Taro-H27-13【差し替え】(田中)

Size: px
Start display at page:

Download "Taro-H27-13【差し替え】(田中)"

Transcription

1 県内肉用鶏農場由来 Campylobacter jejuni の分子疫学解析 中央家畜保健衛生所 田中健介羽入さち子村山和範篠川有理本間裕一金子周義 はじめに新潟県は 安全 安心な畜産物供給体制と生産性向上のため 生産農場への飼養衛生管理基準の遵守及びHACCP 方式の考え方に基づく衛生管理手法の導入 定着推進を図っている そのうち肉用鶏農場に対しては 食中毒原因菌であるサルモネラ及びカンピロバクターについて 平成 17 年度から年 1 2 回の検査による保菌状況調査と対策検討を実施している 県内ブロイラー農場におけるカンピロバクター分離陽性農場率は 平成 17~23 年度まで高い値であったが 平成 24 年度以降低下傾向がみられた ( 図 1) 農場への浸潤要因の究明は 効果的な侵入防止対策の策定に重要である そこで 過去に分離されたCampylobacter jej uniの分子疫学解析を行い 農場へのカンピロバクター浸潤要因を考察したので その概要を報告する 100% 80% 60% 40% 20% 0% H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 図 1 平成 17~27 年度における県内ブロイラー農場のカンピロバクター分離陽性農場率対象農場の概要本研究の対象は県内ブロイラー農場 13 農場中 12 農場で すべて同一事業体の系列であり 直営農場 7 農場 (A~G) 及び契約農場 5 農場 (H ~ L) からなる ( 表 1) 飼養プログラム 雛の導入元 飼料会社及び出荷食鳥処理場等の基本的な飼養衛生管理は全て同一である 平成 24 年に事業体の変更により経営方針や 出荷先が変わり それに伴い飼養衛生管理も 変更された 主な変更点は 約 35 日齢で一部 を出荷する若齢出荷方式の廃止 専門社員に よる出荷後鶏舎の除糞 水洗の実施 ( 直営農 場のみ ) 及び取引飼料会社で 捕鳥作業 鶏 糞処理 生鳥運搬業者及び種鶏場等に変更は なかった また 鶏舎前室での長靴履き替え による交差汚染防止の徹底 入場の際シャワ ーインの励行 鶏舎内のひび割れ等を補修 ネズミの定期的駆除といった農場防疫強化が 直営農場及び衛生意識の高い契約農場で進め られた 表 1 農場概要一覧 ( 平成 27 年度調査時点 ) 農場 飼養規模鶏舎数 鶏舎構造 導入回数 A 90, 階建 無窓 年 6 回 B 88, 階建 無窓 年 6 回 C 130, 階建 無窓 年 6 回 D 99, 階建 無窓 年 5.5 回 E 60, 階建 開放 年 5.5 回 F 43, 階建 開放 年 5.5 回 G 23, 階建 開放 年 6 回 H 108, 階建 無窓 年 6 回 I 9, 階建 開放 年 5 回 J 13, 階建 開放 年 4 回 K 21, 階建 開放 年 5 回 L 63, 階建 無窓 年 5 回 材料及び方法 供試材料 : 平成 19~27 年度に 農場で採取 された出荷前の鶏盲腸便またはクロアカスワ ブ ドリンカー内給与水及び食鳥処理場で採 取された出荷鶏盲腸を用いて カンピロバク

2 図 2 各 RFLP 型の泳動像 (1~17: 代表株 M:100bp マーカー ) ターの分離培養を行った 分離培養方法は Preston 培地で37 24 時間微好気増菌培養後 CCDA 培地で37 42 時間微好気培養を行った 菌種の同定はPCR 法により行った カンピロバクター保菌状況調査では C. jejuni 及びCamp ylobacter coliが分離されたが C. coliは全体の約 7% であったため 今回はC.jejuniのみについて分子疫学解析を行った PCR-RFLP(RFLP) 解析 : 分離されたC. jejuni について 1ロットあたり1~6 株 計 73ロット 158 株を Chumaらの方法に準拠し [2] flagel lin A(flaA) 遺伝子を増幅後 PCR 産物を制限酵素 DdeⅠを用いて 切断パターンを観察した パルスフィールドゲル電気泳動 (PFGE) 解析 :RFLP 解析を行った158 株のうち RFLPパターン 分離年度及び農場等を勘案し選抜した40 株について Ribotらの方法に準拠し [3] 制限酵素 SmaⅠを用いて 切断パターンを観察した また BioNumerics ver.5.10を用いて切断パターンを比較した Multilocus Seqense Typing(MLST) 解析 :PF GE 解析に用いた株と同じ40 株について MLST Home( に記載されているプロトコルに従って 7 種類のハウスキーピング遺伝子 (aspa glna glta glya pgm tkt unca) をPCRで増幅後精製し シークエンス解析で解読した塩基配列をMLST Homeで照合することにより Sequence type(st) 及びCl onal complex(cc) を決定した また BioNu merics ver.5.10を用いて系統樹を作成した 成績 RFLP 解析 :RFLP 型は17 種類に分類された ( 図 2) また 農場別及び年度別の分離株のRFLP 型を表に示した ( 表 2) 農場別でみると 多くの農場で毎年異なるRFLP 型のC. jejuniが分離されていた 年度別でみると RFLP 型のバリエーションが同じ年度はなく 年度毎に変化していた また 平成 19 年度の1 型 平成 21 及び22 年度の6 型 平成 24 及び25 年度の11 型のように 同一年度に同じ RFLP 型のC. jejuniが 多くの農場で分離される傾向が認められた 表 2 農場別及び年度別分離株のRFLP 型

3 図 3 PFGE 解析結果 PFGE 解析 : 解析結果を図に示す ( 図 3) 同一 PFGEパターンの組み合わせ (cj28 及びcj29 や cj15 cj21 cj16 及びcj22など ) が複数農場の分離株で認められた 同一 PFGEパターン分離株は同一年度の株で多く認められたが cj23 cj25,cj30 及びcj39にように複数年度の分離株でも認められた MLST 解析 :STは22 種類に分類された ( 図 3) 新規のSTとして ST-8109 ST-8110 及びST-81 11が認められた CCは10 種類に分類された S T 結果から作成した系統樹のとおり 分離株の STに偏りは見られず 分離株に遺伝的な多様性が認められた ( 図 4) 考察カンピロバクターの感染源は 衛生害虫 空気感染 農場作業員 野生動物 水 飼料 土壌などが推定されており いまだ明確になっていない [5] 今回実施したRFLP 解析及びML ST 解析により 多様な系統のC. jejuniが認められたことから 既報のとおり 肉用鶏農場への浸潤における様々な感染源または侵入経路の存在が示唆された また PFGE 解析により同一 PFGEパターンの分離株が複数農場で認められた このことから 同一由来株の複数農場への伝播が判明した 農場間伝播には複数農場を行き来する人やものの関与が疑われるが 平成 20 年度に家畜

4 図 4 MLST 解析結果から作成した系統樹 保健衛生所 ( 家保 ) が実施したアンケートによると 出荷後の除糞作業や水洗作業のために近隣の系列農場へ応援に行く場合 専用の長靴や衣服が用意されていない事例があり [7] カンピロバクターの伝播が農場間で容易に起こる環境であったと推察された そのような環境においては 平成 24 年に実施された飼養衛生管理方法の変更や農場防疫の強化は 農場内及び鶏舎内へのカンピロバクター侵入リスク低減に大きく貢献し 平成 23 年度から平成 24 年度にかけてみられた カンピロバクター分離陽性農場率の低下に大きく影響したと考えられた したがって 対象農場におけるC. jejuni 浸潤は 人やものによる農場間伝播が主経路であり 農場間伝播リスクの低減によりカンピロバクター分離陽性農場率が低下したと推察された 過去に家保が取り組んだカンピロバクター侵入防止対策として 消毒方法の変更及び生菌剤や有機酸等の混合給餌による対策は農場やロットで結果にばらつきがあり著効が認められなかったことや 捕鳥者や鶏輸送カゴが 汚染の要因と推察されること [7] 鶏舎出入口での長靴履き替えなどにより 外部からの侵入防止対策後に陰性化した事例 [4,6] が報告されている これらと今回の結果を踏まえると 鶏舎前室における長靴や衣服の交換や 専門社員による出荷後鶏舎の除糞 水洗の実施による交差汚染防止といった カンピロバクターに汚染されたままの人やものを農場内 特に鶏舎内に入れない対策が 鶏群のカンピロバクター侵入防止対策として有効であると推察された 本研究のように 長期間における肉用鶏農場由来 C. jejuniの遺伝子解析情報は国内で報告がなく 農場に浸潤するC. jejuniの基礎データとして貴重な知見が得られた 今回解析を行ったC. jejuniのうちst-4526に分類された株は 他の系統に比べ腸管定着性が高いと言われており [1] 同一農場において複数年度に渡り連続して分離されたことから 今後も注視が必要と思われた カンピロバクターはいつ どこから侵入するかわからない病原体であり 継続的なモニ

5 タリングが重要である 今後も研究を継続し 安全 安心な畜産物生産に貢献していきたい 稿を終えるにあたり PFGE 解析及びMLST 解析の実施 並びにご助言をいただいた 国立研究開発法人農業 食品産業技術総合研究機構動物衛生研究所の岩田剛敏先生に深謝します 引用文献 [1] Asakura et al.:plos ONE 7(11), e48394 (2012) [2] Chuma et al.:the Journal of Veterinar y Medical Science 59(11), (1997) [3] Efrain M. Ribot et al.:journal of Cli nical Micorobiology 39(5), (200 1) [4] 野村文恵ら : 平成 25 年度新潟県家畜保健衛生業績発表会集録, 20-22(2013) [5] 岡村雅史 : 鶏病研究会報第 49 巻増刊号, 9-18(2013) [6] 曽我万里子ら : 平成 25 年度新潟県家畜保健衛生業績発表会集録, 23-26(2013) [7] 渡邊章子ら : 平成 20 年度新潟県家畜保健衛生業績発表会集録, 33-35(2008)

平成 26 年度微生物リスク管理基礎調査事業 ( 分離菌株の性状解析 ) 委託事業仕様書 1 事業の趣旨 ( 目的 ) 本事業は 食品媒介有害微生物を原因とする食中毒のリスク管理措置を検討するため 家畜の糞便等から分離されたカンピロバクター属菌株 サルモネラ属菌株 リステリア モノサイトジェネス菌株

平成 26 年度微生物リスク管理基礎調査事業 ( 分離菌株の性状解析 ) 委託事業仕様書 1 事業の趣旨 ( 目的 ) 本事業は 食品媒介有害微生物を原因とする食中毒のリスク管理措置を検討するため 家畜の糞便等から分離されたカンピロバクター属菌株 サルモネラ属菌株 リステリア モノサイトジェネス菌株 平成 26 年度微生物リスク管理基礎調査事業 ( 分離菌株の性状解析 ) 委託事業実施要領 1 事業の趣旨 ( 目的 ) 農林水産省では 食品の安全性を向上させることを目的として リスク管理を実施している そのために 様々な有害微生物について 食中毒の症状の程度やその患者数 海外における取組状況等の情報を収集 分析し 農林水産省が優先的にリスク管理を行うべき有害微生物のリスト 及び サーベイランス

