今日の臨床サポート - 抗菌薬(薬理) - トップ

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1 トップページ #3820 抗菌薬 ( 薬理 ) 概要 中原保裕 今 の臨床サポート 編集部 まとめ : 抗菌薬は 細胞壁や蛋 質や DNA-RNA の合成を阻害するか細胞膜障害作 することにより細菌感染症を治療する作 ( 抗菌活性 ) を持つ それぞれ 細胞壁の合成を阻害する薬剤として β ラクタム系阻害薬 グリコペプチド系抗菌薬などが また タンパク質合成を阻害する抗菌薬として アミノグリコシド系抗菌薬 マクロライド系抗菌薬 テトラサイクリン系抗菌薬などが DNA-RNA の合成を阻害する抗菌薬として キノロン系抗菌薬 ST 合剤が 細胞壁障害作 を持つ抗菌薬として ポリペプチド系抗菌薬が知られている ( 下記薬効分類 ) なお β ラクタム系抗菌薬は さらに細かく ペニシリン系 セフェム系 カルバペネム系 ペネム系 モノバクタム系に細分類され それらの薬剤は β ラクタム環を基本構造として共有している 抗菌薬の作 機序 :[ID0605] 薬効分類 : 細胞壁の合成を阻害して作 する抗菌薬 : β ラクタム系抗菌薬ペニシリン系セフェム系カルバペネム系ペネム系モノバクタム系グリコペプチド系ホスホマイシン系タンパク質の合成を阻害して作 する抗菌薬 : アミノグリコシド系マクロライド系リンコマイシン系テトラサイクリン系オキサゾリジノン系ストレプトグラミン系クロラムフェニコール系 DNA-RNA の合成を阻害して作 する抗菌薬 : キノロン系サルファ剤 ST 合剤リファンピシン細胞膜障害作 を有する抗菌薬 : ポリペプチド系 抗菌薬投与設計と分類 : ポイント : 上記の薬効分類は PK-PD 理論に基づいた抗菌薬 適投与設計の理解に役 つ また 副作 相互作 が 各分類でにている 妊婦には 催奇形性の副作 少ないペニシリン系 セフェム系抗菌薬の抗菌薬が 較的安全に投与できる 抗菌薬の殺菌性 静菌性分類 時間依存性 量依存性の分類 :[ID0601] 時間依存的抗菌活性を持つ薬剤と 量依存的な抗菌活性を持つ薬剤の薬剤濃度と殺菌効果の 較 : [ID0602] グラム陰性桿菌に感染した免疫抑制されたマウスの死亡率と 24 時間のフルオロキノロンの AUC/MIC の関係 : [ID0603] グラム陰性桿菌による重症感染患者の臨床的アウトカムと 24 時間の時プロキサンの AUC/MIC の関係 :[ID0604] time above MIC 依存的に抗菌活性を認める抗菌薬 : β ラクタム系抗菌薬 エリスロマイシン クロラムフェニコール ST 合剤 リネゾリドは 時間依存的で post-antibiotic effect のない薬剤である これらの薬剤は time 2016/03/30 Page 1 of 34

2 above MIC を最 化することで抗菌活性を最 化できる したがって ある 定の 中濃度を保つように分割回数を多くして投与することで抗菌作 が最 化できる Cmax/MIC 依存的に抗菌活性を認める抗菌薬 : アミノグリコシド系 フルオロキノロン系 ダプトマイシン メトロニダゾールは 濃度依存的で効果を認める薬剤である これらの薬剤は Cmax/MIC を最 化することで抗菌活性を最 化できる したがって 最 中濃度をできるだけ くできるように投与回数を少なくして投与することが多い AUC/MIC 依存的に抗菌活性を認める抗菌薬 : マクロライド系 ケトライド系 クリンダマイシン テトラサイクリン系 バンコマイシン テイコプラミンは 時間依存的かつ post-antibiotic effect を認める薬剤である これらの薬剤は AUC/MIC を最 化することで抗菌活性を最 化できる したがって 最 中濃度をできるだけ くできるように投与回数を少なくして投与することが多い なお Cmax/MIC と AUC/MIC は共に相関する値であり どちらか を めた場合には他 も上昇することが知られている post-antibiotic effect: ある抗菌薬が MIC 以上の濃度で接触した後 抗菌薬を除去 MIC 以下の濃度になってもある 定時間しても持続してみられる増殖抑制効果 適応菌種 : 抗菌薬の添付 書には適応菌種の記載があるが 臨床上の抗菌スペクトラムと必ずしも 致していないことに留意が必要である 添付 書が薬剤開発のコンセプトに基づいて作成されているため コンセプト外の抗菌作 を有する菌種に関しては適応菌種に記載がされないことが理由である したがって 添付 書に記載されている適応菌種に抗菌作 を有するが 適応菌種に記載がないことが必ずしも抗菌作 を持たないことを意味しない 妊婦での使 : ペニシリン系 セフェム系抗菌薬の使 経験が多いため これらの薬剤を第 1 選択薬とする ペニシリン系抗菌薬 :[ID0010] ポイント : ペニシリン系抗菌薬は β ラクタム系抗菌薬の 種で 細菌の細胞壁の合成を阻害することにより殺菌的に抗菌活性を持つ ペニシリン系抗菌薬は さらに 1 古典的ペニシリン 2 広域ペニシリン 3 抗緑膿菌ペニシリン 4β ラクタマーゼ阻害薬配合ペニシリン系に細分類される 1 古典的ペニシリンには ベンジルペニシリンベンザチン ( バイシリン ) ベンジルペニシリン ( ペニシリン G) アンピシリン クロキサシリン配合薬 ( ビクシリン S) などの薬剤が存在する 2 広域ペニシリンには アンピシリン ( ビクシリン ) アモキシシリン ( サワシリン パセトシン ) バカンピシリン ( ペングッド ) アスポキシシリン ( ドイル ) などの薬剤が存在する 3 抗緑膿菌ペニシリンには ピペラシリン ( ペントシリン ) などの薬剤が存在する 4β ラクタマーゼ阻害薬配合ペニシリンには アモキシシリン クラブラン酸配合薬 ( オーグメンチン ) スルタミシリン ( ユナシン ) アンピシリン スルバクタム配合薬 ( ユナシン -S) タゾバクタム ピペラシリン配合薬 ( ゾシン ) などの薬剤が存在する なお タゾバクタム ピペラシリン配合薬 ( ゾシン ) は 抗緑膿菌活性も持つ 適応菌種 : 古典的ペニシリンは 耐性を持たない多くの好気性グラム陽性球菌 ( ペニシリン耐性肺炎球菌 ペニシリナーゼ産 ブドウ球菌などを除く ) と リステリア Clostridium tetani Clostridium Perfringens, Clostridium botuliunum などの 部のグラム陽性桿菌 髄膜炎菌などのグラム陰性球菌 ( ペニシリナーゼ産 淋菌 モナキセラカタラーリスなどを除く ) Peptostreptococcus などのいわゆる横隔膜より上の嫌気性菌に効果がある (B.fragilis B.bivius B.disiens は β ラクタマーゼをもつため 感受性がない ) 広域ペニシリンは 上記の古典的ペニシリンに追加して 腸菌 インフルエンザ桿菌 サルモネラ属 シゲラ属などのグラム陰性桿菌にも有効である また リステリア Enterococcus Faecalis の治療のファーストチョイスとしても いられる なお アモキシシリンとアンピシリンは抗菌スペクトラムは似ているが アモキシシリン ( パセトシン ) のほうがバイオアベイラビリティに優れ 経 投与に適している アモキシシリン 2016/03/30 Page 2 of 34

3 ( パセトシン ) は細菌性咽頭炎 重症 難治性の急性中 炎 感染性 内膜炎の予防 ピロリ菌の治療などに いられる 抗緑膿菌ペニシリンは 広域ペニシリンに追加して 緑膿菌と エンテロバクター属 インドール陽性プロテウス属などもカバーするように進化した薬剤である グラム陽性菌への最近活性は低下するため 実際の診療では 緑膿菌感染症を疑った場合に いられる β ラクタマーゼ阻害薬配合ペニシリン系に属する薬剤のスペクトラムは 各薬剤により異なる アンピシリン スルバクタム配合薬 ( ユナシン -S) アモキシシリン クラブラン酸配合薬 ( オーグメンチン ) は メチシリン感受性 ブドウ球菌 (MSSA) β ラクタマーゼ産 クレブシエラ属 モナキセラカタラーリス B.fragilis や β ラクタマーゼ陽性アンピシリン耐性インフルエンザ桿菌などにも有効である したがって アモキシシリン クラブラン酸配合薬 ( オーグメンチン ) は市中肺炎 憩室炎 動物咬傷などに いられる タゾバクタム ピペラシリン配合薬 ( ゾシン ) は 抗緑膿菌ペニシリンに追加して β ラクタマーゼ産 B.fragilis への抗菌活性を持つ 上記のように ペニシリン系抗菌薬の開発の歴史は ペニシリナーゼや β ラクタマーゼに対する安定性を確保する歴史であった しかし 近年はペニシリン耐性肺炎球菌のようにペニシリン結合タンパク変異を起こすことによる耐性が進みつつある 現在 中等度耐性も含めると臨床分離される肺炎球菌の 6 割以上がペニシリン耐性肺炎球菌が占めるようになってきており 肺炎球菌性肺炎に対して通常量のペニシリン系の抗菌薬投与では不 分な治療となる可能性があり 量投与法などが われることも多い また インフルエンザ桿菌も β ラクタマーゼ陰性アンピシリン耐性 (BLNAR) インフルエンザ桿菌などの菌も検出されるようになってきている セフェム系抗菌薬 :[ID0011] ポイント : セフェム系抗菌薬は 抗菌薬として最も使 頻度の い薬剤であり ペニシリン系抗菌薬と同様 β ラクタム系抗菌薬の 種で 細菌の細胞壁の合成を阻害することにより殺菌的に抗菌活性を持つ セフェム系抗菌薬は その開発された時期と抗菌 の特徴により さらに 1 第 1 世代 2 第 2 世代 3 第 3 世代 4 第 4 世代 5β ラクタマーゼ阻害薬配合セフェム系抗菌薬に細分類される また その構造の違いにより セファロスポリン セファマイシン オキサセフェムに細分類される 下にさらに詳細に述べるが 基本的には世代が進むとグラム陰性桿菌に対する抗菌 が強くなるが グラム陽性球菌に対する抗菌 は弱くなる 1 第 1 世代には セファゾリン ( セファメジン ) セファレキシン ( ケフレックス ) セファクロル ( ケフラール ) セフロキサジン ( オラスポア ) セファロチン ( コアキシン ) などの薬剤が存在する 2 第 2 世代には 嫌気性菌をカバーするセフメタゾール ( セフメタゾン ) と 嫌気性菌をカバーしないセフォチアム ( パンスポリン ハロスポア ケミスポリン ) セフロキシム ( オラセフ ) セフミノクス ( メイセリン ) などの薬剤が存在する 3 第 3 世代は さらに細かく 経 セフェムと 経 セフェムに分かれ 経 セフェムはさらに 抗緑膿菌活性を持たない 経 第 3 世代セフェムと 抗緑膿菌活性を持つ 経 第 3 世代セフェムに細分類される 抗緑膿菌活性を持たない 経 第 3 世代セフェムには セフォタキシム ( セフォタックス クラフォラン ) セフトリアキソン ( ロセフィン ) セフォジジム ( ケニセフ ) セフチゾキシム ( エポセリン ) ラタモキセフ ( シオマリン ) が存在し 抗緑膿菌活性を持つ 経 第 3 世代セフェムには セフタジジム ( モダシン ) セフォペラゾン ( セフォビッド ) が存在する また 経 第 3 世代セフェムには フロモキセフ ( フルマリン ) セフィキシム ( セフスパン ) セフテラム ( トミロン ) セフポドキシム ( バナン ) セフジニル ( セフゾン ) セフジトレン ( メイアクト MS) セフカペン ( フロモックス ) セフチブテン ( セフテム ) などの薬剤が存在する 経 第 3 世代セフェムは 腸管からのバイオアベイラビリティに落ちる薬剤が多い 4 第 4 世代には セフェピム ( マキシピーム ) セフピロム ( ブロアクト ) セフォゾプラン ( ファーストシン ) が存在する 5β ラクタマーゼ阻害薬配合セフェム系抗菌薬は スルバクタム セフォペラゾン配合薬 ( スルペラゾン ) が存在する 適応菌種 : 第 1 世代セフェムの適応菌種は 広域ペニシリンと べてペニシリナーゼに安定であり 好気性グラム陽性球菌に対して抗菌活性がある 特に ペニシリナーゼ産 ブドウ球菌に対して抗菌活性を認めるため MSSA の第 1 選択として いられることが多い 腸球菌を除 2016/03/30 Page 3 of 34

