日本内科学会雑誌第104巻第7号

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1 日常診療における貧血 : 的確な診断と治療のために注意すべきこと 司会 安川正貴 ( 愛媛大学 ) 末永孝生 ( 亀田総合病院血液腫瘍内科 ( 鴨川市 )) 鵜飼知嵩 ( さいたま市民医療センター内科 ( さいたま市 )) ( 発言順 ) 平成 27 年 3 月 9 日 ( 月 ) 収録 安川本日は 日常診療における貧血 : 的確な診断と治療のために注意すべきこと というテーマでを開かせていただきます. 司会は私, 愛媛大学の安川です. 本日は血液を専門にされているベテランの亀田総合病院の末永先生と, 卒後 6 年目で若手血液内科医であるさいたま市民医療センターの鵜飼先生にお越しいただきました. はじめに安川今回のテーマである 貧血 というのは日常診療で非常に頻度の高い疾患だと思います. 健康診断のときも貧血の検査は全て入っていますし, 貧血の患者さんを診たときにどのように診断をつけるのか, どのように治療を進めていくのか, 特殊な貧血の場合には, どのようなポイント, タイミングで血液専門医に紹介す るかなどお話しいただければと思っています. まず, 末永先生, 問診で貧血を鑑別診断するときのポイントとして, どういう点がありますでしょうか. 末永 フラフラするので貧血かもしれない と言って来られる患者さんが多いのですが, 血液を調べても貧血ではない場合が多いです. 立ちくらみ, 特に起立性の低血圧みたいな症状を貧血と考えていらっしゃる方が多いようです. 確かにふらつきというのは重症貧血の1 つの症状ではありますが, 一般的には貧血とふらつきは別に考えた方がよいです. 低血圧もまた別に考えることが大事だと思います. もう1つ重要なのは, 男性か女性かということです. 特に成人男性では高齢者以外, 貧血は比較的稀だと思います. 一方, 女性は月経過多やダイエットなどの影響から貧血の方が多いです. 私たちの病院でも, 看護師さんも含め, 月 Discussion Meeting on anemia in daily clinical practice:important points for accurate diagnosis and treatment. Masaki Yasukawa:Ehime University Graduate School of Medicine, Japan. Kosei Matsue:Division of Hematology/Oncology, Kameda Medical Center, Japan. Tomotaka Ugai:Department of Internal Medicine, Saitama Citizens Medical Center, Japan 日本内科学会雑誌 104 巻 7 号

2 特集 貧血 : 基礎知識から治療の最前線まで 経過多とダイエットの影響で鉄欠乏性貧血の方が非常に多いです. その他, 手術歴は極めて重要です. どういう胃の手術をしたかということです. これまで胃がんの手術は胃を摘出するのがほとんどで, その場合, 巨赤芽球性の貧血が起こりやすくなります. それから, 向精神薬などいろいろな薬物を服用されている方も注意が必要だと思います. 安川末永先生がおっしゃった服薬歴というのは, 全ての疾患で大事なことだと思いますし, 貧血の原因が薬だということもありますので, そのあたりの問診も非常に大事だと思います. 安川正貴氏 貧血の身体所見安川次に, いわゆる立ちくらみと貧血は違いますが, ヘモグロビンが減っている貧血の特徴的な身体的所見, 鑑別診断に参考になるような所見について, 鵜飼先生, お話しいただけますか. 鵜飼私たちが日常診断や救急や外来で貧血の患者さんを診るときに, 最初にみるのは顔面が蒼白かどうかということと, 眼瞼結膜の貧血があるかどうかということだと思います. 救急外来で消化管出血の患者さんを診ると, かなり顔面が蒼白で, 採血した検体の色が非常に薄くなっており, ヘモグロビンの値が非常に低いということがたちどころにわかるようなこともあります. 具体的な身体所見としては, 慢性的な鉄欠乏性貧血が長く続いている場合には匙状爪がよくありますし,Plummer-Vinson 症候群などを考えたときには舌炎や口角炎, あとは嚥下障害がないかというところを注意してみるようにしています. また, 悪性貧血の場合は, ハンター舌炎で舌が萎縮していたり, 舌の発赤や平坦化がみられたりすることもあります. 白髪に関しては貧血だけに限ったものではありませんが, 特に眼瞼結膜に貧血があって, 最近すごく白髪が増えた などの情報があるときには, 貧血を 疑うところかと思います. あとは, ビタミンB12 欠乏では, 神経症状でしびれや平衡運動障害や認知症などの所見が現れることがあるので, そちらにも注意していきます. 特に溶血性貧血の場合には黄疸が出てきますので, そういったところも注意するポイントです. 安川そうですね. 貧血は顔面が蒼白である, 眼瞼結膜が貧血状であるというのももちろんですが, その他にも, 他の臓器に特徴的な所見が出ます. 