2.7.1 生物薬剤学及び関連する分析法の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー静注 50 mg 第一三共 目次 1. 背景及び概観 個々の試験結果の要約 陽イオン交換クロマトグラフィーとタンデム質量分析を組み合わせたメチレンブルー 定量法 ( 添付資料番号

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1 2.7.1 生物薬剤学及び関連する分析法の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 目次 1. 背景及び概観 個々の試験結果の要約 陽イオン交換クロマトグラフィーとタンデム質量分析を組み合わせたメチレンブルー 定量法 ( 添付資料番号 ) メチレンブルー及びロイコメチレンブルー測定の紫外吸光光度法 ( 添付資料番号 ) 全試験を通しての結果の比較と解析 付録...8 1

2 2.7.1 生物薬剤学及び関連する分析法の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 略語一覧 略語 略していない表現 ( 英 ) 略していない表現 ( 日 ) CO carbon monooxide 一酸化炭素 COHb carboxyhemoglobin カルボキシヘモグロビン EMA European Medicines Agency 欧州医薬品庁 ESI electrospray ionisation エレクトロスプレーイオン化 HHb deoxyhemoglobin 還元ヘモグロビン MB methylene blue メチレンブルー MetHb methemoglobin メトヘモグロビン MS/MS tandem mass spectrometry タンデム質量分析 NO nitric oxide 一酸化窒素 O 2 Hb oxyhemoglobin 酸化ヘモグロビン SaO 2 arterial oxygen saturation 動脈血酸素飽和度 SpO 2 oxygen saturation by pulse oximetry 動脈血酸素飽和度 ( 近似値 ) thb total hemoglobin: 総ヘモグロビン 2

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4 2.7.1 生物薬剤学及び関連する分析法の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 1. 背景及び概観 DS-2207b 製剤は原薬を注射用水に溶解した静脈内投与用の注射剤であるため 生物薬剤学に係る試験は実施していない 分析法については 本邦で新たな検討は実施しなかったが 公表文献から MB 及びロイコメチレンブルー (leucomethyleneblue: LMB) に係る文献 2 報を本項に示す 2. 個々の試験結果の要約 2.1 陽イオン交換クロマトグラフィーとタンデム質量分析を組み合わせたメチレンブルー定量法 ( 添付資料番号 ) 全血 紙スポット ( 乾燥全血 ) 及び血漿という 3 種の生体基質中の MBの定量について タンデム質量分析を組み合わせた陽イオン交換クロマトグラフィーを用いて検討した 方法 検討対象とした生体基質のうち 全血と血漿は健康人より採取した EDTA 添加の全血サンプルは 採血後直ちに凍結し 20 C で保管した ヘパリン添加の血液サンプルは 採血後直ちに遠心分離し 分離した血漿サンプルを 20 Cで保管した 紙スポットのサンプルは 小児マラリア患者の全血 (100 μl) をろ紙上にスポットし 乾燥させて室温で暗所に保管した これら 3 種の生体基質中の MBを エレクトロスプレーイオン化 (electrospray ionisation: ESI) タンデム質量分析 (tandem mass spectrometry: MS/MS) を組み合わせたタンパク沈殿陽イオン 交換クロマトグラフィーで定量分析した また 本分析法のバリデーションは FDA の基準に基づき 3バッチを用いて実施した 全血及び血漿に対しては アセトニトリルとトリフルオロ酢酸を用いた酸性タンパク沈殿法を用いて MBを抽出した 紙スポットからの MBの抽出にはアセトニトリル水溶液を用いた サンプル抽出物は酢酸アンモニウム水溶液 / アセトニトリルグラジエントを用いた混合モードカラム ( 陽イオン交換 / 逆相 ) のクロマトグラフで分離した MB は ESIを用いた選択的反応モニタモード中で MS/MS を用いて定量化し 内部標準にはメチレンバイオレット 3RAX を用いた 結果 バリデーションの結果を表 に示す 各バッチ間の真度は全血 血漿 及び紙スポットでそれぞれ 4.5~+6.6% 3.7~+7.5% 及び 5.8~+11.1% の範囲であった 全血及び血漿で 250 μl 紙スポットで 100 μlのサンプル量で 本分析法の測定値は少なくとも 75~ ng/mlの間で線形であり 定量下限濃度はすべての基質で 75 ng/mlであった 対応する精度は 変動係数が 3.8~11.8% の範囲であった 1) 4

5 2.7.1 生物薬剤学及び関連する分析法の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 表 種の異なる生体基質での MB 濃度測定のバリデーション結果 2.2 メチレンブルー及びロイコメチレンブルー測定の紫外吸光光度法 ( 添付資料番号 ) ヒトの尿中に含まれている LMB は ある種の塩 複合体 又は結合型として安定化しているため 尿中の MBと LMB を測定することが可能である 今回 全血 組織 並びに尿中の MB( 未変化体 ) 及び LMB を測定する紫外吸光光度法について検討した 方法 ヒト全血 ヒト尿 及びラット組織の検体を 以下の方法で測定した 1) ヒト全血 : 全血サンプル 5 mlを遠心分離管 (15 ml) に入れ 塩化ナトリウム 400~ 600 mg を加えて混合した さらに 1, 2-ジクロロエタン 7 mlを加えて混合後 2500 rpm で 15 分間遠心分離した 上部の血液層を除去後 1, 2-ジクロロエタン抽出液を採取し その吸光度を 660 nmで測定した 2) ヒト尿 i) 未変化体 (MB) 量の測定 : 尿サンプル 5 mlを塩化ナトリウム (300 mg) を含む遠心分離管に入れ さらに 1, 2-ジクロロエタン 7 mlを加えて混合後 2000 rpmで 10 分間遠心分離した 上部の尿層を除去後 1, 2-ジクロロエタン抽出液の吸光度を 660 nmで測定した ii) 尿中総量 ( 未変化体の MB 及び安定化 LMB) の測定 : 遠心分離管に尿サンプル 5 ml を入れ 塩化ナトリウム 300 mg 及び 5N 塩酸 0.1 mlを加えて混合した後 2~3 分間湯浴し その後放冷した さらに 1, 2-ジクロロエタン 7 mlを加えて混合後 2000 rpmで 10 分間遠心分離し 分光光度法にて 660 nmで測定した iii) 安定化 LMB として尿中に排泄された MB 量は ii) と i) の差から算出した 3) ラット組織 : MB 濃度を測定したい器官 ( 組織 ) をラットから採取し 重量を測定した後 0.1N 塩酸を用いて 5% w/vホモジネートを作成し ホモジネートの 15 mlを 5

6 2.7.1 生物薬剤学及び関連する分析法の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 rpm 0~5 C で 1 時間遠心分離した 上清の 5 mlに塩化ナトリウム 600 mg と 1, 2-ジクロロエタン 7 mlを加えて混合後 2000 rpmで 10 分間遠心分離し 1, 2-ジクロロエタン抽出液の吸光度を 660 nmで測定した また ホモジネートの遠心分離 (20000 rpm) で生じたプラグについても 0.1N 塩酸を用いて再ホモジナイズした この再ホモジネートから得られた上清も 660 nmで測定した 組織内に取り込まれた MB 量は以下の式を用いて算出した 取り込まれた MBの総量 = 上清中の MB 量 + プラグ中の MB 量 結果 ヒト全血及びヒト尿を紫外吸光光度法で測定したときの吸光度と MB 濃度の関係を図 及び図 に示す 全血 尿及び組織中の MB の定量感度は いずれも 0.02 μg/mlであった 図 ヒト全血での吸光度と MB 濃度との関係 6

7 2.7.1 生物薬剤学及び関連する分析法の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 図 ヒト尿での吸光度と MB 濃度との関係 7

8 2.7.1 生物薬剤学及び関連する分析法の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 3. 全試験を通しての結果の比較と解析血液や尿の生体試料中 MB 濃度の測定には の DiSanto AR 1972( ) らの報告や の尿サンプルの測定に用いられているように 従来 吸光光度法や分光光度法が使用されていた 現在では の Burhenne J 2008( ) らの報告並びに 及び で記載したとおり LC/MS/MS 法が用いられており これらの測定法は FDA の基準 1) に従ってバリデーションが実施されている 4. 付録 該当なし 8

9 メチルチオニニウム塩化物水和物 臨床薬理の概要メチレンブルー 50 mg 第一三共 目次 1. 背景及び概観 ヒト生体試料を用いた in vitro 試験 健康被験者における薬物動態 個々の試験結果の要約 ヒト生体試料を用いた in vitro 試験 血漿タンパク結合試験 ( 添付資料番号 ) ヒトのチトクローム P450に対する阻害作用 ( 添付資料番号 ) ヒト肝細胞を用いたチトクロム P450 酵素誘導 ( 添付資料番号 ) ヒトのモノアミン酸化酵素に対する阻害作用 ( 添付資料番号 ) ヒト血小板でのセロトニン放出作用 ( 添付資料番号 ) ヒト新鮮肝細胞を用いたメチレンブルーから Azure B へ代謝 ( 添付資料番号 ) グルコース-6-リン酸脱水素酵素欠損ヒト赤血球を用いたメトヘモグロビン産生 とメチレンブルーの効果 種々の化学物質によるヒト赤血球でのメトヘモグロビン産生とメチレンブルー の薬理作用 ヒト生体試料を用いたその他の in vitro 試験 健康被験者における薬物動態 第 I 相試験 ( 単回静脈内投与試験 )( 添付資料番号 ) 第 I 相試験 ( 単回静脈内投与試験 )( 添付資料番号 ) 第 I 相試験 ( 単回静脈内投与試験 )( 添付資料番号 ) 全試験を通しての結果の比較と解析 ヒト生体試料を用いた試験の結果 メチレンブルーの薬物動態的特性 内因性要因及び外因性要因の影響 付録

10 メチルチオニニウム塩化物水和物 臨床薬理の概要メチレンブルー 50 mg 第一三共 略語一覧 略語 略していない表現 ( 英 ) 略していない表現 ( 日 ) ADP adenosine diphosphate アデノシン二リン酸 AUC area under the plasma concentration-time 血漿中濃度 - 時間曲線下面積 curve AUC 0-inf area under the plasma concentration-time curve up to infinity 無限大時間までの血漿中濃度 - 時間曲線下面積 AUC last area under the plasma concentration-time curve up to the last quantifiable time 定量可能な最終時点までの血漿中濃度 - 時間曲線下面積 C max maximum plasma concentration 最高血漿中濃度 CYP cytochrome P450 チトクロム P450 DFO Desferrioxamine, deferoxamin デスフェリオキサミン デフェロキサミン DMSO dimethyl sulfoxide ジメチルスルホキシド ESI/MS/MS electrospray ionisation tandem mass spectrometry エレクトロスプレーイオン化タンデム質量分析 G6PD glucose-6-phosphate dehydrogenase グルコース-6-リン酸脱水素酵素 GSH reduced glutathione 還元型グルタチオン Hb hemoglobin ヘモグロビン HMPS hexose monophosphate shunt ヘキソース一リン酸経路 5-HT 5-hydroxytryptamine セロトニン LMB leukomethylene blue ロイコメチレンブルー MAO monoamine oxidase モノアミン酸化酵素 MAOI monoamine oxidase inhibitors モノアミン酸化酵素阻害薬 MB methylthioninium chloride, methylene blue メチルチオニニウム塩化物 メチレンブルー mesna mercaptoethanesulfonate メルカプトエタンスルホン酸ナトリウム MetHb methemoglobin メトヘモグロビン PMS phenazinemethosulfate フェナジンメトサルフェート PRP platelet rich plasma 多血小板血漿 SSRI selective serotonin reuptake inhibitors 選択的セロトニン再取り込み阻害薬 t 1/2 terminal elimination half-life 終末相の消失半減期 TLC thin layer chromatography 薄層クロマトグラフィー t max time to reach maximum plasma concentration 最高血漿中濃度到達時間 USAN United States Adopted Name 米国一般名 USP United States Pharmacopeia 米国薬局方 2

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12 メチルチオニニウム塩化物水和物 臨床薬理の概要メチレンブルー 50 mg 第一三共 1. 背景及び概観 DS-2207b 製剤の臨床薬理を評価するにあたり ヒト生体試料を用いた in vitro 試験として Provepharm 社が欧州での承認申請のために実施した血漿タンパク結合及びチトクロム P450 (cytochrome P450: CYP) の阻害 誘導に係る試験の成績を引用するとともに 公表文献からも情報を収集した ヒトを対象とした臨床薬理試験は 本邦で健康成人を対象とする新たな臨床試験は実施しなかったが 米国で実施された健康成人対象の第 I 相試験の成績及び公表文献より評価した 1.1 ヒト生体試料を用いた in vitro 試験ヒト生体試料を用いた in vitro 試験に関して 本項で評価した試験の一覧を表 に示す 血漿タンパク結合とチトクロム P450(cytochrome P450: CYP) の阻害及び酵素誘導は Provepharm 社が実施した試験成績を 新鮮肝細胞を用いた MBの代謝は 第一三共株式会社が実施した試験成績を用いて評価した また セロトニン (5-hydroxytryptamine: 5-HT) 毒性に関係するモノアミン酸化酵素 (monoamine oxidase: MAO) の阻害及び血小板からの 5-HT 放出メカニズムの検討 MB の効果発現に関係するグルコース-6-リン酸脱水素酵素 (glucose-6-phosphate dehydrogenase: G6PD) を欠損した赤血球での検討 並びにメトヘモグロビン (methemoglobin: MetHb) を産生する種々の化学物質に関する検討などについては公表文献から情報を収集して評価した 4

13 メチルチオニニウム塩化物水和物 臨床薬理の概要メチレンブルー 50 mg 第一三共 血漿タンパク結合 試験の種類 CYP の阻害及び酵素誘導 MAO の阻害 表 ヒト生体試料を用いた in vitro 試験の一覧 試験の内容 DS-2207b 製剤と MB USP 品のヒト血漿タンパク結合率の測定 ヒトの CYP 分子種に対する DS-2207b 製剤と MB USP 品の阻害作用 及び酵素誘導の評価 MAO(MAO A 及び MAO B) に対する MB の阻害作用の検討 添付資料番号 血小板からの 5-HT 放出作用血小板からの 5-HT 放出メカニズムの検討 新鮮肝細胞を用いた MB の代謝 G6PD 欠損ヒト赤血球での MetHb 産生と MB の効果 種々の化学物質による MetHb 産生と MB の効果 ヒト新鮮肝細胞懸濁液に MB を添加したときの Azure B 生成量の測定 正常ヒト赤血球と G6PD 欠損ヒト赤血球での MetHb 産生と MB の効果の検討 正常ヒト赤血球 G6PD 欠損ヒト赤血球 及び両者の混合物中の MetHb 還元の検討 一酸化窒素 (nitric oxide: NO) による MetHb 産生と MB の効果の検討 塩素酸塩による MetHb 産生と MB の効果の検討 塩素酸塩又は亜硝酸塩による MetHb 産生と MB の効果の比較検討 デスフェリオキサミンによる MetHb 産生と MB の効果の検討 MB による MetHb 産生 及び亜硝酸塩による MetHb 産生と MB の効果の検討 その他の薬理作用 MB による MetHb 還元に対する基質の影響の検討 MetHb 産生に対する一酸化炭素と MB の関係の検討 健康被験者における薬物動態ヒトでの薬物動態に関して 米国で実施された MB の第 I 相試験及び文献検索で得られた第 I 相試験 (2 報 ) の成績で構成した MBの 1 mg/kg 単回静脈内投与試験 ( 米国で実施された第 I 相試験 ) MBの 50 mg 単回静脈内投与と 500 mg 単回経口投与のクロスオーバー比較試験 MBの 100 mg 単回静脈内投与と 100 mg 単回経口投与の無作為化試験 2. 個々の試験結果の要約 2.1 ヒト生体試料を用いた in vitro 試験 血漿タンパク結合試験 ( 添付資料番号 ) 平衡透析法を用いてメチルチオニニウム塩化物 (methylthioninium chloride USAN では methylene blue: 以下 MBと略す ) の Proveblue( 以下 DS-2207b 製剤と略す ) と米国薬局方 (United States Pharmacopeia: USP) 品 ( 濃度 : 各 10 μm) のヒト血漿タンパク結合率を in vitro で測定した 5

14 メチルチオニニウム塩化物水和物 臨床薬理の概要メチレンブルー 50 mg 第一三共 方法 96 ウェル平衡透析装置 (12-14 K MWCO 透析膜 ) を用いて 透析膜で隔離したウェルの一方 ( 透析液側 ) に 0.05Mリン酸緩衝液 0.15 mlを もう一方 ( 試料側 ) に各被験化合物を添加したヒト血漿 0.15 mlをそれぞれ加えた その後 37 C で平衡に達するまでインキュベーションした 18±2 時間のインキュベーション後 緩衝液側 ( 透析液側 ) と血漿側 ( 試料側 ) から同量ずつサンプリングし HPLC-MS/MS の測定に供した また 被験化合物を添加したヒト血漿サンプルを対照とした 結果 血漿タンパク結合率の試験結果を表 に示す DS-2207b 製剤及び USP 品は 検討した濃度 (10 μm) でそれぞれ 94% 及び 97% の高い血漿タンパク結合率を示した 回収率は それぞれ 50% 及び 64% と中程度であった 結合率及び回収率とも 両化合物間の差は有意ではなかった 表 MB のヒト血漿タンパク結合率 (n = 2) ヒトのチトクローム P450 に対する阻害作用 ( 添付資料番号 ) 昆虫細胞のミクロソームを用いて ヒトの主要な CYP 分子種 (CYP1A2 CYP2B6 CYP2C9 CYP2C19 CYP2D6 及び CYP3A4) に対する DS-2207b 製剤と MB USP 品 (Methylthioninium Chloride Injection USP 1%(w/v): MTC) の両化合物の阻害作用 (IC 50 値 ) を評価した 方法 両化合物の 0~100 μm の濃度範囲にある 9 つの希釈溶液を作成し 各々の溶液について 個々の CYP 分子種と各 CYP 分子種に対する既知の蛍光プローブ基質とともに 37 Cで 15~45 分間インキュベーションし 蛍光測定を行った 結果 測定結果を表 に示す 両化合物は 今回試験した 6 つの CYP 分子種に対して同様の阻害作用を示し CYP1A2 CYP2B6 CYP2C9 及び CYP2C19 に対する阻害剤であった 6

15 メチルチオニニウム塩化物水和物 臨床薬理の概要メチレンブルー 50 mg 第一三共 表 MB の CYP 分子種に対する阻害作用 ヒト肝細胞を用いたチトクロム P450 酵素誘導 ( 添付資料番号 ) 凍結保存ヒト培養肝細胞 ( ロット : AAS SKD 及び TSD) を用いて ヒトの 2 つの CYP 分子種 (CYP1A2 及び CYP3A4) に対する DS-2207b 製剤と MB USP 品 (MTC) の両化合物の酵素誘導を評価した 方法 凍結保存ヒト培養肝細胞を両化合物の 1 μm 10 μm 及び 100 μm の濃度で処理した ヒト肝細胞は被験化合物と 48 時間インキュベーションし その後 CYP1A2 又は CYP3A4のそれぞれの基質として知られているフェナセチン (100 μm) 又はテストステロン (125 μm) を添加して CYP1A2 及び CYP3A4 の酵素活性を LC/MS/MS により測定した 結果 ロット AAS のヒト肝細胞を用いた CYP1A2 及び CYP3A4 の酵素誘導の結果をそれぞれ図 及び図 に示す 両化合物はヒト肝細胞で CYP1A2 及び CYP3A4 を誘導しなかった ロット SKD 及び TSDのヒト肝細胞についてもロット AASと同様の結果が得られた なお 本試験では両化合物とも 100 µmの濃度で細胞毒性効果を誘発し その結果として細胞生存率の低下が認められた 7

16 メチルチオニニウム塩化物水和物 臨床薬理の概要メチレンブルー 50 mg 第一三共 図 ヒト肝細胞 ( ロット AAS) での 2 種類の MB による CYP1A2 活性の誘導 図 ヒト肝細胞 ( ロット AAS) での 2 種類の MB による CYP3A4 活性の誘導 8

17 メチルチオニニウム塩化物水和物 臨床薬理の概要メチレンブルー 50 mg 第一三共 ヒトのモノアミン酸化酵素に対する阻害作用 ( 添付資料番号 ) モノアミン酸化酵素阻害薬 (monoamine oxidase inhibitors: MAOI) は 選択的セロトニン再取り込み阻害薬 (selective serotonin reuptake inhibitors: SSRI) と併用したときにセロトニン毒性を引き起こすことが知られている MBは SSRIを使用している患者でセロトニン毒性を誘発することがこれまでに報告されている そこで MB の MAO 阻害とそれによってセロトニン毒性を誘発する可能性について検討した 方法 1)MAO 阻害作用遺伝子組み換えのヒト肝臓由来 MAO A 及び MAO B を用いた MAO A(122 nm) に関してはキヌラミン (0.3 mm) を基質として分光光度法で 314 nmの波長で測定し IC 50 値と Ki 値を算出した MAO Bに関してはポーラログラフィーを用い 0.6 μmのベンジルアミン存在下 MB 濃度 0~20 μm の範囲で測定した 2) 酸化的基質としての作用嫌気性条件下で MB(10 μm) と MAO A(8 μm) に過剰のキヌラミン ( 最終濃度 0.3 mm) を加え スペクトルを 30 分おきに一晩測定した 3) 還元剤存在下での MAO A 還元作用 MAO A に対する Ki 値が 20 μmである阻害剤 D-アンフェタミン (60 μm) 及び MB の還元作用を有するジチオスレイトール (0.35 mm) の存在下 MAO Aに嫌気性条件下で MB(30 μm) を加え 吸収スペクトルを測定した 結果 1)2 種の MAO(MAO A 及び MAO B) に対する MB の阻害作用を図 に示す MBの MAO A 阻害作用の IC 50 値は 164±8 nm(mean±se) Ki 値は 27±3 nm(mean±sd) であった MBは MAO Aに対する強力な阻害剤であった 一方 MAO B 阻害作用は分光光度法では 100 nm でも観察されなかったが ポーラログラフィーにより IC 50 値は 5.5±1.7 μm(mean±se) と算出された 9

18 メチルチオニニウム塩化物水和物 臨床薬理の概要メチレンブルー 50 mg 第一三共 図 MB の MAO A 及び MAO B の阻害に対する用量 - 反応曲線 2) 試験開始時 (0 時間 ) から 12 時間後までのスペクトル変化を図 に キヌラミン MB 及びフラビンの各吸収スペクトルの経時変化を図 に示す フラビンは基質との混合時に 過剰の基質によって即座に還元されたが 3 時間で再酸化され 開始時の値へ回復した ( 図 中の左側の矢印 ) MBの吸収は時間経過とともに減少した ( 図 中の右側の矢印 ) 図 でフラビンの吸収が一定になった 4~12 時間後の定常状態での MB 還元速度は 0.35 nmol h -1 であり キヌラミンの酸化速度は 0.39 nmol h -1 であった 以上の結果から MB が MAO Aの酸化的基質としての作用を有することが示された 10

19 メチルチオニニウム塩化物水和物 臨床薬理の概要メチレンブルー 50 mg 第一三共 図 試験開始時 (0 時間 ) から 12 時間後までのスペクトル変化 図 キヌラミン MB 及びフラビンの各吸収スペクトルの経時変化 314 nm: キヌラミンの吸収スペクトル 665 nm: MB の吸収スペクトル 456 nm: フラビンの吸収スペクトル 3)D-アンフェタミン及びジチオスレイトール存在下での吸収スペクトルを図 に示す MB を加えた後 MB の還元 (665 nmの吸収の減少 ) が認められ MAO A の陰イオン性セミキノンの特徴 (380 nmと 412 nmの吸収の増加 456 nmの吸収の減少 ) が出現した 2 時間後には MAO A の一電子還元 (MAO A からセミキノンへの変換 ) は完結し 24 時間後ではさらなる変化は観察されなかった 以上の結果から MB が一電子還元剤としてフラビンに対して還元作用を有することが示された 11

20 メチルチオニニウム塩化物水和物 臨床薬理の概要メチレンブルー 50 mg 第一三共 図 D- アンフェタミン及びジチオスレイトール存在下の吸収スペクトル 1) ~3) の結果から MBは MAO A 及び MAO Bの阻害作用を有し 特に MAO Aの非常に強い阻害剤 (Ki 値 : 27 ± 3 nm[mean ± SD]) であり MAO Aの活性部位と結合して相互作用することが示された MBは MAO A を強く阻害することによりセロトニン代謝に影響を及ぼすと予想される したがって SSRIの治療を受けている患者に MB を投与すると セロトニン毒性を発現する可能性がある ヒト血小板でのセロトニン放出作用 ( 添付資料番号 ) MB は血小板からの 5-HT 放出を誘発すると報告されている この現象の生化学的特徴について検討し 5-HT 放出のメカニズムについて検討した 方法 ヒト新鮮血より調整した多血小板血漿 (platelet rich plasma: PRP) を 37 Cで 20 分間 14 C-5-HT (0.9 μg/ml PRP) で前処理し ラベル化された PRP の 3.9 mlに MB 又はフェナジンメトサルフェート (phenazinemethosulfate: PMS) を加えた 反応混合物は穏やかに振とうさせ 氷浴中で冷却することで 5-HT 放出を停止させた 放出された 14 C-5-HTと推定分解産物を抽出 中和し 5-HT 標準品と 5-ヒドロキシインドール酢酸を加えて薄層クロマトグラフィー (thin layer chromatography: TLC) により分析した その後 放射能をシンチレーションカウンターで測定した ろ液中に存在するアデノシン二リン酸 (adenosine diphosphate: ADP) はホタルルシフェラーゼ法により分析し カリウムは原子吸光分析により測定した 細胞質の ADPの損失は 14 C-ADP でラベル化したヒト血小板を用いて測定した 結果 5-HTの血小板への取り込みと MB 濃度の関係を図 に示す 血小板には外因性 14 C-5-HTの 90% が取り込まれたが MBは濃度依存的に 5-HTの取り込みを阻害し M 以上の濃度では顕著であった 血小板から放出された放射能活性の 95% が TLC によって単離 12

21 メチルチオニニウム塩化物水和物 臨床薬理の概要メチレンブルー 50 mg 第一三共 された 5-HT バンドから確認され MB は 5-HT の分解を誘導しないことが明らかとなった 図 HT の取り込みに対する MB の影響 : control : MB( M) : MB( M) : MB( M) 5-HTの放出量は MBの濃度に依存した 表 に示すように 5 分のインキュベーションで MB 濃度が Mで 5-HTは放出され Mでほぼ最大に達した また MB 誘導の 5-HT 放出の割合は ph にも依存的で Mの MB は ph8.4 では 53% の 5-HTを放出したが ph7.8 では 5-HTの放出は 18% に減少した 表 HT 放出に対する MB 濃度と ph の影響 MB による 5-HTの放出割合と phの関係を図 に示す ph8.4 での 5-HTの放出割合は 2 相性を示した すなわち 最初の 5 分間で 53% の 5-HT を放出したが 次の 10 分間での放出は 18% にとどまった ph7.8 では同濃度の MB による 5-HT 放出割合は線形的であり 15 分間のインキュベーションで 48% の 5-HTを放出した また MB 存在下での 5-HT 放出に 13

22 メチルチオニニウム塩化物水和物 臨床薬理の概要メチレンブルー 50 mg 第一三共 対する温度の影響の実験で ph8.4 での M の MB は 27 C のときに 5 分間で 29% の 5-HT を放出したが 4 C では 5-HT を放出しなかった 図 MB による 5-HT の放出割合と ph の関係 MB の濃度 : M Mの MB は ph8.4 での 5 分間のインキュベーションで 血小板から 53% の 14 C-5-HT 及び 4.6% の 14 C-ADP を放出し 個の血小板あたりで 0.33 nmol の ADP を放出した また 同条件の MBとのインキュベーションで 血小板中のカリウムは減少しなかった ( 図 参照 ) 14

23 メチルチオニニウム塩化物水和物 臨床薬理の概要メチレンブルー 50 mg 第一三共 図 MB による 5-HT 及び ADP の血小板からの放出 TH: トロンビン (thrombin) FT: 凍結融解 (freezing and thawing) MB の濃度 : M PMSは MB と構造的に類似した染料であるが Mまでの濃度では血小板から 5-HT を放出しなかった Mの PMS 又は Mの MB と血小板をインキュベーションしたとき グルコース-1-14 C からの 14 CO 2 産生をそれぞれ 3.2 倍 3.4 倍増加させたが グルコース-6-14 C からの産生は 0.1 倍の増加にとどまり どちらの物質もヘキソース一リン酸経路 (hexose monophosphate shunt: HMPS) を刺激し得ることが明らかとなった しかし PMS は Mの濃度まで血小板の 5-HT 放出を誘導しなかったことから MBによる血小板からの 5-HT 放出は HMPS の刺激によるものではないことが示唆された ヒト新鮮肝細胞を用いたメチレンブルーから Azure B へ代謝 ( 添付資料番号 ) 方法 William s medium E に懸濁したヒト新鮮肝細胞 ( 生細胞率 : 72% 女性 1 名 ) cells/2 ml を CO 2 インキュベーター内で 10 分間プレインキュベーション後 最終濃度 30μM 及び 100μM MBで 2 時間処理した (n = 3) 同様な処理を培地に対しても行った インキュベーション 0 及び 2 時間後に 50 µl 細胞懸濁液を niflumic acid(1μm IS) 含む溶出液 (10% acetonitrile 10mM ammoniumacetate 0.1% formic acid 0.5 ml) に加え LC-MS/MS で試料中の Azure B 量を測定した 結果 ヒト新鮮肝細胞と 30µM MB とのインキュベーション 2 時間後の IS 比から Azure B の生成は確認できなかった 一方 100μM MB とのインキュベーション 2 時間後には MBに含まれている Azure B の量は 開始時に比較して約 1.6 倍に増加した ( 図 ) 15

24 メチルチオニニウム塩化物水和物 臨床薬理の概要メチレンブルー 50 mg 第一三共 図 µM 又は 100µM MB をヒト新鮮肝細胞とインキュベーション後の Azure B 生成図 グルコース-6-リン酸脱水素酵素欠損ヒト赤血球を用いたメトヘモグロビン産生とメチレンブルーの効果 G6PD 欠損ヒト赤血球を用いた MetHb 産生と MBの効果についての公表文献を 表 に要約した 16

25 メチルチオニニウム塩化物水和物 臨床薬理の概要メチレンブルー 50 mg 第一三共 試験方法 表 ) 正常ヒト赤血球及び G6PD 欠損ヒト赤血球をグルコース含有クレブス リンゲルリン酸緩衝液に懸濁し ヘムに対して種々のモル比とした MB(MB : ヘム = 1 : 16, 64, 256, 1024, 4096, 及び ヘム濃度は常に ~ M の範囲に設定 ) を添加して 37 C でインキュベーションし 1 時間後の MetHb 産生及び還元型グルタチオン ( reduced glutathione: GSH) の枯渇度を測定した 2) 亜硝酸塩処理により MetHb 濃度を 98% とした正常ヒト赤血球及び G6PD 欠損ヒト赤血球に種々のモル比とした MB (MB : ヘム = 1 : 32, 64, 128, 256, 512, 1024, 及び ) を添加して 37 C でインキュベーションし 1 時間後の MetHb 還元量を測定した 1) 亜硝酸塩処理した正常ヒト赤血球 G6PD 欠損ヒト赤血球 及びこれらの混合物 (1 : 1) の 40% の赤血球の懸濁液 ( 各 3.9 ml) に 10-4 M の MB(0.154M 塩化ナトリウム溶液 )0.6 ml と 0.167M グルコース (0.154M 塩化ナトリウム溶液 ) 0.9 ml を混合した これを好気的条件下に 37 C でインキュベーションし 4 時間後までの MetHb 濃度を測定した 2) 1) で使用した 3 種の試料に 混合物から G6PD 欠損ヒト赤血球のみを分離した試料を加えた 4 種類について同様の実験を行い 4 時間後までの MetHb 濃度を測定した 3) MetHb 還元酵素を取り除き 結晶化された Hb から 5 g% の MetHb 溶液を調整した MetHb( 約 1.5 μe) を含む本溶液の 0.5 ml に ロイコメチレンブルー (leukomethylene blue: LMB)( 約 2 μe) 0.1 ml を加えて短時間で混合し MetHb 濃度を測定した G6PD 欠損ヒト赤血球を用いた試験 結果 1) ヘムとのモル比で比較的低い濃度の MB は 正常ヒト赤血球の MetHb 産生をほとんど引き起こさなかったが G6PD 欠損ヒト赤血球では MetHb が産生された 同様に 比較的低濃度の MB による GSH の枯渇度は 正常ヒト赤血球ではわずかであったのに対し G6PD 欠損ヒト赤血球では著しく高かった 2) 正常ヒト赤血球では 単位時間での MetHb 還元量と MB 濃度 ( 対数値 ) の間に顕著な線形的関係があったのに対して G6PD 欠損ヒト赤血球では線形性はなく MB 濃度が高くなっても MetHb 還元量の変化はほとんどみられなかった 1) 正常ヒト赤血球では MetHb は急速に還元され MetHb 濃度が全体の約 20% 未満となるまでその速度は線形であった G6PD 欠損ヒト赤血球では 正常ヒト赤血球に比べて還元速度ははるかに遅かった 2 つの赤血球の混合物に関しては 両者間に相互作用がなければ 正常ヒト赤血球がなくなるまでは速く その後 G6PD 欠損ヒト赤血球ではゆっくりと還元が進むという 2 相性の結果を予測した しかし 最初の相での速い還元速度が ほとんどすべての MetHb が還元されるまで持続した G6PD 欠損ヒト赤血球内の MetHb は 正常ヒト赤血球を介して還元される可能性が示唆された 2) 3 種の試料については 1) と同様の結果であった 混合物から分離された G6PD 欠損ヒト赤血球のみの試料における MetHb の還元速度は 正常ヒト赤血球試料中のほとんどの MetHb が還元される時点までは緩やかであったが それ以降に速度はより速くなり 正常ヒト赤血球での還元速度と近似した このことは 非特異的還元物質に起因していると考えられた 3) MetHb に LMB を混合すると速やかに 溶液中の MetHb の約 90% が還元された その後数分以内に MetHb 濃度は再度増加し始めた これは Hb から MetHb への自動酸化を触媒した過剰の MB に起因していると考えられた 添付資料番号

26 メチルチオニニウム塩化物水和物 臨床薬理の概要メチレンブルー 50 mg 第一三共 種々の化学物質によるヒト赤血球でのメトヘモグロビン産生とメチレンブルーの薬理作用種々の化学物質によってヒト赤血球で産生される MetHbと それに対する MB の効果についての公表文献を表 に要約した MetHb 産生誘導の化学物質 一酸化窒素 (nitric oxide: NO) 塩素酸塩 塩素酸塩又は亜硝酸塩 表 種々の化学物質による MetHb 産生と MB の効果 試験方法結果添付資料番号 1) ヒト赤血球を 320 ppm の NO に約 90 分間 MetHb 濃度が総 Hb の 16~18% になるまで曝露した その後 0.1 μm 1 μm 10 μm の MB を加えて MetHb 濃度を測定し その平均半減期を算出した 2) 32 ppm の NO 曝露下で 0.1 μm 1 μm 10 μm の MB と 3 時間インキュベーションした場合の赤血球中の MetHb 濃度を経時的に測定した 3) ヒト赤血球を 320 ppm の NO に MetHb 濃度が総 Hb の 14 ~18% になるまで曝露した その後 80 ppm の NO への曝露を継続するとともに 0.1 μm 1 μm 10 μm の MB を加えた ヒト赤血球を 30 mm の塩素酸ナトリウムと 37 C でインキュベーションして MetHb 産生を誘導した 0 から 360 分後までの各時点で採取したサンプルに 25 μm の MB を加え 180 分インキュベーションした後の MetHb 濃度を測定した ヒト赤血球を 30 mm の塩素酸ナトリウム又は 10 mm の亜硝酸ナトリウムと 37 C でインキュベーションして MetHb 産生を誘導した 0 から 180 分後までの各時点で採取したサンプルに 25 μm の MB を加え インキュベーションした後の MetHb 濃度を測定した 1) MB はすべての濃度で MetHb 濃度の平均半減期を有意に短縮させ その作用は濃度依存的であった 2) 1 μm 10 μm の MB では MetHb 濃度が有意に低下したが 0.1 μm の MB は効果がなかった 3) NO(80 ppm) への曝露を継続すると MetHb 濃度は上昇したが 1 μm 10 μm の MB を加えた場合には低下し 対照と比較して有意差が認められた 0.1 μm の MB では低下はみられなかった 塩素酸塩とのインキュベーションにより MetHb 産生はインキュベーション開始からやや遅れて始まり 約 4 時間で最大に達した MB を添加すると 1 時間後までは MetHb 濃度が約 8% の状態で酸化還元平衡となったが その後 MetHb が産生されて同様に約 4 時間後で最大に達した 塩素酸塩による MetHb 産生は インキュベーション開始からやや遅れて始まり その後徐々に増加して約 150 分後にほぼ最大に達した MB を添加すると 最大に達する以前では一部の MetHb は還元されたが 最大に達した以降では還元されなかった 一方 亜硝酸塩による MetHb 産生はインキュベーション後直ちに始まり 速やかに最大に達した MB を添加すると 180 分後までの各時点のサンプルでほぼ同様に MetHb は完全に還元された

27 メチルチオニニウム塩化物水和物 臨床薬理の概要メチレンブルー 50 mg 第一三共 MetHb 産生誘導の化学物質 デスフェリオキサミン (desferrioxamine: DFO) MB 又は亜硝酸塩 表 種々の化学物質による MetHb 産生と MB の効果 ( 続き ) 試験方法結果添付資料番号 ヒト赤血球に DFO を添加して MetHb を産生させ 1 μm 10 μm 100 μm の MB を加え MetHb 濃度を測定した ヘム濃度が 5.0±0.2 mm のヒト赤血球の懸濁液又はその懸濁液をサポニンで溶血させたライセートに 10 μm 100 μm の MB を加えてインキュベーションし 4 時間後までの MetHb 産生を測定するとともに 光と気体 ( 酸素又は窒素 ) の影響を調べた ヒト赤血球の懸濁液と 10 μm の亜硝酸ナトリウムをインキュベーションして MetHb 産生を誘導し 洗浄後にヘム濃度が 5.0±0.2 mm となるように再懸濁した 10 μm 100 μm の MB を添加し 4 時間後までの MetHb 濃度を測定するとともに 光と気体の影響を調べた DFO の添加により 20 分以内に MetHb 濃度が急激に上昇し 約 1/3 の Hb が MetHb に変換された MB は最低濃度 (1 μm) でのみわずかに効果がみられたが 高濃度 (10 μm 100 μm) ではさらなる MetHb 産生を引き起こした DFO による MetHb 産生の誘導に対して MB は効果がなかった 10 μm 又は 100 μm の MB とともにインキュベーションした結果 4 時間後までに MetHb 濃度は懸濁液中ではそれぞれ約 3~6% 約 6~10% ライセート中ではそれぞれ約 10~20% 約 30~40% となった MB による MetHb 産生は濃度依存的であり MetHb 産生に影響する要因は高い順に 溶血 気体 ( 窒素存在下 > 酸素存在下 ) 光照射であった 亜硝酸ナトリウムにより産生された MetHb を MB は濃度依存的に還元した 光は MetHb 還元に影響せず 窒素存在下のほうが酸素存在下より還元が速かった

28 メチルチオニニウム塩化物水和物 臨床薬理の概要メチレンブルー 50 mg 第一三共 ヒト生体試料を用いたその他の in vitro 試験 血液等のヒト生体試料を用いた代謝調節メカニズムや MetHb の還元率などの検討に関する 公表文献を表 に要約した 表 ヒト生体試料を用いたその他の in vitro 試験 試験方法結果資料番号 正常ヒト血液の血漿を 1% 亜硝酸ナトリウムで置換して赤血球を亜硝酸塩に 20 分間曝露させ MetHb を産生させた MetHb の還元に要する基質をグルコース又はガラクトースとして MB の存在下及び非存在下での MetHb の還元を測定した ヒト成人及びヒト新生児の臍帯から血液を採取し 亜硝酸ナトリウムを添加して MetHb を産生させた MetHb 濃度が 20% に達した後 血液を一酸化炭素 (CO) で処理して平衡状態とし 以後の MetHb 濃度を測定した (CO によって MetHb の産生が抑えられるかどうかを評価 ) また CO で平衡状態に達したときに MB を添加し MB の効果を検討した MetHb の還元率は 基質がガラクトースの場合は 0.5M の基質濃度まで濃度依存性で高くなったが グルコースが基質の場合には基質濃度は MetHb の還元率に影響しなかった また 基質がガラクトースの場合 MB の添加は MetHb の還元率にほとんど影響を及ぼさなかった 一方 グルコースが基質の場合には MB の添加は MetHb の還元率を非添加と比べて 6 倍以上加速させた CO により MetHb の産生は抑制され MetHb 濃度の半減期は ヒト成人 : 162±13 分 ヒト新生児 : 210±10 分 (mean±se) であった MB は 全血中の MetHb の還元速度に関する一次速度定数を約 6 倍増加させたが 溶血した血液での一次速度定数に対してはほとんど影響を与えなかった

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30 メチルチオニニウム塩化物水和物 臨床薬理の概要メチレンブルー 50 mg 第一三共 であった また 血漿中 Azure B のそれぞれは ± ng/ml 0.53(0.08~1.00)h ± ng h/ml ± ng h/ml 及び ± h であった 全身クリア ランスは MB で ± L/h であった (Azure B は算出せず ) 表 単回静脈内投与後の薬物動態パラメータ 第 I 相試験 ( 単回静脈内投与試験 )( 添付資料番号 ) 本試験では MBの絶対バイオアベイラビリティを評価する目的で単回静脈内投与と単回経口投与をクロスオーバー法 ( 休薬期間 : 1 週間 ) にて比較検討している 本剤は静脈内投与の注射剤であることから 単回静脈内投与の成績のみを選択し 以下に記載した 方法 健康成人 16 名 ( 男性 9 名 女性 7 名 ) に MB50 mgを単回静脈内投与した MB は市販製剤を使用した 投与後 24 時間まで静脈血を採取し 各時点での血漿中及び全血中 MB 濃度をエレクトロスプレーイオン化タンデム質量分析 (electrospray ionisation tandem mass spectrometry: ESI/MS/MS) 法で測定した ( 定量下限濃度 : 75 ng/ml) 結果 1) 血漿中 MB 濃度単回静脈内投与での血漿中 MB 濃度推移を図 に示す 薬物動態パラメータ ( 平均値 ± 標準偏差 n = 15) の AUC 0-inf C max t max 及び t 1/2 はそれぞれ 7639±3384 ng h/ml 748±260 ng/ml 0.5±0.3 h 及び 18.5±11.8 hであった 22

31 メチルチオニニウム塩化物水和物 臨床薬理の概要メチレンブルー 50 mg 第一三共 図 単回静脈内投与後の血漿中 MB 濃度推移 ( 平均値 ± 標準誤差 n = 15) 2) 全血中 MB 濃度単回静脈内投与時の全血中 MB の薬物動態パラメータ ( 平均値 ± 標準偏差 n = 10) は AUC 0-inf C max t max 及び t 1/2 がそれぞれ 6467±3311 ng h/ml 1418±650 ng/ml 0.22±0.14 h 及び 13.6±3.7 h であった 3) 全血中 MB 濃度と血漿中 MB 濃度の比 MB を単回静脈内投与した被験者のうち全血中濃度及び血漿中濃度の両者を測定できた被験者 (n = 10) の AUC 0-inf の比は 0.98±0.39であった 第 I 相試験 ( 単回静脈内投与試験 )( 添付資料番号 ) 本試験では MBの薬物動態を検討する目的で被験者に対して少なくとも 1 週間の間隔をもって無作為の投与順序で単回静脈内投与又は単回経口投与を行っている 本剤は静脈内投与の注射剤であることから 主に単回静脈内投与の成績について以下に記載した ( 一部では 単回経口投与の成績も併記 ) 方法 健康成人ボランティア 7 名 ( 男性 4 名 女性 3 名 年齢 : 19~53 歳 ) を対象に 少なくとも 1 週間の間隔を空けて無作為の投与順序で 3つの投与法により MBを投与した 投与法の内訳は MB 100 mg を溶解した生理食塩水 (20 mg/ml) を 30 秒かけて静脈内投与 MB 50 mg を含むゼラチンカプセル 2 個 (MB 100 mg) を経口投与 及び MB 100 mg を 800 mg のメルカプトエタンスルホン酸ナトリウム (mercaptoethanesulfonate: mesna) とともに経口投与 であった MBは病院薬局で調整した 静脈血サンプルは投与前から投与後 240 分まで 尿サンプルは投与後 24 時間まで採取し 全血中 MB 濃度及び尿中 MB 濃度をそれぞれ HPLC 法 分光光度法で測定した 23

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33 メチルチオニニウム塩化物水和物 臨床薬理の概要メチレンブルー 50 mg 第一三共 3. 全試験を通しての結果の比較と解析 3.1 ヒト生体試料を用いた試験の結果 MB のヒト血漿タンパク結合率は 94%(DS-2207b 製剤 ) 又は 97%(USP 品 ) と高かった ( 項 ) MB はいくつかの CYP 分子種 (CYP1A2 CYP2B6 CYP2C9 及び CYP2C19) に対して強い阻害作用を示したため ( 項 ) これらの CYP 分子種で代謝される他の薬物と併用投与する場合には 薬物相互作用を引き起こす可能性があると考えられる ただし 今回の製造販売承認申請の効能 効果 ( 案 ) である 中毒性メトヘモグロビン血症 に対する DS-2207b 製剤の治療期間は短いため 高い血漿タンパク結合率や薬物相互作用が安全性へ及ぼす影響は限定的であると考える MB は SSRIを使用している患者でセロトニン毒性を誘発することが報告されているが 欧州の Proveblueの添付文書でも セロトニン作動性神経の信号伝達を亢進する SSRI 等を含む医薬品を投与されている患者では MB 使用を避けるべき とされている この毒性発現のメカニズムとして MBの MAO( 特に MAO A) 阻害作用が関係していることが示唆された ( 項 ) また MB には 5-HT の放出を促すという作用もあり ( 項 ) 本毒性に関与している可能性があると考える MetHb 血症での MetHb は MB 投与により MBから変換された LMB により還元される すなわち MB を投与すると還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸 (NADPH) -フラビン還元酵素が活性化され MB は還元されて LMB に変換される そして LMB が非酵素的に MetHbを還元して Hb に復している NADPHは G6PDを介してブドウ糖の嫌気的解糖系の一つであるペントースリン酸経路から供給されるため MB の作用発現には G6PDが重要な役割を担っている したがって G6PDを欠損している患者では MBの効果は期待できないとされている ( 欧州の添付文書でも G6PD 欠損患者は禁忌とされている ) G6PD 欠損ヒト赤血球の成績からも MB による MetHb 還元は ( 正常赤血球に比べて ) 非常に遅いことが示され ( 項 ) このことを裏付けていると考える NO 亜硝酸塩 塩素酸塩等による MetHb 産生と MB の効果について ヒト赤血球を用いた成績が報告されている ( 項 ) MBは NO 及び亜硝酸塩で産生される MetHb に対して還元作用を示したが 塩素酸塩による MetHb 産生には還元作用を示さなかった 塩素酸塩により産生される MetHbは 赤血球外に出た Hb が酸化されたものであるが MB は赤血球内で作用を発揮するため 赤血球外での MetHb 産生に基づく塩素酸塩による MetHb 血症に対して有効ではないとされている 1 この知見はヒト赤血球での成績と整合するものであり これらの報告に合致するように 塩素酸塩による MetHb 血症は欧州の添付文書では禁忌とされている また DFO( 別名 : デフェロキサミン deferoxamine) による MetHb 産生にも MBは効果を示さなかったと報告されている DFO は 本邦でも鉄排泄剤としてデスフェラール の販売名で上市されており その添付文書に MetHb 血症発現に係る注意喚起 ( 副作用及び使用上の 25

34 メチルチオニニウム塩化物水和物 臨床薬理の概要メチレンブルー 50 mg 第一三共 注意等 ) は記載されていないが 有害事象として同血症が発現した場合には MB の投与は避け る必要があると考える なお DFO に関する同報告では MetHb 血症にアスコルビン酸が有 効であったとされている 3.2 メチレンブルーの薬物動態的特性健康成人を対象に MBを静脈内投与した第 I 相試験として 3 報 ( 米国で実施された臨床試験の総括報告書 1 報及び公表文献の 2 報 [ 及び ]) の成績を示した ( 項 ) なお 日本人を対象とした試験成績は報告されていない 3 報のうち 米国臨床試験 (MBの投与量: 1 mg/kg) と (MBの投与量: 50 mg) では血漿中 MB 濃度について主要な薬物動態パラメータ ( 平均値 ± 標準偏差 ) が算出され AUC 0-inf C max 及び t 1/2 はそれぞれ ± ng h/ml 7639±3384 ng h/ml ± ng/ml 748±260 ng/ml 及び ± h 18.5±11.8 hであった の対象被験者の体重は 67.1±10.4 kg( 平均値 ± 標準偏差 ) であったことから 体重 (kg) 当たりの投与量は の方が少ないにもかかわらず AUC 0-inf と C max は の方が高値であった 一方 t 1/2 は両者でほぼ同様の値であった 両試験での MB 静脈内投与時の MB 溶液濃度及び投与に要した時間は 米国臨床試験ではそれぞれ 10 mg/ml 5 分間 では 5 mg/ml 9.5 分間で同一ではなく また 投与後の採血ポイントにはいくつか相違している時点がみられた しかし AUC 0-inf と C max の差の理由は不明である 今回の製造販売承認申請では 1~2 mg/kg を 5 分以上かけて静脈内投与する を推奨用法 用量として設定する計画であるため MBの薬物動態としては米国臨床試験の成績が適切と考える 分布及び代謝に関する知見は報告されていない 排泄に関しては 1 報 ( ) で静脈内投与後の尿中排泄の成績が示されている ( 項 ) MBと LMB を併せた総 MBとして 静脈内投与 24 時間後までの尿中排泄率は 28.6±3.0%( 平均値 ± 標準偏差 ) であった なお 排泄経路については MB の経口投与 120 時間後までの尿中排泄率は平均 74% と報告 2 されていることから MB の主な排泄経路は尿中であると考える 3.3 内因性要因及び外因性要因の影響静脈内投与後の MB の薬物動態に対する内因性要因及び外因性要因の影響を検討した公表文献はない ただし 項で述べたように MB はいくつかの CYP 分子種に対して阻害作用を示し また セロトニン作動性神経を亢進させる薬剤との併用は避けるべきとされていることから 併用薬使用の影響を考慮する必要があると考える 欧州の添付文書では 中等度から高度の腎機能障害患者に対して MB は注意して使用するべきで より低用量の投与が必要となる可能性があると記載されており また 項で述べたように MB の主な排泄経路は尿中と考えられる したがって 腎機能障害の影響についても考慮する必要があると考える 26

35 メチルチオニニウム塩化物水和物 臨床薬理の概要メチレンブルー 50 mg 第一三共 4. 付録 該当なし 27

36 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 目次 1. 背景及び概観 個々の試験結果の要約 DS-2207b 製剤第 III 相試験 ( 添付資料番号 ) 国内外の公表文献及び教科書等から得られた有効性に関する知見 MB の投与方法に関する無作為化比較試験 小児 MetHb 血症 ( 原因 : ダプソン ) への MB 投与 投与方法の無作為化比較試験 ( 添付資料番号 ) プロスペクティブ試験 MetHb 血症 ( 原因 : プリロカイン ) への MB 投与 ( 添付資料番号 ) その他 : プロスペクティブ試験 レトロスペクティブ研究 MetHb 血症 ( 原因 : 局所麻酔薬 ) への MB 投与 ( 添付資料番号 ) MetHb 血症 ( 原因 : ダプソン ) への MB 投与 ( 添付資料番号 ) レビュー文献 MetHb 血症 ( 原因 : レクリエーショナルドラッグ ) への MB 投与 ( 添付資料番号 ) MetHb 血症 ( 原因 : 職場環境にある化学物質 ) への MB 投与 ( 添付資料番号 ) MetHb 血症 ( 原因 : 局所麻酔剤 ) への MB 投与 ( 添付資料番号 ) MetHb 血症 ( 原因 : 局所麻酔薬 ) への MB 投与 ( 添付資料番号 ) MetHb 血症 ( 原因 : ダプソン ) への MB 投与 ( 添付資料番号 ) 海外及び国内教科書に記載されている MetHb 血症に対する MB の標準的治療 方法 ガイドライン及びガイダンス 米国及び欧州における MetHb 血症に対する MB の使用実態調査 AAPCCの使用実態調査 ( 添付資料番号 ) 欧州の中毒センターに対するアンケート調査 ( 添付資料番号 ) 症例報告の文献 海外成人症例報告 海外小児症例報告 国内成人症例報告

37 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 国内小児症例報告 全試験を通しての結果の比較と解析 試験対象集団 全有効性試験の結果の比較検討 部分集団における結果の比較 新生児 乳児 幼児 小児及び青年期患者 新生児 (0~27 日齢 ) 患者 乳児 (28 日齢 ~3ヵ月齢 ) 患者 幼児 (4~23 ヵ月齢 ) 患者 小児 (2~11 歳 ) 患者 青年期 (12~17 歳 ) 患者 高齢者 妊婦 授乳婦 腎機能障害を有する患者 肝機能障害を有する患者 先天性酵素欠損症患者 G6PD 欠損症患者 その他 : 先天性酵素欠損症患者 ダプソン投与による MetHb 血症患者 推奨用法 用量に関する臨床情報の解析 効果の持続 耐薬性 付録

38 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 略語一覧 略語 略していない表現 ( 英 ) 略していない表現 ( 日 ) AAPCC American Association of Poison Control 米国中毒センター Centers EMA European Medicines Agency 欧州医薬品庁 FDA Food and Drug Administration アメリカ食品医薬品局 G6PD Glucose-6-phosphate dehydrogenase グルコース 6リン酸脱水素酵素 MB methylene blue メチレンブルー MetHb methemoglobin メトヘモグロビン NADH nicotinamide adenine dinucleotide ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド NICU neonatal intensive care unit 新生児集中治療室 SpO 2 percutaneous oxygen saturation 血液酸素飽和度 TEE transesophageal echocardiography 経食道心エコー検査 3

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40 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 1. 背景及び概観本剤の臨床試験における有効性の評価に際し Provepharm 社が実施した 後天性メトヘモグロビン (methemoglobin: MetHb) 血症治療のために Proveblue( 以下 : DS-2207b 製剤 ) を使用した被験者の臨床データをレトロスペクティブに収集した第 III 相臨床試験 ( 以下 : DS-2207b 製剤第 III 相試験 ) メチレンブルー(methylene blue: MB) の投与方法に関する無作為化比較試験 プロスペクティブ試験 レトロスペクティブ研究 レビュー文献 教科書 ガイドライン 米国中毒センター (American Association of Poison Control Centers: AAPCC) の使用実態調査と欧州における MBの使用実態アンケート調査 及び海外並びに国内の症例報告を精査した その結果 MBに関する多くの臨床情報が公表されていたことから それらの試験 研究並びに文献を使用することで有効性評価が可能であると判断して 本邦では新たな臨床試験は実施しなかった 有効性評価に関しては AAPCC の使用実態調査 ( major effectと moderate effectの総和 で有効性を評価 ) を利用した また その他の公表文献では 有効性 の判断基準や MB 治療後の臨床経過等の記載に統一性がなかったことから MB 投与により 初診時 MetHb 濃度が低下した と記載された症例 あるいは チアノーゼ等の MetHb 血症に特徴的な臨床症状が改善 / 回復した と記載された症例 について 改善 と定義して 以下の公表文献をまとめた ( 表 ) 表 有効性評価に使用した試験 研究及び文献数 名称 文献 DS-2207b 製剤第 III 相試験 1 無作為化比較試験 1 プロスペクティブ試験 4 レトロスペクティブ研究 2 レビュー文献 5 その他文献 AAPCC の使用実態調査 1 欧州の使用実態調査 1 症例報告 海外症例報告 : 成人 142 海外症例報告 : 小児 51 国内症例報告 : 成人 23 国内症例報告 : 小児 7 5

41 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 2. 個々の試験結果の要約 2.1 DS-2207b 製剤第 III 相試験 ( 添付資料番号 ) DS-2207b 製剤第 III 相試験は Provepharm 社がで DS-2207b 製剤を申請するにあたり の要請に応じて行った レトロスペクティブに収集した臨床データをプロスペクティブにデザインした方法で実施した非盲検試験である 方法 で 後天性 MetHb 血症の緊急治療のために DS-2207b 製剤が静脈内投与された被験者 12 名より臨床データを収集した 性別は男性 7 名 女性 5 名であった 年齢は 6 日齢 ~54 歳 ( 平均 : 27.5 歳 ) であり 早産新生児 1 名 小児 2 名 成人 9 名であった 被験者 12 名に 0.8~2 mg/kg の DS-2207b 製剤を 5 分間かけて静脈内投与した 8 名の被験者には希釈せずに投与したが 4 名にはブドウ糖 5% 溶液で希釈した DS-2207b 製剤を投与した 通常 初回投与の 1 時間後に臨床症状並びに MetHb 濃度の回復程度等を確認し 追加投与の要否を判断した なお MetHb 血症の原因物質の内訳は 硝酸塩又は亜硝酸塩が 7 名 メサラジンが 1 名 メトクロプラミドが 1 名 抗生物質が 1 名 サボテンの葉の可能性が 1 名 サヤマメの粉末が 1 名であった 結果 被験者 12 名の DS-2207b 製剤による治療とその結果を表 に 被験者別背景を表 に示す 被験者 12 名の DS-2207b 製剤の初回投与量は 0.8~2.0 mg/kg であり うち 7 名の初回投与量は 1.0 mg/kg であった 通常初回投与 1 時間後に追加投与の要否が判断され 臨床症状が改善した 9 名には追加投与はされなかった なお 10 名の治療期間中の累積投与量は 1.0~2.0 mg/kg であり 残る 2 名の累積投与量は 7 mg/kg 及び 13 mg/kg であった 全被験者の初回投与時の MetHb 濃度は 10.6~75% であり 2.0 mg/kg が初回投与された被験者 4 名の MetHb 濃度は 44~75% と高い傾向が認められた DS-2207b 製剤投与後に全例回復し うち被験者 8 名は DS-2207b 製剤投与により最終 MetHb 濃度は 3% 以下に低下した (4 名は報告なし ) なお 15 件の有害事象が認められたが 死亡例はなかった この試験では併用療法として 酸素治療が 7 名に 活性炭 シアノキット コーダロンが 各 1 名に使用された 活性炭は DS-2207b 製剤の 2 回目の投与中に併用された シアン化物による経口摂取中毒が疑われた患者にはシアノキットが用いられた 1 名は併用療法を受けておらず もう 1 名は報告がなかった 6

42 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 表 DS-2207b 製剤による治療と結果 パラメータ 数値又は平均値 ( 標準偏差 ) 被験者数 ( 名 ) 被験者数 - 12 初回投与量 総投与量 投与回数 MB 初回投与時の MetHb 濃度 治療後 MetHb 濃度 1 mg/kg 8 2 mg/kg 12 1 mg/kg 7 2 mg/kg 10 > 2 mg/kg 2 1 回 9 2 回 10 4 回 (18.5)% 12 3% 報告なし 8 4 表 被験者別背景 No. 年齢性別 投与前 MetHb 濃度 (%) MB 初回投与量 (mg/kg) 投与回数 ( 回 ) 総投与量 (mg/kg) 1 26 女性 併用療法 O 2 therapy, active charcoal, hydrocortisone 最終 MetHb 濃度 (%) 2 28 女性 No 女性 Cyanokit Gastric lavage 4 0 女性 O 2 therapy 男性 男性 男性 男性 O 2 high concentration, NaCl 0.9% O 2 high concentration O 2 high concentration O 2 high concentration, cordarone 9 54 男性 No NR 男性 Vitamin C 男性 O 2 supply, IV fluid supplement 女性 O 2 therapy 0.7 NR: 報告なし NR 2.8 NR NR 0.8 7

43 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 2.2 国内外の公表文献及び教科書等から得られた有効性に関する知見 MB の投与方法に関する無作為化比較試験 MetHb 血症患者に対する MB の有効性を評価した無作為化比較試験として MB の投与方法を検討した文献が 1 報あった その概要を以下に記載する 小児 MetHb 血症 ( 原因 : ダプソン ) への MB 投与 投与方法の無作為化比較試験 ( 添付資料番号 ) 方法 2001~2006 年の間に ネパールの 1 施設及びインドの 1 施設に来院した小児ダプソン中毒患者 11 名 ( 男性 5 名 / 女性 6 名 38~61 ヵ月齢 ) を対象とした 対象患者は無作為に 2 群に分けられ Group-1(5 名 ) には 2 mg/kg の MBを 6 時間ごとに bolus 投与 ( 間欠静脈内投与 ) し Group-2(6 名 ) には 2 mg/kg の MBを生理食塩水で希釈したものを 6 時間にわたり持続的に投与 ( 持続静脈内投与 ) した 両群の MB の総投与量は同じ量に調整した 血中の MetHb 濃度は投与前及びその後 12 時間ごとに 72 時間後まで分光光度計により測定した 結果 Group-1 及び Group-2 の MB 投与前の MetHb 濃度の平均はそれぞれ 52.7% 及び 52.8% であった Group-1 及び Group-2 ともに MB の投与によって MetHb 濃度は低下し MB 投与 及び 72 時間後の MetHb 濃度の低下は Group-2 が Group-1 に比べて統計学的に有意 (P < 0.01) に大きかった ( 表 ) また 試験期間中は MB 静脈内投与とともに併用療法 ( 被験者全員に酸素吸入 一部の被験者に胃洗浄 ) がなされた 表 MB 投与後の MetHb 濃度の経時的変化 投与後時間 ( 時間 ) Group-1 (Mean ± S.D.) Group-2 (Mean ± S.D.) P-value (student s t 検定 ) ± ± ± ± ± ± ± ± ± ± ± ± ± ± プロスペクティブ試験 MetHb 血症に対する MBの有効性を評価したプロスペクティブな文献が 1 報あり その他に MetHb 還元効果に対する MBとトルイジンブルーとの比較 新生児 MetHb 血症に対する効果 及び胎児 MetHb 血症に対する予防効果を検討した試験が 3 報あった それらの概要を以下に記載する 8

