共同研究報告書

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ほのかおまた
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1 ( 様式 4) 二国間交流事業共同研究報告書平成 29 年 9 月 19 日独立行政法人日本学術振興会理事長殿共同研究代表者所属部局神戸大学大学院農学研究科 ( ふりがな ) すぎもとゆきひろ職氏名教授杉本幸裕 1. 事業名相手国 ( スーダン ) との共同研究振興会対応機関 ( P ) 2. 研究課題名スーダンにおける根寄生雑草ストライガの防除と利用を目指した天然物化学研究の展開 3. 全採用期間平成 27 年 9 月 1 日 ~ 平成 29 年 8 月 31 日 ( 2 年 0 ヶ月 ) 4. 経費総額本事業により執行した研究経費総額研究交流経費 ( 直接経費 ):4,382,000 円間接経費 : 円初年度経費研究交流経費 ( 直接経費 ): 990,000 円間接経費 : 0 円 2 年度経費研究交流経費 ( 直接経費 ):1,760,000 円間接経費 : 0 円 3 年度経費研究交流経費 ( 直接経費 ):1,632,000 円間接経費 : 0 円 5. 研究組織 (1) 日本側参加者 ( 実施期間中の参加者全員 ( 途中から参加 / 不参加となった方も含む )) 途中から参加 / 不参加となった場合は参加期間も記入してください氏名所属職名久世雅樹神戸大学大学院農学研究科准教授藤岡聖神戸大学博士後期課程 2 年 (2) 相手国側研究代表者所属職名氏名 Sudan Univeristy of Science and Technology Assistant Professor Amani Hamad Eltayeb Hamad - 1 -

2 (3) 相手国参加者 ( 実施期間中の参加者全員 ( 途中から参加 / 不参加となった方も含む )) 途中から参加 / 不参加となった場合は参加期間も記入してください氏名所属職名 Migdam Elsheikh Abdelgani Abdel Gabar Babiker Reem Hassan Algaddal Ehssan Hassan Moglad The National Center for Research Director General, Professor The National Center for Research Research Professor Sudan University of Science and Technology Technician The National Center for Research Assistant Professor ( ~ ) *(1) (3) 共に代表者は除きます - 2 -

3 6. 研究実績概要 ( 全期間を通じた研究の目的研究計画の実施状況成果等の概要を簡潔に記載してください ) 根寄生雑草ストライガ (Striga hermonthica) はスーダンの重要な作物であるソルガムをはじめとしてトウモロコシイネサトウキビ等主要なイネ科作物を宿主とする最近ではコムギにも寄生することが顕在化してきたストライガは宿主から養水分を奪って生育するため寄生された作物の成長は損なわれるスーダンでは食糧生産を阻害する最大の生物的要因となっている本交流事業はストライガ防除研究に実績のあるあるいは関心の高い研究者と共同実験および討議をはじめとする研究交流を通してストライガの克服を目指した日本スーダン二国間の共同研究体制の構築強化を目的とし以下の2 課題に取り組んだ課題 1. 発芽刺激物質ストライガは独立しては生きられないため宿主の根が分泌する化学シグナルに応答して発芽する直後に宿主の根に接着し寄生を確立する発芽刺激物質の化学的実体は一連の類縁の化合物から成ることが明らかにされておりストライゴラクトン (SL) と総称される宿主作物が存在しない畑の土壌を SL で処理することでストライガの種子を強制的に発芽させて自殺に追い込むことは可能であるしかし SL 製剤の供給は容易ではなく現実的ではない本課題ではスーダンで入手が容易である他の雑草を利用して自殺発芽誘導剤開発の端緒とすることを目標とした予備的なスクリーニングの結果 Euphorbia を研究対象に選んだこの雑草は地面を這うように成長する小さな植物であり茎を折ると乳液が出てくる当初は夾雑物が少ないと期待されることから乳液を濾紙で回収し乾燥後に有効成分を溶剤で抽出して精製材料としたしかし実験の進捗に伴い出発材料の乏しさが精製工程の隘路となってきたため途中から全草を材料としたストライガ種子に対する発芽刺激活性を指標に精製を進め最も精製度が高くなった画分を日本で LC-MS/MS 分析に供した日本側ではこれまでに天然から単離されているほとんどの SL 標品を保有しており分析系も確立しているが Euphorbia 由来の活性画分に既知の SL は検出されなかった活性物質に関するその他の情報も得られなかった日本側では過去にいくつもの SL を単離構造決定した実績を有する 2 年という短期の事業期間で得られた知見はスーダンの研究環境に鑑みれば満足すべき水準に達していると考えられる特筆すべきこととして実験を担当した修士課程の学生にとってスーダンの研究環境では得がたい経験をしたことが大いに刺激になったと思われ一連の研究をとりまとめて修士号の学位を取得した後スーダンあるいは何らかの奨学金を得て日本でさらに研究を続けたいという希望を聞いている課題 2. ストライガ成分ストライガ個体は直立しかつ宿主に養水分を依存するため根系の発達は乏しいので幼い子供でも容易に引き抜くことができるしかしストライガが地上に出現した時点ですでに宿主は相当の害を被っているため作物生産の立場からは除草には労力に見合うだけの収量の増加は期待できないこれまでストライガの成分分析は殆ど行われておらず有用性に関する知見はないストライガ植物体に有用成分を見出し価値を賦与することにより除草という最も確実なストライガ防除法の合理的な実践が可能になるそれを目標として主要成分を単離し構造を決定することを目標とした - 3 -

