第1章

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1 軌道力学の基礎 松永三郎 ( 東京工業大学 機械系 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 第 章序論 ( 宇宙機力学 航行力学. Asoyms の定義自然の力および人為的な力が作用することによって 人間の作った物体の空間運動に関する学問で 人類最初の人工衛星実現から過去 6 年間ほどの歴史を持つ 但し その理論的背景となる天体力学は古い 参考 :Clsl mhs( 天体力学 天体の動的な運動に関する Obl yms( 軌道力学 軌道上を周回する物体の運動 宇宙機 (SC,s/ Au yms( 姿勢力学 航法 (Ngo 誘導 (Gu 物体の姿勢運動 宇宙機具体例 : 国際宇宙ステーション (h Iol S So 通信衛星 ( 静止 低軌道 科学観測衛星 ( 太陽周期軌道 極軌道 スペースシャトル こうのとり (HTV 月 惑星探査機 制御 (Cool 推定 (smo 考慮 : どういう外力が作用するのか地球 惑星 太陽の重力 宇宙環境 ( 空気抵抗 電磁場 太陽輻射圧 相対論など どういう運動をするのか軌道の推定 ケプラー軌道 ( 体問題の解析解 ( 理想 摂動解 姿勢運動 打上手法 軌道変更法 姿勢変更法は? ロケット スラスタ 運動量変換など 噴射推進機関 j g, m j hus( コールドガス ヒドラジン 電気 ( イオン マイクロ波など o( 液体 固体 ハイブリッド 原子力など. ロケットの歴史 オガタイ ( チンギス汗の息子 開封府を攻める時に火箭を用いた 49 ダミエテの戦でロケット式焼夷弾の使用 84 W.Cog( 英 ロケット弾 g 信頼できる図面の最初 895 P..Pul 液体ロケット ( ガソリン 過酸化窒素 ペルー

2 9~9 Ko..Tsolowsy( ロ 理論研究 u M o u l :Tsolowsy s o q. M 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 M o :l Mss, M :l mss, u :ml loy, u :hus loy u / g : 比推力 ( 単位 : 時間 秒 I s 固体 ~ s 液体 ~4 s 9 H.Obh( 独 ガソリン 液体 O, ノズル付 燃焼室圧力増 噴出速度増, 温度減 熱エネルギーが有効に運動エネルギーに変換 96 Go( 米 ガス押し タンク圧力増 距離 84, 高さ 4,.5 秒間 飛ぶ 99 Jus JATO(j sss o 9 Säg 光速飛行 光子ロケット 94~ W Vo Bu A-4ロケット ICBMの小型版 o,4m, 距離 9m, 高さ8m エチルアルコール75% 水 5% 液体 O 推力 5o(s ll 94 Wl 社 947 Bll X- 過酸化水素 メチルアルコール 水化ヒドラジン ロケット飛行機 M6B 有人超音速飛行 Lo- アルコール 957 ジュピター ICBM T- 965m/h スプートニク, 号 ( ロシア 旧ソ連 958 ジュピター, バンガードによる人工衛星打上 96 アポロ計画開始 969 月面着陸 97 東大宇宙研で人工衛星 おおすみ 998 ISS( 国際宇宙ステーション フェーズ Ⅱ 小惑星探査機はやぶさ 超小型衛星 CubS( 東工大 CT-I 東大 XI-IV 9 HTV 実証機 ( こうのとり 小惑星探査機はやぶさの帰還 小型ソーラー電力セイル IKAROS ISS( 国際宇宙ステーション 完成

3 . 宇宙環境 単なる真空ではない その理解は宇宙機の設計製作運用に際して極めて重要.. 太陽 半径 7* 5 m( 地球の 9 倍 質量 * g( 地球の.* 5 倍 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 地球は第 惑星 ( 公転半径 :.496* 8 m.5 億 m: 光速度で約 5 秒 8 分 秒かかる 表層に希薄ガス状のコロナ ( 温度 T~5 万 K: 太陽風発生 (~8m/s, ~ 個 /m, T 5 K 太陽活動 (. 年周期 : コロナホール 太陽フレア等により 太陽風増大 MV 以上の高エネルギー粒子 : 太陽宇宙線 (osm y 地球軌道上の太陽光エネルギー : 太陽光に直角な平面 m あたり 分間に.95l.. 地球周辺の宇宙環境 (s om 自然環境 (ul. : 高層大気.6W/m 太陽定数 (sol os sol( 照射エネルギー単位 プラズマ環境 : 大気モデル ( 密度 温度 空気抵抗 原子状酸素 荷電粒子環境 : 太陽風 電子 ポジトロン プロトン ( 放射線問題 光量 電磁場環境 熱環境 子 (X 線 ガンマ線 : 回路設計上 要注意 (Tol Dos, S など : 機械設計上 要注意 重力場 : 万有引力 重力の定義 微小重力とは? 地球磁場 隕石 宇宙デブリ : 近年 ますます問題化 定量的な議論が必要 誘導環境 (s u.: S/C の存在により発生 汚染 (omo これらは S/C の軌道運動の摂動 姿勢運動の擾乱 構成材料や搭載機器の劣化 電子部品の誤動作 や破壊 搭乗員の放射線被曝を引き起こす.4 時系と座標系.4. 時系時系 (m sysm: 地球の自転 天体の運動 原子や分子の量子力学的な振動などの自然現象を時間測定のための目盛りとして利用し 時刻と時間を定義する体系 世界時 T(sl Tm: 地球の自転に準拠した時系のことで 地球の極運動を補正した T 季節変動を補正した T がある 力学時 TD(Dyml Tm: 月や地球など天体の公転を基に一般相対論を用いて定義された時系であり 地球中心に準拠した地球力学時 TDT(Tsl Dyml Tm 太陽中心に準拠した太陽系力学時 TDB(By Dyml Tm がある この時系の前身となったニュートン力学に基づいた時系を歴表時 T(hms Tm と呼ぶ 国際原子時 TAI(Iol Aom Tm: セシウム原子のエネルギー遷移によるスペクトル線の周波数を基準にする時系で 世界各国のセシウム時計の平均値を取って定義される 均一な時

4 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 の流れを提供し 現在の時間の基準となるものである 各国の時計相互の比較により平均値を 取るため 現在では 後述する GPS 比較技術を用いて行われる 協定世界時 TC(Coo T: 地球回転に基づく T と国際原子時 TAI の妥協的時系であり 時差の違いはあるが我々が日常使っている時刻である ちなみに日本標準時 JST(J S Tm は TC より 9 時間進んでいる (TC - JST - 9 h 秒の間隔は TAI を用いるが 地球 の自転が一般的に減速しているために TAI は T に比較し進んでしまう そのため 閏 ( う るう 秒 (l sos を用いて TC の秒を調整し T と.9 秒以上ずれないようにして いる 普通は年始めに閏秒の挿入 ( 地球自転が増速すれば削除 が行われる 7 年 月 日 に第 7 回目の閏秒の挿入が実施され 7 年 月現在 協定世界時は国際原子時よりも 7 秒遅れている (TC - TAI -7s ( 理科年表などを参照 GPS 時 GPST(GPS Tm: 全世界測位衛星システム GPS(Globl Posog Sysm 衛星内の セシウム原子時計と地上施設の原子時計を総合して管理される時系であり 時間刻みは s 程度の小さな誤差を無視すれば国際原子時 TAI と同一である 但し GPST は 98 年 月 6 日 ( 日 時 TC に開始したので その時の TC と TAI の差である 9 秒の遅れがある (TAI - GPST 9 s GPST と TC との差は閏秒の挿入と共に増加し 7 年 月現在 GPST は TC よりも 8 秒進んでいる (TC - GPST - 8s.4. 暦 ユリウス日 JD(Jul D: 紀元前 47 年 月 日正午から数えた平均太陽日 MJD(Mo Jul D: JD から 4.5 を引いた日 この変換は桁数を減じ 普通の暦日のように始まりを真夜中にするため 表基準元期通常日 (TC ユリウス日 (JD MJD 意味 98 年 月 6 日 GPS 基準元期 年 月 日正午 WGS-84 基準元期 (J. 9 年 月から 年 月まで有効である暦変換式を示す 通常日の年 月 日を整 数 Y, M, D 時刻を実数 T( 時分秒を時に換算 で表すと JD への変換は次式 JD INT 65.5y INT.6 m D T/4 ( [ ] [ ( ] で計算できる 但し INT[ ] は実数 [ ] の整数部分であり 実数 y, m は y Y, m M M y Y, m M M > と計算する 逆変換に関しては まず次式を順に計算して INT JD.5, b 57, INT b. / 65.5 [ ] [( ] [ 65.5 ], INT[ ( b- /.6] INT 通常日は次のように計算できる D b INT.6 FRAC JD.5 M INT /4 [ ] [ ] [ ] 4

5 [( 7 /] Y 475 INT M 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 ここで FRAC[ ] は実数 [ ] の小数部分である 曜日も 7 を法とする算法を用いて N mo INT JD.5,7 { [ ] } と決定できる ここで N は月曜日 N は火曜日 などである.4. 座標系 地球中心慣性 CI(h-C Il 座標系 : 座標原点が地球の質量中心にあり ニュートン力学の原理基盤である慣性系の役割をする 地球自身の公転運動ため厳密には慣性系ではないが 地球近傍の衛星運動を記述するには十分である 典型的な CI 系は y 面を赤道面にとり 軸正方向を春分点 軸正方向を y 面に垂直な北極点方向 y 軸正方向を y 軸が右手系直交座標系を成すように形成される 実際には 地球自身が真球ではないために太陽や月の重力の影響で赤道面が不規則な運動を生じ ( 自転軸の歳差 章動運動 上で定義した CI 系は慣性系とは見なし難い問題がある そのために GPS CI 系として 年 月 日正午 TC (SNO における赤道面を基準にした座標系を採用している 地球中心地球固定 CF(h-C h-f 座標系 : 地上局 (GPS 受信機など の位置を記述するために 地球の自転と共に回転する座標系である y 面を赤道面にとり 軸正方向を経度 度 y 軸正方向を東経 9 度 軸正方向を y 面に垂直な幾何学的北極点方向にとる 衛星の位置や速度を CI 系から CF 系に座標変換し GPS 受信機の位置を表す経緯度と高度を計算する その際に 地球を記述する物理モデルを必要とする GPS 測位等に採用されている地球標準物理モデルは DoD の世界測地系 984 即ち WGS-84 (Wol Go Sysm 984 である 赤道面基準慣性座標 (CI 系を { { } T b } T ˆ ˆj ˆ または { } T ここで は昇交点方向 は軌道面垂直方向を定義する 軌道面垂直方向 ( 面積分方向 北極点方向 s / b 軌道面基準昇交点 ( 回転 座標系を 近点方向昇交点方向 Ω u ω 軌道面 赤道面 j γ 方向 図 昇交点方向 CI 系と軌道面基準昇交点 ( 回転 座標系 5

6 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 s / β ω u ω 軌道面 図 動径横断座標系と接線垂直座標系 また 図 のように を単位動径ベクトルに取り を { } T { } T に取った動径横断座標系 を宇宙機の速度方向単位ベクトルに取り を とした接線垂直座標系 を定義する このとき 各座標系間の関係は 下記のように表される b C ( C ( Ω 但し osω s Ω osω C ( C ( Ω os s s Ω osω s Ωos s os s Ωos 但し C s Ω osωos osωs ( s os ( C ( u C ( C ( Ω C ( u b ( ( u C ( C ( Ω osωosu s Ωos s u osωs u s Ωos osu s Ωs osωosu osωos s u s s u osωos osu osωs s s u s osu os (4 s β os β π π C β,c β os β s β ここで β は飛行経路角 (lgh h gl である (γ とも書く (5 座標変換などの詳細については 講義 宇宙システム工学 の資料 または 教科書 宇宙ステーション入門 などを参照のこと 6

