Microsoft Word - 相伝61号 doc

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1 むずかしい相続税を簡単に わかってもらうためのレポートです このレポートを読んでいただきたい方 souden vol.61 過去に相続を経験し 次回の相続もつつがなく終りたいと思われている方先祖代々の財産を守りたいと思われる方相続争いをしたくない方貸家経営をされている方自営業をされている方で 自分の会社の株式について対策を行いたい方不動産管理会社を持たれている方相続を経験したことがない方 正しい理解で正しい申告を 目次 1 贈与税の調査が増える??!!! 黙っていればわからない は通じない?! 2 相続税が非課税になる?! 3 財産評価のチェックポイント! 4 賃貸借契約書をご確認ください このレポートは 税法上の条文などを簡易に解釈し書いています 従って 読者の行動までも責任をもつものではありません 何か対策等のアクションをおこす際は 必ず 専門家 ( 税理士 公認会計士等 ) にご相談の上で 実行していただきますようお願いいたします 発行 税理士法人上坂会計 / 株式会社ライフデザイン研究所福井県福井市江守中 2 丁目 1312 番地 TEL: FAX: URL: MAIL:soden@uesaka.ne.jp 0

2 贈与税の調査が増える??!!! 黙っていればわからない は通じない?! Writer 公認会計士上坂朋宏 ここ数年 国税庁は 若年世代への資産移転による経済活性化 を目的として 教育資金贈与の特例 相続時精算課税の拡大 直系尊属からの住宅資金贈与の非課税枠の拡大 など 贈与の幅が大きく広がっています もう これ以上はないだろうと思えるぐらいに 贈与に関する税法は多くできたな ~ と感じています ただし こうなってくると 動き出すのが税務署です 本来 贈与税調査は 相続税と同時調査となるケースが多く 単独で行われることは めずらしいのです しかし 国税庁のまとめによると 平成 24 事務年度における贈与調査件数は 4,599 件にもなっています 平成 24 年度は落ちましたが 以下が推移です 平成 21 年度 3,471 件 平成 22 年度 4,881 件 平成 23 年度 5,671 件と どんどん増加しているのです 税務調査の対象が 相続がおきてからではなく 生前に 贈与が起きた場合にも及んできているということです また 不動産などを動かした場合は 特に注意が必要です 不動産は 持ち主が変わると登記が移動するため 税務署にとっては 一番わかりやすいパターンです 登記所の情報は イコール税務署の情報と言っていいほどなのです また 最近は海外からの送金 そして 海外への送金についての情報は かなり強化しています 金融機関は 100 万円以上の場合は すべて国税庁に報告する義務があります こういうのもあります 金地金 プラチナ地金などを店頭で売却する場合 譲渡 売却対価の額が 200 万円を超える場合 その 売買を取り扱う業者 は 所管の税務署へ 支払調書 を提出しなければなりません ちなみに その税務署の管轄のだれが亡くなったかは 市町村から税務署に通知が行くことになっています これをもとに 申告が必要そうな人については 相続税の申告書の白紙のものが その住まいに送られます 1

3 これで相続税の申告書を作成してください という無言のプレッシャーです では この申告が必要な人とはどんな人かというと (1) 毎年の所得が多額の方 (2) 親からの相続 贈与が多い方 (3) 海外送金がある方 なのです 上記からわかるように 黙っていればわからない から 早く卒業して まず 正しい理解をして 正しい納税手続きを 是非学び そして 実行に移すようにしてください 下手の考え休むに似たり! 私の 30 年間の経験則です 相続税が非課税になる?! Writer 宮司幸仁 相続財産を引き継いだ時に 相続人が納税する相続税 この相続税が非課税になるケースがあります ではどういう時か 租税特別措置法という法律の 70 条 1 という条文に以下のように記してあります 相続又は遺贈により財産を取得した者が 相続申告の提出期限までにその相続又は遺贈により取得した財産を国若しくは地方公共団体又は公益法人若しくは公益財団法人その他公益を目的とする事業を行う法人のうち 教育 科学の振興 文化の向上 社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与すると認められる公益法人に対し 贈与した場合には 贈与した財産は相続税の課税価格に算入しない つまり 相続人が相続財産を相続申告の提出期限までに 以下のところに寄付した場合には 寄付した財産には 相続税をかけないという事が書かれてあります 1 国 県や市町村など地方公共団体 2 公益社団法人 公益財団法人 3 公益を目的とする事業を行う法人のうち 教育 科学 文化の向上など公益の増進に著しく寄与すると認められる法人 2

