第 3 学年国語科学習指導案 平成 17 年 11 月 5 日 ( 金 ) 第 1 校時指導者 3 年 1 組担任伊藤恵子 1 単元名語り名人になろう題材名 サーカスのライオン ( 東京書籍 3 年下平成 17 年度版 ) 文のくみたて ( ことばのきまり 3 年平成 17 年度版 ) 単元設定にあたり ⑴ 研究テーマ 学年でめざす子ども像本校においては, 人とのつながりをめざす自己表現力の育成 という研究テーマを掲げて, 国語科の研究を進めてきている 3 学年は, 相手を意識して, 自分の考えが分かるように筋道を立てて話したり, 話の中心に気を付けて聞いたりする 友だちと協力する という目標を設定し, 授業の中で対話を取り入れてきた 対話は, 話し手が聞き手を意識して適切に話し, 聞き手は話し手のことを受け止めながら聞き, 自分の考えを話し手に返すものであり, 人とのつながりの基本になるものであるととらえている 対話を通して互いの意見を交流することができ, 友だちの考えを聞いて自分の考えを深めることができる また, 相づちや表情に気をつけ, 話し手の意図や考えをくみ取りながら聞くことが, 相手を尊重することにつながると考えている 本単元においては, 読解や語りの練習の際に対話を取り入れる 相手の話をしっかり聞き応答するというような相手意識を持った活動を取り入れることで, 本校の研究テーマにせまることができると考えた ⑵ 児童の実態本学級の児童は, 年生 10 月学習材 名前を見てちょうだい で, 時間的順序に沿って, 中心人物や登場人物の行動に気をつけて読む学習をした 年生 月学習材 かさこじぞう では, 場所に着目して場面をとらえる学習をした 3 年生 7 月学習材 ゆうすげ村の小さな旅館 では, 時をあらわす表現に着目して場面をとらえ, あらすじをまとめる学習をした それらの学習を通して, 物語を読むときには中心人物, 登場人物, 場所, 時の変化に着目することで, 想像豊かに読むことができ, 物語の世界をより楽しむことができると知り, それらを自分の読みに生かそうとしている また, 各場面で中心になることをとらえてあらすじにまとめる学習をし, 大切なことばを見つけるなど, ことばにこだわり読むことの大切さも感じているよ うである しかし, 叙述をもとに中心人物の様子や心情を想像することは十分できていない 話すこと 聞くことにおいては, 自分が学習したことを表現することには意欲を持っており, 語りの練習にも積極的に取り組んでいる 語りなど繰り返し練習したことを発表する時には張りのある声が出るが, 自分の考えを発表する時には自信を持てず聞き取りにくい声になってしまうことがある 自分の考えを話すことに集中しすぎて相手の方を向いて話せないことや, 仲間の考えを自分の考えと比べながら聞くことができないことがある 相手を意識した話し方, 聞き方は十分とは言えない また, 語彙が少なく表現力が乏しいので, 考えを深めたり書いた
りする活動には集中できない児童もいる そのために, ことばにこだわりを持って活動させるようにしてきた 例えば A 児は, 家に帰るとビデオやテレビを見て過ごし, 家族との会話が少ない状況である そのため語彙が少なく, 友だちとのつながりも薄くなり会話が広がらない コミュニケーションを取ることの楽しさを体感させていくことが必要と思われる 1 学期と比べると特定の友だちとは話をするようになり笑顔もふえ, 休み時間には冗談を言って友だちや教師を笑わせることもある 日記にも相手に十分伝わる文ではないが, したことや思ったことを一生懸命書いている 暗唱にも取り組み, 少しずつ大きな声も出せるようになってきている また, 友だちに助けてもらいながら発言もできるようになってきた ⑶ 本単元についてこうした実態をふまえ, 本単元においては, 物語を語りで表現することを通して, 相手を意識して生き生きと自己表現できる力をつけたいと考えた 学習材 サーカスのライオン は, 年老いたサーカスのライオンじんざが, サーカスの大好きな男の子とのふれあいによってやる気を取り戻し, 男の子のために命を投げ出すという心のふれあいの大切さを描いた作品である この学習材を使って, 中心人物の気持ちの移り変わりを出来事の流れに沿って読み取り, それを対話や話し合いによって深めていく学習を行う 友だちと読みを交流することで確かな読みの力と豊かな表現力を育てられると考える また, 語りをするためには, 一人ひとりの細やかな読みが必要となってくる くわしくすることばに目を向けさせることにより, 深く情景や心情を想像することができるようにさせたい その際, 副読本である ことばのきまり を活用する 単元のまとめとして, 語りを地域の保育園や幼稚園などに発表しに行く活動をする 語りは物語を覚えて暗唱するだけでなく, 相手意識を持ち視線をめぐらせて表現するものである 児童は, より上手に語りができるように工夫をしたり, 助言し合ったりすることを通して, 相手を思いやることや, 相手を意識して話したり聞いたりすることができるであろう こうした学習を積み重ねることで, 相手を思いやったり, 相手を意識した話し方, 聞き方をしたりすることができ, 互いを理解しよさを認め合っていける集団を目指していきたい ⑷ 本時の指導本時は, くわしくすることばのはたらきを知り, くわしくすることばから文の様子を読み取り音読で表現する場面である まず, 短文の中にくわしくすることばを入れる 次に, 出来上がった文を例文として提示し, 主語をくわしくする文なのか, 述語をくわしくする文なのかを話し合う そして, ことばのきまり でくわしくすることばについて確認する 最後に, 読み取った場面の様子や気持ちを音読で表現させることで, より想像豊かに読み取ることができることを感じとらせていきたい A 児においても文の構成を知ることが, 今後の自己表現に生きると考えられる また, 対話や話し合いを通して, 互いに思いを伝え合うことは楽しく, 仲間とのつながりを強くすることを感じ取らせたい 3 単元の目標と評価規準 物語の中心人物の気持ちの変化を考えながら読むことができる 心に残った場面を, 自分なりに工夫して語りをすることができる 話の中心が分かるように話したり, 自分の考えと比べながら聞いたりすることができる