7 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 第 章 体問題. ニュートンの法則 第 法則 力が作用しない限り 質点は静止ないしは一定速度で運動する ( 慣性の法則 慣性空間 慣性座標系の定義 第 法則 慣性座標系に対して 質点の運動は F によって記述される ここで F : 全作用力, : 並進運動量 の時間微分 m : 質点の質量と速度の積 ( 並進運動量 慣性系を規準として時間微分を行うことに注意する 第 法則 全ての作用には 向きが反対で大きさの等しい反作用が存在する (. 体問題の定式化と物理 つの質点 m, m 位置, 仮定 : m, m に作用する力は質点の相対距離のみに依存する F Fˆ ここで ˆ / : 相対方向の単位ベクトル ( : 相対距離運動方程式 ( ニュートンの第 法則 m F m F より m F m F 即ち m Fˆ m mm ここで m m : 換算質量 力のモデル : ニュートンの万有引力 を用いて m m F F G m m m m m m G ˆ G m G 6.67 m g s : 万有引力定数 ( 測定精度が低い ( m ˆ 7

8 即ち 体問題の基本微分方程式 が得られる ここで G ( m m : 重力定数 ( 測定精度は高い 注意 : 式 ( で を に変えても式は不変 m に対する m の運動を与える m に対する m の運動を与える を に変えても式は不変 時間反転で物理は変わらない 式 ( は質量 m m を固定原点とする単位質量 ( m u 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 の運動を表す m u mu 外力 ( 重力 はポテンシャルで表せる V, V ( 工学では無駄を省くために符号を逆に取る場合あり ここで 重力ポテンシャルは無限遠点を となるように定義 lm V lm 4 質量中心という考えは運動方程式を導く際に必要としない 5 導出に m, m は質点という仮定が必要であった 地球と月の関係は大きさを考えると質点近似できないように見える 球対称質量分布を持つ球対称物体 ( 半径 R でも式 ( は成立する 但し > R ニュートンはこのことを証明できたので ハレーに薦められて プリンキア を執筆 出版したと言われている 6 つの質体 m, m の質量中心回りについて m, m それぞれの運動を考えるとき それぞれは 見かけ上 重力定数が異なる運動方程式に支配される 詳細については.5 節を参照せよ 問 半径 R 質量が球対称密度分布 ρ(, R である球対称物体が 質量中心から距離 ( ただし > R の点に作る重力ポテンシャルは Gm となることを示せ ここで G は万有引力定数であり 球対称物体の全質量 m は m R ( 4π ρ : 即ち 球対称物体の質量中心に置かれた 質量が全質量 m に等しい質点の作る重力ポテンシャルと同等である 同様にして 任意の物体によって球対称物体 ( 全質量 m に働く重力は 球対称物体の質量中心にある全質量 m の質点に働く重力と等しいことも示すことができる つまり ニュートンの 体問題は 太陽 地球 月などの球状物体に高い精度で適用可能であることを意味している ( 別紙 球対称物体の重力ポテンシャル 参照 備考 : 微小重力とは? 6 科学者や工学者が微小重力とみなすのは 地球表面の重力加速度の 万分の すなわち G 程度である ここで G は地球表面の重力加速度 地球から離れることで 地球との万有引力を減少させ て 微小重力環境を実現するには どのくらいの距離を離れる必要があるか ( 8

9 9 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 解 : 地球表面上の重力加速度 : GM - G R 微小重力 : 6 6 GM GM G R ( R 必要な距離 R : 地球半径 67m の 倍の 6,7,m > 非現実的 ちなみに 月までの距離は 地球半径の約 6 倍の 84,4m この距離だけ地球から離れた場合の重力加速度は GM GM G 4 G ( 6R 6R 6 月表面の重力加速度は G.78G なので 月の質量による寄与は 地球のそれよりも 6 倍大きい 6 また 月表面の重力と同じ値となるような地球からの距離は G GM GM GM より 地球半 6 6R ( 6R (. 45R 径の約.45 倍 さらに 地球の自転角速度と同じ公転角速度を持つ静止円軌道の高度は 5,786m なので 軌道半径は約 4,56m (5, となり 地球半径の約 6.6 倍 この地点での重力加速度は GM GM G.G 6.6R 4.8R 4.8 ( 問 国際宇宙ステーション ISS の軌道のノミナル高度は 4m GPS 衛星のそれは,m であるとき それぞれの地球の重力加速度を求めよ 解 地球からの距離は それぞれ.6 倍 4.7 倍なので それぞれ.89G, G.57G 7.4 地球を周回する宇宙機の内部は 微小重力と言われているが 確かに同じような経験をすることができる しかし 違いもあり 多くの加速度が宇宙機の運動に影響を与える 例えば 軌道変換スラスタ 内部振動 大気抵抗 宇宙飛行士の運動などである 地球の引力と軌道上を回る宇宙機に働く遠心力が等しく そのバランスで微小重力が生じる と言われる この説明について 少し 考察しよう ニュートンの第 法則によると 力が働かない限り すべての質点は 停止している または 直線状に一様な速さで進む はずである しかし 地球の周りを回る宇宙機は 明らかに 直線等速運動をするのではなく 楕円上を ( 可変速 運動している この運動 ( 楕円 が 力が働かない場合に生じる運動 ( 直線 と異なる つまり 宇宙機の位置変化は常に向きを変えるので ニュートンの第 法則によれば 宇宙機には常に力が働いていることになる 実際 地球の引力が宇宙機に働いている 次に 遠心力というのは 宇宙機に働く本当の力ではない 宇宙機の運動を計測する座標系によって異なる 見かけの力 と呼ばれているものの一種である 見かけの力 は 宇宙機の位置変化を計測する座標系 ( の並進の加減速運動および回転運動 に依存する ニュートンの第 法則によれば 真の力は 慣性質量と 慣性系で計測した加速度の積に等しい 今の場合 慣性系から計測すると宇宙機は引力によって地球回りに楕円運動をし その結果 加速度を生じるが 宇宙機の運動に連動して地球回りに公転運動する回転座標系 ( 軌道参照系 HLHV など において 宇宙機の慣性系での位置変化である加速度を 回転座標系に変換して表現し 慣性質量を掛けて式変形 ( 慣性力表現 することで 見かけ上 遠心力と呼ばれる力を抽出できる ( 円運動の場合 本当の楕円運動の場合は 他の見かけの力も加わる 言い方を変えれば 宇宙機が楕円運動という時間の関数として決められた軌道を取ることを 宇宙機は位置の拘束条件 ( 今の場合 楕円運動 を満たさないといけないと考え 力がない場合の等速直線運動とは異なる拘束条件を満たすように動かすために その点と一緒に動く座標系で見たときに生じる 見かけの力 である 引力以外に外力がなく 質量中心回りに自転しない場合 質量中心において 引力と見かけの力の和

10 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版がゼロとなり それを無重力と呼ぶ この運動を特に自由落下運動とも呼ぶ 宇宙機が 引力によってひっぱられ 自由落下運動しているために 微小重力環境を生み出している 理想的には宇宙機の質量中心は無重力になるが 外力が働くと無重力から外れる また 宇宙機に固定された参照点が質量中心以外の場合 宇宙機が質量中心回りに自転をしたりすると その点にて 自転による遠心力 ( 見かけの力 拘束力 が働く 微小重力の定量的な定義は 一例として 参照点に働く抗力である これにより 詳細な解析が可能になる 別紙 ( 微小重力問題 参照 地球表面のある点の重力加速度は 基本的には 地球との万有引力と地球の自転による遠心力の和により 定義される なぜなら 計測点が地球に固定されており 地球の自転とともに回転しているからである したがって 緯度の違いにより 重力加速度は方向と大きさが異なる ただし 引力と比較して 地球の自転の影響はかなり小さい 地球を周回する宇宙機は この地球回りの公転運動による影響が大きくなり 自由落下条件を満たすと 微小重力環境を発現する. 運動の積分の定義 次元 階常微分方程式 F,, ( F, F F F ( が式 (4 の解のとき 任意の関数 G (,, で G (,, 一定 ( 時間に対して不変 となるのを運動の積分と呼ぶ 例 体問題では まず エネルギーと角運動量が運動の積分となる 他にもある ( 後述 もし式 (4 で 個の積分が存在すれば 系は 完全可積分と呼ばれ 完全解を持つ 体問題では, F : 位置ベクトルとすると式 (4 を得る なので 6 個の積分が完全解を持つために必要.4 体問題の積分簡単のため m を原点とする (. の注より m または 全系の質量中心を原点にしてもよい : 位置ベクトル : 速度ベクトル : 面積分固定原点 基面 基方向 ( 基面内 : 基方向 : 基面垂直方向 式 ( は座標系を決めずに導かれた をどう表すか ( 様々あり T T { } { },{ } : ベクトル配列 : 成分行列 (4

11 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版.4. 面積分 基礎式は (5 を行うと ここで を用いた これを変形して ( の形にすることを試みる ( ( 即ち 一定 面積積分 ( gl と呼び これが一定であることから 角運動量保存則を表す 特に を角運動量ベクトル ( 軌道面ベクトル と呼ぶ ( (, ( 一定 の幾何学性質を調べよう ( ( これらから は と について垂直 したがって運動の軌道面に垂直である 言い換えれば 運動の軌道面が存在し その方向は一定である 特に は原点を含む平面の方程式を表す は平面の法線ベクトル方向 (5 (6.4. エネルギー積分 h (5 を行うと 式 (6 を導いたのと同様に ( ( 問 ( ( であることに注意して 一定 h (7 h となる ( 注 : 冨田の本では としている これは( 単位質量当たりの エネルギー保存則を表し : 運動エネルギー : 位置エネルギー ( ポテンシャル エネルギー : 万有引力に起因 h : 全エネルギー 体エネルギー ( ケプラー エネルギー と呼ぶ 速度の大きさ は 式 (7 より

12 だから h 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 h と求められる 無限遠 ( での値は h : 虚数 h < h < 楕円軌道 h 注意 : h 放物線軌道 h h > h > 双曲線軌道であることが示される 特に h < のとき 実解がないので無限遠は物理的に存在しない 即ち 軌道は有限であることを意味する 万有引力による位置エネルギーの影響が大きく 遠くに離れようとしてもある地点で動径方向速度が逆転してもとの方向に戻り出し 結果として 周期的な運動をする 双曲線軌道 (h > の場合 無限に離れて脱出でき その無限遠での速さ を双曲線余剰速度 C を打ち上げエネルギーと呼び 惑星間軌道の設計に重要な指標として使用される ちなみに を半長径 ( 長半径 とすると ( 証明は後述 h ただし > : 楕円 : 放物線 < : 双曲線 したがって ただし > : 楕円 : 放物線 < : 双曲線 特に 双曲線軌道では ここで.4. ラプラス ( レンツ 積分 角運動量式 (6 基礎式 (5 を行うと ( ベクトル恒等式 ( y y y より [( ( ] 上式を時間の全微分形に変形する まず 一定より ( また [( ( ] > 確認せよ より 即ち 一定 ε (8

13 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版上式をラプラス ( レンツ 積分と呼ぶ をラプラスベクトル ( または ε として ε を離心率ベクトル と呼ぶ ( 符号は後の便利のため 歴史的には J.Hm(7 が先に見い出している 式 (6 より (.4.4 積分間の関係 は に垂直 : (8 より 即ち は に垂直であり は軌道面に垂直だから は軌道面内にある (9 注意 :, のなす角を とすると その内積は os 一方 式 (8 より ( したがって / os os ここで, と置いた この式は幾何学における円錐曲線 ( 円 楕円 放物線 双曲線 に対応している ( 後述の注意 参照 特に を真近点離角 を離心率 を半直弦 ( π / のとき と呼ぶ の方向は の方向 すなわち 軌道の動径 の最小値を与える点 ( 焦点 F に最も近い点 である近点の方向を示している これは つの角 ( オイラー角 Ω : 昇交点角 近点方向 : 軌道傾斜角 ω : 近点引数で表すことができる 右図は 各軌道を天球面に射影した場合の位置関係を示す また 離心率ベクトルε : ε の大きさは ε となって 離心率に等しい, h, の関係 ( ( ( ( y w y w w y より ベクトル恒等式 ( ( ( ( ( (