4 2の公益社団法人 公益財団法人は 学術 文化 芸術の振興 障害者 犯罪被害者支 援など公益的な事業を目的としと設立された法人で 必ず名称の頭に 公益社団法人 公益財団法人 が付きます 福井県内では 以下のような公益社団法人 公益財団法人があります 公益社団法人 福井県緑化推進委員会 公益社団法人 福井被害者支援センター 公益社団法人 福井県防犯協会 公益財団法人 ふくい産業支援センター 公益財団法人 福井県国際交流協会 3 の法人具体例としては以下のような法人があります 独立行政法人国立大学法人及び公立大学法人自動車安全運転センター 日本司法支援センター 日本赤十字社社会福祉法人 厚生保護法人 相続申告の提出期限とは 相続を知った日から 10 ヶ月以内となります 寄付するのであれば その期限内にしなくてはなりません 実例としては 相続財産を宗教法人に寄付したいが相続税がかかるのか というご質問がありました しかしお寺など宗教法人は この非課税となる法人には該当しませんので 宗教法人に寄付しても相続税がかかることになります このケースですと 亡くなった方 ( 被相続人 ) が 生前に宗教法人に贈与していれば 相続人に相続税は発生しません 自分の財産を 公共公益団体等に寄付したいとお考えであるならば 我々のような専門家によくご相談のうえ 相続人の負担にならないよう生前のうちに実行しておく事が良いでしょう 財産評価のチェックポイント! Writer 竹原琴美 相続税申告において 財産評価が一番重要です 一般的には 財産評価は 預金は残高証明があるし 土地といっても固定資産評価額があるのだから あっという間に終わるでしょ! と思われているかもしれません しかし 実際は税務調査と同じような視点で評価およびチェックをしていくので あっという間に終わるというわけではありません 会計事務所が 税務署と同じような細かな調べ方をするなんて 会計事務所はもっと納税者の立場にたってほしい! といったようなことを思われる方もいらっしゃるかもしれません 私達は 納税者の方に無駄な税金は払ってほしくないという気持ちをもって申告書を作り上げていきます もし調査で指摘されれば 延滞税に加算税と 3

5 本来納付しなくてもよい税金が発生し 結果 納税者の方に余計なご負担が発生してしまうのです ですので 少々お客様にお調べいただいたりする時間も頂きますが 相続税の原則通りのチェックをさせて頂き 正しい申告をして頂いています 預金編 申告書作成は B/S( 貸借対照表 ) の世界 しかし相続調査は P/L( 損益計算書 ) の世界 と言われています 申告書には 相続日での財産 ( もしくは債務 ) の有高を記載していき その金額に基づいて相続税を計算するので 財産の内訳表といいますか 相続日現在での貸借対照表を作っていく作業です 一方 相続調査は 亡くなられた方の収支が過去どうだったか? というような 亡くなった方の P/L( 損益計算書 ) を重視しています 過去の所得を遡り 現在の財産の有高が正しいものかを調査していくのです まず私達も 亡くなられた方の生前の職業を聞きます それは どれぐらいの収入を得ることができていたかを推測するためです 公的年金の支払額からも 現役時代の収入を推測することはできます もちろん 現役を引退されて長い月日が経っている場合は 現役時代の収支はあまりあてにはなりませんが この収入だったら いくらぐらい現預金があるはずだろうという仮説から入ります 仮説の金額よりも少ない場合は 借入があるのだろうか? 不動産を購入したのだろうか? 別の金融機関にも ご家族は把握されていないかもしれないが 残高があるのではないか? というように考えていきます もちろん税務署も 過去提出された確定申告データなどを参考に 概算の現預金の財産額は把握していると聞いています ですので 不動産収入があるのに 現預金がほとんどないという場合は 現実的にはあまりあり得ない話ということになります その多くは 家族名義の預金になっている場合が多く 税務調査の一番多い指摘事項です 名義貸しか贈与か その判定は 多くの調査現場で繰り返されています 贈与税の時効は 5 年 ( しかし実質的には 7 年 ) しかしただ単にお金が移動していただけでは 税務署は 贈与ではなく名義貸しであると主張されるでしょう 名義貸しには時効はありません それゆえに 贈与には時効がないとよく言われます 一方 お金を動かした時に 税務署から これは贈与だ と指摘されれば 納税者側は 契約をしていないのだからこれは名義貸しだと主張されるのではないでしょうか? 名義貸しではないと主張するには 贈与税申告 納税をする 贈与契約書を正しい形式で作成しておく 保険の契約者と保険料負担者を同一にする といったような 贈与の形式を整えておくことが大事ですね 4