4 くレンサ球菌にも抗菌活性を持つ 腸菌 クレブシエラ属 プロテウスなどの陰性桿菌にも有効であるが セファロスポリナーゼに不安定であり さまざまな耐性菌の報告もあるため 使 は軽症で薬剤感受性を認める場合に限られている 第 2 世代セフェムは 第 1 世代と 較して グラム陰性桿菌であるインフルエンザ菌 嫌気性菌に対して抗菌活性を広げた代わりにグラム陽性菌に対して抗菌活性が弱まっている 第 3 世代セフェムは 第 2 世代と同様 インフルエンザ菌と嫌気性菌に抗菌活性を持っている 第 2 世代よりも エンテロバクター シトロバクター バクテリオイデスに対して抗菌活性が優れるが 般的には MSSA 緑膿菌に対する抗菌 が弱い ただし 第 3 世代セフェムは 薬剤ごとに抗菌活性が異なり セフタジジム ( モダシン ) は緑膿菌への抗菌活性を持つ また セフトリアキソン ( ロセフィン ) は 肺炎球菌 インフルエンザ菌 髄膜炎菌への抗菌活性を認める 従って セフトリアキソン ( ロセフィン ) は髄膜炎の治療に いられる事がある 第 4 世代セフェムは 第 3 世代セフェムの弱点である MSSA 緑膿菌に対する抗菌 を認め 広域な抗菌活性を持つ ただし 緑膿菌への抗菌活性は 第 3 世代のセフタジジム ( モダシン ) より劣る β ラクタマーゼ阻害薬配合セフェム系抗菌薬は スルバクタム セフォペラゾン配合薬 ( スルペラゾン ) で 第 3 世代セフェムに β ラクタマーゼ阻害薬を配合した薬剤である なお すべてのセフェム系抗菌薬は 腸球菌に対して抗菌活性を持たない カルバペネム系抗菌薬 :[ID0012] カルバペネム系抗菌薬は ペニシリン系抗菌薬と同様 β ラクタム系抗菌薬の 種で 細菌の細胞壁の合成を阻害することにより殺菌的に抗菌活性を持つ その特筆すべき特徴はグラム陽性菌からグラム陰性菌まで幅広い抗菌スペクトラムを持つことであり 重症 難治性の感染症の治療に いられる MRSA Enterococcus faecium Stenotophomonas maltophilia と Serratia marcescens を除くほぼすべての菌に抗菌作 を持つ 注射薬としては メロペネム ( メロペン ) イミペネム シラスタチン配合薬 ( チエナム ) パニペネム ベタミプロン配合薬 ( カルベニン ) ビアペネム ( オメガシン ) ドリペネム ( フィニバックス ) などが存在する また 経 薬としては テビペネム ( オラペネム ) が存在し 児の中 炎 副 腔炎 肺炎に適応を限定するかたちで発売されている グリコペプチド系抗菌薬 :[ID0013] グリコペプチド系抗菌薬は 細菌の細胞壁の合成を阻害することにより殺菌的に抗菌活性を持つ薬剤である グリコペプチド系抗菌薬には バンコマイシン ( 塩酸バンコマイシン ) テイコプラニン ( タゴシッド ) が存在し バンコマイシンには経 薬と注射薬 テイコプラニンには注射薬が存在する グラム陽性菌全般に抗菌スペクトラムを持つが 実臨床現場では リネゾリド ( ザイボックス ) アルベカシン ( ハベカシン ) リファンピシン ST 合剤 ミノマイシンなどとともに メチシリン耐性 ブドウ球菌 (MRSA) の治療に いられることが多い 近年ブドウ球菌のバンコマイシン耐性化が進んでおり MIC のやや い菌が増加する傾向にある テイコプラニン ( タゴシッド ) の耐性菌はほとんど確認されていない なお バンコマイシンの治療に関しては 中濃度を測定し TDM を うことが望ましく 点滴終了後 1 2 時間後のピーク値を 25 40μg/mL に投与直前 中濃度 ( トラフ値 ) が 10μg/mL 以上にするように薬剤設計を う 特に ピーク値が 60 80μl/ml 以上 トラフ値が 30μg/mL 以上であると副作 が増えることが知られている なお MRSA 肺炎の治療成功率は VCM の AUC/MIC が 400 以上に達したことと相関しており 重症感染では AUC/MIC を 400 以上に保つため 副作 に注意しつつトラフ値を 15 20μg/mL のレベルで維持することが提唱されてもいる アミノグリコシド系抗菌薬 : [ID0014] アミノグリコシド系抗菌薬は 30S ribosomal subunit に不可逆的に結合し 蛋 合成を阻害することにより 主に殺菌的に抗菌活性を持つ薬剤である アミノグリコシド系抗菌薬は その抗菌活性によりさらに細かく以下のように分類される 1 抗結核作 を持つ カナマイシン ( カナマイシン ) ストレプトマイシン ( 硫酸ストレプトマイシン ) 2 抗グラム陰性桿菌 のリボスタマイシン ( ビスタマイシン ) 3 抗緑膿菌 のトブラマイシン ( トブラシン ) アミカシン ( アミカシン硫酸塩 ) イセパマイシン ( エクサシン ) ジベカシン ( パニマイシン ) ゲンタマイシン ( ゲンタシ 2016/03/30 Page 4 of 34

5 ン ) 4 淋菌のみに適応を持つスペクチノマイシン ( トロビシン ) 5 抗 MRSA のアルベカシン ( ハベカシン ) アミノグリコシド系抗菌薬は 緑膿菌を含む広範囲のグラム陰性桿菌 グラム陽性球菌に対し 幅広い抗菌スペクトラムのため多くの疾患に適応を持つ その反 嫌気性菌には抗菌活性を持たず また 腎障害や 毒性などの副作 が認められる マクロライド系抗菌薬 :[ID0015] マクロライド系抗菌薬は 50S ribosomal subunit に結合し 蛋 合成を阻害することにより 主に静菌的に抗菌活性を持つ薬剤である マクロライド系抗菌薬は その基本構造に基づきさらに細かく 以下の 3 つに細分類される 114 員環マクロライドのエリスロマイシン ( エリスロシン ) クラリスロマイシン ( クラリス クラリシッド ) ロキシスロマイシン ( ルリッド ) 215 員環マクロライドのアジスロマイシン ( ジスロマック ) 316 員環マクロライドのジョサマイシン ( ジョサマイ ) ロキタマイシン ( リカマイシン ) スピラマイシン ( アセチルスピラマイシン ) なお 15 員環マクロライドのアジスロマイシンをアザリド系と呼ぶこともある マクロライド系抗菌薬は市中肺炎の原因菌である肺炎球菌 インフルエンザ桿菌 マイコプラズマ レジオネラに対して抗菌活性を持つため広く市中感染症に対して いられていた しかし 近年 肺炎球菌 インフルエンザ菌耐性菌が増えており 深刻な問題となっている 例えば 本における肺炎球菌の分離株の 80% 以上が エリスロマイシン ( エリスロシン ) 耐性である なお 14 員環マクロイド抗菌薬は CYP3A4 の阻害作 を持つため スタチン Ca 拮抗薬 催眠鎮静薬 コルチゾールなどを内服の患者では可能な限り いない リンコマイシン系抗菌薬 :[ID0016] リンコマイシン系抗菌薬は マクロライド系抗菌薬と同様に 50S ribosomal subunit に結合し 蛋 合成を阻害することにより 主に静菌的に抗菌活性を持つ薬剤である 化学構造がマクロライドと似ているため臨床的に似ているところが多い リンコマイシン系抗菌薬に属する薬剤として クリンダマイシン ( ダラシン ) リンコマイシン ( リンコシン ) などがある 優れた嫌気性菌への抗菌活性を持つため 誤嚥性肺炎などの嫌気性菌の感染症に いられることが多い テトラサイクリン系抗菌薬 :[ID0017] テトラサイクリン系抗菌薬は 30S ribosomal subunit に結合し 蛋 合成を阻害することにより 主に静菌的に抗菌活性を持つ薬剤である 第 1 世代のテトラサイクリンとして テトラサイクリン ( アクロマイシン ) デメチルクロルテトラサイクリン ( レダマイシン ) がある その後 2 世代として 時間作 型のドキシサイクリン ( ビブラマイシン ) ミノサイクリン ( ミノマイシン ) が開発された その後 耐性化が問題になり ミノマイシンの 格を基にチゲサイクリン ( タイガシル ) が開発されている テトラサイクリンは グラム陰性菌 グラム陽性菌 嫌気性菌 マイコプラズマ クラミジア リケッチア などの 定型菌や原 などを含む幅広い抗菌活性を持つ ただし 現在では 耐性菌化が進んだこともありマイコプラズマ クラミジア リケッチアなどの 定型菌や 他薬剤が無効であった場合に いられることが多い オキサゾリジノン系抗菌薬 : オキサゾリジノン系抗菌薬に属する薬剤として リネゾリド ( ザイボックス ) がある リネゾリド ( ザイボックス ) は蛋 質合成阻害作 により抗菌作 を持つ E.faecium と E.faecalis の両 に抗菌活性を持つ 点滴で加療することもできるが 経 でも内服ができ 腸管からの吸収が良くまた組織移 性も優れる薬剤である 臨床的適応は バンコマイシン耐性腸球菌 (VRE) または MRSA による感染症の治療である ストレプトグラミン系抗菌薬 : ストレプトグラミン系抗菌薬 ( に属する薬剤として キヌプリスチン ダルホプリスチン配合薬 ( シナシッド ) がある 作 機序は リボゾームの 50S に結合しタンパク質合成を阻害することである E.faecium に抗菌活性を持つが E.faecalis には抗菌活性を持たない 2016/03/30 Page 5 of 34

6 臨床的には MRSA か E.faecium による VRE による感染症の治療に いられる クロラムフェニコール系抗菌薬 : クロラムフェニコール ( クロロマイセチン ) は リボゾームに結合し タンパク質の合成阻害をすることで抗菌活性を持つ抗菌薬である 副作 としては 再 不良性貧 やグレイベイビー症候群が知られている 髄液への移 がよく 臨床的には髄膜炎などに いることはできるが 副作 のため実臨床で いられることが少なくなっている キノロン系抗菌薬 :[ID0018] キノロン系抗菌薬は DNA ジャイレースまたはトポイソメラーゼの阻害をすることにより DNA-RNA の合成を阻害し 主に殺菌的に抗菌活性を持つ薬剤である 優れた組織移 性 幅広い抗菌スペクトラムを持つため 使 されることが多い薬剤である キノロン系抗菌薬は ニューキノロンとオールドキノロンに分類され ニューキノロンはさらに 肺炎球菌への抗菌活性と組織移動性を強めたレスピラトリーキノロンと レスピラトリーキノロンに細分類される 市中肺炎の原因菌に幅広く抗菌活性を持つが 結核菌にも効果を し発 を遅らせる可能性があるため 使 する際には事前に結核菌を 分に除外する オールドキノロンには ナリジクス酸 ( ウイントマイロン ) ピペミド酸 ( ドルコール ) シノキサシン ( タツレキシン ) が属す 現在 いられることは少ないが 腸内細菌などのグラム陰性菌に対する抗菌 に優れる ニューキノロンのうちの レスピラトリ キノロンには ノルフロキサシン ( バクシダール ) オフロキサシン ( タリビッド ) シプロフロキサシン ( シプロキサン ) ロメフロキサシン ( ロメバクト バレオン ) パズフロキサシン ( パズクロス パシル ) プルリフロキサシン ( スオード ) などの薬剤が属する ニューキノロンのうちのレスピラトリーキノロンには トスフロキサシン ( オゼックス トスキサシン ) レボフロキサシン ( クラビット ) モキシフロキサシン ( アベロックス ) シタフロキサシン ( グレースビット ) ガレノキサシン ( ジェニナック ) が属する サルファ剤 : サルファ剤は下記の ST 合剤の 要素となる薬剤であり 葉酸の合成阻害を うことにより DNA-RNA の合成を阻害し 主に殺菌的に抗菌活性を持つ薬剤である サルファ剤に属する薬剤として スルファジメトキシン ( アプシード ) がある ST 合剤 :[ID0019] ST 合剤である スルファメトキサゾール トリメトプリム配合薬 ( バクトラミン ) は 葉酸の合成阻害を うことにより DNA-RNA の合成を阻害し 主に殺菌的に抗菌活性を持つ薬剤である スルファメトキサゾールとトリメトプリムは微 物の葉酸の合成経路を異なる点で阻害する time above MIC 依存的に抗菌活性を持つ したがって 投与回数を増やし 中濃度を維持することが望ましい 通常 6 8 時間ごとに内服する ST 合剤として 経 薬ではバクタ 点滴薬ではバクトラミンが存在する リファンピシン : リファンピシンは優れた抗結核作 を持つ抗菌薬である ただし 結核菌のほかにインフルエンザ桿菌 髄膜炎菌 ブドウ球菌などに抗菌活性を持つ 腸管の吸収もよく体内移 も優れた薬剤である また プラスチック等の 物にも親和性がよく 弁や 関節などの感染症に いられる オレンジ の薬剤で尿や涙汗がオレンジ に染まる したがってコンタクトレンズを使 している場合は使 を中 する また CYP の誘導をすることが知られており ワルファリンなどの薬剤の代謝を めるため併 に注意が必要である 臨床的には 結核の治療 髄膜炎菌感染の予防 ブドウ球菌の治療時の併 薬として いられる ポリペプチド系抗菌薬 : ポリミキシン B( ポリミキシン ) ダプトマイシン ( キュビシン ) は ペプチド系の抗菌薬と呼ばれ 細胞膜に結合し膜を破壊することにより抗菌活性を持つ 副作 としてはミオパチーが知られている MRSA による軟部組織感染症に いられることがある 2016/03/30 Page 6 of 34

