臨床神経学雑誌第48巻第7号

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1 β β β β Table1 アルツハイマー病 (Alzheimerdisease:AD) 家族性 孤発例 発症 予後 前駆状態 症状 遺伝子座 遺伝子障害部位 病理変化 日本に約 100 家系 65 歳以上の 4%(120 万人 ) 早期発症 / 晩期発症 (> 65 歳 ) 5±3 年, 死亡原因の第 7 位 軽度認知障害 (MCI;60 歳以上の 3%) 認知症 ( 記憶障害, 高次機能障害, 思考 実行機能障害 ) 21,14,1,19,10,11 βapp,presenilin-1/2,apoe4,dmp,sorl1 大脳皮質, 海馬, 前脳底部 ( 神経細胞死, シナプス減少, アセチルコリン低下 ) 神経原線維変化 (tauopathy; 神経細胞内 ) アミロイド (A βsamyloidosis; 神経細胞外, 大脳皮質, 脳血管 )

2 Fig.1 Alzheimer 病の経過 Table2 DSM-IV のアルツハイマー病の診断基準 A. 以下の両方により明らかにされる多彩な認知障害の発現 (1) 記憶障害 ( 新しい情報を学習したり, 以前に学習した情報を想起する能力の障害 ) (2) 以下の認知障害の一つ以上 a) 失語,b) 矢行,c) 失認,d) 実行機能障害 ( 計画を立てる, 組織化する, 順序立てる, 抽象化することの障害 ) B. 基準 A1 および A2 の認知障害はその各々が社会的または職業的機能の著しい障害を引き起こし, 病前の機能水準からの著しい低下を示す C. 経過は緩やかな発症と持続的な認知機能の低下により特徴づけられる D. 基準 Al および A2 の認知障害は以下のいずれによるものでもない (1) 記憶や認知に進行性の欠損を引き起こす中枢神経系疾患 ( 例 : 脳血管性疾患 パーキンソン病, ハンチントン病, 硬膜下血腫, 正常圧水頭症, 脳腫瘍 ) (2) 認知症を引き起こすことが知られている全身性疾患 ( 例 : 甲状腺機能低下症, ビタミン B12 または葉酸欠乏症, ニコチン酸欠乏症, 高カルシウム血症, 神経梅毒,HlV 感染症 ) (3) 物質誘発性の疾患 E. その障害はせん妄の経過中にのみ現れるものではない F. その障害は大うつ病性障害 精神分裂病など精神病ではうまく説明されない

3 Table3 NINCDS-ADRDA 研究班によるアルツハイマー病の診断基準 臨床的確診 (probablead) の診断基準 臨床検査および Mini-MentalTest,BlessedDementiaScale あるいは類似の検査で認知症が認められ, 神経心理学的検査で確認される.2つまたはそれ以上の認知領域で欠陥がある. 記憶およびその他の認知機能領域で進行性の低下がある. 意識障害がない.40 歳から 90 歳の間に発病し,65 歳以後が最も多い. 記憶および認知の進行性障害の原因となる全身疾患や他の脳疾患がない. ProbableAD の診断は次の各項によって支持される. 特定の認知機能の進行性障害 : 言語の障害 ( 失語 ). 動作の障害 ( 失行 ), 認知の障害 ( 失認 ) など. 日常生活活動の障害および行動様式の変化. 同様の障害の家族歴がある. 特に神経病理学的に確認されている場合臨床検査所見 ( 髄液は通常の検査で正常. 脳波は正常あるいは徐波活動の増加のような非特異的変化. CT は経時的検査により進行性の脳萎縮が証明される.) AD 以外の認知症の原因を除外したのち,ProbableAD の診断と矛盾しない他の臨床的特徴 経遇中に進行が停滞することがある. 抑うつ, 不眠, 失禁, 妄想, 錯覚, 幻覚, 激しい精神運動性興奮, 性的異常, 体重減少などの症状を伴う. 特に進行した症例では筋トーヌスの冗進, ミオクローヌス. 歩行障害などの神経学的異常所見がみられる. 進行例ではけいれんがみられることがある. 年齢相応の正常な CT 所見 probablead の診断が疑わしい, あるいは probablead らしくない特徴 突発的な卒中発作. 神経学的局所症状 : 片麻痺, 知覚脱失, 視野欠損. 共同運動障害が病初期からみられる. けいれん発作や歩行障害が発症時あるいはごく初期から認められる. 臨床的疑診 (possibiead) の臨床診断 認知症が基盤にあり. 原因となる他の神経学的. 精神医学的. 全身疾患がなく. 発症, 表現形. 経過が典型的でない. 原因となりうる他の全身疾患あるいは脳疾患が存在するが, 現在の認知症の原因になっているとは考えられない. 単一の徐々に進行する重度の認知障害があり, 他に明らかな原因がない ( 研究を目的とする場合 ). AD の確実な診断 (definite) の基準は,probableAD の臨床診断基準と生検あるいは剖検による神経病理学的証拠に基づく 研究の目的で AD の疾患分類をする際, 次のようなサブタイプを鑑別する. 家族性発症.65 歳以前の発症.21 トリソミーの存在.Parkinson 病のような他の関連疾患の合併

