地盤工学ジャーナル Vol.6,No.3, 泥炭地盤の圧密沈下挙動と慣用予測式の適用性 山添誠隆 1, 田中洋行 2, 林宏親 3, 三田地利之 4 1 ( 株 ) シーウェイエンジニアリング 2 北海道大学大学院工学研究院 環境フィールド工学部門 3 ( 独 ) 土木研究所寒地土木研

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1 地盤工学ジャーナル Vol.6,No.3, 泥炭地盤の圧密沈下挙動と慣用予測式の適用性 山添誠隆 1, 田中洋行 2, 林宏親 3, 三田地利之 4 1 ( 株 ) シーウェイエンジニアリング 2 北海道大学大学院工学研究院 環境フィールド工学部門 3 ( 独 ) 土木研究所寒地土木研究所 4 日本大学 生産工学部 概要泥炭地盤上での建設工事では, 大きな沈下が長期間に渡り発生するため, その予測は工学的に重要な課題の一つである 本論文では, 泥炭地盤の圧密沈下挙動の予測を困難としている主要な要因として, 原位置透水係数の評価や圧密沈下に伴う層厚減少, せん断変形に付随する鉛直方向の変形, 圧密係数 の圧密圧力依存性を取り上げ, が大きく異なる泥炭地盤上の二つの試験盛土を対象に一次元 二次元水 ~ 土連成微小 / 有限変形弾塑性 FEM 解析を実施し, 上記要因の影響を調べている また, 圧密圧力による の低下度合いをさせた一連の一次元解析を行い, その圧密沈下挙動を検討した 以上の成果に基づき, 地盤設計実務では泥炭式と呼ばれる実務経験式および Terzaghi 理論による慣用沈下予測式の適用性と適用にあたっての留意点を明らかにしている キーワード : 泥炭, 圧密沈下, 圧密係数, せん断変形,FEM 1. はじめに 泥炭地盤の沈下予測, とくにその時間を正確に予測することは非常に難しいとされている 1)2)3) このことは, 泥炭地盤の沈下予測式に,Terzaghi の圧密理論の代わりに地盤設計実務では 泥炭式 と呼ばれる実務経験式 4) が提案され, これが現行設計法 5) として採用されていることに端的に表れている すなわち, 泥炭地盤では Terzaghi による沈下予測の精度は低いと認識されている ところが, Biot の圧密方程式と,e-lnp 関係 (e: 間隙比,p : 平均有効応力 ) に基づくカムクレイ系の弾塑性構成式を用いて多次元 FEM 解析を行うと, 沈下挙動のみならず周辺地盤への変形や間隙水圧の経時まで良好に再現できることが多い ( 最近の解析事例では, 例えば文献 6)7)) したがって, 泥炭に対して圧密理論で想定されているメカニズムが成り立たない, ということは少なくともなさそうである 泥炭地盤の圧密沈下予測は上記のとおり困難であるが, その理由を調べるために, 本論文では, 泥炭地盤の沈下予測に大きな影響を与えていると考えられる主要な要因のなかから以下の 4 点に絞った上で, 泥炭層の圧密係数が大きく異なる二つの試験盛土を対象に, 一次元 二次元水 ~ 土連成微小 / 有限変形弾塑性 FEM 解析を実施した a) 透水係数 : 泥炭地盤の透水性は, 構成する植物や混入する灌木類が水みちとなって, 圧密試験によって得られる透水係数よりも大きい可能性が高い したがって, 原 位置の透水係数を適切に評価し, それを解析に反映させる必要がある b) 層厚 : 粘土地盤の沈下解析では通常, 層厚をとする微小変形解析を行うことが多い しかし, 圧縮ひずみが 5% を超える場合がある泥炭地盤では, 圧密沈下に伴う層厚の減少と排水距離の短縮の効果を考慮できる有限変形解析が適当である c) せん断変形 : 超軟弱な泥炭地盤では, 荷重載荷に伴い圧密沈下とともに側方流動が生じる 盛土中央直下でも, 一次元圧縮条件 (K 条件 ) とは異なっている可能性がある d) 圧密係数 の圧密圧力依存性 : 泥炭では, 圧密圧力の増加に伴い が大きく低下する したがって, を前提とする Terzaghi 圧密理論の適用が難しい 本論文では, これらの要因を考慮した解析結果を示すとともに, 圧密圧力による の低下度合いを変えた一次元解析を実施し, 圧密沈下挙動に及ぼす影響を調べる また, 以上の検討成果に基づき, 泥炭式 に含まれる工学的な意味の解明を試み,Terzaghi 理論による沈下式の適用性についても検証する 最後に, 適用場面に応じたこれらの実務式の使い分けについて考察する 原稿受理日 :211 年 1 月 24 日, 採用決定日 :211 年 8 月 1 日 395

2 山添 他 t s 時間 :logt S p 沈下量 :S 二次圧密領域 logt 曲線 一次圧密領域 1 C s H 試験盛土箇所 ( 当別町 ) 試験盛土箇所 ( 釧路市 ) 図 1 泥炭式の沈下曲線の概念図 2. 泥炭式と本論文の目的 図 2 北海道における泥炭の分布域 12) と試験盛土実施箇所 2.1 泥炭式とこれが必要とされた背景泥炭地盤の沈下解析に際し, 当初は粘土地盤と同じ Terzaghi の圧密理論の適用が試みられた しかし, 持永 1), 能登 2),Oikawa ら 3) などに代表される詳細な検討から,Δ e 法または m v 法によって計算された最終沈下量は誤差が大きいこと, 現地で観測される沈下速度は室内土質試験 ( 圧密試験 ) に基づく予測よりもはるかに速いことが明らかにされた そこで, 実測値と一致するように泥炭式と称される経験式が提案され, 実務に供されるようになった 北海道において泥炭地盤の沈下計算で広く用いられている泥炭式とは, 無処理地盤上の道路盛土施工のような単調載荷問題に対して, 実測された沈下 - 時間曲線を適当な関数形で近似したフィッティングモデルで, 双曲線法に属するものと考えられる 泥炭式は, 図 1 の概念図に示すように,(1) 式で与えられる時間 t s を境に一次圧密と二次圧密に分けて, 沈下量 S を求めている 2 t. H (1) s 55 1 一次圧密領域 (t<t s ) εf H (2) 1 C t S.62 p 1 εf w P C. H (4) p 44 2 二次圧密領域 (t t s ) t S S C H log (5) t p s s C w (6) s ここで,ε f : 一次圧密の最終ひずみ,C p : 一次圧密速度に関わるパラメータ,t: 時間 (day),h: 層厚 (cm),w: 含水比 (%),P: 荷重,S p :1で t=t s のときの沈下量,C s : 二次圧密係数である (3) 上式からわかるように, 泥炭式は, 含水比と層厚のみから沈下挙動を予測するという極めて簡便かつ実用的な手法であり, 北海道においては設計マニュアル 5) にも採用され, 広く利用されている 2.2 本論文の目的 (1) 泥炭式の工学的意味の解明本研究の目的の一つは, 泥炭式に含まれる工学的意味を解明することである 泥炭式に限らず一般的に経験式は, 同じような地盤条件 施工条件の現場についてはある程度妥当な結果が得られるが, それが成立する条件から外れると精度が保証できない可能性がある したがって, 泥炭式をより適切に用いていくためには, そこに含まれる工学的意味を正しく把握することが重要である また, 現在, 北海道でのみ使用されている泥炭式が, その他の地域に対しても適用されるためには, その理論的な裏付けが不可欠である (2) ドレーン工法の設計手法の確立砂杭を排水材としたドレーン工法は, 泥炭地盤では盛土載荷時に大きな側方流動が生じて砂杭が破断, あるいは圧縮沈下に伴う砂杭の曲がりによる排水能力の低下が起こり, 十分な排水機能が期待できないものとして 8) 採用例は限られていた しかし, 最近になり, 追随性に優れたプラスチックボードドレーンが開発されたことを契機に, 泥炭地盤へのドレーン工法 9) や真空圧密工法 1)11) の現場への適用が積極的に行われている ただ, 泥炭の圧密係数の解釈や評価が十分に検証されずに泥炭式を使用してきた結果, ドレーン改良地盤の設計手法, すなわち Barron 解における圧密係数の決め方が現状では不明確のままである したがって, 泥炭式の意味を考えることは, ドレーン改良地盤の設計手法確立の糸口にもなるはずである 3. 試験盛土の概要 本論文で解析の対象とした試験盛土は, 図 2 に示すように, 石狩郡当別町と釧路市鶴野で行われた試験盛土である 396

3 泥炭地盤の圧密沈下 以下では, それぞれ当別, 釧路試験盛土と表記する なお, 本章以降, 圧密係数 および透水係数 k の表記を統一するために, 圧密試験から得られた値は下添え字 l( 例えば,l ) を, 原位置の値は下添え字 f( 例えば,f ) を, また初期値は ( 例えば k ) を付ける 3.1 地盤物性 (1) 当別試験盛土試験盛土箇所の盛土と地層構成を図 3 に, その地盤の特性値を図 4 に示す 当該地は北海道に見られる典型的な泥炭性軟弱地盤であり, 軟弱層厚は 2m 以上と厚い 表層は泥炭 (Ap) および有機質粘土 (Aco) により構成され, 中間に砂層 (As1) が堆積し, 以深は均質な正規圧密粘土 (Ac) である Ac の下位は N 値 3~8 の砂 (As2) である : 沈下板 : 層別沈下計 : 間隙水圧計 : 変位杭 GL-4.8 Ap GL-7.95 Aco GL-12. As1 Ac GL-22.8 As2 単位 (m) Sm B GL-2.8 GL-1.4 GL-6.8 GL-5.8 GL-1.4 GL-17.8 孔内傾斜計 図 3 試験盛土箇所の横断図 : 当別試験盛土 N 値 Water Level コーン貫入抵抗値 q c (MN/m 2 ) 自然含水比 w n (%) 強熱減量 L i (%) 圧縮指数 圧密降伏応力 C c p c Ap Aco :q c 値 :N 値 泥炭の平均値 w n =585% 深度 (m) As1 有効土被り圧 Ac As N 値 図 4 地盤の特性値 : 当別試験盛土 間隙比, e 1 5 (a) Ap Depth m 圧密係数,,l (cm 2 /d) 1 2 泥炭の,l は σ' vm の増加により大きく低下 (b) Ap 間隙比, e 1 5 (c) Ap 間隙比, e 圧密圧力,σ' v (d) Ac Depth m 圧密係数,,l (cm 2 /d) 平均圧密圧力,σ' vm 粘土の,l はほぼ (e) Ac 間隙比, e 透水係数, k l (m/s) : 試験値 : モデル化 (f) Ac 圧密圧力,σ' v 平均圧密圧力,σ' vm 透水係数, k l (m/s) 図 5 代表試料の圧密試験結果およびそのモデル化 : 当別試験盛土 397