7 追加情報ページへのリンク 抗菌薬 ( 薬理 ) に関する詳細情報抗菌薬 ( 薬理 ) に関する画像 (5 件 ) 薬剤中分類 法 同効薬 診療報酬は エルゼビアが独 に作成した薬剤情報であり 著者により作成された情報ではありません 尚 法は添付 書より 同効薬は 薬剤師監修のもとで作成しております 薬剤情報の ( 適外 / 適内 / 量内 / 量外 / 適 ) 等の表記は エルゼビアジャパン編集部によって記載 時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております ただし これらの記載は 実際の保険適 の査定において保険適 及び保険適 外と判断されることを保証するものではありません また 検査薬 輸液 液製剤 全 酔薬 抗癌剤等の薬剤は保険適 の記載の 部を割愛させていただいています ( 詳細はこちらを参照 ) 著者の COI(Conflicts of Interest) 開 : 中原保裕 : 原稿料 (( 株 ) 学研メディカル秀潤社 ) 最終更新 : 2016 年 3 30 << ページ末尾 :#searchdetails4.aspx?diseaseid=3820>> 2016/03/30 Page 7 of 34

8 詳細情報 #3820 抗菌薬 ( 薬理 ) 各論 0: ペニシリン系抗菌薬 [ID0010] 中原保裕 今 の臨床サポート 編集部 ポイント ( 薬理 病態 ): ペニシリン系抗菌薬は β ラクタム系抗菌薬の 種で 細菌の細胞壁の合成を阻害することにより殺菌的に抗菌活性を持つ ペニシリン系抗菌薬は さらに 1 古典的ペニシリン 2 広域ペニシリン 3 抗緑膿菌ペニシリン 4β ラクタマーゼ阻害薬配合ペニシリン系に細分類される 1 古典的ペニシリンには ベンジルペニシリンベンザチン ( バイシリン ) ベンジルペニシリン ( ペニシリン G) アンピシリン クロキサシリン配合薬 ( ビクシリン S) などの薬剤が存在する 2 広域ペニシリンには アンピシリン ( ビクシリン ) アモキシシリン ( サワシリン パセトシン ) バカンピシリン ( ペングッド ) アスポキシシリン ( ドイル ) などの薬剤が存在する 3 抗緑膿菌ペニシリンには ピペラシリン ( ペントシリン ) などの薬剤が存在する 4β ラクタマーゼ阻害薬配合ペニシリンには アモキシシリン クラブラン酸配合薬 ( オーグメンチン ) スルタミシリン ( ユナシン ) アンピシリン スルバクタム配合薬 ( ユナシン -S) タゾバクタム ピペラシリン配合薬 ( ゾシン ) などの薬剤が存在する なお タゾバクタム ピペラシリン配合薬 ( ゾシン ) は 抗緑膿菌活性も持つ 投与 法 抗菌活性 : 抗菌活性は時間依存的で post-antibiotic effect を認めない薬剤であるため 治療の際には time above MIC を最 化することで抗菌活性が最 化される グラム陽性菌をターゲットにした場合は time above MIC が薬剤投与間隔の 40% 以上であることが望ましく グラム陰性菌をターゲットにした場合は time above MIC が薬剤投与間隔の 60% 以上であることが望ましい したがって 多くのペニシリン系抗菌薬の半減期は約 1 時間であるため 結果として 回の投与が必要になることが多い 本で処 可能な 量では 海外のエビデンスに基づく加療には 量が不 するときもある 特に市中肺炎に対して オーグメンチンを いる際は 国内の保険適応量であるオーグメンチン配合錠 250RS 1 回 1 錠 1 3 回では ペニシリン量が不 する懸念があり 原則サワシリン [250mg] 1 回 1 錠 1 3 回と併 することを考慮するよう 本感染症学会監修の JAID/JSC 感染症治療ガイド 2011 に記載されている また ペニシリン G ユナシン点滴静注薬も 国の投与量と 本の投与量は異なることが知られている 体内分布 : ほとんどのペニシリン系抗菌薬は 尿中 胆汁中 肺 胸膜腔 膜腔 腹腔 関節腔への移 が認められるが 肺への移 はニューキノロン系抗菌薬と 較して低い また ほとんどのペニシリン系抗菌薬の胆汁排泄率 ( 胆汁濃度 / 清濃度 ) は 100% 以上とよい 髄液移 性 ( 髄液濃度 / 清濃度 ) に関しては 薬品によって異なり 広域ペニシリン ペニシリンは 15% 未満であるのに対し PIPC( ピペラシリン ) は 30% 程度であり 総じて炎症のない場合の髄液移 性は優れてはいない 半減期 排泄 量調整 : 多くのペニシリン系抗菌薬の半減期は約 1 時間である したがって 中濃度を保つためには頻回の投与を必要とする 古典的ペニシリン 広域ペニシリン 抗緑膿菌ペニシリン β ラクタマーゼ阻害薬配合ペニシリンの主な排泄経路は腎である したがって 腎機能障害患者での 量調節には注意を要する 適応菌種 : 古典的ペニシリンは 耐性を持たない多くの好気性グラム陽性球菌 ( ペニシリン耐性肺炎球菌 ペニシリナーゼ産 ブドウ球菌などを除く ) と リステリアなどの 部のグラム陰性桿菌 髄膜炎菌などのグラム陰性球菌 ( ペニシリナーゼ産 淋菌 モナキセラカタラーリスなどを除く ) B.fragilis を除く多くの嫌気性菌に有効である 広域ペニシリンは 上記の古典的ペニシリンに追加して 腸菌 インフルエンザ桿菌 サル 2016/03/30 Page 8 of 34

9 モネラ属 シゲラ属などのグラム陰性桿菌にも有効である 抗緑膿菌ペニシリンは 広域ペニシリンに追加して 緑膿菌とエンテロバクター属 インドール陽性プロテウス属などもカバーするように進化した薬剤である β ラクタマーゼ阻害薬配合ペニシリン系に属する薬剤のスペクトラムは 各薬剤により異なる アンピシリン スルバクタム配合薬 ( ユナシン -S) アモキシシリン クラブラン酸配合薬 ( オーグメンチン ) は モナキセラカタラーリス β ラクタマーゼ産 クレブシエラ属 メチシリン感受性 ブドウ球菌 (MSSA) B.fragilis や β ラクタマーゼ陽性アンピシリン耐性インフルエンザ桿菌などにも有効である タゾバクタム ピペラシリン配合薬 ( ゾシン ) は 抗緑膿菌ペニシリンのスペクトラムに追加して β ラクタマーゼ産 B.fragilis などへの抗菌活性を持つ 上記のように ペニシリン系抗菌薬の開発の歴史は ペニシリナーゼや β ラクタマーゼに対する安定性を確保する歴史であった しかし 近年はペニシリン耐性肺炎球菌のようにペニシリン結合タンパク変異を起こすことによる耐性が進みつつある 現在 中等度耐性も含めると臨床分離される肺炎球菌の 6 割以上がペニシリン耐性肺炎球菌が占めるようになってきており 肺炎球菌性肺炎の治療に通常量のペニシリン系の抗菌薬では不 分な治療となる可能性があり 量投与法などが われることも多い また インフルエンザ桿菌も β ラクタマーゼ陰性アンピシリン耐性 (BLNAR) インフルエンザ桿菌などの菌も培養されるようになってきている 主な臨床的適応 : ペニシリン系薬は現在 溶連菌などによる咽頭炎や 膚軟部感染症 感染性 内膜炎の第 1 選択薬である また β ラクタマーゼ配合ペニシリン系薬であるアモキシシリン クラブラン酸配合薬 ( オーグメンチン ) は 量投与法などで 現在肺炎の第 1 選択薬として いられることも多い また 緑膿菌の関与を疑わせる院内肺炎などでは β ラクタマーゼ配合抗緑膿菌ペニシリン系抗菌薬であるタゾバクタム ピペラシリン配合薬 ( ゾシン ) などが いられることもある 主な副作 : 副作 は総じて少ない 最も重要な副作 はアレルギー反応である 主な相互作 : ペニシリン系薬は プロベンナシッドとの併 で 排泄の遅延が起きることが知られている アンピシリンは EB ウイルスの患者に いることにより 鮮明な浸出性紅斑様 疹や丘疹などを呈する頻度が上昇する ( アンピシリン疹 ) タゾバクタム ピペラシリン配合薬 ( ゾシン ) とメトトレキサート ( リウマトレックス ) の併 は腎尿細管分泌の阻害によりメトトレキサートの 中濃度を上昇させる可能性があるため注意する 添付 書記載の禁忌 副作 情報 : 抗菌薬 ( ペニシリン系 ): 重 な副作 : ショック 溶 性貧 無顆粒球症 急性腎不全等の重篤な腎障害 痙攣 偽膜性 腸炎等の 便を伴う重篤な 腸炎 中毒性表 壊死融解症 (Toxic Epidermal Necrolysis TEN) 膚粘膜眼症候群 (Stevens-Johnson 症候群 ) 出 性膀胱炎その他の副作 : 発熱 発疹 蕁 疹 好酸球増多 顆粒球減少 板減少 貧 AST(GOT) 上昇 管痛 静脈炎 梅毒患者におけるヤーリッシュ ヘルクスハイマー反応 ( 発熱 全 倦怠感 頭痛等の発現 病変部の増悪 ) ( 以上はベンジルペニシリン [ 注射 ペニシリン G カリウム ] の添付 書の情報をもとに作成 ) 抗菌薬 (β ラクタマーゼ阻害薬配合ペニシリン ): 重要な副作 : ショック 溶 性貧 間質性腎炎 急性腎不全 偽膜性 腸炎その他の副作 : 発熱 発疹 じん 疹 好酸球増多症 肝機能障害 (AST(GOT) 上昇 ALT(GPT) 上昇 ) 下痢 悪 欲不振 梅毒患者におけるヤーリッシュ ヘルクスハイマー反応 ( 発熱 全 倦怠感 頭痛等の発現 病変部の増悪 ) ( 以上はアモキシシリン クラブラン酸配合 [ オーグメンチン配合錠 125SS] の添付 書の情報をもとに作成 ) 2016/03/30 Page 9 of 34

10 1: セフェム系抗菌薬 [ID0011] ポイント ( 薬理 病態 ): セフェム系抗菌薬は 抗菌薬として最も使 頻度の い薬剤であり ペニシリン系抗菌薬と同様 β ラクタム系抗菌薬の 種で 細菌の細胞壁の合成を阻害することにより殺菌的に抗菌活性を持つ セフェム系抗菌薬は その開発された時期と抗菌スペクトラムの特徴により さらに 1 第 1 世代 2 第 2 世代 3 第 3 世代 4 第 4 世代 5β ラクタマーゼ阻害薬配合セフェム系抗菌薬に細分類される また その構造の違いにより セファロスポリン セファマイシン オキサセフェムに細分類される 1 第 1 世代には セファゾリン ( セファメジン セファゾリン Na) セファレキシン ( ケフレックス ) セファクロル ( ケフラール ) セフロキサジン ( オラスポア ) セファロチン ( コアキシン ) などの薬剤が存在する 2 第 2 世代には 嫌気性菌をカバーするセフメタゾール ( セフメタゾン ) と 嫌気性菌をカバーしないセフォチアム ( パンスポリン ハロスポア ケミスポリン ) セフロキシム ( オラセフ ) セフミノクス ( メイセリン ) などの薬剤が存在する 3 第 3 世代は さらに細かく 抗緑膿菌活性を持たない 経 第 3 世代セフェムと 抗緑膿菌活性を持つ 経 第 3 世代セフェムと 経 セフェムに細分類される 抗緑膿菌活性を持たない 経 第 3 世代セフェムには セフォタキシム ( セフォタックス クラフォラン ) セフトリアキソン ( ロセフィン ) セフォジジム ( ケニセフ ) セフチゾキシム ( エポセリン ) ラタモキセフ ( シオマリン ) が存在し 抗緑膿菌活性を持つ 経 第 3 世代セフェムには セフタジジム ( モダシン ) セフォペラゾン ( セフォビッド ) が存在する また 経 第 3 世代セフェムには フロモキセフ ( フルマリン ) セフィキシム ( セフスパン ) セフテラム ( トミロン ) セフポドキシム ( バナン ) セフジニル ( セフゾン ) セフジトレン ( メイアクト MS) セフカペン ( フロモックス ) セフチブテン ( セフテム ) などの薬剤が存在する なお 抗緑膿菌活性を持たない 経 第 3 世代セフェムの中で セフトリアキソン ( ロセフィン ) セフォペラゾン ( セフォペラジン セフォビッド ) が 胆汁 腎の両 で排泄されるため腎障害の患者でも 較的使 をしやすい 経 第 3 世代セフェムは 腸管からのバイオアベイラビリティに落ちる薬剤が多い 4 第 4 世代は セフェピム ( マキシピーム ) セフピロム ( ケイテン ブロアクト ) セフォゾプラン ( ファーストシン ) が存在する 5β ラクタマーゼ阻害薬配合セフェム系抗菌薬は スルバクタム セフォペラゾン配合薬 ( スルペラゾン ) が存在する 投与 法 抗菌活性 : 抗菌活性は時間依存的で post-antibiotic effect を認めない薬剤であるため 治療の際には time above MIC を最 化することで抗菌活性が最 化される グラム陽性菌をターゲットにした場合は time above MIC が薬剤投与間隔の 40% 以上であることで最 の効果が 込まれる グラム陰性菌をターゲットにした場合は time above MIC が薬剤投与間隔の 40% で効果が現れ 80% で最 の効果を認める 体内分布 : 尿中 胆汁中 肺 胸膜腔 膜腔 腹腔 関節腔への移 が認められる 胆汁排泄率 ( 胆汁濃度 / 清濃度 ) のよい薬剤としてセフトリアキソン ( ロセフィン ) セフォペラゾン ( セフォペラジン セフォビッド ) が知られている 髄液移 性 ( 髄液濃度 / 清濃度 ) の優れる薬剤としては セフタジジム ( モダシン ) (20 40%) が知られている しかし その他の薬剤の 炎症時の髄液移 性はあまり期待できない ただし 炎症時の髄液移 性が良好でないが原因菌に対する抗菌性を考慮して セフォタキシム ( セフォタックス, クラフォラン ) セフトリアキソン ( ロセフィン ) は細菌性髄膜炎で良く いられている 半減期 排泄 量調整 : 多くのセフェム系薬剤の半減期は ペニシリン系より く通常 1 3 時間程度である セフトリアキソン ( ロセフィン ) は 例外的にさらに半減期が 7 時間と く 外来で 1 1 回投与にて 2016/03/30 Page 10 of 34