14 ( 第 項 ( ( ( ( ( ( 4 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 ここで, を用いた また y y より ( 第 項 ( ( 第 項 ( したがって ( 内は h に等しいので h または ( h 注意 式 ( は ( とも書ける ここで となり 円錐曲線の幾何学関係 h から 半長径 ( 長半径 に対応している 書き換えると 体エネルギー : h 以上より 式 (6,(7,(8 で与えられる積分, h, は 式 (9 と ( により お互いに独立ではない 積分の個数は : 個 h: 個 : 個の計 7 個一方 拘束条件の個数は式 (: 式 (4: の計 個したがって 独立な積分の個数 ( 自由度 は 7-5 個であり 完全積分にはもう 個必要である 注意 ( に関して は半直弦であり 常に正 したがって 下記の注意 により >, > <, > : 楕円 b <, < >, < : 双曲線 : 確定,, : 放物線 の 通りが存在する 注意 軌道面内のベクトルを表現するための直交座標系,y として または ε 方向を 座標 それに垂直に y 座標 原点を軌道運動の原点 ( 焦点 とすると os, ε, y 式 (# より ε (# と上述の ( も用いて 次の結果を得る のとき y ( ( ( ( ( ( [ ( ] ( ( [ ]

15 だから ( y ( のとき y すなわち < のとき > に注意して ( 中心 C(, の楕円 ; 焦点 F(, y ( 極座標 : os 特に のとき ( ( : 方向半径 y 方向半径 b, y s y : 中心 C(, 半径 の円 極座標 : os, y s b > のとき < に注意して ( y ( : 中心 C(, 漸近線方向 φ の双曲線 ; 焦点 F (, 無限遠点 : os, s ( π 漸近線方向 : φ 極座標 : osh, y sh 注意 他方の双曲線 : osh, y 虚焦点 F (-, のとき > y o に注意して 5 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 sh y : 頂点 A, の放物線 ここで 式 (# より 一定 (# y 軸から 軸正方向に だけ離れた 軸に垂直 (y 軸に平行 な直線 を と言う 式 (# の が軌道上の点 P の y 軸からの距離である ので 式 (# は 点 P と までの距離が であることを示す

16 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版したがって 点 P と焦点 F との距離 ( 動径 が なので 点 P と までの距離がに注意すると それらの長さの比が常に一定値 となる 特に 放物線の場合 な ので したがって 上記の比はとなる.4.5 運動の積分の今までのまとめ. 7 個の運動積分 ( 定数 h. 個の拘束条件 または h os ( 備考 : 対称性により 力学性質が決まる : 中心力 系の回転対称性 角運動量保存則 ( 一定 時間を陽に含まない 時間の平行移動に関する対称性 エネルギー保存則 (h 一定 隠れた対称性 ラプラスベクトル の保存 ( 特に方向 例題離脱問題 ( 初期位置の距離, ( T T T T 最終距離, 速度の大きさ γ T 最終飛行経路角 ( 速度方向の局所水平からの角度 o を求めよ γ o 解 エネルギー積分 h T 一定 T T T T γ T T γ 面積積分 ( 角運動量 T T T T 一定 π π s γ T T s γ T osγ osγ T T γ os osγ T ( ( γ γ, この解はアポロ宇宙機に搭載されたロケットエンジンのサイズを決めるのに使用された T.4.6 ケプラー方程式 6

17 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版第 6 番目の積分を求める (6 より ( ( ( ( ( ( (7 より h 一方, ( から ( したがって h ( ( 式 ( を ( の形にして 時間と積分定数の関係を求めるのが目標である ここでは h < ( 楕円 と仮定する その他の場合は 後述の備考を参照せよ 注 h < 楕円 放物線 > 双曲線式 ( より h ± h ± ( h h h h h 注意 : 楕円について 近点以降 半周期後の遠点に行くまでは >, > 遠点通過後 近点に近づくまで >, < なので は周期的に両符号を取る 式 ( h h h を用いて 式 ( は ± h h h ± h h h 変数変換, h ± h / h h 両辺は積分できて ± h h o h h h h ( os. os / h (4 (5 証明 下記の微積分公式を用いる u, u u u os. 7

18 u os os. u 後者について 特に u h < として u u u 変数変換 : u os, u s, の取り得る範囲 : π π ここでは 不定積分を求めるために 次のu s の値が正と仮定する u すなわち u < u ( os u s u s u s π 8 π 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 に注意して s < ( 第 第 象限 に限定しておく このとき u s os. os os s u u u 与式の左辺 : (. 証明終 定義 ( 離心近点離角 : os / h または os (6 h s os より 次を採用する ( 符号は議論の都合で選択している : 上記の証明において, u に対応 h h (7 s h 以上より ± h( os. s h h または h ± h( K s ここに K : 積分定数 (6 番目 さらに, ( >, < と置き 符号を整理することで h < 即ち 楕円の場合 h のケプラー方程式 (Kl s quo が求められる ( K s (8 特に : 近点通過時刻を定義すると この時刻で だから 式 (8 より K さらに 次の平均近点離角を定義する M ( ( ( ( ( M は平均速度 (m loy,m gul loy は 観測時刻 ( 元期 oh である する と 楕円の場合のケプラー方程式は M s (9

19 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 この式から 位置 ( 離心近点離角 真近点離角 と時刻 ( 平均近点離角 M の関係が求められる M os > これから M は の単調増加関数なので M に対して は唯一定まる また os ( os ( h h こうして 動径 を離心近点離角 でも表現できる さらに 式 (8 より 微分関係が得られる ( os ( os 離心近点離角 真近点離角 の関係は 楕円の場合 ( となる ( ガウスの公式 楕円の場合のガウス公式の証明 幾何学的にも証明できる ( 章付録 参照 が ここでは別証を示す ( 離心近点離角 の定義式 (6 または式( と円錐曲線式 から os os os os os ( os os または os (4 os これより s ± os ± os os ( os ( os os ( os ( os ( ( os ± s ± ± os os os ± s os と計算できるが 符号の判別が必要である 以下の別誘導でも示すように 符号を採用する すなわ ち s,s は同符号であり 幾何学的にも正当化される で表示された動径 を時間微分し os に注意すると s s s os (5 ± ( ( 同じく で表示された動径の式 ( を時間微分し 式 ( に注意すると s s s (6 os と < に注意すると 式 (5 と式 (6 を等値して ( 9

20 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 s / s s s (7 os os 式 (4, (7 を用いて s s os s os os os または s os s os os os os s os ( ( s ( ( os (8 これより 一般に 証明終 備考 : 双曲線 ( h >, > の場合 : 一定 h ( h h > h h h h h h h 注意 : 双曲線について 近点以降は 常に >, > > となるので 上式では 符号を採用し ている 式 ( より h を用いて h h と変形できるので ( ( h h h h h h 変数変換 :, h o h h h

21 h h h h 上式は積分できて h os. sh h h / h 証明 下記の微積分公式を用いる u, os. u u u 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 ( / h u osh os. sh os. u u u 後者について 特に u h > として u u, u 今 u と仮定して 変数変換 : u osh u, u sh, の取り得る範囲は実数全体 : < < ここで 不定積分を求めるため u > に注意して 次の u sh となるように の取り得る範囲を に限定する u u ( osh u sh u sh このとき u sh os. osh os sh u u u また 公式 : osh sh より 今 sh に限定しているので 与式の左辺 : (. 証明終 sh osh u 定義 ( 双曲線の場合の離心近点離角 H: u u sh sh 注意 式 (9 と式 (7 より H の関係がある そうすると h os. sh H H h h h h( K sh H H ここで h <, > に注意して u u h H (9 h : ケプラー方程式 ( 双曲線 ( ( K sh H H 特に : 近点通過時刻 H とおいて 積分定数 K は K 双曲線の場合の平均近点離角を (

22 ( ( ( ( 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 M M ( と定義することで 双曲線の場合のケプラー方程式は M sh H H ( とかける ここで 双曲線の平均運動 : (4 > に注意して M osh H > H であることから M は H に関して単調増加関数であり M が指定されると H は唯一解を持つ 次に 公式 h h osh H sh H h より H h osh osh H h h であるから osh H ( osh H ( osh H h ( 双曲線 (5 また 式 ( を時間微分して osh H 即ち H H (6 ここで 双曲線の円錐方程式 ( > > (7 os < h 離心近点離角 H と真近点離角 との関係 ( 双曲線の場合のガウスの公式 は H h (8 双曲線の場合のガウスの公式の証明 楕円の場合と同様にして証明できる まず 式 (8 より os osh H os (9 os または osh H os (4 osh H 次に 式 (5 を時間微分して 式 (6 に注意して sh H sh H H ( sh H (4 osh H に注意すると 表示の式 (5 と等値して ( (

23 s sh H osh H 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 sh H 即ち s (4 osh H 式 (4, (4 を用いて > に注意して または s os sh H osh H H h 証明終 sh H osh H osh H osh H H h ( ( sh ( ( osh H H (4 放物線 (h, の場合は 放物線の離心近点離角を D として 放物線軌道のケプラー方程式 : D M D 6 (44 ここで 平均近点離角 M: M ( 近点距離 平均運動 (4 また 離心近点離角 D と真近点離角 の関係 : D (44 証明 放物線軌道の場合, このとき 近点距離 (45 とおける 円錐曲線表示より に注意して s ( u (46 os os os uu (47 ここで となるが 半直弦 は設定できる ( 定数 u (48 h に注意して とした 式 ( より h 一方 だから ( (5 式 (46,(47 を上式 (5 に代入して ( u ( u ( uu (49

24 ( u ( u 4 u u すなわち を採用して 積分して u ( u ( u u 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 (5 u (5 ( os ( K u 近点通過時刻を とすると のとき, u だから K すなわち K (56 ( ( 放物線の Kl 方程式 (57 ここで 放物線の離心近点離角 D 平均近点離角 M 平均運動 を D M ( ( と定義すると 放物線の Kl 方程式は次式のようになる D M D (59 6 右辺が D の 次多項式なので 実数 M を与えると 必ず 唯一解 D が存在する (5 (58 備考 : 放物線の離心近点離角 D 平均近点離角 M 平均運動 を D M ( ( と定義し 放物線の Kl 方程式を次式のようにする流儀もある D M D 証明終 (58 注意 円錐曲線式, os は 下記のように式変形できる : ( ( 4

25 os os s os s 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 ( os ( s os u λu os s λ ここで λ 放物線に近いとき λ なので λ u λu λ ( (.5 体問題の質量中心回りの運動について 以上では 質点 に対する質点 の相対運動 ( 質点 に対する質点 の相対運動も同様 について 考察してきた ここでは 質点 と の質量中心についての 質点 と それぞれの運動がどうなるか を見てみよう つの質点の質量をそれぞれ m, m 位置ベクトルを, とすると それぞれの ニュートンの運動方程式は m m Gm ( : Gm ( : ここで 質点 に対する質点 の相対ベクトル ( 質点の重力定数をそれぞれ次のように定義した (4 Gm, Gm 式 (, ( より 質点 に対する質点 の相対運動を記述する 体問題の基本微分方程式が得られる G ( m m (5 これに対して 各質点の質量中心回りの相対運動を考える まず つの質点の質量中心の位置ベクトルは m m CM (6 m m m m,, m m m m (7 各質点の質量中心回りの相対ベクトルは それぞれ m : (8 m ( ( ( (, CM CM :, CM CM (9 このとき 式 (8 の相対ベクトルを時間微分して 5

