2. 研究の概要と意義今回 我々は 前述の作用メカニズムについて 2 報の論文で明らかにしました 胆汁酸吸着レジンが肝臓での胆汁酸の合成を高めることに着目し ( 図 4) 検討を行いました その結果 新たに肝臓で生成された胆汁酸が脂肪肝を改善し 末梢では胆汁酸をリガンド ( 注 6) とする GPC

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1 プレスリリース本リリースのカラー版をご希望の方は 慶應義塾広報室までご連絡ください Tel: 年 8 月 30 日 報道関係者各位慶應義塾大学メタボリックシンドロームを改善する新たなメカニズム解明 糖尿病の新規治療法に期待 慶應義塾大学大学院政策 メディア研究科教授渡辺光博 ( 兼環境情報学部教授 医学部教授 ( 兼担 )) らは スイスのローザンヌ工科大学の研究グループ (Johan Auwerx 教授 ) と共同で 胆汁酸 ( 注 1) 調節によりメタボリックシンドロームが改善するメカニズムを解明しました 胆汁酸吸着レジン ( 注 2) は エネルギー代謝を高め 高中性脂肪血症 脂肪肝 ( 注 3) 肥満 糖尿病を改善する効果 腸管からのインクレチン ( 注 4) 分泌を増加させ 糖尿病を改善する効果があり 心筋梗塞や脳卒中などの血管疾患を予防できることが示唆されました また 胆汁酸吸着レジンと同様に胆汁酸吸着作用がある日本古来の食事であるモズクやコンニャクなど食物繊維を多く含む日本食にもメタボリックシンドローム発症の予防効果があると考えられます 本研究結果は PLos ONE と Nature Scientific Reports にそれぞれ掲載されます PLos ONE は 2012 年 8 月 29 日 ( 水 ) 午後 5 時 ( 米国東部時間 ) オンライン版に公開されます Nature Scientific Reports はすでに公開されました 1. 研究の背景胆汁酸は食事により摂取した脂質が高濃度に存在する腸管において 腸管壁に脂質が吸着するのを防ぎ かつ 消化 吸収を助け 生体内に効率よく脂質を取り込む際に重要な役割を担っていることが知られています しかし 消化薬としてだけではなく 日本では動物性の生薬である熊胆 ( 熊の胆嚢 ゆうたん くまのい ともいう ) は 1500 年以上前から万能薬として用いられ ( 図 1) 世界中で様々な動物の胆嚢は薬として古来より用いられています 我々は最近 10 年の間に 胆汁酸が単に消化吸収のために存在するのではなく 食事と関わる全身のシグナル伝達分子 ( 注 5) として ホルモンの様な働きがあり 脂肪肝の抑制効果があることや肥満 糖尿病治療の可能性につながる様々な働きをしていることを明らかにしてきました ( 図 2) これまでの研究では 胆汁酸をターゲットにした高中性脂肪血症 脂肪肝に対する新規治療薬開発 また 全く新しい作用メカニズムを持ち 副作用の少ない エネルギー代謝を高めることによる肥満 糖尿病治療薬の研究開発に貢献してきました このような新しい胆汁酸の機能を直ぐに臨床に還元する方法が 現在 高コレステロール血症治療薬として使用されている胆汁酸吸着レジンを用いることであると渡辺らは世界に先駆け提唱し 我々も含め複数のグループから 再現性が良く効果があることが報告されており 2008 年 1 月に米国 FDA より糖尿病治療の適応が追加されました ( 図 3) しかしながら その作用メカニズムはこれまで明らかにされておらず より効率のよい新規治療薬開発には限界がありました

