2010 年 2 月 11 日放送第 25 回日本臨床皮膚科医会総会 2 教育講演 6より 伝染性膿痂疹 - 最近の動向 高松赤十字病院皮膚科部長池田政身 伝染性膿痂疹は とびひ と呼ばれ 主に化膿性連鎖球菌により生じる痂皮性膿痂疹 と黄色ブドウ球菌により生じる水疱性膿痂疹に分けられます 膿痂疹で大多数を占める のは水疱性膿痂疹であり 今回は水疱性膿痂疹について述べさせていただきます 水疱性膿痂疹の原因菌は主に黄色ブドウ球菌です

More information

というもので これまで十数年にわたって使用されてきたものになります さらに 敗血症 sepsis に中でも臓器障害を伴うものを重症敗血症 severe sepsis 適切な輸液を行っても血圧低下が持続する重症敗血症 severe sepsis を敗血症性ショック septic shock と定義して

というもので これまで十数年にわたって使用されてきたものになります さらに 敗血症 sepsis に中でも臓器障害を伴うものを重症敗血症 severe sepsis 適切な輸液を行っても血圧低下が持続する重症敗血症 severe sepsis を敗血症性ショック septic shock と定義して 2016 年 8 月 10 日放送 新しい敗血症の定義 慶應義塾大学救急医学教授佐々木淳一はじめに敗血症 英語では sepsis の定義が 2001 年以来 15 年ぶりに大きく改定されました 2016 年 2 月 22 日 第 45 回米国集中治療医学会 (SCCM) において 敗血症および敗血症性ショックの国際コンセンサス定義第 3 版 (Sepsis-3) が発表され 敗血症は 感染症に対する制御不能な宿主反応に起因した生命を脅かす臓器障害

More information

抗菌療法

抗菌療法 専攻医教育プログラム 1 抗菌薬使用法 愛知医科大学産婦人科 野口靖之 Contents 総論抗菌薬の選択と使用法 各論淋菌 クラミジア感染症骨盤内炎症性疾患術後感染予防抗菌薬 おわりに耐性菌に関する今後の問題点 抗菌薬の選択 初期治療 (empirical therapy) 感染症を疑うが 原因菌や感受性結果が不明な状態で行う抗菌薬投与 標的治療 (target therapy, definitive

More information

スライド タイトルなし

スライド タイトルなし 第 4 回ひびき臨床微生物シンポジュウム June 24,27, 港ハウス 感受性検査を読む ( 同定検査結果確認やスクリーニング検査と捉えて ) ( 株 ) キューリン小林とも子 キューリン微生物検査課 塗抹鏡検グラム染色 分離培養検査血液 BTB, エッグーヨーク 報告書作成結果承認 同定検査 VITEK TSI,LIM クリスタル NF 薬剤感受性検査 MIC2 ディスク法 薬剤感受性結果 (

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション Clinical Question 2018 年 11 月 12 日 溶連菌性咽頭炎での抗菌薬使用 藤田医科大学救急総合内科作成者 : 花井翔悟監修 : 竹内元規 分野 : 感染症テーマ : 診断検査 治療 症例提示 症例 22 歳男性 主訴 発熱 咽頭痛 現病歴 受診前日からの発熱 咽頭痛で受診 発熱は昨日の夜間から 嚥下時痛も伴っている 水分摂取は可能 咳嗽なし 鼻汁なし 症例提示 既往歴 なし

More information

倉敷中央病院における COPD合併市中肺炎入院患者の状況 ( )

倉敷中央病院における COPD合併市中肺炎入院患者の状況 ( ) 高松赤十字病院学術講演会 2017.12.6 肺炎診療の実際 財団法人大原記念倉敷中央医療機構 倉敷中央病院呼吸器内科 石田直 成人肺炎診療ガイドライン 2017 3 つに細分化したガイドラインを 成人肺炎診療ガイドライン 2017 として統一した 成人市中肺炎診療ガイドライン 医療 介護関連肺炎診療ガイドライン 3 つのガイドラインを統一 成人院内肺炎診療ガイドライン 一般社団法人日本呼吸器学会