More information

サルモネラ食中毒とは? 症状は? 食後 6~48 時間で おう吐 腹痛 下痢 発熱など 乳幼児や高齢者は 症状が重くなることもある 原因になりやすい食品は? 加熱不足の卵 肉などが原因になりやすい 生の肉に使った包丁で切った調理済みの食品も原因に 害虫やペットが 菌を食品に付けてしまうことも ( 農

サルモネラ食中毒とは? 症状は? 食後 6~48 時間で おう吐 腹痛 下痢 発熱など 乳幼児や高齢者は 症状が重くなることもある 原因になりやすい食品は? 加熱不足の卵 肉などが原因になりやすい 生の肉に使った包丁で切った調理済みの食品も原因に 害虫やペットが 菌を食品に付けてしまうことも ( 農 平成 25 年 6 月 28 日農林水産省食品安全セミナー ( 微生物編 ) 資料 2-4 鶏卵のサルモネラ属菌 汚染低減に向けた取組 消費 安全政策課 微生物チーム 春名 美香 サルモネラ食中毒とは? 症状は? 食後 6~48 時間で おう吐 腹痛 下痢 発熱など 乳幼児や高齢者は 症状が重くなることもある 原因になりやすい食品は? 加熱不足の卵 肉などが原因になりやすい 生の肉に使った包丁で切った調理済みの食品も原因に

More information

Taro-H24.10.jtd

Taro-H24.10.jtd 10. 大分県内で過去 5 年間に分離された Mycoplasma bovis の疫学的解析 大分家畜保健衛生所 宇佐家畜保健衛生所 1) 病鑑山本史子 滝澤亮 ( 病鑑 ) 1) 首藤洋三( 病鑑 ) はじめに Mycoplasma bovis(mb) は 牛肺疫を除く牛のマイコプラズマ病の中で最も病原性が強く 牛に肺炎 乳房炎 関節炎等を引き起こす 4) ほか 牛呼吸器複合病 (BRDC) の病原体の一

More information

Taro-H23.08

Taro-H23.08 8. 牛コロナウイルス株と臨床症状の関連およびウイルス常在化に関する考察 大分県大分家畜保健衛生所 病鑑首藤洋三病鑑滝澤亮 はじめに 牛コロナウイルス (BCV) は ウイルス性下痢の一主要原因であり 呼吸器病にも関与すると成書に記載されている しかも本ウイルスは農場で容易に常在化し 侵入するとなかなか抜けない性質を持つと言われている 10) しかしながら ウイルス株と臨床症状の関連や 農場常在化については未だ不明な点が多い

More information

< F2D8E94977B897190B68AC7979D8AEE8F80967B91CC2E6A7464>

< F2D8E94977B897190B68AC7979D8AEE8F80967B91CC2E6A7464> 飼養衛生管理基準 ( 牛 水牛 鹿 めん羊 山羊 ) Ⅰ 家畜防疫に関する最新情報の把握等 1 家畜防疫に関する最新情報の把握等 1 自らが飼養する家畜が感染する伝染性疾病の発生の予防及びまん延の防止に関し 家畜保健衛生所から提供される情報を必ず確認し 家畜保健衛生所の指導等に従うこと 家畜保健衛生所等が開催する家畜衛生に関する講習会への参加 農林水産省のホームページの閲覧等を通じて 家畜防疫に関する情報を積極的に把握すること

More information

第4章

第4章 第 4 章 研修及び調査研究 1 技術研修研修会等の名称場所派遣人数期間食の安全科学フォーラム東京 1 名平成 23 年 5 月 18 日狂犬病演習岡山市 2 名平成 23 年 5 月 25 日全国食肉衛生検査所協議会大会大阪市 1 名平成 23 年 7 月 27-28 日岡山県獣医公衆衛生学会岡山市 3 名平成 23 年 8 月 6 日 全国食肉衛生検査所協議会 理化学部会 栃木県 1 名平成 23

More information

1 茨城県において平成 26 年次に発生した腸管出血性大腸菌 O157 感染症分離菌株の 分子疫学解析について 相原義之, 山城彩花, 木澤千里, 中本有美, 川又祐子, 増子京子 要旨 平成 26 年 1 月から 12 月までに茨城県内で発生した腸管出血性大腸菌 O157 感染症分離菌株 39 株について, パルスフィールドゲル電気泳動 (PFGE) 法,IS-printing system(is)

More information

1. 腸管出血性大腸菌 (EHEC) の系統解析 上村健人 1. はじめに近年 腸管出血性大腸菌 (EHEC) による食中毒事件が度々発生しており EHEC による食中毒はその症状の重篤さから大きな社会問題となっている EHEC による食中毒の主要な汚染源の一つとして指摘されているのが牛の糞便である

1. 腸管出血性大腸菌 (EHEC) の系統解析 上村健人 1. はじめに近年 腸管出血性大腸菌 (EHEC) による食中毒事件が度々発生しており EHEC による食中毒はその症状の重篤さから大きな社会問題となっている EHEC による食中毒の主要な汚染源の一つとして指摘されているのが牛の糞便である 1. 腸管出血性大腸菌 (EHEC) の系統解析 上村健人 1. はじめに近年 腸管出血性大腸菌 (EHEC) による食中毒事件が度々発生しており EHEC による食中毒はその症状の重篤さから大きな社会問題となっている EHEC による食中毒の主要な汚染源の一つとして指摘されているのが牛の糞便である これまでの報告によれば EHEC を糞便中に保有する牛は 0.6~11.9% といわれており 牛枝肉汚染の機会となり得ると畜場における解体処理が公衆衛生上重要視されている

More information

(Taro-09\221S\225\ \221S\225\266\217\274\226{.jtd)

(Taro-09\221S\225\ \221S\225\266\217\274\226{.jtd) 9 管内二農場における牛ウイルス性下痢 粘膜病対策の検討 湘南家畜保健衛生所 松本哲阿部美樹 小嶋信雄稲垣靖子 はじめに 牛ウイルス性下痢 粘膜病 ( 以下 BVD-MD) は 牛ウイルス性下痢ウイルス ( 以下 BVDウイルス ) によって引き起こされる BVDウイルスはフラビウイルス科ペスチウイルス属のウイルス で 遺伝子型は 1 型と 2 型があり 近年では 2 型の発生事例が増加している [1,2]

More information

白金耳ご購読者各位

白金耳ご購読者各位 白金 耳 Vol.28, No.11( 平成 19 年 11 月号 ) ごあんない 坂本雅子 定期講習会報告 ばくと姫の知識箱 基礎講習会報告 バイキン Quiz ( 敬称は略させていただきました ) 講習会 あ ん な い 10 2 3 A B C D 4 5 6 -1 7 8 9 10 11 直接分離培養 糞便検査手順 増菌培養 DHL SIB CIN TCBS Skirrow セレナイトアルカリヘ

More information

平成 27 年 3 月 4 日農林水産省消費 安全局 平成 27 年度食品の安全性に関する有害化学物質及び有害微生物のサーベイランス モニタリング年次計画 1. 基本的な考え方食品安全行政にリスクアナリシスが導入され 科学に基づいた行政の推進が必要となっています このため 農林水産省は 食品の安全性

平成 27 年 3 月 4 日農林水産省消費 安全局 平成 27 年度食品の安全性に関する有害化学物質及び有害微生物のサーベイランス モニタリング年次計画 1. 基本的な考え方食品安全行政にリスクアナリシスが導入され 科学に基づいた行政の推進が必要となっています このため 農林水産省は 食品の安全性 平成 27 年 3 月 4 日農林水産省消費 安全局 平成 27 年度食品の安全性に関する有害化学物質及び有害微生物のサーベイランス モニタリング年次計画 1. 基本的な考え方食品安全行政にリスクアナリシスが導入され 科学に基づいた行政の推進が必要となっています このため 農林水産省は 食品の安全性に関するリスク管理の標準的な作業手順を記述した 農林水産省及び厚生労働省における食品の安全性に関するリスク管理の標準手順書

More information

宮崎県衛生環境研究.indd

宮崎県衛生環境研究.indd 宮崎県内のカンピロバクターによる鶏肉汚染および 食中毒との関連についての検討 堀田剛 深江弘恵 山田亨 吉野修司 大浦裕子 河野喜美子 山本正悟 *1 Study of chicken meats contamination by Campylobacter and relation with Campylobacter food poisoning Takeshi HORITA, Hiroe FUKAE,

More information

< F2D382E8D9596D198618EED82C982A882AF82E98B8D94928C8C9561>

< F2D382E8D9596D198618EED82C982A882AF82E98B8D94928C8C9561> 黒毛和種における牛白血病ウイルスの母子感染状況およびまん延防止対策の検討 中央家畜保健衛生所 山下将哉 大城守 津波修 野中克治 地方病型牛白血病は 牛白血病ウイルス ( 以下 BL V) に起因する致死性のリンパ肉腫で 発症率は 5 % 以下といわれている しかし近年 沖縄県を含め全国的に発生件数が増加傾向にあり 感染拡大が懸念されている ( 図 1 ) 地方病型牛白血病 (EBL) < 原因 >

More information

H26_大和証券_研究業績_C本文_p indd

H26_大和証券_研究業績_C本文_p indd リアルタイム PCR 法と High Resolution Melt 解析法を用いた結核菌の迅速薬剤耐性検査法と分子疫学解析法についての検討 日本赤十字社長崎原爆諫早病院内科 検査部 医師久保亨 ( 共同研究者 ) 日本赤十字社長崎原爆諫早病院副院長福島喜代康日本赤十字社長崎原爆諫早病院内科部長松竹豊司日本赤十字社長崎原爆諫早病院医療技術部技師長相良俊則 はじめに結核は現在もなお我が国の公衆衛生上の大きな問題であり

More information

安全な畜産物の生産と生産性の向上適正な飼養管理家畜の健康の維持 家畜のアニマルウェルフェア (Animal Welfare) とは 国際獣疫事務局 (OIE) のアニマルウェルフェアに関する勧告の序論では アニマルウェルフェアとは 動物が生活及び死亡する環境と関連する動物の身体的及び心理的状態をいう

安全な畜産物の生産と生産性の向上適正な飼養管理家畜の健康の維持 家畜のアニマルウェルフェア (Animal Welfare) とは 国際獣疫事務局 (OIE) のアニマルウェルフェアに関する勧告の序論では アニマルウェルフェアとは 動物が生活及び死亡する環境と関連する動物の身体的及び心理的状態をいう アニマルウェルフェアに配慮した 家畜の飼養管理 平成 30 年 6 月 生産局畜産部畜産振興課 安全な畜産物の生産と生産性の向上適正な飼養管理家畜の健康の維持 家畜のアニマルウェルフェア (Animal Welfare) とは 国際獣疫事務局 (OIE) のアニマルウェルフェアに関する勧告の序論では アニマルウェルフェアとは 動物が生活及び死亡する環境と関連する動物の身体的及び心理的状態をいう と定義されている

More information

表 2 衛生研究所 保健所別菌株検出数 ( 医療機関を含む ) 内訳 衛生研究所保健所試験検査課県中支所会津支所郡山市いわき市 総計 喫食者 接触者 従事者食品 3 3 拭きとり総計 遺伝子型別解析遺伝子型別解析は, デンカ生研の病

