不 安 定 現 象 の 原 因 となっている 実 高 炉 内 のシミュレーションから 得 られたこれらの 不 安 定 現 象 の 原 因 を 出 来 るだけ 削 減 することによってより 高 効 率 の 高 炉 操 業 法 を 提 案 することが 可 能 である それに よって CO 2 発 生 量

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1 CO 2 排 出 ミニマムを 目 指 した 実 高 炉 内 の 多 相 ( 固 気 粉 ) 流 れの 大 規 模 シミュレーション プロジェクト 責 任 者 松 崎 眞 六 新 日 本 製 鐵 株 式 会 社 著 者 湯 晋 一 大 岳 R & D コンサルタント 事 務 所 梅 景 俊 彦 九 州 工 業 大 学 大 学 院 工 学 研 究 院 機 械 知 能 工 学 研 究 系 * 松 崎 眞 六 1 * 門 脇 正 具 1 * 国 友 和 也 1 * 内 藤 誠 章 1 * 廣 川 雄 一 2 * 2 上 原 均 * 1 新 日 本 製 鐵 株 式 会 社 技 術 開 発 本 部 環 境 プロセス 研 究 開 発 センタ 製 銑 研 究 開 発 部 * 2 独 立 行 政 法 人 海 洋 研 究 開 発 機 構 計 算 システム 計 画 運 用 部 利 用 施 設 名 : 独 立 行 政 法 人 海 洋 研 究 開 発 機 構 地 球 シミュレータ 利 用 期 間 : 平 成 20 年 4 月 1 日 ~ 平 成 21 年 3 月 31 日 アブストラクト 高 炉 からの CO 2 発 生 量 は 全 産 業 からの 約 15%にもおよび その 削 減 は 地 球 の 温 暖 化 防 止 にとっ て 重 要 である 本 プロジェクトでは 粒 子 の 離 散 的 な 運 動 を 記 述 する DEM( 離 散 要 素 法, Distinct Element Method)とガス 流 れを 記 述 する Navier-Stokes 式 を 連 成 して 実 高 炉 内 現 象 を 計 算 するシミュ レーションモデルを 開 発 し 高 炉 における CO 2 増 加 の 最 大 の 原 因 である 不 安 定 現 象 を 再 現 し その 防 止 法 を 提 示 する 最 終 的 には 多 相 の 運 動 反 応 伝 熱 物 質 移 動 を 全 て 連 成 して 計 算 し それらの 運 動 等 を 明 らかにして それに 基 づき CO 2 削 減 のための 高 効 率 で 安 定 な 操 業 技 術 を 明 らかにすることを 考 えている 本 年 度 は DEM の 運 動 方 程 式 および Navier-Stokes 式 を 連 成 して 用 い 実 高 炉 ( 新 日 鐵 大 分 第 1 高 炉 )の 円 周 方 向 は 1/4(90 度 分 ) 高 さ 方 向 は 全 てを 含 む 領 域 においてコークスと 鉄 鉱 石 を 層 状 に 配 置 して 沈 降 開 始 とともに 10 本 の 羽 口 から 速 度 250m/s で 気 流 を 吹 き 込 み 層 状 に 配 置 されて 沈 降 する 粒 子 群 と 相 互 干 渉 し 形 成 される 実 高 炉 内 の 不 均 質 な 混 相 流 のシミュレーションをおこ なった 利 用 ノード 数 は 16 ノード(128AP) 粒 子 数 は 約 1200 万 個 で 気 流 の 計 算 の 接 点 数 は 約 300 万 であった 計 算 結 果 から 燃 焼 によるコークスの 消 滅 速 度 を 表 現 する 羽 口 近 傍 でのコークスの 抜 き 取 り 速 度 を 大 きくすると 安 定 なレースウェイを 短 時 間 で 形 成 することがわかった これは 良 好 な 燃 焼 がおこっていると 安 定 なレースウェイが 形 成 されることを 示 している 逆 にいえば 安 定 なレース ウェイが 形 成 されれば 