4 山添 他 Ap は, 層厚 5m 程度と厚く, 自然含水比 w n は 5~8% 程度と非常に高含水である 強熱減量が L i =6~9% 程度を示すことから, 未分解な植物繊維が主体であることがわかる Aco は w n =1~15% 程度と高含水であり, 泥炭を挟在した箇所では w n =2% 以上を示す As1 は N 値 2~4 と非常に緩く, 現場透水試験により得られた透水係数は k f = m/s である 透水性は中位であるが, 層厚が 4m 程度であることから, 排水層としての機能が期待できる Ac は w n =5~6% 程度を示し, 圧密降伏応力 p c と有効土被り圧の関係から, ほぼ正規圧密状態にある 上部軟弱層 (Ap, Aco) の N 値およびオランダ式二重管コーン貫入試験から求められた抵抗値 q c は非常に小さい したがって, この地盤上に盛土等の構造物を築造すると, : 沈下板 : 層別沈下計 : 間隙水圧計 : 変位杭 GL-2.9 Ap1 GL-4.65 Ac1 GL-5.65 Ap2 GL-6.9 Ac2 GL GL As1 Acs1 Ac3 GL GL-23.5 Acs2 GL-25.9 Ac4 As2 単位 (m) Sm GL-2. GL-5. GL-9.5 GL-18. 孔内傾斜計 B GL-3.2 GL-5.3 GL-13.9 GL-23.3 GL 図 6 試験盛土箇所の横断図 : 釧路試験盛土 N 値 Water Level -5 Ap1 Ac1 Ap2 Ac2 コーン貫入抵抗値 q t (MN/m 2 ) :q t 値 :N 値 自然含水比 w n (%) 強熱減量 L i (%) 圧縮指数 圧密降伏応力 C c p c As1 深度 (m) Acs1 Ac3 有効土被り圧 砂質シルト Acs2-25 Ac4 As N 値 図 7 地盤の特性値 : 釧路試験盛土 間隙比, e (a) Ap1 Depth1.2-2.m 圧密係数,,l (cm 2 /d) (b) Ap1 泥炭の,l は σ' vm の増加により大きく低下 間隙比, e (c) Ap1 間隙比, e 圧密圧力,σ' v (d) Ac2 Depth m 圧密係数,,l (cm 2 /d) 平均圧密圧力,σ' vm 粘土の,l はほぼ (e) Ac2 間隙比, e 透水係数, k l (m/s) (f) Ac2 : 試験値 : モデル化 圧密圧力,σ' v 平均圧密圧力,σ' vm 透水係数, k l (m/s) 図 8 代表試料の圧密試験結果およびそのモデル化 : 釧路試験盛土 398

5 泥炭地盤の圧密沈下 : モデル化 盛土厚 (m) 4. サンドマットの敷設 盛り立て速度 2cm/d 盛土厚 (m) 4. 平均盛り立て速度 6.5cm/d 2. 盛り立て速度 5cm/d 2. : モデル化 図 9 施工過程 : 当別試験盛土 図 1 施工過程 : 釧路試験盛土 沈下とともに大きなせん断変形が生じることが想像される 図 5 は, 泥炭 (Ap) および粘土 (Ac) の圧密試験 ( 段階載荷 ) 結果であり, 図中には解析においてモデル化した曲線も記されている なお, 圧密係数は, 一次圧密領域の沈下曲線から得たものである 図 5(a), (d) より,Ap は Ac と比較し, 初期間隙比 e および圧縮指数 C c が非常に大きい したがって, この地盤上に盛土施工を行うと大きな沈下が発生する また, 図 5(b), (e) から, 正規圧密領域での,l は,Ac ではほぼであるのに対して,Ap では圧密圧力の増加に伴い大きく低下, すなわち の圧密圧力依存性 が顕著である 泥炭の透水係数 k l においても,e と logk l に線形関係が認められるが, 泥炭の場合には間隙比 e が大きい割には k l が小さく,e の低下によりその値は急激に減少する ( 図 5(c)) (2) 釧路試験盛土試験盛土箇所の盛土と地層構成を図 6 に, その地盤の特性値を図 7 に示す 当該地も北海道に見られる典型的な泥炭性軟弱地盤であり, 軟弱層厚は当別試験盛土箇所よりも厚く 25m 近くもある 表層は泥炭 (Ap1, Ap2) および粘土 (Ac1, Ac2) により構成され, 中間に砂層 (As1) が堆積し, 以深は均質な海成の正規圧密粘土 (Ac3, Ac4) であるが, 所々に砂質シルト (Acs1, Acs2) を挟む Ac4 の下位は N 値 5~9 の砂 (As2) である Ap1 は, 層厚 3m 程度であり,w n =95% 程度,L i =85% 程度を示すことから, 含水量が非常に大きく未分解な植物繊維が主体である 上部の粘土 (Ac1, Ac2) は, 不規則に泥炭 (Ap2) を挟んでおり,w n =7~9% 程度を示し,Ap2 層では w n =45% 程度である As1 は N 値 3~5 と緩く, 現場透水試験により得られた透水係数は k f = m/s である 透水性は中位であるが, 層厚が 6m 程度もあることから, 中間排水砂層として期待できる Ac3 は w n =8~1% 程度を示し,p c と有効土被り圧の関係から, ほぼ正規圧密状態にある 上部軟弱層 (Ap1~Ac2) の N 値および電気式静的コーン貫入試験 (CPT) から求められた抵抗値 q t は非常に小さ い したがって, この地盤上に盛土等の構造物を築造すると, 当別試験盛土箇所と同様, 大きなせん断変形が生じることが想像される なお,CPT による q t および間隙水圧 u の測定値より,Ac1 には砂層を狭在することが推測される このため, 解析 (4.4 節 ) では圧密試験により得られた透水係数より大きな値を設定している 図 8 は上部軟弱層の泥炭 (Ap1) および粘土 (Ac2) の圧密試験 ( 段階載荷 ) 結果である 当別試験盛土箇所と同様, 泥炭の e および C c は非常に大きく ( 図 8(a)), 正規圧密領域での,l は圧密圧力の増加に伴い大きく低下する ( 図 8(b)) 泥炭の,l は, 同じ圧密圧力で比較した場合, 当別試験盛土箇所よりも大きく, 地域性の違いが認められる 当該地の泥炭についても,e と logk l にほぼ線形関係が認められ,e が大きい割には k l が小さく,e の低下によりその値は急激に減少する ( 図 8(c)) 3.2 施工概要図 9 に当別試験盛土の盛土施工の履歴を示した 盛土に先立ちサンドマットが敷設され, その 3 ヶ月後 ( 経過 86 日 ) から盛土が施工された 盛土の最終厚さは 5.m で,1 日あたりの盛り立て速度は盛土厚 3m までは 5cm/d であり, 盛土厚が 3m を超えると 2cm/d で行った 図 1 は釧路試験盛土の施工履歴である サンドマットを除く盛土の厚さは 5.8m,1 日あたりの盛り立て速度は 6.5cm/d である なお, 盛土施工の約半年前に.8m 厚のサンドマットが敷設されているが, サンドマットによる沈下はほぼ収束している したがって, 解析は盛土開始時点から実施工の施工記録に基づいてモデル化している 4. 解析条件 4.1 有限要素メッシュと境界条件図 11 図 12 に, 解析に用いた有限要素メッシュと境界条件を示した 法線方向に平面ひずみ条件を仮定し, 盛土の対称性から片側半分の二次元解析のモデルで解析を行った ( 図 11(a), 12(a)) なお, 釧路試験盛土では, 動態観 399