2 2. 研究の概要と意義今回 我々は 前述の作用メカニズムについて 2 報の論文で明らかにしました 胆汁酸吸着レジンが肝臓での胆汁酸の合成を高めることに着目し ( 図 4) 検討を行いました その結果 新たに肝臓で生成された胆汁酸が脂肪肝を改善し 末梢では胆汁酸をリガンド ( 注 6) とする GPCR ( 注 7) である TGR5( 注 8) を活性化し エネルギー代謝を高め 胆汁酸を投与した時と同様にエネルギー代謝が高まり 肥満が改善され 糖尿病の改善が認められることを明らかにしました ( 図 5) 更に 胆汁酸吸着レジンにより 現在 その安全性と効果から治療薬のターゲットとして注目を浴びている GLP-1( 腸管より分泌されるインクレチンの 1 つ ) の分泌が TGR5 を介し促進されることを明らかにしました 現在 世界中で糖尿病の治療薬として GLP-1 の分解を抑制する DPP4 阻害薬 ( 注 9) が多く使用されていますが 糖尿病患者では GLP-1 自体の分泌が低下していることが明らかにされ 問題となっています ( 図 6) 今回の発見は これらの問題点の原因究明や解決に結びつくと考えています 高血糖と高コレステロール血症の両疾患に罹患すると脳梗塞 心筋梗塞など血管疾患のリスクが約 5 倍に増加します ( 図 7) 日本のみならず これらの合併患者数は世界中で増加しており 大きな問題となっています ( 図 8)( 糖尿病患者数 : 約 890 万人 糖尿病の可能性を否定できない人 : 約 1320 万人 高コレステロール血症 : 約 2,500 万人 高コレステロール血症における糖尿病 境界型への早期治療介入が今後の重要な課題となっています ) 本研究の検討に使用した胆汁酸吸着レジンは 元来 高コレステロール血症の治療薬であり さらに本研究によって血糖改善のメカニズムが明らかにされ 血管疾患発症のリスクを大幅に低減させる効果的な薬剤と考えられます さらに胆汁酸吸着レジンは 体内に吸収されないため重篤な副作用がない薬剤であり 将来 糖尿病治療薬としての開発が期待されます 更に 薬剤を飲むほどでない健常な人でも 日常の食生活において胆汁酸吸着レジンと同様に胆汁酸吸着作用がある日本古来の食事であるモズクやコンニャクなど食物繊維を含む食材を積極的に食することによりメタボリックシンドローム発症の予防 日本人の死因の 30% である血管疾患発症の抑制 健康寿命の延長による質の高い老後 少子高齢化に伴う医療費削減にも貢献できると考えています ( 図 9) 3. 今後の展開胆汁酸吸着レジンを用いたメタボリックシンドローム治療への応用研究を推進するとともに 胆汁酸代謝を調節することによる代謝調節機構の更なる解明 TGR5 を介した GLP-1 分泌亢進によるメタボリックシンドローム治療への発展が期待されます また 日本古来の食事であるモズクやコンニャクなど食物繊維摂取によるメタボリックシンドローム発症予防のエビデンスを明確にし 国民の健康増進を啓蒙していきたいと考えています 4. 論文について 1 報目論文 (PLos ONE) Bile acid binding resin improves metabolic control through the induction of energy expenditure ( 胆汁酸吸着レジンはエネルギー代謝亢進を介して生体内代謝を改善する ) Mitsuhiro Watanabe 1,6 #, Kohkichi Morimoto 1, Sander M. Houten 2, Nao Kaneko-Iwasaki 1, Taichi Sugizaki 1, Yasushi Horai 1, Chikage Mataki 3, Hiroyuki Sato 4, Karin Murahashi 1, Eri Arita 1, Kristina Schoonjans 3, Tatsuya Suzuki 5, Hiroshi Itoh 1 and Johan Auwerx 3,# 1 Department of Internal Medicine, School of Medicine, Keio University, Tokyo , Japan; 2 Laboratory Genetic Metabolic Diseases, Academic Medical Center, 1105 AZ, Amsterdam, The Netherlands; 3 Ecole Polytechnique Fédérale de Lausanne, CH-1015 Lausanne, Switzerland; 4 Department 2/6

3 of Bioscience, Ehime University Graduate School of Medicine, Ehime , Japan; 5 Nippon Medical School, Tokyo , Japan, 6 Graduate School of Media and Governance, Keio University, Fujisawa-shi, Kanagawa , Japan 2 報目論文 (Nature Scientific Reports) TGR5 potentiates GLP-1 secretion in response to anionic exchange resins ( 胆汁酸吸着レジンを介して TGR5 は GLP-1 分泌を亢進させる ) Taoufiq Harach, 1 Thijs W. H. Pols, 1 Mitsunori Nomura, 1 Adriano Maida, 1 Mitsuhiro Watanabe, 2 Johan Auwerx, 1 and Kristina Schoonjans a,1 1 Laboratory of Integrative and Systems Physiology (LISP), School of Life Sciences, Ecole Polytechnique Fédérale de Lausanne, CH-1015 Lausanne, Switzerland 2 Division of Molecular Metabolism and System Medicine, School of Medicine, Keio University, Tokyo, Japan 用語解説 ( 注 1) 胆汁酸胆汁に広範に認められるステロイド誘導体で 肝臓においてコレステロールから合成される 胆汁酸の主な役割は 消化管内でミセルの形成を促進し 食物脂肪をより吸収しやすくすると考えられてきた ( 注 2) 胆汁酸吸着レジン腸管内で陰イオンである胆汁酸と結合しそのまま糞便中に排泄される その結果 胆汁酸プールが減少し 胆汁酸合成が促進されるため 肝臓のコレステロール需要が高まり LDL 受容体が誘導され 血中コレステロールが低下する そのため高コレステロール血症治療薬として用いられている ( 注 3) 脂肪肝肝臓細胞に脂肪が異常に蓄積した状態 ( 注 4) インクレチンインスリン分泌を促進に関与する消化管より分泌されるホルモンの総称 インクレチンは食後の血糖値上昇に伴い腸上皮細胞から分泌され 中でも K 細胞から分泌される GIP と L 細胞から分泌される GLP-1 が注目されている これらは膵臓 β 細胞表面の受容体に結合してインスリン分泌促進及びグルカゴンの分泌抑制により血糖値降下作用を示す ( 注 5) シグナル伝達分子あらゆる生命は周囲の環境に適応しなければならず それは体内環境においても 個々の細胞においてすらも同様である そしてその際には 何らかの形で情報を伝達しなければならず この情報伝達機構をシグナル伝達機構と称し それに関わる分子の総称 ( 注 6) リガンド特定の受容体に特異的に結合する物質の総称 ( 注 7)GPCR G タンパク質結合受容体 あるいは細胞膜を 7 回貫通する特徴的な構造から 7 回膜貫通型受容体と呼ばれる 細胞外の神経伝達物質やホルモンを受容してそのシグナルを細胞内に伝える役割 3/6