More information

h29c04

h29c04 総数 第 1 位第 2 位第 3 位第 4 位第 5 位 総数 悪性新生物 25,916 心疾患 14,133 肺炎 7,239 脳血管疾患 5,782 老衰 4,483 ( 29.8) ( 16.2) ( 8.3) ( 6.6) ( 5.1) PAGE - 1 0 歳 先天奇形 変形及び染色体異 38 胎児及び新生児の出血性障害 10 周産期に特異的な呼吸障害及 9 不慮の事故 9 妊娠期間及び胎児発育に関連

More information

<4D F736F F F696E74202D2088E397C396F28A778FA797E38FDC8EF68FDC8D DC58F4994C5205B8CDD8AB B83685D>

<4D F736F F F696E74202D2088E397C396F28A778FA797E38FDC8EF68FDC8D DC58F4994C5205B8CDD8AB B83685D> 平成 24 年 10 月 28 日 ( 日 ) 第 22 回日本医療薬学会年会奨励賞受賞講演 抗菌薬適正使用推進プログラム (Antimicrobial Stewardship) の 完全実施体制の確立とアウトカム評価 岐阜大学医学部附属病院薬剤部 / 生体支援センター丹羽隆 おもな耐性菌出現の歴史 報告年 耐性菌名 菌腫 耐性抗菌薬 1961 MRSA 黄色ブドウ球菌 β-ラクタム系薬全般 1967

More information

結核発生時の初期対応等の流れ

結核発生時の初期対応等の流れ 結核発生時の初期対応等の流れ別紙 1 結核疑い例発生 ( 事務連絡本文との対応 ) 初期対応 施設の方針決定 保健所へのの要否 診断 治療方針 患者の処遇方針 ( 単独室収容, 休養等 ) 移送の要否 居室の換気, 清掃等 接触者の処遇 矯正局及び矯正管区への発生報告 結核と診断したら直ちに保健所へ 第 1の1の (1)( 別紙 2) 第 1の1の (2)( 別紙 3,4,5,6) 第 1の1の (3)(

More information

スライド 1

スライド 1 1/5 PMDA からの医薬品適正使用のお願い ( 独 ) 医薬品医療機器総合機構 No.6 2012 年 1 月 ラミクタール錠 ( ラモトリギン ) の重篤皮膚障害と用法 用量遵守 早期発見について ラミクタール錠は 用法 用量 を遵守せず投与した場合に皮膚障害の発現率が高くなることが示されている ( 表 1 参照 ) ため 用法 用量 を遵守することが平成 20 年 10 月の承認時より注意喚起されています

More information

医療法人高幡会大西病院 日本慢性期医療協会統計 2016 年度

医療法人高幡会大西病院 日本慢性期医療協会統計 2016 年度 医療法人高幡会大西病院 日本慢性期医療協会統計 2016 年度 職員のインフルエンザワクチンの接種率 ワクチン接種率 =C( 自院内にてインフルエンザワクチンを接種した職員数 ) /B( ワクチン接種最終日の職員数 ) 100 年度 ワクチン接種最終日の職員数 ( 人 ) 自院内にてインフルエンザワクチンを接種した職員数 ( 人 ) 職員のインフルエンザワクチンの接種率 (%) 平成 26 年度 151

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション 咳嗽 喀痰 5/17 モーニングレクチャー 鳥取市立病院総合診療科 橋本靖弘 咳は外来で多い主訴の一つ S 大学 K 医科大学 千葉大学 1 腹痛 (17.0%) 咳嗽 (8.7%) 腹痛 (7.9%) 2 頭痛 (10.0%) 頭痛 (7.4%) 頭痛 (7.0%) 3 咳嗽 (9.0%) 心窩部痛 (6.1%) 発熱 (6.2%) 4 腰背部痛 (7.5%) 腹痛 (5.9%) 咳嗽 (5.9%)

More information

糖尿病経口薬 QOL 研究会研究 1 症例報告書 新規 2 型糖尿病患者に対する経口糖尿病薬クラス別の治療効果と QOL の相関についての臨床試験 施設名医師氏名割付群記入年月日 症例登録番号 / 被験者識別コード / 1/12