11 いられることが多い また ほとんどのセフェム系抗菌薬の主な排泄経路は腎排泄であり 腎機能障害患者での 量調節には注意を要する 例外として セフトリアキソン ( ロセフィン ) セフォペラゾン ( セフォペラジン セフォビッド ) は 胆汁 腎臓の両 で排泄される 適応菌種 : 第 1 世代セフェムの適応菌種は 広域ペニシリンと べてペニシリナーゼに安定であり 好気性グラム陽性球菌に対して抗菌活性がある 特に ペニシリナーゼ産 ブドウ球菌に対して抗菌活性を認めるため MSSA の第 1 選択として いられることが多い 腸球菌 (D 群レンサ球菌 ) を除くレンサ球菌にも抗菌活性を持つ 腸菌 クレブシエラ属 プロテウスなどの陰性桿菌にも有効であるが セファロスポリナーゼに不安定であり さまざまな耐性菌の報告もあるため 使 は軽症で薬剤感受性を認める場合に限られている 第 2 世代セフェムは 第 1 世代と 較して グラム陰性桿菌であるインフルエンザ菌 嫌気性菌に対して抗菌活性を広げた代わりにグラム陽性菌に対して抗菌活性が弱まっている 第 3 世代セフェムは 第 2 世代と同様 インフルエンザ菌と嫌気性菌に抗菌活性を持っている 第 2 世代よりも エンテロバクター属 シトロバクター属 バクテリオイデス属に対して抗菌活性が優れるが 般的には MSSA 緑膿菌に対する抗菌 が弱い ただし 第 3 世代セフェムは 薬剤ごとに抗菌活性が異なり セフタジジム ( モダシン ) は緑膿菌への抗菌活性を持つ また セフトリアキソン ( ロセフィン ) は 肺炎球菌 インフルエンザ菌 髄膜炎菌への抗菌活性を認める 従って セフトリアキソン ( ロセフィン ) は髄膜炎の治療に いられることがある 第 4 世代セフェムは 第 3 世代セフェムの弱点である MSSA 緑膿菌に対する抗菌 を認め 広域な抗菌活性を持つ ただし 通常 量では緑膿菌への抗菌活性は 第 3 世代のセフタジジム ( モダシン ) より劣る β ラクタマーゼ阻害薬配合セフェム系抗菌薬は スルバクタム セフォペラゾン配合薬 ( スルペラゾン ) で 第 3 世代セフェムに β ラクタマーゼ阻害薬を配合した薬剤である なお すべてのセフェム系抗菌薬は腸球菌に対して抗菌活性を持たない 主な臨床的適応 : 第 1 世代セフェムの適応は 市中感染の 膚軟部組織感染症 単純性尿路感染症 胆道疾患 術の術前投与などである 第 2 世代セフェムの適応は 特にインフルエンザ桿菌を原因菌に含む市中肺炎などで いられる また 嫌気性菌に抗菌活性を持つセファマイシン系薬であるセフメタゾール ( セフメタゾン ) は グラム陰性菌と嫌気性菌の混合感染を起こしやすい腹腔内 盤内感染症に いられることが多い 第 3 世代セフェムの適応は 第 1 世代セフェム 第 2 世代セフェムにて効果を認めない β ラクタマーゼ産 グラム陰性桿菌が原因菌となる尿路感染 院内肺炎 髄膜炎などである 患者のコンプライアンスが問題になる淋菌感染症では 1 回の投与効果が いセフトリアキソン ( ロセフィン ) はよい適応であり また 緑膿菌の感染症を疑う場合に セフタジジム ( モダシン ) はよい適応である 主な副作 : 抗菌薬の中では副作 は総じて少ない 最も重要なものはアレルギー反応である なお ペニシリン系とセフェム系のアレルギー交差反応は 1 7% 程度であり ペニシリン系にアレルギーを認める場合は基本的には多剤を いることが望ましい ほかに 発疹 下痢などの副作 を認める 主な相互作 : アルコールとの併 で ジスルフィラム ( 嫌酒薬 ) 様作 が じ潮紅 悪 頻脈などの症状を訴えることがある 添付 書記載の禁忌 副作 情報 : 抗菌薬 ( セフェム系第 1 世代 ): 重要な副作 : ショック アナフィラキシー (0.1% 未満 ) 急性腎不全 (0.1% 未満 ) 溶 性貧 (0.1% 未満 ) 偽膜性 腸炎 (0.1% 未満 ) 中毒性表 壊死融解症 (toxic epidermal necrolysis TEN) 膚粘膜眼症候群 (Stevens-Johnson 症候群 ) ((0.1% 未満 ) 間質性肺炎 PIE 症候群 (0.1% 未満 ) その他の副作 : 2016/03/30 Page 11 of 34

12 発疹 じん 疹 紅斑 搔痒 発熱 リンパ腺腫脹 関節痛等 顆粒球減少 好酸球増多 板減少 疸 AST(GOT) 上昇 ALT(GPT) 上昇 ALP 上昇 悪 嘔吐 下痢 軟便 腹痛 欲不振 胃不快感等 内炎 カンジダ症 ビタミン K 乏症状 ( 低プロトロンビン 症 出 傾向等 ) ビタミン B 群 乏症状 ( 炎 内炎 欲不振, 神経炎等 ) 頭痛 めまい 全 倦怠感 ( 以上はセファレキシン [L- ケフレックス 児 顆粒 ] の添付 書の情報をもとに作成 ) 抗菌薬 (β ラクタマーゼ阻害薬配合セフェム系 ): 重要な副作 : ショック アナフィラキシー様症状 ( 呼吸困難等 ) 急性腎不全 偽膜性 腸炎 間質性肺炎 PIE 症候群 中毒性表 壊死融解症 (toxic epidermal necrolysis TEN) 膚粘膜眼症候群 (Stevens-Johnson 症候群 ) 液障害 劇症肝炎 肝機能障害 疸その他の副作 : 発疹 ( 斑状丘疹性 疹等 ) 搔痒 じん 疹 紅斑 球減少 板増多 球減少 好酸球増多 貧 AST(GOT) ALT(GPT) ALP の上昇 ビリルビンの上昇 下痢 軟便 悪 嘔吐 けいれん 内炎 カンジダ症 発熱 頭痛 尿 ビタミン K 乏症状 ( 低プロトロンビン 症 出 傾向等 ) ビタミン B 群 乏症状 ( 炎 内炎 欲不振 神経炎等 ) 低 圧 管炎 注射部静脈炎 注射部痛 ( 以上はスルバクタム セフォペラゾン配合 [ スルペラゾン静注 0.5g] の添付 書の情報をもとに作成 ) 2: カルバペネム系抗菌薬 [ID0012] ポイント ( 薬理 病態 ): カルバペネム系抗菌薬は ペニシリン系抗菌薬と同様 β ラクタム系抗菌薬の 種で 細菌の細胞壁の合成を阻害することにより殺菌的に抗菌活性を持つ その特筆すべき特徴はグラム陽性菌からグラム陰性菌まで幅広い抗菌スペクトラムを持つことであり 重症 難治性の感染症の治療に いられる 注射薬としては メロペネム ( メロペン ) イミペネム シラスタチン配合薬 ( チエナム ) パニペネム ベタミプロン配合薬 ( カルベニン ) ビアペネム ( オメガシン ) ドリペネム ( フィニバックス ) などが存在する また 経 薬としては テビペネム ( オラペネム ) が存在し 児の中 炎 副 腔炎 肺炎に適応を限定するかたちで発売されている 投与 法 抗菌活性 : 注射薬のカルバペネムは 抗菌活性は時間依存的で post-antibiotic effect(pae) を認めない薬剤であるため 治療の際には time above MIC を最 化することで抗菌活性が最 化される グラム陽性菌をターゲットにした場合は time above MIC が薬剤投与間隔の 40% 以上であることで最 の効果が 込まれる グラム陰性菌をターゲットにした場合は time above MIC が薬剤投与間隔の 20 30% で効果が現れ 40 50% で最 の効果を認めるとされる また テビペネム ( オラペネム ) の薬効と最も相関するパラメーターは AUC/MIC であることも知られている これはテビペネム ( オラペネム ) の持つ PAE によるものと推察されている 体内分布 : カルバペネム系抗菌薬の注射薬に関しては 尿中 胆汁中 肺 胸膜腔 膜腔 腹腔 関節腔への良好な移 が認められる また テビペネム ( オラペネム ) の 漏への移 はおおむね良好である 半減期 排泄 量調整 : カルバペネム系抗菌薬の注射薬 テビペネム ( オラペネム ) の半減期はともに 1 時間程度である 中濃度を保つには頻回の投与が必要になる 適応菌種 : カルバペネム系抗菌薬は 上述のように グラム陽性菌からグラム陰性菌まで幅広い抗菌スペクトラムを持ち MRSA Enterococcus faecium Stenotophomonas maltophilia と Serratia marcescens を除くほぼすべての菌に抗菌作 を持つ MSSA ブドウ球菌 肺炎球菌 溶連菌 腸菌 肺炎桿菌 緑膿菌 アシネトバクターなどに対しても優れた抗菌 を持つ 近年 緑膿菌のカルバペネムに対する耐性菌化が進んでいる 2016/03/30 Page 12 of 34

13 ため注意が必要である また テビペネム ( オラペネム ) は 緑膿菌 アシネトバクター Enterococcus feecium を除き 幅広い菌種に抗菌活性を持つが 適応が 児の中 炎 副 腔炎 肺炎に限定されているため保険上の適応菌種はそれらの起因菌となっている 主な臨床的適応 : 注射薬に関しては 基本的には他の薬剤で治療が困難な重症 難治性の院内肺炎 細菌性髄膜炎 などの治療に いられることが実臨床では多い テビペネム ( オラペネム ) に関しては 児中 炎 副 腔炎 肺炎に限定している 主な副作 : 他の β ラクタム系抗菌薬と同様 副作 は総じて少ない カルバペネム系に特徴的な副作 として イミペネム シラスタチン配合薬 ( チエナム ) によってけいれんが誘発されるという現象が認められている 主な相互作 : バルプロ酸の 中濃度が低下することが知られており バルプロ酸との併 は禁忌とされている 添付 書記載の禁忌 副作 情報 : 禁忌 : バルプロ酸ナトリウム投与中の患者重要な副作 : ショック アナフィラキシー 急性腎不全等の重篤な腎障害 劇症肝炎 肝機能障害 疸 偽膜性 腸炎等の 便を伴う重篤な 腸炎 間質性肺炎 PIE 症候群 けいれん 意識障害等の中枢神経症状 中毒性表 壊死融解症 (toxic epidermal necrolysis TEN) 膚粘膜眼症候群 (Stevens-Johnson 症候群 ) 汎 球減少 無顆粒球症 溶 性貧 球減少 板減少 栓性静脈炎その他の副作 : 発疹 発熱 じん 疹 紅斑 搔痒 発 等 熱感 顆粒球減少 好酸球増多 板減少または増多 球減少 ヘモグロビンの減少等 好塩基球増多 リンパ球増多 好中球増多 単球増多 ヘマトクリットの減少 異型リンパ球出現等 AST(GOT) ALT(GPT) LDH ALP LAP γ-gtp ビリルビン 尿ウロビリノーゲンの上昇 コリンエステラーゼ低下等 疸 BUN クレアチニンの上昇 尿中 β2- マイクログロブリンの上昇 尿蛋 陽性 下痢 嘔気 嘔吐 腹痛 欲不振 内炎 カンジダ症 ビタミン K 乏症状 ( 低プロトロンビン 症 出 傾向等 ) ビタミン B 群 乏症状 ( 炎 内炎 欲不振 神経炎等 ) 清カリウム上昇 頭痛 倦怠感 不穏 清ナトリウム低下 清カリウム低下 CK(CPK) 上昇 トリグリセリド増加 胸部不快感 中尿酸減少または増加 注射部位反応 ( 炎症 疼痛 硬結等 ) ミオクローヌス せん妄 ( 以上はメロペネム [ メロペン点滴 バイアル 0.25g] の添付 書の情報をもとに作成 ) 3: グリコペプチド系抗菌薬 [ID0013] ポイント ( 薬理 病態 ): グリコペプチド系抗菌薬は 細菌の細胞壁の合成を阻害することにより殺菌的に抗菌活性を持つ薬剤である グリコペプチド系抗菌薬には バンコマイシン ( 塩酸バンコマイシン ) テイコプラニン ( タゴシッド ) が存在し バンコマイシンには経 薬と注射薬 テイコプラニンには注射薬が存在する グラム陽性菌全般に抗菌スペクトラムを持つが 実臨床現場では リネゾリド ( ザイボックス ) アルベカシン ( ハベカシン ) リファンピシン ST 合剤 ミノマイシンなどとともに MRSA の治療に いられることが多い 近年ブドウ球菌のバンコマイシン耐性化がすすんでおり MIC のやや い菌が増加する傾向にある テイコプラニン ( タゴシッド ) の耐性菌はほとんど確認されていない 投与 法 抗菌活性 : グリコペプチド系抗菌薬は 抗菌活性は時間依存的で post-antibiotic effect を認める薬剤であるため 治療の際には AUC/ MIC を最 化することで抗菌活性が最 化される ただし 通常は投与量の設計の 的では AUC は測定せず 投与直前 中濃度 ( トラフ値 ) により代 をする事が多い バンコマイシンの投与量に関しては 腎機能正常例では 1 回 mg/kg( 実測体重 ) を /03/30 Page 13 of 34

