血液内科とは

Similar documents
10,000 L 30,000 50,000 L 30,000 50,000 L 図 1 白血球増加の主な初期対応 表 1 好中球増加 ( 好中球 >8,000/μL) の疾患 1 CML 2 / G CSF 太字は頻度の高い疾患 32

白血病治療の最前線

白血病治療の最前線

虎ノ門医学セミナー

Q. 造血幹細胞移植とは? 通常の治療では根治や長期生存が期待できない造血器悪性腫瘍や 再生不良性貧血の患者に対して 大量化学療法や全身放射線照射などの移植前処置を行った後 骨髄機能を回復させるために多能性造血幹細胞を移植すること

白血病治療の最前線

白血病治療の最前線

白血病(2)急性白血病

メディカルスタッフのための白血病診療ハンドブック

白血病とは 異常な血液細胞がふえ 正常な血液細胞の産生を妨げる病気です 血液のがん 白血病は 血液細胞のもとになる細胞が異常をきたして白血病細胞となり 無秩 序にふえてしまう病気で 血液のがん ともいわれています 白血病細胞が血液をつくる場所である骨髄の中でふえて 正常な血液細胞の産 生を抑えてしま

白血病治療の最前線

スライド 1

BLF57E002C_ボシュリフ服薬日記_ indd

診療科 血液内科 ( 専門医取得コース ) 到達目標 血液悪性腫瘍 出血性疾患 凝固異常症の診断から治療管理を含めた血液疾患一般臨床を豊富に経験し 血液専門医取得を目指す 研修日数 週 4 日 6 ヶ月 ~12 ヶ月 期間定員対象評価実技診療知識 1 年若干名専門医取得前の医師業務内容やサマリの確認

< A815B B83578D E9197BF5F906697C38B40945C F92F18B9F91CC90A72E786C73>

15,000 例の分析では 蘇生 bundle ならびに全身管理 bundle の順守は, 各々最初の 3 か月と比較し 2 年後には有意に高率となり それに伴い死亡率は 1 年後より有意の減少を認め 2 年通算で 5.4% 減少したことが報告されています このように bundle の merit

5. 乳がん 当該疾患の診療を担当している診療科名と 専門 乳房切除 乳房温存 乳房再建 冷凍凝固摘出術 1 乳腺 内分泌外科 ( 外科 ) 形成外科 2 2 あり あり なし あり なし なし あり なし なし あり なし なし 6. 脳腫瘍 当該疾患の診療を担当している診療科名と 専

白血病


小児の難治性白血病を引き起こす MEF2D-BCL9 融合遺伝子を発見 ポイント 小児がんのなかでも 最も頻度が高い急性リンパ性白血病を起こす新たな原因として MEF2D-BCL9 融合遺伝子を発見しました MEF2D-BCL9 融合遺伝子は 治療中に再発する難治性の白血病を引き起こしますが 新しい

山形PhALL座談会_MF.indd

PT51_p69_77.indd

1 8 ぜ 表2 入院時検査成績 2 諺齢 APTT ALP 1471U I Fib 274 LDH 2971U 1 AT3 FDP alb 4 2 BUN 16 Cr K4 O Cl g dl O DLST 許 皇磯 二 図1 入院時胸骨骨髄像 低形成で 異常細胞は認め

ALL/MRD2014

造血器腫瘍 院内登録レジメン一覧

スライド 1

10 年相対生存率 全患者 相対生存率 (%) (Period 法 ) Key Point 1 10 年相対生存率に明らかな男女差は見られない わずかではあ

33 NCCN Guidelines Version NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines ) (NCCN 腫瘍学臨床診療ガイドライン ) 非ホジキンリンパ腫 2015 年第 2 版 NCCN.or

60 秒でわかるプレスリリース 2006 年 4 月 21 日 独立行政法人理化学研究所 敗血症の本質にせまる 新規治療法開発 大きく前進 - 制御性樹状細胞を用い 敗血症の治療に世界で初めて成功 - 敗血症 は 細菌などの微生物による感染が全身に広がって 発熱や機能障害などの急激な炎症反応が引き起

緑膿菌 Pseudomonas aeruginosa グラム陰性桿菌 ブドウ糖非発酵 緑色色素産生 水まわりなど生活環境中に広く常在 腸内に常在する人も30%くらい ペニシリンやセファゾリンなどの第一世代セフェム 薬に自然耐性 テトラサイクリン系やマクロライド系抗生物質など の抗菌薬にも耐性を示す傾