糖尿病経口薬 QOL 研究会研究 1 症例報告書 新規 2 型糖尿病患者に対する経口糖尿病薬クラス別の治療効果と QOL の相関についての臨床試験 施設名医師氏名割付群記入年月日 症例登録番号 / 被験者識別コード / 1/12 症例報告書 新規 2 型糖尿病患者に対する経口糖尿病薬クラス別の治療効果と QOL の相関についての臨床試験 施設名医師氏名割付群記入年月日 症例登録番号 / 被験者識別コード / 1/12 患者背景同意取得時から試験開始までの状況について記入 性別 男 女 年齢生年月日 歳 西暦年月日 身長. cm 体重. kg 腹囲. cm 糖尿病罹病期間 西暦年月 ~ 現在 喫煙 合併症 あり なし飲酒 あり

More information

「薬剤耐性菌判定基準」 改定内容

「薬剤耐性菌判定基準」 改定内容 Ver.3.1 Ver.3.2 改訂内容 (2019 年 1 月 ) 改訂対象改訂前改訂後 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA) ペニシリン耐性肺炎球菌 (PRSP) 多剤耐性緑膿菌 (MDRP) 多剤耐性アシネトバクター属 (MDRA) 概要 MPIPC が R の Staphylococcus aureus ( または CFX がディスク拡散法で R ) または選択培地で MRSA と確認された菌微量液体希釈法の基準

More information

_HO_ジャーナル�__%25i%25V%1B%28B3.15%20ver2

_HO_ジャーナル�__%25i%25V%1B%28B3.15%20ver2 A Multicenter Randomized Trial of Continuous versus Intermittent b- Lactam Infusion in Severe Sepsis 聖マリアンナ 東京ベイ合同 Journal Club 2016/3/15 聖マリアンナ医科大学救急医学 / 腎臓高血圧内科蜂須賀里菜 背景 β ラクタム系抗菌薬の特徴 MIC の 4-5 倍の血中濃度で最大の抗菌力を発揮する

More information

15,000 例の分析では 蘇生 bundle ならびに全身管理 bundle の順守は, 各々最初の 3 か月と比較し 2 年後には有意に高率となり それに伴い死亡率は 1 年後より有意の減少を認め 2 年通算で 5.4% 減少したことが報告されています このように bundle の merit

15,000 例の分析では 蘇生 bundle ならびに全身管理 bundle の順守は, 各々最初の 3 か月と比較し 2 年後には有意に高率となり それに伴い死亡率は 1 年後より有意の減少を認め 2 年通算で 5.4% 減少したことが報告されています このように bundle の merit 2011 年 11 月 30 日放送 真菌感染症 兵庫医科大学感染制御学教授竹末芳生はじめに深在性真菌症の診断 治療ガイドラインの改訂版が 2007 年に発表され それを普及させる目的で 真菌症フォーラムでは ACTIONs プロジェクトを行ってきました これは侵襲性カンジダ症の病態 診断 治療を Antifungals, Blood stream infection, Colonization &

More information

「             」  説明および同意書

「             」  説明および同意書 EDP( エトポシド + ドキソルビシン + シスプラチン ) 療法 説明および同意書 四国がんセンター泌尿器科 患者氏名 ( ) さん 御本人さんのみへの説明でよろしいですか? ( 同席者の氏名をすべて記載 ) ( ( はい ) ) < 病名 > 副腎がん 転移部位 ( ) < 治療 > EDP 療法 (E: エトポシド D: ドキソルビシン P: シスプラチン ) < 治療開始予定日 > 平成

More information

<4D F736F F D D94738C8C8FC782A982E782CC89F1959C82CC8EBF82F08CFC8FE382B382B982E9>

<4D F736F F D D94738C8C8FC782A982E782CC89F1959C82CC8EBF82F08CFC8FE382B382B982E9> 敗血症からの回復の質を向上させる Enhancing Recovery From Sepsis JAMA. 2018;319:62 75. この問題の重要性敗血症の患者は増加し, 近年, 生存率も向上している. しかし現在の敗血症ガイドラインには, 退院後のケアや機能回復に関する指針がない. 観察敗血症とは, 感染症による生命を脅かす急性臓器障害である. 毎年 1,900 万人以上の患者が敗血症を発症し,

More information

めまい

めまい Clinical Question 2016 年 12 月 12 日 High-flow nasal cannula oxygen (HFNC: ネーザルハイフロー ) 藤田保健衛生大学救急総合内科作成者 : 新垣大智監修 : 植西憲達 神宮司成弘分野 : 呼吸器テーマ : 治療 ある日の救急外来 症例 :80 歳 女性 病歴 ; 昨日朝から湿性咳嗽と膿性痰あり 夕方から 38 の発熱 今朝から呼吸困難の訴えあり