6 山添 他 B Element No.62 Sm = = 単位 (m) = Ap-u Ap-l Aco As1 Ac-u Ac-l B Sm = = 単位 (m) = Ap1 Ac1 Ac2 Ap2 As1 Acs1 Ac3-u Ac3-l Acs2 Ac (a) 二次元解析モデル 1. = B Sm Ap-u Ap-l Aco As1 Ac-u Ac-l p 単位 (m) w = ΔP 1 =84kN/m 2 (b) 一次元解析モデル図 11 有限要素メッシュと境界条件 : 当別試験盛土測より半年前に行われたサンドマット敷設による圧密沈下がほぼ収束していることが確認されている これを受けて, 解析では計算負荷を軽減するために, サンドマットによる増加応力が一次元的に作用し, その圧密が終了しているものと見なして, 初期応力および層厚を設定した 変位境界として, 左右端側面は水平方向固定, 下端は固定とした 水理境界としては, 地表面, 下端には排水条件を与えた ( 両面排水 ) また, 中間に透水性の高い砂層 (As1) を挟んでいる当該基礎地盤では, 盛土載荷に伴い As1 層に発生する過剰間隙水圧の伝播 閉塞が生じないように右端側面にも排水条件を与えている 中間砂層 (As1) は, 図 16(c), 図 18(c)( 後掲 ) の実測された過剰間隙水圧からもわかるように, 排水層と見なすことができる そこで, 一次元解析のモデル ( 図 11(b), 12(b)) では, 地盤を上部層と下部層とに別け,As1 層に接していた上部層の下端面と, 下部層の上端面を排水条件にして, Boussinesq 解より求めた上 下部層の中心深度における地盤内増加応力 ( 上部層 :ΔP 1, 下部層 :ΔP 2 ) を上載荷重として上 下部層の上端面に載荷させた 地表面沈下量は, As1 層の圧縮性が泥炭および粘土と比較して十分に小さいため, 上部層と下部層の沈下量の合計として実測値と比較する なお, 有限変形解析では, 計算ステップ毎に基準座標を更新する手法により定式化をしているが,ΔP 1,ΔP 2 は沈下前の初期形状に対して求めた値を用いている Boussinesq 解より求めた地盤内増加応力 (ΔP 1,ΔP 2 ) と, 二次元微小変形弾塑性 FEM 解析により算出された値を比較すると表 1 のようになり, 釧路試験盛土の上部層を除き, 両者はほぼ同じ値である Boussinesq 解では, 応力分布は弾性係数に依存しないため, 弾塑性解析による応力分布と = = ΔP 2 =6kN/m 2 = = (a) 二次元解析モデル 1. = = Ap1 Ac1 Ap2 Ac2 As1 Acs1 Ac3-u Ac3-l Acs2 Ac4 単位 (m) の近似度が比較的高いものと考えられる なお, 釧路試験盛土の上部層において両者の差が大きく生じた理由は 5.3 節 (4) において述べる 4.2 構成モデルと解析手法土の構成モデルとして, 泥炭および粘土には修正カムクレイモデルを, 盛土および砂には線形弾性体を適用した 泥炭に関しては, 汎用ソフトに組み込まれた既往の構成モデルのなかでは, とくに伸張条件下での強度 変形特性の表現に修正カムクレイモデルが優れていることが実証されている 7) ただし, 限界状態応力比 Μ が大きく設定される泥炭では, 破壊近くまで載荷すると, 伸張条件下において要素が引張り応力になることがあるため, その適用には注意が必要である 有限変形解析は Updated Lagrange 形に基づく定式とし, 構成モデルにおける応力速度には客観性を満たす Cauchy 応力の Jaumann 速度を用い, ストレッチングテンソルをひずみ速度とする なお, 有限変形に対応した修正カムクレイモデルについては, 文献 13)14) を参考にした (b) 一次元解析モデル ΔP 1 =12kN/m 2 = = ΔP 2 =63kN/m 2 = = 図 12 有限要素メッシュと境界条件 : 釧路試験盛土 表 1 二次元微小変形弾塑性 FEM による地盤内増加応力 当別試験盛土 釧路試験盛土 上部層 85kN/m 2 87N/m 2 ΔP 1 (84kN/m 2 ) (12kN/m 2 ) 下部層 66kN/m 2 61kN/m 2 ΔP 2 (6kN/m 2 ) (63kN/m 2 ) ( ) 内は Boussinesq 解 4

7 泥炭地盤の圧密沈下 地盤パラメータ 表 2 地盤パラメータの設定方法および根拠 設定方法 泥炭粘土砂 備考 単位体積重量 γ t (kn/m 3 ) 一軸, 三軸圧縮試験の初期供試体密度一般値 - 初期, 降伏応力初期応力降伏応力 圧密降伏応力 p c 圧密試験 (e-logσ' v 曲線 ) より - - 静止土圧係数 K NC K NC =1-sinφ' 15) - K OC K OC =K NC OCR m 16) - K OC>1. のときは 1. とする m=.5l i ) m=sinφ' 18) 鉛直有効応力 σ' vi σ' vi =γ' h h: 地表面からの深度 水平有効応力 σ' hi σ' hi =K σ' vi 正規圧密状態 : K=K NC, 過圧密状態 : K=K OC 鉛直有効応力 σ' v σ' v =σ' vi OCR 水平有効応力 σ' h σ' h =K NC σ' v - 層厚が小さいときは値 弾性係数 E - E=28N 19) - ポアソン比 ν ν=k NC /(1+K NC ) 弾性論より 弾塑性力学特性圧密, 透水特性 圧縮指数 λ λ=.434c c - 膨張指数 κ κ=.434c s - 圧密試験 (e-logσ' v 曲線 ) より 初期間隙比 e p c に対応する e - 限界状態応力比 Μ Μ=6sinφ'/(3-sinφ') - - (q/p ) critical のときのφ' 三軸試験値 (CU ) がある場合 せん断抵抗角 φ' ( 度 ) φ'=.19l i +32 2) φ'=3 φ'=4.8lnn ) 試験値がない場合, 釧路試験盛土の粘土のφ' は近傍の既往調査資料からの推定値 透水係数 の初期値 k (m/s) p c に対応する k 現場透水試験 圧密試験 (e-logk l 曲線 ) より 透水係数指数 λ k,l λ k,l =.434C k - 圧密試験 (e-logk l 曲線の勾配 C k ) より Depth Model (m) γ t E (kn/m 3 ) 表 3 地盤パラメータの設定値 : 当別試験盛土 ν λ κ e Μ OCR K NC K OC (m/s) B 5.~.75 B Sm.75~. B Ap-u.~-2.4 A Ap-l -2.4~-4.8 A Aco -4.8~-7.95 A As1-7.95~-12. B Ac-u -12.~-17.4 A Ac-l -17.4~-22.8 A k λ k,l C c /C k (=λ/λ k,l ) Depth Model (m) γ t E (kn/m 3 ) 表 4 地盤パラメータの設定値 : 釧路試験盛土 ν λ κ e Μ OCR K NC K OC (m/s) B 6.6~.8 B Sm.8~. B Ap1.~-2.25 A Ac1-2.25~-4. A Ap2-4.~-5. A Ac2-5.~-6.25 A As1-6.25~-12.1 B Acs1-12.1~-12.9 A Ac3-u -12.9~ A Ac3-l ~-2.8 A Acs2-2.8~ A Ac ~ A Model-A: Modified Cam-clay Model Model-B: Elastic Material γ t : 単位体積重量 E: 弾性係数 ν: ポアソン比 λ, κ: 圧縮, 膨張指数 e : 初期間隙比 Μ: 限界状態応力比 OCR: 過圧密比 K NC, K OC : 正規圧密, 過圧密領域の静止土圧係数 k : 透水係数の初期値で, 泥炭および粘性土は k =k,l, 砂は k =k,f λ k,l, κ k,l : 正規圧密, 過圧密領域の透水係数指数 (κ k,l =κ を仮定 ) 釧路試験盛土の Ap1 層の λ k,l は e >11.5 のとき λ k,l =3.2 k λ k,l C c /C k (=λ/λ k,l ) 41

8 山添 他 Case 4.3 地盤パラメータ 当該箇所では, 各土層について, 物理試験のほかに, 圧密試験 ( 段階載荷 ) が実施された また, 当別試験盛土では, 三軸圧縮試験 ( CU ) が行われている これらの試験結果を基に, 表 2 に示す方法および根拠に基づき, 表 3, 4 に示す地盤パラメータを設定した なお, 釧路試験盛土の解析は, 参考文献 7) でも行っているが, 本解析では地盤の透水性に関するパラメータを一部見直している 4.4 解析ケース解析は, 表 5 に示す 6 ケースについて行った Case1~4 は一次元解析であり, 荷重および排水条件はすでに 4.1 節で示した また,Case5, 6 は二次元解析であり, 鉛直方向の圧縮だけではなく, せん断変形による側方変位も考慮している また, 解析手法として Case1, 2, 3, 5 は層厚をとした微小変形解析,Case4, 6 は圧密排水に伴う地盤の幾何学的非線形性も考慮した有限変形解析である 沈下速度を支配している大きな要因として, 圧密係数あるいは透水係数がある 図 13 は, 北海道内の泥炭地盤に対して実施した現場透水試験による原位置の透水係数 k,f と圧密試験から得られた透水係数 k,l の関係である 原位置では, 構成する植物や混入する灌木類が水みちとなって, 圧密試験によって得られる透水係数よりも大きな値を示す Case1 では圧密試験による k,l を用いたが,Case2~ Case6 ではこれを受けて表 6, 表 7 の k,f を設定した 図 14 は,e-lnp 関係 (e: 間隙比,p : 平均有効応力 ) および e-lnk 関係 (e: 間隙比,k: 透水係数 ) のモデル図である これらの関係から, 正規圧密領域の,l は次のように導かれる c 透水係数 ( 泥炭のみ ) k exp λ λ p' ln p' 1,l kl k,l v, l mv w w p' e λ ここで,γ w : 水の単位体積重量である なお, 体積圧縮係数 m v は次式により与えられる d v λ 1 mv (8) dp 1 e p' ' 表 5 解析ケース の圧密圧力依存性 幾何学的非線形性 ( 層厚 ) 解析次元 1 圧密試験 微小変形 1 2 原位置 微小変形 1 3 原位置 微小変形 1 4 原位置 有限変形 1 5 原位置 微小変形 2 6 原位置 有限変形 2 ここで,ε v : 体積ひずみである また,k l と e の関係と して式 (9) を仮定している e e k l k,l exp (9) k,l 原位置の透水係数指数 λ k,f は, 圧密後の盛土施工地盤に 対して λ k,f を調査した林らの研究成果 22) に基づき,λ k,f =λ k,l (7) 現場透水試験の透水係数 ( 水平方向 ), k,f (m/s) 土層記号 1x1-4 1x k,f =1k,l k,f =k,l x1-5 1x1-4 圧密試験の透水係数 ( 鉛直方向 ), k,l (m/s) 図 13 圧密試験と現場透水試験による透水係数の関係 ( 文献 22) に加筆 ) 表 6 原位置透水係数の設定値 : 当別試験盛土 k,l (m/s) (Case1) k,f (m/s) (Case2~6) k,f /k,l 備考 Ap-u 文献 22) による Ap-l Aco 泥炭を挟むため Ac-u 実測された過剰間隙水圧挙動と一致するよう Ac-l に調節 土層記号 表 7 原位置透水係数の設定値 : 釧路試験盛土 k,l (m/s) (Case1) k,f (m/s) (Case2~6) k,f /k,l 備考 Ap 文献 22) による Ac 砂層を狭在するため Ap 文献 22) による Ac Acs Ac3-u Ac3-l Acs Ac k,l, k,f : 圧密試験, 現場透水試験による透水係数の初期値 とする 式 (7) において,λ/λ k,l (=C c /C k ) は p に対する,l の傾きを表し,λ/λ k,l >1 では p の増加に対して,l が低下し, 泥炭に特徴的な圧密圧力依存性が記述される 一方,λ/λ k,l =1 とすると, 粘土のように,l は p によらず値となる 上記に従いモデル化した圧密曲線は図 5, 図 8 に示すとおりで, 過圧密領域についても同様にモデル化している なお, 図 5, 図 8 の圧密圧力は鉛直有効応力 σ v であるのに対して, 上記の説明は平均有効応力 p としていることに注意する Case1, 2 は,Terzaghi 沈下計算を模擬し層厚および を 42

