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スライド 1

AD表紙vol.17.eps

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AD STUDIES Vol

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表紙 vol.5-04

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Microsoft PowerPoint 年8月メディア調査1021_確定前[読み取り専用] [互換モード]

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Microsoft PowerPoint - SDBCスマートフォンユーザー1000人調査第5回リリース.pptx

表紙(A4)

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結果の要約 2 NRC レポート 全国 才男 1,200 名を対象に 2016 年 2 に パソコン スマートフォンなどの情報機器 の調査を実施しました 本調査はインターネット調査ではなく 調査員による訪問留置法で実施しており パソコンやインターネットを利 していない も対象に含まれてい

PowerPoint プレゼンテーション

16. 携帯電話はしている Ⅰ 携帯電話の利用方法と 意識の全体傾向 見た広告のサイトにアクセスするほうだ 個人全体の傾向 全体での携帯電話利用率は94.7 利用していない 2. メールでお店からクーポンやその日のお得な情報が送 人は5.3 と僅かである らだと思う 2

景気後退に伴う時間消費の変化に関するマーケティングデータ

歯科医院企画提案書

「教育資金贈与信託」、資産の世代間移行を後押し

NRCレポート

平成 28 年調査報告書の主なポイント 2 1 日当たりのテレビ ( リアルタイム ) 視聴時間は平日 168. ( 概ね減少傾向 ) 休日 分 ( 前年より減少 ) インターネット利用時間は平日 99.8 分 休日 分 ( ともに増加傾向 ) 過去 5 年間のテレビ ( リ

名称未設定-2

調査趣旨 概要 1 調査趣旨 テレビ 新聞といった従来型メディアと ソーシャルメディア等のインターネット上のメディアの双方について 利用時間と利用時間帯 利用目的 信頼度等を調査 調査概要 訪問留置調査 ( 全国 125 地点 ランダムロケーションクォータサンプリングにより抽出 ) 13 歳から 6

PowerPoint プレゼンテーション

参考資料 第 1 回メディア ソフト研究会参考資料 平成 21 年 11 月 20 日 総務省情報通信政策研究所調査研究部

質問 1 何歳から 長生き だと思いますか? 男性 女性ともに 80 歳 がトップ ( 合計 :42.3% 男性 :43.2% 女性 41.3%) 平均すると 男性が 81.7 歳 女性が 83.0 歳 と女性の方がより高年齢を 長生き と思うという 傾向があり 女性の 5 人に 1 人 (20.8

平成27年度 青少年のインターネット利用環境実態調査

Microsoft Word - 小学生調査(FINAL) _.doc

調査結果 1 国内ユーザー SNS 利用率 トップは で 69.6% 1 位は 69.6% 2 位は 40.9% 3 位は 23.0% 調査対象者が 利用している SNS を複数回答で聞いたところ 1 位は で 69.6% 2 位以下は が 40.9% が 23.0% が 19.6% が 19.4%

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調査概要 調査対象 : 一都三県に在住する GF シニアデータベース 有効回答件数 :572 件 標本抽出法 :GF RTD( ランダム テレフォンナンバー ダイアリング ) 方式 調査方法 : アウトバウンド IVR による電話調査 調査時期 : 平成 22 年 11 月 29 日 ( 月 )18

調査レポート

「2017年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」

Microsoft PowerPoint - グラフ

1. 世帯のインターネットの利用状況 - 利用世帯 6 割超 - 自宅のパソコンや携帯電話などから インターネットやメールなどを利用できる環境かどうかを聞い たところ ( 世帯で ) 利用している が 62.6% と 10 年前の 25.2% から 2 倍以上に増えている ( 図 1 世帯のインター

求人サイト利用についての自主調査 雇用形態や制度の変化が急激に進む中 求人産業が大きく成長し 求人サイトの利用が高まっています 正社員 派遣 アルバイトといった雇用形態によって 求人サイトの利用状況や サイトに期待される機能は異なっているのでしょうか また 求職者はモバイルサイトと PC サイトをど

平成 18 年 1 月 デジタル アドバタイジング コンソーシアム株式会社 インターネット動画広告の効果を 複数の動画配信サービスにおいて本格検証! テレビ CM とインターネット動画広告の組み合わせで 15.1% 認知が向上 インターネット動画広告のみでも 12.4% の認知を獲得 など インター

