事業主説明会資料 厚生年金基金解散後の後継制度案について 2015 年 10 月 東日本紙器厚生年金基金 0
はじめにお伝えしたいこと 1 厚生年金基金制度を一旦解散した後で 参加を希望される事業所を対象に 社員に限定した新しい制度を設立します 2 3 後継制度は 掛金変動リスクを抑制し長期安定運営できるよう 運用目標の引き下げ (4.5% 2.5%) や終身年金を廃止した確定給付年金 (DB) と 掛金額が固定された確定拠出年金 (DC) を組み合わせた制度とします 代行債務に対する不足を解消するために 約 2 年前に給付減額 ( 新入社員モデルで約 200 万円 約 100 万円 ) を実施しました 今般 代行債務に対する不足額が解消したことから 後継制度の給付は 給付減額前の水準 ( 新入社員モデルで約 200 万円 ) とします 4 既存社員は 現行の給付水準 ( 約 100 万円 ) をベースとしつつ 将来分の掛金を積み上げることにより徐々に給付水準を引き上げ 今後の加入期間が長くなるほど新入社員モデルに近づく設計とします 5 後継制度掛金と制度運営費用は 現行制度の約半分と大幅に軽減されます 後継制度の設立は 厚生年金基金解散時期に合わせた 2017 年 4 月を予定しています 1
基金解散に伴う後継制度となる部分 後継制度となる部分は 厚生年金の上乗せ部分 です 検討が必要となる部分 基金から支給国から支給( 約 13 万円 ) 厚生年金に上乗せする基金独自の年金 上乗せ部分 厚生年金 代行部分 ( 約 10 万円 ) 基礎年金 / 夫婦 2 人 現状 上乗せ部分 ( 給付減額前 ) 年金月額 : 約 13,000 円一時金額 : 約 206 万円前提平均給与 :30 万円加入期間 :30 年 ( 検討不要 ) 今後か国 ら支給後継制度 厚生年金 報酬比例部分 基礎年金 ( データ ) 基礎年金 厚生年金は厚生労働省が示すモデル額を記載 2
後継制度として利用する年金制度 DB と DC を併用することで 掛金の安定化と給付水準の確保を図ります 確定給付年金 (DB) 運用実績 ( 基金 ) 掛金 ( 変動 ) 事業主の掛金 運用者 給付 ( 固定 ) 確定拠出年金 (DC) 給付が確定! 掛金が確定! 変動 基金 負債認識不要 ( 総合型 ) 給付の受取り 給付額 退職時 規約に定める 運用実績 ( 加入者 ) 掛金 ( 固定 ) 事業主の掛金 運用者 負債認識 給付の受取り 給付額 給付 ( 変動 ) 固定 社員 なし 原則 60 歳 運用実績で変動 税メリット1 税メリット2 資金計画倒産隔離ライフプラン 掛金は損金 運用益は非課税 資金繰りの平準化 退職金原資の確保 公的年金の補完老後の資産形成サポート 3
後継制度案の特徴 ( 安定化 ) 後継制度では 年金給付または一時金給付の財源を DB と DC をミックスして積立を図ることで 事業主の掛金安定化ニーズと社員の安定給付ニーズの両立を図ります 確定給付年金 (DB) 掛金変動 確定拠出年金 (DC) 掛金固定 DB+DC DC を活用して制度全体の掛金変動を抑制 DB( 変動 ) + DC ( 固定 ) DB( 変動 ) DC ( 固定 ) 新制度 (DB+DC) 4
後継制度案の特徴 厚生年金基金に比べ 掛金変動リスクが抑制されます 厚生年金基金 後継制度案 (STEP1) 後継制度案 (STEP2) 5
後継制度設計のポイント整理 現行制度 ( 上乗せ部分 給付減額前 ) 項目 現状 給付利率 4.5% 保証期間 20 年 終身 有 一時金 加入 30 年で206 万円 一時金 206 万円 年金化 POINT1 : 予定利率および年金受取時の付利利率引き下げ 年金 13,000 円 / 月 65 歳 85 歳 終身 前提平均給与 :30 万円加入期間 :30 年加入員 :8,500 名 POINT2 : 年金受取期間短縮 掛金負担変化イメージ ( 月額 ) (2014 年 3 月末日ベース ) < 厚生年金基金 > < 解散 > < 後継制度 > 上乗せ部分掛金 7,500 円 / 人 (25 ) 会社の負担減少 約 7,300 円 / 人 基本部分掛金 7,800 円 / 人 (26 ) 負担減少 15,300 円 / 人 後継制度掛金に 約 8,000 円 / 人 現行制度より少ない掛金で後継制度を創設 免除保険料 12,000 円 / 人 (40 ) 支払先が変わるのみ 厚生年金保険料 12,000 円 / 人 (40 ) 2014 年度決算ベースの最低責任準備金で解散する前提 厚生年金保険料 12,000 円 / 人 (40 ) 国へ納付 6