はじめに この 成人 T 細胞白血病リンパ腫 (ATLL) の治療日記 は を服用される患者さんが 服用状況 体調の変化 検査結果の経過などを記録するための冊子です は 催奇形性があり サリドマイドの同類薬です は 胎児 ( お腹の赤ちゃん ) に障害を起こす可能性があります 生まれてくる赤ちゃんに

第10回 感染制御部勉強会 「症例から考える感染症診療」

佐賀県肺がん地域連携パス様式 1 ( 臨床情報台帳 1) 患者様情報 氏名 性別 男性 女性 生年月日 住所 M T S H 西暦 電話番号 年月日 ( ) - 氏名 ( キーパーソンに ) 続柄居住地電話番号備考 ( ) - 家族構成 ( ) - ( ) - ( ) - ( ) - 担当医情報 医

するものであり 分子標的治療薬の 標的 とする分子です 表 : 日本で承認されている分子標的治療薬 薬剤名 ( 商品の名称 ) 一般名 ( 国際的に用いられる名称 ) 分類 主な標的分子 対象となるがん イレッサ ゲフィニチブ 低分子 EGFR 非小細胞肺がん タルセバ エルロチニブ 低分子 EGF

中医協総 再生医療等製品の医療保険上の取扱いについて 再生医療等製品の保険適用に係る取扱いについては 平成 26 年 11 月 5 日の中医協総会において 以下のとおり了承されたところ < 平成 26 年 11 月 5 日中医協総 -2-1( 抜粋 )> 1. 保険適

dr

PowerPoint プレゼンテーション

実践!輸血ポケットマニュアル

レジメン名抗がん剤 ( 一般名 ) 抗がん剤 ( 商品名 ) 用量用法 1 クール適応 シタラビン (AraC) キロサイド注 75mg/ m2 静脈内注射 day 36, 1013, 17 20, メルカプトプリン (6MP) ロイケリン散 60mg/

<4D F736F F D2089BB8A7797C C B B835888E790AC8C7689E6>

耐性菌届出基準

1)表紙14年v0

は減少しています 膠原病による肺病変のなかで 関節リウマチに合併する気道病変としての細気管支炎も DPB と類似した病像を呈するため 鑑別疾患として加えておく必要があります また稀ではありますが 造血幹細胞移植後などに併発する移植後閉塞性細気管支炎も重要な疾患として知っておくといいかと思います 慢性

PowerPoint Presentation

10 年相対生存率 全患者 相対生存率 (%) (Period 法 ) Key Point 1

Microsoft PowerPoint - 資料3-8_(B理研・古関)拠点B理研古関120613

上原記念生命科学財団研究報告集, 30 (2016)

ROCKY NOTE 特発性血小板減少性紫斑病 Idiopathic thrombocytopenic purpura:itp(130109) 5 歳男児 四肢に紫斑 特に誘因なし 関節内出血なし 粘膜に出血無

に 真菌の菌体成分を検出する血清診断法が利用されます 血清 βグルカン検査は 真菌の細胞壁の構成成分である 1,3-β-D-グルカンを検出する検査です ( 図 1) カンジダ属やアスペルギルス属 ニューモシスチスの細胞壁にはβグルカンが豊富に含まれており 血液検査でそれらの真菌症をスクリーニングする

肝臓の細胞が壊れるる感染があります 肝B 型慢性肝疾患とは? B 型慢性肝疾患は B 型肝炎ウイルスの感染が原因で起こる肝臓の病気です B 型肝炎ウイルスに感染すると ウイルスは肝臓の細胞で増殖します 増殖したウイルスを排除しようと体の免疫機能が働きますが ウイルスだけを狙うことができず 感染した肝

汎発性膿疱性乾癬のうちインターロイキン 36 受容体拮抗因子欠損症の病態の解明と治療法の開発について ポイント 厚生労働省の難治性疾患克服事業における臨床調査研究対象疾患 指定難病の 1 つである汎発性膿疱性乾癬のうち 尋常性乾癬を併発しないものはインターロイキン 36 1 受容体拮抗因子欠損症 (