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調査結果トピック: 一般携帯電話 スマートフォン 像 それぞれのデバイスで 日 回以上インターネットにアクセスする割合はで % で 0% と一般携帯電話の約 0% を大きく上回った また に比べスマートフォン ipad ユーザーは比較的インターネットの利用頻度が高く 活用の仕方も検索 地図 (GPS

頻度が増えた時間が増えたインターネットに接触しているすぐに検索してみるようになった気になることがあったら わからないことや気軽に検索するようになっ< 調査結果の詳細 > 1 ネット接触と検索行動が変化 ネット接触の時間と場所が拡大し 検索の回数が増加 屋外検索 の浸透 スマートフォンを使うことで ユ

「北朝鮮による日本人拉致問題に関する特別世論調査」の概要

Microsoft PowerPoint SDBC広報調査リリースv8hp用.pptx

全体60 代女性50 代男性10 代20 代男性性男30 代40 代男性性男50 代60 代男性性女10 代20 代女性性女30 代40 代女性性女レポート VOL.3 ~ 贈り物購入シーンでの通販利用実態 ~ 性別 年代別の年代別の通販利用率は? 贈り物 の購入で通販を利用する人はどの程度いるので

自主調査レポート

東海 4 県若年層のスマートフォンネットワーク満足度調査 株式会社角川アスキー総合研究所 調査概要 (1) 調査時期 : 2014 年 12 月 3 日 ~9 日 (2) 調査方法 : ネットアンケート (3) 調査対象 : 東海 4 県在住の15 歳から34 歳までの男女 (4) 有効回答数 :

日本のプロ野球に対する関心を示した表 3.1 および図 3.1 をみると スポーツニュース で見る (52.9) に対する回答が最く テレビで観戦する (39.0) 新聞で結果を確 認する (32.8) がこれに続く また 特に何もしていない (30.8) も目立った 2) 性別とのクロス集計の結果

PowerPoint プレゼンテーション

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金融商品についての調査

電通ソーシャルメディアラボがソーシャルメディアの企業ブランド・消費に与える影響を調査

PCでネット動画を見る人は5 割を超え、携帯/スマホでも2 割を超える

目次 目次 2 調査概要 3 調査サマリー 4 歩きスマホ は危ないと思うか? / 歩きスマホ をしたことがあるか? 5 歩きスマホ をしてしまう理由は? 6 歩きスマホ をしている人に対して危ないと感じたことはあるか? 7 歩きスマホ が危ないと感じたのはどのようなシーンか? 8 歩きスマホ によ

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平成29年度 青少年のインターネット利用環境実態調査

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特別世論調査

「シニアのリアル調査」結果第三弾

2007年12月20日

( ウ ) 年齢別 年齢が高くなるほど 十分に反映されている まあまあ反映されている の割合が高くなる傾向があり 2 0 歳代 では 十分に反映されている まあまあ反映されている の合計が17.3% ですが 70 歳以上 では40.6% となっています

調査の結果5.xlsx

質問 今年のクリスマスについて 予算は全て 人当たり 今年のクリスマス イブは火曜日ですが ご自身のクリスマスは何日に行いますか? ( 回答者数 :,4 名 ) 全体では クリスマス イブ の 4 日 という人が一番多く (7.6%) 日 ( 日 ) (0.8%) 3 日 ( 祝 月 ) (0.%)

(2) 学習指導要領の領域別の平均正答率 1 小学校国語 A (%) 学習指導要領の領域 領 域 話すこと 聞くこと 66.6(69.2) 77.0(79.2) 書くこと 61.8(60.6) 69.3(72.8) 読むこと 69.9(70.2) 77.4(78.5) 伝統的な言語文化等 78.3(

目次 調査概要調査サマリー 歩きスマホ は危ないと思うか?/ 歩きスマホ をしたことがあるか? 歩きスマホ をしてしまう理由は? 歩きスマホ をしている人に対して危ないと感じたことはあるか? 歩きスマホ が危ないと感じたのはどのようなシーンか? 歩きスマホ で最も危ないと感じたのはどのようなシーンか

Ⅲ 調査対象および回答数 調査対象 学校数 有効回答数児童生徒保護者 (4~6 年 ) 12 校 1, 校 1, 校 1,621 1,238 合計 41 校 3,917 ( 有効回答率 96.3%) 3,098 ( 有効回答率 77.7%) Ⅳ 調査の実施時期