後継制度案の概要 事業主 社員双方にとって分かりやすい制度です 現行制度 現行制度の課題 厚生年金基金加算部分 課題 1 運用の予定利率 4.5% 1 予定利率 4.5% との運用差損は事業主が 2 年金の給付利率 4.5% 全額負担収益 終身にわたって給付年金選択 2 年金選択時は 終身にわたり利率 4.5% の年金を給付し続ける掛金 ( 終身 ) 後継制度 ポイント 1 予定利率を 2.5% とし 追加負担リスクを抑制 ( 三井住友信託幹事基金 : 平均 2.8%) 2 年金給付利率 2.5% 確定年金 ( 選択制 : 受取期間を 5 年 10 年 15 年 20 年から加入者が選択 ) とし 事業主の給付負担期間を明確化 課題を踏まえた後継制度 1 運用の予定利率 2.5% 収益年金選択掛金想定利率 2.5% 確定給付年金 (DB) 2 年金の給付利率 2.5% 確定拠出年金 (DC) 確定年金 ( 選択制 : 受取期間を 5 年 10 年 15 年 20 年から加入員が選択 ) 3 確定拠出年金を組み合わせることで 事業主と社員で負担を分かち合い 事業主の掛金変動リスクを抑制する 収益 掛金 年金は社員の選択 利息は社員の運用次第 ( 社員の選択 ) 7
制度設計案 ( 基本設計 ) 新入社員モデルで 214 万円の一時金水準とします 掛金 DB 掛金月額 2,000 円 DC 2,000 円 合計 4,000 円 30 年累計で 144 万円 給付 ( 金額 ) DB は 掛金月額 2,000 円を 2.5% で元利合計した金額を受け取る シンプルな設計とします DC は 掛金月額 2,000 円を各社員が運用した実績を受け取ります ( 以下のモデルでは 運用実績を 2.5% とした場合の金額を記載しています ) 214 万円 54 万円 124 万円 62 万円 DB 107 万円 27 万円 27 万円 62 万円 DC 107 万円 新規加入 10 年 20 年 30 年 ( 年数 ) 8
制度設計案 ( 既存社員 ) 既存社員は 現行の給付水準 ( 約 100 万円を DB で支給 ) をベースとしつつ 将来分の DB DC 掛金を積み上げることにより徐々に給付水準を引き上げ 今後の加入期間が長くなるほど新入社員モデル ( 給付減額前の水準 : 約 200 万円 ) に近づく設計とします 掛金 給付 基金解散による負担減少 15,300 円 DB( 過去分 ) は 10 年経過後はなくなり DB DC の 4,000 円のみとなります DB DC DB( 過去分 ) 2,000 円 2,000 円 4,000 円程度 214 万円 169 万円 134 万円 107 万円 (30 歳 ) (40 歳 ) (50 歳 ) (60 歳 ) 新規加入年齢 移行時年齢 厚年上乗せ部分 ( 減額前 )206 万円 厚年上乗せ部分 ( 現行 )103 万円 15,300 円 合計 8,000 円程度 モデル給付のうち DC 部分は 運用実績を 2.5% とした場合の金額を記載しています 留意点 DB( 過去分 ) の掛金は モデル給付に基づき予定利率 2.5% 償却期間 10 年で算定した概算値であり 実際の計算結果とは乖離します 9
制度運営費用比較 ( 一人あたり月額概算 ) 制度運営費用は大幅に軽減されます 厚年基金 年金掛金 運用報酬 ( 運用会社 ) 1,100 円 後継制度 ( 制度設立時 ) 運用報酬 ( 運用会社 ) 0 円 トータル 2,290 円 業務委託費 ( 総幹事 ) 470 円 事務費 ( 基金事務局 ) トータル 1,370 円 ( 920 円 ) 業務委託費 ( 総幹事 運管 ) DB:250 円事務費 DC:400 円 事務費 ( 基金事務局 ) 720 円 720 円 ( 前提 ) 加入員数 :8,200 名 受給者数 :8,000 名 給与 :300,000 円 年金資産 :317 億円 事務費 : 定率 10 ( 前提 ) 加入者数 :4,000 名 受給者数 :0 名 年金資産 :0 億円 ( 設立時 ) 事務費 : 定額 後継制度の運用報酬は資産の積立てとともに発生しますが 当面限定的な水準と見込まれます
