2. 改正の趣旨 背景給与所得控除 公的年金等控除から基礎控除へ 10 万円シフトすることにより 配偶者控除等の所得控除について 控除対象となる配偶者や扶養親族の適用範囲に影響を及ぼさないようにするため 各種所得控除の基準となる配偶者や扶養親族の合計所得金額が調整される 具体的には 配偶者控除 配偶

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1: とは 居住者の配偶者でその居住者と生計を一にするもの ( 青色事業専従者等に該当する者を除く ) のうち 合計所得金額 ( 2) が 38 万円以下である者 2: 合計所得金額とは 総所得金額 ( 3) と分離短期譲渡所得 分離長期譲渡所得 申告分離課税の上場株式等に係る配当所得の金額 申告分

平成19年度市民税のしおり

ワコープラネット/標準テンプレート

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所得控除 基礎控除 配偶者控除などの下記の表に記載されたものをいいます それぞれ一定の要件を満たしている場合は 課税所得金額を計算する際に それぞれの控除が受けられます 個人の県民税 個人の市町村民税 12

第5回基礎問題小委員会 礎5-4

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所得控除 基礎控除 配偶者控除などの下記の表に記載されたものをいいます それぞれ一定の要件を満たしている場合は 課税所得金額を計算する際に それぞれの控除が受けられます 個人の県民税 個人の市町村民税 12

Microsoft Word - 個人住民税について(2018~2022)

Microsoft Word - 個人住民税について

個人市民税 控除・税率等の変遷【市民税課】

(1)制度創設時の考え方

申告者と配偶者の合計所得金額の入力フォーム 申告者 ( 給与の支払いを受ける人 ) の事業所得 雑所得 配当所得 不動産所得 その他の所得の収入金額と必要経費を入力して合計所得金額を計算します 申告者の合計所得金額が 900 万円を超えると 配偶者控除または配偶者特別控除の控除額が変動します 申告者

2. 改正の趣旨 背景の等控除は 給与所得控除とは異なり収入が増加しても控除額に上限はなく 年金以外の所得がいくら高くても年金のみで暮らす者と同じ額の控除が受けられるなど 高所得の年金所得者にとって手厚い仕組みとなっている また に係る税制について諸外国は 基本的に 拠出段階 給付段階のいずれかで課

給与の所得金額の算出速算表 収入金額 給与所得の金額 0 ~ 650, ,000 ~ 1,618,999 収入金額 -650,000 1,619,000 ~ 1,619, ,000 1,620,000 ~ 1,621, ,000 1,622,000 ~ 1,6

第 11 表の 1 平成 25 年度個人の市町村民税の納税義務者等に関する調 所得割のみを納める者 納税義務者 ( 人 ) 所得割額 ( 千円 ) 給与所得者営業等所得者農業所得者その他の所得者給与所得者営業等所得者農業所得者その他の所得者 1 下 関 市

第6回税制調査会 総6-3

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(1) 所得階級別人員 区 分 給与所得者 所得者別内訳 雑所得者 他の区分に該当しない所得者 人人人人人人人人人 70 万円 以下 25,319 1,201 20,012 54, ,063 6, , 万円 12,048 2,039 8,935 22,

税法実務コース 所得税 学習スケジュール 回数 学 習 テ ー マ 内 容 第 1 章 テーマ1 所得税の仕組みテーマ2 所得税額の計算テーマ3 非課税所得 所得税の仕組み 税額計算 所得税が課税されないものについて学習します テーマ1 各種所得金額の計算の概要テーマ2 利子所得テーマ3 配当所得



スライド 1

平成19年度分から

FX取引に係る確定申告について

賦課の根拠となった法律及び条例(その2)

以下の表のように計算されます 総 所 得 金 額 所得控除 課税総所得金額 退職所得金額 雑 損控除額 課税退職所得金額 山林所得金額 土地等に係る事業所得等の金額 土地建物等に係る譲渡所得金額 医療費 社会保険料 小規模企業共済等掛金 生命保険料 地震保険料 配偶者 配偶者特別 課税山林所得金額

所得控除 雑損控除 医療費控除 社会保険料控除等 旧生命保険料控除 旧個人年金保険料控除 ( 実質損失額 - 総所得金額等の合計額 10%) 又は ( 災害関連支出の金額 -5 万円 ) のうち いずれか多い方の金額医療費の実質負担額 -(10 万円と総所得金額等の 5% のいずれか低い金額 ) 限