調査概要 : 東日本大震災発生後の生活者調査 東日本大震災後の暮らしと生活意識に関する調査概要 調査期間 :2011 年 4 月 15 日 ~19 日 クローズドモニターに対するインターネット調査 回収割付 男性 女性 20 代 30 代 40 代 50 代 60 代 20 代 30 代 40 代

❷ 学校の宿題をする時間 宿題に取り組む時間は すべての学年で増加した 第 1 回調査と比較すると すべての学年で宿題をする時間は増えている 宿題に取り組むはおよ そ 40~50 分で学年による変化は小さいが 宿題を しない 割合はになると増加し 学年が上がるに つれて宿題を長時間する生徒としない生

モバイル端末市場動向調査レポート

来場者アンケート集計結果 / 実施概要

PowerPoint プレゼンテーション

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PowerPoint プレゼンテーション

調査概要 P.1 調査手法 : WEBリサーチ 調査期間 : 2014 年 12 月 1 日 ( 月 )~12 月 3 日 ( 水 ) 調査対象 : 首都圏在住の20 歳 ~59 歳 有効回答 : 414 名 内訳 男性 20 代 50 名 女性 20 代 5 30 代 50 名 30 代 54 名

結果の要約 2 日本リサーチセンター (RC) では 全国 歳男 1,200 を対象に 訪問留置のオムニバス調査 (OS) を 毎 定期的に実施しております 本レポートは OS を利 した 主調査 テレビ視聴について の紹介です 主な結果は以下の通りです 1 テレビは依然として 各メディ

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不要品を売買する頻度について 20 代は 3 カ月に一 他のは 数年に一 が最も高い結果に不要品 ( 中古品 を売買する頻度について聞いたところ 数年に (33.3% が高く 半年に (7.5% 3 カ月に (4.5% が続いた 30 代から 60 代では 数年に が最も高いのに対して 20 代のみ

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Q4. 次の衆院選はいつ頃行うのが適切だと思いますか 次の衆院選の適切な実施時期については できるだけ早い時期に (63.8%) ( 前月調査比 4.1 ポイント増 ) が 6 割を超え 予算成立前後に (12.5%) ( 前月調査比 1.2 ポイント減 ) 次の衆院議員の任期をむかえる頃に (7.

Microsoft Word - 04章 テレビ視聴.doc

 

< 調査結果 > 近隣住民の雰囲気も 住宅購入の決め手になった 58.3% 新築購入者では 56.4% 中古購入者では 64.7% Q. 現在の住まいを購入する際 近隣住民の雰囲気も 決め手の一つとなりましたか?( 対象 :600 名 有効回答 :600 名 ) 19.8% 21.0% 15.8%

(Microsoft PowerPoint - \201y\222\371\220\ \201z\220A\227\3215\222e\203\214\203|\201[\203g.ppt)

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スライド 1

Microsoft Word - プレス091117MDRI _1_

インターネット利用に関する意識・実態調査報告書

Microsoft Word - Ł¶‘Í.doc

オムニバス調査 分析レポート 信用度 の推移について概観して みたい 図表 1 は メディアごとの信用度 の 4 年間の推移を示しているが 新聞 テレビを筆頭にマス メディアへの信 頼は依然として高く インターネット メディアとの差は歴然としている ち なみに 16 年のスコアを見ると 信 用度が最

Microsoft Word - エコポイントに関する調査 _ver6.doc

産学共同研究 報告書

NRC 日本人の食 調査とは 2 日本人の食の嗜好や食生活 に関する調査で 本篇は Part5 外 中 等の利 です 本篇で紹介する調査データは 月 &5 月調査と 月調査の2つです 4 月 &5 月調査は 外 中 の利 意識 を 11 月調査は 外食 中食の利 実態

Microsoft Word - 02 ™²“¸„‰›Ê.doc

出産・育児調査2018~妊娠・出産・育児の各期において、女性の満足度に影響する意識や行動は異なる。多くは子どもの人数によっても違い、各期で周囲がとるべき行動は変わっていく~

Transcription:

