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はじめに 1. 在宅高齢者の日常生活活動能力日常生活活動 (Activities of Daily Living; ADL) 能力は高齢者の健康状態を示す重要な指標である そのため 高齢者の生活機能を高め健康寿命の延伸を目指す介護予防活動や 要介護状態の維持改善を目指すリハビリテーションにおいて ADL 能力の評価は不可欠である ADL は 基本的日常生活活動 (Basic Activities of Daily Living; BADL) と手段的日常生活活動 (Instrumental Activities of Daily Living; IADL) に大別される 日本リハビリテーション医学会 1) は BADL の定義を ひとりの人間が独立して生活するために行う基本的な しかも各人ともに共通に毎日繰り返される一連の身体動作群 とし 家庭における身のまわりの動作 (Self care) を意味するとしている IADL は BADL よりも広義の ADL と考えられる応用動作 ( 交通機関の利用 家事動作等 ) と定義している リハビリテーション医学会の定義に示される通り BADL は在宅生活を営む上で最低限必要となる身体動作であり 在宅高齢者が自宅で生活を継続していくために不可欠である 東京都福祉保健基礎調査 ( 平成 22 年 ) 2) によると 歩行 食事 更衣 入浴 排泄の BADL 動作がひとりでできる高齢者の割合は 歩行が 94.9% 食事 98.2% 更衣 96.7% 入浴 94.7% 排泄 97.1% であった つまり 約 9 割の在宅高齢者は BADL 動作が自立しているのである 2. 日常生活活動能力の自立度と困難感在宅高齢者の約 9 割は BADL 動作が自立している しかしながら 自立している とは 他者の介助を受けていないことを示しているにすぎず BADL 動作を遂行する上で問題が無いことを示しているわけではない 海外の在宅高齢者を対象とした先行研究によると BADL 動作が自立して可能であるものの 動作遂行上 何らかの 困難感 を有している高齢者が存在することが報告されている Jett ら 3) は 在宅高齢者の 7 種類の BADL 実施状況を調査した その結果 各 BADL 動作に他者の介助を必要とする高齢者の割合は 歩行が 1.6% 食事 1.2% 更衣 5.0% 入浴 8.6% トイレ動作 2.0% 移乗動作 3.0% 外出 7.8% であった 一方 これらの BADL 動作の遂行上 何らかの困難を感じている高齢者の割合は 歩行が 8.1% 食事 3.2% 更衣 7.3% 入浴 12.2% トイレ動作 4.3% 移乗動作 13.4% 外出 9.7% であった 7 種の BADL 動作の中で 1 つでも何らかの介助を必要とする高齢者の割合は 14.2% であったのに対して 7 種の BADL 動作の中で 1 つでも動作遂行上の困難感を有する高齢者の割合は 24.7% であった BADL 能力の障害は 動作を遂行する上で他者の介助を必要とするか否か すなわち 自立度 が注目されることが多い しかしながら Jett ら 3) の報告のように BADL 能力の障害は 自立度 の側面だけでなく 動作遂行時に生じている 困難感 にも着目する必要がある Verbrugge ら 4) は 障害 (Disability) の本質は 通常の環境下において活動を行う際に感じされる困難感であり 自立度の測定は障害を軽減させる介入の有無に過ぎない とし 障害の 困難感 の側面の重要性を指摘している 1 / 12