表 2 衛生研究所 保健所別菌株検出数 ( 医療機関を含む ) 内訳 衛生研究所保健所試験検査課県中支所会津支所郡山市いわき市 総計 喫食者 接触者 従事者食品 3 3 拭きとり総計 遺伝子型別解析遺伝子型別解析は, デンカ生研の病 馬刺しを原因食品とした EHEC O57 食中毒事例 ) 菊地理慧冨田望菅野奈美二本松久子小黒祐子 微生物課 ) 前衛生研究所 2) 県南保健福祉事務所 2) 吉田学 要 旨 204 年 3 月 28 日から 4 月 4 日に馬刺しによる腸管出血性大腸菌 ( 以下, EHEC とする.) O57 食中毒事件が発生した. 事件は本県を含め 都県におよび, 患者は 88 名 ( うち入院 38 名, 溶血性尿毒症症候群

More information

<4D F736F F F696E74202D20834A D836F834E835E815B C E52967B81698E9696B18BC78F4390B3816A2E70707

<4D F736F F F696E74202D20834A D836F834E835E815B C E52967B81698E9696B18BC78F4390B3816A2E70707 カンピロバクター食中毒防御について 国立医薬品食品衛生研究所食品衛生管理部山本茂貴 ( 人 ) 食中毒患者数の推移 18,000 16,000 14,000 12,000 10,000 8,000 6,000 サルモネラブドウ球菌 O157 等その他の大腸菌腸炎ビブリオカンピロバクター SRSV 4,000 2,000 0 平成元年 2 年 3 年 4 年 5 年 6 年 7 年 8 年 9 年 10

More information

はじめに : 食鶏の種類 食鳥 食鶏 肉用鶏 廃鶏 ブロイラー ( 肉用若鶏 ) その他の肉用鶏 その他の食鳥 ブロイラー (broiler) は, ふ化後一定期間 (3 ヵ月齢未満 ) の若鶏で, 食用に供する目的で飼育されている鶏の総称です 19 世紀末に米国の食鶏規格の一つとして定められた用語

はじめに : 食鶏の種類 食鳥 食鶏 肉用鶏 廃鶏 ブロイラー ( 肉用若鶏 ) その他の肉用鶏 その他の食鳥 ブロイラー (broiler) は, ふ化後一定期間 (3 ヵ月齢未満 ) の若鶏で, 食用に供する目的で飼育されている鶏の総称です 19 世紀末に米国の食鶏規格の一つとして定められた用語 平成 30 年度食品安全セミナー食中毒の発生防止 ~ 鶏肉の衛生管理を題材に ~ 平成 30 年 4 月 12 日 ブロイラー農場における 衛生管理の取り組み事例 1 はじめに : 食鶏の種類 食鳥 食鶏 肉用鶏 廃鶏 ブロイラー ( 肉用若鶏 ) その他の肉用鶏 その他の食鳥 ブロイラー (broiler) は, ふ化後一定期間 (3 ヵ月齢未満 ) の若鶏で, 食用に供する目的で飼育されている鶏の総称です

More information

Microsoft Word - 【要旨】_かぜ症候群の原因ウイルス

Microsoft Word - 【要旨】_かぜ症候群の原因ウイルス かぜ症候群の原因ウイルス ~ サフォードウイルスもそのひとつ?~ 新潟県保健環境科学研究所ウイルス科主任研究員広川智香 1 はじめにかぜ症候群とは, 鼻やのど, 気管支や肺に急性の炎症をきたす疾患の総称で, その原因となる病原体は 80~90% がウイルスといわれています 主な原因ウイルスとしてはライノウイルス, コロナウイルス, パラインフルエンザウイルス,RS ウイルス, インフルエンザウイルスなどがあげられます

More information

Microsoft Word - H19_04.doc

Microsoft Word - H19_04.doc 4. 農場巡回における長靴等の消毒効果 奈良県家畜保健衛生所業務第 課 岡本美奈子藤井規男 要約農場立入時の長靴等の消毒効果を調査するとともに改善方法を検討した 現状では 作業直後の長靴裏面の一般細菌数は.7 0 CFU/cm 水洗による菌数の対数減少値( 以下 LRV)0.86 逆性石けん液への長靴踏み込みによる LRV は 0.9 で充な効果は得られていない その後の車載消毒槽への浸漬で使用前のレベルまで菌数は下がるが

More information

Taro-19増田

Taro-19増田 19 鳥取県における牛ウイルス性下痢ウイルス清浄化への取り 組み 倉吉家畜保健衛生所増田恒幸はじめに牛ウイルス性下痢は牛ウイルス性下痢ウイルス (BVDV) によって引き起こされる疾病で 畜産経営に大きな経済的損失を与える疾病と考えられている 日本においてはBVDVによる経済的損失額の算出はなされていないが 海外ではBVDVによる経済的損失についての報告もある BVDVはフラビウイルス科ペスチウイルス属に分類され

More information

熊本県 肉用牛 乳用牛 豚 採卵鶏及び肉用鶏 規模に関係なく実施 飼養衛生管理基準の該当項目第八感染ルート等の早期特定のための記録の作成及び保管 写真写真の説明 貼付場所 ( 取扱が容易なサイズとしてください ) 衛生管理区域入場記録簿 取組内容の詳細入場者記録簿が来場者から一目で分からない場所にあ

熊本県 肉用牛 乳用牛 豚 採卵鶏及び肉用鶏 規模に関係なく実施 飼養衛生管理基準の該当項目第八感染ルート等の早期特定のための記録の作成及び保管 写真写真の説明 貼付場所 ( 取扱が容易なサイズとしてください ) 衛生管理区域入場記録簿 取組内容の詳細入場者記録簿が来場者から一目で分からない場所にあ 第八感染ルート等の早期特定のための記録の作成及び保管 熊本県 肉用牛 乳用牛 豚 採卵鶏及び肉用鶏 規模に関係なく実施 飼養衛生管理基準の該当項目第八感染ルート等の早期特定のための記録の作成及び保管 写真写真の説明 貼付場所 ( 取扱が容易なサイズとしてください ) 衛生管理区域入場記録簿 取組内容の詳細入場者記録簿が来場者から一目で分からない場所にあった そのため入場者台帳を配布するとともに 常に視界に入るところに設置するよう

More information

スライド 1

スライド 1 DNA を用いた微生物 分析の現場での活用 平成 18 年 10 月 5 日 B 会場 15:30~15:50 三井農林 ( 株 ) 食品総合研究所微生物分析サービス 衛生管理手法の変化 従来の方法 公定法に基づく微生物検査 一般性菌数 大腸菌群の判定など 実際は HACCP や cgmp の導入 大規模 大量生産 流通の多様化 迅速化 安全性追求意識の高まり より正確正確で迅速迅速かつ簡便簡便な微生物検査方法が必要

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション 植物 DA の抽出と増幅 1 背景 植物種子から DA 抽出する際 有機溶媒や酵素を用いた処理 遠心分離装置を使った操作など 煩雑で時間のかかる工程が用いられてきた カ技ネ術カの 検体採取 簡易 DA 抽出キット version2( 抽出キット ) と高速増幅用 DA Polymerase ( 増幅キット ) を組合わせる事で 遺伝子検査時間を短縮可能! 抽出キット * 抽出 DA を 増幅キット

More information

Taro-H26-01○【差替】 (佐藤)

Taro-H26-01○【差替】 (佐藤) 大規模酪農場におけるマイコプラズマ性乳房炎の清浄化対策 下越家畜保健衛生所 佐藤香代子木村仁徳内山保彦後藤靖行金子周義渡辺誠市 はじめに牛マイコプラズマ ( 以下 Mp) 乳房炎は 伝染性が強く 臨床型では乳量の激減や泌乳停止が認められ 難治性であるため経済的損失が大きい 北海道では 2006 年以降 Mp 乳房炎と診断された牛群数及び頭数は急激に増加し 特に 300 頭を超える大規模農場での発生が急増傾向であり

More information

Taro-H23.10

Taro-H23.10 10.Mycoplasma bovis 単独感染による牛の死亡事例 大分家畜保健衛生所 病鑑滝澤亮 病鑑首藤洋三 病鑑山田美那子 病鑑中野雅功 はじめに Mycoplasma bovis(mb) は 一般にウイルスや細菌との複合感染による牛呼吸器複合病 (BRDC) の一要因として知られているが 今回我々はMb 単独感染により呼吸器症状を呈して死亡した事例に遭遇したので その概要と併せて疫学調査結果を報告する

More information

A 農場の自家育成牛と導入牛の HI 抗体価の と抗体陽性率について 11 年の血清で比較すると 自家育成牛は 13 倍と 25% で 導入牛は 453 倍と % であった ( 図 4) A 農場の個体別に症状と保有している HI 抗体価の と抗体陽性率を 11 年の血清で比較した および流産 加療

A 農場の自家育成牛と導入牛の HI 抗体価の と抗体陽性率について 11 年の血清で比較すると 自家育成牛は 13 倍と 25% で 導入牛は 453 倍と % であった ( 図 4) A 農場の個体別に症状と保有している HI 抗体価の と抗体陽性率を 11 年の血清で比較した および流産 加療 牛コロナウイルス病の発生とその防除対策についての検討紀北家畜保健衛生所 亀位徹上田雅彦柏木敏孝 背景と目的 管内の A 酪農場で牛コロナウイルス病 ( 以下 BCVD) が発生した BCVDは 牛コロナウイルス ( 以下 BCV) の感染による 突然の激しい水様性下痢を主症状とする感染症である 一般的に致死率は低いものの 乳用牛では乳量の減少をともない経済的被害が大きい疾病である A 農場では 12

More information

0001 ......