良 好 な 燃 焼 がおこっているであろう 本 計 算 では 鉄 鉱 石 は 1200 度 ラインで 溶 け 始 め 1400 度 ラインで 完 全 に 溶 けるというモデルを 用 いているが 溶 けた 鉄 鉱 石 の 融 液 によって 生 ずる 付 着 力 等 によって 層 状 のモデル 融 着 帯 が 形 成 され 主 にその 影 響 によって 高 炉 内 に 大 きな 不 均 質 粒 状 体 流 れおよび 不 均 質 な 気 体 の 流 れが 発 生 することが 分 かった 気 体 は 融 着 帯 を 避 けて 一 部 は 融 着 帯 の 内 部 を 通 るが 羽 口 より 上 部 の 中 心 領 域 および 炉 壁 近 くの 一 部 で 高 速 度 領 域 を 形 成 し それ が 種 々の 不 均 質 流 れの 原 因 となっている 粒 子 は 壁 近 傍 で 速 度 は 小 さく そこに 高 充 填 率 の 領 域 が 形 成 され それが 原 因 となり 棚 吊 現 象 がおこる 可 能 性 がある また 羽 口 間 の 流 れの 不 均 質 な 相 互 影 響 が 15

2 不 安 定 現 象 の 原 因 となっている 実 高 炉 内 のシミュレーションから 得 られたこれらの 不 安 定 現 象 の 原 因 を 出 来 るだけ 削 減 することによってより 高 効 率 の 高 炉 操 業 法 を 提 案 することが 可 能 である それに よって CO 2 発 生 量 の 減 少 に 寄 与 することができ 広 く 我 が 国 の 社 会 経 済 の 発 展 に 貢 献 することが 可 能 であると 考 えられる キーワード: 実 高 炉 DEM Navier Stokes 式 粒 子 流 れ 不 安 定 流 れ CO 2 削 減 1.はじめに CO 2 を 削 減 するためにはより 高 効 率 で 変 動 のない 安 定 な 高 炉 操 業 技 術 の 開 発 が 必 要 であるが その ためには 第 一 に 実 高 炉 全 体 の 気 流 コークス 鉄 鉱 石 および 鉄 鉱 石 が 部 分 的 に 溶 けて 形 成 する 融 着 帯 の 運 動 を 明 らかにする 必 要 がある 高 炉 内 部 は 千 数 百 度 という 高 温 でかつ 気 流 と 高 濃 度 の 粒 状 体 および 鉄 鉱 石 の 溶 融 体 が 複 雑 に 運 動 し 堆 積 しているため 内 部 状 態 の 正 確 な 測 定 は 現 在 でも 不 可 能 に 近 い したがって 高 炉 の 内 部 の 状 態 は 未 知 の 部 分 が 多 く それらを 明 らかにすれば 高 効 率 操 業 を 阻 害 する 不 安 定 現 象 の 原 因 を 突 きと めることが 出 来 その 防 止 策 を 考 えることにより 高 い 効 率 でかつ 安 定 に 操 業 できる 技 術 の 開 発 が 可 能 となるだろう また 京 都 議 定 書 には 大 気 中 の CO 2 の 増 加 による 地 球 温 暖 化 現 象 が 進 行 し 地 球 環 境 の 危 機 的 状 態 の 到 来 が 示 されており その 京 都 議 定 書 における CO 2 削 減 の 約 束 期 間 が 昨 年 からスタート した わが 国 の 全 高 炉 からの CO 2 発 生 量 は 全 産 業 の 約 15%にも 及 ぶ 高 炉 の 高 効 率 で 安 定 な 操 業 技 術 の 開 発 は 銑 鉄 の 製 造 という 観 点 だけでなく 地 球 の 温 暖 化 防 止 というグローバルな 課 題 にも 重 要 な 役 割 を 担 っている 高 炉 の 内 部 の 状 態 を 明 らかにするためには 高 炉 内 部 での 測 定 実 験 が 困 難 であるため 数 値 シミュ レーシヨンが 最 適 である しかし 高 炉 は 高 さが 約 30 mと 大 規 模 大 型 装 置 であり 炉 内 には 極 めて 