スライド 1

はしがき 配偶者控除 と 配偶者特別控除 は 昭和 36 年と昭和 62 年の税制改正で導入された歴史ある制度です ここ数年 配偶者控除の改正について様々な議論が行われてきましたが 平成 29 年度税制改正において 就業調整を意識しなくて済む仕組みを構築する観点から配偶者控除と配偶者特別控除の見直し

平成13年度 住民税のしおり

名 : 個人住民税参照メッセージ 1 利用業務ユニット X 2 業務ユニット 1 1 データ連携においてデータを利用する側の業務ユニット ( サービス要求側業務ユニット ) の業務ユニット番号 2 識別番号 X 個人 ( 法人を含む ) を識別する番号 3 相当年度 X 賦

5 事業用の車両等を売却 ( 譲渡 ) した場合の売却益 ( 譲渡益 ) 売却損 ( 譲渡損 ) については 事業所得とはならない 総合課税の譲渡所得 ( 土地 建物以外 ) の扱いになり 所有期間 (5 年超か以下か ) によって長期譲渡所得 短期譲渡所得に区分される 6 使用可能期間が1 年未満

妙高市 税に関するWEBページ

資料5 表紙

(3) 市町村民税の特別徴収義務者に関する調 ( ロ ) 年金特徴に係る分 特別徴収義務者数 ( 単位 : 人 千円 ) 納税義務者数 特別徴収税額 特別徴収税額の内訳 (b)+(c) 納税義務者数うち均等割のみ (a) 所得割額 (b) 均等割額 (c) 高知市 9 19,810 3,962 60

3 ページ 4 ページ 5 ページ 5 6 ページ 7 ページ 8 ページ 8 ページ 9 ページ 10 ページ 2

< 所得控除の詳細 > 1 所得控除額計算一覧表 控除名 控除の詳細 控除額町県民税 控除額 参考 所得税 次の イ と ロ のい 次の イ と ロ のい ずれか多い方の金額 ずれか多い方の金額 災害や盗難等により 本人や本 イ ( 損害金額 - 保険 イ ( 損害金額 - 保険 雑損控除 人と同一

(2) 源泉分離課税制度源泉分離課税制度とは 他の所得と全く分離して 所得を支払う者 ( 銀行 証券会社等 ) がその所得の支払の際に 一定の税率で所得税を源泉徴収し それだけで所得税の納税が完結するものです 1 対象となる所得代表的なものとして 預金等の利子所得 定期積金の給付補てん金等があります

(千円未満切り捨て所得控除額総所得金額年税額 平成 31 年度市県民税の計算方法 ( 鳥取市 ) まず 計算の全体の流れを示すと 以下のようになります - = 課税標準額 ) 所得割の税率 6% 所得割の税率 4% 算出所得割額 調整税額控均等割 = 控除額除額額 算出調整税額控均等割

スライド 1

妙高市 税に関するWEBページ

第2回税制調査会 総2-2

平成19年度税制改正.xls

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PowerPoint プレゼンテーション

平成 31 年度 ( 平成 30 年分 ) 所得控除 雑損控除 納税義務者又はその者と生計同一の配偶者 その他親族が有する資産について 災害 盗難 横領によ る住宅 家財 現金の損害一定額 控除計算 A B いずれか多い方の金額 A:( 損失額 - 保険金等による補てん額 )-( 総所得金額等の合計

不在者財産管理人:

2018年 租税法基礎答練1回

MR通信H22年1月号

平成13年度 住民税のしおり

平成 28 年度市民税 県民税申告の手引き 申告書を提出しなければならない人平成 28 年 1 月 1 日現在 幸手市内に住所を有する人 (1 月 2 日以降に幸手市に転入した人は従前の住所地で申告を行ってください ) ただし 次に該当する人は この申告をする必要はありません 1 平成 27 年分の

平成16年度

給与所得控除額の改正前後の比較 改正前 改正後 給与等の収入金額給与所得控除額給与等の収入金額給与所得控除額 180 万円以下 収入金額 40% 65 万円に満たない場合は 65 万円 180 万円以下 収入金額 40%-10 万円 55 万円に満たない場合は 55 万円 180 万円超 360 万