オムニバス調査 22 分析レポート 公財 吉田秀雄秀雄記念事業財団では 広告 広報 メディアを中心とするマーケティングおよびコミュニケーションの研究に資するためオムニ バス調査を毎年実施しています 本レポートではオムニバス調査の内容を理解していただくとともに 調査結果データを研究者の方々が自由に 使い 幅広く研究していただくために 分析事例をシリーズで紹介しています 今回はマスメディアとインターネットでの広告接触についての分析 です マスメディアとインターネットでの広告接触 オムニバス調査2011年 2012年の変化 佐藤 剛介 公財 吉田秀雄記念事業財団 事務局長 オムニバス調査 2012の実施概要 調 査 地 域 首都 30 圏 調 査 対 象 満 15歳 65歳の一般男女個人 抽 出 方 法 ランダムロケーション クオーターサンプリング 調 査 方 法 調査員の訪問による質問紙の留め置き回収調査 実 施 期 間 2012年 6月15日 6月25日 回 収 数 758名 はじめに 触時間を見たものである 電通の 日本の広告費 によると インターネット広告費 2011年に比べ 2012年に変化が見られるのは テレビ と が平成 18年度に雑誌広告費を 平成 21年度には新聞広 パソコンでのインターネット 携帯電話 スマートフォン 告費を上回るに至り 広告界には広告メディア構造の大き でのインターネット の項目である な変動が起こっている まさにドッグ イヤーと呼ぶにふさわ テレビ離れがいわれてはいるものの2011年から2012年 しい変化の速さである の間では テレビ視聴時間は減少してはいない 特に男性 本レポートでは 2011年 6月から2012年 6月の間に首都 は 2011年の2.0時間から2.4時間へ視聴時間が増えている 圏 30キロメートルに居住する生活者のインターネットを含 特に男性 30代以上で視聴時間増が顕著である 女性で めたメディア接触および広告接触の変化について見てみた は40代での増加が大きい Ⅰ メディア接触時間の変化 2012年の調査時点では 前年の東日本大震災の影響も 一段落し 尖閣問題も発生前である 北朝鮮ミサイル問題 などはあったものの 特に大きな事件が影響しているとも考 マス メディアの凋落が語られ 若年層を中心に テレビ えられず テレビの衰退 テレビ離れは少々疑問符をつけな などを視ない あるいは視ても10分ほどという メディア ダ ければならないようである ーク層 の発生が喧伝されている 本オムニバス調査では ラジオ は女性 60 65歳で聴取時間 1.2時間であり それに対応すべく 2011年度までのメディア接触時間の最 2011年から顕著な時間増を示している 東日本大震災後 小区切り 1時間未満 を 2012年度より 30分未満 に改 にラジオの価値の見直しが起こったと言われているが 女 定した より メディア ダーク の実態が反映されたデータ 性高齢層ではその影響がまだ残っているようである となっているはずである 新聞 雑誌 については2011年より横ばいである 表1は2011年 6月と2012年 6月の1日平均のメディア接 インターネット関連は 2011年から2012年の間でやや大 AD STUDIES Vol.44 2013 47