0001 ...... ツリヌス菌などがあります 食中毒では感染原因となる微生物の検出は重要であす ①感染型食中毒 サルモネラ カンピロバクターなど 細菌に汚染された食品を口にすることで 生きた菌自 らが食中毒を引き起こすもので 腸管にたどり着いた菌が腸管内でさらに増殖し 腸管組織に 侵入し 組織を壊し 炎症を起こします このため 腹痛や下痢などの症状を引き起こし ひ どい場合には血便が起こります ②感染 生体内毒素型食中毒

More information

背景 消費者の食品の安全性に対する関心 要求は 平成 7 年の腸管出血性大腸菌 O157による食中毒事件を機に一気に高まり 消費者は 安心して食べられる安全な食品 を強く求めています このような消費者の要望に応えるため 食品業界では食品の安全性の確保のため世界的に有効な衛生管理手法として認められてい

背景 消費者の食品の安全性に対する関心 要求は 平成 7 年の腸管出血性大腸菌 O157による食中毒事件を機に一気に高まり 消費者は 安心して食べられる安全な食品 を強く求めています このような消費者の要望に応えるため 食品業界では食品の安全性の確保のため世界的に有効な衛生管理手法として認められてい 畜産農場における HACCP 方式 による衛生管理 安全で高品質な畜産物を生産するために 農場 HACCP 認証基準を取り入れて 農場から食卓へ 安心と安全 を届けましょう! 栃木県県央家畜保健衛生所 背景 消費者の食品の安全性に対する関心 要求は 平成 7 年の腸管出血性大腸菌 O157による食中毒事件を機に一気に高まり 消費者は 安心して食べられる安全な食品 を強く求めています このような消費者の要望に応えるため

More information

システムの構築過程は図 1 に示すとおりで 衛生管理方針及び目標を決定後 HAC CP システムの構築から着手し その後マネジメントシステムに関わる内容を整備した 1 HACCP システムの構築本農場の衛生管理方針は 農場 HACC P の推進により 高い安全性と信頼を構築し 従業員と一体となって

システムの構築過程は図 1 に示すとおりで 衛生管理方針及び目標を決定後 HAC CP システムの構築から着手し その後マネジメントシステムに関わる内容を整備した 1 HACCP システムの構築本農場の衛生管理方針は 農場 HACC P の推進により 高い安全性と信頼を構築し 従業員と一体となって 7 大規模酪農場における農場 HACCP 認証取得への取り組みと 有用性の検証 はじめに 上川家畜保健衛生所 清水 稚恵 太田 瑞穂 足立 力 我が国における農場 HACCP の認証制度は 平成 21 年 8 月に農林水産省が公表した 畜産農場における飼養衛生管理向上の取組認証基準 ( 農場 HACCP 認証基準 ) に基づき実施されており 平成 23 年 12 月に認証審査の申請が開始された 家畜保健衛生所

More information

論文題目  腸管分化に関わるmiRNAの探索とその発現制御解析

論文題目  腸管分化に関わるmiRNAの探索とその発現制御解析 論文題目 腸管分化に関わる microrna の探索とその発現制御解析 氏名日野公洋 1. 序論 microrna(mirna) とは細胞内在性の 21 塩基程度の機能性 RNA のことであり 部分的相補的な塩基認識を介して標的 RNA の翻訳抑制や不安定化を引き起こすことが知られている mirna は細胞分化や増殖 ガン化やアポトーシスなどに関与していることが報告されており これら以外にも様々な細胞諸現象に関与していると考えられている

More information

戻し堆肥の敷料利用による乳房炎予防効果 西部家畜保健衛生所 三好里美 中嶋哲治 光野貴文はじめに大腸菌性乳房炎を予防するために 敷料として戻し堆肥を利用することにより 抗菌効果が期待できることが知られている 1)2) 昨年の基礎調査の結果 堆肥化処理 10 日目以降で堆肥中の大腸菌群は消失し 大腸菌に対する抗菌効果が認められることを確認した 3) そこで この効果を現場段階で乳房炎対策に活用し 大腸菌性乳房炎多発農場

More information

るため RNA ウイルス遺伝子や mrna などの RNA を検出する場合には予め逆転写酵素 (RNA 依存性 DNA ポリメラーゼ ) により DNA に置換する逆転写反応を行う必要がある これを Reverse Transcription-PCR(RT-PCR) という PCR 法によれば 検査

るため RNA ウイルス遺伝子や mrna などの RNA を検出する場合には予め逆転写酵素 (RNA 依存性 DNA ポリメラーゼ ) により DNA に置換する逆転写反応を行う必要がある これを Reverse Transcription-PCR(RT-PCR) という PCR 法によれば 検査 病性鑑定において PCR を利用する際の注意事項 家畜衛生分野においても疾病診断 検査に PCR 技術が応用可能となり 本病性鑑定指針の改訂においても各診断指針の各論において PCR 検査の利用について参考資料が組み込まれている PCRは便利な技術だが 疾病の診断に応用する場合 その取扱いについては慎重にせねばならない点が多い そこで本項では PCR 検査の原理に次いでその利点 欠点と限界 留意点を理解するための解説をまとめ

More information

記 1. 牛 豚等の飼養農場における飼養衛生管理の確認及び指導の徹底について家畜防疫員は 法第 51 条の規定に基づき 家畜 ( 牛 水牛 鹿 めん羊 山羊 豚及びいのししをいう 以下同じ ) の大規模所有者 ( 家畜伝染病予防法施行規則 ( 昭和 26 年農林省令第 35 号 ) 第 21 条の2

記 1. 牛 豚等の飼養農場における飼養衛生管理の確認及び指導の徹底について家畜防疫員は 法第 51 条の規定に基づき 家畜 ( 牛 水牛 鹿 めん羊 山羊 豚及びいのししをいう 以下同じ ) の大規模所有者 ( 家畜伝染病予防法施行規則 ( 昭和 26 年農林省令第 35 号 ) 第 21 条の2 写 28 消安第 4213 号 平成 28 年 12 月 26 日 都道府県知事 殿 農林水産省消費 安全局長 平成 28 年度の年末 年始及び春節における口蹄疫等に関する防疫対策の強 化について 口蹄疫等に係る防疫対策については 口蹄疫に関する特定家畜伝染病防疫指針 ( 平成 27 年 11 月 20 日農林水産大臣公表 以下 防疫指針 という ) により実施するほか 平成 27 年度の年末 年始及び春節における口蹄疫等に関する防疫対策の強化について

More information

(4) 薬剤耐性菌の特性解析に関する研究薬剤耐性菌の特性解析に関する知見を収集するため 以下の研究を実施する 1 家畜への抗菌性物質の使用と耐性菌の出現に明確な関連性がない家畜集団における薬剤耐性菌の出現又はこれが維持されるメカニズムについての研究 2 食品中における薬剤耐性菌の生残性や増殖性等の生

(4) 薬剤耐性菌の特性解析に関する研究薬剤耐性菌の特性解析に関する知見を収集するため 以下の研究を実施する 1 家畜への抗菌性物質の使用と耐性菌の出現に明確な関連性がない家畜集団における薬剤耐性菌の出現又はこれが維持されるメカニズムについての研究 2 食品中における薬剤耐性菌の生残性や増殖性等の生 食品健康影響評価技術研究及び食品安全確保総合調査の優先実施課題 ( 平成 30 年度 ) ( 平成 29 年 8 月 8 日食品安全委員会決定 ) 食品安全委員会では 今後 5 年間に推進すべき研究 調査の方向性を明示した 食品の安全性の確保のための研究 調査の推進の方向性について ( ロードマップ ) を策定し 食品健康影響評価技術研究事業及び食品安全確保総合調査事業の計画的 戦略的実施を図っているところである

More information

B 農場は乳用牛 45 頭 ( 成牛 34 頭 育成牛 7 頭 子牛 4 頭 ) を飼養する酪農家で 飼養形態は対頭 対尻式ストール 例年 BCoV 病ワクチンを接種していたが 発生前年度から接種を中止していた 自家産牛の一部で育成預託を実施しており 農場全体の半数以上の牛で移動歴があった B 農場

B 農場は乳用牛 45 頭 ( 成牛 34 頭 育成牛 7 頭 子牛 4 頭 ) を飼養する酪農家で 飼養形態は対頭 対尻式ストール 例年 BCoV 病ワクチンを接種していたが 発生前年度から接種を中止していた 自家産牛の一部で育成預託を実施しており 農場全体の半数以上の牛で移動歴があった B 農場 牛コロナウイルス病の発生状況調査 県央家畜保健衛生所 髙山環 井澤清 後藤裕克 吉田昌司 緒言 牛コロナウイルス病はコロナウイルス科 βコロナウイルス属牛コロナウイルス (Coronaviridae Betacoronavirus,Betacoronavirus-1,Bovine coronavirus: BCoV ) を原因とし 成牛 新生子牛に水様下痢や血便 ( 冬季赤痢 ) 呼吸器症状を引き起こす

More information

1 管内の牛ヨーネ病検査と患畜の発生状況 県央家畜保健衛生所 池田暁史仙波裕信 横澤こころ前田卓也 はじめに 牛ヨーネ病は 昭和 年に家畜伝染病予防法 ( 以下 法 という ) の 家畜伝染病に指定されて以降 発生頭数が増加し 平成 1 年の法改正に伴い撲滅対象疾病として全国的に定期検査を行っている 1) 本県では法第 5 条の規定に基づく牛ヨーネ病検査を平成 11 年度から開始した その後 当所管内においては

More information

<4D F736F F D AAE90AC94C B835794D48D8682C882B5816A915395B68CB48D652E646F63>

<4D F736F F D AAE90AC94C B835794D48D8682C882B5816A915395B68CB48D652E646F63> 管内酪農場における牛白血病対策の取り組み 県央家畜保健衛生所 大屋祥子 浅川祐二 荒木尚登 石原凡子 亀井勝浩 和泉屋公一 はじめに 牛白血病は 地方病性牛白血病 (EBL) と散発性牛白血病に分類される牛の届出伝染病である 散発性牛白血病の発生原因は未だに不明であるが EBLは牛白血病ウイルス (BLV) 感染により引き起こされる 1) BLVは牛のリンパ球に感染し 抗体が産生された後も排除されず

More information

< E816A95CA8B4C976C8EAE91E631348D E88AFA95F18D908F91976C8EAE816A2E786C7378>

< E816A95CA8B4C976C8EAE91E631348D E88AFA95F18D908F91976C8EAE816A2E786C7378> 様式第十四号 ( 第二十一条の二関係 ) 定期報告書 平成 年月日 様 住所 氏名 印 電話番号 - - 家畜伝染病予防法第 条の 第 項の規定により 以下のとおり報告します. 基本情報 家畜の所有者の氏名又は名称 家畜の所有者の住所 郵便番号 - 管理者の氏名又は名称 管理者の住所 郵便番号 - 農場の名称 農場の所在地 郵便番号 - 乳用雌牛 成牛育成牛子牛 家畜の種類及び頭羽数 頭頭頭 肥育牛

More information

Taro-H28.11

Taro-H28.11 11. 県内分離牛コロナウイルス (BCV) の遺伝子解析及び抗原性調査 1) 大分家畜保健衛生所 宇佐家畜保健衛生所 病鑑 1) 中出圭祐 ( 病鑑 ) 長岡健朗 1 はじめに 県内の肉用牛飼養農家で BCV が関与した牛呼吸器病症候群 (BRDC) が発生し それら 症例の概要と分離された BCV の遺伝子解析や抗原性の比較を行ったので報告する 2 農場概要及び経過 (1) 症例 1 交雑種肥育農場

More information

Untitled

Untitled 上原記念生命科学財団研究報告集, 25 (2011) 86. 線虫 C. elegans およびマウスをモデル動物とした体細胞レベルで生じる性差の解析 井上英樹 Key words: 性差, ストレス応答,DMRT 立命館大学生命科学部生命医科学科 緒言性差は雌雄の性に分かれた動物にみられ, 生殖能力の違いだけでなく形態, 行動などそれぞれの性の間でみられる様々な差異と定義される. 性差は, 形態や行動だけでなく疾患の発症リスクの男女差といった生理的なレベルの差異も含まれる.