Microsoft Word - ⟖⟖⟖⟖平拒ï¼fi2年勃給且æfl¯æ›Łå€±å‚−æł¸ã†®è¨Ÿè¼›ã†®ã†Šã†‰ã†�.docx

平成 30 年分給与所得者の扶養控除等 ( 異動 ) 申告書 ( マル扶 ) の手引き 平成 29 年末に記載する際は 平成 30 年 1 月 1 日時点の情報を書きましょう 平成 30 年の年末調整にて再度記入する際は 平成 30 年 12 月 31 日時点の情報に書き換えます X A 9/19

退職金についての市県民税はどうなるの? 私は平成 28 年 4 月に退職しました 勤続 30 年で退職金は 2,100 万円ですがこの退職 金に対する市県民税はいくらですか 通常の市県民税の課税は前年中の所得に対し翌年課税されるしくみになっていますが 退職金に対する課税については 他の所得と分離して

[ 特別控除の一覧 ] 控除の内容 特定扶養親族控除 ( 税法上の扶養親族で満 16 才以上 23 才未満の扶養親族 ) 老人扶養親族 配偶者控除 ( 税法上の扶養親族で満 70 才以上の扶養親族 ) 控除額 1 人につき 250,000 1 人につき 100,000 障がい者控除寡婦 ( 夫 )

項目額等 社会保険料 12 小規模企業 13 共済等掛金 あなたや生計を一にする配偶者などの親族の健康保険 国民健康保険 国民年金 介護保険 後期高齢者医療保険 農業者年金などの保険料を支払っている場合 その支払金額の全額 生計を一にする配偶者などの親族が受け取る公的年金等から天引き ( 特別徴収

平成16年度

改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引

公共債の税金について Q 公共債の利子に対する税金はどのようになっていますか? 平成 28 年 1 月 1 日以後に個人のお客様が支払いを受ける国債や地方債などの特定公社債 ( 注 1) の利子については 申告分離課税の対象となります なお 利子の支払いを受ける際に源泉徴収 ( 注 2) された税金

1 個人の町民税 市町村は 日常生活に欠かすことのできない 道路 橋梁 公園の設備から 教育 福祉 消防 救急 ごみ処理にいたるさまざまな行政サービスを提供しており 必要な経費をできるだけ多くの住民の方々に税金として広く負担していただくものです 町民税は県民税とあわせて一般に住民税と言われており 個

あなたと生計を一にする配偶者やその他の親族が受け取る公的年金等から引き落とされている国民健康保険 料 後期高齢者医療保険料 介護保険料はあなたの控除の対象とはなりませんので御注意ください 5 生命保険料控除 地震保険料控除 について それぞれ該当する欄に昨年中に支払った金額を記入し 以下の計算方法に

2. 改正の趣旨 背景給与所得控除額の変遷 1 昭和 49 年産業構造が転換し会社員が急速に増加 ( 働き方が変化 ) する中 (1) 実際の勤務関連経費が給与所得控除を上回っても 当時は特定支出控除 ( 昭和 63 年導入 ) がなく 会社員は実際の勤務関連経費がいくら高くても実額控除できなかった

3 特別徴収義務者の指定及び特別徴収税額の決定手続 5. 給与所得に係る特別徴収義務者の指定等 ( 法 3の4) 市町村は 特別徴収の方法によって個人の住民税を徴収しようとする場合には 当該年度の初日においてその納税義務者に対して給与の支払いをする者のうち 所得税の源泉徴収義務がある者を 当該市町村

(1) 所得階級別人員 区 分 給与所得者 所得者別内訳 雑所得者 他の区分に該当しない所得者 人人人人人人人人人 101,854 4,401 83, ,004 1, ,147 11, , 万円 48,089 6,650 38,697 47,71

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著作権について 本冊子は著作権法で保護されている著作物であり 本冊子の使用に関しては 以下の点にご注意くださ い 本冊子の著作権は 創企株式会社に属します 創企株式会社の許可なく 本冊子の全部又は一部をいかなる手段においても複製 転載 流用 転売 する事を禁じます 創企株式会社の許可なく 本冊子から

株式等の譲渡(前年からの繰越損失を譲渡所得及び配当所得等から控除)編

控除項目控除額等 12 社会保険料控除 あなたや生計を一にする配偶者などの親族の健康保険 国民健康保険 国民年金 介護保険 後期高齢者医療保険 農業者年金などの保険料を支払っている場合 その支払金額の全額 生計を一にする配偶者などの親族が受け取る公的年金等から天引き ( 特別徴収 ) されている社会

