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ちとらあわび
5 years ago
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1 2018 年無機化学第 5 回講義概要 0. アルカリ金属の有機化学への応用 1. 塩化マグネシウムの加水分解 print p.13 2.Mg 系制酸剤 print p text p Alを含む制酸剤 text p.114, 189 print p 錯体とは print p.15 text p 錯体の命名法の規則配位子 print p.16 text p

2 アルカリ金属 ~ 有機化学への応用 ~ Na Na ( 固体 ) liq. N 3 Na (N3 ) n 溶媒和 Na は液体アンモニア (bp -33 ) に溶けてかなり安定な深青色溶液となる Na + (N 3 ) n + e - (N 3 ) n 溶媒和強い還元性を示す 1 族,2 族共通の性質還元剤として用いられる

3 Birch 還元 e - Na, liq. N 3 Na naphthalene alcohol ( + ) e - Na, liq. N 3 Na alcohol ( + )

4 2 Na O 2 NaO + 2 Na 反応性の差異をどう説明するか Na Na (N 3 ) n Na + (N 3 ) n + e - (N 3 ) n

5 e - (N 3 ) n 溶媒和 (solvation) された電子 e - ( 2 O) n? 水和 (hydration) された電子?

6 自己イオン化 ( 自己解離 ) プロトン性溶媒 (protic solvent) は, プロトンを分子間で移動させて自己イオン化する. 2 2 O 3 O + + O - [ 3 O + ][O - ] = (25 C) 2 2 SO 4 3 SO SO - 4 [ 3 SO + 4 ][SO - 4 ] = (25 C) 2 N 3 N N - 2 [N + 4 ][N - 2 ] = (-33 C)

7 胃腸薬制酸剤 ( 主として胃酸の中和と胃粘膜の保護 ) 水酸化 Mg 酸化 Mg 炭酸 Mg 炭酸水素 Na 炭酸 Ca ヒドロタルサイトメタケイ酸 AlMg 水酸化 Al ゲル 2 ブロッカー ( 主として胃酸の分泌を抑制 ) ファモチジンニザチジン

8 MgO MgO + 2Cl 制酸剤 MgCl O 水に溶けにくいので NaCO 3 に比べて作用の発現は遅く持続性である MgCO 3 MgCO 3 と Mg(O) 2 の混合水和物 NaCO 3 NaCO 3 + Cl 即効性だが, 持続性無し NaCl + CO O

9 興和ホームページより

10 第一三共ヘルスケアホームページより

12 13 族アルミニウム (Al) ~ 制酸剤 ~ Print p.14 amphoteric

15 第 II 族アルカリ土類金属 ~ 酸化物 MO~ 2 M + O 2 2 MO 塩基性化合物で, 水に溶けてアルカリ性を呈する ( ただし BeO は水に不溶 ) MCO 3 M(NO 3 ) 2 M(O) 2 塩基性 : MgO < CaO < SrO < BaO

16 薬価 :1.51 円 /g 吉田製薬添付文書

17 健栄製薬ホームページより

18 Mg 2+ + CO 3 - Mg(CO 3 ) 2 下剤 or MgCO 3 浸透圧の差により, 水分吸収阻害による腸内水分量の増加便の膨大軟化腸壁の伸展受容器刺激蠕動運動亢進 Print p.13

19 es/opmnu 便秘薬の定番酸化マグネシウムってどんな薬? より図を引用

21 識別コード識別を目的として, 錠剤, カプセル等に刻印又は印刷される文字又は絵文字会社コード製品コード

26 第 II 族アルカリ土類金属 ~ ハロゲンとの反応 ~ M + X 2 MX 2 Mg, Ca では吸湿性であり, 水和物を作る Sr, Ba, Ra では無水物が安定ヒドロキシ塩化物加熱しても無水塩にならない MgO Print p.13

27 加水分解 Cl Mg Cl (hydrolysis) Mg Cl Cl Cl Mg O O O

28 Cl Mg Cl MgO O

29 13 族アルミニウム (Al) [Al(O) 3 ( 2 O) 3 ] triaquatrihydroxidoaluminum(iii) 水酸化アルミニウムゲル

30 錯体 Print p.15 金属イオンは, 自分自身の周りに陰イオンや中性分子を規則的に配列させる性質がある. このような化合物群を錯体 (complex) あるいは配位化合物 (coordination compound) という. 周りの陰イオンや分子を配位子 (ligand) という. Ligand の数を配位数という. ligand

31 化学式 [Al(O) 3 ( 2 O) 3 ] metal (cation) ligand (anion) ligand (neutral) 命名 ligand metal ( ) triaquatrihydroxidoaluminum (III) 1 mono 2 di 3 tri 4 tetra 5 penta 6 hexa

32 Al 含有制酸剤 amphoteric 両性錯体 ligand が金属の周りに規則的に配列 Print p.18 錯体の命名法ノート [Al(O) 3 ( 2 O) 3 ] 乾燥水酸化アルミニウムゲル Al 3+ の錯体 metal ion Lewis acid Ligand: 電子対を供与 Lewis base complex coordination compound ligand の数配位数 coordination number

33 配位子 (ligand) (1) monodentate ligand( 単座配位子 ) 1つで 1 組のローンペアを供与陰イオン F - Cl - Br - I - - O - fluorido chlorido bromide iodo hydrido hydroxido fluoro chloro bromo 中性 N 3 2 O CO ammine aqua carbonyl (2) multidentate ligand( 多座配位子 ) i)bidentate ligand( 二座配位子 ) 1 分子で 2 組のローンペアを供与 ethylenediamine (en) bpy dppe gly oxin ドナー原子 (N, N) (N, N) (P, P) (N, O) (N, O) bidentate ligand の略号 : 配位子名 bpy: 2,2 -bipyridine dppe: 1,2-bis(diphenylphosphino)ethane gly: glycinato oxin: 8-hydroxyquinolinolato

