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1 金沢市内の中高生への意識調査と実用英語技能検定結果に基づく学力調査からみた小学校英語導入の意義と課題金沢市内の中高生への意識調査と実用英語技能検定結果に基づく学力調査からみた小学校英語導入の意義と課題 An Investigation into How English Ability Progresses after Primary School English Education in Kanazawa, Japan Research Based on Attitude and Ability Questionnaires and Results of a Japanese Standardized English Test, STEP 米田佐紀子 1 リンチギャビン 2 ウッズクレイグ 3 Abstract This research is based on questionnaires given to about 1900 junior and senior high school students in Kanazawa, Japan, and data available from a national English testing center, STEP. The aim was to investigate how English ability progresses after primary school English education, i.e. to show how the English education methodology and curricula at primary school level can affect Japanese students future ability and attitude toward English. The results showed that primary school English affects ability at secondary level, improving test results overall. Students with primary school English passed a level of STEP Eiken, an English test, earlier than those without such education. This research led to greater understanding of the effect of primary school English in the secondary level education in terms of academic achievement and attitude toward English as well as how implementing English education in public schools affects the society as a whole. Keywords Meaning of Primary School English, Feelings toward English at Secondary Level, Extrinsic Factors in L2, Government Curriculum 要旨本研究の目的は小学校英語によって中等教育段階での英語学習に対する意識や英語力にどのような影響を与えるのかを明らかにすることである金沢市内の私立公立の中高生約 1900 名にアンケートによる意識調査取得検定級調査含むを行ったまた学力調査には日本英語検定協会の実用英語技能検定試験結果を使用したその結果中高生にとって受験教科など外的動機付けの要因が大きいことが分かった同時に小学校英語導入が社会全体に影響を与え学力向上につながったことが示されたこれらは制度や教育体制を整えて行くことの重要性を示唆しているキーワード小学校英語の意義中高生の意識学力調査外的動機付け制度 1 Sakiko YONEDA 北陸学院大学人間総合学部幼児児童教育学科児童英語教育 2 Gavin LYNCH 北陸学院大学コミュニティ文化学科スピーチコミュニケーション 3 Craig WOODS Monash University, Australia 大学院生 93

2 北陸学院大学北陸学院大学短期大学部研究紀要 1 はじめに課題設定の理由第２号第１分冊である金沢市では 1996 年から英語活動が入この研究は科学研究費補助金基盤研究Ｃ課題り 2004 年には教科になった金沢市教育委員番号小学校英語教育で培われる英語会 2004 力についての研究国際的評価基準を用いて今までの小学校英語が体系的な英語教育ではなの一部であるまたこの論文は第 39 回中部英く fun 中心なもの菅 2008 バトラー 2005 語教育学会静岡大会で口頭発表した小学校英語樋口 1999 であったがこの十数年の間に fun 教育がもたらした中高生英語力への影響と課題中心の小学校英語は何をもたらしたのだろうか金沢市内中高生へのアンケート調査と実用英語技 2011 年からは新学習指導要領で小学校 5 6 能検定結果に基づく研究米田リンチウッ年生段階で外国語活動が導入されることになズ 2009 に加筆訂正したものであるり英語ノートも配布される実質英語教育本研究の目的は小学校英語によって中等教育が正式に始まるともとれる歴史的出来事である段階での英語学習に対する意識や英語力にどのような影響を与えるのかを明らかにすることであ 3 先行研究る 3.1. 小学校 6 年間で培える英語力の調査ケンブリッジ英検を使用して中等教育時代の学習の様相を明らかにすることで小学校から大学まで鳥瞰することができま我々が実践研究を行っている北陸学院小学校でた小学校英語が英語が使える日本人の育成は 1 年生から 6 年生まで四技能のバランスを重に貢献するのか否か言いかえれば小学校英語視した教育をしている自分たちの教育成果を客導入の意義を明らかにすることができるだろう観的に測定するためケンブリッジ英検のヤング本研究では小学校での英語活動も英語教ラーナーズ CYLE の Starters を使用している育も小学校英語として扱っていく表1 英語活動は教科ではなく評価もない一方 CEFR 各種英検相対表英語の音声やフレーズ場面を扱っており英語ノート文部科学省 2009 や小学校外国語活動研修ガイドブック文部科学省 2009 では英語教育の学習内容と重なっておりメディア等でも英語外国語活動を何らかの英語教育として扱っている産経ニュース 2009 英語活動と英語教育の違いは一般の人には分かりにくい証拠と言えるそこで本論文では小学校英語として扱うこととする本論文では研究の背景先行研究について述べた後金沢市内の中高生に実施した小学校英語ケンブリッジ英検は University of Cambridge に関するアンケート結果と客観的学力調査結果 ESOL Examinations Cambridge ESOL によってとして用いた実用英語技能検定日本英語検定協作られている子どもの四技能を子ども用に作会 2007c 以下 STEP 英検と略の分析と検討をられたテストで測定できること世界共通の尺行い最後に成果と課題を述べる度ヨーロッパ共通参照枠 Common European Framework of Reference for Languages: Learning, 2 小学校英語を取り巻く背景 Teaching, Assessment 2006 以下 CEFR と略に文部科学省は 2002 年に英語が使える日本人準拠しているので世界的に英語を使って活躍での育成のための戦略構想を発表し 2008 年にきる日本人を育成するという目的に合致していは 97.1 の公立学校で英語活動が実施されるまた子ども用と大人用のテストに連続性がている文部科学省 2008 今回の研究対象地域あるので 1 つの尺度で子供から大人まで測定で 94