町・県民税は次のように計算されます


Microsoft Word - FP2級法改正情報 doc

特別障害者控除同居特別障害者寡婦控除特別寡婦控除寡夫控除 障害者控除に該当する場合のうち 障害の程度が身体障害者手帳 1 級または2 級の方や療育手帳 AまたはAの場合 また精神障害者手帳 1 級の場合等 納税者の配偶者その他の親族 ( 扶養親族や配偶者控除を受ける配偶者に限る ) が特別障害者でか

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3 総合所得の種類と計算方法 ( 分離所得については市役所にお問い合わせください ) 所得の種類 事業 営農 業 等業 不 動 産 利配給雑 子当与公的年金等その他 ( 総合 ) 譲渡一時 概要農業 漁業 製造業 卸売業 小売業 サービス業その他の事業から生ずる所得建物や土地などの不動産 借地権など

「2 所得税及び復興特別所得税の確定申告書データをお持ちでない方」からの更正の請求書・修正申告書作成編

配当所得は 他の所得と総合し 累進税率を適用して税額を計算しますが 一定の上場株式等の配当等については 他の所得と分離して税額を計算する申告分離課税を選択することができます ただし 申告分離課税を選択すると 配当控除を受けられず 確定申告をする一定の上場株式等の配当等の全てについて総合課税とするか

( その 1) 月収額の計算のしかた 給与所得者の場合 1. 年間総収入の計算あなたが仕事を始めた時期 対 象 の 収 入 金 額 1 現在の勤務先に前年 1 月 1 日以前から引 前年中の年間総収入金額 き続き勤務している方 ( 源泉徴収票の支払金額の欄 ) 2 現在の勤務先に前年 1 月 2 日

市県民税所得課税証明書から年間所得金額を見る場合 平成 年度 ( 平成 年分 ) 市県民税所得課税証明書 住所 羽生市 134 番地 1 氏名 羽生田羽生子 所得の区分 所得金額 所得の区分 所得金額 総所得金額 330,000 所得控除金額 1,500,000 合計所得金額 330,000 課税標

[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

所得金額 所得割の税額計算の基礎は所得金額です 所得金額は 一般に収入金額から必要経費を差し引いて算出されます なお 町県民税は前年中の所得を基準にして計算されますので 例えば 平成 29 年度の町県民税は 平成 28 年中 (1 月 12 月 ) の所得金額が基準となります 所得の種類と所得金額の

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住民税 所得税の税率国から地方への税源移譲に伴い 平成 19 年度から住民税所得割の税率が 10% に統一され 所得税の税率が 4 段階から 7 段階の累進税率に改正されています 住民税については平成 19 年度分 ( 平成 19 年 6 月納付分 ) 所得税については平成 19 年分 ( 平成 1

平成27年度 いばらき県税ガイドブック

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Ⅰ 年の中途で行う年末調整の対象となる人 年末調整は 原則として給与の支払者に 給与所得者の扶養控除等 ( 異動 ) 申告書 ( 以下 扶養控除等申告書 といいます ) を提出している人について その年最後に給与の支払をする時に行うことになっていますので 通常は12 月に行うこととなりますが 次に掲

Q1 市県民税 ( 住民税 ) とはどんな税金ですか? A1 その年の1 月 1 日現在 市内に住所がある個人に対し 前年中の所得 ( 給与 年金 営業 不動産 譲渡などの所得 ) に応じて課税されます また その年の1 月 1 日現在市内に住所がなくても 市内に事務所 事業所又は家屋敷があれば課税

地震保険料 寡婦控除寡夫控除 あなたやあたなと生計を一にする配偶者その他の親族が所有している居住用家屋 生活用動産を保険や共済の目的とする契約で かつ 地震 噴火又は津波等を原因とする火災 損壊等による損害の額を補てんする保険金や共済金が支払われる地震保険 また平成 18 年末までに結んだ保険期間


2. 改正の趣旨 背景税制面では 配偶者のパート収入が103 万円を超えても世帯の手取りが逆転しないよう控除額を段階的に減少させる 配偶者特別控除 の導入により 103 万円の壁 は解消されている 他方 企業の配偶者手当の支給基準の援用や心理的な壁として 103 万円の壁 が作用し パート収入を10

11 控除対象配偶者 問 平成 29 年度税制改正により 控除対象配偶者の規定が変更になったと聞きましたが どのように変更されたのでしょうか 配偶者控除と給与所得者本人の合計所得金額の関係 問 平成 30 年分以後の配偶者控除について 給与所得者本人の合計所得金額が 1,000 万円