44 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 MetHb 血症 ( 原因 : プリロカイン ) への MB 投与 ( 添付資料番号 ) 方法 術前患者と健康成人ボランティアを A~Dの 4 群に分けて薬剤投与により誘発された MetHb 血症に対する MBの効果を確認した A 群 ( 術前患者 67 名 男性 54 名 / 女性 13 名 19~83 歳 ) にはプリロカインの 300 mg 600 mg 900 mg 1200 mg 1600 mg を投与し B 群 ( 術前患者 14 名 男性 12 名 / 女性 2 名 19~82 歳 ) には 500 mg のリドカイン ( 文献中ではリグノカインと表記 ) を投与し C 群 ( 健康成人ボランティア 9 名 男性 8 名 / 女性 1 名 22~30 歳 ) には 1200 mg のプリロカインを投与して MetHb 濃度を定期的に測定した また D 群 ( アスコルビン酸のみ投与された症例を除く術前患者 6 名 性別年齢記載なし ) のうち 5 名には 600 mg(1 名 ) 900 mg(1 名 ) 1200 mg (3 名 ) のプリロカインの投与直前に 1 mg/kg の MB を静脈内投与して 6~24 時間後の MetHb 濃度を測定した 残る 1 名には 1200 mg のプリロカインを投与して 3 時間後に 1 mg/kg の MB を静脈内投与して MetHb 濃度の経時変化を観察した 結果 A 群の患者 67 名と C 群の健康成人ボランティア 9 名のすべてで MetHb 血症とチアノーゼが誘発された MetHb 濃度は 多くの患者でプリロカイン投与 6 時間後にピークに達した なお リドカイン 500 mg を投与した B 群では MetHb 血症とチアノーゼは観察されなかった D 群の MetHb 濃度の推移を図 に示す MB を事前投与した 5 名では ピーク時の MetHb 濃度はいずれも 5% 以下であり MB を事前投与しなかった A 群のピーク時の MetHb 濃度よりも低値であった また プリロカイン 1200 mg を投与し 3 時間後に 1 mg/kg の MB を投与した 1 名では MB 投与前まで上昇し続けた MetHb 濃度が MB 投与後には急激に低下し 3 時間後には消失した 9

45 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 図 MetHb 濃度推移 : プリロカイン 600 mg(1 mg/kg MB 直前投与, n = 1) : プリロカイン 900 mg(1 mg/kg MB 直前投与, n = 1) : プリロカイン 1200 mg(1 mg/kg MB 直前投与, n = 3) : プリロカイン 1200 mg(1 mg/kg MB を矢印の時点で投与, n = 1) その他 : プロスペクティブ試験 MetHb 血症 ( 原因 : 4-dimethylaminophenol hydrochloride) への MB 投与 ( 添付資料番号 ) 方法 健康成人ボランティア 31 名 ( 男性 23 名 / 女性 8 名 20~47 歳 ) に 3.25 mg/kg の 4-dimethylaminophenol hydrochloride を静脈内投与し MetHb 濃度を平均 32.7% に増加させた 10 分後に 1 及び 2 mg/kg の 3%MB 水溶液 ( 各 6 名 ) あるいは mg/kgの 3% トルイジンブルー水溶液 ( 各 6 名 ) を静脈内投与して MetHb の還元効果及び還元初速度の群間差を比較した 結果 トルイジンブルー及び MB はどちらも MetHb 還元を触媒したが トルイジンブルー 2 mg/kg 群は MB 2 mg/kg 群と比較して MetHb 還元促進効果が 80% 高い結果であった 還元初速度の比較では MB 1 mg/kg 群は トルイジンブルー 1 mg/kg 群よりわずかに MetHb 還元初速度が速い結果であったが MB は投与量を 2 mg/kg に増加しても還元初速度は変化しなかった 一方トルイジンブルーの投与量を 2 mg/kg に増加すると還元初速度も速くなり トルイジンブルー 2 mg/kg 群の還元初速度は MB 2 mg/kg 群のほぼ 2 倍であった 新生児 MetHb 血症への MB 投与 ( 添付資料番号 ) 方法 デンマークの Hvidovre 病院の新生児集中治療室 (neonatal intensive care unit: NICU) 内で治療を受けた新生児 415 名を対象として MetHb 血症の発現の有無を確認するために 8ヵ月間にわたり MetHb 濃度を測定した MetHb 濃度が 6% 以上の患者を MetHb 血症として登録し 10

46 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 MB(0.1~1.6 mg/kg) を静脈内投与した後の臨床パラメータを集積した MetHb 濃度は MB 投 与前後に測定し MB 投与前と投与 2 日後には末梢血中の赤血球の形態を観察した 結果 対象となった 415 名の新生児のうち 33 名 (8%) が MetHb 血症で そのうち 13 名が MB 投 与 ( 総投与回数 : 28 回 ) による治療を受けた 患児に MB を静脈内投与した結果 いずれも MetHb 血症は回復した 20 名には MB は投与されなかった 患児の MetHb 濃度は平均 19%( 範囲 6.5~45.5%) であった 文献で推奨された MB の用量 * (1.0~1.6 mg/kg) を 11 回 静脈内投与した結果 MetHb 濃度の平均 23.2%( 範囲 9.9~45.5%) は投与 1~2 時間後に 7.2%( 範囲 0.6~25%) に低下した 非常に迅速に効果が発現したため * 次に投与量を 0.1~0.2 mg/kg に下げて MB を 7 回投与した結果 投与 1~2 時間後の MetHb * 還元率は 43% であり 効果が不十分であった その後 0.3~0.9 mg/kg の MB を 10 回投与し た結果 投与 1~2 時間後の MetHb 還元率は 1.0~1.6 mg/kg 投与時とほぼ同じ値を示した ( 表 ) なお 末梢赤血球の形態は MetHb 血症児と正常児では類似し MetHb 血症児の 治療前と治療 2 日後の末梢赤血球の形態も類似していた また MB を投与された患児は 平均 4.8 回 ( 範囲 2~8 回 ) の輸血を受けており MB を投 与されなかった新生児の平均 2.3 回 ( 範囲 0~7 回 ) に比べて多かった なお NICU 治療を受けた新生児の MetHb 血症の原因は複数あると考えられたが 保育器内 の加湿のために添加したクロルヘキシジンが分解して生じた微量のパラクロロアニリンの経 皮吸収及びニコチンアミドアデニンジヌクレオチド (nicotinamide adenine dinucleotide: NADH) リダクターゼ濃度レベルが新生児では低いことが主な原因と考察した * : 具体的な投与人数 一人当たりの投与回数は不明 表 早産新生児への MBの投与量と MetHb 減少率 Dose (mg/kg bw) 平均 MetHb 濃度 ( 範囲 )% ( 投与回数 n) before after % reduction 1.0~1.6 (n = 11) 23.2 ( 9.9~45.5) 7.2 (0.6~25) 69 (11~94) 0.1~0.2 (n = 7) 27.3 (12.7~34) 16.0 (4.5~28.7) 43 (12~65) 0.3~0.9 (n = 10) 22.3 (14.6~29.6) 7.3 (1.3~19.1) 69 (33~93) 妊婦及び胎児の MetHb 血症 ( 原因 : プリロカイン ) への MB 投与 ( 添付資料番号 ) 方法 30 名の妊婦を 1 群 10 名の 3 群に分け 全員に分娩の際に硬膜外鎮痛剤として 300~1200 mg のプリロカインを単回又は間欠静脈内投与した 10 名には MetHb 血症に対する MBの治療効果を調べるために プリロカインの投与開始後 ( 平均麻酔時間 212 分 ) 分娩直前に 2 mg/kg の MB を静脈内投与した MB 投与直前の母体の静脈血 出産時の母体の静脈血 臍帯静脈血 及び動脈血を用いて MetHb 濃度を測定した 別の 2 群には MetHb 血症に対する MB 又はアスコルビン酸の予防効果を調べるために プリロカインの投与開始と同時に 2 mg/kg の MB 又は 11

47 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 1000 mg のアスコルビン酸をそれぞれ静脈内投与した これらの群では出産時の母体の静脈血 臍帯静脈血 及び動脈血を用いて MetHb 濃度を測定した 結果 プリロカイン投与後の分娩直前に MBを投与した群では 母親及びその臍帯静脈血及び動脈血の平均 MetHb 濃度は消失した また プリロカイン投与開始と同時に MB を投与した群でも 母体並びにその臍帯静脈血及び動脈血の MetHb 濃度は低下した レトロスペクティブ研究 MetHb 血症に対する MB の有効性を評価したレトロスペクティブな文献が 2 報あった そ れらの概要を以下に記載する MetHb 血症 ( 原因 : 局所麻酔薬 ) への MB 投与 ( 添付資料番号 ) 方法 米国メイヨークリニックで 1999~2006 年に経食道心エコー検査 (transoesophageal echocardiography: TEE) を実施した患者 名のうち MetHb 血症を発症した患者 19 名 ( 男性 10 名 / 女性 9 名 平均年齢 [ 標準偏差 ]: 62.8[16.0] 歳 * ) を対象とした 診療記録 心エコー検査 及び調剤のデータベースをレビューした なお TEEを受けた患者を無作為に 190 名を選び コントロール群とした * : 具体的な年齢範囲は不明 結果 対象とした 19 名は TEEの前処置として 20% ベンゾカインスプレーを投与されており ( 投与量の記録なし ) そのうち 17 名は 2% の粘性リドカインも同時に投与された 19 名はチアノーゼを呈し またパルスオキシメーターの示す血液酸素飽和度 (percutaneous oxygen saturation: SpO 2 ) が低値であり 動脈血ガスサンプリングの結果から MetHb 血症と診断された 19 名の MetHb 濃度の平均 ( 標準偏差 ) は 32(15)% であった 19 名中 18 名には 0.7~2 mg/kg の用量で MB が静脈内投与された このうち 2 名には最初に 50 mg の MB が静脈内投与され 追加投与も実施された MB 投与後 18 名の症状は投与 1 時間後に回復し 特に 20~30 分の間に回復した患者が多かった MB が投与されなかった 1 名は 対症療法のみで一晩で回復した MetHb 血症 ( 原因 : ダプソン ) への MB 投与 ( 添付資料番号 ) 方法 韓国 Wonju Christian 病院で 2003~2008 年に救急搬送されたダプソン中毒による MetHb 血症患者 46 名 ( 男性 14 名 / 女性 32 名 21~93 歳 ) を対象として 診療記録をレトロスペクティブに研究した 対象患者は 55 歳以下の若年者群と 56 歳以上の高齢者群の 2 群に分けて統計学的に比較した 結果 12

48 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 46 名中 MB 投与前に死亡した 1 名を除き 45 名に MB( 投与量不明 ) が 1 日 2 回静脈内投与された MBが投与された 45 名のうち 37 名は回復したが 8 名は死亡した MB の総投与量は若年者群及び高齢者群 並びに生存者群及び死亡者群間で大きな差はなかったが ダプソンを摂取してから緊急治療部に到着するまでの時間が 生存者群に比較して死亡者群で長かった また 死亡者群では生存者群に比べて入院 9 日目の MetHb 濃度が有意に高かった ほとんどの症例で MetHb 血症に続いて溶血が発現した この溶血は MB の存在で形成された MetHbの酸化ストレスが原因で起こると考察していた レビュー文献 薬剤誘発性を含む後天性 MetHb 血症に対する MB の有効性に関するレビュー文献が 5 報あ った それらの概要を以下に記載する MetHb 血症 ( 原因 : レクリエーショナルドラッグ ) への MB 投与 ( 添付資料番号 ) 方法 レクリエーショナルドラッグ ( 揮発性亜硝酸塩 コカイン等 ) の使用によって発症した MetHb 血症に関する症例報告の中で MBの静脈内投与による有効性の記載についてまとめた Medline EMBASE CINAHL 及び Psychinfo の 4データベース ( 検索期間については記載なし ) をもとに methaemoglobinaemia OR methemoglobinemia AND nitrites OR isobutyl nitrite OR butyl nitrite OR amyl nitrite OR cocaine OR recreational drugs をキーワードとして文献を検索した なお 検索結果から フルテキストが得られなかった文献と重複した症例を除外した 結果 検索の結果 レクリエーショナルドラッグに関連した MetHb 血症に関する文献 29 報を同定した うち 25 報は揮発性亜硝酸塩の使用に関する文献 4 報はコカインの使用に関する文献であった 揮発性亜硝酸塩使用に関する文献では 生存例 20 名及び死亡例 3 名について詳細の記述が認められた コカイン使用に関する文献では 4 名 ( コカイン中の混合物であるフェナセチン又は局所麻酔剤によって MetHb 血症を発症した 3 名及び原因物質が未確認の 1 名 ) の症例報告が得られた 揮発性亜硝酸塩に起因した MetHb 血症患者 23 名中 19 名 ( 男性 13 名 / 女性 6 名 2~48 歳 MetHb 濃度 17.8~94%) に MBが投与された なお 19 名のうち 10 名は MB の投与量が 1~2 mg/kg であった FDA のガイドライン 1 に従って 成人の体重を 60 kgと仮定して算出した換算値 ( 以下 mg/kg c 値) が 1~2 mg/kg c であった例を含めると 13 名に 1~2 mg/kgの MBが投与され 6 名は MBの投与量が不明又は mg/kg c 値が 1~2 mg/kg 以外であった MBを投与された 19 名のうち 18 名は生存し 1 名は蘇生の段階で MBを 20 mg(0.3 mg/kg c ) 投与されたが死亡した 生存した 18 名の症例報告を表 に示す MB 投与時の併用療法として 人工呼吸及び酸素吸入が行われていた コカイン使用による MetHb 血症患者 4 名のうち MBを投与したのは 3 名 ( 男性 2 名 / 女性 1 名 24~34 歳 MetHb 濃度 24~37%) で 2 名が MB 投与後回復し 1 名は死亡した 13

49 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 表 揮発性亜硝酸塩で MetHb 血症を発症し 生存した患者の症例報告 症例報告 年齢 投与前 MetHb 濃度 MB 投与量 併用療法 Wason et al. (1980) 36 歳 / 男性 48% 3.3 mg/kg c (20 ml, 1%) - Shesser et al. (1981) 16 歳 / 男性不明 1.2 mg/kg c (70 mg) - Guss et al. (1985) 21 歳 / 男性 37% 1 mg/kg - Forsyth &Moulden (1991) 2 歳 / 女性 43% 1 mg/kg - Sobey&Campbell (1992) 37 歳 / 男性 17.8% 1 mg/kg(80 mg) - Sutton&Jeffrey (1992) 29 歳 / 男性 61% 1.7 mg/kg c (100 mg) - Dudley&Solomon (1993) 20 歳 / 男性 30% 不明 - Machabert et al. (1994) 21 歳 / 男性 41.6% 0.8 mg/kg c (50 mg) - Edwards&Ujima (1995) 44 歳 / 男性 94% 1 mg/kg Stambach et al. (1997) 20 代前半 / 女性 IB VL 83% 2 mg/kg - Modarai et al (2002) 32 歳 / 女性 59.9% 1.5 mg/kg - Modarai et al (2002) 28 歳 / 男性 63.3% 2 mg/kg - Jansen et al (2003) 18 歳 / 男性 85% 不明 O 2 Lin et al.(2005) 31 歳 / 男性 52.2% 2 mg/kg - Beneteau-Burnat et al. (2005) 44 歳 / 男性 38.7% 2 mg/kg - Lindermann et al. (2006) 35 歳 / 女性 75% 不明 O 2 Ranchon et al. (2008) 48 歳 / 男性 34% 1.7 mg/kg c (100 mg) - Gentry Wilkerson (2010) 19 歳 / 女性 72% 1.5 mg/kg - c : 体重 60 kg と想定した換算値 * : O 2, 高圧酸素療法 ; IB, 気管挿管 ; VL, 人工呼吸 -; 原資料中に併用療法の記載なし MetHb 血症 ( 原因 : 職場環境にある化学物質 ) への MB 投与 ( 添付資料番号 ) 方法 職場環境にある化学物質によって発症した MetHb 血症に関する症例報告の中で MBの静脈内投与による有効性の記載についてまとめた Medline Toxline OSH-Romの 3 つのデータベース (1964~2002 年 ) をもとに methaemoglobinemia methemoglobinemia chemical cyanosis をキーワードとして文献を検索した また National Poisons Information Serviceの蔵書からも関連する文献を検索した 結果 MetHb 血症に関する症例報告は 603 名であった そのうち 278 名に MBが経口又は静脈内投与された MB 投与に関する情報が記載された 136 名のうち 133 名には MB が静脈内投与された 静脈内投与された 133 名のうち 14 名の症例報告には静脈内投与の投与量が記載されており その投与量は 1~4 mg/kg であった 残る 119 名については 著者が体重 70 kg と仮定して計算しており約 0.6~7.14 mg/kg であった MetHb 濃度の経過 回復期間等の記載はなかったが MB を投与されたすべての患者で死亡はなかった 14

50 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 20 名の症例報告には MB 投与前の MetHb 濃度が記載されており 20 名中 19 名の濃度は 8 ~78%( うち 2 名は 20% 未満 ) の範囲であり 残る 1 名は 65% を超える との記載であった MB を静脈内投与された 133 名のうち 66 名にシアノコバラミンが 8 名にアスコルビン酸及びチオ硫酸ナトリウムが 7 名にアスコルビン酸が併用投与された なお MetHb 血症の原因はアニリン系物質 ニトロベンゼン系物質 及び他のベンゼン系化合物等の曝露であった MetHb 血症 ( 原因 : 局所麻酔剤 ) への MB 投与 ( 添付資料番号 ) 方法 局所麻酔剤使用によって発症した MetHb 血症に関する症例報告の中で MB の静脈内投与による有効性の記載についてまとめた PubMed に掲載された医学文献 (1949~2007 年 ) をもとに methemoglobinemia local anesthetic をキーワードとして関連文献を検索した MetHb 血症の徴候及び症状をまとめるために 局所麻酔剤の累積投与量がリドカインの 10 mg/kg に相当する量より高用量であった症例を除外した ( ベンゾカインはすべて含めた ) また 先天性 MetHb 血症例 グルコース 6リン酸脱水素酵素 (Glucose-6-phosphate dehydrogenase: G6PD) 欠損症の症例 局所麻酔剤との関連が明らかでない症例 症状が疑わしい症例 英語又はフランス語以外で書かれた症例 麻薬に混入した局所麻酔から発症した症例 傍子宮頚管ブロック麻酔から発症した新生児の症例を除外した 結果 MetHb 血症に関する症例報告は 233 名 242 件 (18 歳未満 80 件 18 歳以上 152 件 妊婦 8 件 記載なし 2 件 ) であった 155 件に MBが静脈内投与され 2 件にチオニン 8 件にアスコルビン酸 14 件に MBの静脈内投与並びにアスコルビン酸が投与された 53 件には治療は行われず 10 件については具体的な治療の記載がなかった MB の初回投与量は 0.5~5.5 mg/kg 累積投与量は 0.6~9.4 mg/kg であった MetHb 濃度が 2.0% 以下になるまでに要した時間は 無治療群で 15~36 時間であったのに対し MB 又はチオニン治療群 ( アスコルビン酸併用例含む ) で 0.33~36.2 時間であった また チアノーゼが消失するまでに要した時間は 無治療群では 2~19.8 時間あったのに対して MB 又はチオニン治療群では 0.25~9 時間であった MetHb 血症 ( 原因 : 局所麻酔薬 ) への MB 投与 ( 添付資料番号 ) 方法 気管支鏡検査時に使用した局所麻酔薬によって発症した MetHb 血症に関する症例報告の中で MB の静脈内投与による有効性の記載についてまとめた PubMed Cochrane Database CINAHL Medical Subject Headings database (MeSH) をもとに検索 ( キーワード不明 ) し 1977~2013 年までの文献をレビューした 英語以外で公表された文 15

51 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 献は除外し 成人及び小児両方のデータを集めた 結果 局所麻酔薬に関連して MetHb 血症を発症した症例は 11 名であり 7 名 ( 性別不詳 17~77 歳 ) に MB が投与された なお 7 名のうち 5 名は MB の投与量が 1~2 mg/kgであり ( mg/kg c 値含める ) 2 名は MBの投与量が不明又は 0.8 mg/kg c であった 残る 4 名は無処置で治癒した ( 表 ) 投与前 MetHb 濃度は 19.4~72%(1 名は不明 ) であり MB を投与した 7 名は回復した 7 名のうち 3 名には MBの静脈内投与に加えて アスコルビン酸投与又は気管挿入の併用療法がなされた 表 MB が投与された症例 症例報告 Douglas and Fairbanks (1977) 年齢 ( 例数は各 1) 77 歳 51% Kotler et al. (1989) 30 歳 72% 投与前 MetHb 濃度 MB 投与量併用療法 * 1 mg/kg c (60 mg) 0.8 mg/kg c (50 mg) Clary et al. (1997) 67 歳 35% 2 mg/kg - Clary et al. (1997) 66 歳不明 2 mg/kg - Slaughter et al.(1999) Nguyen et al.(2000) So and Farrington (2008) c : 体重 60 kg と想定した換算値 *: AA アスコルビン酸 ; IB 気管挿入 71 歳 19.4% 不明 IB 71 歳 22.5% 1 mg/kg IB 17 歳 >20% 2 mg/kg - AA MetHb 血症 ( 原因 : ダプソン ) への MB 投与 ( 添付資料番号 ) 方法 MEDLINE(1966~2011 年 ) the Cochrane Database EMBASEの 3つのデータベースをもとに dapsone methemoglobinemia をキーワードとして文献を検索した すべての症例報告 症例集 及び無作為化比較試験の文献を精査し 1997~2011 年の文献をレビューした 結果 ダプソンの過量投与を原因とする MetHb 血症に MB を投与した文献 10 報 及び臨床用量のダプソン投与を原因とする MetHb 血症に関する文献 25 報を抽出し 分析した 過量投与によって発症した文献 10 報 346 名の MetHb 血症患者 (MetHb 濃度 : 1 名は 55% 超 11 名は平均 52% 46 名は平均 g/dl 残る 288 名は 3.2~94%) の一部 ( 例数不明 ) に対して MBが静脈内投与された ( 表 ) なお 24 名は MBの投与量が 1~2 mg/kg であり 他は詳細不明であった 臨床用量によって発症した文献 25 報 397 名の MetHb 血症患者のうち MB 投与が明記された症例を含む文献 14 報を抜粋し表 に示す 文献 14 報 215 名の MetHb 血症患者 (MetHb 濃度 : 214 名は 1.9~26.8% 1 名は記載なし ) に対して 一 16

52 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 部 ( 例数不明 ) に MBが静脈内投与された なお 7 名は MB の投与量が 1~2 mg/kg であり ( mg/kg c 値含める) 他は詳細不明であった 併用療法については 2 報告 ( アスコルビン酸 [ ビタミン C]: 1 報 活性炭 : 1 報 ) に記載があった いずれの場合でも MBの静脈内投与はダプソンに関連した MetHb 血症の治療方法として効果的であったが 複数の患者に MetHb 濃度の再上昇及び溶血性貧血が観察された この原因として ダプソンのヒドキシルアミン代謝物の生成と MB の投与が関連するとの考察した 表 ダプソンの過量投与による MetHb 血症に MB を投与した症例一覧 a 症例報告年齢 ( 例数 ) 投与前 MetHb 濃度 MB 投与量及び併用療法 Ferguson (1997) 14 歳 (1) > 55% Southgate (1999) 29 歳 (1) 36% Bucaretchi (2000) 1~13 歳 (17) 23.5~49.7% Carrazza (2000) 1 ヵ月齢 ~50 歳 (266) 3.2~94% Falkenhahn (2001) 29 歳 (1) 47% Shadnia (2006) 18 歳 (1) 38% Prasad (2008) 38~61 歳 (11) 平均 52% 頻回投与 (total dose: 8 mg/kg) GL AC 2 doses(bolus 投与 )+ 7 mg/hr(infusion 投与 ) AA 12 名 ; Single 投与 (1 mg/kg) 及び AC 5 名 ; MB 投与なし (AC のみ ) MB 投与量 : 記載なし 6 doses AA MB 投与量 : 記載なし GL AA AC 2 mg/kg(bolus every 6 hours/6 hours infusion) Thunga (2008) 19 歳 (1) 51% 頻回投与 (1.7 mg/kg c [100 mg])gl AC Narayanan (2010) 34 歳 (1) 44.4% 1.5 mg/kg Park (2010) 平均 : 歳 (46) 平均 : g/dl c : 体重 60 kg と想定した換算値 a : AA, アスコルビン酸及びビタミン C; AC, 活性炭 ; GL, 胃洗浄 Bid 投与 (MB 投与量 : 不明 ) GL AC 17

53 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 表 臨床用量のダプソン投与による MetHb 血症に MB を投与した症例一覧 a 症例報告被験者数 * 投与前 MetHb 濃度 MB 投与量及び併用療法 Plotkin (1997) 2 18%, 22% 2 mg/kg (1 dose) Ward (1998) %(Peak 時 ) MB 投与量 : 記載なし AC Salamat (2003) % Single 投与 ( 用量 : 記載なし ) Dunford (2006) 2 9.7%, 10.2% 1 名は MB 投与 ( 投与量不明 ) 1 名は未投与 Turner (2007) 1 18% 1 mg/kg (1 dose) Zosel (2007) 1 18% 1 mg/kg (2 doses) Arrivabene-Caruy (2007) % 1 mg/kg (1 dose) O Dwyer (2008) % 1 mg/kg (1 dose) Walker (2009) 1 16% 1.7 mg/kg c (100 mg) daily (2 doses) Cho (2010) % Subramaniam (2010) ~26.8% 1 mg/kg (1 dose) AA 3 名に MB 投与 MB 投与量 : 記載なし Moulis (2010) 1 17% 2 mg/kg (1 dose) Esbenshade (2011) ~22.4% 1 名に MB 投与 MB 投与量 : 記載なし Abouraya (2011) 1 記載なし Single 投与 ( 用量 : 記載なし ) c : 体重 60 kg と想定した換算値 *: 年齢は記載なし a : AA, アスコルビン酸 ; AC, 活性炭 海外及び国内教科書に記載されている MetHb 血症に対する MB の標準的治療方法 海外教科書 9 冊及び国内教科書 4 冊を精査して MetHb 血症に対する MBの治療方法 ( MetHb 血症 ( と MB 投与 ) 治療方法( 用法 用量 追加投与等 ) 注意事項 及び 禁忌 ) について以下にまとめた ( 表 表 ) 海外及び国内教科書においては MetHb 血症の治療の第一選択薬として MB が記載されており その静脈内投与量は 1~2 mg/kg(1% 溶液 ) である また 投与に際しては 5 分かけて投与すること が推奨されている このように緩徐に投与することで痛みを伴う局所反応を避けることができる また 局所痛が生じた場合 投与後に生理食塩液で洗浄 ( フラッシング ) することが効果的であるとの記載がある MB の投与 1 時間以内に効果が不十分である場合には MBの追加投与 及び他の療法を検討する必要がある 13 冊中 9 冊に追加投与についての記載があり 追加投与の場合には初回投与と同じ用量を 1 時間後に投与する あるいは 1 時間以内に反復投与することが推奨されている また 併用療法として原因物質の洗浄のための活性炭や消化管洗浄の他 酸素療法及び交換輸血が有効である 2 回の投与で症状の改善が認められない場合には G6PD 欠損症患者の可能性や他の併用療法も検討する必要がある 一方 MB 投与により溶血を引き起こす可能性が示唆されており 累積投与量については 7 mg/kg とすべきとの記載や小児においては 4~ 7 mg/kg とすることも記載されている MB の用量は成人 小児ともに体重当たりの量で 高齢者でも特に減量の記載はない また アニリンに起因する MetHb 血症患者に対する治療では ハインツ小体の形成や溶血性貧血を 18

54 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 引き起こすことがあるため 慎重な投与が必要であると記載されている さらに 高度の腎機能障害患者 G6PD 欠損症患者 スルホヘモグロビン血症患者 又は NADPH-MetHb 還元酵素欠損症患者 及びシアン中毒患者では MBが無効である可能性があることから 禁忌 と記載されている なお 静脈内投与以外の投与経路で MB を使用することも禁忌とされている 書籍名 Goldfrank's toxicologic emergency. 9th. ( ) 表 海外の教科書に記載された MetHb 血症の標準的治療 記載内容 MetHb 血症と MB 投与 1) 症候性 MetHb 血症は通常 MetHb 濃度が 20% 以上で発症するが 貧血患者又は心血管系 肺 及び中枢神経系の疾患患者ではそれ以下でも発症する場合がある 2) 精神状態の変化や虚血性胸痛が明らかに認められる場合はすぐに治療を必要とする 3) 異常なバイタルサインの頻脈や頻呼吸 組織低酸素によるものと考えられる乳酸濃度の上昇 又は MetHb 血症による機能性貧血の患者へは積極的に治療すべきである 4) 動作や注意力の変化は低酸素症の兆候の場合があり 治療の対象としても良い 5) MetHb 濃度の上昇のみでは治療しないこと 治療方法 1) 最も広く行われている MetHb 血症の治療は 1~2 mg/kg の MB を 5 分かけて点滴投与する方法である 1% 溶液であるならば 0.1~0.2 ml/kg 投与である 2) 5 分間かけてゆっくり投与することによって 痛みを伴う局所反応を避けることができる なお 投与痛を生じた場合には 点滴後に少なくとも 15~30 ml の生理食塩液で洗浄 ( フラッシング ) を行うことで軽減できる 3) 新生児では 多くの場合 0.3~1 mg/kg で有効である 注意事項 1) MB によって回復しない場合には 種々の可能性を検討をすること 臨床症状の改善は MB 投与後数分以内に確認できるが 点滴後 1 時間以内にチアノーゼが消失しない場合には 追加投与及び他の治療を検討すべきである ダプソンのように MetHb 血症を誘発する原因物質が持続的に吸収され排泄が遅い場合には 消化管の洗浄と併せて MB の追加投与が必要になることがある また ダプソンの過量投与によって発症した MetHb 血症では シメチジンが保護効果を示すことがあり MB と併用して使用すべきである MB 治療が有効でない場合には交換輸血又は高圧酸素療法が有効である 時間と費用がかかるが 高圧酸素療法によって内因性の MetHb 還元が起こり 酸素分圧が高まり患者の保護に繋がる G6PD 欠損症患者では MB による溶血のリスクがある MB の投与は行わず 交換輸血及び高圧酸素療法等が MetHb 血症に対する代替治療法として推奨される 2) その他 持続注入 : 0.05%MB 溶液を 0.1 mg/kg/h 又は 3~7 mg/h(0.9% 塩化ナトリウムに溶解 ) で持続点滴する治療も報告されている しかし この投与方法は十分には検討されていない 禁忌 1) G6PD 欠損症患者 2) スルホヘモグロビン血症又は NADPH-MetHb 還元酵素欠損症患者 : 回復しないことがあるので注意が必要 3) 皮下投与あるいは髄腔内投与法 19

55 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 表 海外の教科書に記載された MetHb 血症の標準的治療 ( 続き ) 書籍名 Cecil Medicine 24th. ( ) HARRISON'S Principles of Internal Medicine 18th. ( ) Hematology Basic principles and practice 6th. ( ) 記載内容 MetHb 血症と MB 投与 1) MetHb 濃度が急性に誘発されて 20% では疲労感 30% では頻脈 50% を超えると脱力感 息切れ 錯乱 70~80% で昏睡及び死亡する 治療方法 1) 1%MB 1~2 mg/kg(1% 溶液 0.1~0.2 ml/kg) を 5 分間かけて投与し 持続性又は再発の症状又は徴候が認められる場合には追加投与する 2) 治療のエンドポイント : 呼吸困難の回復及び精神状態の変化 注意事項 1) 累積投与量は 7 mg/kg を超えるべきではない 2) ある種の中毒物質 ( 例えば ダプソン ) は長期的な治療 (prolonged therapy) が必要な場合がある 禁忌 1) G6PD 欠損症患者 MetHb 血症と MB 投与 1) MetHb 血症は MetHb 濃度が 15% を超えると脳虚血が起こり 通常 60% を超えると致死的となる 臨床像 : 初期の生理的刺激とそれに続く生理的抑制による低酸素血症の症候 MetHb 分画 > 15~20% で酸素投与に反応しない灰褐色のチアノーゼ MetHb 分画 > 45% で頭痛 乳酸アシドーシス 治療方法 1) 救急処置としては MB 1 mg/kg の静脈内投与が効果的である MetHb 分画 >30% 症候性低酸素症 虚血には MB を静脈内投与 2) 高用量の酸素投与 重症や不応性の場合は交換輸血と高圧酸素療法 禁忌 1) G6PD 欠損症患者 2) 腎機能不全患者 MetHb 血症と MB 投与 1) 治療には MetHb 濃度と患者の症状が目安となる MetHb 濃度が 20% 未満で無症状の患者は経過を観察する もし症状があり MetHb 濃度が 20% を超える場合には MB の適応となる 治療方法 1) 高度の中毒性 MetHb 血症の緊急的な治療は 1%MB 溶液 ( 生理食塩水に溶解 ) を 1~2 mg/kg 静脈内投与すること 2) 通常 ( 3~5 分かけて ) 速やかに投与し 必要であれば 30~60 分後に 1 mg/kg を追加投与することができる 注意事項 1) 累積投与量が 4~7 mg/kg( 小児ではさらに低い投与量 ) を超えると チアノーゼ 呼吸困難及び急性溶血を発症することがある 治療中の患者に対しては MetHb 血症の再発する可能性を考慮し 注意深い観察が必要である 2) 交換輸血は 重症の MetHb 血症に対して使用され有効であった 禁忌 1) G6PD 欠損症患者には無効である 20

56 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 表 海外の教科書に記載された MetHb 血症の標準的治療 ( 続き ) 書籍名 Therapeutic drug 1999 ( ) Martindale 2011 ( ) Nelson textbook of Pediatrics 19th. ( ) 記載内容 治療方法 1) 薬剤誘発性の MetHb 血症の緊急的な治療には 1%MB 溶液 1~4 mg/kg( 通常は 1~2 mg/kg) を 5 分間かけて静脈内投与し 必要であれば 1 時間後に追加投与する 注意事項 1) G6PD 欠損症患者 : MB は細胞外では MetHb 生成物質として働き MetHb 血症の増悪 溶血性貧血を発症することがある 2) 新生児 : MB を羊膜内に使用した後に溶血性貧血の危険性が高くなる 3) 母乳 : 薬物が母乳に移行する程度は不明である 胎盤を通じて胎児に影響があるというエビデンスはある 授乳中の母親は色素の使用を避けるべきである 4) 小児 : 一般的に投与量は体重で決めるべきである 緊急時 症候性の乳児は最初に 2 mg/kg で投与すべきである 5) 妊婦 : 新生児が溶血性貧血を発症する危険性がある 6) 高齢者 : 腎機能が十分な高齢者では 特別な有害作用は報告されていないが 腎障害のある高齢者では減量する 7) 合併症患者 : 重篤な腎障害のある場合 通常用量で毒性の血中濃度が認められる可能性がある 8) 静脈内投与以外の投与経路 ( 皮下投与 髄腔内投与 羊膜内投与 ) で投与する場合 毒性が発現する可能性がある 禁忌 1) 重篤な腎障害患者 2) G6PD 欠損症患者 3) 皮下又は髄膜内投与 治療方法 1) 1%MB 溶液 1~2 mg/kg を数分間かけて投与する 30~60 分後の追加投与が必要な場合がある 注意事項 1) アニリンに起因する MetHb 血症に対する治療では ハインツ小体の形成 溶血性貧血を引き起こすことがあるため 慎重に投与すべきである アニリン中毒では初回投与時に MetHb 濃度を低下させたとしても 追加投与時には MetHb を還元せずに溶血を悪化させることがある 2) 高度の腎機能障害を有する患者では 注意して使用すべきである 3) MB は MetHb 血症の治療に用いるが 高用量の投与では MB 自身が MetHb 血症を引き起こすため MB での治療中は MetHb 血症濃度を注意深く観察する必要がある 禁忌 1) G6PD 欠損症患者 2) シアン中毒での亜硝酸塩治療に起因する MetHb 血症の治療 : シアン化物結合が低下し結果的に毒性が増加するため 亜硝酸ナトリウム投与時には使用してはならない 3) 塩素酸塩中毒に起因する MetHb 血症の治療 : より毒性の強い次亜塩素酸塩が形成されることがある ( 重度の塩素酸塩中毒による MetHb 血症の治療への MB 使用は適切と判断している規制当局もある ) 4) 皮下投与 髄腔内投与 治療方法 1) 1% 溶液 0.1~0.2 ml/kg(1~2 mg/kg) を 5~10 分間かけて投与 30~60 分おきに反復も可 禁忌 1) G6PD 欠損症患者 21

57 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 表 海外の教科書に記載された MetHb 血症の標準的治療 ( 続き ) 書籍名 Pediatric toxicology 1st. ( ) Avery's Diseases of the Newborn 9th. ( ) 記載内容 MetHb 血症と MB 投与 組織低酸素症 中枢神経系の機能低下 又は心血管系の不安定性といった明白な徴候が認められた場合には MB の静脈内投与による解毒療法を考慮すべきである 禁忌の病態ではなく その他 MetHb 濃度が 30% を超えている又は患者の酸素運搬能が低下し許容できない状況の場合には MB 療法が一般的に推奨される 治療方法 1) MB は 1% 溶液を 5 分間かけて 1~2 mg/kg(0.1~0.2 ml/kg) 投与する 2) 必要であれば この投与量を 1 時間以内に繰り返す 3) 補足的な治療として酸素吸入の併用療法も効果を示す 4) MB 療法が禁忌 / 使用できない / 有効でない場合は 他の治療法を選択すべきである 高圧酸素療法及び交換輸血は 治療が促進された事例がある 注意事項 1) 持続性又は再発性の MetHb 血症には追加投与が必要かもしれないが MB 自身が酸化ストレスの原因になる可能性もあるため累積用量 (total approach) を 4~ 7 mg/kg とするよう留意すべきである 2) その他 : 経皮的なパルスオキシメーター測定を干渉することから CO オキシメーターを追加療法の判断に使用すべきである 酸化的な傷害が長期にわたって続く中毒の場合は 開始速度 0.1 mg/kg/h で MB による持続注入が行われている 禁忌 1) G6PD 欠損症患者又は G6PD 欠損症が疑われる患者 治療方法 1) MetHb 濃度が 15~20% になった場合 MB の静脈内投与 (1% 生理食塩溶液を 1 mg/kg) の適応となる 2) 毒性を示す場合があるため 1 mg/kg を超える投与は避けるべきである 3) MB に対する反応は 治療的 診断的な意味を持つ もし MetHb 血症が毒性物質又は NADH-MetHb 還元酵素欠損によって起こった場合には 投与 1~2 時間で MetHb 濃度が速やかに低下する 注意事項 1) MB に反応を示したが その後 MetHb 血症が再発した場合には NADH-MetHb 還元酵素欠損症患者であるか 又は酸化剤が潜在的に作用し続けているため 注意すること 2) 一般的に遺伝性 MetHb 血症の幼児は無症候性であり 治療の必要はない 禁忌 1) G6PD 欠損症患者 22

58 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 書籍名 中毒百科 : 事例 病態 治療 ( 工業用品 / ガス / 農薬 / 医薬品 / 動植物 ) 改訂第 2 版 ( ) 中毒ハンドブック ( ) 表 国内の教科書に記載された MetHb 血症の標準的治療 記載内容 MetHb 血症と MB 投与 1) 酸素吸入をすると 呼吸困難は改善されるがチアノーゼは良くならない 採血した静脈血に酸素を通気しても チョコレート色が変わらないというのが MetHb 血症のベッドサイドでの診断法である 治療方法 1) MetHb 濃度が 30~40% を超えたら MB の使用を考える しかし MetHb 濃度にだけ気を取られることなく 他の症状にも注意する必要がある 2) 1~2 mg/kg を 5 分以上かけて 点滴する 総量 7 mg/kg を超えると溶血を起こす恐れがある 3) 高圧酸素は 亜硝酸塩中毒などには効果がある 注意事項 1) 経口中毒のとき 特にニトロベンゼン誘導体の場合には腸からの再吸収を防止するために活性炭は極めて重要である 動物では したアニリンが胃に蓄積することが知られていることから 経皮中毒のときにも活性炭の投与が効果があると考えられる 禁忌 1) G6PD 欠損症患者 2) 異常ヘモグロビン ( ヘモグロビン M など ) による MetHb 血症患者 3) シアン中毒の治療で過剰の亜硝酸ナトリウムにより重篤な MetHb 血症になった患者 4) 塩素酸塩による MetHb 血症患者 MetHb 血症と MB 投与 1) MB は 低酸素血症の症状や徴候を示すか ( 例えば 呼吸困難 錯乱 胸痛 ) あるいは 20~30% 以上の MetHb 濃度を示す MetHb 血症の患者に適応となる 2) 緊急処置 : 気道を確保し 必要なら換気を補助する 酸素を投与する 汚染除去 : [ 吸入 ] 患者を曝露場所より隔離し 可能ならば酸素吸入する [ 皮膚 ] 汚染した衣服を脱がせ 曝露した皮膚の部分を洗剤と水で洗浄する [ 経口摂取 ] 病院到着前 ; 活性炭があれば投与する 眼前で発生した場合 ( 家庭で子供が摂取した場合など ) 数分以内ならば初期治療として生薬のトコンによる催吐が有効なことがある 病院 ; 活性炭と下剤を投与する 活性炭を直ちに投与できれば腎洗浄は不要である [ 排泄促進 ]: 重症の中毒患者の場合 MB が禁忌であったり (G6PD 欠損症患者など ) 無効であったときは まれに交換輸血が必要なことがある 極度の重症例で特効薬に即座に反応しない例では 高圧酸素療法を用いること 活性炭の反復投与によりダプソンの除去が促進される 治療方法 1) 1~2 mg/kg(1% 溶液 0.1~0.2 ml/kg) を数分間 ( 具体的には 5 分以上 ) かけて投与する 2) 30~60 分以内に繰り返す 注意事項 1) 2 回投与して反応がない場合は G6PD 又は MetHb 還元酵素の欠乏が考えられるため 再投与はしないこと 長時間酸化活性を示す薬物 ( 例えば ダプソン ) による MetHb 血症が持続する患者には 2~3 日間 6~8 時間ごとに繰り返し投与することが必要である 2) 薬物相互作用は報告されていないが 用製剤は他剤と混合すべきでない 禁忌 1) G6PD 欠乏症患者 2) 腎不全患者 3) MB に対して過敏症の既往歴のある患者 MetHb 還元酵素欠乏症患者 4) シアン化物中毒の処置による亜硝酸塩誘導の MetHb 血症患者 / スルホヘモグロビン血症患者 5) 妊婦への投与 : 臨床報告はないが 緊急時の一時的な使用は可能である 23

59 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 表 国内の教科書に記載された MetHb 血症の標準的治療 ( 続き ) 書籍名 ハリソン内科学第 4 版 ( ) 記載内容 HARRISON'S Principles of Internal Medicine 18th edition と同一記載 ネルソン小児科学原著第 17 版 ( ) 治療方法 1) 1% 溶液 0.1~0.2 ml/kg 2) ゆっくり注入すること 3) 30~60 分おきに反復投与することも可能 禁忌 1) G6PD 欠損症患者 ガイドライン及びガイダンス MetHb 血症患者に対して MB の使用を記載した海外並びに国内のガイドライン及びガイダ ンスを検索したが 該当するガイダンス及びガイドラインはなかった 米国及び欧州における MetHb 血症に対する MB の使用実態調査 Provepharm 社は MetHb 血症の症例数 原因物質 使用された治療法に関する情報をまとめるために AAPCCと契約して 米国における使用実態調査を実施した (2012 年 6 月 ) また 欧州の中毒センターに対しアンケート調査を実施した (2009 年 3 月 ) それらの概略を以下に記載する AAPCC の使用実態調査 ( 添付資料番号 ) 方法 AAPCCは 20 ~20 年の間の National Poison Data System(NPDS) から All NPDS exposures where therapy used is methylene blue = performed or recommended and performed をキーワードとしてデータベースを作成して各種の統計解析を行った データベースに登録された患者数は 1628 名であり このうち 1220 名が統計解析に利用できると判断された なお 408 名の除外理由については不明であった 結果 MB が静脈内投与された年齢層は新生児から高齢者に分類され その性別の割合は男性 51% 女性 49% であった 年齢は 2 歳未満が 9% 2~17 歳が 15% 18~65 歳が 65% 65 歳より上の高齢者が 13% であった 体重は 2~181.8 kg の範囲であった 小児患者は 259 名であり 0 ~27 日齢が 12% 28 日齢 ~3ヵ月齢が 3% 4~23ヵ月齢が 21% 2~11 歳が 39% 12~17 歳が 24% であった MetHb 血症の原因物質に関しては 麻酔薬が 25% 抗生物質が 19% フェナゾピリジンが 11% であった MBは MetHb 血症の第一治療法として選択されていたが 静脈内投与の投与量 投与回数等の情報は記載されていなかった 24

60 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 MB 治療による有効性を全患者層で集計した結果 86% の患者が完全 (Major) 又はほぼ完全 (Moderate) に回復し 5% の患者では比較的効果が小さい (Minor) という結果であった ( 表 ) なお Major effect 及び Moderate effectの総和に性差はなかった ( 表 ) 有効性を年齢別に集計すると 成人 (18~65 歳 ) の患者に対する MB の静脈内投与では 86% の有効性がみられ 高齢者 (65 歳を超える ) では 85% 新生児(27 日齢以下 ) では 64% であった ( 表 ) 表 MB 治療の有効性 * 有効性の評価 例数 Major effect 297 (24%) Moderate effect 748 (61%) Minor effect 58 (5%) Unrelated effect 43 (4%) *N = 1220 Death 29 (2%) 表 MB 治療の男女別有効性 性別 男性 女性 例数 総数 596 (100%) M1* 496 (83%) M2** 30 (5%) Unrelated effect 25 (4%) Death 20 (4%) 総数 570 (100%) M1* 498 (88%) M2** 28 (5%) Unrelated effect 18 (3%) Death 9 (2%) *M1 = major plus moderate effect; **M2 = moinor effect 表 MB 治療の年齢別有効性 年齢 M1* M2** Unrelated effect 0~27 days 20 (64) 3 (10) 5 (16) 28 days~3 months 7 (88) 0 1 (13) 4~23 months 48 (87) 0 1 (13) 2~11 years 88 (87) 15 (15) 3 (3) 12~17 years 52 (83) 8 (13) 0 18~65 years 738 (86) 29 (4) 27 (4) >65 years 123 (85) 6 (4) 5 (3) *M1 = major plus moderate effect; **M2 = moinor effect 25

61 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 欧州の中毒センターに対するアンケート調査 ( 添付資料番号 ) 方法 欧州各国の中毒センターに MetHb 血症の症例数 原因物質 治療薬剤 MB の投与方法等についてアンケート調査を実施した 結果 MetHb 血症の治療に関して 13ヵ国から回答があり 10ヵ国では MB が使用されていたが チェコ及びスロバキア共和国ではトルイジンブルーが使用されていた ( 表 ) MB は静脈内投与 ( 用量 : 1~2 mg/kg) されており 投与時間は 5~10 分との回答が多かった また 必要に応じて追加投与すると回答されており 5ヵ国では累積投与可能量を 5~ 7 mg/kg と規定していた なお 有効性に関する具体的な情報は得られなかった 表 欧州各国におけるアンケート調査結果 国名症例数 MetHb 血症の解毒剤 MB 投与方法 Austria Belgium Chzech Republic Estonia 2003 年より 5 名 1972 年より 40 adults 20 children 2004 年より 32 名 2008 年より 0 名 Methylene blue 1% Methylene blue 1% Ascorbic acid Toluidine blue Methylene blue 1% 1~2 mg/kg ゆっくり 1~2 mg/kg 5~10 分かけて ( 必要に応じて 1 時間後に追加投与 ) 1% 溶液 (10 mg/ml) 1~2 mg/kg 4 分かけて ( 必要に応じて 30 分 ~1 時間後に追加投与 ) 1~2 mg/kg ( 必要に応じて追加投与 ) Finland 情報なし Methylene blue 情報なし France 平均 1 名 / 年 Methylene blue Hungary Liechtenstein Switzerland Norway Slovac Republic Spain 1997 年より 13 名 2004 年 2 月 16 日より 2 adults 2004 年より 2 名 2005 年 5 月より 12 名 Methylene blue Methylene blue 10 mg/ml Toluidine blue Methylene blue 1% in 5% glucose solusion データベースに情報なし 1~2 mg/kg 累積投与量 : 5~7 mg/kg 1~2 mg/kg ゆっくり追加投与は累積投与量 7 mg/kg まで 1~2 mg/kg, 約 5 分かけてゆっくり ( 必要に応じて 1~4 時間後に追加投与 ) 累積投与量 : 5~7 mg/kg MB は未承認 1~2 mg/kg 約 5 分かけて ( 必要に応じて 1 時間後に追加投与 ) 累積投与量 : 7 mg/kg Sweden 10 名以下 / 年 Methylene blue 情報なし The Netherlands 2007 年 1 月 7 日 ~2008 年 12 月 31 日に 14 名 Methylene blue Tlonium Vitamin C(MB よりも効果弱 ) 1% 溶液 1~2 mg/kg, 5 分間で ( 追加投与可 ) 累積投与量 : 7 mg/kg 26

62 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 症例報告の文献海外及び国内の成人及び小児に発症した MetHb 血症に対して MB が投与された症例報告 ( ) より MB の有効性の記載がある症例 ( 投与経路が静脈内投与であり 個人の MB 投与量及び投与前の MetHb 濃度の記載がある症例 ) を選択した 成人の文献の中では mg/kg 以外の用量 (mg/body ml/kg ml&% 等 ) が記載された症例が多数散見されたため 成人の体重を 60 kgと仮定して mg/kg c 値を算出した 有効性については MB 投与によって MetHb 濃度の低下 症状の改善あるいは回復等の記載があった症例について 改善 とした なお MetHb 血症の原因は 海外成人では局所麻酔薬 ダプソン及びフェナゾピリジン等の医薬品 亜硝酸塩 亜硝酸エステル アニリン系物質及びインドキサカルブ等の農薬 殺虫剤等の摂取であり 小児では局所麻酔薬及びダプソン等の医薬品 亜硝酸塩 硝酸塩 アニリン系物質等であった 国内成人では プロパニル及びアニリン等の農薬 亜硝酸エステル等であったが 小児については特定の傾向はなかった 海外成人症例報告該当する症例報告は 142 報 163 名であった ( 表 ) そのうち MB 投与によって 155 名は症状等が改善し 7 名は改善せず 1 名は不明であった 年齢は 16~88 歳であり 2 名は年齢不詳であった 男性は 99 名 女性は 64 名であった MB 投与前の MetHb 濃度 (% 濃度の記載のあった症例 161 名 ) は 4.8~94% であった 投与量 (mg/kg) が記載された症例数は 94 名で その範囲は 1~3 mg/kg であった また 静脈内投与量を mg/kg c 値に換算できた症例は 66 名であり その範囲は 0.4~7.6 mg/kg であった これらの投与量が確認できた症例のうち 初回投与量が 1~2 mg/kg の範囲であった症例は 137 名 ( 体重 60 kgと仮定した換算値例を含む ) であった 投与速度が記載された 61 名 ( 持続投与は除く ) では 3~90 分の範囲で静脈内投与がなされたが 多くは 5~15 分の範囲であった 投与回数については 1 回の症例が多かったが 症状の改善度に応じて複数回の投与を行った 58 症例では 0.4~5 mg/kg の用量範囲 ( 体重 60 kgと仮定した換算値例を含む ) で追加投与がなされ 1~2 mg/kg の用量が投与された症例は 42 名であった なお 併用療法として 酸素吸入 (O 2 ) 気管挿管(IB) 人工呼吸(VL) アスコルビン酸及びビタミン C(AA) 輸血(TF) 胃洗浄(GL) 活性炭(AC) 炭酸水素ナトリウム(SB) がそれぞれ 119 名 45 名 42 名 22 名 20 名 14 名 13 名 4 名に処置された 27

63 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 No. 年齢 / 性別投与量 表 海外症例報告 ( 成人 ) 投与前 MetHb 濃度 併用治療 * 有効性 ** 添付資料番号 1 16 歳男性 2 mg/kg 2 回 35% O 歳女性 3 17 歳男性 4 18 歳男性 20 ml 2 mg/kg(9 ml 1%) 5 分かけて投与 2 mg/kg(1%) 5 分かけて投与 56.9% O % 超 IB VL g/100 ml ( 約 40%) O2 GL other 歳男性 1 mg/kg/ 日 2 日 23.1% 歳男性 1.3 mg/kg c (80 mg) 50% AA TF other 歳女性 1.7 mg/kg c (100 mg) 37% O 2 GL AC other 歳女性 1.7 mg/kg c (100 mg) 56% 歳男性 歳男性 歳女性 歳女性 3.3 mg/kg c (20 ml 1%) 10 分かけて投与 1.7 mg/kg c (100 mg 2% 5 ml) 4 回 / 日 3 日 1 mg/kg(60 mg) 15 分かけて投与 1.5 mg/kg 5 分かけて投与 65% 超 歳女性 1.5 mg/kg(60 mg) 13% IB VL O 2 GL SB AA TF other % other % VL O % O AA GL O 2 TF other 歳男性 2 mg/kg 緩徐注入 9% O 2 VL 歳男性 2 mg/kg 69% VL O 2 IB 歳女性 初回 : 1.7 mg/kg c (100 mg 2%) 2 回目 : 1.7 mg/kg c (100 mg) 64% IB VL 歳男性 5 ml 21.8% O 歳男性 1.7 mg/kg c (100 mg) 24.7% IB O 歳男性 歳男性 歳女性 初回 : 1 mg/kg (60 mg 1%) 5 分かけて投与 2 回目 (50 分後 ): 0.8 mg/kg c (50 mg) 初回 : 2 mg/kg 5 分かけて投与 以降 : 1 mg/kg 数回投与 初回 : 0.4 mg/kg c (22.5 mg) 2 回目 : 1.5 mg/kg c (90 mg) 3 回目 : 3.3 mg/kg c (200 mg) 37.2% IB VL O 2 AA TF GL % 超 VL O % TF IB GL other c : 体重 60 kg と想定した換算値 * : O 2, 酸素吸入 ; IB, 気管挿管 ; VL, 人工呼吸 ; AA, アスコルビン酸及びビタミン C; AC, 活性炭 ; TF, 輸血 ; GL, 胃洗浄 ; SB, 炭酸水素ナトリウム ; other, その他 **:, 改善 ;, 改善せず -: 原文中に該当の記載なし 28

64 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 No. 年齢 / 性別投与量 歳男性 表 海外症例報告 ( 成人 ) ( 続き ) 1.5 mg/kg(100 mg) 初日 : 3 回 2 日目 : 1 回 3 日目 : 1 回 投与前 MetHb 濃度 併用治療 * 有効性 ** 添付資料番号 41.5% 歳男性 2 mg/kg(150 mg) 2 回 19% 歳男性 歳女性 歳女性 歳女性 歳女性 歳男性 1 mg/kg 3 分かけて投与 1.7 mg/kg c (100 mg) 5 分かけて投与 0.8 mg/kg c (50 mg) 5 分かけて投与 1 mg/kg 2 回 15 分空けて投与 0.8 mg/kg c (50 mg 1%) 10 分かけて投与 1 mg/kg c (6 ml 1%): 5 分かけて投与 19.4% VL O % O 2 不明 % O % O % AA IB VL O 2 other % VL O 歳男性 2 mg/kg 24.9% O 2 GL 歳男性 歳男性 代前半女性 歳男性 初回 : 1.7 mg/kg c (100 mg) 15 分かけて投与 2 回目 : 1.7 mg/kg c (100 mg) 以降 : 7.5~10 mg/h 43 時間持続注入 1 mg/kg c (0.1 ml/kg 1% 8 ml) 初回 : 2 mg/kg 2 回目 : 1 mg/kg 初回 : 4.2 mg/kg c (250 mg) 数回に分けて投与 以降 : 5 回追加投与 ( 用量不明 ) 40.8% O 2 AC % O % IB VL O 2 GL % IB O 2 other 歳男性 1 mg/kg(70 mg) 58.9% 歳男性 0.7 mg/kg c (40 mg) 51% O 歳女性 歳女性 1.5 mg/kg(90 mg 1%) 10 分かけて投与 初回 : 2 mg/kg(100 mg) 15 分かけて投与 2 回目 : 1 mg/kg(50 mg) 3 回目 : 1 mg/kg (50 mg) 53.5% O % other ( 交換輸血で回復 ) c : 体重 60 kg と想定した換算値 * : O 2, 酸素吸入 ; IB, 気管挿管 ; VL, 人工呼吸 ; AA, アスコルビン酸及びビタミン C; AC, 活性炭 ; TF, 輸血 ; GL, 胃洗浄 ; SB, 炭酸水素ナトリウム ; other, その他 **:, 改善 ;, 改善せず -: 原文中に該当の記載なし

65 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 No. 年齢 / 性別投与量 歳女性 歳女性 歳女性 歳男性 表 海外症例報告 ( 成人 ) ( 続き ) 初回 : 2 mg/kg 2 回目 : 用量不明 以降 : 0.1 mg/kg/h 持続投与 (5 日間 ) 2 mg/kg 10 分かけて投与 経口 : 4 grains/ 日 3 週 : 1 mg/kg(52 mg 0.25%) mg/kg c (25 mg) 1.7 mg/kg c (100 mg) 3 回 2 回目投与 : 1 時間後 3 回目投与 : 翌日 投与前 MetHb 濃度 30% 併用治療 * 有効性 ** 添付資料番号 AC O 2 TF other % O 2 other % % O 2 TF AA VL other 歳男性 1 mg/kg 9% O 2 other 歳女性 歳女性 1~2 mg/kg(100 mg 1%) 5 分かけて投与 2 mg/kg(90 mg) 5 分かけて投与 18.8% O % O 歳男性 1~2 mg/kg(65 mg) 30.1% O 2 IB VL 歳男性 1 mg/kg(100 mg) 13.2% VL IB O 歳女性 歳男性 2 mg/kg 10 分かけて投与 1.3 mg/kg c (80 mg) 2 回 歳男性 1 mg/kg(1%) 6 回 46% 56% O 2 other % IB VL O 2 AA IB VL 歳男性 2 mg/kg 25.5% O 2 other 歳男性 歳男性 歳男性 2 mg/kg 5 分かけて投与 初回 : 1.3 mg/kg c (80 mg 1%) 20 分かけて投与 2 回目 : 1.3 mg/kg c (80 mg 1%) 初回 : 1.7 mg/kg c (100 mg 1%) 2 回目 : 0.8 mg/kg c (50 mg) 歳男性 1.3 mg/kg c (75 mg) 11 g/100 ml 歳男性 2 mg/kg(160 mg) 数分かけて投与 63.3% O 2 other % IB % IB VL O 2 GL AA other % O 2 other c : 体重 60 kg と想定した換算値 * : O 2, 酸素吸入 ; IB, 気管挿管 ; VL, 人工呼吸 ; AA, アスコルビン酸及びビタミン C; AC, 活性炭 ; TF, 輸血 ; GL, 胃洗浄 ; SB, 炭酸水素ナトリウム ; other, その他 **:, 改善 ;, 改善せず -: 原文中に該当の記載なし 30

66 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 No. 年齢 / 性別投与量 歳男性 歳女性 歳女性 表 海外症例報告 ( 成人 ) ( 続き ) 初回 : 4.2 mg/kg c (250 mg) 2 回に分けて bolus 投与 2 回目 : 2.5 mg/kg c (150 mg) を bolus 投与 以降 : 用量不明を 2 回 bolus 投与後 徐々に減量しつつ (7 mg/h 3 mg/h)7 日間持続投与 初回 : 1.1 mg/kg c (65 mg) 2~6 回目 : 1.1~2.2 mg/kg c (65~130 mg) 全用量 : 7.7 mg/kg c 0.8 mg/kg c (50 mg 1%) 10 分かけて投与 投与前 MetHb 濃度 併用治療 * 有効性 ** 添付資料番号 36% AA TF % AC O % IB O 歳男性 1 mg/kg 6 回 59.5% 歳男性 1.7 mg/kg c (10 ml 1%) 42% O 2 TF 歳男性 0.8 mg/kg c (50 mg) 72% 歳男性 初回 : 1.7 mg/kg c (100 mg) bolus 投与 mg/kg/h 20 時間後以降 mg/kg/h 持続投与 48% AC AA other 歳女性 2 mg/kg 41.2% O 2 other 歳男性 2 mg/kg 27.5% O 2 other 歳男性 3.3 mg/kg c (200 mg) 16% IB VL O 歳男性 2 mg/kg(100 mg) 52.2% O 歳女性 1 mg/kg 2 回 22.8% IB VL 歳男性 歳男性 5 mg/kg c (30 ml 1%) 1.2 mg/kg c (70 mg 1% 7 ml) 58% % IB VL O 歳男性 1 mg/kg 18.7% O 歳男性 初回 : 3.3 mg/kg c (200 mg) 2~5 回目 : 1.7 mg/kg c (100 mg) 6 回目 3.3 mg/kg c (200 mg) 7 回目 5 mg/kg c (300 mg) 8 回目 : 3 mg/kg c (180 mg) 70% 以上 O 2 AA GL AC other c : 体重 60 kg と想定した換算値 * : O 2, 酸素吸入 ; IB, 気管挿管 ; VL, 人工呼吸 ; AA, アスコルビン酸及びビタミン C; AC, 活性炭 ; TF, 輸血 ; GL, 胃洗浄 ; SB, 炭酸水素ナトリウム ; other, その他 **:, 改善 ;, 改善せず -: 原文中に該当の記載なし 31