More information

食肉製品の高度化基準 一般社団法人日本食肉加工協会 平成 10 年 10 月 7 日作成 平成 26 年 6 月 19 日最終変更 1 製造過程の管理の高度化の目標事業者は 食肉製品の製造過程にコーデックスガイドラインに示された7 原則 12 手順に沿ったHACCPを適用して製造過程の管理の高度化を

食肉製品の高度化基準 一般社団法人日本食肉加工協会 平成 10 年 10 月 7 日作成 平成 26 年 6 月 19 日最終変更 1 製造過程の管理の高度化の目標事業者は 食肉製品の製造過程にコーデックスガイドラインに示された7 原則 12 手順に沿ったHACCPを適用して製造過程の管理の高度化を 食肉製品の高度化基準 一般社団法人日本食肉加工協会 平成 10 年 10 月 7 日作成 平成 26 年 6 月 19 日最終変更 1 製造過程の管理の高度化の目標事業者は 食肉製品の製造過程にコーデックスガイドラインに示された7 原則 12 手順に沿ったHACCPを適用して製造過程の管理の高度化を図ることとし このための体制及び施設 ( 建物 機械 装置をいう 以下同じ ) の整備を行うこととする

More information

埼玉県調査研究成績報告書 ( 家畜保健衛生業績発表集録 ) 第 55 報 ( 平成 25 年度 ) 11 牛呼吸器病由来 Mannheimia haemolytica 株の性状調査 および同定法に関する一考察 中央家畜保健衛生所 荒井理恵 Ⅰ はじめに Mannheimia haemolytica

埼玉県調査研究成績報告書 ( 家畜保健衛生業績発表集録 ) 第 55 報 ( 平成 25 年度 ) 11 牛呼吸器病由来 Mannheimia haemolytica 株の性状調査 および同定法に関する一考察 中央家畜保健衛生所 荒井理恵 Ⅰ はじめに Mannheimia haemolytica 11 牛呼吸器病由来 Mannheimia haemolytica 株の性状調査 および同定法に関する一考察 中央家畜保健衛生所 荒井理恵 Ⅰ はじめに Mannheimia haemolytica は牛呼吸器病の主要な原因菌であり 時に成牛の死亡も引き起こすことから重要視される病原体である 本菌はパスツレラ科に属するグラム陰性短桿菌であり 莢膜の抗原性により 現在 12 種類の血清型に分類されている

More information

部屋に収容した (40 羽 /3.3 平方メートル ) 表 1 試験区分 区 ( 性別 ) 羽数 飼 料 対照区 ( ) 52 通常 ( 市販飼料 ) 対照区 ( ) 52 通常 ( 市販飼料 ) 試験区 ( ) 52 高 CP(4~6w 魚粉 4% 添加 ) 試験区 ( ) 52 高 CP(4~6

部屋に収容した (40 羽 /3.3 平方メートル ) 表 1 試験区分 区 ( 性別 ) 羽数 飼 料 対照区 ( ) 52 通常 ( 市販飼料 ) 対照区 ( ) 52 通常 ( 市販飼料 ) 試験区 ( ) 52 高 CP(4~6w 魚粉 4% 添加 ) 試験区 ( ) 52 高 CP(4~6 ブロイラー生産性向上に関する試験 清水正明 富久章子 吉岡正二 松長辰司 笠原 猛 要約 ブロイラーの給餌においては, 現在の日本飼養標準では3 段階の期別給与が設けられている しかしこの期別給与を用いた場合の我々研究では,5 から6 のと体重の増加幅が小さく, 逆に羽と血液の重量が急増することが明らかになった 通常, 羽の発育にはタンパク質が使われることから, この時期には正肉より羽の発育に優先的にタンパク質が消費されたのではないかと推察で

More information

井上先生 報告書 清水

井上先生 報告書 清水 派遣研究室 : ボン大学 Life and Medical Sciences(LIMES) Institute, Prof.Michael Hoch 研究室 研究 交流概要近年 TAL effector nuclease (TALEN) や CRISPR/Cas9 システムが効率的で簡便なゲノム編集技術として注目されている 派遣者は TALEN を用いてゼブラフィッシュに遺伝子変異を導入する実験を行った

More information

家畜衛生分野における薬剤耐性菌調査 (JVARM: Japanese Veterinary Antimicrobial Resistance Monitoring System:1999~ ) 動物用医薬品製造販売業者 抗菌剤販売量の調査 製薬 野外流行株の薬剤耐性調査 食品媒介性病原菌 指標菌の薬

家畜衛生分野における薬剤耐性菌調査 (JVARM: Japanese Veterinary Antimicrobial Resistance Monitoring System:1999~ ) 動物用医薬品製造販売業者 抗菌剤販売量の調査 製薬 野外流行株の薬剤耐性調査 食品媒介性病原菌 指標菌の薬 項目 薬剤耐性 (AMR) 対策アクションプランについて 耐性菌の基礎知識 薬剤耐性モニタリング (JVARM) の成績 コリスチン耐性について 薬剤耐性菌のリスク分析 動物用医薬品の慎重使用について 28 家畜衛生分野における薬剤耐性菌調査 (JVARM: Japanese Veterinary Antimicrobial Resistance Monitoring System:1999~ )

More information

「組換えDNA技術応用食品及び添加物の安全性審査の手続」の一部改正について

「組換えDNA技術応用食品及び添加物の安全性審査の手続」の一部改正について ( 別添 ) 最終的に宿主に導入された DNA が 当該宿主と分類学上同一の種に属する微生物の DNA のみである場合又は組換え体が自然界に存在する微生物と同等の遺伝子構成である場合のいずれかに該当することが明らかであると判断する基準に係る留意事項 最終的に宿主に導入されたDNAが 当該宿主と分類学上同一の種に属する微生物のDNAのみである場合又は組換え体が自然界に存在する微生物と同等の遺伝子構成である場合のいずれかに該当することが明らかであると判断する基準

More information

<4D F736F F F696E74202D F78BA65F838C C A E815B89EF8B6396F28DDC91CF90AB8BDB5F >

<4D F736F F F696E74202D F78BA65F838C C A E815B89EF8B6396F28DDC91CF90AB8BDB5F > 衛 微 物技術協議会第 39 回研究会平成 30 年 7 5 ( 滋賀県 ) レファレンスセンター等関連会議薬剤耐性菌 担当 : 国 感染症研究所薬剤耐性研究センター鈴 和 松井真理 マルチプレックスPCRのトライアル結果について発表者 : 阪健康安全基盤研究所河原隆 先 各ブロックレファレンスセンター報告発表者 : 各ブロックレファレンスセンター担当者 平成 29 年度活動報告及び平成 30 年度活動予定発表者

More information

Microsoft PowerPoint - 千葉カンピロ100121発表用.ppt

Microsoft PowerPoint - 千葉カンピロ100121発表用.ppt カンピロバクターによる食中毒について 国立医薬品食品衛生研究所食品衛生管理部 いぎみしずのぶ五十君靜信 igimi@nihs.go.jp 食品の安全 安心に関するリスクコミュニケーション千葉.. 8 年 (H) 細菌性食中毒発生状況 (5/ 集計 ) 事件数 患者数 死者数 サルモネラ属菌 99,55 - ぶどう球菌 58, - ボツリヌス菌 - 腸炎ビブリオ 7 8 - 腸管出血性大腸菌 (VT

More information

平成14年度研究報告

平成14年度研究報告 平成 14 年度研究報告 研究テーマ 多嚢胞性卵巣発症に関する遺伝性素因の解析 - PCO の解析 - 北海道大学大学院医学研究科 助手菅原照夫 現所属 : 北海道大学大学院医学研究科 医学部連携研究センター サマリー 多嚢胞性卵巣 (PCO) は生殖可能年齢の婦人の 5 10% に発症する内分泌疾患である 臨床症状は 月経不順 多毛 肥満 排卵障害が主な特徴であり 難治性の不妊症の主な原因である

More information

TuMV 720 nm 1 RNA 9,830 1 P1 HC Pro a NIa Pro 10 P1 HC Pro 3 P36 1 6K1 CI 6 2 6K2VPgNIa Pro b NIb CP HC Pro NIb CP TuMV Y OGAWA et al.,

TuMV 720 nm 1 RNA 9,830 1 P1 HC Pro a NIa Pro 10 P1 HC Pro 3 P36 1 6K1 CI 6 2 6K2VPgNIa Pro b NIb CP HC Pro NIb CP TuMV Y OGAWA et al., 21 1980 2000 DNA I Molecular Evolution and Ecology of Turnip mosaic virus. By Kazusato OHSHIMA DNA TYLCV1 RNA Rice yellow mottle virus RYMV 1 RNA Turnip mosaic virus ; TuMV TuMV TuMV TuMV II 1 TuMV OHSHIMA

More information

家畜保健衛生所における検査の信頼性確保にむけて 湘南家畜保健衛生所 田村みず穂駒井圭浅川祐二太田和彦 矢島真紀子中橋徹松尾綾子稲垣靖子 はじめに 家保の検査の中には 鳥インフルエンザやヨーネ病等の 社会的 経済的影響の大きい検査が含まれている 食の安全 安心を得るためには生産から消費に至る食品供給の

家畜保健衛生所における検査の信頼性確保にむけて 湘南家畜保健衛生所 田村みず穂駒井圭浅川祐二太田和彦 矢島真紀子中橋徹松尾綾子稲垣靖子 はじめに 家保の検査の中には 鳥インフルエンザやヨーネ病等の 社会的 経済的影響の大きい検査が含まれている 食の安全 安心を得るためには生産から消費に至る食品供給の 家畜保健衛生所における検査の信頼性確保にむけて 湘南家畜保健衛生所 田村みず穂駒井圭浅川祐二太田和彦 矢島真紀子中橋徹松尾綾子稲垣靖子 はじめに 家保の検査の中には 鳥インフルエンザやヨーネ病等の 社会的 経済的影響の大きい検査が含まれている 食の安全 安心を得るためには生産から消費に至る食品供給の各段階で必要な管理を行うことが国際的な共通認識となっている このため 家保の検査においても検査結果を担保することが求められており

More information

<4D F736F F D E95F14E565F838C D955F907D90E096BE5F8F4390B394C5816A2E646F63>

<4D F736F F D E95F14E565F838C D955F907D90E096BE5F8F4390B394C5816A2E646F63> 広島市におけるノロウイルス GⅡ/4 のカプシド蛋白質 P2 ドメインの解析 (2006~2010 年 ) 阿部勝彦山本美和子 田中寛子橋本和久 藤井慶樹野田 * 衛 井澤麻由 2006 年 ~2010 年に検出された Norovirus(NoV)GⅡ/4のカプシド蛋白質をコードする ORF2 の P2 ドメインの遺伝子解析を行い, 分子モデルによる検討を行った 調査期間中の NoV GⅡ/4 は大きく

More information

卵及び卵製品の高度化基準

卵及び卵製品の高度化基準 卵製品の高度化基準 1. 製造過程の管理の高度化の目標事業者は 卵製品の製造過程にコーデックスガイドラインに示された7 原則 12 手順に沿った HACCP を適用して 製造過程の管理の高度化を図ることとし このための体制及び施設の整備を行うこととする まず 高度化基盤整備に取り組んだ上で HACCP を適用した製造過程の管理の高度化を図るという段階を踏んだ取組を行う場合は 将来的に HACCP に取り組むこと又はこれを検討することを明らかにした上で

More information

最近の動物インフルエンザの発生状況と検疫対応

最近の動物インフルエンザの発生状況と検疫対応 講演要旨 最近の動物インフルエンザの発生状況と検疫対応 動物検疫所精密検査部衛藤真理子 1 はじめに近年 H5 及び H7 亜型の高病原性鳥インフルエンザ (HPAI) が世界的に流行まん延し 養鶏業に被害を及ぼすとともに 人への感染例が報告される国もあり 新型インフルエンザウイルス出現への脅威となることから対策が強化されている 我が国では 2004 年の 79 年ぶりの HPAI の発生以降 8