多 数 の 粒 子 があるため 通 常 のコンピューターでは 実 高 炉 の 数 百 分 の 1 の 領 域 しか 計 算 できない そ こで 世 界 第 一 級 のメモリ 容 量 と 演 算 スピードをもつ 地 球 シミュレータを 用 いて 実 高 炉 内 の 運 動 を 計 算 し 内 部 の 状 態 を 明 らかにして 不 安 定 現 象 の 原 因 を 突 きとめ 上 述 の 高 効 率 で 安 定 な 操 業 方 法 を 明 らかにし 排 出 CO 2 の 削 減 に 寄 与 することを 目 指 した 本 年 度 は DEM の 運 動 方 程 式 および Navier-Stokes 式 を 連 成 して 用 い 実 高 炉 ( 新 日 鐵 大 分 第 1 高 炉 ) の 円 周 方 向 は 1/4(90 度 分 ) 高 さ 方 向 は 全 てを 含 む 領 域 においてコークスと 鉄 鉱 石 を 層 状 に 配 置 して 沈 降 開 始 とともに 10 本 の 羽 口 から 速 度 250m/s で 気 流 を 吹 き 込 み 層 状 に 配 置 されて 沈 降 する 粒 子 群 と 相 互 干 渉 し 形 成 される 実 高 炉 内 の 不 均 質 な 混 相 流 のシミュレーションをおこなった 利 用 ノード 数 は 16 ノード 気 流 計 算 の 接 点 数 は 約 300 万 計 算 粒 子 数 は 約 1200 万 個 であった 2. 実 高 炉 内 のコークス 鉄 鉱 石 および 気 流 の 計 算 方 法 コークス 粒 子 の 運 動 の 基 礎 式 は 直 交 座 標 系 における 並 進 および 回 転 に 関 する Lagrangian 型 運 動 方 程 式 で それぞれ 次 式 で 表 される 16

3 Eqs.(1) (2)の 右 辺 第 1 項 は それぞれ 着 目 粒 子 と 直 接 接 触 する 全 粒 子 から 作 用 する 接 触 力 および 接 触 力 モーメントの 総 和 で DEM 1,2) を 用 いて 計 算 した Eq.(1)の F Di,F Li はそれぞれ 粒 子 に 作 用 す る 抗 力 と 揚 力 で その 反 作 用 力 が 気 流 に 作 用 する St および St L で 下 記 の 気 流 のところで 示 している Eq.(5)で 求 まる ただし St L の 式 はここでは 省 略 している これらの 項 で 粒 子 の 運 動 と 気 流 の 運 動 が リンクされ それらが 連 成 された 運 動 が 求 まる Eq.(1)の F gi は 粒 子 に 作 用 する 重 力 Eq.(2)の M Fi は 粒 子 が 流 体 から 受 ける 摩 擦 トルクである なお 本 計 算 では 流 体 による 摩 擦 トルク M Fi を Takagi 3) の 式 に 基 づいて 計 算 した 気 流 の 運 動 の 基 礎 式 は 空 隙 率 及 び 粒 子 との 相 互 作 用 を 考 慮 した 無 次 元 化 された Navier-Stokes 式 と 連 続 の 式 で それぞれ 次 式 で 表 される 式 中 の St および St L はそれぞれ 気 流 粒 子 間 で 作 用 する 抗 力 と 揚 力 で 気 流 と 粒 子 の 相 互 干 渉 項 を 表 わ す 前 述 したようにこれらが Eq.(1)の F Di と F Li に 相 当 し 気 流 と 粒 子 が 連 成 された 運 動 が 求 まる 気 流 粒 子 間 で 作 用 する 抗 力 による 相 互 干 渉 項 には 粒 子 周 りレイノルズ 数 が 1000 以 下 の 場 合 に は Shiller and Naumann の 実 験 式 4) に 基 づく 次 式 を 用 いた また 粒 子 周 りレイノルズ 数 が 1000 より 大 きい 場 合 および 揚 力 による 干 渉 項 は Yuu et al. 5) と 同 じ 式 を もちいているのでここでは 省 略 した 数 値 計 算 では Navier-Stokes 式 のダイバージェンスを 取 って 得 られる 圧 力 に 関 するポアソンの 式 を 緩 和 法 で 計 算 した DEM と Navier-Stokes 式 の 計 算 条 件 を 表 1 に 示 す 3. 