67 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 No. 年齢 / 性別投与量 歳男性 歳女性 歳男性 表 海外症例報告 ( 成人 ) ( 続き ) 1.2 mg/kg c (0.1 mg/kg/h 12 時間持続投与 ) 1.5 mg/kg 5 分かけて投与 初回 : 2 mg/kg(1%) 2 回目 : 4 mg/kg(1%) 投与前 MetHb 濃度 併用治療 * 有効性 ** 添付資料番号 26% O 2 TF % O 2 other % TF other 歳男性 1 mg/kg 5 回 66.7% TF O 歳男性 歳女性 7.6 mg/kg c (455 mg) 5 日間にわたって投与 1.7 mg/kg c (100 mg) 5 分かけて投与 28.7% O % 歳女性 1 mg/kg 22.9% O 歳女性 2 mg/kg 4.8% O 2 SB other 歳男性 1 mg/kg 4 回 49.5% O 歳男性 1 mg/kg(60 mg) 33% O 2 AC TF 歳男性 歳男性 初回 : 1 mg/kg 3 回 (6 時間ごと ) 以降 : 0.1 mg/kg/h 持続投与 1.7 mg/kg c (100 mg) 10 分かけて投与 29.7% O 2 AC TF % O 歳女性 1.7 mg/kg c (100 mg) 23.2% O 歳女性 歳男性 歳男性 1~2 mg/kg(100 mg 1%) 5 分かけて投与 1.7 mg/kg c (100 mg) 5 分かけて投与 1.7 mg/kg c (100 mg) 2 回 35.6% O 2 AA % O 2 AC % IB VL O 歳男性 2.5 mg/kg c (150 mg) 65% 歳男性 歳女性 1.3 mg/kg c (80 mg 1%) 15 分かけて投与 1 mg/kg(60 mg 1%) 20 分かけて投与 17.8% O % O 歳男性 1.7 mg/kg c (1% 10 ml) 14% O 歳男性 歳男性 1~2 mg/kg(250 mg) 5~10 分かけて投与 初回 : 1.7 mg/kg c (100 mg) 10 分かけて投与 2 回目 : 1.7 mg/kg c (100 mg) 3 回目 : 1.3 mg/kg c (80 mg) 33.2% O % O c : 体重 60 kg と想定した換算値 * : O 2, 酸素吸入 ; IB, 気管挿管 ; VL, 人工呼吸 ; AA, アスコルビン酸及びビタミン C; AC, 活性炭 ; TF, 輸血 ; GL, 胃洗浄 ; SB, 炭酸水素ナトリウム ; other, その他 **:, 改善 ;, 改善せず -: 原文中に該当の記載なし 32

68 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 No. 年齢 / 性別投与量 歳女性 歳男性 表 海外症例報告 ( 成人 ) ( 続き ) 初回 : 2 mg/kg 以降 : 0.1 mg/kg/h 入院 3 日目まで投与 2 mg/kg(84 mg) 10 分かけて投与 投与前 MetHb 濃度 併用治療 * 有効性 ** 添付資料番号 72.4% IB O 2 other % VL O 歳男性 1 mg/kg(70 mg) 31.3% 歳女性 歳男性 初回 : 1 mg/kg(80 mg) 5 分かけて投与 2 回目 (90 分後 ): 1 mg/kg(80 mg) 初回 : 1.3 mg/kg c (80 mg) 10 分かけて投与 2 回目 : 1.7 mg/kg c (100 mg) 23.8% % IB VL O 2 SB 歳女性 2 mg/kg 69% VL IB O 歳女性 0.8 mg/kg c (50 mg) bolus 投与 45% O 2 TF VL other 歳女性 1 mg/kg(43 mg) 11~14% O 歳女性 歳男性 3 mg/kg 90 分かけて投与 1 mg/kg(1%) 6 回 5 分かけて投与 40% AA % IB VL O 2 ( 死亡 ) 歳男性 1 mg/kg(70 mg) 26.1% 歳女性 歳男性 歳女性 歳男性 歳男性 1.7 mg/kg c (100 mg) 3 日 3.3 mg/kg c (20 ml 1%) 15 分かけて投与 1.2 mg/kg c (70 mg 1%) 5 分かけて投与 1.7 mg/kg c (10 ml 1%) 2.1 mg/kg c (125 mg) 5 分かけて投与 34.9% AA % VL O 2 TF IB GL other ( 交換輸血で回復 ) % IB VL O % IB VL TF O 2 other % O 歳男性 1 mg/kg 31% IB O 歳男性 2 mg/kg(140 mg) 30 分かけて投与 81.5% IB O 2 GL VL other 歳女性 2 mg/kg 67% IB VL 歳男性 1 mg/kg 10.4% O 歳男性 1.5 mg/kg 26% IB 歳男性 1 mg/kg 9.2% O 歳男性 初回 : 1.5 mg/kg(200 mg) 2 回目 : 投与量不明 38% O 2 AA TF IB c : 体重 60 kg と想定した換算値 * : O 2, 酸素吸入 ; IB, 気管挿管 ; VL, 人工呼吸 ; AA, アスコルビン酸及びビタミン C; AC, 活性炭 ; TF, 輸血 ; GL, 胃洗浄 ; SB, 炭酸水素ナトリウム ; other, その他 **:, 改善 ;, 改善せず -: 原文中に該当の記載なし 33

69 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 No. 年齢 / 性別投与量 歳女性 表 海外症例報告 ( 成人 ) ( 続き ) 2 mg/kg(1%) 5 分かけて投与 投与前 MetHb 濃度 併用治療 * 有効性 ** 添付資料番号 15.1% O 歳男性 2.3 mg/kg c (140 mg) 50% 歳男性 歳女性 1.7 mg/kg c (100 mg) 2 回 初回 : 2 mg/kg(140 mg) 5 分かけて投与 以降 : 数回反復投与 28.2% IB VL O % O 2 IB other 歳女性 2.5 mg/kg c (150 mg) 33% IB VL O 歳男性 1 日目 : 1.5 mg/kg 5 分かけて投与計 7 mg/kg まで繰り返し投与 5~10 日目 : 1.5 mg/kg を毎日投与 18% O 2 other 歳女性 2 mg/kg(1%) 51.4% VL O 歳女性 歳女性 2 mg/kg 5 分かけて投与 2 mg/kg c (120 mg) 2 回 31.0% IB O 2 AA % O 2 AC 歳男性 1.7 mg/kg c (100 mg) 16.5% IB 歳女性 1.5 mg/kg 5 分かけて投与 48.7% O 2 AA 歳女性 1 mg/kg(50 mg 1%) 10.6% IB O 2 other 歳男性 歳男性 1 mg/kg 5 分かけて投与 1 mg/kg: 15 分かけて投与 29.08% O 2 IB VL % O 歳男性 1 mg/kg 37% O 歳男性 1 mg/kg 3 回 10 分かけて投与 17.5% 歳女性 1 mg/kg(56 mg) 40.1% AA other 歳男性 歳男性 歳女性 歳女性 2 mg/kg 4 時間空けて 2 回投与 1.7 mg/kg c (100 mg 1%) 5 分かけて投与 1.7 mg/kg c (100 mg) 5 分かけて投与 1 mg/kg 3 分かけて投与 63.5% O % O % O 2 AC GL % VL AA O 2 IB TF 歳男性 1 mg/kg 3 回 67.8% O 歳女性 2 mg/kg 33% 歳女性 1.7 mg/kg c (100 mg) 14.8% O 歳女性 1 mg/kg c (60 mg) 2 回 15.9% O 2 AC c : 体重 60 kg と想定した換算値 * : O 2, 酸素吸入 ; IB, 気管挿管 ; VL, 人工呼吸 ; AA, アスコルビン酸及びビタミン C; AC, 活性炭 ; TF, 輸血 ; GL, 胃洗浄 ; SB, 炭酸水素ナトリウム ; other, その他 **:, 改善 ;, 改善せず -: 原文中に該当の記載なし 34

70 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 No. 年齢 / 性別投与量 表 海外症例報告 ( 成人 ) ( 続き ) 投与前 MetHb 濃度 併用治療 * 有効性 ** 添付資料番号 歳女性 1 mg/kg 44.2% O 2 other 歳男性 歳女性 1 mg/kg 5 分かけて投与 初回 : 0.8 mg/kg c (5 ml 1%) 以降 : 0.8 mg/kg c (5 ml 1%) 4 回 17% % TF 歳女性 1 mg/kg 29.2% IB VL SB 歳男性 2 mg/kg 41.8% O 歳男性 歳男性 歳女性 歳男性 1.7 mg/kg c (100 mg) 5 分かけて投与 初回 : 1.5 mg/kg(1%) 2 回 5 分かけて投与 ( ) 以降 : 1.7 mg/kg c (100 mg) 3 回 / 日 ( 経口 ) 2 mg/kg 2 回 5 分かけて投与 初回 : 1 mg/kg(75 mg) 5 分かけて投与 2 回目 (15 分後 ): 1 mg/kg(75 mg) 48.3% O 2 AC GL % AA other % O 2 AA IB VL % O 歳男性 2 mg/kg 2 回 41% O 歳女性 歳男性 1 mg/kg(1%) 5 分かけて投与 0.8 mg/kg c (50 mg) 5 回 4 分かけて投与総投与量 : 4.2 mg/kg c (250 mg) 25% O % IB VL O 2 other ( 蘇生の一環処置として実施 ) 歳女性 1.3 mg/kg(80 mg) 24% O 歳女性 0.8 mg/kg c (50 mg 1%) 5 分かけて投与 歳男性 1.3 mg/kg c (80 mg) 80% 39.2% VL IB ( 死亡 ) 歳女性 1 mg/kg(50 mg) 3 日 37.4% VL O 歳女性 初回 : 1 mg/kg(60 mg) 10 分かけて投与 2 回目 : 2 mg/kg(120 mg) 10 分かけて投与 42% O c : 体重 60 kg と想定した換算値 * : O 2, 酸素吸入 ; IB, 気管挿管 ; VL, 人工呼吸 ; AA, アスコルビン酸及びビタミン C; AC, 活性炭 ; TF, 輸血 ; GL, 胃洗浄 ; SB, 炭酸水素ナトリウム ; other, その他 **:, 改善 ;, 改善せず -: 原文中に該当の記載なし 35

71 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 No. 年齢 / 性別投与量 歳男性 歳男性 年齢不明男性 年齢不明男性 表 海外症例報告 ( 成人 ) ( 続き ) 初回 : 1.7 mg/kg c (100 mg) 2 回目 : 1.1 mg/kg(80 mg) 3 回目 1.1 mg/kg(80 mg) 1.7 mg/kg c (100 mg) 3 分かけて投与 1.7 mg/kg c (10 ml 1%) 初回 : 1 mg/kg c (60 mg) 2 回目 (2 時間後 ): 0.7 mg/kg c (40 mg) 投与前 MetHb 濃度 併用治療 * 有効性 ** 添付資料番号 54.1% O 2 VL other % IB % O % AA ( 悪化 死亡 ) c : 体重 60 kg と想定した換算値 * : O 2, 酸素吸入 ; IB, 気管挿管 ; VL, 人工呼吸 ; AA, アスコルビン酸及びビタミン C; AC, 活性炭 ; TF, 輸血 ; GL, 胃洗浄 ; SB, 炭酸水素ナトリウム ; other, その他 **:, 改善 ;, 改善せず -: 原文中に該当の記載なし 海外小児症例報告該当する症例報告は 51 報 78 名であった ( 表 ) そのうち MB 投与によって 75 名は症状等が改善し 3 名は改善しなかった 年齢は 3 日齢 ~15 歳で 男性は 38 名 女性は 40 名であった MB 投与前の MetHb 濃度 (% 濃度の記載のあった症例 77 名 ) は 10~84% であった 投与量 (mg/kg) が記載された症例数は 62 名で その範囲は 1~2 mg/kg であった 投与速度が記載された 16 名では 3~15 分の範囲で静脈内投与がなされた 投与回数については 1 回が多かったが 症状の改善度に応じて複数回の投与を行った 18 症例では 1~2 mg/kg で追加投与がなされた なお 併用療法として 酸素吸入 (O 2 ) 胃洗浄 (GL) 気管挿管 (IB) 人工呼吸 (VL) 活性炭 (AC) 輸血(TF) アスコルビン酸及びビタミン C(AA) 炭酸水素ナトリウム(SB) がそれぞれ 46 名 19 名 18 名 5 名 6 名 5 名 4 名 1 名に処置された 36

72 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 No. 年齢 / 性別投与量 1 3 日齢女児 ( 妊娠 35 週早産児 ) 表 海外症例報告 ( 小児 ) 2 mg/kg 5 分かけて投与 投与前 MetHb 濃度 併用治療 * 有効性 ** 添付資料番号 84% IB O 日齢男児 1 mg/kg(3 mg) 35% O 日齢女児 1.5 mg/kg(0.1%) 30% 日齢女児 1 mg/kg 20.2% O 日齢女児 ( 妊娠 33 週の早産 ) 1.5 mg/kg 45% IB O 日齢女児 1.5 mg/kg(0.1%) 50% 日齢女児 1.5 mg/kg(0.1%) 40% 日齢女児 1.5 mg/kg(0.1%) 50% 日齢女児 1.5 mg/kg(0.1%) 60% 日齢女児 1.5 mg/kg(0.1%) 40% 日齢女児 1.5 mg/kg(0.1%) 55% 日齢男児 1.5 mg/kg(0.1%) 10% 日齢男児 1 mg/kg 44% O 週齢男児 3.0 mg 20.5% 週齢男児 1 mg/kg 40.2% O 2 other 週齢男児 17 4 週齢男児 初回 : 1 mg/kg 2 3 回目 : 投与量不明 1 mg/kg 5 分かけて投与 55% other % other 週齢女児 1.5 mg/kg 35% other 週齢女児 0.4 ml(1%) 54% AA 週齢男児 初回 : 2 mg/kg 5~10 分かけて投与 2 回目 (1 時間後 ): 1 mg/kg 54.5% O 週齢女児 1 mg/kg 28% other 週齢女児 初回 ( 骨内 ): 1 mg/kg(3 ml 1%) 3~5 分かけて投与 2 回目 ( ): 1 mg/kg(3 ml) 29.3% SB other 週齢女児 12 mg(1.2 ml) 71.4% IB O ヵ月齢男児 0.8 ml(1%) 50% O ヵ月齢男児 初回 : 1 ml(5%) 2 回目 : 0.75 ml(5%) 50% O ヵ月齢男児 2 mg/kg 43% TF other * : O 2, 酸素吸入 ; IB, 気管挿管 ; VL, 人工呼吸 ; AA, アスコルビン酸及びビタミン C; AC, 活性炭 ; TF, 輸血 ; GL, 胃洗浄 ; SB, 炭酸水素ナトリウム ; other, その他 **:, 改善 ;, 改善せず -: 原文中に該当の記載なし 37

73 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 No. 年齢 / 性別投与量 ヵ月齢男児 ( 双生児 ) 4 ヵ月齢男児 ( 双生児 ) 表 海外症例報告 ( 小児 ) ( 続き ) 投与前 MetHb 濃度 併用治療 * 有効性 ** 添付資料番号 10 mg 80% VL O mg 38% ヵ月齢男児 2 mg/kg 51% ヵ月齢男児 2 mg/kg 65% IB ヵ月齢女児 初回 : 1 mg/kg 5 分かけて投与 以降 1 mg/kg 2 回 24.7% other ヵ月齢女児 2 mg/kg 37% ヵ月齢女児 2 mg/kg 37% ヵ月齢女児 1 mg/kg(10 mg) 38% O ヵ月齢男児 ヵ月齢女児 初回 : 1 mg/kg(1%) 2 回目 1.5 mg/kg 初回 : 1 mg/kg 2 回目 : ほぼ同量 57% AA % GL O 2 other ヵ月齢女児 1 mg/kg 42.5% O ヵ月齢男児 ヵ月齢男児 初回 : 2 mg/kg 2~4 回目 : 1.5 mg/kg 2 mg/kg(25 mg) 数分かけて投与 26% TF IB ( 交換輸血で回復 ) % O 2 other ヵ月齢女児 1 mg/kg 43% O ヵ月齢女児 ヵ月齢男児 初回 : 18 mg 4 分かけて投与 2 回目 : 15 mg 15 mg (1.5 ml 1%) 35.1% O 2 GL AC % ヵ月齢女児 15 mg 4.3g/100 ml ヵ月齢女児 15 mg 55.2% O ヵ月齢男児 2 mg/kg 2 回 37.7% O 2 TF ( 赤血球交換で回復 ) ヵ月齢男児 1 mg/kg 35.7% O ヵ月齢女児 10 mg 59% O 歳男児 初回 : 1 mg/kg 2 3 回目 : 投与量不明 27% GL AC 歳女児 1 mg/kg 29.1% O 歳女児 1.5 mg/kg 56.1% O * : O 2, 酸素吸入 ; IB, 気管挿管 ; VL, 人工呼吸 ; AA, アスコルビン酸及びビタミン C; AC, 活性炭 ; TF, 輸血 ; GL, 胃洗浄 ; SB, 炭酸水素ナトリウム ; other, その他 **:, 改善 ;, 改善せず -: 原文中に該当の記載なし 38

74 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 No. 年齢 / 性別投与量 51 2 歳女児 表 海外症例報告 ( 小児 ) ( 続き ) 2 mg/kg (2.2 ml 1%) 15 分かけて投与 投与前 MetHb 濃度 併用治療 * 有効性 ** 添付資料番号 59% 歳男児 1 mg/kg 39% VL O 歳男児 10 mg 57% O 歳男児 1 mg/kg 27.7% IB O 歳男児 歳女児 57 4 歳男児 歳女児 16 mg(0.1 ml/kg 1%) 4 回投与 初回 : 1 mg/kg 5 分かけて投与 2 回目 : 1 mg/kg 1 mg/kg 2 回 10 分かけて投与 初回 : 1.5 mg/kg 2 回目 : 1.5 mg/kg 3 回目 : 2 mg/kg 44% O 2 AC % O 2 AC AA % 68% IB VL O 2 GL other GL TF other 歳女児 1 mg/kg(1%) 38.5% O 歳男児 1 mg/kg(25 mg) 15 分かけて投与 69.9% O 2 other 歳男児 1 mg/kg 35.5% O 歳男児 63 8 歳男児 64 9 歳男児 歳男児 歳男児 歳女児 68 ~ 76 4~13 歳児 9 名 ( 男 4 名 / 女 5 名 ) 2 mg/kg 10 分かけて投与 2 mg/kg 10 分かけて投与 2 mg/kg 10 分かけて投与 1 mg/kg 10 分かけて投与 1 mg/kg 10 分かけて投与 初回 : 90 mg 以降 : 48 時間の間に計約 8 mg/kg を 7 回に分けて投与 1 mg/kg 2 回 10 分かけて投与 27.5% GL other % GL other % GL other % O 2 other % O 2 other % 以上 18~48% VL GL AC O 2 TF IB O 2 GL other 歳女児 2 mg/kg 54% IB O 歳女児 初回 : 150 mg を 3 回に分けて投与 以降 0.1 mg/kg/h で持続投与 46.8% IB VL AA O 2 GL AC other ( 持続的静脈血液濾過で回復 ) * : O 2, 酸素吸入 ; IB, 気管挿管 ; VL, 人工呼吸 ; AA, アスコルビン酸及びビタミン C; AC, 活性炭 ; TF, 輸血 ; GL, 胃洗浄 ; SB, 炭酸水素ナトリウム ; other, その他 **:, 改善 ;, 改善せず -: 原文中に該当の記載なし

75 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 国内成人症例報告該当する症例報告は 23 報 24 名であった ( 表 ) そのうち MB 投与によって 23 名は症状等が改善し 1 名は改善しなかった 年齢は 20~68 歳 (1 名は 70 歳代 ) で 男性は 20 名 女性は 4 名であった MB 投与前の MetHb 濃度は 2.3~71.9% であった 投与量 (mg/kg) が記載された症例数は 10 名で その範囲は 1~2 mg/kg であった また mg/kg c 値に換算できた症例は 14 名であり その範囲は 0.8~5 mg/kgであった 投与量が 1~2 mg/kg の範囲の症例は 18 名 ( 体重 60 kg と仮定した換算値例を含む ) であった 投与速度の記載があった 7 名では 5~30 分の範囲 (1 名のみ 1 時間 ) で静脈内投与がなされた 投与回数については 1 回の症例が多かったが 症状の改善度に応じて複数回の投与を行った 5 症例では 0.8~2.5 mg/kgの用量範囲 ( 体重 60 kgと仮定した換算値例を含む ) で追加投与がなされ 1~2 mg/kg の用量が投与された症例は 1 名であった なお 併用療法として 酸素吸入 (O 2 ) アスコルビン酸及びビタミン C(AA) 輸血(TF) 気管挿管 (IB) 活性炭 (AC) 炭酸水素ナトリウム(SB) 人工呼吸(VL) がそれぞれ 20 名 6 名 3 名 2 名 3 名 2 名 1 名に処置された No. 年齢 / 性別投与量 表 国内症例報告 ( 成人 ) 投与前 MetHb 濃度 * 併用治療 ** 有効性 添付資料番号 1 20 歳男性 2 mg/kg 41.5% O 2 other 歳男性 4.7 mg/kg c (280 mg) 3 回に分けて投与 49.5% O 2 AC 歳女性 1 mg/kg 58.3% O 歳女性 1 mg/kg(50 mg) 約 20 分かけて投与 38.8% O 歳男性 1.3 mg/kg c (80 mg) 36.2% 歳女性 7 33 歳男性 8 39 歳男性 9 42 歳男性 0.8 mg/kg c (50 mg) 5 分かけて 3 回 2 mg/kg c (120 mg) 4 回投与 1 mg/kg(1%) 10 分かけて投与 初回 : 2 mg/kg(160 mg) 2 3 回目 : 2.5 mg/kg (200 mg) 30% 以上 O % % O % SB O 2 TF other 歳男性 1 mg/kg 54.7% O 歳男性 : 5 mg/kg c (300 mg) 経管投与 : 11.5 mg/kg c (690 mg) 14.0% O c : 体重 60 kg と想定した換算値 * : O 2, 酸素吸入 ; IB, 気管挿管 ; VL, 人工呼吸 ; AA, アスコルビン酸及びビタミン C; AC, 活性炭 ; TF, 輸血 ; SB, 炭酸水素ナトリウム ; other, その他 **:, 改善 ;, 改善せず -: 原文中に該当の記載なし 40

76 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 No. 年齢 / 性別投与量 歳男性 歳男性 歳男性 表 国内症例報告 ( 成人 ) ( 続き ) 初回 : 1.2 mg/kg(60 mg) 1 時間かけて投与 2 回目 ( 胃管投与 ): 4.8 mg/kg(250 mg) 0.8 mg/kg c (10 mg 5 回 ) を 30 分かけて 1.7 mg/kg c (100 mg) 20 分かけて投与 投与前 MetHb 濃度 * 併用治療 62.8% O 2 AA TF 57% 2.3% O 2 AA SB AC IB VL O 2 AA AC other ** 有効性 ( 交換輸血で回復 ) 添付資料番号 歳男性 2.5 mg/kg c (150 mg) 65.4% O 歳男性 1.5 mg/kg 10 分かけて投与 18% O 歳男性 2 mg/kg(1%) 71.9% 歳男性 1.2 mg/kg c (70 mg) 63.9% IB 歳男性 1.7 mg/kg c (100 mg) 44.3% O 2 AA 歳男性 1.2 mg/kg c (70 mg 1%) 53.6% O 歳男性 1.7 mg/kg c (10 ml 1%) 62.3% O 歳男性 1 mg/kg 13% 歳男性 歳代女性 初回 ( 胃管投与 ): 8.3 mg/kg c (500 mg) 2 回目 (60 分後 ): 1.7 mg/kg c (100 mg) 10 分かけて 0.8 mg/kg c (50 mg 1%) AA O 2 TF other % AA O % O c : 体重 60 kg と想定した換算値 * : O 2, 酸素吸入 ; IB, 気管挿管 ; VL, 人工呼吸 ; AA, アスコルビン酸及びビタミン C; AC, 活性炭 ; TF, 輸血 ; SB, 炭酸水素ナトリウム ; other, その他 **:, 改善 ;, 改善せず -: 原文中に該当の記載なし 国内小児症例報告該当する症例報告は 7 報 8 名であり ( 表 ) 全例が MB 投与によって症状等が改善した 年齢は 21 日齢 ~15 歳で 男性は 4 名 女性は 4 名であった MB 投与前の MetHb 濃度は 26.7~58.3% であった 投与量 (mg/kg) が記載された症例数は 7 名で その範囲は 1~2 mg/kg(1 名のみ 2.5 mg/kg) であった 投与速度の記載があった 2 名では 8 分及び 30 分をかけて静脈内投与がなされた 投与回数については 1 回が多かったが 症状の改善度に応じて複数回の投与を行った 1 症例では 2.5 mg/kg が追加投与された なお 併用療法として 酸素吸入 (O 2 ) アスコルビン酸及びビタミン C(AA) 気管挿管 (IB) 人工呼吸 (VL) 炭酸水素ナトリウム (SB) がそれぞれ 5 名 4 名 1 名 1 名 1 名に処置された 41

77 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 No. 年齢 / 性別投与量 表 国内症例報告 ( 小児 ) 投与前 MetHb 濃度 併用治療 * 有効性 ** 添付資料番号 1 21 日齢男児 1 mg/kg 58.3% AA other 日齢男児 1.5 mg/kg 36.6% AA other 日齢女児 2.5 mg 2 回 30 分かけて 43.9% O 日齢男児 2 mg/kg 35.2% IB VL O ヵ月齢男児 2 mg/kg 47% O 日齢女児 1 mg/kg 40.7% AA SB other 週齢女児 8 15 歳女児 1 mg/kg 8 分かけて投与 160 mg/h 6 h 累積投与量 960 mg 40% O % O 2 AA * : O 2, 酸素吸入 ; IB, 気管挿管 ; VL, 人工呼吸 ; AA, アスコルビン酸及びビタミン C; SB, 炭酸水素ナトリウム ; other, その他 **:, 改善 ;, 改善せず 3. 全試験を通しての結果の比較と解析本申請で対象とした DS-2207b 製剤第 III 相試験 MB のプロスペクティブ試験 レトロスペクティブ研究 AAPCCの使用実態調査及び欧州におけるアンケート調査結果 海外並びに国内の症例報告の背景はそれぞれ異なった基準でデータが収集され また 記載内容にも統一性がなかったことから それらをまとめて比較 解析することは難しいと考える したがって 試験対象集団 全有効性試験の結果の比較検討並びに各部分集団における結果の解析は それぞれの概略をまとめることにとどめた 3.1 試験対象集団 Provepharm 社が米国で実施した DS-2207b 製剤第 III 相試験 MBを用いた海外文献 AAPCC の使用実態調査結果 海外並びに国内症例報告に記載された MetHb 血症患者集団の概略を表 にまとめた 新生児 ~ 高齢者の幅広い年齢層の MetHb 血症患者に対して MBは投与されていることが確認された 42

78 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 表 全報告の有効性評価集団の背景 試験名例数年齢投与経路添付資料番号 DS-2207b 製剤第 III 相試験 12 名 6 日齢 ~54 歳 静脈内 海外文献 無作為化比較試験 11 名 38~61 ヵ月齢 静脈内 プロスペクティブ 1 名 詳細不明 静脈内 試験 12 名 20~47 歳 静脈内 名 0 歳 ( 新生児 ) 静脈内 名 詳細不明 静脈内 レトロスペクティブ研究平均 : 62.8 歳 18 名 ( 詳細不明 ) 静脈内 名 21~93 歳静脈内 レビュー文献 22 名 2~48 歳 静脈内等 名 詳細不明 静脈内等 名 詳細不明 静脈内 名 17~77 歳 静脈内等 例数不明 詳細不明 静脈内等 AAPCC の使用実態調査 1220 名 新生児 ~65 歳以上 静脈内 海外症例 成人 163 名 16~88 歳 静脈内 報告小児 78 名 3 日齢 ~15 歳静脈内国内症例成人 20~68 歳 24 名静脈内報告 (1 名は 70 歳代 ) 小児 8 名 21 日齢 ~15 歳静脈内 ~ 全有効性試験の結果の比較検討 Provepharm 社が米国で実施した DS-2207b 製剤第 III 相試験 海外文献 AAPCCの使用実態調査結果 海外並びに国内症例報告に記載された MetHb 血症患者に対して治療のために MB が静脈内投与された場合の MB 投与前の MetHb 濃度 MB の初回投与量及び投与速度 効果が不十分であった場合の追加投与量 MB 以外の併用治療に関する情報 並びに MetHb 濃度及び症状等の改善効果 を指標とした MBの有効性について表 にまとめた MetHb 血症に対する MB 投与前の MetHb 濃度は 2.3~94% であり それらの患者に対する MB の初回投与量は概ね 1~2 mg/kg であった 投与速度の記載のあったものについては 多くは 5 分以上かけて投与された また 効果不十分な場合の追加投与は初回投与量と同じ 1~ 2 mg/kg が多かった MB 以外の併用療法としては 酸素治療 気道確保のための気管挿管及び人工呼吸による酸素分圧の改善処置 胃洗浄 炭酸水素ナトリウム 活性炭投与による経口摂取した原因物質の洗浄処置 アスコルビン酸あるいはビタミン C 投与による MetHbの還元促進処置 並びに輸血による MetHb 化した赤血球の交換が効果的であることが確認された これらの文献をまとめた結果は 国内あるいは海外の教科書に記載されている MetHb 血症患者に MBを静脈内投与する治療方法及び併用療法 と一致した 以上のような MetHb 血症患者に対する治療背景及び経過から MB の有効性について判断すると MBの静脈内投与における有効性は 80% を超える高い治療方法であることが確認された 43

79 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 試験名 表 投与前 MetHb 濃度初回投与量 / 速度 DS-2207b 製剤第 III 相試験平均 : 40.5% (10.6~75%) 12 名 : 0.8~2.0 mg/kg 5 分間で投与 海外文献 レビュー文献 無作為化比較試験 プロスペクティブ試験 レトロスペクティブ研究 平均 : 52.7%/52.8% ( 詳細不明 ) 11 名 : 2 mg/kg bolus 投与 / 持続投与 MetHb 濃度 : 詳細不明 1 名 : 1 mg/kg 投与速度 : 詳細不明 平均 32.7% 6 名 : 1 mg/kg 6 名 : 2 mg/kg 平均 19% 13 名 : 0.1~1.6 mg/kg 投与速度 : 詳細不明平均 0.9 g/100 ml 10 名 : 2 mg/kg 投与速度 : 詳細不明平均 : 32% 18 名 : 0.7~2 mg/kg 投与速度 : 詳細不明 MetHb 濃度 : 詳細不明投与量 : 詳細不明投与速度 : 詳細不明 17.8~94% 16 名 : 0.3~3.3 mg/kg (mg/kg c 値含む ) 3 名 : 不明投与速度 : 詳細不明 24~37% 1 名 : 1~2 mg/kg 2 名 : 不明投与速度 : 詳細不明 8~78% 14 名 : 1~4 mg/kg 119 名 *: 0.6~7.1 mg/kg 投与速度 : 詳細不明 MetHb 濃度 : 詳細不明 0.5~5.5 mg/kg 投与速度 : 詳細不明 全試験における MB の投与量等の基本的情報 追加投与量 2 回投与 1 名 : 総量 1.5 mg/kg 3 回投与 1 名 : 総量 13 mg/kg 4 回投与 1 名 : 総量 7 mg/kg 11 名 : 2 mg/kg a 併用治療 O 2: 7 名 AC: 1 名 AA: 1 名 other O 2: 11 名 GL: 例数不明 b 有効性 添付資料番号 12/ / なしなし 1/ なしなし 12/ 詳細不明 TF: 例数不明 13/ なしなし 10/ 名 : 50 mg/body 投与後に追加投与 ( 詳細不明 ) 詳細不明 18/ 詳細不明詳細不明 37/ 詳細不明 詳細不明 詳細不明 IB: 2 名 O 2: 2 名 VL: 1 名他は詳細不明 AA: 15 名他は詳細不明 AA: 14 名他は詳細不明 a : O 2, 酸素吸入 ; IB, 気管挿管 ; VL, 人工呼吸 : AA, アスコルビン酸及びビタミン C; AC, 活性炭 ; TF, 輸血 ; GL, 胃洗浄 ; SB, 炭酸水素ナトリウム ; other, その他 b: 改善と判断した有効性を含む ( 有効例数 / 全症例数 ) *: 体重 60 kg 又は 70 kg と想定した換算値 ( でのみ 70 kg で換算 ) **: 全治療例数に対する回復及びほぼ回復と判断された症例数 (%) 18/19 2/ / /

80 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 試験名 レビュー文献 ( 続き ) 表 全試験における MB の投与量等の基本的情報 ( 続き ) 投与前 MetHb 濃度初回投与量 / 速度 MetHb 濃度 : 19.4~72% 6 名 : 0.8~2 mg/kg (mg/kg c 値含む ) 1 名 : 詳細不明投与速度 : 詳細不明 288 名 : 3.2~94% 46 名 : g/dl 11 名 : 平均 52% 1 名 : 55% 超 24 名 : 1~2 mg/kg 他は詳細不明投与速度 : 詳細不明 214 名 : 1.9~26.8% 1 名 : 不明 7 名 : 1~2 mg/kg 他は詳細不明投与速度 : 詳細不明 追加投与量 詳細不明 詳細不明 a 併用治療 AA: 1 名 IB: 2 名他は詳細不明 AC: 6 名 GL: 4 名 AA: 4 名他は詳細不明 b 有効性 添付資料番号 7/ 詳細不明 米国使用実態調査 詳細不明 詳細不明 詳細不明 86%** 海外成人 O 2: 119 名症例報告 4.8~94% IB: 45 名 94 名 : 1~3 mg/kg VL: 43 名 66 名 *: 0.4~7.6 mg/kg 58 名 : 0.4~5 mg/kg AA: 22 名 (137 名 : 1~2 mg/kg) (42 名 : 1~2 mg/kg) TF: 20 名 155/ 名 : 3~90 分間で投与 ( 多くは 5 分以上 ) GL: 14 名 AC: 13 名 SB: 4 名 国内症例報告 小児 成人 小児 10~84% 62 名 : 1~2 mg/kg 16 名 : 3~15 分間で投与 ( 多くは 5 分以上 ) 2.3~81.7% 10 名 : 1~2 mg/kg 14 名 *: 0.8~5 mg/kg (18 名 : 1~2 mg/kg) 7 名 : 5~20 分間で投与 (1 名のみ 1 時間 ) 26.7~58.3% 7 名 : 1~2 mg/kg (1 名のみ 2.5 mg/kg) 2 名 : 8 又は 30 分間で投与他は詳細不明 18 名 : 0.75~2 mg/kg 5 名 : 0.2~2.5mg/kg (1 名 : 1~2 mg/kg) 1 名 : 2.5 mg/kg O 2: 46 名 GL: 19 名 IB: 18 名 AC: 6 名 VL: 5 名 TF: 5 名 AA: 4 名 SB: 1 名 O 2: 22 名 AA: 7 名 TF: 4 名 IB: 3 名 AC: 2 名 SB: 2 名 VL: 1 名 AA: 4 名 O 2: 5 名 IB: 1 名 VL: 1 名 SB: 1 名 a : O 2, 酸素吸入 ; IB, 気管挿管 ; VL, 人工呼吸 : AA, アスコルビン酸及びビタミン C; AC, 活性炭 ; TF, 輸血 ; GL, 胃洗浄 ; SB, 炭酸水素ナトリウム ; other, その他 b: 改善と判断した有効性を含む ( 有効例数 / 全症例数 ) *: 体重 60 kg 又は 70 kg と想定した換算値 ( でのみ 70 kg で換算 ) **: 全治療例数に対する回復及びほぼ回復と判断された症例数 (%) 75/78 23/24 8/ ~ から抜粋 45

81 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 3.3 部分集団における結果の比較 MetHb 血症に対する MBの有効性に関して AAPCC の使用実態調査結果 ( ) では年齢別 ( 新生児 : 0~27 日齢 乳児 : 28 日齢 ~3ヵ月齢 幼児 : 4~23 ヵ月齢 小児 : 2~11 歳 青年期 : 12~17 歳 成人 : 18~65 歳 高齢者 : 65 歳より上の年齢層 ) に分類されていた しかし その報告では MB 投与量 MB 投与前 MetHb 濃度 併用療法の有無等の情報が記載されていなかった そこで 有効性評価に使用した全症例報告を各部分集団 ( 新生児 / 乳児 / 幼児 / 小児 / 青年期患者 高齢患者に分類して それぞれの患者に発症した MetHb 血症に対する MBの静脈内投与の有効性についてまとめた なお 妊婦 / 授乳婦 腎機能障害患者 肝機能障害患者 G6PD 欠損症患者及びその他先天性酵素欠損症患者に関しては 投与量の記載及び臨床症状の経過が明らかな症例について 及び より新たに抽出し 有効性についてまとめた その際 MB 投与によって MetHb 濃度の低下 症状の改善あるいは回復などの記載がなかった症例については 改善なし と記載した 新生児 乳児 幼児 小児及び青年期患者 新生児 (0~27 日齢 ) 患者 AAPCCの使用実態調査結果では 新生児に MBを投与した場合の有効率は 64% であり 18 ~65 歳までの患者の有効率 (85%) より低かった 一方 症例報告 ( 海外文献 : 4 報 12 名 国内文献 : 3 報 3 名 ) においては MB の静脈内投与及び併用療法 ( 酸素吸入 アスコルビン酸及びビタミン C 等 ) によって 15/15 名の MetHb 濃度及び症状が改善した なお 投与量は 1~2 mg/kg が多く MB 投与前 MetHb 濃度は 20.2 ~84% の範囲であった ( 表 ) 46

82 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 表 MetHb 血症 ( 新生児 : 0~27 日齢 ) に対する MB の治療効果 No. 年齢 / 性別投与量及び併用治療 * 有効性添付資料番号 海外症例 1 3 日齢女児 ( 妊娠 35 週早産児 ) 2 6 日齢男児 3 6 日齢女児 4 9 日齢女児 5 9 日齢女児 ( 妊娠 33 週早産児 ) 6 10 日齢女児 7 10 日齢女児 8 10 日齢女児 9 17 日齢女児 日齢女児 日齢女児 日齢男児 国内症例 1 21 日齢男児 2 21 日齢男児 3 26 日齢女児 2 mg/kg 当初 MetHb 濃度 : 84% チアノーゼ 5 分かけて投与 MB 投与 1 時間後 : 皮膚色改善 併用治療 : IB O 2 1 mg/kg(3 mg) 併用治療 : O mg/kg(0.1%) 併用治療 : なし 1 mg/kg 併用治療 : O 2 当初 MetHb 濃度 : 35% チアノーゼ MB 投与 1 時間以内の MetHb 濃度 : 2.7% 入院期間中は MetHb 濃度 2% 未満 皮膚色改善 当初 MetHb 濃度 : 30% チアノーゼ MB 投与後 : チアノーゼ消失 末梢血色改善 当初 MetHb 濃度 : 20.2% MB 投与後 : 症状改善 酸素飽和度 99% に上昇 MB 投与 1 時間後 MetHb 濃度 : 0.5% 1.5 mg/kg 併用治療 : IB O 2 当初 MetHb 濃度 : 45% チアノーゼ MB 投与後 MetHb 濃度 : 3.5% 1.5 mg/kg(0.1%) 併用治療 : なし 1.5 mg/kg(0.1%) 併用治療 : なし 1.5 mg/kg(0.1%) 併用治療 : なし 1.5 mg/kg(0.1%) 併用治療 : なし 1.5 mg/kg(0.1%) 併用治療 : なし 1.5 mg/kg(0.1%) 併用治療 : なし 1.5 mg/kg(0.1%) 併用治療 : 不明 1 mg/kg 併用治療 : AA other 1.5 mg/kg 併用治療 : AA other 2.5 mg 30 分かけて 2 回 併用治療 : O 2 当初 MetHb 濃度 : 50% チアノーゼ MB 投与後 : チアノーゼ消失 末梢血色改善 当初 MetHb 濃度 : 40% チアノーゼ MB 投与後 : チアノーゼ消失 末梢血色改善 当初 MetHb 濃度 : 50% チアノーゼ MB 投与後 : チアノーゼ消失 末梢血色改善 当初 MetHb 濃度 : 60% チアノーゼ MB 投与後 : チアノーゼ消失 末梢血色改善 当初 MetHb 濃度 : 40% チアノーゼ MB 投与後 : チアノーゼ消失 末梢血色改善 当初 MetHb 濃度 : 55% チアノーゼ MB 投与後 : チアノーゼ消失 末梢血色改善 当初 MetHb 濃度 : 10% MB 投与後 : 末梢血色改善 当初 MetHb 濃度 : 58.3% 全身のチアノーゼ MB 投与後 : チアノーゼ消失 MB 投与 1 時間後 MetHb 濃度 : 1.4% 当初 MetHb 濃度 : 36.6% MB 投与時間後 : チアノーゼ消失退院時 MetHb 濃度 : 3.2% 当初 MetHb 濃度 : 43.9% チアノーゼ MB 初回投与後 MetHb 濃度 : 9.1% チアノーゼ改善 2 回目投与後 MetHb 濃度 : 3.5% * : O 2, 酸素吸入 ; IB, 気管挿管 ; AA, アスコルビン酸及びビタミン C; other, その他

83 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 乳児 (28 日齢 ~3ヵ月齢 ) 患者 AAPCCの使用実態調査結果では 乳児へ MB を投与した場合の有効率は 88% であり 18~ 65 歳の患者の有効率と類似した 症例報告 ( 海外文献 : 14 報 14 名 国内文献 : 3 報 3 名 ) でも MB の静脈内投与及び併用療法 ( 酸素吸入 気管挿管 人工呼吸 アスコルビン酸及びビタミン C 輸血 及び炭酸水素ナトリウム等 ) により すべての症例の MetHb 濃度及び症状が改善した なお 投与量は 1~ 2 mg/kg が多く MB 投与前 MetHb 濃度は 20.5~71.4% の範囲であった ( 表 ) 表 MetHb 血症 ( 乳児 : 28 日齢 ~3 ヵ月齢 ) に対する MB の治療効果 No. 年齢 / 性別投与量及び併用治療 * 有効性添付資料番号 海外症例 1 40 日齢男児 2 3 週齢男児 3 3 週齢男児 4 3 週齢男児 5 4 週齢男児 6 4 週齢女児 7 4 週齢女児 8 6 週齢男児 9 6 週齢女児 1 mg/kg 併用治療 : O mg 併用治療 : なし 1 mg/kg 併用治療 : O 2 other 初回 : 1 mg/kg 2 3 回目 : 投与量不明 併用治療 : other 1 mg/kg 5 分かけて投与 併用治療 : other 1.5 mg/kg 併用治療 : other 0.4 ml(1%) 併用治療 : AA 初回 : 2 mg/kg 5~10 分かけて投与 2 回目 (1 時間後 ): 1 mg/kg 併用治療 : O 2 1 mg/kg 併用治療 : other 当初 MetHb 濃度 : 44% 中心性及び末梢性チアノーゼ MB 投与 60 分後 MetHb 濃度 : 4% 24 時間後 MetHb 濃度 : 1.5% 酸素飽和度 92% チアノーゼ消失 当初 MetHb 濃度 : 20.5% チアノーゼ 嗜眠 食欲減退 呼吸困難 過敏症 軽度の下痢 軽度の右心室肥大 軽度の右軸偏位 MB 投与後 : 皮膚色と呼吸器症状改善 症状安定 当初 MetHb 濃度 : 40.2% MB 投与 2 時間後 MetHb 濃度 : 2.7% 症状改善 皮膚色改善 当初 MetHb 濃度 : 55% チアノーゼ MB 投与後 : チアノーゼ 皮膚色改善 6 日目に MetHb 血症を再発 2 回目投与後 MetHb 濃度 : 8% 症状改善 口からの栄養摂取を試みたところ 再度発症した 3 回目投与後 : 症状改善 当初 MetHb 濃度 : 48% 末梢性及び中枢性チアノーゼ MB 投与 2 時間後 MetHb 濃度 : 3% チアノーゼ改善 18 時間後 MetHb 濃度 : 2.4% 42 時間後 MetHb 濃度 : 1.4% 当初 MetHb 濃度 : 35% チアノーゼ MB 投与 3 時間後 MetHb 濃度 : 1.8% 当初 MetHb 濃度 : 54% チアノーゼ MB 投与後 : 皮膚色改善 当初 MetHb 濃度 : 54.5% MB 2 回投与後 MetHb 濃度 : 0.9% チアノーゼ消失 当初 MetHb 濃度 : 28% MB 投与後 : 症状改善 皮膚色改善 * : O 2, 酸素吸入 ; IB, 気管挿管 ; VL, 人工呼吸 : AA, アスコルビン酸及びビタミン C; TF, 輸血 ; SB, 炭酸水素ナトリウム ; other, その他

84 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 表 MetHb 血症 ( 乳児 : 28 日齢 ~3 ヵ月齢 ) に対する MB の治療効果 ( 続き ) No. 年齢 / 性別投与量及び併用治療 * 有効性添付資料番号 10 6 週齢女児 週齢女児 12 1 ヵ月齢男児 13 1 ヵ月齢男児 14 1 ヵ月齢男児 国内症例 1 32 日齢男児 2 1 ヵ月齢男児 3 37 日齢女児 初回 ( 骨内 ): 1 mg/kg (3 ml 1%) 3~5 分かけて投与 2 回目 : 1 mg/kg (3 ml) 併用治療 : SB other 当初 MetHb 濃度 : 29.3% チアノーゼ MB 投与 3 時間後 MetHb 濃度 : 8.2% チアノーゼ消失 2 回目投与後 MetHb 濃度 : 4.4% 12 mg(1.2 ml) 併用治療 : IB O 2 当初 MetHb 濃度 : 71.4% MB 投与後 MetHb 濃度 : 1.3% 当初 MetHb 濃度 : 50% 呼吸困難 速 0.8 ml(1%) い呼吸 チアノーゼ 併用治療 : O 2 MB 投与後 : 症状改善 皮膚色改善 初回 : 1 ml(5%) 2 回目 : 0.75 ml(5%) 併用治療 : O 2 2 mg/kg 併用治療 : TF other 2 mg/kg 併用治療 : IB VL O 2 2 mg/kg 併用治療 : O 2 1 mg/kg 併用治療 : AA SB other 当初 MetHb 濃度 : 50% 青みがかった皮膚色 中等度の下痢 無気力 MB 初回投与後 : 皮膚色は暗青色のままであり 1.5 時間後に明るい青色の排尿 7 時間後皮膚色と状態に改善なし 2 回目投与後 : MetHb の消失 翌日も皮膚色は青く 無気力状態で中等度の下痢継続 投与 4 日後にチアノーゼ消失 当初 MetHb 濃度 : 43% MB 投与後 MetHb 濃度 : 1.9% 退院時まで MetHb 濃度 : 10% 未満を維持 当初 MetHb 濃度 : 35.2% チアノーゼ MB 投与後 MetHb 濃度 : ほぼ 0 チアノーゼ消失し 心肺状態安定 当初 MetHb 濃度 : 47% 全身蒼白 努力呼吸 MB 投与後 MetHb 濃度 : 3.5% 皮膚色及び呼吸状態改善 当初 MetHb 濃度 : 40.7% MB 投与後正常化 退院時 MetHb 濃度 : 3.1% チアノーゼ消失 * : O 2, 酸素吸入 ; IB, 気管挿管 ; VL, 人工呼吸 : AA, アスコルビン酸及びビタミン C; TF, 輸血 ; SB, 炭酸水素ナトリウム ; other, その他 幼児 (4~23ヵ月齢) 患者 AAPCCの使用実態調査結果では 幼児へ MB を投与した場合の有効率は 87% であり 18~ 65 歳の患者の有効率と類似した 症例報告 ( 海外文献 : 14 報 18 名 国内文献 : 1 報 1 名 ) では MBの静脈内投与及び併用療法 ( 酸素吸入 気管挿管 人工呼吸 活性炭 アスコルビン酸及びビタミン C 輸血等) によって すべての症例の MetHb 濃度及び症状が改善した 投与量は 1~2 mg/kgが多く MB 投与前 MetHb 濃度は 24.7~80% の範囲であった ( 表 ) 49

85 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 表 MetHb 血症 ( 幼児 : 4~23 ヵ月齢 ) に対する MB の治療効果 No. 年齢 / 性別投与量及び併用治療 * 有効性添付資料番号 海外症例 ヵ月齢男児 ( 双生児 ) 4 ヵ月齢男児 ( 双生児 ) 3 7 ヵ月齢男児 4 8 ヵ月齢男児 ヵ月齢女児 6 9 ヵ月齢女児 ヵ月齢女児 8 12 ヵ月齢女児 9 13 ヵ月齢男児 ヵ月齢女児 ヵ月齢女児 ヵ月齢男児 当初 MetHb 濃度 : 80% 呼吸困難 チア 10 mg ノーゼ 不応答 併用治療 : VL O 2 MB 投与 2~3 時間 MetHb 濃度 : 8.9% 10 mg 併用治療 : なし 2 mg/kg 併用治療 : なし 2 mg/kg 併用治療 : IB 初回 : 1 mg/kg 5 分かけて投与以降 1 mg/kg 2 回 併用治療 : other 2 mg/kg 併用治療 : なし 2 mg/kg 併用治療 : なし 1 mg/kg(10 mg) 併用治療 : O 2 初回 :1 mg/kg(1%) 2 回目 : 1.5 mg/kg 併用治療 : AA 初回 : 1 mg/kg 2 回目 : ほぼ同量 併用治療 : GL O 2 other 1 mg/kg 併用治療 : O 2 初回 : 2 mg/kg 2~4 回目 : 1.5 mg/kg 併用治療 : TF IB 当初 MetHb 濃度 : 38% MB 投与 4 時間後 MetHb 濃度 : 0.4% 当初 MetHb 濃度 : 51% 呼吸困難 チアノーゼ 頻脈 過敏症 MB 投与後 : 回復 当初 MetHb 濃度 : 65% 呼吸困難 重度のチアノーゼ 意識レベル低下 頻脈 低酸素症 MB 投与後 : 回復 当初 MetHb 濃度 : 24.7% MB 初回投与 3 時間後 MetHb 濃度 : 18.8% 2 回目投与時 MetHb 濃度 : 19.3% MetHb 濃度が再び 26.3% に上昇 3 回目投与 4 時間後 MetHb 濃度 : 10.3% 11 時間後 1.9% 当初 MetHb 濃度 : 37% 呼吸困難 チアノーゼ 頻脈 過敏症 MB 投与後 : 回復 当初 MetHb 濃度 : 37% 呼吸困難 チアノーゼ 下痢 頻脈 頻呼吸 低酸素症 MB 投与後 : 回復 当初 MetHb 濃度 : 38% チアノーゼ 呼吸困難 MB 投与後翌朝 MetHb 濃度 : 0.8% 酸素飽和度 94% 呼吸困難 チアノーゼ消失 当初 MetHb 濃度 : 57% 中心性及び末梢性チアノーゼ 嗜眠 MB 初回投与 2 時間後 MetHb 濃度 : 39% チアノーゼ症状継続 2 回目投与後 : チアノーゼは急速に改善 5 時間後 MetHb 濃度 : 8.0% 当初 MetHb 濃度 : 25% チアノーゼ MB 投与後 ( 入院 14 時間後 )MetHb 濃度 : 14.6% 入院 2 日目には改善 MB 初回投与 2 時間後 : チアノーゼ改善したが 4 時間後には再発し 2 回目の投与実施 当初 MetHb 濃度 : 42.5% チアノーゼ 頻脈 MB 投与 2 時間後 MetHb 濃度 : 0.9% SpO 2 は 100% 頻脈消失 当初 MetHb 濃度 : 26% MB 初回投与後 MetHb 濃度 : 13.6% 3~4 回の投与終了後 MetHb 濃度 : 50% 交換輸血で回復 * : O 2, 酸素吸入 ; IB, 気管挿管 ; VL, 人工呼吸 ; AA, アスコルビン酸及びビタミン C; AC, 活性炭 ; TF, 輸血 ; GL, 胃洗浄 ; other, その他

86 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 表 MetHb 血症 ( 幼児 : 4~23 ヵ月齢 ) に対する MB の治療効果 ( 続き ) No. 年齢 / 性別投与量及び併用治療 * 有効性添付資料番号 ヵ月齢男児 ヵ月齢女児 ヵ月齢女児 ヵ月齢男児 ヵ月齢女児 ヵ月齢女児 国内症例 1 41 週齢女児 2 mg/kg(25 mg) 数分かけて投与 併用治療 : O 2 other 当初 MetHb 濃度 : 63% MB 投与 1 時間後 MetHb 濃度 : 2% 当初 MetHb 濃度 : 43% 口 唇 爪床の 1 mg/kg 青ざめ チアノーゼ 併用治療 : O 2 MB 投与 10~15 分後 : 症状回復 初回 : 18 mg 4 分かけて投与 2 回目 : 15 mg 併用治療 : O 2 GL AC 15 mg(1.5 ml 1%) 併用治療 : なし 15 mg 併用治療 : O 2 20 ml 0.1% 併用治療 : なし 当初 MetHb 濃度 : 35.1% MB 投与後 MetHb 濃度 : 7.9% その後上昇し 22 時間後には 25% 2 回目の投与 MetHb 濃度 : 6.3% 当初 MetHb 濃度 : 40.1% 息切れ チアノーゼ MB 投与 1 時間後 MetHb 濃度 : 5.7% 翌晩には 1.5% に低下 チアノーゼは改善したが 呼吸器症状は数日間持続 当初 MetHb 濃度 : 55.2% 呼吸困難 唇の青ざめ 意識低下 チアノーゼ MB 投与 8 時間後 MetHb 濃度 : 1.1% 症状改善 当初 MetHb 濃度 : 4.3 g/100 ml MB 投与 3 時間後 MetHb 濃度 : 0.9 g/100 ml 1 mg/kg 8 分かけて投与 併用治療 : O 2 当初 MetHb 濃度 : 40% MB 投与 20 分後 MetHb 濃度 : 3.9% * : O 2, 酸素吸入 ; IB, 気管挿管 ; VL, 人工呼吸 ; AA, アスコルビン酸及びビタミン C; AC, 活性炭 ; TF, 輸血 ; GL, 胃洗浄 ; other, その他 小児 (2~11 歳 ) 患者 AAPCCの使用実態調査結果では 小児へ MB を投与した場合の有効率は 87% であり 18~ 65 歳の患者の有効率と類似した 症例報告 ( 海外文献 : 18 報 22 名 国内文献 : なし ) では MBの静脈内投与及び併用療法 ( 酸素吸入 気管挿管 人工呼吸 活性炭 アスコルビン酸及びビタミン C 輸血 胃洗浄等) によって G6PD 欠損症患者 1 名を除いた 21 名の MetHb 濃度及び症状は改善した 投与量は 1 ~2 mg/kg が多く MB 投与前 MetHb 濃度は 27~69.9% の範囲であった ( 表 ) 51

87 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 表 MetHb 血症 ( 小児 : 2~11 歳 ) に対する MB の治療効果 No. 年齢 / 性別投与量及び併用治療 * 有効性添付資料番号 海外症例 1 26 ヵ月齢男児 (G6PD 欠損患者 ) 2 27 ヵ月齢男児 3 30 ヵ月齢女児 4 2 歳男児 5 2 歳女児 6 2 歳女児 7 2 歳女児 8 3 歳男児 9 3 歳男児 10 3 歳男児 11 3 歳男児 12 3 歳女児 2 mg/kg 2 回 併用治療 : O 2 TF 当初 MetHb 濃度 : 37.7% MB2 回投与後 : MetHb 濃度の一過性の低下は見られたものの低下せず 40.9% に上昇 当初 MetHb 濃度 : 35.7% 1 mg/kg MB 投与後 MetHb 濃度 : 13.4% 併用治療 : O 2 MB 投与 18 時間後 MetHb 濃度 : 7.1% 当初 MetHb 濃度 : 59% 10 mg MB 投与 6 時間後 MetHb 濃度 : 4.4% 投 併用治療 : O 2 与後 8 分以内にチアノーゼ消失 初回 : 1 mg/kg 2 3 回目 : 投与量不明 併用治療 : GL AC 1 mg/kg 併用治療 : O 2 当初 MetHb 濃度 : 27% MB 投与 1 時間後 MetHb 濃度 : 8.2% ニトロエタン摂取の 15 時間後に 14.4% 2 回目投与 4 時間後 MetHb 濃度 : 12.7% 酸素飽和度も低値 3 回目 MB 投与後 : ニトロエタン摂取の 30 時間後には状態が安定 酸素飽和度は 95% 超 当初 MetHb 濃度 : 29.1% MB 投与 15~30 分後 : 皮膚色と酸素飽和度が改善 MB 投与 1 時間後 : 酸素飽和度 91% 当初 MetHb 濃度 : 56.1% 嘔吐 顔面蒼 1.5 mg/kg 白 併用治療 : O 2 MB 投与後 MetHb 濃度 : 15 5% 2 mg/kg(2.2 ml 1%) 15 分かけて投与 併用治療 : なし 当初 MetHb 濃度 : 59% チアノーゼ MB 投与 2 時間後 MetHb 濃度 : 15.6% MB 投与後 30 分以内に皮膚色 注意力 食欲改善 MB 投与 12 時間後 MetHb 濃度 : 2.1% 当初 MetHb 濃度 : 39% 1 mg/kg MB 投与後 : チアノーゼ及び異常な精神 併用治療 : VL O 2 状態回復 当初 MetHb 濃度 : 57% チアノーゼ 10 mg MB 投与 1 時間以内 MetHb 濃度 : 9% 皮 併用治療 : O 2 膚の青色は回復 酸素飽和度 97% 当初 MetHb 濃度 : 27.7% チアノーゼ 1 mg/kg MB 投与 1 時間後 MetHb 濃度 : 1% チア 併用治療 : IB O 2 ノーゼ消失 SpO 2 は 99% 16 mg(0.1 ml/kg 1%) 4 回 併用治療 : O 2 AC 2 mg/kg 併用治療 : なし 当初 MetHb 濃度 : 44% チアノーゼ MB 投与 1 時間後 MetHb 濃度 : 29% チアノーゼ改善 MB の 2 3 回目投与後 MetHb 濃度 : 6% その後の 36 時間でチアノーゼを発症し MetHb 濃度は 14.8% 4 回目投与後 MetHb 濃度 : 1.8% チアノーゼ消失 当初 MetHb 濃度 : 50.6% MB 投与後 MetHb 濃度 : 6.5% * : O 2, 酸素吸入 ; IB, 気管挿管 ; VL, 人工呼吸 ; AA, アスコルビン酸及びビタミン C; AC, 活性炭 ; TF, 輸血 ; GL, 胃洗浄 ; other, その他

88 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 表 MetHb 血症 ( 小児 : 2~11 歳 ) に対する MB の治療効果 ( 続き ) No. 年齢 / 性別投与量及び併用治療 * 有効性添付資料番号 歳女児 14 4 歳男児 歳女児 16 5 歳女児 17 6 歳男児 18 6 歳男児 19 7 歳男児 20 8 歳男児 21 9 歳男児 歳男児 初回 : 1 mg/kg 5 分かけて投与 2 回目 : 1 mg/kg 併用治療 : AC AA O 2 1 mg/kg 2 回 10 分かけて投与 併用治療 : IB VL O 2 GL other 初回 : 1.5 mg/kg 2 回目 : 1.5 mg/kg 3 回目 : 2 mg/kg 併用治療 : GL TF other 1 mg/kg(1%) 併用治療 : O 2 1 mg/kg(25 mg) 15 分かけて投与 併用治療 : O 2 other 当初 MetHb 濃度 : 44.7% チアノーゼ MB 初回投与後 : チアノーゼは改善したが 続く 24 時間で次第に悪化 22 時間後の 2 回目 MB 投与後 : チアノーゼ消失続く 24 時間で MetHb 濃度の上昇を伴いチアノーゼが次第に悪化したが 治療せずに回復退院後 3.5 週の MetHb 濃度 : 0.2% 当初 MetHb 濃度 : 60.9% 息切れ 傾眠 中心性チアノーゼ 浅く不規則な呼吸 意識不明 MB 初回投与後チアノーゼ継続 2 回目投与 3 時間後 MetHb 濃度 : 0.9% 30 分後の 2 回目投与 3 時間後 : 意識を取り戻し 呼吸回復 当初 MetHb 濃度 : 68% 顔面蒼白 嘔吐 チアノーゼ MB 初回投与後 MetHb 濃度 : 60% 知覚改善 2 回目投与 4 時間後 MetHb 濃度 : 47% その 2 時間後には 64% さらに 1 時間後には 77% に上昇 3 回目の投与と全血交換後 : MetHb 濃度は 14% 24 時間後には 7% 5 日目には 1.3% 当初 MetHb 濃度 : 38.5% 皮膚の青ざめ 軽度の呼吸困難 激越 MB 投与 4 時間後 MetHb 濃度 : 1% 未満 皮膚の青色 軽度の呼吸困難 激越などの症状消失 当初 MetHb 濃度 : 69.9% MB 投与 1.5 時間後 MetHb 濃度 : 15.5% 5.5 時間後 MetHb 濃度 : 3.4% 26.5 時間後 MetHb 濃度 : 0.6% 投与後 10 分以内にチアノーゼ改善 SpO 2 は MB 投与 1.5 時間後に 82% 5.5 時間後に 95% 26.5 時間後に 99% 当初 MetHb 濃度 : 35.5% 皮膚の青色化 1 mg/kg MB 投与 3 時間後 MetHb 濃度 : 5% 8 時 併用治療 : O 2 間後 : 1.9% 2 mg/kg 10 分かけて投与 併用治療 : GL other 2 mg/kg 10 分かけて投与 併用治療 : GL other 2 mg/kg 10 分かけて投与 併用治療 : GL other 1 mg/kg 10 分かけて投与 併用治療 : O 2 other 当初 MetHb 濃度 : 27.5% 嘔吐 腹痛 頭痛 めまい チアノーゼ 頻脈 MB 投与 8 時間後 MetHb 濃度 : 5.1% 2 日後 MetHb 濃度 : 3.8% 完全に回復 当初 MetHb 濃度 : 32.5% 嘔吐 腹痛 頭痛 めまい チアノーゼ 頻脈 MB 投与 8 時間後 MetHb 濃度 : 4.8% 2 日後 MetHb 濃度 : 4.6% 完全に回復 当初 MetHb 濃度 : 31.6% 嘔吐 腹痛 頭痛 めまい チアノーゼ 頻脈 MB 投与 8 時間後 MetHb 濃度 : 6.8% 2 日後 MetHb 濃度 : 5.8% 完全に回復 当初 MetHb 濃度 : 40.5% MB 投与 10 分後 : 酸素飽和度 100% * : O 2, 酸素吸入 ; IB, 気管挿管 ; VL, 人工呼吸 ; AA, アスコルビン酸及びビタミン C; AC, 活性炭 ; TF, 輸血 ; GL, 胃洗浄 ; other, その他