11 参加事業所確定後継制度設立2016 年 2 月 2015 年 2 月 5~7 月制度詳細設計 事務局案確定 (掛金 費用等)制度設計後継制度参加意向書受領2017 年 4 月(後継制度案確定)理事会(後継制度内容)事業所説明会説明会各地区部会での8 月 10 月 4 月 ~ 2017 年 1 月 等々 認可申請 加入事務説明会 投資教育後継制度参加意向書案内今後のスケジュール概要(後継制度設立検討)理事 代議員会後継制度検討理事会での基金解散後の 2017 年 4 月の後継制度設立予定です 12 月
後継制度 ( 企業年金 ) 設立意義 公的年金が縮小する中 企業年金の重要性が高まっています 公的年金だけでは老後資金は賄えない (1,900 万円の不足 ) 老後生活への心配 40.5% 0.5% 17.8% 不安が 8 割 41.2% 老後の支出 日常生活費約 9,600 万円 老後の収入 1 再雇用等約 1,700 万円 公的年金約 6,000 万円 老後の収入 2 企業年金 貯蓄 ( 財形等 ) 月 28.6 万円平均的な日常生活費 日常生活費 ( 夫婦 2 人分 ) 老後支出 ( 妻 1 人分 ) 60 歳 65 歳 70 歳 83 歳 (60 歳時点での平均余命 ) 月 28.6 万円再雇用等 月 23 万円平均的な公的年金受取額 公的年金受給 60 歳 65 歳 70 歳 83 歳 年金受取り 取崩し 加入者の資産形成サポート 妻 88 歳 妻 88 歳 それほど心配していない 非常に心配である 多少心配である 無回答 60 歳 65 歳 70 歳 83 歳 加入者にとって 企業年金の位置づけは重要になっている 出所 ) 金融広報中央委員会 平成 22 年家計の金融行動に関する世論調査 日常生活費 : 総務省 家計調査 ( 平成 22 年 ) 世帯主の年齢階級別 1 世帯当たり1ヶ月間の収入と支出全国 二人以上の世帯 (60 歳 ~69 歳 ) 夫 60 歳 妻 58 歳の場合の平均余命をもとに試算 平均余命は 平成 22 年簡易生命表 より 夫婦 2 人の公的年金 : 厚生労働省発表平成 26 年度の年金額の見込み ( 厚生年金夫婦 2 人分の基礎年金額を含む標準的な年金額 ) 夫が平均的収入 ( 平均標準報酬月額 36.0 万円 ) で40 年就業し 妻がその期間すべて専業主婦であった世帯の新規裁定の給付水準です 実際に受け取る金額とは異なる場合があります 加給年金および振替加算については考慮しておりません 統計的なデータ等による試算 再雇用等は平均役な日常生活費並の収入を得る前提 12 妻 88 歳
DC の実施意義 1 老後生活に向けた意識が養われます 後払い制度 (PAY AFTER) 確定給付年金 入社以降 事業主が掛金を積み立て 従業員への支払いは退職時 退職時に初めて退職金が支払われるため従業員が老後生活について考える機会はあまりない 入社 老後生活のことは退職金を貰ってから考えることにしよう 退職 確定給付年金 退職時に支払い 退職金を受取って初めて 老後はいくら必要? 退職金をどう活用する? 従業員は退職時になって 老後生活や退職金の活用について考える 前払い制度 (PAY NOW) 老後生活について考える機会は少ない 入社以来 事業主からの掛金と投資教育を受け 制度を通じて老後生活に向けた準備が行える 早い段階で意識して 老後生活への準備を始めることができる 時間 気づき の機会 確定拠出年金 入社以降 事業主が掛金を従業員に支払い 投資教育を行い 社員は退職時に向けて 積み立てを行う 入社 確定拠出年金会社からの掛金 投資教育 個別相談 会社のお金で 投資経験と投資教育を積むことができる 退職 退職時には積立が完了 自助努力の促進 しっかり準備した老後生活 社員は入社時から 老後生活を考える契機となる ( 気づき の機会 ) 13 時間