巨赤芽球性貧血などでは神経の症状も出ますし, 口腔内をみることは非常に大事だと思います. 赤血球恒数の重要性安川それでは貧血の鑑別診断のポイントです. 貧血かどうかというのは採血をして, 赤血球 ヘモグロビン ヘマトクリットという3つの指標で診断しますが, この中で最も大事なのは赤血球恒数で,MCV(mean corpuscular volume),mch(mean corpuscular hemoglobin), MCHC(mean corpuscular hemoglobin concentration), これは健康診断でも全部データが出てきますが, その値をみることが非常に大事だと私は思っています ( 表 1). 特に小球性, 低色素性貧血の場合は,9 割以上がほぼ鉄欠乏性貧血と 日本内科学会雑誌 104 巻 7 号 1433

3 表 1 赤血球恒数 MCV: 平均赤血球容量 (mean corpuscular volume;fl) =Ht(%)/ 赤血球数 (10 6 /μl) 10( 基準値 80~100 fl) MCH: 平均赤血球血色素量 (mean corpuscular hemoglobin;pg) =Hb(g/dl)/ 赤血球数 (10 6 /μl) 10( 基準値 26~32 pg) MCHC: 平均赤血球血色素濃度 (mean corpuscular hemoglobin concentration;%) =MCH/MCV=Hb/Ht 100( 基準値 32~35%) 表 2 赤血球恒数による貧血の分類 小球性低色素性貧血ほとんどが鉄欠乏性貧血, その他サラセミア, 鉄芽球性貧血など正色素性正球性貧血溶血性貧血, 再生不良性貧血, 二次性貧血 ( 慢性炎症, 腎性, 腫瘍性を含む ) など大球性貧血巨赤芽球性貧血 ( 悪性貧血, 葉酸欠乏症, 胃切除後など ) 一部の骨髄異形成症候群 いってよいと思いますが, 逆に大球性, 高色素性になってきますと, 巨赤芽球性貧血やMDS (myelodysplastic syndrome, 骨髄異形成症候群 ) ということになって, あのデータだけでも鑑別診断でかなり絞り込みができるのではないかと思いますので, 私は赤血球恒数の重要性を意識するように学生には教育をしています ( 表 2). その他, 簡単に鑑別診断ができるような検査にはどういうものがありますでしょうか. 末永赤血球恒数の重要性というのは私たちも非常に感じています. 特にMCVとMCHが低い場合と高い場合は重要ですが, 貧血の程度をみた場合に, 例えばひどい重症貧血でMCVは低いがそれほどでもないと. それから重症貧血で MCVは高いが少し高い程度にとどまると. 要するに, 貧血の程度とMCVとMCHがほぼ相関するかどうかということにも気をつけてみていった方がよいのではないかと思います. 安川鵜飼先生, いかがでしょうか. 鵜飼先生方のおっしゃった通りですが, 特にMCV,MCH,MCHCをみるときに私が常に意識しているのはRDW(red cell distribution width) です. 大球性の貧血と小球性の貧血が合併しているような場合にはRDWが高くなりますので, そういったところを注意してみていくとよいのではないかと思います. 形態学と骨髄穿刺の重要性安川血液内科専門医でないと末梢血の形態をみる機会は少ないかもしれませんが, やはり形態学は非常に大事だと思います. 例えば, 鉄欠乏性貧血であると大小不同があって赤血球中央部の白い部分が大きいとか, 遺伝性球状赤血球は形態学で診断するような疾患だと思いますし, 巨赤芽球性貧血の場合は白血球の過分葉もありますので, そういうところは末梢血のスメアを丹念にみることが, 日常診療においても, これからも, 変わらず重要だと思っています. 骨髄穿刺は日常診療で行う機会は少ないかもしれませんが, 貧血の患者さんではどういうときに行いますか. 末永私の場合, 一般的には骨髄穿刺はMCV の高い貧血について行います. 貧血だけではな 1434 日本内科学会雑誌 104 巻 7 号

4 特集 貧血 : 基礎知識から治療の最前線まで 表 3 発症機序による貧血の分類 赤血球産生量の減少造血幹細胞の障害 : 再生不良性貧血, 赤芽球癆ヘム合成障害 : 鉄欠乏性貧血グロビン合成障害 : サラセミア赤芽球の分化 増殖障害 : 巨赤芽球性貧血 ( 悪性貧血など ) 赤血球増殖因子 ( エリスロポエチン ) 産生障害 : 腎性貧血赤血球の過剰崩壊 ( 溶血性貧血 ) 赤血球自体の異常 : 遺伝性球状赤血球症, 発作性夜間ヘモグロビン尿症など赤血球外の異常 : 自己免疫性溶血性貧血, 赤血球破砕症候群など赤血球の体外喪失出血 く, 他の白血球とか血小板, 網赤血球の指数も異常な状態を示しているときには骨髄穿刺をためらいなく行います. 鵜飼私が末永先生によく教えていただいたことは, 骨髄穿刺の敷居をあまり高くしないということです. 貧血に関しても, 末梢血や生化学, 画像検査などいろいろと検査をしたが全く原因がわからない場合には, やはり骨髄穿刺適応になるのではないかと考えます. 安川骨髄穿刺から得られる情報は多いと思いますので, 必要な場合にはあまり躊躇することなく, 骨髄穿刺を実施することが重要だということだと思います. それから, これも日常診療で非常に大事なことですが, 網赤血球の絶対数を知ることです. これは安価で簡便な検査ですが, 行っていない方が割と多いと思います. 