図1 CYLE Starters China Taiwan Japan HGES China Taiwan Japan HGES China Taiwan Japan HGES China Taiwan Japan HGES 金沢市内の中高生への意識調査と実用英語技能検定結果に基づく学力調査からみた小学校英語導入の意義と課題平均点比較きるという利点がある表１は本テストと STEP ある

3 英検 TOEIC CEFR の相対表である表１で年遅れていることが示されている Cambridge と示されているのがケンブリッジ英 3.2.

3 図1 CYLE Starters China Taiwan Japan HGES China Taiwan Japan HGES China Taiwan Japan HGES China Taiwan Japan HGES 金沢市内の中高生への意識調査と実用英語技能検定結果に基づく学力調査からみた小学校英語導入の意義と課題平均点比較きるという利点がある表１は本テストと STEP ある本学児童の英語力は世界的に見ると 2 3 英検 TOEIC CEFR の相対表である表１で年遅れていることが示されている Cambridge と示されているのがケンブリッジ英 3.2. 検であるヤングラーナーズは表の下位 3 種であ長期的意義から見た小学校英語大学生へのアンケートと TOEIC の相関研究よりるこの比較表については機関によって多少異なりあくまで目安と考える必要がある小学校 6 年生での到達度が測れても大人に我々の研究では小学 6 年生に Starters を実施なった時に英語が使えなければ本来の小学校英している米田他 2006; Yoneda & Lynch 2007; 語の導入の意味がないそこで筆者らは長期 Yoneda, Lynch & Woods 2009 Starters は英検の 4 的に小学校英語が有意義か否かについて筆者ら 5 級相当レベルであるの勤務先の約 250 名の大学生短大生を対象に図１は 2006 年度 2008 年度の本学児童小学校英語経験の有無の相関があるかどうかま HGES の平均点を日本人台湾中国の平均た小学校英語についてどのように感じているか点と比較したものである Cambridge ESOL 2004, アンケートによる意識調査と TOEIC の点数を用 2005, 2007b いて調べた Yoneda, Lynch, & Woods 2009 結果図１は左から listening, reading/writing, speaking は次の通りであったそして合計点の順で示されている各セクション ①四技能の指導を受けた学生は fun 中心のは 5 点で 3 セクション合計が満点 15 点となる指導を受けた学生より有益性を感じると回答 10 点を出すと１つ上のレベルの Movers を狙えるした学力が付いている目安とされている ② TOEIC 得点による学力は小学校時代の英語 HGES の平均点点は日本人平均 9.56 点経験者が高かった塾での学習を含めると中国の点は上回るものの台湾 ③小学校における英語について６割の学生が有点の平均と比べると低い Cambridge ESOL の意義とは感じないと回答した Exam Report によると Starters 受験者平均年齢は ④一番有意義だと感じる学校レベルは中学校と 9.5 歳歳歳 2007 でいう回答が最多だった 95