通常の市中肺炎の原因菌である肺炎球菌やインフルエンザ菌に加えて 誤嚥を考慮して口腔内連鎖球菌 嫌気性菌や腸管内のグラム陰性桿菌を考慮する必要があります また 緑膿菌や MRSA などの耐性菌も高齢者肺炎の患者ではしばしば検出されるため これらの菌をカバーするために広域の抗菌薬による治療が選択されるこ

平成 30 年 2 月 5 日 若年性骨髄単球性白血病の新たな発症メカニズムとその治療法を発見! 今後の新規治療法開発への期待 名古屋大学大学院医学系研究科 ( 研究科長 門松健治 ) 小児科学の高橋義行 ( たかはしよしゆき ) 教授 村松秀城 ( むらまつひでき ) 助教 村上典寛 ( むらかみ

がん登録実務について

PowerPoint プレゼンテーション

一次サンプル採取マニュアル PM 共通 0001 Department of Clinical Laboratory, Kyoto University Hospital その他の検体検査 >> 8C. 遺伝子関連検査受託終了項目 23th May EGFR 遺伝子変異検

2017 年 8 月 9 日放送 結核診療における QFT-3G と T-SPOT 日本赤十字社長崎原爆諫早病院副院長福島喜代康はじめに 2015 年の本邦の新登録結核患者は 18,820 人で 前年より 1,335 人減少しました 新登録結核患者数も人口 10 万対 14.4 と減少傾向にあります

イルスが存在しており このウイルスの存在を確認することが診断につながります ウ イルス性発疹症 についての詳細は他稿を参照していただき 今回は 局所感染疾患 と 腫瘍性疾患 のウイルス感染検査と読み方について解説します 皮膚病変におけるウイルス感染検査 ( 図 2, 表 ) 表 皮膚病変におけるウイ

骨髄線維症 1. 概要造血幹細胞の異常により骨髄に広汎に線維化をきたす疾患 骨髄の線維化に伴い 造血不全や髄外造血 脾腫を呈する 骨髄増殖性腫瘍のひとつである 2. 疫学本邦での全国調査では 患者数は全国で約 700 人と推定されている 発症年齢の中央値は 66 歳である 男女比は 2:1 と男性に

ジーラスタを使用される患者さんへ:がん化学療法による「発熱性好中球減少症」の発症を抑えるために<お薬説明書>

<4D F736F F D20322E CA48B8690AC89CA5B90B688E38CA E525D>

褥瘡発生率 JA 北海道厚生連帯広厚生病院 < 項目解説 > 褥瘡 ( 床ずれ ) は患者さまのQOL( 生活の質 ) を低下させ 結果的に在院日数の長期化や医療費の増大にもつながります そのため 褥瘡予防対策は患者さんに提供されるべき医療の重要な項目の1 つとなっています 褥瘡の治療はしばしば困難

PowerPoint Presentation

Transcription:

血液疾患と無菌エリア 高松赤十字病院血液内科 脇房子 本館 10 階からの眺め 2017 年 5 月 18 日モーニングセミナー

BCR(Bioclean room) ってどんなところ? 1 立方フィートの空気中に 0.5μm の塵やほこりが 100 個以下である状態 通常の病室などはクリーン度が 30~50 万ほど Fed.Std.209D 0.1μm 0.2μm 0.3μm 0.5μm 5μm クラス1 35 8 3 1 - クラス10 350 75 30 10 - クラス100 3,500 750 300 100 - クラス1,000 35,000 7,500 3,000 1,000 7 クラス10,000 - - - 10,000 70 クラス100,000 - - - 100,000 700 半導体工場 精密工場 BCR 自動車部品工場手術室 ただし今は ISO 規格に移行されている クラス 100 = ISO 5 相当

0.5μm って? 0.5μm

当院の血液病棟 2016 年 11 月リニューアル OPEN BCR 16 床

産生低下による貧血 鉄欠乏性貧血 慢性疾患に伴う貧血 サラセミア 鉄芽球性貧血 慢性腎不全 再生不良性貧血 骨髄異形成症候群消費亢進による貧血 出血 溶血性貧血 DIC, TTP 遺伝性球状赤血球症 PNH 脾機能亢進 etc 多血症 顆粒球系の異常 急性骨髄性白血病 慢性骨髄性白血病 リンパ球の異常 急性リンパ性白血病 慢性リンパ性白血病 悪性リンパ腫 多発性骨髄腫 好酸球の異常 アレルギー 寄生虫 悪性腫瘍 etc 血小板産生低下 再生不良性貧血 白血病 無効造血 (MDS,PNH) 薬剤性 骨髄抑制 肝硬変 ウイルス消費亢進 分布異常 免疫性 (ITP 膠原病 ) TTP, HUS DIC 体外循環血小板機能異常 Bernad-Soulier, etc 凝固異常 血友病 DIC etc