26 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 (, CM CM 式 (, (5 を用いて CM なので CM ( ( すなわち 質量中心は 外力が働いておらず 等速直線運動をする ( CM, CM, CM また 式 (8,(9 より, (, CM, CM, CM, CM, CM,, CM, CM, (4, CM, CM,, CM これらを用いて 各質点の運動方程式 (,( は それぞれ, CM m, CM, CM (5 :, CM, CM m, CM, CM (6 :, CM ここで 等価重力定数を次のように定義した, CM ( m m Gm (7, CM ( m m Gm (8 注意 上記の関係式は添字に間して と を入れ替えれば 一方から他方が導出される さて 運動方程式 (5,(6 を見ると 基本微分方程式 (5 と同じ形式であるが 重力定数項が異なる したがって 解として円錐曲線を持つことは明らかであるが それぞれの運動積分が同じであるとは限らない これらについて調べよう 運動積分は 前節より角運動量保存 エネルギー保存 h (9 近点方向保存 である まず 角運動量保存について 質量中心回りの運動については, CM, CM, CM ( (,, CM (, h, CM, CM h, CM エネルギー保存則については h, CM, CM, CM ラプラスベクトル については, CM, CM 6 h (

27 , CM, CM 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 ( ( ( (, CM, CM, CM, CM, CM ( ( 特に 離心率ベクトル ε / については ε ε, CM, CM, CM ε,, CM ε, CM (, CM ε,, CM すなわち 離心率はどちらも同じで 基本解と同じ値 を取る 半直弦 については, CM, CM, CM (4, CM 半長径 については h, CM, CM h, CM, CM 半長径の比をみると, CM :, CM : m : m : m m (6 すなわち 半長径は それぞれの質量の逆数に比例している 質点 を主星 質点 を衛星とすると 通常 m >> m なので m m m m m m m m m m と近似できる m m m m m m (5 7

28 章ケプラーの法則 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 Kl.Johs(57-6 師は Tyho Bh 第 法則 惑星の軌道は太陽を焦点とする楕円第 法則 太陽と惑星を結ぶベクトルの掃面積は単位時間当り常に等しい 69 第 法則 惑星の周期の 乗は半長径の 乗に比例する 68 その他の主な業績 望遠鏡の発明 光学の理論 無限小算述 天文計算における対数の使用 4 円錐曲線の理論への貢献 5 多角形 多面体に関する仕事. ケプラーの第 法則 ラプラス積分を行うと os ( : 位置ベクトル とラプラスベクトル のなす角 ( os os ここで : 半直弦 (sm-lus um, sm-m ( : 離心率 (y ( 式 ( は円錐曲線を表す 円錐曲線については 後継の付録 を参照せよ 幾何学関係より ( ( < < 一方, ( h : 長半径 はエネルギー h のみに依存する (5 h 逆に h : エネルギー h は長半径 のみに依存する (6 のとき 8 (4

29 ( ( 楕円軌道の場合 π のとき ( 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 : 近点距離 - s, ous (: 近い (7 : 遠点距離 o- s, oous (o: 遠い (8 特に 地球中心を焦点とするとき それぞれ 近地点 g 遠地点 og とよぶ また (9 さらに ( : 相加平均, b : 相乗平均, : 調和平均 (. ケプラーの第 法則 LVLH 座標系を定義する : 局所垂直局所水平座標 (LVLH, Lol Vl, Lol Hool m ˆ ˆ 極座標表示 (, ˆ ˆ ˆ ˆ ˆ ( ここで ˆ ˆ : 局所水平方向の単位ベクトル ˆ / : 軌道面垂直方向の単位ベクトル ˆ / : 局所垂直方向の単位ベクトル ( ˆ, ˆ, ˆ : 右手直交系方向の単位ベクトル (,, : 動径横断座標系 (.5 参照 ˆ ( ˆ ˆ ˆ 一定 > 角運動量保存則 β s / ω u ω 軌道面 A 一方 面積レート A 底辺 高さ ( ( A lm A A 一定 したがって 面積法則 : 軌道上の任意の時間において その間に動径の掃く面積は常に等しい (. ケプラーの第 法則 h < を考える.4.6 節の式 (8 を再掲すると 楕円軌道 ( 9

30 ( os または 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 (4 os os 式 (4 を積分すると時間と の関係が陽に求められるが ( 後述 ここでは 式(4 を 周期分だけ積分する : T : 周期, : π に注意して T 即ち π ( os T π (5 係数 4π T 4π ( : 周期の 乗は長半径の 乗に比例する (6 は 太陽系の全ての惑星に対して近似的に等しい 4π G( m m Gm 一定 Gm 別証明 楕円の全面積 A πb 面積速度 ( 一定 A ( m >> m (7 su l A πb π π 周期 T のみに依存 A / 注意 軌道上の任意の点での速度の大きさ は エネルギー保存則より ( os (8 楕円軌道の場合 近点 遠点での速度の大きさをそれぞれ, とすると ( ( (9 そして 周期 T に関して T T ( ここで T, は 楕円軌道上の任意の点を通る円軌道の周期と速度の大きさである : T π, 証明 式 (8 より これを式 (6 に代入して整理する (

31 付録 Co Sos 円錐曲線 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 円錐断面幾何学 (Co-So Gomy 古代ギリシャにて発見円錐面を平面で切ってできる曲線 : 円錐曲線 6 種類 : 点 円 楕円 放物線 双曲線 直線 : 軌道としての解

32 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 円錐曲線の一般式 (# os ここで, : 円錐上の点の極座標 : 距離 動径 : 真近点離角 ( 天体力学 軌道力学 : 半直弦 (sm-lus um> : 離心率 (y : 円, 焦点は 個 ( 楕円に含まれる < < : 楕円 焦点は 個 : 放物線になり 個の焦点を原点として もう 個 ( 虚焦点 は無限遠に > : 双曲線 楕円 < <

33 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 F : 焦点 (Fous F : 虚焦点 ( (myous (, > AF AF つの焦点 F, F からの距離の和が一定の点の集合 < 離心率 : ( b / : 半長径 (h sm-mjo s b : 半短径 (h sm-mo s y 直交座標表示,y: b F (,, F (,, b と ( ( os( π ( ( 4 os 極座標表示, : を用いて > 4 os 即ち ( > (# os os os os ここで 右図の三角形 GCF について ピタゴラスの定理より b ( 三角形 AFF について 楕円の定義より ( ( ( 一方 ケプラー方程式より ( 動的量と幾何的量が関係 次に 近点距離 : ( (, ( (, 8 ( 遠点距離 : (, 地球近地点 : ggosuhsh 遠地点 : ogogoslossh 太陽近日点 遠日点など特に 近点において 動径方向速度が で 動径方向に垂直な接線方向速度 のみになるので 角運動量保存 エネルギー保存 h ( を用いて h ( (

34 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 h すなわち 体エネルギー h は 半長径 のみに依存 楕円は閉軌道であり 周期 : 軌道速度方向 γ: 証明は 4, 節参照 s γ os T π 備考 : 楕円に関する幾何学的に導出できる関係式の例 : 右図のように 楕円に対して 直径が半長径 に等しい円を描く 円と楕円の中心 C は同じである 楕円上の点 P を 円上に半短径 b 方向へ射影した点を Q とする 各変数を右図のように定義する : Fは楕円の焦点 FP は動径 PD, QD は AB に垂直 は真近点離角 は離心近点離角 は離心率 ( < CF 三角形 PDF について ピタゴラスの定理より PF PD b QD b s b s ( CF CD ( os ( os ( ( os ( os os ( os os ( os ( os DF ( 一方 楕円の円錐曲線は だから 上式を用いて os os os すなわち os os os または os os os 三角関数の 倍角の公式を用いることで os s s os os os os os os os ( ( os os ( ( 幾何学的関係から の符号は同一だから < に注意すると os os os os 4

35 別証明として 点 P の座標の縦軸成分について これより s b s ( s os 符号の判定をする必要のないことに注意 s os 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 s s より < に注意すると b s os s s s os s s os os os os os os os os ( ( s ( ( os 点 P におけるに平均近点離角 M について 面積速度一定の法則 ( 面積法則. 節 から M 扇形 FAPの面積 π 楕円の面積が成立する このとき ( s 扇形 FAQの面積扇形 CAQ 三角形 QCF s 右辺 円の面積 π π π M s 楕円の場合のケプラー方程式が求まる 放物線 > 公式 ( はこのままでは使えない 半直弦 または近点距離 自身を変数に用いる 放物線は 楕円の虚焦点を無限遠に持っていった曲線と見なすことができる : 近点距離, AN AF : 動径 直交座標表示,y: y 4 またはこの y 軸対称グラフ y 4 極座標表示, : os > > os os 無限点方向 : os すなわち 5g 軌道速度方向 γ: γ ( os 双曲線双曲線は 楕円の虚焦点を無限遠 ( 例えば左 に持って行き さらにその無限遠を通過して反対側 ( 右 5

36 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版側 に虚焦点が移動してできた曲線みなせる 重力を考えると 双曲線の技が主重力体側にあるもののみ 物理的に軌道となる (, < AF AF >, 曲線は漸近線に近づく このとき (# 式より os となり os y 直交座標表示,y:, b > b b F (,, F (,, b, 極座標表示, : と ( ( os を用いて 開軌道 > ( 4 4 os > os 即ち ( > (# os os os, < と再定義 ここで ( 近点 : ( 遠点は無限遠 無限点方向 : 分子 os os : 漸近角 のとき衛星の速さは一定に近づく h 無限遠での速度 ( 双曲線余剰速度 : > 正のエネルギー ( h > を持つと離脱する 打ち上げエネルギー : C s 軌道速度方向 γ: γ os < 6

37 付録 エネルギー h を用いた系の振る舞い 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 まず エネルギー保存式 h を極座標 (, で表示すると ˆ ˆ であるから h ( ˆ ˆ ( ˆ ˆ [ ( ] ( ( os. V '( ここで 角運動量の大きさ を指定 ( 半直弦 / を指定 : 基準時刻の位置 速度から決定 して 次の等価ポテンシャルエネルギーを定義した V '( ( 項目は位置 ( 万有引力 に 項目は遠心力に起因する 式 ( は動径 が / のとき唯 一の極小値 V '( < を取る また V '( (,( である 式 ( より 動径 の時間変化量 ( 動径速度 は下記のように位置のみの関数として記述できる ± h V '( ( ( 式 ( のグラフ (,V ' を描くことより h を指定した場合 と式 ( から動径速度 の概算値 つまり 指定された角運動量の大きさ に対して 角速度 / で回転 ( 公転 する動径 の運動を定性的に知ることができる 注意 : 速度を ˆ ˆ ˆ ˆ と書くとき は速度の動径方向成分 ( 動径速度 は速度の動径直交方向成分 ( 接線速度 と呼ぶ ちなみに 飛行経路角 γ は γ / / から求められる 注意 : ここでは重力定数 は最初から与えられている そして 角運動量の大きさ を指定すると 7