4 北陸学院大学北陸学院大学短期大学部研究紀要第２号第１分冊 3.1 および 3.2 の先行研究から小学校英語でにある生徒たちが自分たちの受けた小学校英語をの四技能に重点を置いた指導は長期的に有益感どのように評価しているのかアンケート結果をが高く学力についても高くなる傾向があると示述べ考察を行う生徒たちは必ずしも教師や研究された一方小学校卒業時から中学高校者のような観点で授業を捉えていないため生徒大学の成長の過程の把握つまり学習者の英語たちが質問の意図を理解し回答できるよう実施に対する姿勢と同時に学力の調査がなければ小学者に対応用マニュアルを配布した校英語の意義を明確にできないということが分かった回答者の概要回答者数は金沢市内の私立公立に在籍する 4 データ収集方法 1884 人である本研究では中高生の小学校英語を含め彼らの回答者の年齢の内訳は歳平均年齢は現在の英語に対する意識と客観的学力のデータ両歳であった中学生が 1210 名高校生 672 名方を得るために記述式アンケート検定取得状不明 2 名であった男女比は 43 が男子 56 況調査を含む意識調査および実用英語技能検定が女子であった試験 STEP 英検を用いた回答者全体の約 83 の生徒が金沢市内の小学アンケートは Oxford 1990 を参考に中学生校出身者高校生の 90 が金沢市内の中学校出高校生用に自分達で作成した身者であることから金沢市という特定の地域に協力校は金沢市内の私立公立の４中学校と３おける小学校英語の全体像を探るという目的に合高校である実施は協力校の教師に依頼した教致した回答者と言える師間によるばらつきを避けるためマニュアルを添付し実施者には事前に対面で説明を行った小学校英語で習った主な項目と四技能別割合実施期間は 2007 年 9 月 11 月である学力調査については実用英語技能検定 STEP 回答者たちが受けた金沢市内の英語活動英検に基づいて行った回答者の 8 割が受験しは fun を中心とした活動であった金沢市教育ていることがアンケートから判明したからであ委員会る 2004 年から教科の英語を始めた回答者 12 STEP 英検の金沢市のデータ 1995 年 2007 年 2004 金沢市は 1996 年から英語活動歳 18 歳は全員 1996 年 2006 年までの間度の 12 年間分受験者数合格者数 5 19 歳にこれらの小学校英語に触れているについて 309,128 人を入手し受験者数合格者小学校で習った主な項目と割合について生徒数を見た日本英語検定協会 2007c 一方 18 歳は何をどのように習ったと考えているのか選択形以下の人口の増減との関係が重要なので人口統式で質問を行った図 2 が小学校英語で習った主計金沢市都市政策局調査統計室とな項目と割合である四技能ごとに左からアルの相関で合格者増減の分析を行ったファベットボキャブラリーセンテンスフォこの 12 年間は金沢市が 1996 年度に英語活ニックスグラマーの順番に百分率で示されてい動 2004 年度に小学校英語を必修にした時期をる含んでおりまた研究対象者である中高生はここの結果から以下のことが分かるの時期に小学生時代を過ごしている小学校英語 ①アルファベットとボキャブラリーに授業のねがいかに中高生に影響しているかを明らかにできらいがあり四技能で教えられているる期間と言える ②センテンスは主にオーラルで教えられていて読み書きは少ない 5 結果と考察 5.1. ③グラマーはオーラル中心で指導されたゲーアンケートによる意識調査の結果と考察ムなどに必要なチャンクやフレーズで指導されこの節ではアンケートにより中等教育段階たと考えられる 96