実際 在宅高齢者のリハビリテーションの現場において BADL 動作の自立度のみならず BADL 動作の困難感に着目することは少なくない 対象者からの を行うのが大変だ といった BADL 動作に伴う困難感に関する発言が 対象者のニーズを明確化する糸口となり 具体的なリハビリテーションの介入内容が決まっていくことは 在宅高齢者に関わる多くのリハビリテーションの専門職が経験することであろう 高齢者の BADL 評価において 動作の自立度と同様に 動作に伴う困難感の評価は重要ではないだろうか? という疑問が 本研究を行う上での筆者の問題意識である 3. 在宅高齢者の日常生活活動能力の自立度と困難感に関する先行研究在宅高齢者を対象とした BADL 動作の自立度と困難感に関する先行研究を概観する (1) 在宅高齢者の基本的日常生活活動動作の困難感の原因 Ettinger ら 5) は 6 種類の BADL 動作に困難を感じる高齢者に対して質問紙調査を行い 困難の原因となっていると思われる身体症状を調査した その結果 対象者が困難感の原因としてあげた身体症状は 関節痛や腰痛 下肢筋力低下など運動器に関連する身体症状が全体の 60% を占めていた (2) 在宅高齢者の基本的日常生活活動動作の自立度と困難感と生活機能の関係 Gill ら 6) は 6 種類の BADL 動作の実施状況から対象者を 3 群 ( 介助群 ;6 種類の BADL の中で 1 つでも他者の介助を要する動作がある 困難群 ;6 種類の BADL を全て 1 人でできるが 1 つでも困難を感じる動作がある 自立群 ;6 種類の BADL を全て 1 人ででき 困難を感じる動作がない ) に分け 3 群間で IADL 能力や歩行能力 社会活動能力が低下している対象者の割合を比較した その結果 自立群 困難群 介助群の順番で 能力低下を示す対象者の割合が有意に高まることを報告した (3) 在宅高齢者の基本的日常生活活動動作の自立度と困難感の予測妥当性上記の Gill ら 6) 報告では 先述の 3 群を 3 年間追跡調査し 将来の施設入所と死亡の累積発生率を比較検討している その結果 自立群 困難群 介助群の順番で累積施設入所率と累積死亡率が有意に高まることを報告した これらの先行研究から示唆されることは BADL 動作が自立しているものの BADL 動作に伴い困難感という障害が生じている在宅高齢者が存在し この困難感は関節痛や筋力低下など運動器の機能障害に起因している可能性があること そして BADL 動作に伴い困難感が生じている在宅高齢者は 困難感が生じていない在宅高齢者よりも生活機能が低下し かつ 将来の施設入所や死亡のリスクが高いことである 2 / 12

4. 在宅高齢者の基本的日常生活活動動作の自立度と困難感を評価する指標の意義 BADL 能力を評価する既存の指標は BADL 動作の実施状況を 自立度 により段階づけし能力評価を行っているものが多い しかし上述した先行研究の知見から BADL 動作が自立している高齢者は困難感の有無により層別化することがより妥当な能力評価の段階づけであると考える 具体的には BADL 実施状況を3 段階 [1. 介助レベル (BADL 動作の実施に他者の介助を必要とする ) 2. 困難レベル ( 他者の介助を受けずに BADL 動作が実施できるが 動作遂行上の困難感がある ) 3. 自立レベル ( 他者の介助を受けずに BADL 動作が実施でき かつ 動作遂行上の困難感もない )] で段階づけを行う方が妥当であると考える このような段階づけに則って BADL 能力を評価する指標の意義は 次の 2 点が考えられる 1 つは スクリーニング指標として有用であると考える BADL 動作の自立度のみを評価対象とする指標は BADL 動作が自立している高齢者集団の中から困難感という BADL 動作の障害を有す高齢者をスクリーニングすることはできない 一方 BADL 動作の自立度と困難感を評価する指標であれば BADL 動作が自立している高齢者集団の中から 将来の施設入所や死亡リスクが高いことが示唆される BADL 動作に伴い困難感を有する高齢者をスクリーニングすることが期待される 2 つ目は 介入効果の指標として有用であると考える BADL 動作の自立度のみを評価対象とする指標は 自立している BADL 動作に対する介入の効果を表現することはできない 一方 BADL 動作の自立度と困難感を評価する指標であれば BADL 動作が自立していても困難感の有無により能力評価の層別化が可能となり 自立している BADL 動作に対する介入効果を感知することが期待される 5. 在宅高齢者の基本的日常生活活動動作の自立度と困難感を評価する既存の指標とその問題点在宅高齢者の ADL 能力を自立度と困難感を評価する指標が諸家 7-10) により報告されている これらの指標の問題点は BADL 動作の評価に特化した指標ではないことである BADL と IADL の両方を評価対象とし BADL と IADL の実施状況の合計点を算出する拡大 ADL 尺度の形式をとる指標 7-9) や IADL のみに着目し自立度と困難感を評価する指標 10) は存在するが BADL に特化して自立度と困難感を評価する指標は見当たらない また 既存の指標は海外の研究者により開発され海外の高齢者の生活様式を参考に項目が検討されている そのため 床から立ち上がる動作 といった日本の生活様式に不可欠な動作が評価項目に含まれていない 本邦の在宅高齢者の BADL 能力を自立度と困難感から評価するために適した既存の評価指標は見当たらない そのため 本邦の在宅高齢者の生活様式を考慮した BADL の自立度と困難感を評価する新たな指標を開発する必要があると考えた 方法 1. 新指標の作成 3 / 12