平成 31 年度 - 魚沼市 - 市県民税の申告の手引き 今回申告していただく収入 所得は 平成 30 年 1 月 1 日から平成 30 年 12 月 31 日までの 1 年間のものです 提出いただいた申告書は 市県民税 (14 ページ市県民税の概要を参照 ) を算出する資料となるほか 課税証明書


平成 31 年度分 - 北広島市 - 個人住民税 ( 市民税 道民税 ) 申告の手引き 市民税 道民税申告は 市民税 道民税の税額を決定する資料として 1 月 1 日現在にお住まいの市町村に 所得や各種控除を申告するものです この手引きは 市民税 道民税申告書 の記載について一般的な事項を説明してい

Z-64-A 簿記論〔第一問〕-解 答-

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市 県民税 ( 住民税 ) 市民税は 県民税と合わせて住民税と呼ばれ 住民のみなさんがそれぞれの税の負担能力に応じて分担し合うという性格をもつ税金で 個人が負担する個人市民税と 会社などが負担する法人市民税があります 市民税には 均等の額によって納めていただく均等割と 個人の所得に応じて納めていただ

Transcription:

6. 各種控除項目の見直しに伴う調整 1. 改正のポイント (1) 趣旨 背景配偶者や扶養親族が給与所得者や公的年金等所得者の場合 給与所得控除や公的年金等控除の 10 万円引下げに伴い 合計所得金額や総所得金額等が 10 万円増加する その場合 配偶者控除 配偶者特別控除及び扶養控除について 配偶者や扶養親族の合計所得金額を基準とする所得制限額を改正することで 控除の対象となる配偶者や扶養親族の適用範囲に影響を及ぼさないようにする (2) 内容 1 所得控除の基準となる合計所得金額が 10 万円引上げられる ( 所得税 住民税 ) 所得控除 配偶者控除 配偶者特別控除 所得控除の金額 所得税住民税対象改正前改正後 38 26 13 万円 33 22 11 万円納税者本人の合計所得金額により異なる 38~3 26~2 13~1 万円 33~3 22~2 11~1 万円納税者本人 配偶者の合計所得金額により異なる 配偶者の合計所得金額 配偶者の合計所得金額 所得控除の基準となる合計所得金額 38 万円以下 以下 38 万円超 123 万円以下 扶養親族の扶養控除 38 万円 33 万円 38 万円以下 以下合計所得金額 2 住民税 ( 均等割 所得割 ) の非課税の基準となる金額が 10 万円引上げられる 3 家内労働者等の事業所得等の所得計算の特例について 必要経費算入額の最低保障額が 65 万円から55 万円に 10 万円引下げられる (3) 適用時期平成 32 年分以後の所得税 平成 33 年度分以後の個人住民税について適用される 超 133 万円以下 (4) 影響 配偶者又は扶養親族 給与所得者の場合公的年金所得者の場合事業所得者等の場合 ( 注 ) 配偶者控除 配偶者特別控除 扶養控除が適用されるための配偶者又は扶養親族の所得制限額への影響 なしなし所得控除の対象となる配偶者や扶養親族の所得制限額が10 万円拡大する ( 注 ) 青色申告特別控除については 考慮していない 6-1 ( 所得税 住民税 )