9 泥炭地盤の圧密沈下 e e (a) 1 κ 1 λ e e N.C.Line e K.Line C.S.Line p p lnp ln,f,l,f,l e (b) 圧密試験 1 λ λ k,l k,f (c) Case3,4 Case2 1 原位置 k l k f k,l k,f Case1 原位置 圧密試験 p p +Δp /2 lnp 図 14 間隙比 e- 平均有効応力 p 関係, および間隙比 e- 透水係数 k 関係のモデル化としているが, このときの は, 図 14(c) に示したように相加平均 p +Δp /2 に対応する値であり,FEM 解析では, この と計算ステップ毎に式 (8) より算出される m v から,k= m v γ w を与えた 5. FEM 解析結果および考察 5.1 当別試験盛土の解析結果盛土中央における地表面沈下量の経時を図 15(a) に示す また, 盛土中央の各土層における過剰間隙水圧の経時は図 16 に示すとおりである (1) 実測挙動図 15(a) の実測された沈下が示すように, サンドマット敷設に伴い盛土開始時点 ( 経過 86 日 ) では.15m の沈下量が発生しており, その後の本体盛土の施工により, 盛土完了時点 ( 経過 236 日 ) において 2.6m, 経過 315 日では 3.m を超える大きな沈下量が継続的に生じている また, 図 16 に示すように, 中間砂層 (As1) を除いて, 各土層の過剰間隙水圧は, 盛土載荷とともに上昇し, 盛土完了後は消散に向かっているが,35 日経過した後にも土層内には残留しており, 過剰間隙水圧の消散に伴う圧密沈下はまだ進行していくのがわかる (2) 解析結果解析による盛土中央の沈下量 ( 図 15(a)) の時間を見ると, 圧密試験の透水係数を用いた Case1 は, 実測値および他の解析ケースと比較して, 沈下速度が非常に小さい Case1 と実測値に近い沈下量を示した Case6 とでは, 盛土完了時点 ( 経過 236 日 ) の沈下差は 1.47m にも及ぶ 原位置試験から求められた透水係数を用いた Case2~Case6 の解析結果と実測挙動とを比較すると, 有限変形の導入 lnk (Case4) やせん断変形による鉛直方向の変形 (Case5, 6) によって, 圧密沈下速度に大きな差が生じている Case2 と実測値の再現性に優れている Case6 とでは, 盛土完了時点 ( 経過 236 日 ) で.74m の沈下差が生じている この沈下差の大部分は泥炭 (Ap) で発生していることが, 層別沈下量 (GL-.~5.8m) の実測値および解析値からわかる 最終沈下量は, 一次元解析 (Case1~4) では 3.1m であるが, 二次元有限変形解析の Case6 では, 側方流動による沈下も生じるため, 一次元解析より約.4m 大きな値が得られた すなわち, 一次元解析は二次元解析より 1% 程度過小評価する また, 同じ二次元解析でも解析手法の違うと最終沈下量に差が生じ, 圧密排水による荷重載荷面の傾斜と層厚減少による排水距離の短縮の効果を表現できない Case5( 微小変形 ) は,Case6( 有限変形 ) よりも.2m 程度大きな沈下量を算出する なお, サンドマット敷設時 ( 経過 ~86 日 ) の解析値は, Case1 を除いて実測値よりも大きいが, これは解析に使用した圧密降伏応力 p c が試料の乱れの影響を受け実際よりも小さく評価されていたことが原因ではないかと推測される 解析による過剰間隙水圧は,Ap 層では, 図 16(a) からわかるように, 解析ケースにより時間が大きく異なる 実測値に最も近い Case6 でも, 盛土完了前後でやや大きく評価しており, 試験値のバラツキにより設定した透水係数が小さめに評価されていた, あるいは原位置の透水性が実際はもっと大きかった可能性がある それ以外の土層 (Aco, As1, Ac) では, 図 16(b)~(d) に示すように, 実測値とほぼ一致している 5.2 釧路試験盛土の解析結果盛土中央における地表面沈下量と各土層の過剰間隙水圧の経時を図 17(a), 図 18 に示す (1) 実測挙動図 17(a) の実測沈下からわかるように, 盛土施工により, 盛土完了時点 ( 経過 8 日 ) において 1.5m, 経過 274 日では 2m 近くの沈下量が生じる また, 当別試験盛土箇所と比較して泥炭の圧密係数 が大きい当該地盤では, 盛土載荷速度が大きいにもかかわらず, 図 18 に示すように Ap1, Ap2 層において発生する過剰間隙水圧が小さく, また, 盛土完了後は早期に消散に向かう しかし, 層厚の大きい下部粘土層 (Ac3) では, 消散速度が極めて小さく, 長期間に渡り過剰間隙水圧の消散に伴う圧密沈下が発生するものと推測される (2) 解析結果盛土中央の沈下量 ( 図 17(a)) の解析値によると, 圧密試験の透水係数を用いた Case1 は, 実測値および他の解析ケースと比較して, 沈下速度が小さい 原位置透水係数を用い (Case2), の圧密圧力依存性を考慮すると (Case3), 実測沈下挙動に近づくが, 図 18(a), (b) からわかるように, 盛土載荷によって発生する Ap1, Ap2 層の過剰間隙水圧が 43

10 山添 他 地表面沈下量 (m) m 盛土載荷期間 Case3 Case2 Case4 盛土完了後 1.47m Case6,Ap 層 Case1 実測値 : 地表面沈下量 : Ap 層 (GL-. ~5.8m) 解析値 : Case1 : Case2 : Case3 : Case4 : Case5 : Case6 Case6 せん断変形に伴う沈下量 :.38m Case (a) FEM 解析 地表面沈下量 (m) 盛土載荷期間 Terzaghi 沈下式, =,l Terzaghi 沈下式, =,f Terzaghi 沈下式, =,f, Ap 層泥炭式, Ap 層 泥炭式 実測値 : 地表面沈下量 : Ap 層 (GL-. ~5.8m) 計算値 : Terzaghi 沈下式, =,l : Terzaghi 沈下式, =,f (=1,l ) : Terzaghi 沈下式, = '(=1,l ) : FEM, Case6 盛土完了後 Terzaghi 沈下式, = ' FEM, Case (b) 現行設計法 図 15 盛土中央地表面における沈下量の経時 : 当別試験盛土 過剰間隙水圧, 1 5 (a) Ap 実測値 :GL-2.8m 解析値 :GL-3.m 過剰間隙水圧, 1 5 (c) As1 実測値 :GL-1.4m 解析値 :GL-11.m : 実測値解析値 : Case1 : Case2 : Case3 : Case4 : Case5 : Case6 過剰間隙水圧, (b) Aco 実測値 :GL-6.8m 解析値 :GL-6.4m 過剰間隙水圧, (d) Ac 実測値 :GL-17.8m 解析値 :GL-18.3m 図 16 各土層の過剰間隙水圧の経時 : 当別試験盛土 大きい 有限変形の導入 (Case4) およびせん断変形による鉛直方向の変形 (Case 6) を取り入れると, 沈下量および沈下速度は実測よりもやや大きいが, 過剰間隙水圧との 対応が良好になる 同じ原位置透水係数を用いているが, 解析手法の異なる Case2 と Case6 の盛土完了時点 ( 経過 8 日 ) の沈下差は.36m である 図 17 には, 泥炭 (Ap1) 44

11 泥炭地盤の圧密沈下 地表面沈下量 (m) Case2 Case3.93m Case4.36m Case1 Case6, Ap1 層 せん断変形に伴う沈下量 :.13m -2. 盛土載荷期間盛土完了後 Case Case6 実測値 : 地表面沈下量 : Ap1 層 解析値 : Case1 : Case2 : Case3 : Case4 : Case5 : Case6. (a) FEM 解析 地表面沈下量 (m) 盛土載荷期間 泥炭式 Terzaghi 沈下式, =,f 盛土完了後 FEM, Case6 泥炭式, Ap1 層 Terzaghi 沈下式, =,f, Ap1 層 Terzaghi 沈下式, =,l 実測値 : 地表面沈下量 : Ap1 層計算値 : Terzaghi 沈下式, =,l : Terzaghi 沈下式, =,f (=5~1,l ) : FEM, Case 過剰間隙水圧, 1 5 (b) 現行設計法 図 17 盛土中央地表面における沈下量の経時 : 釧路試験盛土 (a) Ap1 実測値 :GL-2.m 解析値 :GL-1.9m 過剰間隙水圧, 1 5 (c) As1 実測値 :GL-9.5m : 実測値 解析値 :GL-9.2m 解析値 : Case1 : Case2 : Case3 : Case4 : Case5 : Case6 過剰間隙水圧, (b) Ap2 実測値 :GL-5.m 解析値 :GL-4.5m 過剰間隙水圧, (d) Ac3 実測値 :GL-18.m 解析値 :GL-17.8m 図 18 各土層の過剰間隙水圧の経時 : 釧路試験盛土 の層別沈下量も記載しており, 解析値は実測値よりも大きいことがわかる 圧密試験から設定した圧密曲線の圧縮性が実際よりも大きかったことが要因の一つとして考えられるが, 層別沈下量の合計が地表面沈下量よりも小さいこ とから, 層別沈下計の設置不良により,Ap1 層の層別沈下量が小さく測定されている可能性もある 45