金沢市内の中高生への意識調査と実用英語技能検定結果に基づく学力調査からみた小学校英語導入の意義と課題図2 図3 小学校英語で習った主な項目の四技能別割合小学校英語に対する有益感についての学年の変化

3 としているがリーディング指導は 2 割程度と周辺を横ばいになっている先行研究におけるなっている大学生の肯定感が低かった結果と一致しているこの要因について筆者は次のように考察する 5.1.3. 小学校英語に対する有益感について ①子どもたちは早期から楽しい fun 英語を fun 中心の小学校英語について 3.

では肯定的解答が 40.85 がだった 2005 が実は英語も他教科と同じ勉強努のに対し今回の中高生の調査では 50.

5 金沢市内の中高生への意識調査と実用英語技能検定結果に基づく学力調査からみた小学校英語導入の意義と課題図2 図3 小学校英語で習った主な項目の四技能別割合小学校英語に対する有益感についての学年の変化 ④フォニックスは本来文字と音のつながりのに分析を行った図 3 がその結果であるルールによりリーディングスキルの向上を目的中１ 2.7 を最高に下降し始め中 3 高 3 は 2.3 としているがリーディング指導は 2 割程度と周辺を横ばいになっている先行研究におけるなっている大学生の肯定感が低かった結果と一致しているこの要因について筆者は次のように考察する小学校英語に対する有益感について ①子どもたちは早期から楽しい fun 英語を fun 中心の小学校英語について 3.2. に示すると英語上達良い点数につながるといした大学生対象の先行研究 Yoneda, Lynch, & う幻想を抱いた産経ニュース 2009 バトラー Woods 2009 では肯定的解答ががだった 2005 が実は英語も他教科と同じ勉強努のに対し今回の中高生の調査ではが肯力が必要と中学校以降に気づくのではないか定的に把えているという異なる結果が出た ② fun 中心の小学校英語と勉強が必要な中この結果の差異の理由を解明するため学年別学校以上の英語という捉え方の違いの裏には 97

北陸学院大学北陸学院大学短期大学部研究紀要図4 第２号第１分冊小学校英語での四技能指導別有益感 5.

イティングでは約 6 割が授業の半分もできていリスニングからライティングにかけて感想が否定ないと感じていることが示され receptive skills 的になっている受容言語能力のリスニングとリーディングで読み書きに対する有益感が低いのは小学校では約 6 割が半分以上理解できていると感じての授業に読み書きの活動が少なかったというアいるこの半分というのは

6 北陸学院大学北陸学院大学短期大学部研究紀要図4 第２号第１分冊小学校英語での四技能指導別有益感指導法や授業のねらいのギャップがあるのでは中高生の自分の現在の英語力に対する自己評価ないかこの節では中高生が自分の現在の英語力次の図 4 はこの②を裏付ける結果を示していをどう見ているのかについて述べる productive る横軸は四技能と全体縦軸はそれらに対 skills 産出言語能力であるスピーキングとラする中高生の有益感の率を百分率で示しているイティングでは約 6 割が授業の半分もできていリスニングからライティングにかけて感想が否定ないと感じていることが示され receptive skills 的になっている受容言語能力のリスニングとリーディングで読み書きに対する有益感が低いのは小学校では約 6 割が半分以上理解できていると感じての授業に読み書きの活動が少なかったというアいるこの半分というのはあくまでも本人ンケート結果と一致しており小学校授業で行なたちが感じている自己評価であるわれなかった活動について有益感を持たないの母語であっても受容言語能力の方が産出言語能は当然なことと考える力を上回るのは当然である Richards & Schmidt この結果は学校教育の影響の大きさを示す指 2002 一方この結果は生徒たちが授業につ標であるとともに今後の指導について大きな示いて自分は半分もスピーキングが出来ないと唆を与えている自己評価をしているという事でありこの事は今後の指導に示唆を与えている小学校英語がもたらす中高生の英語力に対する自信への影響自己評価と小学校英語についての相関テスト t-test を使って小学校英語を受けたことが現在の英語に対する自信につながっているかという問いに対し小学校英語の経験の有無と自己評価に相関があ肯定的な回答をしたのは約 30 だったるかを調べた小学校英語経験者は 892 人未経この問いは英語だけに言える事なのだろうか験者は 194 人であった方法は t-test を用いた今後他の教科との違いがあるかどうかを調査する結果は小学校英語経験者が M = 0.56, SD = 必要があろう 0.22 小学校英語未経験者が M = 0.46, SD = 0.21 で t , p<0.001 となり 99.9 の確率で小学校英語経験者の方が自信を持つ確率が高くなることが示された 98