More information

博士学位論文審査報告書

博士学位論文審査報告書 5 氏 名満仲翔一 学 位 の 種 類博士 ( 理学 ) 報 告 番 号甲第 465 号 学位授与年月日 2017 年 9 月 19 日 学位授与の要件学位規則 ( 昭和 28 年 4 月 1 日文部省令第 9 号 ) 第 4 条第 1 項該当 学位論文題目腸管出血性大腸菌 O157:H7 Sakai 株に存在する Stx2 ファー ジにコードされた Small Regulatory RNA SesR

More information

< F2D8B7B8DE88CA789758A778C9F93A289EF95F18D908F DC5>

< F2D8B7B8DE88CA789758A778C9F93A289EF95F18D908F DC5> 宮崎県における高病原性鳥インフルエンザの感染経路等に関する検討報告書 平成 23 年 7 月 25 日 宮崎県農政水産部 畜産 口蹄疫復興対策局 目 次 1 はじめに 1 2 発生の概要及び防疫措置状況 2 3 発生農場の経営再開状況 7 4 野鳥に係る対応状況 8 5 疫学調査結果の概要 10 6 野鳥生息状況の調査結果 ( 日本野鳥の会宮崎県支部 ) 36 7 まとめ 39 8 今後の発生防止対策

More information

Microsoft Word - 宮崎FMDマニュアル⑦ 指針別紙(評価)

Microsoft Word - 宮崎FMDマニュアル⑦ 指針別紙(評価) ( 別紙 ) 家畜の評価額の算定方法 1 肥育牛 ( 和牛 交雑種及び乳用種 ) (1) 評価額の基本的な算定方法素畜の導入価格 + 肥育経費 (1 日当たりの生産費 飼養日数 ) (2) 素畜の導入価格及び肥育経費の算定方法 1 導入価格は 素畜の導入に要した費用とし 家畜市場の購入伝票等により確認する 2 導入価格を確認することができない場合又は素畜を自家生産している場合には 当該家畜の所有者が通常利用している家畜市場における当該素畜と同等の牛

More information

274 コバス TaqMan48 を用いた液体培地からの抗酸菌検出 澤村卓宏 1) 森部龍一 2) 社会医療法人大雄会第二医科学研究所 1) 社会医療法人大雄会総合大雄会病院 2) [ 目的 ] 我々はコバス TaqMan48( ロシュ ダイアグノステックス ) を用いた液体培地からの抗酸菌検出に関

274 コバス TaqMan48 を用いた液体培地からの抗酸菌検出 澤村卓宏 1) 森部龍一 2) 社会医療法人大雄会第二医科学研究所 1) 社会医療法人大雄会総合大雄会病院 2) [ 目的 ] 我々はコバス TaqMan48( ロシュ ダイアグノステックス ) を用いた液体培地からの抗酸菌検出に関 274 コバス TaqMan48 を用いた液体培地からの抗酸菌検出 澤村卓宏 1) 森部龍一 2) 社会医療法人大雄会第二医科学研究所 1) 社会医療法人大雄会総合大雄会病院 2) [ 目的 ] 我々はコバス TaqMan48( ロシュ ダイアグノステックス ) を用いた液体培地からの抗酸菌検出に関する基礎的検討を実施した [ 対象および方法 ] 対象はマイコアシッド ( 極東製薬工業 ) にて陽性と判定された

More information

「組換えDNA技術応用食品及び添加物の安全性審査の手続」の一部改正について

「組換えDNA技術応用食品及び添加物の安全性審査の手続」の一部改正について 食安基発 0627 第 3 号 平成 26 年 6 月 27 日 各検疫所長殿 医薬食品局食品安全部基準審査課長 ( 公印省略 ) 最終的に宿主に導入されたDNAが 当該宿主と分類学上同一の種に属する微生物のDNAのみである場合又は組換え体が自然界に存在する微生物と同等の遺伝子構成である場合のいずれかに該当することが明らかであると判断する基準に係る留意事項について 食品 添加物等の規格基準 ( 昭和

More information

<4D F736F F D E894D48D B68CB48D658CB48D65205F8BEE88E45F E646F6378>

<4D F736F F D E894D48D B68CB48D658CB48D65205F8BEE88E45F E646F6378> 全身に出血を認めた子牛の死亡例 湘南家畜保健衛生所 駒井圭森村裕之矢島真紀子秋本遼井上史太田和彦稲垣靖子 はじめに 2014 年 6 月 管内酪農家において 19 日齢のホルスタイン種子牛が発熱 貧血 血便の症状を呈して死亡した 同日 16 日齢の交雑種 (F1) 子牛が同様の症状を呈し 2 日後に死亡した このF1 子牛について病性鑑定を実施したので概要を報告する 発生農場 発生農場は搾乳牛 65

More information

感染予防対策に向けたヒト及び環境等における感染症起因菌の調査 ( 平成 27 年度 ) 2 岡山県内のレジオネラの疫学調査と小児科受診患者等のエルシニア抗体保有調査について 中嶋洋, 檀上博子, 河合央博, 大畠律子 ( 細菌科 )

感染予防対策に向けたヒト及び環境等における感染症起因菌の調査 ( 平成 27 年度 ) 2 岡山県内のレジオネラの疫学調査と小児科受診患者等のエルシニア抗体保有調査について 中嶋洋, 檀上博子, 河合央博, 大畠律子 ( 細菌科 ) 感染予防対策に向けたヒト及び環境等における感染症起因菌の調査 ( 平成 27 年度 ) 2 岡山県内のレジオネラの疫学調査と小児科受診患者等のエルシニア抗体保有調査について 中嶋洋, 檀上博子, 河合央博, 大畠律子 ( 細菌科 ) 岡山県環境保健センター年報 40, 57-61, 2016 調査研究 感染予防対策に向けたヒト及び環境等における感染症起因菌の調査 ( 平成 27 年度 ) 2 岡山県内のレジオネラの疫学調査と小児科受診患者等のエルシニア抗体保有調査について

More information

山口県環境保健センター所報第 57 号 ( 平成 26 年度 ) 山口県における平成 26 年度の腸管出血性大腸菌感染症の発生状況及び分離株の細菌学的 分子疫学的調査成績 山口県環境保健センター亀山光博, 矢端順子 *, 尾羽根紀子, 大塚仁, 野村恭晴 * 現山口県周南健康福祉センター Bacte

山口県環境保健センター所報第 57 号 ( 平成 26 年度 ) 山口県における平成 26 年度の腸管出血性大腸菌感染症の発生状況及び分離株の細菌学的 分子疫学的調査成績 山口県環境保健センター亀山光博, 矢端順子 *, 尾羽根紀子, 大塚仁, 野村恭晴 * 現山口県周南健康福祉センター Bacte 山口県における平成 26 年度の腸管出血性大腸菌感染症の発生状況及び分離株の細菌学的 分子疫学的調査成績 山口県環境保健センター亀山光博, 矢端順子 *, 尾羽根紀子, 大塚仁, 野村恭晴 * 現山口県周南健康福祉センター Bacteriological and Epidemiological Study of Enterohemorragic Escherichia coli Infection,

More information

遺伝子解析法による微生物同定法

遺伝子解析法による微生物同定法 遺伝子解析法による微生物同定法 - レジオネラ属菌の生菌迅速検出法を例にとって - 2013 年 9 月 11 日防菌防黴学会第 40 回年次大会タカラバイオ ( 株 ) 吉崎美和 本日の内容 遺伝子解析法について 遺伝子解析法の種類と用途 遺伝子解析法の特徴 PCR による生菌検出法について EMA-PCR 法の原理 LC EMA-qPCR 法によるレジオネラ生菌検出 遺伝子解析法の活用例 2013

More information

Microsoft PowerPoint - 4_河邊先生_改.ppt

Microsoft PowerPoint - 4_河邊先生_改.ppt 組換え酵素を用いた配列部位 特異的逐次遺伝子導入方法 Accumulative gene integration system using recombinase 工学研究院化学工学部門河邉佳典 2009 年 2 月 27 日 < 研究背景 > 1 染色体上での遺伝子増幅の有用性 動物細胞での場合 新鮮培地 空気 + 炭酸ガス 使用済み培地 医薬品タンパク質を生産する遺伝子を導入 目的遺伝子の多重化

More information

Microsoft Word doc

Microsoft Word doc 2011 年 8 月 26 日独立行政法人理化学研究所岡山県農林水産総合センター生物科学研究所独立行政法人農業 食品産業技術総合研究機構野菜茶業研究所 アブラナ科の野菜 ハクサイ のゲノム塩基配列を初解析 -アブラナ科のモデル植物シロイヌナズナから作物への応用研究にブレイクスルー- 本研究成果のポイント 国際ハクサイゲノム解読プロジェクトと連携し 約 4 万種の遺伝子を同定 約 1 万種の完全長 cdna

More information

広島県立総合技術研究所保健環境センター研究報告,No. 16,p5 9,2008 資 料 広島県内で分離された腸炎由来カンピロバクターの薬剤耐性 竹田義弘, 桑山勝, 大原祥子, 妹尾正登 Drug-Resistance of Campylobacter spp. Strains Isolated

広島県立総合技術研究所保健環境センター研究報告,No. 16,p5 9,2008 資 料 広島県内で分離された腸炎由来カンピロバクターの薬剤耐性 竹田義弘, 桑山勝, 大原祥子, 妹尾正登 Drug-Resistance of Campylobacter spp. Strains Isolated 広島県立総合技術研究所保健環境センター研究報告,No. 16,p5 9,2008 資 料 広島県内で分離された腸炎由来カンピロバクターの薬剤耐性 竹田義弘, 桑山勝, 大原祥子, 妹尾正登 Drug-Resistance of Campylobacter spp. Strains Isolated from Sporadic Patients with Enteritis in Hiroshima

More information

東邦大学学術リポジトリ タイトル別タイトル作成者 ( 著者 ) 公開者 Epstein Barr virus infection and var 1 in synovial tissues of rheumatoid 関節リウマチ滑膜組織における Epstein Barr ウイルス感染症と Epst

東邦大学学術リポジトリ タイトル別タイトル作成者 ( 著者 ) 公開者 Epstein Barr virus infection and var 1 in synovial tissues of rheumatoid 関節リウマチ滑膜組織における Epstein Barr ウイルス感染症と Epst 東邦大学学術リポジトリ タイトル別タイトル作成者 ( 著者 ) 公開者 Epstein Barr virus infection and var 1 in synovial tissues of rheumatoid 関節リウマチ滑膜組織における Epstein Barr ウイルス感染症と Epstein Barr nuclear antigen 1 の変異増岡, 正太郎東邦大学 発行日 2019.03.13

More information

DNA/RNA調製法 実験ガイド

DNA/RNA調製法 実験ガイド DNA/RNA 調製法実験ガイド PCR の鋳型となる DNA を調製するにはいくつかの方法があり 検体の種類や実験目的に応じて適切な方法を選択します この文書では これらの方法について実際の操作方法を具体的に解説します また RNA 調製の際の注意事項や RNA 調製用のキット等をご紹介します - 目次 - 1 実験に必要なもの 2 コロニーからの DNA 調製 3 増菌培養液からの DNA 調製