国語への関心 意欲 態度 語りに興味を持ち, 進んで語ろうとしている 話す 聞く力書く力読む力 自分の言いたいことが分かるように話している A⑴ ア 自分の考えと同じか違うかはっきりさせながら聞いている A⑴ イ 自分の考えを明確にして書いている B⑴ ア 物語の中心人物の気持ちの移り変わりを読み取っている C⑴ ウ 言語についての知識 理解 技能 修飾語の使い方や文の中での働きについて理解している 言 ⑴ オ ( ア ) 4 単元指導 評価計画 ( 全 14 時間 ) 段階 つかむ 次時学習目標 ( 内容 ) 評価規準 評価の観点 ( 方法 ) 1 1 名人の語りを聞く 地域の保育園や幼稚園などに行き, 語りをすることを知る 語り名人になろう 名人の語りを興味深く聞き, 語りに取り組もうとしている 関 ( 発表 態度の観察 ) 物語を通読して, 感想を書く 物語を読んだ感想を書いている 書 ( ノートの記述内容 ) ついきゅうする 1 物語を五つの場面に分ける 第 1 場面 サーカスがやってきた場面 第 場面 じんざが散歩に出かけた場面 第 3 場面 男の子が訪ねてくる場面 第 4 場面 じんざが男の子を助けるが死んでしまう場面 第 5 場面 サーカスのおしまいの日の場面 一組本時 くわしくすることばについて理解する - ことばのきまり - 3 第 1 場面を読む (P64l1~P66l10) 年老いたじんざの様子を読み取る 時と場所に気をつけて, 場面分けをしている 読 ( ノートの記述内容 ) 話の中心が分かるように話している 話 聞 ( 話し合いの様子 ) 挿絵を見て, くわしくすることばを選び, 文を作っている 言 ( ノートの記述内容 ) 相手の目を見て話している 話 聞 ( 対話の様子 ) 根拠を明確にして, サーカスの中にいるじんざの様子や気持ちを読み取っている 読 ( ノートの記述内容 )
ひろげる 3 4 第 場面を読む (P66l11~P69l11) 男の子と出会ったときのじんざの様子を読 み取る 5 第 3 場面を読む (P69l1~P71l5) 男の子とのふれあいを通してじんざが前向きな気持ちになっていく過程を読み取る 6 二組本時 第 4 場面を読む (P71l6~P75l) 男の子を助けるために必死になっているじんざの気持ちを読み取る 男の子との出会いにより変わっていくじんざの気持ちを読 み取っている 読 ( ノートの記述内容 ) じんざの様子やことばから, 男の子に対するじんざの気持ちを読み取っている 読 ( ノートの記述内容 ) じんざの行動を手がかりに, じんざの気持ちを想像している 読 ( ノートの記述内容 ) 自分の考えと同じか違うかはっきりさせながら聞いている 話 聞 ( 発言の内容 ) 7 第 5 場面を読む (P76l1~P76l13) 前場面までの出来事を手がか サーカスのおしまいの日の様子を読み取る りに, ライオンつかいのおじさんやお客の気持ちを想像している 読 ( ノートの記述内容 ) 1 サーカスのライオン の心に残った場面を選び, 語りの練習をする 3 4 場面ごとのグループに分かれ, 語りを聞き, 助言し合う 発表グループに分かれ, 語りを聞き, 助言し合う 5 地域の保育園や幼稚園などに行き, 語りをする 語りに興味を持ち, 進んで語ろうとしている 関 ( 発表 態度の観察 ) 自分の語りを高めようとしている 関 ( 発表 態度の観察 ) 友だちの語りを聞き, よいところを見つけて伝えている 話 聞 ( ワークシートの記述内容 ) 相手意識を持ち, 視線 表情 速さ 声量に気をつけて発表している 話 聞 ( 発表 態度の観察 )
5 本時の学習 (4/14) ⑴ 目標 内容を正しく読み取るためにくわしくすることばのはたらきを知ることができる 相手を見て, 分かるように話すことができる ⑵ 展開 導入 学習活動 1 課題をつかむ 教師の指導 支援 個への手だて くわしくすることばのはたらきを知ろう 評価 評価の観点 ( ) 評価の方法 展 開 短文をつくる 挿絵を見て主語と述語のある 文を考えさせる くわしくすることばには赤線を引くことを知らせる どんな どのように を話させ, イメージを膨らませる 挿絵を見て, くわしくすることばを選び, 文を作っている 言 ( ノートの記述内容 ) 3 短文について話し合う ⑴ 自分の考えを持つ ⑵ 対話をする ⑶ 話し合いをする 大きく二つに分け, 理由をまとめるよう助言する 声を掛け一緒に対話に入る 主語をくわしくすることばか述語をくわしくすることばかを確認させる 相手の目を見て話している 話 聞 ( 対話の様子 ) 終末 4 文のくみたてを知る ⑴ ことばのきまり で確認する ⑵ 学習材 サーカスのライオン からくわしくすることばのはたらきを確認する 例文を提示し, 何を詳しくしているか見つけるよう促す 5 語りに生かせるように音読する くわしくすることばから文の様子を読み取り, 音読で表現させる 6 学習を振り返る 学習したことや友だちのがんばりなどについて 国語日記 を書かせる