12 山添 他 一般化された偏差応力, q Ap:GL-3.m (Element No.62) C.S.L(M=1.9) Case5 K.Line(η =.94) Case6 : Case5 : Case6 実線は盛土完了後盛土完了時点 平均有効応力, p' 盛土底面の鉛直応力,σ'v (kn/m2 ) サンドマット 出力要素 : 着色箇所 :Boussinesq 解 :FEM(Case5) 盛土中央からの離れ (m) 図 2 盛土底面の鉛直応力分布 ( 圧密終了時点 ): 釧路試験盛土 図 19 盛土中央直下の泥炭層 (Ap) の有効応力径路 : 当別試験盛土 5.3 解析結果の考察以下に各解析ケースの結果について詳しく考察する (1) 原位置透水係数泥炭層について, 圧密試験から得られた,l を用いた Case1 と, 原位置試験で得られた透水係数を参照して 5~ 1 倍大きな,f を用いた Case2 とを比較すると,Case2 の方が実測値にかなり近づく すなわち, 圧密試験における透水係数は原位置の透水係数をかなり過小評価していることが, これらの解析結果からもわかる (2) の圧密圧力依存性 をとした Case2 と, 圧密圧力の増加に伴い が低下する Case3 とを比較すると,Case3 の沈下速度は早期の経過時間においては大きく, 時間の経過に伴い小さくなる しかし, その差は小さい これは, 対象とした泥炭の透水係数の初期値と圧密圧力による の低下度合いが関係していると考えられる この点については,7 章において詳しく述べる (3) 層厚層厚のを考慮している Case4 は, 層厚をとする Case3 と比較し, 沈下速度が大きくなる 図 16(a) の Ap 層や, 図 18(a), (b) の Ap1, Ap2 層の過剰間隙水圧の時間からわかるように,Case4 では発生する過剰間隙水圧が小さく消散も速いため, 沈下速度が大きくなる 解析の対象とした地盤のように圧縮ひずみが大きくなる現場では, 層厚減少による排水距離の短縮を表現できる有限変形解析の実施が有効であることがわかる (4) せん断変形せん断変形の影響は, 有限変形解析の Case4( 一次元 ) と Case6( 二次元 ) を比較することによって明らかにできる まず当別試験盛土の解析結果 ( 図 15(a)) を見てみると, 二次元解析では, 盛土による地盤の圧密沈下とともに側方流動も考慮することができるので, 一次元解析結果よりも沈下速度が大きく, また, 最終沈下量も大きく生じる 図 19 は, 盛土中央の GL-3.m( 図 11(a) Element No.62) における Ap 層の要素の有効応力径路を示した図である ここに,p : 平均有効応力,q: 一般化された偏差応力である また, 図中の K.Line は, 降伏曲面の形状から決まる K 値から描いたものである (K 値の求め方は文献 23) を参考にした ) 図に示すように, 盛土中央直下の要素であっても, 盛土載荷によるせん断の影響を受け, 盛土施工中の応力径路は K.Line から限界状態線 (C.S.Line) に近づくのがわかり, 一次元圧縮条件 (K 条件 ) を満足していないことがわかる また, せん断応力の増加 ( 応力比 q/p の増加 ) に伴い負のダイレイタンシーが発生するため, 盛土載荷による過剰間隙水圧は, 図 16(a) に示すように, 二次元解析の方が一次元解析よりも大きく発生する 釧路試験盛土では, しかしながら,Case4( 一次元 ) と Case6( 二次元 ) の解析結果 ( 図 18(a), (b)) を比較すると, 発生する過剰間隙水圧は二次元の方が小さい これは, 釧路試験盛土では, 盛土天端幅が小さく法勾配が緩い盛土形状を弾性体で近似モデル化した上で物体力を与えているが, 基礎地盤である泥炭地盤が大きく圧密沈下するとともにせん断変形が発生し, 盛土下部では弓のように反った変形と横方向への伸張が生じるため, 盛土中央の盛土底面下に作用する鉛直応力が, 図 2 からわかるように, Boussinesq 解と比較して,FEM 解析 (Case5) では小さいためである このように, 圧縮性が大きい泥炭地盤では, 弾性体による盛土のモデル化は, 盛土内部の応力状態を高い精度で再現できない可能性があり, 地盤変形解析の予測精度を高めるためには, 解決すべき今後の課題の一つと言える なお, せん断変形 のほかに, 有限幅の荷重載荷問題では, 当該試験盛土のように ( 図 16(a), (b)), 過剰間隙水圧の消散は鉛直方向だけではなく水平方向の影響も受けて, 盛土完了後 ( 経過 236 日 ~) の消散速度は, 二次元解析の方がやや大きくなる (5) 幾何学的非線形性実務設計において使用する汎用ソフトのほとんどは, Case5 の解析例に示すように微小変形理論に基づく解析手 46

13 泥炭地盤の圧密沈下 地盤内水平変位量 (m) Case6 地盤内水平変位量 (m) Case6 地盤内水平変位量 (m) Case6 5 Case5 5 Case5 5 Case5 深度 (m) 1 : 実測値解析値 :Case5 :Case6 深度 (m) 1 : 実測値解析値 :Case5 :Case6 1 GL-2.9m GL-4.65m GL-5.65m GL-6.9m GL-12.75m GL-13.55m B Sm Ap1 Ap2 Ac1 Ac2 着目位置 As1 Acs1 15 GL-4.8m GL-7.95m GL-12.m B Sm Ap 着目位置 Aco As1 Ac 15 (a) 盛土完了時点 15 GL-21.45m GL-23.5m GL-25.9m Ac3 Acs2 Ac4 (b) 盛土後 3 ヶ月 2 GL-22.8m 2 2 図 21 盛土完了時点の地盤内水平変位 : 当別試験盛土 図 22 盛土完了時点の地盤内水平変位 : 釧路試験盛土 法を採用している 微小変形解析では, 圧密沈下に伴う盛土載荷面の変形によって生じた傾きを考慮できず, また, 層厚減少による圧密排水距離の短縮が表現できないため, 強度増加が遅れる したがって, 図 19 に示した当別試験盛土の有効応力径路からわかるように,Case5( 微小変形 ) は Case6( 有限変形 ) よりもさらに C.S.Line に接近し, せん断変形の影響が顕著となる また, 盛土完了時点の p は,Case5 の方が小さく, 圧密による強度増加が進んでいないことがわかる したがって,Case5 は盛土によるせん断変形を過大に評価するので,Case6 と比べて, 図 15(a) に示したように地表面沈下量が大きくなる この現象を端的に示しているのが, 図 21 に示す盛土完了時点 ( 経過 236 日 ) の盛土法尻の地盤内水平変位分布である Case6( 有限変形 ) は, 地表面付近の水平変位の引き込みをやや大きく評価しているものの, 実測値との対応は比較的良好である 一方,Case5( 微小変形 ) は, 過大な水平変位を与えているのがわかる 一般的に幾何学的非線形性の影響は, 変形が小さいほど現れにくくなる 釧路試験盛土では, さらに基礎地盤の泥炭の透水性が大きく強度増加が早期に生じ, また泥炭層 (Ap1, Ap2) に粘土層 (Ac1) を介在するため, 幾何学的非線形性の影響が小さい 図 22 は, 盛土完了時点 ( 経過 8 日 ) の盛土法尻の地盤内水平変位分布である 盛土後も長期に渡り孔内傾斜計の計測が行われている釧路試験盛土では, 盛土後 3 ヶ月のデータも記載しているが, 側方流動が大きく生じる上部層は透水性が大きく, 圧密は盛土完了時にほぼ終了しているため, 盛土後 3 ヶ月経っても水平変位のは小さい 実測値と Case6 の解析値はほぼ一致しているが, 当別試験盛土 ( 図 21) とは異なり,Case5 でも水平変位をやや大きく評価する程度で,2 つの Case による違いは小さい このように, 幾何学的非線形性の効果は, 盛土荷重の大きさだけではなく, 基礎地盤の透水性や土層構成にも影響される 6. 現行設計法による結果との比較 5 章の解析結果から, 泥炭地盤では今後, 沈下解析にも数値解析を基本とした設計法が用いられるべきであることが示されたが, 現行設計では泥炭式および Terzaghi 理論による沈下式 ( 以下,Terzaghi 沈下式 ) が採用されているのが現状である そこで, 本章では, これらの慣用沈下式の予測精度について考察する 6.1 計算条件泥炭式で用いた含水比は, 泥炭層の平均含水比とし, 当別試験盛土の Ap 層では w=585%( 図 4) とした 釧路試験盛土では,FEM 解析と同様, サンドマット敷設による圧密は終了しているものとし, サンドマット後の含水比は, Ap1 層では w=8%,ap2 層では w=45% とした 泥炭式は含水比のみをパラメータとするため, 粘土層との層厚換算法には付録に示した圧密係数を用いた Terzaghi 沈下式として, 本論文ではΔe 法を使用することにする 地盤パラメータは,FEM 解析と同じ表 3, 表 4 に示す値である Terzaghi の圧密理論での圧密沈下時間の算定方法は, 瞬時に載荷重が載荷されることを想定しているが, 載荷期間のある当該盛土工では, 軟弱地盤対策工指針 24) に紹介されている方法により沈下時間曲線の補正を行い, 当別試験盛土の段階施工については文献 25) を参考に図 23 に示す方法で沈下時間曲線を計算した 6.2 慣用沈下式の予測精度当別試験盛土は図 15(b) に, 釧路試験盛土は図 17(b) に示すように, 泥炭式および Terzaghi 沈下式によって求められた沈下曲線と実測値とを比較した 参考までに, 二次元有限変形 FEM 解析の Case6 の解析値も載せた 圧密試験から求められた圧密係数,l を用いて Terzaghi の圧密理論にしたがった Δe 法による計算結果 ( =,l ) は, 47