14 時間毎に投与する なお 1 3g 以上の投与は慎重に い 1 4g を上限とする バンコマイシンをあまり急激に投与するとレッドマン症候群を発症することがあるため それを回避するために 1 g 以上の投与では 1 時間以上をかけて投与する必要がある また 1g を超える量に関しては 500 mg あたり 30 分以上を 安に投与時間を延 する 透析患者においては 初 は mg/kg( 実測体重 ) を 1 回投与する ( 専 家は mg/kg を推奨している ) なお バンコマイシンは透析で除去されるため その後は 透析 のみに透析後に通常量の半量 ( mg/kg) の投与を う 持続的 液ろ過透析中の患者においては 通常の透析患者と同様に初回投与を い その後は 24 時間ごとに通常量の半量 ( mg/kg) の投与をしながら週 1 回程度 中濃度の評価を い 量を調節する 持続的腹膜透析関連腹膜炎患者に腹腔内投与する場合には 無尿の場合は mg/kg を無尿ではない患者には 25% 増量した量を 5 7 おきに投与する バンコマイシンの TDM に関しては 4 以上バンコマイシン治療を う可能性のある場合を う 特に 量投与時 重症感染症例 腎機能障害例 ( 透析も含む ) 肥満または低体重を認める患者 分布容積が予測困難な特殊病態症例では評価が必要である 腎機能正常で 1 2 回投与の場合 初回は 中濃度が安定した頃である 3 の 4 5 回投与直前の採 で評価し その後は 1 週間に 1 回の評価を基本とし 動態が不安定な場合や 量の投与を っている患者 腎機能低下を認める患者 腎障害のリスクが い患者では より頻回の評価を う トラフ値の測定には投与前 30 分以内の採 をし トラフ値が 10 20μg/mL にするように投与設計を う 特に ピーク値が 60 80μl/mL 以上 トラフ値が 30μg/mL 以上であると副作 が増えることが知られている なお MRSA 肺炎の治療成功率はバンコマイシンの AUC/MIC が 400 以上に達したことと相関しており 重症感染 ( 菌 症 内膜炎 髄炎 髄膜炎 院内肺炎 医療 介護関連肺炎 重症 膚軟部組織感染 ) では AUC/MIC を 400 以上に保つため 副作 に注意しつつトラフ値を 15 20μg/mL のレベルで維持することが提唱されてもいる なお トラフ値 20 μg/ml 以上は腎毒性の発現が 率となる 重篤な感染症や 内膜炎 関節感染症などの複雑性感染症の場合は 早期に 中濃度を上げるために初回のみローディングドーズ 25 30mg/kg を考慮する バンコマイシンの MIC が 2 μg/ml の MRSA が原因菌の場合は代替療法を考慮し MIC が 4 μg/ml の場合は他の治療を選択する ただし その際にはテイコプラニンでは交差耐性の可能性があることに注意する なお 通常ピーク値を測定する必要は少ないが 必要な場合は点滴終了後 1 2 時間後に測定し ピーク値は 25 40μg/mL にコントロールをする テイコプラニン ( タゴシッド ) の投与 法に関しては 添付 書の記載では 成 にはテイコプラニンとして初 400mg または 800mg を 2 回に分け 以後 1 1 回 200mg または 400mg を 30 分以上かけて点滴静注する と記載されている しかし 初回の TDM でトラフ値を 15 μg/ml 以上とするためには 通常この 量では不 しており 2 間 400 mg(6 mg/kg)1 2 回の連続投与もしくはそれ以上の 量が必要となる事が多い 症例ごとに投与量を検討する 腎機能低下患者 透析患者 持続的 液ろ過透析でも 初 よりローディングドーズを含め 3 間は腎機能正常者と同じ投与を う その後は投与間隔の延 または 1 回投与量の減量を う 透析患者では透析 に透析後に 3 6 mg/kg を 持続的 液ろ過透析患者では 48 時間毎に 3 6 mg/kg 投与 ( または 1 回 3mg/kg 連 投与 ) を維持 量の 安として投与し 週 1 回程度 中濃度を評価し調節する なお 低アルブミン 症では 投与量から予想されるよりも 中濃度が低くなることがある テイコプラニン ( タゴシッド ) の TDM に関しては 4 以上の治療を受ける患者で考慮する テイコプラニン ( タゴシッド ) の 標トラフ値は 10 30μg/mL である なお 専 家は 15 μg/ml 以上を推奨している 特に 重症例や 内膜炎 関節感染症などの複雑性感染症では 標トラフ値を 20 μg/ml 以上に設定する なお トラフ値が 30μg/mL 以上で効果が上昇するという報告はなく 40 60μg/mL 以上では 腎障害 液毒性 肝障害などの副作 が報告されている したがって 30 μg/ml 以上で維持することは推奨されていない 初回 中濃度の評価は負荷投与を った症例では腎機能に関わらず 3 間投与後 通常は 4 に採 を う また 前 に 1 2 回の負荷投与を った場合は トラフ値の採 は最終投与から 18 時間以上経過してから う 体内分布 : バンコマイシン テイコプラニンは ともに分 量も きく リネゾリド ( ザイボックス ) と 較して組織移 性がよくない バンコマイシンは経 から投与された場合に 腸管から吸収されない 適応菌種 : グラム陽性菌に対して好気性 嫌気性を問わずに抗菌 を認める 表層構造に外膜を持 2016/03/30 Page 14 of 34

15 つグラム陰性菌では 薬剤が細胞内へ透過するのを障害されるため効果がない 主な臨床的適応 : 経 のバンコマイシン投与は クロストリジウムディフィシル感染症と MRSA 腸炎に いられる 注射薬のバンコマイシンとテイコプラニンは 主に MRSA 感染症やペニシリン耐性肺炎球菌感染症に いられる 添付 書記載の禁忌 副作 情報 : バンコマイシン : 警告 : 本剤の耐性菌の発現を防ぐため 法 量に関連する使 上の注意 の項を熟読のうえ 適正使 に努めること 重要な副作 : ショック (0.1% 未満 ) アナフィラキシー様症状, 急性腎不全 間質性腎炎 汎 球減少 無顆粒球症 板減少 中毒性表 壊死融解症 (toxic epidermal necrolysis TEN) 膚粘膜眼症候群 (Stevens-Johnson 症候群 ) 剥脱性 膚炎 第 8 脳神経障害, 偽膜性 腸炎 肝機能障害 疸その他の副作 : 発熱 発疹 潮紅 悪寒 じん 疹 搔痒 好酸球増多 球減少 板減少 貧 AST(GOT) 上昇 ALT(GPT) 上昇 ALP 上昇 下痢 (48%) 悪 (28%) 嘔吐 (34%) 欲不振 BUN 上昇 クレアチニン上昇 内炎 炎 ( 以上はバンコマイシン [ 塩酸バンコマイシン散 0.5g] の添付 書の情報をもとに作成 ) テイコプラニン : 原則禁忌 : アミノグリコシド系抗 物質 ペプチド系抗 物質またはバンコマイシン類に対し過敏症の既往歴のある患者アミノグリコシド系抗 物質 ペプチド系抗 物質またはバンコマイシン類による難聴またはその他の難聴のある患者重 な副作 : ショック アナフィラキシー様症状 第 8 脳神経障害 中毒性表 壊死融解症 (Toxic Epidermal Necrolysis TEN) 膚粘膜眼症候群 (Stevens-Johnson 症候群 ) 紅 症 ( 剥脱性 膚炎 ) 無顆粒球症 球減少 板減少 急性腎不全 肝機能障害 疸その他の副作 : 発熱 発疹 AST(GOT) 上昇 ALT(GPT) 上昇 ALP 上昇 γ-gtp 上昇 疸 LDH 上昇 ビリルビン上昇 好酸球増多 貧 球減少 BUN 上昇 清クレアチニン上昇 圧低下 動悸 圧上昇 欲不振 下痢 嘔吐 悪 痙攣 注射部位疼痛 静脈炎 悪寒 頭痛 ( 以上はテイコプラニン [ 注射 タゴシッド ] の添付 書の情報をもとに作成 ) 4: アミノグリコシド系抗菌薬 [ID0014] ポイント ( 薬理 病態 ): アミノグリコシド系抗菌薬は 30S ribosomal subunit に不可逆的に結合し 蛋 合成を阻害することにより 主に殺菌的に抗菌活性を持つ薬剤である アミノグリコシド系抗菌薬は その抗菌活性によりさらに細かく以下のように分類される 1 抗結核作 を持つ カナマイシン ( カナマイシン ) ストレプトマイシン ( 硫酸ストレプトマイシン ) 2 抗グラム陰性桿菌 のリボスタマイシン ( ビスタマイシン ) 3 抗緑膿菌 のトブラマイシン ( トブラシン ) アミカシン ( アミカシン硫酸塩 ) イセパマイシン ( エクサシン ) ジベカシン ( パニマイシン ) ゲンタマイシン ( ゲンタシン ) 4 淋菌のみに適応を持つスペクチノマイシン ( トロビシン ) 5 抗 MRSA のアルベカシン ( ハベカシン ) アミノグリコシド系抗菌薬は 緑膿菌を含む広範囲のグラム陰性桿菌 グラム陽性球菌に対し 幅広い抗菌スペクトラムのため多くの疾患に適応を持つ その反 嫌気性菌には抗菌活性を持たず また 腎障害や 毒性などの副作 が認められる 投与 法 抗菌活性 : 2016/03/30 Page 15 of 34

16 アミノグリコシド系抗菌薬は中毒域が狭い薬剤であるため TDM の対象となる 中濃度の測定は 筋 注射の場合投与後 分後に 点滴静注の場合には投与後 30 分後に うことが通常である アミカシン ゲンタマイシン トブラマイシンの投与量に関しては以下を参考に投与する アミカシン : 1 回 15 mg/kg を 24 時間毎に投与する 透析患者では 48 時間毎の 3.0 mg/kg の投与を基本とし TDM で調節する なお 透析 は透析後に薬剤を投与する 持続的 液ろ過透析患者では 初回負荷量 10mg/kg 投与後 維持量として 7.5 mg/kg を 時間毎の投与を 安とし TDM で調節するゲンタマイシン トブラマイシン : 1 回 5 7 mg/kg を 24 時間毎に投与する 透析患者では 48 時間毎の mg/kg の投与を基本とし TDM で調節する なお 透析 は透析後に薬剤を投与する 持続的 液ろ過透析患者では 初回 3mg/kg 投与後 維持量として 時間毎の 2 mg/kg 投与を 安とし TDM で調節する ゲンタマイシン ( 感染性 内膜炎 ); 1 mg/kg を 12 時間毎または 8 時間毎に投与する アミカシン ゲンタマイシン トブラマイシンの TDM に関しては 5 以上投与する可能性がある場合や 齢者 感染性 内膜炎患者 国 量など添付 書 量を超えて使 する場合 腎機能低下例 腎毒性のある薬剤の併 や造影剤を使 している患者で う アミカシン ゲンタマイシン トブラマイシンでは Cpeak/MIC 8 10 が必要とされている なお TDM に際し Cpeak( 中濃度と組織中濃度と平衡となるまで待って採 した値 ) とトラフ値を測定し Cpeak は有効性の評価に トラフ値は腎毒性発現の評価に いる 通常 初回採 は投与開始 2 3 で い その後 週間に 1 回程度で う 透析中の患者に関しては 初回を除き透析後に抗菌薬を投与する トラフ値の採 は原則透析前に う Cpeak は 透析患者と同様に測定するアミカシン : 般細菌感染症 : 標 Cpeak 濃度 :56 64 μg/ml 標トラフ値 :1 1 回投与時 :<1 μg/ml 1 分割投与時 : <10 μg/ml ゲンタマイシン : 般細菌感染症 : 標 Cpeak 濃度 :20 (15 25)μg/mL 標トラフ値 :1 1 回投与時 :<1 μg/ml 1 分割投与時 : <2 μg/ml 感染性 内膜炎 : 標 Cpeak 濃度 :3 5 μg/ml 標トラフ値 :1 1 回投与時 :- 1 分割投与時 : <1 μg/ml トブラマイシン : 般細菌感染症 : 標 Cpeak 濃度 :20 (15 25)μg/mL 標トラフ値 :1 1 回投与時 :<1 μg/ml 1 分割投与時 : <2 μg/ml アルベカシン ( ハベカシン ) の投与 法に関しては 添付 書には 成 にはアルベカシン硫酸塩として 1 1 回 mg を 30 分 2 時間かけて点滴静注する と記載されている ただし 腎機能正常者における重症感染症では 標濃度を達成するためには 300 mg( mg/kg) が必要とされる可能性が いが 逆に副作 が増える可能性も有り 症例ごとに選択を う必要がある アルベカシン ( ハベカシン ) の TDM に関しては 1 1 回投与で 5 間以上治療を う可能性のある場合に実施する PK-PD 臨床および細菌学的効果の評価は ピーク濃度 [Cpeak/ 最 発育阻 濃度 (MIC)] で うことが望ましいが 現実の臨床経過は Cmax/MIC 8 が相関し 標 Cmax 濃度 ( 最 中濃度 ) として 9 20 μg/ml が設定されるが 専 家は Cpeak( 中濃度と組織中濃度と平衡となるまで待って採 した値 ) で評価し μg/ml を 標とすることを推奨している 腎機能障害の観点からトラフ値は 2 μg/ml 未満とする通常 初回採 は投与開始 2 3 で い その後 週間に 1 回程度で う 透析中の患者に関しては 初回を除き透析後に抗菌薬を投与する トラフ値の採 は原則透析前に う Cpeak は 透析患者と同様に測定するアミノグリコシド系抗菌薬全般としては 抗菌活性は濃度依存的であるため 治療の際には AUC/ MIC または Cmax/MIC を最 化することで抗菌活性が最 化される その 標は Cmax/MIC 8 10 AUC/ MIC 100 以上とされている また PAE も認めている また β ラクタム系やバンコマイシン等の薬剤との併 で相乗効果を認める 緑膿菌の加療などで いられる際も併 されることも多い 2016/03/30 Page 16 of 34