女性 369 2.8 0.4 0.4 0.3 0.8 0.5 369 2.8 0.4 0.5 0.4 1.1 0.6 性 年齢別男オムニバス調査 分析レポート 22 きな変化が起きている パソコンによるインターネット は男性 4 0 代 5 0 代 女性 50 代で利用時間増が顕著である また 10 代 20 代の女性でもパソコン インターネットの利用時間が増加しており 大学入学や社会人になったのを機に 携帯電話中心からパソコンへのエントリーが起こっている可能性もある 携帯電話 スマートフォンでのインターネット は 男女ともに 20 代では1 時間を超えているものの 全般に利用時間は短く その利用形態から考えてメディア接触としての 時間のまとまり をまだ形成していないのかもしれない また サンプル数は少ないが 男女ともに 10 代で 携帯 スマートフォンでのインターネット 利用時間が顕著に減少しているのが注目される [Ⅱ] インターネット環境 利用機器 表 2は インターネットを視聴するために利用している機器である 2012 年 6 月時点での パソコン 携帯電話 スマートフォン 多機能タブレット型端末 利用について見ているが いずれも利用していない人は男性 60 ~ 65 歳 女性 50 代以上で一部残っているものの 全体的にはほぼ完全普及に近い環境を達成していると言えるだろう 使用機器種別では2011 年 6 月から 2012 年 6 月の間に スマートフォンが大きく伸びており 男性 20 代 30 代 女性 20 代では 50% を超える利用率になっている その後の携帯電話の機種廃止なども考えると 現時点ではさらに大きく伸びているはずである 携帯電話は スマートフォンの大きな伸びにもかかわらず 調査時点ではさほど低下しておらず かなりの人が併用していたものと考えられる 一方でiPadなどの 多機能タブレット型端末 の伸びは鈍い しかし男性では 40 代や50 代で10% 近い利用率を示しており スマートフォンに移らずタブレット型端末を選択した可能性もあるだろう 2013 年の動向が注目される [Ⅲ] 広告接触 本オムニバス調査では 18 項目の広告接触機会 ( 分岐項目も含む ) についての広告接触行動をたずねている それぞれの広告接触機会ごとに 1. 意識してよく見たり聞いたりしている 2. ざっと見たり聞いたりしている 3. どちらともいえない 4. あまり見たり聞いたりしていない N テレビラジオ新聞雑誌 表 1 1 日平均メディア接触時間 (2011 年 2012 年 ) 2011 年 6 月 2012 年 6 月 パソコン携帯電話インタースマートフォンネットインターネット N テレビラジオ新聞雑誌 単位 : 時間 パソコン携帯電話インタースマートフォンネットインターネット 全体 755 2.4 0.6 0.5 0.4 1.0 0.5 758 2.6 0.5 0.6 0.4 1.3 0.6 性別男性 386 2.0 0.7 0.5 0.4 1.3 0.5 389 2.4 0.6 0.7 0.4 1.4 0.6 性30 代 96 1.7 0.6 0.4 0.4 1.5 0.5 95 2.1 0.6 0.5 0.4 1.8 0.9 15~19 歳 24 2.3 0.2 0.3 1.9 1.4 21 2.2 0.1 0.2 0.4 0.9 0.6 20 代 67 2.1 0.3 0.3 0.5 1.8 1.2 70 2.4 0.5 0.3 0.6 1.8 1.1 40 代 87 1.8 0.7 0.6 0.4 1.1 0.4 91 2.3 0.7 0.7 0.3 1.5 0.6 46 2.8 1.1 1.0 0.4 0.9 47 3.4 0.9 1.1 0.5 0.6 0.1 女性50 代 66 2.1 1.0 0.7 0.3 0.8 0.1 65 2.6 0.7 1.0 0.5 1.2 0.2 20 代 68 2.4 0.2 0.2 0.5 1.0 1.2 67 2.3 0.2 0.2 0.5 1.5 1.3 30 代 93 2.6 0.4 0.3 0.3 1.0 0.5 90 2.7 0.3 0.4 0.3 1.1 0.6 15~19 歳 20 2.3 0.2 0.2 0.7 1.0 1.7 21 2.2 0.2 0.5 1.5 0.8 60~65 歳 40 代 83 2.4 0.4 0.4 0.2 0.9 0.3 82 2.8 0.3 0.5 0.3 1.1 0.5 50 代 57 3.4 0.7 0.7 0.3 0.4 0.1 63 3.1 0.4 0.9 0.4 0.9 0.2 60~65 歳 48 3.6 0.8 0.8 0.3 0.2 46 3.5 1.2 1.0 0.5 0.5 0.1 は20 分以上 ( 表では 0.4 時間 ) 以上増加したもの は20 分以上 ( 表では 0.4 時間 ) 以上減少したもの 48 AD STUDIES Vol.44 2013