実 高 炉 内 の 計 算 結 果 実 高 炉 ( 新 日 鐵 大 分 第 1 高 炉 )の 周 方 向 1/4(90 度 分 )の 領 域 においてコークスと 鉄 鉱 石 を 層 状 に 配 置 して 沈 降 させ 同 時 に 羽 口 から 速 度 250m/s で 気 流 を 吹 き 込 み 気 流 の 運 動 を 表 わす Navier- Stokes 式 と 粒 子 の 運 動 を 表 わす DEM 方 程 式 を 連 成 して 計 算 した 以 下 に 計 算 結 果 を 示 す 17

4 表 1 計 算 条 件 計 算 領 域 ( 炉 体 ) 寸 法 半 径 :R 0 = 7,350 mm( 羽 口 部 ),R 1 = 8,379 mm(ベリー 部 ) 円 周 方 向 :90, 高 さ:H = 27,840 mm( 炉 頂 まで) 計 算 時 間 ステップ Δt = s ~ s 気 流 計 算 セル 数 ( 内 点 ) 57(r 方 向 ) 140(θ 方 向 ) 348(z 方 向 ) 気 流 計 算 セル 幅 ( 有 次 元 値 ) Δr = mm,δθ = rad,δz = 80.0 mm 羽 口 (ノズル) 気 流 噴 出 速 度 U 0 = 250 m/s ~ 340 m/s 計 算 粒 子 径 炉 壁 および 羽 口 を 構 成 する 粒 子 :50.0 mm( 均 一 ) 計 算 粒 子 数 コークス 粒 子 : 平 均 径 57 mm, 鉱 石 粒 子 : 平 均 径 45 mm コークス 粒 子 と 鉱 石 粒 子 は 粒 径 分 布 と 粒 度 偏 析 を 考 慮 炉 壁 および 羽 口 を 構 成 する 固 定 粒 子 の 数 : 約 23.5 万 個 重 力 沈 降 開 始 時 の 初 期 配 置 粒 子 数 : コークス 粒 子 : 約 万 個, 鉱 石 粒 子 : 約 万 個 荷 下 り 時 に 炉 頂 部 から 1 チャージ 毎 に 供 給 する 粒 子 数 : コークス 粒 子 : 約 7.7 万 個, 鉱 石 粒 子 : 約 20.8 万 個 最 大 計 算 粒 子 数 : 合 計 1200 万 個 計 算 粒 子 の 見 掛 け 密 度 コークス 粒 子 :1050 kg/m 3, 鉱 石 粒 子 :3260 kg/m 3 計 算 粒 子 のその 他 の 物 性 縦 弾 性 係 数 :E = N/m 2, ポアソン 比 :ν = 0.25, 摩 擦 係 数 μ = 0.45 図 1(a) 実 高 炉 と 同 一 寸 法 の 高 炉 における T=2.37s の 粒 子 位 置 図 [ 右 側 鉛 直 (R-Z)) 断 面 図 ] 図 1(b) 実 高 炉 と 同 一 寸 法 の 高 炉 における T=2.37s の 粒 子 位 置 図 [Z=1.35m ~ 1.65m の 水 平 (R-θ) 断 面 図 ] 図 1 にコークスと 鉄 鉱 石 が 交 互 に 層 状 に 堆 積 され 沈 降 と 同 時 に 羽 口 から 高 速 気 流 を 吹 き 込 んだ 時 の 2.37s 後 の 粒 子 位 置 図 すなわち 図 1(a)に R-Z 断 面 図 1(b)に R-θ 断 面 の 計 算 結 果 を 示 す 図 1(a)において 羽 口 から 吹 き 込 んだ 高 速 気 流 の 影 響 が 層 状 に 堆 積 して 沈 降 してきたコークス 粒 18