骨髄穿刺をしなくても骨髄の中の赤血球系の増殖の程度が予想できるということですので, 例えば, 溶血性貧血の場合などは網赤血球が増えるというのが原則ですので, それを確認すれば, 必ずしも骨髄穿刺はする必要がないのではないかと思っています. 二次性貧血安川二次性貧血の診断で何か注意すべきことはありますか. 鵜飼特に慢性炎症性の貧血が多いと思うの ですが, 一般的には血清鉄が下がり,TIBC(total iron binding capacity) が下がり, フェリチンが上がる, ヘモグロビンはだいたい7~11 g/dl 程度というのが一般的な慢性炎症性貧血のパターンかと思います. ただ, 慢性炎症性貧血の場合, やはり鉄欠乏性貧血の合併がないかどうかは注意すべきポイントかと思います. 特に慢性炎症性貧血を疑っているような症例でも, フェリチンがそれほど高くない症例では, 慢性炎症性の貧血に鉄欠乏性貧血が合併していないかということに気をつけて診ていくことが大事です. あとは慢性炎症をしっかり確認するという意味で, やはり赤沈やCRP(C-reactive protein), あとは蛋白分画などを測って, 慢性炎症の病態があるかどうかをみたり, 慢性炎症の原因疾患を見つけるための検査も同時に行ったりしていくのがよいと思います. 鉄欠乏性貧血安川ありがとうございます. 次に, 具体的にそれぞれの疾患の診断と治療についてお話しいただきたいと思います ( 表 3). 最も頻度の多い鉄欠乏性貧血でありますが, これも診断と治療に重要な点がありますので, まず診断のポイント, また, こういうところをしっかり診ておかないと間違った診断になるというようなところを末永先生, お話しいただけ 日本内科学会雑誌 104 巻 7 号 1435

5 末永孝生氏ますか. 末永鉄欠乏性貧血に関しては, 中等度, 軽度, 重症と重症度によってやや異なる病状を呈することがあります. 例えば, 血清鉄は軽度の鉄欠乏性貧血では必ずしも下がっていない, 一方, 血清のフェリチンレベルは軽度の鉄欠乏性貧血でも40 以下になってしまうということがあります. 例えば, 軽度ないし中等度の鉄欠乏性貧血ではTIBCはほとんど差がありませんし, 重症の鉄欠乏性貧血はTIBCが非常に上昇したということがあります. 血清鉄とフェリチンを両方ともちゃんと測るようにすれば, 少なくとも鉄欠乏性貧血の大きな診断の間違いはないだろうと思います. 例えば, 血清鉄が低いけれども, 炎症性にフェリチンが上がっている場合などもありますので, やはりそういう点は注意する必要があると思います. 安川鉄欠乏性貧血のポイントとして, 血清鉄が下がっているだけでは慢性炎症による貧血もそうですので, 必ずフェリチン ( 貯蔵鉄 ) の低値を確認することが大事だと思います. 私も最近, 血清鉄だけが低値だということで鉄欠乏性貧血と診断されて, 鉄剤をどんどん飲んでいるけれども良くならないという患者さんのご紹介を受けたのですが, 実はその患者さんは関節リウマチによる貧血でした. いろいろと文献を 調べると, 関節リウマチの貧血はなぜか小球性低色素性になると書かれています. ですから, そういう患者さんをみたら, フェリチンをしっかり測ることが大事だと再認識しました. 鉄欠乏性貧血を診断した場合に最も大事なのは, なぜ鉄分が下がっているのかを調べることです. 非常に重篤な疾患が隠れている可能性もあります. こういった場合にはどのような検査が必要だとお考えでしょうか. 鵜飼鉄欠乏性貧血の基礎疾患は大きく3つに分けて考えるようにしています.1つ目は鉄の喪失です. 具体的には消化管からの出血で, 消化管潰瘍や憩室, 痔核や消化器のがんがないかどうか, 女性の場合は子宮筋腫などによる月経過多がないかどうか, あとは肉眼的な血尿がないかどうかを確認します.2つ目は鉄の供給不足です. 具体的には胃切除をしていないかどうか, 慢性胃炎がないかどうか, ダイエットや偏食による摂取不足がないかどうかを確認します.3つ目は鉄の需要が増大する場合です. 具体的には成長期, 妊娠 授乳, また過度な運動でも鉄欠乏性貧血が生じることがあります. こういう3つのポイントに分けて考えるようにしています. 安川やはり鉄欠乏性貧血を診たときには, なぜ鉄分が下がっていたのかということをしっかり確認することが大事だと思います. 特に重要なのは, 高齢者の消化管の腫瘍からの慢性出血です. これを見逃さないように徹底的に消化管の検索をすることが非常に大事だと思います. それでは鉄欠乏性貧血の治療について, 末永先生にご説明いただきたいと思います. 末永鉄欠乏性貧血の治療は経口鉄剤が原則です. ただし, 経口鉄剤が不適応な患者さんでは, やむを得ず静注鉄剤を使うことがあります. ただ, 静注鉄剤の場合は過剰投与にならないように, 必要な鉄剤の量を計算して投与することが重要かと思います. 経口鉄剤はしばしば消化管症状を起こしますので, 私たちは原則的 1436 日本内科学会雑誌 104 巻 7 号