女性 369 88.6 9.5 4.1 369 76.4 74.8 27.9 5.4 3.3 性 年齢別男5. 見たり聞いたりしていない という 5 段階で回答を求めた (1) 性別 性 年齢別の広告接触状況 本稿では主要マス4 媒体とPC でのインターネット広告 携帯 モバイルでのインターネット広告について 1. 意識 してよく見たり聞いたりしている と 2. ざっと見たり聞いたり している の合計比率を 見る ( あるいは聞く ) として見て みた ( 表 3) 全体 性別に見ると上位 5 位は 全体 男性 女性 1. テレビ広告 74.0% 69.2% 79.1% 2. 新聞広告 55.7% 56.0% 55.3% 3. 雑誌広告 40.5% 36.0% 45.3% 4.PC インターネットサイト広告 20.2% 21.3% 19.0% 5. ラジオ広告 14.5% 17.0% 11.9% であり たぶんに 意識として の部分もあるが 広告の接触 行動としての テレビ広告 新聞広告 雑誌広告 の強 さは際立っている インターネット広告については 全体では PC でのインタ ーネット広告 が 携帯 スマートフォンでのインターネット 広告 を上回っているものの その接触率はマス広告に比べればまだ低い 男性ではより PC でのインターネット広告 が 女性ではより 携帯 スマートフォンでのインターネット広告 接触率が高い傾向が見られる 性 年齢別に特徴をあげると 1 新聞広告は男女ともに加齢とともに接触率は高くなるが 雑誌広告とテレビ広告では年齢による傾向は明確ではない 2ラジオ広告は車運転の頻度が高い男性 30 代や50 代で接触率が高く また聴取時間の多い女性 60~65 歳層で高くなっている 3パソコンでのインターネット広告では 男女ともに 20 代の サイト広告 がすでに新聞広告を上回っている 4 携帯 スマートフォンでのインターネット広告は 女性 20 代の サイト広告 がすでに新聞広告を上回っている 男性 20 代でも新聞広告には及ばないものの 高い接触率を示している (2) インターネット 携帯のマス広告接触への影響次にインターネットや携帯の利用が マス広告接触にどのような影響を与えているかを見てみた まずパソコンでのインターネット利用時間別に各マス広告の接触度を見ると 明確にパソコンでの接触時間の多さ 表 2 インターネット視聴の利用機器 2011 年 6 月 2012 年 6 月 単位 :% N 携帯電話 スマートフォン 多機能タブレット型端末 N パソコン携帯電話 スマートフォン 多機能タブレット型端末 これらの機器は使っていない 全体 755 87.4 14.3 3.4 758 82.1 75.1 33.1 6.7 2.1 性別男性 386 86.3 18.9 2.8 389 87.4 75.3 38.0 8.0 1.0 性30 代 96 85.4 24.0 3.1 95 95.8 66.3 55.8 8.4 15~19 歳 24 79.2 20.8 4.2 21 81.0 76.2 28.6 20 代 67 82.1 26.9 3.0 70 92.9 54.3 64.3 7.1 40 代 87 93.1 20.7 5.7 91 91.2 81.3 37.4 9.9 1.1 50 代 66 87.9 10.6 65 76.9 90.8 9.2 9.2 1.5 46 82.6 4.3 47 72.3 91.5 8.5 6.4 4.3 女性20 代 68 79.4 25.0 2.9 67 80.6 47.8 56.7 9.0 30 代 93 94.6 9.7 7.5 90 84.4 82.2 28.9 6.7 15~19 歳 20 90.0 15.0 5.0 21 81.0 71.4 38.1 60~65 歳 40 代 83 94.0 6.0 4.8 82 87.8 86.6 20.7 6.1 1.2 50 代 57 87.7 1.8 1.8 63 68.3 74.6 19.0 4.8 9.5 60~65 歳 48 81.3 46 43.5 80.4 4.3 10.9 AD STUDIES Vol.44 2013 49