17 アミノグリコシド系抗菌薬は で投与量が異なることが多い 体内分布 : 尿路 腎臓 関節液への移 はよいが 髄液移 性は悪く全 投与による中枢性感染症への効果は期待できない また 刺激性が少ない薬剤であるため 髄液腔などへの局所投与が われることもある 半減期 排泄 量調整 : 代謝経路は腎臓であり ほぼ 100% 代謝されることなく活性体のまま排泄される 半減期は 通常 2 3 時間で 投与後 30 分ほどで最 中濃度に達することが多い 適応菌種 : アミノグリコシド系抗菌薬は緑膿菌を含む広範囲のグラム陰性桿菌 グラム陽性球菌に対して抗菌活性を持つ その反 嫌気性菌には抗菌活性を持たない 耐性菌に関してはまだそれほど顕著ではないが 緑膿菌の耐性化が認められ始めている 主な臨床的適応 : 幅広い抗菌スペクトラムのため多くの疾患に適応を持つ 抗菌スペクトラムに基づき下記のように分類される 1 抗結核作 を持つアミノグリコシド系抗菌薬は 結核の治療として いられる ほかに ストレプトマイシン ( 硫酸ストレプトマイシン ) は 野兎病 ウェイル病も適応となっている 2 抗グラム陰性桿菌 アミノグリコシド系抗菌薬であるリボスタマイシン ( ビスタマイシン ) は グラム陰性菌の治療に いられる 3 トブラマイシン ( トブラシン ) などの抗緑膿菌 のアミノグリコシド系抗菌薬は β- ラクタム系抗菌薬などと併 して 緑膿菌の治療に いられる 4 スペクチノマイシン ( トロビシン ) は 淋菌のみに適応を持つ 5 抗 MRSA のアルベカシン ( ハベカシン ) は リネゾリド ( ザイボックス ) リファンピシン ST 合剤 ミノマイシンなどとともに MRSA の治療に いられているが 近年ブドウ球菌のバンコマイシン耐性化がすすんでおり MIC のやや い菌が増加傾向にある アルベカシン ( ハベカシン ) の数 % 程度に留まっている 主な副作 : 腎障害 第 8 脳神経障害 神経 菌ブロック 肝障害などが有名である 主な相互作 : バンコマイシン等腎障害を じやすい薬剤との併 で 腎毒性が増強することが知られており 注意が必要である 添付 書記載の禁忌 副作 情報 : 原則禁忌 : 本 またはその 族がアミノグリコシド系抗 物質による難聴またはその他の難聴のある患者 腎障害のある患者 肝障害のある患者重要な副作 : ショック けいれん 第 8 脳神経障害 急性腎不全等の重篤な腎障害 汎 球減少その他の副作 : AST(GOT) ALT(GPT) ALP LDH γ-gtp の上昇等 疸等 腎機能障害 (BUN クレアチニンの上昇等 ) 蛋 尿 カリウム等電解質の異常 浮腫 尿 発疹等 搔痒 発 発熱 じん 疹等 貧 球減少 板減少 好酸球増多等 下痢等 下 軟便 腹痛 悪 嘔吐 欲不振等 注射局所の疼痛または硬結 ( 筋 内注射時 ) ビタミン K 乏症状 ( 低プロトロンビン 症 出 傾向等 ) ビタミン B 群 乏症状 ( 炎 内炎 欲不振 神経炎等 ) 頭痛 指しびれ感 全 けん怠感 ( 以上はトブラマイシン [ トブラシン注 60mg] の添付 書の情報をもとに作成 ) 5: マクロライド系抗菌薬 [ID0015] ポイント ( 薬理 病態 ): マクロライド系抗菌薬は 50S ribosomal subunit に結合し 蛋 合成を阻害することにより 主に静菌的に抗菌活性を持つ薬剤である マクロライド系抗菌薬は その基本構造に基づきさらに細かく 以下の 3 つに細分類される 2016/03/30 Page 17 of 34

18 114 員環マクロライドのエリスロマイシン ( エリスロシン ) クラリスロマイシン ( クラリス クラリシッド ) ロキシスロマイシン ( ルリッド ) 215 員環マクロライドのアジスロマイシン ( ジスロマック ) 316 員環マクロライドのジョサマイシン ( ジョサマイ ) ロキタマイシン ( リカマイシン ) スピラマイシン ( アセチルスピラマイシン ) マクロライド系抗菌薬は市中肺炎の原因菌である肺炎球菌 インフルエンザ桿菌 マイコプラズマ レジオネラに対して抗菌活性を持つため広く市中感染症に対して いられていた しかし 近年 肺炎球菌 インフルエンザ菌耐性菌が増えており 深刻な問題となっている 例えば 本における肺炎球菌の分離株の 80% 以上が エリスロマイシン ( エリスロシン ) 耐性である この耐性獲得機序の 部は結合部位のジメチル化変異によるものであり 他のマクロライドまたはリンコマイシン系への交差耐性を持つことがある 投与 法 抗菌活性 : マクロライド系抗菌薬の抗菌活性は時間依存的である エリスロマイシンやクラリスロマイシンは PAE が短いため time above MIC 依存的に抗菌活性を持ち アジスロマイシンは PAE が いため AUC/MIC 依存的に抗菌活性を持つと考えられている ただし 優れた組織移 性のため必ずしも上記の PK-PD 理論のみで説明できるわけではない 分布 : 般的に臓器移 性はよく 肺 肝臓 腎臓 胆汁 尿路 関節液への移 に優れる 半減期 排泄 量調整 : 基本的には肝臓代謝の薬剤である エリスロマイシン クラリスロマイシンなどの 14 員環マクロライドは CYP3A4 に対して強い阻害作 を持つため CYP3A4 で主に分解される薬剤との併 には注意が必要である 員環マクロライドでは CYP3A4 阻害作 は弱くなっている 適応菌種 : 耐性菌は増加しているものの市中肺炎に現在も いられている また 定型菌に関係する感染症の治療に いられる また 員環マクロライドは びまん性汎細気管 炎などの難治性の慢性気道感染症に対して少量 期投与が われる 主な臨床的適応 : 幅広い抗菌スペクトラムのため多くの疾患に適応を持つ 主な副作 : 副作 は少なく 胃腸障害がほとんどであるが 肝障害なども 部みられる 主な相互作 : エリスロマイシン クラリスロマイシンなどの 14 員環マクロライドは CYP3A4 に対して強い阻害作 を持つため CYP3A4 で代謝をされる薬剤の 中濃度を上昇させることが知られており 注意が必要である : 臨床的に併 されることの多い CYP3A4 で代謝をされる薬剤として スタチン Ca 拮抗薬 ( ジヒドロピリジン系含む ) プロトンポンプ阻害薬であるオメプラール 抗不整脈薬である抗うつ薬であるイミプラミン ( トフラニール ) アミトリプチリン ( ノーマルン ) など 催眠鎮静薬であるトリアゾラム ( ハルシオン ) ミダゾラム ( ドルミカム ) 免疫抑制薬であるシクロスポリン ( ネオーラル ) タクロリムス ( プログラフ ) 抗てんかん薬カルバマゼピン ( テグレトール ) ゾニサミド ( エクセグラン ) ホルモン製剤であるヒドロコルチゾン ( コートリル ソル コーテフ ) エストラジオール テストステロン配合 ( プリモジアン ) タモキシフェン マクロライド系抗菌薬であるエリスロマイシン ( エリスロシン ) クラリスロマイシン ( クラリス ) ジョサマイシン ( ジョサマイ ) ロキタマイシン ( リカマイシン ) などがあげられる これらの薬剤は エリスロマイシンやクラリスロマイシンを内服した場合 中濃度が 4 倍程度に上昇するとの報告も有り 基本的には併 はしないことが望ましい 逆に マクロライド系抗菌薬 も CYP3A4 で代謝されるため CYP3A4 の阻害薬との併 で 中濃度が上昇する 阻害作 をもつ薬剤に グレープフルーツジュース カルシウム拮抗薬であるベラパミル ( ワソラン ) ジルチアゼム ( ヘルベッサー ) アゾール系抗菌薬であるミコナゾール ( フロリード ) イトラコナゾール ( イトリゾール ) フルコ 2016/03/30 Page 18 of 34

19 ナゾール ( ジフルカン ) や マクロライド系抗 物質であるエリスロマイシン ( エリスロシン ) クラリスロマイシン( クラリス ) H 2受容体拮抗薬であるシメチジン ( タガメット ) 制吐薬であるアプレピタント( イメンド ) 抗 HIV 薬の 部 抗 HCV 薬の 部などが挙げられる また 抗菌薬であるリファンピシン 抗てんかん薬であるフェニトイン ( アレビアチン ) フェノバルビタール( フェノバール ) カルバマゼピン( テグレトール ) エンドセリン受容体拮抗薬であるボセンタン( トラクリア ) などは CYP3A4の活性上昇を誘導することも知られており これらの薬剤と併 する際には 中濃度が低下している可能性があることに留意をする 添付 書記載の禁忌 副作 情報 : 禁忌 : エルゴタミン含有製剤 ピモジドを投与中の患者重要な副作 : 偽膜性 腸炎等の 便を伴う重篤な 腸炎 室頻拍 QT 延 ショック アナフィラキシー 中毒性表 壊死融解症 (toxic epidermal necrolysis TEN) 膚粘膜眼症候群 (Stevens-Johnson 症候群 ) 急性腎不全 ( 急性間質性腎炎 ) 肝機能障害 疸その他の副作 : 発疹 じん 疹 欲不振 悪 嘔吐 胃部不快感 下痢 胃痛 腹部けいれん 腸 便秘 膵炎 ( 以上はクラリスロマイシン [ クラリス錠 200mg] の添付 書の情報をもとに作成 ) 6: リンコマイシン系抗菌薬 [ID0016] ポイント ( 薬理 病態 ): リンコマイシン系抗菌薬は マクロライド系抗菌薬と同様に 50S ribosomal subunit に結合し 蛋 合成を阻害することにより 主に静菌的に抗菌活性を持つ薬剤である 化学構造がマクロライドと似ているため臨床的に似ているところが多い リンコマイシン系抗菌薬に属する薬剤として クリンダマイシン ( ダラシン ) リンコマイシン ( リンコシン ) などがある 優れた嫌気性菌への抗菌活性を持つため 誤嚥性肺炎などの嫌気性菌の感染症に いられることが多い マクロライドと交差耐性を認めることがある エリスロマイシン耐性株へクリンダマイシン使 を考慮する場合には D test でエリスロマイシン誘導耐性のないことを確認する 投与 法 抗菌活性 : リンコマイシン系抗菌薬は時間依存的で PAE が短いため time above MIC 依存的に抗菌活性を持つ したがって できるだけ投与回数を増やして 中濃度を保つことが望ましい 分布 : 般的に臓器移 性はよく 肺 肝臓 腎臓 胆汁 尿路 関節液への移 に優れるが 中枢への移 性は乏しい 半減期 排泄 量調整 : 基本的には肝臓代謝の薬剤である 適応菌種 : ブドウ球菌 レンサ球菌 肺炎球菌 嫌気性菌などに幅広く抗菌活性を持つ 主な臨床的適応 : 誤嚥性肺炎などの嫌気性菌に関係する感染症の治療に いられている 主な副作 : 副作 は少なく 胃腸障害 肝機能障害がまれにみられる程度である 添付 書記載の禁忌 副作 情報 : 重要な副作 : ショック ( 頻度不明 ) アナフィラキシー ( 頻度不明 ) 偽膜性 腸炎等の 便を伴う重篤な 腸炎 ( 頻度不明 ) 中毒性表 壊死融解症 (toxic epidermal necrolysis TEN) (( 頻度不明 ) 膚粘膜眼症候群 (Stevens-Johnson 症候群 )( 頻度不明 ) 急性汎発性発疹性膿疱症 ( 頻度不明 ) はく脱性 膚炎 ( 頻度不明 ) 薬剤性過敏症症候群 ( 頻度 2016/03/30 Page 19 of 34