新指標の測定対象は BADL である BADL は Lawton 11) が示した人間の活動の諸段階の中の 身体的自立 の概念に相当し 人生の初期に獲得されるもっぱら身体的な動作である BADL の操作的定義は 日本リハビリテーション医学会が示した BADL の定義 1) を参考とし ひとりの人間が独立して生活するために行う基本的な しかも各人ともに共通に毎日繰り返される一連の身体動作群 とした 新指標を作成するため まず 新指標に含める動作項目の候補リストを作成した 候補リスト作成にあたり 出村ら 12) の報告を参考として BADL 動作を姿勢保持 変化 更衣動作 トイレ動作 入浴動作 手指動作 移動 運搬動作の 5 つの動作に分類した 各分類に該当する動作を BADL の指標として過去に報告されている Katz Index 13) Barthel Index 14) Functional Independence Measure 15) ( 以下 FIM) Bedside Mobility Scale 16) から抽出した また 研究者の臨床経験から新指標原案に含める必要があると考えられる動作項目をリストに加えた その結果 姿勢保持 変化に関する動作 11 項目 更衣動作 4 項目 トイレ動作 3 項目 入浴動作 4 項目 手指動作 10 項目 移動 運搬動作 5 項目 合計 37 項目からなる候補リストが作成された 次に 候補リストから新指標に含める動作項目をデルファイ法 17) により選考した デルファイ法は意見を聞くべき人に自由に討議してもらった結果をフィードバックしながら結論を詰めていく方法とされ 意見の合意形成を図る方法である デルファイ法の手順は まず 在宅高齢者の医療 福祉 介護に関わる専門職 6 名 ( 医師 1 名 理学療法士 3 名 看護師 1 名 介護支援専門員 1 名 ) が 先述の候補リストに示された各 BADL 動作について新指標原案の項目に含める必要性を討議した 討議に先立ち 新指標に含める項目の条件をデルファイ法参加者 6 名に提示した 具体的には 性差や季節の違いが動作の実施状況に影響を与える可能性がある動作は新指標原案に含めないこと また 新指標は短時間で評価できる指標を目指すため評価項目数は 10-15 項目に厳選することを条件とした 十分な討議を行った後 候補リストに示された各 BADL 動作について新指標に含める必要性を 1: 全く必要でない 2: 必要でない 3: どちらとも言えない 4: 必要である 5: 非常に必要である の 5 件法で採点した 6 名の採点結果の集計を 6 名の参加者全員に提示し 再び新指標に含める必要性を討議した そして 再び新指標に含める必要性を同様の方法で採点した この 2 回目の採点において 全ての参加者が 4: 必要である 5: 非常に必要である と採点した動作項目を新指標の項目として採用した その結果 姿勢保持 変化に関する動作 5 項目 ( 起き上がり動作 立ち上がり動作 ベッドからの移乗動作 床からの立ち上がり動作 頭より高い所にある物をとる動作 ) 更衣動作 2 項目 ( 更衣 ( 上着 ) 動作 更衣 ( ズボン ) 動作 ) トイレ動作 1 項目 ( 排泄後の清拭動作 ) 入浴動作 1 項目 ( 洗体動作 ) 手指動作 4 項目 ( 食事動作 歯磨き動作 ビンの蓋を開ける動作 足の爪を切る動作 ) 移動 運搬動作 4 項目 ( 屋外歩行 屋内歩行 階段昇降動作 ゴミを集積所まで持っていく動作 ) 合計 17 項目が選出された 次に この 17 項目からなる新指標について 数名の在宅高齢者を対象としたプレテストを行い 対象者から回答し易さなどについて意見をもらい使用上の問題点を検討した その結果 4 項目について修正 削除することとした ベッドからの移乗動作 の項目は 寝具として布団を使用している高齢者は回答が困難であるため削除することとした 頭より高い所にある物をとる動作 の項目 4 / 12