14 山添 他 盛土二次盛土 t t t' T 2 T : 一次, 二次盛土が瞬間載荷一次盛土されたときにS となる時間 t t t 1 時間, t S S t S 1 沈下量, S S t t t t t S S S S : 沈下時間 t を用いて求めた沈下量 1 ' /,l 1 2 : 粘土地盤 : 泥炭 粘土互層地盤 : 泥炭地盤 : 当別試験盛土 : 釧路試験盛土 図 23 漸増載荷段階盛土の沈下時間曲線の計算法 沈下速度をかなり過小評価する Terzaghi の圧密理論が適 用できないかのような印象を与えるもので, 既往の検証事 例や報告 1)2)3) とも符合する 一方, 含水比のみをパラメータとした泥炭式による沈下 時間曲線は, この計算結果と比較すると実測値にかなり近 づき, とくに釧路試験盛土では実測沈下挙動とほぼ一致し ている FEM 解析の結果から, 原位置における透水性は圧密試験から得られる値よりも大きいことが示された Terzaghi 沈下式に原位置の圧密係数を用いた計算結果 ( =,f, 当別試験盛土 :,f =1,l, 釧路試験盛土 :,f =5~1,l ) は, 圧密試験の,l を用いた計算値 ( =,l ) よりも実測挙動に近づき, 沈下予測精度はかなり向上する とくに釧路試験盛土では, 実測値とほぼ一致する したがって,Terzaghi の圧密理論では, 沈下予測精度向上のために原位置の圧密係数 (,f ) の適切な評価が必須である 圧密試験による圧密係数 (,l ) ではなく原位置の圧密係数 (,f ) を Terzaghi 沈下式に用いると, 泥炭式の沈下時間に近づくが, このことは, 泥炭式では原位置の透水性が適切に評価されていることを意味する しかし, 当別試験盛土 ( 図 15(b)) では, 泥炭式および原位置透水性を評価した Terzaghi 沈下式 ( =,f ) を用いても, 盛土載荷中の沈下速度を過小評価してしまう また, 最終沈下量も実測値と比較すると小さい 6.3 泥炭の真の圧密係数実測沈下カーブから逆算された圧密係数 ( ) は, 図 24 に示すように, 軟弱層厚が大きくなるにつれ増加し, 圧密試験から得られた圧密係数 (,l ) の 1~1 倍であったとの報告 1) がある 当別試験盛土について, 泥炭層 (Ap) の圧密係数を 1 倍 ( =1,l ) にすると, 図 15(b) のように盛土載荷中の沈下時間曲線は実測値とほぼ一致する しかし,FEM 解析から求めた図 15(a) の Case4( 一次元 ) と Case6( 二次元 ) を比較するとわかるように, 盛土載荷中の沈下速度が大きくなるのは, 主に基礎地盤のせん断変形の影響である したがって,1 倍した は見かけ上のもので, 泥炭の真の 層厚, h(m) 図 24 層厚と実測 ( ) との関係 ( 文献 1) に加筆 ) 沈下量, S 時間, t が大きいため初期の圧密速度が大きい ( 泥炭 ) ( 粘土 ) が低下し緩やかに沈下が進行する 図 25 泥炭地盤の圧密沈下挙動の模式図 圧密係数を表現しているとは言えない 軟弱地盤設計では, 一次元圧密沈下計算結果から圧密度を推定し, 対象土層の強度増加を求め, 円弧すべり計算によって施工途中の基礎地盤の安定性を検討する したがって, 沈下予測は安定性評価にも関係し, せん断変形の影響を含んだ実測沈下曲線にフィッティングするように逆算された圧密係数 ( =1,l ) は, 実際よりも圧密度, すなわち強度増加を大きく評価するので, 基礎地盤の安定性を過大に見積もる可能性が高く, 設計上危険となる 7. 圧密係数の圧密圧力依存性と泥炭式 7.1 泥炭の圧密沈下挙動泥炭地盤では, 原位置の透水性の評価が重要であることがこれまでの検討で明らかになったが, 泥炭の圧密特性を考える上でもう一つ大切になるのが圧密係数 の圧密圧力依存性である 圧密圧力の増加に対する の低下の度合いは, 式 (7) からわかるように,C c /C k (=λ/λ k,l ) の大きさにより変わり, この値が大きいほど圧密圧力の増加によって は大きく低下する 泥炭地盤の圧密沈下挙動の特徴は, 図 25 の模式図に示される 泥炭では, がほぼの粘土とは異なり, 初期に が大きいため沈下速度が大きいが, 圧密圧力の増加により が小さくなるため, その後沈下速度は小さくなり, 48

15 泥炭地盤の圧密沈下 ΔP=1kN/m 2 = 沈下量の出力節点 過剰間隙水圧の出力要素 単位 (m) 図 26 有限要素メッシュと境界条件 : 圧密係数の圧密圧力依存性 表 8 地盤パラメータの設定値 : 圧密係数の圧密圧力依存性 圧縮指数 λ 2. 膨張指数 κ.2 限界状態応力比 Μ 2. 間隙比 e 1 ポアソン比 ν.2 静止土圧係数 K.39 有効土被り圧 σ v 1 初期透水係数 k (m/s) 1-6 緩やかに沈下が進行する 7.2 圧密係数の圧密圧力依存性と泥炭式の関連 (1) 解析条件 の圧密圧力依存性が圧密沈下挙動に及ぼす影響と, 泥炭式との関連を調べるために, 当別 釧路試験盛土箇所の泥炭地盤を参考に, 図 26 に示す層厚 4m の片面排水下にある正規圧密泥炭に対して, 一次元 FEM 解析 ( 微小変形 ) および泥炭式による沈下計算を行う 上載荷重は ΔP=1kN/m 2 ( 盛土厚 :5m に相当 ) とし, 載荷速度は一日あたり 1kN/m 2 /d( 盛り立て速度 :5cm/d に相当 ) である 地盤パラメータは表 8 に示すとおりで, 解析結果に大きな影響を及ぼす初期透水係数 k は, 図 27 に示す原位置透水係数 k,f と強熱減量 L i の関係より, 平均的な値 1-6 m/s を与えた 図 28 は, 北海道内の泥炭について,C c /C k と強熱減量 L i の関係をプロットしたものである 22) バラツキがあるが,L i が増加, すなわち有機分が多くなるほど C c /C k が線形的に大きくなる傾向が認められる C c /C k は, 図 28 から,L i =35~7%( 繊維質を残すが分解の進んだ泥炭 ~ 相対的に繊維質な泥炭 ) に相当する C c /C k =2., 2.5, 3. と設定した ( 図 29) なお, 泥炭式の含水比は, 固体部分の密度を ρ s =2g/cm 3 と仮定して,w=e ρ w / ρ s =5%(ρ w : 水の密度 ) より求めた 解析ケースは,Terzaghi 圧密理論のように をとした場合と, の圧密圧力依存性を考慮した 2 ケースである 現場透水試験の透水係数, k,f (m/s) 圧縮指数 / 透水係数指数, C c /C k 1x1-4 1x k =5 1-6 m/s k =2 1-7 m/s : 文献 22) : 当別試験盛土の k,f : 釧路試験盛土の k,f 初期透水係数の設定値 k =1-6 m/s 強熱減量, L i (%) 図 27 強熱減量と原位置透水係数の関係 ( 文献 22) に加筆 ) C c /C k =3. C c /C k =2.5 C c /C k =2. : 文献 22) C c /C k =.29L i +1. : 当別試験盛土 : 釧路試験盛土 L i 35% L i 5% L i 7% 圧密係数, (cm 2 /d) 強熱減量, L i (%) 図 28 強熱減量と C c /C k の関係 ( 文献 22) に加筆 ) (σ' v )=4752cm 2 /d =792cm 2 /d (σ' v +ΔP/2) =323cm 2 /d =132cm 2 /d (σ' v +ΔP) =13cm 2 /d σ' v =1kN/m 2 σ' v +ΔP/2 =6kN/m 2 :C c /C k =2. :C c /C k =2.5 :C c /C k =3. σ' v +ΔP =11kN/m 圧密圧力,σ' v 図 29 圧密係数の圧密圧力依存性と設定値 をとした解析に用いた の値は, 図 29 に示したとおり, 相加平均 σ v +ΔP/2=6kN/m 2 の圧密圧力に対応する値であるが,C c /C k =2.5 については, 参考までに有効土被り圧 σ v =1kN/m 2 および増加後圧密圧力 σ v + Δ P=11kN/m 2 に対応する値についても実施した (2) 解析結果図 3 は, 解析の結果得られた, 沈下量および沈下速度, 49