6 特集 貧血 : 基礎知識から治療の最前線まで にはビタミンCを同時に投与しています. 安川鉄剤の投与は経口鉄剤が原則であるということですが, 稀に経口鉄剤が効かない場合があります. そのときにどのように対処するのか, これも日常診療で非常に重要なことだと思いますので, 鵜飼先生, お考えをお聞かせください. 鵜飼経口鉄剤の効果がない場合, 最初に患者さんに聞かなければならないのはコンプライアンスです. 患者さんが鉄剤をしっかり服用しているかどうかを確認することから始めなければいけません. もし服用していない場合には服用してもらうようにしますが, 服用していても効果がない場合には, 消化管出血や鉄の吸収障害がないかどうかを確認するために, 消化管の検索をしていくことになります. 特に多いものにピロリ菌感染に伴う吸収障害がありますので, ピロリ菌に関する検査を行い, 陽性であれば除菌をすることがこういった場合には非常に重要になってきます. 安川 Helicobacter pyloriに関しては, 特に若い学童の鉄欠乏性貧血と感染の関係という論文が出ているようですが, 実は私も最近,2 例ですが, ヘモグロビンが4 gとか5 gという重症の鉄欠乏性貧血の患者さんで経口鉄剤が全く効かないし, いろいろ検査をしても原因がわからなかったのが,Helicobacter pyloriの除菌をすると劇的に吸収がよくなって, 経口鉄剤も短期間で, あとは食事からだけの吸収で良くなったという経験をしています. ですから, 経口鉄剤が効かない場合は,Helicobacter pyloriの検索も非常に大事ではないかと思っています. あとは, 特別な鉄欠乏性貧血として何かご経験などありましたら, お聞かせいただきたいと思います. 私は以前,factitious anemia, 瀉血を隠れてされている患者さんを何人か診ました. 慢性的に貧血が進んで, 突然発熱を起こしたりしますので, なぜかと思っていろいろ検索をすると, 汚染された古い注射器を使って自分で血 鵜飼知嵩氏を抜くものだから熱が出るのです. 熱が出ると同時に貧血が進む. それで鉄欠乏状態になっていたというケースも経験しました. 末永成人男性の鉄欠乏性貧血はなかなか困難な場合があります. 検便も行いますが, 持続的に出血しているわけではなくて, 時々しか出血しない場合もありますので, 検便はできるだけ繰り返し行います. この間, 小腸の悪性腫瘍を経験しました. 基本的には消化管は上下を見るのですが, 検便が陽性で, 上部消化管が正常で, 大腸ファイバーを行っても異常はありませんでした. ですが, 検便では便潜血が何回か出ましたので, 消化器内科にお願いして小腸の検索をしたところ, 小腸の悪性リンパ腫でした. 小腸を調べるのは大変ですが, どうしても原因が上下ではっきりせずに, しかも消化管が非常に怪しい場合は小腸まで調べるべきだと思います. 安川とりわけ, 検便の重要性ということですね. それで陽性の場合は徹底的に消化管を検索するのが大事だということです. 鵜飼私が印象に残っているのはpica( 異食症 ) の症例です. 異味症 ( 異食症 ) になって泥を食べるようになった症例をよく調べると, 鉄欠乏性貧血が見つかったという症例は典型的ですが, 印象深かったと思います. また, 私も上下部内視鏡で問題がなくて小腸潰瘍だったとい 日本内科学会雑誌 104 巻 7 号 1437

7 う鉄欠乏性貧血の症例を経験していますが, 最近はカプセル内視鏡なども比較的実施可能な施設が増えているようなので, どうしても疑わしい症例に関しては, 消化器内科にそういった検査を依頼することも非常に大事になってくると思います. 溶血性貧血安川ありがとうございます. それでは溶血性貧血に移らせていただきたいと思います. 溶血性貧血はそれほど頻度の高い疾患ではありませんが, いろいろな種類があります. 最近は新しい薬も登場してきていますので, 重要な病気ということがいえると思います. まず, 溶血性貧血の診断のポイントをお話しください. 末永溶血性貧血を診るとき, 僕はLDH(lac- tate dehydrogenase) と間接ビリルビンの上昇が基本的に重要であると思っています. 溶血性貧血の程度にもよりますが,LDHの上昇と間接ビリルビンが有意に上昇していれば, それは基本的に溶血を疑います. 溶血性貧血で最も私たちが遭遇しやすいのは自己免疫性溶血性貧血です. 自己免疫性溶血性貧血の場合はCoombs 試験を必ず行っていますが, 患者さんにおしっこのことを必ず伺います. 真っ赤な尿が出るとおっしゃる場合もありますが, 必ずしも真っ赤ではなく, 例えば茶色や茶色がいつもよりもちょっと濃いかなと思う程度の色であることもあります. 溶血かどうかの鑑別は問診ではそういうことですが, 基本的にはLDHと間接ビリルビンの程度を主に重視しており, さらに進むとすればこのような事項を, 溶血性貧血を疑う手がかりとしています. 安川そうですね. あとは網赤血球の上昇とハプトグロビンの低下も一緒にみていった方がよいですね. 特殊な溶血性貧血として遺伝性の溶血性貧血があると思います. 鵜飼先生, ご経験も含めて, 診断のポイントをお話しいただけ ますでしょうか. 鵜飼直接 Coombs 試験の陰性の溶血性貧血で, 赤血球に形態異常があり, 遺伝歴があれば, それは遺伝性の溶血性貧血が疑われるのではないかと思います. やはり遺伝歴や, あとは胆石症がないか, 脾腫がないか, そういったところを確認すべきだと思いますし, 塗抹標本で赤血球の形態をみていくことも非常に大事になってくると思います. 