More information

BA_kanen_QA_zenpan_kani_univers.indd

BA_kanen_QA_zenpan_kani_univers.indd その他 B 型肝炎 15% C 型肝炎 68% 41 706 168 66 19 12 肝 には の か 脂肪肝 の で る () という も りま の く い 肝 の肝細胞のなかに 脂肪の く がこ なにたまっ いま 類洞 正常な肝臓 腸管からの栄養や不要物が流れていく 肝細胞 正常な肝臓 脂肪肝の始まり 類洞 腸管からの栄養や不要物が流れていく 類洞 過剰な脂質 糖質の流入 肝細胞 肝細胞のなかに中性脂肪がたまり始める

More information

抗MRSA薬の新規使用患者のまとめ

抗MRSA薬の新規使用患者のまとめ 発表テンプレート 病院名 宮崎大学医学部附属病院 参加者 スライド 1 枚目に参加者氏名 発表項目を記載してください ( 様式自由 ) 医師 ( 部長 ) 医師 ( 副部長 ) 看護師 ( 副部長 ) 薬剤師検査技師 岡山昭彦高城一郎福田真弓平原康寿佐伯裕二 報告事項 1 薬剤耐性菌等の検出状況 2 感染症患者の発生状況 3 院内感染対策の実施状況 4 抗菌薬の使用状況等 平成 28 年 5 月 24

More information

1508目次.indd

1508目次.indd 成人の溶連菌感染の診断 國島広之 成人の溶連菌感染の診断についてご教示ください 日常診療において 成人で咽頭痛 扁桃に膿栓 高熱を認める場合があります 1. 成人における溶連菌感染の頻度 2. 感染の迅速診断キットの有用性 3. 成人においても治療はペニシリンの10 日間服用が基本処方でしょうか 4. センタースコアは 成人にも適応できますか 國島 5 15% 10% 5 15% 國島 59

More information

<4D F736F F D2089BB8A7797C C B B835888E790AC8C7689E6>

<4D F736F F D2089BB8A7797C C B B835888E790AC8C7689E6> 2012 年 4 月更新作成者 : 宇根底亜希子 化学療法看護エキスパートナース育成計画 1. 目的江南厚生病院に通院あるいは入院しているがん患者に質の高いケアを提供できるようになるために 看護師が化学療法分野の知識や技術を習得することを目的とする 2. 対象者 1 ) レベル Ⅱ 以上で各分野の知識と技術習得を希望する者 2 ) 期間中 80% 以上参加できる者 3. 教育期間 時間間 1 年間の継続教育とする

More information

5. 死亡 (1) 死因順位の推移 ( 人口 10 万対 ) 順位年次 佐世保市長崎県全国 死因率死因率死因率 24 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 位 26 悪性新生物 350

5. 死亡 (1) 死因順位の推移 ( 人口 10 万対 ) 順位年次 佐世保市長崎県全国 死因率死因率死因率 24 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 位 26 悪性新生物 350 5. 死亡 () 死因順位の推移 ( 人口 0 万対 ) 順位年次 佐世保市長崎県全国 死因率死因率死因率 24 悪性新生物 328.4 悪性新生物 337.0 悪性新生物 286.6 25 悪性新生物 377.8 悪性新生物 354. 悪性新生物 290.3 位 26 悪性新生物 350.3 悪性新生物 355.7 悪性新生物 290.3 27 悪性新生物 332.4 悪性新生物 35. 悪性新生物

More information

頭頚部がん1部[ ].indd

頭頚部がん1部[ ].indd 1 1 がん化学療法を始める前に がん化学療法を行うときは, その目的を伝え なぜ, 化学療法を行うか について患者の理解と同意を得ること ( インフォームド コンセント ) が必要である. 病理組織, 病期が決定したら治療計画を立てるが, がん化学療法を治療計画に含める場合は以下の場合である. 切除可能であるが, 何らかの理由で手術を行わない場合. これには, 導入として行う場合と放射線療法との併用で化学療法を施行する場合がある.