20 不明 ) 無顆粒球症 ( 頻度不明 ) 間質性肺炎 PIE 症候群 汎 球減少 板減少 肝機能障害 疸 急性腎不全その他の副作 : 道炎 道潰瘍 下痢 軟便 欲不振 悪 嘔吐 腹痛 炎 搔痒 発疹 浮腫 球減少 顆粒球減少 板減少 好酸球増多 疸 ALP AST(GOT) ALT(GPT) の上昇 クレアチニン BUN NPN の上昇 窒素 症 乏尿 蛋 尿 鳴 めまい 内炎 カンジダ症 発熱 頭痛 倦怠感 腟炎 疱性 膚炎 多発性関節炎 苦味 ( 以上はクリンダマイシン [ ダラシンカプセル 75mg] の添付 書の情報をもとに作成 ) 7: テトラサイクリン系抗菌薬 [ID0017] ポイント ( 薬理 病態 ): テトラサイクリン系抗菌薬は 30S ribosomal subunit に結合し 蛋 合成を阻害することにより 主に静菌的に抗菌活性を持つ薬剤である 第 1 世代のテトラサイクリンとして テトラサイクリン ( アクロマイシン ) デメチルクロルテトラサイクリン ( レダマイシン ) がある その後 2 世代として 時間作 型のドキシサイクリン ( ビブラマイシン ) ミノサイクリン ( ミノマイシン ) が開発された その後 耐性化が問題になり ミノマイシンの 格を基にチゲサイクリン ( タイガシル ) が開発されている ただし これらの薬剤も使 が増えるのに従い耐性菌化が増える可能性があり注意を要する テトラサイクリンは グラム陰性菌 グラム陽性菌 嫌気性菌 マイコプラズマ クラミジア リケッチア などの 定型菌や原 などを含む幅広い抗菌活性を持つ ただし 現在では 耐性菌化が進んだこともありマイコプラズマ クラミジア リケッチアなどの 定型菌や 他薬剤が無効であった場合に いられる 投与 法 抗菌活性 : テトラサイクリン系抗菌薬は時間依存的で PAE が いため AUC/MIC 依存的に抗菌活性を持つ したがって 最 中濃度をできるだけ くできるように投与回数を少なくして投与する事が多い での薬剤投与量に きな差を認めない 分布 : 般的に臓器移 性はよい 特にドキシサイクリン ミノサイクリンは 脂溶性が いため臓器移 性が い 半減期 排泄 量調整 : 経 投与された場合 Tmax は 1 3 時間後である 基本的には肝臓代謝の薬剤で ミノサイクリンの半減期は 時間 ドキシサイクリンの半減期は 時間である 適応菌種 : テトラサイクリンは グラム陰性菌 グラム陽性菌 嫌気性菌 クラミジア マイコプラズマ リケッチア 炭疽菌 バルトネラ症 ( 猫ひっかき病 ) ワイル病などの 定型菌 マラリア フィラリアなどの寄 を含む幅広い抗菌活性を持つ 上述したが 実臨床の現場では 耐性菌化が進んだこともあり β ラクタム系が無効な 定型菌や 他薬剤が無効であった場合に いられることが多い 主な臨床的適応 : 幅広い抗菌スペクトラムのため多くの疾患に適応を持つ 主な副作 : 静脈投与時は 栓性静脈炎が認められることがある ほかに 光過敏症 めまいなどを認められることがある 児では が く変 することも認められる 主な相互作 : 肺炎球菌性肺炎による髄膜炎に対して ペニシリン系抗菌薬と併 した場合 ペニシリン単剤より治療効果が落ちるとの報告がある したがって 殺菌的薬剤との併 には注意を要する 添付 書記載の禁忌 副作 情報 : その他の副作 : 2016/03/30 Page 20 of 34

21 発熱 発疹 じん 疹 光線過敏症 AST(GOT) ALT(GPT) の上昇等肝機能検査値異常 欲不振 悪 嘔吐 腹痛 下痢 内炎 炎 肛 周囲炎 膵炎 顆粒球減少 好酸球増多 板減少 菌交代症に基づく新しい感染症 ビタミン K 乏症状 ( 低プロトロンビン 症 出 傾向等 ) ビタミン B 群 乏症状 ( 炎 内炎 欲不振 神経炎等 ) 頭蓋内圧上昇に伴う症状 ( 嘔吐 頭痛 複視 うっ 乳頭 泉 膨隆等 ) 過敏症状 炎 内炎 咽頭炎 発疹 眼瞼炎 結膜炎 ( 以上はテトラサイクリン [ アクロマイシン末 ] の添付 書の情報をもとに作成 ) 8: キノロン系抗菌薬 [ID0018] ポイント ( 薬理 病態 ): キノロン系抗菌薬は DNA ジャイレースまたはトポイソメラーゼの阻害をすることにより DNA-RNA の合成を阻害し 主に殺菌的に抗菌活性を持つ薬剤である 優れた組織移 性 幅広い抗菌スペクトラムを持つため 使 されることが多い薬剤である キノロン系抗菌薬は ニューキノロンとオールドキノロンに分類され ニューキノロンはさらに 肺炎球菌への抗菌活性と組織移動性を強めたレスピラトリーキノロンと レスピラトリーキノロンに細分類される 市中肺炎の原因菌に幅広く抗菌活性を持つが 結核菌にも効果を し発 を遅らせる可能性があるため 使 する際には結核菌を 分に除外する オールドキノロンには ナリジクス酸 ( ウイントマイロン ) ピペミド酸 ( ドルコール ) シノキサシン ( タツレキシン ) が属する ニューキノロンのうちの レスピラトリ キノロンには ノルフロキサシン ( バクシダール ) オフロキサシン ( タリビッド ) シプロフロキサシン ( シプロキサン ) ロメフロキサシン ( ロメバクト バレオン ) パズフロキサシン ( パズクロス パシル ) プルリフロキサシン ( スオード ) などの薬剤が属する ニューキノロンのうちのレスピラトリ キノロンには トスフロキサシン ( オゼックス トスキサシン ) レボフロキサシン ( クラビット ) モキシフロキサシン ( アベロックス ) シタフロキサシン ( グレースビット ) ガレノキサシン ( ジェニナック ) が属する 投与 法 抗菌活性 : キノロン系抗菌薬は濃度依存的で PAE が いため AUC/MIC または Cmax/MIC 依存的に抗菌活性を持つ したがって 最 中濃度をできるだけ くできるように投与回数を少なくして投与することが多い グラム陽性球菌には AUC/MIC 以上 グラム陰性桿菌には AUC/MIC 以上の確保が必要とされている したがって 100mg1 3 回の投与よりは 500m が 1 1 回の投与の が抗菌活性が強い 分な 中濃度を保つ投与設計をすることで 現在問題になっている耐性菌化の進 を遅らせることができると考えられている 分布 : 般的に臓器移 性はよく セフェム系抗菌薬と 較して喀痰中または好中球への移 に優れている 半減期 排泄 量調整 : 経 投与された場合 Tmax は 1 3 時間後である 半減期に関しては薬剤によって異なり モキシフロキサシン ( アベロックス ) ガレノキサシン ( ジェニナック ) などは 10 時間以上の半減期を持つ レボフロキサシン ( クラビット )500mg 内服時の半減期は 8 時間程度であり シプロフロキサシン ( シプロキサン ) の点滴静注後の半減期は 3 時間程度である 代謝に関しても薬剤によって異なり 腎排泄が主である場合 ( レボフロキサシン [ クラビット ] シタフロキサシン [ グレースビット ]) と 肝臓と腎臓で同程度代謝される場合 ( トスフロキサシン [ オゼックス トスキサシン ] ガレノキサシン [ ジェニナック ]) と 肝排泄が主である場合 ( モキシフロキサシン [ アベロックス ]) がある 適応菌種 : オールドキノロンは 実臨床の現場で いられることはほとんどない ニューキノロンは グラム陽性菌 緑膿菌 嫌気性菌マイコプラズマ レジオネラ 結核菌などの 定型肺炎菌に対して抗菌活性を持つ そのうち レスピラトリーキノロンは 肺炎球菌に対する活性は落ちるが 腸内細菌などのグラム陰性桿菌に対してはレスピラトリーキノロンよりも抗菌活性が強い レスピラトリーキノロンは肺炎球菌に対して活性を持ち 肺炎の治療に いられていた 2016/03/30 Page 21 of 34

22 主な臨床的適応 : 幅広い抗菌スペクトラムのため 多数の疾患に適応がある 特にレスピラトリーキノロンは 臨床的に市中肺炎 院内肺炎 気道感染症などに幅広く いられている 特に成 市中肺炎診療ガイドラインでは 1 細菌性肺炎疑いの外来診療で 慢性呼吸器疾患の合併 最近の抗菌薬の使 ペニシリンアレルギーを認める場合や 2 院診療で慢性呼吸器疾患の合併を認める場合や 3 定型肺炎を疑う外来診療で 65 歳以上または慢性の 肺疾患を合併する場合 4 定型肺炎を疑う 院診療 5 ペニシリン耐性肺炎球菌の疑われる肺炎 (65 歳以上 アルコール多飲 幼児と同居 3 カ 以内に β ラクタム系抗菌薬の使 ) 6ICU 院患者 ( 他剤との併 ) などがよい適応とされている また 腸管感染症や尿路感染症でも その組織移 性がよい特徴のため いられることが多い ただし カンピロバクターではキノロン耐性の頻度が いため カンピロバクターによる腸管感染症を疑う場合にはキノロン薬の適応とならない また 尿路感染症に関しても約 20% がレボフロキサシン ( クラビット ) 低感受性を認めるようになっており 尿培養による評価などが必要となる 主な副作 : 関節障害を来す可能性があるため 児への適応が通っている薬剤以外は 児への使 は避ける また QT 延 症候群 けいれん 低 糖 光線過敏症などの副作 も知られている 主な相互作 : 臨床的に問題となるのが NSAIDs との併 によるけいれんの誘発である また ニューキノロン系抗菌薬である シプロフロキサシン ( シプロキサン ) パズフロキサシン ( パズクロス パシル ) は CYP1A2 の活性を阻害する したがって テオフィリン カフェイン プロプラノロール ( インデラル ) イミプラミン ( トフラニール )) アミトリプチリン ( ノーマルン ) など CYP1A2 で代謝される薬剤の 中濃度が上昇するため注意が必要である 特にテオフィリンは TDM の対象薬でもあり 基本的には併 しない 添付 書記載の禁忌 副作 情報 : 禁忌 : 後 3 カ 未満の乳児重要な副作 : ショック けいれん 溶 性貧 その他の副作 : めまい 頭痛, 眠気 抑うつ 興奮 幻覚 錯乱等 発疹 じん 疹 光線過敏症等 搔痒感等 発熱 悪 嘔吐 欲不振 下痢 便秘 渇 視覚異常 AST(GOT) 上昇 ALT(GPT) 上昇 ALP 上昇 アレルギー性肝障害等 液障害 ( 球減少 好酸球増多 板減少等 ) ( 以上はレボフロキサシン [ クラビット錠 500mg] の添付 書の情報をもとに作成 ) 9:ST 合剤 [ID0019] ポイント ( 薬理 病態 ): ST 合剤は 葉酸の合成阻害を うことにより DNA-RNA の合成を阻害し 主に殺菌的に抗菌活性を持つ薬剤である 抗菌薬 (ST 合剤 ) に属する薬剤として スルファメトキサゾール トリメトプリム配合薬 ( バクトラミン ) などがある スルファメトキサゾールとトリメトプリムは微 物の葉酸の合成経路を異なる点で阻害する time above MIC 依存的に抗菌活性を持つ したがって 投与回数を増やし 中濃度を維持することが望ましい 通常 6 8 時間ごとに内服する ST 合剤として 経 薬ではバクタ 点滴薬ではバクトラミンが存在する 投与 法 抗菌活性 : ST 合剤は時間依存的で PAE が短いため time above MIC 依存的に抗菌活性を持つ したがって 投与回数を増やし 中濃度を維持することが望ましい 分布 : 般的に臓器移 性はよく 髄液 胸 腹 への以降も良好である 半減期 排泄 量調整 : 2016/03/30 Page 22 of 34