例としては, 私は小児科の先生から相談を受けたのですが, パルボウイルスの無形成発作で入院したお子さんがおり, その人は遺伝性球状赤血球症だったわけですが, その方のお父さんがやはり風邪をひいて具合が悪そうだということから, 父にも遺伝性球状赤血球症が見つかったという症例を経験しています. また, 遺伝性球状赤血球症の診断に関しては, 浸透圧脆弱試験で確認していくことになります. 安川遺伝性溶血性貧血の最も頻度の高い疾患は遺伝性の球状赤血球症だと思いますが, 常染色体優性遺伝ですので, 家系の中に患者さんがたくさんいるという大家系もありますので, 家族歴をよく聞くことが大事だと思います. 溶血性貧血の中で発作性夜間血色素尿症 (paroxysmal nocturnal hemogrobinuria:pnh) に対する抗体薬, エクリズマブが使えるようになりました. 先生方でご使用の経験がありましたら, お聞かせいただきたいと思います. 末永何人か経験がありますが,1つはPNH の診断がフローサイトメトリーで調べることができるようになり, 簡便に診断ができるようになりました. エクリズマブが出るまではステロイドを大量に間歇的に使うという治療をしていましたが, 結構悲惨な病気でした. ですが, エクリズマブを使いますと画期的に良くなり, 臨床症状も患者さんのQOL(quality of life) も良くなりますので, 本当に画期的な薬だと思います. しかし, 初め1 週間に1 度, 点滴をしなければいけないこと, それから非常に高価である 1438 日本内科学会雑誌 104 巻 7 号

8 特集 貧血 : 基礎知識から治療の最前線まで こと, それが問題かと思います. 鵜飼私は導入した経験はないのですが,2 週間に1 回, エクリズマブの維持を外来でさせていただいたことがあります. 私が受け持っていた期間は臨床的な問題は少なかったですが, やはり2 週間に1 回外来に来るというのが非常に患者さんにとって大変だと感じました. 安川患者さんにとっては朗報で, いい薬ではありますが, これはあくまでも補体の中和をするという抗体のお薬で,PNHそのものを治す薬ではありませんので, 今後はPNHのクローンをどうするかという本質的な治療法の開発も望まれるところではないかと思います. 先ほど末永先生がおっしゃったように, この薬は非常に高価です. 最近の抗体薬は非常によい薬がどんどん出てきていますが, そのあたりも社会的に問題になっているのではないかと思います. 再生不良性貧血と赤芽球癆安川次に再生不良性貧血と赤芽球癆の診断と治療についてお伺いします. 再生不良性貧血は汎血球減少症ということで診断のきっかけになると思いますが, 汎血球減少症の鑑別について, そして再生不良性貧血の診断のポイントについて, 鵜飼先生, ご紹介いただけますでしょうか. 鵜飼汎血球減少症の患者さんを診て最初にまず考えることは, やはり薬剤性などの薬剤の投与がないかどうか, あとは汎血球減少を来たすようなウイルス感染などの合併がないかどうかということで, 最初にチェックします. 次に肝硬変や膠原病, 特に全身性エリテマトーデス (systemic lupus erythematosus:sle) などに特異的な所見がないかどうか, 肝脾腫やリンパ節腫脹がないかどうかも確認していきます. 同時にビタミンB12や葉酸の欠乏がないかどうか, あとは末梢血に芽球の出現がないかも確認します. 網赤血球は骨髄の造血機能を推測する1つ の目安になりますし, そういったもので全く基礎疾患が推定されない汎血球減少症に関しては, やはり骨髄穿刺, 骨髄生検を施行するというのが一連の診断の流れになると考えます. 再生不良性貧血に関しては, 他の疾患を除外することによってなされる除外診断ですが, 特に骨髄の所見としては有核細胞数の減少と, 生検で造血組織の減少と, 脂肪組織の増加がみられるのが特徴です. ただ, 人の造血巣というのは非常に分布がランダムで,1つの骨髄穿刺の部分からは全体としての造血巣が評価できない可能性があるということで, 胸腰椎のMRIなど, やはり全身の造血を評価するのにMRIが有効ではないかと考えています. 安川そうですね. 造血能の診断にMRIの有用性というのはいわれていると思いますが, 末永先生, 何かコメントはありますか. 末永その通りだと思いますが, 全体として造血能をどのように評価するかというのはなかなか難しいですが, 私たちは基本的に胸腰椎の MRIを撮り, 脂肪髄が増加していることを確認するというふうにしています. 安川汎血球減少症の鑑別診断というのは非常に重要になってくると思います. 鑑別診断に挙あげるのも10 以上がすぐに出てこなければいけないというのが学生に求める知識のレベルですので, その鑑別診断は非常に大事だと思います. 再生不良性貧血の治療はいろいろありますが, その中の大事な薬として免疫抑制薬の適用があると思います. この適用と使用のポイントをご説明いただけますか. 末永再生不良性貧血に対しては免疫抑制薬, 主にサイクロスポリンAとATGを使用しますが, 若年者であれば, 重症度にもよりますが, 基本的にATGとサイクロスポリンの両方を最初から使用するのがよろしいかと思います. 問題は70 歳以上の高齢者の再生不良性貧血をどのように治療するかということですが, 免疫抑制 日本内科学会雑誌 104 巻 7 号 1439