89 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 青年期 (12~17 歳 ) 患者 AAPCCの使用実態調査結果では 青年期患者へ MBを投与した場合の有効率は 83% であり 18~65 歳の患者の有効率と類似した 症例報告 ( 海外文献 : 5 報 13 名 国内文献 : 1 報 1 名 ) では MBの静脈内投与及び併用療法 ( 酸素吸入 気管挿管 人工呼吸 活性炭 アスコルビン酸及びビタミン C 及び輸血等) によって MetHb 濃度が再上昇したために輸血が実施された 1 名を除いた 13 名の MetHb 濃度及び症状が改善した 投与量は 1~2 mg/kg が多く MB 投与前 MetHb 濃度は 18~54%(1 名 : 55% 以上 ) の範囲であった ( 表 ) 表 MetHb 血症 ( 青年期 : 12~17 歳 ) に対する MB の治療効果 No. 年齢 / 性別投与量及び併用治療 * 有効性添付資料番号 海外症例 1~9 4~13 歳児 9 名 ( 男 4 名 / 女 5 名 ) 歳男児 歳女児 歳女児 歳女児 国内症例 1 15 歳女児 1 mg/kg 2 回 10 分かけて投与 併用治療 : IB O 2 GL other 1 mg/kg 10 分かけて投与 併用治療 : O 2 other 初回 : 90 mg 以降 : 48 時間の間に計約 8 mg/kg を 7 回に分けて投与 併用治療 : VL GL AC O 2 TF 2 mg/kg 併用治療 : IB O 2 初回 : 150 mg を 3 回に分けて投与以降 : 0.1 mg/kg/h で持続投与 併用治療 : IB VL AA O 2 GL AC other 160 mg/h 6 h 累積投与量 960 mg 併用治療 : O 2 AA 当初 MetHb 濃度 : 18~48% 息切れ 傾眠 中心性チアノーゼ MB 投与後全員が回復 当初 MetHb 濃度 : 34.5% MB 投与 10 分後 : 酸素飽和度は 100% 当初 MetHb 濃度 : 55% 以上 意識低下 激越 床を転がる チアノーゼ様皮膚 頻脈 大発作 MB 投与 1 時間後 MetHb 濃度 5.9% MetHb 濃度の急激な上昇あるいは濃度が 25% を超えた場合に MB を投与し MetHb 濃度と状態が安定した その後 4~5 日かけて MetHb 濃度は低下 当初 MetHb 濃度 : 54% チアノーゼ 昏睡 MB 投与 5 時間後 MetHb 濃度 : 2.7% 4 時間以内にチアノーゼ改善 意識回復 当初 MetHb 濃度 : 46.8% MB 初回投与後 MetHb 濃度 : 9.9% 入院 10 時間後に再度 18.7% 持続的静脈血液濾過 (CVVH) 実施後 MetHb 濃度は低下 入院後 72 時間で MetHb 濃度 6.3% CVVH は 75 時間実施 当初 MetHb 濃度 : 26.7% チアノーゼ MB 投与開始約 10 時間後 : MetHb 濃度は 0.8% チアノーゼ消失 * : O 2, 酸素吸入 ; IB, 気管挿管 ; VL, 人工呼吸 ; AA, アスコルビン酸及びビタミン C; AC, 活性炭 ; TF, 輸血 ; GL, 胃洗浄 ; other, その他 高齢者 AAPCCの使用実態調査結果では 65 歳より上の高齢者へ MB を投与した場合の有効率は 85% であり 18~65 歳の患者の有効率と類似した 症例報告 ( 海外文献 : 28 報 30 名 国内文献 : 2 報 2 名 ) では MBの静脈内投与及び併用療法 54

90 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 ( 酸素吸入 気管挿管 人工呼吸 活性炭 アスコルビン酸及びビタミン C 輸血 胃洗浄 及び炭酸水素ナトリウム ) によって 蘇生の一環として投与された患者 1 名と投与により状態が悪化した患者 1 名を除いた 30 名の MetHb 濃度及び症状が改善した 投与量は 体重 60 kg とした換算値例を含めて 1~2 mg/kg が多く MB 投与前 MetHb 濃度は 6.5~82.6% の範囲であった ( 表 ) 表 高齢者に発症した MetHb 血症に対する MB の治療効果 No. 年齢 / 性別投与量及び併用治療 * 有効性添付資料番号 海外症例 1 65 歳男性 2 66 歳男性 3 67 歳女性 4 68 歳男性 5 68 歳男性 6 68 歳女性 7 68 歳女性 8 69 歳男性 9 69 歳女性 歳女性 当初 MetHb 濃度 : 37% 1 mg/kg MB 投与 15 分後 : 酸素飽和度 90% チア 併用治療 : O 2 ノーゼ消失 1 mg/kg 10 分かけて投与 3 回 併用治療 : なし 1 mg/kg(56 mg) 併用治療 : AA other 2 mg/kg (4 時間空けて 2 回投与 ) 併用治療 : O mg/kg c (100 mg 1%) 5 分かけて投与 併用治療 : O mg/kg c (100 mg) 5 分かけて投与 併用治療 : O 2 AC GL 1 mg/kg 3 分かけて投与 併用治療 : VL AA O 2 TF IB 1 mg/kg 3 回 併用治療 : O 2 2 mg/kg 併用治療 : なし 1.7 mg/kg c (100 mg) 併用治療 : O 2 当初 MetHb 濃度 : 17.5% 安静時疼痛 著明な呼吸困難 中心性チアノーゼ MB 投与後 MetHb 濃度 : <1.5% 症状改善 チアノーゼ消失 当初 MetHb 濃度 : 40.1% MB 投与翌日 MetHb 濃度 : 正常化 当初 MetHb 濃度 : 63.5% MB 初回投与 8 時間後 MetHb 濃度 : 3.5% 当初 MetHb 濃度 : 47.2% MB 投与 20 分後 MetHb 濃度 : 12.3% 4 時間後 MetHb 濃度 : 1.7% 当初 MetHb 濃度 : 36.4% MB 投与 3 時間後 MetHb 濃度 : 4.2% チアノーゼ消失 当初 MetHb 濃度 : 18.3% AA 投与後 MetHb 濃度 : 11.2% MB 投与後 MetHb 濃度 : 4.3% となり 最終的に 2.3% 当初 MetHb 濃度 : 67.8% MB 初回投与 40 分後 MetHb 濃度 : 50.2% 3 回目投与 1 時間後 MetHb 濃度 : 11.1% 翌日の MetHb 濃度 : 1.0% 当初 MetHb 濃度 : 33% MB 投与 1 時間後 : 4% 当初 MetHb 濃度 : 14.8% MB 投与後 MetHb 濃度 : 徐々に低下 24 時間後 MetHb 濃度 : 0.5% チアノーゼ消失 c : 体重 60 kg と想定した換算値 * : O2, 酸素吸入 ; AA, アスコルビン酸及びビタミン C; AC, 活性炭 ; IB, 気管挿管 ; TF, 輸血 ; GL, 胃洗浄 ; VL, 人工呼吸 ; SB, 炭酸水素ナトリウム ; other, その他 55

91 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 表 高齢者に発症した MetHb 血症に対する MB の治療効果 ( 続き ) No. 年齢 / 性別投与量及び併用治療 * 有効性添付資料番号 歳女性 歳女性 歳男性 歳女性 歳女性 歳男性 歳男性 歳男性 歳女性 歳男性 1 mg/kg c (60 mg) 2 回 併用治療 : O 2 AC 1 mg/kg 併用治療 : O 2 other 1 mg/kg 5 分かけて投与 併用治療 : なし 初回 : 0.8 mg/kg c (5 ml 1%) 以降 : 0.8 mg/kg c (5 ml 1%) 4 回 併用治療 : TF 1 mg/kg 併用治療 : IB VL SB 当初 MetHb 濃度 : 15.9% 呼吸困難及び酸素脱飽和 チアノーゼなし MB 投与 20 分後 MetHb 濃度 : 2% その後 4.8% に上昇 6 時間後の 2 回目投与後 MetHb 濃度 : 2.4% 2 回目投与 7.5 時間後に 4.2% 続く 3 日間は 2%~4% の範囲 4 日目に正常値に回復 当初 MetHb 濃度 : 44.2% MB 投与 4 時間後 MetHb 濃度 : 0.8% 当初 MetHb 濃度 : 17% 胸痛あり MB 投与 4 時間後 MetHb 濃度 : 1.3% 胸痛改善 当初 MetHb 濃度 : 6.5% MB 初回投与後 MetHb 濃度 : 4.3% 投与終了後 : 1.9% 当初 MetHb 濃度 : 29.2% MB 投与後 MetHb 濃度 : 4.5% 当初 MetHb 濃度 : 41.8% 2 mg/kg MB 投与 2 時間後 MetHb 濃度 : 2.8% チ 併用治療 : O 2 アノーゼ消失 1.7 mg/kg c (100 mg) 5 分かけて投与 併用治療 : O 2 AC GL 初回 : 1.5 mg/kg (1%) 5 分かけて 2 回投与 ( ) 以降 : 1.7 mg/kg c (100 mg) 3 回 / 日 ( 経口 ) 併用治療 : AA other 2 mg/kg 5 分かけて 2 回投与 併用治療 : O 2 AA IB VL 初回 : 1 mg/kg(75 mg) 5 分かけて投与 2 回目 (15 分後 ): 1 mg/kg(75 mg) 併用治療 : O 2 当初 MetHb 濃度 : 48.3% MB 投与 3 時間後 MetHb 濃度 : 7.5% チアノーゼ消失 当初 MetHb 濃度 : 9% 精神状態異常 重度の頭痛 急性錯乱 激越 中心性チアノーゼ 及び幻覚 MB 投与後 MetHb 濃度 : 0.7% MB 初回投与 5 分以内にチアノーゼ改善 意識回復 時間 空間 人物を認識できるようになった 4 時間後に失見当識になり MetHb 濃度は再び 7% に上昇したため 2 回目投与を行い MetHb 濃度は 0.4% となった 無症状のまま 2 日後の退院時には MetHb 濃度 : 0.1% 当初 MetHb 濃度 : 43.7% チアノーゼ 頻脈 頻呼吸 MB 投与 30 分後 MetHb 濃度 : 27.1% 2 回目投与後 MetHb 濃度 : 5.1% チアノーゼ消失 心拍及び呼吸も適切に減少 当初 MetHb 濃度 : 61.9% 初回投与後 MetHb 濃度 : 低下なし 2 回目投与 30 分後 MetHb 濃度 : 低下 1 時間以内の MetHb 濃度 : 30% 4 時間後 MetHb 濃度 : 正常値 c : 体重 60 kg と想定した換算値 * : O2, 酸素吸入 ; AA, アスコルビン酸及びビタミン C; AC, 活性炭 ; IB, 気管挿管 ; TF, 輸血 ; GL, 胃洗浄 ; VL, 人工呼吸 ; SB, 炭酸水素ナトリウム ; other, その他 56

92 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 表 高齢者に発症した MetHb 血症に対する MB の治療効果 ( 続き ) No. 年齢 / 性別投与量及び併用治療 * 有効性添付資料番号 歳男性 歳女性 歳男性 歳女性 歳女性 歳男性 歳女性 歳女性 歳男性 歳男性 2 mg/kg 2 回 併用治療 : O 2 1 mg/kg(1%) 5 分かけて投与 併用治療 : O mg/kg c (50 mg) 4 分かけて 5 回投与累積投与量 : 4.2 mg/kg c (250 mg) 併用治療 : IB VL O 2 other 当初 MetHb 濃度 : 41% MB 初回投与後 MetHb 濃度 : 10% 2 回目投与後 : 6.4% 呼吸困難及びチアノーゼ回復 当初 MetHb 濃度 : 25% 貧血 MB 投与 15 分後 MetHb 濃度 : 7% 症状は改善 再発なし 当初 MetHb 濃度 : 82.6% 蘇生の一環として MB を投与したが心拍は戻らなかった 当初 MetHb 濃度 : 24% 1.3 mg/kg(80 mg) MB 投与 30 分後 MetHb 濃度 : 5.8% 併用治療 : O 2 4 時間後 : 3.6% チアノーゼ消失 0.8 mg/kg c (50 mg 1%) 5 分かけて投与 併用治療 : IB VL 1.3 mg/kg c (80 mg) 併用治療 : なし 1 mg/kg(50 mg) 3 回 併用治療 : VL O 2 初回 : 1 mg/kg (60 mg) 10 分かけて投与 2 回目 : 2 mg/kg (120 mg) 10 分かけて投与 併用治療 : O 2 初回 : 1.7 mg/kg c (100 mg) 2 回目 : 1.1 mg/kg (80 mg) 3 回目 : 1.1 mg/kg (80 mg) 併用治療 : O 2 VL other 1.7 mg/kg c (100 mg) 3 分かけて投与 併用治療 : IB 当初 MetHb 濃度 : 39.2% MB 投与 1 時間後 MetHb 濃度 24% 2 時間後 : 5% 4 時間後 : 2% 当初 MetHb 濃度 : 80% 嘔吐 腹痛 下痢 及び軽度の息切れ MB 投与後 MetHb 血症 : 急激に悪化 昏睡状態 入院 30 分以内に死亡 当初 MetHb 濃度 : 37.4% 中心性チアノーゼ MB 投与後 MetHb 濃度 : すぐには改善がみられなかったが 3 日目に改善 当初 MetHb 濃度 : 42% MB 初回投与後 MetHb 濃度 : 不変 2 回目投与 5 時間後 : 0.1% 未満 チアノーゼ 呼吸困難消失 当初 MetHb 濃度 : 54.1% MB 初回投与 3 時間後の 2 回目投与 : 35% その後 4.3% ベンゾカイン曝露から 20 時間後に MetHb 濃度が 30% に再上昇したため 3 回目の投与を行い 4 時間以内に 4.2% に低下 3 回目投与 48 時間にわたり 2~3% の間を維持し その翌日までに 1% 未満まで低下 当初 MetHb 濃度 : 40.6% 錯乱 ベッドから転倒 不穏 失語症 右側脱力 チアノーゼ MB 投与 4 時間後 MetHb 濃度 : 1.9% 24 時間後 : 正常値 回復した c : 体重 60 kg と想定した換算値 * : O2, 酸素吸入 ; AA, アスコルビン酸及びビタミン C; AC, 活性炭 ; IB, 気管挿管 ; TF, 輸血 ; GL, 胃洗浄 ; VL, 人工呼吸 ; SB, 炭酸水素ナトリウム ; other, その他 57

93 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 表 高齢者に発症した MetHb 血症に対する MB の治療効果 ( 続き ) No. 年齢 / 性別投与量及び併用治療 * 有効性添付資料番号 国内症例 1 68 歳男性 2 70 歳代女性 初回 : 8.3 mg/kg c (500 mg)( 胃管注入 ) 2 回目 (60 分後 ): 1.7 mg/kg c (100 mg) 10 分かけて静脈内投与 併用治療 : AA O mg/kg c (50 mg 1%) 併用治療 : O 2 当初 MetHb 濃度 : 62.3% MB の経口投与及びビタミン C 投与後症状 : 変化なし MB 後 MetHb 濃度は低下し 症状は改善 当初 MetHb 濃度 : 50.8% 意識レベルは JCS 3 MB 投与 80 分後 MetHb 濃度 : 9.5% 翌朝 : 4.6% に低下し 第 5 病日には 0.5% 意識はほぼ清明 c : 体重 60 kg と想定した換算値 * : O2, 酸素吸入 ; AA, アスコルビン酸及びビタミン C; AC, 活性炭 ; IB, 気管挿管 ; TF, 輸血 ; GL, 胃洗浄 ; VL, 人工呼吸 ; SB, 炭酸水素ナトリウム ; other, その他 妊婦 授乳婦妊婦に MB を投与した症例報告 ( 海外症例報告 ; 2 報 2 名 国内文献 ; なし 2 名とも MB 投与前の MetHb 濃度の記載なし ) を表 に示す なお 授乳婦に対して MBを投与した報告はなかった 妊婦 2 名のうち 1 名は妊娠 36 週時の MetHb 患者であり 1.5 mg/kg の MBを静脈内投与された もう 1 名は分娩前に投与された例であり 1.3 mg/kg の MBが静脈内投与された また 2 名とも酸素吸入等が併用され いずれも MetHb 血症の症状が改善した 一方 分娩時の硬膜外鎮静薬 ( プリロカイン ) 投与に起因して発症する MetHb 血症の治療に関する文献 ( ) では プリロカイン投与開始前後に MB( 用量 : 2 mg/kg) が投与され その有効性が報告された 表 妊婦に対する MB の治療効果 No. 年齢 / 性別投与量及び併用治療 * 有効性添付資料番号 海外症例 歳女性 ( 妊娠 36 週 ) 年齢不明分娩前妊婦 c : 体重 60 kg と想定した換算値 * : O 2, 酸素吸入 ; other, その他 1.5 mg/kg(1%) 併用治療 : O 2 初回 : 1.3 mg/kg c (80 mg 1%) 5 分かけて投与 2 回目 (20 分後 ): 1.3 mg/kg c (80 mg) 併用治療 : O 2 other 当初 MetHb 濃度 : 不明中心性チアノーゼ 及び胎児心拍数の遅発 一過性徐脈 MB 投与後 : 40 分以内に患者の外見回復 その後の数日間でチアノーゼの再発は認められなかった 50 時間後 MetHb 濃度 : 4.6% 68 時間後臍帯血中 MetHb 濃度 : 2.5% 当初 MetHb 濃度 : 不明 初回投与 20 分後 : 母親のチアノーゼほぼ消失

94 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 腎機能障害を有する患者腎機能障害を有する患者に MB を投与した症例報告 ( 海外文献 : 8 報 8 名 国内文献 : 3 報 3 名 投与経路あるいは MB 投与前の MetHb 濃度の記載がない 3 名を含む ) で MB の投与及び併用療法 ( 酸素吸入 気管挿管 人工呼吸 活性炭 アスコルビン酸及びビタミン C 輸血等) によって 11 名中 10 名の MetHb 濃度及び症状が改善した ( 表 ) 用量は体重 60 kg とした換算値例を含めて 1~2 mg/kg が多く MB 投与前 MetHb 濃度は 6.4~50.8% の範囲であった 一方 AAPCCの使用実態調査では MB を投与した MetHb 血症患者 1220 名中 19 名に腎不全が認められた 19 名のうち 16 名は MB 投与と関連があると考察され 16 名中 5 名が腎不全で死亡した それらの投与量の詳細は不明であった 表 腎機能障害を有する患者に対する MB の治療効果 No. 年齢 / 性別投与量及び併用治療 * 有効性添付資料番号 海外症例 歳男性慢性腎不全 46 歳男性急性腎不全 56 歳男性多発性嚢胞腎末期腎不全 59 歳男性転移性腎細胞がん ( 投与経路の記載なし ) 60 歳女性慢性腎不全 ( 投与経路の記載なし ) 69 歳女性腎機能低下 1.7 mg/kg c 当初 MetHb 濃度 : 24.7% (100 mg) MB 投与後 MetHb 濃度 : 低下し 併用治療 : IB O 2 た 1 mg/kg(70 mg) 併用治療 : なし 1.3 mg/kg c (75 mg) 併用治療 : IB VL O 2 当初 MetHb 濃度 : 26.1% チアノーゼ 濃いオレンジ色がかった黄色尿 MB 投与 8 時間後 MetHb 濃度 : 10% 10 日後 MetHb 濃度 : 3% 皮膚と尿の色は徐々に正常化 当初 MetHb 濃度 : 不明 悪心 嘔吐 嗜眠 脱力 低血圧 精神錯乱 チアノーゼ 亜昏迷 MB 投与後 30 分 : 意識と精神状態改善 チアノーゼ消失 1 mg/kg 3 回 当初 MetHb 濃度 : 35% 併用治療 : O 2 MB 3 回目投与 24 時間後 : 6.5% 0.75 mg/kg 併用治療 : SB other 1 mg/kg c (60 mg) 2 回 併用治療 : O 2 AC 当初 MetHb 濃度 : 6.4% 傾眠及び失見当識 MB 投与 45 分後 MetHb 濃度 : 1.6% 精神状態改善 当初 MetHb 濃度 : 15.9% 呼吸困難及び酸素脱飽和 チアノーゼなし MB 投与 20 分後 MetHb 濃度 : 2% その後 MetHb 濃度 : 4.8% 6 時間後の 2 回目投与後 MetHb 濃度 : 2.4% その後上昇 2 回目投与 7.5 時間後 MetHb 濃度 : 4.2% 以後 3 日間 : 2% から 4% の範囲 4 日目 : 正常値に回復 c : 体重 60 kg と想定した換算値 * : O 2, 酸素吸入 ; IB, 気管挿管 ; VL, 人工呼吸 ; AA, アスコルビン酸及びビタミン C; SB, 炭酸水素ナトリウム ; AC, 活性炭 ; TF, 輸血 ; other, その他 59

95 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 表 腎機能障害を有する患者に対する MB の治療効果 ( 続き ) No. 年齢 / 性別投与量及び併用治療 * 有効性添付資料番号 7 8 国内症例 歳女性腎機能障害 年齢不明男性慢性腎不全 59 歳男性アルカプトン尿症 慢性腎不全 C 型肝炎 ( 投与経路の記載なし ) 64 歳男性膀胱がん 70 歳代女性慢性腎不全 1 mg/kg(50 mg) 3 日 併用治療 : VL O 2 初回 : 1 mg/kg c (60 mg) 2 回目 (2 時間後 ): 0.7 mg/kg c (40 mg) 併用治療 : AA 1.7 mg/kg c (100 mg) 4 回 併用治療 : O 2 AA TF other 1 mg/kg 併用治療 : O 2 AA TF other 0.8 mg/kg c (50 mg 1%) 併用治療 : O 2 当初 MetHb 濃度 : 37.4% 中心性チアノーゼ MB 投与後 : すぐには改善がみられなかったが 3 日目に改善 当初 MetHb 濃度 : 43% チアノーゼ及び呼吸困難 MB 投与後 : 意識及び状態は継続して悪化 改善なし 当初 MetHb 濃度 : 20.6% MB 初回投与後 MetHb 濃度 : 21.8% その後輸血 血漿交換法 MB 頻回投与によって MetHb 濃度は 8.1% に改善 改善なし 当初 MetHb 濃度 : 13% MB 投与後 MetHb 濃度 : 4.6% 当初 MetHb 濃度 : 50.8% 意識レベルは JCS 3 MB 投与 80 分後 MetHb 濃度 : 9.5% 翌朝 : 4.6% 意識もほぼ清明 第 5 病日 : 0.5% c : 体重 60 kg と想定した換算値 * : O 2, 酸素吸入 ; IB, 気管挿管 ; VL, 人工呼吸 ; AA, アスコルビン酸及びビタミン C; SB, 炭酸水素ナトリウム ; AC, 活性炭 ; TF, 輸血 ; other, その他 60

96 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 肝機能障害を有する患者肝機能障害患者に MBを投与した症例報告 ( 海外文献 : 5 報 5 名 国内文献 : 2 報 2 名 投与経路あるいは MB 投与前の MetHb 濃度の記載がない 3 名を含む ) であり MB の投与及び併用療法 ( 酸素吸入 気管挿管 人工呼吸 活性炭 アスコルビン酸及びビタミン C 輸血等) によって 7 名中 7 名の MetHb 濃度及び症状が改善した ( 表 ) 投与量は体重 60 kg とした換算値例を含めて 0.8~3.3 mg/kgであり MB 投与前 MetHb 濃度は 16~71.9% であった 表 肝機能障害を有する患者に対する MB の治療効果 No. 年齢 / 性別投与量及び併用治療 * 有効性添付資料番号 海外症例 国内症例 歳女性軽度 ~ 中等度肝炎 28 歳男性軽度肝腫大 31 歳男性 B 型肝炎 44 歳女性 C 型肝炎 49 歳男性 B 型肝炎既往 56 歳男性慢性 C 型肝炎 59 歳男性慢性腎不全 C 型肝炎 ( 投与経路の記載なし ) 初回 : 0.8 mg/kg c (50 mg 1%) 2 回目 : 0.5 mg/kg c (30 mg) 3 回目 : 0.5 mg/kg c (30 mg) 3 日目まで静脈内投与 ( 用量不明 ) 7 日目まで経口投与 ( 用量不明 ) 併用治療 : IB VL O 2 AA TF GL other 初回 : 2 mg/kg 以降 2 mg/kg(1%) を 6~8 時間ごと (3 日間 ) その後 0.1 mg/kg/h(0.05%) で持続注入 併用治療 : AC TF other 当初 MetHb 濃度 : 不明 MB 初回投与後 : 血中酸素飽和度 (SpO 2) が 84% から 92% に改善 約 3 時間後再び低下 MB2 回目投与 6 時間後 : SpO 2 が 84% MB3 回目投与 15 分後 : SpO 2 は 97% に改善 さらに 3 時間後には 85% に低下 MB の投与を続けた結果 7 日目に SpO 2 は 90% に改善し 投与終了 2 日後に退院 当初 MetHb 濃度 : 不明 MB 初回投与後 : 低酸素症の症状消失 MetHb 血症が再発し MetHb 濃度は 30% 超 MB の間欠的投与後 : MetHb 濃度は一時的に低下するにとどまった 持続注入後 MetHb 濃度 : 5~10% 3.3 mg/kg c (200 mg) 当初 MetHb 濃度 : 16% 併用治療 : IB VL O 2 MB 投与後 : 劇的に改善 当初 MetHb 濃度 : 69% チアノーゼ 2 mg/kg(1%) MB 投与数時間後 MetHb 濃度 : 併用治療 : IB VL O 2 0.9% チアノーゼ消失 1 mg/kg 併用治療 : IB O 2 当初 MetHb 濃度 : 31% MB 投与 4 時間後 MetHb 濃度 : 0.8% 2 mg/kg(1%) 併用治療 : なし 1.7 mg/kg c (100 mg 4 回 併用治療 : O 2 AA TF other 当初 MetHb 濃度 : 71.9% MB 投与 30 分後 MetHb 濃度 : 18.2% 当初 MetHb 濃度 : 20.6% MB 初回投与後 MetHb 濃度 : 21.8% その後 輸血 血漿交換法 MB 頻回投与によって MetHb 濃度 : 8.1% に改善 改善なし c : 体重 60 kg と想定した換算値 * : O 2, 酸素吸入 ; IB, 気管挿管 ; VL, 人工呼吸 ; AA, アスコルビン酸及びビタミン C; AC, 活性炭 ; TF, 輸血 ;GL, 胃洗浄 ; other, その他 61

97 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 先天性酵素欠損症患者 G6PD 欠損症患者症例報告 ( 海外文献 : 8 報 8 名 国内文献 : なし 投与経路の記載がない 3 名を含む ) では MB 投与及び酸素吸入やアスコルビン酸等の併用療法によって改善した症例は 5 名であり 5 名中 2 名は主に MB 以外の併用療法で改善した 改善しなかった症例は 3 名であった ( 表 ) 投与量は体重 60 kg とした換算値例を含めて 0.8~2 mg/kg(3ヵ月齢 1 名 : 0.1 mg/kg) であり MB 投与前の MetHb 濃度は 24.1~75% であった 表 G6PD 欠損症患者における MB の治療効果 No. 年齢 / 性別投与量及び併用治療 * 有効性添付資料番号 海外症例 ヵ月齢男児 ( 投与経路不明 ) 26 ヵ月齢男児 3 23 歳女性 4 25 歳男性 5 28 歳男性 歳男性 ( 投与経路不明 ) 59 歳男性 ( 投与経路不明 ) 年齢不明男性 0.1 mg/kg 10 分かけて投与 併用治療 : O 2 SB other 2 mg/kg 2 回 併用治療 : O 2 TF 0.8 mg/kg c (50 mg 1%) 10 分かけて投与 併用治療 : AA IB VL O 2 other 当初 MetHb 濃度 : 75% 肺動脈圧の上昇 肺高血圧症 MB 投与 48 時間後 MetHb 濃度 : 0.80% 血行動態は徐々に改善 当初 MetHb 濃度 : 37.7% MB 2 回目投与後 MetHb 濃度 : 40.9% 一過性の低下あり 改善なし 当初 MetHb 濃度 : 34% MB 投与 1 時間後 : 改善なし 改善なし 0.7 mg/kg c (40 mg) 当初 MetHb 濃度 : 51% 併用治療 : O 2 MB 投与翌日 MetHb 濃度 : 2.1% 1.3 mg/kg c (75 mg) 併用治療 : O 2 AA GL other 1 mg/kg 併用治療 : AC AA GL TF other 当初 MetHb 濃度 : 11 g/100 ml チアノーゼ 呼吸困難 脈拍数 140 MB 投与 3 時間後 MetHb 濃度 : 9.7 g/100 ml その後併用治療によりチアノーゼ 呼吸困難 及び頻脈改善 MetHb 濃度 : 0.2 g/100 ml 当初 MetHb 濃度 : 24.1% MB 投与翌日 MetHb 濃度 : 20.7% とわずかに下がったが 以後入院 5 日目まで MetHb 血症が持続した 5 日目 MetHb 濃度 : 20.9% 併用治療により MetHb 濃度は 1.1% に低下 当初 MetHb 濃度 : 35% 1 mg/kg 3 回 MB 3 回目投与 24 時間後 MetHb 濃 併用治療 : O 2 度 : 6.5% 初回 : 1 mg/kg c (60 mg) 2 回目 (2 時間後 ): 0.7 mg/kg c (40 mg) 併用治療 : AA 当初 MetHb 濃度 : 43% チアノーゼ 呼吸困難 MB 投与後 : 意識及び状態は継続して悪化 改善なし c : 体重 60 kg と想定した換算値 * : O 2, 酸素吸入 ; SB, 炭酸水素ナトリウム ; TF, 輸血 ; AA, アスコルビン酸及びビタミン C; IB, 気管挿管 ; VL, 人工呼吸 ; GL, 胃洗浄 ; other, その他

98 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 その他 : 先天性酵素欠損症患者 NADHチトクローム b5レダクターゼ欠損症及び先天性 MetHb 血症患者に MBを投与した症例報告 ( 海外文献 : 5 報 5 名 国内文献 : なし ) では 3 名は改善し 2 名は改善しなかった ( 表 ) NADHチトクローム b5 レダクターゼ欠損症患者 2 名への投与量は 1 mg/kg c 及び 1.5 mg/kg で MB 投与前の MetHb 濃度は 43 及び 53.5% であり MB の静脈内投与及び併用療法によって 1 名が改善した また 先天性 MetHb 血症患者 (3 名 ) では 1 名がリドカインの投与後に状態が悪化した症例であり 1 mg/kg の MB 投与と人工呼吸及び酸素吸入の併用で回復した しかし 他の 2 名の原因は不明であり いずれも回復に時間を要するか 治療を継続しても回復しなかった 表 NADH チトクローム b5 レダクターゼ欠損症又は先天性 MetHb 血症患者 における MB の治療効果 No. 年齢 / 性別投与量及び併用治療 * 有効性添付資料番号 NADH チトクローム b5 レダクターゼ欠損症患者 1 25 齢女性 2 年齢不詳男性 (G6PD も欠損 ) 先天性 MetHb 血症患者 1 22 歳男性 2 25 齢女性 3 57 歳男性 1.5 mg/kg(90 mg 1%) 10 分かけて投与 併用治療 : O 2 初回 : 1 mg/kg c (60 mg) 2 回目 (2 時間後 ): 0.7 mg/kg c (40 mg) 併用治療 : AA 1 mg/kg 3 分かけて投与 併用治療 : VL O 2 初回 : 経口投与 4grains/ 日 3 週その後 : 静脈内投与 1 mg/kg(52 mg 0.25%) mg/kg c (25 mg) 併用治療 : なし 1 日目 : 1.5 mg/kg 5 分かけて投与以後計 7 mg/kg になるまで反復投与 5~10 日 : 1.5 mg/kg を毎日投与 併用治療 : O 2 other 当初 MetHb 濃度 : 53.5% チアノーゼ 嗜眠 MB 投与後 : チアノーゼ改善 覚醒 MB 投与 2~3 時間後 MetHb 濃度 : 2.4% 翌朝 3.3% 当初 MetHb 濃度 : 43% チアノーゼ 呼吸困難 MB 投与後 : 意識及び状態は継続して悪化 改善なし 当初 MetHb 濃度 : 19.4% 意識喪失 無呼吸 チアノーゼ MB 投与 10 分後 MetHb 濃度 : 4.7% 当初 MetHb 濃度 : 36% MB 経口投与後 MetHb 濃度 : 約 7% MB 静脈内投与後 MetHb 濃度 : 約 2% 当初 MetHb 濃度 : 18% MB 投与後 : MetHb 濃度及び症状に変化なし 改善なし c : 体重 60 kg と想定した換算値 * : O 2, 酸素吸入 ; VL, 人工呼吸 ; AA, アスコルビン酸及びビタミン C; other, その他

99 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 ダプソン投与による MetHb 血症患者症例報告 ( 海外文献 : 29 報 33 名 国内文献 : なし MB 投与前の MetHb 濃度の記載がない 4 名を含む ) におけるダプソンに起因した MetHb 血症患者への投与量は体重 60 kgとした換算値例を含めて 0.8~4.2 mg/kg であり 多くは 1~2 mg/kg の範囲であった ( 表 ) このうち 20 名には MBが 2 回以上投与された MB 投与前 MetHb 濃度は 6.5~88% であり MB の静脈内投与及び酸素吸入やアスコルビン酸の併用療法により全例の症状は改善したが MB 治療中又は治療後に MetHb 濃度の上昇及び再上昇が 13 名に 溶血性貧血が 5 名に 溶血が 2 名に 貧血が 1 名に発症した MB 投与後の有害事象を各表内 内に示す これらの原因として ダプソンのヒドロキシルアミン代謝物への過剰な曝露と MB の投与による酸化ストレスが関連していると考えられている ( ) 表 ダプソン投与 MetHb 血症患者における MB の治療効果 No. 年齢 / 性別投与量及び併用治療 * 有効性添付資料番号 海外症例 1 14 ヵ月齢女児 2 16 ヵ月齢女児 3 23 ヵ月齢女児 4 1 歳女児 5 3 歳男児 初回 : 2 mg/kg 2~6 回目 : 0.5~1 mg/kg 以後 1 mg/h を持続投与 併用治療 : なし 初回 : 18 mg 4 分かけて 2 回目 : 15 mg 併用治療 : O 2 GL AC 20 ml 0.1% 併用治療 : なし 1 ml 1% 4 回 併用治療 : AA O 2 16 mg(0.1 ml/kg 1%) 4 回 併用治療 : AC O 2 当初 MetHb 濃度 : 高値 MB 初回投与 1 時間後 MetHb 濃度 : 13.3% 症状改善 チアノーゼ消失翌朝 MetHb 濃度が 20.9% に上昇 MB 投与を繰り返したが 11.1~19.1% の間にとどまった その後 MB の持続を開始し 48 時間の MetHb 濃度 : 8.0~18.1% その 24 時間後の MetHb 濃度 : 5~6% MetHb 濃度上昇 当初 MetHb 濃度 : 35.1% チアノーゼ MB 初回投与後 MetHb 濃度 : 7.9% チアノーゼ改善その後 MetHb 濃度が上昇し 22 時間後に 25% 2 回目投与後 MetHb 濃度 : 6.3% MetHb 濃度上昇 当初 MetHb 濃度 : 4.3 g/100 ml MB 投与後 MetHb 濃度 : 0.9 g/100 ml MB 投与前 : 号泣 全身の青黒い変色 嘔吐 チアノーゼ MB 投与 4 時間以内 : 改善がみられ 食欲回復 唇の青みがかった変色は 3 日目に改善 5 日後には MetHb 血症は認められなかった 当初 MetHb 濃度 : 44% MB 投与後 MetHb 濃度 : 29% チアノーゼ改善 MB2 3 回投与後 MetHb 濃度 : 6% その後の 36 時間でチアノーゼを発症 MetHb 濃度 : 14.8% 4 回目投与でチアノーゼ消失 MetHb 濃度 : 1.8% に低下 c : 体重 60 kg と想定した換算値 * : O 2, 酸素吸入 ; IB, 気管挿管 ; VL, 人工呼吸 ; AA, アスコルビン酸及びビタミン C; AC, 活性炭 ; TF, 輸血 ; GL, 胃洗浄 ; other, その他

100 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 表 ダプソン投与 MetHb 血症患者における MB の治療効果 ( 続き ) No. 年齢 / 性別投与量及び併用治療 * 有効性添付資料番号 6 3 歳男児 歳女児 8 14 歳女児 9 15 歳女児 歳女性 歳男性 初回 : 2 mg/kg(30 ml 0.1%) 12 分かけて 2 回目 : 20 ml(0.1%) 併用治療 : O 2 AA 初回 : 1 mg/kg 5 分かけて 2 回目 : 1 mg/kg 併用治療 : O 2 AC AA 初回 : 90 mg その後 48 時間の間に計約 8 mg/kg を 7 回に分けて投与 併用治療 : VL GL AC O 2 TF 初回 : 150 mg を 3 回に分けて投与以後 0.1 mg/kg/h で持続投与 併用治療 : IB VL AA O 2 GL AC other 1.7 mg/kg c (100 mg) 併用治療 : O 2 GL AC other 1.7 mg/kg c (100 mg 2% 5 ml)4 回 / 日 3 日 併用治療 : other MB 投与前 : 口唇 爪 舌 頬及び口蓋粘膜の不快青色への変色 心拍数上昇 中心性チアノーゼ MB 初回投与後 : 皮膚色ピンク色に変化 心拍数低下 30 分後チアノーゼ再発 MB2 回目投与 2 日後 : 粘膜が通常のピンク色に回復 心臓障害を引き起こす程重篤なチアノーゼ Hb 値と白血球数の変動発現 当初 MetHb 濃度 : 44.7% チアノーゼ MB 初回投与後 : チアノーゼは改善したが 24 時間で次第に悪化 MB 2 回目投与後 : チアノーゼ消失 続く 24 時間で MetHb 濃度上昇 チアノーゼ悪化治療せず退院後 2~3 日で回復 退院後 3.5 週の MetHb 濃度 : 0.2% MetHb 濃度上昇 当初 MetHb 濃度 : 55% 以上 意識低下 激越 床を転がる 灰色がかったチアノーゼ様の皮膚 頻脈 大発作 MB 投与 1 時間後 MetHb 濃度 : 5.9% MB の反復投与により MetHb 濃度と状態が安定した 4~5 日かけて MetHb 濃度は低下 MetHb 濃度上昇 血漿ビリルビン及び乳酸脱水素酵素上昇 黄疸 溶血発現 当初 MetHb 濃度 : 46.8% MB 投与後 MetHb 濃度 : 9.9% 入院 10 時間後に 18.7% まで上昇併用治療により MetHb 濃度低下入院後 72 時間で MetHb 濃度は 6.3% となった MetHb 濃度再上昇 貧血 網状赤血球増加症発現 当初 MetHb 濃度 : 37% 頭痛 めまい 息切れ 胸痛 動悸 重度の呼吸困難 チアノーゼ 妄想 及び洞性頻脈 MB 投与 4 時間後 MetHb 濃度 : 8.7% その後 20 時間後に 17% 37 時間後に 24.8% に上昇した後は徐々に低下 症状消失 7 日後に回復 MetHb 濃度上昇 当初 MetHb 濃度 : 51.5% MB 投与 3 日目 MetHb 濃度 : 11.5% 投与終了 5 日後 MetHb 濃度 : 0.9% ビリルビン値上昇 LDH 上昇 c : 体重 60 kg と想定した換算値 * : O 2, 酸素吸入 ; IB, 気管挿管 ; VL, 人工呼吸 ; AA, アスコルビン酸及びビタミン C; AC, 活性炭 ; TF, 輸血 ; GL, 胃洗浄 ; other, その他

101 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 表 ダプソン投与 MetHb 血症患者における MB の治療効果 ( 続き ) No. 年齢 / 性別投与量及び併用治療 * 有効性添付資料番号 歳男性 歳男性 歳男性 歳女性 歳女性 歳女性 歳男性 1.5 mg/kg(100 mg) 5 回 (1 日目に 3 回 2 日目に 1 回 及び 3 日目に 1 回 ) 併用治療 : なし 初回 : 1.7 mg/kg c (100 mg) 15 分かけて 2 回目 : 1.7 mg/kg c (100 mg) その後 7.5~10 mg/h で 43 時間持続注入 併用治療 : O2 AC 2 mg/kg 併用治療 : O 2 GL 初回 : 2 mg/kg 2 回目 : 用量不明その後 0.1 mg/kg/h で持続投与 (5 日間 ) 併用治療 : AC O 2 TF other 2 mg/kg 10 分かけて投与 併用治療 : O 2 other 2 mg/kg 10 分かけて投与 併用治療 : O 2 other 初回 : 2 mg/kg 以後 2 mg/kg(1%) を 6~8 時間ごとに 3 日間 その後 0.1 mg/kg/h(0.05%) で持続注入 併用治療 : AC TF other 当初 MetHb 濃度 : 41.5% 皮膚 口唇 舌のチアノーゼ MB 投与後 : MetHb 濃度低下 2 回の MB 投与後 : 2 日目には 30% 以上 3 日目には 15% 以上に上昇 その後 6 日目に 10% 以下 14 日目に回復 チアノーゼは最初の 3 回の MB 投与で消失 3 回目投与の翌日再発 その後頭痛及び悪心を伴い 10 日間継続 チアノーゼ持続 スルホへモグロビン血症 溶血性貧血発現 当初 MetHb 濃度 : 40.8% 頭痛 並びに中心性及び末梢性チアノーゼ MB 初回投与 2 時間後 MetHb 濃度 : 10% チアノーゼ改善 初回投与日の夜 幻覚 翌日チアノーゼ悪化 頭痛及び激越 MetHb 濃度は 34% に上昇 2 回目投与 MetHb 濃度 : 14.4% 激越消失 その後 MetHb 濃度を 10% 未満に維持するように用量設定して持続注入を行い 持続注入終了 4 時間後に MetHb 濃度の上昇なし 16 日後には正常化 網状赤血球増加 MetHb 濃度上昇 ハインツ小体溶血性貧血及び溶血発現 当初 MetHb 濃度 : 24.9% チアノーゼ MB 投与翌日 MetHb 濃度 : 2.6% チアノーゼ消失 2 日後 MetHb 濃度 : 1.4% 3 日後 MetHb 濃度 : 0.2% 当初 MetHb 濃度 : 30% MB 初回投与 12 時間後 MetHb 濃度 : 34% 2 回目投与及び持続投与 24 時間後 MetHb 濃度 : 1.7% 3 日目 MetHb 濃度 : <1% 当初 MetHb 濃度 : 20% 不穏 乱暴 著明な中心性チアノーゼ 洞察欠如 及び幻聴 MB 投与 6 時間後 : チアノーゼ以外は回復 精神病的症状消失 当初 MetHb 濃度 : 56% チアノーゼ 不穏 MB 投与 3 日後 MetHb 濃度 : 約 30% 7 日後に約 20% 9 日後に約 10% 投与後 6 時間でチアノーゼ以外は回復 当初 MetHb 濃度 : 不明 MB 初回投与後 : 低酸素症の症状は消失したが MetHb 血症が再発 MetHb 濃度は 30% 超 MB の間欠的投与後 : MetHb 濃度は一時的に低下するにとどまった持続注入後 MetHb 濃度 : 5~10% c : 体重 60 kg と想定した換算値 * : O 2, 酸素吸入 ; IB, 気管挿管 ; VL, 人工呼吸 ; AA, アスコルビン酸及びビタミン C; AC, 活性炭 ; TF, 輸血 ; GL, 胃洗浄 ; other, その他

102 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 表 ダプソン投与 MetHb 血症患者における MB の治療効果 ( 続き ) No. 年齢 / 性別投与量及び併用治療 * 有効性添付資料番号 歳男性 歳女性 歳男性 歳女性 歳男性 歳男性 歳女性 初回 : 4.2 mg/kg c (250 mg)2 回に分けて bolus 投与 2 回目 : 2.5 mg/kg c (150 mg) を bolus 投与以降 2 回 bolus 投与 ( 用量不明 ) その後 7 mg/h 3 mg/h 計 7 日間持続投与を行った 併用治療 : AA TF 初回 : 1.1 mg/kg c (65 mg) 2 回目 : 1.1 mg/kg c (65 mg) 3 回目 : 2.2 mg/kg c (130 mg) 4 回目 : 1.1 mg/kg c (65 mg) 5 回目 : 1.1 mg/kg c (65 mg) 6 回目 : 1.1 mg/kg c (65 mg) 全用量は 7.7 mg/kg c 併用治療 : AC O mg/kg c (100 mg) bolus 投与 mg/kg/h 20 時間後以降 mg/kg/h で持続投与 併用治療 : AC AA other 当初 MetHb 濃度 : 36% 倦怠感 疲労 動作時息切れ チアノーゼ 錯乱 妄想 MB 初回投与後 MetHb 濃度 : 2.3% 症状変化なし 20 時間後に 28% に上昇 2 回目投与投与後 MetHb 濃度 : 6.7% 錯乱及び激越継続 12 時間後に 39% その後 45% に上昇 2 回の bolus 投与で有意な効果なし 7 mg/h の持続注入で 10~12% に低下し 症状の改善が認められた 退院時には 1.3% であった Hb 低下 溶血 溶血性貧血発現 当初 MetHb 濃度 : 21.7% MB 初回投与 30 分後 MetHb 濃度 : 10.1% ダプソン摂取の 5.5 時間後には 25.1% 息切れ及び血清二酸化炭素異常 2 回目投与 14 時間後 MetHb 濃度 : 43.2% 3 回目投与 16.5 時間後 MetHb 濃度 : 15.9% 時間後には約 30% 回目投与を行い 約 16% となった 6 回目投与後 MetHb 濃度 : 20% 以内 MetHb 濃度上昇 溶血性貧血発現 当初 MetHb 濃度 : 48% 傾眠 MB 投与 20 時間後 MetHb 濃度 : 8.5% 傾眠減弱 当初 MetHb 濃度 : 22.9% 息切れ チアノ 1 mg/kg ーゼ 頭痛 及び洞性頻脈 併用治療 : O 2 MB 投与後 : 回復 1 mg/kg 6 時間ごとに 3 回以降 0.1 mg/kg/h を持続投与 併用治療 : O 2 AC TF 1 mg/kg(60 mg) 併用治療 : O 2 AC TF 3 mg/kg 90 分かけて投与 併用治療 : AA 当初 MetHb 濃度 : 29.7% MB の各回投与数時間後 MetHb 濃度 : 29% 31% 28% に再度上昇 持続をすることにより改善 MetHb 濃度上昇 溶血性貧血発現 当初 MetHb 濃度 : 33% MB 投与 1 時間後 MetHb 濃度 : 9.7% 溶血性貧血発現 当初 MetHb 濃度 : 40% MB 投与終了時 MetHb 濃度 : 12% 1 時間後には 8% に低下 翌朝 18% に上昇 その後正常値まで回復 MetHb 濃度上昇 網状赤血球増加 ヘマトクリット減少 脾触知 c : 体重 60 kg と想定した換算値 * : O 2, 酸素吸入 ; IB, 気管挿管 ; VL, 人工呼吸 ; AA, アスコルビン酸及びビタミン C; AC, 活性炭 ; TF, 輸血 ; GL, 胃洗浄 ; other, その他

103 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 表 ダプソン投与 MetHb 血症患者における MB の治療効果 ( 続き ) No. 年齢 / 性別投与量及び併用治療 * 有効性添付資料番号 歳男性 歳男性 歳女性 歳男性 歳女性 歳女性 歳女性 歳男性 1 mg/kg 併用治療 : O 2 当初 MetHb 濃度 : 10.4% 意識レベル低下及び呼吸数増加 MB 投与 15 分後 : 呼吸困難及び意識レベル回復 MB 投与翌日 MetHb 濃度 : 2.7% 当初 MetHb 濃度 : 9.2% 呼吸困難 頻呼吸 1 mg/kg 及び低酸素症 併用治療 : O 2 MB 投与後 : 酸素化及び呼吸状態改善 1 mg/kg(50 mg 1%) 併用治療 : IB O 2 other 1 mg/kg 10 分かけて投与 3 回 併用治療 : なし 1 mg/kg 3 分かけて投与 併用治療 : VL AA O 2 IB TF 1 mg/kg c (60 mg) 2 回 併用治療 : O 2 AC 初回 : 0.8 mg/kg c (5 ml 1%) その後 : 0.8 mg/kg c (5 ml 1%) ずつ 4 回 併用治療 : TF 当初 MetHb 濃度 : 10.6% MB 投与 10 分後 MetHb 濃度 : 8.7% 20 分後に 3.3% 30 分後に 4.0% 40 分後に 4.4% 当初 MetHb 濃度 : 17.5% 安静時疼痛 著明な呼吸困難 及び中心性チアノーゼ MB 投与後 MetHb 濃度 : <1.5% 症状改善 チアノーゼ消失 当初 MetHb 濃度 : 18.3% AA 投与後 MetHb 濃度 : 11.2% MB 投与後 MetHb 濃度 : 4.3% に低下し 最終的に 2 3% となった 副腎卒中発現 当初 MetHb 濃度 : 15.9% 呼吸困難及び酸素脱飽和 チアノーゼなし MB 投与 20 分後 MetHb 濃度 : 2% MetHb 濃度が 4.8% に上昇 6 時間後の 2 回目投与後 MetHb 濃度 : 2.4% 2 回目投与 7 5 時間後に 4.2% 続く 3 日間は 2% から 4% の範囲にあり 4 日目までに正常値に回復した MetHb 濃度上昇 当初 MetHb 濃度 : 6.5% MB 初回投与後 MetHb 濃度 : 4.3% 投与終了後 MetHb 濃度 : 1.9% 二波長指数の急激な減少 血圧上昇 1 mg/kg 併用治療 : IB O 2 当初 MetHb 濃度 : 88% MB 投与 25 分後に SpO 2: 98% c : 体重 60 kg と想定した換算値 * : O 2, 酸素吸入 ; IB, 気管挿管 ; VL, 人工呼吸 ; AA, アスコルビン酸及びビタミン C; AC, 活性炭 ; TF, 輸血 ; GL, 胃洗浄 ; other, その他

104 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 4. 推奨用法 用量に関する臨床情報の解析 効能 効果 については 本剤が European Medicines Agency(EMA 欧州医薬品庁) から 薬剤及び化学物質に誘発されたメトヘモグロビン血症に対する緊急の対症療法(acute symptomatic treatment of medicinal and chemical products- induced methaemoglobinaemia) を適応として承認を取得しており に対してはを適応として新薬承認申請を行っている MetHb 血症の原因物質は Provepharm 社が実施した DS-2207b 製剤第 III 相試験では 硝酸塩又は亜硝酸塩 メサラジン メトクロプラミド 抗生物質 サボテンの葉の可能性 サヤマメの粉末であった AAPCC の使用実態調査では 麻酔薬 抗生物質 及びフェナゾピリジンが多かった 海外並びに国内の症例報告では 局所麻酔薬 ダプソン ( ジアフェニルスルホン ) 及びフェナゾピリジン等の医薬品 亜硝酸塩 亜硝酸エステル アニリン系物質並びにインドキサカルブ等の農薬 殺虫剤 硝酸塩等を含む食品及び水の摂取であった 以上の結果より MBはこれら医薬品 農薬 殺虫剤 化学物質 食品及び水等の摂取によって発症する薬剤性の中毒性疾患 すなわち 後天性 MetHb 血症に大別される疾患の解毒剤として一般的に古くから使用されている薬剤であると考えられた したがって DS-2207b 製剤の国内申請における 効能 効果 として 中毒性メトヘモグロビン血症 とするのが適切であると考える 用法 用量 については 海外並びに国内文献中に記載された初回静脈内投与の用量に関する情報では 1~2 mg/kg との報告が多かった( 表 ) また この投与量は海外及び国内の教科書 並びに欧米及び国内の中毒センター情報に記載されている推奨用量とも一致した さらに Provepharm 社は EMA から 1~2 mg/kg を静脈内投与する という用法 用量で承認を取得している したがって DS-2207b 製剤の国内申請においては 通常 メチルチオニニウム塩化物水和物として 1 回 1~2 mg/kg を 5 分以上かけて静脈内投与する とするのが適切であると考える 表 海外及び国内の症例報告 ( 成人 ) における MB 初回投与量 MB 投与量 (mg/kg) 海外症例数 N = 163 国内症例数 N = 24 総数 N = ~0.9 0 (10)* 0 (3) 0 (13) 1~2 93 (45) 10 (8) 103 (53) > 2 1 (12) 0 (3) 1 (15) *: 文献中に記載された例数 (BW: 60 kg として換算した例数 ) 投与方法 については 海外並びに国内文献中に記載された情報では 5 分以上をかけて静脈内投与する との報告が多かった また 海外及び国内の教科書 並びに欧米及び国内の中毒センター情報としては 5 分かけて静脈内投与する と記載されているものが多くあり 投与時の局所痛を回避するためにも緩徐に静脈内投与することが推奨されている したがって DS-2207b 製剤の国内申請においては 5 分間以上かけて静脈内投与する とするのが適切であると考える なお ダプソン起因性の MetHb 血症患者の治療では 6 時間ごとの bolus 間欠投 69

105 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 与よりも 6 時間の持続投与のほうが MetHb 濃度の低下が速いことが示されたが 持続投与に関の安全性に関する情報が不十分であると判断し 今回の申請からは除外した 追加投与については 日本の中毒情報における用法 用量に追加投与の記載があり 1 回目の投与で効果が認められない場合 1 時間後に 1 回目と同量の追加投与を行うこととしている 国内外の教科書も 13 冊中 9 冊に追加投与の記載があり 用量等の詳細は示されていないが 30 分から 1 時間の後 必要に応じて追加投与を行うこととしている 文献等の調査では 追加投与に関する十分な情報は得られなかったが 確認できた範囲では追加投与を行った症例の多くは 1 回目と同じ用量 (1~2 mg/kg) であった なお Provepharm 社は EMA から 初回投与 1 時間までに症状の改善あるいは MetHb 濃度が 30% 以上であった場合 : if methemoblobin level remains > 30% or clinical symptoms persist, repeat dose of up to 1 mg/kg may be given one hour after the first dose で承認を取得している したがって DS-2207b 製剤の国内申請においては用法 用量として 投与 1 時間以内に症状が改善しない場合は 必要に応じ 同量を繰り返し投与できる とするのが適切であると考える 1 日の累積投与量 については 海外並びに国内の教科書では MB 自身が酸化ストレスの原因となり MetHb 血症や溶血を引き起こす との理由で累積投与量 7 mg/kg が設定されているものがある 欧州の中毒センター情報では 5~7 mg/kg を累積投与量と規定している国もあったが Provepharm 社は EMAから 累積投与量は 7 mg/kg: The maximum recommended cumulative dose for the course of treatment is 7 mg/kg で承認を取得している したがって DS-2207b 製剤の 1 日の累積投与量は 最大 7 mg/kg とするのが適切であると考える 生後 3ヵ月を過ぎた乳幼児 小児及び青年期患者 及び 65 歳以上の高齢者に対する用法 用量について 海外並びに国内の文献では それらの年齢層への MB の静脈内投与は概ね成人への投与と同じ用法 用量で症状が改善することが報告されており 著しく投与量を減じた報告はなかった また 海外並びに国内の教科書では特別な年齢層として注意が必要という記載はなかった なお Provepharm 社は EMAから 成人への通常の用法 用量と同じ用法 用量 で承認を取得している したがって DS-2207b 製剤の生後 3ヵ月を過ぎた乳幼児 小児及び青年期患者 及び 65 歳以上の高齢者の MetHb 血症に対する用法 用量は 成人と同じ 1 回 1~2 mg/kg の用量を 5 分以上かけて静脈内投与する とするのが適切であると考える 新生児及び生後 3ヵ月以下の乳児に対する用量については 海外並びに国内の文献では投与量は概ね 1~2 mg/kg の静脈内投与で MetHb 血症が回復した Hjelt, Kらの報告 ( ) では 新生児に対しては 1.0~1.6 mg/kg では輸血頻度が増加することから MB の投与量 0.3 ~1 mg/kg を推奨していたが Guayら ( ) はより安全性に配慮し かつ有効性が 1 mg/kg と同等である 0.5mg/kg を上限とすることを推奨していた また Provepharm 社は 0.3 ~0.5 mg/kg の用量で 5 分間かけて静脈内投与 : 0.3~0.5 mg/kg intravenously over 5 minutes で EMA から承認を取得している したがって DS-2207b 製剤の新生児及び生後 3 ヵ月以下の乳児に対する用法 用量は 1 回 0.3~0.5 mg/kg を 5 分以上かけて静脈内投与 が適切であると考える 妊婦に対する用法 用量については 海外の文献では 1~2 mg/kg の静脈内投与により妊婦 70

106 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 及び胎児に発症した MetHb 血症は改善するとの報告があったが 症例数が少ないために安全性が十分確認されていない また MBの非臨床毒性試験では生殖毒性が報告されている ( ) したがって DS-2207b 製剤の投与は 代替療法の血漿交換などできない場合の救命に限定した使用とし できるだけ避ける必要があると考える 一方 胎児への影響がない産婦には成人と同様に投与が可能であるが 授乳婦については海外及び国内の症例報告 教科書にも用量に関する記載がなく ヒト及び動物において母乳への MB の移行について十分精査されていない ( ) ことから MB 投与後の授乳を避ける等の処置が必要であると考える 腎機能障害患者に対する MB の用法 用量については 海外並びに国内の文献では 腎機能障害患者の MetHb 血症に対して MB の静脈内投与で改善が認められるとの報告があったが 安全性を評価するための症例が少ないこと MBが主に腎臓排泄されること 治療によって腎機能障害が発症する可能性があることが示唆されている したがって MetHb 血症を発症した腎機能障害患者に DS-2207b 製剤を投与する場合には 投与後の慎重な経過観察が必要があると考える 特に 高度の腎機能障害患者では MB の腎臓排泄の遅延 血中 MB 濃度の上昇及び溶血のリスク増加が想定されるため DS-2207b 製剤の投与には注意が必要であると考える また 肝機能障害患者に対する MB の投与量については 海外並びに国内の文献では 肝機能障害患者の MetHb 血症に対して MBの静脈内投与で改善が認められるとの報告があったが 安全性を評価するための症例数は 1 例のみと不十分であった 国内外の教科書 及びレビュー文献でも該当する報告がないことから 現時点では特に注意喚起の必要はないと考える 一方 G6PD 欠損症患者に対する MB の用法 用量については 海外の文献では G6PD 欠損症患者に発症した MetHb 血症に対して MBの静脈内投与は有効である場合もあったが MB の作用メカニズムを考慮すると 十分な効果を示さない可能性が高いと推察された したがって DS-2207b 製剤の国内申請において G6PD 欠損症患者への投与は避けるべきであると考える また 海外において症例報告がある NADHチトクローム b5 レダクターゼ欠損症患者及び先天性 MetHb 血症患者においても MBの有効性及び安全性が十分確認されていないことから DS-2207b 製剤の投与は避けるべきであると考える 同様に 症例報告では確認できなかったが 海外及び国内教科書ではスルホへモグロビン血症又は NADPH-MetHb 還元酵素欠損症患者においても MB 投与による改善が見られないことがある また シアン中毒の治療のために亜硝酸塩を投与して発症した MetHb 血症においても MB の投与で毒性が増強する可能性がある したがって これらの患者においても DS-2207b 製剤の投与は避けるべきであると考える ダプソンに起因する MetHb 血症患者に MB を投与すると ダプソンの反応性代謝物が溶血性貧血を増悪化する可能性がある 症例報告ではダプソン投与 MetHb 血症患者への MBの投与用量は 1~4.2 mg/kg であり 全例の症状は回復したが MB 治療中に MetHb 濃度の再上昇及び溶血性貧血を発症した症例があった また 文献並びに海外の教科書でも ダプソンに起因する MetHb 血症患者に MB を投与する場合には 溶血性貧血に注意が必要であるとの記載がある 同様に 症例報告ではアニリンに起因する MetHb 血症患者への MB 投与後にハイン 71