38 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 半直弦 / が決まる 以下 体の全エネルギー h を変数として指定すると 半長径が / h が決まる h > : 双曲線運動のとき 離心率は h / より > h と V '( の交点は 点のみで そのときの動径 の値を とする このとき 質点は無限遠 ( より飛来して 動径 の値は減少して 最終的に の最大値に制限はないので 開軌道であることが分かる 動径速度は 最大で であり 無限遠で h m に至る そこで反転して増加し 再び無限遠へ行く h : 放物線運動 基本的な運動は双曲線運動と同様であるが 無限遠の動径速度が になる 近点 ( では 質点の速度は接線速度 に等しいので 全エネルギーの式より h > 8 : 脱出速度 (s loy これは開軌道にするための最小速度でもある 主星の万有引力から脱出するためのその距離での速度を意味する 地球については 地球表面から出発する運動を考えて 地球の重力定数と地球半径を代入すると.m/s である これを第 宇宙速度と呼ぶ なお 太陽については 地球の位置での値を考えると 上式に 太陽重力定数 太陽地球間平均距離を代入して 4.m/s である ちなみに 地球表面から双曲線軌道で打ち上げて地球圏から脱出しときに太陽の脱出速度に達するようにしたい場合 地球の太陽に対する公転速度 9.4m/s を考えると 実質の脱出速度 は m/s であるので 地球表面での速度は 第 宇宙速度と呼ぶ より 6.7m/s となる必要がある これを / < h < : 楕円運動 < < h と V '( の交点は 点のみで そのときの動径 の値を小さい順に ( 近点半径 ペリジー半径, ( 遠点半径 アポジー半径 とする このとき 質点は動径が の間を往復する周期運動を行 うこと すなわち閉軌道であることがわかる 周期はT 4 h / : 円運動 π π π h h 動径は一定で 常に / 式( から より 質点の速度は動径に垂直 な接線速度 のみとなる このとき h より 円軌道速度 : 周期: T π π π 地球について 地球表面で考えるとき 地球の重力定数と地球半径を代入すると 円軌道速度は 7.9m/s となり これを第 宇宙速度と呼ぶ なお この円軌道から放物線軌道へ移行させて脱出させるには から へ 必要がある 倍の速度に増速する

39 5 h < / 式 ( の値が虚数となり 指定された の値では 物理解が存在しない h / 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 < を満たすエネルギー h に対応する軌道はもちろん存在して それは 初期に指定した の値 または指定された半直弦 / の値よりも小さくした値を持つ軌道になる それは 4 の円軌道の半径よりも小さい半長径 の円錐曲線である 特に 楕円の場合で 地球半径よりも近点距離が小で 遠点距離が大のとき それをサブオービタル軌道 弾道軌道と呼ぶ 大陸間弾道ミサイルや再使用型旅行ロケットなどで採用される 大気抵抗が無視できれば 水ロケット モデルロケット アマチュアロケットなどもこの軌道を描く 9

40 4 章位置 速度の計算 4. 積分における位置 / 速度 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 ここでは 楕円の場合のみを考える 双曲線 ( 放物線 の場合も同様にして求められる また 5 章で述べる usl 変数を用いることで 軌道の形に関わらず統一的に表現できる 復習 : 体問題の6 個の積分 ( 楕円 h < 積分定数は, h,, K の 8 個 h ( ( h ± h( K s ( h < 拘束条件 個 ( h > 独立な積分定数は 6 個 動径 ( 表示 ( os ( 円錐曲線パラメーター ( h < (4 h 楕円の場合のケプラー方程式 : ( M s (5 ここで のとき K ( 境界条件, : 近点通過時刻 : 元期 ( 観測時刻 h h : 平均運動 ( m gul moo (6 M ( ( M : 平均近点離角 (m omly 動径 ( 表示 os ( os ( h < (7 h ガウスの公式 : 楕円の離心近点離角 真近点離角 の関係 o (8 4

41 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 b 衛星 地心 近地点 4. 真近点離角 を用いた位置と速度 軌道面基準座標系の単位方向ベクトルの組 ( の定義 : / ˆ / 共に不動 (9 ˆ 軌道面内の位置などは, で記述される 位置 os s ( 次に これを微分して ( os s ( s os を時間微分し に注意すると os ( ( s s s os ( ( に戻す ( s os s s os より os, os os os なので 最終的に os 速度 [ s ( os ] ( 速度方向を局所水平 LH 方向から測った飛行経路角 γ は 角度範囲は s s s γ / os os 9g γ 9g であり 近点では を代入して 近点から遠点に行くとき正値 遠点から近点に近づくとき負値を取る γ ( 4. 離心近点離角 による表現 ( 楕円軌道 4

42 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 ( 動径 ( os (4 os os ( os os より os または os (5 os os 一方 式 (4 の動径を時間微分して s (6 また. 節の式 ( より / を用いて 式 (6 は s (7 o s ( 上式 (7 と式 ( が等しいことから s s (8 式 (5, (8 を式 ( に代入して ( os s これを時間微分して s 以上より 飛行経路角 γは ( os s os s os s os s s s s s os γ ( os os os ( os os これから 特に s os s ちなみに 式 (5 より os ( os os で求められるが それを別の基準座標系で表 を基準座標系の単位ベクトルの組 以上により 位置 速度が軌道面内座標系 ( す場合は 軌道面基準座標系の単位ベクトルの組 ( ( に座標変換することで 座標成分を基準座標系で表現する.4. 節を参照せよ (9 4.4 ケプラー方程式の解法 ケプラー方程式は 楕円軌道の場合 離心近点離角 について ( ( s M 双曲線軌道の場合 離心近点離角 H について 4

43 ( ( sh H H M 放物線軌道の場合 離心近点離角 D について D D M ( ( 6 であり 平均近点離角 M 即ち 時間 と関係がある : 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 :g 平均近点離角 M:g 離心近点離角 または H, D:g 位置と速度ベクトル, :g, 面 上記のケプラー方程式を Nwo-Rhso 法を用いて解く s ( 評価関数の定義 ( 楕円軌道 : ( ( ( 双曲線軌道 : ( H sh H H ( ( 放物線軌道 : ( D D / 6 D ( 問題 :( 楕円軌道 ( ( を近似値 回りに Tylo 展開して なる を求めたい ( ( ( ( O( ( ( ( より ( ここで ケプラー方程式より 4 (4 os (5 これを次ステップ として採用する すなわち ( (6 解の判定 : < ε ( 指定した微小量 になるまで反復 (7 双曲線軌道 放物線軌道でも同様であり 以下を用いる osh H, D / H D 例 : 6 4,4m,.7,, ε, 986m s - 離心近点離角の近似値 ( 平均近点離角に等しいとして : ( ( g s のときの を求む

44 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 注意 : 通常 s などの計算の際 角度の単位は に変換して行い その結果を g などに変換する 注意 : 収束性について 例えば 楕円軌道の場合 が に近づくと 反復回数が増大する これに対処するための各種方法が工夫されている 注意 : ケプラー方程式等に対して sl 変数を用いて表現することで 軌道の形を区別することなく 数値計算できる 軌道が指定され (, など 初期位置と時間( 時刻差 を与えて その時間後の位置を求めるためには 本節のようにケプラー方程式を用いて M から を求める解法を利用する 例えば 元期 で 真近点離角 にある宇宙機の 時間 後の真近点離角 を求める場合 次式より から 元期 の離心近点離角 ( 楕円軌道 H ( 双曲線軌道 を求める H l 元期 の平均近点離角 M をケプラー方程式から求める M s M sh H H 時間 後の時刻 の平均近点離角 M を求める ( M M M ここで ( 楕円 ( 双曲線 4 時刻 の離心近点離角 ( 楕円軌道 H( 双曲線軌道 をケプラー方程式から反復計算で 求める M s ( 楕円 M sh H H ( 双曲線 5 得られた離心近点離角から真近点離角 を求める ( 楕円 h ( 双曲線 ここからさらに 位置 速度 経路角などが 前節で与えた式を用いて計算できる なお 5 章で述べる usl 変数を用いることで 軌道の形に関わらず 統一的に記述できる 例 : 遠地点高度 4m, 近地点高度 555m の楕円軌道で地球周回する衛星について下記の問いに答 5 えよ 但し 地球の重力定数.986 m / s, 地球の平均赤道半径 R 678m とする この 軌道の離心率 半長径, 平均運動 /, 周回周期 T π / を求めよ 次に 時刻 のとき衛星は近地点にいた 時刻 m のとき 平均近点離角 M 離心近点離隔, 真近点離角 を求めよ 回答 (, ( より.5 また m , T 7.58 s.6m M g ステップ 誤差 RR RR RR

45 RR RR RR 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 したがって g, g g 例.( 半楊 7 より引用 モルニア軌道の衛星が 元期 7 年 月 6 日 時 分 7 秒 (TC において 655.5m,.7474, M 4.7 g にあるとき 時刻 7 年 5 月 日 9 時 分 秒 (TC における 地心距離 ( 動径 真近点離角 速度 経路角 γ を求めよ 回答 各時刻ユリウス日 JD を求めると.4. 節の式 ( を用いて y 4779s 地球回りの軌道なので 地球の重力定数 986.4m / s を用いて 986.4m / s.459 / s m.459* g ( ( M g M ケプラー方程式を反復法で解いて 57.69g os 655.5*.7474* os(57.69g γ ( [ ] 7.4g.655m/s - - s.4g os m 備考 : ケプラー方程式の厳密解楕円の場合 s M のに関する解は 一般に超越方程式なので 解くには工夫が必要であり 歴史的には ベッセル関数を生み出すきっかけとなった ケプラー方程式より M s に対して 右辺第 項は π の周期奇関数なので M のフーリエ級数展開 (s 展開 ができて s s M 係数 は 次式で表され それをケプラー方程式 部分積分 漸化式表現を用いると 最終的に ベッ セル関数 (Bssl uo で表される : π s s MM J π π ( ここで 整数 次の第 種ベッセル関数 : J ( os( s したがって は次のように表現できる π π s ( ( s s s!! s, 45

46 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 M J ( s M M J( s M J ( s M J( s M J 4( 4 s 4M... 近似式として べき級数展開を有限項で近似することもできる 例えば 5 次のオーダーでは M... s... s... s 8 9 M 6 M 8 8 M s 4... s 5... M 84 M 離心率 が小さい場合は 次数が小さくても近似がよくなり 地球 (.67 などでは 次で 5 桁程度の精度を持つ : M s M s M 長楕円軌道 例えばモルニア軌道 (.75 では 8. なので 8 次近似で 桁程度の精度が期待できるように思われるが 実際は が大きいと収束しない 実は の近似展開式では に関する収束半径 ( < を厳密に考慮する必要がある が大きい場合に 厳密解を採用するときは 厳密にベッセル関数を評価するが むしろ 対象とする微分方程式を数値的に高精度時間積分する方がよいだろう 4.5 位置 / 速度ベクトルおよびケプラーの軌道要素の計算法 前節までの議論をまとめる アルゴリズム : 位置 / 速度ベクトルの計算問題 : 楕円軌道上の物体の初期時刻 における位置 / 速度ベクトルが, と与えられたとき 時刻 における位置 / 速度ベクトル, を求めよ 算法 : の大きさとエネルギーの計算 :, h I h, STOP (o lll I h <, CONTIN. 角運動量 その大きさ その単位ベクトル ( ˆ および半直弦 の計算 :,,, ラプラスベクトル その大きさ 軌道面単位方向ベクトル, の計算 μ,,, 4 半長径 ( 長半径 と離心率 の計算 :, h 5 近点通過時刻 の計算 : C os, C s, 46 - C C または ( C C,

47 s ( 6 離心近点離角 について ケプラー方程式を反復法によって解く ( 後述 : ( M s 7 位置 / 速度ベクトルの計算 : ( os - s s os 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 アルゴリズム : ケプラー方程式の解 (Nwo-Rhso 法の利用 問題 : 楕円軌道の場合 現在時刻 近点通過時刻 半長径 離心率 そして離心近点離角の推定 値 が与えられたとき 現在時刻 における離心近点離角 を求めよ 算法 : 離心近点離角 の関数を定義する : μ ( s (, M ( F, 推定値 を用いて次を計算する : F F( s (, ( os 離心近点離角 の計算 : F( F ( もし >ε ( 適切に設定した誤差許容量 例えば -8 ならば としてステップ に戻 る 4 もし 誤差許容量内ならば 要求精度で離心近点離角 が計算された アルゴリズム : ケプラーの軌道 6 要素の計算問題 : 楕円軌道について 時刻 における位置 / 速度ベクトル, が与えられたとき 長半径 離心 率 近点通過時刻 軌道傾斜角 昇交点赤経 Ω 近点引数 ω を求めよ 算法 : エネルギー h と長半径 の計算 :, h, h 角速度ベクトル ラプラスベクトル 離心率 の計算 :,,, μ または離心率 については 次の算法を用いても計算できる : ( 近点通過時刻 の計算 : μ ここで 47