9 薬 ATGを使うかどうかに関しては少し議論があろうかと思います.70 歳以下であれば普通に使われるべきだと思います.MDSとの鑑別が高齢者では難しい症例もありますので, そういう方にはATGの使用は慎重になる場合もあります. 安川 T 細胞が再生不良性貧血の病態に関与しているということが最近わかってきて,T 細胞を抑制する薬に効果があるとわかってきていますので, そういう薬を使うときには一方で細胞性免疫に対する日和見感染の予防などに注意する必要があるのではないかと思っています. 重症の再生不良性貧血になりますと, 造血幹細胞移植の適応ということになろうかと思いますが, その適応と専門医への紹介のタイミングについて鵜飼先生, いかがでしょうか. 鵜飼再生不良性貧血の造血幹細胞移植の適応に関しては, 厚生労働省の治療指針によると, ステージ3 以上, 具体的には網赤血球が 60,000/μl 未満, 好中球が1,000/μl 未満, 血小板が50,000/μl 未満のうち2 項目以上を満たし, 定期的な赤血球輸血を必要とする重症の再生不良性貧血で,HLA 一致同胞がいる40 歳未満の方は同種造血幹細胞移植が第一選択とされています. しかし, 実際に移植の適応というのはケースバイケースで免疫抑制療法を先行させることもあります. いずれにしても再生不良性貧血が疑われる場合には, 重症度に関わらず, 一度は専門医の意見を求めるのがよいのではないかと考えます. 安川末永先生もご経験豊富だと思いますが, いかがでしょうか. 末永造血幹細胞移植自体は, 重症の再生不良性貧血であれば, 輸血をする前に ということが予後との関係で勧められるかと思います. 輸血を受けた方と輸血を受けていない方では移植成績が明らかに異なるという報告があります. それからもう1つは, 過剰に輸血を受けた患者さんは臓器障害を起こしていますので, どうしても移植成績が落ちてしまう可能性があり ます. 安川重症の再生不良性貧血に関しては, 長期輸血をせずに早めに専門医へ紹介することが大事だということだと思います. 先ほど鵜飼先生がパルボウイルスのお話をされましたが, 赤芽球癆, 赤血球だけが産生が低下している病気だと思いますが, ウイルスによる造血障害というのも非常に大事だと思います. パルボウイルス感染で何か興味ある症例はありますでしょうか. 末永私は専門ではないのであまりよくわからないのですが, 赤芽球癆などは割とパルボウイルスは感染しやすいし, 治療抵抗性の大きな原因になっているかもしれないといわれているので, 治療を行っても上手くいかないときにはパルボウイルスの遺伝子を測定する. 抗体だけでよいのかどうかはよくわかりません. 恐らく遺伝子まで行わなければいけないと思うのですが, そのあたりが私はよくわからないし, もう 1つは骨髄でそれをしなければいけないのか, 血清でいいのか, それらについてもはっきりしていないように思います. 安川診断は両方でやるのが理想的ですが, 成人でパルボウイルス感染を疑うポイントとして, 私が経験したのは関節症状があって紅斑がある, ちょっとした貧血があるというもので, 患者さんのお話をいろいろ聞くとお子さんから移ったというケースがありました. 慢性腎臓病による貧血 安川次は慢性腎臓病による貧血です. ご存知のように糖尿病性腎症が増えているということがあり, 慢性腎臓病による貧血も増えています. まず, この慢性腎臓病による貧血の診断ですが, 血清のエリスロポエチンを測ったときに貧血があるけれども, 正常値だったためエリスロポエチンは十分産生されており, 慢性腎臓病による貧血ではないと診断されている方が時々 1440 日本内科学会雑誌 104 巻 7 号

10 特集 貧血 : 基礎知識から治療の最前線まで いらっしゃいます. これは誤解であるということを申し上げたいと思います. これは貧血ですので, エリスロポエチンは貧血を改善しようとして本来は上昇するものですが, それが正常値にとどまっているというところが異常であるという, そういう理解が必要であるということを強調しておきたいと思います. 慢性腎臓病による貧血を非常に多数例集めた論文を読みましたが, そこでもその点が強調されていました. エリスロポエチンは正常よりも若干上がっている症例も結構あるということですので, 値が正常値であるということの解釈を間違えないようにということを申し上げたいと思います. 最近, エリスロポエチン製剤も改良が加えられましたので, 頻回に使う必要がなくなってきました. これは慢性腎臓病による貧血, 特に透析患者さんには朗報かと思いますが, このあたりをご紹介いただけますでしょうか. 末永エリスロポエチン製剤は最近新しいものができており, 以前は毎週投与していたのですが, 最近では4 週間に1 度程度の投与で済む製剤があります. 透析学会の目標としては, ヘモグロビンで10~11 g/dlが目標となっています. 