107 2.7.3 臨床的有効性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 ツ小体性溶血性貧血を発症した症例があった また 海外及び国内教科書ではアニリンに起因する MetHb 血症患者において MBの投与で溶血性貧血が発現する可能性が記載されている したがって ダプソンやアニリンに起因した MetHb 血症患者に対する DS-2207b 製剤の投与については 慎重な経過観察が必要であると考える また これらの患者に発現する溶血性貧血が MB の投与と関連していることから MBの累積投与量を制限することも必要であり Provepharm 社は EMAから 累積投与量は 4 mg/kgを超えないこと : recommended not to exceed a cumulative dose for the course of 4 mg/kg in patients で承認を取得している したがって 本申請においても これらの患者に対しては MB の累積投与量を 4 mg/kg とするのが適切であると考える 5. 効果の持続 耐薬性 DS-2207b の効果の持続並びに耐薬性については検討されていない 6. 付録 なし 72

108 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 目次 1. 医薬品への曝露 総括的安全性評価計画及び安全性試験の記述 全般的な曝露状況 治験対象集団の人口統計学的特性及びその他の特性 有害事象 有害事象の解析 比較的よく見られる有害事象 DS-2207b 製剤第 III 相試験 ( 添付資料番号 ) 海外及び国内公表文献 死亡 その他の重篤な有害事象 その他の重要な有害事象 器官別又は症候群別有害事象の解析 個別有害事象の文章による説明 臨床検査値の評価 バイタルサイン 身体的所見及び安全性に関連する他の観察項目 特別な患者集団及び状況下における安全性 内因性要因 小児 ( 新生児 乳児 及び幼児を含む ) 高齢者 (65 歳以上 ) 腎機能障害を有する患者 肝機能障害を有する患者 G6PD 欠損症患者 外因性要因 薬物相互作用 妊娠及び授乳時の使用 妊婦への静脈内投与の影響 母乳への影響 過量投与 薬物乱用 離脱症状及び反跳現象 自動車運転及び機械操作に対する影響又は精神機能の障害 その他 経口投与 髄腔内投与

109 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 腹腔内投与 妊婦羊膜内投与 非妊娠女性の子宮内又は子宮頸部投与 その他の投与経路 市販後データ 国内市販後安全性情報 海外市販後安全性情報 曝露患者数 個別事象の安全性概括 安全性に関する処置 付録

110 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 略語一覧 略語 略していない表現 ( 英 ) 略していない表現 ( 日 ) AAPCC American Association of Poison Control 米国中毒センター Centers ALT L-alanine aminotransferase アラニンアミノトランスフェラーゼ AST L-aspartate aminotransferase アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ FDA Food and Drug Administration アメリカ食品医薬品局 G6PD Glucose-6-phosphate dehydrogenase グルコース 6リン酸脱水素酵素 γ-gt γ-glutamyl transferase γ-グルタミルトランスフェラーゼ Hb hemoglobin ヘモグロビン MAO monoamine oxidase モノアミン酸化酵素 MB methylene blue メチレンブルー MetHb methemoglobin メトヘモグロビン NADH nicotinamide adenine dinucleotide ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド NPDS National Poison Data System 毒物データシステム PSUR Periodic Safety Update Report 市販後定期安全性報告 PT Preferd term 基本語 SNRI serotonin norepinephrine reuptake inhibitor セロトニンノルエピネフリン再取り込み阻害剤 SOC system organ class 器官別大分類 SpO 2 percutaneous oxygen saturation 血液酸素飽和度 SRIs serotonin reuptake inhibitor セロトニン再取り込み阻害剤 SSRI selective serotonin reuptake inhibitor 選択的セロトニン再取り込み阻害剤 3

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112 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 1. 医薬品への曝露 1.1 総括的安全性評価計画及び安全性試験の記述本剤の臨床試験における安全性の評価に際し Provepharm 社が実施した 後天性メトヘモグロビン (methemoglobin: MetHb) 血症治療のために Proveblue( 以下 : DS-2207b 製剤 ) を使用した被験者の臨床データをレトロスペクティブに収集した第 III 相臨床試験 ( 以下 : DS-2207b 製剤第 III 相試験 ) メチレンブルー(methylene blue: MB) の投与方法に関する無作為化比較試験 プロスペクティブ試験 レトロスペクティブ研究 レビュー文献 教科書 ガイドライン 米国中毒センター (American Association of Poison Control Centers: AAPCC) の使用実態調査 海外並びに国内の症例報告 及び DS-2207b 製剤の EU 承認後から 2014 年 5 月までの市販後定期安全性報告 (Periodic Safety Update Report: PSUR) を精査した その結果 それらの試験 研究 文献 及び PSUR に記載された有害事象情報を使用することで安全性評価が可能であると判断して 本邦では新たな臨床試験は実施しなかった 安全性評価に関しては 国内外の公表文献 ( 表 ) を利用し MB 投与後に発生した有害事象についてまとめた 表 安全性評価に使用した試験 研究及び文献数 名称 文献数 DS-2207b 製剤第 III 相試験 1 無作為化比較試験 1 プロスペクティブ試験 3 レトロスペクティブ研究 1 レビュー文献 4 その他文献 AAPCC の使用実態調査 1 MetHb 血症の治療以外の MB 投与 2 妊婦及び胎児に MBを投与した報告 1 妊婦の胎嚢への MB 投与 2 症例報告 海外症例報告 : 成人 88 海外症例報告 : 小児 21 国内症例報告 : 成人 23 国内症例報告 : 小児 全般的な曝露状況 Provepharm 社が実施したDS-2207b 製剤第 III 相試験では MetHb 血症の成人 12 名にDS-2207b 製剤が静脈内投与された 初回投与量は 0.8~2.0 mg/kg であり うち 7 名の初回投与量は 1.0 mg/kg であった 10 名の累積投与量は 1.0~2.0 mg/kg であり 残る 2 名の累積投与量は 7 及び 13 mg/kg であった Provepharm 社の PSUR によると 国際誕生日 (2011 年 5 月 6 日 ) 以降の販売数量は アンプル (2014 年 5 月 5 日時点 ) であったが 備蓄用であることから大部分は未使用であり 5

113 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 販売数量から患者数を算定することはできなかった したがって 海外における DS-2207b 製剤の全般的な曝露状況は不明である MB については 米国では grandfathered drugとして使用されており AAPCC と契約して実施した使用実態調査では被験者 1220 名に対して MB( 投与量不明 ) が MetHb 血症の第一治療薬として静脈内投与された実態が得られた また 欧州各国に対するアンケート調査でも 13 ヵ国中 10 ヵ国で MBが使用されており 文献調査においても世界各国で MetHb 血症患者に対して MB が 0.1~8 mg/kg の用量で静脈内投与されている 一方 MB が承認されていない日本でも MetHb 血症に対する治療として試薬の MB を使用することが推奨されており 1 国内症例報告では 13 名の被験者に対して MBが 0.7~2 mg/kg( 体重 60 kg 当たりの換算含む ) の用量で静脈内投与されている 以上の結果より 使用実態の正確な情報は把握できなかったが 海外及び国内において MB は MetHb 血症の治療薬として古くから使用されていることが確認された 2 を 1.3 治験対象集団の人口統計学的特性及びその他の特性表 に示す DS-2207b 製剤第 III 相試験 無作為化比較試験 プロスペクティブ試験 レトロスペクティブ研究 レビュー文献 その他文献のうち MetHb 血症治療への MB 投与に関する文献 (AAPCCの使用実態調査) 並びに海外及び国内の症例報告( 静脈内投与 ) を用いて DS-2207b 製剤及び MB の人口統計学的特性をまとめた ( 表 ) DS-2207b 製剤第 III 相試験では MetHb 血症治療のため MB が静脈内投与された被験者は 12 名であった 性別の内訳は男性 7 名 女性 5 名であり 平均年齢は 27.5 歳であった 無作為化比較試験では ダプソン中毒による MetHb 血症治療のため MB が静脈内投与された小児患者は 11 名であった 性別の内訳は男性 5 名 女性 6 名であり 年齢は 38~61 ヵ月齢であった プロスペクティブ試験は 3 試験の文献報告があり そのうち 2 試験で健康成人ボランティアに MB が静脈内投与された 1 試験では健康成人ボランティア 22 名に MBが投与され 性別の内訳は男性 10 名 女性 12 名 年齢は 24~61 歳であった 一方 4-dimethylaminophenol hydrochloride 投与により MetHb 濃度を上昇させた後 MBが投与された健康成人ボランティア 12 名の性別 年齢は不明であった また MB が静脈内投与された新生児 MetHb 血症患者 13 名の性別 年齢は不明であった レトロスペクティブ研究では ダプソン中毒による MetHb 血症治療のため MB が静脈内投与された患者は 45 名であった 性別の内訳は男性 14 名 女性 31 名 年齢は 21~93 歳であった AAPCCの使用実態調査では MB が静脈内投与された MetHb 血症患者は 1220 名であり 性別の内訳は男性 51% 女性 49% とほぼ同じであった 平均年齢は 36.9 歳 年齢の中央値は 38 歳であり 小児は 259 名であった 海外及び国内の症例報告では 2 週齢 ~83 歳までの 99 名 ( 性別不明 ) の MetHb 血症患者に MB が静脈内投与された 6

114 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 以上の結果より DS-2207b 製剤の投与対象集団は少数であったが 海外及び国内の新生児 ~ 高齢者の幅広い年齢層の MetHb 血症患者に対して MB は投与されていることが確認され た 試験名 被験者数 表 性別 ( 男 / 女 ) 安全性評価集団の背景 年齢 MB 投与量 ** 投与経路 添付資料番号 DS-2207b 製剤第 III 相試験 12 名 7 名 /5 名 6 日齢 ~54 歳 0.8~2 mg/kg 静脈内 無作為化比較試験 11 名 5 名 /6 名 38~61 ヵ月齢 2 mg/kg 静脈内 プロスペクティブ試験 22 名 10 名 /12 名 24~61 歳 1.7 mg/kg*** 静脈内 名詳細不明成人 1~2 mg/kg 静脈内 名詳細不明新生児 0.1~1.6 mg/kg 静脈内 レトロスペクティブ研究 45 名 14 名 /31 名 21~93 歳詳細不明静脈内 レビュー文献 22 名 15 名 /7 名 2~48 歳 0.3~3.3 mg/kg*** (4 名用量不明 ) 静脈内等 名詳細不明詳細不明 0.5~5.5 mg/kg 静脈内 名詳細不明詳細不明詳細不明静脈内等 名詳細不明 1 ヵ月齢 ~43 歳詳細不明不明 AAPCC の使用実態調査 1220 名 51%/49% 新生児 ~ 高齢者詳細不明静脈内 海外症例報告 * 成人 (63 報 ) 69 名 43 名 /26 名 16~83 歳 (3 名年齢不詳 ) 0.3~8.mg/kg*** (1 名用量不明 ) 静脈内 小児 (16 報 ) 17 名 8 名 /9 名 2 週齢 ~15 歳 1~2 mg/kg**** 静脈内 国内症例報告 * 成人 (10 報 ) 12 名 10 名 /2 名 26~62 歳 0.7~2 mg/kg*** 静脈内 小児 (1 報 ) 1 名 0 名 /1 名 41 週齢 1 mg/kg 静脈内 *: 静脈内投与のみ **: 初回投与量 ***: 体重 60 kg と想定した換算値を含む ****: 体重あたりの投与量 (mg/kg) が記載されている症例のみ MetHb 血症の原因物質は Provepharm 社が実施した DS-2207b 製剤第 III 相試験では硝酸塩又は亜硝酸塩が 7 名 (58%) メサラジンが 1 名 (8%) メトクロプラミドが 1 名 (8%) 抗生物質が 1 名 (8%) サボテンの葉の可能性が 1 名 (8%) サヤマメの粉末が 1 名 (8%) であった AAPCC の米国使用実態調査では MetHb 血症の原因物質は 麻酔薬が 25% 抗生物質が 19% フェナゾピリジンが 11% であった 海外及び国内の症例報告では 局所麻酔薬 ダプソン ( ジアフェニルスルホン ) 及びフェナゾピリジン等の医薬品 亜硝酸塩 亜硝酸エステル アニリン系物質及びインドキサカルブ等の農薬 殺虫剤 硝酸塩等を含む食品及び水の摂取であった したがって MB はこれら医薬品 農薬 殺虫剤 化学物質 食品及び水等の摂取によって発症する薬剤性の中毒性疾患 すなわち 後天性 MetHb 血症に大別される疾患の解毒剤として一般的に古くから使用されている薬剤であると考えられた 7

115 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 2. 有害事象 2.1 有害事象の解析 DS-2207b 製剤第 III 相試験 無作為化比較試験 プロスペクティブ試験 レトロスペクティブ研究 レビュー文献 その他文献のうち MetHb 血症治療への MB 投与に関する文献 (AAPCC の使用実態調査 ) 並びに海外及び国内の症例報告( 静脈内投与 ) 等の概略を以下に示す 比較的よく見られる有害事象 DS-2207b 製剤第 III 相試験 ( 添付資料番号 ) DS-2207b 製剤第 III 相試験は Provepharm 社がで DS-2207b 製剤を申請するにあたり の要請に応じて行った レトロスペクティブに収集した臨床データをプロスペクティブにデザインした方法で実施した非盲検試験である 方法 海外 2ヵ国 * で 後天性 MetHb 血症の緊急治療のために DS-2207b 製剤が静脈内投与された被験者 12 名より臨床症状等の情報を収集した 性別は男性 7 名 女性 5 名であった 年齢は 6 日齢 ~54 歳 ( 平均 : 27.5 歳 ) であり 早産新生児 1 名 小児 2 名 成人 9 名であった 被験者に 0.8~2 mg/kg の DS-2207b 製剤を 5 分間かけて静脈内投与した 8 名の被験者には希釈せず投与したが 4 名にはブドウ糖 5% 溶液で希釈して投与した 初回投与の 1 時間後に臨床症状及び MetHb 濃度の回復程度等を確認し 追加投与の要否を判断した 安全性に関しては 副作用の徴候並びに症状 有害事象 及び心電図を評価した 結果 5 名の被験者に 15 件の有害事象が認められ ( 表 ) 重篤な有害事象は メトヘモグロビン血症 溶血性貧血 細菌性尿路感染 胃粘膜病変 自殺念慮 自殺行為 高ビリルビン血症 新生児赤血球増加症の各 1 件であった 死亡した被験者はいなかった 有害事象のうち 10 件が DS-2207b と関連性があるかもしれないとされ 被験者の既往歴によるものと判断された 細菌性尿路感染と鼻咽頭炎の 2 件は関連なしと評価され 低カリウム血症 新生児赤血球増加症 及び溶血性貧血の 3 件は情報が限られており 判定不能と判断された QT/QTc 延長を含め 心電図所見で臨床的に有意な変化はなかった 8 *: 新薬承認情報提供時に置き換え

116 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 表 有害事象 器官別大分類 基本語 被験者番号 血液およびリンパ系障害溶血性貧血 N1 メトヘモグロビン血症 N1 新生児赤血球増加症 N4 胃腸障害 胃粘膜病変 N3 肝胆道系障害 高ビリルビン血症 N4 感染症および寄生虫症 鼻咽頭炎 N10 細菌性尿路感染 N2 臨床検査 血中ビリルビン増加 N3 血中クレアチンホスホキナーゼ増加 N3 血中乳酸脱水素酵素増加 N3 代謝および栄養障害 低カリウム血症 N1 精神障害 睡眠障害 N1 自殺行為 N3 自殺念慮 N3 皮膚および皮下組織障害水疱 N1 MedDRA ver 海外及び国内公表文献 MB の投与方法に関する無作為化比較試験 MetHb 血症に対する MBの安全性を評価した無作為化比較試験として MBの投与方法を検討した文献が 1 報あった その概要を以下に記載する 小児 MetHb 血症 ( 原因 : ダプソン ) への MB 投与 投与方法の無作為化比較試験 ( 添付資料番号 ) 方法 2001~2006 年の間に ネパールの 1 施設及びインドの 1 施設に来院した小児ダプソン中毒患者 11 名 ( 男性 5 名 / 女性 6 名 38~61ヵ月齢 ) を対象とした 対象患者は無作為に 2 群に分けられ Group-1(5 名 ) には 2 mg/kg の MBを 6 時間ごとに bolus 投与 ( 間欠静脈内投与 ) し Group-2(6 名 ) には 2 mg/kg の MBを通常生理食塩水で希釈したものを 6 時間にわたり持続して投与 ( 持続静脈内投与 ) した 両群の MBの総投与量は同じ量に調整した 結果 Group-2 では 2 名にスルホヘモグロビン血症が起こり チアノーゼの消失に時間を要した プロスペクティブ試験 MetHb 血症に対する MB の安全性を評価したプロスペクティブな文献が 3 報あった それ らの概要を以下に記載する 9

117 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 健康成人への MB 投与 ( 第 I 相試験での安全性評価 )( 添付資料番号 ) 方法 Methylene blue-mmx 錠 (MB-MMX: Cosmo 社 イタリア MB の放出制御製剤 ) の安全性 忍容性 及びバイオアベイラビリティを調べるために 健康成人ボランティア 22 名 ( 男性 10 名 / 閉経後女性 12 名 24~61 歳 ) を対象として行われた第 I 相試験である 10 名の被験者に対してオープンラベル 無作為化 2-wayクロスオーバー法にて MB-MMX 200 mg を単回経口投与又は MB 1% 注射用溶液 (Akorn 社 米国 )100 mg を 6 分かけて単回静脈内投与した ( ウォッシュアウト期間は少なくとも 7 日間 ) また 別の 12 名のボランティアを対象に MB-MMX 400 mg を単回経口投与した 全被験者は 2 Lの腸管洗浄液を 2 時間かけて摂取し 各 MB は腸管洗浄液摂取終了 30 分後に投与された MB 投与後 有害事象と臨床検査分析に焦点を当てて安全性の評価を行った 結果 MBを静脈内投与した被験者 10 名のうち有害事象は 2 名に認められた 有害事象の内訳は 嘔吐 1 名 浮動性めまい 1 名で いずれもグレード 1であり 特別な治療を必要としなかった なお MB-MMXを経口投与した被験者 22 名中に発現した有害事象は アラニンアミノトランスフェラーゼ (L-alanine aminotransferase: ALT) 上昇 3 名 アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ (L-aspartate aminotransferase: AST) 上昇 1 名 γ-グルタミルトランスフェラーゼ (γ-glutamyl transferase: γ-gt) 上昇 1 名 悪心 2 名 嘔吐 1 名 背部痛 1 名 排尿困難 3 名 浮動性めまい 1 名 無力症 1 名であり いずれの有害事象も特別な治療を必要としなかった MetHb 血症 ( 原因 : 4-dimethylaminophenol hydrochloride) への MB 投与 ( 添付資料番号 ) 方法 健康成人ボランティア 31 名 ( 男性 23 名 / 女性 8 名 20~47 歳 ) に 3.25 mg/kg の 4-dimethylaminophenol hydrochloride を静脈内投与し MetHb 濃度を平均 32.7% に増加させた 10 分後に 1 2 及び 4 mg/kg の 3% トルイジンブルー水溶液 ( 各 6 名 ) あるいは 1 及び 2 mg/kg の 3%MB 水溶液 ( 各 6 名 ) を静脈内投与して MetHbの還元率を比較した 結果 MB 2 mg/kg を投与した 6 名すべてで嘔気 発汗 及び口と指先の不快な灼熱感が認められた なお トルイジンブルー又は MBの投与 1 又は 24 時間後の血液サンプルにハインツ小体は観察されなかった 新生児 MetHb 血症への MB 投与 ( 添付資料番号 ) 方法 デンマークの Hvidovre 病院の新生児集中治療室内で治療を受けた新生児 415 名を対象とし 10

118 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 て MetHb 血症の発現の有無を確認するために 8ヵ月間にわたり MetHb 濃度を測定した MetHb 濃度が 6% 以上の患者を MetHb 血症として登録し MB(0.1~1.6 mg/kg) を静脈内投与した後の臨床パラメータを集積した MetHb 濃度は MB 投与前後に測定し MB 投与前と投与 2 日後には末梢血中の赤血球の形態を観察した 結果 対象となった 415 名の新生児のうち 33 名 (8%) が MetHb 血症で そのうち 13 名が MB 投与による治療を受けた 患児に MB を静脈内投与した結果 いずれも MetHb 血症は回復した しかし MB を投与されなかった新生児 (20 名 ) の輸血回数が平均 2.3 回 ( 範囲 0~7 回 ) であり 対照群 ( 妊娠期間及び出生時体重が同様であるが MetHb 血症ではない群 ) の輸血回数が平均 1.0 回 ( 範囲 0~3 回 ) であるのに対して MB を投与された患児 (13 名 ) は平均 4.8 回 ( 範囲 2~8 回 ) 輸血を受けており 併用療法としての輸血回数が多かった 輸血回数の増加は MB 投与に起因する可能性が否定できないことから 早産新生児の重篤な MetHb 血症には同様な効果が得られる 0.3~1.0 mg/kg の用量が有用であると考察していた なお MB 投与前後の末梢血中の赤血球の形態は類似していた レトロスペクティブ研究 MetHb 血症に対する MB の安全性を評価したレトロスペクティブな文献が 1 報あった そ の概要を以下に記載する MetHb 血症 ( 原因 : ダプソン ) への MB 投与 ( 添付資料番号 ) 方法 韓国 Wonju Christian 病院で 2003~2008 年に救急搬送されたダプソン中毒による MetHb 血症患者 46 名 ( 男性 14 名 / 女性 32 名 21~93 歳 ) を対象として 診療記録をレトロスペクティブに研究した 対象患者は 55 歳以下の若年者群と 56 歳以上の高齢者群の 2 つに分けて統計学的に比較した 結果 MB が静脈内投与された患者 45 名のうち 8 名 ( 高齢者 : 7 名 若年者 : 1 名 ) が死亡し うち 6 名の死因は多臓器不全であった 死亡率は若年群より高齢群でより高く (P = 0.009) 死亡以外の合併症 特にショック ( 収縮期血圧が 90 mmhg 未満 と定義 ) も高齢者群で顕著であった ほとんどの症例で MetHb 血症に続いて溶血がみられ 1 例は溶血性貧血及び代謝性アシドーシスが死因となった なお ダプソン中毒により発症した MetHb 血症への MBの静脈内投与では MBの存在で形成された MetHb の酸化ストレスが原因で溶血が起こる可能性があると考察していた 安全性に関連したレビュー文献 MB の安全性を評価したレビュー文献が 4 報あった それらの概要を以下に記載する 11

119 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 MetHb 血症 ( 原因 : レクリエーショナルドラッグ ) への MB 投与 ( 添付資料番号 ) 方法 レクリエーショナルドラッグ ( 揮発性亜硝酸塩 コカイン等 ) の使用によって発症した MetHb 血症の症例に関する文献をレビューした Medline EMBASE CINAHL 及び Psychinfo の 4データベース ( 検索期間については記載なし ) をもとに methaemoglobinaemia OR methemoglobinemia AND nitrites OR isobutyl nitrite OR butyl nitrite OR amyl nitrite OR cocaine OR recreational drugs をキーワードとして文献を検索した なお 検索結果から フルテキストが得られなかった文献及び重複した症例を除外した 結果 検索の結果 レクリエーショナルドラッグに関連した MetHb 血症に関する文献 29 報を同定した 29 報のうち 25 報は揮発性亜硝酸塩の使用に関する文献 4 報はコカインの使用に関する文献であった 揮発性亜硝酸塩使用に関する文献では 生存例 20 名及び死亡例 3 名について詳細な記述が認められた コカイン使用に関する文献では 4 名 ( コカイン中の混合物であるフェナセチン又は局所麻酔剤によって MetHb 血症を発症した 3 名及び原因物質が未確認の 1 名 ) の症例報告が得られた 生存した 20 名のうちの 18 名 ( 男性 12 名 / 女性 6 名 2~48 歳 ) に MB が投与されたが 有害事象の記載はなかった また 死亡した 3 名のうち 1 名 (30 歳男性 ) は薬物使用後心停止し 蘇生の段階で MBが 20 mg 静脈内投与されたが死亡した 一方 コカインの混合物による MetHb 血症患者 4 名のうちの 3 名 ( 男性 2 名 / 女性 1 名 24~34 歳 ) に MB が投与された そのうちの 1 名 (24 歳女性 ) は心停止後の蘇生後に MB が 90 mg 投与されたが 異常高熱と横紋筋融解症が発現して入院 2 日後に死亡した MetHb 血症 ( 原因 : 局所麻酔剤 ) への MB 投与 ( 添付資料番号 ) 方法 局所麻酔剤使用によって発症した MetHb 血症の症例に関する文献をレビューした PubMed に掲載された医学文献 (1949~2007 年 ) をもとに methemoglobinemia local anesthetic をキーワードとして関連文献を検索した MetHb 血症の徴候及び症状をまとめるために 局所麻酔剤の累積投与量がリドカインの 10 mg/kg に相当する量より高用量であった症例を除外した ( ベンゾカインはすべて含めた ) また 先天性 MetHb 血症例 グルコース-6-リン酸脱水素酵素 (Glucose-6-phosphate dehydrogenase: G6PD) 欠損症の症例 局所麻酔剤との関連が明らかでない症例 症状が疑わしい症例 英語又はフランス語以外で書かれた症例 麻薬に混入した局所麻酔から発症した症例 傍子宮頚管ブロック麻酔から発症した新生児の症例を除外した 結果 MetHb 血症に関する症例報告は 233 名 242 件 (18 歳未満 80 件 18 歳以上 152 件 妊婦 8 件 記載なし 2 件 ) であった 155 件に MBが静脈内投与され 2 件にチオニン 8 件にアス 12

120 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 コルビン酸 14 件に MBの静脈内投与並びにアスコルビン酸が投与された 53 件には治療は行われず 10 件については具体的な治療の記載がなかった MB の初回投与用量は 0.5~5.5 mg/kg 累積投与量は 0.6~9.4 mg/kg であった MB の投与後 5 件にパルスオキシメーターで測定した血液酸素飽和度の低下がみられ MB 1.0 mg/kg の単回投与を受けた 1 日齢の新生児に MB 投与に起因する溶血が観察された ( ヘモグロビン [hemoglobin: Hb] 値が 1.8 g/dlに低下 ) また ベンゾカイン投与後に MetHb 濃度が 51% となった 52 歳男性には MB の投与及び気管挿管を行ったが 呼吸不全 腎不全 肝機能障害 精神状態悪化が発現し 心停止で死亡した なお ベンゾカインの粘膜投与で発症した MetHb 血症患者については MB 投与 18 時間後までに MetHb 濃度が上昇した症例 ( 最大 MetHb 濃度 : 59.9%) が報告されているため 注意深く観察する必要があると考察していた MetHb 血症 ( 原因 : ダプソン ) への MB 投与 ( 添付資料番号 ) 方法 MEDLINE(1966~2011 年 ) the Cochrane Database EMBASEの 3つのデータベースをもとに dapsone methemoglobinemia をキーワードとして文献を検索した すべての症例報告 症例集 及び無作為化比較試験の文献を精査し 1997~2011 年の文献をレビューした 結果 ダプソンの過量投与を原因とする MetHb 血症に関する文献のうち MB 投与の記載があった文献 10 報 臨床用量のダプソン投与を原因とする MetHb 血症に関する文献のうち MB 投与の記載があった文献 14 報を抽出した ( 表 表 ) ダプソンの過量投与による MetHb 血症に MBを投与した患者のうち 4 名に溶血又は溶血性貧血が 6 時間持続静脈内投与した 2 名にスルホヘモグロビン血症が発現した MBの持続的投与の安全性プロファイルは未知であり 注意が必要であると考察していた 臨床用量のダプソン投与による MetHb 血症への MB 投与では 貧血が 4 名 溶血又は溶血性貧血が 2 名 MetHb 濃度の再上昇と慢性腎不全が各 1 名に発現した ダプソンの過量投与で MetHb 血症を発症した患者のほとんどが 5~9 日後に重度の溶血性貧血を発現したのに対して 臨床用量のダプソンでは溶血性貧血が発現する傾向は低く 発現しても軽症であった ただし MB 100 mg(1.7 mg/kg: 体重 60 kg と想定して換算 )/ 日 (2 回投与 ) を投与した 1 名 (G6PD 欠損の疑いあり ) では MB 投与開始 4 日後に重度の溶血性貧血が発現した MetHb 血症発現当時の MetHb 濃度が高いほど 一度回復した後に遅れて起こる MetHb 濃度の再上昇と溶血性貧血の頻度が高かった なお 溶血性貧血はダプソンのヒドロキシルアミン代謝物への過剰な曝露及びそれに続く MBの複数回投与と関連していると考えられ 高用量の MB 使用は 特に G6PD 欠損症患者で溶血性貧血のリスクを高めると考察していた 13

121 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 表 症例報告 Ferguson(1997) 14 歳 (1) Southgate(1999) 29 歳 (1) Bucaretchi(2000) 1~13 歳 (12) Carrazza(2000) ダプソンの過量投与による MetHb 血症に MB を投与した症例一覧 a) 年齢 ( 被験者数 ) MB 投与量及び併用療法 1 ヵ月齢 ~50 歳 (266) Falkenhahn(2001) 29 歳 (1) Shadnia(2006) 18 歳 (1) Prasad(2008) 38~61 歳 (11) Thunga(2008) 19 歳 (1) 頻回投与 (total dose: 8 mg/kg) GL AC 2 doses(bolus 投与 ) + 7 mg/h (infusion 投与 ) AA Single 投与 (1 mg/kg) AC MB 投与量 : 記載なし 6 doses AA Narayanan(2010) 34 歳 (1) 1.5 mg/kg Park(2010) 平均 : 歳 (46) MB 投与量 : 記載なし GL AA AC 2 mg/kg(bolus 6 時間毎 /6 hours infusion) 頻回投与 (100 mg) GL AC Bid 投与 (MB 投与量 : 不明 ) GL AC a) : AA, アスコルビン酸及びビタミン C; AC, 活性炭 ; GL, 胃洗浄 : ; 記載なし 表 遅発性の溶血性貧血 有害事象 MB 投与 7 日後に重度の溶血性貧血 重度の溶血 6 時間持続静脈内投与群の 2 名でスルホヘモグロビン血症 遅発性 (7 日目 ) の重度の溶血性貧血 パルスオキシメーターの SpO 2 値と 動脈血ガス分析での SpO 2 値に解離あり 臨床用量のダプソン投与による MetHb 血症に MB を投与した症例一覧 a) 症例報告被験者数 MB 投与量及び併用療法 Plotkin(1997) 2 2 mg/kg(1 dose) Ward(1998) 1 MB 投与量 : 記載なし AC Salmat(2003) 1 Single 投与 ( 用量 : 記載なし ) Donford(2006) 2 1 名は MB 投与 ( 投与量不明 ) 1 名は未投与 Tumer(2007) 1 1 mg/kg (1 dose) Zosel(2007) 1 1 mg/kg(2 doses) Arrivabene-Caruy(2007) 1 1 mg/kg (1 dose) O Dwyer(2008) 1 1 mg/kg (1 dose) Walker(2009) mg/kg * daily (2 doses) Cho(2010) 1 Subramaniam(2010) 34 1 mg/kg (1 dose) AA 3 名に MB 投与 MB 投与量 : 記載なし 慢性腎不全 有害事象 MB(1.7 mg/ 日 * 2 日間 ) 投与 4 日後に重度の溶血性貧血 貧血 MB を投与した全 3 名で貧血 Moulis(2010) 1 2 mg/kg (1 dose) MetHb 濃度の再上昇 Esbenshade(2011) 名に MB 投与 MB 投与量 : 記載なし Abouraya(2011) 1 Single 投与 ( 用量 : 記載なし ) 軽度の溶血 *: 体重 60 kg と想定した換算値 a) : AA, アスコルビン酸 ; AC, 活性炭 : ; 記載なし MetHb 血症患者 ( 原因 : 複数 ) への MB 投与 ( 添付資料番号 ) 方法 1973~1978 年にロサンゼルスのメトロポリタン病院で MetHb 血症と診断された全患者 (18 14

122 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 名 ) についてレトロスペクティブに研究した 患者は MetHb 濃度が 0.2 g/dlより高くなった場合に MetHb 血症と診断された 結果 患者 18 名中 7 名 ( 性別不明 1ヵ月齢 ~43 歳 ) に MB が投与 ( 投与方法不明 ) された 重度熱傷で MetHb 濃度が 5.4 g/dlであった 1 名 ( 性別不明 3ヵ月齢 ) に MBを投与したが 熱傷を負ってから 3 日後に死亡した 検死では体表 75% 以上で第 2 度及び第 3 度の熱傷 敗血症 播種性血管内凝固症候群 及び広範な低酸素の徴候が観察された また G6PD 値が正常値である 1 名の小児に MB 10 mg/kg の偶発的過量投与が行われた結果 重度のハインツ小体性溶血性貧血が観察された 海外及び国内教科書に記載されている MetHb 血症に対する MBの有害事象 海外教科書 8 冊及び国内教科書 4 冊を精査して MetHb 血症に対する MBの有害事象 ( 有害事象 薬物相互作用 及び 検査値に与える影響 ) について以下にまとめた ( 表 表 ) 海外及び国内教科書においては MetHb 血症の治療の第一選択薬として MB が記載されており その静脈内投与で発症する有害事象は 血液及びリンパ系障害 ( 溶血あるいは溶血性貧血 MetHb 血症等 ) 神経系障害( 頭痛 めまい 振戦 不安 浮動性めまい等 ) 心臓及び血管障害障害 ( 頻脈 高血圧等 ) 呼吸器 胸郭障害 ( 胸痛 呼吸困難等 ) 胃腸障害( 悪心 嘔吐 腹痛等 ) 皮膚及び皮下組織障害( 変色発汗等 ) 腎及び尿路障害( 着色尿 排尿障害 ) 等であった 血液系障害は MBの長期投与及び過剰投与によって発現する可能性が高く 特に新生児における有害事象として記載されている また G6PD 欠損症患者 及びシアンやニトロベンゼン系誘導体によって発症した MetHb 血症では MBの投与が十分効果を示すことができないために血液系の有害事象が発現し病態を悪化させることもある 薬物相互作用に関する有害事象として MBがモノアミン酸化酵素 (monoamine oxidase: MAO)-A の競合的阻害剤として働くために 選択的セロトニン再取り込み阻害剤 (selective serotonin reuptake inhibitor: SSRI) 等の中枢セロトニン作動薬との併用によってセロトニン中毒を発症する可能性もある アニリン中毒による MetHb 血症の治療では ハインツ小体の形成及び溶血性貧血が シアン中毒による治療では シアン化物結合が低下し結果的に毒性が増加することに注意が必要である 静脈内投与に特有の有害事象として 局所痛や血管外漏出による局所の組織壊死がある MB は色素としても使用されるため 各種診断の目的で髄膜内 / 羊膜内 / 腸内等へ投与されることがあるが 適応外の使用によっても上述の有害事象が発現する可能性がある また 測定機器 ( パルオキシメーター等 ) の測定値に影響を与える可能性にがあることについても注意が必要である 15

123 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 表 海外の教科書に記載された有害事象 書籍名 Goldfrank's toxicologic emergency. 9th. ( ) Cecil Medicine 24th. ( ) HARRISON'S Principles of Internal Medicine 18th. ( ) Hematology Basic principles and practice 6th. ( ) 記載内容 有害事象 1) 息切れ 頻呼吸 胸部不快感 口と胃の灼熱感 感覚異常 不穏 不安 振戦 悪心嘔吐 排尿障害 興奮 皮膚と粘膜の着色 尿と便の着色を起こすことがある 2) 静脈内投与は 刺激性で非常に痛い 3) 過量投与 : MB は急性溶血性貧血を誘導する可能性がある 4) 静脈内投与以外の投与経路による有害事象 : 羊水内投与 : 皮膚が青く染まって産まれた乳児 MetHb 血症 貧血 光毒性皮膚反応 腸閉塞など多くの有害事象を起こすかもしれない 経腸投与 : 投与後未熟児の腹膜に漏れ出した過剰な MB は 3 日後に発現した溶血性貧血に関与していると考えられる 5) G6PD 欠損症患者 : 溶血を生じる可能性がある 薬物相互作用 1) MAO A の競合的阻害剤として働くことから MAO 阻害剤と MB の併用はセロトニン中毒を引き起こす可能性がある 検査値に与える影響 1) パルオキシメーターの測定値に影響を与える 有害事象 1) G6PD 欠損症患者 : 溶血することがある 有害事象 1) 尿及び便の青緑色への変色 貧血 2) 悪心 嘔吐 頭痛 浮動性めまい 有害事象 1) 過量投与は呼吸困難 胸痛 溶血が発現するため避けること 16

124 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 表 海外の教科書に記載された有害事象 ( 続き ) 書籍名 Therapeutic drug 1999 ( ) Martindale 2011 ( ) Nelson textbook of Pediatrics 19th ( ) 記載内容 有害事象 1) 急性過量投与 過量投与 (4 mg/kg を超える ) は悪心 頭痛 腹痛 及び錯乱を起こす可能性がある 高用量では副作用が増加する MB の高用量によって鉄イオンが二価から三価に酸化し Hb が MetHb に変換されるため 症候性の溶血を起こすことがある 尿は青色に変色する可能性がある 重度の過量投与では 特に静脈内注射経由で溶血性貧血を起こす可能性がある 2) 重篤及び不可逆的な有害事象 : MB の静脈内投与は ときに低血圧や不整脈を起こし まれに死に至ることがある G6PD 欠損症患者に MB を 390 mg/ 日経口投与後 軽度の溶血性貧血が報告されている さらに 早期破水の診断に MB を羊膜内投与した後 新生児に急性溶血が報告されている MB の皮下投与部位では 壊死性潰瘍が報告されている MB が髄腔内に投与された患者では 対麻痺による骨髄壊死が発生している 早期破水の診断に MB を羊膜内投与した後の新生児では 溶血性貧血 高ビリルビン血症 及び MetHb 血症が報告されている 3) 症状を伴う有害事象 MB を経口投与した患者では 悪心 嘔吐 下痢 及び排尿障害が報告されている 静脈内投与では 腹痛 頭痛 めまい 振戦 不安 錯乱 胸痛 呼吸困難 頻脈 及び発汗も引き起こす可能性がある しかし これらのうちいくつかは MetHb 血症の症状でもある 尿 便 及び唾液の青色着色を起こす 局所使用は皮膚を青色に染める 有害事象 1) 尿 皮膚 唾液 及び便が青色になるため チアノーゼの診断の妨げになることがある 2) MB の反復投与は 溶血を悪化させる可能性がある 3) 過量投与 : MetHb 血症 及び溶血の後 悪心 嘔吐 腹痛 胸痛 頭痛 めまい 精神錯乱 発汗 呼吸困難 及び高血圧を引き起こす可能性がある 4) アニリンに起因する MetHb 血症に対する治療では ハインツ小体の形成 溶血性貧血を引き起こす 4) シアン中毒での亜硝酸治療に起因する MetHb 血症の治療では シアン化物結合が低下し結果的に毒性が増加する 5) 投与経路による有害事象 : 経口投与 : 胃腸障害 及び排尿障害を引き起こす可能性がある 皮下投与 : 壊死性潰瘍の可能性がある 髄腔内投与 : 神経障害を引き起こす可能性がある 羊膜内投与では 新生児の溶血性貧血 及び高ビリルビン血症が起こる可能性がある 有害事象 1) 悪心 嘔吐 頭痛 浮動性めまい 17

125 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 表 海外の教科書に記載された有害事象 ( 続き ) 書籍名 Pediatric toxicology 1st. ( ) Avery's Diseases of the Newborn 9th. ( ) 記載内容 有害事象 1) 皮膚を変色 尿を青緑に変色させる可能性がある 2) 急速投与 : 吐気 頻脈 胸痛 高血圧 不安などを発現させる可能性がある 3) 乳児 (young infants): 約 4 mg/kg の投与量でハインツ小体溶血性貧血が報告されている 4) G6PD 欠損症患者又は G6PD 欠損症が疑われる患者 : MetHb 還元の補因子としての NADPH が十分にないため 溶血を引き起こすことがある 検査値に与える影響 1) パルスオキシメーターの測定を妨げる可能性がある 記載なし 書籍名 中毒百科 : 事例 病態 治療 ( 工業用品 / ガス / 農薬 / 医薬品 / 動植物 ) 改訂第 2 版 ( ) 中毒ハンドブック ( ) ハリソン内科学第 4 版 ( ) ネルソン小児科学原著第 17 版 ( ) 表 国内の教科書に記載された有害事象 記載内容 有害事象 1) G6PD 欠損症患者においては MB は細胞外では MetHb 生成物質として働くことから MetHb 血症を増悪させ 溶血を起こすことがある 2) シアン中毒の治療で 亜硝酸ナトリウムの投与量が過剰の場合の重篤な MetHb 血症に対する治療に MB は使用しないこと シアン中毒が悪化する 3) ニトロベンゼン誘導体中毒の場合は MB を投与しても しばしば MetHb 濃度の再上昇が起こることがある 有害事象 1) 尿 便の青色又は緑色着色 2) 胃部不快感 頭痛 めまいを起こすことがある 3) MBの過量投与 (7 mg/kg 以上 ) は 直接ヘモグロビンを酸化することにより MetHb 血症を引き起こす 15 mg/kg 以上の投与は 特に新生児において溶血を 伴う 4) G6PD 欠損症の患者では溶血を生じることがある 5) 長期の投与は 顕著な貧血を引き起こすことがある 6) 血管外漏出は 局所の組織壊死を引き起こすことがある 検査値に与える影響 1) MBを 2 mg/kg 投与することによって 約 15% の偽陽性 MetHb 濃度となる HARRISON'S Principles of Internal Medicine 18th edition と同一記載 有害事象 1) 悪心 嘔吐 頭痛 浮動性めまい 2) 尿 及び便の青緑色への変色 貧血 3) G6PD 欠損症患者では 酸化による重篤な溶血をきたすことがある 18

126 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 ガイドライン MetHb 血症患者に対して MB の使用を記載した海外並びに国内のガイドライン及びガイダ ンスを検索したが 該当するガイダンス及びガイドラインはなかった AAPCC の使用実態調査 ( 添付文書番号 ) 方法 AAPCCは 20 ~20 年の間の National Poison Data System (NPDS) から All NPDS exposures where therapy used is methylene blue=performed or recommended and performed をキーワードとしてデータベースを作成して各種の統計解析を行った データベースに登録された患者数は 1628 名であり このうち 1220 名が統計解析に利用できると判断された なお 408 名の除外理由については不明であった 結果 MB が静脈内投与された年齢層は新生児から高齢者に分類され その性別の割合は男性 51% 女性 49% であった 年齢は 2 歳未満が 9% 2~17 歳が 15% 18~65 歳が 65% 65 歳より上の高齢者が 13% であった 平均体重は 56.3 kg( 範囲 2~181.8 kg) であった MetHb 血症の原因物質に関しては 麻酔薬が 25% 抗生物質が 19% フェナゾピリジンが 11% であった 1220 名中 19 名 (< 2%) に腎不全が認められた そのうち 16 名 (< 2%) は MB 治療と関連があると考察され 16 名中 5 名が腎不全により死亡した ( 表 ) その他の有害事象については具体的な記載がなかった 男性 20 名 女性 9 名の計 29 名 (2%) の死亡例が集積されたが これらの死因に関する詳細な情報は得られなかったため MBに起因したか否かは不明であった 表 腎不全を発現した患者の臨床経過 Renal Failure Outcome Total (N=1220) Not related Related 総数 3 Moderate effect 2 Unrelated effect The exposure was probably not responsible for the effect(s) 総数 16 Major effect 11 death 症例報告における有害事象海外及び国内の成人及び小児に MB が投与された症例報告 ( ) のうち MB の有害事象の記載のある症例は 海外成人 (16 歳以上 ) では 88 報 海外小児では 21 報 国内成人では 23 報 国内小児では 2 報であった そのうち静脈内投与された症例の有害事象概略を以下にまとめた ( 表 ~ 表 ) 19

127 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 MB 静脈内投与の有害事象報告は 90 報 99 名であり 成人 81 名 ( 海外 69 名 国内 12 名 ) 小児 18 名 ( 海外 17 名 国内 1 名 ) であった MBの初回用量は 0.3~8 mg/kg であり 最も多かったのは 1~2 mg/kg であった 海外及び国内の教科書に記載された MB の過量投与 (7 mg/kg 以上 ) をベースすると 静脈内投与における累積投与量 7 mg/kg 以上と推測される症例は 12 報 12 名あり そのうち 3 報 3 名 ( 添付資料番号 : ) は 1 日累積投与量 7 mg/kg を越えて MB が投与された なお MBの投与量が多かった症例は ダプソンあるいはアニリン投与により発症した MetHb 血症患者であった MB を静脈内投与した成人 81 名に発現した主な有害事象は 臨床検査 (MetHb 濃度上昇 網赤血球増加 酸素飽和濃度低下等 )40 名 血液及びリンパ系障害 ( 溶血 溶血性貧血 MetHb 血症等 )33 名 一般 全身障害 ( 死亡等 )14 名 神経系障害 ( 頭痛 めまい 振戦 痙攣等 ) 13 名 腎及び尿路障害 ( 腎不全 着色尿 排尿障害等 )11 名 心臓及び血管障害障害 ( チアノーゼ 心停止 低血圧等 )10 名 肝胆道系障害 ( 黄疸等 )8 名 胃腸障害 ( 悪心 嘔吐 腹痛等 )8 名 精神障害 ( 不安 不穏 激越等 )7 名 皮膚及び皮下組織障害 ( 変色 発汗等 )6 名 呼吸器 胸郭障害 ( 呼吸困難 肺水腫等 )7 名等であった 小児 14 名に発現した主な有害事象は 臨床検査 (MetHb 濃度上昇 ビリルビン値増加等 ) 12 名 血液及びリンパ系障害 ( 溶血性貧血 溶血等 )6 名 心臓及び血管障害障害 ( チアノーゼ等 )5 名 神経系障害 ( 痙攣等 )3 名 皮膚及び皮下組織障害 ( 変色 )3 名等であった No. 年齢 性別 ( その他 ) 表 投与量 1 16 歳男性 2 mg/kg 2 回 2 17 歳女性 0.8 mg/kg c (50 mg) 2 回 海外成人症例報告 ( 静脈内投与 ) の有害事象 MetHb 血症の原因物質 ベンゾカイン アニリン 投与経路 3 18 歳女性 1.7 mg/kg c (100 mg) ダプソン 4 18 歳男性 1.3 mg/kg c (80 mg) c : 体重 60 kg と想定した換算値 塩素酸ナトリウム 安全性 MB 投与後 MetHb 濃度が上昇した MB 投与後 2 回とも悪心 嘔吐及び疝痛性腹痛が発現した MB 投与後 MetHb 濃度が上昇した MB 投与後頸部硬直及び光恐怖症が認められた MB 投与翌日には黄疸 両腎側の圧痛 及び不穏が発現し 心窩部痛及び嘔吐は継続した 5 日目に肩甲帯不快感及び右視神経乳頭辺縁不鮮明が認められたが 48 時間で消失した 添付資料番号

128 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 No. 年齢 性別 ( その他 ) 5 18 歳男性 6 19 歳男性 7 19 歳男性 8 20 歳女性 9 20 歳男性 歳女性 歳女性 ( 妊娠 36 週の妊婦 ) 歳男性 表 海外成人症例報告 ( 静脈内投与 ) の有害事象 ( 続き ) 投与量 1 mg/kg(1%) 4 回 (24 時間ごと ) 1.7 mg/kg c (100 mg 2% 5 ml)bolus 投与 4 回 / 日 3 日 3.3 mg/kg c (20 ml 1%) 10 分かけて投与 初回 : 1.7 mg/kg c (100 mg 2%) 2 回目 : 1.7 mg/kg c (100 mg) 1.7 mg/kg c (100 mg) 2 回 初回 : 0.4 mg/kg c (22.5 mg) 2 回目 : 1.5 mg/kg c (90 mg) 3 回目 : 3.3 mg/kg c (200 mg) 1.5 mg/kg(1%) 2 mg/kg(150 mg) 2 回 c : 体重 60 kg と想定した換算値 MetHb 血症の原因物質 溶剤 ダプソン ニトロベンゼンアリニン 亜硝酸ナトリウム ラッカーシンナー ( 溶剤 ) アニリン メトブロムロン アニリン 投与経路 安全性 MB の 2 回目投与後発作が起き チアノーゼが続いたため 3 回目投与を行った 4 回目の投与時には重度の溶血が起こり異常赤血球が多数観察された その後 Hb が低下し続け 交換輸血を行ったが急性腎不全と心不全により死亡した MB 投与終了 5 日後及び 8 日後にビリルビン値上昇及び LDH 上昇が認められ 投与終了 15 日後に正常値近くまで回復した 入院 7 日後 (MB 投与後 ) に溶血性貧血が認められた MB 投与前 85% であった SpO 2 は 投与 5 分後に 72% に低下した MB を投与したが チアノーゼの改善が認められず 30 分後に再投与した 2 回目投与後の MetHb 濃度は 78.6% であった 来院 3 時間後に心停止で死亡した アニリン摂取から 28 時間後に皮膚の色はいったん正常となったが 次の 12 時間で 溶血を発現し ハインツ小体が認められたため 輸血が実施された その翌週 溶血は徐々に消失し 血液学的及び腎所見は正常となった 退院 8 日後に男児を普通分娩で無事出産した アニリン摂取 72 時間後に暗赤色尿と黄疸のため再入院した その際の MetHb 濃度は 9% であり 多数のハインツ小体が認められた 溶血に対して輸血が行われた 添付資料番号

129 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 No. 年齢 性別 ( その他 ) 歳男性 歳女性 (G6PD 欠損症 ) 歳男性 歳男性 歳女性 表 海外成人症例報告 ( 静脈内投与 ) の有害事象 ( 続き ) 投与量 1.5 mg/kg (100 mg) 5 回 (1 日目に 3 回 2 日目に 1 回 及び 3 日目に 1 回 ) 0.8 mg/kg c (50 mg 1%) 10 分かけて投与 初回 : 1.7 mg/kg c (100 mg) 15 分かけて投与 2 回目 : 1.7 mg/kg c (100 mg) その後 7.5~10 mg/h で 43 時間持続注入 1 mg/kg c (0.1 ml/kg 1% 8 ml) 初回 (1 日目 ): 2 mg/kg (100 mg) 15 分かけて投与 2 回目 (1 日目 ): 1 mg/kg(50 mg) 追加投与 3 回目 (3 日目 ): 1 mg/kg(50 mg) c : 体重 60 kg と想定した換算値 MetHb 血症の原因物質 ダプソン アニリン ダプソン 不明 ニトロベンゼン 投与経路 安全性 MB 投与後 MetHb 濃度が上昇した 頭痛と嘔気を伴うチアノーゼが持続し 4~10 日目まで遅延性のスルホヘモグロビン血症が観察された 9 日目に網赤血球 LDH 及び血清鉄増加に伴い Hb 低下 ハプトグロビンの低下がみられた ( 溶血性貧血 ) MB 投与後皮膚が薄鈍色に変色し 3 日間続いた アニリン曝露及び MB 投与後 24 時間以内に溶血を示したため輸血を行ったところ 72 時間後に臨床及び血液ガスパラメータに改善がみられ 14 日目までにチアノーゼは消失し 退院した 初回投与後 幻覚 頭痛 及び激越がみられた ダプソン服用の 3 日後に網状赤血球が 3.8% に増加した これに関連してハインツ小体溶血性貧血と一致した血膜 ハプトグロビンの低下 トランスアミラーゼの軽度増加 ビリルビン上昇 (50 μmol/l) がみられた ダプソン服用 8~9 日後に溶血の所見が最大となり その後溶血は 6 日続いた MB 投与後 MetHb 濃度が上昇した MB 投与後に SpO 2 は一時的に 65% に低下し 短時間の不安及び不穏と関連していた MB 初回投与 3 日後にチアノーゼ めまい 全身性脱力が観察され 溶血性貧血を伴い MetHb 血症が再発した 5 日後にも溶血性貧血を伴い MetHb 血症が再発し 好中球増加症 多染性赤血球症 溶血 破砕赤血球が観察された 5 日後の再発後 30% 交換輸血に切り替え 11 日後に退院した 添付資料番号

130 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 No. 年齢 性別 ( その他 ) 歳男性 歳男性 (G6PD 欠損症 ) 表 海外成人症例報告 ( 静脈内投与 ) の有害事象 ( 続き ) 歳女性不明 歳男性 歳男性 投与量 初回 : 4.2 mg/kg c (250 mg) 数回に分けて投与以降 5 回追加投与 ( 用量不明 ) MetHb 血症の原因物質 亜塩素酸ナトリウム 投与経路 0.7 mg/kg c (40 mg) アニリン 1.7 mg/kg c (100 mg) 3 回 2 回目投与 : 初回投与の 1 時間後 3 回目投与 : 初回投与の翌日 初回 : 1.3 mg/kg c (80 mg 1%) 20 分かけて投与 2 回目 : 1.3 mg/kg c (80 mg 1%) c : 体重 60 kg と想定した換算値 塩素酸ナトリウム ラッカーシンナー ( 溶剤 ) ベンゾカイン 安全性 MB 投与後ひどい溶血と播種性血管内凝固症候群がみられ Hb は 7.1 g/100 ml に低下し血小板数は 30,000/mm 3 となった 続く数日間 肺水腫と肺出血による重篤な呼吸不全がみられ 心停止もしたが蘇生した その間大腸菌の敗血症もみられた その後の回復期も急性腎不全と水分過負荷が起こり 経皮的腎臓生検の結果からリンパ球の急性尿細管間質性変化浸潤 重篤な間質性浮腫 出血及び壊死による細管の障害が観察された 持続性の高窒素血症のため血液透析を続け 入院してから 2 ヵ月後に回復し 退院した アニリン曝露 4 日に進行性の黄色がかった皮膚変色 茶色尿 尿量減少に伴うめまいと吐気を認め再入院した 理学的検査により顕著な黄疸と結膜蒼白が示された 網赤血球とハインツ小体が多数観察され ( ハインツ小体性溶血性貧血 ) MetHb 濃度は 9.3% となった RBC 輸血及びトコフェロールニコチン酸エステル投与によりアニリン曝露 7 日に溶血は消失し退院した MB 投与後 尿は茶褐色になり その後濁った 播種性血管内凝固を伴う溶血 鼻出血 腹壁血腫 及び腎不全が観察された 当初 32.61% だった MetHb 濃度は 2 回目の MB 投与 6 8 及び 12 時間後に各 49.7% 71.7% 及び 74.9% に上昇した MB 2 回目投与後徐脈及び心停止が 2 回認められたが蘇生に成功した MB 投与後 MetHb 濃度が上昇した 添付資料番号

131 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 No. 23 年齢 性別 ( その他 ) 28 歳男性 (G6PD 欠損症 ) 歳女性 歳男性 表 海外成人症例報告 ( 静脈内投与 ) の有害事象 ( 続き ) 投与量 MetHb 血症の原因物質 投与経路 1.3 mg/kg c (75 mg) アニリン 全用量は 7.7 mg/kg c 初回 : 1.1 mg/kg c (65 mg) 2 回目 : 1.1 mg/kg c (65 mg) 3 回目 : 2.2 mg/kg c (130 mg) 4 回目 : 1.1 mg/kg c (65 mg) 5 回目 : 1.1 mg/kg c (65 mg) 6 回目 : 1.1 mg/kg c (65 mg) 初回 : 4.2 mg/kg c (250 mg) 2 回に分けて bolus 投与 2 回目 : 2.5 mg/kg c (150 mg)bolus 投与以降 2 回用量不明を bolus 投与その後 7 mg/h 徐々に 3 mg/h に減らしていき 計 7 日間持続投与を行った 歳男性 0.3 mg/kg c (20 mg) 歳男性 初回 : 3.3 mg/kg c (200 mg) 2~5 回目 : 1.7 mg/kg c (100 mg) 6 回目 : 3.3 mg/kg c (200 mg) 7 回目 : 5 mg/kg c (300 mg) 8 回目 : 3 mg/kg c (180 mg) c : 体重 60 kg と想定した換算値 ダプソン ダプソン 亜硝酸イソブチル アニリン 安全性 入院 2 日目に黄疸が認められた その後数日間 ヘマトクリット低下 血清ビリルビン値上昇 網赤血球数増加が 入院 4 日目にハインツ小体形成がみられたが 輸血は行わなかった MB 6 回目投与後 入院 3 日目に溶血性貧血が認められた MB 投与後 MetHb 濃度が上昇した MB 投与後 MetHb 濃度が上昇した MB 7 日間持続投与中 5 日間で Hb 濃度が 12.4 g/l から 6.4 g/l に低下し 重篤な溶血と溶血性貧血がみられた 添付資料番号 死亡した MB 投与後 MetHb 濃度が上昇した MB 投与後に悪心及び嘔吐が発現した アニリン摂取 18 時間後に ビリルビン及びアミノトランスフェラーゼが上昇し MB 投与 2 日後に黄疸が発現した またヘモグロビン及びヘマトクリットが有意に低下したことからハインツ小体性溶血性貧血と診断された MB 投与 4 日後に網赤血球数増加が認められた

132 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 No. 年齢 性別 ( その他 ) 表 海外成人症例報告 ( 静脈内投与 ) の有害事象 ( 続き ) 歳男性 1 mg/kg 歳女性 2 mg/kg 投与量 MetHb 血症の原因物質 パラコート 硫酸銅 5 水和物 投与経路 歳男性 1 mg/kg 5 回アニリン 歳男性 1 mg/kg 4 回アニリン 安全性 MB 投与の翌週中に 軽度の腎障害及び膿性痰を伴う咳嗽が発現したが ともにすぐに回復した 溶血を発現したが これも回復した MB 投与 24~48 時間後にメレナ及び吐血を伴う重度の出血性胃腸結腸炎 重度の血管内溶血 重度の貧血 急性肝実質損傷 AST 及び ALT 増加 アルブミン低下 プロトロンビン時間延長 総ビリルビン及び抱合型ビリルビン増加がみられ 数日後急性腎不全 急性肝不全 副腎機能不全を起こした 入院 5 日目に疲労を訴え ヘモグロビンは 5.7 g/dl に低下 SpO 2 は 70~80% であった 検査の結果 急性酸化ストレス誘発性溶血と診断され 輸血 血漿交換及び全血交換輸血が実施された アニリン摂取 6 日目の観察で疲労及び呼吸困難を訴え ヘモグロビンは 10 g/dl に低下した 添付資料番号 歳男性 1 mg/kg(60 mg) ダプソン溶血性貧血が認められた 歳男性 歳男性 歳男性 歳男性 歳男性 1 mg/kg を 6 時間ごとに 3 回 以降 0.1 mg/kg/h を持続投与 1.7 mg/kg c (100 mg) 10 分かけて投与 1.7 mg/kg c (100 mg) 2 回 初回 : 1.7 mg/kg c (100 mg) 10 分かけて投与 2 回目 : 1.7 mg/kg c (100 mg) 3 回目 : 1.3 mg/kg c (80 mg) 2 mg/kg(84 mg) 10 分かけて投与 c : 体重 60 kg と想定した換算値 ダプソン 塩素酸ナトリウム ベンゾカイン ベンゾカイン ベンゾカイン MB 投与後 MetHb 濃度が上昇した 溶血性貧血が認められた MB 投与後に一過性の低血圧が認められた MB 投与後 MetHb 濃度が再上昇した MB 投与後 MetHb 濃度が再上昇した MB 投与後患者は人工呼吸器からの離脱が困難で気管切開を施され 入院 57 日目で退院した

133 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 No. 年齢 性別 ( その他 ) 歳女性 歳男性 歳男性 ( 急性腎不全 ) 歳男性 歳女性 歳男性 歳男性 (B 型肝炎既往 ) 歳男性 歳男性 表 海外成人症例報告 ( 静脈内投与 ) の有害事象 ( 続き ) 投与量 3 mg/kg 90 分かけて投与 初回 : 8 mg/kg c (50 ml 1%) 2 回目 : 7 mg/kg c (40 ml 1%) 1 mg/kg(70 mg) 1 mg/kg(1%) 5 分かけて投与 6 回 4.0~8.0 mg/kg c (0.25~0.5 mg/kg/h) を 16 時間投与 3.3 mg/kg c (20 ml 1%) 15 分かけて投与 1 mg/kg 初回 : 1.5 mg/kg (200 mg) 2 回目 : 投与量不明 4 mg/kg c (240 mg 24 ml) c : 体重 60 kg と想定した換算値 MetHb 血症の原因物質 ダプソン シアン化水素酸 フェナゾピリジン リン化アルミニウム - ニトロベンゼン 亜硝酸アルキル ベンゾカイン MB 投与経路 安全性 MB 投与後 MetHb 濃度が上昇した また 網赤血球数が顕著に増加し ヘマトクリットが減少し 一時的に脾触知が認められた 添付資料番号 症状が悪化し 死亡した MetHb 血症発症時に急性腎不全を併発していた MB 投与後に溶血性貧血が観察された MB 無効で死亡した 血管拡張性のショックに対して MB を投与した MB を左腕から 10 時間投与したところ注射部位が変色したため その後右腕から 6 時間投与した 両腕とも 血管が青色に変色した 左腕については 7 日後に MB の血管外漏出によって腕や指にネクローシスを発現した (2 週間後に皮膚移植で修復された ) 溶血性貧血が認められた MB 投与前に 85% であった SpO 2 は 投与 30 分後に 51% に低下した 抜管が遅延した MB 投与前に顕著な低血圧 末梢血管抵抗低下 及び血管麻痺症候群が認められた 心肺バイパス術の際に血管麻痺の予防及び治療のため MB を投与した MB 投与後に 高い po 2 値にもかかわらず暗い色の血液になり 動脈血酸素飽和度の低下及び重度の代謝性アシドーシスが認められたことから MB が誘発した MetHb 血症が疑われた