5 子 および 鉄 鉱 石 粒 子 の 運 動 に 十 分 及 んで 充 填 層 が 形 成 されているのは 高 速 気 流 の 影 響 で 層 状 粒 子 層 が 変 形 している 領 域 および 底 部 近 くの 黒 く 見 える 領 域 すなわち 高 炉 中 心 で Z=10m 高 炉 壁 近 くで Z=12m までの 領 域 で それより 上 部 ではまだ 自 由 沈 降 が 支 配 的 な 領 域 である 前 述 したように 鉄 鉱 石 は 1200 度 ラインから 溶 け 始 め 1400 度 ラインで 完 全 に 溶 けることを 計 算 にモデルとして 取 り 入 れて いるので 充 填 層 が 形 成 された 領 域 では 1400 度 ラインより 下 方 では 鉄 鉱 石 は 存 在 せず それより 上 部 では 溶 けた 鉄 鉱 石 による 付 着 力 等 の 影 響 で 形 成 される 融 着 帯 そこでは 融 液 等 の 影 響 によって 高 充 填 率 領 域 が 形 成 され 気 流 は 通 りにくい の 影 響 や 炉 壁 形 状 の 影 響 と 気 流 の 相 互 干 渉 によって 規 則 的 な 層 状 に 供 給 され 堆 積 したコークスや 鉄 鉱 石 の 層 はゆがめられ かつ 層 が 細 く 圧 縮 され 特 にレース ウェイの 上 方 の 炉 壁 近 くで 著 しく 層 が 細 く 圧 縮 されて 高 充 填 領 域 の 形 成 を 示 している また 同 図 よ り 高 炉 下 部 の 羽 口 前 方 ではレースウェイが 形 成 されているのがわかる 充 填 層 が 未 だ 形 成 されていな い 高 炉 上 部 の 炉 壁 近 くでは 気 流 の 吹 き 抜 けおよび 新 しく 供 給 した 粒 子 層 の 飛 散 が 起 っているが 沈 降 が 終 了 して 充 填 層 が 上 部 まで 形 成 されれば この 気 流 の 吹 き 抜 けは 減 少 するだろう 図 1(b)は 羽 口 の 中 心 域 Z=1.35m ~ 1.65m の R-θ 断 面 の 粒 子 位 置 図 の 計 算 結 果 を 示 している 10 本 の 羽 口 から 噴 出 した 気 流 によって 形 成 したレースウェイが 複 雑 に 相 互 干 渉 しているようすが 分 かる この 干 渉 し たレースウェイは 時 間 的 に 大 きく 変 化 し 何 本 かのレースウェイが 消 滅 したような 時 間 も 存 在 する 図 2(a) 実 高 炉 と 同 一 寸 法 の 高 炉 における T=2.37s の 充 填 率 コンタ [ 右 側 鉛 直 (R-Z)) 断 面 図 ] 図 2(b) 実 高 炉 と 同 一 寸 法 の 高 炉 における T=2.37s の 充 填 率 コンタ [Z=1.35m ~ 1.65m の 水 平 (R-θ) 断 面 図 ] 図 2 にコークスと 鉄 鉱 石 を 含 めた 粒 子 充 填 率 のカラーコンタの 計 算 結 果 を 示 す 図 の 中 央 に 右 下 が りの 1200 度 ラインと 1400 度 ラインが 存 在 し それに 挟 まれた 領 域 でまだ 溶 けていない 鉄 鉱 石 が 存 在 する 領 域 が 本 計 算 の 結 果 として 現 れる 融 着 帯 群 である 融 着 帯 では 鉄 鉱 石 の 体 積 の 50% が 溶 けて 融 液 となるので この 溶 けた 液 体 は 空 隙 に 流 れ 込 むと 考 えられ それによって 鉄 鉱 石 のまわりに 空 隙 が 形 19

6 成 され そこに 粒 子 群 (コークスと 鉄 鉱 石 )が 入 ってくるので 図 のカラーコンタから 明 らかなよう に 高 充 填 率 (すなわち 気 流 の 体 積 の 少 ない 低 空 隙 率 ) 領 域 が 形 成 される 高 充 填 率 の 領 域 には 気 流 は 流 れ 込 みにくいが 完 全 に 遮 断 されてはいない( 図 4 参 照 ) 融 着 帯 上 部 下 部 および 炉 下 部 の 中 心 部 (こ れらの 領 域 での 融 液 の 存 在 は 考 慮 していない)にも 高 充 填 