金沢市内の中高生への意識調査と実用英語技能検定結果に基づく学力調査からみた小学校英語導入の意義と課題 5.1.7. 英語学習の目的文部科学省 2002 日本国内では STEP 英検が英語学習の目的を尋ねた項目では受験科目だ受験や就職に有利に働く今回の調査でものべから 62.01 学校の教科だから 50.

26 という内的動機付けよりも大きあるかった図 5 の横軸は STEP 英検の級縦軸は人数で Avg. age と書いてあるのは合格平均年齢単位 5.2. 学力調査アンケートによる取得検定級歳である 3 級までの合格者人数が多く準 2 および STEP 英検結果と考察 5.2.1.

7 金沢市内の中高生への意識調査と実用英語技能検定結果に基づく学力調査からみた小学校英語導入の意義と課題英語学習の目的文部科学省 2002 日本国内では STEP 英検が英語学習の目的を尋ねた項目では受験科目だ受験や就職に有利に働く今回の調査でものべから学校の教科だから名約 80 の回答者が STEP 英検の何ら将来の仕事に必要などの外的動機付かの級を持っている図 5 はアンケートに基づくけが異文化交流や英語そのものが STEP 英検取得級と合格平均年齢を示したもので好きという内的動機付けよりも大きあるかった図 5 の横軸は STEP 英検の級縦軸は人数で Avg. age と書いてあるのは合格平均年齢単位 5.2. 学力調査アンケートによる取得検定級歳である 3 級までの合格者人数が多く準 2 および STEP 英検結果と考察級から下がる考えられる理由は以下の通りであアンケートによる STEP 英検取得級にる関するデータと分析 ① 2009 年度の STEP 英検合格率は 5 級 83.2 文部科学省は中学校卒業時で 3 級高校卒業 4 級級 57.3 準 2 級級時に準 2 級 2 級という目標数値を挙げている 28.9 準 1 級は 15.4 である日本英語検定図5 アンケートによる英検取得級と合格年齢の平均図 6 小学校英語経験者 vs. 未経験者のＳＴＥＰ英検合格級平均年齢 99