134 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 No. 年齢 性別 ( その他 ) 表 海外成人症例報告 ( 静脈内投与 ) の有害事象 ( 続き ) 投与量 MetHb 血症の原因物質 歳女性 2.5 mg/kg c (150 mg) ベンゾカイン 歳男性 ( 先天性 MetHb 血症 腎盂尿管移行部狭窄症 ) 歳女性 歳女性 ( クロミプラミン併用 ) 66 歳女性 (SSRI 併用 ) 67 歳男性 (SNRI 併用 ) 歳女性 1 日目 : 1.5 mg/kg 5 分かけて投与後 計 7 mg/kg となるまで繰り返し投与 5~10 日目 : 1.5 mg/kg 毎日投与 1.5 mg/kg 5 分かけて投与 6.2 mg/kg c (370 mg 500 ml) 継続投与 0.7 mg/kg(50 mg) 2 回 5 時間空けて投与 7.5 mg/kg(1000 mg) 1 時間かけて投与 1 mg/kg 3 分かけて投与 歳男性 1 mg/kg 3 回 歳女性 ( 腎機能低下 ) 歳女性 1 mg/kg c (60 mg) 2 回 初回 : 0.8 mg/kg c (5 ml 1%) その後 0.8 mg/kg c (5 ml 1%) ずつ 4 回 c : 体重 60 kg と想定した換算値 - ベンゾカイン 投与経路 安全性 静脈内投与中に軽微な灼熱感が発現した 腎盂尿管移行部狭窄症 慢性チアノーゼ及び 2 型糖尿病を併発していた MB 投与 10 日後以降に急性の溶血性貧血が見られ その後ハインツ小体が形成された MB 投与数分以内に著しい嘔気と嘔吐がみられた SpO 2 が約 65% に低下した 副甲状腺摘出術時に MB を投与した 錯乱 激越 四肢に痙攣様の動きが発生したが 4 日後には回復した イホスファミド脳症に対して MB を投与し 初回投与直後に方向感覚喪失 激越 失語 散瞳 反射亢進などの症状が発生した 5 時間後の MB の 2 回目投与で無反応 頻呼吸 頻脈 アシドーシスが認められたため SSRI 及び MB の投与を中止した 63 日後に症状は回復した セロトニン症候群例 副甲状腺摘出時に MB を投与し 振戦 発汗 眼振が発現した リバビリを実施し 3 日後に退院した 添付資料番号 ダプソン副腎卒中が認められた ベンゾカイン ダプソン ダプソン 当初 62% だった酸素飽和度は 初回投与 40 分後に 52% となった 3 回目投与 1 時間後に 80% 翌日には 97% に回復した MB 投与後 MetHb 濃度が上昇した MB 投与後 二波長指数の急激な減少及び血圧上昇が認められた

135 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 No. 年齢 性別 ( その他 ) 表 海外成人症例報告 ( 静脈内投与 ) の有害事象 ( 続き ) 歳女性 1 mg/kg 歳男性 歳女性 60 3 名 ( 歳女性 ) 歳男性 歳女性 投与量 1.5 mg/kg(1%) 5 分かけて投与 2 回 ( ) mg(1.7 mg/kg c ) 3 回 / 日 ( 経口 ) 2 mg/kg 5 分かけて投与 MetHb 血症の原因物質 インドキサカルブ セレコキシブ ベンゾカイン 投与経路 + 経口 5 mg/kg mg/kg c (50 mg) 4 分かけて投与 5 回計 4.2 mg/kg c (250 mg) 0.8 mg/kg c (50 mg 1%) 5 分かけて投与 歳男性 1.3 mg/kg c (80 mg) 歳男性 初回 : 1.7 mg/kg c (100 mg) 2 回目 : 1.1 mg/kg (80 mg) 3 回目 : 1.1 mg/kg (80 mg) c : 体重 60 kg と想定した換算値 亜硝酸ナトリウム ベンゾカイン 塩素酸ナトリウム ベンゾカイン 安全性 MetHb 血症発症時に糖尿病及び高血圧を併発していた MB 投与後に乏尿症が進行して無尿となった アニオンギャップ増加性代謝性アシドーシスの悪化及び急性腎不全がみられた MB 投与後 MetHb 濃度が上昇した MB 投与後 MetHb 濃度が上昇した 副甲状腺摘出時に明視化のため MB を投与した 紅斑が首又は指先に発現した 1~4 週間で改善したが 著者らは MB の光毒性に起因したと結論づけた 入院時には既に心停止しており 1 時間蘇生を試みたが死亡した 発症から 21 日目に再び MetHb 血症を発症したが MB 投与せず回復した MetHb 血症発症時に高血圧を併発していた MB 投与後 MetHb 血症が急激に悪化し 昏睡状態となった 入院 30 分以内に死亡した MB 投与後 MetHb 濃度が再上昇した MB 3 回目投与後 48 時間にわたり血圧不安定が認められ 心拍出量を維持するため人工呼吸器を必要とした 入院 3 日目に強直間代発作を呈し 脳波検査にて広汎性低酸素性 ( 脳 ) 傷害に伴う電気的活動抑制と判明した 12 日目に抜管したが 最初の事象から 2 ヵ月後に安定した状態で高度看護施設に転院した 添付資料番号

136 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 No 年齢 性別 ( その他 ) 男性 ( 年齢不明 ) 年齢不明 ( 分娩前の女性 ) 年齢不明男性 (G6PD 及び NADH チトクロム b5 レダクターゼ欠損症 慢性腎不全 ) 表 海外成人症例報告 ( 静脈内投与 ) の有害事象 ( 続き ) 投与量 1.7 mg/kg c (10 ml 1%) 初回 : 1.3 mg/kg c (80 mg 1%) 5 分かけて投与 2 回目 (20 分後 ): 1.3 mg/kg c (80 mg) 初回 : 1 mg/kg c (60 mg) 2 回目 (2 時間後 ): 0.7 mg/kg c (40 mg) c : 体重 60 kg と想定した換算値 MetHb 血症の原因物質 アニリン プリロカイン ( 文献中プロピトカイン ) メトクロプラミド 投与経路 安全性 MB 投与の 2 時間後以降 MetHb 濃度が上昇し 落ち着きがなくなり 頭痛が再発した MB の初回投与の 1 時間 40 分後に女児が産まれた 出産時 新生児は軽度のうつ状態であった 新生児からは 36 時間にわたり青緑色尿が観察された MB の胎児への移行が認められたが他に副作用はなかった 出産 5 日後に母親と新生児は良好な状態で退院した MetHb 血症発症時に慢性腎不全を併発していた MB 初回投与後 意識レベルが低下し 2 回目の投与後 症状は急速に悪化し チアノーゼ発症の 12 時間後に死亡 死亡数時間前の血液検査では明らかな溶血が認められた 添付資料番号

137 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 No 年齢 性別 ( その他 ) 2 週齢男児 ( 重度の小頭症 ) 1 ヵ月齢男児 1 ヵ月齢男児 4 ヵ月齢男児 ( 双生児 ) 8.5 ヵ月齢女児 表 投与量 初回 : 0.75 ml(5%) 数分かけて投与 2 回目 : 0.75 ml(5%) 初回 : 1 ml(5%) 2 回目 : 0.75 ml(5%) 2 mg/kg 10 mg 初回 : 1 mg/kg 5 分かけて投与その後 1 mg/kg 2 回 海外小児症例報告 ( 静脈内投与 ) の有害事象 MetHb 血症の原因物質 - 井戸水 ( 硝酸塩 ) - ( 腎尿細管アシドーシス ) 亜硝酸エチル フェナゾピリジンの過剰摂取及びアニリンの生成 投与経路 安全性 実験的に MB を投与した例 MB 投与後 皮膚色が著明に青みを帯びた 1 時間後 皮膚色は徐々に改善し 2.5 時間後には少し灰青色がかった程度になった ここで 2 回目の投与を行うとすぐに皮膚色がひどく灰青色になった 30 分後 若干の改善が見られたが 1 時間後 耳を除く全身がひどい灰青色になった 初回投与 15 分後の尿は透明であったが その後 4 日間にわたって尿は青色であった 投与日の夜間に時折痙攣を起こし 数日間にわたって食欲がなかった 4 日後に皮膚色がほぼ正常となった 投与の約 1 週間後に急性溶血性貧血を発症した MB 投与 5 日後に軽度の黄疸が認められた MB 投与 8 日後に溶血性貧血を発症した 輸血を実施し 輸血を実施した日の 14 日後に回復した 下痢は MB 投与 15 日後まで続いた 5 日後に進行性のチアノーゼ及び嗜眠のため再入院し MetHb 濃度は 21% であった 炭酸水素ナトリウム クエン酸ナトリウム 及びクエン酸を投与で回復した MB 投与 12 時間後に低酸素血症で死亡した MB 投与後 MetHb 濃度が再上昇した MB 2 回目投与後 オムツが青色に色づいたことが確認された 添付資料番号

138 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 No 年齢 性別 ( その他 ) 13 ヵ月齢女児 14 ヵ月齢女児 15 ヵ月齢女児 16 ヵ月齢男児 16 ヵ月齢女児 26 ヵ月齢男児 (G6PD 欠損症 ) 12 3 歳男児 表 海外小児症例報告 ( 静脈内投与 ) の有害事象 ( 続き ) 投与量 初回 : 1 mg/kg 2 回目 : ほぼ同量 初回 : 2 mg/kg 2~6 回目 : 0.5~ 1 mg/kg 以降 1 mg/h を持続投与 30 mg 初回 : 2 mg/kg 2~4 回目 : 1.5 mg/kg 初回 : 18 mg 4 分かけて投与 2 回目 : 15 mg 2 mg/kg 2 回 初回 : 2 mg/kg (30 ml 0.1%) 12 分かけて投与 2 回目 : 20 ml(0.1%) MetHb 血症の原因物質 フェナゾピリジン塩酸塩 ダプソン フェニルアゾピリジン フェナゾピリジン ダプソン ニトロエタン ダプソン 投与経路 安全性 MB 投与前に指の幅 1 つ半の肝腫大が触知された 入院 4 日目に溶血性貧血を発症した MB 投与後 MetHb 濃度が上昇した 入院 2 日目に右肋骨縁下方 8 cm で肝臓が触知された ( 入院時には触知されなかった ) 肥大は次第に消失し 入院 18 日目の退院時には肝臓の端がわずかに触知できるにとどまった MB 投与後 MetHb 濃度が上昇した MB 初回投与後 頻脈及び小赤血球症が認められた MB 投与後 MetHb 濃度が上昇した MB 投与後 MetHb 濃度は上昇し 無気力と運動失調が進行し 酸素飽和度は 70% であった 全血交換により MetHb 濃度は 11.7% になるが 7 時間以内に 31.7% に上昇した 11 時間後の MetHb 濃度は 31.8% であったが赤血球交換により 7% になり チアノーゼが消失 心機能は改善し 酸素飽和度も 100% に回復した 退院時の MetHb 濃度は 0.4% であった 4~5 時間にわたって心臓障害を引き起こす程重篤なチアノーゼを発症した 入院後 3 週間にわたり Hb 値と白血球数の変動が見られた 添付資料番号

139 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 No. 年齢 性別 ( その他 ) 表 海外小児症例報告 ( 静脈内投与 ) の有害事象 ( 続き ) 投与量 MetHb 血症の原因物質 投与経路 13 3 歳男児 1 g 10 ml 歳女児 歳女児 歳女児 歳女児 初回 : 1 mg/kg 5 分かけて投与 2 回目 : 1 mg/kg 初回 : 1.5 mg/kg 2 回目 : 1.5 mg/kg 3 回目 : 2 mg/kg 初回 : 90 mg その後 48 時間の間に計約 8 mg/kg を 7 回に分けて投与 初回 : 150 mg 3 回に分けて投与以降 0.1 mg/kg/h で持続投与 ダプソン アニリン ダプソン ダプソン 安全性 尿管皮膚瘻の手術時に MB を投与した 投与後急激に心拍数が増加し (120/min) 強いチアノーゼがみられた 血圧は 80/50torr で X 線写真から両肺の拡大が観察された 患者の皮膚は 6 日間青色に強く染まり 4 日間暗青色の排便があった 投与 7 日後に回復し わずかに青みがかった肌ではあったが退院した MB 投与後 MetHb 濃度が上昇した MB 投与後 MetHb 濃度が上昇した MB 投与後 MetHb 濃度が上昇した 入院 4~5 日目に血漿ビリルビン及び乳酸脱水素酵素 (LDH) が上昇したため 輸血を実施した 黄疸及び溶血は入院 12 日目まで続いた MB 投与後 MetHb 濃度が再上昇した 入院 4 日目に貧血及び網状赤血球増加症を発症し 濃厚赤血球の輸血を受けた 添付資料番号

140 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 No. 年齢 性別 ( その他 ) 1 26 歳男性 2 28 歳女性 表 投与量 4.7 mg/kg c ( 総量 280 mg) を 3 回に分けて投与 初回 : 0.8 mg/kg c (50 mg) を生理食塩水 100 ml に溶解 2 3 回目 : 0.8 mg/kg c (50 mg) 3 29 歳男性 1.3 mg/kg c (80 mg) 4 30 歳男性 5 39 歳男性 初回 : 1 mg/kg c (60 mg) を生理食塩液 200 ml に溶解して 20 分かけて投与 2 回目 (1 時間後 ): 1.3 mg/kg c (80 mg) 1 mg/kg(1%) 10 分かけて投与 6 41 歳女性 0.7 mg/kg c (40 mg) 7 42 歳男性 初回 : 2 mg/kg (160 mg) 2 3 回目 : 2.5 mg/kg (200 mg) 8 44 歳男性 2 mg/kg c (120 mg) c : 体重 60 kg と想定した換算 国内成人症例報告 ( 静脈内投与 ) の有害事象 MetHb 血症の原因物質 不明 ( 有機溶剤 ニトロベンゾニトリルの可能性 ) プロパニル プロパニル ( クサノン A) プロパニル (DCPA 乳剤 ) アニリン プロパニル ( クサノン A) プロパニル ( アニリン系複合除草剤 ) DCMU + NAC 合剤 ( ネコソギ ) 投与経路 点滴 安全性 MB 投与後 MetHb 濃度が再上昇した 第 2 病日より GOT GPT CPK(MM) が上昇したが 第 7 病日には正常に回復した また 第 5 病日から溶血性貧血の所見が認められたため輸血を実施したところ順調に回復し 第 21 病日には後遺症なく治癒退院した 第 14 病日に Hb10.5 g/dl と低下しハプトグロビンの低下と Bite cell を認めたが第 21 病日には自然軽快した 14 日目に溶血性貧血がピークとなったが 自然に回復した 投与後に一過性の血圧上昇を認めた 第 6 病日に溶血を示唆する肝機能障害と貧血を認め 9 日後に Hb8.9 g/dl まで低下したが 第 14 病日に 9.5 g/dl と自然軽快した MB 投与後いったん MetHb 濃度は低下したが 第 4 病日目には MetHb 血症の継続を示した 腎機能 肝機能は進行性に悪化し 第 5 病日には溶血性貧血の像を呈し 多臓器不全にて死亡した 第 14 病日に Hb6.7 g/dl と急激な貧血 網赤血球 95% と増加 血液像にて Bite cell を認めた 骨髄穿刺で赤芽球系の異常増殖を認めた 経過観察したところ第 21 病日に Hb8.4 g/dl と自然軽快した 添付資料番号

141 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 No. 年齢 性別 ( その他 ) 9 49 歳男性 歳男性 歳男性 ( 慢性 C 型肝炎 ) 歳男性 表 国内成人症例報告 ( 静脈内投与 ) の有害事象 ( 続き ) 投与量 計 0.83 mg/kg c (10 mg 5 回 ) 30 分かけて投与 初回 ( ): 1.2 mg/kg(60 mg) 1 時間かけて投与 2 回目 ( 胃管投与 ): 4.8 mg/kg(250 mg) 2 mg/kg(1%) 1.2 mg/kg c (70 mg 1%) c : 体重 60 kg と想定した換算 MetHb 血症の原因物質 プロパニル ( スタム乳剤 ) アニリンオルソトルイジン プロパニル ( スタム乳剤 ) 自動車の排気ガス 投与経路 + 胃管投与 安全性 MB 投与後 MetHb 濃度が再上昇した MB 投与後 MetHb 濃度が再上昇した MB 投与前に糖尿病 狭心症 慢性 C 型肝炎を併発していた MB 投与後 MetHb 血症は一時的に改善したが 意識障害は改善せず 頭部 MRI では低酸素血症によると思われる両側淡蒼球の壊死を示唆する所見を認めた 徐々に呼吸不全の進行を認め 入院 4 日目に死亡した 第 2 病日から遅発性肺水腫がみられた 酸素投与で徐々に改善した 添付資料番号 表 国内小児症例報告 ( 静脈内投与 ) の有害事象 No. 年齢 性別 ( その他 ) 投与量 MetHb 血症の原因物質 投与経路 安全性 添付資料番号 1 41 週齢女児 1 mg/kg 8 分かけて投与 一酸化窒素 患者の尿は 3 日間青く染まり 皮膚は 1 ヵ月間濃褐色であった 死亡 DS-2207b 製剤第 III 相試験 無作為化比較試験 及びプロスペクティブ試験では死亡例の発現及び報告はなかった レトロスペクティブ研究では 8 名 (21~91 歳 男性 1 名 / 女性 7 名 ) の死亡が報告された 死因は 多臓器不全 6 名 急性腎不全 1 名 代謝性アシドーシス及び溶血性貧血 1 名であり MB の投与との関連性は不明であった AAPCCの報告では 1220 名中 5 名 ( 年齢 性別不明 ) が MB 投与に関連した腎不全で死亡した その他 29 名 ( 年齢不明 男性 20 名 / 女性 9 名 ) の死亡が報告されたが MB 投与との関連性は不明であった レビュー文献では MetHb 血症患者において 4 名 (3ヵ月齢 ~52 歳 男性 2 名 / 女性 1 名 性別不明 1 名 ) の死亡が報告されたが MB 投与との関連性は不明であった 34

142 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 海外症例報告では MB の静脈内投与による死亡が 9 名 (4 ヵ月齢 ~78 歳 男性 9 名 年齢不 明 1 名 ) であった また 国内症例報告では MB の静脈内投与による死亡が 2 名 (42 歳男性 及び 56 歳男性 ) であった No. 年齢 性別または報告例数 レトロスペクティブ研究 1 表 死亡例一覧 ( 症例報告以外 ) 21 歳女性 25 日目に死亡 多臓器不全 62 歳女性 8 日目に死亡 多臓器不全 68 歳男性 16 日目に死亡 急性腎不全 71 歳女性 2 日目に死亡 多臓器不全 77 歳女性 7 日目に死亡 多臓器不全 80 歳女性 16 日目に死亡 多臓器不全 経過と死因 83 歳女性 7 日目に死亡 代謝性アシドーシス 溶血性貧血 91 歳女性 12 日目に死亡 多臓器不全 米国使用実態調査 5 名 ( 性別不明 ) MB 治療に関連していると考察される腎不全 2 29 名 ( 男性 20 名 女性 9 名 ) レビュー文献 3 30 歳男性 24 歳女性 4 52 歳男性 5 3 ヵ月齢 ( 性別不明 ) 死因に関する詳細情報なし MB に起因したか否かは不明 薬物使用後心停止し 蘇生段階で MB が 20 mg 投与されたが死亡 薬物使用後心停止し 蘇生後に MB が 90 mg 投与されたが 高熱と横紋筋融解症が発現し入院 2 日後に死亡 MB の投与後に 呼吸不全 腎不全 肝機能障害 精神状態悪化が発現し 心停止で死亡 MB を投与したが 熱傷を負ってから 3 日後に死亡 検死にて体表 75% 以上で第 1 度及び第 2 度の熱傷 敗血症 播種性血管内凝固症候群 及び広範な低酸素の徴候が観察された 添付資料番号

143 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 No. 1 年齢 性別 ( その他 ) 4 ヵ月齢男児 ( 双生児 ) 2 18 歳男性 3 20 歳男性 4 30 歳男性 5 45 歳男性 6 46 歳男性 7 76 歳男性 8 78 歳男性 9 年齢不明男性 (G6PD 及び NADH チトクロム b5 レダクターゼ欠損症 慢性腎不全 ) 表 mg 投与量 1 mg/kg(1%) 4 回 (24 時間ごと ) 1.7 mg/kg c (100 mg) 2 回 0.3 mg/kg c (20 mg) 初回 : 8 mg/kg c (50 ml 1%) 2 回目 : 7 mg/kg c (40 ml 1%) 1 mg/kg(1%) 5 分かけて投与 6 回 0.8 mg/kg c (50 mg) 4 分かけて投与 5 回計 4.2 mg/kg c (250 mg) 1.3 mg/kg c (80 mg) 初回 : 1 mg/kg c (60 mg) 2 回目 (2 時間後 ): 0.7 mg/kg c (40 mg) c : 体重 60 kg と想定した換算値 海外症例報告 ( 静脈内投与 ) の死亡例 MetHb 血症の原因物質 亜硝酸エチル 溶剤 ラッカーシンナー ( 溶剤 ) 亜硝酸イソブチル シアン化水素酸 リン化アルミニウム 亜硝酸ナトリウム 塩素酸ナトリウム メトクロプラミド 投与経路 経過及び死因 MB 投与 12 時間後に低酸素血症で死亡した MB の 2 回目投与後発作が起き チアノーゼが続いたため 3 回目投与を行った 4 回目の投与時には重度の溶血が起こり異常赤血球が多数観察された その後 Hb が低下し続け 交換輸血を行ったが急性腎不全と心不全により死亡した MB を投与したが チアノーゼの改善が認められず 30 分後に再投与した 2 回目投与後の MetHb 濃度は 78.6% であった 来院 3 時間後に心停止で死亡した 添付資料番号 死亡した 症状が悪化し死亡した MB 無効で死亡した 入院時には既に心停止しており 1 時間蘇生を試みたが死亡した MetHb 血症発症時に高血圧を併発していた MB 投与後 MetHb 血症が急激に悪化し 昏睡状態となった 入院 30 分以内に死亡した MetHb 血症発症時に慢性腎不全を併発していた MB 初回投与後 意識レベルが低下し 2 回目の投与後 症状は急速に悪化し チアノーゼ発症の 12 時間後に死亡 死亡数時間前の血液検査では明らかな溶血が認められた

144 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 表 No. 性別年齢投与量 1 42 歳男性 2 56 歳男性 ( 慢性 C 型肝炎 ) 初回 : 2 mg/kg (160 mg) 2 3 回目 : 2.5 mg/kg (200 mg) 2 mg/kg(1%) c : 体重 60 kg と想定した換算値 国内症例報告 ( 静脈内投与 ) の死亡例 MetHb 血症の原因物質 プロパニル ( アニリン系複合除草剤 ) プロパニル ( スタム乳剤 ) 投与経路 安全性 MB 投与後いったん MetHb 濃度は低下したが 第 4 病日目には MetHb 血症の継続を示した 腎機能 肝機能は進行性に悪化し 第 5 病日には溶血性貧血の像を呈し 多臓器不全にて死亡した MB 投与前に糖尿病 狭心症 慢性 C 型肝炎を併発していた MB 投与後 MetHb 血症は一時的に改善したが 意識障害は改善せず 頭部 MRI では低酸素血症によると思われる両側淡蒼球の壊死を示唆する所見を認めた 徐々に呼吸不全の進行を認め 入院 4 日目に死亡した 添付資料番号 その他の重篤な有害事象 DS-2207b 製剤第 III 相試験 無作為化比較試験 プロスペクティブ試験 レトロスペクティブ研究 及び AAPCCの使用実態調査では 重篤な有害事象の報告はなかった レビュー文献では 重篤な有害事象として記載された症例が 1 名あり MBを過量投与した小児に重篤なハインツ小体性溶血性貧血が発現した 症例報告では MBの静脈内投与による重篤な有害事象として記載された症例が 3 名あり 3 歳男児の重篤なチアノーゼ 25 歳男性の重篤な呼吸不全 ( 肺水腫及び肺出血 ) 及び急性腎不全 29 歳男性の重篤な溶血及び溶血性貧血が発現した 以上の結果より MBの静脈内投与と関連した重篤な有害事象の詳細は十分に明らかにされなかったが チアノーゼの悪化 溶血性貧血及び MetHb 血症の再燃等による臓器障害が発現することが確認された 37

145 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 No. 年齢性別 レビュー文献 1 小児 1 名 ( 詳細不明 ) 症例報告 ( 静脈内投与 ) 1 3 歳男児 2 25 歳男性 3 29 歳男性 投与量 表 MetHb 血症の原因物質 重篤な有害事象一覧 投与経路 不明不明不明 初回 : 2 mg/kg (30 ml 0.1%) 12 分かけて投与 2 回目 : 20 ml(0.1%) 初回 : 4.2 mg/kg c (250 mg) 数回に分けて投与以降 5 回追加投与 ( 用量不明 ) 初回 : 4.2 mg/kg c (250 mg) 2 回に分けて bolus 投与 2 回目 : 2.5 mg/kg c (150 mg)bolus 投与以降 2 回用量不明を bolus 投与その後 7 mg/h 徐々に 3 mg/h に減らしていき 計 7 日間持続投与を行った c : 体重 60 kg と想定した換算値 ダプソン 亜塩素酸ナトリウム ダプソン 安全性 G6PD 値が正常値である小児に MB 10 mg/kg の偶発的過量投与を行った結果 重篤なハインツ小体性溶血性貧血が観察された 4~5 時間にわたって心臓障害を引き起こす程重篤なチアノーゼを発症した 入院後 3 週間にわたり Hb 値と白血球数の変動が見られた MB 投与後ひどい溶血と播種性血管内凝固症候群がみられ Hb は 7.1 g/100 ml に低下し血小板数は 30,000/mm 3 となった 続く数日間 肺水腫と肺出血による重篤な呼吸不全がみられ 心停止もしたが蘇生した その間大腸菌の敗血症もみられた その後の回復期も急性腎不全と水分過負荷が起こり 経皮的腎臓生検の結果からリンパ球の急性尿細管間質性変化浸潤 重篤な間質性浮腫 出血及び壊死による細管の障害が観察された 持続性の高窒素血症のため血液透析を続け 入院してから 2 ヵ月後に回復し 退院した MB 投与後 MetHb 濃度が上昇した MB 7 日間持続投与中 5 日間で Hb 濃度が 12.4 g/l から 6.4 g/l に低下し 重篤な溶血と溶血性貧血がみられた 添付資料番号

146 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 その他の重要な有害事象 DS-2207b 製剤第 III 相試験 無作為化比較試験 プロスペクティブ試験 レトロスペクティブ研究 MetHb 血症治療への MB 投与に関する文献 ( レビュー文献 及び AAPCCの使用実態調査 ) 並びに海外及び国内の症例報告 ( 静脈内投与 ) において 重要な有害事象の記載はなかった また Provepharm 社の PSURにおいても重要な有害事象はなかった したがって その他の重要な有害事象 については評価しなかった 器官別又は症候群別有害事象の解析 DS-2207b 製剤第 III 相試験 MB 投与による無作為化比較試験 プロスペクティブ試験 レトロスペクティブ研究 症例報告 ( 静脈内投与 ) 及び AAPCCの使用実態調査で報告された有害事象について 海外 国内別に器官別又は症候群別有害事象の集計を行った ( 表 表 ) なお レビュー文献は他の試験や症例報告と症例情報が重複することから これらは器官別又は症候群別有害事象の集計対象とはしなかった 集計の結果 海外での MB 静脈内投与時の主な有害事象は 臨床検査並びに血液及びリンパ系障害であった PT では血中メトヘモグロビン陽性が 27 名 腎不全が 20 名 死亡が 17 名 溶血 及び溶血性貧血が 15 名 悪心が 11 名 チアノーゼが 8 名であった 国内では MB 静脈内投与時の主な有害事象は 海外と同様 臨床検査並びに血液及びリンパ系障害であった PTでは溶血性貧血 血中メトヘモグロビン陽性 ヘモグロビン減少が各 3 名 赤血球異常 貧血 肝機能異常 死亡が各 2 名であった 表 文献の有害事象一覧 ( 海外 : 静脈内投与 ) 器官別大分類基本語論文中の事象名 発現被験者数 添付資料番号 感染症および寄生虫症膿性痰膿性痰 血液およびリンパ系障害溶血 MedDRA ver.16.1 胃腸炎出血性胃腸結腸炎 敗血症敗血症 鼻咽頭炎鼻咽頭炎 細菌性尿路感染細菌性尿路感染 溶血 酸化ストレス誘発性溶血 , , , , , , , , , , , , ,

147 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 表 文献の有害事象一覧 ( 海外 : 静脈内投与 ) ( 続き ) 器官別大分類基本語論文中の事象名 血液およびリンパ系障害 ( 続き ) 発現被験者数 添付資料番号 血管内溶血血管内溶血 溶血性貧血溶血性貧血 15 ハインツ小体 ハインツ小体貧血 メトヘモグロビン血症 スルホヘモグロビン血症 ハインツ小体形成 ハインツ小体出現 ハインツ小体増加 ハインツ小体性溶血性貧血 MetHb 血症 MetHb 血症再発 遅延性スルホヘモグロビン血症 播種性血管内凝固播種性血管内凝固 , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , 赤血球生成異常異常赤血球増加 赤血球異常破砕赤血球の存在 小赤血球症小赤血球症 多染性多染性赤血球症 好中球増加症好中球増加症 網状赤血球増加症網状赤血球増加症 リンパ球浸潤 リンパ球の急性尿細管間質性変化浸潤 貧血貧血 , 新生児赤血球増加症新生児赤血球増加症 内分泌障害副腎機能不全副腎機能不全 MedDRA ver.16.1 副腎障害副腎卒中

148 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 表 文献の有害事象一覧 ( 海外 : 静脈内投与 ) ( 続き ) 器官別大分類基本語論文中の事象名 発現被験者数 添付資料番号 代謝および栄養障害食欲減退食欲不振 アシドーシスアシドーシス 代謝性アシドーシス代謝性アシドーシス , , 水分過負荷水分過負担 低カリウム血症低カリウム血症 精神障害失見当識方向感覚喪失 激越激越 , , 幻覚幻覚 錯乱状態錯乱 落ち着きのなさ 落ち着きがない (restless) 無感情無気力 不穏不穏 , 不安不安 恐怖症光恐怖症 うつ病新生児のうつ状態 睡眠障害睡眠障害 自殺行為自殺行為 自殺念慮自殺念慮 神経系障害浮動性めまいめまい (diziness) 3 MedDRA ver , , 眼振眼振 頭痛頭痛 , , 振戦振戦 痙攣痙攣 , 反射亢進反射亢進 運動失調運動失調 昏睡昏睡状態 意識レベルの低下意識レベル低下 灼熱感 軽微な灼熱感 口及び指先の不快な灼熱感 , 失語症失語 刺激無反応無反応 大発作痙攣強直間代発作 嗜眠嗜眠

149 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 表 文献の有害事象一覧 ( 海外 : 静脈内投与 ) ( 続き ) 器官別大分類基本語論文中の事象名 発現被験者数 添付資料番号 眼障害結膜蒼白結膜蒼白 散瞳散瞳 視神経乳頭辺縁不鮮明 右視神経乳頭辺縁不鮮明 心臓障害頻脈頻脈 , 徐脈徐脈 チアノーゼチアノーゼ , , , , , , , 急性心不全心不全 心障害心臓障害 心停止心停止 , 血管障害低血圧低血圧 呼吸器 胸郭および縦隔障害 不安定血圧血圧不安定 低酸素症低酸素血症 肺水腫肺水腫 呼吸不全呼吸不全 呼吸困難呼吸困難 頻呼吸頻呼吸 肺出血肺出血 咳嗽咳嗽 鼻出血鼻出血 肺障害肺拡大 胃腸障害嘔吐嘔吐 5 MedDRA ver.16.1 悪心嘔気 吐気 悪心 , , , , , , , , , 腹痛疝痛性腹痛 腹壁血腫腹壁血腫 上部腹部痛心窩部痛 吐血吐血 メレナメレナ 下痢下痢

150 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 表 文献の有害事象一覧 ( 海外 : 静脈内投与 ) ( 続き ) 器官別大分類基本語論文中の事象名 発現被験者数 添付資料番号 胃腸障害 ( 続き ) 変色便暗青色排便 胃粘膜病変胃粘膜病変 肝胆道系障害黄疸黄疸 , , , , , , 急性肝不全急性肝不全 肝損傷急性肝実質損傷 高ビリルビン血症高ビリルビン血症 皮膚および皮下組織障害多汗症発汗 7 筋骨格系および結合組織障害 腎および尿路障害 MedDRA ver.16.1 皮膚変色 皮膚の青色化 皮膚の薄鈍色化 皮膚の灰青色化 皮膚変色 , , , , 日光皮膚炎紅斑 ( 光毒性による ) 水疱水疱 筋骨格不快感肩甲帯不快感 筋骨格硬直頚部硬直 着色尿 青色尿 青緑色尿 ( 新生児 ) 茶色尿 暗赤色尿 急性腎不全急性腎不全 4 腎不全腎不全 , , , , , , , 腎出血出血 尿細管間質性浮腫間質性浮腫 高窒素血症高窒素血症 無尿無尿 乏尿乏尿症 肋骨脊柱角圧痛両腎側の圧痛 腎尿細管障害細管の障害 腎尿細管壊死壊死 腎障害腎障害

151 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 表 文献の有害事象一覧 ( 海外 : 静脈内投与 ) ( 続き ) 器官別大分類基本語論文中の事象名 一般 全身障害および投与部位の状態 発現被験者数 添付資料番号 評価不能の事象血管青色変色 壊死ネクローシス 疲労疲労 注射部位変色注射部位の変色 死亡死亡 , , , , , , , , , 多臓器不全多臓器不全 無力症全身性脱力 評価不能の事象オムツ青色 臨床検査尿量減少尿量減少 MedDRA ver.16.1 血中メトヘモグロビン陽性 血中ビリルビン増加 MetHb 値上昇 27 ビリルビン増加 総ビリルビン増加 , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , ,

152 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 臨床検査 ( 続き ) 表 文献の有害事象一覧 ( 海外 : 静脈内投与 ) ( 続き ) 器官別大分類基本語論文中の事象名 MedDRA ver.16.1 発現被験者数 網状赤血球数増加網赤血球増加 6 ヘモグロビン減少 Hb 値低下 Hb 濃度低下 7 添付資料番号 , , , , , , , , , , ヘモグロビン異常 Hb 変動 白血球数異常白血球数変動 ヘマトクリット減少ヘマトクリット低下 3 血中乳酸脱水素酵素増加 酸素飽和度低下 LDH 増加 4 SpO 2 低下 動脈血酸素飽和度低下 , , , , , , , , 血清鉄増加血清鉄増加 ハプトグロビン減少ハプトグロビンの低下 2 肝酵素上昇 アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加 アラニンアミノトランスフェラーゼ増加 トランスアミラーゼの軽度増加 アミノトランスフェラーゼ上昇 , , AST 増加 ALT 増加 血中アルブミン減少アルブミン低下 プロトロンビン時間延長 プロトロンビン時間延長 抱合ビリルビン増加抱合型ビリルビン増加 脳波異常 二波長指数減少電気的活動抑制 , 血圧上昇血圧上昇 季肋下肝触知肝臓触知 脾触知脾触知 心拍数増加心拍数増加 血中クレアチンホスホキナーゼ増加 血中クレアチンホスホキナーゼ増加

153 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 表 文献の有害事象一覧 ( 海外 : 静脈内投与 ) ( 続き ) 器官別大分類基本語文献中の事象名 傷害 中毒および処置合併症 発現被験者数 添付資料番号 妊娠時の胎児の曝露 MB の胎児への移行 外科および内科処置気管切開気管切開 MedDRA ver.16.1 表 文献の有害事象一覧 ( 国内 : 静脈内投与 ) 器官別大分類基本語文献中の事象名 発現被験者数 添付資料番号 血液及びリンパ系障害赤血球異常 Bite cell 溶血溶血 溶血性貧血溶血性貧血 , , メトヘモグロビン血症 MetHb 血症の継続 貧血貧血 神経系障害大脳基底核変性淡蒼球の壊死 呼吸器 胸郭および縦隔障害 肺水腫遅発性肺水腫 低酸素症低酸素血症 呼吸不全呼吸不全 肝胆道系障害肝機能異常肝機能障害 肝機能悪化 , 皮膚及び皮下組織障害皮膚変色皮膚が濃褐色 腎及び尿路障害着色尿青い尿 一般 全身障害及び投与部位の状態 腎機能障害腎機能悪化 死亡死亡 , 多臓器不全多臓器不全 臨床検査血圧上昇血圧上昇 MedDRA ver.16.1 血中メトヘモグロビン陽性 MetHb 値上昇 , , ヘモグロビン減少 Hb 低下 網状赤血球数増加網赤血球増加 ハプトグロブリン低下 ハプトグロブリンの低下 赤芽球数増加赤芽球系の異常増殖 アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加 アラニンアミノトランスフェラーゼ増加 血中クレアチンホスホキナーゼ増加 GOT 上昇 GPT 上昇 CPK(MM) 上昇

154 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 2.2 個別有害事象の文章による説明 DS-2207b 製剤第 III 相試験では有害事象がなかった 無作為化比較試験 プロスペクティブ試験 レトロスペクティブ研究 MetHb 血症治療への MB 投与に関する文献 ( レビュー文献 及び AAPCCの使用実態調査 ) での有害事象は に記載した また MBの静脈内投与によって発現した個別の有害事象の概略については 海外及び国内の症例報告として 表 ~ 表 に記載した 3. 臨床検査値の評価 DS-2207b 製剤第 III 相試験 無作為化比較試験 及びレトロスペクティブ研究では臨床検査値に関する有害事象はなかった プロスペクティブ試験 及び症例報告で報告された有害事象について 海外 国内別に臨床検査関連の有害事象の集計を行なった結果 海外での MB 静脈内投与時の有害事象は ヘモグロビン減少が 7 名 酸素飽和度低下が 5 名 血中ビリルビン増加 網状赤血球数増加が各 6 名であった ( 表 ) 国内での MB 静脈内投与時の臨床検査値関連の有害事象は ヘモグロビン減少が 3 名 その他網状赤血球数増加 ハプトグロブリン低下等であった ( 表 ) 4. バイタルサイン 身体的所見及び安全性に関連する他の観察項目 DS-2207b 製剤第 III 相試験 無作為化比較試験 プロスペクティブ試験及びレトロスペクティブ研究ではバイタルサイン 身体的所見及び安全性に関する他の観察項目に関して詳細な記載はなかった 海外及び国内の症例報告では MBの静脈内投与後に血圧上昇 頻脈が各 2 名 徐脈 低血圧 不安定血圧 心拍数増加が各 1 名に発現した ( 表 表 ) 5. 特別な患者集団及び状況下における安全性特別な患者集団及び状況下における安全性について記載された症例は 教科書 レビュー文献及び症例報告等にあった したがって それらの情報から有害事象を発現する内因性及び外因性要因について概略を以下にまとめた 5.1 内因性要因 小児 ( 新生児 乳児 及び幼児を含む ) 海外及び国内の教科書には 新生児への投与は用量に注意を払う必要があると記載されているが 新生児や小児に発現する特有の有害事象の記載はなかったことから 成人と類似した有害事象が発現することが推察されている 小児ダプソン中毒患者 (38~61ヵ月齢) に 2 mg/kgの MB を間欠静脈内投与又は持続静脈内投与した無作為化比較試験では 持続静脈内投与した 2 名にスルホヘモグロビン血症が起こ 47

155 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 り チアノーゼの消失に時間を要した ( ) プロスペクティブ試験では 新生児に 1~1.6 mg/kg の MB を静脈内投与すると 併用治療として輸血頻度が増加することが報告された ( ) レビュー文献では 1.0 mg/kg の MBを静脈内投与された 1 日齢の新生児に MB 投与に起因する溶血が観察された ( ) 海外及び国内の症例報告では MB の静脈内投与により小児に発現した有害事象が記載された文献は海外 17 報 17 名及び国内 1 報 1 名あった ( 表 表 ) MB の静脈内投与により新生児 (0~27 日齢 ) に発現した有害事象が記載された症例報告は 1 報 1 名であり 溶血性貧血 皮膚変色 着色尿 痙攣 食欲減退が発現した 乳児 (28 日齢 ~3 ヵ月齢 ) では 2 報 2 名あり 溶血性貧血 チアノーゼ 下痢 黄疸 嗜眠の有害事象が発現した また 幼児 (4~23ヵ月齢) 及び小児 (2~11 歳 ) では 13 報 13 名 ( 国内症例報告 1 報 1 名含む ) あり MetHb 濃度上昇 チアノーゼ 皮膚変色等が報告された 48

156 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 No 年齢 性別 ( その他 ) 2 週齢男児 ( 重度の小頭症 ) 1 ヵ月齢男児 1 ヵ月齢男児 4 ヵ月齢男児 ( 双生児 ) 8.5 ヵ月齢女児 13 ヵ月齢女児 表 海外小児有害事象発現例 ( 静脈内投与 ) 投与量 初回 : 0.75 ml(5%) 数分かけて投与 2 回目 : 0.75 ml(5%) 初回 : 1 ml(5%) 2 回目 : 0.75 ml(5%) 2 mg/kg 10 mg 初回 : 1 mg/kg 5 分かけて投与その後 1 mg/kg 2 回 初回 : 1 mg/kg 2 回目 : ほぼ同量 MetHb 血症の原因物質 - 井戸水 ( 硝酸塩 ) - ( 腎尿細管アシドーシス ) 亜硝酸エチル フェナゾピリジンの過剰摂取及びアニリンの生成 フェナゾピリジン塩酸塩 投与経路 安全性 実験的に MB を投与した例 MB 投与後 皮膚色が著明に青みを帯びた 1 時間後 皮膚色は徐々に改善し 2.5 時間後には少し灰青色がかった程度になった ここで 2 回目の投与を行うとすぐに皮膚色がひどく灰青色になった 30 分後 若干の改善が見られたが 1 時間後 耳を除く全身がひどい灰青色になった 初回投与 15 分後の尿は透明であったが その後 4 日間にわたって尿は青色であった 投与日の夜間に時折痙攣を起こし 数日間にわたって食欲がなかった 4 日後に皮膚色がほぼ正常となった 投与の約 1 週間後に急性溶血性貧血を発症した MB 投与 5 日後に軽度の黄疸が認められた MB 投与 8 日後に溶血性貧血を発症した 輸血を実施し 輸血を実施した日の 14 日後に回復した 下痢は MB 投与 15 日後まで続いた 5 日後に進行性のチアノーゼ及び嗜眠のため再入院し MetHb 濃度は 21% であった 炭酸水素ナトリウム クエン酸ナトリウム 及びクエン酸を投与で回復した MB 投与 12 時間後に低酸素血症で死亡した MB 投与後 MetHb 濃度が再上昇した MB 2 回目投与後 オムツが青色に色づいたことが確認された MB 投与前に指の幅 1 つ半の肝腫大が触知された 入院 4 日目に溶血性貧血を発症した 添付資料番号

157 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 No 年齢 性別 ( その他 ) 14 ヵ月齢女児 15 ヵ月齢女児 16 ヵ月齢男児 16 ヵ月齢女児 26 ヵ月齢男児 (G6PD 欠損症 ) 12 3 歳男児 表 海外小児有害事象発現例 ( 静脈内投与 ) ( 続き ) 投与量 初回 : 2 mg/kg 2~6 回目 : 0.5~ 1 mg/kg 以降 1 mg/h を持続投与 30 mg 初回 : 2 mg/kg 2~4 回目 : 1.5 mg/kg 初回 : 18 mg 4 分かけて投与 2 回目 : 15 mg 2 mg/kg 2 回 初回 : 2 mg/kg (30 ml 0.1%) 12 分かけて投与 2 回目 : 20 ml(0.1%) MetHb 血症の原因物質 ダプソン フェニルアゾピリジン フェナゾピリジン ダプソン ニトロエタン ダプソン 投与経路 13 3 歳男児 1 g 10 ml - 安全性 MB 投与後 MetHb 濃度が上昇した 入院 2 日目に右肋骨縁下方 8 cm で肝臓が触知された ( 入院時には触知されなかった ) 肥大は次第に消失し 入院 18 日目の退院時には肝臓の端がわずかに触知できるにとどまった MB 投与後 MetHb 濃度が上昇した MB 初回投与後 頻脈及び小赤血球症が認められた MB 投与後 MetHb 濃度が上昇した MB 投与後 MetHb 濃度は上昇し 無気力と運動失調が進行し 酸素飽和度は 70% であった 全血交換により MetHb 濃度は 11.7% になるが 7 時間以内に 31.7% に上昇した 11 時間後の MetHb 濃度は 31.8% であったが赤血球交換により 7% になり チアノーゼが消失 心機能は改善し 酸素飽和度も 100% に回復した 退院時の MetHb 濃度は 0.4% であった 4~5 時間にわたって心臓障害を引き起こす程重篤なチアノーゼを発症した 入院後 3 週間にわたり Hb 値と白血球数の変動が見られた 尿管皮膚瘻の手術時に MB を投与した 投与後急激に心拍数が増加し (120/min) 強いチアノーゼがみられた 血圧は 80/50torr で X 線写真から両肺の拡大が観察された 患者の皮膚は 6 日間青色に強く染まり 4 日間暗青色の排便があった 投与 7 日後に回復し わずかに青みがかった肌ではあったが退院した 添付資料番号

158 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 No. 年齢 性別 ( その他 ) 歳女児 歳女児 歳女児 歳女児 表 海外小児有害事象発現例 ( 静脈内投与 ) ( 続き ) 投与量 初回 : 1 mg/kg 5 分かけて投与 2 回目 : 1 mg/kg 初回 : 1.5 mg/kg 2 回目 : 1.5 mg/kg 3 回目 : 2 mg/kg 初回 : 90 mg その後 48 時間の間に計約 8 mg/kg を 7 回に分けて投与 初回 : 150 mg 3 回に分けて投与以降 0.1 mg/kg/h で持続投与 MetHb 血症の原因物質 ダプソン アニリン ダプソン ダプソン 投与経路 安全性 MB 投与後 MetHb 濃度が上昇した MB 投与後 MetHb 濃度が上昇した MB 投与後 MetHb 濃度が上昇した 入院 4~5 日目に血漿ビリルビン及び乳酸脱水素酵素 (LDH) が上昇したため 輸血を実施した 黄疸及び溶血は入院 12 日目まで続いた MB 投与後 MetHb 濃度が再上昇した 入院 4 日目に貧血及び網状赤血球増加症を発症し 濃厚赤血球の輸血を受けた 添付資料番号 No. 1 性別 年齢 ( その他 ) 41 週齢女児 表 国内小児有害事象発現例 ( 静脈内投与 ) 投与量 1 mg/kg 8 分かけて投与 MetHb 血症の原因物質 一酸化窒素 投与経路 安全性 患者の尿は 3 日間青く染まり 皮膚は 1 ヵ月間濃褐色であった 添付資料番号 高齢者 (65 歳以上 ) 海外及び国内の教科書には 高齢者特有の有害事象は記載されていなかったことから 65 歳以下の成人と類似した有害事象が発現することが推察されている レトロスペクティブ研究では ダプソン中毒で MetHb 血症を発症した患者の臨床的特性を分析し 死亡率に関連したリスク因子を特定するために MB が静脈内投与された患者を 55 歳以下の若年者群と 56 歳以上の高齢者群のデータを 2 群に分けて統計学的に比較した報告があった その結果 死亡率は若年者群より高齢者群 (56 歳以上 ) でより高く (P = 0.009) ショックの発現 ( 収縮期血圧が 90 mmhg 未満 と定義 ) も高齢者群 (56 歳以上 ) で顕著であった ( ) 海外の症例報告では MB 静脈内投与時に 65 歳以上の高齢者に発現した有害事象が記載された文献は 15 報 15 名であり ( 表 ) 国内の症例報告ではなかった 高齢者に MBを静脈内投与した時の主な有害事象は MetHb 濃度上昇 (4 名 ) MetHb 血症 (2 名 ) アシドーシス(2 名 ) であった 51

159 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 No 年齢 性別 ( その他 ) 66 歳女性 ( クロミプラミン併用 ) 66 歳女性 (SSRI 併用 ) 67 歳男性 (SNRI 併用 ) 4 68 歳女性 表 海外高齢者有害事象発現例 ( 静脈内投与 ) 投与量 6.2 mg/kg c (370 mg 500 ml) 継続投与 0.7 mg/kg(50 mg) 2 回 5 時間空けて投与 7.5 mg/kg(1000 mg) 1 時間かけて投与 1 mg/kg 3 分かけて投与 5 69 歳男性 1 mg/kg 3 回 6 69 歳女性 ( 腎機能低下 ) 7 71 歳女性 8 71 歳女性 1 mg/kg 9 72 歳男性 1 mg/kg c (60 mg) 2 回 初回 : 0.8 mg/kg c (5 ml 1%) その後 0.8 mg/kg c (5 ml 1%) ずつ 4 回 1.5 mg/kg(1%) 5 分かけて投与 2 回 ( ) mg(1.7 mg/kg c ) 3 回 / 日 ( 経口 ) c : 体重 60 kg と想定した換算値 MetHb 血症の原因物質 投与経路 安全性 副甲状腺摘出術時に MB を投与した 錯乱 激越 四肢に痙攣様の動きが発生したが 4 日後には回復した イホスファミド脳症に対して MB を投与し 初回投与直後に方向感覚喪失 激越 失語 散瞳 反射亢進などの症状が発生した 5 時間後の MB の 2 回目投与で無反応 頻呼吸 頻脈 アシドーシスが認められたため SSRI 及び MB の投与を中止した 63 日後に症状は回復した セロトニン症候群例 副甲状腺摘出時に MB を投与し 振戦 発汗 眼振が発現した リバビリを実施し 3 日後に退院した 添付資料番号 ダプソン副腎卒中が認められた ベンゾカイン ダプソン ダプソン インドキサカルブ セレコキシブ + 経口 当初 62% だった酸素飽和度は 初回投与 40 分後に 52% となった 3 回目投与 1 時間後に 80% 翌日には 97% に回復した MB 投与後 MetHb 濃度が上昇した MB 投与後 二波長指数の急激な減少及び血圧上昇が認められた MetHb 血症発症時に糖尿病及び高血圧を併発していた MB 投与後に乏尿症が進行して無尿となった アニオンギャップ増加性代謝性アシドーシスの悪化及び急性腎不全がみられた MB 投与後 MetHb 濃度が上昇した

160 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 No. 年齢 性別 ( その他 ) 歳女性 11 表 海外高齢者有害事象発現例 ( 静脈内投与 ) ( 続き ) 3 名 ( 歳女性 ) 歳男性 歳女性 投与量 2 mg/kg 5 分かけて投与 MetHb 血症の原因物質 ベンゾカイン 投与経路 5 mg/kg mg/kg c (50 mg) 4 分かけて投与 5 回計 4.2 mg/kg c (250 mg) 0.8 mg/kg c (50 mg 1%) 5 分かけて投与 歳男性 1.3 mg/kg c (80 mg) 歳男性 初回 : 1.7 mg/kg c (100 mg) 2 回目 : 1.1 mg/kg (80 mg) 3 回目 : 1.1 mg/kg (80 mg) c : 体重 60 kg と想定した換算値 亜硝酸ナトリウム ベンゾカイン 塩素酸ナトリウム ベンゾカイン 安全性 MB 投与後 MetHb 濃度が上昇した 副甲状腺摘出時に明視化のため MB を投与した 紅斑が首又は指先に発現した 1~4 週間で改善したが 著者らは MB の光毒性に起因したと結論づけた 入院時には既に心停止しており 1 時間蘇生を試みたが死亡した 発症から 21 日目に再び MetHb 血症を発症したが MB 投与せず回復した MetHb 血症発症時に高血圧を併発していた MB 投与後 MetHb 血症が急激に悪化し 昏睡状態となった 入院 30 分以内に死亡した MB 投与後 MetHb 濃度が再上昇した MB 3 回目投与後 48 時間にわたり血圧不安定が認められ 心拍出量を維持するため人工呼吸器を必要とした 入院 3 日目に強直間代発作を呈し 脳波検査にて広汎性低酸素性 ( 脳 ) 傷害に伴う電気的活動抑制と判明した 12 日目に抜管したが 最初の事象から 2 ヵ月後に安定した状態で高度看護施設に転院した 添付資料番号 腎機能障害を有する患者海外及び国内の教科書には MB が腎臓で排泄されることから 腎機能が低下した患者への投与には注意を払う必要があり 特に 高度の腎機能障害患者に対しては MB の投与を避けることを推奨している ( ) レビュー文献では 腎機能障害を有する患者に投与した報告は認められなかったが AAPCC の使用実績調査では 1220 名のうち 16 名には MBによる腎不全が発現し 5 名が死亡した MB の静脈内投与により腎機能障害を有する患者に発現した有害事象は 海外の症例報告で 3 報 3 名あり 国内の症例報告ではなかった ( 表 ) 急性腎不全を併発していた 1 名 (46 歳男性 ) で溶血性貧血 腎機能低下者 1 名 (69 歳女性 ) 53

161 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 で MetHb 濃度の上昇が発現した また慢性腎不全を併発していた男性 1 名は G6PD 及び NADH チトクロム b5 レダクターゼ欠損患者であり MB 投与後 意識レベルの低下 チアノ ーゼ 及び溶血が認められ MetHb 血症の症状悪化が原因で死亡した No. 表 腎機能障害を有する患者に発現した有害事象 ( 静脈内投与 ) 年齢 性別 ( その他 ) 海外症例報告 投与量 1 46 歳男性 1 mg/kg(70 mg) 2 69 歳女性 3 年齢不明男性 1 mg/kg c (60 mg) 2 回 初回 : 1 mg/kg c (60 mg) 2 回目 (2 時間後 ): 0.7 mg/kg c (40 mg) c : 体重 60 kg と想定した換算値 合併症 急性腎不全 腎機能低下 G6PD 及び NADH チトクロム b5 レダクターゼ欠損症 慢性腎不全 投与経路 安全性 MetHb 血症発症時に急性腎不全を併発していた MB 投与後に溶血性貧血が観察された MB 投与後 MetHb 濃度が上昇した MetHb 血症発症時に慢性腎不全を併発していた MB 初回投与後 意識レベルが低下し 2 回目の投与後 症状は急速に悪化し チアノーゼ発症の 12 時間後に死亡 死亡数時間前の血液検査では明らかな溶血が認められた 添付資料番号 肝機能障害を有する患者海外及び国内の教科書には 肝機能障害患者へ MB 投与を投与する時の注意事項はなかった また レビュー文献にも該当する報告はなかった MB の静脈内投与により肝機能障害を有する患者に発現した有害事象は 国内の症例報告で 1 報 1 名あり 海外の症例報告ではなかった ( 表 ) この患者は慢性 C 型肝炎を有しており MB の投与によって 低酸素血症の悪化 呼吸不全等が発現し死亡した No. 表 年齢 性別 ( その他 ) 国内症例報告 国内症例報告における肝機能障害を有する患者に発現した有害事象 投与量 1 56 歳男性 2 mg/kg(1%) c : 体重 60 kg と想定した換算値 合併症 慢性 C 型肝炎 糖尿病 狭心症 投与経路 安全性 MB 投与前に糖尿病 狭心症 慢性 C 型肝炎を併発していた MB 投与後 MetHb 血症は一時的に改善したが 意識障害は改善せず 頭部 MRI では低酸素血症によると思われる両側淡蒼球の壊死を示唆する所見を認めた 徐々に呼吸不全の進行を認め 入院 4 日目に死亡した 添付資料番号

162 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 G6PD 欠損症患者海外及び国内の教科書には G6PD 欠損症患者に MB を投与すると溶血性貧血のリスクが高まることから MB 投与を避けることが推奨されている レビュー文献では G6PD 欠損の疑いがある患者へ MB を投与した報告が 1 報 1 名あり 投与 4 日後に重度の溶血性貧血が発現した ( ) 海外の症例報告では G6PD 欠損症患者に MB を静脈内投与した症例が 5 報 5 名あり 国内の症例報告はなかった ( 表 ) これらの患者では 溶血性貧血 ( ハインツ小体性を含む ) が 1 名に 溶血が 2 名に 赤血球系パラメータの変化 ( ハインツ小体 血清ビリルビン値上昇 網赤血球数増加 ) が 1 名に観察され 輸血による治療等が行われたが溶血が認められた 1 名は死亡した No 年齢性別 26 ヵ月齢男児 23 歳女性 25 歳男性 28 歳男性 年齢不明男性 表 投与量 海外 G6PD 欠損症患者に発現した有害事象 投与経路 2 mg/kg 2 回 0.8 mg/kg c (50 mg 1%) 10 分かけて投与 0.7 mg/kg c (40 mg) 1.3 mg/kg c (75 mg) 初回 : 1 mg/kg c (60 mg) 2 回目 (2 時間後 ): 0.7 mg/kg c (40 mg) c : 体重 60 kg と想定した換算値 安全性 MB 投与後 MetHb 濃度は上昇し 無気力と運動失調が進行し 酸素飽和度は 70% であった 全血交換により MetHb 濃度は 11.7% になるが 7 時間以内に 31.7% に上昇した 11 時間後の MetHb 濃度は 31.8% であったが赤血球交換により 7% になり チアノーゼが消失 心機能は改善し 酸素飽和度も 100% に回復した 退院時の MetHb 濃度は 0.4% であった MB 投与後皮膚が薄鈍色に変色し 3 日間続いた アニリン曝露及び MB 投与後 24 時間以内に溶血を示したため輸血を行ったところ 72 時間後に臨床及び血液ガスパラメータに改善がみられ 14 日目までにチアノーゼは消失し 退院した アニリン曝露 4 日に進行性の黄色がかった皮膚変色 茶色尿 尿量減少に伴うめまいと吐気を認め再入院した 理学的検査により顕著な黄疸と結膜蒼白が示された 網赤血球とハインツ小体が多数観察され ( ハインツ小体性溶血性貧血 ) MetHb 濃度は 9.3% となった RBC 輸血及びトコフェロールニコチン酸エステル投与によりアニリン曝露 7 日に溶血は消失し退院した 入院 2 日目に黄疸が認められた その後数日間 ヘマトクリット低下 血清ビリルビン値上昇 網赤血球数増加が 入院 4 日目にハインツ小体形成がみられたが 輸血は行わなかった MetHb 血症発症時に慢性腎不全を併発していた MB 初回投与後 意識レベルが低下し 2 回目の投与後 症状は急速に悪化し チアノーゼ発症の 12 時間後に死亡 死亡数時間前の血液検査では明らかな溶血が認められた 添付資料番号

163 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 5.2 外因性要因海外及び国内の症例報告では MB 静脈内投与後の光毒性に関連する有害事象が海外報告で 1 報 3 名 (PSUR No.3,4,5 と同一症例 ) にあったが 国内の文献ではなかった ( 表 ) これらの患者では MB 投与後に光にあたることにより紅斑が発現した No. 1 年齢 性別 ( その他 ) 歳女性 表 投与量 投与経路 7.5 mg/kg c : 体重 60 kg と想定した換算値 光毒性に関する症例報告一覧 安全性 副甲状腺摘出時に明視化のため MB を投与した 紅斑が首又は指先に発現した 1~4 週間で改善したが 著者らは MB の光毒性に起因したと結論づけた 添付資料番号 薬物相互作用海外及び国内の教科書では MBは SSRIとの併用で薬物相互作用により セロトニン症候群 ( 神経系症状 精神症状 ) を発現するために 併用することを避けることを推奨している その他文献では MB とセロトニン再取り込み阻害剤 (serotonin reuptake inhibitor: SRIs) の併用投与によってセロトニン症候群が発現した報告が 2 報あった ( ) いずれの文献でも MB がセロトニンやノルエピネフリン等のモノアミン作動性の神経伝達物質を不活化する MAO A を競合的に阻害するために セロトニン症候群を引き起こすリスクが高くなることから 併用することを避けることを推奨している 海外及び国内の症例報告では セロトニン系薬物を投与した患者に MB を静脈内投与した海外報告が 1 報 1 名あったが 国内報告はなかった ( 表 ) この症例では 神経系症状 ( 方向感覚喪失 激越 ) や精神障害 ( 失語 反射亢進 無反応 ) などが発現した No. 表 静脈内投与 1 年齢 性別 ( その他 ) 66 歳女性 (SSRI 併用 ) 海外症例報告における SSRI 併用に伴って発現した有害事象 投与量 0.7 mg/kg(50 mg) 2 回 5 時間空けて投与 安全性 イホスファミド脳症に対して MB を投与し 初回投与直後に方向感覚喪失 激越 失語 散瞳 反射亢進などの症状が発生した 5 時間後の MB の 2 回目投与で無反応 頻呼吸 頻脈 アシドーシスが認められたため SSRI 及び MB の投与を中止した 63 日後に症状は回復した 添付資料番号