4 Table4 アルツハイマー病診断 評価基準試案 ( 先端脳ゲノムプロジェクト班 ) 定義 : 一度発達した知的機能が, 脳への Aβ とtau の蓄積にともなって緩徐進行性に障害される疾患である. I. 臨床診断基準 ( 広義 ) 1: 臨床診断基準 ( 狭義 ) DSM-IV,NINCDS-ADRDA によるアルツハイマー病の診断基準および ICD-10 による痴呆の診断基準に準処し, 特に以下の要点を満たす. 1) 記憶障害がみられる. 2) 失語, 失行, 失認, 実行機能障害の少なくとも 1つ以上がみられる. 3) 緩徐な発症と症状が少なくとも 6か月間に渡って持続的に進行する. 4) 社会 日常生活機能の著しい低下がみられる. 5) 原因としてアルツハイマー病以外の痴呆疾患が否定できる. 2: 除外診断基準 アルツハイマー病以外の主な痴呆疾患を除外するため以下の診断基準を参考とする. 1) ReportoftheNINDS-AIREN internationalworkshopforvasculardementia 2) ConsensusguidelineforclinicalandpathologicdiagnosisofdementiawithLewybodies(DLB) 3) A consensusonclinicaldiagnosticcriteriaforfrontotemporal dementia(ftd) 4) ClinicalresearchcriteriaforthediagnosisofprogressivesupranuclearpalsybytheNINDS-SPSPinternationalworkshop 3: 神経心理学的評価 1) 必須検査 Mini-MentalStateExamination(MMS) FunctionalAssessmentStaging(FAST) ClinicalDementiaRating(CDR) 2) より詳細な検査 失語, 失行, 失認チェックリスト (OHCL) 問題行動評価尺度 (TBS) WechslerAdultInteligenceScale-Revised(WAIS-R) WechslerMemoryScale-Revised(WMS-R) Alzheimer sdiseaseassessmentscale,cognitivesubscale 日本版 (ADAS-Jcog) 4: 一般検査 1) 必須項目 胸部 XP,ECG,EEG, 血算, 血沈, 血糖, 一般生化学検査, 電解質 (Na,K,Cl,Ca), 腎機能, アンモニア, 甲状腺機能, TPHA 2) 必要に応じて検査 血液ガス, 脳脊髄液検査 ( 性状, 圧, 細胞数, 蛋白, 糖,IgG), VitB12,VitB1, 葉酸およびニコチン酸などの検査を行う.HIV 抗体は患者の同意があれば行う. I. 画像診断 CT,MRI 海馬, 側頭葉内側面, 頭頂葉の両側性の萎縮が進行すれば診断をより積極的に支持するが, 異なる部位の萎縮があっても否定はできない. 痴呆を説明する他疾患による病巣がみられない. SPECT,PET 海馬, 側頭葉内側面, 頭頂葉, 後部帯状回の両側性脳血流代謝の定量的低下あるいは e-zis や 3D-SSP などによる統計処理によって客観的な低下が証明できる. 典型的なパターンの存在はアルツハイマー病の診断を支持するが, 異なるパターンがみられても否定はできない. I. 生物学的マーカー 脳脊髄液中のタウあるいはリン酸化タウの上昇が見られる. Aβ42 の低下あるいは Aβ40/42 の比の上昇が見られる. IV. 確定診断基準 病理所見基準 : CERAD 病理基準 生化学的 : 遺伝子診断 : 危険因子 : V. 臨床病型 蟻酸抽出分画における Aβ40,42 の 0.5nmol/wetg brain 以上の蓄積 Sarkosyl 不溶性分画における過剰リン酸化 3 および 4repeattau の蓄積パターン mutantapp,mutantpresenilin-1,-2,trisomy21 Mutanttau,mutantprion があればアルツハイマー病を除外できる ApolipoproteinEε4alele 家族性, 同胞発症 (sibling), 孤発性 早期発症, 晩期発症 V I. 類縁疾患 DementiawithLewybodies(commonform),Downsyndrome, Cerebralamyloidangiopathy,Dementiapugilistica V I. アルツハイマー病の診断 definitead: I, I, I,IV probablead: I, I( I の実施が望ましい ) β β ββ