は 頭より高い所 の定義が曖昧であり回答が困難であるため削除することとした ビンの蓋を開ける動作 の項目は ビン の定義が曖昧であり回答が困難であるため ビン から ペットボトル に変更することとした ゴミを集積所まで持っていく動作 の項目は 動作の実施状況に性差が生じる可能性があるため削除することとした 以上の手続きにより 姿勢保持 変化に関する動作 3 項目 更衣動作 2 項目 トイレ動作 1 項目 入浴動作 1 項目 手指動作 4 項目 移動 運搬動作 3 項目 合計 14 項目からなる新指標が作成された 新指標の採点方法は 当該動作が自立しているか介助 監視が必要かを 2 件法 ( はい いいえ ) で問う質問と 当該動作を行う時に困難を感じるか否かを2 件法 ( はい いいえ ) で問う質問から構成される これらの 2 つの質問に対する回答から 1 点 ( 当該動作に介助 監視が必要 ) 2 点 ( 当該動作が自立しているが 困難を感じる ) 3 点 ( 当該動作が自立し 困難を感じない ) を付与し合計 42 点満点とした 2. 郵送調査新指標の因子構造と内的整合性 基準関連妥当性を検討するため 層化無作為抽出した在宅高齢者を対象とする郵送調査を実施した 対象は 都市近郊の A 県 B 地区在住の 65 歳以上の在宅高齢者の中から層化無作為抽出した 1000 名であった 調査項目は 対象者の一般属性 ( 性別 年齢 身長 体重 Body Mass Index 障害老人の自立度ランク 要介護度 ) と Katz Index 13) TMIG Index of Competence 18) ( 以下 TMIG) 主観的健康感 ( よい まあよい あまりよくない よくない ) 新指標であった 3. 統計処理探索的因子分析を用いて新指標原案の因子構造を検討した 初期解の推定には主因子法を用い 因子の回転として斜交プロマックス回転を用いた 因子数は スクリープロット基準に従って決定した また 因子分析で得られた下位尺度についてα 係数を算出し内的整合性を検討した そして 新指標の基準関連妥当性を検討するため 新指標と一般属性 Katz Index TMIG 主観的健康感の相関関係を Spearman の順位相関係数を用いて分析した また 新指標の測定値と主観的健康感の関係を相関係数 ならびに 二項ロジスティック回帰分析 ( 性別 年齢を調整変数とした強制投入法 ) を用いて分析した 結果 1. 対象者の特徴回収された調査票は 658 通であり 回収率は 65.8% であった 回収された調査票の中から欠損値を含む調査票を除外した結果 593 通が解析対象となった 対象者の特徴を表 1 に示す 男性 312 名 女性 281 名であり 平均年齢は 72.1 歳であった 5 / 12