6 賃貸借契約書をご確認ください Writer 石田典子 いよいよ 平成 26 年 4 月 1 日から消費税率が 8% となります 例 1 当月分 (1 から末日まで ) の賃貸料の支払期日を前月 日としている賃貸借契約で 平成 26 年 4 月分の賃貸料を平成 26 年 3 月に受領する場合 平成 26 年 4 月分の賃貸料であり 施行日以後である平成 26 年 4 月分の資産の貸付けの対価として受領するものですので 4 月末日における税率 8% が適用されます 例 2 当月分の賃貸料の支払期日を翌月 日としている賃貸借契約で 平成 26 年 3 月分の賃貸料を平成 26 年 3 月に受領する場合 平成 26 年 3 月分の賃貸料であり 施行日前である平成 26 年 3 月分の資産の貸付けの対価として受領するものですので 支払期日を 4 月としている場合であっても 3 月末日における税率 5% が適用されます 上記のとおり 基本的には 平成 26 年 4 月分の賃貸料から 8% が適用されますが 消費税の対象となる賃料は 事務所家賃 工場 倉庫家賃 駐車場などです 居住用のアパート マンションの賃料 土地の賃料は もともと消費税は非課税ですので対象になりません 先月の相伝 60 号でもご紹介したように 不動産賃貸業など資産の貸付けにおける新消費税率適用には 経過措置もあり 要件に当てはまる場合は引き続き 5% のままとなる場合もあります 複数の賃貸借契約がある方の場合 契約内容によって新税率が適用されるものと 5% のままとなるものが混在する方もいらっしゃるかもしれませんね 今一度 賃貸借契約書の見直しをしておいてください 経過措置の対象となるのは 契約書に貸付けに係る賃料の額を増減することができる旨の定めがないことが要件です ただし 消費税率の改正があったときは改正後の税率による賃料にするという旨の定め は 上記の定めには該当しません 以下 賃貸借契約書で見るべきポイントをまとめてみましたので 居住用や土地の賃料などの消費税非課税以外の賃貸借契約のある方は ぜひ一度 契約書をご確認ください 5

7 1 契約締結日が平成 8 年 10 月 1 日 ~ 平成 25 年 9 月 30 日までの間であるか? Yes 2を確認 No 平成 26 年 4 月分の賃貸料より 8% 2 平成 26 年 4 月 1 日より前から それ以後引き続き貸付けを行っているか? Yes 3を確認 No 平成 26 年 4 月分の賃貸料より 8% 3 自動継続条項があるか? Yes 4を確認 No 平成 26 年 4 月 1 日以後の更新以降 8% 4 解約する場合は貸付期間満了日の〇日前までに申し出ることとされている場合 平成 25 年 9 月 30 日 ( 指定日前日 ) までに解約申出期限が経過して自動継続された Yes 経過措置該当で 5%( 次の自動継続 ( 更新 ) まで ) No 平成 26 年 4 月分の賃貸料より 8% ( 平成 25 年 10 月 1 日以後に解約申出期限が経過し自動継続の場合 ) 不動産管理会社へ管理を任せている方も 管理会社からきちんと説明を受け理解しておくようにしましょう 相続てんてんの編集後記 s( v )z 相続無料相談が好評をいただいており 今年も毎月 土日の指定日に開催しております ご自分で調べてみたけど 自分の理解が正しいのか気になって 人から聞いた情報が本当なのか確認したい など ちょっと聞いてみたいな という程度のご相談でも構いません ご相談を受ける私たちにとっても お客様の相続に関するリアルなお悩みをお聞きすることがとても勉強になります どうぞお気軽にご相談にお越し下さい 6