率 領 域 が 形 成 されている これも 気 流 が 融 着 帯 をさけて 通 ることと 炉 下 部 へは 気 流 は 流 れにくいことが 原 因 している コークスの 燃 焼 残 渣 等 か らなる 微 粉 の 影 響 と 炉 下 部 に 形 成 された 高 充 填 率 領 域 がこの 領 域 にデッドマンを 形 成 していくと 考 え られる 図 3 にコークスの 速 度 ベクトル 図 と 上 下 方 向 速 度 のカラーコンタの 計 算 結 果 を 示 す 高 炉 壁 近 くの 融 着 帯 の 上 部 融 着 帯 が 存 在 する 部 分 融 着 帯 の 下 部 および 炉 底 部 でコークスの 速 度 は 非 常 に 小 さくなっている 炉 の 円 錐 部 やボッシュ 部 の 炉 壁 近 くでのコークスの 低 流 速 による 停 留 はそこでの 棚 吊 り 現 象 を 誘 発 する 恐 れがある また 同 図 からわかるように 融 着 帯 を 境 にして コークスの 流 れ は 大 きく 異 なっている このように 融 着 帯 の 存 在 が 高 炉 内 の 流 れを 不 均 質 度 の 高 い 流 れとして それ が 高 炉 の 高 効 率 操 業 を 阻 んでいるように 見 受 けられる 図 3(a) 実 高 炉 と 同 一 寸 法 の 高 炉 における T=2.37s の 粒 子 速 度 ベクトル 図 [ 右 側 鉛 直 (R-Z)) 断 面 図 ] 図 3(b) 実 高 炉 と 同 一 寸 法 の 高 炉 における T=2.37s の Z( 上 下 ) 方 向 粒 子 速 度 コンタ [ 右 側 鉛 直 (R-Z)) 断 面 図 ] 20

7 図 4(a) 実 高 炉 と 同 一 寸 法 の 高 炉 における T=2.37s の 気 流 速 度 ベクトル 図 [ 右 側 鉛 直 (R-Z)) 断 面 図 ] 図 4(b) 実 高 炉 と 同 一 寸 法 の 高 炉 における T=2.37s の Z( 上 下 ) 方 向 気 流 速 度 コンタ [ 右 側 鉛 直 (R-Z)) 断 面 図 ] 図 4 に 気 流 の 速 度 ベクトル 図 と 上 下 方 向 速 度 コンタの 計 算 結 果 を 示 す 融 着 帯 の 存 在 によって 気 流 も 大 きな 不 均 質 流 れを 形 成 する 気 流 の 流 れは 炉 壁 近 くの 局 所 的 な 部 分 と 炉 心 近 くに 速 い 流 れの 領 域 を 形 成 する 炉 壁 の 近 傍 での 上 向 きの 速 い 流 れは 現 実 には 炉 壁 における 熱 風 の 吹 き 抜 けを 起 こす 可 能 性 があり 危 険 な 流 れである 融 着 帯 ではその 高 充 填 率 のため 気 流 は 通 りにくく 低 流 速 となるので 大 部 分 の 空 気 は 壁 近 くや 炉 中 心 部 を 流 れることになる 以 上 のことから 融 着 帯 形 成 の 制 御 が 高 炉 内 の 流 れの 均 質 化 に 重 要 な 課 題 であることが 考 えられる 4. 得 られた 結 論 と 社 会 経 済 の 発 展 への 貢 献 およびその 見 通 し 本 計 算 では 鉄 鉱 石 は 1200 度 ラインで 溶 け 始 め 1400 度 ラインで 完 全 に 溶 けるというモデルを 用 い ているが 溶 けた 鉄 鉱 石 の 融 液 やそれによって 生 ずる 付 着 力 等 によってモデル 融 着 帯 が 形 成 され 主 にその 影 響 で 高 炉 内 に 大 きな 不 均 質 粒 状 体 流 れおよび 不 均 質 な 気 体 の 流 れが 発 生 することを 提 示 し た 気 体 は 融 着 帯 を 避 けて 羽 口 より 上 部 の 中 心 領 域 で 速 度 は 速 く 高 空 隙 率 の 領 域 が 形 成 され それ が 種 々の 不 均 質 流 れの 原 因 となっている 粒 子 は 壁 近 傍 で 速 