過剰に13 g/dlを目標とした試験があるのですが, その場合に心筋梗塞や脳梗塞など死亡のイベントが増えたと報告されていますので, 現在では10~11 g/dlを目標とすることが多いかと思います. また, 腎臓内科から, エリスロポエチンが効かないとか, 貧血が良くならないとかいう紹介を時々受けることもあるのですが, 1つは透析が不十分ということ, もう1つは保険などの関係でエリスロポエチンの投与量が不十分ということ, 個人的にはこの2つが大きな原因になっているのではないかと思います. 安川今, 末永先生から腎臓内科, 透析医との連携などもご紹介いただきましたが, 鵜飼先生, 何か追加はありますか. 鵜飼腎臓内科や透析の先生からご相談を受けることが多いのは, エリスロポエチン抵抗性 の貧血で, 特に輸血依存の場合や汎血球減少, 貧血以外に血小板や白血球にも異常があるような場合にご連絡いただくことが多いかと思います. そういった場合にはやはり腎性貧血以外の貧血がないかどうかというのは, 私たちもみていかないといけないと思います. また, 腎性貧血だと思っていたけれども血清鉄やフェリチンが高くてMDSだったということもあるかと思いますので, フェリチンの高い症例に関しては特に注意した方がよいと思います. 腎臓内科の先生や透析の先生と関わりがあるのは骨髄腫関連腎障害になるかと思いますので,M 蛋白がある場合や尿蛋白などからアミロイドーシスが疑われる場合には, 腎臓内科の先生や透析の先生と連携をして検査を進めていくのがよいのではないかと考えています. 骨髄異形成症候群安川ありがとうございました. 最後に, MDSについてお話を伺いたいと思います. この疾患は血液内科の先生には馴染みのある疾患だと思いますが, 血液以外のご専門の内科の先生には少し理解しにくい疾患だと思います. どういう病気なのかということをご紹介いただけますか. 末永 MDSは非常に複雑な病気で, 一言ではなかなか語れません. 以前は前白血病状態といわれることが多かったのですが, 現在では必ずしも全てが白血病に移行するわけではないといわれています. 大きくは不応性貧血, 鉄芽球性貧血,RAEB(refractory anemia with excess blasts, 芽球増加型不応性貧血 ),RAEB-T(RAEB in transformation) と 4 つに分けられます. 最近,WHO(World Health Organization) ではもう少し細かく分けていますが, 前白血病状態といえる状態と, そうでない不応性貧血や鉄芽球性貧血に大きく分けてよろしいと思います. 僕の経験では, 貧血があって2 系統以上の血球減 日本内科学会雑誌 104 巻 7 号 1441

11 表 4 貧血の患者に行うべき検査と注意点のまとめ 小球性 低色素性貧血血清鉄, 総鉄結合能 ( 不飽和鉄結合能 ), フェリチン * 鉄欠乏性貧血では原因を明らかにすること正球性 正色素性貧血網赤血球絶対数増加の場合 ( 溶血性貧血疑い ): ビリルビン,LDH, ハプトグロビン, クームス試験, 赤血球形態 * 家族歴も重要減少の場合 ( 産生不全 ): エリスロポエチン, 骨髄穿刺 生検 * 腎機能に注意 * 慢性炎症による貧血も鉄低値になることに注意大球性貧血ビタミンB12, 葉酸, 末梢血好中球過分葉の有無, 骨髄穿刺 ( 形態学的検査, 染色体検査 ) * 胃切除の既往に注意 少がある場合にMDSを第一に疑ってよいのではないかと思います. 稀に, 例えば血小板だけとか白血球だけとか赤血球だけということもありますが, 少なくとも2 系統以上の血球減少が併存するという状態があれば,MDSを鑑別診療の大きな中心に置いてよろしいのではないかと思います. 安川鵜飼先生, このMDSを疑う検査のポイントとして, 何か追加することはありますか. 鵜飼末永先生がおっしゃった通りですが, 多いのはやはり高齢者です. 特に大球性の貧血で, ビタミンB12と葉酸が正常か, または上昇している場合にはMDSを考えることが多いと思います. また, いろいろ貧血の精査をした場合に, LDHの上昇がみられたり, エリスロポエチンが高値であったり, また, 血清鉄やフェリチンが高値になったりすることもMDSでは多いので, こういったところがMDSを疑う検査のポイントになるかなと思います. また, どこの施設でも末梢血のスメアをご自身でご覧にならなくても検査の技師がスメアを引いてご覧になることがあると思いますので, 血液内科以外の先生方であれば異型性があるかどうかを技師に確認するという方法もあると思います. 安川ありがとうございます. 最終的にはやはり骨髄穿刺をして, 細胞の形態をよく調べ て, それから骨髄穿刺をやる場合には染色体の検査を合わせて行うということが非常に大事だと思います. 予後の推定, また治療薬の選択にも染色体異常は非常に重要ですので, 骨髄穿刺を行うときには染色体の検査も忘れないことが重要だと思います ( 表 4). これも非常に軽症のケースと, どんどん悪くなって最終的に白血病化のような症例がいろいろあると思いますが, 血液専門内科の先生への紹介のタイミングについて, どういうところに注意して診断と紹介をすればよいでしょうか. 末永血小板の低下がかなりはっきりしている症例は,MDSであろうとなかろうと早急に紹介された方がよろしいかと思います. 緊急性があるのか, または時間を置いてもよいのかという問題だけだろうと思うのです.MDSの場合は基本的には正しい診断は血液の専門医でなければなかなか困難ですので, 緊急性があるかどうかということだけだろうと思います. やはり中等度以上の貧血, 白血球数が2,000/μlをきるような症例, それから血小板が50,000/μlをきるような症例はやはり緊急性があると考えて,1 週間以内に血液が専門の施設に紹介された方がよろしいのではないかと思います. あとは症状として熱があるような症例ですね. 感染症を起こしているか, 感染症のフォーカスがはっきりし 1442 日本内科学会雑誌 104 巻 7 号