More information

パスを活用した臨床指標による慢性心不全診療イノベーション よしだ ひろゆき 福井赤十字病院クリニカルパス部会長循環器科吉田博之 緒言本邦における心不全患者数の正確なデータは存在しないが 100 万人以上と推定されている 心不全はあらゆる心疾患の終末像であり 治療の進步に伴い患者は高齢化し 高齢化社会

パスを活用した臨床指標による慢性心不全診療イノベーション よしだ ひろゆき 福井赤十字病院クリニカルパス部会長循環器科吉田博之 緒言本邦における心不全患者数の正確なデータは存在しないが 100 万人以上と推定されている 心不全はあらゆる心疾患の終末像であり 治療の進步に伴い患者は高齢化し 高齢化社会 パスを活用した臨床指標による慢性心不全診療イノベーション よしだ ひろゆき 福井赤十字病院クリニカルパス部会長循環器科吉田博之 緒言本邦における心不全患者数の正確なデータは存在しないが 100 万人以上と推定されている 心不全はあらゆる心疾患の終末像であり 治療の進步に伴い患者は高齢化し 高齢化社会の進行とともに更なる増加が予想される エビデンスに基づく治療やデバイス使用 合併症の治療により心不全の予後は改善しているが

More information

2)HBV の予防 (1)HBV ワクチンプログラム HBV のワクチンの接種歴がなく抗体価が低い職員は アレルギー等の接種するうえでの問題がない場合は HB ワクチンを接種することが推奨される HB ワクチンは 1 クールで 3 回 ( 初回 1 か月後 6 か月後 ) 接種する必要があり 病院の

2)HBV の予防 (1)HBV ワクチンプログラム HBV のワクチンの接種歴がなく抗体価が低い職員は アレルギー等の接種するうえでの問題がない場合は HB ワクチンを接種することが推奨される HB ワクチンは 1 クールで 3 回 ( 初回 1 か月後 6 か月後 ) 接種する必要があり 病院の Ⅵ. 職業感染対策 1. 針刺し 切創 粘膜曝露 1) 針刺し 切創 粘膜曝露対策および事例発生時の対応 職業感染を防止するためには 針刺し 切創 粘膜曝露を起こさないことが重要ではあ るが もし針刺し 切創 粘膜曝露が発生した場合は 迅速に対処することが必要となる 針刺し 切創 粘膜曝露事例発生時はフローチャートに従い行動する 表 1 感染症別の針刺しによる感染率 問題となるウイルス 感染率 備考

More information

<34398FAC8E998AB490F55F DCC91F092CA926D E786C7378>

<34398FAC8E998AB490F55F DCC91F092CA926D E786C7378> 10000 G-1-007 10 月 21 日 14:40~15:40 G 会場 一般演題 ( 口演 ) 予防接種 1 10001 H-2-001 10 月 22 日 9:00~10:00 H 会場 一般演題 ( 口演 ) 疫学 公衆衛生 10002 C-1-011 10 月 21 日 14:50~15:50 C 会場 一般演題 ( 口演 ) マイコプラズマ 10003 F-1-001 10 月 21

More information

平成 28 年 10 月 17 日 平成 28 年度の認定看護師教育基準カリキュラムから排尿自立指導料の所定の研修として認めら れることとなりました 平成 28 年度研修生から 排泄自立指導料 算定要件 施設基準を満たすことができます 下部尿路機能障害を有する患者に対して 病棟でのケアや多職種チーム

平成 28 年 10 月 17 日 平成 28 年度の認定看護師教育基準カリキュラムから排尿自立指導料の所定の研修として認めら れることとなりました 平成 28 年度研修生から 排泄自立指導料 算定要件 施設基準を満たすことができます 下部尿路機能障害を有する患者に対して 病棟でのケアや多職種チーム 平成 28 年 10 月 17 日 平成 28 年度の認定看護師教育基準カリキュラムから排尿自立指導料の所定の研修として認めら れることとなりました 平成 28 年度研修生から 排泄自立指導料 算定要件 施設基準を満たすことができます 下部尿路機能障害を有する患者に対して 病棟でのケアや多職種チームの介入による下部尿路機能の回復のための包括的排尿ケアについて評価する ( 新 ) 排尿自立指導料 [

More information

10,000 L 30,000 50,000 L 30,000 50,000 L 図 1 白血球増加の主な初期対応 表 1 好中球増加 ( 好中球 >8,000/μL) の疾患 1 CML 2 / G CSF 太字は頻度の高い疾患 32