2. 改正の趣旨 背景給与所得控除 公的年金等控除から基礎控除へ 10 万円シフトすることにより 配偶者控除等の所得控除について 控除対象となる配偶者や扶養親族の適用範囲に影響を及ぼさないようにするため 各種所得控除の基準となる配偶者や扶養親族の合計所得金額が調整される 具体的には 配偶者控除 配偶者特別控除 扶養控除 勤労学生控除について 所得控除の基準となる配偶者等の合計所得金額が 10 万円増加される 3. 改正の内容 (1) 配偶者 配偶者特別 扶養 勤労学生控除の見直し所得控除の基準となる合計所得金額が 10 万円引上げられる ( 所得税 住民税 ) 所得控除の金額 所得控除の基準となる合計所得金額 所得税住民税対象改正前改正後 900 万円以下 38 万円 ( 4) 33 万円 ( 4) 配偶者控除 900 万円超 950 万円以下 26 万円 ( 4) 22 万円 ( 4) 配偶者 ( 2) の合計所得金額 ( 1) 38 万円以下 以下 950 万円超 1,000 万円以下 13 万円 ( 4) 11 万円 ( 4) 900 万円以下 38 万円 ~3 万円 ( 3) 33 万円 ~3 万円 ( 3) 配偶者特別控除 900 万円超 950 万円以下 26 万円 ~2 万円 ( 3) 22 万円 ~2 万円 ( 3) 配偶者 ( 2) の合計所得金額 ( 1) 38 万円超 123 万円以下 超 133 万円以下 950 万円超 1,000 万円以下 13 万円 ~1 万円 ( 3) 11 万円 ~1 万円 ( 3) ( 1) 合計所得金額とは 各種所得の金額を 所定の手順で合計した金額であり 総合課税 ( 長期譲渡所得と 一時所得については 1/2 後の金額 ) と分離課税の金額を合計した後 過年度の損失の繰越控除や所得控除を する前の金額をいう (6-6 参照 ) ( 預貯金の源泉分離課税となる利子所得や 特定口座で申告不要とした株式譲渡所得や配当所得の金額は含まない ) ( 2) 納税者本人と生計を一にしている配偶者 扶養親族 ( 青色事業専従者で給与の支払を受けるもの及び事業専従者を除く ) ( 3) 配偶者 ( 2) の合計所得金額により異なる ( 4) 老人控除対象配偶者 ( その年の 12 月 31 日現在の年齢が 70 歳以上の人 ) の所得控除の金額は 以下の通り 所得税 住民税 900 万円以下 38 万円 900 万円超 950 万円以下 32 万円 26 万円 950 万円超 1,000 万円以下 16 万円 13 万円 6-2 ( 所得税 住民税 )

3. 改正の内容 所得控除の金額 所得控除の基準となる合計所得金額 所得税住民税対象改正前改正後 38 万円 33 万円 扶養控除 特定扶養親族 :63 万円老人扶養親族 :同居老親 :58 万円 特定扶養親族 :45 万円老人扶養親族 :38 万円同居老親 :45 万円 扶養親族 ( 2) の合計所得金額 ( 1) 38 万円以下 以下 勤労学生控除 27 万円 26 万円 65 万円以下 75 万円以下 (2) 住民税の非課税の基準金額の見直し住民税 ( 均等割 所得割 ) の非課税の基準となる金額が 10 万円引上げられる 非課税の基準となる金額 対象改正前改正後 障害者 未成年者 寡婦 ( 夫 ) に対する住民税の均等割及び所得割 ( 5) の非課税基準額 125 万円以下 135 万円以下 均等割の非課税限度額 所得割の非課税限度額 ( 5) 退職所得に対する分離課税に係る所得割を除く ( 6) 総所得金額等とは 合計所得金額 ( 2) から 純損失 雑損失等の繰越控除をした金額をいう 納税者本人の総所得金額等 ( 6) の金額 ( 7) 配偶者控除の対象となる配偶者又は扶養親族 ( 年少扶養親族を含む ) を有する場合は 基本額 に 加算額 21 万円を上乗せする 6-3 ( 所得税 住民税 ) +21 万円 ( 7) +32 万円 ( 8) 基本額 加算額は 原則として 35 万円 21 万円とするが 各々 35 万円 21 万円を上限として 生活保護基準の級地区分を参酌した金額を条例で定める ( 8) 配偶者控除の対象となる配偶者又は扶養親族 ( 年少扶養親族を含む ) を有する場合は 基本額 に 加算額 32 万円を上乗せする +21 万円 ( 7) +10 万円 +32 万円 ( 8) +10 万円

3. 改正の内容 (3) 家内労働者等の事業所得等の所得計算の特例の見直し家内労働者等 ( 9) については 事業所得や公的年金等以外の雑所得収入金額を限度として 必要経費の額が 65 万円 ( 改正前 ) 未満であっても 所得金額の計算上 65 万円 ( 改正前 ) まで必要経費に算入することが特例として認められる この特例は 主婦 ( 夫 ) が内職をする場合 ( 事業所得又は雑所得 ) とパートに出る場合 ( 給与所得となり給与所得控除が適用される ) とで所得金額に格差が生じるため 両者のバランスを図るべきという趣旨から導入され 平成元年分の所得税から必要経費算入額の最低保障額 65 万円が継続されてきた この度 給与所得控除額の 10 万円引下げを踏まえて 給与所得控除の最低保障額が 65 万円から 55 万円に 10 万円引下げられるのに合わせて この特例の必要経費算入額の最低保障額も同額になるように 10 万円が引下げられる 必要経費算入額の最低保障額 改正前 改正後 65 万円 55 万円 ( 9) この特例の対象となる家内労働者等は 家内労働法に規定する家内労働者や 外交員 集金人 電力量計の検針人のほか 1 特定の者に対して 2 継続的に 3 人的役務提供を行う職種をいう 4. 適用時期 平成 32 年分以後の所得税 平成 33 年度分以後の個人住民税について適用される 6-4 ( 所得税 住民税 )