16 山添 他 沈下量 (m) 沈下量 (m) 過剰間隙水圧, 沈下量 (m). -1. 沈下量 沈下速度 : : : : 荷重載荷後 t s =88day (σ' v ) (σ' v +ΔP) (σ' v +ΔP/2) (a) C c /C k =3. 沈下量 : : t s =88day 沈下速度 : : -2. 荷重載荷後 (σ' v +ΔP/2) : 最下層の要素荷重載荷後 : (σ' v +ΔP/2) (σ' v +ΔP) (σ' v ) t s =88day 荷重載荷後 (b) C c /C k =2.5 沈下量 : : t s =88day (c) C c /C k =2. 沈下速度 : :.5.25 図 3 圧密係数の圧密圧力依存性が圧密沈下挙動に及ぼす影響 k =1-6 m/s,δp=1kn/m 2 の場合 過剰間隙水圧の時間である 解析結果から,C c /C k =3., 2.5( 図 3(a), (b)) では解析ケースによる違いが大きく, をとした解析値は, 荷重載荷時および載荷後しばらくは沈下量を小さく評価する また, の低下を表現していないため, 早期に過剰間隙水圧が消散し, 長期沈下は収束する したがって, このよう 沈下速度 (mm/d) 沈下速度 (mm/d) 沈下速度 (mm/d) 沈下量 (m) 荷重載荷後 沈下量沈下速度 : : : : t s =88day 図 31 上載荷重が圧密沈下挙動に及ぼす影響 k =1-6 m/s,δp=4kn/m 2,C c /C k =3. の場合.5.25 な泥炭地盤に対して, を前提とする Terzaghi 沈下式を適用することは適切ではない なお, の解析に用いる圧密係数は, 有効土被り圧 σ v に対応する圧密係数を選定すると圧密沈下が速く進行し過ぎる, また,σ v +ΔP に対応する圧密係数では遅すぎることがわかる ( 図 3(b)) 泥炭式の沈下時間は, 荷重載荷時および載荷直後の沈下量が大きいが, 圧密終盤では緩やかに沈下が進み, 長期沈下が継続的に発生する この沈下挙動は, 荷重載荷時の が大きく, 圧密に伴い が小さくなる の圧密圧力依存を考慮した解析値 ( ) と, よい対応関係にある このことから, 泥炭式には の圧密圧力依存性の影響が含まれていると推測できる また, の低下が大きい C c /C k =3., 2.5 の解析結果では, 泥炭式の一次圧密と二次圧密領域の閾値となる時間 t s 以降の圧密終盤に 遅れ一次圧密沈下 が発生している 泥炭地盤で特徴的ないわゆる二次圧密沈下には, この沈下が含まれている可能性がある 7.3 小荷重での圧密沈下挙動上載荷重が小さい場合について, その圧密沈下挙動を検討してみる 上載荷重が ΔP=4kN/m 2 ( 盛土厚 :2m に相当 ) の小荷重条件では,C c /C k =3. を示す の圧密圧力依存が大きい泥炭であっても, 図 31 の沈下解析結果からわかるように, 圧密圧力の増分と の低下が小さいため, 解析ケースによる沈下挙動の差が小さい したがって, Terzaghi 沈下式が適用できると考えられるが, 長期圧密沈下をやや小さく評価する 7.4 透水係数が圧密沈下挙動に及ぼす影響圧密沈下挙動は, 初期の透水係数にも影響を受ける 図 27 によると, 原位置透水係数は m/s~5 1-6 m/s まで幅がある C c /C k =2. では, 初期透水係数が k =1-6 m/s の場合, 図 3(c) に示すように, の圧密圧力依存性が圧密沈下挙動に及ぼす影響は小さい 初期透水係数が k =2 1-7 m/s と小さくなると, 図 32(a) に示すように, と の沈 沈下速度 (mm/d) 41

17 泥炭地盤の圧密沈下 沈下量 (m) 沈下量 (m) 荷重載荷後 沈下量 : : 沈下速度 : t s =88day : (a) C c /C k =2. k =2 1-7 m/s 荷重載荷後 沈下量 : : t s =88day (b) C c /C k =2.5 k =5 1-6 m/s 沈下速度 : : 図 32 透水係数が圧密沈下挙動に及ぼす影響 ΔP=1kN/m 2 の場合.5.25 下曲線の差はさほど大きくならず, また, 泥炭式は長期沈下を大きく評価したままである 表 3 表 6 に示したとおり, 当別試験盛土箇所の泥炭は, k,f =1.7~ m/s,c c /C k =1.5~1.74 である 図 15(a) において,Case2( ) と Case3( ) の沈下時間曲線の差が小さく, とくに盛土完了後 ( 経過 236 日 ) の沈下予測精度が, 泥炭式よりも Terzaghi 沈下式 ( =,f ) の方が高いのは ( 図 15(b)), これから説明できると思われる また,C c /C k =2.5 では, 初期透水係数が k =1-6 m/s の場合, 図 3(b) に示すように, の圧密圧力依存性が圧密沈下挙動に及ぼす影響が大きい しかし, 図 32(b) に示すように k =5 1-6 m/s と大きくなると,C c /C k =2.5 でも の沈下時間曲線は とほぼ同じになる 釧路試験盛土箇所の泥炭 (Ap1 層 ) は, 表 4 表 7 に示したとおり,k,f = m/s,c c /C k =2.5 である 図 17(a) において,Case2( ) と Case3( ) の沈下時間曲線の差が小さく,Terzaghi 沈下式 ( =,f ) の沈下予測精度が比較的高いのは ( 図 17(b)), 初期の透水係数が大きいことも影響していると考えられる 以上のように,C c /C k と初期透水係数 k を系統的にさせて, その圧密沈下挙動を調べると, 表 9 に示すように泥炭の透水特性に応じた慣用沈下式の適用性の目安が得られる 沈下速度 (mm/d) 沈下速度 (mm/d) 8. 慣用沈下式の使い分け 試験盛土を対象とした解析と の低下度合いをさせた解析結果から, 泥炭式には原位置透水性や の圧密圧力依存性の影響が経験式の形で取り込まれていることが推測された なお, の圧密圧力依存性が顕著になり泥炭式の適用性が高まる目安とは, 表 9 のように整理される 一方,Terzaghi 沈下式は, 原位置の圧密係数を用いることを前提として, 圧密圧力による の低下が小さい泥炭や, の低下が大きくても低盛土であれば, 沈下予測式として適用できる可能性があることがわかった 原位置の圧密係数は, 今回対象とした泥炭地盤では圧密試験から得られた値の 5~1 倍であった ただし, 当別試験盛土のように, 盛土載荷により基礎地盤が限界状態に近づき, せん断変形の影響が顕著となる現場では, 両沈下式とも特に盛土載荷時の沈下速度を小さく評価し, 最終沈下量も実測値よりも 1% 程度小さくなる これらの理解に基づき, 適用場面に応じた泥炭地盤の慣用沈下式の使い分けを表 1 にまとめた 9. 結論 表 9 泥炭の透水特性と慣用沈下式の適用目安 初期透水係数 ( 原位置 )k (m/s) C c /C k =2. (L i =35%) C c /C k =2.5 (L i =5%) C c /C k =3. (L i =7%) II II I 1-6 II I I II I I I,II:Terzaghi 沈下式 泥炭地盤の圧密沈下挙動の解釈とその予測を目的として, 試験盛土を対象に一次元 二次元水 ~ 土連成微小 / 有限変形弾塑性 FEM 解析を実施し, 原位置透水係数や層厚, せん断変形による鉛直方向の変形, および圧密係数 の圧密圧力依存性が沈下挙動に及ぼす影響を検討した また, これらの解析結果と, 北海道の泥炭地盤の沈下予測に広く用いられている泥炭式と Terzaghi 沈下式の計算結果とを比較することで, 泥炭式に含まれる工学的な意味や, それぞれの沈下式の適用性について検討した 得られた主要な結論をまとめると次のようである a) 原位置の泥炭の透水係数を用い, さらに の圧密圧力依存性を考慮した二次元有限変形解析を実施すれば, 時間を含む泥炭地盤の変形挙動を正確に予測できる b) 原位置の透水係数は, 圧密沈下予測に与える影響が大きいが, この値は圧密試験から得られた値の 5~1 倍であることが確かめられた c) 泥炭式は, 原位置の透水性と の圧密圧力依存性の効果を経験式の形で取り込んだ沈下予測式であると解釈できる d) Terzaghi 沈下式は, 原位置の圧密係数を用いれば, 圧密圧力の増加に対して の低下が小さい泥炭や, 低盛土に 411