10,000 L 30,000 50,000 L 30,000 50,000 L 図 1 白血球増加の主な初期対応 表 1 好中球増加 ( 好中球 >8,000/μL) の疾患 1 CML 2 / G CSF 太字は頻度の高い疾患 32 白血球増加の初期対応 白血球増加が 30,000~50,000/μL 以上と著明であれば, 白血病の可能性が高い すぐに専門施設 ( ) に紹介しよう ( 図 1) 白血球増加があれば, まず発熱など感染症を疑う症状 所見に注目しよう ( 図 1) 白血球増加があれば, 白血球分画を必ずチェックしよう 成熟好中球 ( 分葉核球や桿状核球 ) 主体の増加なら, 反応性好中球増加として対応しよう ( 図

More information

2015 年 9 月 30 日放送 カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE) はなぜ問題なのか 長崎大学大学院感染免疫学臨床感染症学分野教授泉川公一 CRE とはカルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症 以下 CRE 感染症は 広域抗菌薬であるカルバペネム系薬に耐性を示す大腸菌や肺炎桿菌などの いわゆる

2015 年 9 月 30 日放送 カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE) はなぜ問題なのか 長崎大学大学院感染免疫学臨床感染症学分野教授泉川公一 CRE とはカルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症 以下 CRE 感染症は 広域抗菌薬であるカルバペネム系薬に耐性を示す大腸菌や肺炎桿菌などの いわゆる 2015 年 9 月 30 日放送 カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE) はなぜ問題なのか 長崎大学大学院感染免疫学臨床感染症学分野教授泉川公一 CRE とはカルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症 以下 CRE 感染症は 広域抗菌薬であるカルバペネム系薬に耐性を示す大腸菌や肺炎桿菌などの いわゆる腸内細菌科細菌による感染症の総称です CRE 感染症は 腸内細菌による感染症ですので 感染防御機能の低下した患者

More information

免疫学的検査 >> 5E. 感染症 ( 非ウイルス ) 関連検査 >> 5E106. 検体採取 患者の検査前準備 検体採取のタイミング 記号 添加物 ( キャップ色等 ) 採取材料 採取量 測定材料 F 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( 青 細 ) 血液 3 ml 血清 H 凝固促進剤

免疫学的検査 >> 5E. 感染症 ( 非ウイルス ) 関連検査 >> 5E106. 検体採取 患者の検査前準備 検体採取のタイミング 記号 添加物 ( キャップ色等 ) 採取材料 採取量 測定材料 F 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( 青 細 ) 血液 3 ml 血清 H 凝固促進剤 6102 5. 免疫学的検査 >> 5E. 感染症 ( 非ウイルス ) 関連検査 >> 5E106. mycoplasma pneumoniae antibody 連絡先 : 3764 基本情報 5E106 分析物 JLAC10 診療報酬 識別材料 023 血清 測定法 117 粒子凝集反応 結果識別 第 2 章 特掲診療料 D012 第 3 部 検査 第 1 節 検体検査料 第 1 款 検体検査実施料

More information

葉酸とビタミンQ&A_201607改訂_ indd

葉酸とビタミンQ&A_201607改訂_ indd L FO AT E VI TAMI NB12 医療関係者用 葉酸 とビタミンB ビタミンB12 アリムタ投与に際して 警告 1 本剤を含むがん化学療法に際しては 緊急時に十分対応できる医療施設において がん化学療 法に十分な知識 経験を持つ医師のもとで 本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投 与すること 適応患者の選択にあたっては 各併用薬剤の添付文書を参照して十分注意すること また 治療開始に先立ち

More information

Microsoft PowerPoint - 薬物療法専門薬剤師制度_症例サマリー例_HP掲載用.pptx

Microsoft PowerPoint - 薬物療法専門薬剤師制度_症例サマリー例_HP掲載用.pptx 薬物療法専門薬剤師の申請 及び症例サマリーに関する Q&A 注意 : 本 Q&A の番号は独立したものであり 医療薬学会 HP にある 薬物療法専門薬剤師制度の Q&A の番号と関連性はありません 薬物療法専門薬剤師認定制度の目的 幅広い領域の薬物療法 高い水準の知識 技術及び臨床能力を駆使 他の医療従事者と協働して薬物療法を実践 患者に最大限の利益をもたらす 国民の保健 医療 福祉に貢献することを目的