4 をし 多くの疾患に関与しているため 市販薬の数割が GPCR を標的としている ( 注 8)TGR5 胆汁酸をリガンドとする GPCR ( 注 9)DPP4 阻害薬 DPP4 は 腸管ホルモンであるインクレチンの不活化を行う酵素 ( セリンプロテアーゼ ) であり 細胞膜上をはじめ可溶性タンパク質として血液中にも存在している GLP-1 の分解を抑制する DPP4 阻害薬は インスリン分泌を亢進させるため糖尿病治療薬として使用されている ご取材の際には 事前に下記までご一報くださいますようお願い申し上げます 本リリースは文部科学記者会 文部科学省科学記者会 厚生労働記者会 厚生日比谷クラブ 各社科学部等に送信させていただいております 本発表資料のお問い合わせ先 慶應義塾大学大学院政策 メディア研究科教授兼環境情報学部教授 医学部教授 ( 兼担 ) 慶應義塾大学 SFC 研究所ヘルスサイエンスラボ 渡辺光博 TEL:0466(49)3516 wmitsu@sfc.keio.ac.jp 本リリースの発信元 慶應義塾広報室 ( 河越 ) TEL: FAX: m-koho@adst.keio.ac.jp keio.ac.jp/ 4/6

5 これまでの我々の胆汁酸研究に関する報告実績 Watanabe et al. JCI.2004 脂肪肝治療薬高中性脂肪血症治療薬 Watanabe et al. Nature.2006 Watanabe et al. JBC.2011 Sato et al. J Med Chem.2007 Pelliccciari et al. J Med Chem.2007 Thomas et al. Cell Metab.2009 図 3 図 1 メタボ治療薬肥満 糖尿病治療薬 Energy 図 2 図 5 図 4 図 6 5/6

6 図 7 図 9 図 8 6/6

スライド 1

スライド 1 1. 血液の中に存在する脂質 脂質異常症で重要となる物質トリグリセリド ( 中性脂肪 :TG) 動脈硬化に深く関与する 脂質の種類 トリグリセリド :TG ( 中性脂肪 ) リン脂質 遊離脂肪酸 特徴 細胞の構成成分 ホルモンやビタミン 胆汁酸の原料 動脈硬化の原因となる 体や心臓を動かすエネルギーとして利用 皮下脂肪として貯蔵 動脈硬化の原因となる 細胞膜の構成成分 トリグリセリド ( 中性脂肪

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研究の背景社会生活を送る上では 衝動的な行動や不必要な行動を抑制できることがとても重要です ところが注意欠陥多動性障害やパーキンソン病などの精神 神経疾患をもつ患者さんの多くでは この行動抑制の能力が低下しています これまでの先行研究により 行動抑制では 脳の中の前頭前野や大脳基底核と呼ばれる領域が 報道関係者各位 平成 30 年 11 月 8 日 国立大学法人筑波大学 国立大学法人京都大学 不適切な行動を抑制する脳のメカニズムを発見 ~ ドーパミン神経系による行動抑制 ~ 研究成果のポイント 1. 注意欠陥多動性障害やパーキンソン病などで障害が見られる不適切な行動を抑制する脳のメカニズムを発見しました 2. ドーパミン神経系に異常が見られる精神 神経疾患では行動の抑制が困難になりますが 本研究はドーパミン神経系が行動抑制に寄与するメカニズムを世界に先駆けて明らかにしました

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