48 C os, C s 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 - C ( C C C, ( s 注意 : 上式より 離心率 についての別算法 : ( C ( C, 注意 : のとき 離心近点離角 の値は - となって不確定 なぜなら 近点が決まらないた め ( ケプラー要素の欠点 4 軌道傾斜角 昇交点赤経 Ω の計算 : - os ( ここで ˆ は g から 8g までの範囲を持つが g から 9g までを順行軌道 ( ob 9g から 8g までを逆行軌道 (og ob と呼ぶ sω s, j -osωs, - Ω - または Ω (, - j j 注意 : のとき 昇交点赤経 Ω の値は不確定 ( ケプラー要素の欠点 : 但し Ω ω の値自体は確定する 5 近点引数 ω の計算 : osω sωj, osω, sω sω ω - osω または ω ( sω, osω 注意 : ケプラー要素の欠点 : / / より のとき は不確定 したがって ω は不確定 但し u ω の値は確定する なお このとき M また のとき昇交点ベクトル は不確定 したがって この場合 Ω とω は各々不確定 但し Ω ω は確定できる かつ のときは Ω ω は確定できる 例題 : 時刻 における位置 / 速度ベクトル, が次のように与えられたとき ( ケプラーの軌道 6 要素 ( 6 s の位置 / 速度を求めよ j { j } { j } m,. m - 4. m 48

49 解 ( 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 { } { }.698 m/s j j j.m/s.m/s 6. 45m,.95,,, Ω,ω 7 例題 : ケプラー軌道要素の計算アルゴリズムで注意したように ケプラー軌道 6 要素には 軌道面姿勢を表すオイラー角 Ω,, ω の値が不確定になるという欠点があるが それが生じる原因を幾何学的に説明せ よ 解 オイラー角 Ω,, ω は 軸回りに Ω 軸回りに 軸回りにω の回転変換を表す-- 物 体角と分類される この指定の仕方から もし のとき 即ち 軌道面が基準面 ( 赤道面 に一致する場合 昇交点方向が決まらないので Ω とω の各角度は決まらないが 一般には その和 Ω ω 自体は決まる 一方 のとき 即ち 円軌道の場合 近点方向が決まらないので 一般に ω が決まらない しかし 軌道面と基準面の交線上にある昇交点方向から 宇宙機方向までの角度 ( 緯度引数 u ω は確定する さらに かつ のとき 即ち 円軌道かつ軌道面が基準面 ( 赤道面 に一致する場合 例えば 静止軌道のような場合は 昇交点方向と近点方向が決まらないが 春分点方向から宇宙機方向までの角度 Ω ω は確定する 4.6 他の軌道要素 ケプラー軌道 6 要素の欠点を補うために 様々な提案がなされているが ここでは 次のドロネー (Dluy 要素と それをもとに変換したポアンカレ (Po 要素を紹介する これらはハミルトン力学で使用される Dluy lms: ( l, g, h, L, G, H (, g ω, h Ω, L μ, G μ(, H μ( μ l M os 即ち 平均近点離角 近点引数 昇交点角 角運動量を用いている Po lms: ( ρ, ρ, ρ,,, ρ L, ρ ( L G os( g h, ρ ( G H osh, l g h, ( L G s( g h, ( G H sh (,(b の各場合において 各要素の不確定性に関して調べる 場合 ( の軌道傾斜角の大きさが小さくなるとき にしたがって ドロネー要素では H G になり ポアンカレ要素では ρ となる ドロネー要素の昇交点角 h Ω は不定となるが ポアン, カレ要素では問題ではない なぜなら g h ω Ω が確定するので ρ,, は確定する 場合 (b の離心率の大きさが小さくなるとき にしたがって ドロネー要素では G L になり ポアンカレ要素では ρ, となる ドロネー要素の近点引数 g ω は不定となる ポアンカレ要素では g が関係するのは結果的に だけになり l となることから l g h ω Ω が確定するので 問題はない 4.7 飛行時間 49

50 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 軌道が指定され 点間 A, B の位置 または 離角を与えれば 点 A から点 B まで軌道上を飛行するに要する時間は ケプラー方程式を用いて求められる 例えば 楕円軌道の場合 近点通過時刻を と して 一般に 時刻 離心近点離角 では ケプラー方程式より s または 真近点離角 で表す場合は ( s ( s s os に注意して s ( os 楕円軌道は周期軌道なので 周期を考えると π を上式に代入して ( π ( π s π π s π osπ ( π π π となって 楕円軌道の周期 T さて π を与える 点 A: 時刻 A 真近点離角 A 離心近点離角 A o A A 点 B: 時刻 B 真近点離角 B 離心近点離角 B o B B と定義すると 飛行時間 B A は 上式より ( B A ( ( ( ( A B A ここで 楕円軌道は周期的で 位置には周期分だけの曖昧さがあるので 必要があれば それを考慮する B ( ( また 双曲線軌道の場合は 上記と同様にして 双曲線軌道のケプラー方程式 に注意して ( K sh H H H ( H ( sh H H H ( s l os を用いて 飛行時間 は B A (4 5

51 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 5 ( ( ( ( B H A H B H A H A B (5 ここで 次式を用いた l h H os s sh H 証明 : 定義 h h l h h h なので 特に h h l H H H さらに h H の関係に注意して l l H 次に 上式より H なので ( ( ( ( os s sh H H H ここで 次式を用いた

52 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 s,os ちなみに 同様にして H H osh H ( ( さらに osh H os osh H s s sh H os osh H osh H sh H s osh H os os osh H s 例 :( 半楊 7 より引用 次の地球からの脱出双曲線軌道 :86.7m,.58, 近地点高度 6.9m 5 を考える 地球の作用圏 ( 影響圏 半径を9.9 m とすると この距離だけ地球から離れるとき 脱出したと見なす 地球の重力定数は 986.4m /s として 近地点から脱出するまでの時間を求めよ 回答 脱出時の真近点離角 を求める 動径の円錐曲線表示 ( os os から os ( ( ( (.6469.g os 飛行時間は 式 (4 より H.g 44時間 分 5 ( 秒

53 5 章, g 関数 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 宇宙機の任意の位置 速度を初期 ( 規準時刻 の位置 速度で直接表現することを考える 体問題の場合 軌道は同一平面 ( 次元 内に制限されるため 軌道面内の任意のベクトルは 軌道面内の独立なつのベクトルの重ね合わせで表現できる ここでは 軌道面内の独立なつのベクトルとして 初期 ( 規準時刻 の位置ベクトル 速度ベクトルを取る g ( g ここで, g,, g は初期条件, 時間 または離角 の関数 (,, ( など 特徴 : 軌道 6 要素にあまり依存しない形にできる 5., g 関数表現 楕円軌道を仮定すると 4 章の結果から位置 速度ベクトルを次のように表現する l m ( l m l os, m s ここで l ( s, m ( os b l ( os, m s または (4 l s, m os 欠点,, から, を求めるのに積分定数を求めねばならない ケプラー要素を用いると, が微小のとき数値的不安定が生じる可能性がある 楕円軌道に限っているが 後述する sl 変数を用いれば 放物線 双曲線の軌道を含めて統一的に表現できるし 収束性も高まる 地心 衛星 近地点 さて 式 ( に を代入して l m l m, を, で解くと ( m m, l m m l ( l l ここで 軌道の角運動量保存則に注意して ( l m m l ˆ ˆ ˆ 式 ( に代入して整理して 式 ( と対応させて次式を得る ( lm ml, g ( lm ml ( lm ml, g ( lm ml これらを用いて 位置 速度ベクトルが初期位置 速度ベクトルで表示できる (5 5

54 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 54 g g 更に ( g g 即ち 次の拘束条件が存在する g g (6 g g,,, の内 つが分かれば 残りは上式から求められる 5., g 関数の真近点離角表示楕円軌道の場合 式 (, (5 より, g は真近点離角 (u omly で次のように表される ( ( ( g g os s os, os s, os (7 但し (8 と定義した 特徴 : と g の相似性に注意 と の間に簡易な関係式はない ( を経由する 点境界値問題 (Lmb 問題 に便利式 (7 の証明 ( ( ( ( ( os os s s os os os s s os os ml lm ( ( ( s s os s s os ml lm g ( ( ( os os os s s ml lm g については 拘束条件 g g を用いるのが簡単であり ( ( ( ( g g g g os s os os os s s os os 証明終 5., g 関数の離心近点離角表示楕円軌道の場合 式 (4, (5 を用いて, g は離心近点離角 ( omly で表される

55 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 55 ( ( ( g g o os, s s, os (9 但し ( と定義した 式 (9 の証明 ( ( ( [ ] ( ( ( ml lm os os s s os os os s s os os s s os os 上記を時間で微分し ( ( に注意して s s / s 次に ( ( ( [ ] ( ( ml lm g os os os os s s os os s s 最後に g を求めるために 上式を積分すればよい 両辺を 章の式 ( の で割って ( ( ( ( ( ( g g g os os os os os 上式は積分できて (. s os g 式 ( に を代入すると (, (, (, ( g g が得られるので ( に注意して.. ( os os g したがって

56 g s 証明終 ( 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 さて g を評価する場合 と の関係を表すケプラー方程式を求める必要ある 章の式 ( より ( os 上式を, の範囲で積分すると s そこで, [ ( s ] に注意すると 式 ( の [ ] 内の右辺第 項は次のよう書き換えられる ( s s os s s ( os ( さらに 章の式 (, (7, ( の関係式を 時刻 に適用して s (. os より s, os ( これらを式 ( に代入して と のケプラー方程式が得られる s ( os (4 ( ( ( ( (5 に上式を代入して 微分 ( を実行 os s (6 特徴 : ( > のみが表われる が分かればよい ( の初期値は必要ない を用いた計算アルゴリズム g:,,, ( 初期値 ; 例えば, F:,, I so( 楕円でない I > ou 56

57 Nwo-Rhso 法による の求解 F( s os F F( F / os s ( > ε 反復 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 ( ( ( os g, 4 s g, g ( s, g ( os 5.4, g 関数の sl bl 表示 B による sl bl 表示を紹介する 楕円軌道だけでなく全ての軌道でも成立する式を求める 次の S,C 関数を定義する これは後述の Sum 関数の一種である S( ( C( (! 5! 7!! 4! 6! s, > os (, > sh, < osh, < ( C( [ S( C( ] S( [ C( S( ] さて 4 6 os! 4! 6! に対して 変数の定義 :, 変数の定義 : 57

58 : 楕円 ( > > 補助変数の定義 :, : 双曲線 ( < : と の組み合わせ 今 楕円の場合を考え > とする 同様にして os os! 4! 4 (! 4! 6! C C( ( 4 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 <, 6! 6 : 放物線 ( ( : 楕円の場合 5 s! 5! を用いて 5. 節の式 (9 から, g 関数を S,C 関数で表現できる : g 5 [ S( ] [ S( ] C( C(, [ S( ] S( [ ] S( S(, g C( C( Kl 方程式 : ( C( S( ( C S または ( ( ( ( 動径 : C( ( [ S( ] または C( ( [ S( ] また 式 (5 と定義 を用いて または この から への変換を Sum 変換と呼ぶ これは 下記のように を与えて対応する を求めるための Nwo-Rhso 反復計算に有用である ( 後述する Kl 方程式の解法 (sl 変数表示 を参照 : 58