オムニバス調査 分析レポート 22 によって 見る 人の比率が低下する傾向が見られるが 特に強い影響を受けているのは 新聞広告 である また それ以上に携帯電話の利用時間 携帯電話 スマートフォンでのインターネット利用時間が多いほど 新聞広告 への接触は低下する傾向は強くなっている これはインターネットの爆発的普及以前からあった若年層を中心とした新聞閲読率の低下を 携帯電話の利用やスマートフォンでのインターネット利用が加速させたものと思われる テレビ広告 および 雑誌広告 は ほとんどインターネットや携帯電話の利用時間の影響を受けていない 雑誌広告 の場合は 携帯電話の利用時間が長いほどその接触度が高いという逆の傾向も見られ 雑誌とインターネットが 新しいクロスメディア状況を生み出している可能性も考えられる 当然ではあるが インターネットや携帯電話の利用時間が長いほど パソコンや携帯 スマートフォンでのインターネット系広告への接触は高くなっている おわりに 若い人を中心とする新聞離れ テレビ離れ 雑誌離れなどが取沙汰されている 確かに新聞についてはかなり以前からそれは明確になっていたが テレビや雑誌については はたして真実か さらに精査が必要なのではないだろうか 表 3 広告接触 マス広告 新聞広告雑誌広告テレビ広告ラジオ広告 N 見る見ない見る見ない見る見ない聞く聞かない 全体 758 55.7 36.1 40.5 42.0 74.0 12.0 14.5 74.8 性別男性 389 56.0 35.5 36.0 43.7 69.2 13.4 17.0 68.9 女性 369 55.3 36.9 45.3 40.1 79.1 10.6 11.9 81.0 性 年齢別パソコンでのインターネット利用時間 携帯電話スマートフォン利用時間 携帯電話スマートフォンインターネット利用時間 男性30 代 95 57.9 37.9 41.1 33.7 63.2 18.9 26.3 58.9 15~19 歳 21 9.5 76.2 33.3 52.4 71.4 4.8 81.0 20 代 70 32.9 54.3 37.1 45.7 77.1 14.3 4.3 85.7 40 代 91 60.4 30.8 36.3 48.4 71.4 11.0 15.4 69.2 50 代 65 67.7 23.1 32.3 41.5 67.7 13.8 21.5 69.2 60~65 歳 47 83.0 10.6 29.8 51.1 66.0 10.6 19.1 57.4 15~19 歳 21 23.8 61.9 47.6 28.6 81.0 9.5 85.7 20 代 67 23.9 65.7 44.8 35.8 74.6 14.9 4.5 89.6 女性30 代 90 47.8 43.3 44.4 43.3 77.8 11.1 14.4 75.6 40 代 82 61.0 34.1 51.2 39.0 80.5 11.0 15.9 78.0 50 代 63 76.2 15.9 36.5 41.3 79.4 7.9 7.9 87.3 60~65 歳 46 91.3 4.3 47.8 45.7 84.8 6.5 21.7 73.9 殆ど利用していない 171 57.9 34.5 39.2 43.9 81.9 7.0 12.3 77.2 30 分未満 180 55.0 33.3 40.0 40.6 69.4 14.4 11.7 78.3 1 時間未満 165 63.0 32.7 44.2 38.2 72.1 10.9 20.0 69.1 1~2 時間未満 130 53.8 39.2 40.8 43.8 74.6 12.3 14.6 76.9 2 時間以上 112 44.6 44.6 37.5 44.6 71.4 17.0 14.3 71.4 殆ど利用していない 33 75.8 24.2 27.3 57.6 63.6 18.2 27.3 63.6 30 分未満 317 66.2 26.8 39.7 44.5 76.3 12.3 14.5 74.8 1 時間未満 167 59.3 31.7 42.5 34.1 66.5 10.2 15.0 73.1 1~2 時間未満 118 38.1 51.7 38.1 43.2 76.3 10.2 11.0 83.1 2 時間以上 123 35.0 54.5 45.5 40.7 78.9 13.8 13.8 72.4 殆ど利用していない 369 65.9 26.3 35.8 46.1 74.0 12.7 15.4 75.9 30 分未満 211 54.0 40.8 44.1 35.5 73.0 10.9 13.7 73.0 1 時間未満 85 44.7 44.7 49.4 36.5 77.6 7.1 11.8 72.9 1~2 時間未満 52 26.9 61.5 46.2 46.2 75.0 11.5 17.3 76.9 2 時間以上 41 31.7 51.2 39.0 43.9 70.7 22.0 12.2 75.6 50 AD STUDIES Vol.44 2013