度 は 小 さく そこに 高 充 填 率 の 領 域 が 形 成 され それにより 棚 吊 現 象 がおこる 可 能 性 がある また 羽 口 間 の 流 れの 不 均 質 な 相 互 影 響 も 不 安 定 現 象 の 原 因 となっている 得 られた 結 果 は 現 在 最 も 現 実 の 高 炉 に 近 いデータと 考 えられるが これら を 基 にし 得 られた 不 安 定 現 象 の 原 因 を 出 来 るだけ 低 減 することによってより 高 効 率 の 高 炉 操 業 法 を 提 案 することができる それによって CO 2 発 生 量 の 減 少 に 寄 与 することができ 広 く 我 が 国 の 社 会 経 済 の 発 展 に 貢 献 することが 可 能 であると 考 えられる 2007 年 度 の 我 が 国 における CO 2 ガス 排 出 量 上 位 5 社 の 内 4 社 が 製 鉄 会 社 である このような 多 量 の CO 2 を 発 生 している 企 業 が 積 極 的 に CO 2 発 生 量 の 削 減 に 取 り 組 むことにより CO 2 発 生 量 の 削 減 を 社 会 全 体 に 波 及 させる 効 果 も 考 えられる 21

8 このようにして 得 られた 研 究 成 果 は 新 日 鐵 だけでなく 世 界 の 全 ての 高 炉 に 適 用 できる 技 術 であり 日 本 だけでも 2 ~ 3%の CO 2 発 生 量 の 削 減 が 期 待 できる また 上 記 シミュレーション 法 は 広 く 混 相 流 に 適 用 でき 他 分 野 他 技 術 への 展 開 の 可 能 性 が 高 い 今 後 はコークスの 燃 焼 等 によって 発 生 する 粉 の 運 動 等 を Smoothed Particle Method(SPH)によっ て 表 現 し 粉 が 粒 子 や 気 流 の 運 動 にあたえる 影 響 をシミュレーションする これらの 結 果 を 踏 まえて 将 来 は 実 高 炉 内 の 反 応 と 伝 熱 をモデル 化 し 反 応 と 伝 熱 を 考 慮 した 全 ての 固 気 液 粉 を SPH 法 によっ て 連 成 し 計 算 することを 考 えている 謝 辞 本 研 究 に 関 して 独 立 行 政 法 人 海 洋 研 究 開 発 機 構 計 算 システム 計 画 運 用 部 の 平 野 哲 部 長 北 脇 重 宗 調 査 役 新 宮 哲 産 業 利 用 推 進 グループリーダーから 貴 重 なご 指 導 ご 助 言 をいただいた ここに 記 して 感 謝 の 意 を 表 します 参 考 文 献 1) P. A. Cundall and O. D. L. Strack, A discrete numerical model for granular assemblies, Geotechnique, Vol. 29, pp , ) S. Yuu, T. Umekage and Y. Johno, Numerical simulation of air and particle motions in bubbling fluidized bed,powder Technol., Vol. 110, pp , ) H. Takagi, Viscous flow induced by rotation of a sphere,j. Phys. Soc. Jpn., Vol. 42, , ) L. Schiller and A. Naumann, Ber die Grundlegenden Berechnungen bei der Schwerkraftaufereitung,Z. Ver. Dtsch. Ing., Vol. 77, , ) S. Yuu, T, Umekage and T. Miyahara, Prediction of stable and unstable flows in blast furnace