59 ( ( ( C( S( ( ( C( ( [ S( ] ( このとき など 下記の備考より, 初期値は ( であることも利用できる 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 上式は 定義から g g を満たす 楕円の場合を元に 変数を変換して立式したが 実は 楕円に限らず 双曲線 放物線でも成立する 実際 求められた式を 体問題の基本微分方程式 に直接代入すると の符号に関係なく満たす すなわち 得られた式は 楕円 双曲線 放物線で成立する 下記の備考 基本解を用いた一般解の構成を参照 sl Vbls を用いた計算アルゴリズム g:,,, F :,, 下記のアルゴリズムを用いて Kl 方程式より, C, S を求める C(, g S(, g [ ], ( g C, S( Kl 方程式の解法 (sl 変数表示, g g:,,,, ( の近似値 例えば ( F:, C (, ( S に対応 など 59

60 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 6 ( ( ( 7 5!! S!! ( ( ( 6! 4 C!!! ( ( ( ( ( S C F ( ( ( ( C S F ( F / F 反復 > I ε ε I, ( C, ( S の計算を実行 注意 下記の Sum 関数の数値計算法を参照 付録 :Sum 関数定義 : ( ( (!,,,,, これより ( ( (!,! また ( ( (, 定義 : と変数をとり 無限級数を吟味して 上式の漸化式を用いることで ( < > osh os ( < > sh s ( ( < > osh os C ( ( < > 6 sh s S などが回帰的に得られ 円錐曲線 ( 楕円 > 双曲線 < 放物線 に必要な関数が含まれている ( ( C ( ( S でもあり ( [ ] ( ( [ ] ( ( 後述

61 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 6 Sum 関数の数値計算法 : 定義や漸化式から 次式が得られる ( ( ( ( ( ( ( ( ( [ ] ( ( ( ( ( ( ( ( 式 ( は ( ( C ( ( S から ( (, が求まることを示す また 式 ( の 4 倍角公式は の大きさが小さいときの ( から 値を計算できることを示す すなわち 微小数を ε とし ε < のとき 例えば 6 次のべき乗までを考慮して 次式のように近似計算すると 精度が 6 ε のオーダーで値が求まる : ( ( ( ( ( !!! 9! 7! 5!!! O S ε ( ( ( ( ( ( !!! 8! 6! 4!!! O C ε (4 > ε のとき ε 4 < となる最小の自然数を とすると 4 と置換して 式 ( を用いて ( を計算する 次に 4 と置換して ( を計算することを - 回繰り返す 備考 基本微分方程式系 Sum 変換 を利用して を微分すると すなわち ここで さらに ( ( ここで エネルギー保存則 : 体問題の基礎微分方程式 : >

62 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 6 を用いた 以上を利用して 4 4 したがって,, は次の微分方程式の解である :,, 4 4 位置ベクトル の微分についても 同様にして ここで 体問題の基礎微分方程式 : を用いた これより 次式が得られる 備考 などの基本解備考 の微分方程式の解を求めよう まず の について 冪級数解を仮定し と設定して 微分方程式に代入すると 係数 に関する漸化式が得られる ( (,,,..., これより ( ( ( ( ( ( ( ( 7! 5!! 6! 4!!

63 ここで 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 である また, は任意の定数であり 初期値から決まる ( 後述, でも表さ (, ( は B の sl 変数である この sl 変数は Sum 関数 ( ( れ! ( ( ( (! ( ( ( ( さらに ( ( は ( ( 6 を で積分したものであり 表示 : ( ( または ( ( 表示 : ( ( または [ ( ] ( 一般に,,,... として 表示 : ( ( または ( ( 表示 : ( ( または ( ここで! ( ( ( ( ( ( の定義式を で微分することで [ ] ( 表示 : ( ( 表示 : [ ( ] ( また 定義式より 表示 : (, (, ( (! 表示 : (, ( (!! これらから m m として m m 表示 : ( (,,,,..., m m m m m 表示 : [ ( ] [ ( ],,,,..., m m m 証明 数学的帰納法を用いる m のとき ( ( ( ( を で微分して ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( したがって m のとき 成立している m - のとき成立していると仮定すると m のと

64 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版き m m ( (,,,,..., m m m が成立している 上記を で微分して m のとき m m ( (,,,,..., m m m m については m m m m m( m( ( ( m m m m m m m m m( m( m m 以上から m - で成立するとき m でも成立することが示された 証明終 以上から 表示 : : m について 基本解 : (, ( m :, について 基本解 : (, (, ( C( m : について 基本解 : (, (, ( C( ( S( または 表示 : :, m について 基本解 : (, ( m :, について 基本解 : (, (, ( C( m : について 基本解 : (, (, ( C( ( S( 注意 ( ( ( (, は ( ( C( ( ( S(, で次のように表される ( ( または ( ( の, すなわち!!, または ( (, ( ( ( ( ( (, ( ( C( ( ( S( 表示 : 表示 : ( ( C( ( ( S( 注意 基本解 (, (, ( ( または ( (, ( (,, 性を持たないこと 即ち ロンスキーアンが でないことから証明できる より, の独立性は 線形 備考 基本解を用いた一般解の構成備考 の についての基本解から 一般解 ( ケプラー方程式 は次のように書ける 表示 : ( ( ( ( ( または 表示 : ( ( ( ( (,,, 64 ここで は未定数で 次のように初期条件より決定する のとき として

65 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 65 上式を で微分すると ( ( ( [ ] ( なので 表示 : ( ( ( 表示 : ( ( ( のとき なので より 上式を で微分すると ( ( ( [ ] ( なので 表示 : ( ( ( 表示 : ( ( ( のとき なので より 上式を で微分すると なので 表示 : ( ( ( 表示 : ( ( ( のとき なので より 以上から として 表示 : ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( C S C ( ( または 表示 : ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( C S C ( ( ここで 同様にして 下記のように 設定する 表示 : ( ( ( ( ( ( ( ( ( または 表示 : ( ( ( ( ( ( ( ( ( ここで 体問題の基本微分方程式 : を用いていることに注意 このとき のとき より 上記の未定ベクトル,, を決定する

66 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 66 順に,, より,, したがって 表示 : ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( [ ] ( ( ( ( ( ( ( [ ] ( ( [ ] ( ( g g ここで ( ( ( ( ( ( (, ( ( を用いた または 表示 : ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( [ ] g

67 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 67 ( ( ( ( ( ( ( [ ] ( ( [ ] ( ( g ここで ( ( ( ( ( ( (, ( ( を用いた 注意 表示 表示ともに ケプラー方程式等を用いて変形したのは見た目がすっきりするためだが そうしないで元のままでも微積分変換の形式がわかりやすい 備考 4 変数 は次のように対応している : ( ( ( < > D D D H H H ケプラー方程式などより ( ( ( ( ( ( ( または ( ( ( ( ( ( ( を加えると ( ( ( ( ( [ ] ( ( ( ( ( [ ] ここで ( ( ( (, または ( ( ( (, 即ち ( ここで, 特に 放物線軌道の場合 だから また H だから > のとき ( ならば < のとき ( ( H H

68 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 68 備考 5Sum 変換の別形式 を用いる このとき と再定義することで ( ( ( ( ( ( ( ( ( また g g において ( ( ( ( ( g g,, 注意 この解形式は 重力定数 が負 ( < でも使用できる すなわち 反発しあう中心力の解を表している

69 6 章 点境界値問題 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 6. Lmb の問題質量 m に対する m の時刻, における位置を, としたとき 点を結ぶ軌道を求めよ 初期速度 を求めれば十分 (,,,, ミッション計画 ターゲッティング ガイダンス ランデブーの基礎 Lmb 問題の解法 ( 楕円軌道のみ G:,, F:, の推定値, 例えば os o π os : 軌道の順行 逆行などで決まる 数値反復で を調整 ( 何等かの shoog, を解く :, g, g の, 表現より os os ( ( os s を同時に解く すなわち os q os より q そして os os ( os s s s ( os ( os q os 4 の試算値 を解く :g の ~ ~, ( s s ~ 5 もし > ε ステップ 6, g, の計算 ( os, s 7 g, の計算 g ( os, ( g g 表現より g, ( g 69

70 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 6. ユニバーサル変数 (sl Vbl を用いた定式化 S,C 関数で, g 関数を表示する もっと統合的かつ見通しのよい 関数による表示もある ( 前章 ( os C( ( ( g s S ( ( os [ S( ] os ( s g ( os C( (4 ここに 式 (,(4 は同じもの : ( os C( (5 以上から 未知数は,, のつである そこで (6 を導入して 式 (5 から 次のように変形する ( os (7 C ここで C C( (8 式 ( から os os ( os S( s C [ ] ( ( S os os ( os ( S s C 変数 y を導入 : y ( os (9 このとき 式 ( を用いて 次式が得られる : S y A C ここで このとき A s ( os S S ( ( y C ( 式 ( より ( A y S ( したがって 式 (,(,(4 より 7

71 y y y, g A, g (4 初期速度は g より ( (5 g 最終速度は g と拘束条件 g g を用いて ( g g (6 Lmb 問題の解法 ( ユニバーサル変数表示 G:,, F:, 7 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版, os o π os : 軌道の順行 逆行などで決まる A s os の値を推測 または式 ( などを用いた数値反復で調整 C(, S( の計算 : S! 5! 7! ( ( (! ( C (! 4! 6! (! 注意 前章の Sum 関数の数値計算法を参照 4y, の計算 : S y y A C C 5 の試算値 ~ の計算 : ~ ( A y S ~ 6 もし > ε ステップ 7 g, g,, の計算, y y y, g A, g (, ( g g g 備考 : 最近は ニュートンの運動方程式の解を利用した解法 ( 前述 から ハミルトンの正準運動方程式から導かれる母関数を利用した解法が編み出され 最適軌道を求める問題に効果を発揮している

72 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 6. 線形終端速度拘束条件 (LTVCON のもとでの 点境界値問題 前節の Lmb 問題とは異なり 時間の拘束条件の代わりに 次の線形終端速度拘束 (L Tml Vloy CONs, LTVCON を考慮した 点境界値問題を検討する : G:, LTVCON: H ( F: ここで ˆ ˆ H すなわち, H はそれぞれ動径速度 接線速度である このとき LTVCON は 飛行経路角 γ について γ ( H H の関係があり 終端の飛行経路角を拘束することを示す 例えば 宇宙機が地球大気に再突入する際 ( 高度 m 付近 飛行経路角 γ を適正な角度範囲内で維持することが必要である 経路角 γ が深すぎると飛行速さが大きくなり 応力や空力加熱が 過剰に大きくなる ( 断熱圧縮に加え 衝撃波を伴うとその背後の温度は急上昇する し 経路角 γ が浅すぎると大気上をスキップ する可能性がある 上記の問題は この拘束を実現するための初期速度 を求める問題である 初期速度 は 楕円軌道に投入するとすれば ( ( os g s ( で表わされる ここで os o π os : 軌道の順行 逆行などで決まる ( 後述 (4 であり 未知数は 半直弦 のみである 一方 接線速度 H は H と で表され 逆に H (6 とできる これから 接線速度 H が決定できれば 問題が解ける H の表式を求めよう まず 動径速度 は次式となる ˆ ˆ ˆ ( g ( ˆ ˆ g ( g os (7 g g g 式 (7 の左辺に LTVCON: H を代入し 右辺の g, g に 真近点離角 の表示式 および式 (6 を代入することで 次の に関する 次方程式が求められる H AH BH C (8 ここで 各係数は (5 7