5 Table5 改訂 NINCDS-ADRDA criteria(lancetneurol2007) ProbableAD:A にB,C,D,orE のうちの 1つ主要診断基準 A. 早期の有意なエピソード記憶障害の存在 1. 自覚 他覚的な 6ヶ月以上の緩徐進行性の記憶障害 2. 客観的検査による有意なエピソード記憶障害 3. エピソード記憶障害のみ, 進行に伴った他の領域の認知障害支持する所見 B. 内側側頭葉萎縮 ( 海馬, 嗅内皮質, 扁桃体の MRI) C.Aβ42 低下,tau か p-tau 増加 D.PET(FDG 低下,PIB 陽性 ) E. 遺伝子変異の存在除外基準病歴 ( 急性発症, 早期の歩行障害, けいれん, 行動異常 ) 臨床症状 ( 局所神経症状, 早期の錐体外路症状 ) 他の記憶障害を呈する疾患の除外 ( 非 AD 型認知症, 大うつ病, 脳血管障害, 中毒, 代謝障害など ) DefiniteAD: 臨床症状と生検か病理所見が明らか (NIA-Regancriteria) 臨床症状と遺伝子異常が明らか β β l β β β β β β β β β ββ ββ β β ββ β ββ β β β

6 Author MintunMA EnglerH ForsbergA KemppainenNM EdisonP RabinoviciGD RoweCC Table6 PIBstudyinAD andmci results InceasedPIBimagesin9/10AD and4/41non-dementedsubjects NosignificantchangesinPIBimagesduring2-yearfolow upof16ad 7/21MCIpatientsconvertedtoAD after8monthsfolow-up HighPIBretentioninthecorticesandtheposteriorcingulum 13amnesticMCIvs14controlsubjects HighPIBuptakeinthefrontal,parietal,lateraltemporalcorticesandtheposteriorcingulum TwofoldincreasesinPBIbindingincingulate,frontal,temporal,parietalandoccipitalcorticesin AD 2of14AD patientsremainsnormal 7/7AD hadpositivepibscan,while8/12ftld and7/8controlshadnegativepibscan 17AD,10DLB,6FTD,9MCIand27controls 60% ofmciand22% ofcontrolsshow PBIuptake Journal,year Neurology2006 Brain2006 Neurobiolaging2007 Neurology2007 Neurology2007 Neurology2007 Neurology2007 β γ β ββ β β β β µ β β β β β β β β β β β β β β β β β β β β β β β β β β β β β β β β β β

7 β

8 β β β β β β

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