8 北陸学院大学北陸学院大学短期大学部研究紀要第２号第１分冊協会 2007a 準 2 級が 1 つの壁になることがる 12 年間で 5 歳 19 歳で約 7 万 9 千人が 6 万 4 分かる千人に高等学校レベルに相当する 15 歳 18 歳 ②金沢市では英検を持っていると高校入試に有利では約 3 万人から 2 万 1 千人に減っている金沢になる学校生徒ともに取得に向けて努力す市都市政策局調査統計室統計データ年齢別人る比して大学入試では有益性は高校入試ほど口ない難度と有益性の低さが相まって低い数値表 2 は金沢市内小学校に英語が導入される直に表れているのではないかと考えられる前の 1995 年度と必修化される 2004 年度直前次に小学校英語経験者と未経験者で合格するそして 2007 年度の情報に絞って合格者を今調平均年齢に差異があるかどうかを調べた査対象の人口に対する比率で表したものである図 6 の 2 本の線の下の濃い線が経験者である英語教育が開始された 95 年度に比べ小学校経験者未経験者の 2 本の線がずっと並行であるでは 4 5 級中学校では 3 準 2 級高校ではことから小学校英語の経験者は未経験者に比べ準 2 2 級が大幅に増加しているその一方中てより早くより高い級を取得する傾向があるこ学校では 4 級合格者が高校では 3 級合格者数がとが分かるここから小学校英語は長期的に学減少しており文部科学省の指標に沿った級を受力面で有益であるようだと言えるあくまで自己験し進路に有利とならない下の級は受験しなく申告によるものなので今後客観的調査をしていなっている傾向が見られるく必要がある回答者の小学校時代が fun 中心の授業であったことや小学校英語の有益性を余り感じていな STEP 英検データによる英検取得級のいというアンケート結果が出ているにもかかわら分析ず学力向上につながったことが示された前節の結果は回答者の主観的アンケートに基づこれは導入そのものが世の中に影響を与えく結果と考察であり客観性に欠けるそこで実結論として全体の英語力を上げることにつながっ用英語技能検定協会から金沢市のデータを入手たと考えられる 2011 年からの小学校外国語活し分析した日本英語検定協会 2007c 動の必修化や高校での英語のみでの授業の導入に時期は金沢市で英語が導入される直前の 1995 よって今後より英語力の向上と低年齢化が進年から 2007 年度の 12 年分のデータであるなむと考えられるお日本英語検定協会提供資料は 5 歳ごとに区切っているため小学校入学時の 6 歳から高校卒検定を巡る今後の課題業時の 18 歳に近い 5 歳 19 歳のデータで分析ここで今後の学力測定方法が課題となる言した金沢市の人口統計によれば研究対象とな語能力は文法能力社会的知識談話能力 + 表2 学校種小学校中学校高等学校学校種ごとの英検合格率推移対象年齢人口に対する合格者比率級年度 95/96 01/02 07/08 95/96 01/02 07/08 95/96 01/02 07/08 2級準2級 3級 4級 5級