2. 新指標の因子構造と内的整合性新指標の 14 項目について スクリープロット基準に従って因子数を検討し 因子数を 2 因子とした 主因子法 斜交プロマックス回転による因子分析により算出された因子負荷量が 0.30 以上であることを基準に項目選択を行った結果 全 14 項目が採択された 各因子の具体的な項目 ( 因子負荷量 ) は 第 1 因子は階段昇降 (0.90) 屋外歩行(0.79) 足の爪を切る動作 (0.76) 床から立ち上がる動作(0.70) 更衣( 下衣 ) 動作 (0.64) 椅子から立ち上がる動作 (0.58) 屋内歩行(0.48) ペットボトルのフタを開ける動作(0.47) であった 第 2 因子は歯磨き (1.04) 更衣( 上着 ) 動作 (0.98) 食事動作(0.78) 洗体動作(0.75) トイレ( 清拭動作 ) (0.45) 寝具から起き上がる動作 (0.43) であった 第 1 因子と第 2 因子のα 係数は それぞれ 0.89 0.91 であった また 全 14 項目におけるα 係数は 0.92 であった 3. 新指標の基準関連妥当性 ( 表 2) 新指標と有意な相関関係を示した変数とその Spearman の順位相関係数 (r) は 年齢が r=-0.28(p<0.01) 性別( 男性 1 女 2) が r=-0.09(p<0.05) Katz Index が r=-0.50(p<0.01) TMIG が r=0.22(p<0.01) 主観的健康感が r=-0.33(p<0.01) であった 4. 新指標と主観的健康感の関係 ( 表 3) 主観的健康感を従属変数 新指標と性別 年齢を独立変数とする二項ロジスティック回帰分析の結果 新指標は主観的健康感と有意な関連が認められた オッズ比 (95% 信頼区間 ) は 1.40(1.22~1.61) であった 考察 新指標のα 係数は高く 新指標は良好な内的整合性を有していると考えた また 新指標は BADL の評価指標である Katz Index と中等度の有意な相関関係を示したことから 新指標は BADL の評価指標として基準関連妥当性を有していると考えた 新指標は 主観的健康感と有意な関連が認められた このことは BADL 動作を困難が無い状況で自立して実施できるように支援することが 対象者の主観的健康感の改善に寄与する可能性を示していると考えた 今後の検討課題を以下に示す まず 本研究では新指標の基準関連妥当性として Katz Index との相関関係を検討したが Katz Index は項目数が少なく 対象者の BADL 能力のバラツキを十分に反映していない可能性がある 評価項目が多く Barthel Index や FIM との相関関係を調査し 新指標の基準関連妥当性を検証する必要がある また 地域在住高齢者の中で 要介護認定を受けていない高齢者と認定を受けている要介護高齢者では 属性や生活機能が異なるため 新指標との関連も異なる可能性がある 対象者を要介 6 / 12

護認定の有無で分け それぞれの地域在住高齢者について新指標との基準関連妥当性 そして 再現性を検証する必要がある 結論 BADL の 自立度 と 困難感 を評価する新たな BADL 指標を開発することを目的とし 新指標の項目の選定 ならびに 内的整合性と基準関連妥当性の検討を行った その結果 14 項目からなる新指標が作成され 新指標の内的整合性 ならびに Katz Index との基準関連妥当性が確認された 研究助成 本研究は公益財団法人在宅医療助成勇美記念財団の助成を受けて実施された 7 / 12

表 1 対象者の特徴 男性 (n=312) 女性 (n=281) 全体 (n=593) 年齢 ( 歳 ) 72.0±5.7 72.1±6.0 72.1±5.8 身長 (cm) 166.3±5.9 153.3±5.3 160.1±8.6 体重 (kg) 62.9±8.3 50.9±7.5 57.0±9.8 BMI(kg/m 2 ) 22.6±2.6 21.6±2.9 22.1±2.8 自立度ランク ( 人 (%)) ランクJ 309 ( 99 ) 276 ( 98.2 ) 585 ( 98.7 ) ランクA 0 ( 0 ) 4 ( 1.4 ) 4 ( 0.7 ) ランクB,C 3 ( 0.9 ) 1 ( 0.4 ) 4 ( 0.7 ) 要介護認定 ( 人 (%)) なし 307 ( 98.4 ) 277 ( 98.6 ) 584 ( 98.5 ) あり 5 ( 1.6 ) 4 ( 1.4 ) 9 ( 1.5 ) Katz Index( 点 ) 5.8±0.6 5.9±0.4 5.9±0.5 TMIG-Index( 点 ) 12.3±1.6 12.5±1.9 12.4±1.8 調査票の記入者 ( 人 (%)) 本人 309 ( 99 ) 271 ( 96.4 ) 580 ( 97.8 ) 他者が代筆 3 ( 1 ) 6 ( 2.1 ) 9 ( 1.5 ) 欠損値 :4 名 8 / 12