raceway using numerical simulation methods for gas and particles,isij International, Vol. 45, , 記 号 表 C L : 揚 力 係 数 [-] D : 羽 口 部 分 の 高 炉 半 径 [m] D ij D p : 粒 子 i, j の 接 触 点 での 減 衰 力 ベクトル [N] : 粒 子 径 [mm] F Di : 粒 子 i に 作 用 する 気 流 からの 抗 力 ベクトル [N] F gi F ij : 粒 子 i に 作 用 する 重 力 ベクトル [N] : 粒 子 i, j の 接 触 点 での 接 触 力 ベクトル [N] F Li : 粒 子 i に 作 用 する 気 流 からの 揚 力 ベクトル [N] I p : 粒 子 の 慣 性 モーメント [kg m 2 ] M Dij : 粒 子 i, j の 接 触 点 での 減 衰 力 モーメントベクトル [N m] M Fi : 粒 子 i に 作 用 する 気 流 からの 摩 擦 トルクベクトル [N m] M ij : 粒 子 i, j の 接 触 点 での 接 触 力 モーメントベクトル [N m] 22

9 m p : 粒 子 質 量 [kg] N : 単 位 体 積 あたりの 粒 子 数 [m -3 ] p : 無 次 元 静 圧 [-] Re :レイノルズ 数 [-] Re p : 粒 子 レイノルズ 数 [-] St : 気 流 からの 抗 力 による 無 次 元 相 互 干 渉 項 ベクトル [-] St L : 気 流 からの 揚 力 による 無 次 元 相 互 干 渉 項 ベクトル [-] T : 時 間 [s] t : 無 次 元 時 間 [-] U p : 粒 子 速 度 [m s -1 ] U 0 : 羽 口 気 流 噴 出 流 速 [m s -1 ] U r, U θ, U z : 気 流 速 度 [m s -1 ] U pr, U p θ, U pz : 粒 子 速 度 [m s -1 ] u : 無 次 元 気 流 速 度 ベクトル [-] u p : 無 次 元 粒 子 速 度 ベクトル [-] u r, u θ, u z : 無 次 元 流 速 [-] ε : 空 隙 率 [-] μ : 気 流 の 粘 性 係 数 [Pa s] ξ(ε): 粒 子 集 団 系 における 抗 力 補 正 関 数 [-] ρ : 気 流 密 度 [kg m -3 ] Ω p : 粒 子 の 角 速 度 [rad s -1 ] Ω* : 粒 子 の 表 面 回 転 速 度 / 並 進 速 度 の 比 [-] ω p : 粒 子 の 無 次 元 回 転 角 速 度 ベクトル [-] ( 添 字 ) i, j : 粒 子 番 号 p : 粒 子 r, θ,z: 円 柱 座 標 系 の 各 方 向 成 分 23

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(4) ラスパイレス 指 数 の 状 況 ( 各 年 4 月 1 日 現 在 ) ( 例 ) 15 15 1 1 95 95 9 9 ( 例 ) 15 (H2) (H2) (H24) (H24) (H25.4.1) (H25.4.1) (H24) 94.4 95. 1. (H24) 12.1 1.2 平 成 25 年 度 の 給 与 定 員 管 理 等 について 1 総 括 (1) 件 費 の 状 況 ( 普 通 会 決 算 ) 区 分 住 民 基 本 台 帳 口 歳 出 額 実 質 収 支 件 費 件 費 率 ( 参 考 ) ( 平 成 24 年 度 末 ) A B B/A 平 成 2 年 度 の 件 費 率 平 成 24 年 度 千 千 千 5,594,744,222 164,19 62,94

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