More information

<4D F736F F D DC58F4994C5817A8D4C93878CA782C982A882AF82E989C6927B947282B982C295A882CC CC91A F0907D82E982BD82D

<4D F736F F D DC58F4994C5817A8D4C93878CA782C982A882AF82E989C6927B947282B982C295A882CC CC91A F0907D82E982BD82D 広島県における家畜排せつ物の利用の促進を図るための計画 第 1 家畜排せつ物の利用の目標 1 現状 (1) 本県畜産の現状 本県における平成 25 年の畜産の粗生産額は米を抜いて第 1 位の 461 億円と, 農業 全体の粗生産額 (1,125 億円 ) の 41% を占めており, 畜産は本県農業の基幹的な部門 となっている 家畜の飼養頭羽数は, 平成 26 年 2 月 1 日現在で, 乳用牛 9,820

More information

(Microsoft PowerPoint \220H\222\206\223\305\201i\220H\210\300\210\317\201j)

(Microsoft PowerPoint \220H\222\206\223\305\201i\220H\210\300\210\317\201j) 平成 22 年 1 月 29 日 科学の目 で守る 食品の安全 食中毒原因微生物のリスク評価 内閣府食品安全委員会事務局 1 食品安全委員会について 2 食品安全委員会の設置 平成 15 年 7 月 食品安全基本法成立 ( 平成 平成 15 年 5 月 ) 法の理念理念は国民国民の健康保護健康保護が最も重要 食品食品安全行政安全行政にリスクリスク分析手法分析手法を導入 リスクリスク評価評価を行う機関機関としてとして食品安全委員会食品安全委員会を管理官庁からから独立独立してして内閣府内閣府に設置

More information

Microsoft Word - 04H22研究報告岡久.doc

Microsoft Word - 04H22研究報告岡久.doc 報文 和菓子の賞味期限予測のための耐熱性芽胞菌増殖予測モデルの開発 Development of Bacterial Spore Growth Predictive Model for Predictive at Best-Before Date of Japanese-Style Confection 岡久修己 * Naoki Okahisa 抄録市販の和菓子等から分離した耐熱性芽胞菌 42 株から,

More information

項目 薬剤耐性 (AMR) 対策アクションプランについて 耐性菌の基礎知識 薬剤耐性モニタリング (JVARM) の成績 コリスチン耐性について 薬剤耐性菌のリスク分析 動物用医薬品の慎重使用について 2

項目 薬剤耐性 (AMR) 対策アクションプランについて 耐性菌の基礎知識 薬剤耐性モニタリング (JVARM) の成績 コリスチン耐性について 薬剤耐性菌のリスク分析 動物用医薬品の慎重使用について 2 項目 薬剤耐性 (AMR) 対策アクションプランについて 耐性菌の基礎知識 薬剤耐性モニタリング (JVARM) の成績 コリスチン耐性について 薬剤耐性菌のリスク分析 動物用医薬品の慎重使用について 2 1,000 万人 120 万人 820 万人 70 万人 厚労省が 政策会議 ( 第 1 回薬剤耐性に関する検討調整会議 ;H27.12) に提出した資料 ( 首相官邸 HP より ); 一部改変

More information

大学院博士課程共通科目ベーシックプログラム

大学院博士課程共通科目ベーシックプログラム 平成 30 年度医科学専攻共通科目 共通基礎科目実習 ( 旧コア実習 ) 概要 1 ). 大学院生が所属する教育研究分野における実習により単位認定可能な実習項目 ( コア実習項目 ) 1. 組換え DNA 技術実習 2. 生体物質の調製と解析実習 3. 薬理学実習 4. ウイルス学実習 5. 免疫学実習 6. 顕微鏡試料作成法実習 7. ゲノム医学実習 8. 共焦点レーザー顕微鏡実習 2 ). 実習を担当する教育研究分野においてのみ単位認定可能な実習項目

More information

d-00

d-00 283-0105 298 TEL. 0475-76-0839 FAX. 0475-76-0838 400g 300 4950399167708 14 220g 300 4950399066780 Page 1 300g 200 4950399066766 100 400g 300 4950399167722 350g 160 4950399066735 100 600g 350 4950399167685

More information

< F2D BD96EC2E6A7464>

< F2D BD96EC2E6A7464> 8 管内一養豚場で確認された豚皮膚炎腎症症候群 (PDNS) 湘南家畜保健衛生所 平野幸子荒木悦子 和泉屋公一稲垣靖子 はじめに 豚皮膚炎腎症症候群 ( 以下 PDNS) は主に育成豚及び肥育豚に発生し 発症率は1% 以下 死亡率は90 日齢以上で100% 近いが 45~90 日齢では30% 程度である 重症例では発症後数日以内に死亡する 特徴的症状は皮膚における不定形な赤紫色斑または丘疹の形成で

More information

表 1-2. コーデックスガイドライン (Codex Guidelines)2018 年 2 月現在 78 ガイドライン コーデックスガイドラインは 食品の安全性 品質 取込み可能性を確実にするために 証拠に基づいて 情報と助言を推奨手順と同時に提供するものである ガイドラインタイトル策定 部会 最

表 1-2. コーデックスガイドライン (Codex Guidelines)2018 年 2 月現在 78 ガイドライン コーデックスガイドラインは 食品の安全性 品質 取込み可能性を確実にするために 証拠に基づいて 情報と助言を推奨手順と同時に提供するものである ガイドラインタイトル策定 部会 最 表 1-2. コーデックスガイドライン (Codex Guidelines)2018 年 2 月現在 78 ガイドライン コーデックスガイドラインは 食品の安全性 品質 取込み可能性を確実にするために 証拠に基づいて 情報と助言を推奨手順と同時に提供するものである CAC / GL 1-1979 強調表示に関する一般ガイドライン CCFL 2009 CAC / GL 2-1985 栄養表示に関するガイドライン

More information

<4D F736F F D2095BD90AC E93788E968BC68C7689E62E646F6378>

<4D F736F F D2095BD90AC E93788E968BC68C7689E62E646F6378> 平成 28 年度事業計画 人と動物の健康は一つと捉え 地球環境の保全に又安全 安心な社会の 実現に繋がるとの考え方が提唱され 昨今人と動物が共存出来る社会に向 けて醸成されつつある それには我々獣医師の有する獣医学が根幹となっている まず公衆衛生の食の安心 安全の県民への周知及び向上 また平成 28 年 1 月 26 日にはノロウィルス被害撲滅に対する県を中心に産学官の連携 6 機 関研究協定が全国では初めての取り組みが行われ県民の安心安全に繋がる

More information

< F2D D874891E6338FCD92B28DB88CA48B8691E896DA2E6A74>

< F2D D874891E6338FCD92B28DB88CA48B8691E896DA2E6A74> 第 3 章調査研究 平成 25 年度 調査研究 1 成鶏における Campylobacter jejuni/coli の保菌調査及び検出法の検討 知覧食肉衛生検査所 川﨑 寛之 2 ブロイラーのカンピロバクター保菌調査及び食鳥処理場の汚染状況 ( 第 1 報 ) 阿久根食肉衛生検査所安田研 3 ブロイラーにおけるカンピロバクターの保菌及び製品汚染調査 鹿屋食肉衛生検査所下地なつ希 4 牛の体表における腸管出血性大腸菌ベロ毒素遺伝子保有調査

More information

< F2D81798DC58F4994C5817A A AD48CF6>

< F2D81798DC58F4994C5817A A AD48CF6> 平成 22 年度高病原性鳥インフルエンザの発生に係る疫学調査の中間取りまとめ 平成 23 年 8 月 30 日 高病原性鳥インフルエンザ疫学調査チーム 目 次 ページ 1 はじめに 1 2 平成 22 年度高病原性鳥インフルエンザの発生概要 2 3 平成 22 年度に24 事例もの多くの事例が発生した理由 (1) 発生の特徴 4 (2) 日本へのウイルスの侵入経路について 4 (3) 分離されたウイルス株の特徴等

More information

を作成し ヘマトキシリン エオジン (HE) 染色を実施した 特殊染色として No.1 と No.2 の肺 No.2 の気管 心臓 肝臓 十二指腸及び空腸の標本については PTAH 染色を実施した No.1 と No.2 の気管 肺 回腸 盲腸及び深胸筋については過ヨウ素酸シッフ (PAS) 反応を

を作成し ヘマトキシリン エオジン (HE) 染色を実施した 特殊染色として No.1 と No.2 の肺 No.2 の気管 心臓 肝臓 十二指腸及び空腸の標本については PTAH 染色を実施した No.1 と No.2 の気管 肺 回腸 盲腸及び深胸筋については過ヨウ素酸シッフ (PAS) 反応を 13 鶏マイコプラズマ病発症鶏 2 羽の病理学的及び細菌学的比較による供試検体選定への応用 中央家畜保健衛生所 平野晃司 中井悠華 北島絵理子 Ⅰ はじめに鶏マイコプラズマ病は Mycoplasma gallisepticum(mg) 及び M.synoviae(MS) による慢性呼吸器病である 採卵鶏では産卵低下 肉用鶏では発育不良のほか 気嚢炎により食鳥処理場で廃棄率が増加し 経済的損失を来す

More information

< F2D915395B68CB48D BD816A2E6A7464>

< F2D915395B68CB48D BD816A2E6A7464> 豚インフルエンザウイルスの抗体保有状況と検査方法の検討 はじめに 奈良県家畜保健衛生所武平有理子 インフルエンザウイルスの動物種を超えた流行において 豚がカギとなっていることは広く知られている 豚の気道上皮細胞にはトリ型とヒト型のウイルスに対する両方のレセプターがあり 由来の異なるウイルスが同時に一つの細胞に感染すると文節型遺伝子が交雑したリアソータントを生み出し 大きな抗原変異が起きる そのため

More information

Microsoft PowerPoint イイノホール中村.ppt

Microsoft PowerPoint イイノホール中村.ppt 食品媒介有害微生物リスク管理セミナー平成 19 年 4 月 23 日 ( イイノホール ) 鶏卵 鶏肉のサルモネラ対策 鶏卵のサルモネラ対策について北里大学獣医学部人獣共通感染症学研究室中村政幸 鶏卵 鶏肉のサルモネラ対策 1. 鶏卵サルモネラ (Salmonell Enteritidis(SE)) 対策 養鶏場における汚染状況 英国と米国の対策 ( 協会指導型 ) 日本の対策 ( 厚労省 農水省

More information

(Microsoft Word - \221S\225\266\214\264\215e \222\206\223\207.doc)

(Microsoft Word - \221S\225\266\214\264\215e \222\206\223\207.doc) 初動防疫体制構築のための埋却候補地調査 奈良県家畜保健衛生所業務第一課 中島岳人武平有理子 緒言 H23 年 4 月に家畜伝染病予防法が改正された それにより飼養衛生管理基準の内容に 畜産農家の責任において 口蹄疫や高病原性鳥インフルエンザ (HPAI) の発生に備えた埋却地の確保をすべき旨が示された また H23 年 2 月には奈良県内でも HPAI が発生し 実際に埋却地の選定が難航するという経験をした

More information

脳組織傷害時におけるミクログリア形態変化および機能 Title変化に関する培養脳組織切片を用いた研究 ( Abstract_ 要旨 ) Author(s) 岡村, 敏行 Citation Kyoto University ( 京都大学 ) Issue Date URL http