18 山添 他 表 1 慣用沈下式の使い分け 適用場面泥炭式 Terzaghi 沈下式 一次元問題 ΔP 適用性: 適用性が高い範囲: 表 9,H b >2m 備考 : 上記の適用範囲を外れても使用でき 適用性: 適用性が高い範囲: 表 9 (H b 2m のときは C c /C k が大きくても OK) 泥炭 粘土砂 例 : 宅地造成盛土や緩勾配盛土 泥炭 粘土砂 局所載荷問題 盛土 例 : 道路盛土, 構造物基礎 泥炭 腹付け盛土等 新規盛土着目点既設盛土 粘土砂 既設盛土による圧密は終了 泥炭の圧密係数が低下している 例 : 拡幅盛土など泥炭層厚が小さい場合 る ただし, 圧密係数 の圧密圧力依存性が小さい (C c /C k が小さい ) 泥炭では, 圧密終盤の長期沈下が大きく算出される 適用性: 適用性が高い範囲: 一次元問題と同じ備考 : 限界状態 ( 破壊 ) に近い荷重条件では, 沈下量を 1% 程度過小評価する また, 一次元問題と同様, の圧密圧力依存性の小さい泥炭への適用には注意が必要である 適用性: 備考 : 既設盛土による増加応力により泥炭の は小さくなっている しかし, 泥炭式は圧密前の を前提としているため, 沈下速度を大きく評価する なお, 圧縮性については, 既設盛土後の泥炭層の含水比 w と層厚 H を用いることで予測可能と思われる 適用性: 適用性が高い範囲: 一次元問題と同じ =,f (=5~1,l ) 備考 : 圧密係数 には原位置の値を用いる必要がある の圧密圧力依存性の大きい (C c /C k が大きい ) 泥炭に適用すると, 沈下速度は荷重載荷初期では小さく, 圧密終盤では大きくなる 圧密終盤の長期沈下を小さく評価する 適用性: 適用性が高い範囲: 一次元問題と同じ備考 : 限界状態 ( 破壊 ) に近づくような荷重載荷問題では, 沈下量を 1% 程度過小評価するとともに, せん断変形の影響を考慮できないため圧密初期の沈下速度が小さい また, 一次元問題と同様, の圧密圧力依存性の大きい泥炭に対する適用には注意が必要である 適用性: 適用性が高い範囲: 一次元問題と同じ備考 : 既設盛土により低下した泥炭の を用いることができるため適用性が高い 適用性: 適用性が高い範囲: 一次元問題と同じ 盛土 備考 : 表層付近に泥炭層が堆積する場合は問 備考 : 泥炭の層厚が小さいと, せん断変形およ 粘土砂 泥炭層厚が小さい 題ないが, 釧路試験盛土の Ap2 層のように, 軟弱層内に泥炭層を狭在する場合, 時間 t s が小さく評価される 3 び層厚の影響が相対的に小さくなるため, 適用性が高くなる 1 : 適用性が高い, : 適用性が中位 2 C c : 圧縮指数,C k : 透水係数指数,H b : 盛土厚,,l : 圧密試験による圧密係数,,f : 原位置の圧密係数 3 泥炭式は, 排水面に近い表層付近に泥炭層が堆積することを想定し作られているものと考えられる 粘土層内に排水面から離れて泥炭層が堆積する場合, 本来は軟弱層全体で圧密時間を評価する必要がある 対して適用できる e) 泥炭式と Terzaghi 沈下式の使い分けは, 表 1 にまとめられる 謝辞本論文で使用した当別試験盛土のデータについては北海道開発局札幌開発建設部より, 釧路試験盛土については北海道開発局釧路開発建設部より提供されたものである ここに記して, 謝意を表します 付録泥炭式を採用した場合の, 泥炭と粘土互層地盤の層厚換算泥炭と粘土の互層地盤に対して泥炭式を適用すると, 泥炭層については泥炭式から沈下時間を求めることができるが, 粘土層の圧密時間は粘土と泥炭のそれぞれの圧密係数から換算層厚を求め計算する必要がある つまり, 泥炭の圧密係数 が必要になる しかし, 泥炭式は含水比のみをパラメータとするため, 泥炭の が得られない場合がある 設計マニュアル 5) では, この場合の対処法は記述されていないが, 本論文独自の方法として次の考えに基づき泥炭の を仮定した 412

19 泥炭地盤の圧密沈下 図 33 は, 北海道の主要な泥炭分布域 ( 江別市, 釧路市, 稚内市 ) において採取された試料の圧密試験結果をまとめ たものである 釧路市の泥炭は他の地域の泥炭と比較して,l が相対的に大きく, 地域性の違いが認められる 表層付近に堆積することが多い泥炭地盤の有効土被り圧を σ vi =1kN/m 2 とすると, 盛土厚 2m~5m としたときの地盤内増加応力は, 荷重分散を無視すると,ΔP 18kN/m 3 ( 盛土の単位体積重量 ) 2~5=36~9kN/m 2 となる したがって, 相加平均は σ vi +ΔP/2 3~55kN/m 2 となり, 安全側の立場 ( 圧密速度が小さい ) から, この圧密圧力に対応する圧密係数を図から読みとると,,l =3cm 2 /d 程度となる 泥炭式では原位置の透水係数が評価されているものと考え, この値を 1 倍し (,f =3cm 2 /d) 換算層厚を求めるための泥炭層の圧密係数とした 参考文献 1) 持永竜一郎 : 北海道縦貫自動車道における泥炭性地盤の処理について, 土木学会昭和 55 年度全国大会研究討論会講演概要, No.3,pp.1~4,198. 2) 能登繁幸 : 泥炭地盤工学, 技報堂出版 ( 株 ),pp.7-9,pp.55-59, ) Oikawa, H., Ishikawa, G and Y.P.Vaid: Settlement rates during one-dimensional consolidation of peat, Proceedings of the international symposium on compression and consolidation of clayey soils, Vol.1, pp , ) 能登繁幸 : 修正された泥炭地盤の沈下予測式 の簡略化, 開発土木研究所月報,No.46,pp.37-41, ) ( 独 ) 北海道開発土木研究所 : 泥炭性軟弱地盤対策工マニュアル, pp.55-56,22. 6) 石垣勉, 尾本志展, 竹山智英, ピパットポンサー ティラポン, 飯塚敦, 太田秀樹 : 土 / 水連成解析を用いた道路アセットマネジメント支援の試み, 土木学会応用力学論文集,Vol.1, pp ,27. 7) 三田地利之, 山添誠隆, 林宏親, 荻野俊寛 : 泥炭性軟弱地盤の変形解析への各種構成モデル 解析手法の適用性, 土木学会論文集 C,Vol.66, No.1,pp.1-2,21. 8) 佐々木晴美, 木下喬之, 能登繁幸, 太田政一 : 泥炭性軟弱地盤基礎処理工法の効果に関する調査試験 - 最終報告 -, 第 3 回建設省技術研究会報告,pp.84-91, ) 林宏親, 西川純一, 江川拓也, 前田広和, 石塚達也 : 泥炭性軟弱地盤に対するプラスチックドレーン工法の改良効果, 第 36 回地盤工学研究発表会講演集,pp ,2. 1) 林宏親, 西本聡, 澤井健吾, 菅藤善之 : 泥炭性軟弱地盤における真空圧密工法の改良効果とその評価, 第 48 回地盤工学シンポジウム論文集,pp ,23. 11) 高橋秀彰, 藤田友幸, 林宏親 : 真空圧密工法による泥炭地盤の変形挙動, 地盤工学会北海道支部技術報告集, 第 47 号, pp.59-64,27. 12) 5),p.3 13) Yatomi, C., Yashima, A., Iizuka, A. and Sano, I.: General theory of shear bands formation by a non-coaxial Cam-clay model, Soils and Foundations, Vol.29, No.3, pp.41-53, ) Asaoka, A., Nakano, M. and Noda, T.: Soil-Water Coupled Behaviour of Saturated Clay near / at Critical State, Soils and Foundations, Vol.34, No.1, pp.91-16, ) Jaky, J.: Pressure in silos, Proceedings of the 2nd International Conference on SMGE, Vol.1, pp.13-19, 間隙比, e 圧密係数,,l (cm 2 /d) : 江別市 : 釧路市 : 稚内市 圧密圧力,σ' v ,l =3cm 2 /d 16) Schmidt, B.: Earth pressures at rest related to stress history, Discussion, Canadian Geotechnical Journal, Vol.3, No.4, pp , ) 林宏親, 三田地利之, 田中洋行, 西本聡 : 泥炭性軟弱地盤の静止土圧係数とその評価, 土木学会論文集,No.813/III-74, pp ,26. 18) Mayne, P. W., Kulhawy, F. H.: K -OCR relationships in soil, Journal of the Geotechnical Engineering Division, ASCE, 18 (GT6), pp , ) ( 社 ) 日本道路協会 : 道路橋示方書 同解説 I 共通編 IV 下部構造編,pp ,22. 2) 林宏親, 三田地利之, 西本聡 : 泥炭地盤有限要素解析用のカムクレイパラメーター決定に関する検討, 第 4 回地盤工学研究発表会講演集,pp ,25. 21) ( 社 ) 日本道路協会 : 道路橋示方書 同解説 I 共通編 IV 下部構造編,pp ,22. 22) 林宏親, 三田地利之, 西本聡 : 原位置透水試験および圧密試験による泥炭地盤の透水特性の評価, 土木学会論文集 C,Vol.64, No.3,pp ,28. 23) 野田利弘, 高稲敏浩, 浅岡顕 : 水 ~ 土連成計算による土留めに作用する力の時間依存性挙動の解析, 土木学会論文集, No.617/III-46,pp , ) ( 社 ) 日本道路協会 : 道路土工軟弱地盤対策工指針,pp.67-68, ) 富士通エフ アイ ピー ( 株 ): リファレンスマニュアル DECALTO Version14.3,pp.34-35,29. ( ( 受付 ) (a) (b) 平均圧密圧力,σ' vm 図 33 北海道泥炭の圧密試験結果 413

20 山添 他 Settlement-time behavior of peat ground and applicability of conventional predicting methods Nobutaka YAMAZOE 1,Hiroyuki TANAKA 2,Hirochika HAYASHI 3 and Toshiyuki MITACHI 4 1 C-way Engineering Co., Ltd. 2 Graduate School of Engineering, Hokkaido University 3 Civil Engineering Research Institute for Cold Region 4 College of Industrial Technology, Nihon University Abstract Prediction of the settlement-time behavior is one of the most important subject when the construction works are performed on peat ground since the order of the settlements is very large and they continue for a long period of time. In this paper, the following topics which are considered to be obstacles to perform accurate prediction of the settlement-time behavior of the peat ground are investigated: evaluation of the in situ permeability, reduction of the thickness of the objective layers caused by consolidation, additional vertical deformations accompanied with shear deformations and stress dependency of the coefficient of consolidation ( ). One and two dimensional soil-water coupled elasto-plastic FE analyses base on infinitesimal/finite deformation theory are carried out for two test embankments constructed on the peat ground having quite different values to identify which subjects described above mainly governs the settlement behavior. Settlement-time behavior is also investigated with a series of one-dimensional analyses by changing the rate of reduction of with consolidation stress change. Applicability of two conventional settlement prediction methods, an empirically established practical method and a method based on Terzaghi theory, is discussed based on the analytical results and observation, and important points to remember on application of the methods are elucidated. Key words: peat, consolidation, settlement, coefficient of consolidation, shear deformation, FEM 414

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