9 金沢市内の中高生への意識調査と実用英語技能検定結果に基づく学力調査からみた小学校英語導入の意義と課題方略的能力と言われている Richards & Schmidt 2002 実際英検 2 級に合格するには新聞記事講義等での課題図書等で応用できる英語力が必要であると明記されている日本英語検定協会 2007b 子どもの発達段階や社会的知識に照らし合わせた場合英語運用能力はあるが社会的知識等に不足する児童に２級合格は日本語で受験しても難しい事がうかがえる今後発達段階と社会的知識を考慮した検定が必要となろう 3.1. の Cambridge 英検では CEFR A2 レベルで大人用のテスト Key English Test と子供用のテスト Flyers に分けて発達段階を考慮して英語力が測れるようになっている参考にする価値があるだろう 6 まとめ成果と課題本研究は小学校英語を入れたことで中等教育段階での英語学習に対する意識や英語力に影響を与えるか否かを解明することを目的に中高生の意識および学力面での調査研究を行ったその結果成果と課題が浮かびあがった成果として中高生にとって受験教科など外的動機付けの要因が大きいことそれと同時に小学校英語導入が社会全体に影響を与え学力向上につながったことが分かったこの 2 点は制度や教育体制を整えて行くことの重要性を示している一方課題として意識調査で見られたように小学校英語に対する有益感の低さである英語嫌いを作らないために fun 中心の授業をするという風潮を正す時が来たと考える真のコミュニケーション能力参照は fun だけではつかないという意識改革が必要であろうこれをどのように変えていくのかそれが今後の大きな課題である今回の調査は地域学校数とも限られているこの結果だけで全てを結論づけるのは危険であるしかし小学校英語の導入が大きく学力向上に寄与したことを踏まえ国策として良い授業研究を進めていく体制作りによってよりグローバル社会に求められる人材育成が期待できると考える 101 引用参考文献バトラー後藤裕子 2005 日本の小学校英語を考えるアジアの視点からの検証と提言東京三省堂 Council for Cultural Co-operation, Education Committee, Modern Languages Division Strasbourg Common European Framework of Reference for Languages: Learning, Teaching, Assessment. Cambridge University Press. 吉島茂大橋理江訳編 2004 外国語の学習教授評価のためのヨーロッパ共通参照枠朝日出版金沢市教育委員会 2004 金沢の教育金沢金沢市教育委員会金沢市都市政策局調査統計室統計データ年齢別人口 1995 年 2007 年分 2009 年 8 月 29 日検索 /nenrei_menu.jsp 菅正隆 2008 特別インタビュー菅正隆文部科学省教科調査官に聞く子ども英語 10 月号 8-10 頁東京アルク樋口忠彦編 1999 小学校からの外国語教育東京研究社出版文部科学省 2002 英語が使える日本人の育成のための戦略構想の策定について 2009 年 8 月 26 日検索 shingi/chousa/shotou/020/sesaku/ htm 文部科学省 2008 平成 19 年度小学校英語活動実施状況調査集計結果 2009 年 8 月 23 日検索 htm 文部科学省 2009 英語ノート東京文部科学省文部科学省 2009 小学校外国語活動研修ガイドブック東京文部科学省日本英語検定協会 2007a 受験の状況 [2009 年度 ] 第 1 回検定級別一次二次受験状況 2009 年 8 月 27 日検索 grade_new.html 日本英語検定協会 2007b 試験の内容２級 2009 年 8 月 27 日検索 grade_2/about.html 日本英語検定協会 2007c 金沢市受験および合格状況 1995 年度 2007 年度分日本英語検定協会提供 Oxford, Rebecca Language Learning Strategies. Heinle & Heinle Publishers Richards, Jack C. & Schmidt, Richard Dictionary of Language Teaching & Applied Linguistics. Edinburgh Gate: Pearson Education Limited. 産経ニュース 2009 日本の議論小学校の英語教育は必要か版 2009 年 10 月 14 日検索 edc n2.htm University of Cambridge ESOL Examinations YLE: May Exam Report 年 8 月 28 日検索 yle_examrep04_intro.pdf

10 University of Cambridge ESOL Examinations.. YLE: May Exam Report. teacher/yle_examrep _intro.pdf University of Cambridge ESOL Examinations. a. Cambridge English Young Learners Tests. University of Cambridge ESOL Examinations. b. YLE: Exam Report. yle_examrep _intro.pdf - Yoneda S. & Lynch G.. How Much English Can Japanese Children Learn in their Six-Year English Education in a Japanese School? Evaluation Using the Cambridge Young Learners Test th Asia TEFL International Conference, Pre-Conference Proceedings CD-ROM pp. -. Yoneda, S., Lynch G., & Woods, C.. The Immediate and Long-Term Efficacy of Teaching English in Elementary Schools in Japan. -

24 京都教育大学教育実践研究紀要第17号内容発達段階に応じてどのように充実を図るかが重要であるとされ CAN-DOの形で指標形式が示されているそこではヨーロッパ言語共通参照枠 CEFR の日本版であるCEFR-Jを参考に系統だった指導と学習評価筆記テストのみならずスピーチイン

24 京都教育大学教育実践研究紀要第17号内容発達段階に応じてどのように充実を図るかが重要であるとされ CAN-DOの形で指標形式が示されているそこではヨーロッパ言語共通参照枠 CEFR の日本版であるCEFR-Jを参考に系統だった指導と学習評価筆記テストのみならずスピーチイン京都教育大学教育実践研究紀要第17号 2017 23 小学校英語における児童の方略的能力育成を目指した指導泉惠美子京都教育大学 Developing students strategic competence in elementary school English classes Emiko IZUMI 2016年11月30日受理抄録小学校外国語活動においては体験的な活動を通してコミュニケーション能力の素地を育成すること