73 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 s A ( W K, B W, C, K, W (9 os したがって H > に注意して B AC > のとき C H ( B B AC A B B AC 特に のときは これらより が決定される なお 終端の動径速度 と終端速度の大きさ は C H ( A ( ( H, H H H また 4 章より 全エネルギー h と半長径 そして 離心近点離角, を次のように計算する : h ( h C, C s C C - C C, C s, C こうして ロケット噴射から再突入までの時間 は と求められる [ C C ], - ( (4 (5 6.4 円軌道から突入楕円軌道への増分速度 前節では 線形終端速度拘束 LTVCON: ( 注意 : 地球の場合 突入高度は約 m 近辺である : m R 前節で述べたように 突入時の飛行経路角を適切に制御する必要があるために LTVCON を適用する 即ち 飛行経路角 γ について 7 H を課して 指定した 点間を通る楕円軌道 に投入するための初期速度を求めた ここでは 特に 離心率が に近く ほとんど円軌道で近似できる軌道から離脱して 指定された高度にて指定された飛行経路角を取る楕円軌道へ移行するために必要な速度増分 V を求める問題を検討する 速度増分は ロケット噴射 ( 点火 bu を用いて瞬間的に行うインパルス増分を仮定する ここでは 元の軌道の近点にて減速して軌道離脱し 楕円軌道に移行することを考える このとき 楕円軌道の遠点が噴射点になる このときの飛行経路角はほとんど g( 大きくて g 以下の記号を用いる : LTVCOM係数 ;, H : 噴射前の軌道 ( ほとんど円軌道 の遠点距離 : 噴射前の軌道 ( ほとんど円軌道 の近点距離 : 噴射後の軌道 ( 楕円軌道 の遠点距離 ; : 噴射後の軌道 ( 楕円軌道 の近点距離 ; : 噴射後の軌道の突入時 (y 距離 <

74 H H γ の関係があり 再突入時の飛行経路角を拘束する 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 G:, LTVCON: F: H V ( 突入時の速度とエネルギー保存則は その地点での動径横断座標系 { ˆ, ˆ, ˆ } を用いて ˆ ˆ ˆ ( ( ˆ H H H h ( 突入軌道では なので (4 ( H H 投入軌道の近地点距離 半直弦 は 離心率 は,, 角運動量 とその大きさ は ˆ ˆ ˆ ˆ H ( 式 (5,(6 から について解くと H H H H 式 (7 を式 (5 に代入して 接線速度 H で整理すると AH BH C (8 ここで A (, B, C (9 したがって > に注意して B 4AC のとき H B B 4AC H ( A 特に のとき C H ( A 突入時の速度の大きさは H ( エネルギー保存則から 噴射直後と突入時において 74 (5 (6 (7 (

75 これより 遠点速さ は > に注意して 噴射前の元の軌道におけるエネルギー保存則は であるから 元の軌道の近点速さは ( 同じ方向の速度であることから > に注意して 速度増分は減速量として 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 V (7 また 突入時 の離心近点離角 を に注意して - C C, C s, (8 C とすることで ロケット噴射から再突入までの時間 は 遠近点で π より [ C π ] (9 と求められる なお 突入時の飛行経路角は γ ( H H (4 (5 (6 付録 : の曖昧性の決定方法 Lmb 問題や LTVCON 問題にて 真近点離角の変化量 が必要であるが 関係式 : os を解く際に 次のように つの場合が存在する os o π os この曖昧性 (mbguy を解決しよう 軌道上の位置ベクトルを基準面座標 (CI 系 { ˆ ˆj ˆ } まず の 成分を計算 : q ˆ ( 成分は次のようになり q ˆ ˆ s os s ( ここで は軌道傾斜角である q の符号をもとに判別する q の符号が正の場合 : で記述する 75

76 ( (b q > os s > ( os >,s >, o (b os <,s < π π ( < <, < < π, o (b < < π, π < < π π < < : 順行軌道 ( ob の場合 < < π なので os π < < π π os : 逆行軌道 (og ob の場合 π < < π なので 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 q の符号が負の場合 : q < ( (b os s < ( os >,s <, o (b os <,s > π π ( < <, π < < π, o (b < < π, < < π π < < : 順行軌道 ( ob の場合 π < < π なので π os π < < π os : 逆行軌道 (og ob の場合 < < π なので 76

77 7 章軌道の摂動 (Pubo o Ob 77 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 7. 摂動加速度理想的な 体問題 : 外力は球対称な中心天体力 ( 天体を質点としたニュートン力 のみ ( 実際の衛星の軌道運動は ニュートン力以外の様々な外力を受ける ( を接動力 ( 摂動加速度 と呼ぶ 具体例 OBL SRP GR AD FMB B OBL B SRP GR AD FMB : 中心天体の非球体成分による加速度 : 体問題による加速度 : 太陽輻射圧 : 一般相対論の効果 ( 特に惑星間航行 : 大気抵抗 : モーター噴射 7. 実際の軌道を求める手法 数値的方法 の定式化 Cowll の定式化 数値積分法 多段式刻み幅可変 ある特定な問題の解析 Rug-Ku 厳密 容易 Ams-Bshoh-Moulo 数値誤差への対応 Guss-Jso など 解析的方法 摂動法 変数変化法 (Vo o Pm s,vop 問題一般の解析 Nwo,ul,Lgg,Posso 近似 精度 難しい 非摂動法 解析力学 ( ハミルトニアンなど の手法 Bouw, 古在 堀 半解析的方法 数値法と解析法の混合 D Smlyl Sll hoy(dsst 効率的 精度良 7. 変数変化法 (Vo o Pms,VOP 法 : 接動力のない場合は理想的な 体問題 式 (: 次の 階常微分方程式 6 個の積分定数例 : ケプラー軌道要素 :,, Ω,, ω, ( あるいは, M 一括して ( 一定 とおく 時間に無関係に一定軌道パラメーターと呼ぶケプラー軌道定数 エネルギー ( 一定 角運動量 C ( 一定 離心率( ラプラス ベクトル ( 一定 接動力のある場合 : 軌道パラメーターは時間に依存すると仮定する ( 即ち 実際の軌道上の点 ( 規準点 において 位置, 速度 の一致したケプラー軌道を用いて 実際の軌道を記述 ( 近似 する このケプラー軌道を接触軌道 (Osulg Ob と呼ぶ (osul: ラテン語の o ss より派生 時間が経って 実際の軌道上の基準点が変わると 別のケプラー軌道( 接

78 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 78 触軌道 で近似する 生成された各々の接触軌道上では 軌道定数 は時間に無依存で一定だが その値は接触軌道ごとに異なり 時間変化することになる そこで 軌道パラメーター の時間変化率を求め 軌道運動を把握することを 変数変化法という 7.4 ポワソン法 (Posso Mho 軌道パラメーター (,, のとき ( 式 ケプラー運動 os に無関係 ( ( 注意 : y, y, 6, y y y のとき ( 式 ( (4 ( 即ち Posso の摂動方程式 (5 計算法以上をまとまとめると 軌道関係式 ( 要素など を で微分 : 上記は は を陽に含まない は一定 の時間変化 を に置き換える ことに相当している 具体的には を施し を掛ける ことで時間変化分を求めることができる 下記を参照せよ 7.5 軌道要素の変化 長半径 の変化エネルギー積分 (7.6 テキスト.8

79 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 79 : 定数, ( 定数とみなす に注意して両辺を を施すと T, T (6 注意 T,, [ ] T T T ( 混乱の恐れがない限り 問 T (7 角運動量 の変化 ( ( をすると ( ( (8 注意 : ~ 但し, ~ 明らかに ( T T ~ ~ : 反対称行列 以上問 ( ( ( ( ( ( [ ] ( ( [ ] (9 注意ベクトル恒等式 ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( b b b b b b b b b b b b 問 b b b b b b

80 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 備考, ( (,, を用いた ここで 動径 横断座標系 { } 離心率 の変化 (7,,.8 ( (7,48,.6 より ( ( (6,(8 [ ] ( ( ( ( ( ( 4 昇交点赤経 Ω と軌道傾斜角 の変化, s Ωs osωs j os ( j,,, の関係 ここで慣性座標系 {, } と昇交点方向軌道面座標系 { } b ( ( Ω j osω s Ω ( ( Ω os s s Ω osω s os osω s Ω s Ωos osωos s (4 問 4( s Ωs osωs os j ( より (, j, は慣性系 に注意して Ω s b (5 問 4( Ω s b (6 一方 より (7 8 b

81 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 式 (6,(7 の両辺に を内積すると, b より Ω s s u Ω s u s ( 但し (8 同様にして b b osu 問 5 osu (9 ここで u ω : 緯度引数 実は同様に 5 真近点離角 の変化 os (7,,(7, より.8 ( os 一方, s (7,4,.4 より os s os s s ( ( ( ( ( T os ( os s T os ( s ( 問 6 さて 自身は 即ち ケプラー運動時 一定の速さで変化 ( ケプラーの第 法則 面積一定 (7,4,.5 よって 全変化量は ~ : 摂動 のみの変化 os ( ( s ( 6 近点引数 ω の変化昇交点方向 と動径方向 のなす角が緯度引数 u os u os Ω s Ωj ((4 より 8

82 ここで 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 u Ω s u ( s Ω osωj s u os Ω u Ω os (4 osωosu s Ωos s u j s Ωosu osωos s u j, の関係 を用いた これは 慣性座標系 {, } と動径横座標系 { } ( u ( ( Ω j ( u b 問 7 osωosu s Ωos s u osωosu osωos s u s s u osωs u s Ωos osu s Ωs u osωos osu s osu s Ωs osωs os j j (5 j u u u Ω os (6 接触軌道上 (Kl での時間変化 u ω だから ω u Ω os ω Ω os ω ~ os Ω (7 ~ ~ ここで (8 以上をまとめると 軌道要素の摂動方程式 [( ( ( ( ] [ ( ( ( ] ~ [ os ( ( s ], ~ (9 8

83 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 8 u s s Ω u os ω ~ os Ω 物理的考察 : 方向の摂動加速度に影響 最終形は を表現する座標系に依存 動径横断座標系 (LVLH { }, { } { } os os (7,4,(7,4.4 { } s s s β os (7,,. 接線垂直座標系 { } ( β β os os os s os (7,4 β s s s { } os s β β,, { } { } 系 s ( [ ] { } os s

84 ~ os s u Ω s u os ω ~ os Ω [ ( s ], ~ 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版 (9 { } 系 ( os s s ~ s os s u Ω s u os ω ~ os Ω ( 但し,, のときは座標変換や変数変換により取り扱われる s / β ω u ω 軌道面 84

85 宇宙工学基礎松永 ( 東工大 機械宇宙 H9..4 版参考文献 狼 冨田 中須賀 松永 宇宙ステーション入門第 版補訂版 東京大学出版 4 : 教科書 冨田 宇宙システム入門 東京大学出版 99 冨田 鬼頭 幸節 長谷川 前田 ロケット工学基礎講義 コロナ社 4 岩崎 的川 図説宇宙工学 日経印刷 5 小林 宇宙工学概論 丸善 6 木下 天体と軌道の力学 東京大学出版 木田 小松 川口 人工衛星と宇宙探査機 コロナ社 8 柴藤 渡辺 ロケット工学 コロナ社 9 茂原 宇宙工学入門 培風館 994 茂原 宇宙工学入門 II 培風館 998 茂原 宇宙システム概論 培風館 995 姿勢制御研究委員会編, 人工衛星の力学と制御ハンドブック, 培風館,7 半揚稔雄 惑星探査機の軌道計算入門 日本評論社 7 4 半揚稔雄 ミッション解析と軌道設計の基礎 現代数学社 4 5R.B, D.Mull J.Wh, Fumls o Asoyms, Do, 97 6W.T.Thomso, Iouo o S Dyms, Do, Kl, Mo S Dyms & Cool, Wly, Choboo (., Obl Mhs,., AIAA, V.R.Bo M.C.Allm, Mo Asoyms, Po Pss, 996. D.A.Vllo, Fumls o Asoyms Alos, 4h. (S Thology Lby,. D Nwm, I Aos gg Dsg, MGw-Hll,. その他 多数 85

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