確かにパソコン 携帯電話 スマートフォンでのインターネット利用は若い世代を中心として 新しいメディア接触形態を形成しつつある が その一方で マス広告の強さも際立っているといえるだろう 今後マス広告によるインターネットのシナジー的活用と 一方でインターネットの広告メディアとしての新しいフォーマットの開発も必要になってくるものと思われる 本稿は オムニバス調査 2012 の メディア接触時間 および 広告接触媒体 の質問から取りまとめました 本データ並びに過去の調査データは 当財団ホームページ (http://www.yhmf.jp) の [ 財団データベース ] [ オムニバス調査オープンデータベース ] より 必要なデータを自由にご利用いただけます なお オムニバス調査の結果データは 調査実施の翌年 4 月にオープンデータとして公開します 平成 24(2012) 年度オムニバス調査結果は平成 25(2013) 年 4 月 1 日から公開されている 本発表に関するお問い合わせは下記までお願いいたします 公益財団法人吉田秀雄記念事業財団事務局長 : 佐藤剛介 104-0061 東京都中央区銀座 7-4-17 電通銀座ビル 4 階 Tel:(03)3575-1384 Fax:(03)5568-4528 単位 :% PC でのインターネット広告 携帯 モバイルでのインターネット広告 サイト広告 ブログ広告 メールマガジン サイト広告 ブログ広告 メールマガジン 見る 見ない 見る 見ない 見る 見ない 見る 見ない 見る 見ない 見る 見ない 20.2 54.6 11.2 69.5 13.6 68.1 12.7 72.6 8.2 78.0 10.7 73.9 21.3 50.4 11.3 66.1 13.9 67.6 12.3 72.8 7.2 78.4 8.2 76.3 19.0 59.1 11.1 73.2 13.3 68.6 13.0 72.4 9.2 77.5 13.3 71.3 19.0 42.9 4.8 61.9 66.7 19.0 61.9 9.5 66.7 9.5 52.4 40.0 34.3 21.4 48.6 20.0 61.4 24.3 57.1 15.7 64.3 14.3 64.3 18.9 46.3 10.5 62.1 15.8 64.2 11.6 66.3 8.4 72.6 10.5 70.5 17.6 48.4 12.1 65.9 15.4 67.0 13.2 72.5 6.6 79.1 9.9 78.0 15.4 66.2 6.2 84.6 9.2 78.5 4.6 86.2 1.5 92.3 1.5 89.2 14.9 68.1 6.4 76.6 10.6 70.2 2.1 95.7 95.7 95.7 9.5 57.1 23.8 61.9 14.3 76.2 14.3 61.9 9.5 76.2 19.0 71.4 28.4 44.8 19.4 64.2 20.9 59.7 26.9 49.3 26.9 52.2 29.9 47.8 23.3 52.2 11.1 73.3 12.2 70.0 13.3 68.9 7.8 74.4 13.3 61.1 22.0 56.1 11.0 70.7 11.0 65.9 11.0 79.3 7.3 86.6 11.0 80.5 11.1 73.0 6.3 81.0 15.9 66.7 6.3 84.1 88.9 3.2 87.3 6.5 80.4 84.8 4.3 82.6 4.3 89.1 2.2 89.1 4.3 87.0 4.1 88.9 1.8 92.4 2.3 93.0 9.4 81.3 5.8 85.4 9.4 81.9 13.9 61.1 10.0 71.7 11.1 66.7 13.3 70.6 11.7 75.6 11.1 71.7 27.3 40.6 15.2 63.6 17.6 61.2 15.2 70.3 9.7 77.6 10.3 73.9 30.0 40.8 13.1 61.5 23.1 54.6 11.5 71.5 5.4 77.7 11.5 68.5 33.0 28.6 19.6 49.1 17.9 58.0 14.3 67.0 7.1 71.4 11.6 71.4 9.1 72.7 6.1 72.7 6.1 72.7 97.0 97.0 93.9 18.9 60.3 8.2 77.0 12.3 72.9 5.4 84.9 1.9 88.6 4.4 84.9 16.2 51.5 9.6 65.3 13.2 65.9 10.2 72.5 7.2 77.2 9.0 74.3 27.1 43.2 18.6 60.2 16.9 57.6 21.2 56.8 16.1 66.1 19.5 59.3 25.2 50.4 15.4 64.2 16.3 67.5 30.1 49.6 20.3 57.7 23.6 53.7 15.7 66.7 6.0 78.9 8.7 78.0 2.7 89.7 0.5 93.0 3.0 89.4 20.9 46.9 14.2 64.0 16.1 60.7 15.2 64.9 9.0 71.6 10.4 68.2 25.9 35.3 18.8 56.5 23.5 54.1 32.9 44.7 23.5 55.3 27.1 41.2 32.7 34.6 17.3 50.0 23.1 48.1 28.8 40.4 23.1 48.1 28.8 46.2 29.3 51.2 19.5 65.9 12.2 70.7 26.8 56.1 22.0 61.0 24.4 65.9 AD STUDIES Vol.44 2013 51