4 本事業経費でスーダンを訪問し各シーズンにおけるストライガを収集した開花前および開花後のストライガ個体を天日乾燥した後に粉砕し粉末とした得られた乾燥ストライガ粉末をメタボローム解析した結果 300 種類程度の二次代謝産物が同定できた含有量が多いと考えられる 10 の化合物群はフラボノイドテルペノイドアルカロイドから成り光学活性体が多く含まれていた 6 番目に多く含まれる aucubin は利尿作用胆汁酸分泌促進作用のある化合物でありその誘導体は抗菌薬として利用されているまた虫下し剤として有名なテルペノイドであるα-santoni H H H H H H H H H H aucubin の構造 α-santonin の構造も含まれておりストライガを薬草として利用する可能性を見出すことができたそれぞれの乾燥ストライガ粉末をメタノールで抽出した後液 - 液分配することで化合物を酸性塩基性中性画分に分画した一般に塩基性画分には様々な生物活性を示すアルカロイド系天然物が多く含まれており市場価値も高いこの塩基性画分はストライガの成長期によって収量が異なることが判明したすなわち開花前のストライガからは塩基性画分がほとんど得られないが開花後の成長したストライガには多くの塩基性画分が得られたこのことからアルカロイド系天然物を効率よく抽出するには開花後の成長したストライガ葉を用いることが好ましいという知見が得られた具体的には 15 g のストライガ葉乾燥粉末から 380 mg の塩基性画分 120 mg の酸性画分 380 mg の中性画分を得ることができた液 - 液分画した抽出物についてさらに精製を進めるべくまずは中性画分の精製を進めたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで 0-100% 酢酸エチル-ヘキサンで溶出させ中性画分をさらに分画した 40% 酢酸エチル画分には主に2 種類の物質が含まれていたこれをさらに分取薄層クロマトグラフィーで精製しそれぞれ 5 mg 程度得ることができた塩基性画分にはクロロフィル誘導体が多く含まれていることが明らかになったこれらは日焼け止めの天然成分として市場価値もありストライガを換金作物へと転換する可能性を見出すことができたさらにスーダンでは若手研究者に天然物の精製技術を指導しストライガ葉乾燥粉末の調製とメタノールによる粗抽出物を得る段階までを現地で実施する体制を構築できた - 4 -

5 7. 派遣受入実績 (1) 各研究期間中に相手国または相手国以外の国を訪問した日本側参加者氏名派遣期間主たる訪問 1 年度目先 ( 相手国以外の国における訪問先には下線を引き国名を明記してください委託費から支出した出張のみ記載してくださいただし日本国内出張は除きます ) 氏名所属職名期間 ( 現地到着日 ~ 現地出発日 ) ~ ~ 主たる訪問先 ( 機関名国名 ) 小計 2 名 ( 延べ人数 ) ~ ~ Sudan University of Science and Technology, ~ 小計 5 名 ( 延べ人数 ) ~ ~ 藤岡聖神戸大学大学院農学研究科博士後期課程 2 年 ~ Asilomar Conference Center, 14 th World Congress on Parasitic Plants 米国 ~ Melbourne Convention and Exhibition Centre, 18 th Tetrahedron Symposium Asia Edition オーストラリア小計 4 名 ( 延べ人数 ) 合計 11 名 ( 延べ人数 ) - 5 -

6 (2) 各研究期間中に受け入れた相手国参加者氏名来日期間主たる訪問先 ( 振興会から滞在費等の支給 1 を受けた研究者に * 印をつけてください ) 氏名所属職名期間 ( 来日日 ~ 離日日 ) Abdel Gabar Babiker ~ National Center for Research, Professor 主たる訪問先 ( 機関名 ) 神戸大学 2 小計 1 名 ( 延べ人数 ) 3 小計名 ( 延べ人数 ) 小計名 ( 延べ人数 ) 合計 1 名 ( 延べ人数 ) - 6 -

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( 様式 4) 二国間交流事業共同研究報告書平成 30 4 月 20 日独立行政法人日本学術振興会理事長殿共同研究代表者所属部局東海大学医学部 ( ふりがな ) はだのしんじ職氏名教授秦野伸二 1. 事業名相手国 ( 中国 ) との共同研究振興会対応機関 ( NSFC ) 2. 研究課題名東アジア人における筋萎縮性側索硬化症の発症分子機構の解析 3. 全採用期間平成 27