12 特集 貧血 : 基礎知識から治療の最前線まで ない熱発を来たしているような症例も早急に紹介された方がよいと思います. 輸血の適応安川経過をみるというのが大事ですね. 安定していれば特に積極的な治療は必要ないと思うのですが, だんだん進行していく場合は早めに血液の専門の先生に紹介をすることが大事ではないかと思います. 特に高齢者になりますと, 積極的な化学療法が困難な場合は輸血で凌ぐというケースが非常に多くなってくると思います. また, 赤血球輸血を長い間継続していると鉄の過剰症という問題も起こってきます. これに対しては非常によい薬も出ていますが, 慢性の貧血, 血小板輸血も含め, 血液内科のご専門の立場から, どのあたりで輸血の適応というふうに考えておられるのかお話しください. 末永できるだけ鉄過剰症を避けたいという観点からしますと, 臨床症状が輸血の適応の大きなキーになるかと思います. 臨床症状がゆっくりと進む場合には, ヘモグロビンが8 g/dl 程度でもそれほど症状を訴えない患者さんもいらっしゃいますし,6 g/dl 程度でも症状のない患者さんもいらっしゃいます. しかし, 急性ですと10 g/dlでもかなりしんどいとおっしゃる患者さんもいらっしゃいます. このような点を考慮して, 私たちはだいたい8 g/dl 前後を目安に, 症状がなければできるだけ輸血の閾値を低めにしますが, 症状があれば赤血球輸血を症状に合わせて行います. 血小板に関しては少し難しいのですが, 必ずしも血小板数だけではなく, 臨床症状を考慮して血小板輸血を行うというようにしています. 私たちの血小板輸血のトリガーはだいたい10,000/μl 前後です.10,000/ μl 以上で出血症状がなければ, 予防的な血小板輸血は一般的には行っていないというのが現状です. 安川やはり慢性の貧血, 慢性の血小板減少 症の患者さんに対する輸血の適応というのは非常に大事だと思います. 慢性の貧血の患者さんというのは, ある程度適応もしていますので, あまり数合わせにならないようにすべきと思います. 私が外来で診ている高度の貧血のある MDSの患者さんも, ヘモグロビンで6.5 gぐらいをめどにしていますし, 血小板に関しては 10,000/μl 前後ですが, 出血傾向も軽度ですので輸血をせずに様子をみています. ただ, よく言われることですが, やはり口腔内の出血であるとか粘膜の異常は危険信号ですので要注意です. 単に数が少ないというだけで輸血をする必要はないということだと思います. これに関しては, 鉄欠乏性貧血のときもそうですが,4 gとか5 gでも平気で仕事をしている方もいらっしゃいます. 鉄剤で治ってから そういわれてみれば, あのときちょっとしんどかったな と. 同じ貧血でも基礎疾患によって症状が違いますので, 貧血があるからすぐに輸血ということではないということをご理解いただければと思います. 鉄過剰症安川鉄の過剰症については, デフェラシロクスというよい薬も出ています. この使用経験などに関して鵜飼先生, ご説明いただけますか. 鵜飼除鉄に関しては輸血後鉄過剰症の診療ガイドラインなどに規定されており,1 年以上, 一定の予後が期待され, 血清フェリチンが 1,000 ng/ml 以上, あるいは総赤血球血量が 40 単位以上の場合には, デフェラシロクスの投与を検討するということが書かれています. ただ実際には, デフェラシロクスはかなり消化器症状が強いので, 特に高齢者の場合はなかなか続けられない場合が多く, 減量して投与していく場合もありますので, そういったことに注意しながら, もし投与可能な場合には使用するというようにしています. 日本内科学会雑誌 104 巻 7 号 1443

13 末永付け加えますと, 腎機能が悪い人もやはり使いづらいです. 安川ただ, こういう薬が使えるようになったということは非常に朗報で, 長期生存の期間も伸びたということですので, 上手く使いたいと思います. おわりに安川本日は, 貧血 という日常診療で重要な疾患に関して様々な面から診断と治療についてお話しいただきました. 本日のが内科の先生方の日常の診療のお役に立つことを期待して, このを終わりたいと思います. 本日はどうもありがとうございました. 著者の COI(conflicts of interest) 開示 : 本論文発表内容に関連して特に申告なし 1444 日本内科学会雑誌 104 巻 7 号

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