More information

CQ1: 急性痛風性関節炎の発作 ( 痛風発作 ) に対して第一番目に使用されるお薬 ( 第一選択薬と言います ) としてコルヒチン ステロイド NSAIDs( 消炎鎮痛剤 ) があります しかし どれが最適かについては明らかではないので 検討することが必要と考えられます そこで 急性痛風性関節炎の

CQ1: 急性痛風性関節炎の発作 ( 痛風発作 ) に対して第一番目に使用されるお薬 ( 第一選択薬と言います ) としてコルヒチン ステロイド NSAIDs( 消炎鎮痛剤 ) があります しかし どれが最適かについては明らかではないので 検討することが必要と考えられます そこで 急性痛風性関節炎の [web 版資料 1 患者意見 1] この度 高尿酸血症 痛風の治療ガイドライン の第 3 回の改訂を行うことになり 鋭意取り組んでおります 診療ガイドライン作成に患者 市民の立場からの参加 ( 関与 ) が重要であることが認識され 診療ガイドライン作成では 患者の価値観 希望の一般的傾向 患者間の多様性を反映させる必要があり 何らかの方法で患者 市民の参加 ( 関与 ) に努めるようになってきております

More information

Microsoft Word - 【Q&A→自治体】セファゾリン事務連絡

Microsoft Word - 【Q&A→自治体】セファゾリン事務連絡 事務連絡 平成 31 年 4 月 10 日 都道府県 各保健所設置市 特別区 衛生主管部 ( 局 ) 御中 厚生労働省健康局結核感染症課 厚生労働省医政局経済課 セファゾリンナトリウム注射用 日医工 が安定供給されるまでの対応について の Q&A について 標記について セファゾリンナトリウム注射用 日医工 が安定供給されるまでの対応について ( 周知依頼 ) ( 平成 31 年 3 月 29 日付け事務連絡

More information

症例報告書の記入における注意点 1 必須ではない項目 データ 斜線を引くこと 未取得 / 未測定の項目 2 血圧平均値 小数点以下は切り捨てとする 3 治験薬服薬状況 前回来院 今回来院までの服薬状況を記載する服薬無しの場合は 1 日投与量を 0 錠 とし 0 錠となった日付を特定すること < 演習

症例報告書の記入における注意点 1 必須ではない項目 データ 斜線を引くこと 未取得 / 未測定の項目 2 血圧平均値 小数点以下は切り捨てとする 3 治験薬服薬状況 前回来院 今回来院までの服薬状況を記載する服薬無しの場合は 1 日投与量を 0 錠 とし 0 錠となった日付を特定すること < 演習 ABC-123 臨床試験進行または再発胃癌患者に対するプラセボを対照薬とした無作為化二重盲検比較試験症例報告書 治験実施計画書番号 P123-31-V01 被験者識別コード 割付番号 治験実施医療機関名 ご自分の医療機関 お名前を記載して下さい 症例報告書記載者名 症例報告書記載者名 治験責任医師 ( 署名又は記名 押印 ) 治験責任医師記載内容確認完了日 印 2 0 年 月 日 1 症例報告書の記入における注意点

More information

されており これらの保菌者がリザーバーとして感染サイクルに関与している可能性も 考えられています 臨床像ニューモシスチス肺炎の 3 主徴は 発熱 乾性咳嗽 呼吸困難です その他のまれな症状として 胸痛や血痰なども知られています 身体理学所見には乏しく 呼吸音は通常正常です HIV 感染者に合併したニ

されており これらの保菌者がリザーバーとして感染サイクルに関与している可能性も 考えられています 臨床像ニューモシスチス肺炎の 3 主徴は 発熱 乾性咳嗽 呼吸困難です その他のまれな症状として 胸痛や血痰なども知られています 身体理学所見には乏しく 呼吸音は通常正常です HIV 感染者に合併したニ 2012 年 4 月 4 日放送 ニューモシスチス肺炎の診断と治療 東京医科大学八王子医療センター感染症科教授藤井毅はじめにニューモシスチス肺炎は Pneumocystis jirovecii( ニューモシスチスイロベチイ ) を病原微生物とする 主に細胞性免疫が著明に低下した状態で発症する日和見感染症です AIDS 関連日和見感染症の代表的疾患ですが その他にもステロイドや免疫抑制剤の長期使用 抗

More information