23 ST 合剤は腎排泄の薬剤であり 腎機能低下に伴い投与量の調整が必要である 中半減期はサルファ剤 トリメトプリムともに 9 11 時間程度である 適応菌種 : グラム陽性菌 グラム陰性菌 原 ニューモシスチスカリニにまで有効で幅広い抗菌活性を持つ 主な臨床的適応 : バクタの保険適 は 肺炎 複雑性膀胱炎 腎盂腎炎 感染性腸炎 腸チフス パラチフスである バクトラミンはニューモシスチスカリニに適 となっている 耐性を獲得した菌も多いため 臨床的な 法は限られ HIV 感染症 免疫不全者の 和 感染の予防や 膀胱炎 β- ラクタム系抗菌薬で効果が不良な場合に いられる 主な副作 : 臨床的に問題となるのが 嘔吐 下痢 思不振 過敏反応などである また カリウム 症 顆粒球減少などもみられることが多い 主な相互作 : 部のスルホニルウレア剤 フェニトイン チアジド系利尿薬の効果を増強させることが知られている 添付 書記載の禁忌 副作 情報 : 警告 : 液障害 ショック等の重篤な副作 が起こることがあるので 他剤が無効または使 できない場合にのみ投与を考慮すること 禁忌 : 妊婦または妊娠している可能性のある婦 低出 体重児 新 児 グルコース -6- リン酸脱 素酵素 (G-6-PD) 乏患者原則禁忌 : 液障害またはその既往歴のある患者重要な副作 : 再 不良性貧 溶 性貧 巨 芽球性貧 メトヘモグロビン 症 汎 球減少 無顆粒球症 板減少症 アナフィラキシー様症状 ショック 中毒性表 壊死融解症 (toxic epidermal necrolysis TEN) 膚粘膜眼症候群 (Stevens-Johnson 症候群 ) 薬剤性過敏症症候群 急性膵炎 偽膜性 腸炎等の 便を伴う重篤な 腸炎 重度の肝障害 急性腎不全 間質性腎炎 無菌性髄膜炎 末梢神経炎 間質性肺炎 PIE 症候群 低 糖発作 カリウム 症 低ナトリウム 症 横紋筋融解症その他の副作 : 顆粒球減少 板減少 光線過敏症 発疹 搔痒感 紅斑 疱 じん 疹 欲不振 悪 嘔吐 下痢 腹痛 胃不快感 炎 炎 内炎 便 便秘 渇 疸 AST(GOT) ALT(GPT) ALP の上昇 腎障害 (BUN 上昇 尿 ) うとうと状態 頭痛 めまい ふらふら感 しびれ感 ふるえ 脱 倦怠感 関節痛 筋 ( ) 痛 ぶどう膜炎 発熱 熱感 圧上昇 下降 動悸 胸内苦悶 発汗 顔 潮紅 浮腫 素尿 ( 以上はスルファメトキサゾール トリメトプリム配合 [ バクトラミン配合錠 ] の添付 書の情報をもとに作成 ) イメージ [ID0601] 抗菌薬の殺菌性 静菌性分類 時間依存性 量依存性の分類 2016/03/30 Page 23 of 34

24 time above MIC 依存的に抗菌活性を認める抗菌薬 : β ラクタム系抗菌薬 エリスロマイシン クロラムフェニコール ST 合剤 リネゾリドは 時間依存的で post-antibiotic effect のない薬剤である これらの薬剤は time above MIC を最 化することで抗菌活性を最 化できる したがって ある 定の 中濃度を保つように分割回数を多くして投与することで抗菌作 が最 化できる Cmax/MIC 依存的に抗菌活性を認める抗菌薬 : アミノグリコシド系 フルオロキノロン系 ダプトマイシン メトロニダゾールは 濃度依存的で効果を認める薬剤である これらの薬剤は Cmax/MIC を最 化することで抗菌活性を最 化できる したがって 最 中濃度をできるだけ くできるように投与回数を少なくして投与する事が多い AUC/MIC 依存的に抗菌活性を認める抗菌薬 : マクロライド系 ケトライド系 クリンダマイシン テトラサイクリン系 バンコマイシン テイコプラミンは 時間依存的かつ post-antibiotic effect を認める薬剤である これらの薬剤は AUC/MIC を最 化することで抗菌活性を最 化できる したがって 最 中濃度をできるだけ くできるように投与回数を少なくして投与することが多い post-antibiotic effect: ある抗菌薬が MIC 以上の濃度で接触した後 抗菌薬を除去 MIC 以下の濃度になってもある 定時間しても持続してみられる増殖抑制効果 1: Dosing regimen matters: the importance of early intervention and rapid attainment of the pharmacokinetic/pharmacodynamic target. PMID Antimicrob Agents Chemother Jun;56(6): [ID0602] 時間依存的抗菌活性を持つ薬剤と 量依存的な抗菌活性を持つ薬剤の薬剤濃度と殺菌効果の 較 2016/03/30 Page 24 of 34

25 様々な抗菌薬の濃度とその殺菌効果をみたグラフである 右軸が時間で 左軸が殺菌効果を意味し それぞれの薬剤の MIC の 1/4 から 64 倍まで濃度の殺菌効果を 較している 左 2 つは濃度依存的 ( アミノグリコシド系 ニューキノロン系 ) で 濃度が上昇する ( 下 向 ) ごとに殺菌効果が増えるのに対し 番右のグラフは時間依存的な薬剤 (β ラクタム系 ) であり 濃度が上昇しても必ずしも殺菌効果が増えない ( 元図を 部改変 ) 1: Craig WA, Ebert SC. Killing and regrowth of bacteria in vitro: a review. Scand J Infect Dis Suppl 1990; 74: [ID0603] グラム陰性桿菌に感染した免疫抑制されたマウスの死亡率と 24 時間のフルオロキノロンの AUC/MIC の関係 グラム陰性桿菌に感染した免疫抑制されたマウスの死亡率と 24 時間での AUC/MIC の関係 AUC/MIC が上昇するごとに死亡率が下がることがわかる ( 元図を 部改変 ) 1: Forrest A, Nix DE, Ballow CH, Goss TF, Birmingham MC, Schentag JJ. Pharmacodynamics of intravenous ciprofloxacin in seriously ill patients. Antimicrob Agents Chemother 1993; 37: [ID0604] グラム陰性桿菌による重症感染患者の臨床的アウトカムと 24 時間の時プロキサンの AUC/MIC の関係 2016/03/30 Page 25 of 34

26 グラム陰性桿菌による重症感染患者の臨床的アウトカム ( 左 ) または細菌学的反応 ( 右 ) とシプロキサシンの 24 時間での AUC/MIC の関係 AUC/MIC が上昇するごとに アウトカムの予想が上昇していることがわかる ( 元図を 部改変 ) 1: Craig WA. Pharmacodynamics of antimicrobials: general concepts and applications. In: CH Nightingale, T. Murakawa, PG Ambrose, eds. Antimicrobial pharmacodynamics in theory and clinical practice. New York: Marcel Dekker, 2002:1 22. [ID0605] 抗菌薬の作 機序 2016/03/30 Page 26 of 34

27 抗菌薬の作 機序は a: 細胞壁を作らせない b: 細胞膜を合成させない 破壊する c: 細胞内のタンパク質を作らせない d: 核酸の合成を阻害するなどに分かれる 最終更新 : 2016 年 3 30 << ページ末尾 :#actiondetails4.aspx?diseaseid=3820>> ページ上部に戻る 2016/03/30 Page 27 of 34

28 エビデンス 解説 #3820 抗菌薬 ( 薬理 ) 中原保裕 今 の臨床サポート 編集部 最終更新 : 2016 年 3 30 << ページ末尾 :#evidencedetails4.aspx?diseaseid=3820>> 2016/03/30 Page 28 of 34

29 画像 覧 #3820 出典欄記述 法 作図にあたって参考にした 献 さらに詳しく知るための参考資料 の場合は 出典と区別するために 参考 献 : とご記述いただけましたら幸いです 画像出典表記についてご了承のお願い先 に元図をご提供いただき それを元に弊社にてイラストを描き起こしている場合は エルゼビア作成のイラストとして 出典を割愛させていただいている場合があります その点ご了承のほどお願いいたします 他社出版社発 物からの転載は 額の場合や許諾が下りない場合は 掲載できない場合がありますので ご了承ください 説明 出典のご記載を頂いている場合は空欄で結構です 1 ガイドライン 編者名 編 : ガイドライン名 策定年度 年版 p 掲載 or 図版番号 発 元 出版年 2 雑誌著者名 : 表題. 雑誌名発 年 ( 暦 ); 巻 ( 号 ): -. 例 1 郎 : 中枢神経の構造的特徴. 脳と神経 1998;45(7): 例 2 参考 献 :Hauenstein EJ, Marvin RS, Snyder AL, et al.: Stress in parents of children with diabetes mellitus. Diabetes Care 1989; 12(1): PMID: 単 本著者名 : 表題. 編者名. 書名. 発 所所在地 ( 本の出版社の場合は不要 ): 発 所, 発 年 ( 暦 ); 掲載. 例 1 郎 : 脳と脊髄への 液供給. 吉 次郎編. 神経科学. エルゼビア ジャパン, 2003;125. 例 2 参考 献 :Kettenmann H, Ranson BR: Neuroglia. New York: Oxford University Press,1955; その他 学 先 よりご提供 等 明記してください 抗菌薬 ( 薬理 ) 中原保裕 今 の臨床サポート 編集部 [ID0601] 抗菌薬の殺菌性 静菌性分類 時間依存性 量依存性の分類 2016/03/30 Page 29 of 34

30 time above MIC 依存的に抗菌活性を認める抗菌薬 : β ラクタム系抗菌薬 エリスロマイシン クロラムフェニコール ST 合剤 リネゾリドは 時間依存的で post-antibiotic effect のない薬剤である これらの薬剤は time above MIC を最 化することで抗菌活性を最 化できる したがって ある 定の 中濃度を保つように分割回数を多くして投与することで抗菌作 が最 化できる Cmax/MIC 依存的に抗菌活性を認める抗菌薬 : アミノグリコシド系 フルオロキノロン系 ダプトマイシン メトロニダゾールは 濃度依存的で効果を認める薬剤である これらの薬剤は Cmax/MIC を最 化することで抗菌活性を最 化できる したがって 最 中濃度をできるだけ くできるように投与回数を少なくして投与する事が多い AUC/MIC 依存的に抗菌活性を認める抗菌薬 : マクロライド系 ケトライド系 クリンダマイシン テトラサイクリン系 バンコマイシン テイコプラミンは 時間依存的かつ post-antibiotic effect を認める薬剤である これらの薬剤は AUC/MIC を最 化することで抗菌活性を最 化できる したがって 最 中濃度をできるだけ くできるように投与回数を少なくして投与することが多い post-antibiotic effect: ある抗菌薬が MIC 以上の濃度で接触した後 抗菌薬を除去 MIC 以下の濃度になってもある 定時間しても持続してみられる増殖抑制効果 1: Dosing regimen matters: the importance of early intervention and rapid attainment of the pharmacokinetic/pharmacodynamic target. PMID Antimicrob Agents Chemother Jun;56(6): 説明 出典のご記載を頂いている場合は空欄で結構です 画像の説明 著者提供 2016/03/30 Page 30 of 34

31 出典 [ID0602] 時間依存的抗菌活性を持つ薬剤と 量依存的な抗菌活性を持つ薬剤の薬剤濃度と殺菌効果の 較 様々な抗菌薬の濃度とその殺菌効果をみたグラフである 右軸が時間で 左軸が殺菌効果を意味し それぞれの薬剤の MIC の 1/4 から 64 倍まで濃度の殺菌効果を 較している 左 2 つは濃度依存的 ( アミノグリコシド系 ニューキノロン系 ) で 濃度が上昇する ( 下 向 ) ごとに殺菌効果が増えるのに対し 番右のグラフは時間依存的な薬剤 (β ラクタム系 ) であり 濃度が上昇しても必ずしも殺菌効果が増えない ( 元図を 部改変 ) 1: Craig WA, Ebert SC. Killing and regrowth of bacteria in vitro: a review. Scand J Infect Dis Suppl 1990; 74: 説明 出典のご記載を頂いている場合は空欄で結構です 画像の説明 出典 著者提供 [ID0603] グラム陰性桿菌に感染した免疫抑制されたマウスの死亡率と 24 時間のフルオロキノロンの AUC/MIC の関係 2016/03/30 Page 31 of 34

32 グラム陰性桿菌に感染した免疫抑制されたマウスの死亡率と 24 時間での AUC/MIC の関係 AUC/MIC が上昇するごとに死亡率が下がることがわかる ( 元図を 部改変 ) 1: Forrest A, Nix DE, Ballow CH, Goss TF, Birmingham MC, Schentag JJ. Pharmacodynamics of intravenous ciprofloxacin in seriously ill patients. Antimicrob Agents Chemother 1993; 37: 説明 出典のご記載を頂いている場合は空欄で結構です 画像の説明 出典 著者提供 [ID0604] グラム陰性桿菌による重症感染患者の臨床的アウトカムと 24 時間の時プロキサンの AUC/MIC の関係 グラム陰性桿菌による重症感染患者の臨床的アウトカム ( 左 ) または細菌学的反応 ( 右 ) とシプロキサシンの 24 時間での AUC/MIC の関係 AUC/MIC が上昇するごとに アウトカムの予想が上昇していることがわかる ( 元図を 部改変 ) 1: Craig WA. Pharmacodynamics of antimicrobials: general concepts and applications. In: CH Nightingale, T. Murakawa, PG Ambrose, eds. Antimicrobial pharmacodynamics in theory and clinical practice. New York: Marcel Dekker, 2002:1 22. 説明 出典のご記載を頂いている場合は空欄で結構です 2016/03/30 Page 32 of 34

33 画像の説明 著者提供 出典 [ID0605] 出典記載不要画像 抗菌薬の作 機序 抗菌薬の作 機序は a: 細胞壁を作らせない b: 細胞膜を合成させない 破壊する c: 細胞内のタンパク質を作らせない d: 核酸の合成を阻害するなどに分かれる 最終更新 : 2016 年 3 30 << ページ末尾 :#ImageList4.aspx?DiseaseID=3820>> ページ上部に戻る 2016/03/30 Page 33 of 34

34 執筆者ご紹介 2016/03/30 Page 34 of 34

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