164 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 5.4 妊娠及び授乳時の使用 妊婦への静脈内投与の影響教科書では 妊婦に投与した場合 新生児の溶血性貧血の危険性があるとされている その他の文献では 分娩時の麻酔 ( プリロカイン ) に誘導される母体及び胎児の MetHb 血症に対する MB の予防効果及び治療効果について検討したレビュー文献が 1 報あったが 母体及び胎児に対する有害事象は発現しなかった ( ) 海外及び国内の症例報告では 妊娠中の患者に MB を静脈内投与した報告は 海外で 2 報 2 名あったが 国内症例報告はなかった ( 表 ) 2 名の妊婦のうち 1 名は胎児への MB 移行が認められ 出産時 新生児 1 名にうつ状態 及び尿着色が認められた No. 1 2 年齢 性別 ( その他 ) 22 歳女性 ( 妊娠 36 週 ) 年齢不明 ( 分娩前の妊婦 ) 表 用法用量投与量投与濃度 妊婦への投与例有害事象一覧 投与経路 1.5 mg/kg(1%) 初回 : 1.3 mg/kg c (80 mg 1%) 5 分かけて投与 2 回目 (20 分後 ): 1.3 mg/kg c (80 mg) c : 体重 60 kg と想定した換算値 安全性 退院 8 日後に男児を普通分娩で無事出産した MB の初回投与の 1 時間 40 分後に女児が産まれた 出産時 新生児は軽度のうつ状態であった 新生児からは 36 時間にわたり青緑色尿が観察された MB の胎児への移行が認められたが他に副作用はなかった 出産 5 日後に母親と新生児は良好な状態で退院した 添付資料番号 母乳への影響海外及び国内の教科書では 授乳中の患者に投与された MBが母乳に移行する程度は不明であると記載されている レビュー文献 海外及び国内の症例報告では 授乳中の患者に MB を投与した報告はなかった 5.5 過量投与海外及び国内の教科書では MBの過量投与 (7 mg/kg 以上 ) は MetHb 血症を引き起こすことが記載されている また アニリンによる MetHb 血症患者に対して MBの過量投与をすると ハインツ小体を含む重篤な溶血性貧血が発現することがあり 過量投与により MetHb 濃度の上昇あるいは溶血性貧血が引き起こされる可能性が高いとされている レビュー文献では 累積投与量の上限を規定したものはなかったが G6PD 値が正常値である小児 1 名に MB 10 mg/kg の偶発的過量投与が行われた結果 重篤なハインツ小体性溶血性貧血が観察された報告が 1 報あった ( ) 教科書の記載をベースに過量投与を累積投与量 7 mg/kg 以上として 海外及び国内の症例報 57

165 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 告における MB の過量投与を精査すると 有害事象がみられた報告は海外 11 報 国内 1 報あっり そのうち 3 報 3 名 ( 添付資料番号 : ) は 1 日累積投与量 7 mg/kg を越えて MB が投与された ( 表 ) これらの症例では溶血性貧血 チアノーゼ 網赤血球数上昇 ビリルビン値の上昇等が発現した なお 累積投与量約 15 mg/kg( 計算値 ) が投与された 1 名 ( 添付資料番号 : ) では症状悪化により 累積投与量 7.0 mg/kg が投与された 1 名 ( 添付資料番号 : ) では多臓器不全により患者は死亡した No. 表 年齢 性別 ( その他 ) 海外症例報告 1 14 ヵ月齢女児 2 19 歳男性 3 22 歳男性 4 24 歳男性 5 29 歳女性 過量 (7mg/kg 以上 ) 静脈内投与した症例に発現した有害事象 投与量 初回 : 2 mg/kg 2~6 回目 : 0.5~1 mg/kg 以降 1 mg/h を持続投与 c : 体重 60 kg と想定した換算値 1.7 mg/kg c (100 mg 2% 5 ml)bolus 投与 4 回 / 日 3 日 1.5 mg/kg(100 mg) 5 回 (1 日目に 3 回 2 日目に 1 回 及び 3 日目に 1 回 ) 初回 : 1.7 mg/kg c (100 mg) 15 分かけて投与 2 回目 : 1.7 mg/kg c (100 mg) その後 7.5~10 mg/h で 43 時間持続注入 全用量は 7.7 mg/kg c 初回 : 1.1 mg/kg c (65 mg) 2 回目 : 1.1 mg/kg c (65 mg) 3 回目 : 2.2 mg/kg c (130 mg) 4 回目 : 1.1 mg/kg c (65 mg) 5 回目 : 1.1 mg/kg c (65 mg) 6 回目 : 1.1 mg/kg c (65 mg) 投与経路 安全性 添付資料番号 MB 投与後 MetHb 濃度が上昇した MB 投与終了 5 日後及び 8 日後にビリルビン値上昇及び LDH 上昇が認められ 投与終了 15 日後に正常値近くまで回復した MB 投与後 MetHb 濃度が上昇した 頭痛と嘔気を伴うチアノーゼが持続し 4~10 日目まで遅延性のスルホヘモグロビン血症が観察された 9 日目に網赤血球 LDH 及び血清鉄増加に伴い Hb 低下 ハプトグロビンの低下がみられた ( 溶血性貧血 ) 初回投与後 幻覚 頭痛 及び激越がみられた ダプソン服用の 3 日後に網状赤血球が 3.8% に増加した これに関連してハインツ小体溶血性貧血と一致した血膜 ハプトグロビンの低下 トランスアミラーゼの軽度増加 ビリルビン上昇 (50 μmol/l) がみられた ダプソン服用 8~9 日後に溶血の所見が最大となり その後溶血は 6 日続いた MB 6 回目投与後 入院 3 日目に溶血性貧血が認められた MB 投与後 MetHb 濃度が上昇した

166 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 表 過量 (7mg/kg 以上 ) 静脈内投与した症例に発現した有害事象 ( 続き ) No. 年齢 性別 ( その他 ) 6 29 歳男性 7 32 歳男性 8 45 歳男性 9 47 歳女性 歳男性 ( 先天性 MetHb 血症 腎盂尿管移行部狭窄症 ) 67 歳男性 (SNRI 併用 ) 国内症例報告 歳男性 投与量 初回 : 4.2 mg/kg c (250 mg) 2 回に分けて bolus 投与 2 回目 : 2.5 mg/kg c (150 mg) 以降 2 回用量不明を bolus 投与その後 7 mg/h 徐々に 3 mg/h に減らしていき 計 7 日間持続投与を行った 初回 : 3.3 mg/kg c (200 mg) 2~5 回目 : 1.7 mg/kg c (100 mg) 6 回目 : 3.3 mg/kg c (200 mg) 7 回目 : 5 mg/kg c (300 mg) 8 回目 : 3 mg/kg c (180 mg) 初回 : 8 mg/kg c (50 ml 1%) 2 回目 : 7 mg/kg c (40 ml 1%) 4.0~8.0 mg/kg c (0.25~ 0.5 mg/kg/h を 16 時間投与 ) 1 日目 : 1.5 mg/kg を 5 分かけて投与後 計 7 mg/kg となるまで繰り返し投与 5~10 日目 : 1.5 mg/kg を毎日投与 7.5 mg/kg(1000 mg) 1 時間かけて投与 初回 : 2 mg/kg(160 mg) 2 3 回目 : 2.5 mg/kg(200 mg) c : 体重 60 kg と想定した換算値 投与経路 安全性 MB 投与後 MetHb 濃度が上昇した MB 7 日間持続投与中 5 日間で Hb 濃度が 12.4 g/l から 6.4 g/l に低下し 重篤な溶血と溶血性貧血がみられた MB 投与後 MetHb 濃度が上昇した MB 投与後に悪心及び嘔吐が発現した アニリン摂取 18 時間後に ビリルビン及びアミノトランスフェラーゼが上昇し 黄疸が発現した またヘモグロビン及びヘマトクリットが有意に低下したことからハインツ小体性溶血性貧血と診断された MB 投与 4 日後に網赤血球数増加が認められた 添付資料番号 症状が悪化し 死亡した 血管拡張性のショックに対して MB を投与した MB を左腕から 10 時間投与したところ注射部位が変色したため その後右腕から 6 時間投与した 両腕とも 血管が青色に変色した 左腕については 7 日後に MB の血管外漏出によって腕や指にネクローシスを発現した (2 週間後に皮膚移植で修復された ) 腎盂尿管移行部狭窄症 慢性チアノーゼ及び 2 型糖尿病を併発していた MB 投与 10 日後以降に急性の溶血性貧血が見られ その後ハインツ小体が形成された セロトニン症候群例 副甲状腺摘出時に MB を投与し 振戦 発汗 眼振が発現した リバビリを実施し 3 日後に退院した MB 投与後いったん MetHb 濃度は低下したが 第 4 病日目には MetHb 血症の継続を示した 腎機能 肝機能は進行性に悪化し 第 5 病日には溶血性貧血の像を呈し 多臓器不全にて死亡した

167 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 5.6 薬物乱用 本項に該当する報告は 教科書 海外及び国内の公表文献にはなかった 5.7 離脱症状及び反跳現象 本項に該当する報告は 教科書 海外及び国内の公表文献にはなかった 5.8 自動車運転及び機械操作に対する影響又は精神機能の障害 本項に該当する報告は 教科書 海外及び国内の公表文献にはなかった 5.9 その他 DS-2207b 製剤は静脈内投与製剤であるが 海外及び国内の症例報告では MB を静脈内投与以外の投与経路で使用した場合の有害事象が報告されていることから その概略を以下にまとめた 経口投与 MB 投与によるプロスペクティブ試験において MB-MMX 錠剤を経口投与した報告が 1 報あった 有害事象は 22 名中 7 名に認められ 臨床検査値異常 排尿障害 悪心 嘔吐等が認められた ( ) MB の経口投与で有害事象が報告された症例報告は 7 報あった これらの報告では 2 名が死亡し その他溶血性貧血 ヘモグロビン低下等の有害事象が認められた ( 表 ) 60

168 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 No. 年齢 性別 ( その他 ) 海外症例報告 名 (6~59 ヵ月齢 ) 2 17 歳女性 国内症例報告 3 1 ヵ月齢女児 4 31 歳男性 5 42 歳女性 5 mg/kg 6 54 歳男性 7 72 歳女性 表 症例報告の有害事象 ( 経口投与 ) 投与量 総投与量 mg/kg を 2 or 4 回 / 日投与 (2.3% 溶液 ) 2 mg/kg(100 mg 12 時間ごと ) 4.3 mg/kg(20 mg) 初回 : 5 mg/kg 2 回目 (12 時間後 ): 5 mg/kg 5 mg/kg(350 mg) 蒸留水 100 ml に溶解し 2 回に分けて投与 4.2 mg/kg c (250 mg) 3 回 c : 体重 60 kg と想定した換算値 MetHb 血症の原因物質 - ニトロベンゼン - ( 下痢 ) プロパニル ( アニリン系除草剤 ) プロパニル ( クサノン A) アニリン プロパニル ( クサノン A) 投与経路 経口 経口 経口 経口 経口 経口 経口 安全性 マラリアの治療薬として MB を投与した MB 54 mg/kg 投与のうち 1 名が MB 投与 24 時間以内に重度のマラリアへ進行し 1 名が 8 日目に下痢で死亡した MB 72 mg/kg 投与のうち 投与 5 日後に 1 名 (G6PD 欠損 ) で Hb 値が 8.7 g/dl から 4.7 g/dl へ低下し ( 鉄剤服用で改善 ) 7 名で Hb 値が 3 g/dl を超えて減少した ( うち 3 名が G6PD 欠損 ) MB 初回投与後いったん下がった MetHb 濃度は 投与 24 時間後に 47.7% 2 日後に 76.5% と上昇し 意識は回復せず チアノーゼは悪化し 4 cm の脾触知を発現し 入院 4 日後に死亡した MB 投与 2 日後に溶血性貧血の所見を認めた MB 投与後 MetHb 濃度が再上昇した 溶血性貧血を認めたが 他に後遺症を残さず退院した MB 投与後に溶血性貧血の所見が認められたが輸血にて対処し 第 74 病日に退院した MB 投与 1 時間後頃から緑色尿が出現し 12~24 時間後にピークとなり 以後徐々に消退した MetHb 値の再上昇やその他の合併症の併発はなかった 第 5 6 病日に行った MB 投与と同時期に溶血性貧血がみられ 第 9 10 病日に輸血を必要とした 添付資料番号

169 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 髄腔内投与海外症例報告において 髄液鼻漏を確認するために MB を髄腔内投与した報告が 2 報 2 名あった ( 表 ) これらの症例では 広汎性脊髄神経根障害による感覚減損 あるいは両側性視神経萎縮 / 無嗅覚 / 四肢麻痺を示す重度な機能障害につながる有害事象が発現した No. 年齢 性別 ( その他 ) 海外症例報告 1 21 歳女性 2 32 歳男性 表 症例報告の有害事象 ( 髄腔内投与 ) 投与量 0.2 mg/kg c (1 ml 1%) 0.2 mg/kg c (1 ml 1%) c : 体重 60 kg と想定した換算値 MetHb 血症の原因物質 - - 投与経路 髄腔内 髄腔内 安全性 髄液鼻漏の確認のため MB を投与した MB 投与 15 分後 下肢に痛みとチクチク感を感じ 呼吸亢進が見られた 手足痙縮 四肢麻痺 知覚麻痺 複視 排尿障害が観察された 報告時点で 両側性視神経萎縮 無嗅覚 及び四肢麻痺があり 下肢は重度の弛緩性麻痺であった 髄液鼻漏の確認のため MB を投与した 投与後意識を失い 広汎性脊髄神経根障害により胸骨上部より下の感覚が減損した 機能回復に 2 年半を要した 添付資料番号 腹腔内投与海外症例報告において 診断を目的として MBを腹腔内投与した報告が 1 報 1 名あった この症例では 低血圧及び発汗を合併した反跳圧痛を伴う激しい腹痛が発現した ( 表 ) No. 年齢 性別 ( その他 ) 海外症例報告 1 56 歳女性 表 症例報告の有害事象 ( 腹腔内投与 ) 投与量 0.8 mg/kg c (5 ml 1%) を 2 L の腹膜透析液で薄め 10 分間で注入 c : 体重 60 kg と想定した換算値 MetHb 血症の原因物質 - 投与経路 腹腔内 安全性 MB 投与前にインスリン依存性糖尿病 慢性閉塞性肺疾患 及び糖尿病性腎症からくる末期腎疾患を発症していた 腹膜炎の既往は多く 腹腔カテーテルを 3 回経験していた 診断薬として MB を投与した MB 投与 2 時間後 低血圧と発汗を合併した反跳圧痛を伴う激しい腹痛を訴えた ( 化学性腹膜炎例 ) 添付資料番号

170 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 妊婦羊膜内投与双胎妊婦の羊膜内へ MBを注入して胎児死亡の関係を調査した文献 ( ) 及び双胎妊婦羊膜内への MB 注入と新生児空腸閉鎖症の関係を調査した文献 ( ) が各 1 報ずつあった いずれの文献でも MB 投与に関連して 胎児の死亡率及び先天性奇形の発現が高くなった 海外症例報告では 破水検査等のために MB を羊膜内投与した報告が 6 報あった これらの報告では 6 名中 5 名の新生児に高ビリルビン血症が 3 名の新生児に溶血が発現した ( 表 ) No. 年齢 性別 ( その他 ) 海外症例報告 歳女性と男児 27 歳女性と双生児 29 歳女性と男児 30 歳女性と女児 表 症例報告の有害事象 ( 羊膜内投与 ) 投与量 0.33 mg/kg c (1% 2 ml) 0.8 mg/kg c (50 mg) 未満 0.2 mg/kg c (1% 1 ml) 1.2 mg/kg c (1% 約 7 ml) c : 体重 60 kg と想定した換算値 MetHb 血症の原因物質 投与経路 羊膜内 羊膜内 羊膜内 羊膜内 安全性 早期破水の検査のために MB を投与した MB 投与直後に胎児の心拍数が上昇したが 徐々に正常値に回復した 新生児は高ビリルビン血症や溶血が発生したが ダブルボリューム交換輸血及び光線治療を行い 生後 48 日目に退院した 双子のうちの片方の肺成熟度を検査するため MB を投与した MB を洋膜内に投与された新生児は顕著な高ビリルビン血症やハインツ小体貧血が発生したが 光線治療及び赤血球輸血を実施し 生後 24 日目に退院した 早期破水の検査のために MB を投与した 新生児に高ビリルビン血症や溶血が発生したが 交換輸血を実施し 生後 16 日目に退院した 早期破水の検査のために MB を投与した 新生児は明るい青色に染まっていたため酸素を吸引した 3 時間齢で軽度の呼吸ジストレスが認められたが 6 時間で改善した その後 高ビリルビン血症や溶血性黄疸が発生したが 交換輸血及び光線治療によって生後 17 日目に退院した 添付資料番号

171 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 No. 5 6 年齢 性別 ( その他 ) 32 歳女性と双生女児 34 歳女性と女児 表 症例報告の有害事象 ( 羊膜内投与 ) ( 続き ) 投与量 0.2 mg/kg c (10 mg) 1.7 mg/kg c (1% 10 ml) c : 体重 60 kg と想定した換算値 MetHb 血症の原因物質 - - 投与経路 羊膜内 羊膜内 安全性 破水を検査するために片方の胎嚢に MB を投与した 新生児の片方は皮膚が青みを帯び 呼吸困難 黄疸及び高ビリルビン血症を起こしたが 酸素吸引 光線治療などで回復した もう片方の新生児には副作用などはなかった 破水を検査するために MB を投与した 新生児は MB の影響で皮膚が青かったが 光線治療をしたエリアは皮膚が赤く変色し 光毒性反応が示唆され 回復まで 3 週間かかった 新生児はダブルボリューム交換輸血を 2 回行った ( 初回は MetHb 濃度が 4.9% から 7.8% に上昇し 重度の溶血が認められた 9 時間齢に 2 回目は溶血進行及びビリルビン上昇が認められた 80 時間齢に行った ) 添付資料番号 非妊娠女性の子宮内又は子宮頸部投与海外症例報告において 卵管開存性の確認等の不妊検査のために MBを非妊娠女性の子宮内又は子宮頚部に投与した報告が 5 報 ( 妊娠初期に投与された 1 名を含む ) あった これらの報告のうち 30 歳女性では 頻脈 動脈血圧の低下 血液酸素飽和度低下に加えて 重度のアナフィラキシーショック及び気管支痙攣が発現した その他の症例では 嘔吐 皮膚変色 着色尿 チアノーゼ 一過性の酸素飽和度の低下等が発現した ( 表 ) 64

172 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 No. 年齢 性別 ( その他 ) 海外症例報告 表 症例報告の有害事象 ( 子宮内又は子宮頸部投与 ) 投与量 MetHb 血症の原因物質 1 22 歳女性投与量不明 MB 2 26 歳女性 (G6PD 欠損症 ) 3 23 歳女性 4 30 歳女性 投与量不明 3.3 mg/kg c (20 ml 1%) 1% 投与量不明 MB - - 投与経路 子宮頚部 子宮頚部 子宮内 子宮内 5 39 歳女性不明 - 子宮内 c : 体重 60 kg と想定した換算値 安全性 腹腔鏡下卵管通色素法のため MB を投与した MB 投与後 全身性に皮膚と粘膜の青への変色が見られた MetHb 濃度は 9.4% であった 青い嘔吐物及び青い尿が観察された 腹腔鏡下卵管通色素法のため MB を投与した MB 投与 30 分後 チアノーゼが観察された 指がしびれ 青色液体を吐いた 卵管の開存性を確認する目的で MB を投与した 当初 96~98% であった酸素飽和度は MB 投与後 30 秒以内に 72% に低下し 4 分後に 97% に回復した チアノーゼにはならず 他の測定値も変化はなかった 重度のアナフィラキシーショック例 診断薬として MB を投与した MB 点滴注入 2 分以内に頻脈 動脈血圧の低下 SpO 2 の 80% 未満への顕著な低下がみられ 呼気終末の二酸化炭素濃度は 18 mmhg であった 同時に重度の気管支痙攣を発症した 妊娠初期と気づかず 不妊症の検査のために MB を子宮内に注入したが 新生児は健康に産まれ 月齢 15 ヵ月の時点でも特に病気や貧血を発症していなかった 添付資料番号

173 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 その他の投与経路海外及び国内の症例報告で MB を静脈内 経口 髄腔内 腹腔内 羊膜内 及び子宮内又は子宮頸部以外に投与した報告が 28 報あった これらの報告では 9 名が死亡し その他血中メトヘモグロビン陽性 溶血 及び溶血性貧血等の有害事象が認められた ( 表 ) No. 年齢 性別 ( その他 ) 海外症例報告 日齢女児 ( 妊娠 31 週の早産新生児 ) 2 日齢性別不明 ( 妊娠 31 週の早産新生児 ) 3 日齢性別不明 ( 妊娠 31 週の早産新生児 ) 4 4 週齢男児不明 ヵ月齢男児 (G6PD 欠損症 ) 55 歳女性 ( ブプロプリオン SSRI 併用 ) 表 症例報告の有害事象 ( その他の投与経路 ) 投与量 1 ml(10 mg/ml) を 2 ml の生理食塩水で薄めたもの 初回 : 2~3 ml (0.1% 2~ 3 mg) 4 5 日後 : 計 4 mg/kg を少なくとも 3 回に分けて投与 MetHb 血症の原因物質 mg/kg mg/kg 10 分かけて投与 c : 体重 60 kg と想定した換算 水道水 ( 硝酸塩 ) ニトログリセリン 投与経路 食道に投与 経鼻空腸管 経鼻空腸管 安全性 気管食道瘻の確認のため MB を投与した 投与翌日及び翌々日の尿は緑色であった 呼吸促迫を伴わないチアノーゼを認めた 動脈酸素圧の上昇 低酸素飽和度を確認した また 活動性溶血 高ビリルビン血症 ( 最大 15 mg/dl) 及び LDH の上昇 (3164 IU/L) 活動性の赤血球新生がみられた 経鼻空腸栄養チューブの位置確認のために MB を投与した MB の初回投与から最終投与の 3 日後まで尿は青緑色であった 初回投与から 9 日後に黄疸 その 2 日後にハインツ小体性溶血性貧血が認められた 経鼻空腸栄養チューブの位置確認のために MB を投与した MB 投与 2 日後にハインツ小体性溶血性貧血が認められた 添付資料番号 不明 MetHb 血症が再発した 不明 7.5 mg/kg - 点滴 MB 投与後血行動態は徐々に改善したが SpO 2 は低いままであった MB 投与 3 日目に黄疸を起こした 溶血に起因し 軽い血尿症が認められたため 炭酸水素ナトリウムと水分補給のを行った 低血圧の発現の間 急性腎不全を発症したため 腹膜透析を行い 術後 19 日目に抜管した 副甲状腺手術時に MB を投与したところ 方向感覚喪失 頻脈 高血圧 動揺 発汗 過活動 舞踏病様の動き 混乱 意味不明の発言 皮質盲を示し 眼球クローヌス 異常眼運動 瞳孔が 6 mm に拡大 瞳孔反応微弱 四肢の反射亢進がみられた

174 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 No. 7 8 年齢 性別 ( その他 ) 58 歳女性 (SSRI 併用 ) 62 名 (27~79 歳女性 ) 表 症例報告の有害事象 ( その他の投与経路 ) ( 続き ) 投与量 5 mg/kg 1 時間かけて投与 1 mci[ 125 I]-MB を非標識 MB で 5 ml に希釈して投与 MetHb 血症の原因物質 歳女性不明 歳男性不明 歳男性不明 歳男性 (G6PD 欠損症 ) 歳男性 1 mg/kg 歳男性不明 歳男性不明 歳男性不明 歳男性 (G6PD 欠損症 転移性腎細胞癌 ) 2 mg/kg 1 回 1 mg/kg 12 回 (6 日目まで投与 ) 1 mg/kg 3 回 c : 体重 60 kg と想定した換算 塩素酸ナトリウム 塩素酸ナトリウム 8- ヒドロキシキノリン銅 ニトログリセリン 塩素酸ナトリウム 塩素酸ナトリウム モノリヌロン Triapine ( 抗がん剤 ) 投与経路 点滴 癌乳房注射 左乳房注入 不明 安全性 セロトニン症候群例 副甲状腺摘出術時に MB を投与し 頻脈 ジストニア 激越 異常眼運動が発現した 48 時間後に自然回復した 乳癌患者のセンチネルリンパ節識別のためヨウ素 125 標識 MB を投与したところ 1 名に注射部位皮膚の染色が 1 名に表在性皮膚潰瘍形成がみられた 左乳房横側のセンチネルリンパ節生検の際に MB を注入した MB 投与 5 ヵ月後 MB を注入した箇所に線維化したエリアと脂肪壊死が認められた 透析中に致命的な心停止により死亡した 添付資料番号 不明死亡した 不明 MB 投与翌日チアノーゼと呼吸困難は継続し 溶血 Hb 低下 血漿中 Hb 増加がみられ 血液サンプルからいくつかの球状赤血球 赤血球大小不同 赤血球断片 時折斑点とハウエル ジョリー小体が観察された 5 日目まで溶血と MetHb 血症が続いたためジメルカプロールの投与と血漿交換を開始したところ MetHb 濃度は 1.1% まで低下した 不明副作用は認められなかった 不明 重篤な高カリウム血症を示し 入院 2 時間後に死亡した 不明入院 36 時間後に死亡した 不明 不明 極度の口腔 ( 恐らく食道 ) 潰瘍であり 腎不全 呼吸不全 肝不全を発現し 10 日後に死亡した MetHb 血症発症時に転移性腎細胞癌を併発していた MB 投与後 24 時間中に 黄疸と著しいヘモグロビン尿症 血管内溶血 ハインツ小体の出現が観察された 水分補給と赤血球交換により改善し 7 日後に退院した

175 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 No 年齢 性別 ( その他 ) 女性 ( 年齢不明 ) 詳細不明 (SSRI 併用 ) 国内症例報告 歳女性 表 症例報告の有害事象 ( その他の投与経路 ) ( 続き ) 不明 投与量 MetHb 血症の原因物質 塩素酸ナトリウム 投与経路 不明 不明 - 不明 1~4 回目 : 0.8 mg/kg c (50 mg) 5~8 回目 : 1.7 mg/kg c (100 mg) 計 600 mg 歳男性 5 mg/kg(300 mg) 歳男性 歳男性 歳男性 歳男性 数回反復投与総投与量 : 16.7 mg/kg/96 h 初回 : 1.7 mg/kg c (100 mg) 総投与量 : 6.7 mg/kg c (400 mg) 初回 : 0.83 mg/kg c (50 mg) 総投与量 : 9.6 mg/kg c (575 mg) 1.7 mg/kg c (100 mg) 4 回 c : 体重 60 kg と想定した換算 プロパニル ( スタム乳剤 ) プロパニル ( クサノン A) プロパニル (DCPA) プロパニル ( アニリン系序章剤 ) DCMU ( ネコソギ ) - 点滴 経胃管 不明 不明 不明 不明 安全性 門脈血栓症を示し 入院 5 日目に死亡した 副甲状腺摘出時に MB を投与し せん妄 混乱 興奮 四肢のコントロール不能などが発現したことを以前報告 本文献では SSRI と MB の相互作用によりセロトニン中毒を示したと結論づけた MB 投与後 MetHb 濃度が上昇した MB 投与後 MetHb 濃度が上昇した MB 投与 7 日後 ( 第 9 病日 ) に溶血性貧血を認めたが 徐々に改善した MB 投与後 MetHb 濃度が再上昇した 第 5 病日から溶血性貧血が出現した 濃厚赤血球輸血 ハプトグロビン投与によって改善した MB 投与後 MetHb 濃度が再上昇した MB 投与後 MetHb 濃度が上昇した 入院時から軽度の溶血は認められたが 入院 8 日目著明な溶血性貧血 (Hb5.4 g/dl) を発症し輸血を施行した 溶血による高ビリルビン血症 ( 総ビリルビン 31.1 g/dl) に対し 2 度血漿交換を行った 入院 3 日目から 38 C を超える発熱が継続した MetHb 血症発症時にアルカプトン尿症 C 型肝炎 慢性腎不全を患っており 溶血性貧血 進行性代謝性アシドーシスが認められていた 種々の治療にも関わらず 代謝性アシドーシスの進行を抑えられず 集中治療室入室 40 時間後に死亡した 添付資料番号

176 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 No. 年齢 性別 ( その他 ) 歳男性不明 歳男性不明 歳女性 表 症例報告の有害事象 ( その他の投与経路 ) ( 続き ) 投与量 計 5 mg/kg 分割投与 c : 体重 60 kg と想定した換算 MetHb 血症の原因物質 亜硝酸アミル (RUSH) 無水クロム酸 ( 六価クロム ) ジ二トロアニリン系除草剤 ( ゴーゴーサン ) 投与経路 不明 不明 不明 安全性 入院 3 時間後より洞調律欠落の後心停止となり CPR にて回復した その後も RR 間隔不整 上室性期外収縮 心室性期外収縮 心室性頻拍を間欠的に認めた MB 投与後 MetHb 濃度が上昇した 重篤なショックから脱却しえず 搬入約 12 時間後に死亡した 第 3 病日以降 交換輸血によって SaO 2 と意識レベルは改善したが 敗血症を併発し第 9 病日に呼吸不全により死亡した 添付資料番号 市販後データ 6.1 国内市販後安全性情報 本剤は国内未承認のため 国内市販後データはない 6.2 海外市販後安全性情報 曝露患者数 2011 年 5 月 6 日 ~2014 年 5 月 5 日までの期間に出荷された Proveblue 販売数量 ( アンプル数 ) を以下に示す ( 表 ) 販売数量の大部分が備蓄用であり 未使用であったことから 推定曝露患者数は算定できなかった PSUR No. 表 期間 Proveblue の使用実績報告 Proveblue 販売数量 ( アンプル数 ) 使用実績 年 5 月 6 日 ~2011 年 11 月 6 日 5230 大部分が未使用 年 11 月 6 日 ~2012 年 5 月 6 日 大部分が未使用 年 5 月 7 日 ~2012 年 11 月 6 日 大部分が未使用 年 11 月 7 日 ~2013 年 5 月 5 日 大部分が未使用 年 5 月 6 日 ~2013 年 11 月 7 日 大部分が未使用 年 11 月 6 日 ~2014 年 5 月 5 日 大部分が未使用 個別事象の安全性概括 2011 年 5 月 6 日 ~2014 年 5 月 5 日までの期間に報告された個別事象の安全性概括を以下に 示す ( 表 ) 69

177 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 Proveblueの投与との関連の可能性があると評価された症例は 4 名であり また SSRI 服用患者において 薬物相互作用に起因する可能性が否定できない 激越 錯乱状態 意識レベルの低下 発熱 反射亢進 ミオクローヌス セロトニン症候群 頻脈 肺炎 呼吸窮迫 が発現した Proveblueで不活性化した新鮮凍結血漿 (Fresh frozen plasma: FFP) の輸血時に 循環虚脱 全身性皮疹 酸素飽和度低下 アナフィラキシー反応 蕁麻疹 ショック アナフィラキシー反応 及び 血管浮腫 低血圧 酸素飽和度異常 蕁麻疹 頻脈 アナフィラキシー反応 が各 1 名に発現したが これらの報告は MB を用いた FFP の輸血時にも少数例発現することが報告されている ( 添付資料番号 : ) また 入手可能な情報からは評価できなかったとする 紅斑 が 3 名に発現した 表 Provepharm 社の PSUR における安全性情報 PSUR No. 事象名 年齢性別 投与量投与方法など 投与経過 ( 有効性 有害事象 ) Medical comment 2 マロリー ワイス症候群 44 歳男性 Proveblue 臨床試験薬 : 200 mg 1 回 経口投与 既往歴 : 裂孔ヘルニア 投与 2 日後 胃不快感を訴え受診 吐血 タール状便 起立性低血圧 中程度のへモグロビン値低下が認められた 診断 : 貧血を伴う縦走粘膜裂傷続発性胃腸出血 ( 重篤 ) 投与 3 日後に入院 鉄剤投与及び内視鏡的止血術実施後 投与 8 日後に回復した 治験責任医師判断 : Proveblue が胃腸出血自体に関連があることは知られておらず 粘膜裂傷が胃腸出血の原因である可能性が高い 裂孔ヘルニア既往歴も重要である Proveblue と胃腸出血と因果関係なし 3 マロリー ワイス症候群 (PSUR No.2) のフォローアップ 同上同上同上同上 3 紅斑 44 歳女性 5 mg/kg 静脈内投与 左下極副甲状腺腫切除術の補助に MB を使用 手術後 頚部前表面に境界が明確な集密的 ( サンバーン様 紅斑 及び左示指近位爪郭に紅斑が認められた プロピオン酸クロベタゾールを塗布し改善したが 左示指爪に永久的な縦走形成異常が残った 治験責任医師判断 : 紅斑は SmPC に記載されていない有害事象である 本事象は非重篤と考えられる 入手可能な情報によって評価できない 3 紅斑 52 歳女性 5 mg/kg 静脈内投与 副甲状腺摘出術の補助に MB を使用 出術開始約 2 時間後に創傷周囲紅斑 同日に前頚部の紅斑性発疹が認められた フランカルボン酸モメタゾン及び皮膚軟化薬を塗布し 1 週間後に改善したが 退院が遅延したため重篤とみなす 治験責任医師判断 : 紅斑は SmPC に記載されていない有害事象である 入手可能な情報によって評価できない 70

178 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 表 Provepharm 社の PSUR における安全性情報 ( 続き ) PSUR No. 事象名 年齢性別 投与量投与方法など 投与経過 ( 有効性 有害事象 ) Medical comment 3 紅斑 73 歳女性 5 mg/kg 静脈内投与 副甲状腺摘出術の補助に MB を使用 出術同日に前頚部に境界が明確な紅斑を発現した フランカルボン酸を塗布し 1 週間後に改善した 治験責任医師判断 : 紅斑は SmPC に記載されていない有害事象である 入手可能な情報によって評価できない 3 激越 錯乱状態 意識レベルの低下 発熱 反射亢進 ミオクローヌス セロトニン症候群 頻脈 肺炎 呼吸窮迫 75 歳女性 MB: 5.5 mg/kg (0.9% 食塩水 300 ml で希縮し静脈内投与 ) 選択的セロトニン再取り込み剤 (SSRIs)( シタロプラム トラマドール ) 服用患者に 副甲状腺摘出術前に MB を併用投与 出術後 本事象を発現した 腎代替療法 気管切開術 コトリモキサゾールによる治療後 症状が回復し退院した 治験責任医師判断 : セロトニン症候群 呼吸窮迫 人工呼吸器関連肺炎 反射亢進 ミオクローヌスは SmPC に記載されていない有害事象である 薬物相互作用 錯乱 激越 頻脈 意識レベルの低下 発熱は記載されている SSRIs 等セロトニン系伝達亢進剤を服用中の患者に MB 投与は避けるべきであると SmPC に言及されている 使用が避けられない場合は最低用量を投与し 中枢神経系効果を 4 時間観察する必要がある MB との薬物相互作用は否定できない 3 循環虚脱 全身性皮疹 酸素飽和度低下 アナフィラキシー反応 64 歳女性 輸血処理 甲殻類及びハチ類にアレルギー既往歴有 スルファンブルー (SB) 投与歴有 冠動脈バイパス手術後 MB で不活性化した新鮮凍結血漿 (FFP-MB)2 単位目の輸血時に有害事象を発現 エピネフリン投与後 状態が改善した 皮膚テストの結果 MB と SB の交差アレルギーが確認され フローサイトメトリーにより裏付けされた 治験責任医師判断 : 循環虚脱 全身性発疹 酸素飽和度低下 アナフィラキシー反応は SmPC に記載されている有害事象である 本事象の発現時に FFP-MB 以外の薬剤は投与されておらず ラテックスのプリック試験は陰性であった ヒスタミン及びトリプターゼ値上昇によりアナフィラキシーが確認された 患者はいずれの染料に対しても既知のアレルギーはなかった パテントブルー (PB) の投与歴があった MB 投与との関連の可能性あり 71

179 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 表 Provepharm 社の PSUR における安全性情報 ( 続き ) PSUR No. 事象名 年齢性別 投与量投与方法など 投与経過 ( 有効性 有害事象 ) Medical comment 3 蕁麻疹 ショック アナフィラキシー反応 75 歳男性 輸血処理 手術歴 アレルギー既往歴なし 冠動脈バイパス手術 6 時間後 FFP-MB 輸血時に有害事象が発現 直ちに輸血中止 エピネフリン投与後 状態が改善した 後遺症なく退院した 皮膚テストの結果 MB と SB の交差アレルギーが確認された 治験責任医師判断 : MB 起因のアナフィラキシー及び頻脈は SmPC に記載されているが 血行動態ショックは記載されていない有害事象である 本事象の発現時に FFP-MB 以外の薬剤は投与されておらず ラテックスのプリック試験は陰性であった 皮膚試験陽性の結果から MB PB の交差アレルギーが確認され フローサイトメトリーにより裏付けされた 患者はいずれの染料に対しても既知のアレルギーはなかった MB 投与との関連の可能性あり 3 血管浮腫 低血圧 酸素飽和度異常 蕁麻疹 頻脈 アナフィラキシー反応 22 歳男性 輸血処理 非ステロイド系抗炎症薬服用後 重度の吐血のため入院 重度の貧血及び凝血障害を確認 FFP-MB の輸血開始数分後 有害事象を発現 直ちに輸血中止 クリスタロイド ( 晶質液 ) 及びコロイド ( 膠質液 ) の輸液治療とクロルフェナミン投与後 状態が改善した 事象発現のタイミング 臨床症状 生物学的所見 皮膚テストの結果から IgE 媒介 MB 起因アナフィラキシーが確認された 治験責任医師判断 : 末梢動脈の酸素飽和濃度低下 顔面血管浮腫 全身性蕁麻疹 動脈低血圧 頻脈を特徴とする MB 起因アナフィラキシーは SmPC に記載されている有害事象である MB 投与との関連の可能性あり 4 MB への偶発的曝露 年齢不明男性 不明不明 MB の有害事象ではない 6 血管外漏出 61 歳女性 11.6 mg/kg 静脈内投与 イホスファミド誘発性脳症の治療に使用 MetHb 血症治療での成人の最大推奨投与量を超えており 過量投与となる 左手に腫脹と青色の変色を引き起こした血管外漏出が発現したが回復した 血管外漏出は 欧州の添付文書等では MB の有害事象として記載されていないが MB は局所的な組織障害により血管外漏出を引き起こすことが報告されており これが腫脹及び青色変色につながったと考えられる 皮膚の青色変色は これまでにも MB の有害事象として報告されている これらより 本患者に発現した血管外漏出は MB との関連性が否定できないと判断された また 本事象は 通常用量でも発現していることから 過量投与による可能性は低いと考える 安全性に関する処置 該当なし 72

180 2.7.4 臨床的安全性の概要メチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 7. 付録 なし 73

181 メチルチオニニウム塩化物水和物 参考文献メチレンブルー 50 mg 第一三共 目次 で引用した参考文献 で引用した参考文献 で引用した参考文献 で引用した参考文献 で引用した参考文献...2 1

182 メチルチオニニウム塩化物水和物 参考文献メチレンブルー 50 mg 第一三共 で引用した参考文献 1) Center for Drug Evaluation and Research (CDER), Center for Veterinary Medicine (CVM). Guidance for industry: bioanalytical method validation. (May, 2001) で引用した参考文献 1) 内藤裕史. メトヘモグロビン生成物質. 中毒百科 - 事例 病態 治療 -. 改訂第 2 版. 南江堂 ; p ) DiSanto AR, Wagner JG. Pharmacokinetics of highly ionized drugs II: methylene blue absorption, metabolism, and excretion in man and dog after oral administration. J Pharm Sci. 1972;61(7): で引用した参考文献 1) Center for Drug Evaluation and Research (CDER). Guidance for industry: estimating the maximum safe starting dose in initial clinical trials for therapeutics in adult healthy volunteers. (July, 2005) で引用した参考文献 1) 公益財団法人日本中毒情報センター. 医師向け中毒情報解毒剤メチレンブルー. Ver.2.02; ) Center for Drug Evaluation and Research (CDER). Guidance for industry: estimating the maximum safe starting dose in initial clinical trials for therapeutics in adult healthy volunteers. (July, 2005) で引用した参考文献 1) Feig SA. Methemoglobinemia. In: Nathan DG, Oski FA, editors. Hematology of infancy and childhood. Philadelphia: WB Saunders; p ) Mansouri A, Lurie AA. Concise review: methemoglobinemia. Am J Hematol. 1993;42:

183 2.7.6 個々の試験のまとめメチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 目次 1. 個々の試験の要約 後天性 MetHb 血症治療のために Proveblue MBを使用した例の臨床データをレトロス ペクティブに収集した第 III 相試験 ( 添付資料番号 ) 試験方法概略 被験者数 解析対象及び被験者背景 有効性の結果 ベースライン被験者特性 有効性の解析 有効性の結論 安全性の結果 有害事象 死亡及びその他の重篤な有害事象 臨床検査値の評価 結論 被験者データリスト MB の投与方法に関する無作為化比較試験 小児 MetHb 血症 ( 原因 : ダプソン ) への MB 投与 - 投与方法の無作為比較試験 ( 添付資料番号 ) プロスペクティブ試験 MetHb 血症 ( 原因 : プリロカイン ) への MB 投与 ( 添付資料番号 ) 健康成人への MB 投与 ( 第 I 相試験での安全性評価 )( 添付資料番号 ) MetHb 血症 ( 原因 : 4-dimethylaminophenol hydrochloride) への MB 投与 ( 添付資 料番号 ) 新生児 MetHb 血症への MB 投与 ( 添付資料番号 ) 健康成人を対象に MBを単回静脈内投与したときの安全性 忍容性 及び薬物動 態を評価する第 I 相試験 ( 添付資料番号 ) 試験方法概略 被験者背景 薬物動態の結果 安全性の結果 結論 レトロスペクティブ研究 MetHb 血症 ( 原因 : 局所麻酔薬 ) への MB 投与 ( 添付資料番号 ) MetHb 血症 ( 原因 : ダプソン ) への MB 投与 ( 添付資料番号 )

184 2.7.6 個々の試験のまとめメチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 1.5 レビュー文献 MetHb 血症 ( 原因 : レクリエーショナルドラッグ ) への MB 投与 ( 添付資料番号 ) MetHb 血症 ( 原因 : 職場環境にある化学物質 ) への MB 投与 ( 添付資料番号 ) MetHb 血症 ( 原因 : 局所麻酔剤 ) への MB 投与 ( 添付資料番号 ) MetHb 血症 ( 原因 : 局所麻酔薬 ) への MB 投与 ( 添付資料番号 ) MetHb 血症 ( 原因 : ダプソン ) への MB 投与 ( 添付資料番号 ) MetHb 血症患者 ( 原因 : 複数 ) への MB 投与 ( 添付資料番号 ) その他文献 米国中毒センターによる使用実態調査 ( 添付資料番号 ) MetHb 血症の治療以外の MB 投与 MBと SRIs の併用によるセロトニン症候群 ( 添付資料番号 ) MBと SRIs の併用によるセロトニン症候群 ( 添付資料番号 ) 妊婦及び胎児に MB を投与した報告 母体及び胎児の MetHb 血症 ( 原因 : プリロカイン ) への MB 投与 - 予防及び治 療効果 ( 添付資料番号 ) 妊婦の胎嚢への MB 投与 双胎妊婦の羊膜内への MB 注入と胎児死亡の関係 ( 添付資料番号 ) 双胎妊婦羊膜内への MB 注入と新生児空腸閉鎖症の関係 ( 添付資料番号 ) 海外症例報告 海外症例報告 : 成人 16 歳以上 海外症例報告 : 小児 国内総説 症例報告 国内総説 国内症例報告 : 成人 国内症例報告 : 小児 参考文献

185 2.7.6 個々の試験のまとめメチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 略語一覧 略語 略していない表現 ( 英 ) 略していない表現 ( 日 ) AAPCC American Association of Poison Control 米国中毒センター Centers BMI Body mass index 肥満度指数 CRF clinical report form 症例報告書 ECG electrocardiogram 心電図 G6PD Glucose-6-phosphate dehydrogenase グルコース 6リン酸脱水素酵素 Hb hemoglobin ヘモグロビン ICU intensive care unit 集中治療室 QT/QTc QT interval/qt interval (corrected) QT 間隔 /QT 補正間隔 MAO monoamine oxidase モノアミン酸化酵素 MB methylene blue メチレンブルー MetHb Methemoglobin メトヘモグロビン NADH nicotinamide adenine dinucleotide ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド N/A not applicable 該当なし NPDS National Poison Data System 毒物データシステム NICU neonatal intensive care unit 新生児集中治療室 SaO 2 arterial oxygen saturation 血液酸素飽和度 SNRI serotonin norepinephrine reuptake inhibitor セロトニンノルエピネフリン再取り込み阻害剤 SpO 2 percutaneous oxygen saturation 血液酸素飽和度 SRIs serotonin reuptake inhibitor セロトニン再取り込み阻害剤 SSRI selective serotonin reuptake inhibitor 選択的セロトニン再取り込み阻害剤 TEE transesophageal echocardiography 経食道心エコー検査 3

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187 2.7.6 個々の試験のまとめメチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 1. 個々の試験の要約 1.1 後天性 MetHb 血症治療のために Proveblue MB を使用した例の臨床データをレトロスペクティブに収集した第 III 相試験 ( 添付資料番号 ) DS-2207b 製剤を使用した臨床試験は 1 試験のみであった なお 本試験は Provepharm 社がで Proveblue Injection, 0.5%( 以下 Proveblue) のに実施した レトロスペクティブデータをもとにプロスペクティブにデザインした方法で実施した試験である 試験方法概略 試験方法の概略を表 に示す 目的 試験責任医師名実施医療機関 表 試験方法の概略 : 第 III 相試験 試験期間中に実施医療機関を受診し 治療に Proveblue を使用した後天性 MetHb 血症患者の臨床データをレトロスペクティブに収集し プロスペクティブに解析する 他 5 名 試験期間 20 年月 ~20 年月の 24 ヵ月間 他 5 施設 対象 1. 選択基準 本試験では 被験者がごく少ないことが予想されたことから Proveblueによる治療 を受けた後天性メトヘモグロビン (Methemoglobin: MetHb) 血症の患者 という選択 基準のみ設定した 得られたデータは以下の基準を満たした 1) あらゆる年齢 性別 体重 民族の MetHb 血症患者であり 2) 緊急治療を必要とし 3) Proveblueによる治療を受けた患者 2. 除外基準本試験では 被験者がごく少ないことが予想されたことから 主治医が臨床的に重要であると判断した基準 を除外基準に設定した 以下にメチレンブルー (methylene blue: MB) による治療の際に臨床的に重要と判断されたであろう除外基準を示す 1) MB に対する過敏症あるいは特異体質反応が認められる者 又はその既往歴を有する者 2) グルコース 6 リン酸脱水素酵素 (Glucose-6-phosphate dehydrogenase: G6PD) 欠損症が認められる者 又は認められた経歴を有する者 3) 過去 又は現在の臨床検査値により腎不全と判明している者 4) 30 日以内にセロトニン再取り込み阻害作用を有する薬剤を服用した者例 : 選択的セロトニン再取り込み阻害薬 三環系抗うつ薬 ノルエピネフリン - ドーパミン再取り込み阻害薬 トリプタン 又は麦角アルカロイド 5) QT 間隔 /QT 補正間隔 (QT interval/qt interval (corrected): QT/QTc) が男性で 430 msec 女性で 450 msec を超える 又は試験責任医師の判定で臨床的に異常とみなされた者 5

188 2.7.6 個々の試験のまとめメチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 試験デザイン 被験者数 試験薬 用法 用量 表 試験方法の概略 : 第 III 相試験 ( 続き ) 本試験は レトロスペクティブに収集した臨床データをプロスペクティブに解析した非盲検試験である 試験依頼者は と契約し MetHb 血症治療のため Proveblueを静脈内投与された被験者の臨床データを収集した さらに 海外病院 (A 国 )* に 1 試験 海外病院 (B 国 )* に 1 試験 計 2 試験のモニタリング計画を作成し の医薬品開発業務受託機関 (CRO) 及びの担当責任者が モニタリング計画に従って 12 名の患者全員のデータをモニターした モニターは症例報告書 (clinical report form: CRF) に記載されたデータの精度と信頼性をチェックし 適切なデータを収集した 男性 7 名 女性 5 名 計 12 名 Proveblue 製 : Batch No. 9280, 9281, 1215, , 1291, 2006, 2126, 1218, 2165 製 : Batch No. F ~2 mg/kg の Proveblue を 5 分間かけて静脈内投与した 8 名の被験者には希釈せず投与したが 4 名にはブドウ糖 5% 溶液で希釈して投与した 追加投与の要否の判断は通常 初回投与の 1 時間後に行った 評価項目 有効性 : 血中 MetHb 濃度 (%) 安全性 : 副作用の徴候及び症状 有害事象 心電図 統計解析手法 連続変数 ( 年齢 体重 ): 記述統計量を用いた 被験者背景変数 ( 性別 ): 頻度表を作成した 有害事象 : 治療期間中に発現したすべての有害事象を被験者別に表に要約した 臨床検査 : 得られた被験者数人分の臨床検査データを用いた 臨床検査室で正常値と定義された値を外れた値を異常値とした バイタルサイン : 記述統計量を用いた 心電図 : 治療中の心電図データを可能な限り収集し 解析した 被験者数 解析対象及び被験者背景解析した被験者は Proveblue を投与する前に死亡した 1 名を除いた 12 名である 収集した個体別情報をベースに有効性及び安全性解析を実施した 被験者の背景を表 に 既往歴を表 に示す 後天性 MetHb 血症の緊急治療を受けた被験者の性別は男性 7 名 女性 5 名であった 平均体重は 51.7 kg 平均年齢は 27.5 歳であり 構成は早産新生児 1 名 小児 2 名 成人 9 名であった ( 成人 : 18~65 歳と定義 ) 小児 2 名には泌尿器 / 腎疾患が 成人男性 1 名には心臓疾患の既往があった 6 *: 新薬承認情報提供時に置き換え

189 2.7.6 個々の試験のまとめメチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 パラメータ ( 背景因子 ) 表 被験者背景のまとめ 男性 男女別頻度及び平均 ( 標準偏差 ) 女性 平均値 ( 標準偏差 ) 又は合計 (%) 性別 ( 名 ) 年齢 ( 歳 ) 27.5 (18.4) 体重 (kg) 51.7 (28.1) 年齢カテゴリー 日齢 0~27 日 1 1 月齢 4~23 ヵ月 1 1 2~11 歳 ~65 歳 表 既往歴 既往歴 あり なし 報告なし 泌尿器 / 腎疾患 心臓疾患 有効性の結果 ベースライン被験者特性被験者に発症した後天性 MetHb 血症の原因物質の内訳は 硝酸塩又は亜硝酸塩が 7 名 メサラジンが 1 名 メトクロプラミドが 1 名 抗生物質が 1 名 サボテンの葉の可能性が 1 名 サヤマメの粉末が 1 名であった 被験者 12 名の臨床徴候及び症状の内訳を表 に示す チアノーゼが 10 名 蒼白が 5 名 呼吸困難及び呼吸抑制が各 4 名 不整脈及び昏睡が各 2 名であった 病院到着時の被験者の MetHb 濃度の平均は 40.5%( 範囲 10.6%~75%) 中央値は 43.6% であった 7

190 2.7.6 個々の試験のまとめメチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 表 MB 初回投与時の MetHb 血症の臨床徴候及び症状のまとめ パラメータ 被験者数 ( 名 ) ありなし報告なし総数 蒼白 チアノーゼ 呼吸困難 呼吸抑制 不整脈 昏睡 有効性の解析 Proveblueによる治療とその結果を表 に示す 全被験者 12 名の Proveblue の初回投与量は 2.0 mg/kg 以下であり うち 8 名の初回投与量は 0.8~1.0 mg/kg であった 12 名が Proveblueを 1~4 回投与され うち 9 名の投与回数は 1 回のみであった 治療期間中の総投与量は 11 名で 7 mg/kg 以下であり 10 名で 2.0 mg/kg 以下 7 名で 1.0 mg/kgであった 被験者 12 名の MB 初回投与時の MetHb 濃度の平均 ( 標準偏差 ) は 40.5(18.5)% であり うち 8 名の治療後の最終 MetHb 濃度は 3.0% 以下に低下した 他の 4 名の最終 MetHb 濃度は症例報告書に記録がなかった 全被験者が Proveblueによる治療の結果 臨床的に回復したと主治医によって判断された なお この試験では併用療法として 7 名に酸素治療が用いられた他 1 名には活性炭が 別の 1 名にはシアノキットが 1 名にはコーダロンが併用された 活性炭は Proveblueの 2 回目の投与中に投与され シアノキットはシアン化物による経口摂取中毒が疑われた患者に使用された 1 名は併用療法を受けておらず もう 1 名は報告がなかった 表 Proveblue による治療と結果 パラメータ 数値又は平均値 ( 標準偏差 ) 被験者数 ( 名 ) 被験者数 - 12 初回投与量 総投与量 投与回数 MB 初回投与時の MetHb 濃度 治療後 MetHb 濃度 1 mg/kg 8 2 mg/kg 12 1 mg/kg 7 2 mg/kg 10 > 2 mg/kg 2 1 回 9 2 回 10 4 回 (18.5)% 12 3% 報告なし 8 4 8

191 2.7.6 個々の試験のまとめメチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 被験者背景を Proveblue の初回投与量別に要約した結果を表 に示す Proveblueの初回投与量が 1.0 mg/kg 以下であった 8 名のうち 7 名は成人 1 名は早産新生児であった また 初回投与量が 2.0 mg/kg であった 4 名は 成人 2 名及び小児 2 名であった ほとんどの被験者は主要臓器疾患がない 又は報告されなかったが 泌尿器 / 腎疾患の既往歴が 2 名 心臓疾患の既往歴が 1 名に認められた 2 名はどちらも MetHb 血症の治療が奏効し さらなる合併症の発症もなく退院した 表 被験者背景 被験者背景及び Proveblue の初回投与量別の被験者分布 Proveblue 初回投与量別の被験者背景変数の例数 ( 平均値 ± 標準偏差 ) 0.8 mg/kg 1.0 mg/kg 2.0 mg/kg 年齢 ( 歳 ) 1 (25.8) 7 (33.9±18.4) 4 (16.7±17.6) 体重 (kg) 1 (65.0) 6 (58.6±28.6) 4 (38.1±29.5) 泌尿器 / 腎疾患の既往 ( 名 ) 心臓疾患の既往 ( 名 ) MB 初回投与時の MetHb 濃度 (%) あり 2 なし 報告なし 4 1 あり 1 なし 報告なし (47.0) 7 (33.1±18.8) 4 (51.7±15.6) MB 初回投与時の MetHb 濃度の平均を Proveblue の初回投与量別に解析した結果を表 に示す Proveblue の初回投与量が 1 mg/kg であった 7 名の MB 初回投与時の MetHb 濃度の平均 ( 標準偏差 ) は 33.1(18.8)% であった MetHb 濃度が高かった被験者 (44%~75%) は Proveblueの初回投与量が 0.8 mg/kg だった成人の 1 名を除いて初回投与量が 2.0 mg/kg であった 表 Proveblue の初回投与量 (mg/kg) MB 初回投与時の MetHb 濃度と初回投与量の関係 MB 初回投与時の MetHb 濃度の群別平均値 ( 標準偏差 ) 被験者数 ( 名 ) 平均値 ( 標準偏差 ) 範囲 (%) , 47~ (18.8), 11~ (15.6), 44~75 MB 初回投与時の MetHb 濃度を Proveblueの総投与量別に解析した結果を表 に示す ヘモグロビン (hemoglobin:hb) の機能回復に要した Proveblue の総投与量と MB 初回投与時の MB 初回投与時の MetHb 濃度には関連があった 例えば Proveblueの総投与量が 13 mg/kg であった被験者 1 名の MB 初回投与時の MetHb 濃度が 75.0% であったのに対し 総投与量が 1 mg/kg であった 7 名の MB 初回投与時の MetHb 濃度の平均は 33.1% であった 9

192 2.7.6 個々の試験のまとめメチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 表 DS-2207b 総投与量別被験者背景及び MB 初回投与時の MetHb 濃度 Proveblue の総投与量 (mg/kg) 被験者数 ( 名 ) 年齢 体重 MetHb 濃度の群別平均値 年齢 ( 歳 ) 体重 (kg) MB 初回投与時の MetHb 濃度 (%) MB 初回投与時の MetHb 濃度を Proveblue の投与回数別に解析した結果を表 に示 す Proveblue の投与回数も MB 初回投与時の MetHb 濃度と関連があった 表 Proveblue の投与回数別被験者背景 Proveblue の総投与回数 変数 1 回 N = 9 2 回 N = 1 3 回 N = 1 4 回 N = 1 平均年齢 ( 歳 ) MB 初回投与時の MetHb 濃度 (%) 表 に示すように Proveblueの総投与量及び投与回数と治療後の MetHb 濃度の関係に関するデータはほとんどなかった 被験者 8 名が総投与量 1.0~13 mg/kgで最終 MetHb 濃度 3.0% 以下に回復した 4 名で最終 MetHb 濃度の報告がなかったが いずれも治療後の経過が良好であったことから 退院時には臨床的に許容可能な MetHb 濃度まで低下したと推定した 表 Proveblue の総投与量及び投与回数と最終 MetHb 濃度 Proveblue の総投与量 (mg/kg) 最終 MetHb 濃度 1.0 N = N = N = N = N = 1 0~1% - 1 名 (2) 2 名 (1) 1 名 (4) 1 名 (3) > 1~3% 3 名 (1) 報告なし 4 名 (1) ( ) 内は投与回数 Proveblueを用いた MetHb 血症治療と臨床的回復との関係を表 に示す 硝酸塩又は亜硝酸塩などが原因で MetHb 血症を発症した平均年齢 27.5 歳の被験者 12 名が Proveblue による治療で MetHb 血症から臨床的に有意に回復した 12 名の MB 初回投与時の MetHb 濃度の平均は 40.5% であったが 平均 2.7 mg/kg の Proveblueを平均 1.5 回投与された結果 最終 MetHb 濃度は 8 名で 3% 以下に低下した (4 名は最終 MetHb 濃度の報告なし ) 10

193 2.7.6 個々の試験のまとめメチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 表 Proveblue を用いた MetHb 血症の治療と結果 パラメータ 数値又は平均値 ( 標準偏差 ) 被験者数 ( 名 ) 12 年齢 ( 歳 ) 27.5 (18.4) 硝酸塩又は亜硝酸塩 7 名 原因物質 メトクロプラミド 1 名 抗生物質 1 名 その他 3 名 総投与量 (mg/kg) 2.7 (3.66) 投与回数 ( 回 ) 1.5 (1.0) MB 初回投与時の MetHb 濃度 (%) 40.5 (18.5) 最終 MetHb 濃度 ( 例数 ) 3% 8 報告なし 有効性の結論本試験では 緊急治療を要する後天性 MetHb 血症被験者を対象に Proveblue の有効性を検討した 被験者 12 名の年齢範囲は 6 日齢 ~54 歳であり MB 初回投与時の MetHb 濃度の平均は 40.5%( 範囲 10.6~75.0%) であった 12 名の平均投与回数は 1.5 回であり うち 9 名 (75%) の投与回数は 1 回のみであった 12 名の平均総投与量は 2.7 mg/kg( 範囲 1.0~13.0 mg/kg) であり うち 7 名 (58%) の総投与量は 1.0 mg/kg であった Proveblue 投与後 10 名の被験者は 12.5 時間以内に臨床症状が回復し 9 名は追加投与を必要としなかった 最終 MetHb 濃度は被験者 8 名 (67%) で 3.0% 以下に低下した 他の 4 名 (33%) は最終 MetHb 濃度の報告がなかったが 全被験者が臨床的に回復したことから 最終 MetHb 濃度が低下したと推定できた 試験依頼者は Proveblueが後天性 MetHb 血症の治療に有効な薬剤であり 成人の初回投与量として 1.0 mg/kg が適切であると結論づけた 安全性の結果 有害事象有害事象と心電図安全性データの要約を表 に示す また 有害事象の一覧を表 に 不整脈及び心電図異常データを表 に示す 有害事象は 5 名の被験者に 15 件が認められた ほとんどが患者の既往歴によるものであり 10 件は Proveblueとの関連がある可能性は低いと判定された 2 件は関連なし 3 件は判定不能であった 被験者 12 名はProveblueの投与前に心電図を記録し 異常が認められた場合は継続してモニタリングした 投与後の心電図は 12 名のうち 10 名でモニタリングされたが うち 1 名の心電図 ( 第 3 誘導心電図 ) のみ記録された 11

194 2.7.6 個々の試験のまとめメチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 表 有害事象と心電図安全性データの要約 有害事象パラメータ 有害事象パラメータ別の被験者数 ( 名 ) ありなし報告なし 有害事象 心電図モニタリング 心電図記録 QT/QTc 間隔 器官別大分類 血液およびリンパ系障害溶血性貧血 表 基本語 メトヘモグロビン血症 新生児赤血球増加症 有害事象一覧 胃腸障害胃粘膜病変 N3 肝胆道系障害高ビリルビン血症 N4 関連あるかもしれない 感染症および寄生虫症鼻咽頭炎 N10 細菌性尿路感染 臨床検査血中ビリルビン増加 N3 血中クレアチンホスホキナーゼ増加 血中乳酸脱水素酵素増加 N1 N3 N3 関連なし判定不能 代謝および栄養障害低カリウム血症 N1 精神障害睡眠障害 N1 自殺行為 自殺念慮 皮膚および皮下組織障害水疱 N= 被験者番号 MedDRA ver.16.1 N3 N3 N1 N2 N1 N4 表 心電図パラメータ 心電図異常 不整脈 -: 測定せず Proveblue 投与前後の心電図パラメータ別被験者数 パラメータ 投与前後別被験者数投与前投与後 完全右脚ブロック - 1 ( 心周期異常なし ) QRS セグメントと PR - 1 間隔の延長 洞性頻脈 + STセグメント低下 1 -- 報告なし 3 - あり 2 0 なし 7 12 報告なし