BCR ではどんな治療がされている? 腫瘍 抗がん剤分子標的治療薬 闘い 免疫 造血幹細胞移植免疫抑制剤 感染症 抗菌剤抗真菌剤抗ウイルス剤

白血病の治療 治療目標 寛解導 入療法 地固め療法 ( 強化維持療法 ) 10 12 移植 再発 体内白血病細胞数 10 10 10 8 10 6 10 4 10 2 10 0 完全寛解 顕微鏡下検出限界 PCR 法検出限界 血液学的完全寛解 分子生物学的完全寛解 治癒 治療後の時間経過

ドナー検索開始 症例 1) AML-M2 20 歳代 WBC (/μl) 9000 8000 7000 6000 5000 寛解導入地固め1 地固め2 地固め3 前処置免疫抑制剤 FK506 髄注移植完全ドナー腫瘍免疫キメリズムCRP AML1/MTG8 (copy/μrna) (mg/dl) 88 万 1.6 万 3200 1700 150 1000 18 芽球 80% 19% 3% 3% 3% 3% 3% MEPM FN L-ampB Asp 肺炎 VRCZ MEPM 菌血症 FN MCFG VCM C M DRPM 下顎骨炎 MCFG VCM MEPM 感染症 FN VCM MCFG MEPM DRPM FN CD 腸炎 GCV CMV 腸炎 16 14 12 10 4000 3000 2000 精子保存 3 週間 2 週間 2 週間 インフルエンザ 2 週間 3 週間 8 6 4 1000 2 0 9/160 9/23 9/30 1 月 10/7 10/1410/2110/28 2 月 3 月 11/4 4 月 11/1111/1811/25 5 月 6 月 12/2 12/9 7 月 12/16 0

発熱性好中球減少症診療ガイドラインより 発熱性好中球減少症 (FN) の初期治療 入院で静注抗菌薬治療

7 日目 14 日目 21 日目 化学療法における感染対策 抗癌剤 発熱 β-d-glucan ウイルス抗原 CT など 細菌培養生検など 血球数 予防投与 Empiric 治療 Presumptive 治療 Preemptive 治療 Targeted 治療

造血器悪性腫瘍患者における菌血症の内訳 グラム陰性桿菌 n=20 (14%) 緑膿菌 大腸菌 真菌 n=3 (2%) 血液患者において CNS はコンタミではないことが多い! FN の 4 人に 1 人は菌血症 グラム陽性桿菌 n=17 (12%) Bacillus Spp. 腸球菌 CNS n=74 (50%) レンサ球菌 グラム陽性球菌 n=33 (22%) MRSA

クリーンルームは本当に無菌? アスペルギルス肺炎は有意に減少 埃に乗っている細菌などは多少防げるが 感染症の大半は口腔内や腸管の常在菌 0.5μm

無菌室 と呼ばれている病室は 特別な空調設備 ( 高性能フィルター ) を使用して きれいな空気を循環させている病室です 特に カビの一種である アスペルギルス を除去し アスペルギルス肺炎を予防する効果があります 無菌室 という名前のため 誤解されやすいですが 決して菌のいない部屋ではありません

抗菌薬 60 歳代自家末梢血幹細胞移植 抗真菌薬 FLCZ ME PM CFPM VRCZ MCF G VCM DRPM L-AMB 2.5mg/kg 節外性 NK/T 細胞リンパ腫 - 鼻型 SMILE 療法 4 コース後 PR 既往歴 )2 型糖尿病 アルコール性肝硬変 L-AMB 5mg/kg 体温 ( 度 ) 40 39.5 39 38.5 38 37.5 37 36.5 36 35.5 前処置 : LEED 療法 移植 -8-3 2 7 12 17 22 27 32 37 42 79 day 喀血 WBC(/μl) 9000 8000 7000 6000 5000 4000 3000 2000 1000 0

培養検査を繰り返すことが大切! 便培養 喀痰培養から Cunninghamella sp.( ムコールの一種 ) が同定された 大脳 脾臓にも病変を認める 播種性ムコール症と診断 ムコールの risk factor: リンパ腫 DM アルコール 副鼻腔病変 etc 経過中 β-d グルカン Asp 抗原は陰性であった Hyphae in lung tissue, hematoxylin and eosin stain. Courtesy of www.doctorfungus.org. Copyright 2007.