表 2 新指標との相関係数 年齢 -0.28 性別 ( 男性 1 女性 2) -0.09 BMI -0.07 Katz Index 0.50 TMIG-Index 0.22 障害老人の自立度ランク ( ランク J: 1 ~ ランク C: 4) 主観的健康感 ( よい 1 ~ よくない 4) Spearman の順位相関係数 :p<0.01 :p<0.05-0.28-0.33 9 / 12

表 3 主観的健康感に影響を与える因子の抽出 偏回帰係数 有意確率 (p 値 ) 性別 ( 男性 1 女性 2) 0.63 0.08 年齢 -0.04 0.18 新指標合計点 0.34 <0.001 オッズ比 (95% 信頼区間下限 ~ 上限 ) 1.87 (0.93~3.77) 0.96 (0.91~1.02) 1.40 (1.22~1.61) 二項ロジスティック回帰モデル モデルχ 2 検定 p<0.001 従属変数 : 主観的健康感 ( よくない0 よい1) 判別適中率 93.4% 10 / 12

引用文献 1) 今田拓 :ADL 評価について. リハ医.1976: 13: 315. 2) 東京都福祉保健局ホームページ. 東京都福祉保健基礎調査平成 22 年度版. http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kiban/chosa_tokei/zenbun/22houkokusyoz enbun.html (2014 年 6 月 3 日引用 ) 3) Jette AM: How measurement techniques influence estimates of disability in older populations. Soc Sci Med. 1994; 38: 937-942. 4) Verbrugge LM, Jette AM, et al.: The disablement process. Soc Sci Med. 1994; 38: 1-14. 5) Ettinger WH Jr, Fried LP, et al.: Self-reported causes of physical disability in older people: the Cardiovascular Health Study. CHS Collaborative Research Group. J Am Geriatr Soc. 1994; 42: 1035-1044. 6) Gill TM, Robison JT, et al.: Difficulty and dependence: two components of the disability continuum among community-living older persons. Ann Intern Med. 1998; 128: 96-101. 7) Ferrucci L, Guralnik JM, et al.: Value of combined assessment of physical health and functional status in community-dwelling aged: a prospective study in Florence, Italy. J Gerontol. 1991; 46: M52-M56. 8) Kempen GI, Miedema I, et al.: The assessment of disability with the Groningen Activity Restriction Scale. Conceptual framework and psychometric properties. Soc Sci Med. 1996; 43: 1601-1610. 9) Rejeski WJ, Ettinger WH Jr, et al.: Assessing performance-related disability in patients with knee osteoarthritis. Osteoarthritis Cartilage. 1995; 3: 157-167. 10) Morris JN, Fries BE, et al.: Comprehensive clinical assessment in community setting: applicability of the MDS-HC. J Am Geriatr Soc. 1997; 45: 1017-1024. 11) Lawton MP: Assessing the competence of older people: Research planning and action for the Elderly: The power and potential of social science, Kent DP, Kastenbaum R, Sherwood S (eds), Human Science Press, New York, 1972, pp122-143. 12) 出村慎一, 佐藤進, 他 : 要介助高齢者の日常生活動作能力評価票の作成. 日本公衛誌. 1999: 46: 25-34. 13) Katz S, Ford AB et al.: Studies of Illness in the Aged: The Index of ADL: A Standardized Measure of Biological and Psychosocial Function. JAMA. 1963; 21: 914-919. 14) Mahoney FI, Barthel DW, et al.: FUNCTOINAL EVALUATION: THE BARTHEL INDEX. Md State Med J. 1965; 14: 61-65. 11 / 12

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