脳組織傷害時におけるミクログリア形態変化および機能 Title変化に関する培養脳組織切片を用いた研究 ( Abstract_ 要旨 ) Author(s) 岡村, 敏行 Citation Kyoto University ( 京都大学 ) Issue Date URL http 脳組織傷害時におけるミクログリア形態変化および機能 Title変化に関する培養脳組織切片を用いた研究 ( Abstract_ 要旨 ) Author(s) 岡村, 敏行 Citation Kyoto University ( 京都大学 ) Issue Date 2009-03-23 URL http://hdl.handle.net/2433/124054 Right Type Thesis or

More information

特_古市_3校.indd

特_古市_3校.indd 特集 正しい知識と意識で行う消毒 陥りやすい落とし穴を知り 気を付けるポイントを探る 豊浦獣医科クリニック 古市朋大 消毒を知る 消毒は疾病 ( 感染 ) を予防するために行います 病原微生物は自力で移動して伝播することはできず 感染には必ず微生物を媒介する感染経路があります 消毒の目的は 疾病の感染経路を遮断することです しかし 消毒は単に消毒薬を使用すればよいだけではありません 本稿では効果的な消毒を行うために

More information

広島市衛研年報 35, 52-60(2016) 2005/06 シーズンから 2015/16 シーズンまでに検出されたノロウイルス GⅡ の遺伝子型解析と流行状況の分析 藤井慶樹則常浩太八島加八山本美和子 松室信宏 石村勝之 2005/06 シーズンから 2015/16 シーズンまでの間に, 広島市

広島市衛研年報 35, 52-60(2016) 2005/06 シーズンから 2015/16 シーズンまでに検出されたノロウイルス GⅡ の遺伝子型解析と流行状況の分析 藤井慶樹則常浩太八島加八山本美和子 松室信宏 石村勝之 2005/06 シーズンから 2015/16 シーズンまでの間に, 広島市 シーズンから シーズンまでに検出されたノロウイルス GⅡ の遺伝子型解析と流行状況の分析 藤井慶樹則常浩太八島加八山本美和子 松室信宏 石村勝之 シーズンから シーズンまでの間に, 広島市で発生した食中毒, 有症苦情及び散発の胃腸炎事例の患者便から検出されたノロウイルス (NoV)GⅡについて遺伝子型解析と流行状況の分析を行った 遺伝子型解析においては,ORF の RNA 依存性 RNA ポリメラーゼ領域から

More information

座長 演者の先生方へ 座長の先生方へのお願い 1. 当日 担当セッションの開始 15 分前までにお越しいただき 受付にて来場された旨をお伝えください 2. 担当セッションの開始 10 分前までに次座長席にご着席ください 3. セッションの進行は座長に一任いたしますが 演者の発表時間を厳守し 円滑な運

座長 演者の先生方へ 座長の先生方へのお願い 1. 当日 担当セッションの開始 15 分前までにお越しいただき 受付にて来場された旨をお伝えください 2. 担当セッションの開始 10 分前までに次座長席にご着席ください 3. セッションの進行は座長に一任いたしますが 演者の発表時間を厳守し 円滑な運 第 9 回日本カンピロバクター研究会総会 会長 : 神谷茂 ( 杏林大学医学部感染症学教室 ) 会期 : 平成 28 年 11 月 26 日 ( 土 ) 受付 : 午前 9 時 ~ ( 杏林大学井の頭キャンパス F 棟 3 階 F309 講義室前にて ) 会場 : 杏林大学井の頭キャンパス F 棟 3 階 F309 講義室 181-8612 東京都三鷹市下連雀 5-4-1 TEL:0422-3813-6211(

More information

2 報告事項 (1) 家畜所有者の氏名 ( 名称 ) 及び住所 ( 当該所有者以外の管理者がある場合にあっては 当該管理者の氏名 ( 名称 ) 及び住所 ) (2) 農場 ( 家畜の飼養場所 ) の名称 ( 無い場合は記入不要 ) 及び所在地 ( 飼養場所は必ず記載してください ) (3) 飼養して

2 報告事項 (1) 家畜所有者の氏名 ( 名称 ) 及び住所 ( 当該所有者以外の管理者がある場合にあっては 当該管理者の氏名 ( 名称 ) 及び住所 ) (2) 農場 ( 家畜の飼養場所 ) の名称 ( 無い場合は記入不要 ) 及び所在地 ( 飼養場所は必ず記載してください ) (3) 飼養して 家畜伝染病予防法に基づく 家畜所有者の [ 定期の報告 ] の手引き ~ 小規模所有者用 ~ 家畜所有者 ( 管理者 ) の皆様へ 東京都家畜保健衛生所 家畜の所有者は都知事への定期の報告が必要です 日頃から東京都の家畜衛生関係事業にご理解 ご協力をいただき感謝申し上げます さて 家畜の所有者は 家畜伝染病予防法の規定に基づき 毎年 農場ごとに 2 月 1 日時点の飼養している家畜の頭羽数及び家畜の飼養衛生管理状況に関し

More information

714 植 物 防 疫 第 63 巻 第 11 号 2009 年 岡山県で発生した Rhizobium radiobacter Ti による ブドウ根頭がんしゅ病 岡山県農業総合センター農業試験場 は じ め かわ ぐち あきら 川 口 章 12 月のサンプルから AT06 1 AT06 8 株 を

714 植 物 防 疫 第 63 巻 第 11 号 2009 年 岡山県で発生した Rhizobium radiobacter Ti による ブドウ根頭がんしゅ病 岡山県農業総合センター農業試験場 は じ め かわ ぐち あきら 川 口 章 12 月のサンプルから AT06 1 AT06 8 株 を 714 植 物 防 疫 第 63 巻 第 11 号 2009 年 岡山県で発生した Rhizobium radiobacter Ti による ブドウ根頭がんしゅ病 岡山県農業総合センター農業試験場 は じ め かわ ぐち あきら 川 口 章 12 月のサンプルから AT06 1 AT06 8 株 を選抜し に 以下の試験に供試した ブドウ根頭がんしゅ病は土壌伝染性の細菌病であり II 保菌苗木の流通によって病原細菌が広範囲に伝搬され

More information

Microsoft Word - Gateway technology_J1.doc

Microsoft Word - Gateway technology_J1.doc テクノロジー Gateway の基本原理 テクノロジーは λ ファージが大腸菌染色体へ侵入する際に関与する部位特異的組換えシステムを基礎としています (Ptashne, 1992) テクノロジーでは λ ファージの組換えシステムのコンポーネントを改変することで 組み換え反応の特異性および効率を高めています (Bushman et al, 1985) このセクションでは テクノロジーの基礎となっている

More information

品質向上セミナー

品質向上セミナー 食品産業に関連する 品質管理基準 工場繁栄のスタートラインに立つために食品産業に関連する各種の品質基準を理解すると共に自社工場のレベルに応じた身近な目標を設定する GAP の考え方を理解しよう! GAP( ギャップ ): 適正農業 [ 養殖 ] 規範 Good Agricultural [Aquaculture] Practices 農産物 畜産物 水産物は 生産段階において大腸菌 O-157 やサルモネラ属菌

More information

「ゲノムインプリント消去には能動的脱メチル化が必要である」【石野史敏教授】

「ゲノムインプリント消去には能動的脱メチル化が必要である」【石野史敏教授】 プレス通知資料 ( 研究成果 ) 報道関係各位 平成 26 年 2 月 17 日国立大学法人東京医科歯科大学 ゲノムインプリント消去には能動的脱メチル化が必要である マウスの生殖細胞系列で起こる能動的脱メチル化を明らかに ポイント 将来 精子 卵子になる始原生殖細胞 (PGC) のゲノムインプリント消去に能動的脱メチル化機構が関係することを初めて実証しました この能動的脱メチル化機構には DNA 塩基除去修復反応が関与しています

More information

検査項目情報 クリオグロブリン Department of Clinical Laboratory, Kyoto University Hospital 一次サンプル採取マニュアル 免疫学的検査 >> 5A. 免疫グロブリン >> 5A160. クリオグロブリン Ver.4 cryo

検査項目情報 クリオグロブリン Department of Clinical Laboratory, Kyoto University Hospital 一次サンプル採取マニュアル 免疫学的検査 >> 5A. 免疫グロブリン >> 5A160. クリオグロブリン Ver.4 cryo 6626 5. 免疫学的検査 >> 5A. 免疫グロブリン >> 5A160. Ver.4 cryoglobulin 連絡先 : 3764 基本情報 ( 標準コード (JLAC10) ) 基本情報 ( 診療報酬 ) 標準コード (JLAC10) 診療報酬 5A160 特掲診療料 >> 検査 >> 検体検査料 >> 検体検査実施料 >> ( 免疫学的検査 ) 分析物 D015 5 定性 42 点 識別材料測定法

More information

農林畜産食品部 ( 長官イ ドンピル ) は口蹄疫 高病原性鳥インフルエンザなどの家畜疾病防疫体系改善を反映した家畜伝染病予防法が 2015 年 6 月 22 日付けで改正 公布されたことをうけ 後続措置として 家畜伝染病予防法施行令及び施行規則 の立法手続きが完了し 2015 年 12 月 23

農林畜産食品部 ( 長官イ ドンピル ) は口蹄疫 高病原性鳥インフルエンザなどの家畜疾病防疫体系改善を反映した家畜伝染病予防法が 2015 年 6 月 22 日付けで改正 公布されたことをうけ 後続措置として 家畜伝染病予防法施行令及び施行規則 の立法手続きが完了し 2015 年 12 月 23 ( 参考情報 ) 韓国農林畜産食品部公表情報 農林畜産食品部プレスリリース (2015 年 12 月 23 日 13 時 00 分付け ) 家畜伝染病予防法施行令及び施行規則の改正 - 法律改正 (2015 年 6 月 22 日 ) に基づく後続措置として 重点防疫管理地区 畜産系列化事業者に対する防疫管理等に関する詳細を規定 - 出典 URL: http://www.maf.go.kr/list.jsp?&newsid=155447573&section_id=b_sec_1&pageno=1&year

More information

★家畜衛生だより第124号 原稿 30.8.3(写真等修正).docx

★家畜衛生だより第124号 原稿 30.8.3(写真等修正).docx 愛媛産には 愛がある第 124 号 家畜衛生だより 監視伝染病発生状況 アフリカ豚コレラについて 県内の家畜疾病発生情報 お知らせ 第 36 回四国連合乳牛共進会で グランドチャンピオン受賞 監視伝染病発生状況 家畜伝染病発生状況 ( 平成 29 年 12 月 ~30 年 3 月 ) 中四国各県からの報告による 畜種病名発生場所発生月戸数頭羽数発生場所発生月戸数頭羽数 島根県 1 1 1 高知県 12

More information

Untitled

Untitled 上原記念生命科学財団研究報告集, 26 (2012) 3. 糸状菌の未利用遺伝子発現による天然物創出 大島吉輝 Key words: 糸状菌, 二次代謝物, 未利用遺伝子, エピジェネティクス 東北大学大学院薬学研究科医薬資源化学分野 緒言医薬品開発にとって重要な役割を果たしている糸状菌 ( カビ類 ) のゲノム解読が進むにつれ, 二次代謝物の生産に関わる多くの未利用生合成遺伝子の存在が明らかになってきた.

More information