血液悪性腫瘍患者の感染症 発熱性好中球減少症 (Febrile neutropenia;fn) 口腔粘膜や腸粘膜からの Bacterial translocation が多い ; MRCNS, 腸球菌, E.coli, etc. カテーテル関連菌血症 (CR-BSI) MRCNS が最多 侵襲性肺アスペルギルス症 ムコール症 カンジダ肝膿瘍 口の中はいつもきれいにしてくださいね! 監視培養で菌は想定可能

血液内科三種の神器 マルク 骨髄穿刺 髄注 CVC 腰椎穿刺

骨髄穿刺 ( マルク ) 顕微鏡を自分で見て 診断と治療効果判定ができる 発症時 治療後

腰椎穿刺 & 髄注 髄腔内に投与できる抗がん剤 メソトレキセート ;MTX シタラビン ;AraC

中心静脈カテーテル or ポート

血球の分化と骨髄系腫瘍 骨髄系細胞 急性骨髄性白血病 M1 M2 M3 造血幹細胞 M0 M4 M6 CFU-GM M5 骨髄芽球単芽球 前骨髄球 好中球 単球 骨髄系幹細胞 CFU-GEMM M7 BFU-E CFU-Meg 赤芽球 網状赤血球 巨核球 赤血球 血小板 慢性骨髄性白血病 骨髄異形成症候群

血球の分化とリンパ系腫瘍 造血幹細胞 pre-pre-b pre-b immature B mature B 形質細胞 成熟 B リンパ球 リンハ 系幹細胞 リンパ系細胞 pre-t early-t common-t mature-t,t-helper 成熟 T リンパ球 mature-t,t-suppressor B リンパ芽球性白血病 / リンパ腫, NOS T リンパ芽球性白血病 / リンパ腫, NOS 悪性リンパ腫 慢性リンパ性白血病 バーキットリンパ腫 多発性骨髄腫

急性骨髄性白血病 遺伝子変異による予後の層別化 N Engl J Med 2008; 358:1909

AML 発症に関わる遺伝子 遺伝子異常の発見と予後予測により 分子標的療法や同種造血幹細胞移植などの個別化治療が今後有用となる可能性が高い M4 M3 CBF-AML でも KIT, FLT3 を併せもつ症例は予後不良 CN-AML で NPM1 変異は寛解導入に良好な因子 FLT3-ITD 変異は予後不良 CEBPA 変異 +NPM1 変異 +FLT3-ITD 変異陰性は予後良好 (NCCN ガイドライン ) IJH 2013; 97: 165

CR 到達患者での HLA 適合ドナーの有無による無再発生存率の違い Mutant NPM1 without FLT3-ITD 同種骨髄移植での治療成績向上が得られない Other Genotypes 同種骨髄移植により治療成績向上が得られる N Engl J Med 2008; 358:1909

AML の予後分類 (NCCN ガイドライン ) 予後良好群 染色体核型 inv(16), t(8;21), t(15;17) ( 付加的染色体異常の有無を問わない ) 遺伝子異常 CN-AMLにおけるNPM1 変異 CN-AMLにおけるCEBPA 変異 ( いずれもFLT3-ITD 変異陰性 ) 中間群 正常核型, +8, t(9;11), その他の予後良好にも不良にも属さない染色体異常 t(8;21), inv(16) 患者に おける c-kit 異常 予後不良群 複雑核型 (3 個以上の異常 ), -5, -7, 11q23 異常 (t(9;11) を除く ), inv(3), t(3;3), t(6;9), (9;22), 5q-, 7q- 正常核型における FLT3-ITD のみの異常