195 2.7.6 個々の試験のまとめメチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 死亡及びその他の重篤な有害事象本試験期間中に 死亡した被験者はいなかった また 重篤な有害事象は メトヘモグロビン血症 溶血性貧血 細菌性尿路感染 胃粘膜病変 自殺念慮 自殺行為 高ビリルビン血症 新生児赤血球増加症が各 1 件であった 臨床検査値の評価本試験に参加した被験者の臨床検査値は入院時に測定された 12 人中数人の血液データが得られた 得られた血液データを表 に示す これらの値は正常範囲内であった 血小板数の 221/L 値は被験者の医療記録及び CRFに記録されていたが 信憑性が非常に疑わしい Proveblue 投与後の臨床検査値は系統的な手法では収集されず これらのパラメータに治療が及ぼした効果を推測することはできなかった 表 入院時の検査データ 臨床パラメータ 臨床パラメータの群平均 標準偏差 及び範囲 N 平均標準偏差範囲 血液 成分 白血球 7 3.3E10 5.4E E9 血小板 (/L) 7 1.9E11 1.4E E9 活性セファリン時間 (sec) 血液 化学 ph 重炭酸イオン (mmol/l) 乳酸 (mmol/l) Proveblue 投与が MetHb 濃度及び酸素飽和度に与えた治療効果を表 に示す 表 より 5 名の被験者の酸素飽和度が Proveblue の初回投与後に正常値に回復していることが読み 取れる 13

196 2.7.6 個々の試験のまとめメチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 表 Proveblue 投与が MetHb 濃度及び酸素飽和度に与えた治療効果 結論本試験では 緊急治療を要する後天性 MetHb 血症被験者を対象に Proveblue の安全性及び有効性を検討した 被験者 12 名は試験期間の 24 ヵ月間にフランス 台湾で登録された本試験の目的に該当する患者である 被験者の年齢範囲は 6 日齢 ~54 歳であり MB 初回投与時の MetHb 濃度の平均は 40.5%( 範囲 10.6%~75%) であった 12 名の平均投与回数は 1.5 回 ( 範囲 1~4 回 ) であり 12 名中 9 名 (75%) の被験者の投与回数は 1 回のみであった 12 名の平均総投与量は 2.7 mg/kg( 範囲 1.0~13.0 mg/kg) であり 12 名中 7 名 (58%) の総投与量は 1.0 mg/kg であった 最終 MetHb 濃度は 被験者 8 名 (67%) で 3% 以下に低下した 4 名は最終 MetHb 濃度の報告がなかったが 全被験者が臨床的に回復したことから 最終 MetHb 濃度が低下したと推定できた 本試験期間中に 死亡例はなかった 有害事象は 5 名の被験者に 15 件認められ 8 件が重篤な有害事象と判定された QT/QTc 延長を含む心電図パラメータについて 臨床的に有意な変化は報告されなかった バイタルサインは 本試験の全被験者が入院時に臨床的に有意な MetHb 血症を示しており MBによる緊急治療を必要としていたことを裏付けるものである 以上の結果より 試験依頼者は Proveblueが後天性 MetHb 血症の安全 かつ有効な治療法であると結論づけた 被験者データリスト 被験者データリストは に添付した 14

197 2.7.6 個々の試験のまとめメチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 1.2 MB の投与方法に関する無作為化比較試験 MB の有効性及び安全性の評価に関する無作為化比較試験は 1 報であった 以下にその概要を記載する 小児 MetHb 血症 ( 原因 : ダプソン ) への MB 投与 - 投与方法の無作為比較試験 ( 添付資料番号 ) 方法 ダプソン中毒の小児に MB を間欠又は持続静脈内投与し 血中 MetHb 濃度の減少量を投与方法間で比較するために試験を行った 対象は 2001~2006 年の間に ネパールの 1 施設及びインドの 1 施設に救急で来院した小児ダプソン中毒患者 11 名 ( 男 5 名 / 女 6 名 38 ヵ月齢 ~ 61 ヵ月齢 ) とした 11 名を無作為に Group-1 Group-2 の 2 群に分け Group-1 の 5 名には 2 mg/kg の MBを 6 時間ごとに bolus 投与 ( 間欠静脈内投与 ) し Group-2 の 6 名には 2 mg/kg の MB を通常生理食塩水で希釈したものを 6 時間にわたり持続して投与 ( 持続静脈内投与 ) した 両群の MB の総投与量は同じ量に調整した 血中の MetHb 濃度は MB 投与前及び MB 投与後 12 時間ごとに 72 時間後まで分光光度計により測定した MetHb 濃度の減少量はスチューデントの t 検定によって統計的に解析した 結果 表 に Group-1 Group-2 の平均 MetHb 濃度の経時変化と 2 群間の差の統計的優位性を示す Group-1 と Group-2 の MB 投与前の MetHb 濃度の平均 ( 標準偏差 ) はそれぞれ 52.7 (2.52)% 52.8(3.02)% であった Group-2 の MB 投与後 及び 72 時間の MetHb 濃度の減少は Group-1 と比較して統計学的に有意であった Group-1 では Group-2に比べて SpO 2 値に大きな変動が認められた Group-2では 2 名にスルホヘモグロビン血症が起こり チアノーゼが長引く要因となった また 試験期間中は MB 静脈内投与とともに併用療法 ( 被験者全員に酸素吸入 一部の被験者に胃洗浄 ) がなされた 以上の結果より MB は持続投与の方が投与直後から MetHb 濃度を有意に下げて低値を維持したことから 持続投与の効果は間欠投与よりも優れた MB 投与方法であると結論づけた 表 MB 投与後の MetHb 濃度の経時的変化 15

198 2.7.6 個々の試験のまとめメチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 1.3 プロスペクティブ試験 MBの有効性及び安全性の評価に関するプロスペクティブ試験の文献は 4 報あった 以下にその概要を記載する MetHb 血症 ( 原因 : プリロカイン ) への MB 投与 ( 添付資料番号 ) 方法 局所麻酔剤プリロカインを投与された患者に MetHb が形成されていることを調べるために 術前患者と健康成人ボランティアを A~D の 4 群に分けて試験を行った A 群 67 名 ( 術前患者 男 54 名 / 女 13 名 19~83 歳 ) には 300 mg(n = 16) 600 mg(n = 25) 900 mg(n = 15) 1200 mg(n = 10) 及び 1600 mg(n = 1) のプリロカインを投与し B 群 14 名 ( 術前患者 男 12 名 / 女 2 名 19~82 歳 ) には 500 mg のリドカイン ( 文献中ではリグノカインと表記 ) を投与した A B 群ともに定期的に静脈血を採血して MetHb 濃度 ビリルビン ハプトグロビン クレアチニン 及び GPTを測定した C 群 9 名 ( 健康成人 男 8 名 / 女 1 名 22~30 歳 ) には 1200 mg のプリロカインを投与し 投与前から 72 時間後まで定期的に MetHb 濃度 ビリルビン ハプトグロビン クレアチニン 及び GPTを測定し ハインツ小体数をカウントした D 群 11 名 ( 術前患者 性別年齢記載なし ) のうち 5 名には 1 mg/kg の MB を静脈内投与し 直後に 600 mg(n = 1) 900 mg(n = 1) 及び 1200 mg(n = 3) のプリロカインを投与して 6~24 時間後の MetHb 濃度を測定した また 1 名に 1200 mg のプリロカインを投与し 3 時間後に 1 mg/kgの MBを静脈内投与して MetHb 濃度の経時変化を観察した 別の 4 名には 600 mg 及び 900 mg( 各 n = 2) のプリロカインの投与直前に 300 mg のアスコルビン酸を静脈内投与し 6~24 時間後の MetHb 濃度を測定した 残る 1 名には 1200 mg のプリロカインの投与時 2 時間後 及び 4 時間後に各 300 mg のアスコルビン酸を静脈内投与し 6~24 時間後の MetHb 濃度を測定した 結果 B 群では 500 mgのリドカインによって MetHb 血症とチアノーゼが誘導されなかったのに対し 300~1600 mg のプリロカインを投与した A 群全員と 1200 mg のプリロカインを投与した C 群全員に MetHb 血症とチアノーゼが誘導された MetHb 濃度は多くの患者 (42/76 名 ) でプリロカイン投与 6 時間後にピークに達した プリロカインの投与量とピーク時の MetHb 濃度との関係を図 に示す プリロカインの投与量に対する MetHb 濃度は個人によって大きなばらつきがあったが ピーク時の平均 MetHb 濃度とプリロカインの投与量の間には関連があった 16

199 2.7.6 個々の試験のまとめメチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 図 A 群のプリロカインの投与量とピーク時 MetHb 濃度の関係 ピーク時 MetHb 濃度の平均 ± 標準誤差 300 mg: n=16,600 mg: n=25,900 mg: n=15,1200 mg: n=10 図 図 に D 群の 11 名に対して 1 mg/kg の MB 又はアスコルビン酸が示した効果をプリロカインの投与量別に示す アスコルビン酸の直前投与及び 2 時間ごとの反復投与が MetHb 血症の予防及び治療効果を示さなかったのに対して MBの直前投与及び 3 時間後の投与は明らかな予防及び治療効果を示した 1200 mg のプリロカインを投与し 3 時間後に 1 mg/kg の MBを投与した 1 名では MB 投与前まで上昇し続けた MetHb 濃度が MB 投与後には急激に減少し 3 時間後には消失した 以上の結果より MB 投与によって MetHb 血症を予防 又は治療できると結論づけた 17

200 2.7.6 個々の試験のまとめメチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 図 プリロカイン誘発性による MetHb 血症に対する MB の予防及び治療効果 : プリロカイン 600 mg(1 mg/kg MB 直前投与, n=1) : プリロカイン 900 mg(1 mg/kg MB 直前投与, n=1) : プリロカイン 1200 mg(1 mg/kg MB 直前投与, n=3) : プリロカイン 1200 mg(1 mg/kg MB を矢印の時点で投与, n=1) 図 プリロカイン誘発性 MetHb 血症に対するアスコルビン酸の予防及び治療効果 : プリロカイン 600 mg(300 mg アスコルビン酸直前投与, n=2) : プリロカイン 900 mg(300 mg アスコルビン酸直前投与, n=2) : プリロカイン 1200 mg(300 mg アスコルビン酸を矢印の時点で反復投与, n=1) 健康成人への MB 投与 ( 第 I 相試験での安全性評価 )( 添付資料番号 ) 方法 Methylene blue-mmx 錠 (MB-MMX: Cosmo 社 [ イタリア ] の MB 放出制御製剤 ) の安全性 忍容性 及びバイオアベイラビリティを調べることを目的とし 健康成人ボランティア 22 名 ( 男性 10 名 / 閉経後女性 12 名 24~61 歳 ) を対象として行われた第 I 相試験である 第 1 18

201 2.7.6 個々の試験のまとめメチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 段階では 10 名の被験者に対してオープンラベル 無作為化 2-way クロスオーバー法にて MB-MMX 200 mg を単回経口投与又は MB 1% 注射用溶液 (Akorn 社 米国 )100 mg を 6 分かけて単回静脈内投与した ( ウォッシュアウト期間は少なくとも 7 日間 ) 第 2 段階では 別の 12 名のボランティアを対象に MB-MMX 400 mg を単回経口投与した 全被験者は 2 Lの腸管洗浄液を 2 時間かけて摂取し 各 MBは腸管洗浄液摂取終了後 30 分に投与した MB 投与後 有害事象と臨床検査分析に焦点を当てて安全性の評価を行った ( 薬物動態及びバイオアベイラビリティは を参照 ) 有害事象の重症度は有害事象共通用語基準 4.0 版 * に従って決定した * 原文では Common Terminology Criteria for Adverse Events, version 0.4と記載 結果 有害事象は 45.5%(10/22) の被験者に発現した 重篤な有害事象はなく 特別な治療を必要としなかった ほとんどの有害事象は MB の投与に関連すると判断されたが 重症度は軽度と考えられた MBの投与に関連する有害事象は 36.4%(8/22) の被験者に発現した MBの投与に関連する有害事象を 器官別大分類 (SOC) 別 基本語 (PT/LLT) 別にまとめて 表 に示す 経口投与の計 3 名にトランスアミナーゼの変化が認められたが 15 日間の観察期間終了までには正常値に戻った ALT の上昇が認められた 3 名のうち 1 名のみ その発生から 6 日目まで重症度はグレード 3であったが その後グレード 1 まで低下した AST 上昇が認められた 1 名は当初グレード 2であったが 2 日後にグレード 1 まで低下した 排尿困難及び胃腸障害が各 13.6%(3/22) の被験者に認められ 排尿困難は 1 名でグレード 2 であり 他の 2 名はグレード 1であった その他の有害事象はすべてグレード 1 であった なお MB を静脈内投与した被験者 10 名のうち 1 名に嘔吐が 1 名に浮動性めまいが発現した ( いずれもグレード 1) 表 MB の単回経口投与又は単回静脈内投与後の有害事象 19

202 2.7.6 個々の試験のまとめメチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 MetHb 血症 ( 原因 : 4-dimethylaminophenol hydrochloride) への MB 投与 ( 添付資料番号 ) 方法 MetHb 血症に対するトルイジンブルーの治療効果を MBと比較して示すことを目的として 健康成人ボランティア 31 名 ( 男 23 名 / 女 8 名 20~47 歳 ) を対象に比較試験を行った 全被験者に 3.25 mg/kg の 4-dimethylaminophenol hydrochlorideを静脈内投与し MetHb 濃度 ( 表中 HbFe III と記載 ) を平均 32.7% に増加させた 10 分後に 1 2 及び 4 mg/kg のトルイジンブルーの 3% 水溶液 ( 各 n = 6) あるいは 1 及び 2 mg/kg( 計画段階では 4mg/kgも予定 ) の MB の 3% 水溶液 ( 各 n = 6) を静脈内投与し MetHb の還元効果及び還元初速度について両群間を比較した さらに トルイジンブルー又は MBの投与後 1 及び 24 時間後に採血した血液サンプルをナイルブルーで染色し ハインツ小体を観察した 結果 トルイジンブルー又は MB の MetHb 還元効果を図 に示す トルイジンブルー及び MB はどちらも MetHb 還元を触媒したが トルイジンブルー 2 mg/kg 投与群は MB 2 mg/kg 投与群と比較して MetHb 還元促進効果が約 80% 高い結果であった トルイジンブルー又は MB の投与量と MetHb 還元初速度の関係を図 に示す MB 1 mg/kg 投与群は トルイジンブルー 1 mg/kg 投与群よりわずかに MetHb 還元初速度が速い結果であったが MB は投与量を 2 mg/kg に増加しても還元初速度は変化しなかった 一方トルイジンブルーの投与量を 2 mg/kg に増加すると還元初速度も速くなり トルイジンブルー 2 mg/kg 投与群の還元初速度は MB 2 mg/kg 投与群のほぼ 2 倍であった トルイジンブルー又は MB の投与後 1 及び 24 時間後に採血した血液サンプルにハインツ小体は認められなかった しかし MBの 2 mg/kg 投与群のすべての症例で嘔気 発汗 及び口と指先の不快な灼熱感が観察されたため 計画していた MB の 4 mg/kg 投与は実施しなかった 20

203 2.7.6 個々の試験のまとめメチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 図 dimethylaminophenol による MetHb 形成とトルイジンブルー又は MB の MetHb 還元効果 : MB 2 mg/kg (n = 6), : トルイジンブルー 2mg/kg (n = 6), : トルイジンブルー 4 mg/kg (n = 6), : トルイジンブルー及び MB 未投与, HbFe III : MetHb 図 トルイジンブルー及び MB の投与量別の MetHb 還元初速度 : MB (n=6), : トルイジンブルー (n = 6), : トルイジンブルー及び MB 未投与 21

204 2.7.6 個々の試験のまとめメチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 新生児 MetHb 血症への MB 投与 ( 添付資料番号 ) 方法 デンマークの Hvidovre 病院の新生児集中治療室 (neonatal intensive care unit: NICU) 内で治療を受けた新生児を対象として MetHb 血症の発現の有無を確認するために 8 ヵ月間にわたり MetHb 濃度を測定した MetHb 濃度が 6% 以上の患者を MetHb 血症として登録し 一部の MetHb 血症新生児に個別の臨床的判断に基づき MB を静脈内投与し MB 投与後の臨床パラメータを集積した MetHb 濃度は MB 投与前後に測定し MB 投与前と投与 2 日後には末梢血中の赤血球 (peripheral erythrocytes) の形態を観察した 結果 対象となった 415 名の新生児のうち 33 名 (8%) が MetHb 血症であり 平均 MetHb 濃度は 19%( 範囲 6.5~45.5%) であった MetHb 濃度の最大値は分娩後平均 12 日目 ( 範囲 4~31 日目 ) に観察され MetHb 血症が観察される平均日数は 6 日間 ( 範囲 1~18 日間 ) であった MetHb 濃度の最大値と妊娠週数には有意な負の相関があり (r = 0.38 P < 0.02) MetHb 血症は妊娠週数 25~30 週で産まれた新生児の約 40% と 出生時体重 1000 g 未満の新生児の 60% にみられた 33 名のうち 13 名の新生児が計 28 回の MB 投与による治療を受け 20 名は MB 投与しなかった MBを投与した新生児 13 名の平均妊娠週数は 28 週 ( 範囲 25~30 週 ) 平均体重は 895 g ( 範囲 590~1430 g) であった 当初 著者らは文献 1,2 で推奨された投与量 (1.0~1.6 mg/kg) の MB を 11 回投与 ( 詳細な個別投与回数は記載なし ) したところ 非常に迅速な効果が得られたため 次に MBの投与量を 0.1~0.2 mg/kg に下げて 7 回投与 ( 詳細な個別投与回数は記載なし ) した しかし 0.1~0.2 mg/kg では効果が不十分だったため 最終的には 0.3~0.9 mg/kg の用量で 10 回 MBを投与 ( 詳細な個別投与回数は記載なし ) したところ 1.0~1.6 mg/kg とほぼ同じ還元率を示し 十分な効果が得られた ( 表 ) 表 早産新生児への MB の投与量と MetHb 減少率 表中の数字は平均 MetHb 濃度 ( 範囲 ) 末梢血中の赤血球の形態は MetHb 血症新生児と正常新生児で同様であり MetHb 血症新生児の MB 投与前と投与 2 日後の末梢血中の赤血球の形態は類似していた MB を投与された 13 名の新生児は平均 4.8 回 ( 範囲 2~8 回 ) 輸血を受けたのに対し MB 投与をされなかった 20 名の新生児の平均 2.3 回 ( 範囲 0~7 回 ) 及び対照群( 妊娠期間及び出生時体重が同様であるが MetHb 血症ではない群 ) の平均 1.0 回 ( 範囲 0~3 回 ) に比較して多かった 著者らは 22

205 2.7.6 個々の試験のまとめメチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 輸血回数の増加は MB 投与に起因する可能性があるとし MBを最小量で投与することの必要性を強調するとともに 早産新生児の重篤な MetHb 血症には 0.3~1.0 mg/kgの MB 投与による治療が効果的であると結論づけた なお NICU 治療を受けた新生児の MetHb 血症の原因は複数あると考えられたが 保育器内の加湿のために添加したクロルヘキシジンが分解して生じた微量のパラクロロアニリンの皮膚からの吸収 及びニコチンアミドアデニンジヌクレオチド (nicotinamide adenine dinucleotide: NADH) リダクターゼ濃度レベルが新生児では低いことが原因と推測された 23

206

207 2.7.6 個々の試験のまとめメチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 (24~60) 歳であった 表 被験者背景 N = 12 Sex - n (%) Female 5 (42) Male 7 (58) Race - n (%) Black or African American 5 (42) White 7 (58) Ethnicity - n (%) Hispanic or Latino 2 (17) Not Hispanic or Latino 10 (83) Age (years) Mean 35.3 SD 9.84 Median 33.5 Minimum 24 Maximum 60 Weight (kg) Mean SD Median Minimum 58.2 Maximum 93.7 Height (cm) Mean SD 8.52 Median Minimum 159 Maximum 187 BMI (kg/m 2 ) Mean SD Median Minimum Maximum 添付資料番号 の表 から引用 薬物動態の結果 血漿中 MB 及び Azure B 濃度の推移を図 に 薬物動態パラメータを表 に示す 血漿中 MB 濃度が測定可能であった被験者数は 投与 24 時間後までが 12 名 投与 25

208 2.7.6 個々の試験のまとめメチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 36 時間後までが 10 名 投与 48 時間後までが 8 名 投与 72 時間後までが 2 名であった 血漿中 Azure B 濃度が測定可能であった被験者数は 投与 10 時間後までが 12 名 投与 16 時間後までが 8 名 投与 24 時間後までが 7 名であった 血漿中 MB 濃度及び Azure B 濃度の平均値の最高値は それぞれ ng/ml( 投与 0.08 時間後 : 投与終了時 ) 及び ng/ml( 投与 0.75 時間後 : 投与終了 45 分後 ) であった 図 単回静脈内投与後の血漿中 MB 及び Azure B の濃度推移 ( 平均値 ± 標準偏差 ) 添付資料番号 の図 から引用 表 単回静脈内投与後の薬物動態パラメータ ( 平均値 [ 標準偏差 ]) 添付資料番号 の表 2 及び表 3 から引用 安全性の結果死亡 重篤な有害事象 及び治験の中止に至る有害事象は認められなかった 有害事象は 12 名中 10 名 (83%) に 19 件認められた 最も発現率が高かった有害事象は 5 名に発現した注射部位疼痛であった 発現した有害事象は いずれも軽度であった 臨床検査 バイタルサイン 心電図 及び身体的所見に 臨床的に意味のある変化は認められなかった 26

209 2.7.6 個々の試験のまとめメチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 器官別大分類基本語 表 有害事象一覧 被験者数 (%) MB の投与を受けた被験者数 12 (100) 有害事象発現被験者数 10 (83) 心臓障害 1 (8) 頻脈 1 (8) 胃腸障害 2 (17) 下痢 1 (8) 消化不良 1 (8) 悪心 2 (17) 嘔吐 1 (8) 一般 全身障害および投与部位の状態 7 (58) 熱感 1 (8) 注入部位血管外漏出 1 (8) 注入部位疼痛 5 (42) 注入部位そう痒感 1 (8) 血管穿刺部位血腫 1 (8) 臨床検査 1 (8) アラニンアミノトランスフェラーゼ増加 1 (8) 筋骨格系および結合組織障害 2 (17) 筋痙縮 1 (8) 四肢痛 1 (8) 神経系障害 1 (8) 浮動性めまい 1 (8) MedDRA ver.15.1 添付資料番号 の表 4 から引用 結論 MB USP 品 1 mg/kg の健康成人への単回静脈内投与は 安全かつ忍容性は良好であった 健康成人に MB USP 品 1 mg/kg を約 5 分かけて単回静脈内投与した時の C max の平均値は 492 ng/ml AUC 0-inf の平均値は 3069 ng h/ml t max の中央値は 11 分 t 1/2 の平均値は 17 時間 平均滞留時間の平均値は 19 時間 全身クリアランスの平均値は 19 L/hr 分布容積は 467 Lであった 血漿中 Azure B の C max の平均値は 86 ng/ml AUC 0-inf の平均値は 718 ng h/ml C max に到達するまでの時間の中央値は 32 分 t 1/2 の平均値は 11 時間 及び平均滞留時間の平均値は 15 時間であった 27

210 2.7.6 個々の試験のまとめメチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 1.4 レトロスペクティブ研究 MBの有効性及び安全性の評価に関するレトロペクティブ試験の文献は 2 報あった 以下にその概要を記載する MetHb 血症 ( 原因 : 局所麻酔薬 ) への MB 投与 ( 添付資料番号 ) 方法 経食道心エコー検査 (transesophageal echocardiography: TEE) の際に 局所麻酔剤として使用するベンゾカインによる MetHb 血症の発症率と その進行に関連する臨床因子をレトロスペクティブに研究した 対象は 米国メイヨークリニックで 1999~2006 年の間に TEEを受けて MetHb 血症を発症した全患者とし 全員の診療記録並びに心エコー検査及び調剤のデータベースをレビューした また TEEを受け MetHb 血症を発症しなかった患者を無作為に 190 名選び対照群として比較した 結果 試験期間の 90ヵ月の間に TEEを行った 名のうち MetHb 血症を発生したのは 19 名 (0.067% 95% 信頼区間 0.040%~0.100%) であり 平均年齢 ( 標準偏差 ) は 62.8(16.0) 歳 ( 具体的な年齢範囲は不明 ) 性別は男 10 名 / 女 9 名であった 被験者 19 名はいずれも TEE の前処置として 20% ベンゾカインスプレーを投与されており ( 正確な投与量の記録なし ) うち 17 名は 2% の粘性リドカインも同時に投与された 19 名はチアノーゼを呈し また パルスオキシメーターの示す血液酸素飽和度が低値であり 動脈血ガスサンプリングの結果から MetHb 血症と診断された MetHb 濃度の平均 ( 標準偏差 ) は 32(15)%( 範囲 15~60%) であった ベンゾカイン投与から MetHb 血症の診断までにかかった時間の平均 ( 標準偏差 ) は 85(37) 分であった 19 名中 18 名に MB が静脈内投与され その投与量の平均 ( 標準偏差 ) は 1.3(0.4)mg/kg( 範囲 0.7~2 mg/kg) であった 18 名のうち 2 名は MBの初回投与量が 50 mgであり どちらも追加投与が必要であった 18 名全員は投与 1 時間後には症状が回復し 特に 20~30 分の間に回復した症例が多かった MB を投与されなかった 1 名は低血圧 呼吸困難 及びチアノーゼの症状を示し MetHb 濃度は 36% であったが 対症療法のみで一晩で完全に回復した MetHb 血症の進行に関連したと考えられる臨床的要因については 対照群と比較して解析した MetHb 血症発症群の 19 名は 対照群と比較して年齢 性別 BMI 血清アルブミン値 左室収縮期の機能 鎮静剤の投与量に差はなかったが 19 名中 17 名 (89.5%) が TEE 時に入院しており 対照群の 57.6% に比べて入院率が高く (P = 0.005) MetHb 血症を発症した患者の多くは敗血症や癌などの酸化ストレス下にあった 具体的には MetHb 血症発症群は対照群に比較して貧血になりやすく (84.2% vs 44.7% P = 0.002) TEE 時に活動性の全身性感染症に罹患している割合が高く (68% vs 6.8% P < 0.002) TEE の際に投与する制酸剤を投与されている患者率が高かった (63.2% vs 37.9% P = 0.03) 以上の結果から 入院や貧血などの臨床的要因を持つ患者にはベンゾカインの投与を最小量にする 又は避ける必要があると結論づけた 28

211 2.7.6 個々の試験のまとめメチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 MetHb 血症 ( 原因 : ダプソン ) への MB 投与 ( 添付資料番号 ) 方法 ダプソン中毒で MetHb 血症を発症した患者の臨床的特性を分析し 死亡率に関連したリスク因子を特定するためにレトロスペクティブに研究した 2003~2008 年の約 5 年間に韓国の Wonju Christian 病院の救急治療部に搬送された患者の電子医療記録をもとに ダプソン摂取後に MetHb 血症を発症した患者の人口統計データ 臨床データ 及び検査データを収集した なお 不完全なデータは除外した 収集した患者データを 55 歳以下の若年者群と 56 歳以上の高齢者群の 2 群に分け 収集した結果については t 検定と χ 2 検定を用いて統計学的に比較した 結果 46 名 ( 男 14 名 / 女 32 名 21~93 歳 ) の症例が得られた 若年者群と高齢者群の男女比 ダプソンの服用理由 ( 意図的又は偶発的 ) ダプソンの服用量 ダプソン服用から救急処置室 (emergency department: ED) 到着までの時間 及びアルコールの同時摂取の頻度に差はなかった ( 表 ) 46 名中 MB 投与前に死亡した 1 名を除き 45 名に MB が静脈内投与された 45 名には所見 症状 及び MetHb 濃度に応じて 通常 1 日 2 回 MB が投与された MB の総投与量及び平均 1 日投与量は若年群 (55 歳以下 ) と高齢群 (56 歳以上 ) 及び死亡した患者群と生存した患者群の間で大きな差はなかった 死亡した患者群は生存した患者群に比較して ダプソン服用から ED 到着までにかかった時間が長かった (P = 0.003) 死亡した患者群と生存した患者群の入院してからの MetHb 濃度の経時変化を図 に示す 死亡した患者群は 生存した患者群に比べて入院 9 日目の MetHb 濃度が有意に高かった (9.48 ± 8.58 vs 3.64 ± 3.91) 死亡率は若年群より高齢群でより高かった (P = 0.009) 死亡した患者群の患者特性の分析を表 に示す MB 未投与の 1 名 及び MB 投与の 8 名の計 9 名が死亡し 最も多い死因は多臓器不全であった 死亡以外の合併症 特にショックの発現 ( 収縮期血圧が 90 mmhg 未満 と定義 ) も高齢者群で顕著であった ほとんどの症例で MetHb 血症に続いて溶血がみられ その原因として MB の存在で形成された MetHb の酸化ストレスが原因で溶血が起こる可能性があると結論づけた 29

212 2.7.6 個々の試験のまとめメチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 表 ダプソンによる MetHb 血症患者の背景情報及び臨床データの比較 図 死亡した患者群と生存した患者群の MetHb 濃度の入院後の経時変化 縦軸は MetHb 濃度 P <

213 2.7.6 個々の試験のまとめメチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 表 死亡した患者特性の分析 1.5 レビュー文献 MBの有効性及び安全性の評価に関するレビュー文献は 6 報あった 以下にその概要を記載する MetHb 血症 ( 原因 : レクリエーショナルドラッグ ) への MB 投与 ( 添付資料番号 ) 方法 レクリエーショナルドラッグ ( コカイン 揮発性亜硝酸塩等 ) の使用によって MetHb 血症を発症するメカニズムを考察し 公表されている症例報告をまとめるために レクリエーショナルドラッグに関連した MetHb 血症の症例に関する文献をレビューした Medline EMBASE CINAHL 及び Psychinfo の 4データベースをもとに methaemoglobinaemia OR methemoglobinemia AND nitrites OR isobutyl nitrite OR butyl nitrite OR amyl nitrite OR cocaine OR recreational drugs をキーワードとして文献を検索した 検索結果から フルテキストが得られなかった文献と重複した症例を除外した ( 検索期間についての記載なし ) 結果 検索の結果 レクリエーショナルドラッグに関連した MetHb 血症に関する文献 29 報を同定した 29 報のうち 25 報は揮発性亜硝酸塩の使用に関する文献 4 報はコカインの使用に関する文献であった 揮発性亜硝酸塩使用に関する文献では 生存例 20 名及び死亡例 3 名について詳細の記述が認められた コカイン使用に関する文献では 4 名 ( コカイン中の混合物であるフェナセチン又は局所麻酔剤によって MetHb 血症を発症した 3 名及び原因物質が未確認の 1 名 ) の症例報告が得られた 揮発性亜硝酸塩に起因した MetHb 血症患者の生存例 20 名中 18 名 ( 男 12 名 / 女 6 名 2 ~48 歳 MetHb 濃度 17.8~94%) に MB が投与された ( 表 ) 18 名のうち 3 名の詳細な臨床経過を以下に要約を示す 31

214 2.7.6 個々の試験のまとめメチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 症例 1): 亜硝酸アミルを大量に摂取した 44 歳男性 (Edwards&Ujima) である 当初意識喪失 チアノーゼが認められたため気管挿管し 100% 酸素による人工呼吸を行ったが救急部に到着 12 分後に徐脈性心肺停止を示し エピネフリンと心肺機能蘇生法で蘇生した 動脈血ガス分析により MetHb 濃度は 94% であり 代謝性アシドーシスが認められた 患者に 80 mg (1 mg/kg) の MBを 10 分かけて静脈内投与したところ MB 投与 20 分後に患者の皮膚色は改善し 自発呼吸が認められ MetHb 濃度は 26% となった 続いて 2 回目の MB 投与 (100 mg 静脈内投与 ) を行い 持続的な代謝性アシドーシスに対して 8.4% 炭酸水素ナトリウム 50 ml を同時に投与した 極端に高い MetHb 濃度であったにも関わらず この症例の転帰は良好であり 患者は入院 24 時間以内に抜管し 後遺症なく退院した 症例 2): 亜硝酸アミルを吸入した 29 歳男性 (Sutton&Jeffrey) である 当初頻脈及び口周辺のチアノーゼが認められ パルスオキシメーターによる血液酸素飽和度は 56% MetHb 濃度は 61% であった MB 100 mg を静脈内投与し MB 投与 45 分以内に非侵襲的な酸素飽和度 (non invasive oxygen saturation) は 98% に上昇した 患者は生存し 問題なく退院した 症例 3): 亜硝酸イソブチルを吸入した 35 歳女性 (Lindenmann et al.) である 当初深刻なチアノーゼが認められ 気管挿管及び 100% 酸素による人工呼吸を行った MetHb 濃度は 75.2% であり 3 mg/kg の MB を静脈内投与したところ 意識レベル及びチアノーゼの改善が認められた MB 投与 30 分後の MetHb 濃度は 34.3% であった 続いて高圧酸素療法を 1 時間行った結果 MetHb 濃度は 2.2% に低下した MetHb 血症に対する高圧酸素療法が 単独使用でも MB との併用使用でも成功している文献が複数あることから 高圧酸素療法は特に治療量の MB で改善しない患者には治療法の選択肢の 1 つとなり得る 死亡例 3 名中 1 名に MBが投与された 3 名の臨床経過を以下に要約する 症例 1): 30 歳男性 (MetHb 濃度 38%) は薬物使用後心停止し 蘇生の段階で MB を 20 mg 静脈内投与したが死亡した 本症例については MetHb 血症の診断が心停止の後であったこと 及び MB 投与量が必要な量に達していなかったことが原因と考察している 症例 2 3): 2 名については MB が未投与であった ( 記載省略 ) 32

215 2.7.6 個々の試験のまとめメチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 表 揮発性亜硝酸塩で MetHb 血症を発症し 生存した患者の症例報告 症例報告の文献年齢 MetHb 濃度 MB 投与量併用療法 Horne et al. (1979) 25 歳男性 18% 未投与 - Wason et al. (1980) 36 歳男性 48% 3.3 mg/kg c (20 ml, 1%) Wason et al. (1980) 39 歳男性不明未投与 - Shesser et al. (1981) 16 歳男性不明 1.2 mg/kg c (70 mg) Guss et al. (1985) 21 歳男性 37% 1 mg/kg - Forsyth & Moulden (1991) 2 歳女性 43% 1 mg/kg - Sobey & Campbell (1992) 37 歳男性 17.8% Sutton & Jeffrey (1992) 29 歳男性 61% 1 mg/kg (80 mg) 1.7 mg/kg c (100 mg) Dudley & Solomon (1993) 20 歳女性 30% 不明 - Machabert et al. (1994) 21 歳男性 41.6% 0.83 mg/kg c (50 mg) Edwards & Ujima (1995) 44 歳男性 94% 1 mg/kg 気管挿管人工呼吸 Stambach et al. (1997) 20 代前半女性 83% 2 mg/kg - Modarai et al. (2002) 32 歳女性 59.9% 1.5 mg/kg - Modarai et al. (2002) 28 歳男性 63.3% 2 mg/kg - Jansen et al. (2003) 18 歳男性 85% 不明 高圧酸素療法 Lin et al. (2005) 31 歳男性 52.2% 2 mg/kg - Beneteau-Burnat et al. (2005) 44 歳男性 38.7% 2 mg/kg - Lindermann et al. (2006) 35 歳女性 75% 不明 Ranchon et al. (2008) 48 歳男性 34% 1.7 mg/kg c (100 mg) 高圧酸素療法 Gentry Wilkerson (2010) 19 歳女性 72% 1.5 mg/kg - 単位を統一するため成人の体重を 60 kg として仮の mg/kg 用量を計算し c 値 として記載した -; 原資料中に併用療法の記載なし - コカインの混合物による MetHb 血症患者 4 名の MetHb 濃度は 13.8~37% であった 4 名のうち 3 名 ( 男 2 名 / 女 1 名 24~34 歳 MetHb 濃度 24~37%) に MBが投与された 4 名の詳細な臨床経過を以下に要約を示す 症例 1): コカインを大量に摂取した 27 歳男性である 当初強直間代性発作及び重篤なチアノーゼが認められ 入院時の臨床パラメータから急性中毒と診断された MetHb 濃度は 37% であり 代謝性アシドーシスが認められた 発作に対して気管挿管を行い 1 mg/kg の MBの静脈内投与を行った MB 投与 1 時間後に MetHb 濃度は 15% に低下し 患者は臨床的に回復し 6 日後に退院した 症例 2): コカイン及びアルコールの摂取後心停止した 24 歳女性である 蘇生後の MetHb 濃度は 24% であり 深刻な代謝性アシドーシスが認められた MB 90 mg を投与したが 異常高熱と横紋筋融解症が発現し入院 2 日後に死亡した 33

216 2.7.6 個々の試験のまとめメチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 症例 3): 48 時間にわたりコカインを摂取した 24 歳の男性である コカイン摂取の翌朝顔色が青く パルスオキシメーターによる血液酸素飽和度は 84% であり MetHb 濃度は 28% であった MBの静脈内投与後 ( 投与量の記載なし ) 全快した 症例 4): 1 名 (MetHb 濃度 13.8%) については MetHb 濃度が 20% 以下であったため MB を投与しなかった ( 詳細省略 ) 以上の結果より レクリエーショナルドラッグによる MetHb 血症の原因として 揮発性亜硝酸塩 コカインに含まれる局所麻酔薬やフェナセチン等があった レクリエーショナルドラッグの使用者は一般的に 2 種類以上を一度に使用するため MetHb 血症発症のリスクが増す可能性があると結論づけた MetHb 血症 ( 原因 : 職場環境にある化学物質 ) への MB 投与 ( 添付資料番号 ) 方法 職場環境にある化学物質によって発症した MetHb 血症を調査するために Medline Toxline OSH-Romの 3つのデータベースをもとに methaemoglobinemia methemoglobinemia chemical cyanosis をキーワードとして 1964~2002 年の間に発表された英語文献を検索した また National Poisons Information Serviceの蔵書からも関連する文献を検索した 結果 検索の結果 603 名の症例報告が得られた ( 表 ) MetHb 血症の原因としてアニリン系物質 ニトロベンゼン系物質及び他のベンゼン系化合物等の曝露であった 603 名のうち 278 名 (46%) に MBが経口又は静脈内投与され そのうち 136 名 (23%) について MB の投与量や投与方法についての具体的な情報が得られた 136 名のうち 133 名が静脈内投与で 3 名が経口投与 ( 総投与量不明 ) であった 静脈内投与例 133 名中 投与量 (mg/kg 用量 ) の記載があった症例は 14 名であり その範囲は 1~4 mg/kg であった 残る 119 名のうち 11 名 ( 体重不明 ) には 40~200 mg の MBが投与され 別の 8 名には 500 mgの MBが 5 回に分けて投与された また他の 100 名は 1953~1962 年の間に同一の化学工場で起こったチアノーゼの症例であり MBは 1% 溶液として 50~ 100 mg を 5 分かけて投与され 追加投与はほとんど必要なかった 投与量の記載のない 119 名については 得られた総投与量から 著者が成人の体重を 70 kg と仮定して体重当たりの用量 (mg/kg) を計算したところ 用量は 0.6~7.14 mg/kg の範囲であった MB 投与前の最大 MetHb 濃度について記載があった 20 名のうち 19 名の MetHb 濃度は 8~78%( うち 2 名は 20% 未満 ) の範囲であり 残る 1 名は 65% を超える と記載があった MBが静脈内投与された 133 名中 7 名はアスコルビン酸と 66 名はシアノコバラミンと 8 名はアスコルビン酸及びチオ硫酸ナトリウムと併用投与された MB を投与された 278 名のうち 死亡した患者はなかったが MB 投与のベネフィットについては検索文献からは確認できなかったと結論づけた 34

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218 2.7.6 個々の試験のまとめメチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 表 原因物質別の職業性 MetHb 血症 ( 続き ) MetHb 血症 ( 原因 : 局所麻酔剤 ) への MB 投与 ( 添付資料番号 ) 方法 局所麻酔剤によって発症した MetHb 血症に関する症例報告をまとめるために PubMedをもとに methemoglobinemia local anesthetic をキーワードとして 1949~2007 年の約 58 年間の文献を検索した MetHb 血症の徴候及び症状をまとめるために 局所麻酔剤の総投与量がリドカインの 10 mg/kg に相当する量 * より高用量だった症例を除外した ( ベンゾカインはすべて含めた ) また 先天性 MetHb 血症例 部分的 (partial)g6pd 欠損症の症例 局所麻酔剤との関連が明らかでない症例 症状が疑わしい症例 英語又はフランス語以外で書かれた症例 麻薬に混入した局所麻酔から発症した症例 傍子宮頚管ブロック麻酔から発症した新生児の症例を除外した *: 相当量 : リドカイン : 1 ブピバカイン : 4 コカイン : 4 メピバカイン : 0.8 プリロカイン : 0.9 テトラカイン : 4 結果 233 名 242 件 (18 歳未満 80 件 18 歳以上 152 件 妊婦 8 件 記載なし 2 件 ) の症例報告が得られ そのうち 40.1% は 2000 年以降に公表された症例であった 治療としては 155 件に MB の静脈内投与 2 件にチオニンの静脈内投与 8 件にアスコルビン酸の経口 静脈内 又は筋肉内投与 14 件に MB の静脈内投与とアスコルビン酸の経口 静脈内 又は筋肉内投与の併用が行われ 53 件には治療は行われなかった ( 無処置群 ) なお 10 件については治療の記載はなかった MB の初回静脈内投与量は 0.5~5.5 mg/kg 総投与量は 0.6~9.4 mg/kg であった MetHb 濃度が 2.0% 以下になるまでに要した時間は 無処置群で 15~36 時間であったのに対し MB 又はチオニン ( アスコルビン酸併用例含む ) で治療した 171 件 ( 治療群 ) では 0.33~36.2 時間であった また チアノーゼが消失するまでに要した時間は 無処置群で 2~19.8 時間であったのに対し 治療群では 0.25~9 時間であった 36

219 2.7.6 個々の試験のまとめメチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 MB の投与後 5 名にパルスオキシメーターで測定した血液酸素飽和度の低下がみられ MB 1.0 mg/kg の単回投与を受けた 1 日齢の新生児に MB 投与に起因する溶血が観察された (Hb 値が 1.8 g/dlに低下 ) また ベンゾカイン投与後に MetHb 濃度が 51% となった 52 歳男性には MBの投与及び気管挿管を行ったが 呼吸不全 腎不全 肝機能障害 精神状態悪化が発現し 心停止で死亡した 以上の結果より MB を投与すると 溶血性貧血を引き起こす可能性がある小児及び G6PD 欠損症患者を除いて 臨床投与量では 重篤な副作用を引き起こさないと結論づけた ただし ベンゾカインの粘膜投与で発症した MetHb 血症患者については MB 投与 18 時間後までに MetHb 血症が再発した症例 ( 最大 MetHb 濃度 : 59.9%) が報告されているため 注意深く観察する必要がある MetHb 血症 ( 原因 : 局所麻酔薬 ) への MB 投与 ( 添付資料番号 ) 方法 気管支鏡検査時に使用した局所麻酔薬によって発症した MetHb 血症に関する症例報告の中で MB の静脈内投与による有効性の記載についてまとめた PubMed Cochrane Database CINAHL Medical Subject Headings database (MeSH) をもとに検索 ( キーワード不明 ) し 1977~2013 年の間の文献をレビューした 英語以外で公表された文献は除外し 成人及び小児のデータを集めた なお 得られた文献について その文献目録は特定のトピックに関する今後の論文発表のためのデータソースとしても使用した 結果 局所麻酔薬に関連して MetHb 血症を発症した症例は 11 名であった ( 表 ) MetHb 血症で死亡した患者はなかったが MetHb 血症が原因となって入院期間が延長したか否かは不明であった 全患者で最も多かった所見は末梢血の酸素飽和度の低下であり チアノーゼも頻繁に認められた MBは 7 名 (17~77 歳 性別不詳 ) に投与され 臨床像 (clinical picture) は十分に改善し 残る 4 名は無処置で治癒した 37

220 2.7.6 個々の試験のまとめメチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 表 気管支鏡検査後に MetHb 血症を発症した症例のまとめ 38

221 2.7.6 個々の試験のまとめメチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 表 気管支鏡検査後に MetHb 血症を発症した症例のまとめ ( 続き ) MetHb 血症 ( 原因 : ダプソン ) への MB 投与 ( 添付資料番号 ) 方法 ダプソンを原因とする MetHb 血症について包括的なレビューを行った MEDLINE(1966 ~2011 年 ) the Cochrane Database EMBASE の 3つのデータベースをもとに dapsone methemoglobinemia をキーワードとして英語文献を検索した すべての症例報告 症例集 及び無作為化比較試験の文献を精査し 1997~2011 年の約 14 年間の文献をレビューした その中でダプソンの過量投与を原因とする MetHb 血症に MBを投与した文献 10 報 及び臨床用量のダプソン投与を原因とする MetHb 血症に関する文献 25 報をそれぞれ抽出し 分析した 結果 ダプソンの過量投与を原因とする MetHb 血症に関する文献 10 報 ( 表 ) の考察で 39

222 2.7.6 個々の試験のまとめメチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 は 特に 回復まで時間を要する MetHb 血症に MB の持続的静脈内投与が効果的であるとの 文献に対して MB の持続的投与の安全性プロファイルは未知であり 注意が必要であると 結論した 表 ダプソンの過量投与による MetHb 血症 (MB 投与例含む ) また ダプソンの臨床用量によって発現した MetHb 血症に関して 文献 25 報 ( 表 ) から有害事象について考察した ダプソンの過量投与で MetHb 血症を発症した患者のほとんどが 5~9 日後に重度の溶血性貧血を発現したのに対して 臨床用量のダプソンでは溶血性貧血が発現する傾向は低く 発現しても軽症であった ただし MB 100 mg/ 日 (2 回投与 ) を投与した 1 名 (G6PD 欠損の疑いあり ) では MB 投与開始 4 日後に重度の溶血性貧血が発現したと報告した 40

223 2.7.6 個々の試験のまとめメチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 表 臨床用量のダプソンによる MetHb 血症 (MB 投与例含む ) 結論として レビューした文献では MetHb 血症発症当時の MetHb 濃度が高いほど 遅れて発症する MetHb 濃度の再上昇と溶血性貧血の頻度が高かった 溶血性貧血は ダプソンのヒドロキシルアミン代謝物への過剰な曝露及びそれに続く MB の複数回投与に関連していると考えられ 高用量の MB 使用は 特に G6PD 欠損症患者における溶血性貧血のリスクを高めると結論づけた 小児については 6 歳以下の小児の赤血球中の NADH-MetHb 還元酵素の活性が低いため 胃腸炎や脱水 敗血症の症状がある時に MetHb 血症を発症するリスクが増加することが知ら 41

224 2.7.6 個々の試験のまとめメチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 れている 新生児の場合には 胎児性 Hb が不安定で容易に MetHb に酸化されてしまうため より MetHb 血症を発症しやすい レビューした小児の文献情報をまとめると 小児における ダプソン誘発 MetHb 血症の発症率は過剰ではなく MB の治療効果も妥当な反応であった MetHb 血症患者 ( 原因 : 複数 ) への MB 投与 ( 添付資料番号 ) 方法 1973~1978 年の約 6 年間にロサンゼルスのメトロポリタン病院で MetHb 血症と診断された全患者 (18 名 ) についてレトロスペクティブに研究した 患者は MetHb 濃度が 0.2 g/dlより高くなった場合に MetHb 血症と診断された 結果 患者 18 名 ( 性別不明 1ヵ月齢 ~82 歳 ) の年齢 診断日 最大 MetHb 濃度 原因物質 及び治療法を表 に示す 1 歳以下が 4 名 1~18 歳が 2 名 成人が 12 名であった MetHb 血症の原因物質は 熱傷の治療に用いた硝酸銀が 7 名 硝酸塩を含む処方箋薬が 4 名 医薬品の偶発的な過量投与が 2 名 食品添加物が 2 名 硝酸塩を多く含む野菜が 2 名 及び不明が 1 名であった 18 名中 7 名が MB 投与による治療を受けた ( 投与方法不明 ) MetHb 濃度が 0.3 g/dlとなり 頻呼吸 頻脈 及び低酸素血症の臨床症状が観察された 1 名 ( 表中 Case Number 9) は MB 投与後直ちに症状が改善した 一方 重度熱傷で MetHb 濃度が 5.4 g/dlとなった 1 名 ( 表中 Case Number 18) に MBを投与したが 熱傷を負ってから 3 日後に死亡した 検死では体表 75% 以上で第 2 度及び第 3 度の熱傷 敗血症 播種性血管内凝固症候群 及び広範な低酸素の徴候が観察された また G6PD 値が正常値である 1 名の小児に MB 10 mg/kg の偶発的過量投与が行われた結果 重度のハインツ小体性溶血性貧血が観察された 以上の結果より 熱傷の患者を硝酸銀で処置した場合 MetHb 濃度を注意深く観察し 早めに適切な治療を行うことが必要であると結論づけた 42

225 2.7.6 個々の試験のまとめメチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 表 後天性 MetHb 患者 18 名の症例概要 2. その他文献 Provepharm 社が米国中毒センター (American Association of Poison Control Centers: AAPCC) に依頼して作成した統計解析レポート 1 報 MetHb 血症治療以外への MBを使用した場合の薬物相互作用に関する文献 2 報 妊婦に MB 投与し有効性と安全性を評価した文献 1 報 及び胎嚢に MB を投与した時の有害事象に関する文献 2 報について 以下にその概要を記載する 2.1 米国中毒センターによる使用実態調査 ( 添付資料番号 ) 方法 Provepharm 社は治療による MB を使用した MetHb 血症の症例数 原因物質 使用された治療法に関する情報をまとめるために 米国中毒センターと契約して 米国における MBの使用実態調査を実施した ( 報告書日付 : 20 年月 ) 約 11 年間 * の毒物データシステム (National Poison Data System: NPDS) から All NPDS exposures where therapy used is methylene blue=performed or recommended and performed をキーワードとしてデータベースを作成して各種の統計解析を行った 結果 1) 曝露集団 AAPCCの NPDSから得られたデータベースには 約 11 年間 * に MetHb 血症の治療として MB を投与された 1628 名のデータが抽出された この 1628 名のデータのうち 1220 名のデータのみが統計解析に使用できると判断された なお 除外された 408 名のデータの除 43 *: 新薬承認情報提供時に置き換え

226 2.7.6 個々の試験のまとめメチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 外理由についての説明は得られなかった 統計解析に組み入れられた 1220 名の年齢は新生児から高齢者まで幅広かった ( 表 ) 患者の平均年齢( 標準偏差 ) は 36.9(23.19) 歳 中央年齢は 38 歳であった 男性は 51% 女性は 49% であり 平均体重は 56.3 kg( 範囲 2~181.8 kg) であった ( 表 ) 表 MB 投与の年齢分類 (AAPCC) 表 MB を投与された患者の背景情報 (AAPCC) 1220 名中 259 名が小児患者であり 新生児 (0~27 日齢 ) 及び乳児 (28 日齢 ~3 ヵ月齢 ) は それぞれ 12% 及び 3% であった ( 表 ) 表 小児患者の年齢による分類 MetHb 血症の 83%(1008/1220) は単一の原因物質により引き起こされ 麻酔薬が 25% 44

227 2.7.6 個々の試験のまとめメチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 (301/1220) 抗生物質が 19%(232/1220) フェナゾピリジンが 11%(130/1220) であった 原因物質の曝露経路は経口摂取が 71%(864/1220) と多く 原因物質への曝露期間は 24 時間 ~1 週間が 43%(72/168) と最も多かった ( 表 ) 表 MetHb 患者の原因物質への曝露統計 (AAPCC) 2) 有効性 1220 名すべての MetHb 血症患者に第一治療法として MB の静脈内投与 ( 投与量及び投与回数の詳細は不明 ) が行われた 86%(1045/1220) の患者が完全 (Major) 又はほぼ完全 (Moderate) に回復し 5%(58/1220) の患者では比較的効果が小さい (Minor) という結果であった ( 表 ) 有効性に関する性差はなかった( 表 ) 有効性を年齢別にみると 28 日齢から 65 歳より上の高齢者までのすべての患者で MB 治療に対して 85% 以上の効果がみられたが 27 日齢以下の患者では 64% であった ( 表 ) 45

228 2.7.6 個々の試験のまとめメチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 表 MB 治療の有効性 表 治療の男女別有効性 表 MB 治療の年齢別有効性 46

229 2.7.6 個々の試験のまとめメチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 3) 安全性 1220 名中 19 名 (< 2%) に腎不全 (renal failure) が認められた そのうち 16 名 (< 2%) は MB 治療に関連があると考察され 16 名中 5 名が腎不全により死亡した ( 表 ) 男性 20 名 女性 9 名の計 29 名 (2%) の死亡例が集積されたが これらの死因に関するデータは得られなかったため MB に起因したか否かは不明であった 表 腎不全を発現した患者の臨床経過 2.2 MetHb 血症の治療以外の MB 投与 MB 投与に関連した薬物相互作用 ( セロトニン症候群 ) の文献が 2 報あった 以下にその概 要を記載する MB と SRIsの併用によるセロトニン症候群 ( 添付資料番号 ) 方法 セロトニン再取り込み阻害剤 (serotonin reuptake inhibitors: SRIs) と MB の相互作用に関連した症例報告と臨床評価を継続的にレビューし セロトニン症候群の原因分析を行った MEDLINE(1950~2008 年 ) 及び PsychInfo(1960~2008 年 ) をもとに methylene blue 及び confusion or delirium or encephalop or adverse or serotonin or monoamine or depress or toxic or neuro or psychiatr or disorient をキーワードとして文献を検索した 結果 2003 年以降の文献として 9 報 9 名の症例報告及びレトロスペクティブ研究文献 2 報が得られた ( 表 ) 症例報告の 9 名 ( 男 3 名 / 女 6 名 48~66 歳 ) のうち 7 名は選択的セロトニン再取り込み阻害剤 (selective serotonin reuptake inhibitor: SSRI) 又はセロトニンノルエピネフリン再取り込み阻害剤 (serotonin norepinephrine reuptake inhibitor: SNRI) を 1 名は三環系抗うつ薬を服用しており 1 名は抗うつ薬を服用していなかった 9 名は副甲状腺切除術 (8 名 ) 及び僧帽弁置換術 (1 名 ) の際に 1.75~7.50 mg/kgの MB を静脈内投与され 術後に様々な精神医学的 神経学的な症状を示した なお 9 名全員の頭部断層写真は正常であった これらの患者の発症原因として 低血糖 低カルシウム血症 及び低酸素症は否定され 患者が服用したミダゾラム プロポフォール オピオイド 及び抗コリン作動薬の副作用である可能性も否定されてお 47

230 2.7.6 個々の試験のまとめメチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 り MB の毒性である可能性が高いと結論づけられた なお 9 名中 1 名が 2 週間の入院及び透析を必要としたが 対症療法によって全員が自然治癒した レトロスペクティブ研究 2 報のうち 1 報は 1998~2003 年の間に行った 193 名の副甲状腺切除術をレビューした文献で 193 名全員が 7.5 mg/kg の MB 静脈内投与を受け 193 名中 28 名が SRIs を服用していた SRIs を服用した 28 名中 12 名 (43%) が混乱及び覚醒困難の症状を呈し それらの症状は平均 35.7 時間 ( 範囲 1~96 時間 ) 続いた SRIs を服用していなかった患者では 術後脳症の症状は認められなかった 他の 1 報は 2000~2006 年の間に行った 132 名の副甲状腺切除術をレビューしたもので 132 名のうち 17 名が SRIs を服用していた 3~ 5 mg/kg の MB 静脈内投与で SRIs を服用していた 17 名中 5 名 (29%) が主に混乱 昏睡 失語症 (aphasia) の症状を呈し 2 名は再挿管が必要であった 症状は投与 1~5 時間後に起こり 平均 57.6 時間 ( 範囲 48~72 時間 ) 続いた SRIs を服用していなかった患者では 術後脳症の症状は認められなかった 以上の結果より MB の静脈内投与後に混乱などの症状を示した 26 名のうち 25 名 (96%) は SRIs を服用していた SRIs を服用している患者に MBを投与すると 38%(17/45) の発生率で神経精神病学的合併症が発生した この合併症は 臨床的及び薬理学的根拠から セロトニン症候群 と診断した 薬理学的には MBは強いモノアミン酸化酵素 (monoamine oxidase: MAO)A 阻害剤であり 高濃度では MAO Bも阻害することが知られている 臨床用量では MAO Aは完全に阻害され MAO B も部分的に阻害されると考えられ SRIsと併用投与した場合にセロトニン症候群を引き起こすと考えられる したがって MB の静脈内投与は SRIs や他のセロトニン作動性抗うつ薬を服用している患者には禁忌にすべきであると結論づけた 48

231 2.7.6 個々の試験のまとめメチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 表 MB 投与後に術後合併症を示した患者の詳細 MB と SRIsの併用によるセロトニン症候群 ( 添付資料番号 ) 方法 MBは 1971 年から約 30 年間 副甲状腺手術において手術部位を特定するために使用されてきた 副甲状腺手術で使用される MB とセロトニン神経伝達物質との薬物相互作用について情報を収集するために MEDLINE をもとに methylene blue encephalopathy parathyroidectomy monoamine oxidase A MAO inhibitor serotonin syndrome serotonin toxicity をキーワードとして文献を検索した 副甲状腺手術で MBを投与された後に神経症状を呈した患者について記載のある文献に 著者が経験した症例 1 名 ( ) を加えて考察した 結果 9 報 9 名の症例報告及び 2 報のレトロスペクティブ研究文献に 著者が経験した症例 1 名を合わせた対象患者計 27 名の情報をレビューした ( 表 ) 49

232 2.7.6 個々の試験のまとめメチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 患者の背景が詳細に記載された報告では 個々の患者の記録のない報告を除いた患者の平均年齢は 56 歳 ( 範囲 34~73 歳 ) であり 27 名中 22 名 (81%) は女性であった MB の投与量 ( 投与量の記載のない報告を除く ) は平均 6 mg/kg( 範囲 1.75~7.5 mg/kg) であり 22 名 (81%) は SSRIを 3 名 (11%) は SNRIを 1 名 (4%) は三環系抗うつ薬クロミプラミンを服用した (1 名は併用薬についての記載なし ) 15 名 (56%) の患者が術後 1 時間以内に 27 名全員が 11 時間以内に神経症状を呈した 術後合併症の記載のない報告を除いて 7 名 (47%) は集中治療室 (intensive care unit: ICU) に入院し 7 名は再挿管され 1 名は血液透析が実施され 1 名は心肺が停止し死亡した 24 名 (89%) は手術後 4 日以内に回復した 近年の報告から セロトニン作動薬を服用している患者への MB 投与と 手術後の神経学的症状とが関連することが示唆されており MBがセロトニンやノルエピネフリン等のモノアミン作動性の神経伝達物質を不活化する MAO Aの競争的阻害剤として働くことが明らかにされている MAO 阻害剤はセロトニン中毒の原因となることが知られている 以上の結果より SSRI 等の中枢セロトニン作動薬と MB の併用はセロトニン中毒を引き起こすリスクが高いと考えられ 中枢セロトニン作動薬を服用している患者には MB を使用するべきではないと結論づけた また SSRI 服用を中止して 5 週間後にセロトニン中毒を発症した報告もあることから これらの医薬品の使用歴がある患者に対しても MBを使用するべきではないと考察した 50

233 2.7.6 個々の試験のまとめメチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 表 セロトニン作動性薬剤を服用中に MB を投与し 神経症状を呈した症例 51

234 2.7.6 個々の試験のまとめメチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 表 セロトニン作動性薬剤を服用中に MB を投与し 神経症状を呈した症例 ( 続き ) 2.3 妊婦及び胎児に MB を投与した報告妊婦に MB を投与して MB の有効性及び安全性を評価した文献は 1 報であった その概要を以下に記載する 母体及び胎児の MetHb 血症 ( 原因 : プリロカイン ) への MB 投与 - 予防及び治療効果 ( 添付資料番号 ) 方法 分娩時の硬膜外麻酔 ( プリロカイン ) が原因で起こる妊婦の MetHb 血症に対する MB を予 52

235 2.7.6 個々の試験のまとめメチルチオニニウム塩化物水和物メチレンブルー 50 mg 第一三共 防的及び治療的効果を調べるために 30 名の妊婦を対象に試験を行った 30 名の妊婦を 1 群 10 名の 3 群に分け 全員に分娩の際に硬膜外鎮痛剤として 300~1200 mg のプリロカインを単回又は間欠静脈内投与した 10 名には MetHb 血症に対する MBの治療効果を調べるために プリロカインの投与開始後 ( 平均硬膜外麻酔時間 212 分 ) 分娩直前に 2 mg/kg の MBを静脈内投与して MB 投与直前の母体の静脈血 並びに出産時の母体の静脈血 臍帯静脈血 及び動脈血から MetHb 濃度を測定した 別の 2 群には MetHb 血症に対する MB 又はアスコルビン酸の予防効果を調べるために プリロカインの投与開始と同時に 2 mg/kg の MB 又は 1000 mg のアスコルビン酸をそれぞれ静脈内投与した これらの群では出産時の母体の静脈血 臍帯静脈血 及び動脈血から MetHb 濃度を測定した 結果 分娩直前に MB を投与した群の平均 MetHb 濃度を表 に示す MBは 10 名の母体並びにその臍帯静脈血及び動脈血の MetHb を消失した プリロカインの投与開始時に MB 又はアスコルビン酸を投与した各群の平均 MetHb 濃度を表 に示す アスコルビン酸投与群が MetHb 濃度を低下させなかったのに対し MB 投与群は明らかに MetHb 濃度は減少した 以上の結果より 分娩時の母体への MB の静脈内投与は 母体と胎児の MetHb 血症の安全かつ効果的な予防及び治療法であると結論づけた 表 硬膜外麻酔開始後 分娩直前に MB を投与した群の平均 MetHb 濃度 53

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