課税長期的な非課税効果 DC の実施意義 2 社員の掛金上乗せにより 非課税効果を享受した資産形成が図れます 社員にとって 気づき の機会 自助努力の促進 確定拠出年金の効用 資産形成に有効な器 確定拠出年金のマッチングを活用 マッチング拠出とは 社員の確定拠出掛金を上乗せ ( 給与天引き ) 確定拠出事業主の掛金 掛金は非課税 確定拠出給与非給与 課税( 所得 住民税 ) 老後生活に向けた長期の資産形成での効果は大きい 計画的な資産形成 老後生活に向けた長期の資産形成での効果は大きい 給与 時間 2 千円 20% =400 円 ( 課税額 ) 確定拠出 1か月 1 年 40 年 2 千円 0% =0 円 ( 非課税 ) 毎月 2 千円を積み立てた場合毎月 400 円の非課税の効果が得られる 400 円 4,800 円 約 19 万円 40 年の累計では大きな効果 自主的な資産形成 給与で受取ってから個人で積み立てる 他で使ってしまい 計画的な積み立てが できないことも 留意点 マッチング拠出の実施には 給与天引き 年末調整等の事務面の対応が必要となります 基金では制度発足と同時のマッチング拠出の実施は想定しておりませんが ご希望がある場合はご連絡ください 14 確定拠出での資産形成 給与から天引きで自動的に積み立て 意識しなくても 毎月確実に 積み立てが可能!
DC( 確定拠出年金制度 ) とは イメージ図 掛金 加入 2 皆さん社員 = 運用する 運用収益 掛金累計額 1 会社 = 掛金 ( 元手 ) を出す 60 65 歳 但し他制度からの移換がない場合 60 歳 ~65 歳未満の被保険者は新規加入不可 3 お金を受け取る 65 歳 60 歳までまで 年金原資( 老齢給付金 ) 3 いくら受け取る? 自分の運用次第で決まる 3 いつから受け取る? 60 歳 ~70 歳到達までの間で請求できる 3 受取方法は? 自分で年金か一時金か選ぶ もしもの時は 障害給付金 死亡一時金あり 1 毎月の掛金 翌月下旬に払い込まれる 金融機関の休日にあたる場合は 前営業日になります 2 運用とは? 提示されている運用商品から加入者本人が選択 運用方法の変更は? いつでもできるインターネット 電話 携帯電話 15
DC( 確定拠出年金制度 ) のメリット 税制面のメリット 拠出時 運用時 給付時 掛金は非課税 運用益は非課税 各種所得控除の対象 事業主掛金は所得税 住民税が課されません ( 社会保険料の対象外 ) 運用益に対する税金は課されないため 一般の貯蓄等に比べて複利効果が高くなります 公的年金等控除 退職所得控除 といった税制優遇があり 税負担が軽減されます 運用コストのメリット 確定拠出年金での投資信託購入 と 金融機関窓口等で一般的な購入を行う場合 購入時 保有期間中 預替時 確定拠出年金手数料なし低い手数料手数料なし 16 金融機関窓口手数料あり高い手数料手数料あり
新制度運営の全体像について 基金と総幹事が相互協力の上で 新総合基金制度として DB DC の一体運営を行うことにより 事業主 社員の利便性向上と負担軽減を実現する体制を構築します 事業主 総合型年金制度を活用することにより企業年金の各種事務手続きについて負担軽減 自社対応に比べて負担が軽減される項目 退職給付をトータルサポート 社員 総合型年金制度を活用することで年金制度などライフプランに関する事項のサポートを受けることが可能 入社 退職時手続き 掛金計算 納付事務 年金額 一時金額計算 年金のことは総合型年金制度へアウトソース 法改正の対応 制度の設計 変更 当局への認可申請 届出 決算報告 積立状況報告等 行政対応 基金 ( 総幹事 ) が対応 新総合基金制度 基金事務局 企業年金事務 運営 確定給付 DB 確定拠出 DC 17 幹事会社 公的年金やライフプランに関するご照会などの代行もしています 一時金 年金の受取 ライフプランの支援 積立残高 運用状況照会 制度内容の照会 年金のことはなんでも総合型年金制度で OK 現役加入者 OB 基金または総幹事にて 公的年金 DB DC に関するご照会などのサポートが可能
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