同種造血幹細胞移植の適応 AML では予後中間 ~ 不良患者で適応 染色体異常 遺伝子変異 寛解の有無等総合的に判断 ある一定の確率で治癒 or 長期生存が望める 抗がん剤が全く効かない患者の一部で同種免疫効果によりミラクルが起こり得る! 移植医の醍醐味

8/15 8/22 8/29 9/5 9/12 9/19 9/26 10/3 10/10 10/17 10/24 10/31 11/7 11/14 11/21 11/28 症例 2) 30 歳代急性リンパ性白血病 WBC (/μl) 9000 8000 7000 6000 5000 4000 3000 2000 1000 0 PSL 髄注 Hyper-CVAD 髄注 JALSG ALL97 clo clo TBI/AraC/CY 骨髄中芽球 (%) 95% 56% 56% 骨痛 DIC FN 菌血症 腸炎 PSL 骨痛腫瘍熱 1M 2M 3M 4M 非寛解移植へ WBC blast

WBC (/μl) 40000 症例 2) 30 歳代血縁者間末梢血幹細胞移植 clo TBI AraC CY FK506 ATG 移植 mpsl 40mg 生着症候群 VOD CRP (mg/dl) 18 35000 30000 25000 20000 15000 10000 WBC CRP 下痢 骨髄 CF RRT CMV? TMA?GVHD? 下血 腎障害 傾眠 Bil 上昇 体重増加 菌血症 肺炎? 高熱 寛解 退院 16 14 12 10 8 6 4 5000 2 0 0 11/21-15 11/28-7 12/5 0 12/12 7 12/19 14 12/26 21 1/2 28 1/9 35 1/16 42 1/23 49 day

症例 2) 骨髄像 初発時 初回化学療法後 移植前 移植後半年完全寛解を維持し外来通院中 移植後 day30 完全ドナーキメラ!

骨髄移植の歴史 1968 年 HLAの発見によりThomasらが最初の骨髄移植 1974 年 日本で最初の骨髄移植 1986 年 世界の中心で 愛をさけぶ 主人公が白血病 1988 年 四国で最初の骨髄移植 ( 香川医科大学 ) 1991 年 日本骨髄バンク設立 1993 年 骨髄バンクを介した移植の第 1 例 1997 年 高松赤十字病院で最初の血縁者間移植 2002 年香川医科大学が骨髄バンク認定移植施設に 2010 年高松赤十字病院が臍帯血バンク認定移植施設に 2004 年上映 2011 年高松赤十字病院が骨髄バンク認定移植施設に

高松日赤の移植の歴史 18 16 14 12 10 8 6 4 2 0 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 臍帯血 血縁 非血縁 臍帯血バンク施設に 骨髄バンク施設に 四国 No.1 四国 No.1

造血幹細胞採取 移植 HLA 適合ドナー検索 骨髄 移植 患者 ドナー 末梢血幹細胞 臍帯血

骨髄採取風景

臍帯血移植

同種幹細胞移植の目的 1. 強力な移植前処置による抗腫瘍効果 2. 生着したドナーリンパ球による同種免疫

GVHD(Graft-versus-Host disease) と GVL 効果 (Graft-versus-Leukemia effect) GVHD が強いほど 再発が少ない GVL 効果が強い Horowitz, et al.

急性 GVHD 腸管 GVHD 皮膚 Stage 1 皮膚 Stage 4 Stage 4 ( 水泡 )

GVHD と GVL のバランスをとるのは難しい GVL GVHD ドナーの免疫反応による抗腫瘍効果 ドナーリンパ球による組織障害 GVL 効果は 単純で同一の現象がみられるわけではなく 多くの場合は患者とドナーの遺伝的相違の数や種類 移植片のソース 構成 ドナー造血細胞の処理方法 患者の腫瘍タイプに依存する

チーム医療 看護師 研修医 薬剤師 臨床検査技師 MSW 口腔ケア 臨床心理士 リハビリ 栄養士 専門看護師 HCTC 医師 臨床工学士

移植コーディネーター

臨床工学士

全身放射線照射 (TBI) も始まりました!

血液内科の魅力 診断から治療まで一貫して行い 腫瘍 感染症 免疫を網羅でき チーム医療で日々楽しく 臨床が研究につながり そして何よりも ひとりの白血病患者さんを治す喜びは何者にも代え難い

新東館ができたら 高松赤十字病院 HP より