34 配位子 (ligand) 注意! gly が ligand となるのは, カルボキシ基が陰イオンの場合 gly このままでは無理 gly これがドナー原子となる ii) tridentate ligand ( 三座配位子 ) D- ペニシラミン ii) tetradentate ligand( 四座配位子 ) triene ポルフィリン D- ペニシラミン iii) hexadentate ligand ( 六座配位子 ) EDTA (N,N,O,O,O,O) triene

35 [Al(O) 3 ( 2 O) 3 ] 13Al 1s 2 2s 2 2p 6 3s 2 3p 1 3d 0 Al 3+ 1s 2 2s 2 2p 6 3s 0 3p 0 3d 0 Ligand は O - (hydroxido) が3つ 2 O(aqua) が3つ各 ligandが1 対のローンペアを供与するので, 計 6 対のローンペアをAl 3+ は受け入れなければならない等価な 6 つの軌道を用意して,6 対のローンペアを受け入れる sp 3 d 2 正八面体構造をとる Al 3+ は等価な 6 つの空の軌道を用意する必要がある基底状態では不可能なので, 混成軌道をつくる

36 i) 化学式 [Al(O) 3 ( 2 O) 3 ] [ 電荷中性錯体の場合 ] ii) 命名 ( 英名 ) ローマ数字で酸化数を記述 O - : hydroxido 3 trihydroxido 2 O: aqua 3 triaqua ligand の頭文字のアルファベット順に書く. この場合, 数詞は考慮しない. 同種の複数 ligand があった場合は, アルファベット順例 )BrCl

37 例題 1 Pt 2+ : platinum (II) Cu 2+ : copper (II) (1) cis-[ptcl 2 (N 3 ) 2 ] diamminedichloridoplatinum (II) 構造 (1) 構造 (2) (2) [Cu(gly) 2 ] bis(glycinato)copper (II) 構造 (3) (3) [PtCl 2 (en)] dichlorido(ethylenediamine)platinum (II)

38 錯陽イオン NaCl sodium chloride 陽イオン陰イオン pentaamminechloridocobalt (III) chloride 錯陽イオン部電荷中性錯体の命名法と同じ tris(2,2 -bipyridine)iron (II) chloride

39 錯陰イオン NaCl sodium chloride 陽イオン陰イオン potassium tetrachloroplatinum (II) potassium tetrachloroplatinate (II) 錯陰イオン部金属語尾 um ate palladium palladiate palladate 母音かぶり potassium hexacyanoiron (II) potassium hexacyanoferrate (II) 特殊変化 iron ferrate copper cuprate silver argentite calcium calacite など

40 13 族アルミニウム (Al) ~ 制酸剤 (2)~ 塩基酸共役酸共役塩基 [Al(O) 3 ( 2 O) 3 ] + 3 O + [Al(O) 2 ( 2 O) 4 ] O [Al(O) 2 ( 2 O) 4 ] O + [Al(O)( 2 O) 5 ] O [Al(O)( 2 O) 5 ] O + [Al( 2 O) 6 ] O pka = 4.85 [Al(O) 3 ( 2 O) 3 ] triaquatrihydroxidoaluminum(iii)

41 13 族アルミニウム (Al) ~ 制酸剤 (3)~ 水酸化アルミニウムは過量の胃酸を中和し胃 p を 3-5 に維持する能力がある中和速度は NaCO 3 に比べると遅いが中和に際して CO 2 を遊離せずまたアルミニウムイオンは吸収されることも少ないという長所があるさらに粘膜を被覆保護しペプシンやトリプシンなどを吸着しそれらを不活性化するなど消化性潰瘍治療に適している

42 13 族アルミニウム (Al) ~ 制酸剤 (4)~ スクラルファート胃粘膜表面への付着による粘膜保護作用, ペプシン活性の抑制作用と制酸作用に基づく抗消化性潰瘍作用. 潰瘍部へ選択的に結合して保護膜を作る. OR C 2 OR OR O OR RO 2 C OR x[al(o) 3 ] y 2 O C 2 OR RO O アルジオキサ R=SO 3 Al(O) 2 アラントインと水酸化アルミニウムとの縮合物. アラントインの抗潰瘍作用と収斂被覆作用を有する水酸化アルミニウムの双方の効果をねらって考案された. 2 N O C N O OAl(O) 2 N N

43 Aldioxa N O OAl(O) 2 2 N O C N N 収斂被覆作用抗潰瘍作用 O N O 2 N O C N N allantoin

1 原子軌道と量子数 (text p.12-19) 1. 原子軌道 (atomic orbital) 電子の分布の形状は電子の波動性のため, 不連続となる ( 決まった波長の波以外は波の干渉のため存在できない ). これを量子化 (quantization) という. この量子化された電子状態と対応

1 原子軌道と量子数 (text p.12-19) 1. 原子軌道 (atomic orbital) 電子の分布の形状は電子の波動性のため, 不連続となる ( 決まった波長の波以外は波の干渉のため存在できない ). これを量子化 (quantization) という. この量子化された電子状態と対応するエネルギーはシュレイディンガー (Schrödinger) 方程式を解くことで求めることができる.