5. 改正の影響 (1) 配偶者又は扶養親族が給与所得者 公的年金等所得者及びそれ以外 ( 事業所得者等 ) の場合における影響比較 給与所得者の場合 公的年金等所得者の場合 合計所得金額は 10 万円増加するが 配偶者控除 扶養控除の対象となる配偶者 扶養親族の合計所得金額の所得制限額も 10 万円増加するため 改正前後で制限に影響が生じない そのため 控除対象となる配偶者 扶養親族の適用範囲も改正による変更はない それ以外 ( 事業所得者等 ) の場合 青色申告特別控除は考慮していない合計所得金額は増減しないが 配偶者控除 扶養控除の対象となる配偶者 扶養親族の合計所得金額の所得制限額は 10 万円増加する そのため 控除対象となる配偶者 扶養親族の適用範囲は改正により拡大する 合計所得金額の計算例 1 給与所得者の場合 対象改正前改正後 給与収入金額 103 万円 103 万円 給与所得控除 65 万円 55 万円 合計所得金額 38 万円 配偶者控除 扶養控除の合計所得金額の所得制限額 38 万円 影響なし 2 公的年金等所得者の場合 対象改正前改正後 収入金額 108 万円 108 万円 公的年金控除額 70 万円 60 万円 合計所得金額 38 万円以下 以下 配偶者控除 扶養控除の合計所得金額の所得制限額 38 万円 影響なし 3 給与所得者以外 ( 事業所得者等 ) の場合 対象改正前改正後改正後 収入金額 103 万円 103 万円 113 万円 必要経費 65 万円 65 万円 65 万円 合計所得金額 38 万円 38 万円 配偶者控除 扶養控除の合計所得金額の所得制限額 青色申告特別控除は考慮していない 38 万円以下 (2) 所得情報を利用している社会保障制度等 ( 例 : 健康保険料 医療費の自己負担割合 ) 社会保障制度等には 個人 世帯の負担額や給付水準の判断基準として 所得税 個人住民税の所得情報 ( 総所得金額等 ) を利用してい るものがある 今回の税制改正を踏まえ 各所管府省において これらの制度について 再度検討されることが想定される 6-5 ( 所得税 住民税 ) 10 万円増加しても控除 OK

6. 参考 所得税の合計所得金額 総所得金額 課税総所得金額と改正の影響 利子所得の金額 配当所得の金額 総合課税分離課税 不動産所得の金額 事業所得の金額 給与所得の金額 譲渡所得の金額 一時所得の金額 雑所得の金額 山林所得の金額 退職所得の金額 土地等 建物等の譲渡所得の金額 上場株式等に係る配当所得等の金額 株式等に係る譲渡所得等の金額 短期 長期 長期 短期 上場 一般 損 益 通 算 ( 10) 損益通算 1/2 合計所得金額 純損失または雑損失の繰越控除等 ( 10) 総 所 得 金 額 特別控除 所得控除 課税総所得金額 課税山林所得金額 課税退職所得金額 課税長期譲渡所得金額 課税短期譲渡所得金額 上場株式等に係る課税配当所得等の金額 株式等に係る譲渡所得等の金額 < 改正の影響 > 合計所得金額 総所得金額への影響 給与所得者の場合 10 万円増加 公的年金等所得者の場合 それ以外の場合 ( 事業所得者等 ) 課税総所得金額への影響 給与所得者の場合改正の影響なし 公的年金等所得者の場合 それ以外の場合 ( 事業所得者等 ) 10 万円増加 改正の影響なし 改正の影響なし 10 万円減少 先物取引に係る雑所得等の金額 先物取引に係る課税雑所得等の金額 ( 10) マイホームの売却による譲渡損失は一定の要件を満たした場合 損益通算が可能となる 6-6 ( 所得税 住民税 )